(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】二次電池の低電圧不良予測装置および方法、並びにその装置を含む電池制御システム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/367 20190101AFI20240905BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20240905BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G01R31/367
H01M10/42 P
H02J7/00 Y
(21)【出願番号】P 2023553062
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 KR2022008648
(87)【国際公開番号】W WO2022265458
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】10-2021-0079389
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】コン、チャンソン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソンミン
(72)【発明者】
【氏名】イ、キュ‐ファン
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-538246(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0049526(KR,A)
【文献】特開2014-206499(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0103003(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0016154(KR,A)
【文献】特開2019-168453(JP,A)
【文献】特開平09-215207(JP,A)
【文献】特開2013-217897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/36-31/396、
H02J 7/00-7/12、
7/34-7/36、
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止(Rest)工程で測定された二次電池の第1学習データが入力される第1学習データ入力部;
第1予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第1測定データが入力される第1測定データ入力部;
前記第1学習データ入力部に入力された二次電池の第1学習データに機械学習(Machine Learning)を進めて、第1二次電池の低電圧予測モデル(Model)を生成して、前記第1学習データの中で主要因子を選別する第1データ学習部;
前記第1データ学習部から生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第1測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較しつつ、第1二次電池の低電圧予測モデルの性能を極大化することができる重みkの最適値を捜して、第1二次電池の低電圧予測モデルを検証して最適化する第1検証部;
前記最適化された第1二次電池の低電圧予測モデル、および重みkの最適値が転移されるモデル転移部;
第2学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で測定された二次電池の第2学習データが入力される第2学習データ入力部;
第2予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第2測定データが入力される第2測定データ入力部;
前記モデル転移部に転移された最適化された第1二次電池の低電圧予測モデルおよび第2学習データ入力部に入力された二次電池の第2学習データに機械学習を進めて、第2二次電池の低電圧予測モデルを生成する第2データ学習部;および
前記第2データ学習部から生成された第2二次電池の低電圧予測モデルに前記第2測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果を出力する第2出力部
を含む、二次電池の低電圧不良予測装置であって、
前記第1学習対象および第1予測対象に選択された二次電池の
充電、放電、および休止(Rest)工程条件と、前記第2学習対象および第2予測対象に選択された二次電池の
充電、放電、および休止(Rest)工程条件は互いに異なる、二次電池の低電圧不良予測装置。
【請求項2】
前記二次電池の前記第1学習データ、前記二次電池の前記第1測定データ、前記第2学習データ、および前記二次電池の前記第2測定データは、それぞれ独立して、前記二次電池の充電、放電、および休止工程で測定された電池の電圧測定値、電池の電流測定値、電池の抵抗測定値、電池の温度測定値、電池の容量測定値、および電池の電力の測定値から選択された1以上の測定値を意味する、請求項1に記載の二次電池の低電圧不良予測装置。
【請求項3】
前記第1データ学習部および第2データ学習部の機械学習は、それぞれ独立して、決定木(Decision Tree)、ランダムフォレスト(Random Forest)、ニューラルネットワーク(Neural Networks)、ディープニューラルネットワーク(Deep Neural Network)、サポートベクターマシン(Support Vector Machine)、および勾配ブースティングマシン(Gradient Boosting Machine)から選択された1以上の方法を適用する、請求項1に記載の二次電池の低電圧不良予測装置。
【請求項4】
前記重み(k)の最適値は、誤分類率(Misclassification Error Rate;MER)を最小化することができる値を意味する、請求項1に記載の二次電池の低電圧不良予測装置。
【請求項5】
前記第1データ学習部から生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果を出力する第1出力部をさらに含む、請求項1に記載の二次電池の低電圧不良予測装置。
【請求項6】
前記第2データ学習部から生成された第2二次電池の低電圧予測モデルに前記第2測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第2測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較することにより、第2二次電池の低電圧予測モデルを検証する第2検証部をさらに含む、請求項1に記載の二次電池の低電圧不良予測装置。
【請求項7】
第1学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止(Rest)工程で測定された二次電池の第1学習データを入力する段階;
前記第1学習データに機械学習(Machine Learning)を進めて、第1二次電池の低電圧予測モデル(Model)を生成し、前記第1学習データの中で主要因子を選別する段階;
第1予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第1測定データを入力する段階;
第1データ学習部から生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第1測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較することにより、第1二次電池の低電圧予測モデルの性能を極大化することができる重み(k)の最適値を捜して、第1二次電池の低電圧予測モデルを検証して最適化する段階;
前記最適化された第1二次電池の低電圧予測モデル、および重み(k)の最適値を転移する段階;
第2学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で測定された二次電池の第2学習データを入力する段階;
前記転移された最適化された第1二次電池の低電圧予測モデルおよび第2学習データに機械学習を進めて、第2二次電池の低電圧予測モデルを生成する段階;
第2予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程から選択された二次電池の第2測定データを入力する段階;および
第2データ学習部から生成された第2二次電池の低電圧予測モデルに前記第2測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果を出力する段階
を含む、二次電池の低電圧不良予測方法であって、
前記第1学習対象および第1予測対象に選択された二次電池の
充電、放電、および休止(Rest)工程条件と、前記第2学習対象および第2予測対象に選択された二次電池の
充電、放電、および休止(Rest)工程条件は互いに異なる、二次電池の低電圧不良予測方法。
【請求項8】
前記二次電池の前記第1学習データ、前記二次電池の前記第1測定データ、前記第2学習データ、および前記二次電池の前記第2測定データは、それぞれ独立して、前記二次電池の充電、放電、および休止工程で測定された電池の電圧測定値、電池の電流測定値、電池の抵抗測定値、電池の温度測定値、電池の容量測定値、および電池の電力の測定値から選択された1以上の測定値を意味する、請求項7に記載の二次電池の低電圧不良予測方法。
【請求項9】
前記第1学習データおよび第2学習データに行う機械学習は、それぞれ独立して、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、および勾配ブースティングマシンから選択された1以上の方法を適用する、請求項7に記載の二次電池の低電圧不良予測方法。
【請求項10】
前記重み(k)の最適値は、誤分類率を最小化することができる値を意味する、請求項7に記載の二次電池の低電圧不良予測方法。
【請求項11】
前記第1データ学習部から生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果を出力する段階をさらに含む、請求項7に記載の二次電池の低電圧不良予測方法。
【請求項12】
前記第2データ学習部から生成された第2二次電池の低電圧予測モデルに前記第2測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第2測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較することにより、第2二次電池の低電圧予測モデルを検証する段階をさらに含む、請求項7に記載の二次電池の低電圧不良予測方法。
【請求項13】
請求項1~6のいずれか一項に記載の二次電池の低電圧不良予測装置を含む、電池制御システム(Battery Management System、BMS)装置。
【請求項14】
前記電池制御システム装置の前記第1学習データ入力部;前記第1測定データ入力部;前記第1データ学習部;前記第1検証部;前記モデル転移部;前記第2学習データ入力部;前記第2測定データ入力部;前記第2データ学習部;および前記第2出力部の少なくとも一つはリモートでコントロールされる、請求項13に記載の電池制御システム装置。
【請求項15】
請求項14に記載の電池制御システム装置を含む、移動装置。
【請求項16】
前記電池制御システム装置の前記第1学習データ入力部;前記第1測定データ入力部;前記第1データ学習部;前記第1検証部;前記モデル転移部;前記第2学習データ入力部;前記第2測定データ入力部;前記第2データ学習部;および前記第2出力部の少なくとも一つは前記移動装置に内蔵される、請求項15に記載の移動装置。
【請求項17】
請求項7~12のいずれか一項に記載の二次電池の低電圧不良予測方法を実行させる記録媒体に格納された、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年6月18日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0079389号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に含まれる。
【0002】
本発明は、二次電池の低電圧不良予測装置および方法、並びにその装置を含む電池制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車、モバイル器機など二次電池の需要は急激に拡大しており、二次電池の状態診断および品質安定性に対する要求が高まっている。このような要求に従って、生産または使用中の二次電池の低電圧不良を予測し、これに対して対応することにより、二次電池の品質安定性を高める方法が活用されている。
【0004】
すなわち、電気自動車、モバイル器機などで使用されている二次電池の低電圧不良を予測して対応することだけでなく、生産工程で品質を検査する時に、二次電池の低電圧不良を予測して不良製品が流出されることを防止して、二次電池の品質安定性を高めることができる。
【0005】
具体的には、生産中の二次電池または使用中の二次電池の低電圧不良の発生を予測するために、充電/放電過程における運転電圧または開回路電圧(OCV)が降下する程度を判定基準として用いている。
【0006】
ただ、このような従来の方法は、低電圧不良有無判定基準を定めるためのデータがたくさん必要となり、製造条件が変更されるたびに低電圧不良有無判定基準を定めるための新しいデータが必要となるので、低電圧不良有無を判断する際に相当な時間がかかるという短所がある。また、従来の方法による判断の正確度が高くないという短所もある。
【0007】
したがって、低電圧の不良有無を判断する時間を短縮しつつも、その正確度を向上させることができる方法、および当該方法を具現することができる装置が必要な状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国特許出願公開第10-2015-0049528号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、電池の使用条件の影響を補正して、二次電池の低電圧不良予測装置および方法、並びにその装置を含む電池制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施態様は、第1学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止(Rest)工程で測定された二次電池の第1学習データが入力される第1学習データ入力部;第1予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第1測定データが入力される第1測定データ入力部;前記第1学習データ入力部に入力された二次電池の第1学習データに機械学習(Machine Learning)を進めて、第1二次電池の低電圧予測モデル(Model)を生成して、前記第1学習データの中で主要因子を選別する第1データ学習部;前記第1データ学習部から生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第1測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較しつつ、第1二次電池の低電圧予測モデルの性能を極大化することができる重みkの最適値を捜して第1二次電池の低電圧予測モデルを検証して最適化する第1検証部;前記最適化された第1二次電池の低電圧予測モデル、および重みkの最適値が転移されるモデル転移部;第2学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で測定された二次電池の第2学習データが入力される第2学習データ入力部;第2予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第2測定データが入力される第2測定データ入力部;前記モデル転移部に転移された最適化された第1二次電池の低電圧予測モデルおよび第2学習データ入力部に入力された二次電池の第2学習データに機械学習を進めて、第2二次電池の低電圧予測モデルを生成する第2データ学習部;および前記第2データ学習部から生成された第2二次電池の低電圧予測モデルに前記第2測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果を出力する第2出力部;を含む、二次電池の低電圧不良予測装置であって、前記第1学習対象および第1予測対象に選択された二次電池の工程条件と、前記第2学習対象および第2予測対象に選択された二次電池の工程条件は互いに異なる、二次電池の低電圧不良予測装置を提供する。
【0011】
本発明の他の一実施態様は、第1学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止(Rest)工程で測定された二次電池の第1学習データを入力する段階;前記第1学習データに機械学習(Machine Learning)を進めて、第1二次電池の低電圧予測モデル(Model)を生成して、前記第1学習データの中で主要因子を選別する段階;第1予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第1測定データを入力する段階;前記第1データ学習部から生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第1測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較しつつ、第1二次電池の低電圧予測モデルの性能を極大化することができる重みkの最適値を捜して、第1二次電池の低電圧予測モデルを検証して最適化する段階;前記最適化された第1二次電池の低電圧予測モデル、および重みkの最適値を転移する段階;第2学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で測定された二次電池の第2学習データを入力する段階;前記転移された最適化された第1二次電池の低電圧予測モデルおよび第2学習データに機械学習を進めて、第2二次電池の低電圧予測モデルを生成する段階;第2予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第2測定データを入力する段階;および前記第2データ学習部から生成された第2二次電池の低電圧予測モデルに前記第2測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果を出力する段階;を含む、二次電池の低電圧不良予測方法であって、前記第1学習対象および第1予測対象に選択された二次電池の工程条件と、前記第2学習対象および第2予測対象に選択された二次電池の工程条件は互いに異なる、二次電池の低電圧不良予測方法を提供する。
【0012】
本発明の一実施態様は、前記の二次電池定電圧不良予測装置を含む電池制御システム装置を提供する。
【0013】
本発明の一実施態様は、前記電池制御システム装置を含む移動装置に関する。
【0014】
最後に、本発明の一実施態様は、前記の二次電池の低電圧不良予測方法を実行させる記録媒体に保存されたコンピュータプログラムに関する。
【発明の效果】
【0015】
本発明の実施態様による装置および方法は、二次電池の低電圧不良判断に対する正確度を向上させることができ、これによる工程上の費用節減を図ることができる。
【0016】
本発明の実施態様による装置および方法は、二次電池の低電圧不良判断に所要される時間を減少し、低電圧不良を早期に発見して対応することができるようにすることにより、不良によるリスク(Risk)を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】FDR、FORおよびMERを求めるための混同行列(Confusion matrix)を示す図である。
【
図2】従来の二次電池の低電圧不良予測装置および方法の低電圧不良を予測する過程を示す図である。
【
図3】本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測装置および方法の低電圧不良を予測する過程を示す図である。
【
図4】本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測装置および方法の低電圧不良を予測する過程を示す図である。
【
図5】本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測装置および方法の低電圧不良を予測する過程を示す図である。
【
図6】本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測装置および方法の低電圧不良を予測する過程を示す図である。
【
図7】本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測装置および方法の低電圧不良を予測する過程を示す図である。
【
図8】誤分類率(Misclassification Error Rate;MER)を最小化するための重みkの最適値を求める過程を示す図である。
【
図9】転移学習過程を経た実施例と転移学習過程を経ていない比較例のMER値を比較した図である。
【発明の実施のための形態】
【0018】
以下、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明について詳しく説明する。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態で具現可能であり、ここで説明する構成のみに限定されるものではない。
【0019】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0020】
すなわち、本明細書において、「学習データ」は、機械学習をさせるためのデータを意味する。
【0021】
また、本明細書において、「測定データ」は、「予測データ」を算出するために入力されるデータを意味し、前記予測データは、入力された測定データに機械学習を反映した結果が出力されるデータを意味する。
【0022】
本明細書において、「低電圧不良」とは、使用中の二次電池の電圧が短期間に急激に非可逆的に降下(Sudden voltage drop)する現象で、長期間の使用による二次電池の正常な性能減少とは区別されるのである。前記低電圧不良に対する判定基準は、二次電池の類型別に定めた品質規格によって予め定義される。
【0023】
本発明の一実施態様は、第1学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止(Rest)工程で測定された二次電池の第1学習データが入力される第1学習データ入力部;第1予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第1測定データが入力される第1測定データ入力部;前記第1学習データ入力部に入力された二次電池の第1学習データに機械学習(Machine Learning)を進めて、第1二次電池の低電圧予測モデル(Model)を生成して、前記第1学習データの中で主要因子を選別する第1データ学習部;前記第1データ学習部から生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第1測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較しつつ、第1二次電池の低電圧予測モデルを検証して最適化する第1検証部;前記最適化された第1二次電池の低電圧予測モデルが転移されるモデル転移部;第2学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で測定された二次電池の第2学習データが入力される第2学習データ入力部;第2予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第2測定データが入力される第2測定データ入力部;前記モデル転移部に転移された最適化された第1二次電池の低電圧予測モデルおよび第2学習データ入力部に入力された二次電池の第2学習データに機械学習を進めて、第2二次電池の低電圧予測モデルを生成する第2データ学習部;および前記第2データ学習部から生成された第2二次電池の低電圧予測モデルに前記第2測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果を出力する第2出力部;を含む、二次電池の低電圧不良予測装置であって、前記第1学習対象および第1予測対象に選択された二次電池の工程条件と、前記第2学習対象および第2予測対象に選択された二次電池の工程条件は互いに異なる、二次電池の低電圧不良予測装置を提供する。
【0024】
本発明の二次電池の低電圧不良予測装置は、低電圧の不良有無を予測診断(Prognosis)するための判定基準を確立するためのデータまたは電池モデルが変わったり、製造条件などに変動があるたびに、大量の新規データを蓄積または収集する過程が繰り返される時間を減少することができるため、工程の条件が異なる二次電池に本発明の二次電池の低電圧不良予測装置を適用する場合、二次電池の低電圧の不良判断に所要される時間を減少し、低電圧不良を早期に発見して対応することができるようにすることにより、不良によるリスク(Risk)を最小化することができる。
【0025】
本発明の一実施態様において、学習対象に選択された電池、および予測対象に選択された電池は、それぞれ独立して、モジュール(Module)、パック(Pack)、トレイ(Tray)上に配置された個別電池を意味してもよい。
【0026】
本発明の一実施態様において、予測対象に選択された電池、および予測対象に選択された電池は、それぞれ独立して、モジュール(Module)、パック(Pack)、トレイ(Tray)上に配置された個別電池を意味してもよい。
【0027】
ここで、機械学習とは、人工知能の一分野で、コンピュータプログラムがデータと処理経験を利用した学習によって情報処理能力を向上させること、またはこれに係わる技術を意味する。前記機械学習と係わる技術は、本発明が属する技術分野において広く知られている。すなわち、機械学習に対する具体的な学習アルゴリズムに対しては、詳細な説明を省略する。
【0028】
具体的には、出願の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測装置の前記第1データ学習部および第2データ学習部の機械学習は、それぞれ独立して、決定木(Decision Tree)、ランダムフォレスト(Random Forest)、ニューラルネットワーク(Neural Networks)、ディープニューラルネットワーク(Deep Neural Network)、サポートベクターマシン(Support Vector Machine)、および勾配ブースティングマシン(Gradient Boosting Machine)で選択された1以上の方法を適用してもよいが、これに限定されるものではない。
【0029】
また、本明細書において、「学習データ」および「測定データ」は、機械学習を利用して正確な二次電池の低電圧不良予測をするためのデータであって、電池の充電と放電、休止(Rest)状態で測定、収集、および保存される電池の充電電圧、電池の放電電圧、電池の充電電流、電池の放電電流、電池の充電容量、電池の放電容量、電池の抵抗(Impedance)、電池の温度などを含むデータを意味し、電池の充電と放電、休止(Rest)状態で測定および収集可能なすべての因子を含んでもよい。
【0030】
具体的には、本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測装置の前記二次電池の第1学習データ、二次電池の第1測定データ、第2学習データ、および二次電池の第2測定データは、それぞれ独立して、二次電池の充電、放電、および休止工程で測定された電池の電圧測定値、電池の電流測定値、電池の抵抗測定値、電池の温度測定値、電池の容量測定値、および電池の電力の測定値で選択された1以上の測定値を意味してもよいが、これに限定されるものではない。
【0031】
また、より具体的には、「測定データ」は、「学習データ」で「主要因子」として選別されたデータのみを含むことを意味してもよい。ここで、「主要因子」は、特定の充電工程と放電工程区間の一部または全部で測定された充電電圧の平均値、放電電圧の平均値、充電温度測定値、放電温度測定値、充電容量測定値、放電容量測定値、充電電力測定値、放電電力測定値、電気抵抗測定値を含んでもよいが、このような主要因子の個数と種類は、電池のタイプによって同一または異なってもよく、前記主要因子の種類に限定されるものではない。
【0032】
また、前記主要因子としては、下記式1で表されるように、特定の充電工程と放電工程との間の休止工程区間で、休止工程開始点で測定された開回路電圧値(Open Circuit Voltage、OCV)と休止工程終了点で測定された開回路電圧値(OCV)との間の偏差を含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0033】
[式1]
D=|OCV1-OCV2|
【0034】
前記式1において、OCV1は、休止工程開始点で測定された開回路電圧値を意味し、OCV2は、休止工程終了点で測定された開回路電圧値を意味し、||は、絶対値を意味し、Dは、休止工程開始点で測定された開回路電圧値(Open Circuit Voltage、OCV)と休止工程終了点で測定された開回路電圧値(OCV)との間の偏差を意味する。
【0035】
前記主要因子は、二次電池の充電、放電、および休止工程で収集しやすいデータに対応し、前記主要因子を選別して測定データとして用いることにより、二次電池の低電圧不良予測を予測の正確度を高め、予測にかかる時間を減少することができる。
【0036】
前記測定値は、当該分野で用いられる通常の装置、技術、および方法で測定することができる。
【0037】
本明細書において、特に言及されない限り、電池は二次電池を意味する。
【0038】
本明細書において、「特定時間」とは、任意に決めた二次電池の充電および放電工程を行った時間を意味する。例えば、二次電池の充電および放電工程を1時間行うとした場合の特定時間とは1時間を意味する。
【0039】
本発明に係る二次電池の低電圧不良予測装置の前記第1検証部の第1二次電池の低電圧予測モデルを検証して最適化することは、第1二次電池の低電圧予測モデルの性能を極大化することができる重みkの最適値を捜す段階を含み、前記重みkの最適値は、誤分類率(Misclassification Error Rate;MER)を最小化することができる値を意味してもよい。
【0040】
本明細書において、誤分類率(Misclassification Error Rate;MER)は、正常/不良判定を行った電池全体個数の中で判定が誤った、すなわち、正常であるのに不良に判定されたり、不良であるのい正しく判定された電池の個数を合わせた値の比率を意味する。
【0041】
より具体的には、データに含まれた正常電池グループ(Class)と不良電池グループ(Class)に対して、互いに異なる確率的重み(Weighting factor)を付与することができ、モデルの正確度を最大(Maximization)にすることができる重みの閾値(threshold value、k)を導入するようになる。この時、重みの閾値は、前記重みkの最適値を意味し、前記kは、0超過、1未満の値を有する実数である(0<k<1)。
【0042】
より具体的には、正常/不良の予測において、予測性能の指標である偽発見率(False Discovery Rate、FDR)と偽欠損率(False Omission Rate、FOR)という概念が存在する。
【0043】
ここで、FDRは、正しく分類された電池の全体個数で、最終判定結果、不良に判明された電池の個数の比率を意味し、FORは、不良に分類された電池の全体個数で、最終的に良品であると判明された電池の個数の比率を言う。
【0044】
このような定義によれば、FDRおよびFORの一方の値を減少させるためには、通常、他方の値の増加を伴うので、FDRとFORとの間には均衡(trade-off)が存在する。
【0045】
本発明に係る二次電池の低電圧不良予測装置は、偽発見率と偽欠損率両方とも最小化しようとするもので、これは、誤分類率(Misclassification Error Rate;MER)を最小化することを意味する。
【0046】
この時、FDR、FOR、およびMERは、下記式2~式4で表すことができる。
【0047】
(式2)
MER(%)={(FP+FN)/(TP+TN+FP+FN)}×100(%)
【0048】
(式3)
FDR(%)={FP/(TP+FP)}×100(%)
【0049】
(式4)
FOR(%)={FN/(TN+FN)}×100(%)
【0050】
前記式2~式4において、TP、FP、TN、およびFNの定義は、下記のとおりである。
-TP=True Positive:正常が正常に正確に予測されたこと
-FP=False Positive:不良が正常に誤って予測された場合
-TN=True Negative:不良が不良に正確に予測された場合
-FN=False Negative:正常が不良に誤って予測された場合
【0051】
具体的には、FDR、FOR、およびMERは、
図1のように、混同行列(Confusion matrix)を用いて実際正常な電池が正常に正確に予測された場合(TP)、正常が不良に誤って予測された場合(FN)、不良が正常に誤って予測された場合(FP)、不良が不良に正確に予測された場合(TN)の4種の項目に分けて、それぞれに対応する比率を確率で計算することができる。
【0052】
結論的に、重みk値の変化によるFDRとFORを算出し、2つの指標値を全部最小化するk値を重みkの最適値に決めるようになる。
【0053】
このように、最適化過程が必要な理由は、同じ条件で生産される二次電池のうち、正常な電池と低電圧不良品の電池の比率が異なるため、当該比率を考慮してモデルの正確性を高めるためである。例えば、電池の構成、生産方法、および設備などの多様な原因によって異なり得るが、正常な電池の個数と不良品の電池の個数よりも遥かに多い特定ドメインで最適化された重みk値は、そのドメインの予測モデルの特性を反映することができる。
【0054】
本発明に係る二次電池の低電圧不良予測装置は、前記第1データ学習部から生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果を出力する第1出力部をさらに含んでもよい。
【0055】
本発明に係る二次電池の低電圧不良予測装置は、前記第2データ学習部から生成された第2二次電池の低電圧予測モデルに前記第2測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第2測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較しつつ、第2二次電池の低電圧予測モデルを検証する第2検証部をさらに含んでもよい。
【0056】
本明細書において、前記「入力部」は、必要な各種データが入力されるためのインターフェースである。具体的には、本明細書において、前記入力部は、学習データが入力される学習データ入力部、および測定データが入力される測定データ入力部に分けることができる。より具体的には、前記「入力部」は、定格容量条件で測定または収集された容量因子を測定または収集し、前記測定または収集された容量因子測定データを基準値保存部またはデータ学習部に伝達するインターフェースである。前記学習部がデータを受ける方式、および伝達する方法は、特に制限されない。
【0057】
本明細書において、前記「データ学習部」は、前記学習データ入力部に入力された学習データを用いて機械学習を行うためのインターフェースである。
【0058】
本明細書において、前記「出力部」は、機械学習の結果を反映して予測データを算出するためのインターフェースである。前記出力部がデータを算出する方式は、特に制限されない。
【0059】
本明細書において、前記「検証部」は、機械学習の結果を反映した二次電池の低電圧不良予測モデルの予測データの正確度を判断し、場合によって、二次電池の低電圧不良予測モデルを最適化する過程を行うインターフェースである。
【0060】
本明細書において、前記「モデル転移部」は、既存条件と異なる条件の二次電池の低電圧不良を予測する場合に、機械学習の結果を反映して導出された二次電池の低電圧不良予測モデルを利用するために、前記モデルをデータとして伝達したり、前記モデルの性能を極大化することができる重みkの最適値を伝達するためのインターフェースである。具体的には、前記モデル転移部は、誤分類率を最小化するための重みk値を含んで、特定条件で、モデル化(Modeling)を行った機械学習モデル(Model)に対する情報、例えば、モデルの構造情報、学習データの確率的分布に対する情報、主要因子に対する情報などが伝達されて、他の条件の二次電池データに対する機械学習を行う際に用いることができるようにする機能を果たす。
【0061】
本発明に係るインターフェースは、所定の機能を果たすことができれば、その方式、および形態は特に制限されない。
【0062】
本発明に係る装置のインターフェースに入力、伝達または算出されたすべてのデータは統合的に管理されることができる。ここで統合的に管理されるというのは、例えば、特定のメインコンピュータまたはサーバーによって本発明に係る装置のインターフェースに入力、伝達または算出されたすべてのデータを管理し、管理されたデータから新しい値を算出したり、これを再び入力部にデータとして入力するような行為を全部含むことができる。
【0063】
図2は、従来の二次電池の低電圧不良予測装置の低電圧不良を予測する過程を示す図であり、従来には充電/放電過程における運転電圧または開回路電圧(OCV)が降下する程度を判定基準として、N番目電圧または開回路電圧を測定して算出された電圧降下特性値が前記判定基準を満たす場合に、低電圧不良と判断する。ここで、Nは1以上の定数を意味する。
【0064】
図3は、本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測装置の低電圧不良を予測する過程を示す図であり、具体的には、まず、所定条件の二次電池に対して、第1学習データおよび第1測定データに対応する充放電データD1を収集し、前記収集されたデータD1で機械学習を進め、データの中で低電圧不良を予測するための主要因子を選別した後、1次的に機械学習モデル化によって第1二次電池の低電圧予測モデルを算出する。前記算出された第1二次電池の低電圧予測モデルを本発明の二次電池の低電圧不良予測装置の判定基準である誤分類率(Misclassification Error Rate;MER)を最小化する条件を満たすために、重みkの最適化の過程を行って、重みの最適値を決めて、第1二次電池の低電圧予測モデルを最適化する(1段階終了)。前記最適化されたモデルは、第1学習データおよび第1測定データを収集した二次電池の低電圧不良を予測するのに用いられてもよい。
【0065】
継いで、前記最適化された第1二次電池の低電圧予測モデルをモデル転移(Model transfer)し、データD1の場合と異なる条件の二次電池の低電圧不良を予測するために、第1二次電池の低電圧予測モデルを用いてもよい(2段階スタート)。データD1の場合と異なる条件の二次電池の第2学習データに対応する充放電データD2を収集し、前記収集されたデータD2で機械学習モデル化によって第2二次電池の低電圧予測モデルを算出する。この時、第2二次電池の低電圧予測モデルを算出する過程で転移された第1二次電池の低電圧予測モデルを利用する。第2二次電池の低電圧予測モデルが算出されると、データD1の場合と異なる条件の二次電池の第2測定データを第2二次電池の低電圧予測モデルに適用して、当該二次電池の低電圧不良を予測することができる(2段階終了)。
【0066】
前記
図4は、本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測装置の低電圧不良を予測する過程をより概略的に示した図であり、ソースドメイン(Source Domain)の機械学習データである第1学習データD
train、および第1測定データD
testに対応する充放電データD1を機械学習(ML)を行って、ソースドメインの低電圧不良予測モデルであるM1を生成し、生成されたM1を転移させて、学習(TL)、ターゲットドメイン(Target Domain)の機械学習データである第2学習データに対応する充放電データD2を機械学習(ML)させることを意味する。
【0067】
本発明に係る二次電池の低電圧不良を予測する装置は、既存に生成された低電圧不良予測モデルを転移させて利用することを特徴とし、これによって、予測モデルを生成する時間を短縮することができる。すなわち、例えば、
図5に示すように、ターゲットドメインのデータD2は、ソースドメインのデータD1の大きさよりも小さい場合でも、2つのドメインの特性が互いに類似する場合であれば、予測モデルM1の情報を活用することにより、大きさの小さいデータを学習させてもモデルM2の性能を高い正確度に向上させることができる。
【0068】
本発明の二次電池の低電圧不良を予測する装置の構成をより大略的に示すと、
図6のとおりである。
【0069】
具体的には、本発明の第1学習データ入力部、第1測定データ入力部、第2学習データ入力部、および第2測定データ入力部に入力するためのデータを収集する部分をデータ収集部と言える。前記データを収集するために、対象となる二次電池の特性を測定することができるセンサー部がさらに含んでもよい。
【0070】
また、第1学習データ入力部、第1測定データ入力部、第2学習データ入力部、および第2測定データ入力部は、
図6のデータ保存部に対応してもよく、具体的には、保存部は、機械学習用データが保存されている領域と、新規判定のためのデータが保存されている領域に分けられてもよい。より詳しくは、ソースドメインの機械学習用データD1の場合、データは、低電圧の不良有無の判定のための主要因子Xs,1と判定結果Y1で構成されている。一方、ターゲットドメインのデータD2の場合、主要因子Xs,2のみで構成されており、判定結果Y2はデータに含まれていない。
【0071】
機械学習部(演算部)は、本発明の二次電池の低電圧不良を予測する装置の第1学習部、および第2学習部に対応してもよく、機械学習アルゴリズムが入っている部分と、機械学習中に変数の重要度(Variable importance)を演算して評価する部分で構成されている。
【0072】
正常/不良判定部は、本発明の二次電池の低電圧不良を予測する装置の第1検証部、および第2検証部に対応してもよく、新しく入力されたデータに対して正常/不良有無を予測する部分である。当該部分は、機械学習用データがアップデートされるたびに新規モデルでアップデートできる。
【0073】
正常/不良判定部を機械学習用データがアップデートされるたびに新規モデルでアップデートすることができるので、二次電池の低電圧不良の予測正確度を向上させることができる。
【0074】
上述した内容をより詳しく説明すると、下記の
図7のとおりである。
図7に示したように、データ収集部では電池の充電/放電/休止(Rest)中に電圧、電流、抵抗(Impedance)、温度、容量(Capacity)、電力(Power)などの測定値を持続的に測定/収集して、保存部(記録媒体)に保存する。保存されたデータ値を機械学習するための演算部で受けて低電圧不良を予測するための主要因子を評価し、選定した後、モデルを生成させる。モデルの予測性能が検証されると、当該モデルは、ソース(Source)ドメインの低電圧予測モデルM1となって、ソースドメインに対応する電池グループに対する正常、低電圧不良予測に用いる。ソースドメインに属する電池と類似の形態の新規電池に対する予測モデルが必要な場合、ソースドメインの予測モデルM1の情報を利用して、新規予測モデルM2を生成する。新規電池のデータが収集、保存されているターゲットドメインからM1で選定された主要因子とモデルの特性を利用することにより、サイズの小さいデータを用いても高い予測性能を有するモデルM2を短期間に生成させた後に、正常/不良の予測に用いる。
【0075】
本発明の一実施態様において、本発明に係る二次電池の低電圧不良予測装置を含む電池制御システム(Battery Management System、BMS)装置を提供することができる。言い替えれば、本発明の一実施態様において、前記二次電池の低電圧不良予測装置は、電池制御システム(Battery Management System、BMS)装置に用いられてもよい。
【0076】
本発明の一実施態様において、前記第1学習データ入力部;第1測定データ入力部;第1データ学習部;第1検証部;モデル転移部;第2学習データ入力部;第2測定データ入力部;第2データ学習部;および第2出力部を備える容量測定装置を含む、電池制御システム装置を提供することができる。
【0077】
本明細書において、「電池制御システム(Battery Management System、BMS)装置」は、電池制御システムを含むすべての形態のインターフェースを意味する。
【0078】
本発明の一実施態様において、本出願に係る制御システム装置を含む移動装置を提供することができる。
【0079】
本明細書において、前記「移動装置」の意味は、装置自体が動いてもよく、使用者によって運搬しやすい装置を意味するもので、電気自動車、モバイル器機などをその例にしてもよい。
【0080】
本発明の一実施態様において、前記電池制御システム装置の第1学習データ入力部;第1測定データ入力部;第1データ学習部;第1検証部;モデル転移部;第2学習データ入力部;第2測定データ入力部;第2データ学習部;および第2出力部の少なくとも一つは、リモートでコントロールされる、電池制御システム装置を提供することができる。
【0081】
本発明の一実施態様において、前記第1学習データ入力部;第1測定データ入力部;第1データ学習部;第1検証部;モデル転移部;第2学習データ入力部;第2測定データ入力部;第2データ学習部;および第2出力部の2以上がリモートでコントロールされる、電池制御システム装置を提供することができる。
【0082】
本発明の一実施態様において、前記第1学習データ入力部;第1測定データ入力部;第1データ学習部;第1検証部;モデル転移部;第2学習データ入力部;第2測定データ入力部;第2データ学習部;および第2出力部のいずれもリモートでコントロールされる、電池制御システム装置を提供することができる。
【0083】
本発明の一実施態様において、前記電池制御システム装置の第1学習データ入力部;第1測定データ入力部;第1データ学習部;第1検証部;第1出力部;モデル転移部;第2学習データ入力部;第2測定データ入力部;第2データ学習部;および第2出力部の少なくとも一つは、リモートでコントロールされる、電池制御システム装置を提供することができる。
【0084】
本発明の一実施態様において、前記電池制御システム装置は、1以上のインターフェースを含んでもよく、前記インターフェースの1以上はリモートでコントロールされる、電池制御システム装置を提供することができる。
【0085】
本明細書において、前記「リモートでコントロールされる」の意味は、前記入力部、学習部、および出力部などのインターフェースが前記電池制御システム装置の外部に位置して、通信によってインターフェースの間でデータと信号を送信または受信しつつ、その機能を実行することを意味する。前記リモートコントロールの方法として、前記インターフェースの一部をクラウドサーバ(Cloud Server)に置いて通信によってインターフェースの間でデータと信号を送信または受信しつつ、その機能を実行することを管理する方法を例に挙げることができるが、これに限定されるものではなく、前記電池制御システム装置の外部でその機能を実行することができる方法であれば、本発明の構成に適用してもよい。
【0086】
前記装置の一部または全部のインターフェースがリモートでコントロールされる場合、電池制御システム装置の重量を減少させることができて、移動装置に適用しやすく、特定のメインコンピュータまたはクラウドサーバを利用するため、前記装置を用いる過程で発生したデータなどを統合的に管理しやすい。
【0087】
また、前記装置の一部インターフェースがリモートでコントロールされる場合、コンピュータハードウェア(hardware、H/W)に関して、データ保存のためのメモリー、演算(Computation)、情報処理などのために要求される仕様(Specification)を低下して、構成を単純化させることができて、移動装置に設けられるコンピュータハードウェア関連費用を節減することができる。
【0088】
また、本発明の一実施態様において、前記電池制御システム装置の第1学習データ入力部;第1測定データ入力部;第1データ学習部;第1検証部;モデル転移部;第2学習データ入力部;第2測定データ入力部;第2データ学習部;および第2出力部の少なくとも一つは、移動装置に内蔵されたものであってもよい。
【0089】
また、本発明の一実施態様において、前記電池制御システム装置の第1学習データ入力部;第1測定データ入力部;第1データ学習部;第1検証部;モデル転移部;第2学習データ入力部;第2測定データ入力部;第2データ学習部;および第2出力部の2以上は、移動装置に内蔵されたものであってもよい。
【0090】
また、本発明の一実施態様において、前記電池制御システム装置の第1学習データ入力部;第1測定データ入力部;第1データ学習部;第1検証部;モデル転移部;第2学習データ入力部;第2測定データ入力部;第2データ学習部;および第2出力部のいずれも移動装置に内蔵されたものであってもよい。
【0091】
また、本発明の一実施態様において、前記電池制御システム装置の第1学習データ入力部;第1測定データ入力部;第1データ学習部;第1検証部;第1出力部;モデル転移部;第2学習データ入力部;第2測定データ入力部;第2データ学習部;および第2出力部の少なくとも一つは移動装置に内蔵されたものであってもよい。
【0092】
本発明の一実施態様において、前記電池制御システム装置は、1以上のインターフェースを含んでもよく、前記インターフェースの1以上は、移動装置に内蔵されたものであってもよい。
【0093】
本発明の一実施態様において、前記学習データ入力部;測定データ入力部;データ学習部;基準値保存部;および容量状態診断部が全部移動装置に内蔵される移動装置を提供することができる。
【0094】
本明細書において、前記「移動装置に内蔵される」の意味は、前記入力部、学習部、および出力部などのインターフェースが前記移動装置の構成要素の一つに対応することを意味する。
【0095】
前記装置の一部または全部が移動装置に内蔵される場合、通信上の問題による安全上の問題が発生しないという長所がある。
【0096】
その他に追加可能なインターフェースがあれば、それぞれのインターフェースは、リモートでコントロールされるか、移動装置に内蔵されてもよい。
【0097】
より具体的には、前記電池制御システムは、電気自動車、モバイル器機などに搭載されて動力源として用いられる時、容量マッチング(Matching)とセルバランシング(Cell Balancing)を行い、電池の充電または放電を制御し、電池の残量、電池の故障など電池の全般的な状態を制御および管理するシステムを意味する。前記電池制御システム(Battery Management System、BMS)は、1以上の電池に適用されてもよい。すなわち、通常、複数の電池に適用されるが、1つの電池に適用されてもよく、それぞれの電池に個別的に電池制御システムが適用されてもよい。
【0098】
前記電池制御システム装置によって発生したデータも、上述のように、統合的に管理されることができる。
【0099】
本発明に係る二次電池の低電圧不良予測装置を電池制御システム装置に適用する場合、電池容量の測定に対する正確度を向上させることができ、これによって、電池の状態に対する診断、電池の寿命予測の正確度を向上させることができる。すなわち、1以上の電池が電気自動車、モバイル器機などに搭載されて動力源として用いられながら、電池制御システムによる容量マッチング(Matching)とセルバランシング(Cell Balancing)など電池の全般的な管理を行い時に、より正確で、效率的に電池を制御することができる。
【0100】
本発明の一実施態様において、第1学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止(Rest)工程で測定された二次電池の第1学習データを入力する段階;前記第1学習データに機械学習(Machine Learning)を進めて、第1二次電池の低電圧予測モデル(Model)を生成して、前記第1学習データの中で主要因子を選別する段階;第1予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第1測定データを入力する段階;前記生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第1測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較しつつ、第1二次電池の低電圧予測モデルを検証して最適化する段階;前記最適化された第1二次電池の低電圧予測モデルを転移する段階;第2学習対象に選択された個別二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で測定された二次電池の第2学習データを入力する段階;前記転移された最適化された第1二次電池の低電圧予測モデル、および第2学習データに機械学習を進めて、第2二次電池の低電圧予測モデルを生成する段階;第2予測対象に選択された二次電池の特定時間の間に行われた充電、放電、および休止工程で選択された二次電池の第2測定データを入力する段階;および前記第2データ学習部から生成された第2二次電池の低電圧予測モデルに前記第2測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果を出力する段階;を含む、二次電池の低電圧不良予測方法であって、前記第1学習対象および第1予測対象に選択された二次電池の工程条件と、前記第2学習対象および第2予測対象に選択された二次電池の工程条件とが互いに異なる、二次電池の低電圧不良予測方法を提供する。
【0101】
本発明の二次電池の低電圧不良予測方法は、低電圧の不良有無を予測診断(Prognosis)するための判定基準を確立するためのデータまたは電池モデルが変わったり、製造条件などに変動があるたびに大量の新規データを蓄積または収集する過程が繰り返される時間を減少することができるため、工程の条件が異なる二次電池に本発明の二次電池の低電圧不良予測装置を適用する場合、二次電池の低電圧不良の判断にかかる時間を減少し、低電圧不良を早期に発見して対応することができるようにすることにより、不良によるリスク(Risk)を最小化することができる。
【0102】
本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測方法の前記二次電池の第1学習データ、二次電池の第1測定データ、第2学習データ、および二次電池の第2測定データは、それぞれ独立して、二次電池の充電、放電、および休止工程で測定された電池の電圧測定値、電池の電流測定値、電池の抵抗測定値、電池の温度測定値、電池の容量測定値、および電池の電力の測定値の中で選択された1以上の測定値を意味してもよいが、これに限定されるものではない。
【0103】
本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測方法の前記第1学習データおよび第2学習データに行う機械学習は、それぞれ独立して、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、および勾配ブースティングマシンで選択された1以上の方法を適用してもよいが、これに限定されるものではない。
【0104】
本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測方法の前記第1二次電池の低電圧予測モデルを検証して最適化する段階は、第1二次電池の低電圧予測モデルの性能を極大化することができる重みkの最適値を捜す段階を含み、前記重みkの最適値は、誤分類率を最小化することができる値を意味する。
【0105】
本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測方法は、前記第1データ学習部から生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果を出力する段階をさらに含んでもよい。
【0106】
本発明の一実施態様による二次電池の低電圧不良予測方法は、前記第2データ学習部から生成された第2二次電池の低電圧予測モデルに前記第2測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第2測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較しつつ、第2二次電池の低電圧予測モデルを検証する段階をさらに含んでもよい。
【0107】
本発明の一実施態様において、前記二次電池の低電圧不良予測方法は、前記電池制御システム(Battery Management System、BMS)で用いられる方法であってもよい。すなわち、本発明の一実施態様において、電池制御システムは、本発明に係る二次電池の低電圧不良予測方法を活用して、前記の電池制御システムの機能を実行してもよい。
【0108】
この場合にも上述したように、1以上の電池が電気自動車、モバイル器機などに搭載されて動力源として用いられながら、電池制御システムによる容量マッチング(Matching)とセルバランシング(Cell Balancing)など電池の全般的な管理を行う時に、より正確で、效率的に電池を制御することができる。
【0109】
本明細書において、本発明の実施態様による二次電池の低電圧不良予測装置に適用される説明は、本発明の実施態様による二次電池の低電圧不良予測方法にも適用されてもよい。
【0110】
本発明に係る二次電池の低電圧不良予測装置および方法は、本発明の実施態様による装置および方法は、二次電池の低電圧不良判断に対する正確度を向上させることができ、これによる工程上の費用節減をもたらすことができる。
【0111】
また、本発明の実施態様による装置および方法は、二次電池の低電圧不良判断にかかる時間を減少し、低電圧不良を早期に発見して対応することができるようにすることにより、不良によるリスク(Risk)を最小化することができる。
【0112】
本発明の一実施態様は、本発明に係る二次電池の低電圧不良予測方法を実行させる記録媒体に保存されたコンピュータプログラムを提供する。前記二次電池の低電圧不良予測方法の各段階がコンピュータプログラムの形態で記録媒体に保存されていることを除いては、前記の電池の低電圧不良予測方法に対する説明が同一に適用されてもよい。
【0113】
[実施例]
より具体的には、電池の二次電池の低電圧不良予測過程を説明すれば、下記のとおりである。
【0114】
<実施例>
第1条件で、モジュール(Module)、パック(Pack)、トレイ(tray)上に学習しようとする50000個の二次電池を配置し、充電、放電、および休止(Rest)工程での電圧測定値、電池の電流測定値、電池の抵抗測定値、電池の温度測定値、電池の容量測定値、および電池の電力の測定値を測定、収集して、その値をソース(Source)データに対応する第1学習データ、および第1測定データとして記録媒体に保存した。
【0115】
その後、第1学習データに機械学習を適用して、前記二次電池50000個のデータを機械学習を行って、第1二次電池の低電圧予測モデル(M1)を生成して、前記第1学習データの中で主要因子を選別した。
【0116】
前記第1データ学習部から生成された第1二次電池の低電圧予測モデルに前記第1測定データを適用した二次電池の低電圧判定予測結果と、第1測定データの二次電池の実際の低電圧判定結果とを比較しつつ、誤分類率(Misclassification Error Rate;MER)を最小化するための重みk値を求めた。本実施態様において、
図8で確認できるように、k=0.55で最も低い誤分類率が得られることを確認することができた。
【0117】
前記第1条件と異なる第2条件でのモジュール(Module)、パック(Pack)、トレイ(tray)上に学習しようとする10000個~50000個の二次電池を配置し、充電、放電、および休止(Rest)工程での電圧測定値、電池の電流測定値、電池の抵抗測定値、電池の温度測定値、電池の容量測定値、および電池の電力の測定値を測定、収集し、その値をソース(Source)データに対応する第2学習データおよび第2測定データとして記録媒体に保存した。
【0118】
前で生成した誤分類率を最小化するための重みk値を反映した第1二次電池の低電圧予測モデルM1、および前記誤分類率を最小化するための重みk値を転移させ、転移された第1二次電池の低電圧予測モデルM1、および第2学習データを用いて機械学習を行い、第2二次電池の低電圧予測モデルM2を生成した。これをM1を転移させて機械学習をする過程を転移学習(Transfer learning;TL)させたと表現してもよい。
【0119】
この時、第2二次電池の低電圧予測モデルに第2測定データを反映して誤分類率(MER)を算出した。その結果は、下記の
図9のとおりである。
【0120】
<比較例>
実施例と同じ第2条件でのモジュール(Module)、パック(Pack)、トレイ(tray)上に学習しようとする10000個~50000個の二次電池を配置し、充電、放電、および休止(Rest)工程での電圧測定値、電池の電流測定値、電池の抵抗測定値、電池の温度測定値、電池の容量測定値、および電池の電力の測定値を測定、収集し、その値をソース(Source)データに対応する学習データおよび測定データとして記録媒体に保存した。
【0121】
前記学習データを用いて機械学習を行って、二次電池の低電圧予測モデルM3を生成した。すなわち、実施例と異なって、重みkの最適値が求められず、転移学習(Transfer learning;TL)を進めなかった。
【0122】
この時、二次電池の低電圧予測モデルM3に測定データを反映して、誤分類率(MER)を算出した。その結果は、下記の
図9のとおりである。
【0123】
前記実施例および比較例の結果を示す
図9によって、本発明に係る二次電池の低電圧不良予測装置および方法は、予測の正確度が優れることを確認することができた。特に、転移学習過程を含むことにより、格段に少ない数の電池の学習データから低い誤分類率の性能を示すモデルを生成することができることを確認することができる。言い替えれば、転移学習過程を含んだ場合が格段に少ない数の電池の学習データから予測の正確度の高いモデルを生成することができることを確認することができた。
【0124】
前記の結果は、本発明の実施態様による装置および方法は、二次電池の低電圧不良判断に対する正確度を向上させることができ、これによる工程上の費用節減をもたらすことができることを意味する。例えば、良品の電池を不良品に誤認して廃棄処理したり、不良品の電池を良品に誤認して出荷するようになる問題を防止することにより、これによる費用の発生を節減することができるということを意味する。
【0125】
また、前記の結果は、本発明の実施態様による装置および方法は、低電圧の不良有無を予測診断(Prognosis)するための判定基準を確立するためのデータまたは電池モデルが変わったり、製造条件などに変動があるたびに大量の新規データを蓄積または収集する過程が繰り返される時間を減少することができるということを示す。すなわち、二次電池の低電圧不良判断に所要される時間を減少させ、低電圧不良を早期に発見して対応することができるようにすることにより、不良によるリスク(Risk)を最小化することができることを意味する。