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特許7549031半導体処理チャンバ内のコンダクタンスライナのための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】半導体処理チャンバ内のコンダクタンスライナのための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240903BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240903BHJP
   C23C 16/509 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
C23C16/509
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022554202
(86)(22)【出願日】2021-01-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 US2021013417
(87)【国際公開番号】W WO2021183211
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】16/816,672
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン, ティモシー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ディンサ, ラジンダー
(72)【発明者】
【氏名】ビョン, ダニエル サング
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, カーラトン
【審査官】原島 啓一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第00/075972(WO,A1)
【文献】特開2002-025983(JP,A)
【文献】特開2018-195817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/365
H01L 21/461
H01L 21/469
H01L 21/86
H05H 1/00-1/54
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための装置であって、
処理空間を有する処理チャンバ、
前記処理空間を囲むコンダクタンスライナであって、前記コンダクタンスライナが、少なくとも1つの固定部分及び可動部分を有し、前記可動部分が、前記処理チャンバの壁における基板移送スロットを露出させるように構成されている、コンダクタンスライナ、並びに
アクチュエータを有するリフティングアセンブリであって、前記アクチュエータが、前記コンダクタンスライナの前記可動部分に取り付けられており、前記リフティングアセンブリが、前記コンダクタンスライナの前記可動部分を垂直方向に移動させるように構成されている、リフティングアセンブリ
を備え
前記アクチュエータが、非導電性である少なくとも一部分を有し、前記少なくとも一部分が、前記コンダクタンスライナの前記可動部分を電気的に絶縁するように構成されている装置。
【請求項2】
前記コンダクタンスライナの前記少なくとも1つの固定部分が、前記処理チャンバの上部に第1の水平部分を有し、前記コンダクタンスライナの前記可動部分が、垂直部分及び第2の水平部分を有し、前記垂直部分は、前記可動部分が上昇させられたときに、前記固定部分と相互作用するように構成され、前記第2の水平部分は、前記可動部分が上昇させられたときに、端部リングと相互作用して、前記処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記垂直部分が、上端に第1の凹部を有し、前記第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、前記第2の水平部分が、前記垂直部分に対して遠位の端部の上面に第2の凹部を有し、前記第2の凹部内には第2のRFガスケットがある、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
基板を処理するための装置であって、
処理空間を有する処理チャンバ、
前記処理空間を囲むコンダクタンスライナであって、前記コンダクタンスライナが、少なくとも1つの固定部分及び可動部分を有し、前記可動部分が、前記処理チャンバの壁における基板移送スロットを露出させるように構成されている、コンダクタンスライナ、並びに
アクチュエータを有するリフティングアセンブリであって、前記アクチュエータが、前記コンダクタンスライナの前記可動部分に取り付けられており、前記リフティングアセンブリが、前記コンダクタンスライナの前記可動部分を垂直方向に移動させるように構成されている、リフティングアセンブリ
を備え、
前記コンダクタンスライナの前記少なくとも1つの固定部分が、前記処理チャンバの上部に第1の水平部分を有し、かつ端部リングと電気的に相互作用する第2の水平部分を有し、前記コンダクタンスライナの前記可動部分が垂直部分であり、前記垂直部分は、前記可動部分が上昇させられたときに、前記第1の水平部分及び前記第2の水平部分と電気的に相互作用して、前記処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成されている、装置。
【請求項5】
前記垂直部分が、上端に第1の凹部を有し、前記第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、前記垂直部分が、底端部における側面に第2の凹部を有し、前記第2の凹部内には第2のRFガスケットがある、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記コンダクタンスライナの前記少なくとも1つの固定部分が、前記処理チャンバの上部第1の水平部分及び第1の垂直部分を有し、前記コンダクタンスライナの記可動部分が、第2の垂直部分及び第2の水平部分を有し、前記第2の垂直部分は、前記可動部分が上昇させられたときに、前記第1の垂直部分と相互作用するように構成され、前記第2の水平部分は、前記可動部分が上昇させられたときに、端部リングと相互作用して、前記処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の垂直部分が、上端に第1の凹部を有し、前記第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、前記第2の水平部分が、前記第2の垂直部分に対して遠位の端部の上面に第2の凹部を有し、前記第2の凹部内には第2のRFガスケットがある、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記リフティングアセンブリが、前記アクチュエータを垂直に移動させるためにリニアモータ駆動部を利用するか、又は前記アクチュエータを垂直に移動させるためにガス圧式駆動部を利用する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記コンダクタンスライナの少なくとも一部分が、ポリシリコン、ケイ素、炭化ケイ素、単結晶ケイ素、又は炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウムである、請求項1または4に記載の装置。
【請求項10】
基板を処理するための装置であって、
処理チャンバ内の処理空間を囲み、プラズマを閉じ込め、RF接地リターン経路を設けるように構成されたコンダクタンスライナを備え、前記コンダクタンスライナが、
前記処理チャンバ内に固定されるように構成された少なくとも1つの第1の部分と、
前記処理チャンバの壁における基板移送スロットを露出させるために、前記処理チャンバ内で垂直方向に移動可能であるように構成された第2の部分と
を有し、前記第2の部分が、上昇位置にあり、前記少なくとも1つの第1の部分と電気的に相互作用しているときに、前記RF接地リターン経路の一部を設けるように構成され
前記少なくとも1つの第1の部分が、第1の水平部分及び分離された第2の水平部分を有し、前記第2の部分が、垂直部分を有し、前記垂直部分は、前記第2の部分が上昇させられたときに、前記第1の水平部分及び前記第2の水平部分と電気的に相互作用して、前記処理チャンバ内で前記RF接地リターン経路を完成させるように構成されている、装置。
【請求項11】
基板を処理するための装置であって、
処理チャンバ内の処理空間を囲み、プラズマを閉じ込め、RF接地リターン経路を設けるように構成されたコンダクタンスライナを備え、前記コンダクタンスライナが、
前記処理チャンバ内に固定されるように構成された少なくとも1つの第1の部分と、
前記処理チャンバの壁における基板移送スロットを露出させるために、前記処理チャンバ内で垂直方向に移動可能であるように構成された第2の部分と
を有し、前記第2の部分が、上昇位置にあり、前記少なくとも1つの第1の部分と電気的に相互作用しているときに、前記RF接地リターン経路の一部を設けるように構成され、
前記少なくとも1つの第1の部分が、第1の水平部分を有し、前記第2の部分が、垂直部分及び第2の水平部分を有し、前記垂直部分は、前記第2の部分が上昇させられたときに、前記第1の部分と相互作用するように構成され、前記第2の水平部分は、前記第2の部分が上昇させられたときに、接地と相互作用して、前記処理チャンバ内の前記RF接地リターン経路を完成させるように構成され
前記コンダクタンスライナの少なくとも一部分が、ポリシリコン、ケイ素、炭化ケイ素、単結晶ケイ素、又は炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウムである、装置。
【請求項12】
前記垂直部分が、上端に第1の凹部を有し、前記第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、前記第2の水平部分が、前記垂直部分に対して遠位の端部の上面に第2の凹部を有し、前記第2の凹部内には第2のRFガスケットがある、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のRFガスケット又は前記第2のRFガスケットがステンレス鋼である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記垂直部分が、上端に第1の凹部を有し、前記第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、前記垂直部分が、底端部における側面に第2の凹部を有し、前記第2の凹部内には第2のRFガスケットがある、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
基板を処理するための装置であって、
処理チャンバ内の処理空間を囲み、プラズマを閉じ込め、RF接地リターン経路を設けるように構成されたコンダクタンスライナを備え、前記コンダクタンスライナが、
前記処理チャンバ内に固定されるように構成された少なくとも1つの第1の部分と、
前記処理チャンバの壁における基板移送スロットを露出させるために、前記処理チャンバ内で垂直方向に移動可能であるように構成された第2の部分と
を有し、前記第2の部分が、上昇位置にあり、前記少なくとも1つの第1の部分と電気的に相互作用しているときに、前記RF接地リターン経路の一部を設けるように構成され、
前記少なくとも1つの第1の部分が、第1の垂直部分に接続された第1の水平部分を有し、前記第2の部分が、第2の水平部分に接続された第2の垂直部分を有し、前記第2の垂直部分は、前記第2の部分が上昇させられたときに、前記第1の垂直部分と相互作用するように構成され、前記第2の水平部分は、前記第2の部分が上昇させられたときに、接地と相互作用して、前記処理チャンバ内の前記RF接地リターン経路を完成させるように構成され
前記コンダクタンスライナの少なくとも一部分が、ポリシリコン、ケイ素、炭化ケイ素、単結晶ケイ素、又は炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウムである、装置。
【請求項16】
前記第2の垂直部分が、上端に第1の凹部を有し、前記第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、前記第2の水平部分が、前記第2の垂直部分に対して遠位の端部の上面に第2の凹部を有し、前記第2の凹部内には第2のRFガスケットがある、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
処理チャンバを洗浄する方法であって、
コンダクタンスライナの可動部分を下降させて、前記コンダクタンスライナの少なくとも1つの非可動部分又は基板支持アセンブリとの電気接触を切断することと、
RF接地リターン経路を有さない前記処理チャンバの処理空間内でプラズマを発生させることと、
前記コンダクタンスライナをプラズマで加熱して、堆積物を除去することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本原理の実施形態は、概して、半導体デバイスを製造するための半導体チャンバに使用されるコンダクタンスライナに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体デバイスの製造に使用される堆積チャンバ及びエッチングチャンバは、処理されるすべての基板について一定のかつ均一な結果を生じさせる必要がある。処理をさらに向上させるために、プラズマを材料の堆積及びエッチングの両方において使用することができる。プラズマは、誘導結合又は容量結合によって生成することができる。容量結合プラズマチャンバでは、チャンバの処理空間内で生成されたプラズマを収容し、RF接地リターン経路を設けるために、コンダクタンスライナ(conductance liner)が使用される。コンダクタンスライナは、概して、基板移送スロットによって遮られた場合を除いて、処理空間を囲む。基板移送スロットは、ロボットアームが基板をプラズマチャンバの処理空間の内外に配置することを可能にする。しかしながら、本発明者らは、移送スロットの存在が、処理中の基板上への堆積の均一性を妨げることを認めている。
【0003】
[0003]したがって、本発明者らは、基板上への堆積の均一性を向上させる、改善された方法及び装置を提供する。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本明細書では、基板上への堆積の均一性を向上させるための方法及び装置が提供される。
【0005】
[0005]幾つかの実施形態では、基板を処理するための装置は、処理空間を有する処理チャンバ、処理空間を囲むコンダクタンスライナであって、コンダクタンスライナが、少なくとも1つの固定部分及び可動部分を有し、可動部分が、処理チャンバの壁において基板移送スロットを露出させるように構成されている、コンダクタンスライナ、並びにアクチュエータを有するリフティングアセンブリであって、アクチュエータが、コンダクタンスライナの可動部分に取り付けられ、リフティングアセンブリが、コンダクタンスライナの可動部分を垂直に移動させるように構成されている、リフティングアセンブリを備えている。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、当該装置において、コンダクタンスライナの少なくとも1つの固定部分は、処理チャンバの上部に第1の水平部分を有し、コンダクタンスライナの可動部分は、垂直部分及び第2の水平部分を有し、垂直部分は、可動部分が上昇させられたときに、固定部分と相互作用するように構成され、第2の水平部分は、可動部分が上昇させられたときに、端部リングと相互作用して、処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成され、垂直部分は、上端に第1の凹部を有し、第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、第2の水平部分は、垂直部分に対して遠位の端部の上面に第2の凹部を有し、第2の凹部内には第2のRFガスケットがあり、コンダクタンスライナの少なくとも1つの固定部分は、処理チャンバの上部に第1の水平部分を有し、かつ端部リングと電気的に相互作用する第2の水平部分を有し、コンダクタンスライナの可動部分は垂直部分であり、垂直部分は、可動部分が上昇させられたときに、第1の水平部分及び第2の水平部分と電気的に相互作用して、処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成され、垂直部分は、上端に第1の凹部を有し、第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、垂直部分は、底端部における側面に第2の凹部を有し、第2の凹部内には第2のRFガスケットがあり、コンダクタンスライナの少なくとも1つの固定部分は、処理チャンバの上部に第1の水平部分を有し、コンダクタンスライナの第1の垂直部分及び可動部分は、第2の垂直部分及び第2の水平部分を有し、第2の垂直部分は、可動部分が上昇させられたときに、第1の垂直部分と相互作用するように構成され、第2の水平部分は、可動部分が上昇させられたときに、端部リングと相互作用して、処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成され、第2の垂直部分は、上端に第1の凹部を有し、第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、第2の水平部分は、第2の垂直部分に対して遠位の端部の上面に第2の凹部を有し、第2の凹部内には第2のRFガスケットがあり、アクチュエータは、非導電性であり、かつコンダクタンスライナの可動部分を電気的に絶縁するように構成された少なくとも一部分を有し、リフティングアセンブリは、アクチュエータを垂直に移動させるためにリニアモータ駆動部を利用するか、又はアクチュエータを垂直に移動させるためにガス(空気)圧式駆動部を利用し、かつ/又はコンダクタンスライナの少なくとも一部分は、ポリシリコン、ケイ素、炭化ケイ素、単結晶ケイ素、又は炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウムである。
【0007】
[0007]幾つかの実施形態では、基板を処理するための装置は、コンダクタンスライナを備え得、コンダクタンスライナは、処理チャンバ内の処理空間を囲み、プラズマを閉じ込め、RF接地リターン経路を設けるように構成され、処理チャンバ内に固定されるように構成された少なくとも1つの第1の部分と、処理チャンバの壁における基板移送スロットを露出させるために、処理チャンバ内で垂直方向に移動可能であるように構成された第2の部分とを有し、第2の部分は、上昇位置にあり、少なくとも1つの第1の部分と電気的に相互作用しているときに、RF接地リターン経路の一部を設けるように構成されている。
【0008】
[0008]幾つかの実施形態では、当該装置において、少なくとも1つの部分は、第1の水平部分を有し、第2の部分は、垂直部分及び第2の水平部分を有し、垂直部分は、第2の部分が上昇させられたときに、第1の部分と相互作用するように構成され、第2の水平部分は、第2の部分が上昇させられたときに、接地と相互作用して、処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成され、垂直部分は、上端に第1の凹部を有し、第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、第2の水平部分は、垂直部分に対して遠位の端部の上面に第2の凹部を有し、第2の凹部内には第2のRFガスケットがあり、第1のRFガスケット又は第2のRFガスケットは、ステンレス鋼であり、少なくとも1つの第1の部分は、第1の水平部分及び分離された第2の水平部分を有し、第2の部分は垂直部分を有し、垂直部分は、第2の部分が上昇させられたときに、第1の水平部分及び第2の水平部分と電気的に相互作用して、処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成され、垂直部分は、上端に第1の凹部を有し、第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、垂直部分は、底端部における側面に第2の凹部を有し、第2の凹部内には第2のRFガスケットがあり、少なくとも1つの第1の部分は、第1の垂直部分に接続された第1の水平部分を有し、第2の部分は、第2の水平部分に接続された第2の垂直部分を有し、第2の垂直部分は、第2の部分が上昇させられたときに、第1の垂直部分と相互作用するように構成され、第2の水平部分は、第2の部分が上昇させられたときに、接地と相互作用して、処理チャンバ内のRF接地リターン経路を完成させるように構成され、第2の垂直部分は、上端に第1の凹部を有し、第1の凹部内には第1のRFガスケットがあり、第2の水平部分は、第2の垂直部分に対して遠位の端部の上面に第2の凹部を有し、第2の凹部内には第2のRFガスケットがあり、かつ/又はコンダクタンスライナの少なくとも一部分は、ポリシリコン、ケイ素、炭化ケイ素、単結晶ケイ素、又は炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウムである。
【0009】
[0009]幾つかの実施形態では、処理チャンバを洗浄する方法は、コンダクタンスライナの可動部分を下降させて、コンダクタンスライナの少なくとも1つの非可動部分又は基板支持アセンブリとの電気接触を切断することと、RF接地リターン経路を有さない処理チャンバの処理空間内でプラズマを発生させることと、コンダクタンスライナをプラズマで加熱して、堆積物を除去することとを含み得る。
【0010】
[0010]他の実施形態及びさらなる実施形態を以下に開示する。
【0011】
[0011]上記で簡潔に要約されており、かつ以下で詳述する本原理の実施形態は、付随する図面に示している本原理の例示的な実施形態を参照することにより理解することができる。しかし、本原理は他の等しく有効な実施形態を許容し得ることから、付随する図面は、本原理の典型的な実施形態のみを例示しており、ゆえに、範囲を限定するものと見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本原理の幾つかの実施形態に係る、半導体処理のための処理チャンバの断面図を示す。
図2】本原理の幾つかの実施形態に係る、可動コンダクタンスライナを有する処理チャンバの断面図を示す。
図3】本原理の幾つかの実施形態に係る、下降位置の可動コンダクタンスライナを有する処理チャンバの断面図を示す。
図4】本原理の幾つかの実施形態に係る、可動部分の処理チャンバの断面図を示す。
図5】本原理の幾つかの実施形態に係る、割れた垂直側壁を備えた可動コンダクタンスライナを有する処理チャンバの断面図を示す。
図6】本原理の幾つかの実施形態に係る、割れた垂直側壁を備えた可動部分の断面図を示す。
図7】本原理の幾つかの実施形態に係る、可動垂直側壁を備えた可動コンダクタンスライナを有する処理チャンバの断面図を示す。
図8】本原理の幾つかの実施形態に係る、可動部分の断面図を示す。
図9】本原理の幾つかの実施形態に係る、ツーピース可動コンダクタンスライナの等角図を示す。
図10】本原理の幾つかの実施形態に係る、割れた垂直側壁可動コンダクタンスライナの等角図を示す。
図11】本原理の幾つかの実施形態に係る、スリーピース可動コンダクタンスライナの等角図を示す。
図12】本原理の幾つかの実施形態に係る、可動コンダクタンスライナを有する処理チャンバを洗浄する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0024]理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指し示すために、可能な場合には、同一の参照番号を使用した。図面は縮尺どおりではなく、分かり易くするために簡略化されていることがある。ある実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込まれ得る。
【0014】
[0025]本方法及び装置は、プラズマ処理チャンバ内の改善された堆積均一性を提供する。プラズマ閉じ込めライナ又はコンダクタンスライナは、処理チャンバの処理空間内にプラズマを保持することを容易にし、処理中にRF接地リターン経路を設ける。発明者は、コンダクタンスライナにおけるRF接地リターン経路のいかなる中断も、堆積中に均一性の問題を引き起こすことを見出した。本発明者は、基板を処理チャンバの処理空間の内外に配置するために使用される基板移送スロットは、基板移送スロットがコンダクタンスライナを破るとき、均一性の問題の主な要因であることを見出した。基板移送スロットは、コンダクタンスライナの内表面の滑らかさを壊し、コンダクタンスライナを通る電流の流れに影響を及ぼす。プラズマを均一かつ一定に生成するためには、処理空間は、コンダクタンスライナに、滑らかで均一な内表面と均一な厚さとを提供すべきであり、これにより、RFリターンのための均一な電流経路が設けられる。本原理の方法及び装置は、滑らかで途切れのない内表面及びすべての垂直壁の均一な厚さの両方を設ける360度コンダクタンスライナを提供し、堆積の均一性をさらに向上させる。
【0015】
[0026]本原理の方法及び装置は、例えば、図1に示されるように、容量結合プラズマチャンバに適用することができる。図1は、基板支持アセンブリ104及び上方電極106を含む処理チャンバ102の断面図100を示す。端部リング108は、コンダクタンスライナ110及び基板支持アセンブリ104とインターフェース接合する。上方電極106、コンダクタンスライナ110、及び端部リング108は、処理空間112を画定するのに役立つ。基板支持アセンブリ104は、第1の導体118を介して、DC電源116に電気的に接続された静電チャック(ESC)アセンブリ114を含む。DC電源116は、基板を基板支持アセンブリ104に静電的にクランプするために、ESCアセンブリ114にDC電圧を供給する。基板支持アセンブリ104は、RFバイアス整合ネットワーク124を介して、RFバイアス電源122に、第2の導体126を介して電気的に接続される下方電極120をさらに含む。上方電極106は、RF整合ネットワーク130を介して、RF電源128に電気的に接続される。上方電極106は、ガス供給源132に流体接続されたガス通路134を含み得る。真空ポンプ136は、処理チャンバ102から副生成物及び/又はガスを除去するのに役立つ。
【0016】
[0027]コントローラ140は、処理チャンバ102に関連付けられた他のコンピュータ(又はコントローラ)を介した直接制御又は間接制御を使用して、処理チャンバ102の動作を制御する。動作中、コントローラ140は、処理チャンバ102及び周辺システムからのデータ収集及びフィードバックを可能にし、処理チャンバ102の性能を最適化する。コントローラ140は、概して、中央処理装置(CPU)142、メモリ144、及び支持回路146を含む。CPU142は、産業用設定で使用できる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサであり得る。支持回路146は、慣例的にCPU142に連結され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源等を含み得る。後述の方法などのソフトウェアルーチンは、メモリ144内に記憶することができ、CPU142によって実行されると、CPU142を特殊用途コンピュータ(コントローラ140)に変換する。ソフトウェアルーチンは、処理チャンバ102から遠隔に位置する第2のコントローラ(図示せず)によってさらに格納かつ/又は実行され得る。
【0017】
[0028]メモリ144は、CPU142によって実行されると、半導体プロセス及び装置の動作を容易にするための命令を含むコンピュータ可読記憶媒体の形態である。メモリ144内の命令は、本原理の方法を実施するプログラムなどのプログラム製品の形態をとる。プログラムコードは、数々の異なるプログラミング言語のうちの任意の1つに適合し得る。一実施例では、本開示は、コンピュータシステムとの使用のためのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム製品として実施されてもよい。プログラム製品の1つ又は複数のプログラムは、態様(本明細書に記載された方法を含む)の機能を規定する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、情報が永久的に記憶される書込み不能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブ、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意の種類のソリッドステート不揮発性半導体メモリによって読み出し可能なCD-ROMディスクなどのコンピュータ内の読出し専用メモリデバイス)、及び変更可能な情報が記憶される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク、又は任意の種類のソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)が含まれるが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載された方法の機能を方向付けるコンピュータ可読指令を運ぶ際には、本原理の実施形態である。
【0018】
[0029]図1の実施例では、基板移送スロット138がコンダクタンスライナ110を突き破り、コンダクタンスライナの内表面111及び導電性を途絶えさせ、堆積の均一性の問題を引き起こす。図2の断面図200では、この突き破った状態がなくなり、図1のコンダクタライナ110は、固定部分210A及び可動部分210Bを備えた可動コンダクタライナ210に取替えられている。基板移送スロット248は、処理チャンバ102の外壁103に再配置されており、もはや可動コンダクタンスライナ210を突き破らない。幾つかの実施形態では、可動コンダクタライナ210の固定部分210Aは、上方電極106を囲む円形形状のフラットリング(図9のビュー900、210Aを参照)である。幾つかの実施形態では、可動コンダクタライナ210の可動部分210Bは、基板支持アセンブリ104を囲むL字形のプロファイル(図4の410B、及び図9のビュー900、210Bを参照)を有する円形形状である。可動部分210Bは、可動部分210Bの垂直部分262の上端260において固定部分210Aと電気接触する。可動部分210Bは、可動部分210Bの水平部分266の上面264で端部リング109と電気接触する。可動部分210Bは、リフトアセンブリ250によって駆動されるアクチュエータ252に取り付けられる。可動コンダクタンスライナ210の少なくとも一部は、単結晶シリコン、ポリシリコン、炭化ケイ素、ケイ素と炭化ケイ素との組み合わせ、炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウムのような材料から形成され得る。リフトアセンブリ250及びアクチュエータ252は、可動部分210Bに垂直運動254を与える。リフトアセンブリ250は、モータによって、又はガス(空気)圧駆動ピストンアセンブリ(図示せず)によって動作し得る。幾つかの実施形態では、1つより多くのアクチュエータ252及びリフトアセンブリ250を使用して、可動部分210Bに垂直運動を与えることができる。リフトアセンブリ250は、基板支持アセンブリ104に組み込まれてもよく、かつ/又は基板支持アセンブリ104とは独立して組み込まれてもよい。幾つかの実施形態では、アクチュエータ252が、可動部分210Bと基板支持アセンブリ104との間に電気的絶縁を設け得る。
【0019】
[0030]図3は、可動コンダクタンスライナ210が下降位置258にある処理チャンバ102の断面図300である。幾つかの実施形態では、可動コンダクタンスライナ210の可動部分210Bは、固定部分210A及び/又は端部リング108との電気接触を改善するために、1つ又は複数のRFガスケット256A、256Bを有し得る。RFガスケット256A、256Bは、ステンレス鋼材料から作られたOリングであってもよく、可動部分210Bの周縁部全体の周りに密接な電気接触を形成するように圧縮可能である。可動部分210Bが下降位置258にあるとき、基板移送スロットは、基板を処理チャンバ102内へ配置260することを可能にするように利用可能である。基板支持アセンブリ104上に基板を配置した後、リフトアセンブリ250及びアクチュエータ252は、RFガスケット256A、256Bが固定部分210A及び端部リング108に対して圧縮されるまで、可動部分210Bを上方に移動させる。コントローラ140は、プロセスを制御し、かつ/又は、可動部分210Bがいつ下降させられたか及び/若しくは可動部分210Bがいつ上昇位置にあるかを知るためにフィードバックを受信することができる。図4は、幾つかの実施形態に係る可動部分410Bの断面図370を示す。可動部分410Bは、第1のRFガスケット456Aのために、垂直部分472の上端460に第1の凹部462Aを有し、第2のRFガスケット456Bのために、水平部分470の上面464に第2の凹部462Bを有する。
【0020】
[0031]図5は、幾つかの実施形態に係る、分割された垂直側壁を備えた可動コンダクタンスライナ510を有する処理チャンバ102の断面図500を示す。可動コンダクタンスライナ510の固定部分510Aは、第1の水平部分510C及び第1の垂直部分510Dを有し、L字型のプロファイルを形成する(図10のビュー1000、510C、510Dを参照)。可動部分510Bは、第2の水平部分510F及び第2の垂直部分510Eを有し、L字型のプロファイルを形成する(図10の510E、510F参照)。固定部分510Aの第1の垂直部分510D、及び第2の垂直部分510Eは、同じ高さを有してもよく、又は有さなくてもよい。可動部分510Bが下降位置558にあるとき、基板は、基板支持アセンブリ104内に配置されるか、又は基板支持アセンブリ104から取り除かれ得る。可動コンダクタンスライナ510の少なくとも一部は、単結晶シリコン、ポリシリコン、炭化ケイ素、ケイ素と炭化ケイ素との組み合わせ、炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウムのような材料から形成され得る。図6は、幾つかの実施形態に係る可動部分510Bの断面図570を示す。可動部分510Bは、第1のRFガスケット656Aのために、垂直部分672の上端660に第1の凹部662Aを有し、第2のRFガスケット656Bのために、水平部分670の上面664に第2の凹部662Bを有する。
【0021】
[0032]図7は、幾つかの実施形態に係る、可動部分710Bを備えた可動コンダクタンスライナ710を有する処理チャンバ102の断面図700を示す。幾つかの実施形態では、可動コンダクタンスライナ710は、1つより多くの固定部分、すなわち、第1の固定部分710A及び第2の固定部分710Cを有する(図11の710A、710Cを参照)。可動部分710Bには、リフトアセンブリ250からのアクチュエータ752が取り付けられる。可動部分710Bが下降位置758にあるとき、基板は、基板支持アセンブリ104内に配置されるか、又は基板支持アセンブリ104から取り除かれ得る。可動コンダクタンスライナ710の少なくとも一部は、単結晶シリコン、ポリシリコン、炭化ケイ素、ケイ素と炭化ケイ素との組み合わせ、炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウムのような材料から形成され得る。図11のビュー1100に示すように、可動部分710Bの内径1104は、第2の固定部分710Cの外径1102よりも大きい。直径の違いにより、可動部分710Bが、無接触のまま第2の固定部分710Cを通り過ぎることが可能であり、上昇位置にあるときに第2のRFガスケット256Bに接触する。図8は、幾つかの実施形態に係る可動部分710Bの断面図770を示す。可動部分710Bは、第1のRFガスケット856Aのために、垂直部分872の上端860に第1の凹部862Aを有し、第2のRFガスケット856Bのために、垂直部分872の側壁864に第2の凹部862Bを有する。
【0022】
[0033]上述の装置は、処理チャンバの洗浄中にも利用され得る。図12は、幾つかの実施形態による、コンダクタンスライナを有する処理チャンバを洗浄する方法1200を示す。可動コンダクタンスライナを備えることのさらなる利点は、RF接地リターン経路を破断するために、可動コンダクタンスライナが移動可能であることである。可動コンダクタンスライナの少なくとも一部は、単結晶シリコン、ポリシリコン、炭化ケイ素、ケイ素と炭化ケイ素との組み合わせ、炭化ケイ素でコーティングされたアルミニウムのような材料から形成され得る。ブロック1202では、コンダクタンスライナの可動部分を下降させて、コンダクタンスライナの少なくとも1つの非可動部分及び/又は基板支持アセンブリとの電気接触を切断する。ブロック1204では、RF接地リターン経路がない状態で、プラズマが処理チャンバの処理空間内で生成される。ブロック1206では、コンダクタンスライナは、堆積物を除去するためにプラズマで加熱される。RFガスケットを有する幾つかの実施形態では、RFガスケットは、洗浄プロセス中にコンダクタンスライナと共に洗浄される。洗浄プロセスは、部品の寿命延長と、さらに堆積の均一性の維持を容易にする。
【0023】
[0034]本原理に係る実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実施され得る。さらに諸実施形態は、1つ又は複数のプロセッサによって読み取られかつ実行され得る、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体を使用して記憶された命令として実施され得る。コンピュータ可読媒体は、マシン(例えば、1つ又は複数のコンピューティングプラットフォーム上で実行されるコンピューティングプラットフォーム又は「仮想マシン」)によって可読な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構を含み得る。例えば、コンピュータ可読媒体は、任意の適切な形態の揮発性又は不揮発性メモリを含み得る。幾つかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0024】
[0035]上記は、本原理の実施形態を対象としているが、本原理の基本的な範囲から逸脱せずに、本原理の他の実施形態及びさらなる実施形態が考案することができる。
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図12