(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】撮像方法、及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20240906BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240906BHJP
G02B 7/28 20210101ALI20240906BHJP
【FI】
H01L21/78 R
G03B15/00 T
G02B7/28 H
(21)【出願番号】P 2020211660
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2023-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 一成
(72)【発明者】
【氏名】小林 真
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-94833(JP,A)
【文献】特開2020-190449(JP,A)
【文献】特開2016-99236(JP,A)
【文献】特開2008-78385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
G03B 15/00
G02B 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と裏面と該表面から裏面に至る側面とを有したチップの側面をカメラで撮像する撮像方法であって、
撮像する側面が露出するようチップを保持具で保持する保持ステップと、
該保持具で保持されたチップの該側面に対面したカメラで、該側面の一端側で該側面にカメラをオートフォーカスさせて該一端側の該側面に焦点が合った第1フォーカス位置を検出する第1オートフォーカスステップと、
該保持具で保持されたチップの該側面の他端側で該側面に該カメラをオートフォーカスさせて該他端側の該側面に焦点が合った第2フォーカス位置を検出する第2オートフォーカスステップと、
該第1フォーカス位置と該第2フォーカス位置とをもとに、該カメラの光軸に対して該側面が直交するようチップの向きを調整する調整ステップと、
該調整ステップを実施した後、該側面に該カメラの焦点が合った状態で該カメラで該側面を撮像し撮像画像を形成する撮像ステップと、を備えた撮像方法。
【請求項2】
該撮像画像から該チップに形成されたチッピングを検出する検出ステップと、を備えた、請求項1に記載の撮像方法。
【請求項3】
該検出ステップを実施した後、該チップの下面を一対の支持部で支持した状態で該一対の支持部の中央かつ該チップを挟んで該一対の支持部よりも上方に位置づけられた圧子で該チップの上面から該チップを押圧して破壊するとともに該チップが破壊された際の該圧子にかかる荷重を検出するチップ破壊ステップを更に備え、
該撮像ステップでは該チップの中央部を撮像し、該チップ破壊ステップでは該中央部を該圧子が押圧する、請求項2に記載の撮像方法。
【請求項4】
表面と裏面と該表面から裏面に至る側面とを有したチップの側面をカメラで撮像する撮像装置であって、
該チップを保持する保持具と、
該保持具を鉛直方向と平行な軸心回りに回転する回動部と、
該保持具に保持されたチップと水平方向に対面し、該チップの側面を撮像可能である該カメラと、該カメラの焦点の該保持具に保持された該チップの側面からの距離を調整可能なフォーカス機構とを有するカメラユニットと、
構成要素を制御する制御ユニットと、を備え、
該制御ユニットは、
該フォーカス機構を制御して、該カメラの焦点の該チップの側面からの距離を調整して、該保持具で保持された該チップの該側面の一端に焦点があった第1フォーカス位置と、該保持具で保持された該チップの該側面の他端に焦点があった第2フォーカス位置と、を検出する検出部と、
該回動部を制御して、該検出部が検出した該第1フォーカス位置と該第2フォーカス位置とをもとに、該カメラユニットのカメラの光軸に対して該側面が直交するようチップの該軸心回りの向きを調整する調整部と、
該カメラユニットを制御して、該側面に該カメラの焦点があった状態で該カメラで該側面を撮像し撮像画像を形成する画像形成部と、
を備えた撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップの側面をカメラで撮像する撮像方法、及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からウェーハを分割して個片化されたチップの抗折強度を測定するための試験装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示された試験装置では、チップを観察する撮像カメラを備え、例えばチップの側面を撮像してチップの外周縁のチッピング(欠け)のサイズを撮像画像から検出することで、チッピングの発生状態と抗折強度とを紐付けて管理できるようにしている。
【0005】
しかし、撮像カメラに対してチップが傾いた状態で撮像した場合には、撮像画像の一部が不鮮明となるなどして正確なチッピングサイズが検出できないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、正確なチッピングサイズの検出を可能とする撮像方法、及び撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の撮像方法は、表面と裏面と該表面から裏面に至る側面とを有したチップの側面をカメラで撮像する撮像方法であって、撮像する側面が露出するようチップを保持具で保持する保持ステップと、該保持具で保持されたチップの該側面に対面したカメラで、該側面の一端側で該側面にカメラをオートフォーカスさせて該一端側の該側面に焦点が合った第1フォーカス位置を検出する第1オートフォーカスステップと、該保持具で保持されたチップの該側面の他端側で該側面に該カメラをオートフォーカスさせて該他端側の該側面に焦点が合った第2フォーカス位置を検出する第2オートフォーカスステップと、該第1フォーカス位置と該第2フォーカス位置とをもとに、該カメラの光軸に対して該側面が直交するようチップの向きを調整する調整ステップと、該調整ステップを実施した後、該側面に該カメラの焦点が合った状態で該カメラで該側面を撮像し撮像画像を形成する撮像ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記撮像方法において、該撮像画像から該チップに形成されたチッピングを検出する検出ステップと、を備えても良い。
【0009】
前記撮像方法において、該検出ステップを実施した後、該チップの下面を一対の支持部で支持した状態で該一対の支持部の中央かつ該チップを挟んで該一対の支持部よりも上方に位置づけられた圧子で該チップの上面から該チップを押圧して破壊するとともに該チップが破壊された際の該圧子にかかる荷重を検出するチップ破壊ステップを更に備え、該撮像ステップでは該チップの中央部を撮像し、該チップ破壊ステップでは該中央部を該圧子が押圧しても良い。
【0010】
本発明の撮像装置は、表面と裏面と該表面から裏面に至る側面とを有したチップの側面をカメラで撮像する撮像装置であって、該チップを保持する保持具と、該保持具を鉛直方向と平行な軸心回りに回転する回動部と、該保持具に保持されたチップと水平方向に対面し、該チップの側面を撮像可能である該カメラと、該カメラの焦点の該保持具に保持された該チップの側面からの距離を調整可能なフォーカス機構とを有するカメラユニットと、構成要素を制御する制御ユニットと、を備え、該制御ユニットは、該フォーカス機構を制御して、該カメラの焦点の該チップの側面からの距離を調整して、該保持具で保持された該チップの該側面の一端に焦点があった第1フォーカス位置と、該保持具で保持された該チップの該側面の他端に焦点があった第2フォーカス位置と、を検出する検出部と、該回動部を制御して、該検出部が検出した該第1フォーカス位置と該第2フォーカス位置とをもとに、該カメラユニットのカメラの光軸に対して該側面が直交するようチップの該軸心回りの向きを調整する調整部と、該カメラユニットを制御して、該側面に該カメラの焦点があった状態で該カメラで該側面を撮像し撮像画像を形成する画像形成部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、正確なチッピングサイズの検出を可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る撮像装置を備える試験装置の構成例の一部を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された試験装置の要部の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された試験装置の測定対象のウェーハを備えるチップユニットの斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示されたチップユニットのテープから剥離されたチップの斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る撮像装置の構成例の一部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係る撮像方法の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図6に示された撮像方法の保持ステップを模式的に示す側面図である。
【
図8】
図8は、
図6に示された撮像方法の第1フォーカスステップを模式的に示すチップと側面撮像カメラの平面図である。
【
図9】
図9は、
図6に示された撮像方法の第2フォーカスステップを模式的に示すチップと側面撮像カメラの平面図である。
【
図10】
図10は、
図6に示された撮像方法の調整ステップを模式的に示すチップと側面撮像カメラの平面図である。
【
図11】
図11は、
図6に示された撮像方法の撮像ステップを模式的に示すチップと側面撮像カメラの平面図である。
【
図12】
図12は、
図6に示された撮像方法の撮像ステップで形成した撮像画像の一例を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、
図6に示された撮像方法のチップ破壊ステップの強度測定ユニットの支持ユニットの一対の支持部上にチップの裏面を載置した状態を模式的に示す側面図である。
【
図14】
図14は、
図6に示された撮像方法のチップ破壊ステップの強度測定ユニットの支持ユニットの一対の支持部上のチップを破壊した状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0014】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る撮像装置を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る撮像装置を備える試験装置の構成例の一部を示す斜視図である。
図2は、
図1に示された試験装置の要部の斜視図である。
図3は、
図1に示された試験装置の測定対象のウェーハを備えるチップユニットの斜視図である。
図4は、
図3に示されたチップユニットのテープから剥離されたチップの斜視図である。
図5は、実施形態1に係る撮像装置の構成例の一部を示す斜視図である。
【0015】
実施形態1に係る
図1及び
図2に示す試験装置1は、
図3に示すチップユニット17のテープ15から試験片である
図4に示すチップ14をピックアップし、少なくともチップ14-1の側面11-3を撮像するとともに、撮像したチップ14を破壊して、チップ14の抗折強度を測定する装置である。
【0016】
(チップユニット)
実施形態1では、チップユニット17は、
図3に示すように、テープ15にウェーハ10から分割された複数のチップ14が貼着されているとともにテープ15の外周が円環状のフレーム16に装着されて、構成されている。ウェーハ10は、シリコン、サファイア、ガリウムなどを基板11とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等である。
【0017】
ウェーハ10は、基板11の表面11-1に格子状に形成された複数の分割予定ライン12によって区画された領域にデバイス13が形成されている。実施形態1において、ウェーハ10は、外周にフレーム16が装着されたテープ15が表面11-1の裏側の裏面11-2に貼着されて、フレーム16に支持されて、チップユニット17を構成している。
【0018】
また、ウェーハ10は、分割予定ライン12に沿って切削加工等が施されて、個々のチップ14に個片化されている。即ち、ウェーハ10は、チップ14間にウェーハ10自体を貫通した切削溝18が形成されている。なお、チップ14は、
図4に示すように、基板11の一部とデバイス13とで構成され、表面11-1(実施形態1では上面に相当)と、表面11-1の裏側の裏面11-2(実施形態1では下面に相当)と、表面11-1から裏面11-2とに至る複数の側面11-3とを有している。
【0019】
なお、実施形態1では、ウェーハ10は、基板11の表面11-1にデバイス13が形成されているが、本発明では、試験装置1がウェーハ10を個々のチップ14に分割する所謂後工程の加工条件の妥当性を評価するために用いられる場合には、表面11-1にデバイス13が形成されていなくても良い。
【0020】
(試験装置)
試験装置1は、
図1に示すように、装置本体2上に設けられチップユニット17を複数収容するカセット4が載置されるカセット載置台3と、カセット4にチップユニット17を出し入れする搬出入ユニット5と、カセット4から搬出されたチップユニット17又はカセット4に搬入される前のチップユニット17が仮置きされる一対の仮置きレール6と、フレーム固定ユニット7と、フレーム固定ユニット7をY軸方向とX軸方向とに移動する移動機構30と、突き上げユニット40と、撮像カメラ50と、ピックアップ機構60と、保持具移動ユニット70(
図2に示す)と、撮像装置100と、測定ユニットである強度測定ユニット200と、を備える。
【0021】
カセット4は、複数のチップユニット17を鉛直方向と平行なZ軸方向に間隔をあけて収容する収容容器であって、チップユニット17を出し入れする開口8が設けられている。カセット載置台3は、上面にカセット4が載置され、カセット4をZ軸方向に昇降させる。
【0022】
一対の仮置きレール6は、装置本体2上でかつカセット載置台3に載置されるカセット4の開口8の幅方向の両端に設けられ、水平方向と平行なY軸方向に直線状に延びている。一対の仮置きレール6は、互いに平行に配置され、Y軸方向に直交しかつ水平方向と平行なX軸方向に沿って互いに間隔をあけて配置されている。一対の仮置きレール6は、チップユニット17のフレーム16が仮置きされる。
【0023】
搬出入ユニット5は、図示しない移動機構によりY軸方向に移動自在に設けられている。搬出入ユニット5は、カセット4からチップユニット17を搬出して、仮置きレール6上に仮置きした後、フレーム固定ユニット7の降下したフレーム支持部材22の上面までチップユニット17を搬出して、フレーム支持部材22の上面に載置する。また、搬出入ユニット5は、フレーム固定ユニット7の降下したフレーム支持部材22の上面上のチップユニット17を仮置きレール6を介してカセット4内に搬入する。
【0024】
(フレーム固定ユニット)
フレーム固定ユニット7は、チップユニット17のテープ15のウェーハ10の周囲に配置されたフレーム16即ちピックアップすべきチップ14の周囲に配置されたフレーム16を保持し、固定するものである。フレーム固定ユニット7は、移動テーブル21上に設置されている。フレーム固定ユニット7は、環状のフレーム支持部材22と、フレーム支持部材22の上方に配置されかつ固定された環状のフレーム押さえ部材23と、フレーム支持部材22を昇降させる図示しない昇降機構とを備える。
【0025】
フレーム支持部材22は、上昇される前では上面が仮置きレール6の上面と同一平面上に位置して、チップユニット17のフレーム16が載置される。フレーム固定ユニット7は、フレーム支持部材22の上面にチップユニット17のフレーム16が載置されると、昇降機構がフレーム支持部材22を上昇させて、フレーム押さえ部材23とフレーム支持部材22との間にフレーム16を挟み込む。フレーム固定ユニット7は、フレーム押さえ部材23とフレーム支持部材22との間にフレーム16を挟み込んで、テープ15のウェーハ10の周囲に配置されたフレーム16を保持、固定し、チップユニット17を固定する。
【0026】
(移動機構)
移動機構30は、装置本体2上に設けられかつ移動テーブル21をX軸方向に移動するX軸移動機構31と、X軸移動機構31によりX軸方向に移動される移動テーブル21上に設けられかつフレーム固定ユニット7をY軸方向に移動するY軸移動機構32とを備える。X軸移動機構31は、一対の仮置きレール6とY軸方向に並ぶ位置と一対の仮置きレール6から離れる位置とに亘って移動テーブル21即ちフレーム固定ユニット7をX軸方向に移動する。各移動機構31,32は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ33,34、ボールねじ33,34を軸心回りに回転させる周知のモータ35,36及び移動テーブル21又はフレーム固定ユニット7をX軸方向又はY軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレール37,38を備える。
【0027】
(突き上げユニット)
突き上げユニット40は、X軸移動機構31により一対の仮置きレール6から離れる位置に位置付けられたフレーム固定ユニット7の下方に配置される。突き上げユニット40は、装置本体2の凹部9内に設けられ、X軸移動機構31により一対の仮置きレール6から離れる位置に位置付けられたフレーム固定ユニット7で固定されたチップユニット17のテープ15を介していずれかのチップ14を突き上げるものである。
【0028】
突き上げユニット40は、全体が一体として、モータ等で構成される昇降機構(図示せず)と接続され、Z軸方向に沿って昇降する。突き上げユニット40は、中空の円筒状に形成されたテープ保持部41と、テープ保持部41の内部に配置された四角柱状の突き上げ部42とを有する。テープ保持部41の上面は、水平方向と平行に平坦に形成され、テープ保持部41の周方向に沿って同心円状に形成された複数の吸引溝が形成されている。吸引溝はそれぞれ、突き上げユニット40の内部に形成された吸引路及び開閉弁を介して、エジェクタ等でなる吸引源に接続している。
【0029】
突き上げ部42は、上面の平面形状がチップ14の平面形状よりも小さい四角形に形成されている。突き上げ部42は、モータ等で構成される昇降ユニットと接続され、Z軸方向に沿って昇降する。
【0030】
突き上げユニット40は、フレーム固定ユニット7で保持されたフレーム16を含むチップユニット17が上方に位置付けられた状態で、テープ保持部41の上面の吸引溝が吸引源により吸引されて、テープ保持部41の上面にピックアップすべきチップ14の周囲のテープ15を吸引保持する。突き上げユニット40は、テープ保持部41の上面にピックアップすべきチップ14の周囲のテープ15を吸引保持して、突き上げ部42が上昇されることで、チップ14をテープ15よりも上方に突き上げて、チップ14の外周縁をテープ15から剥離する。なお、突き上げユニット40の寸法は、チップ14のサイズに応じて適宜調整される。
【0031】
(撮像カメラ)
撮像カメラ50は、X軸移動機構31により一対の仮置きレール6から離れる位置に位置付けられたフレーム固定ユニット7の上方に配置される。撮像カメラ50は、X軸移動機構31により一対の仮置きレール6から離れる位置に位置付けられたフレーム固定ユニット7で保持されたフレーム16を含むチップユニット17のウェーハ10の突き上げユニット40の突き上げ部42により突き上げられるチップ14及びこのチップ14の周囲を撮像して、撮像画像を形成するものである。
【0032】
撮像カメラ50は、フレーム固定ユニット7で保持されたフレーム16を含むチップユニット17のウェーハ10の突き上げユニット40の突き上げ部42により突き上げられるチップ14及びこのチップ14の周囲を撮像する撮像素子(即ち、画素)を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像カメラ50は、フレーム固定ユニット7で保持されたフレーム16を含むチップユニット17のウェーハ10の突き上げユニット40の突き上げ部42により突き上げられるチップ14及びこのチップ14の周囲を撮影して、ウェーハ10の突き上げユニット40により突き上げられるピックアップすべきチップ14と突き上げユニット40との位置合わせを行なうため等の撮像画像を取得し、取得した撮像画像を制御ユニット400に出力する。
【0033】
(ピックアップ機構)
ピックアップ機構60は、複数のチップ14に分割されテープ15で支持されたウェーハ10から突き上げユニット40により突き上げられたチップ14をピックアップするものである。ピックアップ機構60は、保持具移動ユニット70によりY軸方向とZ軸方向とに移動される移動基台61と、移動基台61から保持具移動ユニット70から離れる方向にX軸方向に延在したアーム62と、アーム62の先端に回動部64を介して接続されかつチップ14を保持する保持具63とを備える。
【0034】
保持具63は、X軸移動機構31により一対の仮置きレール6から離れる位置に位置付けられたフレーム固定ユニット7で固定されたチップユニット17を挟んで突き上げユニット40の突き上げ部42に対面する下面65を有している。下面65の平面形状は、チップ14の同等の大きさの四角形に形成されている。下面65には、吸引路及び開閉弁を介してエジェクタ等でなる吸引源に接続した吸引溝が形成されている。
【0035】
保持具63は、下面65に突き上げ部42で突き上げられたチップ14を接触させた状態で、吸引溝が吸引源により吸引されて、
図5に示すように、チップ14を下面65に吸引保持する。保持具63は、下面65に突き上げユニット40の突き上げ部42で突き上げられたチップ14を吸引保持し、保持具移動ユニット70により上昇されることで、下面65に吸引保持したチップ14をテープ15からピックアップする。
【0036】
また、実施形態1では、試験装置1は、突き上げユニット40の上面側にテープ15からピックアップすべき際にチップ14にかかる荷重を測定する測定手段であるロードセルを備えても良い。ロードセルは、測定結果を制御ユニット400に出力する。なお、本発明では、測定手段であるロードセルをピックアップ機構60の保持具63の下面65側に設けても良い。
【0037】
回動部64は、保持具63をZ軸方向と平行な軸心66回りに回転するものである。回動部64は、回動アーム67と、回動機構68とを備える。回動アーム67は、下端に保持具63を取り付けている。回動アーム67は、アーム62の先端にZ軸方向と平行な軸心66回りに設けられている。回動機構68は、保持具63を回動アーム67とともに軸心回りに回転する。なお、回動機構68は、アーム62等に取り付けられたモータなどにより構成されても良い。
【0038】
(保持具移動ユニット)
保持具移動ユニット70は、保持具63をZ軸方向とY軸方向とに沿って移動させるものである。保持具移動ユニット70は、チップ14をテープ15からピックアップするピックアップ位置と、撮像装置100の側面撮像カメラ121で保持具63に保持したチップ14の側面11-3が撮像される撮像位置と、強度測定ユニット200の支持ユニット210の一対の支持部211(
図13に示す)上にチップ14が載置して、チップ14が強度測定ユニット200により抗折強度が測定される測定位置との間で、保持具63を移動させる。保持具移動ユニット70は、保持具63をピックアップ位置と測定位置との間で移動することで、保持具63でピックアップされたチップ14を強度測定ユニット200の支持ユニット210に搬送する。
【0039】
保持具移動ユニット70は、
図2に示すように、装置本体2上に設けられかつ移動テーブル73をY軸方向に移動する第2Y軸移動機構71と、第2Y軸移動機構71によりY軸方向に移動される移動テーブル73上に設けられかつ移動基台61即ちピックアップ機構60をZ軸方向に移動するZ軸移動機構72とを備える。
【0040】
第2Y軸移動機構71は、突き上げユニット40のテープ保持部41の上面と保持具63の下面65がZ軸方向に対面するピックアップ位置から移動テーブル73即ちピックアップ機構60をY軸方向に沿って強度測定ユニット200に向かって移動する。各移動機構71,72は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ74,75、ボールねじ74,75を軸心回りに回転させる周知のモータ76,77及び移動テーブル73又はピックアップ機構60をY軸方向又はZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレール78,79を備える。
【0041】
(撮像装置)
撮像装置100は、チップ14の表面11-1、裏面11-2及び側面11-3を撮像して観察するものである。即ち、撮像装置100は、保持具63により撮像位置に位置付けられたチップ14の側面11-3をカメラである側面撮像カメラ121で撮像するものである。撮像装置100は、
図1及び
図2に示すように、装置本体2上の突き上げユニット40のY軸方向の隣に配置された下方撮像ユニット101と、チップ14の上下を反転するチップ反転機構110と、カメラユニットである側方撮像ユニット120と、前述した保持具63と、回動部64と、制御ユニット400とを備える。
【0042】
下方撮像ユニット101は、ピックアップ機構60の保持具63に保持されたチップ14を下方から撮像する下方撮像カメラ102を備える。下方撮像カメラ102は、保持具63の移動経路と重なる位置に配置されている。下方撮像ユニット101は、下方撮像カメラ102がチップ14を下方から撮像し、撮像して得た画像を制御ユニット400に出力する。
【0043】
チップ反転機構110は、チップ14の表面11-1及び裏面11-2の上下を反転するもの、即ち、チップ14を裏返すものである。チップ反転機構110は、下方撮像ユニット101とY軸方向に並びかつ下方撮像ユニット101よりも突き上げユニット40から離れた位置に配置されている。チップ反転機構110は、チップ14を支持する柱状のチップ支持台111と、反転機構112とを備える。
【0044】
チップ支持台111は、装置本体2から上方に向かって延びており、下方撮像カメラ102とY軸方向に並ぶ位置(即ち、保持具63の移動経路と重なる位置)に配置されている。チップ支持台111は、上面が水平方向と平行に平坦に形成され、上面上にピックアップ機構60の保持具63により搬送されたチップ14を支持する。また、チップ支持台111は、図示しない回転駆動源と接続されており、回転駆動源によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転する。
【0045】
反転機構112は、チップ支持台111の上方に配置されている。反転機構112は、先端部でチップ14を保持した状態で、X軸方向と平行な軸心回りに基底部113を180°回転可能に構成されている。
【0046】
チップ反転機構110は、チップ14の上下に反転する際、ピックアップ機構60の保持具63により搬送されたチップ14をチップ支持台111の上面に支持し、チップ14を支持したチップ支持台111の上面に対して、
図1及び
図2中に実線で示す位置から基底部151を180°回転させて、
図1及び
図2中に点線で示す位置に位置付ける。チップ反転機構110は、先端部にチップ14を吸引保持し、基底部113を180°回転して、チップ14の上下を反転する。
【0047】
チップ反転機構110により反転されたチップ14は、ピックアップ機構60の保持具63により吸引保持されて、チップ反転機構110の先端部の吸引保持が停止される。このように、チップ反転機構110は、チップ14の上下を反転する。
【0048】
なお、試験装置1は、保持具63の移動経路と重なる位置にチップ支持台111を設けているため、保持具63によってチップ14をチップ支持台111の上面に配置できる。
【0049】
側方撮像ユニット120は、チップ14を側方から即ちチップ14の側面11-3を撮像するものである。側方撮像ユニット120は、下方撮像ユニット101のY軸方向の隣に配置され、実施形態1では、下方撮像ユニット101とチップ反転機構110との間に配置されている。
【0050】
側方撮像ユニット120は、
図5に示すように、チップ14の側面11-3を撮像するカメラである側面撮像カメラ121と、フォーカス機構であるカメラ移動機構122と、カメラ位置検出機構123とを有する。
【0051】
側面撮像カメラ121は、ピックアップ機構60の保持具63に吸引保持されたチップ14の側面11-3を撮影可能な位置に配置され、実施形態1では、ピックアップ機構60の保持具63に吸引保持されたチップ14の側面11-3とX軸方向に対面する位置に配置されている。側面撮像カメラ121は、チップ14の側面11-3を撮像する撮像素子と、撮像素子に光を導く少なくとも1以上の光学部品で構成された光学系124とを有する。なお、
図5は、光学系124のチップ14の側面11-3に対面する対物レンズ125のみ示し、他を省略している。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。光学系124の対物レンズ125の光軸126(側面撮像カメラ121の光軸に相当する)は、X軸方向と平行である。
【0052】
カメラ移動機構122は、側面撮像カメラ121の焦点の保持具63に吸引保持されたチップ14の側面11-3からの距離を調整するものである。実施形態1では、カメラ移動機構122は、側面撮像カメラ121自体をX軸方向に移動させて、側面撮像カメラ121の焦点のチップ14の側面11-3からの距離を調整する。なお、本発明では、フォーカス機構は、カメラ移動機構122のように側面撮像カメラ121自体の保持具63に吸引保持されたチップ14の側面11-3からのX軸方向の距離を調整するものに限定されずに、側面撮像カメラ121の光学系124を構成する光学部品同士の間隔を調整して、側面撮像カメラ121の焦点の保持具63に吸引保持されたチップ14の側面11-3からの距離を調整するものでも良い。
【0053】
カメラ位置検出機構123は、側面撮像カメラ121のX軸方向の位置を検出するものである。カメラ位置検出機構123は、検出した側面撮像カメラ121のX軸方向の位置を制御ユニット400に出力する。
【0054】
側面撮像カメラ121は、カメラ移動機構122によりX軸方向の位置が調整されて、ピックアップ機構60の保持具63に吸引保持されたチップ14の側面11-3に焦点を合わせて、側面11-3を撮像し、撮像して得た撮像画像500(
図12に一例を示す)を制御ユニット400に出力する。なお、焦点が合うとは、対物レンズ125等の光学系124を通った光が撮像素子の一点に集まった状態(光が撮像素子の許容範囲内に集まること)である。
【0055】
側方撮像ユニット120は、ピックアップ機構60の保持具63に吸引保持されたチップ14の一つの側面11-3を側面撮像カメラ121によって撮像する。その後、回動部64により保持具63を軸心66回りに回転させた後、側面撮像カメラ121によってチップ14の他の側面11-3を撮像する。このようにして、側方撮像ユニット120は、側面撮像カメラ121によってチップ14の全ての側面(例えば、チップ14の4辺の側面11-3)が撮像し、チップ14の厚さや、チップ14に形成された欠け501(以下、チッピングといい、
図12に示す)の大きさ等を含んだ撮像画像500を得て、得た撮像画像500を制御ユニット400に出力する。また、側方撮像ユニット120は、回動部64により保持具63の軸心66回りの向きを調整することにより、チップ14が強度測定ユニット200に配置される際における、チップ14の水平方向の向き(角度)を調整できる。
【0056】
実施形態1において、側方撮像ユニット120は、ピックアップ機構60の保持具63に吸引保持されたチップ14の側面11-3を側面撮像カメラ121によって撮像するので、チップ14をチップ支持台111で支持することなくチップ14の側面11-3を観察できるため、チップ14をチップ支持台111上に配置することによってチップ14の裏面11-2等が傷つくことを防止できる。
【0057】
上記の下方撮像ユニット101及び側方撮像ユニット120により、撮像装置100は、保持具63にピックアップされたチップ14の表面11-1、裏面11-2及び側面11-3を撮像する。なお、本発明では、チップ14の側面11-3を撮像する側面撮像カメラ121は、チップ支持台111の上面に支持されたチップ14の側面11-3を撮像可能な位置に設けられて、チップ支持台111の上面に支持されたチップ14の側面11-3を撮像しても良い。
【0058】
(強度測定ユニット)
強度測定ユニット200は、ピックアップ機構60でピックアップされたチップ14の抗折強度を測定する測定ユニットである。強度測定ユニット200は、撮像装置100とY軸方向の隣に配置され、実施形態1では、チップ反転機構110よりも突き上げユニット40から離れた側に配置されている。また、実施形態1では、強度測定ユニット200は、保持具63の移動経路と重なる位置に配置されている。
【0059】
強度測定ユニット200は、支持ユニット210と、押圧ユニット220とを備える。支持ユニット210は、ピックアップ機構60の保持具63によりピックアップされかつ撮像装置100により表面11-1、裏面11-2及び側面11-3が撮像されたチップ14を支持するものである。支持ユニット210は、保持具63の移動経路と重なる位置に配置されている。このために、保持具移動ユニット70は、保持具63を突き上げユニット40にZ軸方向に対向する位置から支持ユニット210とZ軸方向に対向する位置に移動する。
【0060】
支持ユニット210は、所定間隔を有して配設され、チップ14の裏面11-2を支持する一対の支持部211(
図13に示す)を備える。一対の支持部211は、X軸方向に互いに所定間隔をあけて配設されている。
【0061】
押圧ユニット220は、支持ユニット210に支持されたチップ14を圧子221で押圧し、チップ14の押圧時に押圧ユニット220にかかる荷重を測定するとともに、支持ユニット210に支持されたチップ14を押圧して破壊するものである。押圧ユニット220は、支持ユニット210の上方に設けられている。
【0062】
押圧ユニット220は、
図1及び
図2に示すように、圧子221と、圧子移動ユニット222と、荷重測定器223とを備える。
【0063】
圧子221は、支持ユニット210よりも上方で、且つ、チップ14の裏面11-2を支持する一対の支持部の間の上方に配置されている。圧子移動ユニット222は、一対の支持部で支持されたチップ14に対して圧子221をZ軸方向に沿って相対的に近接移動させるものである。圧子移動ユニット222は、圧子221を下端に支持して、圧子221を支持ユニット210の一対の支持部211の間とZ軸方向に沿って対向させて、圧子221をZ軸方向に沿って昇降移動させる。
【0064】
荷重測定器223は、圧子221が支持部211で支持されたチップ14を押圧する荷重を測定するものである。実施形態1では、荷重測定器223は、圧子移動ユニット222によって圧子221とともにZ軸方向に沿って昇降移動される。荷重測定器223は、周知のロードセル等により構成され、圧子221が一対の支持部211で支持されたチップ14を押圧する荷重を測定し、測定結果を制御ユニット400に出力する。
【0065】
強度測定ユニット200は、チップ14の抗折強度を測定する際は、一対の支持部211上に保持具63等によりチップ14が載置される。このとき、チップ14は、両端部が一対の支持部211によって支持され、中央が一対の支持部211間と重なる。
【0066】
強度測定ユニット200は、圧子221を圧子移動ユニット222により降下させて、圧子221でチップ14を押圧し、チップ14を押圧する圧子221にかかる荷重(Z軸方向の力)を荷重測定器223によって測定し、測定結果を適宜制御ユニット400に出力しながら圧子221でチップ14を破壊する。強度測定ユニット200は、チップ14の一対の支持部及び圧子221を用いた3点曲げ試験を行い、この3点曲げ試験により、チップ14の曲げ強度(抗折強度)を測定し、測定結果を制御ユニット400に出力する。
【0067】
(制御ユニット)
制御ユニット400は、撮像装置100の上述した各構成要素をそれぞれ制御して、チップ14の表面11-1、裏面11-2及び側面11-3を撮像する撮像動作を試験装置1に実施させるものである。また、制御ユニット400は、試験装置1の上述した各構成要素をそれぞれ制御して、チップ14の抗折強度を測定するなどの各チップ14に対する測定動作を試験装置1に実施させるものでもある。
【0068】
制御ユニット400は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット400の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、試験装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して試験装置1の上述した各ユニットに出力する。
【0069】
また、制御ユニット400は、測定動作の状態や画像などを表示する表示画面301を有する表示手段である表示ユニット300(
図1に示す)と、オペレータが試験装置1の制御ユニット400に情報などを入力する際に用いる入力手段であるタッチパネル302(
図1に示す)とが接続されている。表示ユニット300は、液晶表示装置などにより構成される。タッチパネル302は、表示ユニット300の表示画面301に重ねられる。
【0070】
また、制御ユニット400は、
図1及び
図2に示すように、検出部401と、調整部402と、画像形成部403と、チッピング検出部404と、測定結果記憶部405とを備える。
【0071】
検出部401は、カメラ移動機構122を制御して、側面撮像カメラ121の焦点のチップ14の側面11-3からの距離を調整して、保持具63で保持されたチップ14の側面11-3の一端19-1(
図8などに示す)に側面撮像カメラ121の焦点があった第1フォーカス位置と、保持具63で保持されたチップ14の側面11-3の他端19-2(
図9等に示す)に側面撮像カメラ121の焦点があった第2フォーカス位置と、を検出するものである。なお、実施形態1において、第1フォーカス位置及び第2フォーカス位置とは、一端19-1又は他端19-2に側面撮像カメラ121の焦点があった際の側面撮像カメラ121のX軸方向の位置である。
【0072】
検出部401は、保持具移動ユニット70の第2Y軸移動機構71を制御して、保持具63に吸引保持したチップ14の側面11-3の一端19-1と側面撮像カメラ121とをX軸方向に対面させる。検出部401は、カメラ移動機構122を制御して、側面撮像カメラ121をX軸方向に移動させて、保持具63で保持されたチップ14の側面11-3の一端19-1に側面撮像カメラ121の焦点を合わせる。検出部401は、保持具63で保持されたチップ14の側面11-3の一端19-1に焦点があった時のカメラ位置検出機構123の検出結果即ち側面撮像カメラ121のX軸方向の位置を取得し、第1フォーカス位置である保持具63で保持されたチップ14の側面11-3の一端19-1に焦点があった時の側面撮像カメラ121のX軸方向の位置を検出する。
【0073】
また、検出部401は、保持具移動ユニット70の第2Y軸移動機構71を制御して、保持具63に吸引保持したチップ14の側面11-3の他端19-2と側面撮像カメラ121とをX軸方向に対面させる。検出部401は、カメラ移動機構122を制御して、側面撮像カメラ121をX軸方向に移動させて、保持具63で保持されたチップ14の側面11-3の他端19-2に側面撮像カメラ121の焦点を合わせる。検出部401は、保持具63で保持されたチップ14の側面11-3の他端19-2に焦点があった時のカメラ位置検出機構123の検出結果即ち側面撮像カメラ121のX軸方向の位置を取得し、第2フォーカス位置である保持具63で保持されたチップ14の側面11-3の他端19-2に焦点があった時の側面撮像カメラ121のX軸方向の位置を検出する。
【0074】
調整部402は、回動部64を制御して、検出部401が検出した第1フォーカス位置と第2フォーカス位置とをもとに、側方撮像ユニット120の側面撮像カメラ121の光軸126に対して側面11-3が直交するよう保持具63に保持されたチップ14の軸心66回りの向きを調整するものである。調整部402は、第1フォーカス位置と第2フォーカス位置との間のX軸方向の距離、即ち保持具63で保持されたチップ14の側面11-3の一端19-1に焦点があった時の側面撮像カメラ121のX軸方向の位置と、保持具63で保持されたチップ14の側面11-3の一端19-1に焦点があった時の側面撮像カメラ121のX軸方向の位置との間のX軸方向の距離を検出する。
【0075】
調整部402は、第1フォーカス位置と第2フォーカス位置との間のX軸方向の距離と、焦点があった時のチップ14の一端19-1と他端19-2とのY軸方向の距離等に基づいて、第1フォーカス位置と第2フォーカス位置との間のX軸方向の距離が零となる軸心66回りの保持具63即ちチップ14の回転方向と回転角度を算出する。調整部402は、回動部64の回動機構68を制御して、算出した回転方向に回転角度、保持具63即ちチップ14を軸心66回りに回転する。
【0076】
画像形成部403は、調整部402が側面撮像カメラ121の光軸126に対して側面11-3が直交するよう保持具63に保持されたチップ14の軸心66回りの向きを調整した後、側方撮像ユニット120を制御して、側面11-3に側面撮像カメラ121の焦点があった状態で側面撮像カメラ121で保持具63に吸引保持されたチップ14の側面11-3を撮像させて、撮像画像500を形成するものである。画像形成部403は、調整部402が側面撮像カメラ121の光軸126に対して側面11-3が直交するよう保持具63に保持されたチップ14の軸心66回りの向きを調整した後、保持具移動ユニット70の第2Y軸移動機構71を制御して、保持具63に吸引保持したチップ14の側面11-3の一端19-1と他端19-2との間の中心19-3(
図11に示す)と側面撮像カメラ121とをX軸方向に対面させる。
【0077】
画像形成部403は、カメラ移動機構122を制御して、側面撮像カメラ121をX軸方向に移動させて、保持具63で保持されたチップ14側面11-3の中心19-3に側面撮像カメラ121の焦点を合わせる。画像形成部403は、側面撮像カメラ121に保持具63が吸引保持したチップ14の側面11-3を撮像させて、撮像画像500を取得する。
【0078】
チッピング検出部404は、画像形成部403が形成した撮像画像500からチッピング501に関する情報を検出するものである。実施形態1において、チッピング検出部404は、チップ14の各側面11-3を側面撮像カメラ121が撮像し、画像形成部403が形成した撮像画像500から表面11-1及び裏面11-2側のチッピング501を検出する。実施形態1において、チッピング検出部404は、チッピング501に関する情報として、各側面11-3の表面11-1及び裏面11-2側の各チッピング501の位置(チップ14の厚み方向と表裏面11-1,11-2と平行な方向との中心)、各チッピング501の撮像画像500における面積、各チッピング501の最大チッピングサイズ502(厚み方向の表面11-1又は裏面11-2からの最大の距離)、チップ14の幅方向の中心19-3に最も近いチッピング501の最大チッピングサイズ502を検出する。
【0079】
測定結果記憶部405は、チッピング検出部404が検出したチッピング501に関する情報と、チッピング検出部404がチッピング501を検出したチップ14のウェーハ10における位置とを対応付けて記憶するものである。実施形態1において、測定結果記憶部405は、チッピング検出部404が検出した各側面11-3の表面11-1及び裏面11-2側の各チッピング501の位置(チップ14の厚み方向と表裏面11-1,11-2と平行な方向との中心)、各チッピング501の撮像画像500における面積、各チッピング501の最大チッピングサイズ502(厚み方向の表面11-1又は裏面11-2からの最大の距離であり、チッピングサイズに相当する)、チップ14の幅方向の中心19-3に最も近いチッピング501の最大チッピングサイズ502と、強度測定ユニット200が測定した抗折強度と、チッピング検出部404がチッピング501を検出したチップ14のウェーハ10における位置と、各側面11-3の撮像画像500とを対応付けて記憶する。
【0080】
なお、検出部401と、調整部402と、画像形成部403と、チッピング検出部404の機能は、それぞれ、演算処理装置が記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施することにより実現される。測定結果記憶部405の機能は、記憶装置により実現される。
【0081】
(撮像方法)
次に、本明細書は、実施形態1に係る撮像方法を図面に基づいて説明する。
図6は、実施形態1に係る撮像方法の流れを示すフローチャートである。撮像方法は、チップユニット17のテープ15に貼着されたチップ14をテープ15からピックアップし、チップユニット17からピックアップしたチップ14に対して試験装置1が測定動作を実施する方法である。即ち、撮像方法は、チップ14の各側面11-3の撮像画像500を形成し、各側面11-3のチッピング501に関する情報を検出し、チップ14の抗折強度を測定する方法である。即ち、実施形態1では、撮像方法は、試験装置1の測定動作である。
【0082】
実施形態1に係る撮像方法は、オペレータが複数のチップユニット17を収容したカセット4をカセット載置台3に設置し、タッチパネル302を操作して、測定内容情報を制御ユニット400に入力し、制御ユニット400がオペレータの測定開始指示を受け付けると、試験装置1により実施される。なお、測定内容情報は、各チップユニット17の測定対象の各チップ14の位置を含む。
【0083】
実施形態1では、試験装置1は、各チップユニット17から測定対象のチップ14を一つずつ順にピックアップする。なお、本明細書では、撮像方法の実施中に、チップ14をピックアップする度に、オペレータがタッチパネル等を操作して、テープ15からピックアップするチップ14を選定しても良い。撮像方法は、
図6に示すように、保持ステップ1001と、第1フォーカスステップ1002と、第2フォーカスステップ1003と、調整ステップ1004と、撮像ステップ1005と、検出ステップ1006と、チップ破壊ステップ1007とを備える。
【0084】
(保持ステップ)
図7は、
図6に示された撮像方法の保持ステップを模式的に示す側面図である。保持ステップ1001は、撮像する側面11-3が露出するようチップ14を保持具63で保持するステップである。
【0085】
保持ステップ1001では、制御ユニット400は、搬出入ユニット5を制御して試験前のウェーハ10を含むチップユニット17をカセット4から搬出させて一対の仮置きレール6上に仮置きさせ、搬出入ユニット5を制御して、仮置きレール6上に仮置きされたチップユニット17のフレーム16をフレーム固定ユニット7の降下したフレーム支持部材22上に載置させる。保持ステップ1001では、制御ユニット400は、フレーム固定ユニット7を制御して、フレーム支持部材22を上昇させて、フレーム押さえ部材23とフレーム支持部材22との間にフレーム16即ちテープ15のピックアップすべきチップ14の周囲を挟み込んで、チップユニット17をフレーム固定ユニット7で固定する。
【0086】
保持ステップ1001では、制御ユニット400は、測定内容情報に基づいて移動機構30を制御してフレーム固定ユニット7を移動し、フレーム固定ユニット7で保持されたチップユニット17の次にピックアップすべきチップ14(以下、符号14-1で示す)を突き上げユニット40の上方でかつ撮像カメラ50の下方に位置付ける。
【0087】
保持ステップ1001では、制御ユニット400は、撮像カメラ50にフレーム固定ユニット7に固定されたチップユニット17のウェーハ10のチップ14-1及びチップ14-1の周囲を撮像させて、画像を取得する。保持ステップ1001では、制御ユニット400は、移動機構30を制御しフレーム固定ユニット7の位置を調整するとともに、保持具移動ユニット70を制御し保持具63を移動して、ウェーハ10のチップ14-1、突き上げユニット40及び保持具63の位置合わせを遂行する。なお、実施形態1において、位置合わせでは、チップ14-1の外縁間の中央と突き上げ部42とを鉛直方向に沿って対面させ、チップ14-1の外縁と保持具63の下面65の外縁とを鉛直方向に沿って対面させる。
【0088】
保持ステップ1001では、制御ユニット400は、突き上げユニット40を制御して、突き上げ部42を下降させた状態で、突き上げユニット40全体を上昇させて、突き上げユニット40のテープ保持部41の上面48及び突き上げ部42の上面をテープ15に接触させ、突き上げユニット40のテープ保持部41の上面48にテープ15を吸引保持するとともに、突き上げユニット40の突き上げ部42でテープ15を介してピックアップすべきチップ14-1を支持する。
【0089】
保持ステップ1001では、制御ユニット400が保持具移動ユニット70を制御し、保持具63を下降して、保持具63の下面65をチップ14-1に当接させて、保持具63と突き上げユニット40とでピックアップすべきチップ14-1を挟持する。保持ステップ1001では、制御ユニット400は、突き上げユニット40を制御して突き上げ部を上昇させるとともに、保持具移動ユニット70を制御して保持具63を上昇させて、チップ14-1の外周縁からテープ15を剥離する。
【0090】
保持ステップ1001では、制御ユニット400は、保持具63の下面65にチップ14-1を吸引保持し、保持具移動ユニット70を制御して、保持具63を上昇して、保持具63の下面65に吸引保持したチップ14-1をテープ15からピックアップして、テープ15上から搬出するとともに、テープ保持部41の上面のテープ15の吸引を停止する。保持ステップ1001では、制御ユニット400は、保持具移動ユニット70を制御して保持具63を適宜移動させ、
図7に示すように、測定内容情報で定められた側面11-3を撮像装置100の側面撮像カメラ121とX軸方向に対面する位置に保持具63を位置付ける。
【0091】
(第1フォーカスステップ)
図8は、
図6に示された撮像方法の第1フォーカスステップを模式的に示すチップと側面撮像カメラの平面図である。第1フォーカスステップ1002は、保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3に対面した側面撮像カメラ121で、側面11-3の一端19-1側で側面11-3に側面撮像カメラ121をオートフォーカスさせて一端19-1側の側面11-3に焦点が合った第1フォーカス位置を検出するステップである。
【0092】
第1フォーカスステップ1002では、制御ユニット400の検出部401が、保持具移動ユニット70の第2Y軸移動機構71を制御して、保持具63に吸引保持したチップ14-1の側面11-3の一端19-1と側面撮像カメラ121とをX軸方向に対面させる。制御ユニット400の検出部401が、カメラ移動機構122を制御して、側面撮像カメラ121をX軸方向に移動させて、
図8に示すように、保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3の一端19-1に側面撮像カメラ121の焦点を合わせる。制御ユニット400の検出部401は、カメラ位置検出機構123の検出結果に基づいて、保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3の一端19-1に焦点があった時のカメラ位置検出機構123の検出結果即ち側面撮像カメラ121のX軸方向の位置を取得し、第1フォーカス位置である保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3の一端19-1に焦点があった時の側面撮像カメラ121のX軸方向の位置を検出する。
【0093】
(第2フォーカスステップ)
図9は、
図6に示された撮像方法の第2フォーカスステップを模式的に示すチップと側面撮像カメラの平面図である。第2フォーカスステップ1003は、保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3の他端19-2側で側面11-3に側面撮像カメラ121をオートフォーカスさせて他端19-2側の側面11-3に焦点が合った第2フォーカス位置を検出するステップである。
【0094】
第2フォーカスステップ1003では、制御ユニット400の検出部401が、保持具移動ユニット70の第2Y軸移動機構71を制御して、保持具63に吸引保持したチップ14-1の側面11-3の他端19-2と側面撮像カメラ121とをX軸方向に対面させる。制御ユニット400の検出部401が、カメラ移動機構122を制御して、側面撮像カメラ121をX軸方向に移動させて、保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3の他端19-2に側面撮像カメラ121の焦点を合わせる。制御ユニット400の検出部401が、カメラ位置検出機構123の検出結果に基づいて、保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3の他端19-2に焦点があった時のカメラ位置検出機構123の検出結果即ち側面撮像カメラ121のX軸方向の位置を取得し、第2フォーカス位置である保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3の他端19-2に焦点があった時の側面撮像カメラ121のX軸方向の位置を検出する。
【0095】
(調整ステップ)
図10は、
図6に示された撮像方法の調整ステップを模式的に示すチップと側面撮像カメラの平面図である。調整ステップ1004は、第1フォーカス位置と第2フォーカス位置とをもとに、側面撮像カメラ121の光軸126に対して側面11-3が直交するようチップ14-1の向きを調整するステップである。
【0096】
調整ステップ1004では、制御ユニット400の調整部402が、第1フォーカス位置と第2フォーカス位置との間のX軸方向の距離、即ち保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3の一端19-1に焦点があった時の側面撮像カメラ121のX軸方向の位置と、保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3の一端19-1に焦点があった時の側面撮像カメラ121のX軸方向の位置との間のX軸方向の距離を検出する。
【0097】
調整ステップ1004では、制御ユニット400の調整部402が、第1フォーカス位置と第2フォーカス位置との間のX軸方向の距離と、焦点があった時のチップ14-1の一端19-1と他端19-2とのY軸方向の距離等に基づいて、第1フォーカス位置と第2フォーカス位置との間のX軸方向の距離が零となる軸心66回りの保持具63即ちチップ14-1の回転方向と回転角度を算出する。制御ユニット400の調整部402が、回動部64の回動機構68を制御して、算出した回転方向に回転角度、保持具63即ちチップ14-1を軸心66回りに回転して、
図10に示すように、側面撮像カメラ121の光軸126に対して側面11-3が直交する向きに、チップ14-1の向きを調整する。
【0098】
(撮像ステップ)
図11は、
図6に示された撮像方法の撮像ステップを模式的に示すチップと側面撮像カメラの平面図である。
図12は、
図6に示された撮像方法の撮像ステップで形成した撮像画像の一例を模式的に示す図である。撮像ステップ1005は、調整ステップ1004を実施した後、側面11-3に側面撮像カメラ121の焦点が合った状態で、側面撮像カメラ121で側面11-3を撮像し撮像画像500を形成するステップである。
【0099】
撮像ステップ1005では、制御ユニット400の画像形成部403が、保持具移動ユニット70の第2Y軸移動機構71を制御して、保持具63に吸引保持したチップ14-1の側面11-3の一端19-1と他端19-2との間の中心19-3(
図11に示す)と側面撮像カメラ121とをX軸方向に対面させる。撮像ステップ1005では、制御ユニット400の画像形成部403は、カメラ移動機構122を制御して、側面撮像カメラ121をX軸方向に移動させて、保持具63で保持されたチップ14-1の側面11-3の中心19-3に側面撮像カメラ121の焦点を合わせる。制御ユニット400の画像形成部403は、側面撮像カメラ121に保持具63が吸引保持したチップ14-1の側面11-3を撮像させて、撮像画像500を取得する。こうして、撮像装置100は、撮像ステップ1005では、チップ14-1の中心19-3を含む中央部を撮像する。
【0100】
なお、実施形態1に係る撮像方法は、制御ユニット400が、各側面11-3を撮像する度に、第1フォーカスステップ1002、第2フォーカスステップ1003、調整ステップ1004及び撮像ステップ1005を繰り返して、各側面11-3の撮像画像500を取得する。
【0101】
(検出ステップ)
検出ステップ1006は、撮像画像500からチップ14-1に形成されたチッピング501に関する情報を検出するステップである。検出ステップでは、制御ユニット400のチップ14-1の各側面11-3を側面撮像カメラ121が撮像し、画像形成部403が形成した
図12に一例を示す撮像画像500から表面11-1及び裏面11-2側のチッピング501を検出する。なお、
図12に示された撮像画像500は、チッピング501を黒地で示し、他を白地で示している。
【0102】
実施形態1において、検出ステップ1006では、制御ユニット400のチッピング検出部404が、チッピング501に関する情報として、各側面11-3の表面11-1及び裏面11-2側の各チッピング501の位置(チップ14-1の厚み方向と表裏面11-1,11-2と平行な方向との中心)、各チッピング501の撮像画像500における面積、各チッピング501の最大チッピングサイズ502(厚み方向の表面11-1又は裏面11-2からの最大の距離)、チップ14-1の幅方向の中心19-3に最も近いチッピング501の最大チッピングサイズ502を検出する。
【0103】
(チップ破壊ステップ)
図13は、
図6に示された撮像方法のチップ破壊ステップの強度測定ユニットの支持ユニットの一対の支持部上にチップの裏面を載置した状態を模式的に示す側面図である。
図14は、
図6に示された撮像方法のチップ破壊ステップの強度測定ユニットの支持ユニットの一対の支持部上のチップを破壊した状態を模式的に示す側面図である。
【0104】
チップ破壊ステップ1007は、検出ステップ1006を実施した後、チップ14-1の下面である裏面11-2を一対の支持部211で支持した状態で一対の支持部211の中央かつチップ14-1を挟んで一対の支持部211よりも上方に位置づけられた圧子221でチップ14-1の上面である表面11-1からチップ14-1を押圧して破壊するとともにチップ14-1が破壊された際の圧子221にかかる荷重を検出するステップである。
【0105】
チップ破壊ステップ1007では、制御ユニット400は、保持具移動ユニット70を制御して保持具63を測定位置まで移動させて、
図13に示すように、強度測定ユニット200の支持ユニット210の一対の支持部211上にチップ14-1の裏面11-2を載置する。実施形態1において、チップ破壊ステップ1007では、制御ユニット400は、強度測定ユニット200を制御して圧子移動ユニット222により圧子221を降下させて、圧子221の先端をチップ14-1の中心19-3の表面11-1側に接触させ、チップ14-1を圧子221により押圧する。こうして、チップ破壊ステップ1007では、チップ14-1の中心19-3を含む中央部を圧子221が押圧する。また、チップ破壊ステップ1007では、チップ14-1の押圧によって圧子221にかかる荷重(Z軸方向の力)が、荷重測定器223によって測定され、測定結果が適宜制御ユニット400に出力される。
【0106】
チップ破壊ステップ1007では、制御ユニット400は、強度測定ユニット200を制御して、
図14に示すように、圧子221を更に降下させ、チップ14-1を破壊する。チップ14-1が破壊されると、荷重測定器223によって測定される荷重が最大値からゼロになる。そのため、強度測定ユニット200は、荷重測定器223によって測定された荷重の値の変化からチップ14-1が破壊されたタイミングを検出できる。また、荷重測定器223によって測定された荷重の最大値が、チップ14-1の抗折強度に対応する。
【0107】
なお、本発明では、チップ破壊ステップ1007において、制御ユニット400は、測定された荷重の最大値と支持部211のチップ14-1に接触する支点211-1間の距離、チップ14-1の厚み及びチップ14-1の幅(支点間の方向に直交する方向)をもとにσ=3LW/2bh2(L:支点間距離(mm)、W:圧子221の荷重値(N)、b:チップ14-1の幅(mm)、h:チップ14-1の厚み(mm))から抗折強度の値σを算出する。
【0108】
チップ破壊ステップ1007では、制御ユニット400の測定結果記憶部405が、チッピング検出部404が検出した各側面11-3の表面11-1及び裏面11-2側の各チッピング501の位置(チップ14-1の厚み方向と表裏面11-1,11-2と平行な方向との中心)、各チッピング501の撮像画像500における面積、各チッピング501の最大チッピングサイズ502(厚み方向の表面11-1又は裏面11-2からの最大の距離)、チップ14-1の幅方向の中心19-3に最も近いチッピング501の最大チッピングサイズと、強度測定ユニット200が測定した抗折強度と、チッピング検出部404がチッピング501を検出したチップ14-1のウェーハ10における位置と、各側面11-3の撮像画像500とを対応付けて記憶する。
【0109】
試験装置1の制御ユニット400は、カセット4内のチップユニット17から測定内容情報に定められたチップ14-1を全てピックアップすると、測定動作即ち実施形態1に係る撮像方法を終了する。
【0110】
なお、本発明の撮像方法は、制御ユニット400は、第1フォーカスステップ1002、第2フォーカスステップ1003、調整ステップ1004及び撮像ステップ1005を繰り返す前後に、撮像装置100を制御して、表面11-1、裏面11-2を撮像してこれらの画像を取得し、測定結果記憶部405がこれらの画像をチッピングに関する情報等と対応付けて記憶しても良い。
【0111】
以上説明したように、実施形態1に係る撮像方法及び撮像装置100は、チップ14-1の側面11-3が側面撮像カメラ121の光軸126に対して直交する向きにチップ14-1の向きを調整し、側面11-3に側面撮像カメラ121の焦点があった状態で側面撮像カメラ121で側面11-3を撮像するため、撮像画像500の一部が不鮮明となることが防止することができる。その結果、チップ14-1のチッピング501の正確なチッピングサイズの検出を可能とするという効果を奏する。
【0112】
なお、本発明は、上記実施形態等に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。実施形態では、試験装置1は、チップ14-1の抗折強度を測定したが、本発明では、チップ14-1に限らず、種々の試験片の強度を測定しても良い。また、実施形態1では、撮像装置100は、試験装置1の一部分を構成したが、本発明では、これに限定されずに、試験装置1等の他の装置を構成せずに、単体でも良い。また、本発明の撮像方法は、検出ステップ1006及びチップ破壊ステップ1007を必ずしも実施しなくても良い。
【符号の説明】
【0113】
1 試験装置
11-1 表面(上面)
11-2 裏面(下面)
11-3 側面
14,14-1 チップ
19-1 一端
19-2 他端
63 保持具
64 回動部
66 軸心
68 回動機構
100 撮像装置
120 側方撮像ユニット(カメラユニット)
121 側面撮像カメラ(カメラ)
122 カメラ移動機構(フォーカス機構)
126 光軸
211 支持部
221 圧子
400 制御ユニット
401 検出部
402 調整部
403 画像形成部
500 撮像画像
501 チッピング
1001 保持ステップ
1002 第1フォーカスステップ
1003 第2フォーカスステップ
1004 調整ステップ
1005 撮像ステップ
1006 検出ステップ
1007 チップ破壊ステップ