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特許7547912表示システム、表示装置、表示方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】表示システム、表示装置、表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240903BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240903BHJP
   G09G 5/12 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
H04N5/74 Z
G09G5/12
G09G5/00 510Q
G09G5/00 555D
G09G5/00 550A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020170069
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2022061861
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】石津 妙子
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-152678(JP,A)
【文献】特開2005-099064(JP,A)
【文献】特開2017-183854(JP,A)
【文献】特開2003-153128(JP,A)
【文献】特開2010-264122(JP,A)
【文献】特開2013-106158(JP,A)
【文献】特開2017-229043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
G09G3/00-3/08
3/12
3/16
3/19-3/26
3/30
3/34
3/38-5/42
H04N5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示装置の再生タイミングを同期させて、画像と音とを含むコンテンツを再生する表示システムであって、
前記表示装置は、
所定の時刻に、前記画像の表示を開始する表示制御部と、
前記所定の時刻に前記音の出力を開始する出力制御部と、
を有し、
前記出力制御部は、前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、又は前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない可能性がある場合、前記音の出力を停止し、
前記表示システムは、前記複数の表示装置による前記コンテンツの再生を制御する再生制御部を有し、
前記再生制御部は、前記複数の表示装置のうち、一の表示装置が、前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、又は前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない可能性がある場合、他の表示装置が出力する前記音の音量を上げる、
示システム。
【請求項2】
前記表示装置は、
前記表示装置を通信ネットワークに接続する通信部と、
前記通信ネットワークを介して、前記表示システムに含まれる他の表示装置と時刻を同期する時刻同期部と、
を有し、
前記出力制御部は、前記通信ネットワークとの接続が切断した場合、前記音の出力を停止する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記再生制御部は、前記一の表示装置と通信できない場合、前記他の表示装置が出力する前記音の音量を上げる、請求項に記載の表示システム。
【請求項4】
前記再生制御部は、前記一の表示装置が前記音の出力を停止するときに、前記複数の表示装置が全体で出力する前記音の音量が変わらないように、前記他の表示装置が出力する前記音の音量を設定する、請求項又はに記載の表示システム。
【請求項5】
前記再生制御部は、前記複数の表示装置が、次の前記所定の時刻に前記音の出力を開始できる場合、前記複数の表示装置が出力する前記音の音量を既定値に戻す、請求項1、3及び4のいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項6】
複数の表示装置の再生タイミングを同期させて、画像と音とを含むコンテンツを再生する表示システムであって、
前記表示装置は、
所定の時刻に、前記画像の表示を開始する表示制御部と、
前記所定の時刻に前記音の出力を開始する出力制御部と、
を有し、
前記出力制御部は、
前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、又は前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない可能性がある場合、前記音の出力を停止し、
記所定の時刻に前記音の出力を開始可能であり、かつ他のプロジェクタが、前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、前記出力制御部が出力する前記音の音量を上げる表示システム。
【請求項7】
1つ以上の他の表示装置と再生タイミングを同期させて、画像と音とを含むコンテンツを再生する表示装置であって、
所定の時刻に、前記画像の表示を開始する表示制御部と、
前記所定の時刻に前記音の出力を開始する出力制御部と、
を有し、
前記出力制御部は
記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、又は前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない可能性がある場合、前記音の出力を停止し、
前記所定の時刻に前記音の出力を開始可能であり、かつ他のプロジェクタが、前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、前記出力制御部が出力する前記音の音量を上げる、表示装置。
【請求項8】
複数の表示装置の再生タイミングを同期させて、画像と音とを含むコンテンツを再生する表示システムにおいて、
前記表示装置が、
所定の時刻に、前記画像の表示を開始する表示制御処理と、
前記所定の時刻に前記音の出力を開始する出力制御処理と、
を実行し、
前記出力制御処理は、前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、又は前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない可能性がある場合、前記音の出力を停止し、
前記表示装置と通信可能な情報端末が、
前記複数の表示装置による前記コンテンツの再生を制御する再生制御処理を実行し、
前記再生制御処理は、前記複数の表示装置のうち、一の表示装置が、前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、又は前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない可能性がある場合、他の表示装置が出力する前記音の音量を上げる、
示方法。
【請求項9】
複数の表示装置の再生タイミングを同期させて、画像と音とを含むコンテンツを再生する表示システムにおいて、
前記表示装置に、
所定の時刻に、前記画像の表示を開始する表示制御処理と、
前記所定の時刻に前記音の出力を開始する出力制御処理と、
を実行させ、
前記出力制御処理は
記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、又は前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない可能性がある場合、前記音の出力を停止し、
前記所定の時刻に前記音の出力を開始可能であり、かつ他のプロジェクタが、前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、前記出力制御処理が出力する前記音の音量を上げる、
ログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示装置、表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプロジェクタを用いて、1つのスクリーンにより大きな画面で画像(動画像、又は静止画像)を表示するマルチプロジェクションシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、入力されたコンテンツデータに含まれる画像を複数のプロジェクタで表示しつつ、画像に対応する音を出力するマルチプロジェクションシステムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、複数のプロジェクタと、複数のプロジェクタを制御する情報処理装置との間を無線通信で接続して、マルチプロジェクションを実現する画像処理システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術は、複数のプロジェクタと、複数のプロジェクタを制御する情報処理装置との間を有線通信で接続しており、複数のプロジェクタから同時に音が出せることが前提となっている。
【0006】
一方、特許文献2に開示された技術のように、複数のプロジェクタと、情報処理装置との間を無線通信で接続する表示システムでは、ネットワークの問題等により、各プロジェクタが再生する画像及び音の出力タイミングに誤差が生じてしまう場合がある。このような場合、複数のプロジェクタから異なる再生タイミングで音が出力されてしまうという問題がある。
【0007】
なお、利用者は、動画像の再生タイミングの誤差より、音の再生タイミングの誤差を感知し易いため、複数のプロジェクタから異なる再生タイミングで音が出力されてしまうと、利用者に不快感を与えてしまう場合がある。
【0008】
このような問題は、複数のプロジェクタを用いて大画面を表示するマルチプロジェクションシステムに限られず、例えば、ディスプレイ等の複数の表示装置の再生タイミングを同期させて、大画面を表示する表示システムにも共通に存在する。
【0009】
本発明の一実施の形態は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、複数の表示装置の再生タイミングを同期させて、画像と音とを含むコンテンツを再生する表示システムにおいて、複数の表示装置から異なる再生タイミングで音が出力されてしまうことを抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る表示システムは、複数の表示装置の再生タイミングを同期させて、画像と音とを含むコンテンツを再生する表示システムであって、前記表示装置は、所定の時刻に、前記画像の表示を開始する表示制御部と、前記所定の時刻に前記音の出力を開始する出力制御部と、を有し、前記出力制御部は、前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、又は前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない可能性がある場合、前記音の出力を停止し、前記表示システムは、前記複数の表示装置による前記コンテンツの再生を制御する再生制御部を有し、前記再生制御部は、前記複数の表示装置のうち、一の表示装置が、前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない場合、又は前記所定の時刻に前記音の出力を開始できない可能性がある場合、他の表示装置が出力する前記音の音量を上げる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施の形態によれば、複数の表示装置の再生タイミングを同期させて、画像と音とを含むコンテンツを再生する表示システムにおいて、複数の表示装置から異なる再生タイミングで音が出力されてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る表示システムのシステム構成の例を示す図である。
図2】一実施形態に係るプロジェクタのハードウェア構成の例を示す図である。
図3】一実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】一実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の別の一例を示す図である。
図5】一実施形態に係る表示システムの機能構成の一例を示す図である。
図6】一実施形態に係る表示システムの機能構成の別の一例を示す図である。
図7】一実施形態に係る再生制御部の機能構成の例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る表示システムの処理の例を示すシーケンス図である。
図9】第1の実施形態に係る音の出力開始時の処理の例を示すフローチャートである。
図10】第1の実施形態に係るプロジェクタの処理の例を示すシーケンス図である。
図11】第2の実施形態に係る表示システムの処理の例を示すシーケンス図(1)である。
図12】第2の実施形態に係る表示システムの処理の例を示すシーケンス図(2)である。
図13】第2の実施形態に係るプロジェクタの処理の例を示すシーケンス図である。
図14】第3の実施形態に係る表示システムの処理の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0014】
<システムの構成>
図1は一実施形態に係る表示システムのシステム構成の例を示す図である。表示システム100は、例えば、複数のプロジェクタ101-1、101-2、101-3と、情報端末102とを含む。複数のプロジェクタ101-1~101-3と、情報端末102とは、例えば、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント103を介して、無線通信104で互いに通信可能に接続されている。なお、以下の説明において、複数のプロジェクタ101-1~101-3のうち、任意のプロジェクタを示す場合、「プロジェクタ101」を用いる。また、図1に示す複数のプロジェクタ101の数は一例であり、複数のプロジェクタ101の数は、2台以上の他の数であっても良い。
【0015】
プロジェクタ(表示装置)101は、投影面107に画像(動画像、又は静止画像)を表示(投影)する画像投影装置である。また、図1の例では、各プロジェクタ101は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ105等の外部記憶装置が接続されている。なお、USBメモリ105は、プロジェクタ101が表示(投影)するコンテンツを記憶する記憶部の一例である。プロジェクタ101が表示するコンテンツを記憶する記憶部は、例えば、プロジェクタ101の内部のストレージデバイス等であっても良いし、ネットワーク上のストレージサーバ等であっても良い。ここでは、一例として、プロジェクタ101が表示するコンテンツを記憶する記憶部が、USBメモリ105であるものとして、以下の説明を行う。
【0016】
各プロジェクタ101に接続されたUSBメモリ105には、各プロジェクタ101が、投影面107に画像を表示(投影)するための画像データと、スピーカ106から音を出力するための音データとが予め記憶されている。例えば、プロジェクタ101-1に接続されたUSBメモリ105には、投影面107に表示する動画像109のうち、プロジェクタ101-1の投影範囲108-1に表示する動画像の画像データと、画像とともに出力する音の音データとが記憶されている。また、プロジェクタ101-2に接続されたUSBメモリ105には、投影面107に表示する動画像109のうち、プロジェクタ101-2の投影範囲108-2に表示する動画像の画像データと、画像とともに出力する音の音データとが記憶されている。同様に、プロジェクタ101-3に接続されたUSBメモリ105には、投影面107に表示する動画像109のうち、プロジェクタ101-3の投影範囲108-3に表示する動画像の画像データと、画像とともに出力する音の音データとが記憶されている。
【0017】
なお、各プロジェクタ101に接続されたUSBメモリ105に記憶される画像データ、及び音データ(以下、コンテンツデータと呼ぶ)は、例えば、特許文献1に示されるような、従来の技術を適用して作成することができる。本実施形態は、図1に示すような表示システム100におけるコンテンツの再生時の問題を解消するものであり、コンテンツデータの作成方法は任意の方法で良いので、ここでは、USBメモリ105に記憶するコンテンツデータの作成方法に関する説明は省略する。
【0018】
情報端末102は、利用者が利用するPC(Personal Computer)、スマートフォン、又はタブレット端末等の情報処理装置である。情報端末102は、表示システム100に対応するアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行することにより、複数のプロジェクタ101-1~101-3による画像の表示、及び音の出力を制御する。例えば、情報端末102は、利用者の操作等に応じて、コンテンツデータの再生を開始する再生開始時刻を含む再生指示を、複数のプロジェクタ101-1~101-3に送信する。また、情報端末102は、複数のプロジェクタ101-1~101-3が出力する音の音量の制御等も行う。
【0019】
上記のシステム構成において、各のプロジェクタ101は、無線通信104を用いて、他のプロジェクタ101と時刻の同期を行う。具体的な一例として、プロジェクタ101-1は、時刻同期サーバの機能を有し、他のプロジェクタ101-2、101-3は、時刻同期クライアントの機能を有する。複数のプロジェクタ101-2、101-3は、無線通信104でプロジェクタ101-1と通信を行い、例えば、NTP(Network Time Protocol)等の時刻同期プロトコルで、プロジェクタ101-1と時刻を同期する。
【0020】
また、各プロジェクタ101は、例えば、情報端末102から通知された再生開始時刻になると、USBメモリ105に記憶されたコンテンツデータを用いて、動画像109の少なくとも一部を表示すると共に、動画像109に対応する音を出力する。
【0021】
しかし、図1に示すように、無線通信104で複数のプロジェクタ101の間の時刻を同期する表示システム100では、無線通信104の干渉又は遅延等により、各プロジェクタ101が再生する画像及び音の出力タイミングに誤差が生じてしまう場合がある。このような場合、利用者は、動画像109の再生タイミングの誤差より、音の再生タイミングの誤差を感知し易いため、音の再生タイミングの誤差を不快と感じてしまう場合がある。
【0022】
そこで、本実施形態に係る表示システム100は、例えば、プロジェクタ101-3が、所定の時刻に音の出力を開始できない場合、又は所定の時刻に音の出力を開始できない可能性がある場合、プロジェクタ101-3による音の出力を停止する。これにより、表示システム100は、例えば、所定の時刻に音の出力を開始できるプロジェクタ101-1、101-2のみが音を出力するので、複数のプロジェクタ101から異なる再生タイミングで音が出力されてしまうことを抑制することができる。
【0023】
好ましくは、表示システム100は、プロジェクタ101-3が出力する音を停止する場合、複数のプロジェクタ101-1~101-3が全体で出力する音の音量が小さくならないように、プロジェクタ101-1、101-2が出力する音の音量を上げる。また、表示システム100は、プロジェクタ101-2、101-3が出力する音を停止する場合、複数のプロジェクタ101-1~101-3が全体で出力する音の音量が小さくならないように、プロジェクタ101-1が出力する音の音量をさらに上げる。
【0024】
このように、本実施形態に係る表示システム100では、複数のプロジェクタ101のいずれかが、所定の時刻に音の出力を開始できない場合でも、複数のプロジェクタ101から出力される音のずれを抑制することができる。また、表示システム100は、例えば、プロジェクタ101-3が音の出力を停止した場合でも、他のプロジェクタ101-1、101-2の音量を上げて、表示システム100が全体で出力する音の音量を維持することができる。
【0025】
なお、図1に示す表示システム100のシステム構成は一例である。例えば、情報端末102の機能は、複数のプロジェクタ101-1~101-3のうちの1つのプロジェクタ(例えば、プロジェクタ101-1)が有していても良い。また、表示システム100は、複数のプロジェクタ101に代えて、例えば、ディスプレイ等の複数の表示装置を用いて、動画像109を表示するものであっても良い。さらに、各プロジェクタ101は、USBメモリ105に代えて、プロジェクタ内部のストレージデバイス等に、コンテンツデータを予め記憶しておくものであっても良い。さらにまた、複数のプロジェクタ101-1~101-3、及び情報端末102のうちの一部、又は全部は、有線通信でネットワークに接続されていても良い。
【0026】
<ハードウェア構成>
(プロジェクタのハードウェア構成)
図2は、一実施形態に係るプロジェクタのハードウェア構成の例を示す図である。図2に示すように、プロジェクタ101は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、メディアI/F(Interface)205、操作部206、電源スイッチ207、ネットワークI/F208、音出力I/F209、スピーカ106、外部機器接続I/F(Interface)210、ファン駆動回路211、冷却ファン212、LED(Light Emitting Diode)駆動回路213、LED光源214、投写デバイス215、投写レンズ216、及びバスライン218等を備えている。
【0027】
これらのうち、CPU201は、プロジェクタ101全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。メディアI/F205は、例えば、USBメモリ105等の外部記憶装置であるメディア204に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。なお、USBメモリ105は、外部機器接続I/F210に接続されるものであっても良い。
【0028】
操作部206は、種々のキー、ボタン及びLED等が配設されており、ユーザによるプロジェクタ101の電源のオン、及びオフ以外の各種操作を行うのに使用される。操作部206は、例えば、投写画像の大きさの調整操作、色調の調整操作、ピント調整操作、又はキーストン調整操作等の指示操作を受け付けて、受け付けた操作内容をCPU201に出力する。電源スイッチ207は、プロジェクタ101の電源のオン、及びオフ操作を受け付けるスイッチである。
【0029】
ネットワークI/F208は、例えば、無線LAN、又は有線LAN等のプロジェクタ101をネットワークに接続するためのインタフェースである。音出力I/F209は、CPU201からの制御に従って、スピーカ106から音を出力するための回路である。外部機器接続I/F210は、プロジェクタ101に外部機器(例えば、情報端末102、USBメモリ105等)を接続するためのインタフェースである。
【0030】
ファン駆動回路211は、CPU201及び冷却ファン212に接続されており、CPU201からの制御信号に基づいて、冷却ファン212の駆動、及び駆動停止を行う。冷却ファン212は、回転することで、プロジェクタ101内部の空気を排気して、プロジェクタ101内部を冷却する。
【0031】
LED駆動回路213は、CPU201の制御下で、LED光源214等の点灯及び消灯を制御する。LED光源214は、LED駆動回路213の制御によって点灯されると、投写光を投写デバイス215に照射する。投写デバイス215は、例えば、外部機器接続I/F210等を介して与えられた画像データに基づいて、空間光変調方式によりLED光源214からの投写光を変調して得た変調光を、投写レンズ216を通して、スクリーンの投写面へ画像として投写する。投写デバイス215としては、例えば、液晶パネルまたはDMD(Digital Micromirror Device)等が用いられている。上記LED駆動回路213、LED光源214、投写デバイス215及び投写レンズ216は、全体として、画像データに基づいて投写面に投写画像を投写する投写部(投写手段)として機能する。
【0032】
バスライン218は、図2において、バスライン218に接続されている各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0033】
上記の構成において、CPU201は、電源電力が供給されると、ROM202に予め記憶されている制御プログラムに従って起動し、LED駆動回路213に制御信号を与えてLED光源214を点灯させる。また、CPU201は、ファン駆動回路211に制御信号を与えて冷却ファン212を所定の定格回転数で回転させる。さらに、プロジェクタ101は、電源電力の供給が開始されると、投写デバイス215が画像表示可能状態になり、更に、他の種々の構成要素へ電源電力が供給される。
【0034】
また、プロジェクタ101は、電源スイッチ207がオフ操作されると、電源スイッチ207から電源オフ信号がCPU201に送られ、CPU201は、電源オフ信号を検知すると、LED駆動回路213へ制御信号を与えてLED光源214を消灯させる。CPU201は、その後、所定時間が経過すると、ファン駆動回路211へ制御信号を与えて冷却ファン212を停止させるとともに、自身で自身の制御処理を終了させ、最後に電源回路へ指示を与えて電源電力の供給を停止させる。
【0035】
なお、図2に示すプロジェクタ101のハードウェア構成は一例である。例えば、プロジェクタ101は、内部にストレージデバイスを有していても良い。
【0036】
(情報端末のハードウェア構成1)
図3は、一実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。この図は、情報端末102の一例であるPC300のハードウェア構成の例を示している。
【0037】
PC300は、例えば、CPU301、ROM302、RAM303、HD(Hard Disk)304、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ305、ディスプレイ306、外部機器接続I/F307、ネットワークI/F308、キーボード309、ポインティングデバイス310、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ312、メディアI/F314、及びバスライン315等を備えている。
【0038】
これらのうち、CPU301は、PC300の全体の動作を制御する。ROM302は、例えば、IPL(Initial Program Loader)等のCPU301の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、例えば、CPU301のワークエリア等として使用される。HD304は、例えば、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ305は、CPU301の制御に従ってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0039】
ディスプレイ306は、例えば、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種の情報を表示する。外部機器接続I/F307は、PC300に外部装置(例えば、カメラ、USBメモリ等)を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F308は、PC300をアクセスポイント103、又は通信ネットワーク等に接続するための通信インタフェースである。キーボード309は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス310は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。
【0040】
DVD-RWドライブ312は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW311に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW311は、DVD-RWに限らず、他の記録媒体であっても良い。メディアI/F314は、例えば、フラッシュメモリやメモリカード等のメディア313に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン315は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
【0041】
(情報端末のハードウェア構成2)
図4は、一実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の別の一例を示す図である。この図は、情報端末102が、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末400である場合のハードウェア構成の例を示している。
【0042】
図4に示されているように、携帯端末400は、CPU401、ROM402、RAM403、ストレージデバイス404、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405、撮像素子I/F406、センサ407、メディアI/F409、GPS(Global Positioning System)受信部410等を備えている。
【0043】
これらのうち、CPU401は、所定のプログラムを実行することにより携帯端末400の全体の動作を制御する。ROM402は、例えば、IPL等のCPU401の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。ストレージデバイス404は、OS、及びアプリ等のプログラム、及び各種のデータ等を記憶する大容量の記憶装置であり、例えば、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュROM等によって実現される。
【0044】
CMOSセンサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、携帯端末400は、CMOSセンサ405に代えて、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段を有していても良い。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。センサ407は、例えば、地磁気を検知する電子磁気コンパス、ジャイロコンパス、及び加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等のメディア(記憶メディア)408に対するデータの読み出し、及び書き込みを制御する。GPS受信部410は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0045】
また、携帯端末400は、遠距離通信回路411、遠距離通信回路411用のアンテナ411a、CMOSセンサ412、撮像素子I/F413、マイク414、スピーカ415、音入出力I/F416、ディスプレイ417、外部機器接続I/F418、近距離通信回路419、近距離通信回路419用のアンテナ419a、及びタッチパネル420を備えている。
【0046】
これらのうち、遠距離通信回路411は、携帯端末400を、アクセスポイント103が提供する無線LAN、及びはWAN(Wide Area Network)のネットワークに接続するための通信インタフェースである。CMOSセンサ412は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F413は、CMOSセンサ412の駆動を制御する回路である。マイク414は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ415は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F416は、CPU401の制御に従ってマイク414及びスピーカ415との間で音信号の入出力を処理する回路である。
【0047】
ディスプレイ417は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F418は、携帯端末400に外部装置(例えば、USBメモリ等)を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路419は、近距離無線通信を行う回路である。タッチパネル420は、利用者がディスプレイ417を押下することで、携帯端末400を操作する入力手段の一種である。
【0048】
また、携帯端末400は、バスライン421を備えている。バスライン421は、図4に示すように、バスライン421に接続されている各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0049】
<機能構成>
図5は、一実施形態に係る表示システムの機能構成の一例を示す図である。なお、図5において、プロジェクタ101-3は、プロジェクタ101-2と同じ機能構成を有しているものとする。
【0050】
(プロジェクタの機能構成)
各プロジェクタ101は、例えば、図2のCPU201が、ROM202又はRAM203等に記憶されたプログラムを実行することにより、通信部501、時刻同期部502、コンテンツ取得部503、コンテンツ処理部504、ジョブ管理部505、操作受付部506、表示制御部507、出力制御部508、及び記憶部509等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部はハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0051】
通信部501は、例えば、図2のネットワークI/F208を用いて、プロジェクタ101をネットワークに接続し、他の装置と通信する通信処理を実行する。図5の例では、通信部501は、無線LAN通信で、プロジェクタ101をアクセスポイント103に接続する。
【0052】
時刻同期部502は、通信部501を介して、他のプロジェクタ101等と通信を行い、他のプロジェクタ101等と時刻を同期する時刻同期処理を実行する。図5の例では、プロジェクタ101-1の時刻同期部502aは、サーバ(時刻同期サーバ)に設定され、プロジェタクタ101-2、101-3の時刻同期部502bは、クライアント(時刻同期クライアント)に設定されている。時刻同期部(クライアント)502bは、通信部501を介して、時刻同期部(サーバ)502aと通信を行い、例えば、NTP等の時刻同期プロトコルで、時刻同期部(サーバ)502aと時刻を同期する。
【0053】
コンテンツ取得部503は、例えば、USBメモリ105等からコンテンツデータを取得するコンテンツ取得処理を実行する。なお、コンテンツ取得部503は、USBメモリ105に限られず、例えば、プロジェクタ101の内部のストレージデバイス、又は外部のストレージサーバ等からコンテンツデータを取得するものであっても良い。
【0054】
コンテンツ処理部504は、コンテンツ取得部503が取得したコンテンツデータから、表示制御部507が再生する画像データ、及び出力制御部508が再生する音データ等を作成する処理を実行する。例えば、コンテンツ処理部504は、コンテンツデータが圧縮されている場合は解凍する。また、コンテンツ処理部504は、必要に応じて、コンテンツデータを画像データと音データに分離する分離処理、画像データ及び音データとをデコードするデコード処理、画像データをプロジェクタ101の解像度に合わせて変倍する変倍処理等を実行する。
【0055】
ジョブ管理部505は、プロジェクタ101が、画像データ及び音データを含むコンテンツデータを再生するジョブ(画像投影ジョブ)を管理するジョブ管理処理を実行する。例えば、ジョブ管理部505は、再生制御部512が送信する再生指示を受け付ける。また、ジョブ管理部505は、再生指示に含まれる再生開始時刻に、コンテンツ取得部503、コンテンツ処理部504、表示制御部507、及び出力制御部508等を制御して、コンテンツデータを再生する。
【0056】
操作受付部506は、例えば、図2の操作部206等を用いて、利用者による操作を受け付ける操作受付処理を実行する。
【0057】
表示制御部507は、例えば、ジョブ管理部505からの制御に従って、再生開始時刻(所定の時刻)に、コンテンツ処理部504が処理した画像データを用いて画像の表示を開始する表示制御処理を実行する。例えば、図1において、プロジェクタ101-1の表示制御部507は、再生開始時刻に、プロジェクタ101-1の投影範囲108-1に、動画像109の一部を表示(投影)する。同様に、プロジェクタ101-2の表示制御部507は、再生開始時刻に、プロジェクタ101-2の投影範囲108-2に、動画像109の一部を表示する。なお、表示制御部507は、ジョブ管理部505からの制御によらずに、自律的に表示制御処理を実行しても良い。
【0058】
出力制御部508は、例えば、ジョブ管理部505からの制御に従って、再生開始時刻(所定の時刻)に、コンテンツ処理部504が処理した音データを用いて音の出力を開始する出力制御処理を実行する。また、出力制御部508は、再生開始時刻に音の出力を開始できない場合、又は再生開始時刻に音の出力を開始できない可能性がある場合、音の出力を停止する。
【0059】
例えば、出力制御部508は、音を出力する準備が完了したときに、既に再生開始時刻を過ぎている場合、再生開始時刻に音の出力を開始できないと判断し、音の出力を中止する。また、出力制御部508は、再生開始時刻に音の出力を開始できない場合、音の出力を開始できないことを示す出力不可通知を、再生制御部512に通知する。
【0060】
また、出力制御部508は、通信部501がネットワークの切断を検知した場合、時刻同期ができないため、再生開始時刻に音の出力を開始できない可能性があると判断し、音の出力を中止しても良い。
【0061】
記憶部509は、例えば、CPU201によって実行されるプログラム、及びRAM203(又はプロジェクタ101が備えるストレージデバイス)等によって実現され、再生制御部512から通知された再生指示等の様々な情報又はデータを記憶する。
【0062】
(情報端末の機能構成)
情報端末102は、情報端末102が備えるCPU(例えば、図3のCPU301、又は図4のCPU401)が、所定のプログラムを実行することにより、通信部511、再生制御部512、及び記憶部513等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部はハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0063】
通信部511は、情報端末102が備える通信インタフェース(例えば、図3のネットワークI/F308、又は図4の遠距離通信回路411等)を用いて、情報端末102をネットワークに接続し、他の装置と通信する通信処理を実行する。図5の例では、通信部511は、無線LAN通信で、プロジェクタ101をアクセスポイント103に接続する。
【0064】
再生制御部512は、複数のプロジェクタ101-1~101-3によるコンテンツの再生(例えば、動画像109の表示、及び動画像109に対応する音の出力)を制御する。再生制御部512は、例えば、図7に示すように、再生時刻制御部701、状態管理部702、及び音量制御部703等を含む。
【0065】
再生時刻制御部701は、例えば、利用者による設定操作、又は予め設定されたスケジュール等に従って、コンテンツデータの再生開始時刻を含む再生指示を、複数のプロジェクタ101-1~101-3に通知する。
【0066】
状態管理部702は、複数のプロジェクタ101-1~101-3の状態を管理する。例えば、状態管理部702は、プロジェクタ101が、再生開始時刻に音を出力できないことを通知する出力不可通知を受け付ける。また、状態管理部702は、定期的に、プロジェクタ101がネットワークに接続されているか否かを確認する。
【0067】
音量制御部703は、複数のプロジェクタ101-1~101-3が出力する音の音量の制御等を行う。例えば、音量制御部703は、プロジェクタ101-3が出力する音を停止する場合、複数のプロジェクタ101-1~101-3が全体で出力する音の音量が小さくならないように、プロジェクタ101-1、101-2が出力する音の音量を上げる。また、表示システム100は、プロジェクタ101-2、101-3が出力する音を停止する場合、複数のプロジェクタ101-1~101-3が全体で出力する音の音量が小さくならないように、プロジェクタ101-1が出力する音の音量をさらに上げる。
【0068】
例えば、音量制御部703は、音を停止するプロジェクタ101の音量をV1とし、音を出力するプロジェクタ101の数をNとすると、
(変更後の音量)=(変更前の音量)+(音量V1)/(プロジェクタの数N)
となるように、音を出力するプロジェクタ101の音量を変更する。これにより、表示システム100が全体として出力する音量の変化を抑制することができる。
【0069】
なお、図5に示した表示システム100の機能構成は一例である。表示システム100は、例えば、図6に示すような機能構成を有していても良い。
【0070】
図6の例では、図5において、情報端末102が有していた再生制御部512を、プロジェクタ101-1が有している。このように、表示システム100は、コンテンツデータを再生するときには、情報端末102を有していなくても良い。
【0071】
なお、図5、6に示した表示システム100の機能構成は一例であり、様々な変形、又は応用が可能である。例えば、プロジェクタ101-1が有する時刻同期部(サーバ)502aは、時刻同期部(クライアント)502bであっても良い。この場合、複数のプロジェクタ101-1~101-3の時刻同期部(クライアント)502bは、外部の時刻同期サーバ等を利用して、時刻を同期すれば良い。また、コンテンツ取得部503、コンテンツ処理部504、及びジョブ管理部505が備える機能のうち、画像データの再生に関する機能は、表示制御部507が有していても良い。同様に、コンテンツ取得部503、コンテンツ処理部504、及びジョブ管理部505が備える機能のうち、音データの再生に関する機能は、出力制御部508が有していても良い。
【0072】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る表示方法の処理の流れについて説明する。
【0073】
[第1の実施形態]
(表示システムの処理)
図8は、第1の実施形態に係る表示システムの処理の例を示すシーケンス図である。なお、図8以降のシーケンス図において、再生制御部512は、図5に示すように情報端末102に含まれていても良いし、図6に示すようにプロジェクタ101-1等に含まれていても良い。ここでは、説明を容易にするため、再生制御部512が情報端末102に含まれているものとして、以下の説明を行う。
【0074】
ステップS801~S803において、再生制御部512の音量制御部703は、プロジェクタ101-1~101-3から、各プロジェクタ101に設定されている音量(既定の音量)を取得し、記憶部513等に記憶する。なお、各プロジェクタ101の音量は、例えば、利用者(又は管理者)等により、適切な値に予め設定されているものとする。
【0075】
ステップS804において、再生制御部512の再生時刻制御部701は、通信部511を介して、プロジェクタ101-1の時刻同期部(サーバ)502aと通信を行い、所定の時刻同期プロトコルで、プロジェクタ101-1と現在時刻を同期する。
【0076】
ステップS805~S807において、再生制御部512の再生時刻制御部701は、通信部511を介して、プロジェクタ101-1~101-3に、再生開始時刻を含む再生指示を送信する。
【0077】
ステップS808において、プロジェクタ101-2の時刻同期部(クライアント)502bは、プロジェクタ101-1の時刻同期部(サーバ)502aと通信を行い、所定の時刻同期プロトコルで、プロジェクタ101-1と現在時刻を同期する。同様に、ステップS809において、プロジェクタ101-3の時刻同期部(クライアント)502bは、プロジェクタ101-1の時刻同期部(サーバ)502aと通信を行い、所定の時刻同期プロトコルで、プロジェクタ101-1と現在時刻を同期する。
【0078】
なお、プロジェクタ101-2、101-3の時刻同期部(クライアント)502bが接続するプロジェクタ101-1の情報は、予め設定されているものであっても良いし、再生制御部512が再生指示で指示するもの等であっても良い。
【0079】
ステップS810~S812において、プロジェクタ101-1~101-3のジョブ管理部505は、USBメモリ105等に予め記憶したコンテンツデータに基づいて、動画像109、及び音を出力する再生処理を実行する。
【0080】
ここでは、説明用の一例として、プロジェクタ101-1、101-2は、再生開始時刻に動画像109の表示、及び音の出力を開始することができるものとする。一方、プロジェクタ101-3は、ステップS813において、再生開始時刻に音を出力できないことを検知したものとする。
【0081】
なお、各プロジェクタ101は、例えば、図9に示すような、音の出力開始時の処理を実行することにより、再生開始時刻に音を出力できないことを検知することができる。図9は、第1の実施形態に係る音の出力開始時の処理の例を示すフローチャートである。
【0082】
ステップS901において、プロジェクタ101の出力制御部508が音の出力準備を完了したとき、出力制御部508は、ステップS902の処理を実行する。
【0083】
ステップS902において、出力制御部508は、現在の時刻が、再生指示で指定された再生開始時刻を過ぎているか否かを判断する。現在の時刻が再生開始時刻を過ぎている場合、出力制御部508は、処理をステップS903に移行させる。一方、現在の時刻が再生開始時刻を過ぎていない場合、出力制御部508は、処理をステップS904に移行させる。
【0084】
ステップS903に移行すると、出力制御部508は、再生開始時刻に音を再生不可と判断する。一方、ステップS904に移行すると、出力制御部は、再生開始時刻に音の出力を開始する。
【0085】
ここで、図8に戻り、表示システムの処理の説明を続ける。
【0086】
ステップS814において、プロジェクタ101-3の出力制御部508は、再生開始時刻に音の出力を開始できないことを示す出力不可通知を、再生制御部512に通知する。なお、出力制御部508は、ジョブ管理部505を介して、出力不可通知を再生制御部512に通知しても良い。
【0087】
ステップS815において、プロジェクタ101-3の出力制御部508は、音の出力を停止する。ここで、音の出力を停止するとは、音の再生処理を停止することに限られず、例えば、出力する音の音量を十分に小さい値に設定する等、実質的に利用者に音が聞こえないようにする様々な制御が含まれ得る。
【0088】
ステップS816において、再生制御部512の音量制御部703は、他のプロジェクタ101-1、101-2が出力する音の音量が、現在の音量より大きくなるように、プロジェクタ101-1、101-2の音量を決定する。
【0089】
好ましくは、音量制御部703は、プロジェクタ101-3が音の出力を停止した場合でも、表示システム100が全体で出力する音の音量が低下しないように(又は音量の低下を抑制するように)、プロジェクタ101-1、101-2の音量を上げる。
【0090】
ステップS817、S818において、再生制御部512の音量制御部703は、プロジェクタ101-1、101-2に、ステップS816で決定した音量への変更を指示する。
【0091】
ステップS819において、プロジェクタ101-1の出力制御部508は、再生制御部512からの指示に従って、出力している音の音量を変更する。同様に、ステップS820において、プロジェクタ101-2の出力制御部508は、再生制御部512からの指示に従って、出力している音の音量を変更する。
【0092】
(プロジェクタの処理)
図10は、第1の実施形態に係るプロジェクタの処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、プロジェクタ101が、再生制御部512から、再生開始時刻を含む再生指示を受信したときに実行する処理の一例を示している。
【0093】
ステップS1001において、プロジェクタ101の通信部501は、再生制御部512から、再生開始時刻を含む再生指示を受信する。これに応じて、ステップS1002において、通信部501は、受信した再生指示をジョブ管理部505に通知する。
【0094】
ステップS1003において、ジョブ管理部505は、コンテンツ取得部503を用いて、例えば、USBメモリ105等から、画像データ、及び音データを含むコンテンツデータを取得する。
【0095】
ステップS1004において、ジョブ管理部505は、コンテンツ処理部504を用いて、取得したコンテンツデータから、表示制御部507が動画像109を表示するための画像データ、及び出力制御部508が音を出力するための音データを作成する。例えば、コンテンツ処理部504は、コンテンツデータから画像データを取得してデコードし、必要に応じてプロジェタクタ101の解像度に合わせて変倍することにより、動画像109を表示するための画像データを作成する。また、コンテンツ処理部504は、コンテンツデータから音データを取得してデコードすることにより、音を出力するための音データを作成する。
【0096】
なお、ジョブ管理部505は、USBメモリ105等に、上記の処理が不要な形式で画像データ、及び音データが記憶されている場合、ステップS1004の処理を省略しても良い。
【0097】
ステップS1005において、ジョブ管理部505は、作成した画像データに基づいて動画像109の表示を指示する画像表示指示を、表示制御部507に通知する。この画像表示指示には、動画像109の表示を開始する再生開始時刻を示す情報が含まれる。
【0098】
ステップS1006において、ジョブ管理部505は、作成した音データに基づいて音の出力を指示する音出力指示を、出力制御部508に通知する。この音出力指示には、音の出力を開始する再生開始時刻を示す情報が含まれる。
【0099】
ステップS1007において、表示制御部507は、ジョブ管理部505から画像表示指示を受け付けると、時刻同期部502から現在の時刻を取得する。同様に、ステップS1008において、出力制御部508は、ジョブ管理部505から音出力指示を受け付けると、時刻同期部502から現在の時刻を取得する。
【0100】
なお、ステップS1007、S1008において、時刻同期部502が、時刻同期サーバである場合、時刻同期部502は、自己が管理している現在の時刻を、表示制御部507、及び出力制御部508に通知する。一方、時刻同期部502が、時刻同期クライアントである場合、時刻同期部502は、時刻同期サーバと時刻を同期した上で、現在の時刻を、表示制御部507、及び出力制御部508に通知する。
【0101】
ステップS1009において、表示制御部507は、再生開始時刻に、動画像109の表示を開始する。
【0102】
一方、ステップS1010において、出力制御部508は、例えば、図9で説明した処理により、再生開始時刻に音を再生不可と判断するものとする。この場合、出力制御部508は、ステップS1011において、再生開始時刻に音を再生不可であることを、ジョブ管理部505に通知する。
【0103】
ステップS1012において、ジョブ管理部505は、音の出力停止を出力制御部508に指示する。これに応じて、ステップS1013において、出力制御部508は、音の出力を停止する。
【0104】
なお、ステップS1012、S1013に示した処理は一例である。例えば、出力制御部508は、ステップS1010において、再生開始時刻に音を再生不可と判断したときに、ジョブ管理部505からの指示によらずに、音の出力を停止しても良い。
【0105】
ステップS1014、S1015において、ジョブ管理部505は、再生開始時刻に音を再生不可であることを、通信部501を介して再生制御部512に通知する。
【0106】
上記の各処理により、第1の実施形態に係る表示システム100は、複数のプロジェクタ101のいずれかが、所定の時刻に音の出力を開始できない場合でも、複数のプロジェクタ101が出力する音のずれを抑制することができる。また、表示システム100は、例えば、プロジェクタ101-3が音の出力を停止した場合でも、他のプロジェクタ101-1、101-2の音量を上げて、表示システム100が全体で出力する音の音量を維持することができる。
【0107】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、プロジェクタ101が、再生開始時刻に音を出力できない場合の処理について説明したが、音がずれる要因として、ネットワークが切断すること等により、時刻の同期が正しく行われない場合も考えられる。
【0108】
第2の実施形態では、プロジェクタ101が、ネットワークから切断した場合の処理の例について説明する。なお、第2の実施形態に係る表示システム100のシステム構成、ハードウェア構成、及び機能構成は、第1の実施形態と同様である。
【0109】
<処理の流れ>
(表示システムの処理)
図11、12は、第2の実施形態に係る表示システム処理の例を示すシーケンス図である。
【0110】
ステップS1101~S1103において、再生制御部512の音量制御部703は、プロジェクタ101-1~101-3の音量を既定の音量に設定する。
【0111】
なお、この処理は、例えば、図8のステップS801~S803に示すように、再生制御部512の音量制御部703が、プロジェクタ101-1~101-3から、各プロジェクタ101に設定されている音量(音量の設定値)を取得する処理であっても良い。
【0112】
ステップS1104において、表示システム100は、例えば、図8のステップS804~S809に示すような、再生準備処理を実行する。
【0113】
ステップS1105~S1107において、プロジェクタ101-1~101-3のジョブ管理部505は、USBメモリ105等に予め記憶したコンテンツデータに基づいて、動画像109、及び音を出力する再生処理を実行する。ここでは、プロジェクタ101-1~101-3は、再生開始時刻に動画像109の表示、及び音の出力を開始することができるものとする。
【0114】
ステップS1108a~S1110aにおいて、再生制御部512の状態管理部702は、プロジェクタ101-1~101-3に接続確認メッセージを送信し、プロジェクタ101-1~101-3からの応答を受信する。この処理により、状態管理部702は、接続確認メッセージに対して応答がないプロジェクタ101がある場合、当該プロジェクタ101のネットワーク接続が切断されたと判断することができる。なお、状態管理部702は、ステップS1108a~S1110aと同様の処理を、例えば、所定の時間間隔で繰り返し実行する。
【0115】
例えば、ステップS1108x~S1110xにおいて、再生制御部512の状態管理部702は、プロジェクタ101-1~101-3に接続確認メッセージを送信し、プロジェクタ101-3の接続確認に失敗するものとする。この場合、ステップS1111において、再生制御部512の状態管理部702は、プロジェクタ101-3のネットワーク接続が切断されたことを検知する。
【0116】
ステップS1112において、再生制御部512の音量制御部703は、他のプロジェクタ101-1、101-2が出力する音の音量が、現在の音量より大きくなるように、プロジェクタ101-1、101-2の音量を決定する。
【0117】
好ましくは、音量制御部703は、プロジェクタ101-3が音の出力を停止した場合でも、表示システム100が全体で出力する音の音量が低下しないように(又は音量の低下を抑制するように)、プロジェクタ101-1、101-2の音量を上げる。
【0118】
ステップS1113、S1114において、再生制御部512の音量制御部703は、プロジェクタ101-1、101-2に、ステップS1112で決定した音量への変更を指示する。
【0119】
ステップS1115において、プロジェクタ101-1の出力制御部508は、再生制御部512からの指示に従って、出力している音の音量を変更する。同様に、ステップS1116において、プロジェクタ101-2の出力制御部508は、再生制御部512からの指示に従って、出力している音の音量を変更する。
【0120】
一方、プロジェクタ101-3のネットワーク接続が切断されたことは、例えば、ステップS1117において、プロジェクタ101-3の通信部501も検知することができる。これに応じて、ステップS1118において、プロジェクタ101-3の出力制御部508は、音の出力を停止する。
【0121】
このように、第2の実施形態に係る表示システム100は、プロジェクタ101のネットワーク接続が切断された場合、所定の時刻に音を出力できない可能性があると判断して、当該プロジェクタ101による音の出力を停止する。
【0122】
また、上記の処理に続いて、表示システム100は、例えば、図12のステップS1201において、コンテンツの再生を終了し、次のコンテンツの再生を開始するものとする。ここで、次のコンテンツは、図11で再生したコンテンツとは別のコンテンツであっても良いし、同じコンテンツであっても良い。ここでは、一例として、次のコンテンツが、図11で再生したコンテンツと同じコンテンツであり、初回の再生開始時刻から所定の時間間隔(例えば、5分間等)で繰り返し再生するように、予め設定されているものとする。
【0123】
ステップS1202において、プロジェクタ101-2の時刻同期部(クライアント)502bは、プロジェクタ101-1の時刻同期部(サーバ)502aと通信を行いプロジェクタ101-1と現在時刻を同期する。
【0124】
ステップS1203において、プロジェクタ101-3の時刻同期部(クライアント)502bは、プロジェクタ101-1の時刻同期部(サーバ)502aと通信を行い、プロジェクタ101-1と現在時刻を同期する。なお、ここでは、プロジェクタ101-3のネットワークとの接続が回復しているものとする。
【0125】
ステップS1204~S1206において、プロジェクタ101-1~101-3のジョブ管理部505は、USBメモリ105等に予め記憶したコンテンツデータに基づいて、動画像109、及び音を出力する再生処理を実行する。ここでは、プロジェクタ101-1~101-3は、再生開始時刻に動画像109の表示、及び音の出力を開始することができるものとする。
【0126】
ステップS1207~S1209において、再生制御部512の状態管理部702は、プロジェクタ101-1~101-3に接続確認メッセージを送信し、プロジェクタ101-1~101-3からの応答を受信する。
【0127】
ステップS1210において、再生制御部512の状態管理部702は、プロジェクタ101-1~101-3が、ネットワークに接続されていることを確認できる。この場合、ステップS1211~S1213において、再生制御部512の音量制御部703は、プロジェクタ101-1~101-3に、音量を既定値(例えば、図8のステップS801~S803で取得した音量)に変更するように指示する。
【0128】
ステップS1214~S1216において、プロジェクタ101-1~101-3の出力制御部508は、再生制御部512からの指示に従って、出力している音の音量を既定値に設定する。
【0129】
このように、第2の実施形態に係る表示システム100は、全てのプロジェクタ101が、再生開始時刻に音を出力可能となり、かつネットワーク接続に問題がない場合、音の出力を停止していたプロジェクタ101による音の出力を再開させることができる。
【0130】
(プロジェクタの処理)
図13は、第2の実施形態に係るプロジェクタの処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、図11で説明した表示システム100の処理に対応する、プロジェクタ101の処理の一例を示している。なお、図13に示す処理のうち、ステップS1001~S1008の処理は、図10で説明した、第1の実施形態に係るプロジェクタの処理と同様なので、ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0131】
ステップS1301において、表示制御部507は、再生開始時刻に、動画像109の表示を開始する。また、ステップS1302において、出力制御部508は、再生開始時刻に、音の出力を開始する。
【0132】
この状態から、例えば、ステップS1303において、通信部501が、ネットワークの切断を検知するものとする。この場合、ステップS1304において、通信部501は、ネットワークが切断されたことを示すネットワークの切断通知を、例えば、ジョブ管理部505に通知する。
【0133】
ステップS505において、ジョブ管理部505は、出力制御部508に音の出力の停止を指示する。これに応じて、ステップS1306において、出力制御部508は、音の出力を停止する。
【0134】
[第3の実施形態]
第1、2の実施形態では、再生制御部512が、各プロジェクタ101の音量を制御していたが、コンテンツの再生準備が完了した後は、再生制御部512によらずに、プロジェクタ101-1~101-3だけで、音量の制御を行っても良い。
【0135】
図14は、第3の実施形態に係る表示システムの処理の例を示すシーケンス図である。
【0136】
ステップS1401において、表示システム100は、例えば、図8のステップS801~S809に示すような、再生準備処理を実行する。
【0137】
ステップS1402~S1405において、プロジェクタ101-1~101-3のジョブ管理部505は、USBメモリ105等に予め記憶したコンテンツデータに基づいて、動画像109、及び音を出力する再生処理を実行する。
【0138】
ここで、説明用の一例として、プロジェクタ101-1、101-2は、再生開始時刻に動画像109の表示、及び音の出力を開始することができたものとする。一方、プロジェクタ101-3は、ステップS1406において、再生開始時刻に音を出力できないことを検知したものとする。
【0139】
ステップS1407、S1408において、プロジェクタ101-3の出力制御部508は、再生開始時刻に音の出力を開始できないことを示す出力不可通知を、他のプロジェクタ101-1、101-2に送信する。なお、各プロジェクタ101には、表示システム100に含まれる他のプロジェクタの宛先情報が、予め設定されているものとする。
【0140】
ステップS1409において、出力不可通知を送信したプロジェクタ101-3の出力制御部508は、音の出力を停止する。
【0141】
ステップS1410、1411において、出力不可通知を受信したプロジェクタ101-1、101-2の出力制御部508は、音の音量を、既定値より1ステップ(例えば、1~3dB程度)上げる。
【0142】
このように、第3の実施形態に係るプロジェクタ101の出力制御部508は、再生開始時刻に音の出力を開始可能であり、かつ他のプロジェクタ101が、再生開始時刻に音の出力を開始できない場合、出力制御部508が出力する前記音の音量を上げる。
【0143】
また、ステップS1420において、コンテンツの再生を終了し、次のコンテンツの再生を開始するものとする。
【0144】
ステップS1421、S1422において、プロジェクタ101-2、101-2の時刻同期部502は、プロジェクタ101-1と現在の時刻を同期する。
【0145】
ステップS1423~S1425において、プロジェクタ101-1~101-3のジョブ管理部505は、USBメモリ105等に予め記憶したコンテンツデータに基づいて、動画像109、及び音を出力する再生処理を実行する。
【0146】
ここで、説明用の一例として、プロジェクタ101-1は、再生開始時刻に動画像109の表示、及び音の出力を開始することができたものとする。一方、プロジェクタ101-2、101-3の出力制御部508は、再生開始時刻に音を出力できないことを検知したものとする。
【0147】
この場合、ステップS1428、S1429において、プロジェクタ101-2の出力制御部508は、再生開始時刻に音の出力を開始できないことを示す出力不可通知を、他のプロジェクタ101-1、101-3に送信する。同様に、ステップS1430、S1431において、プロジェクタ101-3の出力制御部508は、再生開始時刻に音の出力を開始できないことを示す出力不可通知を、他のプロジェクタ101-1、101-2に送信する。
【0148】
ステップS1432において、プロジェクタ101-1の出力制御部508は、2つのプロジェクタ101-2、101-3から、出力不可通知を受け付けたため、音の音量を、既定値より2ステップ(例えば、2~3dB程度)上げる。
【0149】
ステップS1433、S1434において、出力不可通知を送信したプロジェクタ101-2、101-3の出力制御部508は、音の出力を停止する。
【0150】
このように、第3の実施形態に係るプロジェクタ101の出力制御部508は、再生開始時刻に音の出力を開始可能な場合、再生開始時刻に音の出力を開始できない他のプロジェクタ101の数に応じて、出力制御部508が出力する前記音の音量を変更する。
【0151】
また、第3の実施形態によれば、例えば、図1に示すようなシステム構成において、利用者は、情報端末102で再生準備処理を実行した後に、情報端末102を表示システム100から切り離すことができる。
【0152】
以上、本発明の各実施形態によれば、複数の表示装置の再生タイミングを同期させて、画像と音とを含むコンテンツを再生する表示システム100において、複数の表示装置から異なる再生タイミングで音が出力されてしまうことを抑制することができる。
【0153】
なお、上記の各実施形態では、表示システム100が、複数のプロジェクタ101-1~101-3を用いて、各プロジェクタ101の各々の投影画面より大きい大画面に所定の画像を投影するマルチ投影を行うものとして説明を行った。ただし、これに限られず、本発明は、複数のプロジェクタ101-1~101-3を用いて、各プロジェクタ101の各々の投影画面よりも明るい高輝度画面に所定の画像を投影するスタック投影を行う表示システム100に対しても適用できる。
【0154】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0155】
また、例えば、図5に示した情報端末102、及びプロジェクタ101は、例えば、図8、11、12に示した表示システム100の処理を、様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、情報端末102によって実行することができる。同様に、所定のユニットの機能は、プロジェクタ101によって実行することができる。
【符号の説明】
【0156】
100 表示システム
101 プロジェクタ(表示装置の一例)
501 通信部
502、501a、502b 時刻同期部
507 表示制御部
508 出力制御部
512 再生制御部
701 再生時刻制御部
702 状態管理部
703 音量制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0157】
【文献】特開2017-229043号公報
【文献】特開2016-85435号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14