(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】有機汚染のない表面加工
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240903BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240903BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H01L21/304 642Z
H01L21/304 647Z
H01L21/302 101H
H01L21/205
(21)【出願番号】P 2022566346
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(86)【国際出願番号】 US2021029735
(87)【国際公開番号】W WO2021222465
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-01-04
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ユアンホン
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ション マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ラドコ, マレク ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】サンソニ, スティーブン ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】マディバル, ナゲンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ファーバー, マトヴェイ
(72)【発明者】
【氏名】コウ, ピンピン
(72)【発明者】
【氏名】ソ, ソンムン
(72)【発明者】
【氏名】ハジェンズ, ジェフリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】村山 祐二
(72)【発明者】
【氏名】バンサル, アヌラグ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, シャオフェン
(72)【発明者】
【氏名】クーチャー, マイケル
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-071077(JP,A)
【文献】特開2000-199079(JP,A)
【文献】特開平07-254636(JP,A)
【文献】特開2006-241589(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0159940(US,A1)
【文献】特表2002-520835(JP,A)
【文献】米国特許第06182603(US,B1)
【文献】特開平04-048064(JP,A)
【文献】特開2002-313903(JP,A)
【文献】特開2004-068145(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0224188(US,A1)
【文献】特表2011-523229(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0305509(US,A1)
【文献】特開2004-306153(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109623130(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/3065
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属構成要素の金属ベースから第1自然酸化物を除去して前記金属構成要素の機械加工済み表面を生成するために、前記金属構成要素の原表面を機械加工することであって、前記機械加工の後に、
前記金属構成要素が大気に曝露されたことに応じて、前記金属構成要素の前記機械加工済み表面の前記金属ベース上に第2自然酸化物が形成される、前記金属構成要素の原表面を機械加工することと、
前記機械加工の後に、前記金属構成要素の仕上げ面を生成するための工程を行うことであって、前記第2自然酸化物を除去するために前記金属構成要素の前記機械加工済み表面を表面機械加工することを含む、前記工程を行うことと
を含む方法。
【請求項2】
前記機械加工の前に、前記原表面が
、前記金属ベース上に存在する前記第1自然酸化物と炭化水素とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械加工により、前記金属ベースから前記炭化水素の少なくとも一部が除去される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記表面機械加工により、前記炭化水素の少なくとも一部が除去される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記工程が、前記炭化水素の少なくとも一部を除去するために前記金属構成要素を
表面処理することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記工程が、前記金属構成要素の洗浄を行うことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記工程が、前記金属構成要素を乾燥させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記金属構成要素の前記仕上げ面が、機械研磨表面処理を用いずに生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記金属構成要素の前記仕上げ面が、最大で
0.813粗度平均(Ra)マイクロメートル(32粗度平均(Ra)マイクロインチ
)の平均表面粗さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
基板処理システムの金属真空チャンバ部品の仕上げ面を生成することを含む方法であって、前記生成することが、
金属真空チャンバ部品の金属ベースから第1自然酸化物を除去して前記金属真空チャンバ部品の機械加工済み表面を生成するために、前記金属真空チャンバ部品の原表面を機械加工することであって、前記機械加工の後に、前記金属真空チャンバ部品の前記機械加工済み表面の前記金属ベース上に第2自然酸化物が形成される、前記金属真空チャンバ部品の原表面を機械加工することと、
前記第2自然酸化物を除去するために、前記金属真空チャンバ部品の前記機械加工済み表面を表面機械加工することと、を含む、
方法。
【請求項11】
前記機械加工の前に、前記原表面が
、前記金属ベース上に存在する前記第1自然酸化物と炭化水素とを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記機械加工により、前記金属ベースから前記炭化水素の少なくとも一部が除去される、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記表面機械加工により、前記炭化水素の少なくとも一部が除去される、請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記生成することが、前記炭化水素の少なくとも一部を除去するために前記金属真空チャンバ部品を
表面処理することを更に含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項15】
前記生成することが、前記金属真空チャンバ部品の洗浄を行うことを更に含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項16】
前記生成することが、前記金属真空チャンバ部品を乾燥させることを更に含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項17】
前記第2自然酸化物は、前記金属真空チャンバ部品が大気に曝露されたことに応じて、前記金属真空チャンバ部品の前記機械加工済み表面の前記金属ベース上に形成される、請求項
10に記載の方法。
【請求項18】
前記金属真空チャンバ部品の前記仕上げ面が、機械研磨表面処理を用いずに生成される、請求項
10に記載の方法。
【請求項19】
前記金属真空チャンバ部品の前記仕上げ面が、最大で
0.813粗度平均(Ra)マイクロメートル(32粗度平均(Ra)マイクロインチ
)の平均表面粗さを有する、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、製造システム(基板処理システムなど)における表面加工に関し、詳細には、製造システムにおける有機汚染のない表面加工に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体処理及びその他の電子部品の処理においては、システムの異なる部分間で物体(基板など)が搬送される。システムの異なる部分とは、保管領域、移送領域、処理領域などを含む。かかる保管領域、移送領域、処理領域などは、一般に、内部に汚染物質を有する金属で構成される。かかる汚染物質は、保管領域、移送領域、処理領域などに保管され、これらの領域によって処理され、かつ/又はこれらの領域を通過する基板上に転移することが知られている。
【発明の概要】
【0003】
[0003]以下に示すのは、本開示の態様の一部の基本的な理解を提供するための、簡略化された本開示の概要である。この概要は、本開示の網羅的な要約ではない。これは、本開示の主要点又は重要要素を特定するためのものでも、本開示の特定の実行形態の何らかの範囲又は特許請求の何らかの範囲を明示するためのものでもない。この概要の唯一の目的は、本開示の概念の一部を、後述するより詳細な説明の導入部として、簡略化した形態で提示することである。
【0004】
[0004]本開示の一態様において、方法は、原表面(raw surface)を含む金属構成要素を受容することを含み、この原表面は、金属ベースと、金属ベース上に存在する第1自然酸化物(native oxide)と、金属ベース上に存在する炭化水素とを含む。この方法は、第1自然酸化物と炭化水素の第1の部分とを金属ベースから除去するために、金属構成要素の原表面を機械加工することを更に含む。機械加工することで、第1自然酸化物も炭化水素の第1の部分も有さない金属ベースを含む、金属構成要素の機械加工済み(as-machined)表面が生成される。方法は、前記機械加工の後に、炭化水素の第2の部分を除去して金属構成要素の仕上げ面を生成するために、金属構成要素の機械加工済み表面の表面加工を実施することを更に含む。方法は、表面加工の後に、炭化水素の第3の部分を除去するために、金属構成要素を表面処理することを含む。方法は、表面処理の後に、金属構成要素の洗浄を実施することを更に含む。方法は、洗浄の実施の後に、金属構成要素の仕上げ面を生成するために、金属構成要素を乾燥させることを更に含む。
【0005】
[0005]本開示の別の態様では、方法は、基板処理システムの金属真空チャンバ部品の仕上げ面を生成することを含む。生成することは、金属真空チャンバ部品の金属ベースから第1自然酸化物と炭化水素の第1の部分とを除去して金属真空チャンバ部品の機械加工済み表面を生成するために、金属真空チャンバ部品の原表面を機械加工することを含む。生成することは、機械加工の後に、金属ベースから炭化水素の第2の部分を除去して金属真空チャンバ部品の仕上げ面を生成するために、金属真空チャンバ部品の機械加工済み表面の表面加工を実施することを含む。生成することは、表面加工の後に、炭化水素の第3の部分を除去するために、金属真空チャンバ部品を表面処理することを含む。生成することは、表面処理の後に、金属真空チャンバ部品の洗浄を実施することを更に含む。生成することは、洗浄の実施の後に、金属真空チャンバ部品の仕上げ面を生成するために、金属真空チャンバ部品を乾燥させることを更に含む。
【0006】
[0006]本開示は、限定ではなく例示のために、添付図面の図中に示されており、添付図面においては、類似の参照符号が類似の要素を指し示している。この開示における「ある(an)」又は「1つの(one)」実施形態への種々の言及は、必ずしも同一の実施形態に対するものではなく、「少なくとも1つ」という意味であることに、留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0007]ある種の実施形態による処理システムを示す。
【
図2A】[0008]ある種の実施形態による、処理システムの断面図を示す。
【
図2B】ある種の実施形態による、処理システムの断面図を示す。
【
図3A】[0009]ある種の実施形態による、処理システムの金属構成要素の仕上げ面を生成する方法を示す。
【
図3B】ある種の実施形態による、処理システムの金属構成要素の仕上げ面を生成する方法を示す。
【
図4A】[0010]ある種の実施形態による、処理システムの金属構成要素の断面図を示す。
【
図4B】ある種の実施形態による、金属構成要素の仕上げ面を生成するためのシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0012]本書に記載の実施形態は、製造システムにおける、(例えば、アルミニウム構成要素といった金属構成要素の、実質的に有機汚染のない仕上げ面を生成するための)金属構成要素の表面加工(例えばアルミニウム表面加工)に関する。
【0009】
[0013]製造システム(基板製造システムなど)においては、内容物(例えば基板、ウエハ、半導体、プロセスキットリング、キャリアなど)が、製造システムの種々の部分間で(例えばロボットアームを介して)搬送される。基板製造システムの環境は、温度、圧力、ガスの種類、及び/又はこれらに類似したものを提供するよう制御される。
【0010】
[0014]従来的に、基板製造システムにおける構成要素の表面は、有機汚染(例えば有機残留物や炭化水素など)を有する。有機残留物は、従来的な洗浄の後にも、基板処理システムの構成要素の仕上げ面上に残留する。例えば、イソプロピルアルコール(IPA)のワイプは、ナノメートル単位の厚さの有機物などを除去しない。構成要素が基板処理システム(例えば真空システム)内に配置されると、部品表面の有機物は(例えば、高温における低蒸気圧による高真空(1E~8トルなど)・高温条件のもとで)ガス放出する。ガス放出された分子は、表面(例えば、真空表面、処理チャンバ壁、プロセスキットリングなどの全て)に捕捉され、そこに蓄積する。入来基板は、基板処理システム(例えば真空チャンバ)に進入する時に、低温表面領域を拡大するため、ガス分子の核形成が発生して、ガス分子は低温の基板表面上に(例えば、ウエハエッジ上に、ロボット形状の、又はランダムな分布パターンで)凝集する。(例えば、追加の低温表面領域を提供する)ロボットが、(例えば処理チャンバ内で)ガス放出分子である表面に曝露されると、ガス分子の核形成が発生し、ガス分子がロボット上に凝集する。ロボット(例えばロボットブレードやロボットリスト)は、加熱されてから後退した場合、別の構成要素(例えば低温の補助ロボットブレードや低温基板など)の近位に位置することになり、高温のロボット(ブレードやリストなど)からのガス放出分子が、かかる別の構成要素上に凝集する。汚染物質の一部は、沸騰温度も付着係数も高い長分子(長炭化水素など)である。
【0011】
[0015]基板処理システム内で汚染物質(例えば有機汚染や炭化水素など)が基板上に生じると(例えばウエハ上有機汚染)、基板は損傷され、基板処理システム(例えば大量生産工場)の歩留まりが低減する。ウエハ上有機汚染は、プロセス統合(例えば、汚染された基板をデバイス内に組み込むこと)の後のデバイス性能に影響を与える。真空環境(例えば超低圧:物理的気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、又は原子層堆積の製品に対する高真空製品製造スタートアップなど)においては、金属構成要素の表面(例えばアルミニウム構成要素の表面)からのガス放出が、ウエハ上有機汚染の主たる根本原因となる。
【0012】
[0016]従来型の金属(例えばアルミニウム)の構成要素の製造方法は、有機汚染の原因となる。一部の従来型システムでは、疑わしい構成要素(例えば、より大きな汚染原因と疑われる構成要素)は交換(例えば置換)されるが、これは、時間の面でもコストの面でも効率が悪い。一部の従来型システムでは、ウエハ循環とガス放出の残留物ガスアナライザ(RGA)モニタリングとが使用されるが、これは、非常に時間がかかり、高価で、かつ予測困難なものである。
【0013】
[0017]本書で開示しているデバイス、システム、及び方法は、基板処理システムにおいて、(例えば、アルミニウム構成要素の実質的に有機汚染のない仕上げ面を生成するための)表面加工(例えばアルミニウム表面加工)を提供する。金属の表面加工及びアルミニウムの表面加工に関する実施形態が記述されている。本書に記載のアルミニウム構成要素は、一部の実施形態では、純アルミニウム構成要素であるか、又は、アルミニウム合金(例えば5000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金、アルミニウムと銅、マグネシウム、マンガン、シリコン、スズ、亜鉛のうちの一又は複数との合金、及び/又はこれらに類似したもの)で構成された構成要素であることを、理解すべきである。加えて、アルミニウムに関連する、本書に記載の表面加工の技法は、一部の実施形態では、他の種類の金属表面(例えば鋼表面、アルミニウムが優勢金属(predominant metal)ではない表面、ステンレス鋼表面、チタン表面、ステンレス鋼合金表面、チタン合金表面、及び/又はこれらに類似したもの)に対しても効果を発揮することを、理解すべきである。
【0014】
[0018]金属構成要素(例えばアルミニウム構成要素)は原表面を含み、この原表面は、機械加工の前には、金属ベース(例えばアルミニウムベース)と、金属ベース上に存在する第1自然酸化物(例えば自然酸化物層)と、金属ベース上に存在する炭化水素(例えば、自然酸化物層の内部及び/又は表面上に存在する炭化水素粒子)とを含む。金属構成要素の原表面は、金属ベースから第1自然酸化物と炭化水素の第1の部分とを除去して、(例えば、第1自然酸化物を有さず、炭化水素の第1の部分も有さない金属ベースを含む)金属構成要素の機械加工済み表面を生成するために、機械加工される。炭化水素の第2の部分を除去するために、金属構成要素の機械加工済み表面に、表面加工が実施される。一部の実施形態では、表面加工は、非研磨(non-abrasive)表面加工(例えば非粗面化表面加工、非機械研磨表面加工、非粒子研磨表面加工、非ジッターバグ(jitterbug)機械的表面仕上げ)である。一部の実施形態では、表面加工は、研磨表面加工(例えば粗面化表面加工、機械研磨表面加工、粒子研磨表面加工、ジッターバグ機械的表面仕上げなど)である。金属構成要素は次いで、表面処理される(例えば磨かれ、HF又はNHO3を使用してエッチングされる)。金属構成要素の仕上げ面を生成するために、金属構成要素は、表面処理の後に(例えば洗浄剤などを用いて)洗浄され、次いで乾燥される(例えばベイク乾燥される)。一部の実施形態では、金属構成要素の仕上げ面は、最大で32粗度平均(Ra)マイクロインチの平均表面粗を有する。一部の実施形態では、金属構成要素には、粗面化(例えばジッターバグなど)の表面処理は行われない。
【0015】
[0019]本書で開示しているデバイス、システム、及び方法は、従来型の手法を凌駕する利点を有する。かかる利点は、基板処理システム内で生じる、金属構成要素の仕上げ面の有機汚染(例えば炭化水素や有機残留物など)を低減することを含む。これにより、金属構成要素の洗浄時間が短縮され、ツールの寿命サイクルが向上し、基板製造のためのツールの準備性が向上し(例えば、設置と製造との間の時間が短縮され)、金属構成要素からのガス放出分子が低減し、ウエハ上有機汚染が減少し、基板処理システムの歩留まりが増大し、かつ金属構成要素の交換が減少する。本開示は、従来型の表面処理のシステム及び技法の、汚染の原因となることが疑われる構成要素を取り替え、かつウエハ循環に加えてガス放出のRGAモニタリングを使用するための、構成要素の置換、時間消費、及びコストの量の増大を回避するものである。前述の利点は更に、機器ツールの最終試験及びスタートアップの時間が、従来型のシステム及び技法と比較して、大幅に削減されること、及び十分に制御されることを含む。利点は更に、機械加工を変更するコストが、従来型のシステム及び技法の、ウエハを循環させるコスト又はハードウェアを置換するコストよりもずっと低くなることを含む。本開示により、汚染源が減少し(又は、例えばなくなり)、顧客の試験条件(例えば真空や温度など)が変化してもロバストな仕上げ面が生成される。本開示は(例えば、ジッターバグ磨きを使用せず、ダイヤモンド刃加工によって)、平滑な金属表面であって、埋設表面の有機汚染が最小化され、(例えば超低圧プロセスチャンバ環境や高真空環境のもとで)ガス放出も基板の汚染もしない、金属表面を生成する。実施形態では、本開示により、金属構成要素の製造中に(例えばサプライヤの現場において)汚染源が除去される。本開示により、基準マーク(tooling mark)が除去される。
【0016】
[0020]本開示の一部の実施形態は、金属構成要素(例えばアルミニウム構成要素)の有機汚染のない仕上げ面に言及しているが、金属構成要素の仕上げ面は、一部の実施形態では、実質的に有機汚染がなく、かつ/又は、従来的なシステムよりも少ない有機汚染(例えば炭化水素)しか有さない。
【0017】
[0021]本書に記載しているように、金属構成要素及び/又は金属ベース(例えばアルミニウム構成要素及び/又はアルミニウムベース)は、一部の実施形態では、その他の成分を含む(例えば、アルミニウム構成要素及びアルミニウムベースがアルミニウム合金である)。一部の実施形態では、金属構成要素及び金属ベース(例えばアルミニウム構成要素及びアルミニウムベース)における優勢金属はアルミニウムである。一部の実施形態では、金属構成要素及び金属ベース(例えばアルミニウム構成要素及びアルミニウムベース)は、アルミニウムと、銅、マグネシウム、マンガン、シリコン、スズ、亜鉛、及び/又はこれらに類似したもののうちの一又は複数とを含む。一部の実施形態では、金属構成要素及び金属ベースは、ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、チタン、チタン合金、及び/又はこれらに類似したものを含む。
【0018】
[0022]
図1は、ある種の実施形態による処理システム100(例えばウエハ処理システム、基板処理システム、半導体処理システム)を示している。処理システム100は、ファクトリインターフェース101と、負荷ポート128(例えば負荷ポート128A~D)とを含む。一部の実施形態では、負荷ポート128A~Dは、ファクトリインターフェース101に直接装着される(例えば、ファクトリインターフェース101に対して密封される)封入システム130(例えばカセット、前方開口型統一ポッド(FOUP)、プロセスキット封入システムなど)は、負荷ポート128A~Dに取り外し可能に連結する(例えばドッキングする)よう構成される。
図1を参照するに、封入システム130Aは負荷ポート128Aに連結され、封入システム130Bは負荷ポート128Bに連結され、封入システム130Cは負荷ポート128Cに連結され、かつ封入システム130Dは負荷ポート128Dに連結されている。一部の実施形態では、ウエハ及び/又はその他の基板を処理システム100に出し入れするように移送するために、一又は複数の封入システム130が負荷ポート128に連結される。封入システム130の各々は、対応する負荷ポート128に対して密封される。一部の実施形態では、第1封入システム130Aが、(例えば、使用済みのプロセスキットリングを置換するために)負荷ポート128Aにドッキングされる。かかる一又は複数の工程が実施されるとその後、第1封入システム130Aは負荷ポート128Aから切り離され、次いで、同じ負荷ポート128Aに、第2封入システム130(例えば、ウエハを包含するFOUP)がドッキングされる。一部の実施形態では、封入システム130(例えば封入システム130A)は、キャリア及び/又はプロセスキットリングを整列させるための棚状部を有する封入システムである。
【0019】
[0023]一部の実施形態では、負荷ポート128は、垂直開口(又は実質的に垂直な開口)を形成する前側インターフェースを含む。加えて、負荷ポート128は、封入システム130(例えばカセットやプロセスキット封入システム)を支持する水平面も含む。各封入システム130(例えばウエハのFOUPやプロセスキット封入システム)は、垂直開口を形成する前側インターフェースを有する。封入システム130の前側インターフェースは、負荷ポート128の前側インターフェースとインターフェース接続する(例えば、負荷ポート128の前側インターフェースを密封する)ようサイズ決定される(例えば、封入システム130の垂直開口は、負荷ポート128の垂直開口とほぼ同じサイズである)。.封入システム130は負荷ポート128の水平面上に配置され、封入システム130の垂直開口は、負荷ポート128の垂直開口と位置合わせされる。封入システム130の前側インターフェースは、負荷ポート128の前側インターフェースと相互接続する(例えば、負荷ポート128の前側インターフェースをクランプし、それに固定され、それに密封される)。封入システム130の底部プレート(例えばベースプレート)は、負荷ポート128の水平面と係合するフィーチャ(特徴部)(例えば、負荷ポートの運動ピンフィーチャ、ピンクリアランスのための負荷ポートのフィーチャ、及び/又は封入システムドッキングトレイラッチクランプフィーチャと係合する、凹部又は受容部といった負荷フィーチャ)を有する。様々な種類の封入システム130(例えばプロセスキット封入システムやウエハを内包するカセットなど)に対して、同じ負荷ポート128が使用される。
【0020】
[0024]一部の実施形態では、封入システム130(例えばプロセスキット封入システム)は、内容物110の一又は複数のアイテム(例えば、プロセスキットリング、空のプロセスキットリングキャリア、プロセスキットリングキャリア上に配置されたプロセスキットリング、配置検証用ウエハなどのうちの一又は複数)を含む。一部の例では、封入システム130は、使用済みのプロセスキットリングを置換するために、プロセスキットリングキャリア上のプロセスキットリングを処理システム100内へと自動移送することを可能にするよう、(例えば負荷ポート128を介して)ファクトリインターフェース101に連結される。
【0021】
[0025]一部の実施形態では、処理システム100は、ファクトリインターフェース101をガス抜きチャンバ104a、104bにそれぞれ連結する、第1真空ポート103a、103bも含む。ウエハ及び内容物110(例えばプロセスキットリング)の移送チャンバ106内への移送を促進するために、第2真空ポート105a、105bが、ガス抜きチャンバ104a、104bのそれぞれに連結され、ガス抜きチャンバ104a、104bと移送チャンバ106との間に配置される。一部の実施形態では、処理システム100は、一又は複数のガス抜きチャンバ104と、それに対応する数の真空ポート103、105とを含み、かつ/又は使用する(例えば、処理システム100は、単一のガス抜きチャンバ104と、単一の第1真空ポート103と、単一の第2真空ポート105とを含む。)。移送チャンバ106は、その周囲に配置され、かつそれに連結された、複数の処理チャンバ107(例えば4つの処理チャンバ107や6つの処理チャンバ107など)を含む。処理チャンバ107は、それぞれのポート108(例えばスリットバルブなど)を通じて移送チャンバ106に連結される。一部の実施形態では、ファクトリインターフェース101は、比較的高圧(例えば大気圧)であり、移送チャンバ106は比較的低圧(例えば真空)である。各ガス抜きチャンバ104(例えばロードロックや圧力チャンバ)は、ガス抜きチャンバ104をファクトリインターフェース101から密封する第1のドア(例えば第1真空ポート103)、及びガス抜きチャンバ104を移送チャンバ106から密封する第2のドア(例えば第2真空ポート105)を有する。内容物は、第1のドアが開いており第2のドアが閉じている間に、ファクトリインターフェース101からガス抜きチャンバ104内へと移送され、第1のドアが閉じ、ガス抜きチャンバ104内の圧力が移送チャンバ106と一致するまで低減されてから、第2のドアが開いて、内容物はガス抜きチャンバ104から外へと移送されることになる。(例えば、内容物が処理チャンバ107に進入する前や、処理チャンバ107から出た後に、)移送チャンバ106内で内容物を位置合わせするために、局所中心検出(LCF)デバイスが使用される。
【0022】
[0026]一部の実施形態では、処理チャンバ107は、エッチングチャンバ、堆積用の(原子層堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積、又はプラズマを使用するこれらの堆積のためのものを含む)チャンバ、アニールチャンバなどのうちの一又は複数を含む。
【0023】
[0027]ファクトリインターフェース101はファクトリインターフェースロボット111を含む。ファクトリインターフェースロボット111は、選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム(SCARA)ロボットといった、ロボットアームを含む。SCARAロボットの例は、2リンクSCARAロボット、3リンクSCARAロボット、4リンクSCARAロボットなどを含む。ファクトリインターフェースロボット111は、ロボットアームの終端部にエンドエフェクタを含む。このエンドエフェクタは、特定の物体(ウエハなど)を取り上げ、取り扱うよう構成される。代替的又は追加的には、エンドエフェクタは、キャリア及び/又はプロセスキットリング(エッジリング)といった物体を取り扱うよう構成される。ロボットアームは、一又は複数のリンク又は部材(例えばリスト部材、上腕部材、前腕部材など)を有し、かかるリンク又は部材は、エンドエフェクタを種々の配向で種々の場所へと動かすように、動かされるよう構成される。ファクトリインターフェースロボット111は、封入システム130(例えばカセットやFOUP)とガス抜きチャンバ104a、104b(又は負荷ポート)との間で物体を移送するよう構成される。
【0024】
[0028]移送チャンバ106は移送チャンバロボット112を含む。移送チャンバロボット112は、ロボットアームであって、その終端部にエンドエフェクタを有するロボットアームを含む。このエンドエフェクタは、特定の物体(ウエハなど)を取り扱うよう構成される。一部の実施形態では、移送チャンバロボット112はSCARAロボットであるが、このSCARAロボットが有するリンク及び/又は自由度は、一部の実施形態におけるファクトリインターフェースロボット111よりも少なくなる。
【0025】
[0029]コントローラ109が、処理システム100の様々な態様を制御する。コントローラ109は、パソコン、サーバコンピュータ、プラグラム可能な論理制御装置(PLC)、マイクロコントローラなどといったコンピューティングデバイスであり、かつ/又はかかるコンピューティングデバイスを含む。コントローラ109は一又は複数の処理デバイスを含み、この処理デバイスは、一部の実施形態では、汎用処理デバイス(マイクロプロセッサや中央処理ユニットなど)である。より詳細には、一部の実施形態では、処理デバイスは、複合命令セット演算(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は、その他の命令セットを実装するプロセッサ若しくは命令セットの組み合わせを実装するプロセッサ、である。一部の実施形態では、処理デバイスは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどといった、一又は複数の特殊用途処理デバイスである。一部の実施形態では、コントローラ109は、データストレージデバイス(例えば一又は複数のディスクドライブ及び/若しくはソリッドステートドライブ)、メインメモリ、静的メモリ、ネットワークインターフェース、ならびに/又はその他の構成要素を含む。一部の実施形態では、コントローラ109は、本書に記載の方法又はプロセスのうちの一又は複数の任意のものを実施するために、命令を実行する。命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、このコンピュータ可読記憶媒体は、メインメモリ、静的メモリ、補助記憶装置、及び/又は(命令の実行における)処理デバイス、のうちの一又は複数を含む。コントローラ109は、一部の実施形態では、ファクトリインターフェースロボット111及びウエハ移送チャンバロボット112から信号を受信し、それらに制御手段を送信する。
【0026】
[0030]
図1は、内容物110(例えば、プロセスキットリングキャリアに連結されたプロセスキットリング)の、処理チャンバ107内への移送を概略的に示している。本開示の一態様によると、内容物110は、ファクトリインターフェース101内に配置されたファクトリインターフェースロボット111によって、封入システム130から取り出される。ファクトリインターフェースロボット111は、第1真空ポート103a、103bのうちの1つを通して、対応するガス抜きチャンバ104a、104b内へと、内容物110を移送する。移送チャンバ106内に配置された移送チャンバロボット112が、第2真空ポート105a又は105bを通して、ガス抜きチャンバ104a、104bのうちの1つから内容物110を取り出す。移送チャンバロボット112は内容物110を移送チャンバ106内に移動させ、内容物110は、移送チャンバ106において、処理チャンバ107へと、それぞれのポート108を通じて移送される。曖昧さを避けるために
図1には図示していないが、内容物110の移送は、プロセスキットリングキャリア上に配置されたプロセスキットリングの移送、空のプロセスキットリングキャリアの移送、配置検証用ウエハの移送などを含む。
【0027】
[0031]
図1は、内容物110の移送の一例を示しているが、その他の例が想定されることもある。一部の例では、封入システム130が移送チャンバ106に(例えば、移送チャンバ106に装着された負荷ポートを介して)連結されることが想定される。内容物110は、移送チャンバロボット112によって、移送チャンバ106から、処理チャンバ107内へとローディングされる。加えて、一部の実施形態では、内容物110は、基板支持ペデスタル(SSP)にローディングされる。一部の実施形態では、追加のSSPが、例示しているSSPの反対側に、ファクトリインターフェース101と連通するように位置付けられる。処理済みの内容物110(例えば使用済みのプロセスキットリング)は、本書に記載の様態のいずれかとは逆の流れで、処理システム100から取り出される。複数の封入システム130又は封入システム130とSSPとの組み合わせを利用する場合、一部の実施形態では、処理前の内容物110(例えば新たなプロセスキットリング)のために1つのSSP又は封入システム130が使用される一方、別のSSP又は封入システム130が、処理済みの内容物110(例えば使用済みのプロセスキットリング)を受容するために使用される。
【0028】
[0032]処理システム100は、ファクトリインターフェース101(例えば機器フロントエンドモジュール(EFEM))、移送チャンバ106、ならびに、ファクトリインターフェース101及び/又は移送チャンバ106の近隣にある近隣チャンバ(例えば負荷ポート128、封入システム130、SSP、ロードロックなどのガス抜きチャンバ104、処理チャンバ107等)といったチャンバを含む。チャンバのうちの一又は複数は密封される(例えば、各チャンバが密封される)。近隣チャンバは、ファクトリインターフェース101及び/又は移送チャンバ106に対して密封される。一部の実施形態では、一又は複数の不活性環境を提供するために、チャンバ(例えばファクトリインターフェース101、移送チャンバ106、及び/又は近隣チャンバ)のうちの一又は複数内に、不活性ガス(例えば窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、又はキセノンのうちの一又は複数)が提供される。一部の例では、ファクトリインターフェース101は、ファクトリインターフェース101内の不活性環境を維持する不活性EFEM(例えば不活性EFEM小環境)であるので、ユーザはファクトリインターフェース101に進入する必要がない(例えば、処理システム100はファクトリインターフェース101内への手動アクセスが存在しないように構成されている)。
【0029】
[0033]一部の実施形態では、処理システム100の一又は複数のチャンバ(例えばファクトリインターフェース101、移送チャンバ106、近隣チャンバなど)に入り、かつ/又はかかる一又は複数のチャンバから出るガス流(例えば、不活性ガスを提供するもの、窒素を提供するもの、真空環境を提供するためにガスを排気するものなど)が提供される。
【0030】
[0034]一部の実施形態では、ガス流は、一又は複数のチャンバ内の正圧を維持するよう、かかる一又は複数のチャンバを通じた漏れ(leakage)上回る。一部の実施形態では、排気されるガス流は、一又は複数のチャンバ内の負圧を維持するよう、かかる一又は複数のチャンバを通じた漏れを上回る。
【0031】
[0035]一部の実施形態では、ファクトリインターフェース101内の不活性ガスは再循環される。一部の実施形態では、不活性ガスの一部分は排気される。一部の実施形態では、一又は複数のチャンバ内へと再循環されないガス流は、かかる一又は複数のチャンバ内の不活性ガスの正圧を維持するよう、排気されるガス流及びガスの漏れを上回るようにされる。一部の実施形態では、一又は複数のチャンバから排気されるガス流は、かかる一又は複数のチャンバ内の負圧(例えば真空環境)を維持するよう、一又は複数のチャンバ内へのガスの漏れ(及び例えばガス流)を上回るようにされる。
【0032】
[0036]一部の実施形態では、一又は複数のチャンバに入る、かつ/又は一又は複数のチャンバから出るガス流を提供するために、かかる一又は複数のチャンバは、一又は複数のバルブ及び/又はポンプに連結される。(例えば、コントローラ109の)処理デバイスが、一又は複数のチャンバに入る、かつ/又は一又は複数のチャンバから出るガス流を制御する。一部の実施形態では、この処理デバイスは、一又は複数のセンサ(例えば酸素センサ、湿度センサ、運動センサ、ドア作動センサ、温度センサ、圧力センサなど)からセンサデータを受信し、かかるセンサデータに基づいて、一又は複数のチャンバに流入する不活性ガスの流量、及び/又は一又は複数のチャンバから流出するガスの流量を決定する。
【0033】
[0037]処理システム100(例えば、処理システム100の真空条件のもとにある部分)における構成要素(例えば金属構成要素やアルミニウム構成要素)のうちの一又は複数は、本書に記載の実施形態にしたがって炭化水素を除去して仕上げ面を生成するための、方法300A又は300Bによって生成される。一部の例では、ファクトリインターフェース、負荷ポート、ロードロック、カセット、SSP、移送チャンバ、及び/又は処理チャンバは、本書に記載の実施形態にしたがって機械加工されたものである。仕上げ面は、最大で32Raマイクロインチの平均表面粗さを有する。処理システム100のかかる構成要素のうちの一又は複数の表面から炭化水素を除去することによって、処理システム100における有機汚染が大幅に低減される。
【0034】
[0038]
図2Aは、ある種の実施形態による、処理システム200A(例えば、
図1の処理システム100)の断面図を示している。
図2Bは、ある種の実施形態による、処理システム200B(例えば、
図1の処理システム100)の断面図を示している。一部の実施形態では、処理システム200Aと200Bとは同じ処理システム200である。
【0035】
[0039]処理システム200は、ファクトリインターフェース201(例えば、
図1のファクトリインターフェース101)を含む。処理システム200は、ファクトリインターフェース201に連結されているチャンバを含む。例えば、ファクトリインターフェース201は、封入システム202(例えば基板封入システムや
図1の封入システム102)、負荷ポート228(例えば
図1の負荷ポート128)、ロードロックシステム204(例えば
図1のガス抜きチャンバ104a及び/若しくは104b)、移送チャンバ206(例えば
図1の移送チャンバ106)、ならびに/又は処理チャンバ107(例えば
図1の処理チャンバ107)、のうちの一又は複数に連結される。ファクトリインターフェース201はロボットアーム211(例えば
図1のファクトリインターフェースロボット111)を含み、移送チャンバ206はロボットアーム212(例えば
図1の移送チャンバロボット112)を含む。処理システム200の一又は複数の部分は、開位置又は閉位置(例えば密封位置)に配置される。(例えば、開位置になることに応じて、閉位置になることに応じて、開位置と閉位置との間で移行することに応じて、センサデータに基づいて、かつ/又はポートを介して)ガス流が、処理システム200の一又は複数の部分の中へと、及び/又はかかる一又は複数の部分から出るように、提供される。
【0036】
[0040]封入システム202にドア230が連結された(例えば密封された)ことに応じて、封入システム202は閉位置となる。
【0037】
[0041]負荷ポート228は、ある種の状況下では閉位置に配置されるよう構成される。例えば、ドアキャリア232は負荷ポート228の第1の部分に連結され(例えば密封され)、封入システム202及び/又はドア230は、負荷ポート228の第2の部分に連結される(例えば密封される)。一部の実施形態では、ドアキャリア232は、ドア230を閉位置及び開位置に配置するよう構成される(例えば、ドアキャリア232は、ドア230を封入システム202から外したり、封入システム202に固定したりするよう構成される)。
【0038】
[0042]ドア203及び205がロードロックシステム204に密封されたことに応じて、ロードロックシステム204は閉位置となる。一部の実施形態では、ロードロックシステム204は複数のロードロックチャンバ236を有し、ロードロックチャンバ236の各々は、対応するドア203、205を有する。
【0039】
[0043]処理チャンバ207にドア234が連結された(例えば密封された)ことに応じて、処理チャンバ207は閉位置となる。
【0040】
[0044]ドアキャリア232(又はドア230)及びドア203が閉位置となることに応じて、ファクトリインターフェース201は閉位置となる。ドア205及びドア234が閉位置となることに応じて、移送チャンバ206は閉位置となる。
【0041】
[0045]ドアキャリア232及び/又はドア230が開位置(例えば
図2B参照)となることに応じて、ロボットアーム211は、封入システム202から処理システム200の種々の部分に(例えばファクトリインターフェース201、ロードロックシステム204、保管領域、冷却ステーション、計測ステーションなどに)、内容物(ウエハなど)を搬送する。ドア234が開位置(例えば
図2B参照)となることに応じて、ロボットアーム212は、処理チャンバ207から処理システム200の別の部分に(例えば移送チャンバ206やロードロックシステム204などに)、内容物(ウエハなど)を搬送する。
【0042】
[0046]処理システム200の一又は複数の部分は、一又は複数の対応する部分(例えば入口や出口など)を含む。かかるポートには、一又は複数の流通(flow)デバイス(例えば再循環ポンプ、排気ポンプ、挿入ポンプ、バルブなど)が連結される。
【0043】
[0047]一部の実施形態では、処理デバイス(例えば
図1のコントローラ109)は、ガス流(例えば、再循環しないガスを供給するもの、再循環するガスを供給するもの、ガスを排気するものなど)がポートを通るようにする。一部の実施形態では、処理デバイスは、(例えば酸素センサ、湿度センサ、ドア作動センサ、温度センサなどの)センサデータを受信し、かかるセンサデータに基づいて、ガス流が一又は複数のポートを通るようにする。
【0044】
[0048]一部の実施形態では、移送チャンバ206及び処理チャンバ207の中に、第1環境(例えば真空環境)が提供される。一部の実施形態では、ロードロックシステム204が(例えばドア205を介して)移送チャンバ206に対して開く前に、ロードロックシステム204内に第1環境(例えば真空環境)が提供される。
【0045】
[0049]一部の実施形態では、ファクトリインターフェース201、封入システム202、及び負荷ポート228内に、第2環境(例えば正圧環境、大気環境、不活性ガス環境、真空環境など)が提供される。一部の実施形態では、第2環境は、ロードロックシステム204が(例えばドア203を介して)ファクトリインターフェース201に対して開く前に、ロードロックシステム204内に提供される。
【0046】
[0050]一部の実施形態では、真空環境の一部である、アルミニウム構成要素といった金属構成要素(例えば移送チャンバ206、処理チャンバ207、ロードロックシステム204、ドア205、ドア203、ロボットアーム212など)の全ての表面は、炭化水素を除去して仕上げ面を生成するための方法300A又は300Bを実施することによって生成される。仕上げ面は、最大で32Raマイクロインチの平均表面粗さを有する。炭化水素を除去することによって、処理システム200の真空環境内の(及び、例えば処理システム200のその他の部分における)有機汚染は、大幅に低減される。
【0047】
[0051]
図3Aから
図3Bは、ある種の実施形態による、処理システムの金属構成要素の仕上げ面を生成する方法300A~300Bを示している。方法300A~300Bのうちの一又は複数の、一又は複数の工程は、製造機器によって実施される。一部の実施形態では、複数の工程に対して同じ製造機器が使用され、かつ/又は、別々の工程が別々の製造機器によって実施される。一部の実施形態では、製造機器は、ハードウェア(例えば、回路網、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、処理デバイスなど)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス、汎用コンピュータシステム、若しくは専用機械で実行される命令)、ファームウェア、マイクロコード、又はこれらの組み合わせを含む、処理ロジックによって制御される。一部の実施形態では、方法300A~300Bのうちの一又は複数は、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ109や
図4Bのコントローラ409)によって制御される。一部の実施形態では、方法300A~300Bのうちの一又は複数は、(例えば、
図1のコントローラ109と通信する)サーバデバイスによって制御される。一部の実施形態では、非一時的記憶媒体は命令を記憶し、かかる命令は、(例えば
図1のコントローラ109、
図4Bのコントローラ409、サーバデバイスなどの)処理デバイスによって実行されると、処理デバイスに、方法300A~300Bのうちの一又は複数を実施させる。
【0048】
[0052]工程の順序は、たとえ特定の順番又は順序で図示されていても、別途明記されない限り、変更されうる(例えば、方法300Aのブロック308~310は方法300Aのブロック312の後に行われることもある)。一又は複数の工程は組み合わされうる(例えば、方法300Aのブロック304~306は組み合わされることもある)。一又は複数の工程は反復されうる(例えば、方法300Aのブロック304~308は反復されることもある)。ゆえに、図示されている実施形態は、単なる例として理解すべきであり、図示されている工程は異なる順序で実施されてよく、一部の工程は並行して実施されることもある。加えて、様々な実施形態において、一又は複数の工程(例えば、方法300Aのブロック306~310のうちの一又は複数)は省略されうる。ゆえに、あらゆる実施形態において全ての工程が使用されるわけではない。
【0049】
[0053]
図3Aの方法300Aを参照するに、ブロック302において、原表面を含む金属構成要素(例えばアルミニウム構成要素、ステンレス鋼構成要素、チタン構成要素、真空チャンバ部品、アルミニウム合金構成要素、ステンレス鋼合金構成要素、チタン合金構成要素など)が受容される(例えば、
図4Aの金属構成要素400Aや
図4Bの機器450Aを参照)。原表面は、金属ベース(例えばアルミニウムベースやアルミニウム合金ベース)と、金属ベース上に存在する第1自然酸化物(例えば酸化物層)と、金属ベース上に存在する炭化水素(例えば、酸化物層の内部及び表面上に存在する炭化水素粒子)とを含む。
【0050】
[0054]一部の実施形態では、金属構成要素(例えば金属ベースやアルミニウムベース)は生モノリス(raw monolith)である。一部の実施形態では、金属構成要素(例えば金属ベースやアルミニウムベース)はアルミニウム合金である。一部の例では、金属構成要素(例えば金属ベースやアルミニウムベース)は、アルミニウム6061-T6、アルミニウム6062-T6、6000系アルミニウム(例えば6000系アルミニウム合金)のいずれか、アルミニウム5052、5000系アルミニウム(例えば5000系アルミニウム合金)のいずれか、Alimex(登録商標) ACP5080RS、Alimex(登録商標) 5080R(ACP 5080R)、Alimex(登録商標)5080S(ACP 5080S)、Alpase 5083 M-5TM、PCP 5083 Max5(登録商標)、及び/又はVista Duramold-5TM、のうちの一又は複数を含む。あるいは、一部の実施形態では、アルミニウム以外の金属製構成要素が受容され、処理される。一部の実施形態では、金属構成要素は、ステンレス鋼、300系ステンレス鋼・ニトロニック(nitronic)合金、400系ステンレス鋼、17-4PHステンレス鋼及び440Cステンレス鋼、ステンレス鋼合金、チタン、ならびに/又はチタン合金である。金属構成要素は、超高真空(UHV)環境(例えば移送チャンバ、ロードロック、処理チャンバ)に曝露される(例えばかかる環境において使用される)よう構成されうる。
【0051】
[0055]一部の実施形態では、ブロック302において受容される金属構成要素は、生モノリス(例えばアルミニウムブロック)である。
【0052】
[0056]ブロック304において、金属構成要素の原表面が機械加工されて、機械加工済み表面が生成される(例えば、
図4Aの金属構成要素400B、
図4Bの機器450Bを参照)。一部の実施形態では、機械加工済み表面を生成するために、ブロック304で、金属構成要素(例えば生モノリスやアルミニウムブロック)が、一又は複数の機械加工プロセスにより機械加工されて、金属構成要素(例えば、処理チャンバ、プロセスキットリング、ロードロック、ドア、移送チャンバ、ロボットアーム、LCFデバイスなどの部品)に形作られる。一部の実施形態では、ブロック304の機械加工は、一又は複数の切削パス(pass)を作成するコンピュータ数値制御(CNC)装置やミル(mill)などを含み、切削パスの各々により、原表面の一部分が除去されて、機械加工済み表面が生成される。一部の実施形態では、ブロック304は、研磨プロセス(例えばジッターバグ、ビードブラスト、サンディングなど)を含む。ジッターバグ表面処理とは、オービタルサンダー(orbital sander)を使用して、研磨パッドを表面と接触させ、研磨パッドをランダム軌道運動で動かして、ジッターバグされた(例えばランダムマットな、ウイグル形状パターンの)表面仕上げを行う、粗面化表面処理である。粗面化表面処理においては、機械の跡を消去するために、及び外観上の目的で、研磨粒子により表面が磨かれる。一部の実施形態では、ブロック304は研磨プロセス(例えばジッターバグ、ビードブラスト、サンディングなど)を含まない。一部の実施形態では、ブロック304で、原表面は研磨表面加工により機械加工される。一部の実施形態では、ブロック304で、原表面は非研磨表面加工により機械加工される。一部の実施形態では、方法300Aによって生成されるべき金属構成要素の種類に基づいて、異なる厚さの材料が除去される。
【0053】
[0057]一部の実施形態では、ブロック304において、第1自然酸化物(又は、例えば第1自然酸化物の少なくとも一部分)と、炭化水素の第1の部分とが金属ベ-スから除去される。機械加工済み表面は、第1自然酸化物も炭化水素の第1の部分も有さない金属ベースを含む。一部の実施形態では、ブロック304において、金属ベースの一部分も除去される。
【0054】
[0058]ブロック306において、金属構成要素の機械加工済み表面の金属ベース上に第2自然酸化物を堆積させるために、金属構成要素は大気(atmosphere)に曝露される(例えば、
図4Aの金属構成要素400C、
図4Bの機器450Cを参照)。一部の実施形態では、(例えばブロック304からの)炭化水素が、金属ベース上の第2自然酸化物の内部及び表面上に存在している。一部の実施形態では、ブロック304における構成要素の機械加工は、大気中で実施される(例えば、ブロック304~306が同時に又は実質的に同時に行われる)。
【0055】
[0059]ブロック308において、金属構成要素の(例えば洗浄剤を用いた)洗浄が実施される(例えば、
図4Aの金属構成要素400D、
図4Bの機器450Dを参照)。一部の実施形態では、洗浄により、炭化水素の第2の部分が除去される(炭化水素が完全には除去されないこともある)。一部の実施形態では、ブロック308は、金属構成要素の洗剤への第1の曝露と、その後のすすぎとを含む。一部の実施形態では、ブロック308は、一回又は複数回の洗浄と、一回又は複数回のすすぎとを含む。一部の実施形態では、一回又は複数回のブロック308が、方法300Aの一又は複数の他のブロックの前に、他のブロックの最中に、かつ/又は他のブロックの後に、行われる。一部の実施形態では、金属構成要素に対して種々の機械加工工程を実施するために、ブロック304~308が反復される。
【0056】
[0060]ブロック310において、金属構成要素は表面処理される(例えば、
図4Aの金属構成要素400A、
図4Bの機器450Aを参照)。一部の実施形態では、表面処理は、エッチング、磨き加工、金属構成要素の表面上への材料の堆積、電気めっきなどのうちの一又は複数を含む。一部の実施形態では、ブロック310において、金属構成要素に表面処理(例えばエッチング)を行うために、HF及び/又はHNO
3が使用される。一部の実施形態では、表面に表面処理(例えばエッチング)を行うために、その他の酸が使用される。一部の実施形態では、表面処理(例えばエッチング)により、炭化水素の第3の部分が除去される(炭化水素が完全には除去されないこともある)。一部の実施形態では、ブロック310は、一回又は複数回の表面処理(例えばエッチング)を含む。一部の実施形態では、一回又は複数回のブロック310が、方法300Aの一又は複数の他のブロックの前に、他のブロックの最中に、かつ/又は他のブロックの後に、行われる。
【0057】
[0061]ブロック312において、金属構成要素の機械加工済み表面の表面加工が実施されて、金属構成要素の仕上げ面が生成される(例えば、
図4Aの金属構成要素400E、
図4Bの機器450Eを参照)。一部の実施形態では、表面加工は、研磨表面加工(例えば粗面化表面加工やジッターバグ機械的表面仕上げ)である。一部の実施形態では、表面加工は、非研磨表面加工(例えば非粗面化表面加工や非ジッターバグ機械的表面仕上げ)である。一部の実施形態では、非研磨機械加工(例えばブロック312)は、表面処理(例えばブロック310)の前に行われる。一部の実施形態では、洗浄(例えばブロック308)の別の反復が表面加工(例えばブロック312)の後に行われ、その後表面処理(例えば310)が行われ、次いで、表面処理(例えば310)の後に、洗浄(例えばブロック308)の別の反復が行われる。
【0058】
[0062]一部の実施形態では、表面加工は研磨表面加工を含む。一部の実施形態では、表面加工は研磨表面加工を含まない。研磨表面加工は、機械研磨表面加工、粒子研磨表面加工、固定的な砥粒プロセス(例えば固定砥粒プロセス)、グラインド、ホーニング、サンディング、ジッターバグ表面仕上げ、磨き加工、ブラスト研磨、ビードブラスト、及び/又はこれらに類似したもの、を含む。一部の実施形態では、研磨表面加工は、機械研磨表面加工、粒子研磨表面加工、粗面化表面加工、ジッターバグ表面加工と称され、かつ/又はこれらに類似した名称で呼ばれる。一部の実施形態では、非研磨表面加工は、非機械研磨表面加工、非粒子研磨表面加工、非粗面化表面加工、非ジッターバグ表面加工と称され、かつ/又はこれらに類似した名称で呼ばれる。
【0059】
[0063]一部の実施形態では、仕上げ面は、最大で32Raマイクロインチの、一又は複数の平均表面粗さを有する一部の実施形態では、仕上げ面は、約30~34Raマイクロインチ、約22~32Raマイクロインチ、約15~30Raマイクロインチ、約16~32Raマイクロインチ、約30~40Raマイクロインチ、及び/又はこれらに類似した、一又は複数の平均表面粗さを有する。
【0060】
[0064]一部の実施形態では、ブロック312において、仕上げ面を生成するために、第2自然酸化物と炭化水素の第2の部分とが除去される(例えば、アルミニウム構成要素のアルミニウムベース上の炭化水素はなくなる)。一部の実施形態では、ブロック312において、金属ベースの一部分も除去される。一部の実施形態では、仕上げ面は、(例えば、機械加工済み表面、従来型の表面、ジッターバグ表面などと比較して)反射性の向上及び/又は平均表面粗さの低減のうちの一又は複数を有する。
【0061】
[0065]一部の実施形態では、機械加工済み表面の表面加工(例えば非研磨表面加工)により、金属構成要素の仕上げ面から汚染源(例えば炭化水素)がなくなる。一部の実施形態では、金属構成要素(例えば、金属構成要素の仕上げ面)は、機械研磨表面仕上げ(例えば粗面化表面処理、ジッターバグ表面処理、ランダムマット表面処理、オービタルサンダーツール表面処理、研磨粒子磨き加工表面処理、磨き加工表面処理、ビードブラスト表面処理、及び/又はこれらに類似したもの)を用いずに生成される。
【0062】
[0066]一部の実施形態では、表面加工(例えば非研磨表面加工)は機械を使用して実施され、この機械により、処理されている構成要素の表面の一部又は全部が切削されるまで、この構成要素の表面の両端間で回転カッターヘッドが動かされる。一部の実施形態では、表面加工は、例えば、一又は複数の切削パスを作成するコンピュータ数値制御(CNC)装置やミルなどを使用して実施され、切削パスの各々により、表面の一部分が除去される。
【0063】
[0067]一部の実施形態では、表面加工(例えば非研磨表面加工)は、ダイヤモンド切削加工を含む。一部の実施形態では、ダイヤモンド切削加工とは、ダイヤモンド切削ツールを用いて一又は複数の切削パスを作成し、金属構成要素の一部分を切り取るものである。一部の実施形態では、ダイヤモンド切削加工により、高速で浅切削が行われる。一部の実施形態では、ダイヤモンド切削加工は、多結晶ダイヤモンド(PCD)インサート(例えばカッター端)を用いて行われる。一部の実施形態では、ダイヤモンド切削加工は、ボールミル、エンドミル、フライミル、ボア/ドリル、及び/又は旋盤という応用で使用される、チップ端(例えばPCDインサート)を用いて行われる。一部の実施形態では、表面加工(例えば非研磨表面加工)は、仕上げ面を生成するために、金属構成要素の機械加工済み表面の、フラットカット加工、ボールミル加工、又はエンドミル加工のうちの一又は複数を行う、ダイヤモンドブレードを用いて行われる。一部の実施形態では、ダイヤモンド切削加工は、シングルマウント(single mount)ダイヤモンドブレードを用いて行われる。表面加工(例えば非研磨表面加工やダイヤモンド切削加工)は、高速で、薄型切削で、高速フィードであってよく、かつ、除去される金属構成要素の厚さは約1/2ミリメートル未満でありうる。
【0064】
[0068]一部の実施形態では、表面加工(例えば非研磨表面加工)は、(例えばインサート直径が小さい炭化物(carbide)インサートを用いる)炭化物バイマウント(bi-mount)加工を含む。一部の実施形態では、炭化物バイマウント加工は、多結晶ダイヤモンド(PCD)インサート(例えばカッター端)を用いて実施される。一部の実施形態では、炭化物バイマウント加工は、(例えば、ダイヤモンド切削加工の高速の浅切削と比較して)低速から中速で、浅切削~深切削を行うことによって実施される。一部の実施形態では、、炭化物バイマウント加工は、ボールミル、エンドミル、フライミル、ボア/ドリル、及び/又は旋盤という応用で使用される、チップ端(例えばPCDインサート)を用いて行われる。
【0065】
[0069]一部の実施形態では、表面加工(例えば非研磨表面加工)は、低速の軽仕上げ(light finishing)切削(例えば非アグレッシブ切削)の機械加工を行うことを含む。一部の実施形態では、低速の軽仕上げ切削の機械加工は、(例えば炭化物インサートやストレートエンドミルなどを用いて)低速フィード、軽切削速度、及び軽切削深さで行われる。一部の実施形態では、低速の軽仕上げ切削の機械加工は、特定の表面仕上げ及び特定の表面粗さを得るための、表面加工(例えば非研磨表面加工)における最終切削である。一部の実施形態では、切削片が機械加工済み表面から迅速に除去されるよう、(例えば、別の種類の非研磨表面加工と比較して)非常に浅い切削が、高速フィードで行われる。一部の実施形態では、軽仕上げ切削の機械加工は、金属構成要素の一部分を切り取るための(接合炭化物、タングステン炭化物、チタン炭化物、PCD、ダイヤモンド、炭化物、立方晶窒化ホウ素、及び/又はこれらに類似したものなどの)切削ツールを用いて一又は複数の切削パスを作成することによって行われる。
【0066】
[0070]一部の実施形態では、表面加工(例えば非研磨表面加工)は、第1速度(例えば高速)でのダイヤモンド切削加工、第1速度よりも低速の第2速度(例えば低速から中速)での炭化物バイマウント加工、及び/又は第1速度よりも低速の(かつ、例えば第2速度寄りも低速の)第3速度(例えば低速)での、浅仕上げ切削の機械加工、のうちの一又は複数を含む。
【0067】
[0071]一部の実施形態では、金属構成要素の表面加工(例えば非研磨表面加工)の速度(例えば切削速度)は、400~5000表面フィート/分(SFM)である。一部の実施形態では、金属構成要素の表面加工(例えば非研磨表面加工)の速度(例えば切削速度)は、600~3000SFMである。一部の実施形態では、金属構成要素の表面加工(例えば非研磨表面加工)の速度(例えば切削速度)は、1000~5000SFMである。
【0068】
[0072]一部の実施形態では、ダイヤモンド切削加工は1000~5000SFMで、炭化物バイマウント加工は600~3000SFMで、浅仕上げ切削の機械加工は400~1000SFMで実施される。一部の実施形態では、ダイヤモンド切削加工は、炭化物バイマウント加工の速度を上回る速度で行われ、炭化物バイマウント加工は、浅仕上げ切削の機械加工を上回る速度で行われる。
【0069】
[0073]一部の実施形態では、仕上げ面は実質的に平坦かつ/又は平滑である。一部の実施形態では、仕上げ面では、炭化水素及びその他の汚染物質のトラッピングが最小化される。一部の実施形態では、仕上げ面は、汚染物質(炭化水素など)を有さない自然材料(例えば原表面)に近く、そこでは不具合及び汚染物質が制御されている。一部の実施形態では、仕上げ面は低Ra仕上げを有する。一部の実施形態では、表面加工(例えば非研磨表面加工)の後に、表面のいかなる磨き加工(例えば研磨磨き)も実施されることなく、最終表面の仕上げが実現される。
【0070】
[0074]一部の実施形態では、金属構成要素の仕上げ面は、基板処理システムの移送チャンバの第1内表面、移送チャンバに連結されたある処理チャンバの第2内表面、移送チャンバに連結されたロードロックの第3内表面、又は移送チャンバ(及び/若しくは、例えば処理チャンバ)内に配置されたロボットの外表面(例えば、ロボットブレード若しくはロボットリストの外表面)、のうちの一又は複数である。
【0071】
[0075]
図3Bは、ある種の実施形態による、処理システムの金属構成要素の仕上げ面を生成する方法300Bを示している。一部の実施形態では、金属構成要素は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、又はこれらの合金である。一部の実施形態では、金属構成要素は、ロボット、チャンバ(例えば移送チャンバ、ロードロックチャンバ、処理チャンバ)の側壁、及び/又は、(例えば、ロードロック、移送チャンバ、及び/又は処理チャンバの)真空環境内に配置される金属構成要素である。
【0072】
[0076]
図3Bの方法300Bを参照するに、ブロック320において、金属構成要素の機械加工が大気中で実施される。一部の実施形態では、ブロック320は、方法300Aのブロック304~306と同様である。金属構成要素の機械加工は、工作機械工程、旋盤工程、エンドミル工程、金属構成要素を形作るために工作機械で一又は複数の種類のカッターを使用すること、フィーチャ(例えば孔、メクラ穴、ヒダ、非溶着シームなど)を生成するために機械加工工程を実施すること、及び/又はこれらに類似したこと、のうちの一又は複数を含みうる。かかる機械加工(及び、機械加工を何回か反復すること)は、金属構成要素の煩雑性及び/若しくは複雑性、金属構成要素のサイズ、除去される材料の厚さ(例えば大きな塊か、若しくは細片か)、及び/又はこれらに類似したこと、に依拠しうる。機械加工は粗切削であることも、準粗切削であることもある。一部の実施形態では、この機械加工により、加工ツールのビビリ(chatter)を伴うことなく材料が除去される。小型の金属構成要素又は多数のフィーチャを有する金属構成要素の機械加工では、(例えば、金属構成要素の形状を変形させないよう、部品の輪郭(definition)に影響を与えないように、)大型の金属構成要素又は少数のフィーチャを有する金属構成要素よりも、少ない材料が除去され、かつ/又は低い圧力が使用されうる。
【0073】
[0077]ブロック322において、金属構成要素の洗浄が実施される。一部の実施形態では、洗浄は、洗浄剤(例えばアルコール、アセトン、塩酸、表面用洗剤など)を用いて実施される。一部の実施形態では、洗浄を実施することは、金属構成要素を、(例えばHNO3を含む)洗浄剤中に浸漬することを含む。一部の実施形態では、ブロック322は、方法300Aのブロック308と同様である。
【0074】
[0078]ブロック324において、追加の機械加工が実施されるかどうかが決定される。追加の機械加工が実施される場合、フローはブロック320に戻る。追加の機械加工が実施されない場合、フローはブロック326に続く。
【0075】
[0079]一部の実施形態では、方法300Bは、機械加工の複数の反復(例えば、各々が金属構成要素の一部分を除去する、機械加工ツールの約2~4のパス)を含む。一部の例では、機械加工の第1の反復(例えば、ブロック320の第1の反復)は粗加工であり、機械加工の第2の反復(例えば、ブロック320の第2の反復)は準粗加工であり、機械加工の第3の反復(例えば、ブロック320の第3の反復)はアーキテクチャパス(architectural pass)であり、機械加工の第4の反復(例えば、ブロック320の第4の反復又はブロック326)は仕上げパスである。機械加工の異なる反復は、同じ機械によって実施されても、又は別々の機械によって実施されてもよい。一部の実施形態では、洗浄工程は、機械加工工程の各々の間に行われる。一部の実施形態では、洗浄工程は、2つ以上の機械加工工程の間で行われない。
【0076】
[0080]一部の実施形態では、機械加工の反復と反復との間(例えば、ブロック320の反復の間や、ブロック320とブロック326との間など)、金属構成要素の表面は湿潤に維持される。一部の実施形態では、金属構成要素を湿潤に維持することで、加工流体及び残留物が金属構成要素上で乾燥することが防止される。
【0077】
[0081]ブロック326において、金属構成要素の表面加工が実施される。一部の実施形態では、表面加工は粗面化(例えばジッターバグやビードブラストなど)表面加工である。一部の実施形態では、表面加工は非粗面化(例えば非ジッターバグ)表面加工である。ブブロック326は方法300Aのブロック312と同様でありうる。表面加工(例えば粗面化表面加工や非粗面化表面加工)は、仕上げ面(例えば平滑な表面)を生成するための(例えば、ブロック320よりも少ない材料を除去する)、最終切削、仕上げ切削、及び/又は極薄(skim)切削でありうる。ブロック326の表面加工(例えば非粗面化表面加工)は、ブロック320の機械加工よりも長い時間がかかりうる(例えば、より微細な表面粗さを得るための、より浅い追加のパス)。一部の実施形態では、表面加工(例えば非粗面化表面加工)は、(例えば、粗さが非常に低度の)ダイヤモンド切削である。一部の実施形態では、方法300Bはプロセス工程を汚染しない(例えば、ジッターバグ工程、ビードブラスト工程、熱ブラスト工程などがない)。
【0078】
[0082]ブロック328において、金属構成要素の洗浄が実施される。一部の実施形態では、ブロック328は、方法300Aのブロック308及び/又は方法300Bのブロック322と同様である。
【0079】
[0083]ブロック330において、金属構成要素の表面処理が実施される。一部の実施形態では、表面処理は、金属構成要素を酸性エッチング溶液(例えばHF及び/又はHNO3)中に浸漬すること、金属構成要素を磨くこと、金属構成要素の表面上に材料を堆積させること、金属構成要素の表面を電気めっきすること、及び/又はこれらに類似したこと、のうちの一又は複数を含む。一部の実施形態では、ブロック330は、方法300Aのブロック310と同様である。表面処理により、金属構成要素の表層が除去されうる(例えばディープ洗浄)。一部の実施形態では、表面処理により、酸化物(例えば酸化アルミニウム)、洗浄による残留物、先行工程による不純物(例えば先行浸液)、有機物、及び/又はこれらに類似したものが除去される。
【0080】
[0084]ブロック332において、金属構成要素の洗浄が実施される。一部の実施形態では、ブロック330の表面処理に応じて、金属構成要素上に残留物が生じ、この残留物がブロック332の洗浄により除去される。一部の実施形態では、ブロック332は、方法300Aのブロック308及び/又は方法300Bのブロック322と同様である。
【0081】
[0085]ブロック334において、(例えば仕上げ面を生成するために、)金属構成要素の乾燥(例えば送風乾燥やベイク乾燥)が実施される。一部の実施形態では、乾燥は、金属構成要素を(例えば不活性ガスを用いて)送風乾燥させること、及び/又は、摂氏約80~200度で(例えば不活性ガスや真空の中で)金属構成要素をベイク乾燥すること(例えば、大気を上回る温度で乾燥させること)を含む。
【0082】
[0086]
図4Aは、ある種の実施形態による、処理システム(例えば、
図1の処理システム100や
図2A~2Bの処理システム200)の金属構成要素(例えばアルミニウム構成要素)400A~400Fの断面図を示している。一部の実施形態では、種々の金属構成要素400A~400Fの間に、方法300の種々の工程が行われ、かつ/又は
図4Bの種々の機器が使用される。
【0083】
[0087]金属構成要素400Aは、金属ベース410と、金属ベース410上に存在する自然酸化物420(例えば自然酸化物層)と、金属ベース410上に存在する(例えば、自然酸化物層の内部及び表面上に存在する)炭化水素430(例えば炭化水素粒子)とを含む、原表面を有する。一部の実施形態では、金属構成要素400Aは、複数の入来源(例えばパッケージング、取扱、搬送など)により、炭化水素430で汚染されている。一部の実施形態では、金属構成要素400Aが大気に曝露されたことに応じて、金属ベース410上に自然酸化物420が存在する。一部の実施形態では、金属構成要素400Aは、
図3Aの方法300Aのブロック302に応じたものである。一部の実施形態では、金属構成要素400Aは、金属の生モノリス(例えばアルミニウムブロック)である。
【0084】
[0088]金属構成要素400Bは、(例えば、表面の初回ミル加工(fresh milling)に応じた)機械加工済み表面を有し、この機械加工済み表面は、金属ベース410と、金属構成要素400Aの金属ベース410上に存在していた炭化水素430の一部分を含む。一部の実施形態では、金属構成要素400Bは、
図3Aの方法300Aのブロック304に応じたものである。実施形態において、機械加工済み表面は、金属構成要素400Aの原表面を機械加工して、第1自然酸化物と炭化水素の第1の部分とを金属ベース410から除去することによって、実現される。一部の実施形態では、自然酸化物420は除去されているので、金属構成要素400Bは自然酸化物420を含まない。一部の実施形態では、自然酸化物420の一部分が除去されているので、金属構成要素400Bは、金属構成要素400Aの自然酸化物420の一部分を含む。
【0085】
[0089]金属構成要素400Cは、大気に曝露された機械加工済み表面を有する。一部の実施形態では、金属構成要素400Cは、
図3Aの方法300Aのブロック306に応じたものである。金属構成要素400Cは、大気に曝露されたことに応じて、自然酸化物420を有する。金属構成要素400Bの炭化水素430は、金属構成要素400Cの金属ベース410上の、自然酸化物420の内部及び表面上に存在する。
【0086】
[0090]金属構成要素400Dは、大気に曝露され、かつ(例えば洗浄剤を用いて)洗浄された、機械加工済み表面を有する。一部の実施形態では、金属構成要素400Dは、
図3Aの方法300Aのブロック308に応じたものである。洗浄されたことに応じて、炭化水素430の一部分(例えば、自然酸化物420上に存在する炭化水素)が除去され、炭化水素430の一部分(例えば、自然酸化物420の内部に存在するもの)は金属ベース410上に残存する。
【0087】
[0091]金属構成要素400Eは、大気に曝露され、洗浄され、かつ表面処理された(例えば、フッ化水素(HF)又は硝酸(HNO
3)でのエッチング、磨き加工、堆積、電気めっき等が行われた)、機械加工済み表面を有する。一部の実施形態では、金属構成要素400Eは、
図3Aの方法300Aのブロック310に応じたものである。表面処理された後にも、炭化水素430の一部分は、金属ベース410上に(例えば、自然酸化物420の内部に)残存する。
【0088】
[0092]金属構成要素400Fは仕上げ面を有する。一部の実施形態では、金属構成要素400Fは、
図3Aの方法300Aのブロック312に応じたものである。仕上げ面は、炭化水素430を含まない(かつ、例えば自然酸化物420も含まない)。仕上げ面は、金属構成要素400の機械加工済み表面の表面加工(例えば、非ジッターバグや非粗面化といった非研磨表面加工)を実施して、炭化水素430を除去することによって生成される。仕上げ面は、最大で32Raマイクロインチの平均表面粗さを有する。炭化水素を除去することによって、基板処理システム(例えば、基板処理システム、
図1の処理システム100、
図2A~
図2Bの処理システム200の真空部分など)の内部における有機汚染が大幅に低減する。
【0089】
[0093]一部の実施形態では、金属構成要素400Fの仕上げ面を生成するために、金属構成要素400A~400Eのうちの一又は複数の、対応する工程が飛ばされるか、又は順序替えされる。一部の実施形態では、金属構成要素400D~400Eの工程(例えば洗浄や表面処理)のうちの一又は複数が、飛ばされるか又は順序替えされる。一部の例では、金属構成要素400Fは、洗浄も表面処理もされていない。一部の例では、洗浄及び/又は表面処理は、表面加工を実施することによって金属構成要素400Fの仕上げ面が生成された後に行われる(例えば、表面加工の前に洗浄及び/又は表面処理は行われない)。
【0090】
[0094]
図4Bは、ある種の実施形態による、金属構成要素400(例えばアルミニウム構成要素)の仕上げ面を生成するための、システム440を示している。
【0091】
[0095]システム440は、機器450A~450F、及びコントローラ490を含む。一部の実施形態では、システム440は、機器450A~450Fのセットの間で金属構成要素を動かすために、移送デバイス460(例えばロボットアームやコンベヤなど)を含む。一部の実施形態では、機器450A~450Fのセットのうちの一又は複数は、金属構成要素を処理するよう動く。一部の実施形態では、機器450A~450Fのセットのうちの2つ以上が組み合わされる。コントローラ490は、機器450A~450F及び移送デバイス460を制御する。一部の実施形態では、コントローラ490は、
図1のコントローラ190と同じ又は類似した機能性を有する。
【0092】
[0096]一部の実施形態では、機器450A~450Fのセットのうちの一又は複数は、空気汚染を防止するために、清浄で有機物のない環境中に配置される。一部の実施形態では、相互汚染の蓄積を最小化するために、部品の機械加工中に(例えば、機器450B及び/又は400Fの使用前、使用中、及び/又は使用後に)断続的に洗浄が行われる。一部の実施形態では、低ガス放出材料(例えば潤滑剤やOリングなど)が(例えば高真空応用に)使用される。一部の実施形態では、有機ステインのない材料(例えばクリーンルームマイクロファイバーワイプ、マイクロデニール連続フィラメントから作製されたワイプ、ポリエステル/ナイロン地のワイプ、及び/又は、吸収性及び粒子汚染除去性を強化するワイプなど)が使用される。
【0093】
[0097]機器450Aは金属構成要素400Aを受容し、金属構成要素400Aは、金属ベース410と、金属ベース410上に存在する自然酸化物420と、金属ベース410上に存在する炭化水素430とを含む原表面を有する。(
図1のブロック302参照)
【0094】
[0098]機器450Bは、自然酸化物420と炭化水素430の第1の部分とを金属ベース410から除去して、金属構成要素400Bの機械加工済み表面を生成するよう、原表面を加工する。(
図1のブロック304参照)
【0095】
[0099]一部の実施形態では、機器450Cは、金属構成要素400Bを大気に曝露して、金属構成要素400Bの金属ベース410上に自然酸化物420を堆積させる(例えば形成する)。(
図1のブロック306参照)一部の実施形態では、金属構成要素400Bは、機器450Cを使用することなく大気に曝露される。
【0096】
[00100]機器450Dは、金属構成要素400Cを(例えば洗浄剤を用いて)洗浄して、金属ベース410から炭化水素430の第2の部分を除去する。(
図1のブロック308参照)
【0097】
[00101]機器450Eは、金属構成要素400Dの表面処理(例えばエッチングや磨き加工など)を実施して、金属ベース410から炭化水素430の第3の部分を除去する。(
図1のブロック310参照)
【0098】
[00102]機器450Fは、炭化水素430を除去して仕上げ面を生成するために、金属構成要素400の機械加工済み表面の表面加工(例えば、非ジッターバグや非粗面化といった非研磨表面加工)を実施する。(
図1のブロック312参照)一部の実施形態では、機器450Fは、ダイヤモンドインサート、ダイヤモンドブレード、ダイヤモンド端、ダイヤモンドシングルマウント、炭化物バイマウント、炭化物インサート、炭化物ブレード、炭化物端などを含む。
【0099】
[00103]一部の実施形態では、(例えば、粗面化表面加工が行われた)従来的な金属構成要素では、本開示にしたがって形成された金属構成要素と比較して、種々の温度において、金属構成要素(例えば、処理システムのアルミニウム構成要素や金属構成要素)の近位にある基板のウエハ上ステインが増大する。
【0100】
[00104]一部の実施形態では、従来的な金属構成要素(例えばアルミニウム構成要素)の近位にある基板のウエハ上ステインの数は、本開示にしたがって形成される金属構成要素の場合よりも大幅に多くなる。一部の実施形態では、従来的な金属構成要素では、(例えば、摂氏約100度~約150度を超過した)高温において、ウエハ上ステインの数が(例えば、基板がウエハ上ステインの数の閾値量に達し、基板が使用不能となり、基板が廃棄されることになり、かつ/又はこれらに類似したことが起こる)過負荷点に到達する。
【0101】
[00105]一部の実施形態では、本開示(例えば
図3Aの方法300A、
図3Bの方法300B、金属構成要素400F)にしたがって形成された金属構成要素(例えばアルミニウム構成要素)の近位にある基板のウエハ上ステインの数は、従来的な金属構成要素よりも大幅に少なくなる。
【0102】
[00106]従来型の金属構成要素では、真空のもとで、ステインは低温において(例えば摂氏約20度~約40度において)生じ始め、温度が上昇するにつれて増加する。一部の実施形態では、本開示にしたがって形成された金属構成要素では、真空のもとで、小さなステインの兆しが生じ始めるのは、より高い温度(例えば摂氏約100度~約150度)である。
【0103】
[00107]本書に記載の例は更に、本書に記載の方法を実施するための装置に関する。一部の実施形態では、この装置は、本書に記載の方法を実施するために特に構築されているか、又は、コンピュータシステムに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされた汎用コンピュータシステムを含む。一部の実施形態では、コンピュータプログラムは、有形のコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。
【0104】
[00108]本書に記載の方法及び実施例は、本質的には、何らかの特定のコンピュータ又はその他の装置に関連するものではない。一部の実施形態では、本書に記載の教示にしたがって様々な汎用システムが使用されるか、又は、より特化された装置が、本書に記載の方法、及び/又はその個別の機能、ルーチン、サブルーチン、若しくは工程の各々を実施するよう構築される。多種多様なかかるシステムの構造の例が、本明細書の上記説明に記載されている。
【0105】
[00109]前述の説明には、本開示のいくつかの実施形態の良好な理解をもたらすために、特定のシステム、構成要素、方法などの例といった、多数の具体的な詳細事項が記載されている。しかし当業者には、これらの具体的な詳細事項がなくとも、本開示の実施形態の少なくとも一部は実践されることが、自明となろう。他の例では、本開示を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構成要素又は方法は、詳細に説明されないか、又は単純なブロック図形式で提示されている。ゆえに、記載されている具体的な詳細事項は例示的なものにすぎない。特定の実行形態はかかる例示的な詳細事項とは異なっているが、それでも本開示の範囲内に含まれると想定される。
【0106】
[00110]この明細書全体を通して、「一実施形態(one embodiment)」又は「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、その実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。ゆえに、この明細書全体の様々な箇所における「一実施形態では」又は「実施形態において」という表現の出現は、その全てが必ずしも、同一の実施形態に言及しているわけではない。加えて、「又は(or)」という語は、排他的な「又は」と言うよりは、包括的な「又は」を意味することが意図されている。「約(about)」又は「およそ(approximately)」という語が本書で使用される場合、これは、提示される公称値が±10%以内で正確であることを意味することが意図されている。
【0107】
[00111]本書で使用される場合、「上方(over)」、「下(under)」、「間(between)」、「上に存在する(disposed on)」、及び「に/上に(on)」という語は、ある材料層、又は構成要素の、他の層又は構成要素に対する相対位置を表わすものである。一部の例では、別の層の上に、上方に、若しくは下に配置された層は、この別の層と直接接触しているか、又は、一又は複数の介在層を有している。一部の例では、2つの層の間に配置されたある層は、この2つの層と直接接触しているか、又は、一又は複数の介在層を有している。同様に、一部の例では、2つのフィーチャの間に配置されたフィーチャは、隣り合ったフィーチャと直接接触しているか、又は、一又は複数の介在層を有している。
【0108】
[00112]本書の方法の工程は、特定の順序で図示され説明されているが、一部の実施形態では、各方法の工程の順序は、特定の工程が逆順に実施され、特定の工程が少なくとも部分的に他の工程と同時に実施されるように、変更される。別の実施形態では、別個の工程の命令又はサブ工程は、断続的な、かつ/又は交互の様態である。
【0109】
[00113]上記の説明は、例示のためのものであり、限定のためのものではないと理解される。上記の説明を読み、理解することで、他の多くの実施形態が、当業者に自明となろう。したがって、開示の範囲は、付随する特許請求の範囲を参照して、かつ、均等物であって、それに対してかかる特許請求の範囲が権利付与される均等物の全範囲と共に、決定されるべきである。