(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステム、および製品調製成分を取り扱うための対応する方法
(51)【国際特許分類】
B65D 51/28 20060101AFI20240903BHJP
B65D 81/32 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B65D51/28 100
B65D81/32 T
(21)【出願番号】P 2021556416
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(86)【国際出願番号】 EP2020055531
(87)【国際公開番号】W WO2020187559
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】102019203857.3
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100122297
【氏名又は名称】西下 正石
(72)【発明者】
【氏名】ロンバール,アントワーヌ
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-051734(JP,U)
【文献】特開2005-014998(JP,A)
【文献】実開平06-038810(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0289670(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/28
B65D 81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の製品調製成分を保存するための第1の容器(10)と、
少なくとも1つのさらなる製品調製成分を保存するための第2の容器(20)と、
閉塞要素(40)によって前記第1の容器(10)の開口部(11)を周囲から密封し、前記第2の容器(20)を接続するため、および前記第1の容器(10)と前記第2の容器(20)との間の流体接続を確立するための接続装置(30)を備える閉塞装置(3)と、
を備え、
前記閉塞要素(40)と前記接続装置(30)とが別個の構成要素として取り外し不可能に接続されて
前記閉塞装置(3)を形成し、
前記閉塞要素(40)は、前記第1の容器(10)の前記開口部(11)を閉鎖するキャップ(45)を含み、前記閉塞装置(3)の初期状態において、所定のブレイクポイント(52)を介して前記閉塞要素(40)の締結スリーブ(41)に接続されていることを特徴とする、少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステム(1)
であって、
前記閉塞要素(40)は、締結スリーブ(41)によって前記第1の容器(10)に
、破壊されることなしには取り外
すことが不可能に接続されて
おり、
前記キャップ(45)は、前記接続装置(30)に関する前記閉塞装置(3)の軸(4)に対して軸方向に変位可能であり、かつ、前記軸(4)を中心とした回転に対して回転不可能に
構成されている、パッキングシステム(1)。
【請求項2】
前記接続装置(30)は、前記第2の容器(20)にねじ込むためのねじ山(31)を有する、請求項
1に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項3】
前記締結スリーブ(41)および前記接続装置(30)はそれぞれ、少なくとも1つの相互に対応する回転停止要素(33、43)を有し、
前記回転停止要素は、対応する前記回転停止要素(33、43)が互いに衝突するまでの間のみ、前記閉塞装置(3)
の軸(4)に対する、前記締結スリーブ(41)および前記接続装置(30)の相対的な回転を可能にする、請求項
1又は2に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項4】
前記キャップ(45)は、前記接続装置(30)の前記ねじ山(31)と逆の回転方向を有するねじ山(46)を介して前記第1の容器(10)に接続されている、請求項1~
3のいずれか1項に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項5】
前記キャップねじ(46)は、前記キャップが前記第1の容器に対して回転したときに、前記キャップ(45)を前記第1の容器(10)から最大1回転で完全に離脱させるために、高いねじピッチを有している、請求項
4に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項6】
前記第2の容器(20)が、前記閉塞装置(3)によって前記第1の容器(10)に接続された後に、前記第1の製品調製成分が少なくとも1つのさらなる製品調製成分と混合されるために、さらなる製品調製成分が前記第2の容器(20)に保存される、請求項1~
5のいずれか1項に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項7】
前記閉塞装置(3)は、前記第2の容器(20)に液密方式で接続可能である、請求項1~
6のいずれか1項に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項8】
前記閉塞装置(3)は、前記第1の容器(10)および/または前記第2の容器(20)との液密な接続を確保するために、少なくとも1つの密封要素(34、48、53、54)を有する、請求項1~
7のいずれか1項に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項9】
a. 前記接続装置(30)上および前記第2の容器(20)上の対応するねじ山(21、31)が係合されることによって、前記閉塞装置(3)によって前記第1の容器(10)を前記第2の容器(20)に取り付ける工程と、
b. 前記接続装置(30)と前記第2の容器(20)との間の接続終了位置まで、前記接続装置(30)によって前記閉塞装置(3)を前記第2の容器(20)にねじ込む工程と、
c. 前記第1の容器(10)または前記閉塞要素(40)と、前記第2の容器(20)と、の間の相対的な回転を継続する工程であって、前記接続装置(30)に対して回転不可能に
構成された前記キャップ(45)が、所定のブレイクポイント(52)で前記閉塞要素(40)から分離される工程と、
d. 前記第1の容器(10)または前記閉塞要素(40)と、前記第2の容器(20)と、の間の前記相対的な回転をさらに継続し、分離された前記キャップ(45)は、前記接続装置(30)の前記ねじ山(31)と反対の回転方向を有するねじ山(46)によって前記第1の容器(10)に接続され、前記キャップ(45)は前記第1の容器(10)からねじが外される工程と、
e. 前記第1の容器(10)から離脱した前記キャップ(45)が前記第2の容器(20)内に移動し、前記第1の容器(10)の前記開口部(11)が開放されることで、前記第1の容器(10)と前記第2の容器(20)との間に流体接続を形成する工程と、
f. 前記製品調製成分を前記第1の容器(10)から前記第2の容器(20)に移す工程と、
を含む、請求項
1又は
2に記載のパッキングシステム(1)を用いて、少なくとも1つの製品調製成分を前記第1の容器(10)から前記第2の容器(20)に移送する方法。
【請求項10】
第1の製品調製成分を保存するための第1の容器(10)と、少なくとも1つのさらなる製品調製成分を保存するための第2の容器(20)とを備える、請求項
1又は2に記載のパッキングシステム(1)を用いて多成分製品調製物を混合する方法であって、
a. 前記接続装置(30)上および前記第2の容器(20)上の対応するねじ山(21、31)が係合されることによって、前記閉塞装置(3)によって前記第1の容器(10)を前記第2の容器(20)に取り付ける工程と、
b. 前記接続装置(30)と前記第2の容器(20)との間の接続終了位置まで、前記接続装置(30)を用いて前記閉塞装置(3)を前記第2の容器(20)にねじ込む工程と、
c. 前記第1の容器(10)または前記閉塞要素(40)と、前記第2の容器(20)と、の間の相対的な回転を継続する工程であって、前記接続装置(30)に対して回転不可能に
構成された前記キャップ(45)が、前記所定のブレイクポイント(52)で前記閉塞要素(3)から分離される工程と、
d. 前記第1の容器(10)または前記閉塞要素(40)と、前記第2の容器(20)と、の間の前記相対的な回転をさらに継続する工程であって、分離された前記キャップ(45)は、前記接続装置(30)の前記ねじ山(31)と反対の回転方向を有するねじ山(46)によって、前記第1の容器(10)に接続され、前記キャップ(45)は前記第1の容器(10)からねじが外される工程と、
e. 前記第1の容器(10)から離脱した前記キャップ(45)が前記第2の容器(20)内に移動し、前記第1の容器(10)の前記開口部(11)が開放されることで、前記第1の容器(10)と前記第2の容器(20)との間に流体接続を形成する工程と、
f. 前記第1の製品調製成分を前記第1の容器(10)から前記第2の容器(20)に移送する工程と、
g. 前記第1の容器(10)および/または前記第2の容器(20)内で、2つの前記製品調製成分を混合する工程と、
を含む、方法。
【請求項11】
前記2つの容器(10、20)を接続するための前記工程a~bは、前記工程b~aに従って、前記相対的な回転方向が逆になったときに、前記2つの容器(10、20)を同じ方法で再び接続解除できるように、可逆的に実施することができる、請求項
9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記閉塞装置(3)
の軸(4)を中心とした前記締結スリーブ(41)と前記接続装置(30)との間の前記相対的な回転が、前記締結スリーブ(41)と前記接続装置(30)に設けられた相互に対応する回転停止要素(33、43)によって、360°未満の回転範囲に制限され、
前記回転停止要素(33、43)は、前記対応する回転停止要素(33、43)の開始停止位置と終了停止位置との間でのみ相対的な回転を可能にする、請求項
9~11のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の製品調製成分を保存するための第1の容器と、任意に少なくとも1つのさらなる製品調製成分を保存するための第2の容器と、閉塞要素によって第1の容器の開口部を周囲(環境)から遮断する閉塞装置であって、第2の容器を閉塞装置に接続するため、および第1の容器と第2の容器との間の流体接続を確立するための接続装置を有する、少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステムに関する。本発明は、さらに、収容された製品調製成分を取り扱うための対応する方法に関するものである。このようなパッキングシステムは、これまでのところ、最初に別々に保存された流動性のある製品調製成分の対象となる混合のために使用されることが多く、主に、個々の調製成分がその化学組成のために互いに配合禁忌である、または化学的に非常に反応性が高く、その結果、実際の適用の直前にのみ混合されるべきである2成分または多成分の製品調製物を使用するときに使用される。このような多成分製品の調製物や塗布形態は、化粧品、医療、食品、洗浄剤などの分野で原理的に知られている。
【背景技術】
【0002】
例えば、ドイツの実用新案DE 29721872 U1には、2つの容器を接続するための配置が記載されており、最初は容器内に別々に保存されていた液体を混合することが可能になっている。ここに記載されている接続配置は、特に、染毛剤の個々の成分を混合するために使用され、個々の成分は、互いに配合禁忌であり、したがって、実際に使用されるまで、別々の容器に互いに別々に保存されなければならない。個々の成分は、使用の直前に混合されて、すぐに使用できる染毛剤を形成する。この目的のために、接続配置は2つの接続要素を有し、各接続要素は、対応する容器を取り付けることができる。接続要素はそれぞれ、各容器の内部と流体連通している流路を形成している。さらに、2つの流路は、接続配置内で互いに揃えて並べられている。さらに、接続配置は、流路の1つに第1の位置と第2の位置との間で変位可能に配置された制御要素を有している。制御要素の位置に応じて、流路は開いたり閉じたりすることができる。制御要素の位置に応じて、流路が流され、その結果、接続配置全体が可能になったり、阻止されたりする。流路は、通常、接続配置の初期状態では閉じられている。密封機能を向上させるために、接続配置の初期状態で流路を閉鎖する追加のプラグが提供される。使用時には、変位可能な制御要素の作用でプラグが取り外され、流体が通過できるように流路が確保される。
【0003】
WO2007/111667 A2には、2つの容器の内容物を別々に保存するための2つの容器からなるさらなるシステムが記載されており、このシステムでは、2つの容器を連結する接続装置によって、異なる容器の内容物を使用前に直接混合することができる。この目的のために、接続装置は、閉位置と開位置との間で移動可能な弁配置を有する。開弁位置では、2つの容器間の流体接続を形成する流路が、接続装置内で開かれる。したがって、バルブが開位置にあるとき、2つの容器の内容物を混合することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のパッキングシステムは、原理的には異なる物質を別々に保存し、実際の適用の前に直接それらを混合することを可能にするが、個々の製品調製成分の分割保存と効率的な取り扱いに関する限り、機能的に不十分である。これは、例えば、化学的に高い反応性を持つ物質や、健康を害する可能性のある物質が、一般的なパッキングシステムによって保存されている場合に特に当てはまる。この点において、前述のパッキングシステムは、非常に特定の化学物質の取り扱いにのみ適している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このことから、本発明の目的は、可能な限り多くの異なる化学物質の製品調製成分の信頼性の高い保存および取り扱いを可能にする、少なくとも1つの製品調製成分のための閉鎖型パッキングシステムを提供することである。特に、化学的に非常に反応性の高い、あるいは健康を脅かす物質の信頼性の高い、使い勝手の良い取り扱いが、本発明によるパッキングシステムによって可能になるはずである。
【0006】
目的は、請求項1に記載の少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステムによって達成される。それによると、パッキングシステム全体は、第1の製品調製成分を保存するための第1の容器と、任意に少なくとも1つのさらなる製品調製成分を保存するための第2の容器と、多機能の閉塞装置とを実質的に備える。この閉塞装置は、特に、初期状態の閉塞要素によって、第1の容器の開口部を周囲から遮断することができる。このようにして、何よりも、例えば反応性の化学物質や健康を害する物質などを第1の容器に安全に保存することができる。第1の容器を密閉することにより、第1の容器からの物質成分が周囲に放出されず、周囲の条件、例えば空気中の湿度や大気中の酸素が、化学反応により第1の容器内の物質成分に悪影響を与えることがない。閉塞装置は、さらに、第2の容器を閉塞装置に取り外し可能に接続し、その結果、第1の容器と第2の容器との間の流体接続を確立するための接続装置を備えている。実際、閉塞装置は、閉塞装置が接続装置によって第2の容器に完全に接続されている場合にのみ、第1の容器と第2の容器との間、すなわち第1の容器の開口部の流体接続を実現できるように設計されている。このようにして、製品調製成分が第1の容器から周囲中に望ましくない形でディスペンスされることが効果的に防止される。実際には、製品調製成分は、第2の容器に接続された後にのみ、第1の容器から払い出されることができる。この場合、閉塞装置を形成するために、閉塞要素と接続装置は、元々別個の部材として、取り外し不可能な方法でともに接続される。このようにして、閉塞要素と接続装置は、適切な方法で互いに独立して、例えば射出成形によって特に容易に製造することができ、組み立てられた状態、すなわち閉塞装置としての状態では、有利にも共通の構造ユニットとして取り扱うことができる。閉塞要素と接続装置は、例えば、プレス工程または同等の接合ステップによって、一緒に接合することができる。この場合、閉塞要素と接続装置は、閉塞装置の軸に対する力の作用下で軸方向に押し合わされ、実質的に取り外し不可能な方法で一緒にロックされる。ここで、閉塞要素と接続装置との間の取り外し不可能な接続は、一旦組み立てられた2つの部品が、破壊されることなく、再び互いから取り外すことができないことを意味する。
【0007】
さらに、閉塞要素は、閉塞装置の初期状態において、所定のブレイクポイントを介して閉塞要素の締結スリーブに接続された、第1の容器を閉鎖するためのキャップを備える。原則として、キャップは、第1の容器から容器内容物を吐出するために、開口部を閉じたり、また開いたりすることができるように設計されている。容器を閉じた状態では、キャップは、開口部を完全に覆うようにして第1の容器に接し、その結果、閉塞される。第1の容器を開封するためには、少なくとも十分な範囲でキャップを前記容器から解放する必要がある。このため、閉塞装置の初期状態から、所定のブレイクポイントでの適用状態を実現するために、第1の容器に取り外し不可能に接続された締結スリーブからキャップを分離する。分離後は、キャップを締結スリーブや第1の容器に対して相対的に移動させることができます。相対的な移動により、容器の開口部を開くために、キャップを第1の容器から解放することもできます。このように、キャップが所定のブレイクポイントを介して締結スリーブに接続されることで、一種の不正開封防止シールが形成され、閉塞装置を構成する第1の容器の未使用の初期状態を有利に知らせることができる。
【0008】
原則として、本発明の意味において、「製品調製物」または「製品調製物成分」という用語は、流動性および/または注ぎ可能な物質を意味するものと理解される。これには、通常対応する流動特性を有するすべての液体、ゲル、ペースト状または類似の高粘度物質、および通常対応する流動特性または注ぎ特性を有するすべての粉末、粒子状、顆粒状または比較的に固体状の物質が含まれる。ここで、「製品調整物」または「製品調製成分」は、それぞれ単一の化学物質および物質の混合物で構成されることができる。
【0009】
パッキングシステムの有利な実施形態によれば、閉塞要素、ひいては閉塞装置全体は、破壊された場合を除いて、締結スリーブによって第1の容器に取り外し不可能に接続される。ここで、「取り外し不可能」とは、閉塞要素およびそれぞれの締結スリーブが、破壊されることなく第1の容器から取り外しできないことを意味する。締め付けスリーブと第1の容器との間の取り外し不可能な接続は、好ましくは、ラッチングまたはねじ込み/ラッチングの組み合わせによって作られる。接続技術の観点から、締結スリーブは、特に有利な方法で第1の容器に押し付けることができる。このような方法で第1の容器に取り外し不可能に接続されることにより、閉塞装置は、極めて信頼性の高い密閉された方法で、製品調整成分を第1の容器内に保存する。そのため、消費者が第1の容器を開けることはできず、製品調製成分が第1の容器から意図せずに周囲に漏れることはありません。同様に、第1の容器に保存された製品調製成分は、密封された容器の閉鎖の結果として、空気中の湿度および/または大気中の酸素などの望ましくない周囲の影響から確実に保護される。したがって、この種のパッキングシステムでは、特に、化学的に高反応で健康を害する可能性のある物質を第1の容器に保存して取り扱うことも可能である。
【0010】
本発明の意味における「容器」とは、容器の内部が、当該容器を囲む容器壁によって囲まれ、容器の内容物を吐出するための開口部を有するという共通の特徴を有する多種多様な形状の容器を意味すると理解される。容器の開口部は、適切な閉塞要素によって開閉することができます。このような容器は、さまざまな形をとることができる。しかし、ボトル、バッグ、キャニスター、るつぼ、チューブなどの形状の容器が特に適している。容器の材質については、用途別の内容に応じて、その物理的特性により、容器の内容物を保護するために、周囲、特に大気中の酸素や水分に対して十分なバリア効果を発揮する材質を特に選択する必要があります。さらに、容器材料は、容器内容物との化学的・物理的反応性に関して十分に不活性であるように設計されなければならない。
【0011】
閉塞装置およびその材料の選択に関しては、容器と同様の枠組み条件が適用される。すなわち、材料に関しては、閉塞装置が、特に大気中の酸素および水分に対して適切なバリア効果も有し、かつ容器内容物に対して化学的に不活性であるように設計されることが好ましい。
【0012】
対応する閉塞装置を含むパッキングシステムの有用な設計は、キャップが接続装置に対する閉塞装置の軸に対して軸方向に変位可能であり、軸を中心とした回転に対して回転不能に構成されているという点で達成できる。ここで、軸は、基本的に、閉塞装置の実質的に円筒状またはスリーブ状の主構造を通って中央に延びている。もちろん、キャップの閉塞装置に対する対応する配置は、閉塞装置の初期状態では限られた範囲でしか適用されず、キャップは好ましくは所定のブレイクポイントを介して締結スリーブに一体的に接続され、すなわち、初期状態では、キャップは閉塞装置の締結スリーブに固定的に接続され、当該キャップが当該スリーブに対して軸方向または回転方向に移動できないようになっている。さらに、適用状態、すなわち締結スリーブから分離した後、キャップは、より具体的には、軸方向に、好ましくは締結スリーブに対して限定的に回転可能なように構成される。キャップは、接続装置に対して連続的に、すなわち閉塞装置の初期状態と適用状態の両方で軸方向に変位できるように構成されているが、前記接続装置に対して回転することはできない。この特別な構成の結果、2つの容器の接続の過程で、締結スリーブ、キャップ、および接続装置の間には、個々の構成要素が互いに相対的に移動することによって生じる非常に特別な相互作用がある。具体的には、キャップは、回転しない構成のため、接続装置の回転運動に追従する。その結果、キャップは、アプリケーションの場合、所定のブレイクポイントで、すなわち、締結スリーブに対して回転するときに、締結スリーブから分離することもできる。キャップが締結スリーブから分離された後も、キャップは回転運動に追従し、キャップは締結スリーブに対しても接続装置に対しても軸方向に移動可能である。
【0013】
パッキングシステムのさらなる実施形態では、接続装置が、第2の容器にねじ込むためのねじを有する。このようにして、接続の過程で、接続装置と前記第2の容器の対応するねじ部の相互作用によって、接続装置が第2の容器にねじ込まれる。これにより、特に使い勝手の良い2つの容器の接続が可能となる。
【0014】
パッキングシステムの有利な変形例では、締結スリーブおよび接続装置はそれぞれ、少なくとも1つの相互に対応する回転停止要素を有しており、この回転停止要素は、対応する回転停止要素が互いに衝突するまでの間のみ、締結スリーブおよび接続装置の閉塞装置の軸を中心とした相対的な回転を可能にする。締め付けスリーブと接続装置の相互に対応する回転止め要素は、締め付けスリーブと接続装置の間の相対的な回転を、ほぼ360°の回転範囲、すなわちほぼ1回転に基本的に制限する。それぞれの回転要素は、好ましくは、リブ、ショルダー、突起または他の同等の回転有効停止要素として設計される。全体として、相互に対応する回転停止要素は、適用の場合に、特に2つの対応する回転停止要素が互いに隣接する場合に、締結スリーブと接続装置との間のトルクの基本的な伝達を可能にするために使用される。締め付けスリーブと接続装置は、限られた範囲内で互いに相対的に回転することができる。あるいは、締結スリーブと接続装置との間の回転停止要素を、締結スリーブと接続装置との間の相対的な回転を、回転の一方向には許容するが、逆方向には阻止するロック要素として設計することも考えられる。例えば、ノコギリの歯のような形状をしており、相互に作用することで、工具のラチェットや自転車のフリーホイールの動作原理に似ています。原理的には、このタイプの構造では、一方向の回転でしかトルクを伝達できない。
【0015】
パッキングシステムのさらなる発展した実施形態によれば、締結スリーブまたは接続装置のいずれかが、閉塞装置の軸を中心とした締結スリーブと接続装置との間の相対的な回転に対して開始停止および終了停止が形成されるように、接続装置または締結スリーブの少なくとも1つの対応する回転停止と相互作用する少なくとも2つの回転停止要素を有する。締め付けスリーブと接続装置に1つの回転停止要素しかない変形例の続きとして、少なくとも締め付けスリーブまたは接続装置に2つの回転停止要素を配置することで、2つの構成要素間の相対的な回転が正確に定義された回転範囲に制限される。正確に他の構成要素上の少なくとも1つの対応する回転停止要素と相互作用する2つの回転停止要素は、締結スリーブと接続装置との間の相対的な回転のための開始停止および終了停止を形成する。このようにして、締結スリーブと接続装置との間の相対的な回転のための値の範囲を、360°未満の回転角度に正確に設定することができる。これらの限定された回転角度範囲は、最終的に、第1の容器に対するキャップの最大可能回転量も決定する。この点で、キャップの最大開口寸法または第1の容器からのキャップの完全な離脱は、この限定された回転角度を介して間接的に決定される。すなわち、対応する回転停止要素の終了停止において、回転角度の上限に達すると、キャップも第1の容器から完全に離脱する。従って、容器を完全に結合し、容器間の流体接続を確立するためには、パッキングシステムの個々の構成要素間の制限された相対的な回転のみが必要とされるため、回転角の上限を適切に設定することで、容器接続時のパッキングシステムの取り扱いを容易にすることができる。
【0016】
パッキングシステムの有用な実施形態では、キャップは、接続装置のねじ山と反対の回転方向を有するねじ山を介して第1の容器に接続される。本実施形態では、接続装置を第2の容器にねじ込んで2つの容器を連結する過程で、最終的に第1の容器と第2の容器の間で流体の接続を行うために、回転方向を一定に保つことができるという大きな応用上の利点がある。例えば、接続装置と第2の容器の間には、右に回転するねじが設けられ、キャップと第1の容器の間には、左に回転するねじが形成される。そのため、連結の際には、接続装置を介して、閉塞装置を備えた第1の容器を第2の容器に時計回りに、つまり右回りにねじ込むことができる。この場合、第1の容器は閉塞装置とともに第2の容器に対して時計回りに、すなわち右回りに回転する。この第1容器と第2容器の相対的な回転を時計回りに続けると、接続が完了するだけでなく、同時にキャップが所定のブレイクポイントを介して締結スリーブから分離され、逆回転する糸によりキャップが第1容器から離脱する。接続装置と第2の容器、キャップと第1の容器の間にある逆回転するねじ山が、容器の確実な接続と、第1の容器を開けることによる第1と第2の容器間の流体接続の設定を、非常にシンプルで使いやすい方法で実現している。
【0017】
本発明のパッキングシステムの好ましい態様は、前記キャップを前記第1の容器に対して回転させたときに、最大1回転で前記第1の容器から前記キャップを完全に離脱させるために、前記キャップのねじ山が高いねじピッチを有することを特徴とする。このようにして、第1の容器からキャップを完全に取り外し、2つの容器間の流体接続を確立するためには、限られた相対回転のみが必要であることが保証されます。理想的には、2つの容器間のこの限られた相対的な回転は、1つの完全な回転よりも小さい範囲、すなわち最大360°である。
【0018】
原理的には、2つの接続された容器の間の流体接続によって、第1の容器の対応する開口部を介して、第1の容器から第2の容器へ、キャップが取り外されたときに、第1の容器に保存された製品調製成分を確実かつ損失なく移送することができる。少なくとも、上述したように、流動性のある製品調製成分および/またはそれに対応する注ぎ可能な製品調製成分の場合、それらは一般的に重力の結果として、したがって、上に保持される第1の容器によって自動的に移送される。代替または追加として、製品調製成分の移送は、変形可能な第1の容器に作用する外力によって引き起こすこともできる。例えば、袋状やチューブ状の第1の容器で、製品調製成分を第1の容器から絞り出して第2の容器に移すことができる場合が該当する。
【0019】
パッキングシステムの代替的な実施形態では、第2の容器が閉塞装置によって第1の容器に接続された後に、第1の製品調製成分が少なくとも1つの更なる製品調製成分と混合されるために、更なる製品調製成分が第2の容器に保存される。この目的のために、最初は2つの容器に互いに別々に保存されていた2つの製品調製成分が、流体接続を形成して容器を接続する過程で最初に一緒にされ、後に多成分の製品調整物に混合されるようになっています。実際の混合は、2つの接続された容器を素早く動かすことによってもたらされる。この目的のために、2つの接続された容器は、ユーザによって振られ、旋回され、回転されるなどしている。原理的には、最初は互いに化学的に相容れない個々の製品調製成分からなるこのような多成分製品調製混合物は、珍しいものではない。このような多成分製品の混合物の例としては、多成分のヘアカラー製品などの化粧品応用製品がある。本パッキングシステムの利点は、その主な構造が周囲から遮断されていることにあります。つまり、本パッキングシステムを用いることで、化学的に反応性の高い物質や健康を害する物質も、個々の製品調製部品として安全に取り扱うことができるのです。最後に、対応する第2の容器に接続され、第1の容器が意図されたとおりに開けられた場合に限り、第1の製品調製成分を第1の容器から、任意に、さらなる製品調製成分との後続の混合のために移送することができる。本発明の多機能閉塞装置により、第1の容器から周囲中への第1の製品調製成分の望ましくない放出は効果的に回避される。
【0020】
パッキングシステムの更なる有用な実施形態によれば、閉塞装置は、第2の容器に液密方式で接続することができる。それによると、閉塞装置は、接続装置によって第2の容器に密封的に接続されているので、1つ以上の流動性および/または注ぎ可能な製品調製成分の周囲への望ましくない漏れが確実に回避される。この点で、ユーザが取り扱われている製品調製成分のいずれかに接触しないことを確実に保証する密閉型パッキングシステムが実現されている。
【0021】
パッキングシステムのさらなる発展型では、閉塞装置は、第1の容器および/または第2の容器との液密な接続を保証するために、少なくとも1つの密封要素を有する。このタイプの密封要素は、原則として、ほぼすべての幾何学的な構成をとることができ、主に、軸方向および/または半径方向に密封効果を有する。特に、密封要素は、シーリングリング、シーリングリップなどとして設計することができる。
【0022】
さらに、上述のパッキングシステムを用いて少なくとも1つの製品調製成分を取り扱うための2つの代替方法の説明書についても保護が求められている。
【0023】
第1の代替方法は、少なくとも1つの製品調製成分を第1の容器から第2の容器に確実に移すために使用され、上述したようなパッキングシステムが使用される。それによると、パッキングシステムは、少なくとも1つの第1の製品調製成分を保存するための第1の容器を備え、第1の容器の開口部は、第1の容器に剛体的に接続されている閉塞装置の閉塞要素によって周囲から遮断されている。この目的のために、閉塞要素は、閉塞装置の初期状態では、所定のブレイクポイントを介して閉塞要素の締結スリーブに接続されるキャップを備える。このようにして閉じられた第1の容器は、ユーザが手動で開くことはできない。さらに、閉塞装置は、第2の容器を閉塞装置に接続し、原則として第1の容器と第2の容器との間に流体接続を確立できるようにするための接続装置を有する。この場合、閉塞装置を形成するために、閉塞要素と接続装置は、最初は別個の構成要素として、取り外し不可能な方法で接続される。ここで、「取り外し不可能」とは、接続プロセスの後に破壊されることなく、2つの構成要素を再び互いに分離できないことを意味する。さらに、接続装置は、閉塞装置の軸に対して相対的に軸方向に変位可能であり、軸を中心とした回転に関しては回転不能に構成されている。さらに、接続装置は、第2の容器にねじ込むためのねじを有する。このようなパッキングシステムでは、周囲への望ましくない漏れを伴わずに、製品調製成分を第1の容器から第2の容器に移すために、以下の方法シーケンスが有用であることが証明されている。まず、第1の容器は、閉塞装置によって第2の容器に取り付けられ、具体的には、接続装置の対応するねじ山と第2の容器のねじ山が係合することによって取り付けられます。その後、閉塞装置は、接続装置を用いて第2の容器にねじ込まれ、具体的には、接続装置と第2の容器との間の接続終了位置に達するまでねじ込まれる。接続終了位置とは、接続装置がねじによって第2の容器に完全にねじ込まれた状態を表す。さらに、接続装置は、第2の容器にそれ以上ねじ込むことができず、したがって、少なくとも一時的に第2の容器と固定された構造ユニットを形成する。これは、閉塞装置自体だけでなく、当該装置に取り外し不可能に接続されている第1の容器が第2の容器に接続されることを意味する。その後、第1の容器または閉塞装置と、閉塞装置をねじ込むために既に使用されている第2の容器との間の相対的な回転が継続され、すなわち、接続装置のねじり解除方向を維持しながら、閉塞要素とともに第1の容器が第2の容器に対してさらに相対的に回転される。この場合、所定のブレイクポイントを介して締結スリーブに初期接続され、接続装置に対して回転不能に構成されたキャップは、所定のブレイクポイントで閉塞要素または締結スリーブから分離される。キャップが所定のブレイクポイントで分離されるのは、2つの接続容器の間で相対的な回転が続く間、締結スリーブが第1の容器の動きに追従し、キャップを備えた接続装置が第2の容器の動きに追従するためである。キャップが締結スリーブから分離された後、第1の容器または締結スリーブと第2の容器との間の相対的な回転は、回転方向を維持しながら接続装置によって継続される。分離されたキャップは、接続装置のねじと逆方向の回転方向を持つねじによって第1の容器に接続される。このように、相対的な回転を続けると、逆回転するキャップのねじ山の結果として、キャップは同時に第1の容器からねじを外されることになる。例えば、接続装置と第2の容器との間のねじ山は右に回転するように設計されており、一方、キャップと第1の容器との間のねじ山は左に回転するように設計されている。当然ながら、2つのねじ山の回転方向を逆にすることも考えられるが、2つのねじ山が互いに逆方向に向いていることが重要である。相対的な回転が続いた結果、キャップは第1の容器から完全に外れるまでねじが外される。この完全に切り離された状態では、キャップと第1の容器の対応するねじ部はもはや係合していないため、キャップは第2の容器の中に軸方向に移動する。接続状態では、通常、第1の容器が上に配置されているので、これは重力の結果として起こる。キャップを完全に取り外すと、第1の容器の開口部がすぐに開くため、第1の容器と第2の容器の間に流体が接続される。2つの容器間の流体接続が設定された後、少なくとも1つの製品調製成分を第1の容器から第2の容器に移動させることも可能である。製品調製成分は、好ましくは重力の結果として移送され、容器が接続されたときに第1の容器が上に配置される。さらに、製品の移送は、特に柔軟に設計された第1の容器の場合には、第1の容器に対する外力の作用によって支持することができる。これは、好ましくは、チューブ状または袋状の第1の容器に適用される。
【0024】
原理的には、上述の手順は、ほとんどすべての考えられる製品調製成分の取り扱いに適している。しかし、化学的に非常に反応性の高い、あるいは健康を害する可能性のある物質に関連して、2つの対応する容器を適切に接続した後にのみ製品を移送する可能性を有するパッキングシステムの閉鎖的な動作モードのために、特に有利な使用が生じる。さらに、上述の手順は、多種多様な応用分野で極めて普遍的に使用することができる。純粋に例として、本発明による移送方法の有利な使用は、ここでは特に、あらゆるタイプの物質添加、リフィル容器からのリフィルプロセス、添加剤の添加、および同様の物質移送プロセスに言及することができる。
【0025】
第2の代替方法は、少なくとも1つの製品調製成分を第1の容器から第2の容器に安全に移すだけでなく、続いて第1の製品調製成分を、複数成分の製品調製物を形成するために第2の容器に保存されているさらなる製品調製成分と混合するためにも使用される。また、ここでは、上述したようなパッキングシステムが用いられる。それによると、パッキングシステムは、少なくとも1つの第1の製品調製成分を保存するための第1の容器を備え、第1の容器の開口部は、第1の容器に剛性的に接続されている閉塞装置の閉塞要素によって周囲から閉塞されている。この目的のために、閉塞要素は、閉塞装置の初期状態では、所定のブレイクポイントを介して閉塞要素の締結スリーブに接続されるキャップを備える。このようにして閉じられた第1の容器は、ユーザが手動で開くことはできない。さらに、パッキングシステムは、少なくとも1つのさらなる製品調製成分を保存するための第2の容器を備えている。さらに、閉塞装置は、第2の容器を閉塞装置に接続し、原則として第1の容器と第2の容器との間に流体接続を確立できるようにするための接続装置を有する。この場合、閉塞装置を形成するために、閉塞要素と接続装置は、最初は別個の構成要素として、取り外し不可能な方法で接続される。ここで、「取り外し不可能」とは、接続プロセスの後に破壊されることなく、2つの構成要素を再び互いに分離できないことを意味する。さらに、接続装置は、閉塞装置の軸に対して相対的に軸方向に変位可能であり、軸を中心とした回転に関しては回転不能に構成されている。さらに、接続装置は、第2の容器にねじ込むためのねじを有している。このようなパッキングシステムでは、製品調製成分を第1の容器から第2の容器に、望ましくない周囲への漏れを伴わずに安全に移すために、また、多成分調製物を形成するために、前記製品調製物をさらなる製品調製成分と混合するために、以下の方法シーケンスが有用であることが証明される。まず、第1の容器は、閉塞装置によって第2の容器に取り付けられ、具体的には、接続装置と第2の容器の対応するねじ山が係合することによって取り付けられる。次に、接続装置を用いて、閉塞装置を第2の容器にねじ込む。具体的には、接続装置と第2の容器の間の接続終了位置に達するまでねじ込む。接続終了位置とは、接続装置がねじによって第2の容器に完全にねじ込まれた状態を表す。さらに、接続装置は、第2の容器にそれ以上ねじ込むことができず、したがって、少なくとも一時的に第2の容器と固定された構造ユニットを形成する。これは、閉塞装置自体だけでなく、当該装置に取り外し不可能に接続されている第1の容器が第2の容器に接続されることを意味する。その後、第1の容器または閉塞装置と、閉塞装置をねじ込むために既に使用されている第2の容器との間の相対的な回転が継続され、すなわち、接続装置のねじり解除方向を維持しながら、閉塞要素とともに第1の容器が第2の容器に対してさらに相対的に回転される。この場合、所定のブレイクポイントを介して締結スリーブに初期接続され、接続装置に対して回転不能に構成されたキャップは、所定のブレイクポイントで閉塞要素または締結スリーブから分離される。キャップが所定のブレイクポイントで分離されるのは、2つの接続容器の間で相対的な回転が続く間、締結スリーブが第1の容器の動きに追従し、キャップを備えた接続装置が第2の容器の動きに追従するためである。キャップが締結スリーブから分離された後、第1の容器または締結スリーブと第2の容器との間の相対的な回転は、回転方向を維持しながら接続装置によって継続される。分離されたキャップは、接続装置のねじと逆方向の回転方向を持つねじによって第1の容器に接続される。このように、相対的な回転を続けると、逆回転するキャップのねじ山の結果として、キャップは同時に第1の容器からねじを外されることになる。例えば、接続装置と第2の容器との間のねじ山は右に回転するように設計されており、一方、キャップと第1の容器との間のねじ山は左に回転するように設計されている。当然ながら、2つのねじ山の回転方向を逆にすることも考えられるが、2つのねじ山が互いに逆方向に向いていることが重要である。相対的な回転が続いた結果、キャップは第1の容器から完全に外れるまでねじが外される。この完全に切り離された状態では、キャップと第1の容器の対応するねじ部はもはや係合していないため、キャップは第2の容器の中に軸方向に移動する。接続状態では、通常、第1の容器が上に配置されているので、これは重力の結果として起こりうる。キャップを完全に取り外すと、第1の容器の開口部がすぐに開くため、第1の容器と第2の容器の間に流体が接続される。2つの容器間の流体接続が設定された後、少なくとも1つの製品調製成分を第1の容器から第2の容器に移動させることも可能である。製品調製成分は、好ましくは重力の結果として移送され、容器が接続されたときに第1の容器が上に配置される。さらに、製品の移送は、特に柔軟に設計された第1の容器の場合には、第1の容器に外力が作用することによって支持することができる。これは、好ましくは、チューブ状または袋状の第1の容器に適用される。第1の製品調製成分が第2の容器に移された後、次に、複数の製品調製成分を第2の容器内で混合して、複数成分の製品調製物を形成することができる。混合は、好ましくは、2つの接続された容器の適切な動き、例えば、振られる、回転させるまたは同様に動かされる。特に、複数の製品調製成分の混合プロセスは、2つの容器間の連続的な流体接続の下で行われる。これにより、異なる製品調製成分の非常に均質な混合物が形成されるだけでなく、製品調製成分が完全に混合されて複数成分の製品調製物が形成されることが保証される。これにより、保存されている個々の製品調製成分の量が、実際に複数成分の製品調整混合物に完全に流入することが保証される。この点で、製品調製成分の全量を混合することで、個々の製品調製成分間の定義された、したがって頻繁に意図される混合比も維持されることが同時に保証される。
【0026】
さらに、この第2の代替方法では、密閉パッキングシステムの特定の設計により、ユーザにとって重要な個々の製品調製成分の特に安全な取り扱いも保証される。原則として、上述の混合プロセスは、混合物にさらに処理されなければならない多数の異なる製品調製成分を取り扱うのに適している。とりわけ、このような混合方法は、互いにまたは周囲パラメータに関して化学的に高い反応性を持ち、実際に使用されるまで互いに分離しておかなければならない個々の製品調製成分に有用である。このような応用形態の例として、ヘアカラー製品などの多成分化粧品を挙げることができる。また、個別には健康を害する可能性のある物質であっても、パッキングシステムが密閉型であることから、混合方法によって有利かつ安全に取り扱うことができる。また、上述の混合方法は、幅広い分野で極めて汎用的に使用することができる。
【0027】
上述した2つの方法代替案の特に有利な発展によれば、少なくとも2つの容器を接続するための方法ステップは、可逆的に実施することができる。それによると、2つの容器を接続するために使用される相対的な回転方向が逆になると、2つの容器は、すでに上述した対応する個々の方法ステップの逆の順序で、アナログ的な方法で再び接続を解除することができる。原理的には、接続され流体的に接続された2つの容器間の相対的な回転方向を逆転させると、接続装置が第2の容器から完全に外れるまで、第2の容器から接続装置のねじが外されることになる。このような可逆的な手順により、本発明によるパッキングシステムを用いて接続および接続解除プロセスを何度でも繰り返したり、接続解除後に、製品調整混合物を有する第2の容器を用途に応じた方法で継続して取り扱うことができる可能性が広がる。第1の容器からキャップを完全に取り外すことにより、容器間の流体接続を確立することは不可能である。これにより、製品混合物を生成するために、2つの容器から製品調製成分の全量を使用することが保証される。最後に、これにより製品調整混合物内の個々の製品調製成分間の規定された混合比が保証されます。いずれにしても、容器の接続について述べた方法ステップのこのような可逆的な順序は、移送方法でも混合方法でも可能である。
【0028】
前述した2つの代替方法の更なる有用な設計により、締結スリーブと接続装置との間の閉塞装置の軸を中心とした相対的な回転は、相互に対応する回転停止要素が締結スリーブと接続装置に設けられていることにより、360°未満の回転範囲に制限され、この要素は、対応する回転停止要素の開始停止位置と終了停止位置との間でのみ相対的な回転を許容することになる。すでに述べたように、2つの回転停止要素は、まさに他の構成要素上の少なくとも1つの対応する回転停止要素と相互作用することで、締結スリーブと接続装置との間の相対的な回転の開始停止及び終了停止を形成する。このようにして、締結スリーブと接続装置との間の相対的な回転のための値の範囲を、360°未満の回転角度に正確に設定することができる。これらの限られた回転角度の範囲は、最終的には、第1の容器に対するキャップの最大可能回転量も決定する。この点において、キャップの最大開口寸法または第1の容器からのキャップの完全な離脱は、この限られた回転角度を介して間接的に決定される。すなわち、対応する回転停止要素の終了停止において、回転角度の上限に達すると、キャップも第1の容器から完全に離脱する。さらに詳しく言うと、キャップと第1の容器の間のねじは、その回転方向から見て、接続装置と第2の容器の間のねじに対抗するように設計されているだけでなく、ねじピッチは、接続装置と第2の容器の間のねじよりもかなり高くなるように選択されている。キャップと第一の容器との間のねじ山のピッチが高いため、限られた相対回転にもかかわらず、キャップは十分な軸方向の移動を行い、限られた回転運動でもキャップを第1の容器から素早く取り外し、容器の開口部を開くことができる。このように、ねじ山のピッチを最適に設計することで、最終的には、閉塞要素と接続装置の間の相対的な回転の開始停止または終了停止の範囲内で、十分な軸方向の開閉動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明のさらなる特徴についても、図に示す実施形態を参照して以下に説明する。
【
図1】
図1は、パッキングシステムの個々の構成要素の一実施形態を透視図で示す。
【
図3】
図3は、2つの異なる動作状態にある
図1の閉塞装置を2つの断面図で示す。
【
図4】
図4は、3つの異なる動作状態にある
図1のパッキングシステムを3つの断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1~
図4に示す実施形態では、第1の製品調製成分(ここでは図示せず)を保存するための第1の容器10と、任意に少なくとも1つのさらなる第2の製品調製成分(これもここでは図示せず)を保存するための第2の容器20とを備えるパッキングシステム1を示している。図示のパッキングシステム1は、第1の製品調製成分を第1の容器10から第2の容器20へ制御された方法で安全に移送するために使用される。第2の容器20内にさらなる第2の製品調製成分がある場合、多成分製品調製物を形成するために、2つの製品調製成分を有利に混合することもできる。
【0031】
2つの容器10、20に加えて、パッキングシステム1は、閉塞要素40によって初期状態で第1の容器10を周囲から閉塞する多機能閉塞装置3も備えている。第1の容器10の信頼性の高い閉塞のために、閉塞要素40は、初期状態では、使用可能な状態で第1の容器10に非破壊的で取り外し不可能に接続される締結スリーブ41を含んでいる。この目的のために、締結スリーブ41は、好ましくは、第1の容器10にラッチされるか、または、ねじ込みとラッチの組み合わせでラッチされる。いずれにしても、第1の容器10に取り外し不可能に接続されている締結スリーブ41は、閉塞装置3の軸4に対して軸方向および回転方向に固定された態様で第1の容器10に固定されている。締結スリーブ41に加えて、閉塞要素40は、使用可能な状態の第1の容器10の開口部11を封止する、実質的にポット状のキャップ45を有する。この目的のために、キャップ45は、第1の容器10の開口部11を正確に閉じることができる環状のシーリングプラグ48を有する底壁47を有する。これにより、第1の製品調製成分が第1の容器10から周囲中に望ましくない形で流出することが確実に防止される。
【0032】
また、閉塞装置3は、第2の容器20を閉塞装置3に、すなわち第1の容器10に、間接的に接続し、閉塞装置3の介在によって第1の容器10と第2の容器20との間に流体接続を確立するために、接続装置30を有する。この目的のために、接続装置30は、第2の容器20上の対応するねじ21と係合するように意図されたねじ31を有する環状の主構造を有する。さらに、接続装置30は、キャップ45と組み合って相互に作用することができるインナースリーブ32も有している。
【0033】
原理的には、閉塞装置3の2つの構成要素である閉塞要素40および接続装置30は、初めは別個の構成要素として設計されており、例えば射出成形によって互いに独立して容易に製造することができるという点で有利である。使用時には、閉塞装置3を形成するために、閉塞要素40と接続装置30とが非破壊的で取り外し不可能に接続される。これは、好ましくは、閉塞要素40と接続装置30とが互いに軸方向にラッチされる押し付け接続によって行われる。ラッチ後、特に
図2~
図4にも示されるように、閉塞要素40および接続装置30は、閉塞装置3がその後非常に容易に取り扱えるように、閉塞装置3を形成するために、取り外し不可能に一緒に接続される。同時に、閉塞要素40と接続装置30は、軸4を中心とした閉塞要素40と接続装置30の限定的な相対回転が原理的に可能なように、閉塞装置3内で組み合わされている。この目的のために、相互に対応する回転停止要素33,43が、閉塞要素40および接続装置30に設けられており、これらの要素は、対応する相互作用により、閉塞要素40と接続装置30との間の相対的な回転を、使用中に360°未満の回転角度範囲に制限する。これは、1回転未満の回転範囲に相当する。この場合、回転停止要素33、43は、好ましくは、放射状のリブまたは突起として設計されるが、他の適切な幾何学的設計を有することもできる。特に好ましい実施形態によれば、複数の回転停止要素33,43を、閉塞要素40および/または接続装置30の円周上に分散させることができる。その結果、有利には、閉塞要素40と接続装置30との間の相対回転のための回転角度範囲をさらに制限することができる。したがって、閉塞要素40と接続装置30との間で許容される相対回転の所望の量は、円周上に配された回転停止要素33,43の位置を介して、非常に適格な方法で設定することができる。とりわけ、円周上に配された複数の回転停止要素33,43の相互作用により、閉塞要素40と接続装置30との間の開始停止位置および終了停止位置の規定された固定が可能となり、すなわち、閉塞要素40と接続装置30との間の規定された相対回転は、回転開始停止と回転終了停止との間の決定された、限定された回転角度範囲に制限されることになる。実施形態で例示した相対回転の制限の代替として、閉塞要素40と接続装置30との間の一方向の回転のみの相対回転も許容することができる。この目的のために、閉塞要素40と接続装置30との間の回転停止要素は、閉塞要素40と接続装置30との間の相対回転を回転の一方向には許容するが、反対方向には阻止する適切なロック要素として設計される。例えば、ノコギリの歯のような形状をしており、相互に作用することで、工具のラチェットや自転車のフリーホイールのような動作原理を実現している。このタイプの構造では、原理的に一方向の回転でしかトルクを伝達できない。
【0034】
既に述べたように、パッキングシステム1の初期状態では、閉塞装置3は、第1の製品調製成分が充填された第1の容器10に取り外し不可能に固定されている。さらに、この初期状態では、
図2から分かるように、キャップ45が接続装置30のインナースリーブ32内に
組み合って延びるように、閉塞要素40と接続装置30とが互いに配置されている。この目的のために、キャップ45の周壁49には、インナースリーブ32の対応する凹部35と
組み合うように相互作用する、半径方向に突出する突起50が形成されている。その結果、キャップ45は、軸4を中心とした接続装置30のあらゆる回転にキャップ45が追従するように、閉塞装置の軸4を中心とした回転に関して接続装置30に回転不能に固定される。
【0035】
さらに、キャップ45は、実質的にポット状の主構造を有しており、具体的には、初期状態において第1の容器10の開口部11を覆う底壁47と、軸4を中心に延びる周壁49とを有している。周壁49の外側には、複数(本実施形態では3つ)の径方向に突出する突起50が一体的に形成されている。さらに、初期状態では、キャップ45は、所定のブレイクポイント52を介して締結スリーブ41に一体的に接続されている。本実施形態では、所定のブレイクポイント52は、キャップの円周上に分散して配置され、それぞれが締結スリーブ41とキャップの周壁49との間に延在する複数の点状の接続突起から構成されている。当然ながら、本発明の意味の範囲内で、所定のブレイクポイントの他の、代替的に適したデザインも考えられる。
【0036】
密封効果を向上させるために、閉塞装置3は、好ましくは、閉塞装置3自体の中で、または閉塞装置と第1および/または第2の容器10、20との間で有効な、少なくとも1つの密封要素34、48、53、54を備えている。
図1~
図4に示す閉塞装置3の実施形態では、好ましくはシーリングリップ、シーリングリング、環状のシーリングプラグ等として設計された複数の密封要素34、48、53、54が設けられている。これらの密封要素34、48、53、54は、特に、容器10、20のいずれかから製品調製成分が周囲中に望ましくない形で放出されることをともに防止し、大気中の酸素や湿度などの周囲の影響が製品調製成分に悪影響を及ぼすことを防止するためのバリアを形成する。
【0037】
一般に、このような実質的に閉鎖されたパッキングシステム1は、多種多様な製品調製成分または他の化学物質を保存する、及び取り扱うために、特に多目的に使用することができる。特に、パッキングシステム1は、ユーザが、容器の内容物に関して完全に接触しない方法で、その中に含まれる製品調製成分を取り扱うことを可能にする。実質的に、パッキングシステム1は、第1の容器10から第2の容器20への第1の製品調製成分の使い勝手の良い移送、及び、任意に、第1の製品調製成分と、第2の容器20に元々保存されているさらなる第2の製品調製成分と、のその後の混合、の両方を可能にする。示されているパッキングシステム1の実施形態が、好ましくは多成分の製品調製物を混合するために設計されている場合であっても、パッキングシステム1の2つの本質的な取り扱いの代替は、以下でより詳細に説明される。
【0038】
少なくとも第1の容器10に保存されている第1の製品調製成分を取り扱うための容器接続のプロセスは、主に
図3から
図4を参照して説明される。2つの容器10、20を接続するために、まず、閉塞装置3が取り外し不可能に固定されている第1の容器10が、第2の容器20の上の位置に配置される。これは、少なくとも原理的には、
図4の左側の図面から導き出すことができる。この初期状態では、キャップ45は、第1の容器10の開口部11が環状の封止プラグ48によって封止されるように、相互のねじ接続部12、46を介して第1の容器10に完全にねじ込まれる。同時に、第2の容器20および接続装置30に設けられた相互に対応するねじ山21、31が互いに取り付けられる。その後、第1の容器10は、閉塞装置3とともに、第2の容器20に対して時計回りの方向に回転される。この場合、接続装置30は、実施形態では右に回転するそのねじ山31を介して、第2の容器20の対応するねじ山21にねじ込まれる。この段階では、対応する回転停止要素33、43の対応する相互作用によって、この回転方向の相対的な回転が阻止されるので、閉塞要素40と接続装置30との間の相対的な回転もない。第1の容器10または閉塞装置3と第2の容器20との間の相対回転は、
図4の左側の図面に示されている接続終了位置に到達するまで継続される。その後、接続装置30は、第2の容器20に完全にねじ込まれ、接続装置30を時計回りに回転させることができなくなり、接続装置30は、少なくともこの段階では、第2の容器20とともに固定された構造ユニットを形成している。この接続終了位置で、接続装置30は、容器の接続を継続する過程で、第2の容器20のさらなる動きに追従する。2つの容器10、20が原理的に互いに接続されているが、容器1、20の間にまだ流体の接続がない接続終了位置に到達した後、閉塞装置3のねじを外すために既に使用された相対回転が、第1の容器10または閉塞装置3と第2の容器20との間で時計回り方向に継続され、すなわち、閉塞要素40とともに第1の容器10が、接続装置30の右側のねじ外し方向を維持しながら、第2の容器20に対してさらに相対的に回転される。この継続的な回転運動の過程で、最初に所定のブレイクポイント52を介して締結スリーブ41に接続され、接続装置30に対して回転不能に
構成されているキャップ45は、所定のブレイクポイント52で閉塞要素40または締結スリーブ41から分離される。キャップ45が所定のブレイクポイント52で分離されるのは、2つの接続容器10、20間の継続的な相対回転中に、締結スリーブ41が第1の容器10の回転運動に追従する一方、キャップ45を有する接続装置30が第2の容器20の回転運動に追従することによると考えられる。規定されたトルク閾値を超えると、これにより、所定のブレイクポイント52が破断されることになる。ここで、所定のブレイクポイント52を破壊するのに必要なトルクは、いかなる場合でも、接続装置30を第2の容器20にねじ込むのに必要なトルクよりも大きいことに留意すべきである。これは、2つの容器10、20を接続する際に、個々の方法ステップの所望の順序を維持する唯一の方法である。
【0039】
キャップ45が締結スリーブ41から分離された後、締結スリーブ41を備えた第1の容器10と、接続装置30を備えた第2の容器20との間の相対的な回転は、先の回転方向を維持しながら継続される。ここで分離されたキャップ45は、ねじ山46によって第1の容器10上の対応するねじ山12に接続され、第1の容器10およびキャップ45上の対応するねじ山12、46は、第2の容器20または接続装置30上の対応するねじ山21、31の回転方向とは逆方向の回転方向を有する。したがって、2つの容器10、20間の相対的な回転が継続しているときに、逆回転するキャップのねじ山の結果として、キャップ45は同時に第1の容器10からねじが外される(
図4の中央の図面を参照)。例えば、第2の容器20と接続装置30の相互に対応するねじ山21、31は、右に回転するように設計されており、一方、第1の容器10とキャップ45の対応するねじ山12、46は、左に回転するように設計されている。当然ながら、ねじ山21、31、12、46のそれぞれの逆方向の回転も考えられ、互いに関連付けられた対のねじ山21、31、12、46が互いに逆方向に向いていなければならないことが決定的である。継続的な相対回転の結果、キャップ45はすでに、第1の容器10から少なくとも十分な距離だけねじが外され、キャップ45上および第1の容器10上の対応するねじ山12、46がもはや接続しなくなり、結果的にキャップ45は第1の容器10から完全に離脱する。同時に、キャップ45を完全に取り外すことで、第1の容器10の開口部11も、第1の容器10と第2の容器20との間に流体の接続が確立されるように開かれる。キャップ45は、もはや第1の容器10に保持されておらず、通常は重力により第2の容器20内に移動する。容器10、20の間で流体接続が確立されたこの状態は、とりわけ
図4の右側の図面によって示されている。2つの容器10、20の間の流体接続が設定された後、その後、第1の容器10から第2の容器20への少なくとも1つの製品調製成分の移送も行われ得る。流動性および/または注ぎ性の製品調製成分(ここでは図示せず)は、好ましくは重力の結果としてこのように移送され、容器が接続されたときに、第1の容器10は上に配置される。さらに、製品の移送は、特に柔軟に設計された第1の容器10の場合には、第1の容器10に対する外力の作用によって支持することができる。これは好ましくは、チューブ状または袋状の第1の容器10に適用される。
【0040】
本発明によるパッキングシステム1を取り扱うための上述の手順は、その決定的な利点も明らかにする。周囲に対するパッキングシステム1の閉塞構造により、容器10、20に保存された製品調製成分の安全な取り扱いが、あらゆる状況下で保証される。非破壊的で取り外し不可能に固定された閉塞装置3により、第1の容器10だけから内容物を手動で取り出すことは不可能である。むしろ、第1の容器10の初期状態では、
図2に示されるように、キャップ45は、接続装置30のインナースリーブ32に
組み合うように埋め込まれていることにより、外部からの手動アクセスに対して保護されている。その結果、キャップ45は、対応する第2の容器20を有する閉塞装置3の相互作用なしに、第1の容器10から離脱することができない。キャップ45は、上述した相互作用により、対応する第2の容器20との接続の場合にのみ、第1の容器10の開口部11から離脱する。したがって、第1の容器10の流体接続は、それに適合する第2の容器20に排他的に限定される。第1の容器10と周囲との間の望ましくない流体接続は、パッキングシステムの特定の設計によって排除される。このようにして、パッキングシステム1は、有利に不正開封ができないだけでなく、閉鎖されたパッキングシステム1内でのみ製品調製成分の移送を実現する。このようにして、例えば、ある容器から別の容器への移動中に物質が望ましくない形でこぼれることを回避することができる。最終的に、閉鎖型パッキングシステム1は、あらゆる適用状態において、ユーザとその中に含まれる製品調製成分との間のいかなる接触も防止する。
【0041】
2つの容器10、20を接続し、キャップ45を開くことによって容器10、20間の流体接続を確立するための上述の手順は、第1の容器10から第2の容器20への第1の製品調製物成分の移送のためだけに使用することはできない。あるいは、複数成分の製品調製物を混合するために上述のパッキングシステムを使用することも考えられる。この目的のために、第1の製品調製成分が第1の容器10に初期状態で保存され、一方で、少なくとも1つのさらなる製品調製成分が第2の容器20に保存される。初期状態では、第2の容器20は、好ましくは、取り外し可能なクロージャ(ここでは図示せず)によって周囲から閉ざされる。ここで、2つの容器10、20が上で説明した手順に従って互いに接続され、対応する流体接続が確立された場合、第1の製品調製成分とさらなる製品調製成分は、一般的に第2の容器20に一緒に入れることができる。第1の製品調製成分は、説明したように、第1の容器10から第2の容器20に移送される。その後、2つの製品調製成分は、接続され流体的に接続された容器10、20内で互いに混合することができる。この目的のために、接続された容器10、20からなるパッキングシステム1全体は、好ましくは、2つの製品調製成分を混合して、動きのダイナミックさを通じて可能な限り均質な多成分製品調製物にするために、振られる、回転させるまたは同様に動かされる。理想的には、混合プロセスの間、容器10、20の間の流体接続が維持され、これにより、利用可能な混合スペースが増加し、製品調製混合物の製造のために両方の製品調整成分がその全量で使用されることが保証される。
【0042】
パッキングシステム1が、
図4の右側の図面に示すように、容器10、20が接続され、容器間に流体接続が設定された状態で使用されているとき、キャップ45が第1の容器10から完全に離脱していることも分かる。したがって、キャップ45は、もはや第1の容器10とは何の関係もなく、一方で第2の容器20の中に移動している。それによると、2つの容器10、20を接続するために使用される第1の相対的な回転方向が逆転した場合、2つの容器10、20は、既に上述した対応する個々の方法ステップの逆の順序で、アナログ的な方法で再び接続を解除することができる。原理的には、接続され流体的に接続された2つの容器10、20の間の相対的な回転方向の反転により、接続装置30が第2の容器20から完全に離脱できるまで、接続装置30が第2の容器20からねじを外されることになる。このような可逆的な手順は、本発明によるパッキングシステム1を用いて接続および接続解除プロセスを所望の頻度で繰り返す可能性を広げるものであり、また、解除後に、製品調整混合物を有する第2の容器20を用途に応じた方法で継続して取り扱う可能性を広げるものである。容器間の流体接続を確立することは、第1の容器10からのキャップ45を完全に離脱した結果、元に戻すことはできない。これにより、製品調整混合物を生成するために、2つの容器から製品調製成分の全量を使用することが保証される。最後に、これにより、製品調整混合物内の個々の製品調製成分間の規定された混合比が保証される。いずれにしても、容器の接続について述べた方法ステップのこのような可逆的な順序は、移送方法と混合方法の両方で可能である。
【0043】
原理的には、上述の手順は、本発明による意味において、ほとんどすべての考えられる流動性および/または注ぎ性の製品調製成分を取り扱うのに適している。しかしながら、2つの対応する容器10、20を適切に接続した後にのみ製品を移送する可能性を有するパッキングシステム1の閉塞動作モードのために、個別に考えると化学的に高反応性の物質または健康に害を及ぼす可能性のある物質に関連して、特に有利な使用が生じる。さらに、上述の手順は、多種多様な応用分野で極めて普遍的に使用することができる。純粋に例として、本発明による移送方法の有利な使用は、ここでは特に、あらゆるタイプの物質添加、リフィル容器からのリフィルプロセス、添加剤の添加、および同様の物質移送プロセスに言及することができる。
【0044】
さらに、閉鎖型パッキングシステム1の特定の設計は、複数成分の製品調整混合物の製造の場合にユーザにとって重要な個々の製品調製成分の特に安全な取り扱いを保証する。原則として、上述の混合プロセスは、混合物にさらに処理されなければならない多数の異なる製品調製成分を取り扱うのに適している。とりわけ、このような混合方法は、互いに化学的に高い反応性を持ち、実際に使用されるまで互いに別々に保存しなければならない個々の製品調製成分に有用である。このような応用形態の例として、ヘアカラー製品などの多成分化粧品を挙げることができる。また、個別には健康を害する可能性のある物質であっても、パッキングシステムが密閉型であることから、混合方法によって有利かつ安全に取り扱うことができる。また、上述の混合方法は、幅広い分野で極めて汎用的に使用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 パッキングシステム
3 閉塞装置
4 軸
10 第1の容器
11 開口部
12 ねじ山
20 第2の容器
21 ねじ山
30 接続装置
31 ねじ山
32 インナースリーブ
33 回転停止要素
34 密封要素
35 凹部
40 閉塞要素
41 締結スリーブ
43 回転停止要素
45 キャップ
46 ねじ山
47 底壁
48 密封要素
49 周壁
50 突起
52 所定のブレイクポイント
53 密封要素
54 密封要素