(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】物体の領域を評価するための方法
(51)【国際特許分類】
H01J 37/28 20060101AFI20240905BHJP
H01J 37/317 20060101ALI20240905BHJP
G01N 23/2251 20180101ALI20240905BHJP
【FI】
H01J37/28 B
H01J37/317 D
G01N23/2251
(21)【出願番号】P 2021506652
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(86)【国際出願番号】 US2019043718
(87)【国際公開番号】W WO2020033170
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-07-21
(32)【優先日】2018-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504144253
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】シュネユア オフェル
(72)【発明者】
【氏名】ナフタリ ロン
(72)【発明者】
【氏名】ポラット ロニー
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-533256(JP,A)
【文献】特開2015-050126(JP,A)
【文献】特開2008-270073(JP,A)
【文献】特開2007-250371(JP,A)
【文献】特開2006-100788(JP,A)
【文献】特開2016-143532(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0092230(US,A1)
【文献】特表2011-522420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/30-37/317
H01J 37/28
G01N 23/2251
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子撮像装置及び荷電粒子機械処理装置を有するツールを用いて物体を評価するための方法であって、
複数の垂直方向に積層された層が上に形成された前記物体の領域に反復画像化及び機械処理工程を適用することを備え、前記反復画像化及び機械処理工程は、
(a)荷電粒子撮像装置によって、前記領域の第1のサブ領域の荷電粒子画像を取得するステップと、
(b)荷電粒子機械処理装置によって、前記物体上に形成された前記複数の垂直方向に積層された層に対して非平行に配向された機械処理面に沿って、前記サブ領域を機械処理して、機械処理された第1のサブ領域の直下にある前記領域の別のサブ領域を露出させるステップと、
(c)前記領域の第1のサブ領域の下の複数のサブ領域の各々について、前記領域の最後から2番目のサブ領域まで、前記取得するステップ及び機械処理して別のサブ領域を露出させるステップを繰り返すステップと、を備え、更に、
前記荷電粒子撮像装置によって、前記最後から2番目のサブ領域の直下にある前記領域の最後のサブ領域の荷電粒子画像を取得するステップと、
前記領域の前記第1のサブ領域から最後のサブ領域までの荷電粒子画像に基づいて、前記領域の内容に関する3次元情報を生成するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記サブ領域が前記物体の前記複数の層に対して配向されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記領域の各サブ領域の前記荷電粒子画像を前記取得するステップが、前記サブ領域の深さを超える相互作用深さを有する荷電粒子ビームで前記サブ領域を照明するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記領域の各サブ領域の前記荷電粒子画像を前記取得するステップに先行して、前記サブ領域と以前に機械処理されたサブ領域との間の位置合わせが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のサブ領域から前記最後から2番目のサブ領域までの各サブ領域の前記荷電粒子画像を前記取得するステップの後に、前記物体が前記荷電粒子撮像装置にとってアクセス可能でありかつ前記荷電粒子機械処理装置の視野外にある第1の位置と、前記物体が前記荷電粒子機械処理装置にとってアクセス可能でありかつ前記荷電粒子撮像装置の視野外にある第2の位置との間で前記物体を移動させる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
追加領域の第1のサブ領域から前記追加領域の最後から2番目のサブ領域までの各サブ領域について、(a)荷電粒子撮像装置によって、前記サブ領域の荷電粒子画像を取得するステップ、および(b)荷電粒子機械処理装置によって、前記サブ領域を機械処理して、領域の別のサブ領域を露出させるステップを繰り返すステップと、
前記荷電粒子撮像装置によって、前記追加領域の最後のサブ領域の荷電粒子画像を取得するステップと、
前記追加領域の前記第1のサブ領域から最後のサブ領域までの荷電粒子画像に基づいて、前記追加領域の内容に関する3次元情報を生成するステップと、
を含む、請求項1~
5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記領域と前記追加領域とが、深さまたは層の数によって互いと異なる、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記荷電粒子撮像装置が前記荷電粒子機械処理装置と平行である、請求項1~
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記荷電粒子撮像装置が前記荷電粒子機械処理装置に対して配向されている、請求項1~
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記荷電粒子撮像装置が走査型電子顕微鏡である、請求項1~
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
各サブ領域の前記荷電粒子画像が前記サブ領域の後方散乱電子画像である、請求項1~
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
各サブ領域の前記荷電粒子画像が前記サブ領域の二次電子画像である、請求項1~
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
各サブ領域の前記荷電粒子画像が、前記サブ領域の二次電子画像と、前記サブ領域の後方散乱電子画像との組合せである、請求項1~
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
機械的ステージ、荷電粒子画像装置及び荷電粒子機械処理を含むコンピュータ化ツールによって実行されると、前記コンピュータ化ツールに、複数の垂直方向に積層された層が上に形成された物体であって前記機械的ステージ上に配置された物体の領域を、以下のステップを実行することによって評価させる命令を記憶するコンピュータ読み取り可能なメモリ製品であって、
前記ステップは、
(a)荷電粒子撮像装置によって、前記領域の第1のサブ領域の荷電粒子画像を取得するステップと、
(b)荷電粒子機械処理装置によって、前記物体上に形成された前記複数の垂直方向に積層された層に対して非平行に配向された機械処理面に沿って、前記サブ領域を機械処理して、機械処理された第1のサブ領域の直下にある前記領域の別のサブ領域を露出させるステップと、
(c)前記領域の第1のサブ領域の下の複数のサブ領域の各々について、前記領域の最後から2番目のサブ領域まで、前記取得するステップ及び機械処理して別のサブ領域を露出させるステップを繰り返すステップと、を備え、更に、
前記荷電粒子撮像装置によって、前記最後から2番目のサブ領域の直下にある前記領域の最後のサブ領域の荷電粒子画像を取得するステップと、
前記領域の前記第1のサブ領域から最後のサブ領域までの荷電粒子画像に基づいて、前記領域の内容に関する3次元情報を生成するステップと、
を含む、コンピュータ読み取り可能なメモリ製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月7日に出願された、米国特許出願第16/057,762号の利益を主張するものであり、その内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
平面フラッシュメモリアレイは、多層のフラッシュメモリセルを含む3次元フラッシュメモリアレイによって徐々に置き換えられている。垂直NANDメモリアレイ(V-NAND)は、最も普及している3次元フラッシュメモリアレイの1つである。V-NANDは、多層(例えば、場合によって48層)のフラッシュメモリセルを含む。
【0003】
V-NANDなどであるが、これに限定されない3次元物体を検査するための効率的な方法、システム、およびコンピュータプログラム製品を提供する必要性が高まっている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一部の実施形態は、物体の領域を評価するための方法を提供する。本方法は、領域の第1のサブ領域から領域の最後から2番目のサブ領域までの各サブ領域について、(a)荷電粒子撮像装置によって、サブ領域の荷電粒子画像を取得するステップ、および(b)荷電粒子機械処理装置によって、サブ領域を機械処理して、領域の別のサブ領域を露出させるステップを繰り返すステップと、荷電粒子撮像装置によって、領域の最後のサブ領域の荷電粒子画像を取得するステップと、領域の第1のサブ領域から最後のサブ領域までの荷電粒子画像に基づいて、領域の内容に関する3次元情報を生成するステップと、を含むことができる。
【0005】
一部の実施形態は、領域の第1のサブ領域から領域の最後から2番目のサブ領域までの各サブ領域について、
(a)荷電粒子撮像装置によって、サブ領域の荷電粒子画像を取得するステップ、および
(b)荷電粒子機械処理装置によって、サブ領域を機械処理して、領域の別のサブ領域を露出させるステップを繰り返すステップと、荷電粒子撮像装置によって、領域の最後のサブ領域の荷電粒子画像を取得するステップと、領域の第1のサブ領域から最後のサブ領域までの荷電粒子画像に基づいて、領域の内容に関する3次元情報を生成するステップと、によって、物体の領域を評価するための命令を記憶する命令を記憶するコンピュータプログラム製品に関する。
【0006】
発明と見なされる主題は、本明細書の結論部分において具体的に指摘され、明確に特許請求される。しかしながら、本発明は、その実例、特徴、および利点に加えて、構成および動作方法の両方に関して、添付の図面とともに読むと、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示によるシステムおよび物体の一例である。
【
図2】本開示によるシステムおよび物体の一例である。
【
図3】本開示によるシステムおよび物体の一例である。
【
図4】本開示によるシステムおよび物体の一例である。
【
図5】部分的に機械処理された3次元フラッシュメモリアレイおよび機械処理された領域の一例である。
【
図6】部分的に機械処理された3次元フラッシュメモリアレイおよび機械処理面の一例である。
【
図7】部分的に機械処理された3次元フラッシュメモリアレイの一例である。
【
図8】部分的に機械処理された3次元フラッシュメモリアレイの一例である。
【
図9】3層の3次元フラッシュメモリアレイおよび3つの領域の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
説明を簡単かつ明瞭にするために、図に示されている要素は、必ずしも縮尺通りには描かれていないことを理解されるであろう。例えば、要素の一部の寸法は、明瞭にするために他の要素に比べて誇張されている場合がある。さらに、適切であると考えられる場合は、参照数字は、対応する要素または類似する要素を示すために、各図間で繰り返されることがある。
【0009】
以下の詳細な説明では、本発明についての完全な理解を提供するために数多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細なしに実行され得ることが当業者によって理解されるであろう。他の事例では、よく知られている方法、手順、および構成要素は、本発明を不明瞭にしないように詳細には記載されていない。
【0010】
本発明の例示された実施形態は、大部分が、当業者に知られている電子構成要素および回路を使用して実施され得るため、詳細については、本発明の基礎となる概念の理解および認識のために、ならびに本発明の教示を不明瞭にしないように、または本発明の教示から逸脱しないように、上記で例示されたように必要と考えられる範囲を超えては説明されない。
【0011】
本明細書における方法へのいかなる言及も、本方法を実行することが可能なシステムに準用されるべきであり、一旦実行されると、本方法の実行に至る命令を記憶するコンピュータプログラム製品に準用されるべきである。
【0012】
本明細書におけるシステムへのいかなる言及も、システムによって実行することが可能な方法に準用されるべきであり、システムによって実行することが可能な命令を記憶するコンピュータプログラム製品に準用されるべきである。
【0013】
本明細書におけるコンピュータプログラム製品へのいかなる言及も、コンピュータプログラム製品に記憶された命令を実行する際に実行され得る方法に準用されるべきであり、コンピュータプログラム製品に記憶された命令を実行するように構成されたシステムに準用されるべきである。
【0014】
本明細書および図面において、様々な例は、3次元フラッシュメモリアレイを指す。3次元フラッシュメモリアレイは、物体の一例であることに留意されたい。
【0015】
図1および
図2は、システム11および物体100の一例を示す。システム11は、荷電粒子撮像装置40と、荷電粒子機械処理装置140と、チャンバ70と、機械的ステージ60と、コントローラ20と、プロセッサ30と、メモリユニット50と、を含むことができる。荷電粒子撮像装置40は、荷電粒子撮像装置チャンバ45および1つまたは複数のセンサを含む。荷電粒子機械処理装置140は、荷電粒子機械処理装置チャンバ145および1つまたは複数のセンサ(図示せず)を含む。
【0016】
荷電粒子撮像装置は、荷電粒子ビームで物体を照明し、照明により放出された粒子を検出することによって画像を生成し、粒子の検出に基づいて荷電粒子画像を生成するように構成されたデバイスである。荷電粒子撮像装置の一例は、走査型電子顕微鏡である。
【0017】
荷電粒子機械処理装置は、1つまたは複数の荷電粒子ビームを物体に照射することによって物体を機械処理するように構成されたデバイスである。荷電粒子機械処理装置の一例は、集束イオンビーム装置である。
【0018】
チャンバ70は、真空チャンバとすることができる。コントローラ20は、システム11の動作を制御するように構成することができる。プロセッサ30は、荷電粒子撮像装置40からの、特に荷電粒子撮像装置40のレンズ内センサ41およびレンズ外センサ42などのセンサからの検出信号に基づいて荷電粒子画像を生成するように構成することができる。レンズ内センサ41は、荷電粒子撮像装置チャンバ45内に配置されているのに対し、レンズ外センサ42は、荷電粒子撮像装置チャンバ45の外側に配置されている。荷電粒子撮像装置40は、センサの任意の組合せを含むことができる。
【0019】
機械的ステージ60は、物体を、荷電粒子撮像装置40の視野91と荷電粒子機械処理装置140の視野92との間で移動させるように構成することができる。
【0020】
図1では、物体100は、機械的ステージ60によって、荷電粒子撮像装置40の視野91内かつ荷電粒子機械処理装置140の視野92外に配置されている。荷電粒子撮像装置40は、一次電子ビーム49などの1つまたは複数の荷電粒子ビームによって物体を照射する。
【0021】
図2では、物体100は、機械的ステージ60によって、荷電粒子機械処理装置140の視野92内かつ荷電粒子撮像装置14の視野91外に配置されている。荷電粒子機械処理装置140は、一次イオンビーム149などの1つまたは複数の荷電粒子ビームによって物体を照射する。
【0022】
図1および
図2では、荷電粒子撮像装置40の視野91と荷電粒子機械処理装置140の視野92とは重なっていない。
【0023】
荷電粒子撮像装置40および荷電粒子機械処理装置140は、
図1および
図2において互いに平行である。互いに平行な荷電粒子撮像装置および荷電粒子機械処理装置を含むシステムの一例は、米国特許第6,670,610号に示されており、同特許は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
図3は、システム12および物体100の一例を示す。システム12は、荷電粒子撮像装置40と、荷電粒子機械処理装置140と、チャンバ70と、機械的ステージ60と、コントローラ20と、プロセッサ30と、メモリユニット50と、を含むことができる。
【0025】
荷電粒子撮像装置40は、荷電粒子撮像装置チャンバ45および1つまたは複数のセンサを含む。荷電粒子機械処理装置140は、荷電粒子機械処理装置チャンバ145および1つまたは複数のセンサ(図示せず)を含む。
【0026】
システム12において、荷電粒子撮像装置40および荷電粒子機械処理装置140は、互いに対して(非平行に)配向されている。特に、一次電子ビーム49は、物体100に対して直角であるが、一次イオンビーム149は、物体100に対して直角ではない。荷電粒子機械処理装置140の配向は、配向されたやり方での物体の機械処理を容易にする。例えば、
図6および
図7を参照されたい。
【0027】
図3では、荷電粒子撮像装置40の視野は、荷電粒子機械処理装置の視野92と重なっていない。互いに非平行である荷電粒子撮像装置および荷電粒子機械処理装置を含むシステムの一例は、米国特許第6,670,610号に示されており、同特許は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
図4は、システム13および物体100の一例を示す。システム13は、荷電粒子撮像装置40と、荷電粒子機械処理装置140と、チャンバ70と、機械的ステージ60と、コントローラ20と、プロセッサ30と、メモリユニット50と、を含むことができる。荷電粒子撮像装置40は、荷電粒子撮像装置チャンバ45および1つまたは複数のセンサを含む。荷電粒子機械処理装置140は、荷電粒子機械処理装置チャンバ145および1つまたは複数のセンサ(図示せず)を含む。
【0029】
システム13では、荷電粒子撮像装置40および荷電粒子機械処理装置140は、互いに対して(非平行に)配向されている。特に、一次電子ビーム49は、物体100に対して直角であるが、一次イオンビーム149は、物体100に対して直角ではない。荷電粒子機械処理装置140の配向は、配向されたやり方での物体の機械処理を容易にする。例えば、
図6および
図7を参照されたい。
【0030】
荷電粒子撮像装置40は、荷電粒子撮像装置チャンバ45および1つまたは複数のセンサを含む。荷電粒子機械処理装置140は、荷電粒子機械処理装置チャンバ145および1つまたは複数のセンサ(図示せず)を含む。
【0031】
図4では、荷電粒子撮像装置40の視野は、荷電粒子機械処理装置の視野92と少なくとも部分的に重なっており、これにより、機械処理と撮像との間で物体を移動させる必要性をなくすことができる。
【0032】
システム11、12、および13のそれぞれは、
図10の方法300を実行するように構成されている。
【0033】
図1、
図2、
図3、および
図4は、単一のコントローラ、単一のプロセッサ、および単一のメモリユニットを示すが、システム11、12、および13のそれぞれは、2つ以上のコントローラ、2つ以上のプロセッサ、および2つ以上のメモリユニットを含むことができることに留意されたい。例えば、コントローラ、プロセッサ、およびメモリユニットが、荷電粒子撮像装置40および荷電粒子機械処理装置140のそれぞれに割り当てられてもよい。
【0034】
図5は、部分的に機械処理された3次元フラッシュメモリアレイ200および機械処理された領域の一例を示す。3次元フラッシュメモリアレイ200は、32個の層200(1)~200(32)と、第1の垂直ゲート構造208と、第2の垂直ゲート構造209と、を含む。層の数は、32と異なってもよい。隣接する層は、視覚的に互いから区別できる場合がある。
【0035】
図5は、第1の領域201、第2の領域202、第3の領域203、および第4の領域204を示す。第1の領域201、第2の領域202、第3の領域203、および第4の領域204のそれぞれは、反復的な撮像および機械処理プロセスを適用することによって撮像することができる。
図10の方法300は、反復的な撮像および機械処理プロセスの一例である。
【0036】
第1の領域は、第1のサブ領域201(1)、第2のサブ領域201(2)、および第3のサブ領域201(3)を含むものとして示されている。第2の領域202は、第1の領域201よりも狭い。第2の領域202はまた、第1の領域201よりも厚く、7つのサブ領域を含む。第3の領域203は、第2の領域202よりも狭い。第3の領域203はまた、第2の領域202よりも厚く、第2の領域202よりも多くのサブ領域を含む。第4の領域204は、第3の領域203よりも狭い。第4の領域204はまた、第3の領域203よりも厚く、第3の領域203よりも多くのサブ領域を含む。
【0037】
領域ごとのサブ領域の数、領域の数、各領域の形状、および各領域のサイズは、
図5に示されているものとは異なってもよい。
【0038】
図5では、各サブ領域は、3次元フラッシュメモリアレイ200の層の厚さに等しい厚さを有する。1つまたは複数のサブ領域は、3次元フラッシュメモリアレイ200の層の厚さとは異なる厚さを有してもよいことに留意されたい。
【0039】
図6は、部分的に機械処理された3次元フラッシュメモリアレイおよび機械処理面の一例を示す。
図7は、部分的に機械処理された3次元フラッシュメモリアレイの一例を示す。
【0040】
図6は、様々な機械処理面212(1)~212(12)、212(12)、212(28)、および212(32)を示す。これらの機械処理面は、3次元フラッシュメモリアレイ210の複数の層に対して(0度より大もきく100度未満で)配向されている。機械処理面は、機械処理反復の結果を示す。これらの機械処理面は、3次元フラッシュメモリアレイ210の複数の層に対して配向されたサブセクションを画定する。
【0041】
サブセクションは、隣接する機械処理面によって画定され得る。サブセクションが露出され、撮像され、次いで機械処理されて、別のサブ領域が露出される。物体の層に平行でない機械処理面を使用することにより、異なる層の異なる部分を同時に露出させることができる。
【0042】
図8は、部分的に機械処理された3次元フラッシュメモリアレイの一例を示す。
図8では、配向された機械処理面が複数の段差によって置き換えられている。
【0043】
図9は、3次元フラッシュメモリアレイ200の第1の層200(1)、第2の層200(2)、および第3の層200(3)、ならびに第1のサブ領域201(1)、第2のサブ領域201(2)、および第3のサブ領域201(3)の一例を示す。
【0044】
反復的な撮像および機械処理プロセス中に、
a.第1のサブ領域201(1)の荷電粒子画像を取得する。
b.第1のサブ領域201(1)を機械処理によって除去し、それによって第2のサブ領域201(2)を露出させる。
c.第2のサブ領域201(2)の荷電粒子画像を取得する。
d.第2のサブ領域201(2)を機械処理によって除去し、それによって第3のサブ領域201(3)を露出させる。
e.第3のサブ領域201(3)の荷電粒子画像を取得する。
f.領域201に関する情報を、第1のサブ領域201(1)、第2のサブ領域201(2)、および第3のサブ領域201(3)の荷電粒子画像を処理することによって取得することができる。
【0045】
ステップ(e)の後、第3のサブ領域201(3)を機械処理によって除去することができる。反復的な撮像および機械処理プロセスが3つのサブ領域に適用される場合、第2のサブ領域は、最後から2番目のサブ領域である。
【0046】
図9は、位置合わせプロセスも示す。第1の層200(1)、第2の層200(2)、および第3の層200(3)のそれぞれの左下隅は、位置合わせ目的のための目印として使用される。機械処理が始まる前に、機械処理される(または撮像される)サブ領域の位置が、左下隅とサブ領域との間の既知の空間的関係に基づいて計算される。任意の他の目印を位置合わせに使用することができる。目印位置合わせプロセスは、米国特許第6,670,610号に示されており、同特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
図10は、方法300の一例を示す。方法300は、荷電粒子撮像装置によって、サブ領域の荷電粒子画像を取得するステップ310によって開始することができる。
【0048】
ステップ310の後に、荷電粒子機械処理装置によってサブ領域を機械処理して、領域の別のサブ領域を露出させるステップ320が続くことができる。ステップ330は、領域の第1のサブ領域と領域の最後から2番目のサブ領域との間の各サブ領域に対してステップ310および320が繰り返されたかどうかをチェックする制御ステップである。
【0049】
答えが否定的である場合、ステップ330は、新たに露出されたサブ領域が撮像されるステップ310にジャンプする。答えが肯定的である場合、ステップ330の後に、荷電粒子撮像装置によって、領域の最後のサブ領域の荷電粒子画像を取得するステップ340が続く。
【0050】
ステップ340の後に、荷電粒子機械処理装置によって、最後のサブ領域を機械処理するステップ(図示せず)が続くことができる。
【0051】
ステップ330の後に、領域の第1のサブ領域から最後のサブ領域までの荷電粒子画像に基づいて、領域の内容に関する3次元情報を生成するステップ350が続くこともできる。
【0052】
ステップ350は、荷電粒子機械処理装置を含むシステムによって、荷電粒子撮像装置を含むシステムによって、または荷電粒子撮像装置および荷電粒子機械処理装置のいずれか一方を含まないシステムによって実行されてもよい。
【0053】
サブ領域は、物体の複数の層に平行であってもよく(例えば、
図5参照)、または物体の複数の層に対して配向されていてもよい(例えば、
図6および
図7参照)。
【0054】
ステップ310および340のそれぞれは、サブ領域の深さと等しいか、またはサブ領域の深さを超えてもよい相互作用深さを有する荷電粒子ビームでサブ領域を照明するステップを含むことができる。
【0055】
ステップ310および340のそれぞれは、サブ領域と以前に機械処理されたサブ領域との間の位置合わせを実行するステップを含むことができる(または実行するステップに先行されてもよい)。例えば、
図9を参照されたい)。
【0056】
方法300は、物体が荷電粒子撮像装置にとってアクセス可能でありかつ荷電粒子機械処理装置の視野外にある第1の位置と、物体が荷電粒子機械処理装置にとってアクセス可能でありかつ荷電粒子撮像装置の視野外にある第2の位置との間で物体を移動させることを含むことができる。移動は、ステップ310と320との間で行われてもよい。反対のステップがステップ320と310との間で行われてもよい。
【0057】
方法300は、以下のステップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
g.機械処理コントラストを高めるために選択的エッチング装飾ガス(XeF2など)を誘導することによって機械処理するステップ。
h.機械処理中の機械処理の均一性を高めるためにガスを誘導することによって機械処理するステップ。
i.取得した画像(荷電粒子機械処理装置の1つまたは複数のセンサによって検知された)をリアルタイムで分析することによって、機械処理深さの終点を検出または機械処理深さを検出するステップ。
j.領域の機械処理中のイオン加速電圧を変動させるステップであって、速い材料除去速度のための高い加速電圧で始まり、機械処理された表面品質を向上させるための低い加速電圧で終わる、変動させるステップ。
【0058】
方法300は、2つ以上の領域を評価するために適用されてもよい。異なる領域のサブ領域の機械処理および撮像は、連続的に、並列に、交換可能に、または任意の他のやり方で実行することができる。
【0059】
図5は、方法300の1回または複数回の繰り返しを使用して評価することができる第1の領域201、第2の領域202、第3の領域203、および第4の領域204を示す。
【0060】
方法300は、複数の領域のうちのそれぞれにステップ310、320、330、および340を適用することを含むことができる。これは、追加領域の第1のサブ領域から追加領域の最後から2番目のサブ領域までの各サブ領域について、以下のステップを繰り返すことになってもよい。
k.荷電粒子撮像装置によって、サブ領域の荷電粒子画像を取得するステップ。
l.荷電粒子機械処理装置によってサブ領域を機械処理して、領域の別のサブ領域を露出させるステップと、荷電粒子撮像装置によって、追加領域の最後のサブ領域の荷電粒子画像を取得するステップ。
m.追加領域の第1のサブ領域から最後のサブ領域までの荷電粒子画像に基づいて、追加領域の内容に関する3次元情報を生成するステップ。
【0061】
領域と追加領域とは、深さが互いと異なっていてもよい。領域と追加領域とは、層の数が互いと異なっていてもよい。
【0062】
各サブ領域の荷電粒子画像は、サブ領域の後方散乱電子画像、サブ領域の二次電子画像、またはサブ領域の二次電子画像とサブ領域の後方散乱電子画像との組合せであってもよい。
【0063】
前述の明細書では、本発明は、本発明の実施形態の特定の例を参照して説明されてきた。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明のより幅広い精神および範囲から逸脱することなく、本発明において様々な修正および変更を行うことができることは明白であろう。
【0064】
さらに、本説明および特許請求の範囲における「正面」、「背面」、「上部」、「底部」、「上」、「下」などの用語は、存在する場合は、説明の目的のために使用され、必ずしも永久的な相対的位置を説明するために使用されているわけではない。そのように使用される用語は、本明細書に記載された本発明の実施形態が、例えば、本明細書に図示された、さもなければ記載されたもの以外の配向で動作することができるように、適切な状況下で交換可能であることが理解される。
【0065】
本明細書で論じられるような接続は、例えば、中間デバイスを介して、それぞれのノード、ユニット、またはデバイスとの間で信号を転送するのに適した任意のタイプの接続であってもよい。したがって、暗示または別段の記載がない限り、接続は、例えば、直接接続または間接接続であってもよい。接続は、単一の接続、複数の接続、単方向接続、または双方向接続であることに関連して図示または記載されることがある。しかしながら、異なる実施形態は、接続の実施態様を変えることができる。例えば、双方向接続ではなく、別個の単方向接続が使用されてもよく、その逆も可能である。また、複数の接続は、複数の信号を連続的にまたは時間多重方式で転送する単一の接続と置き換えられてもよい。同様に、複数の信号を搬送する単一の接続は、これらの信号のサブセットを搬送する様々な異なる接続に分離されてもよい。したがって、信号を転送するための多くのオプションが存在する。
【0066】
特定の導電型または電位の極性が例に記載されているが、導電型および電位の極性は、逆であってもよいことが理解されるであろう。本明細書に記載された各信号は、正論理または負論理として設計されてもよい。負論理信号の場合、信号は、論理的に真の状態が論理レベル0に対応するアクティブローである。正論理信号の場合、信号は、論理的に真の状態が論理レベル1に対応するアクティブハイである。なお、本明細書に記載された信号のいずれも、負論理信号または正論理信号のいずれかとして設計することができる。したがって、代替の実施形態では、正論理信号として記載された信号は、負論理信号として実施されてもよく、負論理信号として記載された信号は、正論理信号として実施されてもよい。
【0067】
さらに、用語「アサート」または「セット」、および「ネゲート」(あるいは「デアサート」もしくは「クリア」)は、信号、ステータスビット、または同様の装置をその論理的に真もしくは論理的に偽の状態にそれぞれレンダリングすることを指す場合に、本明細書で使用される。論理的に真の状態が論理レベル1である場合、論理的に偽の状態は、論理レベル0である。そして、論理的に真の状態が論理レベル0である場合、論理的に偽の状態は、論理レベル1である。
【0068】
当業者は、論理ブロック間の境界が単に例示であり、代替の実施形態は、論理ブロックもしくは回路要素同士をマージすることができ、または様々な論理ブロックもしくは回路要素に機能の代替的分解を課すことができることを認識するであろう。したがって、本明細書に示されるアーキテクチャは、単に例示であり、実際には、同じ機能を達成する他の多くのアーキテクチャを実装することができることを理解されたい。
【0069】
同じ機能を達成するための構成要素のいかなる配置も、所望の機能が達成されるように、効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するために本明細書において組み合わされた任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素とは無関係に、所望の機能が達成されるように、互いに「関連付けられている」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために、互いに「動作可能に接続されている」、または「動作可能に結合されている」と見ることもできる。
【0070】
さらに、当業者は、上述した動作間の境界が単に例示であることを認識するであろう。複数の動作は、単一の動作に組み合わされてもよく、単一の動作は、追加の動作に分散されてもよく、動作は、時間的に少なくとも部分的に重複して実行されてもよい。さらに、代替の実施形態は、特定の動作の複数のインスタンスを含むことができ、動作の順序は、様々な他の実施形態において変更することができる。
【0071】
また、例えば、一実施形態において、図示された例は、単一の集積回路上または同じデバイス内に配置された回路として実装されてもよい。あるいは、例は、適切なやり方で互いに相互接続された任意の数の別個の集積回路または別個のデバイスとして実装されてもよい。
【0072】
また、例えば、例またはその一部は、任意の適切なタイプのハードウェア記述言語などで、物理回路または物理回路に変換可能な論理表現のソフト表現もしくはコード表現として実装されてもよい。
【0073】
しかしながら、他の修正形態、変形形態、および代替形態も可能である。本明細書および図面は、それに応じて、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。
【0074】
特許請求の範囲において、括弧間に配置されたいかなる参照符号も、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されないものとする。「備える」という単語は、請求項に列記されたもの以外の他の要素またはステップの存在を排除するものではない。さらに、本明細書に使用されるように、「1つ(a)」または「1つ(an)」という用語は、1つまたは2つ以上として定義される。また、特許請求の範囲における「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」などの導入句の使用は、同じ請求項が導入句「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」、および「1つ(a)」または「1つ(an)」などの不定冠詞を含んでいる場合でさえ、不定冠詞「1つ(a)」または「1つ(an)」による別の請求項要素の導入が、そのような導入された請求項要素を含む任意の特定の請求項を、そのような要素を1つだけ含む発明に限定することを暗示すると解釈されるべきではない。同じことが定冠詞の使用にも当てはまる。別段の記載がない限り、「第1」および「第2」などの用語は、そのような用語が説明する要素間を任意に区別するために使用される。したがって、これらの用語は、必ずしもそのような要素の時間的または他の優先順位付けを示すことを意図したものではない。ある特定の手段が相互に異なる請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示すものではない。
【0075】
本発明のある特定の特徴が本明細書に例示され説明されてきたが、多くの修正形態、置換形態、変更形態、および均等物がここで、当業者には思い浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内に入るそのような修正形態および変更形態をすべて網羅することを意図していることを理解されたい。