IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 学校法人 工学院大学の特許一覧

特許7548543ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット
<>
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図1
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図2
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図3
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図4A
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図4B
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図5
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図6
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図7
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図8
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図9
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図10
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図11
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図12
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図13
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図14
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図15
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図16
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図17
  • 特許-ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】ボディシールド及びボディシールド組立てキット並びに壁構造及び壁構造の基本ユニット
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
E04B2/74 561H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020106409
(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公開番号】P2022001700
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】501241645
【氏名又は名称】学校法人 工学院大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敏彦
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-214627(JP,A)
【文献】スターボールシールドの使い方,YouTube,2020年04月24日,https://youtu.be/OB-1Qnj43GQ?si=IgRwADORi5OvlRV7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72 - 2/82
E04H 1/00 - 1/14
A61G 9/00 - 15/12
A61G 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面部と、当該正面部に対して側面となる方向に折り曲げが可能な側面部とを有する上板と、
正面部と、当該正面部に対して側面となる方向に折り曲げが可能な側面部とを有する下板と、
を備え、
前記上板及び前記下板の両側面部が前記側面となる方向に折り曲げられた状態で、前記上板の下部接合領域と、前記下板の上部接合領域とが重なり合って接合されて構成されており、
前記上板の正面部には、視認するための窓用開口部が形成されるとともに、左右腕を挿 通するための左右腕挿通用開口部が形成されており、
前記左右腕挿通用開口部は、前記上板の下部接合領域及び前記下板の上部接合領域に形 成されている、
ボディシールド。
【請求項2】
前記上板及び前記下板は、ダンボール製で構成された、
請求項1に記載のボディシールド。
【請求項3】
前記上板は、折り曲げられていない状態で、正面からみて台形状に形成され、
前記下板は、折り曲げられていない状態で、正面からみて台形状に形成され、
前記上板の下部接合領域の台形と、前記下板の上部接合領域の台形とは合同又は略合同である、
請求項1又は2に記載のボディシールド。
【請求項4】
前記窓用開口部には、当該窓用開口部を覆う透明板が貼着されるとともに、前記左右腕挿通用開口部には、左右グローブの根元が装着されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のボディシールド。
【請求項5】
前記左右腕挿通用開口部には、左右グローブの根元が装着された紙管が嵌め入れられる、
請求項に記載のボディシールド。
【請求項6】
前記上板の下部接合領域及び前記下板の上部接合領域には、接合部材を挿通するための複数の接合部材挿通用孔が形成されている、
請求項1からのいずれか一項に記載のボディシールド。
【請求項7】
左右腕を挿通するための左右腕挿通用開口部が、前記上板の下部接合領域及び前記下板の上部接合領域に形成され、
接合部材を挿通するための複数の接合部材挿通用孔が、前記左右腕挿通用開口部を囲むように、前記上板の下部接合領域及び前記下板の接合領域に形成されている、
請求項1からのいずれか一項に記載のボディシールド。
【請求項8】
前記下板の側面部の底面側に、固定部材を挿通するための固定部材挿通用孔が形成されている、
請求項1からのいずれか一項に記載のボディシールド。
【請求項9】
正面部と、当該正面部に対して側面となる方向に折り曲げが可能な側面部とを有するダンボール製の上板と、
正面部と、当該正面部に対して側面となる方向に折り曲げが可能な側面部とを有するダンボール製の下板と、
を含むボディシールド組立キットであって、
前記上板の正面部には、視認するための窓用開口部が形成され、
前記上板の下部接合領域及び前記下板の上部接合領域には、左右腕を挿通するための左右腕挿通用開口部が形成され、
前記上板の下部接合領域及び前記下板の上部接合領域には、接合部材を挿通するための複数の接合部材挿通用孔が、前記左右腕挿通用開口部を囲むように、形成されている、
ボディシールド組立キット。
【請求項10】
前記上板は、正面からみて台形状に形成され、
前記下板は、正面からみて台形状に形成され、
前記上板の下部接合領域の台形と、前記下板の上部接合領域の台形とは合同又は略合同である、
請求項に記載のボディシールド組立キット。
【請求項11】
前記下板の側面部の底面側に、固定部材を挿通するための固定部材挿通用孔が形成されている、
請求項又は10に記載のボディシールド組立キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の身体を有害な飛沫等から防護するためのボディシールド及びその組立てキット並びに更衣室、トイレ、居室等の部屋の壁、仕切り壁の構造及びその基本ユニットに関し、特に、形状保持性、折り曲げ角度保持性に優れたダンボール製の構造物とその組立てキット、基本ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のダンボール製のボディシールドは、下記非特許文献1に示すホームページに掲載されたものがある。
【0003】
この従来のボディシールドは、人間が隠れる程度の高さのダンボールの左右側面を内側に折り曲げて立設させるように構成されている。
【0004】
また、災害時の避難所等で使用される簡易的な部屋の壁、仕切の壁には、ダンボールが使用されることがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】株式会社スターボール、“スターボールシールド”、2020年6月1日検索、インターネット<URL: https://starball-inc.com/star-ball-shield>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のダンボール製のボディシールドやダンボール製の壁と比較して、形状保持性、折り曲げ角度保持性を向上させることを課題とする。またコンパクトな部材で構成して搬送を容易にすることを課題とする。また組み立て前の部材の備蓄に場所を取らないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様は、正面部と、当該正面部に対して側面となる方向に折り曲げが可能な側面部とを有する上板と、正面部と、当該正面部に対して側面となる方向に折り曲げが可能な側面部とを有する下板と、を備え、 前記上板及び前記下板の両側面部が前記側面となる方向に折り曲げられた状態で、前記上板の下部接合領域と、前記下板の上部接合領域とが重なり合って接合されて構成されている、ボディシールドである。
【0008】
第2の態様は、第1の態様において、前記上板及び前記下板は、ダンボール製で構成された、ボディシールドである。
【0009】
第3の態様は、第1の態様又は第2の態様において、前記上板は、折り曲げられていない状態で、正面からみて台形状に形成され、前記下板は、折り曲げられていない状態で、正面からみて台形状に形成され、前記上板の下部接合領域の台形と、前記下板の上部接合領域の台形とは合同又は略合同である、ボディシールドである。
【0010】
第4の態様は、第1の態様から第3の態様において、前記上板の正面部には、視認するための窓用開口部が形成されるとともに、左右腕を挿通するための左右腕挿通用開口部が形成されている、ボディシールドである。
【0011】
第5の態様は、第4の態様において、前記窓用開口部には、当該窓用開口部を覆う透明板が貼着されるとともに、前記左右腕挿通用開口部には、左右グローブの根元が装着されている、ボディシールドである。
【0012】
第6の態様は、第5の態様において、前記左右腕挿通用開口部には、左右グローブの根元が装着された紙管が嵌め入れられる、ボディシールドである。
【0013】
第7の態様は、第4の態様から第6の態様において、前記左右腕挿通用開口部は、前記上板の下部接合領域及び前記下板の上部接合領域に形成されている、ボディシールドである。
【0014】
第8の態様は、第1の態様から第7の態様において、前記上板の下部接合領域及び前記下板の上部接合領域には、接合部材を挿通するための複数の接合部材挿通用孔が形成されている、ボディシールドである。
【0015】
第9の態様は、第1の態様から第8の態様において、左右腕を挿通するための左右腕挿通用開口部が、前記上板の下部接合領域及び前記下板の上部接合領域に形成され、接合部材を挿通するための複数の接合部材挿通用孔が、前記左右腕挿通用開口部を囲むように、前記上板の下部接合領域及び前記下板の接合領域に形成されている、ボディシールドである。
【0016】
第10の態様は、第1の態様から第9の態様において、前記下板の側面部の底面側に、固定部材を挿通するための固定部材挿通用孔が形成されている、ボディシールドである。
【0017】
第11の態様は、正面部と、当該正面部に対して側面となる方向に折り曲げが可能な側面部とを有するダンボール製の上板と、正面部と、当該正面部に対して側面となる方向に折り曲げが可能な側面部とを有するダンボール製の下板と、を含むボディシールド組立キットであって、前記上板の正面部には、視認するための窓用開口部が形成され、前記上板の下部接合領域及び前記下板の上部接合領域には、左右腕を挿通するための左右腕挿通用開口部が形成され、前記上板の下部接合領域及び前記下板の上部接合領域には、接合部材を挿通するための複数の接合部材挿通用孔が、前記左右腕挿通用開口部を囲むように、形成されている、ボディシールド組立キットである。
【0018】
第12の態様は、第11の態様において、前記上板は、正面からみて台形状に形成され、前記下板は、正面からみて台形状に形成され、前記上板の下部接合領域の台形と、前記下板の上部接合領域の台形とは合同又は略合同である、ボディシールド組立キットである。
【0019】
第13の態様は、第11の態様又は第12の態様において、前記下板の側面部の底面側に、固定部材を挿通するための固定部材挿通用孔が形成されている、ボディシールド組立キットである。
【0020】
第14の態様は、左右端部に、接合部材を挿通するための複数の接合部材挿通用孔が形成された正面部接合可能領域を有する正面部と、当該正面部に対して側面となる方向に折り曲げが可能で、前記複数の接合部材挿通用孔が形成された側面部接合可能領域を有する側面部と、を備えて、平板状に構成された基本ユニットを、互いに接合して構成された壁構造であって、一方の基本ユニットの側面部及び他方の基本ユニットの側面部がそれぞれ側面となる方向に折り曲げられた状態で、前記一方の基本ユニットの側面部接合可能領域と、前記他方の基本ユニットの正面部接合可能領域とが重なり合って前記接合部材によって接合されていると共に、前記一方の基本ユニットの正面部接合可能領域と、前記他方の基本ユニットの側面部接合可能領域とが重なり合って前記接合部材によって接合されて、コーナ部が構成されている、壁構造である。
【0021】
第15の態様は、第14の態様において、前記基本ユニットの正面部には、片開きドアの形状に沿った切込みが厚さ方向に貫通するように形成されている、壁構造である。
【0022】
第16の態様は、左右端部に、接合部材を挿通するための複数の接合部材挿通用孔が形成された正面部接合可能領域を有する正面部と、当該正面部に対して側面となる方向に折り曲げが可能で、前記複数の接合部材挿通用孔が形成された側面部接合可能領域を有する側面部と、を備えて、平板状に構成された壁構造の基本ユニットである。
【発明の効果】
【0023】
第1の態様から第13の態様によれば、従来のダンボール製のボディシールドと比較して、形状保持性、折り曲げ角度保持性が向上する。またコンパクトな部材で構成されているため搬送が容易になる。また組み立て前の部材の備蓄に場所を取らないようにすることができる。
【0024】
特に第7の態様、第9の態様、第11の態様、第12の態様、第13の態様によれば、左右腕挿通用開口部の周囲が、上板と下板を重ねて接合されているため、左右の腕が挿通する箇所の剛性が高まり、耐久性が向上する。
【0025】
第14の態様から第16の態様によれば、従来のダンボール製の壁構造と比較して、形状保持性、折り曲げ角度保持性が向上する。またコンパクトな部材で構成されているため搬送が容易になる。また組み立て前の部材の備蓄に場所を取らないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施形態のボディシールドを組立てるためのボディシールド組立キットの構成例を示す図である。
図2図2は、ボディシールド組立キットを組み立てる手順を説明する図である。
図3図3は、ボディシールド組立キットを組み立てて完成したボディシールドを示す図である。
図4A図4Aは、接合部材を接合部材挿通用孔に挿通して上板が下板に固定される様子を説明する部分断面図である。
図4B図4Bは、実施形態のボディシールドの断面図で、上板と下板が折り曲げられた状態で上板が下板に重ね合わされ、上板と下板が接合部材によって接合された様子を示す断面図である。
図5図5は、左右グローブが左右腕挿通用開口部に装着された状態を示す断面図である。
図6図6は、ボディシールドを内側からみた斜視図である。
図7図7は、ボディシールドを外側からみた斜視図である。
図8図8は、実施形態の壁構造を組立てるために用いられる壁構造の基本ユニットの構成例を示す斜視図である。
図9図9は、実施形態の壁構造を組立てるために用いられる壁構造の基本ユニットの構成例を示す斜視図である。
図10図10は、実施形態の壁構造を組立てるために用いられる壁構造の基本ユニットの構成例を示す斜視図である。
図11図11は実施形態の壁構造のコーナ部の構成例を示す斜視図である。
図12図12は実施形態の壁構造のコーナ部の構成例を示す斜視図である。
図13図13は、接合部材を接合部材挿通用孔に挿通して両基本ユニットが固定される様子を説明する断面図である。
図14図14は、基本ユニットを用いて組み立てられた小部屋を示す斜視図である。
図15図15は、基本ユニットを用いて組み立てられたトイレを示す斜視図である。
図16図16は、基本ユニットを用いて組み立てられた更衣室を示す斜視図である。
図17図17は、基本ユニットを用いて組み立てられた仕切り壁を示す斜視図である。
図18図18は、基本ユニットを用いて組み立てられた仕切り壁を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明に係るボディシールド及びボディシールド組立てキットの実施の形態について説明する。
【0028】
(ボディシールド組立てキット)
【0029】
図1は、実施形態のボディシールド1を組立てるためのボディシールド組立キットの構成例を示す。
【0030】
このボディシールド組立キットは、大きくは、ダンボール製の上板100と、上板100の下部接合領域130に接合されるダンボール製の下板200と、上板100の窓用開口部150に貼着される透明板50と、上板100及び下板200の左右腕挿通用開口部60L、60Rに嵌め入れられる紙管60と、上板100及び下板200の左右腕挿通用開口部60L、60Rに紙管60を介して根元が装着される左右グローブ61L、61Rと、上板100及び下板200の接合部材挿通用孔370に挿通される接合部材70とを含んで構成される。なお図1において図中の上下方向がダンボールの波目方向、つまり内部の波板状の中芯が形成されていく流れ方向である。
【0031】
上板100、下板200の材料としては強度が高い強化ダンボールを用いることが望ましい。また消毒液によって消毒することが必要な用途では撥水性の高いダンボールを用いることが望ましい。透明板50は例えば厚さ3mmの透明のアクリル板である。紙管60は例えば内径200mmの紙管である。接合部材70は例えばプラスチック(樹脂)製のオス部材71、メス部材72からなる留め具(リベット)が使用される。例えば図4Aの断面図に示すように接合部材挿通用孔370にメス部材72を挿通させ、メス部材72にオス部材71を押し込み嵌め入れることでメス部材72の脚部72Aがメス部材72の径方向の外方に開き、上板100を下板200に固定する。
【0032】
左右グローブ61L、61Rは例えばゴム製である。
【0033】
このボディシールド組立キットを組み立てて完成させたボディシールド1を図3に示す。
【0034】
図3において、ボディシールド1の高さHは190cm、幅UWは90cm、奥行きLDは70cm、正面の幅LWは60cmである。
【0035】
これに対してボディシールド組立キットの梱包サイズは、縦117cm、横129cm、厚さ12cmに収まる。
【0036】
このように本実施形態のディシールド組立キットは、コンパクトな部材で構成されているため搬送が容易になる。また組み立て前の部材の備蓄に場所を取らないという利点がある。
【0037】
図1に戻り、上板100は、正面部110と、この正面部110に対して左右側面となる方向に折り曲げが可能な左右側面部120L、120Rとを有する。下板200は、正面部210と、この正面部210に対して左右側面となる方向に折り曲げが可能な左右側面部220L、220Rとを有する。
【0038】
上板100には、左右側面部120L、120Rを、正面部110に対して左右側面となる方向に折り曲げを可能ならしめるための折れ線121L、121Rが形成されている。同様に下板200には、左右側面部220L、220Rを、正面部210に対して左右側面となる方向に折り曲げを可能ならしめるための折れ線221L、221Rが形成されている。容易に折り曲げを可能とするために、図中破線に沿って、断面がV字にカットされた切込みが形成されている。
【0039】
上板100の正面部110には、視認するための窓用開口部150が形成されている。
【0040】
上板100の下部接合領域130(図中の表面でありハッチングで示す)の周囲には、複数の接合部材挿通用孔170が形成されている。接合部材挿通用孔170は例えば14個形成されている。下板200の上部接合領域230(図中の裏面である)は上板100の下部接合領域130に接合される領域である。下板210の上部接合領域230の周囲には、複数の接合部材挿通用孔270が形成されている。接合部材挿通用孔270は例えば14個形成されている。
【0041】
上板100の接合部材挿通用孔170と下板200の対応する接合部材挿通用孔270は、同径である。上板100の接合部材挿通用孔170と下板200の接合部材挿通用孔270は、上板100の左右側面部120L、120R及び下板200の左右側面部220L、220Rが左右側面となる方向に折り曲げられた状態で、上板100の下部接合領域130が下板200の上部接合領域230に接合された際に、同心となるように形成されている。上板100と下板200が接合された際の貫通孔としての接合部材挿通用孔を接合部材挿通用孔370と称する。接合部材挿通用孔370には、接合部材70が挿通され、上板100と下板200が接合される。
【0042】
上板100の下部接合領域130には、左右腕を挿通するための左右腕挿通用開口部160L、160Rが形成されている。下板200の上部接合領域230には、左右腕を挿通するための左右腕挿通用開口部260L、260Rが形成されている。上板100の左右腕挿通用開口部160L、160Rと下板200の左右腕挿通用開口部260L、260Rはそれぞれ同径である。上板100の左右腕挿通用開口部160L、160Rと下板200の左右腕挿通用開口部260L、260Rは、上板100の左右側面部120L、120R及び下板200の左右側面部220L、220Rが左右側面となる方向に折り曲げられた状態で、上板100の下部接合領域130が下板200の上部接合領域230に接合された際に、同心となるように形成されている。上板100と下板200が接合された際の貫通孔としての左右腕挿通用開口部を左右腕挿通用開口部60L、60Rと称する。
【0043】
したがって上板100の下部接合領域130及び下板200の上部接合領域230には、接合部材70を挿通するための複数(14個)の接合部材挿通用孔370が、左右腕挿通用開口部60L、60Rを囲むように、形成されている。
【0044】
上板100は、正面からみて台形状に形成されている。下板200は、正面からみて台形状に形成されている。上板100の下部接合領域130の台形と、下板230の上部接合領域230の台形とは合同又は略合同となっている。なお上板100の上部左右の角及び下板200の下部左右の角には、丸み(角R)を付けることが望ましい。
【0045】
下板200の左右側面部220L、220Rの底面側には、固定部材挿通用孔280L、280Rがそれぞれ形成されている。固定部材挿通用孔280L、280Rは、重し、固定用ローブ等の固定部材を挿通して、ボディシールド1を設置面に固定するために用いられる。
【0046】
(ボディシールドの組立て方法)
【0047】
図2図3を用いて図1のボディシールド組立てキットから実施形態のボディシールド1を組立てる手順を説明する。
【0048】
図2に示すように、下板200の左右側面部220L、220Rを、正面部210に対して左右側面となる方向に折り曲げて、下板200を立設する。
【0049】
つぎに上板100の左右側面部120L、120Rを、正面部110に対して左右側面となる方向に折り曲げて、下板200の上方に位置させる。
【0050】
つぎに、上板100の下部接合領域130(図中の裏面)を、下板230の上部接合領域230(図中の表面でありハッチングで示す)に重ね合わせ、上板100の接合部材挿通用孔170と下板200の対応する接合部材挿通用孔270が同心となるように、位置決めする。そして、図4に示すように接合部材挿通用孔370(接合部材挿通用孔170、270)に接合部材70のメス部材72を挿通させ、メス部材72にオス部材71を嵌め入れて、当該箇所にて上板100を下板200に固定する。
【0051】
図2に戻り、残りの(13個の)接合部材70を、残りの(13個の)接合部材挿通用孔370にそれぞれ挿通して同様に各箇所で上板100を下板200に固定する。こうして上板100の下部接合領域130と下板200の上部接合領域230とが接合される。
【0052】
つぎに図3に示すように、上板100及び下板200の左右腕挿通用開口部60L、60Rにそれぞれ紙管60を介して左右グローブ61L、61Rの根元が装着される。図5の断面図に示すように、紙管60が板100及び下板200の左右腕挿通用開口部60L、60Rに嵌め入れられ、紙管60の外周に左右グローブ61L、61Rの根元が装着される。
【0053】
図3に戻り、上板100の窓用開口部150に、透明板50が図中裏側より貼着される。貼着には例えば両面テープ、面ファスナー、接着剤等を用いる。
【0054】
(組み立てられたボディシールド)
【0055】
このように組み立てられたボディシールド1は安定的に自立する。図4Bは、実施形態のボディシールド1の断面図で、上板100と下板200が折り曲げられた状態で上板100が下板200に重ね合わされ、上板100と下板200が接合部材70によって接合された様子を示す。
【0056】
すなわち実施形態のボディシールド1は、折り曲げられた部材を重ねて接合して構成しているため、内側へ向かう力と外側へ広がる力が規制されている。このため、折り曲げ部に必要な支持部材を使わず、自立構造をとることができる。部材を最小限とすることができると共にボディシールド1の形状保持性が飛躍的に向上する。このためボディシールド1が所望する折り曲げ角度に保持された状態で安定して自立する。またボディシールド1は左右側面が上方から下方に向かうに伴い末拡がりの形状であり、この形状が自立構造の安定に寄与している。さらに図3に示すように下板200の左右側面部220L、220Rの底面側に形成された固定部材挿通用孔280L、280Rに、重しとして例えばペットボトルPを挿通することで、よりボディシールド1を安定的に設置面に固定設置させることができる。また固定部材挿通用孔280L、280Rに、固定用ロープを挿通し、固定用ロープ両端に接続された杭等の固定具をボディシールド1の内側と外側で地面に打ち込んでボディシールド1を設置面に固定してもよい。この固定方法はボディシールド1を屋外で使用する場合に好適である。風等の悪条件下であってもボディシールド1が安定的に地面に固定される。
【0057】
さらに、実施形態のボディシールド1は、左右腕挿通用開口部60L、60Rの周囲が、上板100と下板200を重ねて接合されているため、左右の腕が挿通する箇所の剛性が高まり耐久性が向上する。
【0058】
またダンボール製であるため資源ゴミとして廃棄でき、再生利用も可能である。
【0059】
また孔に挿通するだけの繰り返し利用可能な接合部材70を用いているため、多数回の分解、組み立てを容易に行うことができる。なお上板100と下板200との接合には、例えばネジ、ボルトによる締結、かしめ、接着等の任意の手段を用いることができる。
【0060】
(ボディシールドの用途)
【0061】
(有害な飛沫等から防護する用途のボディシールド)
【0062】
図6図7は、検査者Aが被検査者Bを視認しながら検査者Aの両手で被検査者Bの身体を検査する場合にボディシールド1を用いる用途を例示する。
【0063】
図6は、ボディシールド1を外側からみた斜視図で、図7は、ボディシールド1を内側からみた斜視図である。
【0064】
これら図6図7に示すように、ボディシールド1の内側の検査者Aは、透明板50を介して、ボディシールド1の外側の被検査者Bを視認することができる。ボディシールド1の内側の検査者Aは、白衣のままで、左右両手には手袋を装着することなく、左右両腕をボディシールド1の左右腕挿通用開口部60L、60Rに入れて、左右両手を左右グローブ61L、61Rに装着することができる。
【0065】
検査者Aが被検査者Bを視認しながら検査者Aの両手で被検査者Bの身体を検査する。この際に検査者A、被検査者Bの一方から有害な飛沫等が生じたとしてもボディシールド1によって阻まれて検査者A、被検査者Bの他方に飛来して付着等することが防止される。
【0066】
本実施例によれば、検査用の防護服に代わって、白衣のままで安全な検査を可能とする防護シールドとしてボディシールド1を用いることができる。これにより防護服の供給不足や、防護服の着脱や管理が面倒であるなどの問題が解決され、PCR検査等の効率を高めることが可能となる。
【0067】
なお、被検査者Bが別の者に代わる毎に、左右グローブ61L、61Rを含めてボディシールド1を消毒剤にて消毒する。ボディシールド1は、撥水性の高い強化ダンボール製であるため、消毒液で消毒可能であり、耐久性があり、有害な飛沫等から防護する用途のボディシールドに好適である。
【0068】
なお左右グローブ61L、61Rを1回の検査毎に使い捨てとして、被検査者Bが別の者に代わる毎に、左右グローブ61L、61Rを新品に交換する実施も可能である。
【0069】
また図6、7では、ボディシールド1の内側に検査者Aに配置させ、ボディシールド1の外側に被検査者Bを配置させているが、ボディシールド1の内側に被検査者Bを配置させ、ボディシールド1の外側に検査者Aを配置させる用途であってもよい。この場合には、ボディシールド1の内側に、左右グローブ61L、61Rの先端を出すように左右腕挿通用開口部60L、60Rに左右グローブ61L、61Rの根元を装着すればよい。また検査者Aが椅子に着座しながら検査する用途にも適用可能である。左右腕挿通用開口部60L、60Rは、腕の直径と比較して大きな直径(200mm程度)を有しているので、検査者Aが立っている場合、着座している場合いずれの場合にも対応することができる。また検査時に腕の上下方向及び左右方向の自由度が大きいという利点がある。
【0070】
なお、被検査対象が人間である用途に限定されるわけではなく検査者Aが有害な物を扱う用途に、ボディシールド1を用いてもよい。
【0071】
(ボディシールドの変形例)
【0072】
上述した実施形態のボディシールド1は、左右両側面を設けるように構成した。しかし、ボディシールド1としては、左右側面のうちいずれか一方の側面のみを設けるように構成してもよい。例えば上板100を、正面部110と左側面120Lのみで構成し、下板200を、正面部210と左側面220Lのみで構成し、左側面のみを折り曲げて、左側面のみが設けられたボディシールドを組立てて、立設することができる。
【0073】
(壁構造及び壁構造の基本ユニット)
【0074】
つぎに更衣室、トイレ、居室等の部屋の壁、仕切り壁の構造及びその基本ユニットの実施の形態について説明する。なお、以下の説明では上述したボディシールドの実施形態と同様の構成要素には同様の符号を付与して適宜説明を省略する。
【0075】
(基本ユニット)
【0076】
図8図9図10は、実施形態の壁構造を組立てるために用いられる壁構造の基本ユニットの構成例を示す。
【0077】
図8は、Aタイプの基本ユニット400Aを示す。
【0078】
基本ユニット400Aは、ダンボール製で平板状に構成されている。基本ユニット400Aの材料としては強度が高い強化ダンボールを用いることが望ましい。基本ユニット400Aは、大きくは、正面部410と側面部420Lとから構成されている。正面部410の左右端部はそれぞれ、正面部接合可能領域410L、410Rを構成する。正面部接合可能領域410L、410Rにはそれぞれ、接合部材70を挿通するための複数の(例えば6個の)接合部材挿通用孔470が左右対称に同じ配置で形成されている。
【0079】
側面部420Lは、正面部410に対して側面となる方向(図中下側:これを内側方向という)に折り曲げが可能である。側面部420Lを、正面部410に対して容易に折り曲げることができるように、断面がV字にカットされた切込みが形成されている。
【0080】
側面部420Lは側面部接合可能領域420Lを構成する。側面部接合可能領域420Lには、複数の(例えば6個の)接合部材挿通用孔470が形成されている。
【0081】
基本ユニット400Aは、全面が遮蔽された壁としても使用することができ、また一部分が開閉自在のドアとなる壁としても使用することができる。壁にドアを設ける場合には、例えば基本ユニット400Aの正面部410に、片開きドアDRの形状に沿った切込み410Dを厚さ方向に貫通するように形成すればよい。
【0082】
基本ユニット400Aのサイズは、縦Lが1800mm、正面部410の幅Wが900mm、側面部420Lの幅Dが200mmとなっている。
【0083】
図9は、Bタイプの基本ユニット400Bを示す。
【0084】
図8に示すAタイプの基本ユニット400Aと同じ構成部分については説明を適宜省略し、異なる構成部分について説明する。
【0085】
基本ユニット400Bは、大きくは、正面部410と左右側面部420L、420Rとから構成されている。すなわち基本ユニット400Bは、Aタイプの基本ユニット400Aに右側面部420Rが付加されて構成されている。
【0086】
側面部420Rは、正面部410に対して、側面部420Lの折曲げ方向と同じ内側方向(図中下側)に折り曲げが可能である。側面部420Rを、正面部410に対して容易に折り曲げることができるように、断面がV字にカットされた切込みが形成されている。
【0087】
側面部420Rは側面部接合可能領域420Rを構成する。側面部接合可能領域420Rには、側面部接合可能領域420Lと同じ配置で複数の(例えば6個の)接合部材挿通用孔470が形成されている。
【0088】
基本ユニット400Bは、全面が遮蔽された壁としても使用することができ、また一部分が開閉自在のドアとなる壁としても使用することができる。壁にドアを設ける場合には、例えば基本ユニット400Bの正面部410に、片開きドアDRの形状に沿った切込み410Dを厚さ方向に貫通するように形成すればよい。
【0089】
図10は、Cタイプの基本ユニット400Cを示す。
【0090】
図9に示すBタイプの基本ユニット400Bと同じ構成部分については説明を適宜省略し、異なる構成部分について説明する。
【0091】
基本ユニット400Cは、基本ユニット400Bと同様に、大きくは、正面部410と左右側面部420L、420Rとから構成されている。すなわち基本ユニット400Cは、Aタイプの基本ユニット400Aに右側面部420Rが付加されて構成されている。
【0092】
側面部420Rは、正面部410に対して、側面部420Lの折曲げ方向と反対側の外側方向(図中上側)に折り曲げが可能である。側面部420Rを、正面部410に対して容易に折り曲げることができるように、断面がV字にカットされた切込みが形成されている。
【0093】
側面部420Rは側面部接合可能領域420Rを構成する。側面部接合可能領域420Rには、側面部接合可能領域420Lと同じ配置で複数の(例えば6個の)接合部材挿通用孔470が形成されている。
【0094】
このように本実施形態の基本ユニット400A、400B、400Cは、コンパクトな部材で構成されているため搬送が容易になる。また壁を組み立てる前の部材の備蓄に場所を取らないという利点がある。
【0095】
(壁構造のコーナ部)
【0096】
壁構造は基本ユニット400A、400B、400Cを、互いに接合して構成される。同じタイプの基本ユニット同士を接合してもよく異なるタイプの基本ユニット同士を接合してもよい。
【0097】
図11は実施形態の壁構造のコーナ部の構成例を示す。
【0098】
図11はAタイプの基本ユニット400A同士を接合して、折曲げ角度90°の壁構造のコーナ部を構成する例を示している。両者を区別するために他方の基本ユニットの符号にダッシュを付与して説明する。
【0099】
一方の基本ユニット400Aの側面部420L及び他方の基本ユニット400A´の側面部420L´がそれぞれ側面となる方向に90°の折曲げ角度をもって折り曲げられる。一方の基本ユニット400Aの側面部420L及び他方の基本ユニット400A´の側面部420L´がそれぞれ90°の折曲げ角度をもって折り曲げられた状態で、一方の基本ユニット400Aの側面部接合可能領域420Lと、他方の基本ユニット400A´の正面部接合可能領域410L´とが重なり合わされて接合部材70によって接合される。6個全ての接合部材挿通用孔170に接合部材70が挿通され、各箇所で一方の基本ユニット400Aの側面部420Lが、他方の基本ユニット400A´の正面部410の端部410L´に固定される。
【0100】
同様に一方の基本ユニット400Aの側面部420L及び他方の基本ユニット400A´の側面部420L´がそれぞれ90°の折曲げ角度をもって折り曲げられた状態で、一方の基本ユニット400Aの正面部接合可能領域410Lと、他方の基本ユニット400A´の側面部接合可能領域420L´とが重なり合わされて接合部材70によって接合される。6個全ての接合部材挿通用孔170に接合部材70が挿通され、各箇所で一方の基本ユニット400Aの正面部410の端部410Lが他方の基本ユニット400A´の側面部420L´に固定される。
【0101】
接合部材70による接合は図4で説明したのと同様にして行われる。すなわち図13に示すように接合部材挿通用孔470に接合部材70のメス部材72を挿通させ、メス部材72にオス部材71を嵌め入れて、当該箇所にて一方の基本ユニット400Aを他方の基本ユニット400A´に固定する。
【0102】
図11に戻り、接合された各基本ユニット400A、400A´を、縦L(図8)の方向が鉛直方向となるように立設して壁構造のコーナ部が構成される。このように一方の基本ユニット400Aと他方の基本ユニット400A´それぞれのL字状に折り曲げられた各コーナ部分を重ね合わせて接合することで壁構造のコーナ部が構成される。この接合方法を以下では「L字重ね合せ接合」という。
【0103】
壁の平面部を延長する場合には、例えば一方の基本ユニット400Aの正面部接合可能領域410Rに、別の基本ユニット400Aの正面部接合可能領域410Rを重ね合わせて接合部材70によって接合すればよい。これにより壁構造の平面部が左右方向に延長される。この接合方法を以下では「平面重ね合せ接合」という。
【0104】
図11では、折曲げ角度90°の壁構造のコーナ部を構成する例を示したが、任意の折り曲げ角度をもって任意の開き角度の壁構造のコーナ部を構成することができる。
【0105】
図12はAタイプの基本ユニット400A同士を接合して、折曲げ角度135°の壁構造のコーナ部を構成する例を示している。
【0106】
一方の基本ユニット400Aの側面部420L及び他方の基本ユニット400A´の側面部420L´がそれぞれ135°の折曲げ角度をもって折り曲げられた状態で、同様にL字重合せ接合を行えばよい。
【0107】
このように組み立てられた壁構造は安定的に自立する。部材を最小限とすることができると共に壁構造の形状保持性が飛躍的に向上する。このため壁構造のコーナ部が所望する折り曲げ角度(開き角度)に保持された状態で安定して自立する。
【0108】
(小部屋)
【0109】
図14は、基本ユニット400Aを用いて組み立てられた小部屋2を示す。
【0110】
小部屋2は、奥行きW1方向、横幅W2方向の各辺の壁が2枚の基本ユニット400Aからなり、合計8枚の基本ユニット400Aを互いに接合して組み立てられる。
【0111】
壁構造の各コーナ部は、2枚の基本ユニット400A同士を、折曲げ角度90°をもってL字重ね合せ接合することで構成される。各辺の壁は、2枚の基本ユニット400A同士を、平面重ね合せ接合することで構成される。
【0112】
例えば1枚の基本ユニット400Aに、片開きドアDRの形状の切込み410Dが形成されたものを用いて、その片開きドアDRを小部屋2の出入り口とする。
【0113】
小部屋2のサイズは、奥行きW1が1600mm、横幅W2が1600mm、高さLが1800mmとなる。出入り口幅WDは500mmとなる。
【0114】
本実施形態によれば、災害時の一時避難場所である体育館内等に、最小限の部材を用いて安定した構造の小部屋を設置することが可能となる。
【0115】
(トイレ)
【0116】
図15は、基本ユニット400A、400Bを用いて組み立てられたトイレ3を示す。
【0117】
トイレ3は、奥行きW1方向の短辺側の壁が1枚の基本ユニット400Bからなり横幅W2方向の長辺側の壁が2枚の基本ユニット400Aからなり、2枚の基本ユニット400Bと4枚の基本ユニット400Aを互いに接合して組み立てられる。
【0118】
壁構造の各コーナ部は、基本ユニット400A、基本ユニット400Bそれぞれを、折曲げ角度90°をもってL字重ね合せ接合することで構成される。横幅W2方向長辺側の壁は、2枚の基本ユニット400A同士を、平面重ね合せ接合することで構成される。
【0119】
例えば1枚の基本ユニット400Bに、片開きドアDRの形状の切込み410Dが形成されたものを用いて、その片開きドアDRをトイレ3の出入り口とする。
【0120】
トイレ3のサイズは、奥行きW1が900mm、横幅W2が1600mm、高さLが1800mmとなる。出入り口幅WDは500mmとなる。
【0121】
本実施形態によれば、災害時の一時避難場所である体育館内等に、最小限の部材を用いて安定した構造のトイレを設置することが可能となる。
【0122】
(更衣室)
【0123】
図16は、基本ユニット400Bを用いて組み立てられた更衣室4を示す。
【0124】
更衣室4は、奥行きW1方向、横幅W2方向の各辺の壁が1枚の基本ユニット400Bからなり、合計4枚の基本ユニット400Bを互いに接合して組み立てられる。
【0125】
壁構造の各コーナ部は、2枚の基本ユニット400B同士を、折曲げ角度90°をもってL字重ね合せ接合することで構成される。
【0126】
例えば1枚の基本ユニット400Bに、片開きドアDRの形状の切込み410Dが形成されたものを用いて、その片開きドアDRを更衣室4の出入り口とする。
【0127】
更衣室4のサイズは、奥行きW1が900mm、横幅W2が900mm、高さLが1800mmとなる。出入り口幅WDは500mmとなる。
【0128】
本実施形態によれば、災害時の一時避難場所である体育館内等に、最小限の部材を用いて安定した構造の更衣室を設置することが可能となる。
【0129】
(仕切り壁)
【0130】
図17は、基本ユニット400Aを用いて組み立てられた仕切り壁5を示す。
【0131】
仕切り壁5は、奥行きW3方向、横幅W4方向の各辺の壁が2枚の基本ユニット400Aからなり、合計6枚の基本ユニット400Aを互いに接合して組み立てられる。
【0132】
壁構造の各コーナ部は、2枚の基本ユニット400A同士を、折曲げ角度90°をもってL字重ね合せ接合することで構成される。奥行きW3方向、横幅W4方向の壁は、2枚の基本ユニット400A同士を、平面重ね合せ接合することで構成される。
【0133】
仕切り壁5で仕切られたスペースSA、SBのサイズは、奥行きW3が1600mm、横幅W4が1600mm、高さLが1800mmとなる。
【0134】
図18は、基本ユニット400Cを用いて組み立てられた仕切り壁6を示す。
【0135】
仕切り壁6は、奥行きW3方向、横幅W4方向の各辺の壁が1枚の基本ユニット400Cからなり、合計4枚の基本ユニット400Cを互いに接合して組み立てられる。
【0136】
壁構造の各コーナ部は、2枚の基本ユニット400C同士を、折曲げ角度90°をもってL字重ね合せ接合することで構成される。
【0137】
仕切り壁6で仕切られたスペースSCのサイズは、奥行きW3が900mm、横幅W4が900mm、高さLが1800mmとなる。
【0138】
本実施形態によれば、災害時の一時避難場所である体育館内等に、最小限の部材を用いて安定した構造の仕切り壁を設置することが可能となる。
【符号の説明】
【0139】
1 ボディシールド
100 上板
200 下板
110、210 正面部
120L、120R、220L、220R 左右側面部
130 上部接合領域
230 下部接合領域
2 小部屋
3 トイレ
4 更衣室
5、6 仕切り壁
400A、400B、400C 基本ユニット
410 正面部
410L、410R 正面部接合領域
420L、420R 側面部(側面部接合領域)
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18