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特許7549672耐アーク性冷却剤導管付き基板支持アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】耐アーク性冷却剤導管付き基板支持アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240904BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240904BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/68 R
H01L21/302 101C
H01L21/31 C
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022556534
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 US2020065097
(87)【国際公開番号】W WO2021188174
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】16/825,466
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】プローティ, スティーヴン ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア デ ゴロルド, アルヴァロ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヌージャイム, アンドリュー アントワン
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-121801(JP,A)
【文献】特開2011-127725(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0018648(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0337823(US,A1)
【文献】米国特許第06284110(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/683
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チャンバ構成要素であって、
第1のプレートを含む被給電領域と、
第2のプレートを含む接地領域と、
前記半導体チャンバ構成要素内に配置され、前記被給電領域及び接地領域を通る流体導管であって、
前記第1のプレートに第1の端部を、かつ前記第2のプレートに第2の端部を有し、0.1から100MΩの端部間電気抵抗を有する、流体導管と
を備える、半導体チャンバ構成要素。
【請求項2】
前記端部間電気抵抗が1.0から50MΩである、請求項1に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項3】
前記端部間電気抵抗が1.0から20MΩである、請求項1に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項4】
流体導管は、SiC、Tiドープアルミナ、炭素ドーププラスチック、及び金属ドープセラミックスで構成される群から選択される少なくとも1つの材料から作製される、請求項2に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項5】
前記流体導管は更に、
前記流体導管の少なくとも一方の端部に近接して、32RA(μin)又はそれよりも滑らかな仕上げに研磨された外面
を含む、請求項4に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項6】
被給電領域及び接地領域は、基板支持アセンブリ、シャワーヘッド、静電チャック、ガス分配プレート、熱シールド、又は取り外し可能なプロセスキットの一部を含む、請求項5に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項7】
前記流体導管は、SiC、Tiドープアルミナ、炭素ドーププラスチック、及び金属ドープセラミックスで構成される群から選択される少なくとも1つの材料から作製される、請求項1に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項8】
前記流体導管は更に、
前記流体導管の少なくとも一方の端部に近接して、32RA(μin)又はそれよりも滑らかな仕上げに研磨された外面
を含む、請求項1に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項9】
前記流体導管は更に、
前記流体導管の少なくとも一方の端部に近接して、4から8RA(μin)の仕上げに研磨された外面
を含む、請求項1に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項10】
前記流体導管は更に、
前記流体導管の前記第1の端部に結合されたフィッティングであって、前記第1のプレートの相補的な嵌合面に密封結合するように構成されたフィッティング
を含む、請求項1に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項11】
前記被給電領域及び接地領域は、基板支持アセンブリ、シャワーヘッド、静電チャック、ガス分配プレート、熱シールド、又は取り外し可能なプロセスキットの一部を含む、請求項1に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項12】
前記被給電領域は、前記流体導管に流体結合されたチャネル又は貫通孔を含む、請求項11に記載の半導体チャンバ構成要素。
【請求項13】
基板支持アセンブリであって、
支持面及び前記支持面に対向する底面を有する静電チャック(ESC)であって、チャッキング電極を有する、ESCと、
前記ESCを支持するESCベースアセンブリであって、ベースチャネルを有し、前記ESC及び前記ESCベースアセンブリの少なくとも一方は、前記基板支持アセンブリの被給電領域を含み、前記基板支持アセンブリの前記被給電領域は、基板処理工程中にRF電力を受けるように構成される、ESCベースアセンブリと、
前記ESCベースアセンブリを支持する接地プレートと、
前記被給電領域と前記接地プレートとを通る第1の流体導管であって、0.1から100MΩの端部間電気抵抗を有し、前記ESCに第1の端部を、かつ前記接地プレートに第2の端部を有する、第1の流体導管と
を備える、基板支持アセンブリ。
【請求項14】
前記端部間電気抵抗が1.0から50MΩである、請求項13に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項15】
前記第1の流体導管は、SiC、Tiドープアルミナ、炭素ドーププラスチック、及び金属ドープセラミックスで構成される群から選択される少なくとも1つの材料から作製される、請求項13に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項16】
前記第1の流体導管は更に、
前記第1の流体導管の少なくとも一方の端部に近接して、4から8RA(μin)の仕上げに研磨された外面
を含む、請求項13に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項17】
前記第1の流体導管は更に、
前記第1の流体導管の前記第1の端部に結合されたフィッティングであって、前記ESCベースアセンブリの相補的な嵌合面に密封結合するように構成されたフィッティング
を含む、請求項13に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項18】
前記ESCベースアセンブリと前記接地プレートとの間に配置された設備プレートであって、設備流体を循環させるように構成された設備チャネルを有する設備プレートと、
前記設備チャネルに密封結合され、0.1から100MΩの端部間電気抵抗を有する、第2の流体導管と
を更に含む、請求項13に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項19】
0.1から100MΩの端部間電気抵抗を有する第2の流体導管であって、前記第1及び第2の流体導管は、前記ESCベースアセンブリに配置されたベースチャネルに結合され、前記ベースチャネルは、それを通して冷却剤を流すように構成される、第2の流体導管
を更に含む、請求項13に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項20】
基板支持アセンブリであって、
支持面及び前記支持面に対向する底面を有する静電チャック(ESC)であって、チャッキング電極及びヒータを有する、ESCと、
前記ESCを支持するESCベースアセンブリであって、ベースチャネルを有し、基板処理工程中にRF給電されるように構成されたESCベースアセンブリと、
前記ESCベースアセンブリを支持する接地プレートと、
前記接地プレートから前記ベースチャネルまで延在する第1の流体導管であって、熱伝達流体を前記ベースチャネルに流入させるための入口を提供し、前記ESCに第1の端部を、かつ前記接地プレートに第2の端部を有する、第1の流体導管と、
前記接地プレートから前記ベースチャネルまで延在する第2の流体導管であって、熱伝達流体を前記ベースチャネルから流出させるための出口を提供する、第2の流体導管と
を備え、前記第1及び第2の流体導管は、SiC、Tiドープアルミナ、炭素ドーププラスチック、及び金属ドープセラミックスで構成される群から選択される少なくとも1つの材料から作製され、前記第1及び第2の流体導管は、0.1から100MΩの端部間電気抵抗を有する、基板支持アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、半導体チャンバ構成要素に関し、より具体的には、耐アーク性冷却剤導管を有する基板支持アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ナノメートル及びより小さい特徴を確実に製造することは、半導体デバイスの次世代超大規模集積(VLSI)及び極大規模集積(ULSI)に対する重要な技術課題の1つである。しかし、回路技術の限界に挑戦する一方で、VLSI及びULSIの配線技術の寸法縮小により、処理能力に対する要求が更に高まっている。基板に確実にゲート構造を形成することは、VLSI及びULSIの成功にとって、また個々の基板及びダイの回路密度及び品質を高める努力を続ける上で重要である。
【0003】
[0003]製造コストを下げるために、集積チップ(IC)製造業者は、処理されるすべてのシリコン基板からより高いスループットとより良いデバイス歩留と性能を要求している。現在開発中の次世代デバイス用に検討されている製造技法の中には、極低温での処理を必要とするものがある。極低温で均一に維持された基板をドライ反応性イオンエッチングすると、基板に配置された材料の上向き面にイオンが衝突し、自然エッチングが減少するため、滑らかで垂直な側壁を有するトレンチを形成することができる。更に、極低温では、ある材料と別の材料とのエッチングの選択性を向上させることができる。例えば、シリコン(Si)と二酸化ケイ素(SiO)との間の選択性は、温度が低下するにつれて指数関数的に高まる。
【0004】
[0004]極低温処理を可能にするための基板支持アセンブリの操作は、しばしば、基板支持アセンブリを通して循環される冷却剤の使用に依存する。冷却剤を通すために使用される導管は、基板支持アセンブリの接地及び給電の両方が行われる部分にまたがるため、冷却剤は、短絡を防ぐために十分に電気絶縁性でなければならない。しかし、絶縁性導管内の冷却剤の流れにより、時間の経過とともに,導管と基板支持アセンブリの接地部との間にアーク放電を発生させるほど、管に電荷が蓄積する可能性がある。アーク放電は、導管にピン孔を形成し、望ましくない冷却剤の漏れを発生させることを含む、多くの問題を引き起こし得る、又はその一因となり得る。
【0005】
[0005]従って、改良された基板支持アセンブリが必要である。
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、チャンバ構成要素の被給電部と接地部との間で流体を運ぶための1又は複数の導管を含み、導管は、従来の構成要素と比較してアーク放電が起こりにくいように構成される、半導体チャンバ構成要素について説明する。
一実施例では、被給電領域、接地領域、及び流体導管を含む半導体チャンバ構成要素が提供される。流体導管は、半導体チャンバ構成要素内に配置され、被給電領域及び接地領域を通る。流体導管は、0.1から100MΩ、例えば1.0から20MΩの端部間電気抵抗を有する。
別の実施例では、半導体チャンバ構成要素は、基板支持アセンブリとして開示される。基板支持アセンブリは、静電チャック(ESC)と、ESCベースアセンブリと、接地プレートと、第1の流体導管とを含む。ESCは、支持面と、支持面に対向する底面とを有する。ESCは、更に、チャッキング電極を有する。ESCベースアセンブリはESCを支持し、ESCベースアセンブリはベースチャネルを有する。ESC及びESCベースアセンブリの少なくとも一方は、基板支持アセンブリの被給電領域を含む。基板支持アセンブリの被給電領域は、基板処理工程中にRF電力を受けるように構成される。接地プレートは、ESCベースアセンブリを支持する。第1の流体導管は、被給電領域及び接地プレートを通る。第1の流体導管は、0.1から100MΩ、例えば1.0から20MΩの端部間電気抵抗を有する。
【0007】
[0006]更に別の実施例では、静電チャック(ESC)と、ESCベースアセンブリと、接地プレートと、第1及び第2の流体導管とを含む基板支持アセンブリが提供される。ESCは、支持面と、支持面に対向する底面とを有する。ESCはまた、チャッキング電極及びヒータも有する。ESCベースアセンブリは、ESCを支持し、ベースチャネルを有する。ESCベースアセンブリは、基板処理工程中にRF給電されるように構成される。接地プレートは、ESCベースアセンブリを支持する。第1及び第2の流体導管は、接地プレートからベースチャネルまで延在する。第1の流体導管は、熱伝達流体をベースチャネルに流入させるための入口を提供し、第2の流体導管は、熱伝達流体をベースチャネルから流出させるための出口を提供する。第1及び第2の流体導管は部分的に導電性のセラミックから作製され、0.1から100MΩ、例えば1.0から20MΩの端部間電気抵抗を有する。
【0008】
[0007]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は例示的な実施形態を単に示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る例示的なプラズマ処理チャンバの断面概略図である。
図2A】一実施形態に係る例示的な基板支持アセンブリの断面概略図である。
図2A-1】図2Aに示す基板支持アセンブリに配置される管の代替例の部分断面概略図である。
図2B】一実施形態に係る例示的な基板支持アセンブリの断面概略図である。
図2C】一実施形態に係るねじアセンブリの概略図である。
図3】一実施形態に係るシールの概略図である。
図4A】実施形態に係るESCベースアセンブリの断面概略図である。
図4B】実施形態に係るESCベースアセンブリの断面概略図である。
図4C】実施形態に係るESCベースアセンブリの断面概略図である。
図4D】実施形態に係るESCベースアセンブリの断面概略図である。
図4E】一実施形態に係る例示的な基板支持アセンブリの周囲部分の断面概略図である。
図5A】実施形態に係る例示的な基板支持アセンブリの部分断面概略図である。
図5B】実施形態に係る例示的な基板支持アセンブリの部分断面概略図である。
図5C】実施形態に係る例示的な基板支持アセンブリの部分断面概略図である。
図5D】一実施形態に係る低温光プローブアセンブリの断面概略図である。
図6】チャンバ構成要素の接地領域及び被給電領域にまたがる内部導管を有する半導体チャンバ構成要素の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0019]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる詳述なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ると考えられる。
【0011】
[0020]本明細書に記載の実施形態は、処理チャンバの他の表面が異なる温度に維持される一方で、静電チャック(ESC)の上に配置された基板が処理に適した極低温処理温度に維持されるように、静電チャック(ESC)の極低温動作を可能にする基板支持アセンブリを提供する。極低温処理温度(すなわち、基板の温度)とは、基板支持体における-10℃未満の温度を指すことを意図している。
【0012】
[0021]また、本明細書では、基板支持アセンブリの被給電部と接地部との間で基板支持アセンブリ内の流体を運ぶための、アーク放電が発生しにくい1又は複数の導管を含む基板支持アセンブリについて説明する。本明細書に記載の導管は、従来の基板支持アセンブリで使用される導管と比較してアーク放電が発生しにくいため、基板支持アセンブリの信頼性、保守点検間隔及び耐用年数が著しく改善される。耐アーク性導管を、主に、極低温動作を可能にするように構成された基板支持アセンブリに具現化されるものとして説明するが、耐アーク性導管は、処理チャンバ構成要素の接地部及び被給電部を横断する導管において流体が移送される他の基板支持アセンブリ又は他の半導体処理チャンバ構成要素において利用され得る。
【0013】
[0022]基板支持アセンブリを、エッチング処理チャンバにおいて以下に説明するが、基板支持アセンブリは、中でも、物理的気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、イオン注入チャンバ等の他の種類のプラズマ処理チャンバ、及び極低温処理温度で維持される基板の処理が望ましい他のシステムにおいて利用され得る。しかしながら、本明細書に記載の基板支持アセンブリ及びチャンバ構成要素は、他の処理温度で利用され得ることに留意されたい。
【0014】
[0023]図1は、基板支持アセンブリ101を有する、エッチングチャンバとして構成し図示した例示的なプラズマ処理チャンバ100の断面概略図である。上述したように、基板支持アセンブリ101は、他の種類のプラズマ処理チャンバ、中でも、例えばプラズマ処理チャンバ、アニールチャンバ、物理的気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、及びイオン注入チャンバ、並びに表面又は基板124等の加工物を極低温処理温度に均一に維持する能力が望ましい他のシステムにおいて利用され得る。極低温処理温度に維持された基板124をドライ反応性イオンエッチングすると、基板124に配置された材料の上向き面にイオンが衝突し、自然エッチングが減少するため、滑らかで垂直な側壁を有するトレンチを形成することができる。例えば、イオンが低誘電率誘電体材料の上向き面に衝突し続け、滑らかで垂直な側壁を有するトレンチを形成する一方で、極低温処理温度に均一に維持された基板124に配置された低誘電率誘電体材料の孔隙におけるイオンの拡散は減少する。更に、ある材料と別の材料とのエッチングの選択性は、極低温処理温度において改善し得る。例えば、シリコン(Si)と二酸化シリコン(SiO)との間の選択性は、温度が低下するにつれて指数関数的に高まる。
【0015】
[0024]プラズマ処理チャンバ100は、処理領域110を囲む側壁104、底部106、及びリッド108を有するチャンバ本体102を含む。チャンバ本体102の側壁104及び/又はリッド108に、注入装置112が結合される。処理領域110内にプロセスガスを供給することを可能にするために、ガスパネル114が注入装置112に結合される。注入装置112は、1又は複数のノズル又は入口ポート、又は代替的にシャワーヘッドであってよい。プロセスガスは、いずれかの処理副生成物と共に、チャンバ本体102の側壁104又は底部106に形成された排気ポート116を通して処理領域110から除去される。排気ポート116は、処理領域110内の真空レベルを制御するために利用されるスロットルバルブ及びポンプを含むポンプシステム140に結合される。
【0016】
[0025]処理領域110内にプラズマを形成するために、プロセスガスに電圧が印加され得る。プロセスガスは、RF電力をプロセスガスに容量的又は誘導的に結合させることによって電圧が印加され得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる、図1に示す実施形態では、複数のコイル118が、プラズマ処理チャンバ100のリッド108の上方に配置され、整合回路120を通してRF電源122に結合される。
【0017】
[0026]基板支持アセンブリ101は、注入装置112の下方の処理領域110に配置される。基板支持アセンブリ101は、ESC103と、ESCベースアセンブリ105とを含む。ESCベースアセンブリ105は、ESC103と設備プレート107とに結合される。接地プレート111によって支持された設備プレート107は、基板支持アセンブリ101との電気、冷却、加熱、及びガス接続を容易にするように構成される。接地プレート111は、処理チャンバの底部106によって支持される。絶縁体プレート109は、設備プレート107を接地プレート111から絶縁する。
【0018】
[0027]ESCベースアセンブリ105は、極低温チラー117に結合されたベースチャネル115(図4A図4Dに更に詳述)を含む。極低温チラー117は、ESCベースアセンブリ105、ひいては基板124が所定の極低温温度に維持され得るように、冷媒等のベース流体をベースチャネル115に供給する。同様に、設備プレート107は、チラー119に結合された設備チャネル113(図2A及び図2Bに更に詳述)を含む。チラー119は、設備プレート107が所定の温度に維持されるように、設備流体を設備チャネル113に供給する。一実施例では、ベース流体は、ESCベースアセンブリ105を設備プレート107の温度よりも高い温度に維持する。
【0019】
[0028]図2A図2Bを更に参照すると、極低温チラー117は、ESCベースアセンブリ105が所定の極低温温度に維持されるように、ベースチャネル115の入口254に接続されたベース入口導管123を介して、及びベースチャネル115の出口256に接続されたベース出口導管125を介して、ベースチャネル115に流体連結している。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、極低温チラー117は、ベース流体の流量を制御するためにインターフェースボックスに結合される。ベース流体は、動作圧力において-50℃未満の極低温温度で液体のままである組成物を含む。ベース流体は、基板支持アセンブリ101を通して循環させたときにベース流体を通して電気経路が形成されないように、一般に絶縁性である。適切な設備流体の非限定的な例としては、フッ素化熱伝達流体が挙げられる。極低温チラー117は、ESCベースアセンブリ105のベースチャネル115を通って循環されるベース流体を供給する。ベースチャネル115を通って流れるベース流体は、ESCベースアセンブリ105を極低温に維持することを可能にし、これは、ESC103に配置された基板124が極低温処理温度に均一に維持されるように、ESC103の横方向温度プロファイルを制御することを支援する。本明細書に記載の他の実施形態に組み合わせることができる一実施形態では、極低温チラー117は、約-50℃未満の極低温温度を維持するように動作可能である。
【0020】
[0029]チラー119は、設備プレート107が所定の周囲温度に維持されるように、設備チャネル113の入口240に接続された設備入口導管127を介して、及び設備チャネル113の出口242に接続された設備出口導管129を介して、設備チャネル113と流体連結している。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、極低温チラー119は、設備流体の流量を制御するためにインターフェースボックスに結合される。設備流体は、約-10℃から約60℃の周囲温度を維持することができる材料を含み得る。チラー119は、設備プレート107の設備チャネル113を通って循環される設備流体を供給する。設備流体は、基板支持アセンブリ101を通して循環させたときに、設備流体を通して電気経路が形成されないように、一般に絶縁性である。適切な設備流体の非限定的な例としては、フッ素化熱伝達流体が挙げられる。設備チャネル113を通って流れる設備流体は、設備プレート107を所定の周囲温度に維持することを可能にし、これは絶縁体プレート109を所定の周囲温度に維持することを支援する。
【0021】
[0030]主に図1に戻ると、ESC103は、支持面130と、支持面130に対向する底面132とを有する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ESC103は、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)又は他の適切な材料等のセラミック材料から作製される。代替的に、ESC103は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン等のポリマーから作製され得る。
【0022】
[0031]ESC103は、その中に配置されたチャッキング電極126を含む。チャッキング電極126は、単極電極又は双極電極、又は他の適切な配置として構成され得る。チャッキング電極126は、RFフィルタ及び設備プレート107を通してチャッキング電源134に結合され、チャッキング電源134は、基板124をESC103の支持面130に静電的に固定するためのDC電力を供給する。RFフィルタは、プラズマ処理チャンバ100内でプラズマ(図示せず)を形成するために利用されるRF電力が、電気機器を損傷する、又はチャンバの外部に電気的危険を及ぼすことを防止するものである。
【0023】
[0032]ESC103は、その中に埋め込まれた1又は複数の抵抗ヒータ128を含む。抵抗ヒータ128を用いて、ESCベースアセンブリ105によって冷却されるESC103の温度が制御され、基板支持アセンブリ101の支持面130に配置された基板124を処理するのに適した極低温処理温度が維持され得る。抵抗ヒータ128は、設備プレート107及びRFフィルタを通してヒータ電源136に結合される。RFフィルタは、プラズマ処理チャンバ100内でプラズマ(図示せず)を形成するために利用されるRF電力が、電気機器を損傷する、又はチャンバの外部に電気的危険を及ぼすことを防止する。ヒータ電源136は、抵抗ヒータ128に500ワット以上の電力を供給し得る。ヒータ電源136は、ヒータ電源136の動作を制御するために利用されるコントローラ(図示せず)を含み、このコントローラは、一般に、基板124を所定の極低温温度に加熱するように設定される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、抵抗ヒータ128は、複数の横方向に分離した加熱ゾーンを含み、コントローラは、抵抗ヒータ128の少なくとも一つのゾーンが、他のゾーンの1又は複数に位置する抵抗ヒータ128に対して優先的に加熱されることを可能にする。例えば、抵抗ヒータ128は、分離された複数の加熱ゾーンに同心円状に配置され得る。抵抗ヒータ128は、基板124を処理に適した極低温処理温度に維持する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、極低温処理温度は約-10℃未満である。例えば、極低温処理温度は、約-10℃から約-150℃である。
【0024】
[0033]基板支持アセンブリ101は、その中に配置された1又は複数の温度プローブアセンブリを含み得る。1又は複数の温度アセンブリは、所望の基板処理温度が維持され得るように、ESCベースアセンブリ105及びESC103の抵抗ヒータ128によって提供される加熱及び冷却のバランスをとるためのフィードバックを提供するために利用される。
【0025】
[0034]プローブコントローラ138に結合された、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる様々な低温光プローブアセンブリ500を、図5A図5Dに示す。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、各低温光プローブ512のプローブ先端部516は、ESC103の温度を決定するために、ESC103の表面内(図5Bに示すように)又はESC103の表面(図5Aに示すように)に配置される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、各低温光プローブ512のプローブ先端部516は、ESCベースアセンブリ105の温度に基づいて基板の温度を推測するために(図5Cに示すように)ESCベースアセンブリ105内に配置される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、1つのみ図示した各低温光プローブアセンブリ500は、抵抗ヒータ128の複数の横方向に分離した加熱ゾーンのゾーンに対応し、低温光プローブは、ESC103の各ゾーンの温度を測定する。プローブコントローラ138は、抵抗ヒータ128の各ゾーンが独立して加熱され、ESC103に配置された基板124が極低温処理温度に均一に維持されることにより、温度測定に基づくESC103の横方向温度プロファイルが実質的に均一になるように、ヒータ電源136に結合される。
【0026】
[0035]図2A及び図2Bを再び参照すると、例示的な基板支持アセンブリ101は、その上に配置された基板124が極低温処理温度に維持されるように、ESC103の極低温温度動作を可能にするように構成される。ESC103は、ESCベースアセンブリ105に結合される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ESC103は、結合層202でESCベースアセンブリ105に固定される。結合層202は、有機材料又は無機材料を含み得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、結合層202は、エポキシ又は金属材料を含み得る。チャッキング電極126は、設備プレート107の下部絶縁体212及びESCベースアセンブリ105の上部絶縁体214の第1ボア208を通して配置された第1の絶縁ワイヤ204を介してチャッキング電源134に結合される。1又は複数の抵抗ヒータ128は、設備プレート107の下部絶縁体212及びESCベースアセンブリ105の上部絶縁体214の第2のボア210を通して配置された第2の絶縁ワイヤ206を介してヒータ電源136に結合される。
【0027】
[0036]設備プレート107は、プレート部229及び壁部230を含む。ESCベースアセンブリ105のプレート部229は、真空領域222がESCベースアセンブリ105と設備プレート107との間に存在するように、1又は複数の第1のねじアセンブリ220で設備プレート107に結合される。1又は複数の第1のねじアセンブリ220の各々は、設備プレート107、バイアス要素226、及び設備プレート107に接触する熱ブレーク227を通って、ESCベースアセンブリ105のねじ孔228内に挿入されるボルト224を含む。熱ブレーク227は、設備プレート107と接触して、極低温温度に維持されたESCベースアセンブリ105からの熱絶縁を提供する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、熱ブレーク227は、ポリアミドイミド(PAI)又はポリイミド(PI)含有材料を含む。バイアス要素226は、圧縮されたときに力を発生させるために利用される。好適なバイアス要素226は、コイルばね、ばね形態、及びエラストマを含む。一実施例では、バイアス要素226は、複数のベルビルワッシャとして図示される。バイアス要素226は、ボルト224を締めることによって圧縮され、これにより、設備プレート107がESCベースアセンブリ105に押し付けられる(すなわち、予め負荷がかけられる)。幾つかの実施形態では、図2Cに示すように、ねじカバー261は、真空絶縁領域263が1又は複数の第1のねじアセンブリ220の各々の間に維持されるように、ボルト224の上方で設備プレート107に結合される。ねじカバー261は、真空絶縁領域263の圧力を維持し、1又は複数の第1のねじアセンブリ220の各々を設備プレート107から断熱するために、シール267によって設備プレート107に結合される。動作中、ESCベースアセンブリ105は、概して、高RF条件に維持される。
【0028】
[0037]設備プレート107は、シール232によってESC103に結合された壁部230を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、設備プレート107の下部絶縁体212は、シール232を介して真空領域222を維持する。シール232によってESCに結合された壁部230は、ESCベースアセンブリ105の材料を、プロセスガスとの接触による潜在的な腐食及び/又は侵食から保護する。真空領域222は、ESC103、ESCベースアセンブリ105、設備プレート107、及びシール232によって画定される。真空領域222は、冷却プレートの裏側の凝縮を防止し、処理領域110の圧力とは独立した圧力を有することによってプロセスガスが基板支持アセンブリ101に入るのを防止し、ESCベースアセンブリ105と設備プレート107との間の熱絶縁を提供する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、設備プレート107はアルミニウム含有材料を含む。
【0029】
[0038]設備プレート107の設備チャネル113は、設備プレートに機械加工され、カバー238でシールされる。一実施例では、カバー238は設備プレート107に溶接され、設備チャネル113を密封する。設備チャネル113の入口240は、絶縁体プレート109及び接地プレート111を通して配置された入口導管244と流体連結している。設備チャネル113の出口242は、絶縁体プレート109及び接地プレート111を通して配置された出口導管246と流体連結している。入口導管244及び出口導管246は、設備入口導管127に接続された接続入口250と、設備出口導管129に接続された接続出口252とを有する接続部248に接続される。動作中、設備プレート107は、概して高RF条件に維持される。
【0030】
[0039]上述したように、入口導管244及び出口導管246は、基板支持アセンブリ101の被給電部及び接地部にまたがっている。すなわち、入口導管244及び出口導管246は、給電される設備プレート107及びESCベースアセンブリ105(すなわち、被給電部)と、接地される絶縁体プレート109及び基板支持アセンブリ101(すなわち、基板支持アセンブリ101の接地部)との間に延在する。絶縁設備流体が導管244、246を通過する間に静電荷が導管244、246に蓄積するのを阻止するために、導管244、246は十分に導電性になるように作製され、これにより、基板支持アセンブリ101の接地部と被給電部との間、ここでは絶縁体プレート109と基板支持アセンブリ101との間の短絡を依然として防止しながら、基板支持アセンブリ101内でアーク放電を引き起こすのに十分な静電荷が導管244、246の表面に蓄積しないようになる。従って、導管244、246のこの構成は、導管244、246と、基板支持アセンブリ101の接地部との間のアーク放電を実質的に防止し、基板支持アセンブリ101の信頼性、保守点検間隔及び耐用年数が有利に増加する。本明細書に記載の他の実施例と組み合わせることができる一実施例では、導管244は、設備流体と適合する材料から作製され、約0.1MΩから約100MΩの端部間の抵抗を有する。例えば、導管244の端部間の抵抗は、約1.0MΩから約50MΩ、例えば、約1.0MΩから約20MΩであってよい。導管244を作製するのに適した材料の非限定的な例としては、他の材料の中でも、SiC、Tiドープアルミナ、炭素ドーププラスチック、及び金属ドープセラミックスが挙げられる。
【0031】
[0040]図2Aの拡大部分に示すように、導管244は、第1の端部291及び第2の端部293を含む。導管244はまた、291、293を接続する外面295を有する。各端部291、293における外面295は、シール面289を含む。シール面289は、設備プレート107及び接続部248との密封を容易にするために研磨される。一実施例では、各端部291、293における外面295は、少なくとも32μinRA、例えば約4から8μinRA、又はそれよりも滑らかに研磨される。シール297は、外面295の研磨されたシール面289と設備プレート107及び接続部248との間に配置され、漏れを防止し得る。一実施例では、シール297は、シール232を参照して説明したように構成され得る、又は別の適切な方法で構成され得る。あるいは、フィッティング299(図2A-1に示す)が、各端部291、293で外面295に密封結合され得る。フィッティング299は、設備プレート107及び/又は接続部248の相補的な嵌合面(例えば、雄/雌ねじ、圧縮フィッティング、ろう付けリング等)と密封嵌合するように構成される。一実施例では、フィッティング299は、一方の端部291で導管244及び設備プレート107にろう付けされる金属シリンダであってよく、第2のフィッティング299は、他方の端部293で導管244及び接続部248にろう付けされる。シール297はピストンシールとして図示及び説明しているが、シール297は代替的に面シールとして構成され得る。
【0032】
[0041]例えば図2A-1を参照して説明したような端部を有する導管246、266、268を、上述したように製造することもできる。導管244、246、266、268は、導管に機械的強度を提供する電気絶縁バッキング管に挿入されるスリーブとしても構成され得る。
【0033】
[0042]また、上記に示し、図6に概略的に示すように、基板支持アセンブリに加えて、シャワーヘッド、静電チャック、ガス分配プレート、熱シールド、及び接地領域604と被給電領域606との間を通る内部導管602を有する取り外し可能なプロセスキット等の他の半導体チャンバ構成要素600は、導管244を参照して本明細書に説明したように作製された導管602を有し得る。被給電領域606は、例えば電源610を介した電力の印加によって、又は半導体チャンバ構成要素600が基板処理中に利用される処理チャンバ内のプラズマへの曝露を通して高DC及び/又は高RFになるように構成される。接地領域604及び被給電領域606は、オプションとして、絶縁層608によって分離され得る。絶縁層608は、ポリマー層、セラミック層、結合層、又は他の導電性の適切な層であってよい。一実施例では、接地領域604は接地プレート111と同様に構成され、被給電領域606は設備プレート107又はESCベースアセンブリ105又はESC103に構成される。
【0034】
[0043]導管602は、2つのチャネル612、614に結合される。チャネル612、614は、熱伝達流体導管のように領域604、606内の内部に閉じ込められていてよい、又は構成要素600を通して配置されたガス流孔等、構成要素600の外部に露出していてよい。一実施例では、チャネル612は、中でも、ガスパネル、裏側ガス源、処理ガス源、パージガス源、又は熱伝達流体源等の流体源616に結合される。
【0035】
[0044]図2A図2Bに戻ると、図4A図4Dにおいてより詳細に説明するESCベースアセンブリ105のベースチャネル115は、設備プレート107、絶縁体プレート109、及び接地プレート111を通して配置された被覆入口導管258と流体連結しているベースチャネル115の入口254を含む。ベースチャネル115の出口256は、設備プレート107、絶縁体プレート109、及び接地プレート111を通して配置された被覆出口導管260と流体連結している。被覆入口導管258及び被覆出口導管260は、インターフェースブロック270に接続される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、インターフェースブロック270は、ステンレス鋼から作製される。被覆入口導管258は、流体入口導管266及び真空チャネル262を含む。被覆出口導管260は、流体出口導管268及び真空チャネル264を含む。インターフェースブロック270は、ベース入口272、真空チャネル276、ベース出口274、及び真空チャネル278を含む。ベース入口272は、流体入口導管266をベース入口導管123に接続させる。ベース出口274は、流体出口導管268をベース出口導管125に接続させる。真空チャネル276は、真空源284と流体連結している真空導管280に接続され、真空チャネル278は、真空源284と流体連結している真空導管282に接続される。真空源284を真空領域222に結合させることにより、処理領域110の圧力とは独立した圧力を真空領域222に維持することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、流体入口導管266及び流体出口導管268は、シール232によってESCベースアセンブリ105に結合され、真空領域222の圧力を維持する。
【0036】
[0045]基板支持アセンブリ101は、プラズマ処理チャンバ100内外へのロボット移送を容易にするために、基板124をESC103の支持面130の上方に上昇させるためのリフトピン(図示せず)を収容する1又は複数のリフトピンアセンブリ286も含む。1又は複数のリフトピンアセンブリ286の各々は、ESC103、ESCベースアセンブリ105、設備プレート107、絶縁体プレート109、及び接地プレート111を通して配置されたリフトピンガイド288を含む。ESCベースアセンブリ105を通して配置されたリフトピンガイド288の一部290は、リフトピンガイド288を適所に保持するねじ付きブッシング292によって囲まれている。リフトピンガイド288は、シール232によってESC103に結合され、チャンバ真空と絶縁真空を分離して維持する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ESC103は、ヘリウム等の裏側熱伝達ガスを基板124とESC103の支持面130との間に画定される介在空間に供給するための1又は複数のガス通路を含む。1又は複数のガス通路の各々は、ESC103、ESCベースアセンブリ105、設備プレート107、絶縁体プレート109、及び接地プレート111を通して配置される。1又は複数のガス通路の各々は、シール232によってESC103に結合され、真空領域222の圧力を維持する。
【0037】
[0046]図2Bに示すように、設備プレート107は、絶縁体プレート109と設備プレート107との間に配置された凹部296及びシール294を含む。設備プレート107に結合された絶縁体プレート109の表面205は、設備プレート107に共形する。凹部296及び絶縁体プレート109は、設備プレート107の減少した厚さ201及び絶縁体プレート109の増加した厚さ203を提供する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、絶縁体プレート109の外側部分269は、絶縁体プレート109の内側部分271の材料とは異なる材料を含む。外側部分269は、酸化アルミニウム(AlO)含有材料を含んでいてよく、絶縁体プレート109の内側部分271は、ポリスチレン含有材料を含んでいてよい。
【0038】
[0047]図3は、一実施形態に係るシール232の概略図である。図3はシール232を面シールとして示すが、本明細書に記載の実施形態は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)本体、金属シール、又は他の適切なシールを有するピストン(すなわち、半径方向)シールを含み得る。シール232は、低温での使用に適したエラストマシール又は金属シールによるものであってよい。シール232は、本明細書に記載したように、堅牢な低温動作のためにシール232の十分な圧縮が維持されるようにシール232を付勢する、ばね又はばね形態等のバイアス要素を追加的に含み得る。本明細書に記載のシール232は、約-260℃から約290℃の温度での真空領域222の密封を提供する。図3に示すシール232は、その中に配置されたばね304を有するPTFE本体302を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ばね304は、ステンレス鋼、ニッケル合金、ニッケルクロム合金、コバルトクロムニッケルモリブデン合金含有材料又は他の適切なばね材料から作製され得る。シール232は、ESC103を極低温温度で密封することを可能にする。一実施例では、シール232は、PTFE本体302と、その中に配置されたばね304とを含み、約-260℃から約290℃の安全動作範囲を有する。
【0039】
[0048]図4A及び図4Bは、ベースチャネルプレート404に結合されたESCベース402を有するESCベースアセンブリ105の断面概略図である。ESCベース402は、ESC103の熱膨張係数に実質的に一致するような材料を含む。ESCベース402は、モリブデン又は炭素繊維含有材料を含み得る。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ベースチャネルプレート404は、アルミニウム含有材料で構成される。ベースチャネルプレート404は、ESCベースアセンブリ105のベースチャネル115を含む。ベースチャネル115は、ベースチャネルプレート404に機械加工され、カバー420と共に接着、溶接、又はろう付けされる。ベースチャネル115の入口254は、被覆入口導管258と流体連結しており、ベースチャネル115の出口256は、被覆出口導管260と流体連結している。ESCベース402は、1又は複数の第2のねじアセンブリ408を介してベースチャネルプレート404に結合される。一実施形態では、図4Aに示すように、ESCベース402は、ESCベース402とベースチャネルプレート404との間で規定の熱伝導率を維持するために、熱伝導性ガスケット406をその間に有してベースチャネルプレート404に結合される。別の実施形態では、図4Bに示すように、熱伝導性ガスケット406は含まれない。1又は複数の第2のねじアセンブリ408の各々は、1又は複数のベルビルワッシャ412及びESCベース402を通って、ESCベース402のねじ孔414に挿入されるボルト410を含む。1又は複数のベルビルワッシャ412及びボルト410は、ベースチャネルプレート404がESCベース402に押し付けられるように、予め負荷がかけられている。
【0040】
[0049]図4Cは、ベースチャネル115を有するESCベース402を有するESCベースアセンブリ105の断面概略図である。ESCベース402は、ESC103の熱膨張係数に実質的に一致するように、モリブデン又は炭素繊維含有材料を含む。ベースチャネル115は、ESCベース402に機械加工され、カバー420と共に接着、溶接、又はろう付けされている。ベースチャネル115の入口254は、被覆入口導管258と流体連結しており、ベースチャネル115の出口256は、被覆出口導管260と流体連結している。
【0041】
[0050]図4Dは、ベースチャネル115を有するESCベース402を有するESCベースアセンブリ105の断面概略図である。ESCベース402は、ESC103の熱膨張係数に実質的に一致するように、モリブデン又は炭素繊維含有材料を含む。ベースチャネル115は、ESCベース402に機械加工された空間424に配置されたコイル416である。ベースチャネル115の入口254は、被覆入口導管258と流体連結しており、ベースチャネル115の出口256は、被覆出口導管260と流体連結している。
【0042】
[0051]図4Eは、図2Bの基板支持アセンブリ101の周囲部分の断面概略図である。ESCベース402は、真空領域222に露出する溝426を含む。溝426は、その中に配置されたRFガスケット428を含む。設備プレート107のプレート部229は、その中に配置されたRFガスケット432を有する溝430を含む。ESCベース402及びベースチャネルプレート404は、設備プレート107から熱絶縁され、RFガスケット432は、ベースチャネルプレート404と設備プレート107との間のRF接続を維持する。同様に、図4A及び図4Eに示す実施形態では、ESCベース402及びベースチャネルプレート404は熱インターフェースによって熱伝導し得るが、RFガスケット428は、ベースチャネルプレート404とESCベース402との間の電気RF接続を維持する。
【0043】
[0052]図5A図5Cは、1又は複数の低温光プローブアセンブリ500(図5Dに示す)の1つを有する例示的な基板支持アセンブリ101の概略的な断面概略図である。低温光プローブアセンブリ500の各々は、プローブコントローラ138に接続された光ファイバ510を含む。低温光プローブアセンブリ500の各々は、絶縁体プレート109に配置されたマウントハウジング502と、絶縁体プレート109及び設備プレート107に配置されたプローブハウジング504とを含む。マウントハウジング502は、プローブアセンブリ500が設備プレート107に押し付けられるように、マウントハウジング502を通して絶縁体プレート109のねじ孔508内に挿入されたプローブマウントボルト506でプローブハウジング504に結合される。光ファイバ510は、プローブハウジング504に配置された低温光プローブ512に接続される。プローブハウジング504は、低温光プローブ512のプローブ先端部516がESC103に接触するように構成されるように、低温光プローブ512の垂直移動を提供するばね514を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、プローブ先端部516は、表面を貫通することなくESC103に接触する。図5Bに示す、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、プローブ先端部516はESC103内に配置される。設備プレート107では、ねじ付きキャップ518がプローブハウジング504を囲む。ねじ付きキャップ518の内側部分520は、内部シール522でプローブハウジング504に結合される。内部シール522は、プローブ先端部516がESC103との接触を維持することを可能にする。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、内部シール522は、シール232である。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、内部シール522は、エラストマシールである。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる更に別の実施形態では、内部シール522は、Oリング又は他の適切なシールである。ねじ付きキャップ518の外側部分524は、外部シール526で設備プレート107に結合される。外部シール526は、プローブハウジング504を真空領域222から密閉する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、外部シール526は、Oリング又は他の適切なシールである。
【0044】
[0053]要約すると、処理チャンバの他の表面を異なる温度に維持しながら、ESCの上に配置された基板を極低温処理温度に維持するように、ESCの極低温温度動作を可能にする基板支持アセンブリが提供される。基板支持アセンブリは、プロセスチャンバに配置され、ESC103と、ESC103及び設備プレート107に結合されたESCベースアセンブリ105と、接地プレート111に結合された絶縁体プレート109とを含む。ESC103に結合されたESCベースアセンブリ105のベースチャネルを通って流れるベース流体は、抵抗ヒータ128と連動して、ESCベースアセンブリ105を所定の極低温温度に維持することを可能にし、これは、ESC103に配置された基板124を極低温処理温度に均一に維持するようにESC103の横方向温度プロファイルを制御することを支援する。設備プレート107の設備チャネル113を通って流れる設備流体は、設備プレート107を周囲温度に維持することを可能にし、これは、絶縁体プレート109及び接地プレート111を周囲温度に維持することを支援する。
【0045】
[0054]更に、半導体チャンバ構成要素の被給電部と接地部との間で流体を運ぶ内部導管の寿命を有利に伸ばす、中でも基板支持アセンブリ、シャワーヘッド、又は熱シールド等の半導体チャンバ構成要素を説明してきた。導管の耐アーク特性は、半導体チャンバ構成要素の信頼性、保守点検間隔及び耐用年数を有利に延長する。図1図5に示すように、耐アーク導管は、電気絶縁性熱伝達流体を流す基板支持アセンブリに有益に利用することができる。
【0046】
[0055]前述の内容は本開示の実施例を対象としているが、以下の特許請求の範囲によって決定されるその基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考案することが可能である。
図1
図2A
図2A-1】
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図6