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特許7549960イメージ信号処理方法、イメージ信号プロセッサ及びイメージセンサチップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】イメージ信号処理方法、イメージ信号プロセッサ及びイメージセンサチップ
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/68 20230101AFI20240905BHJP
   H04N 23/12 20230101ALI20240905BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240905BHJP
   H04N 25/10 20230101ALI20240905BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20240905BHJP
   G06T 3/4015 20240101ALI20240905BHJP
【FI】
H04N23/68
H04N23/12
H04N23/60 500
H04N25/10
H04N25/70
G06T3/4015
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019233848
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2020113975
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0003337
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン ゼホ
(72)【発明者】
【氏名】キム スミン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジンス
(72)【発明者】
【氏名】キム テヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ゼユン
(72)【発明者】
【氏名】ピョン チャンヒ
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0195574(US,A1)
【文献】特開2009-100417(JP,A)
【文献】特開2001-320721(JP,A)
【文献】特開2011-129902(JP,A)
【文献】特開2011-252993(JP,A)
【文献】特開2014-128014(JP,A)
【文献】特開2014-150443(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0204746(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/68
H04N 23/12
H04N 23/60
H04N 25/10
H04N 25/70
G06T 3/4015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャイロ情報の平行移動情報に基づいてベイヤパターンイメージのベイヤオーダー(bayer order)が変更されるか否かを示すベイヤオーダー状態情報を生成するステップ;
前記平行移動情報を用いて前記ベイヤパターンイメージに対する平行移動(translation)補正を行うステップ;及び
前記ベイヤオーダー状態情報に基づいて前記平行移動補正が行われたベイヤパターンイメージに対する補間(interpolation)を行うステップを含み、
前記平行移動補正を行うステップは、
前記ベイヤパターンイメージのピクセル座標と前記平行移動情報を演算して第1補正ピクセル座標を算出するステップ;及び
前記第1補正ピクセル座標に基づいて水平同期信号及び垂直同期信号を生成するステップを含み、
前記水平同期信号及び前記垂直同期信号を生成するステップは、
前記第1補正ピクセル座標の整数座標が、最終ウィンドウに含まれるピクセル座標に対応するベイヤパターンイメージがラインメモリに保存されるように、前記水平同期信号及び前記垂直同期信号を生成するステップを含むイメージ信号処理方法。
【請求項2】
前記第1補正ピクセル座標を算出するステップは、
前記ピクセル座標のX軸座標に前記平行移動情報のX軸移動情報を加算して、前記第1補正ピクセル座標のX軸座標を算出するステップ;及び
前記ピクセル座標のY軸座標に前記平行移動情報のY軸移動情報を減算して、前記第1補正ピクセル座標のY軸座標を算出するステップを含む、請求項に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項3】
前記水平同期信号及び前記垂直同期信号によって定められる平行移動ウィンドウは、前記最終ウィンドウに比べてX軸方向に第1長さほど、Y軸方向に第2長さほどさらに大きい長さを有する、請求項に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項4】
前記第1長さ及び前記第2長さは、前記ジャイロ情報によって決定される、請求項に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項5】
前記平行移動補正を行うステップ以後、前記ジャイロ情報のセグメント移動情報を用いてせん断(shear)補正を行うステップをさらに含む、請求項1に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項6】
前記セグメント移動情報は、複数のセグメントそれぞれに対する移動距離を含み、
前記せん断補正を行うステップは、
前記複数のセグメントそれぞれに対する移動距離を用いて計算された各セグメント別の傾きと、第1補正ピクセル座標の整数座標の相対位置値を掛けた値を、前記第1補正ピクセル座標の整数座標と演算して傾きを補正するステップ;及び
前記複数のセグメントそれぞれに対する移動距離を用いて計算されたセグメントオフセットを用いて、前記複数のセグメントのうちいずれか一つを基準に整列させて第2補正ピクセル座標を算出するステップを含む、請求項に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項7】
前記せん断補正を行うステップ以後、前記ジャイロ情報の回転情報を用いて回転(rotation)補正を行うステップをさらに含む、請求項に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項8】
前記回転補正を行うステップは、
前記第2補正ピクセル座標に前記第1補正ピクセル座標の小数座標を加算または減算するステップを含む、請求項に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項9】
前記ベイヤパターンイメージは、ラインメモリに保存される、請求項1に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項10】
前記ベイヤオーダー状態情報を生成するステップは、
前記平行移動情報のX軸移動情報及びY軸移動情報それぞれの整数部が、偶数または奇数なのか否かによってベイヤオーダー状態情報を生成するステップを含む、請求項1に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項11】
前記補間を行うステップは、
前記平行移動補正、せん断補正及び回転補正が行われた第3補正ピクセル座標の整数座標と補正前のピクセル座標との間のマッピング情報に基づいて、前記第3補正ピクセル座標の整数座標に該当するピクセルデータをリードするステップ;
前記ベイヤオーダー状態情報を用いて前記第3補正ピクセル座標の整数座標に対応する色相を決定するステップ;及び
色相が決定された各ピクセルで構成されたマスクを用いた補間を介してRGBデータを生成するステップを含む、請求項1に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項12】
前記補間を行うステップは、
前記RGBデータのマスクを用いて前記第3補正ピクセル座標の小数座標による加重値を適用することで、前記第3補正ピクセル座標の整数座標それぞれに対応する最終RGBデータを生成するステップをさらに含む、請求項11に記載のイメージ信号処理方法。
【請求項13】
ジャイロ情報の平行移動情報に基づいてベイヤパターンイメージのベイヤオーダー(bayer order)が変更されるか否かを示すベイヤオーダー状態情報を生成するベイヤオーダー計算機;
前記平行移動情報を用いて前記ベイヤパターンイメージに対する平行移動(translation)補正を行うEIS(Electronic Image Stabilization)計算機;及び
前記ベイヤオーダー状態情報に基づいて前記平行移動補正が行われたベイヤパターンイメージに対する補間(interpolation)を行う補間部を含み、
前記EIS計算機は、
前記ベイヤパターンイメージのピクセル座標と前記平行移動情報を演算して第1補正ピクセル座標を算出し、前記第1補正ピクセル座標の整数座標が、最終ウィンドウに含まれるピクセル座標に対応するベイヤパターンイメージがラインメモリに保存されるように、水平同期信号及び垂直同期信号を生成するイメージ信号プロセッサ。
【請求項14】
前記ベイヤオーダー計算機は、
前記平行移動情報のX軸移動情報及びY軸移動情報それぞれの整数部が、偶数または奇数なのか否かによってベイヤオーダー状態情報を生成する、請求項13に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項15】
前記EIS計算機は、
前記ジャイロ情報のセグメント移動情報を用いてせん断(shear)補正を行い、前記ジャイロ情報の回転情報を用いて回転(rotation)補正を行う、請求項13に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項16】
前記補間部は、
前記平行移動補正、せん断補正及び回転補正が行われた第3補正ピクセル座標の整数座標と補正前のピクセル座標との間のマッピング情報に基づいて、前記第3補正ピクセル座標の整数座標に該当するピクセルデータをラインメモリからリードし、前記ベイヤオーダー状態情報を用いて前記第3補正ピクセル座標の整数座標に対応する色相を決定し、色相が決定された各ピクセルで構成されたマスクを用いた補間を介してRGBデータを生成する、請求項13に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項17】
それぞれが一つの色相情報を示すピクセルデータで構成されたベイヤパターンイメージを生成するイメージ生成ブロック;及び
ジャイロ情報の平行移動情報に基づいて前記ベイヤパターンイメージのベイヤオーダー(bayer order)が変更されるか否かを示すベイヤオーダー状態情報を生成し、前記平行移動情報を用いて前記ベイヤパターンイメージに対する平行移動(translation)補正を行い、前記ベイヤオーダー状態情報に基づいて前記平行移動補正が行われたベイヤパターンイメージに対する補間(interpolation)を行うイメージ信号プロセッサを含み、
前記イメージ信号プロセッサは、
前記ベイヤパターンイメージのピクセル座標と前記平行移動情報を演算して第1補正ピクセル座標を算出し、前記第1補正ピクセル座標の整数座標が、最終ウィンドウに含まれるピクセル座標に対応するベイヤパターンイメージがラインメモリに保存されるように、水平同期信号及び垂直同期信号を生成するイメージセンサチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージ信号処理方法、イメージ信号プロセッサ及びイメージセンサチップに関し、より詳しくは振れ補正を行うためのイメージ信号処理方法、イメージ信号プロセッサ及びイメージセンサチップに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、光に反応する半導体の性質を用いてイメージをキャプチャ(capture)する装置である。最近、コンピュータ産業と通信産業の発達に応じてスマートフォン、デジタルカメラ、ゲーム機器、モノのインターネット(Internet of Things)、ロボット、警備用カメラ、医療用マイクロカメラなどの多様な分野で性能が向上したイメージセンサの需要が増大している。
【0003】
イメージセンサは、大きくCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサと、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサに区分され得る。CCDイメージセンサは、CMOSイメージセンサに比べて雑音(noise)が少なく、画質に優れる。しかし、CMOSイメージセンサは、駆動方式が簡便であり、多様なスキャニング(scanning)方式で具現可能である。また、CMOSイメージセンサは、信号処理回路を単一チップに集積できるので、製品の小型化が容易でかつ電力消耗が非常に低く、CMOS工程技術を互換して用いることができるので、製造単価が低い。最近は、モバイル機器により適合した特性によってCMOSイメージセンシング装置が多く用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的思想は、ジャイロセンサを用いてベイヤパターンイメージに対する振れ補正を行うイメージ信号処理方法、イメージ信号プロセッサ及びイメージセンサチップを提供するためのことである。
【0005】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は、下記記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によるイメージ信号処理方法は、ジャイロ情報の平行移動情報に基づいてベイヤパターンイメージのベイヤオーダー(bayer order)が変更されるか否かを示すベイヤオーダー状態情報を生成するステップ、前記平行移動情報を用いて前記ベイヤパターンイメージに対する平行移動(translation)補正を行うステップ、及び前記ベイヤオーダー状態情報に基づいて前記平行移動補正が行われたベイヤパターンイメージに対する補間(interpolation)を行うステップを含んでよい。
【0007】
実施形態によって、前記平行移動補正を行うステップは、前記ベイヤパターンイメージのピクセル座標と前記平行移動情報とを演算して第1補正ピクセル座標を算出するステップ、及び前記第1補正ピクセル座標に基づいて水平同期信号及び垂直同期信号を生成するステップを含んでよい。
【0008】
実施形態によって、前記第1補正ピクセル座標を算出するステップは、前記ピクセル座標のX軸座標に前記平行移動情報のX軸移動情報を加算して、前記第1補正ピクセル座標のX軸座標を算出するステップ、及び前記ピクセル座標のY軸座標に前記平行移動情報のY軸移動情報を減算して、前記第1補正ピクセル座標のY軸座標を算出するステップを含んでよい。
【0009】
実施形態によって、前記水平同期信号及び前記垂直同期信号を生成するステップは、前記第1補正ピクセル座標の整数座標が最終ウィンドウに含まれるピクセル座標に対応するベイヤパターンイメージがラインメモリに保存されるように、前記水平同期信号及び前記垂直同期信号を生成するステップを含んでよい。
【0010】
実施形態によって、前記水平同期信号及び前記垂直同期信号によって定められる平行移動ウィンドウは、前記最終ウィンドウに比べてX軸方向に第1長さほど、Y軸方向に第2長さほどさらに大きい長さを有してよい。
【0011】
実施形態によって、前記第1長さ及び前記第2長さは、前記ジャイロ情報によって決定されてよい。
【0012】
実施形態によって、前記平行移動補正を行うステップ以後、前記ジャイロ情報のセグメント移動情報を用いてせん断(shear)補正を行うステップをさらに含んでよい。
【0013】
実施形態によって、前記セグメント移動情報は、複数のセグメントそれぞれに対する移動距離を含み、前記せん断補正を行うステップは、前記複数のセグメントそれぞれに対する移動距離を用いて計算された各セグメント別の傾きと、第1補正ピクセル座標の整数座標の相対位置値を掛けた値を前記第1補正ピクセル座標の整数座標と演算して傾きを補正するステップ、及び前記複数のセグメントそれぞれに対する移動距離を用いて計算されたセグメントオフセットを用いて、前記複数のセグメントのうちいずれか一つを基準に整列させて第2補正ピクセル座標を算出するステップを含んでよい。
【0014】
実施形態によって、前記せん断補正を行うステップ以後、前記ジャイロ情報の回転情報を用いて回転(rotation)補正を行うステップをさらに含んでよい。
【0015】
実施形態によって、前記回転補正を行うステップは、前記第2補正ピクセル座標に前記第1補正ピクセル座標の小数座標を加算または減算するステップを含んでよい。
【0016】
実施形態によって、前記ベイヤパターンイメージは、ラインメモリに保存されてよい。
【0017】
実施形態によって、前記ベイヤオーダー状態情報を生成するステップは、前記平行移動情報のX軸移動情報及びY軸移動情報それぞれの整数部が、偶数または奇数なのか否かによってベイヤオーダー状態情報を生成するステップを含んでよい。
【0018】
実施形態によって、前記補間を行うステップは、前記平行移動補正、せん断補正及び回転補正が行われた第3補正ピクセル座標の整数座標と補正前のピクセル座標との間のマッピング情報に基づいて、前記第3補正ピクセル座標の整数座標に該当するピクセルデータをリードするステップ、前記ベイヤオーダー状態情報を用いて前記第3補正ピクセル座標の整数座標に対応する色相を決定するステップ、及び色相が決定された各ピクセルで構成されたマスクを用いた補間を介してRGBデータを生成するステップを含んでよい。
【0019】
実施形態によって、前記補間を行うステップは、前記RGBデータのマスクを用いて前記第3補正ピクセル座標の小数座標による加重値を適用することで、前記第3補正ピクセル座標の整数座標それぞれに対応する最終RGBデータを生成するステップをさらに含んでよい。
【0020】
本発明の一実施形態によるイメージ信号プロセッサは、ジャイロ情報の平行移動情報に基づいてベイヤパターンイメージのベイヤオーダー(bayer order)が変更されるか否かを示すベイヤオーダー状態情報を生成するベイヤオーダー計算機、前記平行移動情報を用いて前記ベイヤパターンイメージに対する平行移動(translation)補正を行うEIS(Electronic Image Stabilization)計算機、及び前記ベイヤオーダー状態情報に基づいて前記平行移動補正が行われたベイヤパターンイメージに対する補間(interpolation)を行う補間部を含んでよい。
【0021】
本発明の一実施形態によるイメージセンサチップは、それぞれが一つの色相情報を示すピクセルデータで構成されたベイヤパターンイメージを生成するイメージ生成ブロック、及びジャイロ情報の平行移動情報に基づいて前記ベイヤパターンイメージのベイヤオーダー(bayer order)が変更されるか否かを示すベイヤオーダー状態情報を生成し、前記平行移動情報を用いて前記ベイヤパターンイメージに対する平行移動(translation)補正を行い、前記ベイヤオーダー状態情報に基づいて前記平行移動補正が行われたベイヤパターンイメージに対する補間(interpolation)を行うイメージ信号プロセッサを含んでよい。
【発明の効果】
【0022】
本文書に開示される実施形態によれば、RGBイメージではなく、ベイヤパターンイメージに対してジャイロ情報に基づいたEIS補正を行い、EIS補正過程で変更されたベイヤオーダーを用いて補正されたベイヤパターンイメージに対してRGBイメージを生成することで、システム資源の消耗が最小化されたEIS補正機能を具現することができる。
【0023】
特に、フレームメモリではなく、ラインメモリのみを用いてEISを行うことで、EIS補正に要求されるシステム資源を大幅に節約することができる。
【0024】
また、イメージセンサチップ内でジャイロ情報を用いて平行移動補正、せん断補正及び回転補正のEIS補正を統合的に行うことができる。
【0025】
それ以外に、本文書を介して直接的または間接的に把握される多様な効果が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態によるイメージ処理システムを簡単に示した図である。
図2図1に示されたイメージ信号プロセッサをより詳しく示した図である。
図3】本発明の一実施形態によるイメージ信号処理方法を示したフローチャートである。
図4図3に示されたイメージ信号処理方法のS20ステップをより詳しく示したフローチャートである。
図5図4に示されたS110ステップ及びS140ステップを説明するための図である。
図6図4に示されたS130ステップを説明するための図である。
図7図4に示されたS160ステップを説明するための図である。
図8図4に示されたS170ステップを説明するための図である。
図9図4に示されたS190ステップ及びS200ステップを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の多様な実施形態が図面を参照して記載される。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の実施形態の多様な変更(modification)、均等物(equivalent)、及び/又は代替物(alternative)を含むものと理解されなければならない。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態によるイメージ処理システムを簡単に示した図である。
【0029】
図1を参照すれば、イメージ処理システム10は、電子装置、例えば、デジタルカメラ、移動電話機、スマートフォン(smart phone)、タブレットPC(tablet personal computer)、ノートパソコン(notebook)、PDA(personal digital assistant)、EDA(enterprise digital assistant)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、PMP(portable multimedia player)、モバイルインターネット装置(mobile internet device(MID))、PC(Personal Computer)、ウェアラブルデバイス(wearable device)または多様な目的のカメラ(自動車の前方カメラ、後方カメラ、ブラックボックスカメラなど)で具現されてよい。
【0030】
イメージ処理システム10は、光学レンズ70、CMOSイメージセンサ100及びホスト400を含むことができる。ここで、CMOSイメージセンサ100は、チップ(chip)で具現され、イメージセンサチップと呼ばれる。
【0031】
CMOSイメージセンサ100は、光学レンズ50を介して入力された(またはキャプチャされた(captured))被写体30に対するイメージデータを生成し、ホスト400にイメージデータを伝送することができる。光学レンズ50は、光学系を形成する少なくとも一つのレンズを含むことができる。
【0032】
CMOSイメージセンサ100は、アクティブピクセルセンサ(Active Pixel Sensor;APS)ブロック110、ロードライバー(row driver)120、相関二重サンプリング(Correlate Double Sampling;CDS)ブロック130、アナログ-デジタルコンバータ(Analog-to-Digital Converter;ADC)ブロック140、出力バッファ(output buffer)150、タイミング生成器(timing generator)160、制御レジスタブロック(control register block)170、ランプ生成器(ramp generator)180、出力インターフェース(output interface;output I/F)190、イメージ信号プロセッサ(image signal processor)200及びジャイロセンサ(gyro sensor)300を含むことができる。ここで、CMOSイメージセンサ100の各構成は、例示的なものに過ぎず、必要に応じて少なくとも一部の構成が追加されるか、省略されることがあり、複数の構成が一つの構成に統合されるか、一つの構成が複数の構成に分離されて具現されることもある。
【0033】
また、アクティブピクセルセンサブロック110、ロードライバー120、相関二重サンプリングブロック130、アナログ-デジタルコンバータブロック140、出力バッファ150は、各ピクセルに対応するピクセルデータを生成及び出力するという点で、イメージ生成ブロック(image generating block)105と呼ばれる。
【0034】
APSブロック110は、複数個の行と列で配列された複数のピクセルを含んでよい。APSブロック110を構成するピクセルそれぞれは、入射光によって生成された光電荷を蓄積し、蓄積された光電荷に相応するピクセル信号を生成することができる。前記ピクセルそれぞれは、光信号を電気的信号に変換する光電変換素子(例えば、フォトダイオード(photo diode)、フォトトランジスタ(photo transistor)、フォトゲート(photogate)、またはピンドフォトダイオード(pinned photo diode))及び電気的信号を処理するための少なくとも一つのトランジスタを含んでよい。各ピクセルは、ロードライバー120から出力されるピクセル制御信号によって駆動され、各ピクセルで感知された電気的信号は、複数のカラムライン(図示せず)を介してCDSブロック130に伝送され得る。ピクセル制御信号の種類は、各ピクセルの構造(例えば、3T、4T、5Tなど)によって変化することができ、例えば、4Tピクセルの場合、ピクセル制御信号は、リセット制御信号(RG)、伝送制御信号(TG)及び選択制御信号(SEL)を含んでよい。
【0035】
APSブロック110と光学レンズ50との間には、カラーフィルタレイ(color filter array)が備えられてよく、カラーフィルタレイは、各ピクセルに入射される光の特定の波長(例えば、レッド、ブルー、グリーン)のみを通過させるカラーフィルタ等を含んでよい。カラーフィルタレイによって、各ピクセルのピクセルデータは、特定の波長の光の強さに対応する値を示すことができ、各ピクセルは、カラーフィルタの種類によってレッドピクセル(R)、ブルーピクセル(B)またはグリーンピクセル(G)と呼ばれる。本明細書では、レッドピクセル(R)、ブルーピクセル(B)及びグリーンピクセル(G)が、ベイヤパターン(bayer pattern)で配置されたものと仮定するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0036】
ロードライバー120は、タイミング生成器160から受信したラインコントロール信号(LCS)に基づいて、複数のピクセルそれぞれの動作を制御するための複数のピクセル制御信号をAPSブロック110に伝送することができる。具体的に、ロードライバー120は、APSブロック110の複数の行のうちいずれか一つの行を選択するために選択制御信号(SEL)を生成することができる。そして、ロードライバー120は、選択された行に対応するピクセルでリセット制御信号(RS)及び伝送制御信号(TG)を伝送することができる。よって、選択された行のピクセルから生成されるアナログ形態の基準信号(またはリセット信号)と映像信号が、CDSブロック130に伝達され得る。ここで、ピクセルから出力される基準信号と映像信号は、ピクセル信号と通称することができる。
【0037】
CDSブロック130は、APSブロック110から複数のカラムラインそれぞれに提供される基準信号と映像信号のセットを、順次サンプリング及びホールディング(Sampling and Holding)することができる。すなわち、CDSブロック130は、カラム等それぞれに対応する基準信号と映像信号のレベルをサンプリングして維持することができる。
【0038】
ADCブロック140は、CDSブロック130から出力されるそれぞれのカラムに対する相関二重サンプリング信号をデジタル信号に変換したピクセルデータを出力することができる。このために、ADCブロック140は、各カラムに対応する比較器及びカウンタを含むことができる。
【0039】
出力バッファ150は、ADCブロック140から提供されるそれぞれのカラム単位のピクセルデータをラッチ(latch)して出力することができる。出力バッファ150は、アナログ-デジタル変換回路140から出力されるピクセルデータを臨時保存し、タイミング生成器160の制御によってピクセルデータを順次出力することができる。
【0040】
タイミング生成器160は、制御レジスタブロック170の制御によってCMOSイメージセンサ100の各構成に、イメージデータの生成及び出力に必要なタイミング信号、基準信号及び制御信号を提供することができる。具体的に、タイミング生成器160は、複数のローラインのうち選択されたローラインに対応するピクセルからピクセル信号が並列的に出力されるように、ロードライバー120にラインコントロール信号(LCS)を出力することができる。また、タイミング生成器160は、複数のカラムラインのうち選択されたカラムラインに対応するピクセルデータが順次出力されるように、CDSブロック130、ADCブロック140及び出力バッファ150を制御することができる。また、タイミング生成器160は、ADCブロック140がアナログ-デジタル変換を行うのに用いられるランプ信号を生成するように、ランプ生成器180を制御することができる。
【0041】
制御レジスタブロック170は、イメージ信号プロセッサ200の制御によってタイミング生成器160、ランプ生成器180及び出力インターフェース190の作動を制御することができる。
【0042】
ランプ生成器180は、タイミング生成器160の制御によってランプ信号を生成し、ADCブロック140に提供することができる。
【0043】
出力インターフェース190は、イメージ信号プロセッサ200から出力されるイメージデータをホスト400に伝送することができる。
【0044】
イメージ信号プロセッサ200は、出力バッファ150から受信されるピクセルデータのイメージ品質を改善できる処理を行い、処理されたイメージデータを出力インターフェース190に伝達することができる。ここで、処理は、EIS(Electronic Image Stabilization)、補間、色調補正、画質補正、大きさ調整などであってよい。
【0045】
イメージ信号プロセッサ200は、ジャイロセンサ300からジャイロ情報(GI)の提供を受けることができ、ジャイロ情報(GI)を用いてEISの処理を行うことができる。
【0046】
また、イメージ信号プロセッサ200は、APSブロック110で選択されたピクセルに対応するピクセルデータがイメージ信号プロセッサ200に伝送されるように、制御レジスタブロック170を制御することができる。
【0047】
図1では、イメージ信号プロセッサ200がCMOSイメージセンサ100の一部として含まれ、一つのチップで具現されるものと示されたが、他の実施形態によって、CMOSイメージセンサ100とは独立したチップで具現されてよく、この場合、CMOSイメージセンサ100のチップとイメージ信号プロセッサ200のチップは一つのパッケージ、例えば、マルチ-チップパッケージ(multi-chip package)で具現されてよい。
【0048】
ジャイロセンサ300は、イメージ処理システム10の3次元的な動きに対するジャイロ情報(GI)を生成することができる。このために、ジャイロセンサ300は、加速度センサ及び/又は角速度センサを含むことができる。また、ジャイロセンサ300は、加速度センサ及び/又は角速度センサが出力する情報に含まれたノイズを除去するフィルタ(motion filter;例えば、ローパスフィルタ(low pass filter))を含んでジャイロ情報(GI)のノイズを除去することができる。図1では、ジャイロセンサ300がCMOSイメージセンサ100の一部として含まれるものと示されたが、本発明の範囲はこれに限定されず、CMOSイメージセンサ100とは独立的に具現されてよい。ジャイロセンサ300がCMOSイメージセンサ100の一部として含まれる場合、CMOSイメージセンサ100自体の動きに基づいてジャイロ情報(GI)が生成されることがあるので、EIS処理がより正確に行われ得る。また、ジャイロセンサ300は、複数個のセンサで具現されてよく、各センサは、CMOSイメージセンサ100の内部及び/又は外部に配置されてよい。ジャイロ情報(GI)は、リアルタイム処理のためにイメージ生成ブロック105が生成するベイヤパターンイメージと同期化された情報であってよい。
【0049】
ホスト400は、ホスト400の要請またはインターラプト(interrupt)によってCMOSイメージセンサ100が生成したイメージデータを処理し、処理されたイメージデータを保存、表示または外部に伝送することができる。例えば、ホスト400は、CPU(Central Processing Unit)、ディスプレイ(display)またはアプリケーションプロセッサ(application processor)であってよいが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0050】
図2は、図1に示されたイメージ信号プロセッサをより詳しく示した図である。
【0051】
図2を参照すれば、イメージ信号プロセッサ200は、ラインメモリ(line memory)210、EIS計算機(EIS calculator)220、ベイヤオーダー計算機(bayer order calculator)230及び補間部(interpolation unit)240を含んでよい。図2に示されたイメージ信号プロセッサ200の構成は、例示的なものであり、必要に応じて少なくとも一部の構成が追加されるか、省略されてよく、複数の構成が一つの構成に統合されるか、一つの構成が複数の構成に分離されて具現されてよい。また、イメージ信号プロセッサ200の各構成は、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせで具現されてよい。
【0052】
ラインメモリ210は、出力バッファ150から受信されるピクセルデータを保存することができる。このとき、各ピクセルのピクセルデータは、前記各ピクセルのピクセル座標にマッピング(mapping)されて保存され得る。したがって、補間部240は、ピクセルデータがどのピクセル座標に位置したピクセルのピクセルデータなのか認識することができる。ここで、ピクセル座標は、APSブロック110のXY平面上でのピクセルの位置を意味することができ、例えば APSブロック110が2304個のカラムと1296個のローを含むとするとき、X軸方向に一番目及びY軸方向に一番目に位置したピクセルのピクセル座標は(0,0)であり、X軸方向に2304番目及びY軸方向に1296番目に位置したピクセルのピクセル座標は(2303,1295)であり得る。
【0053】
ラインメモリ210は、一つのフレーム全体に該当するピクセルデータを同時に保存しないこともある。例えば、一つのフレームに該当するピクセルデータは、1120個のローに対応するピクセルデータであると仮定すれば、ラインメモリ210は最大18個のローに対応するピクセルデータを保存できる容量を有し得るが、本発明の範囲はこれに限定されない。ラインメモリ210は、一つのフレーム全体に該当するピクセルデータを同時に保存せず、イメージ信号プロセッサ200の処理に必要な適切な容量を有し得る。
【0054】
ラインメモリ210は、ピクセルデータを順次保存し、新しいピクセルデータを保存する空間が不足な場合、最も最初に保存されたピクセルデータから順次削除し、新しいピクセルデータを保存することができる。ラインメモリ210に保存されたピクセルデータは、ローデータ(raw data)またはベイヤパターンイメージと呼ばれる。ベイヤパターンイメージは、ベイヤパターンに応じて配列されたピクセルを含むAPSブロック110から生成されたピクセルデータを意味することができる。補間部240がラインメモリ210に保存されたピクセルデータを用いて生成する補間処理が行われたイメージは、RGBイメージと呼ばれる。言い換えれば、ベイヤパターンイメージの各ピクセルに対するデータは、一つの色相情報を含み、RGBイメージの各ピクセルに対するデータは、RGBの色相情報を含むことができる。
【0055】
EIS計算機220は、ピクセル座標とジャイロ情報(GI)に基づいてEIS補正のための補正ピクセル座標を順次計算することができる。ここで、EIS補正は、平行移動(translation)補正、せん断(shear)補正及び回転(rotation)補正のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0056】
EIS計算機220は、平行移動補正のための平行移動計算機222、せん断補正のためのせん断計算機224、及び回転補正のための回転計算機226を含んでよい。
【0057】
平行移動計算機222は、ジャイロ情報(GI)の平行移動情報(X軸移動情報及びY軸移動情報)とピクセル座標を演算し、第1補正ピクセル座標を算出することができる。平行移動計算機222は、第1補正ピクセル座標を用いて水平同期信号(HSYNC)と垂直同期信号(VSYNC)を生成し、水平同期信号(HSYNC)と垂直同期信号(VSYNC)を制御レジスタブロック170に伝送することができる。他の実施形態によって、平行移動計算機222は、水平同期信号(HSYNC)と垂直同期信号(VSYNC)の生成の基礎となる情報(例えば、水平同期信号(HSYNC)と垂直同期信号(VSYNC)それぞれの波形を決定する基準となるピクセル座標)を生成して制御レジスタブロック170に伝送し、これによってタイミング生成器160または制御レジスタブロック170が水平同期信号(HSYNC)と垂直同期信号(VSYNC)を生成することもできる。
【0058】
水平同期信号(HSYNC)と垂直同期信号(VSYNC)は、出力バッファ150がイメージ信号プロセッサ200に伝送するピクセルデータに対応するピクセルの範囲を決定する信号であってよい。例えば、水平同期信号(HSYNC)と垂直同期信号(VSYNC)それぞれが第1レベル(例えば、ハイレベル)と第2レベル(例えば、ローレベル)を有すると仮定するとき、一つのローで水平同期信号(HSYNC)が第1レベルの区間に対応するピクセルのみがカラムラインにピクセル信号を出力することができ、複数のローのうち垂直同期信号(VSYNC)が第1レベルの区間に対応するローに該当するピクセルのピクセルデータのみが、イメージ信号プロセッサ200に伝送され得る。
【0059】
せん断計算機224は、ジャイロ情報(GI)のセグメント移動情報と第1補正ピクセル座標を演算して第2補正ピクセル座標を算出することができる。
【0060】
回転計算機226は、ジャイロ情報(GI)の回転情報と第2補正ピクセル座標を演算して第3補正ピクセル座標を算出することができる。
【0061】
EIS計算機220は、第3補正ピクセル座標と、第3補正ピクセル座標に対応する補正前のピクセル座標とを補間部240に伝達することができる。EIS計算機220のより詳細な動作は、図4のフローチャートを参照して後述する。
【0062】
ベイヤオーダー計算機230は、ジャイロ情報(GI)の平行移動情報(X軸移動情報及びY軸移動情報)に基づいて、平行移動計算機222の動作によってベイヤパターンイメージのベイヤオーダーの変更が発生するか否かを示すベイヤオーダー状態情報を生成することができる。
【0063】
ラインメモリ210に保存されたピクセルデータは、対応されるカラーフィルタによってR、G、Bのうちいずれか一つに対する色相情報を有することとなり、このようなピクセルデータは、R、G、Bの組み合わせで定められた順にラインメモリ210に出力され、このように定められた順序をベイヤオーダーと呼ぶ。
【0064】
ベイヤオーダーは、ベイヤパターンイメージの各ピクセルデータがどの色相の情報を示すのかを決定する情報なので、補間部240が行う補間動作(すなわち、Bayer-to-RGB Demosaic過程)において最も重要な情報となる。
【0065】
しかし、前記で説明した平行移動計算機222の動作によってこのようなベイヤオーダーの変更が発生することがあり、変更されたベイヤオーダーに対する情報がベイヤオーダー状態情報に該当する。ベイヤオーダー計算機230のより詳細な動作は、図6を参照して後述する。
【0066】
補間部240は、第3補正ピクセル座標とベイヤオーダー状態情報を用いて各ピクセル座標に対応するRGBイメージを生成(すなわち、ベイヤパターンイメージに対する補間を行う)することができる。このために、補間部240は、第1補間部242及び第2補間部244を含むことができる。
【0067】
第1補間部242は、ベイヤオーダー状態情報を用いて第3補正ピクセル座標の整数座標に対応する色相(R、G、Bのうちいずれか一つ)を決定し、各整数座標に対応するRGBデータを生成することができる。このとき、第1補間部242は、第3補正ピクセル座標の整数座標と補正前のピクセル座標との間のマッピング情報に基づいて、第3補正ピクセル座標の整数座標に該当するピクセルデータをラインメモリ210からリード(read)し、ベイヤオーダー状態情報を用いて第3補正ピクセル座標の整数座標に対応する色相(R、G、Bのうちいずれか一つ)を決定し、ある一つの座標を中心とする3×3マスク(mask)を用いた補間を介して当該座標に対するRGBデータを生成することができる。すなわち、4つの行と4つの列からなる4×4マスク内で互いに異なる4つの3×3マスクを用いて4回補間を行うと、中央の単位ベイヤパターンに対するRGBデータが獲得され得る。
【0068】
第2補間部244は、第3補正ピクセル座標の整数座標に対応するRGBデータと、第3補正ピクセル座標の小数座標を用いて最終ウィンドウ(final window)の各ピクセル座標に対応するRGBデータを生成することができる。ここで、最終ウィンドウは、イメージ信号プロセッサ200が出力する一つのフレームに該当するピクセルの集合を意味することができる。このとき、第2補間部244は、獲得されたベイヤパターンに対するRGBデータの2×2マスクを用いて第3補正ピクセル座標の小数座標による加重値(weight)を適用することで、第3補正ピクセル座標の整数座標それぞれに対応するRGBデータを生成することができる。第2補間部244は、最終ウィンドウに含まれる第3補正ピクセル座標の整数座標それぞれに対応するRGBデータを出力インターフェース190に出力することができる。
【0069】
図3は、本発明の一実施形態によるイメージ信号処理方法を示したフローチャートである。
【0070】
図3を参照すれば、CMOSイメージセンサ100のイメージ生成ブロック105は、タイミング生成器160の制御によってベイヤパターンで配列されたピクセルそれぞれのピクセルデータ(すなわち、ベイヤパターンイメージ)を生成することができる(S10)。
【0071】
イメージ信号プロセッサ200は、ジャイロセンサ300のジャイロ情報(GI)を用いてEISを行うが、ベイヤオーダーが変更されるか否かに対するベイヤオーダー状態情報をベイヤパターンイメージの補間に用いることで、EIS補正前のベイヤオーダーを維持しながら、RGBデータを生成することができる(S20)。
【0072】
イメージ信号プロセッサ200は、最終ウィンドウに対するRGBデータを出力することができる(S30)。
【0073】
図4は、図3に示されたイメージ信号処理方法のS20ステップをより詳しく示したフローチャートである。図5は、図4に示されたS110ステップ及びS140ステップを説明するための図である。図6は、図4に示されたS130ステップを説明するための図である。図7は、図4に示されたS160ステップを説明するための図である。図8は、図4に示されたS170ステップを説明するための図である。図9は、図4に示されたS190ステップ及びS200ステップを説明するための図である。
【0074】
図4を参照すれば、ホスト400の要請またはインターラプトによってCMOSイメージセンサ100のイメージキャプチャが開始されると、イメージ生成ブロック105はピクセルデータを生成してジャイロセンサ300はジャイロ情報(GI)を生成することができる(S100)。
【0075】
平行移動計算機222は、ジャイロ情報(GI)の平行移動情報とピクセル座標を演算して第1補正ピクセル座標を算出することができる。前記平行移動情報は、X軸移動情報(mv_x)及びY軸移動情報(mv_y)を含んでよい。X軸移動情報(mv_x)及びY軸移動情報(mv_y)それぞれは、ジャイロセンサ300がX軸及びY軸方向にピクセル単位でどれほど振れ(または動き)が発生したのかを示す情報であってよい。ここで、X軸移動情報(mv_x)及びY軸移動情報(mv_y)それぞれは、整数だけでなく、小数値を有してよい。例えば、X軸移動情報(mv_x)及びY軸移動情報(mv_y)それぞれが+2.5及び-3.5の場合、ジャイロセンサ300がX軸方向に+2.5ピクセルに該当する距離ほど振れ(または動き)が発生しており、Y軸方向に+2.5ピクセルに該当する距離ほど振れ(または動き)が発生したことを示すことができる。
【0076】
図5を参照すれば、平行移動計算機222は、各ピクセル座標(X,Y)を平行移動(translation)補正式によって補正することにより、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)を算出することができる。平行移動補正式は次の数式1の通りである。
【数1】
【0077】
すなわち、平行移動計算機222は、ピクセル座標のX軸座標にX軸移動情報(mv_x)を加算して第1補正ピクセル座標のX軸座標(X′)を求め、ピクセル座標のY軸座標にY軸移動情報(mv_y)を減算して第1補正ピクセル座標のY軸座標(Y′)を求めることができる。ここで、X軸移動情報(mv_x)及びY軸移動情報(mv_y)の演算時に符号が逆である理由は、ジャイロセンサ300の座標系とピクセル座標の座標系の符号が互いに一致しないためである。すなわち、ジャイロセンサ300の座標系では、下方に行くほど座標値が減少するのに反して、ピクセル座標の座標系では、下方に行くほど座標値が増加することができる。
【0078】
再び図4を参照すれば、平行移動計算機222は、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)の整数座標(int(X′),int(Y′))と小数座標(X_dp′,Y_dp′)を分離することができる。すなわち、平行移動計算機222は、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)の整数座標(int(X′),int(Y′))を抽出し、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)から第1補正ピクセル座標(X′,Y′)の整数座標(int(X′),int(Y′))を減算することにより、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)の小数座標(X_dp′,Y_dp′)を計算することができる(S120)。例えば、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)が(200.4,360.7)である場合、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)の整数座標は(200,360)であり、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)の小数座標は(0.4,0.7)である。
【0079】
それ以後のS140、S150、S160ステップでは、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)の整数座標が用いられ、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)の小数座標はS170ステップで適用されるものである。
【0080】
一方、ベイヤオーダー計算機230は、X軸移動情報及びY軸移動情報に基づいて、平行移動計算機222の動作によってベイヤオーダーの変更が発生するか否かを示すベイヤオーダー状態情報を生成することができる(S130)。
【0081】
図6を参照すれば、平行移動計算機222の動作によってベイヤオーダーの変更が発生する類型が示されている。ベイヤパターンは、GBが先に配列される類型(以下「GB_first類型」とする)、BGが先に配列される類型(以下「BG_first類型」とする)、RGが先に配列される類型(以下「RG_first類型」とする)、GRが先に配列される類型(以下「GR_first類型」とする)に区分され得る。振れが発生するイメージ(shaked image)と振れを反映したイメージ(stabilized image)を比較してみると、GB_first類型の振れが発生するイメージ(shaked image)は、振れの反映時に(a)から(d)でそれぞれGB_first類型、BG_first類型、RG_first類型、GR_first類型に変更され得る。
【0082】
ここで、RGBで構成されたベイヤパターンは、X軸方向とY軸方向に2ピクセル毎に繰り返されるので、平行移動される距離が偶数である場合にはベイヤオーダーの変更が発生しないが、平行移動される距離が奇数である場合にはベイヤオーダーの変更が発生するようになる。
【0083】
すなわち、ベイヤオーダー計算機230は、X軸方向とY軸方向の振れを示すX軸移動情報(mv_x)とY軸移動情報(mv_y)それぞれの整数部を用いてベイヤオーダー状態情報を生成することができる。
【0084】
例えば、X軸移動情報(mv_x)とY軸移動情報(mv_y)の整数部がそれぞれ偶数の場合、GB_first類型でベイヤオーダーの変更が発生しない((a)ケース)。X軸移動情報(mv_x)とY軸移動情報(mv_y)の整数部がそれぞれ奇数と偶数の場合、GB_first類型からBG_first類型にベイヤオーダーの変更が発生する((b)ケース)。X軸移動情報(mv_x)とY軸移動情報(mv_y)の整数部がそれぞれ偶数と奇数の場合、GB_first類型からRG_first類型にベイヤオーダーの変更が発生する((c)ケース)。X軸移動情報(mv_x)とY軸移動情報(mv_y)の整数部がそれぞれ奇数の場合、GB_first類型からGR_first類型にベイヤオーダーの変更が発生する((d)ケース)。
【0085】
例えば、ベイヤオーダー状態情報は、2つのビットで構成されてよく、(a)から(d)ケースそれぞれに対応する値(例:00,01,10,11)を有してよい。
【0086】
このように、平行移動計算機222の動作によってベイヤパターンの変更が発生することができるが、ラインメモリ210に保存されたベイヤパターンイメージは、RGBイメージとは異なり、一つのピクセル当たりのRGBのうちいずれか一つの色相情報のみを有するため、ベイヤオーダーの変更を補間動作で反映しないと、正常なRGBイメージが生成され得ない。したがって、ベイヤオーダー計算機230が生成したベイヤオーダー状態情報は、それ以後のS190ステップで補間動作に反映され得る。
【0087】
再び図4を参照すれば、平行移動計算機222は、平行移動補正を適用するため、第1補正ピクセル座標の整数座標を用いて水平同期信号(HSYNC)と垂直同期信号(VSYNC)を生成し、水平同期信号(HSYNC)と垂直同期信号(VSYNC)を制御レジスタブロック170に伝送することができる(S140)。
【0088】
図5を参照すれば、もし水平同期信号(HSYNC)と垂直同期信号(VSYNC)が全区間で第1レベルを有すると仮定すれば(EIS_IN_HSYNC,EIS_IN_VSYNC)、イメージ生成ブロック105は、APSブロック110の全ピクセルに対するピクセルデータを生成し、ラインメモリ210に伝送することができる。この場合、全ピクセルは、全ウィンドウ(TTW)を構成することができる。
【0089】
もし、振れが発生しなかった場合に、ラインメモリ210に伝送されるピクセルデータに該当するピクセルの集合は、最終ウィンドウ(FNW)だと仮定する。全ウィンドウ(TTW)と最終ウィンドウ(FNW)は、X軸方向に左右に第1オフセット(off_x)ほど、Y軸方向に上下に第2オフセット(off_y)ほど差を有してよい。例えば、第1オフセット(off_x)と第2オフセット(off_y)は、それぞれ152ピクセル及び88ピクセルであってよいが、本発明の範囲はこれに限定されない。また、最終ウィンドウ(FNW)は、最終的にイメージ信号プロセッサ200が出力するようになるピクセルの集合を意味したりもする。
【0090】
もし、振れが発生してピクセル座標(X,Y)から第1補正ピクセル座標(X′,Y′)が計算された場合、第1補正ピクセル座標(X′,Y′)の整数座標が最終ウィンドウ(FNW)に含まれるピクセル座標(X,Y)に対応するピクセルデータがラインメモリ210に保存され得るように、水平同期信号(EIS_Translation_HSYNC)と垂直同期信号(EIS_Translation_VSYNC)が生成され得る。水平同期信号(EIS_Translation_HSYNC)と垂直同期信号(EIS_Translation_VSYNC)によって定められる平行移動ウィンドウ(TRW)に対応するピクセルデータがラインメモリ210に保存されることで、平行移動が適用され得る(S140、S150)。
【0091】
また、S160からS170ステップでのせん断補正と回転補正のために、平行移動ウィンドウ(TRW)は最終ウィンドウ(FNW)に比べてX軸方向に第1長さほどさらに大きい長さを有し、Y軸方向に第2長さほどさらに大きい長さを有してよい。例えば、第1長さは、せん断補正のためのマージン(16*2=32ピクセル)及び回転補正のためのマージン(10ピクセル)を含んでよい。また、第2長さは、回転補正のためのマージン(18ピクセル)を含んでよい。ここで、第1長さと第2長さは、ジャイロセンサ300が生成するジャイロ情報(GI)の範囲によって決定されてよい。
【0092】
実施形態によって、前記第1長さ及び前記第2長さは、補間のためのマージン(例えば、2ピクセル)をさらに含んでよい。
【0093】
再び図4を参照すれば、せん断計算機224は、ジャイロ情報(GI)のセグメント移動情報と第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))を演算して第2補正ピクセル座標を算出することができる(S160)。
【0094】
図7を参照すれば、ジャイロ情報(GI)のセグメント移動情報は、X軸方向の急激な動きによって傾いた程度を示し、Y軸方向に沿って配置される複数のセグメント(segments)それぞれの移動距離に対する情報を含むことができる。例えば、平行移動ウィンドウ(TRW)が複数のセグメント(SEG1~SEGn;nは2以上の整数)で区分されてよく、各セグメントの境界に対応される移動距離(X0~Xn)がセグメント移動情報に含まれてよい。例えば、nは8であってよい。
【0095】
せん断計算機224は、各セグメントの境界に対応される移動距離(X0~Xn)を用いて各セグメント別の傾き(she_in)を計算することができる。例えば、第1セグメント(SEG1)の傾き(she_in)は、第1セグメント(SEG1)の上下境界間の移動距離の差(X1-X0)を第1セグメント(SEG1)のY軸方向のライン数(例えば、140ライン)で割った値であってよい。また、第2セグメント(SEG2)の傾き(she_in)は、第2セグメント(SEG2)の上下境界間の移動距離の差(X2-X1)を第2セグメント(SEG2)のY軸方向のライン数(例えば、140ライン)で割った値であってよい。
【0096】
せん断計算機224は、各セグメント別の傾き(she_in)と、第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))の相対位置値(she_cnt(y))を掛けた値を、第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′))と演算し、第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))の傾きを補正することができる(図7の(a)->(b))。ここで、第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))の相対位置値(she_cnt(Y))は、第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))が当該セグメント内でのY軸方向の相対位置を示すものであって、当該セグメントが140ラインで構成されると仮定すれば、セグメントの一番目(一番上)ラインに属する第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))の相対位置値(she_cnt(Y))は0であり、下方に行くほど1ずつ順次増加して最終(一番下)ラインに属する第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))の相対位置値(she_cnt(Y))は139である。
【0097】
そして、せん断計算機224は、第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))の傾きが補正された結果に、各セグメント別のセグメントオフセット(she_ofs)を演算して複数のセグメント(SEG1~SEGn)のうちいずれか一つ(例えば、第1セグメント(SEG1))を基準に整列させることができる(図7の(b)->(c))。第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))の傾きに対する補正時、各セグメントの上部境界の移動距離を基準に補正するため、セグメントオフセット(she_ofs)は、第1セグメント(SEG1)の上部境界の移動距離(X0)を基準に整列させるための値である。例えば、第2セグメント(SEG2)に対するセグメントオフセット(she_ofs)はX1-X0であり、第3セグメント(SEG3)に対するセグメントオフセット(she_ofs)はX2-X0であってよい。
【0098】
図7の(a)から(c)のせん断補正過程を数式で示すと、次の数式2のせん断(shear)補正式の通りである。
【数2】
【0099】
ここで、傾き(she_in)とセグメントオフセット(she_ofs)は、セグメント別に決定された値であってよく、第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))の相対位置値(she_cnt(Y))は、当該ピクセルが属したライン毎に変化する値であってよい。 また、せん断補正過程は、X軸方向に沿って傾きを補正するものなので、第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))のうちYの数座標は変化しない。第1補正ピクセル座標の整数座標(int(X′),int(Y′))に対してせん断補正過程が完了すると、第2補正ピクセル座標(SX,SY)が生成され得る。
【0100】
図7では、陽の傾きで傾いたイメージに対するせん断補正を例えて説明したが、陰の傾きで傾いたイメージに対するせん断補正もやはり、同じ方法が適用され得る。
【0101】
再び図4を参照すれば、回転計算機226は、ジャイロ情報(GI)の回転情報と第2補正ピクセル座標(SX,SY)を演算して、第3補正ピクセル座標(RX,RY)を算出することができる(S170)。ジャイロ情報(GI)の回転情報は、X軸とY軸に垂直のZ軸を中心にした動きによって傾いた回転角度を示すことができる。
【0102】
図8を参照すれば、せん断補正が完了して生成された第2補正ピクセル座標(SX,SY)からなるウィンドウは、せん断ウィンドウ(SHW)と定義することができ、せん断ウィンドウ(SHW)の第2補正ピクセル座標(SX,SY)に対して回転補正が行われ、最終ウィンドウ(FNW)が生成され得る。
【0103】
ジャイロ情報(GI)に含まれた回転情報による回転角度がθだとするとき、回転(rotation)補正式は、次の数式3の通りである。
【数3】
【0104】
ここで、回転計算機226は、第2補正ピクセル座標(SX,SY)に対して第1補正ピクセル座標(X′,Y′)の小数座標(X_dp′,Y_dp′)を演算(加算または減算)して反映させることができる。これは、ジャイロ情報(GI)のX軸移動情報(mv_x)及びY軸移動情報(mv_y)の小数値を第2補正ピクセル座標(SX,SY)に反映することで、より正確な補正を行うためである。
【0105】
また、回転補正式の計算を単純化するため、せん断ウィンドウ(SHW)の左側上端の角に該当する座標を回転補正の原点(R(0,0))と仮定し、各第2補正ピクセル座標(SX,SY)を変換することができ、回転補正式による計算が完了した後、復元され得る。
【0106】
図9では、陽の角度で回転されたイメージに対する回転補正を例えて説明したが、陰の角度で回転されたイメージに対する回転補正もやはり、同じ方法が適用され得る。
【0107】
再び図4を参照すれば、回転計算機226は、算出された第3補正ピクセル座標(RX,RY)を、第3補正ピクセル座標(RX,RY)と補正前のピクセル座標(X,Y)との間のマッピング情報とともに補間部240に伝達することで、せん断及び回転に対する補正を適用することができる(S180)。ここで、第3補正ピクセル座標(RX,RY)と補正前のピクセル座標(X,Y)との間のマッピング情報は、第3補正ピクセル座標(RX,RY)が平行移動、せん断及び回転の補正以前にどのピクセル座標(X,Y)に該当するのかに対する情報であり得る。
【0108】
補間部240の第1補間部242は、ベイヤオーダー状態情報を用いて第3補正ピクセル座標(RX,RY)の整数座標に対応する色相(R、G、B のうちいずれか一つ)を決定し、各整数座標(すなわち、整数ピクセル)に対応するRGBデータを生成することができる(S190)。
【0109】
図9を参照すれば、陰影で表示されたベイヤパターンの第3補正ピクセル座標(RX,RY)の整数座標が最終ウィンドウ(FNW)の左側上端の角に位置するベイヤパターンだと仮定する。
【0110】
第1補間部242は、第3補正ピクセル座標(RX,RY)の整数座標と補正前のピクセル座標(X,Y)との間のマッピング情報に基づいて、第3補正ピクセル座標(RX,RY)の整数座標に該当するピクセルデータをラインメモリ210からリードすることができる。
【0111】
また、第1補間部242は、ベイヤオーダー状態情報を用いて第3補正ピクセル座標の整数座標に対応する色相(R、G、Bのうちいずれか一つ)を決定することができる。図8は、ベイヤオーダー状態情報がGB_first類型からGR_first類型にベイヤパターンの変更が発生したことを示す場合を示し、陰影で表示されたベイヤパターンを中心とした4×4マスク内の各ピクセルの色相が決定され得る。
【0112】
第1補間部242は、強調表示されたGピクセルを中心とする色相が決定された各ピクセルで構成された3×3マスクを用いた補間を介して、当該ピクセルに対するRGBデータを生成することができる。すなわち、4×4マスク内で互いに異なるピクセルを中心とした4つの互いに異なる3×3マスクを用いて4回補間を行うと、中央の単位ベイヤパターンに対するRGBデータが獲得され得る。
【0113】
再び図4を参照すれば、第2補間部244は、第3補正ピクセル座標(RX,RY)の整数座標に対応するRGBデータと、第3補正ピクセル座標(RX,RY)の小数座標を用いて最終ウィンドウ(final window)の各ピクセル座標(すなわち、最終ピクセル)に対応するRGBデータを生成することができる(S200)。
【0114】
図9を参照すれば、第2補間部244は、獲得されたベイヤパターンに対するRGBデータの2×2マスクを用いて第3補正ピクセル座標(RX,RY)の小数座標による加重値を適用することで、第3補正ピクセル座標(RX,RY)の整数座標それぞれに対応する最終RGBデータを生成することができる。
【0115】
例えば、第1補間部242が算出したP1からP4ピクセルそれぞれに対するRGBデータが、R1/G1/B1、R2/G2/B2、R3/G3/B3、R4/G4/B4だとし、P1ピクセルの小数座標が(0.3,0.5)だと仮定すれば、第2補間部244は2×2マスク内のR1~R4に対して(0.3,0.5)に相応する加重値を付与してP1ピクセルに対する最終Rデータを計算することができる。同じ方式で、第2補間部244は、2×2マスク内の(G1~G4)/(B1~B4)に対して、(0.3,0.5)に相応する加重値を付与してP1ピクセルに対する最終G/Bデータを計算することができる。
【0116】
第2補間部244は、最終ウィンドウ(FNW)に含まれる第3補正ピクセル座標の整数座標それぞれに対応する最終RGBデータを出力インターフェース190に出力することができる。
【0117】
前記で検討してみたように、ベイヤオーダー状態情報の計算、ピクセル座標から各補正座標の計算、及びこれらに基づいた補間がリアルタイムに処理されることによって、全フレームに該当するイメージが全部保存される必要なく、ラインメモリ210のみを用いたEIS補正及び補間処理が可能となり得る。
【0118】
本発明の一実施形態によるイメージ信号処理方法によれば、RGBイメージではなく、ベイヤパターンイメージに対してジャイロ情報に基づいたEIS補正を行い、EIS補正過程で変更されたベイヤオーダーを用いて補正されたベイヤパターンイメージに対してRGBイメージを生成することで、システム資源の消耗が最小化されたEIS補正機能を具現することができる。
【0119】
特に、EIS補正に不要なピクセルデータを保存せず、フレームメモリではなくラインメモリのみを用いてEISを行うことで、EIS補正に要求されるシステム資源を大幅に節約することができる。
【0120】
また、イメージセンサチップ内でジャイロ情報を用いて平行移動補正、せん断補正及び回転補正のEIS補正を統合的に行うことができる。
【0121】
本文書の多様な実施形態及びそれに用いられた用語は、本文書に記載された技術的特徴等を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、当該実施形態の多様な変更、均等物、または代替物を含むものと理解されなければならない。図面の説明と関連し、類似したまたは関連した構成要素に対しては、類似の参照符号が用いられ得る。アイテムに対応する名詞の単数型は、関連する文脈上、明白に異なると意味しない限り、前記アイテムの1個または複数個を含んでよい。本文書で、「AまたはB」、「A及びBのうち少なくとも一つ」、「AまたはBのうち少なくとも一つ、」「A、BまたはC、」「A、B及びCのうち少なくとも一つ、」及び「A、B、またはCのうち少なくとも一つ」のような語句それぞれは、その語句のうち該当する語句に共に並べられた項目等の全ての可能な組み合わせを含んでよい。「第1」、「第2」、または「一番目」または「二番目」のような用語は、単に当該構成要素を他の当該構成要素と区分するために用いられてよく、当該構成要素等を他の側面(例:重要性または順序)で限定しない。ある(例:第1)構成要素が他の(例:第2)構成要素に、「機能的に」または「通信的に」という用語とともに、またはこのような用語なく、「カップルド」または「コネクティッド」と言及された場合、それは前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に(例:有線で)、無線で、または第3構成要素を介して連結され得るということを意味する。
【0122】
本文書で用いられた用語「モジュール」は、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウエアで具現されたユニットを含んでよく、例えば、ロジッグ、論理ブロック、部品、または回路などの用語と相互互換的に用いられてよい。モジュールは、一体として構成された部品又は一つ若しくはそれ以上の機能を行う、前記部品の最小単位又はその一部になってよい。例えば、一実施形態によれば、モジュールは、ASIC(application-specific integrated circuit)の形態で具現されてよい。
【0123】
本文書の多様な実施形態は、機器(machine)(例:電子装置(#01))により読み取り可能な保存媒体(storage medium)(例:内蔵メモリ(#36)又は外装メモリ(#38))に保存された一つ以上の命令語を含むソフトウェア(例:プログラム(#40))で具現されてよい。例えば、機器(例:電子装置(#01))のプロセッサ(例:プロセッサ(#20))は、保存媒体から保存された一つ以上の命令語のうち少なくとも一つの命令を呼び出し、それを行ってよい。これは機器が前記呼び出された少なくとも一つの命令語によって、少なくとも一つの機能を行うように運営されることを可能とする。前記一つ以上の命令語は、コンパイラによって生成されたコード、又はインタプリタによって実行され得るコードを含んでよい。機器で読み取り可能な保存媒体は、非一時的(non-transitory)保存媒体の形態で提供されてよい。ここで、「非一時的」は、保存媒体が実在(tangible)する装置であり、信号(signal)(例:電磁気波)を含まないということを意味するだけであり、この用語は、データが保存媒体に半永久的に保存される場合と臨時的に保存される場合を区分しない。
【0124】
一実施形態によれば、本文書に開示された多様な実施形態による方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されてよい。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者及び購買者の間で取り引きすることができる。コンピュータプログラム製品は、機器で読み取り可能な保存媒体(例:compact disc read only memory(CD-ROM))の形態で配布されるか、又はアプリケーションストア(例:プレーストアTM)を介して、又は二つの使用者装置等(例:スマートフォン等)の間に直接、オンラインで配布(例:ダウンロード又はアップロード)されてよい。オンライン配布の場合に、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、メーカーのサーバ、アプリケーションストアのサーバ、又は中継サーバのメモリのような機器で読み取り可能な保存媒体に少なくとも一時保存されるか、臨時的に生成されてよい。
【0125】
多様な実施形態によれば、前記記述した構成要素のそれぞれの構成要素(例:モジュール又はプログラム)は、単数又は複数の個体を含んでよい。多様な実施形態によれば、前述した当該構成要素のうち一つ以上の構成要素又は動作が省略されるか、又は一つ以上の異なる構成要素又は動作が追加され得る。代替的に又は追加的に、複数の構成要素(例:モジュール又はプログラム)は、一つの構成要素に統合されてよい。このような場合、統合された構成要素は、前記複数の構成要素それぞれの構成要素の一つ以上の機能を前記統合以前に前記複数の構成要素のうち当該構成要素によって行われることと同一又は類似に行ってよい。多様な実施形態によれば、モジュール、プログラム又は他の構成要素によって行われる動作は、順次的、並列的、反復的、又はヒューリスティクスに実行されるか、前記動作のうち一つ以上が異なる順序で実行されるか、省略されるか、又は一つ以上の異なる動作が追加され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9