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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】パンツ型の吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A61F13/49 312Z
A61F13/49 413
A61F13/49 311Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021206066
(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公開番号】P2023091360
(43)【公開日】2023-06-30
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】リナタ ミラ
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-235020(JP,A)
【文献】特開2011-240052(JP,A)
【文献】特開2015-47367(JP,A)
【文献】特開2016-10518(JP,A)
【文献】国際公開第2016/158750(WO,A1)
【文献】特開2014-204805(JP,A)
【文献】特開平9-99006(JP,A)
【文献】特開平11-253489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
吸収コアを有し、少なくとも股下域に配置される吸収性本体と、
前記吸収性本体と厚さ方向に積層され、後胴回り域に配置される後外装体と、
前記吸収性本体と前記厚さ方向に積層され、前胴回り域に配置される前外装体と、
前記前外装体と前記後外装体とを接合するサイド接合部と、を有するパンツ型の吸収性物品であって、
前記後胴回り域のウエスト開口と前記吸収性本体の後端縁の間に配置される後ウエスト域と、前記吸収性本体の後端縁と前記吸収コアの後端縁の間に配置される後中間域と、前記前胴回り域のウエスト開口と前記吸収性本体の前端縁の間に配置される前ウエスト域と、を有し、
前記後ウエスト域は、前記後胴回り域の前記ウエスト開口から前側に延びる後第1ウエスト域と、前記後第1ウエスト域よりも前側に位置し、前記後第1ウエスト域よりも前記幅方向の収縮力小さい後第2ウエスト域と、を有し、
前記後第2ウエスト域の前記幅方向の収縮力は、前記後中間域の前記幅方向の収縮力よりも小さく、
前記吸収性物品の自然状態における前記後ウエスト域の前記幅方向の長さは、前記自然状態における前記前ウエスト域の前記幅方向の長さよりも長い、パンツ型の吸収性物品。
【請求項2】
前記後外装体は、複数の外装シートが積層されており、
前記後外装体において前記厚さ方向に積層された外装シートの合計の坪量が最も高い高坪量域は、前記後中間域に配置されている、請求項1に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項3】
前記高坪量域は、前記後中間域と前記後ウエスト域を跨がって配置され、かつ前記吸収性本体の前記後端縁を前記前後方向に跨がって配置されている、請求項2に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項4】
自然状態の吸収性物品において、前記サイド接合部の前記前後方向の中心と前記サイド接合部の前記前後方向の外端縁とを繋ぐ第1仮想線と、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を通り、かつ前記前後方向と平行な幅中心線と、がなす角度は、35度以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項5】
自然状態の吸収性物品において、前記サイド接合部の前記前後方向の中心と前記サイド接合部の前記前後方向の外端縁とを繋ぐ第1仮想線と、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を通り、かつ前記前後方向と平行な幅中心線と、がなす第1角度をθ1とし、
自然状態の吸収性物品において、前記サイド接合部の前記前後方向の中心と前記サイド接合部の前記前後方向の内端縁とを繋ぐ第2仮想線と、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を通り、かつ前記前後方向と平行な幅中心線と、がなす第2角度をθ2とすると、
θ1とθ2の差は、10度以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項6】
前記後外装体は、前記吸収性本体よりも肌面側に位置する後インナー材を有し、
前記後インナー材は、前記吸収性本体の前記後端縁を前記前後方向に跨がって配置されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項7】
前記前外装体は、前記吸収性本体よりも肌面側に位置する前インナー材を有し、
前記後インナー材の前記前後方向の長さは、前記前インナー材の前記前後方向の長さよりも長い、請求項6に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項8】
前記後外装体は、前記吸収性本体よりも肌面側に位置する後インナー材と、前記吸収性本体の非肌面に接合された後アウター材と、を有し、
前記後インナー材の前記前後方向の曲げ剛性は、前記後アウター材の前記前後方向の曲げ剛性よりも高い、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項9】
前記後外装体は、前記吸収性本体の非肌面に接合された後アウター材と、前記後アウター材よりも非肌面側に位置する第2後アウター材と、を有し、
前記後アウター材の前記前後方向の曲げ剛性は、前記第2後アウター材の前記前後方向の曲げ剛性よりも高い、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収性本体の非肌面と前記後外装体の肌面を接着する接着剤は、前記吸収性本体に付された肌側接着剤と、前記後外装体に付された非肌側接着剤と、を有し、
前記肌側接着剤の塗工パターンは、前記幅方向に沿って延びており、
前記非肌側接着剤の塗工パターンは、前記前後方向に沿って延びている、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項11】
前記後第1ウエスト域には、前記幅方向に伸縮する複数の第1弾性部材が配置されており、
前記後第2ウエスト域には、前記幅方向に伸縮する第2弾性部材が配置されており、
前記第1弾性部材の前記前後方向の間隔は、前記第2弾性部材の前記前後方向の間隔よりも短い、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項12】
前記前ウエスト域は、前記前胴回り域の前記ウエスト開口から後側に延びる前第1ウエスト域と、前記前第1ウエスト域よりも後側に位置し、前記前第1ウエスト域よりも前記幅方向の収縮力小さい前第2ウエスト域と、を有し、
前記吸収性物品の自然状態における前記後第2ウエスト域の前記幅方向の長さは、前記自然状態における前記前第2ウエスト域の前記幅方向の長さよりも長い、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のパンツ型の吸収性物品。
【請求項13】
前記吸収性物品が大人用である、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のパンツ型の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンツ型の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、パンツ型の使い捨ておむつのような吸収性物品が知られている。特許文献1に記載された吸収性物品は、着用者の胴回りに配置される胴回り域を複数のゾーンに分け、ゾーン毎に応力を異ならせ、身体の形状に合うように胴回り域を配置することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-525487号公報
【発明の概要】
【0004】
しかし、従来の吸収性物品は、以下の問題点があった。
パンツ型の吸収性物品を装着する際は、脚回り開口に両脚を通し、吸収性物品を腰回りまで引き上げる。このとき、後胴回り域における後側遠腹部ゾーンの引張り応力が高いため、吸収性物品の引き上げ時に臀部の膨らみに当該領域が引っかかり、吸収性物品を引き上げ難いことがあった。特に、高齢者は、手を後側に回し難く、一度臀部に吸収性物品が引っかかると、当該引っかかりを直し難いことがあった。
【0005】
そこで、装着時に臀部の引っ掛かりを抑制し、装着性を向上させたパンツ型の吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係るパンツ型の吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアを有し、少なくとも股下域に配置される吸収性本体と、前記吸収性本体と厚さ方向に積層され、後胴回り域に配置される後外装体と、前記吸収性本体と厚さ方向に積層され、前胴回り域に配置される前外装体と、前記前外装体と前記後外装体とを接合するサイド接合部と、を有する。前記吸収性物品は、前記後胴回り域のウエスト開口と前記吸収性本体の後端縁の間に配置される後ウエスト域と、前記吸収性本体の後端縁と前記吸収コアの後端縁の間に配置される後中間域と、前記前胴回り域の前記ウエスト開口と前記吸収性本体の前端縁の間に配置される前ウエストと、を有する。前記後ウエスト域は、前記ウエスト開口から前側に延びる後第1ウエスト域と、前記後第1ウエスト域よりも前側に位置し、前記後第1ウエスト域よりも前記幅方向の収縮力よりも小さい後第2ウエスト域と、を有する。前記後第2ウエスト域の前記幅方向の収縮力は、前記後中間域の前記幅方向の収縮力よりも小さい。前記吸収性物品の自然状態における前記後ウエスト域の前記幅方向の長さは、前記自然状態における前記前ウエスト域の前記幅方向の長さよりも長い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態に係る吸収性物品の模式正面図である。
図2図2は、本実施形態に係る吸収性物品の模式平面図である。
図3図3は、図2に示すA-A線に沿った断面図である。
図4図4は、吸収性物品が着用者に装着された状態を模式的に示した図である。
図5図5は、台の上に載置した自然状態の吸収性物品を模式的に示した図である。
【0008】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係るパンツ型の吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収コアを有し、少なくとも股下域に配置される吸収性本体と、前記吸収性本体と厚さ方向に積層され、後胴回り域に配置される後外装体と、前記吸収性本体と厚さ方向に積層され、前胴回り域に配置される前外装体と、前記前外装体と前記後外装体とを接合するサイド接合部と、を有する。前記吸収性物品は、前記後胴回り域のウエスト開口と前記吸収性本体の後端縁の間に配置される後ウエスト域と、前記吸収性本体の後端縁と前記吸収コアの後端縁の間に配置される後中間域と、前記前胴回り域の前記ウエスト開口と前記吸収性本体の前端縁の間に配置される前ウエストを有する。前記後ウエスト域は、前記ウエスト開口から前側に延びる後第1ウエスト域と、前記後第1ウエスト域よりも前側に位置し、前記後第1ウエスト域よりも前記幅方向の収縮力よりも小さい後第2ウエスト域と、を有する。前記後第2ウエスト域の前記幅方向の収縮力は、前記後中間域の前記幅方向の収縮力よりも小さい。前記吸収性物品の自然状態における前記後ウエスト域の前記幅方向の長さは、前記自然状態における前記前ウエスト域の前記幅方向の長さよりも長い。パンツ型の吸収性物品を装着する際は、脚回り開口に両脚を通し、吸収性物品を腰回りまで引き上げる。このとき、着用者又は装着補助者(以下、装着者とする)は、吸収性物品のウエスト開口近傍を把持して、ウエスト開口近傍を幅方向に広げつつ引き上げる。そのため、ウエスト開口近傍の後第1ウエスト域は、装着者が吸収性物品を幅方向に広げる力がかかり易く、引き上げ時に臀部等に引っかかり難い。しかし、ウエスト開口から離間した位置である後第2ウエスト域は、装着者が吸収性物品1を幅方向に広げる力がかかり難く、臀部の膨らみに引っかかり易いことがあった。本態様によれば、後第2ウエスト域の収縮力が後中間域の収縮力よりも低く、装着者が吸収性物品を幅方向に広げた際に、後ウエスト域がスムーズに広がり、臀部に対して引っかかりにくい。加えて、自然状態における後ウエスト域の幅方向の長さは、自然状態における前ウエスト域の幅方向の長さよりも長いため、サイド接合部をもって引き上げた際の臀部へのひっかかりを抑制できる。そのため、吸収性物品の引き上げ時に吸収性本体が臀部に引っかかってよれたりめくれたりする不具合を抑制できる。一方、後第2ウエスト域に隣接する後中間域の収縮力が高いため、着用時のフィット性を確保できる。よって、着用時のフィット性も確保しつつ、臀部の引っかかりを抑制することで装着性を向上させることができる。
【0009】
好ましい一態様によれば、前記後外装体は、複数の外装シートが積層されている。前記後外装体において厚さ方向に積層された外装シートの合計の坪量が最も高い高坪量域は、前記後中間域に配置されている。本態様によれば、高坪量域によって後中間域の剛性を高め、後中間域のたくれやよれを抑制することで、臀部に対するひっかかりをより抑制できる。
【0010】
好ましい一態様によれば、前記高坪量域は、前記後中間域と前記後ウエスト域を跨がって配置され、かつ前記吸収性本体の後端縁を前後方向に跨がって配置されている。本態様によれば、高坪量域が吸収性本体の後端縁を跨がっていることにより、吸収性本体の後端縁近傍における後外装体の剛性を高め、吸収性本体の後端縁の引っかかりを抑制できる。
【0011】
好ましい一態様によれば、自然状態の吸収性物品において、前記サイド接合部の前後方向の中心と前記サイド接合部の前記前後方向の外端縁とを繋ぐ第1仮想線と、前記吸収性物品の幅方向の中心を通り、かつ前後方向と平行な幅中心線と、がなす角度は、35度以下である。本態様によれば、サイド接合部の前後方向の中心からウエスト開口側に延びるラインが幅中心線に対して傾きすぎないため、サイド接合部の内側に手を入れる際に、スムーズに手を入れることができ、装着操作を円滑に行うことができる。
【0012】
好ましい一態様によれば、自然状態の吸収性物品において、前記サイド接合部の前後方向の中心と前記サイド接合部の前記前後方向の外端縁とを繋ぐ第1仮想線と、前記吸収性物品の幅方向の中心を通り、かつ前後方向と平行な幅中心線と、がなす第1角度をθ1とし、前記サイド接合部の前後方向の中心と前記サイド接合部の前記前後方向の内端縁とを繋ぐ第2仮想線と、前記吸収性物品の幅方向の中心を通り、かつ前後方向と平行な幅中心線と、がなす第2角度をθ2とすると、θ1とθ2の差は、10度以下である。本態様によれば、第1仮想線と、第2仮想線と、の角度差が大きい場合には、当該角度が大きく変化する点で引き上げ時の力が分断され、引き上げ時の力を外装体の前後方向の全域に亘って伝えにくいおそれがある。しかし、θ1とθ2の差は、10度以下であるため、サイド接合部の上端を持って引き上げた場合であっても、当該力が途中で分断せずに、外装体全体に引き上げ時の力をかけやすい。よって、装着操作を円滑に行うことができる。
【0013】
好ましい一態様によれば、前記後外装体は、前記吸収性本体よりも肌面側に位置する後インナー材を有する。前記後インナー材は、前記吸収性本体の後端縁を前後方向に跨がって配置されている。本態様によれば、吸収性本体の後端縁の肌面側を後インナー材によって覆うことができ、吸収性本体の後端縁の引っかかりをより抑制できる。
【0014】
好ましい一態様によれば、前記前外装体は、前記吸収性本体よりも肌面側に位置する前インナー材を有する。前記後インナー材の前記前後方向の長さは、前記前インナー材の前記前後方向の長さよりも長い。本態様によれば、吸収性本体の肌面側を前インナー材によって覆うことができ、吸収性本体の引っかかりを抑制できる。後インナー材の長さが前インナー材よりも長いため、装着時に吸収性物品を引き上げた際に、後胴回り域がたくれ難く、臀部の引っかかりを抑制できる。
【0015】
好ましい一態様によれば、前記後外装体は、前記吸収性本体よりも肌面側に位置する後インナー材と、前記吸収性本体の非肌面に接合された後アウター材と、を有する。前記後インナー材の前記前後方向の曲げ剛性は、前記後アウター材の前記前後方向の曲げ剛性よりも高い。本態様によれば、後インナー材の前後方向の曲げ剛性が後アウター材の前後方向の曲げ剛性よりも高いため、後インナー材が後アウター材よりもたくれ難い。よって、吸収性本体が厚さ方向に膨らむように変形した際に、吸収性本体が肌面側よりも非肌面側に変形し易くなる。吸収性物品の肌面側における凹凸の発生を抑制し、吸収性物品の引き上げ時のひっかかりをより抑制できる。一方、後アウター材の曲げ剛性が低いため、着用者等が触れた際に柔らかく、下着のような風合いを実現できる。
【0016】
好ましい一態様によれば、前記後外装体は、前記吸収性本体の非肌面に接合された後アウター材と、前記後アウター材よりも非肌面側に位置する第2後アウター材と、を有する。前記後アウター材の前記前後方向の曲げ剛性は、前記第2後アウター材の前記前後方向の曲げ剛性よりも高い。本態様によれば、後アウター材が第2後アウター材よりもたくれ難い。肌に接する後アウター材の曲げ剛性が高いため、凹凸が形成され難く、吸収性物品の引き上げ時のひっかかりをより抑制できる。
【0017】
好ましい一態様によれば、前記吸収性本体の非肌面と前記後外装体の肌面を接着する接着剤は、前記吸収性本体に付された肌側接着剤と、前記後外装体に付された非肌側接着剤と、を有する。前記肌側接着剤の塗工パターンは、前記幅方向に沿って延びている。前記非肌側接着剤の塗工パターンは、前記前後方向に沿って延びている。本態様によれば、非肌側接着剤の塗工パターンが前後方向に沿って延びているため、装着時に外装体を上側に引っ張った際に、上下方向に沿う非肌側接着剤を介して吸収性本体側に力を伝えることができる。加えて、吸収性本体側に伝わった力を、幅方向に延びる肌側接着剤を介して吸収性本体の幅方向の全体に伝えることができる。よって、外装体を引き上げた際に、吸収性本体の幅方向の全体を引き上げることができる。
【0018】
好ましい一態様によれば、前記後第1ウエスト域は、前記幅方向に伸縮する複数の第1弾性部材が配置されている。前記後第2ウエスト域は、前記幅方向に伸縮する第2弾性部材が配置されている。前記第1弾性部材の前記前後方向の間隔は、前記第2弾性部材の前記前後方向の間隔よりも短い。本態様によれば、後第1ウエスト域の厚みが後第2ウエスト域の厚みよりも薄くなり易く、後第1ウエスト域と後第2ウエスト域で厚み差が形成される。当該厚み差によって装着時に把持する箇所を把握しやすくなり、左右適切な位置で(左右で把持する位置を上下にずれることなく)把持して、引き上げることができる。吸収性物品を左右偏りなく引き上げることで、体に対する引っかかりをより抑制できる。
【0019】
好ましい一態様によれば、前記前ウエスト域は、前記ウエスト開口から後側に延びる前第1ウエスト域と、前記前第1ウエスト域よりも後側に位置し、前記前第1ウエスト域よりも前記幅方向の収縮力よりも小さい前第2ウエスト域と、を有する。前記吸収性物品の自然状態における前記後第2ウエスト域の前記幅方向の長さは、前記自然状態における前記前第2ウエスト域の前記幅方向の長さよりも長い。本態様によれば、自然状態における後第2ウエスト域の幅方向の長さが自然状態における前第2ウエスト域の幅方向の長さよりも長いため、装着時に吸収性物品を引き上げた際の臀部へのひっかかりを抑制できる。そのため、吸収性物品の引き上げ時に吸収性本体が臀部に引っかかってよれたりめくれたりする不具合を抑制できる。
【0020】
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品が大人用である。大人用の吸収性物品を着用する着用者は、手足の筋力が十分でなかったり、手を後側に回して臀部の引っかかりを直し難く、装着操作における不具合が生じ易い。本態様によれば、臀部の引っ掛かりを抑制して装着操作における不具合を抑制し、着用者が適切かつスムーズに装着することができる。
【0021】
(2)吸収性物品の全体概略構成
実施形態に係るパンツ型の吸収性物品1について、図1から図5を用いて説明する。吸収性物品1は、例えば、パンツ型の使い捨ておむつ、又はショーツ型の生理用ナプキンなどである。実施形態の吸収性物品1は、パンツ型の使い捨ておむつである。図1は、本実施形態に係る吸収性物品の模式正面図である。図2は、本実施形態に係る吸収性物品の模式平面図である。図3は、図2に示すA-A線に沿った断面図である。図4は、吸収性物品1が着用者に装着された状態を模式的に示した図である。図4は、立った状態における側面側の装着状態を示した図である。着用者の身体のラインを一点鎖線BLで示す。なお、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。模式断面図において、説明の便宜上、各部材が厚さ方向Tにおいて離間していることがあるが、実際の製品においては厚さ方向Tに接している。なお、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外縁である。本発明における内側部とは、幅方向Wにおける内縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、前後方向Lにおける縁を含む前後方向Lに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、前後方向Lにおける縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでおり、外端縁は、前端縁及び後端縁を含んでいる。
【0022】
図1に示すように、吸収性物品1は、前後方向L、及び前後方向Lに直行する幅方向Wを有する。前後方向Lは、身体前側と身体後側とに延びる方向によって規定される。言い換えると、前後方向Lは、展開された吸収性物品1において前後に延びる方向である。また、図3に示すように、吸収性物品1は、前後方向Lと幅方向Wの両方の直交する厚さ方向Tを有する。厚さ方向Tは、着用者側に向かう肌面側T1と、肌面側T1と反対側の非肌面側T2と、に延びる。吸収性物品1は、前胴回り域S1と、後胴回り域S2と、股下域S3と、を有する。前胴回り域S1は、着用者の前胴回り(腹部)に配置される領域である。後胴回り域S2は、着用者の背側に配置される領域である。股下域S3は、前胴回り域S1と後胴回り域との間に配置され、着用者の股下に配置される領域である。
【0023】
吸収性物品1は、吸収性本体20及び外装体50を有してよい。吸収性本体20は、外装体50とは別体として構成されていてよい。吸収性本体20は、吸収コア21を有し、少なくとも股下域S3に配置される。吸収性本体20は、股下域S3から前胴回り域S1へ前後方向Lに延びてよく、股下域S3から後胴回り域S2へ前後方向Lに延びてよい。吸収性本体20は、前胴回り域S1及び後胴回り域S2において、外装体50と厚さ方向Tに重なってよい。吸収性本体20は、少なくとも股下域S3に配置された吸収コア21を有する。吸収コア21は、液体を吸収する吸収材料を含む。吸収コア21は、コアラップ22によって覆われてよい。吸収性本体20は、吸収コア21よりも肌面側T1に位置する肌面シート25と、吸収コア21よりも非肌面側T2に位置する液不透過シート26と、液不透過シート26よりも非肌面側T2に配置された本体シート27と、を有していてよい。肌面シート25及び本体シート27は、例えば不織布によって構成されていてよい。液不透過シート26は、例えば、フィルムによって構成されてよい。
【0024】
外装体50は、吸収性本体20と厚さ方向Tに積層され、前胴回り域S1に配置される前外装体51と、吸収性本体20と厚さ方向Tに積層され、後胴回り域S2に配置される後外装体52と、を有してよい。前外装体51の少なくとも一部が吸収性本体20に重なっていればよく、後外装体52の少なくとも一部が吸収性本体20に重なっていればよい。前外装体51と後外装体52は、前後方向Lに離間していてもよいし、連なっていてもよい。後外装体52の前後方向Lの長さは、前外装体51よりも長くてよい。後外装体52は、後胴回り域S2と股下域S3に跨がって配置されてよい。後外装体52の幅方向Wの中央は、サイド接合部16よりも股下域S3側に延出してよい。吸収性物品1には、図1に示すように、前胴回り域S1と後胴回り域S2を接合したサイド接合部16が設けられている。サイド接合部16は、前胴回り域S1を構成する前外装体51の外側部と、後胴回り域S2を構成する後外装体52の外側部とを互いに係止した部分である。
【0025】
図1に示すように、サイド接合部16が形成された状態で、吸収性物品1には、着用者の胴が通されるウエスト開口62と、着用者の脚がそれぞれ挿入される一対の脚回り開口66と、が形成される。ウエスト開口62は、前胴回り域S1の前端縁S1Fと、後胴回り域S2の後端縁S2Rと、によって規定されていてよい。ここで、図2は、サイド接合部16における接合を解除し、吸収性物品1を展開して前後方向L及び幅方向Wに伸ばした伸長状態を示している。サイド接合部16は、前外装体51及び後外装体52のそれぞれにおいて、前後方向Lに沿って延びていてよい。パンツ型の吸収性物品1においては、前胴回り域S1と股下域S3との境界は、前外装体51に設けられたサイド接合部16の後端縁によって規定されていてよい。後胴回り域S2と股下域S3との境界は、後外装体52に設けられたサイド接合部16の前端縁によって規定されていてよい。なお、股下域S3は、脚回り開口66が設けられた領域であってもよい。脚回り開口66は、吸収性物品1の外側縁から幅方向Wの内側に凹む部分であってよい。
【0026】
図3に示すように、前外装体51及び後外装体52は、例えば不織布のような外装シートを複数有してよい。前外装体51の外装シートは、吸収性本体20よりも非肌面側T2に位置する前アウター材と、吸収性本体20よりも肌面側T1に位置する前インナー材55と、を有してよい。前アウター材は、複数有してよい。前アウター材は、吸収性本体20の非肌面に接合された第1前アウター材53と、第1前アウター材53よりも非肌面側T2に位置する第2前アウター材54と、を有してよい。第1前アウター材53と第2前アウター材54は、折り返された同一のシートによって構成されていてもよいし、別体のシートによって構成されていてもよい。前インナー材55は、前アウター材の少なくとも一方が肌面側T1に折り返された部分によって構成されてもよいし、前アウター材とは別体のシートによって構成されてもよい。後外装体52の外装シートは、吸収性本体20よりも非肌面側T2に位置する後アウター材と、吸収性本体20よりも肌面側T1に位置する後インナー材58と、を有してよい。後アウター材は、複数有してよい。後アウター材は、吸収性本体20の非肌面に接合された第1後アウター材56と、第1後アウター材56よりも非肌面側T2に位置する第2後アウター材57と、を有してよい。第1後アウター材56と第2後アウター材57は、折り返された同一のシートによって構成されていてもよいし、別体のシートによって構成されていてもよい。また、後インナー材58は、後アウター材の少なくとも一方が肌面側T1に折り返された部分によって構成されてもよいし、後アウター材とは別体のシートによって構成されてもよい。
【0027】
外装体50の外装シートの間には、幅方向Wに伸縮可能な弾性部材が配置されてよい。弾性部材は、例えば、幅方向Wに伸縮可能な糸ゴム、又は幅方向Wに伸縮可能な弾性シートによって構成されていてよい。この代わりに、弾性部材は、例えば伸縮可能なシートにより構成された外装シート自体によって構成されていてもよい。本実施の形態の弾性部材は、糸ゴムによって構成されている。弾性部材80は、第1弾性部材81と、第1弾性部材81よりも股下域S3側に位置する第2弾性部材82と、第2弾性部材82よりも股下域S3側に位置する第3弾性部材83と、を有してよい。第1弾性部材81の伸長倍率は、第2弾性部材82の伸長倍率と異なってよく、第3弾性部材83の伸長倍率と異なってよい。また、第2弾性部材82の伸長倍率は、第3弾性部材83の伸長倍率と異なってよい。第1弾性部材81の前後方向Lの間隔は、第2弾性部材82の前後方向Lの間隔と異なってよく、第3弾性部材83の前後方向Lの間隔と異なってよい。また、第2弾性部材82の前後方向Lの間隔は、第3弾性部材83の前後方向Lの間隔と異なってよい。第1弾性部材81、第2弾性部材82、及び第3弾性部材83は、幅方向Wに延びて配置され、幅方向Wに伸長可能に設けられてよい。本実施の形態においては、第1弾性部材81及び第2弾性部材82は、前外装体51及び後外装体52にそれぞれ配置され、幅方向Wに沿っている。第3弾性部材83は、前外装体51に配置されず、後外装体52に配置されている。第3弾性部材83は、後胴回り域S2と股下域S3に跨がって配置され、第3弾性部材83の幅方向の中央は、股下域S3側に向かって膨らむように湾曲している。
【0028】
第1弾性部材81は、複数の弾性部材(第1弾性部材、第2弾性部材、及び第3弾性部材)のうち最もウエスト開口62側に位置する弾性部材である。第1弾性部材81は、第1前アウター材53と第2前アウター材54の間に配置された前第1弾性部材811と、第1後アウター材56と第2後アウター材57の間に配置された後第1弾性部材812と、を有してよい。本実施の形態の前第1弾性部材811及び後第1弾性部材812は、940dtexのゴムが2.8倍の伸長倍率で、それぞれ6本ずつ設けられてよい。前第1弾性部材811は、後述する前第1ウエスト域F111に配置され、後第1弾性部材812は、後述する後第1ウエスト域R111に配置されてよい。
【0029】
第2弾性部材82は、第1前アウター材53と第2前アウター材54の間に配置された前第2弾性部材821と、第1後アウター材56と第2後アウター材57の間に配置された後第2弾性部材822と、を有してよい。前第2弾性部材821は、後述する前第2ウエスト域F112と、前中間域F12と、前脚側域F13と、にそれぞれ配置されてよい。本実施の形態の前第2弾性部材821は、620dtexのゴムが2.4倍の伸長倍率で9本配置されるとともに、当該9本のゴムよりも股下域S3側において、780dtexのゴムが2.4倍の伸長倍率で5本配置されている。9本の糸ゴムと5本の糸ゴムの境界には、吸収コア21の前端縁が配置されている。すなわち、吸収コア21と重なる領域の前第2弾性部材821の伸長倍率は、吸収コア21と重ならない領域(吸収コアよりも前端縁よりも前側の領域)の前第2弾性部材821の伸長倍率よりも高い。吸収性本体20の前端縁20Fは、9本の糸ゴムが配置された領域と重なっている。そのため、吸収性本体20の前端縁20Fを境界として前側と後側で、前第2弾性部材の伸長倍率は、異ならず、同じである。
【0030】
後第2弾性部材822は、後述する後第2ウエスト域R112と、後中間域R12と、後脚側域R13と、にそれぞれ配置されてよい。本実施の形態の後第2弾性部材822は、620dtexのゴムが2.4倍の伸長倍率で5本配置されるとともに、当該5本のゴムよりも股下域S3側において、780dtexのゴムが2.4倍の伸長倍率で10本配置されている。5本の糸ゴムと10本の糸ゴムの境界には、吸収性本体20の後端縁が配置されている。すなわち、吸収性本体20と重なる領域の後第2弾性部材822の伸長倍率は、吸収性本体20と重ならない領域(吸収性本体よりも後端縁よりも後側の領域)の後第2弾性部材822の伸長倍率よりも高い。吸収コア21の後端縁21Rは、10本の糸ゴムが配置された領域と重なっている。そのため、吸収コア21の後端縁20Rを境界として前側と後側で、後第2弾性部材822の伸長倍率は、異ならず、同じである。後第2弾性部材822の本数は、前第2弾性部材821の本数よりも多い。前第1弾性部材811の前後方向Lの間隔は、前第2弾性部材821の前後方向Lの間隔よりも短い。後第1弾性部材812の前後方向Lの間隔は、後第2弾性部材822の前後方向Lの間隔よりも短い。
【0031】
本実施の形態に係る吸収性物品1は、装着時に臀部の引っ掛かりを抑制し、装着性を向上できるように構成されている。次いで、装着時に臀部の引っ掛かりを抑制し、装着性を向上させるための構成について詳細に説明する。吸収性物品1は、複数の領域を有する。各領域は、吸収性物品1全体の領域(外装体50と吸収性本体20を合わせた領域)である。前胴回り域S1は、前胴回り域S1のウエスト開口62と吸収性本体20の前端縁20Fの間に配置される前ウエスト域F11と、吸収性本体20の前端縁20Fと吸収コア21の前端縁21Fの間に配置される前中間域F12と、吸収コア21の前端縁21Fと前胴回り域S1のサイド接合部16の後端縁の間に位置する前脚側域F13と、を有してよい。前ウエスト域F11は、ウエスト開口62から後側に延びる前第1ウエスト域F111と、前第1ウエスト域F111よりも後側に位置し、前第1ウエスト域F111よりも幅方向の収縮力よりも小さい前第2ウエスト域F112と、を有してよい。本実施の形態の前第1ウエスト域F111は、前第1弾性部材811が配置された領域であり、前第2ウエスト域F112は、前第2弾性部材821が配置された領域である。前第1ウエスト域F111と前第2ウエスト域F112の境界は、最も股下側に位置する前第1弾性部材811の位置であってよい。後外装体52は、後胴回り域S2のウエスト開口62と吸収性本体20の後端縁20Rの間に配置される後ウエスト域R11と、吸収性本体20の後端縁20Rと吸収コア21の後端縁21R間に配置される後中間域R12と、吸収コア21の後端縁21Rと後胴回り域S2のサイド接合部16の前端縁の間に位置する後脚側域R13と、を有してよい。後ウエスト域R11は、ウエスト開口62から前側に延びる後第1ウエスト域R111と、後第1ウエスト域R111よりも前側に位置し、後第1ウエスト域R111よりも幅方向Wの収縮力よりも小さい後第2ウエスト域R112と、を有してよい。本実施の形態の後第1ウエスト域R111は、後第1弾性部材812が配置された領域であり、後第2ウエスト域R112は、後第2弾性部材822が配置された領域である。後第1ウエスト域R111と後第2ウエスト域R112の境界は、最も股下側に位置する後第1弾性部材812の位置であってよい。
【0032】
後第2ウエスト域R112の幅方向Wの収縮力は、後中間域R12の幅方向Wの収縮力よりも小さい。各領域の「収縮力」は、以下の方法によって測定される。まず、測定対象となる試験片を作成する。吸収性物品1のサイド接合部16を解除し、吸収性物品1を展開する。前胴回り域S1及び後胴回り域S2に吸収性本体20が接合されている場合には、接合を解除せずに、領域毎に切断し、試験片を得る。次に、吸収性物品1を伸長させた伸長状態において幅方向Wの長さ及び前後方向Lの長さを計測し、境界に線を引き、試験片を切り出す。切り出した試験片の両端部を引張試験器のチャック(挟持具)によって挟持する。このとき、チャック間の距離を150mmとする。次に、幅方向Wにおけるチャックの一方を固定した状態で、チャック間の距離を変えるようにチャックのもう一方を移動させる。このときのチャックの移動スピードは、300mm/minとする。チャックの移動中に、チャックに係る応力を測定し、伸長状態から60%(一定幅)の状態で得られた応力(N)を「収縮力」と定義する。このようにして、各領域の幅方向の収縮力を得ることができる。なお、各領域の収縮力の大小を比較する際に、当該領域の前後方向の長さが異なる場合には、試験片の前後方向の長さを一致させるように、前後方向の長さが短い試験片に合わせて、他方の試験片の前後方向の長さを切断する。
【0033】
吸収性物品1の自然状態における後ウエスト域R11の幅方向Wの長さは、自然状態における前ウエスト域F11の幅方向Wの長さよりも長い。よって、図4に示すように、吸収性物品1の着用状態において、サイド接合部16は、着用者の側部(脇の下から下側に延びた部分)BL1を基点として比較すると前側に偏倚している。吸収性物品1の引き上げ時は、一般的に左右のサイド接合部16を左右の手でそれぞれ把持して引き上げる。自然状態における後ウエスト域R11の幅方向Wの長さは、自然状態における前ウエスト域F11の幅方向Wの長さよりも長いため、ウエスト開口62から股下域側に延びるウエスト域(前ウエスト域及び後ウエスト域)における後胴回り域S2の長さが前胴回り域S1の長さよりも長くなり、サイド接合部16をもって引き上げた際の臀部へのひっかかりを抑制できる。そのため、吸収性物品1の引き上げ時に吸収性本体20が臀部に引っかかってよれたりめくれたりする不具合を抑制できる。好適には、吸収性物品の自然状態における後第2ウエスト域R112の幅方向Wの長さは、自然状態における前第2ウエスト域F112の幅方向Wの長さよりも長くてよい。本態様によれば、自然状態における後第2ウエスト域R112の幅方向Wの長さが自然状態における前第2ウエスト域F112の幅方向Wの長さよりも長いため、装着時に吸収性物品1を引き上げた際の臀部へのひっかかりを抑制できる。そのため、吸収性物品1の引き上げ時に吸収性本体20が臀部に引っかかってよれたりめくれたりする不具合を抑制できる。
【0034】
なお、各領域の幅方向Wの長さの測定は、以下の方法によって得ることができる。吸収性物品1のサイド接合部16を解除し、前胴回り域S1と後胴回り域S2を分離する。吸収性物品1を、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境下で2時間放置した後に、吸収性物品1を皺が見えなくなるまで伸長させた状態で、前ウエスト域F11及び後ウエスト域R11のそれぞれにおいて、ウエスト開口62から前後方向に10mmピッチで印を付すとともに、当該印を通り、幅方向に沿う線を付すとともに、前第2ウエスト域F112及び後第2ウエスト域R112のそれぞれにおいて、ウエスト開口62から前後方向に10mmピッチで印を付すとともに、当該印を通り、幅方向に沿う線を付す。なお、前胴回り域S1及び後胴回り域S2に吸収性本体20が接合されている場合には、接合を解除せずに、前ウエスト域F11及び後ウエスト域R11を切り出し、試験片を得るとともに、前第2ウエスト域F112及び後第2ウエスト域R112を切り出し、試験片を得る。台の上に試験片をのせて60分放置し、試験片を自然状態とする。次いで、試験片の上に5mmのアクリル板を乗せて、台とアクリル板によって試験片を挟み、試験片の幅方向の長さを測定する。この幅方向の長さの測定は、上述の伸長状態において幅方向に沿って付した線の長さを測定する。そのため、各領域において、複数回、自然状態の長さを測定する。試験片が湾曲する場合には、ソフトメジャーを湾曲させて測定する。なお、吸収体が領域に配置されている場合には、吸収体の厚みによって、台とアクリル板によって試験片を挟み難いため、吸収コアの厚みが3mm以上の場合には、吸収コアを除去して測定する。前ウエスト域において測定した測定値の平均値と、後ウエスト域で測定した測定値の平均値と、を比較する。
【0035】
後第2ウエスト域R112の幅方向Wの収縮力は、後中間域R12の幅方向の収縮力よりも小さい。パンツ型の吸収性物品1を装着する際は、脚回り開口66に両脚を通し、吸収性物品1を腰回りまで引き上げる。このとき、着用者又は装着補助者(以下、装着者とする)は、吸収性物品1のウエスト開口62近傍を把持して、ウエスト開口62近傍を幅方向に広げつつ引き上げる。そのため、ウエスト開口62近傍の後第1ウエスト域R111は、装着者が吸収性物品1を幅方向Wに広げる力がかかり易く、引き上げ時に臀部等に引っかかり難い。しかし、ウエスト開口62から離間した位置である後第2ウエスト域R112は、装着者が吸収性物品1を幅方向に広げる力がかかり難く、臀部の膨らみに引っかかり易いことがあった。後第2ウエスト域R112が臀部に引っかかってしまうと、吸収性本体20の後端部がよれたりめくれたりして、体を覆うように吸収性本体20を適切に配置できないことがあった。本態様によれば、後第2ウエスト域R112の収縮力が後中間域R12の収縮力よりも低く、装着者が吸収性物品1を幅方向Wに広げた際に、後第2ウエスト域R112がスムーズに広がり、臀部に対して引っかかりにくい。一方、後第2ウエスト域R112に隣接する後中間域R12の収縮力が高いため、着用時のフィット性を確保できる。よって、着用時のフィット性も確保しつつ、臀部の引っかかりを抑制することで装着性を向上させることができる。
【0036】
後第1弾性部材812の前後方向Lの間隔は、後第2弾性部材822の前後方向Lの間隔よりも短くてよい。本態様によれば、後第1ウエスト域R111の厚みが後第2ウエスト域R112の厚みよりも薄くなり易い。すなわち、後第1ウエスト域R111と後第2ウエスト域R112で厚み差が形成される。当該厚み差によって装着時に把持する箇所を把握しやすくなり、左右適切な位置で(左右で把持する位置を上下にずれることなく)把持して、引き上げることができる。吸収性物品1を左右偏りなく引き上げることで、体に対する引っかかりをより抑制できる。また、後第1弾性部材812の伸長倍率が後第2弾性部材822の伸長倍率よりも高くてよい。当該形態にあっても、後第1ウエスト域R111の厚みが後第2ウエスト域R112の厚みよりも薄くなり易く、引き上げ時の操作性を向上できる。
【0037】
同様に、前第1弾性部材811の前後方向Lの間隔は、前第2弾性部材821の前後方向Lの間隔よりも短くてよい。本態様によれば、前第1ウエスト域F111の厚みが前第2ウエスト域F112の厚みよりも薄くなり易い。すなわち、前第1ウエスト域F111と前第2ウエスト域F112で厚み差が形成される。当該厚み差によって装着時に把持する箇所を把握しやすくなり、左右適切な位置で(左右で把持する位置を上下にずれることなく)把持して、引き上げることができる。吸収性物品を左右偏りなく引き上げることで、体に対する引っかかりをより抑制できる。また、前第1弾性部材811の伸長倍率が前第2弾性部材821の伸長倍率よりも高くてよい。当該形態にあっても、前第1ウエスト域F111の厚みが前第2ウエスト域F112の厚みよりも薄くなり易く、引き上げ時の操作性を向上できる。
【0038】
図5は、台の上に載置した自然状態の吸収性物品を模式的に示した図である。自然状態の吸収性物品において、サイド接合部16の前後方向Lの中心16CLと、サイド接合部16の前後方向Lの外端縁16Gと、を繋ぐ第1仮想線FL1と、吸収性物品1の幅方向Wの中心を通り、かつ前後方向Lと平行な幅中心線1CWと、がなす角度θ1は、35度以下であってよい。当該角度の測定は、図5に示すように、台の上に載置した状態で測定する。より詳細には、台の上に、吸収性物品1を、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境下で2時間放置した後に、当該吸収性物品の幅方向及び前後方向の中心を跨ぐように1kgの重り100を置いた状態で、吸収性物品の外側縁に幅中心に平行な線1CLを基準として(吸収性物品の外側縁に定規を当てて)測定する。なお、サイド接合部16の前後方向Lの中心16CLは、サイド接合部の外端縁における前後方向Lの中心の位置とする。本態様によれば、サイド接合部16の前後方向の中心16CLからウエスト開口62側に延びるラインが幅中心線に対して傾きすぎないため、サイド接合部の内側に手を入れる際に、スムーズに手を入れることができ、装着操作を円滑に行うことができる。
【0039】
自然状態の吸収性物品において、サイド接合部16の前後方向Lの中心16CLとサイド接合部の前後方向の外端縁16Gとを繋ぐ第1仮想線FL1と、幅中心線1CWと、がなす第1角度をθ1とし、サイド接合部の前後方向の中心16CLとサイド接合部の前後方向の内端縁16Hとを繋ぐ第2仮想線FL2と、幅中心線1CWと、がなす第2角度をθ2とすると、θ1とθ2の差は、10度以下であってよい。サイド接合部の前後方向の中心16CLとサイド接合部の外端縁を繋ぐ第1仮想線FL1と、サイド接合部の前後方向の中心16CLとサイド接合部の内端縁16Hを繋ぐ第2仮想線FL2と、の角度差が大きい場合には、当該角度が大きく変化する点で引き上げ時の力が分断され、引き上げ時の力を外装体の前後方向の全域に亘って伝えにくいおそれがある。しかし、θ1とθ2の差は、10度以下であるため、サイド接合部の上端を持って引き上げた場合であっても、当該力が途中で分断せずに、外装体全体に引き上げ時の力をかけやすい。よって、装着操作を円滑に行うことができる。また、θ1>θ2であってよい。すなわち、第1仮想線は、第2仮想線FL2よりも幅中心線に対して傾斜していてよい。
【0040】
後外装体52は、後外装体52において厚さ方向Tに積層された外装シートの合計の坪量が最も高い後高坪量域R72を有してよい。後高坪量域R72は、本発明の「高坪量域」を構成し、各シートの坪量を合計し、その坪量が最も高い領域である。本実施の形態においては、第1後アウター材56と第2後アウター材57が後外装体52の全域に配置され、後インナー材58が部分的に配置されている。よって、後インナー材58が配置された領域が後高坪量域R72を構成する。図2において、後高坪量域R72に斜線を付して示す。後高坪量域R72は、左右のサイド接合部16を跨がって配置され、後外装体52の全域に亘って配置されている。後高坪量域R72は、後中間域R12の少なくとも一部に配置されてよい。後外装体52の後中間域R12がよれやたくれたりすると、後外装体52の厚みが厚くなったり、吸収性物品1の内面に凹凸が形成されたりして、吸収性物品1が臀部に引っかかり易くなる。しかし、本態様によれば、後高坪量域R72によって後中間域R12の剛性を高め、後中間域R12のたくれやよれを抑制することで、臀部に対するひっかかりをより抑制できる。
【0041】
好適には、後高坪量域R72は、後中間域R12と後ウエスト域R11を跨がって配置され、かつ吸収性本体20の後端縁20Rを前後方向Lに跨がって配置されてよい。後中間域R12と後ウエスト域R11の境界は、吸収性本体20の後端縁20Rが位置し、吸収性本体20の後端縁20Rを境界として、吸収性本体20の有無により吸収性物品1の厚み差が生じる。当該吸収性本体20の有無による厚み差によって臀部に対する引っかかりが発生するおそれがある。しかし、本態様によれば、後高坪量域R72が吸収性本体20の後端縁20Rを跨がっていることにより、吸収性本体20の後端縁20R近傍における後外装体52の剛性を高め、吸収性本体20の後端縁20Rの引っかかりを抑制できる。また、後ウエスト域R11における後高坪量域R72の前後方向の長さは、後中間域R12における後高坪量域R72の前後方向の長さよりも長くてよい。後ウエスト域R11を平坦な形状に形成し易く、ウエスト開口62側から吸収性物品をよりスムーズに引き上げ易くなる。
【0042】
前外装体51は、前外装体51において厚さ方向Tに積層された外装シートの合計の坪量が最も高い前高坪量域R71を有してよい。本実施の形態においては、第1前アウター材53と第2前アウター材54が前外装体51の全域に配置され、前インナー材55が部分的に配置されている。よって、前インナー材55が配置された領域が前高坪量域R71を構成する。図2において、前高坪量域R71に斜線を付して示す。前高坪量域R71は、左右のサイド接合部16を跨がって配置され、前外装体51の全域に亘って配置されている。前高坪量域R71は、前中間域F12の少なくとも一部に配置されてよい。本態様によれば、前高坪量域R71によって前中間域F12の剛性を高め、前中間域F12のたくれやよれを抑制することで、腹部の膨らみに対するひっかかりを抑制できる。前高坪量域R71は、前中間域F12と前ウエスト域F11を跨がって配置されてよい。吸収性本体20の前端縁20F近傍における前外装体51の剛性を高め、吸収性本体20の前端縁20Fの引っかかりを抑制できる。後高坪量域R72の前後方向の長さは、前高坪量域R71の前後方向の長さよりも長くてよい。当該形態によれば、後外装体52の内面のたくれを抑制し、後胴回り域における臀部の引っかかりをより抑制できる。
【0043】
後インナー材58は、吸収性本体20の後端縁20Rを前後方向に跨がって配置されてよい。本態様によれば、後インナー材58によって吸収性本体20の後端縁20Rの肌面側を後インナー材58によって覆うことができ、吸収性本体20の後端縁20Rの引っかかりをより抑制できる。後インナー材58の後端縁58Rは、吸収性本体20の後端縁20Rよりも後側に位置し、後インナー材58の前端縁58Fは、吸収性本体20の後端縁20Rよりも前側に位置し、吸収コア21の後端縁21Rよりも後側に位置してよい。
【0044】
前インナー材55は、吸収性本体20の前端縁20Fを前後方向に跨がって配置されてよい。本態様によれば、前インナー材55によって吸収性本体20の前端縁20Fの肌面側を前インナー材55によって覆うことができ、吸収性本体20の前端縁20Fの引っかかりを抑制できる。前インナー材55の前端縁55Fは、吸収性本体20の前端縁20Fよりも前側に位置し、前インナー材55の後端縁55Rは、吸収性本体20の前端縁20Fよりも後側に位置し、吸収コア21の前端縁21Fよりも前側に位置してよい。また、後インナー材58の前後方向Lの長さは、前インナー材55の前後方向Lの長さよりも長くてよい。本態様によれば、後インナー材の長さが前インナー材よりも長いため、装着時に吸収性物品を引き上げた際に、後胴回り域がたくれ難く、臀部の引っかかりを抑制できる。
【0045】
後インナー材58の前後方向Lの曲げ剛性は、吸収性本体20に接合された第1後アウター材56の前後方向Lの曲げ剛性よりも高くてよい。本態様によれば、後インナー材58が第1後アウター材56よりもたくれ難い。よって、吸収性本体20が厚さ方向Tに膨らむように変形した際に、吸収性本体20が肌面側T1よりも非肌面側T2に変形し易くなる。吸収性物品1の肌面側T1における凹凸の発生を抑制し、吸収性物品1の引き上げ時のひっかかりをより抑制できる。一方、第1後アウター材56の曲げ剛性が低いため、着用者等が触れた際に柔らかく、下着のような風合いを実現できる。同様に、前インナー材55の前後方向Lの曲げ剛性は、吸収性本体20に接合された第1前アウター材53の前後方向Lの曲げ剛性よりも高くてよい。本態様によれば、前インナー材55が第1前アウター材53よりもたくれ難く、吸収性物品1の肌面側T1における凹凸の発生を抑制し、吸収性物品の引き上げ時のひっかかりをより抑制できる。一方、第1前アウター材53の曲げ剛性が低いため、着用者等が触れた際に柔らかく、下着のような風合いを実現できる。なお、シートの曲げ剛性は、デジタルフォースゲージ200gf(2N)(SHIMPO製 型番 FGP-0.2)及びフォースゲージスタンド(SHIMPO製 型番 GS-50X-H)を用いて測定できる。
【0046】
第1後アウター材56の前後方向Lの曲げ剛性は、第2後アウター材57の前後方向Lの曲げ剛性よりも高くてよい。本態様によれば、第1後アウター材56が第2後アウター材57よりもたくれ難い。肌に接する第1後アウター材56の曲げ剛性が高いため、凹凸が形成され難く、吸収性物品の引き上げ時のひっかかりをより抑制できる。同様に、第1前アウター材53の前後方向Lの曲げ剛性は、第2前アウター材54の前後方向の曲げ剛性よりも高くてよい。本態様によれば、第1前アウター材53が第2前アウター材54よりもたくれ難い。肌に接する第1前アウター材53の曲げ剛性が高いため、凹凸が形成され難く、吸収性物品の引き上げ時のひっかかりをより抑制できる。
【0047】
吸収性本体の非肌面と外装体は、接着剤を介して接合されてよい。後外装体の肌面を接着する接着剤は、吸収性本体20に付された肌側接着剤と、後外装体52に付された非肌側接着剤と、を有してよい。肌側接着剤の塗工パターンは、幅方向に沿って延びており、非肌側接着剤の塗工パターンは、前後方向に沿って延びてよい。同様に、前外装体51の肌面を接着する接着剤は、吸収性本体20に付された肌側接着剤と、前外装体51に付された非肌側接着剤と、を有してよい。肌側接着剤の塗工パターンは、幅方向Wに沿って延びており、非肌側接着剤の塗工パターンは、前後方向Lに沿って延びてよい。本態様によれば、非肌側接着剤の塗工パターンが前後方向に沿って延びているため、装着時に外装体を上側に引っ張った際に、上下方向に沿う非肌側接着剤を介して吸収性本体側に力を伝えることができる。加えて、吸収性本体側に伝わった力を、幅方向に延びる肌側接着剤を介して吸収性本体の幅方向の全体に伝えることができる。よって、外装体を引き上げた際に、吸収性本体の幅方向の全体を引き上げることができる。
【0048】
吸収性物品が大人用の吸収性物品であってよい。ここで大人用の吸収性物品とは、具体的には、例えば、自然状態において、吸収性物品1の幅方向W寸法に対する、吸収性本体20の幅方向W寸法の割合が50%以下である。吸収性物品1の幅方向W寸法及び吸収性本体20の幅方向W本体は例えば、自然状態にある前胴回り域S1又は後胴回り域S2の、前後方向Lのほぼ中点において、測定される。大人用の吸収性物品を着用する着用者は、手足の筋力が十分でなかったり、手を後側に回して臀部の引っかかりを直し難くかったり、装着操作における不具合が生じ易い。本実施の形態の吸収性物品によれば、臀部の引っ掛かりを抑制して装着操作における不具合を抑制し、着用者が適切かつスムーズに装着することができる。
【0049】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
装着時に臀部の引っ掛かりを抑制し、装着性を向上させたパンツ型の吸収性物品を提供できる。
【符号の説明】
【0051】
1 :吸収性物品
16 :サイド接合部
20 :吸収性本体
21 :吸収コア
51 :前外装体
52 :後外装体
53 :第1前アウター材
54 :第2前アウター材
55 :前インナー材
56 :第1後アウター材(後アウター材)
57 :第2後アウター材
58 :後インナー材
62 :ウエスト開口
80 :弾性部材
81 :第1弾性部材
811 :前第1弾性部材
812 :後第1弾性部材
82 :第2弾性部材
821 :前第2弾性部材
822 :後第2弾性部材
F11 :前ウエスト域
F111 :前第1ウエスト域
F112 :前第2ウエスト域
F12 :前中間域
F13 :前脚側域
R11 :後ウエスト域
R111 :後第1ウエスト域
R112 :後第2ウエスト域
R12 :後中間域
R13 :後脚側域
R71 :前高坪量域
R72 :後高坪量域(高坪量域)
S1 :前胴回り域
S2 :後胴回り域
S3 :股下域
L :前後方向
T :厚さ方向
T1 :肌面側
T2 :非肌面側
W :幅方向
図1
図2
図3
図4
図5