(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】がんの治療のためのEGFR阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20240906BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20240906BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20240906BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20240906BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20240906BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240906BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
C07D487/04 138
A61K31/4439
A61K31/454
A61K31/4709
A61K31/496
A61P35/00
A61P43/00 111
C07D487/04 CSP
(21)【出願番号】P 2021576031
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2020067082
(87)【国際公開番号】W WO2020254565
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-06-15
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514099673
【氏名又は名称】エフ・ホフマン-ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドレンテ, コジモ
(72)【発明者】
【氏名】ゴアグラー, アニック
(72)【発明者】
【氏名】ヘウィングス, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ジェスキー, ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】クーン, ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ナーゲル, イヴォン アリス
(72)【発明者】
【氏名】オブスト ザンダー, ウルリーケ
(72)【発明者】
【氏名】リッチ, アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ルーハー, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー, サンドラ
【審査官】谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/115218(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/220149(WO,A1)
【文献】特許第7411588(JP,B2)
【文献】特表2022-537191(JP,A)
【文献】特表2022-537769(JP,A)
【文献】特表2022-537771(JP,A)
【文献】特表2022-538403(JP,A)
【文献】特表2022-537772(JP,A)
【文献】特表2022-537301(JP,A)
【文献】NATURE,2016年,534(7605),p.129-132
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
A61K 31/4439
A61K 31/454
A61K 31/4709
A61K 31/496
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-(4-クロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-3-クロロフェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(6-(3-クロロ-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(4-クロロ-6-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-7-メトキシ-6-(1-メチル-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-6-イル)インダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-6-[4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-6-[4-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
及び
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-イソプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
から選択される化合物、
又は
その薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
2-(4-クロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-3-クロロフェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(6-(3-クロロ-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(4-クロロ-6-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-7-メトキシ-6-(1-メチル-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-6-イル)インダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-6-[4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-6-[4-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
及び
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-イソプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項
1に記載の化合物
、若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は請求項2に記載の化合物と、治療的に不活性な担体と、を含む、薬学的組成物。
【請求項4】
請求項
1に記載の化合物、
若しくは
その薬学的に許容可能な塩
、又は請求項2に記載の化合物を含む、がんを治療又は予防するための医薬。
【請求項5】
請求項
1に記載の化合物、
若しくは
その薬学的に許容可能な塩
、又は請求項2に記載の化合物を含む、非小細胞肺がんを治療又は予防するための医薬。
【請求項6】
がんを治療又は予防するための医薬を調製するための、請求項
1に記載の化合物
、若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は請求項2に記載の化合物の使用。
【請求項7】
非小細胞肺がんを治療又は予防するための医薬を調製するための、請求項
1に記載の化合物
、若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は請求項2に記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGFR突然変異体を含むT790M/L858R、T790M/L858R/C797S、L858R、L858R/C797Sの選択的アロステリック阻害剤である化合物、それらの製造、それらを含有する薬学的組成物、及び治療的に活性な物質としてのそれらの使用を提供する。
【0002】
本発明は、以下から選択される新規化合物を提供する。
2-(4-クロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-3-クロロフェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(6-(3-クロロ-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(4-クロロ-6-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-7-メトキシ-6-(1-メチル-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-6-イル)インダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-6-[4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-6-[4-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-イソプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
又は薬学的に許容可能な塩。
【背景技術】
【0003】
受容体チロシンキナーゼのHERファミリーは、細胞増殖、分化、及び生存のメディエータである。この受容体ファミリーには、4つの異なるメンバー、すなわち、上皮増殖因子受容体(EGFR、ErbBl、又はHER1)、HER2(ErbB2)、HER3(ErbB3)、及びHER4(ErbB4)が含まれる。リガンドが結合すると、受容体はホモ二量体及びヘテロ二量体を形成し、続く内因性チロシンキナーゼ活性の活性化は、受容体の自己リン酸化及び下流シグナル伝達分子の活性化をもたらす(Yarden,Y.,Sliwkowski,MX.Untangling the ErbB signalling network.Nature Review Mol Cell Biol.2001 Feb;2(2):127-37)。過剰発現又は突然変異によるEGFRの脱調節は、結腸直腸がん、膵臓がん、神経膠腫、頭頸部がん、及び肺がんを含む多くの種類のヒトがん、特に非小細胞肺がん(non-small cell lung cancer:NSCLC)に関係しており、いくつかのEGFR標的化剤が長年にわたって開発されている(Ciardiello,F.,and Tortora,G.(2008).EGFR antagonists in cancer treatment.The New England journal of medicine 358,1160-1174)。EGFRチロシンキナーゼの可逆的阻害剤であるエルロチニブ(タルセバ(登録商標))は、再発NSCLCの治療として数多くの国で承認されている。
【0004】
腫瘍が体細胞キナーゼドメイン変異を有するNSCLC患者のサブセットでは、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の顕著な単剤活性が観察されるが、野生型EGFR患者における臨床的有益性は大幅に低下する(Paez,J.et al.(2004).EGFR mutations in lung cancer:correlation with clinical response to gefitinib therapy.Science(New York,NY 304,1497-1500)。EGFRの最も一般的な体細胞変異は、デルタ746~750が最も一般的な変異であるエクソン19欠失であり、L858Rが最も高頻度の変異であるエクソン21アミノ酸置換である(Sharma SV,Bell DW,Settleman J,Haber DA.Epidermal growth factor receptor mutations in lung cancer.Nat Rev Cancer.2007Mar;7(3):169-81)。
【0005】
治療抵抗性は高頻度で発生し、受容体のATP部位内の二次的T790M変異に起因することが多い。いくつかの開発された変異選択的不可逆性阻害剤はT790M変異体に対して高度に活性であるが、これらの有効性は、鍵となる共有結合をこれらが形成するシステイン残基であるC797Sの後天性変異によって損なわれる可能性がある(Thress,K.S.et al.Acquired EGFR C797S mutation mediates resistance to AZD9291 in non-small cell lung cancer harboring EGFR T790M.Nat.Med.21,560-562(2015))。C797S変異は、T790M標的化EGFR阻害剤に対する耐性の主要な機構であることがWangによって更に報告された(Wang et al.EGFR C797S mutation mediates resistance to third-generation inhibitors in T790M-positive non-small cell lung cancer,J Hematol Oncol.2016;9:59)。オシメルチニブに対する耐性を引き起こす更なる変異、例えばL718QがYangによって記載されている(Yang et al,Investigating Novel Resistance Mechanisms to Third-Generation EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Osimertinib in Non-Small Cell Lung Cancer Patients,Clinical Cancer Research,DOI:10.1158/1078-0432.CCR-17-2310)。Lu et al.(Targeting EGFRL858R/T790M and EGFRL858R/T790M/C797S resistance mutations in NSCLC:Current developments in medicinal chemistry,Med Res Rev 2018;1-32)は、NSCLC治療におけるEGFRL858R/T790M及びEGFRL858R/T790M/C797S耐性変異の標的化について総説論文で報告している。
【0006】
最も利用可能なEGFRチロシンキナーゼ阻害剤はキナーゼのATP部位を標的とするので、例えば薬剤耐性EGFR変異体を標的とすることによる、異なる働きをする新たな治療剤が必要である。
【0007】
最近の研究は、アロステリック部位を意図的に標的化することが変異体選択的阻害剤をもたらし得ることを示唆しているJia et al.Overcoming EGFR(T790M)and EGFR(C797S)resistance with mutant-selective allosteric inhibitoRS,June 2016,Nature 534,129-132)。
【0008】
がんの治療及び/又は予防治療に有用なEGFR変異体を含有するT790M/L858R、T790M/L858R/C797S、L858R、L858R/C797S、特にEGFR突然変異体を含有するT790M及びC797Sを特異的に阻害する選択的分子の生成が、まさに必要とされている。
【0009】
国際公開第2009158369号には、ある特定の複素環式抗菌剤が記載されている。国際公開第2016183534号には、EBNA1阻害剤として好適なある特定の複素環式化合物が記載されている。国際公開第2011128279号には、mGluR5修飾物質として好適なある特定の複素環式化合物が記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
「薬学的に許容可能な」という用語は、生物学的に又は別様に望ましくないものではない、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持する塩を指す。塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、特に塩酸、並びに有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステイン等と共に形成される。また、これらの塩は、遊離酸に無機塩基や有機塩基を添加して調製してもよい。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム及びマグネシウム塩等が含まれるがこれらに限定されない。有機塩基に由来する塩には、第一級、第二級及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリイミン樹脂等の塩が含まれるがこれらに限定されない。本発明の化合物の特に薬学的に許容可能な塩としては、塩酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩等が挙げられる。
【0011】
略語のuMはマイクロモルを意味し、記号μMに相当する。
【0012】
略語のuLはマイクロリットルを意味し、記号μLに相当する。
【0013】
略語ugはマイクログラムを意味し、記号μgに相当する。
【0014】
本発明の化合物は、数個の不斉中心を含むことができ、光学的に純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体等のエナンチオマーの混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセミ体又はジアステレオ異性体ラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0015】
Cahn-Ingold-Prelog則によれば、不斉炭素原子は、「R」又は「S」立体配置のものであり得る。
【0016】
また、本発明の一実施形態は、本明細書に記載の化合物及びその薬学的に許容可能な塩、より具体的には本明細書に記載の化合物である。
【0017】
別の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、
2-(4-クロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-3-クロロフェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(6-(3-クロロ-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド;
2-(4-クロロ-6-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-7-メトキシ-6-(1-メチル-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-6-イル)インダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-6-[4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-[4-クロロ-6-[4-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-イソプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド。
【0018】
本明細書に記載の化合物を製造するためのプロセスも本発明の対象である。
【0019】
酸を伴う対応する薬学的に許容可能な塩は、当業者に公知の標準的方法、例えば、本発明の化合物を、例えばジオキサン又はテトラヒドロフラン等の好適な溶媒中に溶解し、適切な量の対応する酸を加えることによって得ることができる。生成物は通常、濾過又はクロマトグラフィーによって単離できる。本発明の化合物を薬学的に許容可能な塩へと塩基によって変換することは、そのような化合物をそのような塩基で処理することによって行うことができる。そのような塩を形成する1つの可能な方法は、例えば、1/n当量の例えばM(OH)nといった塩基性塩(M=金属又はアンモニウムカチオン、及びn=ヒドロキシドアニオン数)を適当な溶媒(例えば、エタノール、エタノール-水混合物、テトラヒドロフラン-水混合物)中の化合物の溶液に加え、蒸発又は凍結乾燥によって溶媒を除去することによる方法である。特定の塩は、塩酸塩、蟻酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩である。
【0020】
それらの調製が実施例に記載されていない限り、本発明の化合物及び全ての中間体生成物は、類似の方法又は本明細書に記載の方法に従って調製することができる。出発物質は市販されており、当技術分野で公知であるか、又は当技術分野で公知の方法によって、若しくはそれに類似する方法で調製することができる。
【0021】
本発明の化合物を官能基で誘導体化して、in vivoで親化合物に変換して戻すことができる誘導体を提供できることが、理解されるであろう。
【0022】
本発明のある特定の実施形態は、治療的に活性な物質として使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0023】
本発明のある特定の実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんの治療及び/又は予防治療で使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0024】
本発明のある特定の実施形態は、非小細胞肺がんの治療及び/又は予防治療で使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0025】
本発明のある特定の実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんの治療及び/又は予防治療のための医薬品を製造するための、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0026】
本発明のある特定の実施形態は、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、及び薬学的に許容可能な補助物質を含む、薬学的組成物に関する。
【0027】
本発明のある特定の実施形態は、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を患者に投与することによる、がん、特に非小細胞肺がんの治療及び/又は予防治療のための方法に関する。
【0028】
本発明のある特定の実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんに罹患したEGFR活性化突然変異を有する患者の治療及び/又は予防治療において医薬品として使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩に関し、該患者におけるEGFR活性化突然変異状態を決定し、次いで、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を該患者に投与することを含む。
【0029】
本発明のある特定の実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんに罹患したEGFR突然変異T790M/L858R、T790M/L858R/C797S、L858R、及び/又はL858R/C797Sを有する患者の治療及び/又は予防治療において医薬品として使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩に関し、該患者におけるEGFR活性化突然変異状態を決定し、次いで、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を該患者に投与することを含む。
【0030】
本発明のある特定の実施形態は、がん、特に非小細胞肺がんに罹患した、cobas(登録商標)EGFR変異検査キットv2で決定されたEGFR活性化突然変異を有する患者の治療及び/又は予防治療において医薬品として使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩に関し、該患者におけるEGFR活性化突然変異状態を決定し、次いで、本明細書に記載の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を該患者に投与することを含む。
【0031】
さらに、本発明は、本発明の化合物の対応する重水素化形態の置換基を、適用可能な場合は全て含む。
【0032】
さらに、本発明は、本発明の化合物の全ての光学異性体、すなわち、ジアステレオ異性体、ジアステレオ異性混合物、ラセミ混合物、それらの全ての対応する鏡像異性体、及び/又は互変異性体、並びにそれらの溶媒和化合物を、適用可能な場合は含む。
【0033】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことができ、したがって、ラセミ体、ラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオ異性混合物、及び個々のジアステレオマとして生じ得る。分子上の種々の置換基の性質に応じて、付加的な不斉中心が存在してもよい。このような不斉中心の各々は独立して2つの光学異性体を生成し、混合物及び純粋又は部分的に精製された化合物として可能性のある光学異性体及びジアステレオマの全てが、本発明に含まれることが意図される。本発明は、これらの化合物の全てのそのような異性体形態を包含することを意味する。これらのジアステレオマの独立した合成又はそれらのクロマトグラフィーによる分離は、本明細書で開示されている方法を適切に修正することで、当技術分野で公知のように達成することができる。それらの絶対立体化学は、結晶生成物又は結晶中間体のX線結晶学によって決定することができ、これらは、必要であれば、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬で誘導体化される。所望であれば、化合物のラセミ混合物を分離して、個々の鏡像異性体を単離することができる。分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオ異性混合物を形成し、続いて、分別再結晶化又はクロマトグラフィーのような標準的方法によって個々のジアステレオマを分離するような、当該技術分野で公知の方法で行うことができる。
【0034】
一実施形態では、光学的に純粋な鏡像異性体が提供される場合、光学的に純粋な鏡像異性体とは、化合物が所望の異性体を90重量%超、具体的には所望の異性体を95重量%超、又はより具体的には所望の異性体を99重量%超含有することを意味し、該重量パーセントは、化合物の異性体の全重量を基準とする。キラル的に純粋な又はキラルに富化された化合物は、キラル選択的合成によって、又は鏡像異性体の分離によって調製することができる。鏡像異性体の分離は、最終生成物で、又は代替的に好適な中間体上で行うことができる。
【0035】
また、本発明の一実施形態は、記載されるいずれかのプロセスに従って製造された場合に、本明細書に記載される本発明の化合物である。
【0036】
アッセイ手順
HTRFホスホEGFR TMLRアッセイ(細胞)
細胞株及び培地
H1975細胞株(CRL-5908;ロット番号BA70803)をAmerican Type Culture Collection(米国バージニア州マナッサス)から得た。細胞を完全培地RPMI1640中の5%CO2で37℃に、グルタミン0.3mg/ml、ペニシリン100IU/ml、及びストレプトマイシン100mg/ml(Gibco、15140-122)を含有するフェノールレッドなしで、10%ウシ胎児血清(fetal bovine serum:FBS、Gibco、10091-148)を補充して維持した。化合物を、グルタミン0.3mg/ml、ペニシリン100IU/ml、及びストレプトマイシン100mg/ml(Gibco)を含有するフェノールレッドを含まない、飢餓培地RPMI1640Media(Gibco、11835-030)中に希釈した。
【0037】
プロトコル
細胞を、24時間、384ウェルプレート(Greiner Bio-One、784-080号;5000細胞/ウェル)中において、8μlの完全培地/ウェルを用いて培養した。次いで、飢餓培地中の化合物又はDMSOの第3因子希釈系列を含有する4μl/ウェルの3倍化合物溶液を細胞に加えた(最終DMSO0.33%)。37℃、5%CO2、相対湿度95%で16時間後、細胞を、4μl/ウェルの補充された溶解緩衝液(Cis-bio、リン酸化EGFR HTRFキット、64EG1PEH)の化合物混合物に添加することによって溶解し、続いて、振盪しながら(400rpm)30分間室温でインキュベートした。次いで、検出緩衝液中で調製した抗リン酸化EGFRクリプテートと抗リン酸化EGFR-d2抗体溶液との混合物4μlを加えた。次いで、プレートを4時間室温でインキュベートし、その後、Envisionリーダ(PerkinElmer)を用いて620及び665nmでの蛍光発光を読み取った。
【0038】
HTRFホスホEGFR TMLRCSアッセイ(細胞)
細胞株及び培地
BaF3-TMLRCS細胞株を、Crownbio(米国カリフォルニア州サンディエゴ)から得た。細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco)を補充したRPMI ATCC(Gibco31870)+2mMグルタミン+ピューロマイシン0.5μg/ml中にて、37℃、5%CO2で維持した。
【0039】
プロトコル
プレートが、12.5μlの試験される化合物(用量反応)のDMSO溶液又はDMSOのみで予め充填された後、12.5μlの増殖培地/ウェル中において、20000細胞/ウェルでGreiner Bio-Oneの第784-08号マイクロタイタープレートに上記のように細胞を移す。プレートを300×gで30秒間回転させた後、細胞を4時間、37℃、5%CO2、湿度95%でインキュベートした。細胞を、4μl/ウェルの補充された溶解緩衝液(Cis-bio、リン酸化EGFR HTRFキット、64EG1PEH)の化合物混合物に添加することによって溶解し、続いて、振盪しながら(400rpm)30分間室温でインキュベートした。次いで、プレートを凍結し、-80℃で一晩保存した。翌日、プレートを解凍した後に、補充した検出緩衝液中で調製した抗リン酸化EGFRクリプテートと抗リン酸化EGFR-d2抗体溶液との混合物4μlを、各ウェルに加えた。次いで、蓋をしたプレートを4時間室温でインキュベートし、その後、Envisionリーダ(Perkin Elmer)を用いて616及び665nmでの蛍光発光を読み取った。データは、665対616のシグナルの正規化された比に10,000を乗じて、上記と同様の方法で分析した。
【0040】
【0041】
本発明の化合物及びその薬学的に許容可能な塩は、医薬品(例えば薬学的調製物の形態の)として使用することができる。本発明の医薬製剤は、経口投与(例えば、錠剤、被覆錠剤、ドラジェ、硬軟ゼラチンカプセル、溶液、乳剤又は懸濁液の形)、経鼻投与(例えば、鼻スプレーの形)、直腸投与(例えば、座薬の形)、又は眼局所投与(例えば、溶液、軟膏、ゲル又は水溶性高分子挿入剤の形)等の内服投与が可能である。しかしながら、投与は、筋肉内、静脈内、眼内等の非経口的に(例えば、滅菌注射液の形態で)行うこともできる。
【0042】
本発明の化合物及びその薬学的に許容可能な塩は、錠剤、被覆錠剤、ドラジェ、硬質ゼラチンカプセル、注射液又は外用剤の製造のための薬学的に不活性な、無機又は有機アジュバントで処理することができる。ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等は、例えば、錠剤、ドラジェ及び硬質ゼラチンカプセルのためのそのようなアジュバントとして使用することができる。
【0043】
軟質ゼラチンカプセルに適したアジュバントとしては、例として、植物油、ワックス、油脂、半固形物、液体ポリオール等が挙げられる。
【0044】
液剤及びシロップ剤の生産に適したアジュバントは、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース等である。
【0045】
注射液に適したアジュバントは、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0046】
座剤に適したアジュバントは、例えば、天然又は硬化油、ワックス、脂肪、半固体又は液体ポリオール等である。
【0047】
眼部外用剤形のための適切なアジュバントは、例として、シクロデキストリン、マンニトール、又は当技術分野で知られている多くの他の担体及び賦形剤である。
【0048】
さらに、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、粘度増加物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着香剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、又は酸化防止剤を含むことができる。また、更に他の治療上有用な物質を含有することもできる。
【0049】
投与量は広範に変化させることができ、当然、各特定の症例における個々の要件に適合させる。一般に、経口投与の場合、体重1kgあたり約0.1mg~20mg、好ましくは体重1kgあたり約0.5mg~4mg(例えば、1人あたり約300mg)を1日量として、好ましくは1~3回に分けて個別に投与され、これは、適切であれば、例えば、同量で構成することができる。局所投与の場合、製剤は、0.001%~15重量%の医薬品を含むことができ、0.1~25mgの間であり得る必要量は、1日あたりの単回投与でも、1週間あたりの単回投与でも、1日あたりの複数回の投与(2~4回)でも、1週間あたりの複数回の投与でもよいが、これが示されている場合は、ここに記載されている上限又は下限を超える可能性があることは明らかである。
【0050】
本発明の化合物からなる薬学的組成物の調製
以下の組成の錠剤を通常の様式で製造する:
製造手順
1.成分1、2、3及び4を混合し、精製水で造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な粉砕装置に通す。
4.成分5を添加して3分間混合し、適切なプレス機で圧縮する。
【0051】
以下の組成のカプセル剤を製造する。
製造手順
1.成分1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.成分4及び5を添加し、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0052】
本発明の化合物、乳糖及びコーンスターチを、まずミキサーで混合し、次いで粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、そこにタルクを加えておおよそ(thoapproximatively)混合する。この混合物を、機械によって適当なカプセル、例えば硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0053】
【0054】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
分取例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーは、本明細書に記載されている方法、又は当技術分野の当業者に知られている方法、例えばキラルクロマトグラフィー又は結晶化によって得ることができる。
【実施例】
【0056】
以下の実施例は、本発明の例示のために提供される。これらは本発明の範囲を制限されるものとして考えられるべきではなく、単にこれらを代表するものとして理解されるべきである。
【0057】
中間体の合成
置換インダゾール(II)は公知であるか、又は公知の方法と同様に、又は以下に記載される方法を用いて調製することができる。
【0058】
6-ブロモ-4,7-ジクロロ-1H-インダゾール
工程1:4-ブロモ-3,6-ジクロロ-2-フルオロベンズアルデヒド
1-ブロモ-2,5-ジクロロ-3-フルオロベンゼン(9.414g)のテトラヒドロフラン(70ml)溶液をドライアイス/アセトン浴で冷却した。THF中2mol/lのLDA(21.2ml)を添加し、混合物を-75℃で20分間撹拌した。N,N-ジメチルホルムアミド(2.82g)を滴下し、1時間撹拌した。Et2O(1:1、10ml)中のAcOHの溶液を添加した。混合物を室温まで温めた。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、フィルタにかけ、真空で濃縮して、粗標題化合物(11.323g)を淡黄色の固体として得た。化合物を更に精製することなく次の工程に使用した。
工程2:6-ブロモ-4,7-ジクロロ-1H-インダゾール
ジオキサン(50ml)中の4-ブロモ-3,6-ジクロロ-2-フルオロベンズアルデヒド(10.5g)の溶液に、ヒドラジン水和物(3.86g)を添加した。混合物を室温で3日間撹拌した。ヒドラジン水和物(386mg)を添加し、混合物を7時間70℃まで温めた。室温に冷却した後、水を添加し、沈殿した固体を濾過によって回収した。固体に少量のアセトニトリルを添加し、2時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、少量のアセトニトリルで洗浄し、乾燥させると、標題化合物(7.842g)が灰白色の固体として得られた。MS:m/e=267.0([M+H]+,Br)
【0059】
6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール
工程1:4-ブロモ-6-クロロ-2,3-ジフルオロベンズアルデヒド
4-ブロモ-3,6-ジクロロ-2-フルオロベンズアルデヒドの合成と同様に、1-ブロモ-5-クロロ-2,3-ジ-フルオロベンゼンを最初にテトラヒドロフラン中のLDAで-75℃で処理し、続いてN,N-ジメチルホルムアミドで処理した。4-ブロモ-3,6-ジクロロ-2-フルオロベンズアルデヒドの合成と同様にワークアップすると、粗標題化合物が淡褐色の固体として得られた。
工程2:6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール
4-ブロモ-6-クロロ-2,3-ジフルオロベンズアルデヒド(5g)をアルゴン下で1,4-ジオキサン(19.6ml)及びヒドラジン水和物(1.18g)と合わせ、一晩撹拌した。ヒューニッヒ塩基(2.53g)を添加し、60℃で18時間、80℃で3時間及び100℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、濃縮した。CH2Cl2の添加後、固体が沈殿した。固体を濾過によって回収し、CH2Cl2で洗浄し、乾燥させると、標題化合物(3.9g)が灰白色の固体として得られた。MS:m/e=251.0([M+H]+,Br)
【0060】
6-ブロモ-4-クロロ-7-メチル-2H-インダゾール
工程1:4-ブロモ-6-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシベンズアルデヒド
4-ブロモ-3,6-ジクロロ-2-フルオロベンズアルデヒドの合成と同様に、1-ブロモ-5-クロロ-3-フルオロ-2-メトキシベンゼンを最初にテトラヒドロフラン中のLDAで-75℃で処理し、続いてN,N-ジメチルホルムアミドで処理した。4-ブロモ-3,6-ジクロロ-2-フルオロベンズアルデヒドの合成と同様にワークアップすると、粗標題化合物が淡褐色の固体として得られた。
工程2:6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2H-インダゾール
粗4-ブロモ-6-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシベンズアルデヒド(11.75g)を
THF(50ml)に溶解した。ヒドラジン水和物(3.83g)を添加した後、混合物を室温で42時間撹拌した。温度を70℃に上げ、混合物を36時間撹拌した。温度を90℃に上げ、混合物を7日間撹拌した。ヒドラジン水和物(15.3g)を添加した後、混合物を90℃で18時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を水で希釈し、30分間撹拌した。粘性固体を濾過によって回収し、水で洗浄し、乾燥させて、わずかに純粋でない標題化合物(6.88g)を淡褐色の固体として得、これを更に精製することなく次の工程に使用した。
MS:m/e=261.0([M+H]+,Br)
【0061】
一般方法A:インダゾールのアルキル化
インダゾール(II、1当量)、エチル2-ブロモアセテート(2当量)及びN,N-ジメチルアセトアミド(溶液を生成するため少量)の混合物を、反応の完了まで(通常5~48時間)100℃に加熱する。室温に冷却した後、氷を添加し、沈殿した固体を濾過によって回収し、水で洗浄する。所望の位置異性体の精製は、クロマトグラフィーによって、又は特定の場合にはEtOH、アセトニトリルもしくはジクロロメタン等の溶媒からの再結晶によって達成することができる。
【0062】
一般方法Aを使用して、以下の中間体(III)を調製した:
【0063】
実施例の合成
実施例1
2-(4-クロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
工程1:tert-ブチル(2S)-2-(2-(6-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)ピロリジン-1-カルボキシレート
テトラヒドロフラン(7.5ml)中の(tert-ブトキシカルボニル)-L-プロリン(1.58g)の溶液を氷浴で冷却した。カルボニルジイミダゾール(1.19g)を添加した。冷却浴を除去し、混合物を3時間撹拌して溶液Aを得た。テトラヒドロフラン(7.5ml)中のエチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)アセテート(1.5g)の溶液を-75℃に冷却した。THF中の2mol/lのLDA(3.66ml)を5分以内に滴下した。混合物を-75℃で30分間撹拌した。溶液Aを5分以内に滴下した。混合物を冷却浴中で一晩室温まで温めた。飽和NH
4Cl水溶液を添加した後、混合物をEtOAcで2回抽出した。有機層を水で洗浄し、これを合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固すると、粗標題化合物(2.2g)が得られ、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:m/e=516.2([M+H]
+,Br)
工程2:エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
ジオキサン(10.7ml)中のHCl 4M中のtert-ブチル(2S)-2-(2-(6-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(2.2g)の溶液を、室温にて1時間撹拌した。混合物を濃縮乾固させた。残渣をエタノール(25ml)に溶解し、チオシアン酸カリウム(558mg)及びHCl(EtOH中1M(4.27ml)を添加し、一晩撹拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮し、乾燥させると、粗標題化合物(2.1g)が得られ、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:m/e=457.1([M+H]
+,Br)
工程3:エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
AcOH(10.ml)中のエチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(2.13g)の溶液を10℃に冷却した。過酸化水素、35%(2.78g)を滴下した。反応混合物を室温で45分間撹拌した。過剰の過酸化水素は、飽和亜硫酸ナトリウム溶液の添加によって破壊された。いくらかの水(全ての塩を溶解するのに十分な量)及びEtOAcを添加した後、固体炭酸ナトリウムを注意深く添加することによって混合物をpH9にした。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。生成物をクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc中0~20%EtOH)によって精製すると、標題化合物(0.64g)が淡褐色の固体として得られた。MS:m/e=425.2([M+H]
+,Br)
工程4:tert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソエチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(100mg),(4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸(217mg)及び炭酸セシウム(231mg)をトルエン(3.08ml)と混合し、超音波処理下で混合物にアルゴンをバブリングすることによって脱気した。[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(18mg)を添加し、混合物を密閉管中115℃で30分間撹拌した。混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、半濃縮炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、n-ヘプタン中0%~100%EtOAc)によって精製すると、標題化合物(83mg)が淡褐色の固体として得られた。MS:m/e=605.6([M+H]
+)
工程5:tert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
THF(1.81ml)中のtert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソエチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(80.9mg)の溶液に、LiOH 1M(201μl)及び水(722μl)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を濃縮し、乾燥させた。残渣をDMF(1.81ml)に溶解した。チアゾール-2-アミン(16.1mg)、HATU(61mg)及びヒューニッヒ塩基(51.8mg)を添加した後、混合物を室温で45分間撹拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。組織層を合わせ、乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、AcOEt中0%~40%MeOH)、続いて別のクロマトグラフィー(SiO
2、ジクロロメタン中0%~20%MeOH)によって精製すると、標題化合物(49mg)が灰白色の固体として得られた。MS:m/e=659.5([M+H]
+)
工程6:2-(4-クロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
ジクロロメタン(1.69ml)及びメタノール(967μl)中のtert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(47.4mg)の溶液に、ジオキサン中4MのHCl(899μl)を添加した。混合物を室温で45分間撹拌した。混合物を濃縮し、一旦ジクロロメタンに懸濁し、濃縮し、乾燥させると、標題化合物(47mg)が淡黄色の固体として得られた。MS:m/e=559.4([M+H]
+)
【0064】
実施例2
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
ジクロロメタン(5ml)中の2-(4-クロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド 実施例1、40mg)の懸濁液に、トリエチルアミン(20.4mg)及び塩化アセチル(5.8mg)を添加し、混合物を一晩撹拌した。塩化アセチル(5.8mg)を添加し、混合物を1時間撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸ナトリウム溶液、そして水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮し、高真空下60℃で乾燥させて、標題化合物(37mg)を灰色の固体として得た。MS:m/e=599.5([M-H]
-)
【0065】
実施例3
2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
工程1:tert-ブチル4-(2-クロロ-4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソエチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程4と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(実施例1の工程3)を、炭酸セシウム及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下、トルエン中で、(4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-3-クロロフェニル)ボロン酸と反応させ、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=639.5([M+H]
+)
工程2:tert-ブチル4-(2-クロロ-4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程5と同様に、tert-ブチル4-(2-クロロ-4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソエチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートを最初にLiOHで処理し、得られた酸性塩をHATU及びヒューニッヒ塩基の存在下でチアゾール-2-アミンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=693.4([M+H]
+)
工程2:2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
実施例1の工程6と同様に、ジクロロメタン及びメタノール中のtert-ブチル4-(2-クロロ-4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートの溶液をジオキサン中のHClで処理すると、標題化合物が灰白色の固体として得られた。MS:m/e=591.5([M-H]
-)
【0066】
実施例4
2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
N,N-ジメチルホルムアミド(2.14ml)中の2-(4-クロロ-6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド(58.0mg)の溶液に、ヨードエタン(15.8mg)及びヒューニッヒ塩基(35.7mg)を添加し、混合物を一晩撹拌した。反応混合物をH2O(25ml)に注ぎ入れ、EtOAcで抽出し、乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮した。粗物質を分取TLC(SiO
2、2.0mm、9:1ジクロロメタン/MeOH)によって精製して、標題化合物(17mg)を灰白色の固体として得た。MS:m/e=619.6([M-H]
-)
【0067】
実施例6
2-(6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
工程1:tert-ブチル(2S,4R)-2-(3-エトキシ-2-(4-フルオロ-6-ヨード-2H-インダゾール-2-イル)-3-オキソプロパノイル)-4-フルオロピロリジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程1と同様に、(2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロピロリジン-2-カルボン酸をカルボニルジイミダゾールで処理して、溶液Aを得た。エチル2-(4-フルオロ-6-ヨード-2H-インダゾール-2-イル)アセテートをLDAで脱プロトン化し、-78℃で溶液Aで処理した。室温で一晩撹拌し、実施例1の工程1と同様にワークアップした後、粗標題化合物を得て、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:m/e=564.3([M+H]
+)
工程2:エチル2-((R)-6-フルオロ-3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-(4-フルオロ-6-ヨード-2H-インダゾール-2-イル)アセテート
実施例1の工程2と同様に、tert-ブチル(2S,4R)-2-(3-エトキシ-2-(4-フルオロ-6-ヨード-2H-インダゾール-2-イル)-3-オキソプロパノイル)-4-フルオロピロリジン-1-カルボキシレートをジオキサン中のHClを用いて脱保護し、続いてチオシアン酸カリウムと反応させると、粗標題化合物が得られ、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:m/e=505.2([M+H]
+)
工程3:エチル2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-(4-フルオロ-6-ヨード-2H-インダゾール-2-イル)アセテート
実施例1の工程3と同様に、エチル2-((R)-6-フルオロ-3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-(4-フルオロ-6-ヨード-2H-インダゾール-2-イル)アセテートを、AcOH中の過酸化水素で処理して、標題化合物を淡褐色の固体として得た。MS:m/e=473.3([M+H]
+)
工程4:tert-ブチル4-(2-クロロ-4-(2-(2-エトキシ-1-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソエチル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程4と同様に、エチル2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-(4-フルオロ-6-ヨード-2H-インダゾール-2-イル)アセテートを、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)及び炭酸セシウムの存在下、トルエン中で、(4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-3-クロロフェニル)ボロン酸と反応させて、標題化合物を淡褐色の固体として得た。MS:m/e=641.5([M+H]
+)
工程5:tert-ブチル4-(2-クロロ-4-(4-フルオロ-2-(1-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程5と同様に、tert-ブチル4-(2-クロロ-4-(2-(2-エトキシ-1-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソエチル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートを最初にLiOHで処理し、得られた酸性塩をHATU及びヒューニッヒ塩基の存在下でチアゾール-2-アミンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=695.5([M+H]+)
工程6:2-(6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
実施例1の工程6と同様に、ジクロロメタン及びメタノール中のtert-ブチル4-(2-クロロ-4-(4-フルオロ-2-(1-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートの溶液をジオキサン中のHClで処理すると、標題化合物が灰白色の固体として得られた。MS:m/e=595.4([M+H]
+)
【0068】
実施例7
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-3-クロロフェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例2と同様に、2-(6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド(実施例6)をトリエチルアミンの存在下、塩化アセチルで処理して、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=637.4([M+H]
+)
【0069】
実施例8
2-(6-(3-クロロ-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例4と同様に、2-(6-(3-クロロ-4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド(実施例6)をトリエチルアミンの存在下、ヨードエタンで処理して、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=623.4([M+H]
+)
【0070】
実施例9
2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
工程1:tert-ブチル(2S)-2-(2-(6-ブロモ-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)ピロリジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程1と同様に、(tert-ブトキシカルボニル)-L-プロリンをカルボニルジイミダゾールで処理して、溶液Aを得た。エチル2-(6-ブロモ-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)アセテートをLDAで脱プロトン化し、-78℃で溶液Aで処理した。室温で一晩撹拌し、実施例1の工程1と同様にワークアップした後、粗標題化合物を得て、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:m/e=550.2([M+H]
+)
工程2:エチル2-(6-ブロモ-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
実施例1の工程2と同様に、tert-ブチル(2S)-2-(2-(6-ブロモ-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)ピロリジン-1-カルボキシレートをジオキサン中のHClを用いて脱保護し、続いてチオシアン酸カリウムと反応させると、粗標題化合物が得られ、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:m/e=491.1([M+H]
+,Br)
工程3:エチル2-(6-ブロモ-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
実施例1の工程3と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテートを、AcOH中の過酸化水素で処理して、標題化合物を淡黄色の固体として得た。MS:m/e=457.1([M+H]
+,Br)
工程4:tert-ブチル4-(4-(4,7-ジクロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソエチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程4と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテートを、炭酸セシウム及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下、トルエン中で(4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸と反応させ、標題化合物を淡褐色の固体として得た。MS:m/e=639.5([M+H]
+)
工程5:tert-ブチル4-(4-(4,7-ジクロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程5と同様に、tert-ブチル4-(4-(4,7-ジクロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソエチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートを最初にLiOHで処理し、得られた酸性塩をHATU及びヒューニッヒ塩基の存在下でチアゾール-2-アミンと反応させて、標題化合物を淡褐色の固体として得た。MS:m/e=691.5([M-H]
-)
工程6:2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
実施例1の工程6と同様に、ジクロロメタン及びメタノール中のtert-ブチル4-(4-(4,7-ジクロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートの溶液をジオキサン中のHClで処理すると、標題化合物が淡黄色の固体として得られた。MS:m/e=591.4([M-H]
-)
【0071】
実施例12
2-(6-(4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4,7-ジクロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例2と同様に、2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド(実施例9)をトリエチルアミンの存在下、塩化アセチルで処理して、標題化合物を淡褐色の固体として得た。MS:m/e=635.3([M+H]
+)
【0072】
実施例13
2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例4と同様に、2-(4,7-ジクロロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド(実施例9)をトリエチルアミンの存在下、ヨードエタンで処理して、標題化合物を淡褐色の固体として得た。MS:m/e=621.3([M+H]
+)
【0073】
実施例15
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
工程1:tert-ブチル(2S)-2-(2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)ピロリジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程1と同様に、(tert-ブトキシカルボニル)-L-プロリンをカルボニルジイミダゾールで処理して、溶液Aを得た。エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)アセテートをLDAで脱プロトン化し、-78℃で溶液Aで処理した。室温で一晩撹拌し、実施例1の工程1と同様にワークアップした後、粗標題化合物を得て、これを更に精製することなく次の工程に使用した。
工程2:エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
実施例1の工程2と同様に、tert-ブチル(2S)-2-(2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)ピロリジン-1-カルボキシレートをジオキサン中のHClを用いて脱保護し、続いてチオシアン酸カリウムと反応させると、粗標題化合物が得られ、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:m/e=475.1([M+H]
+)
工程3:エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
実施例1の工程3と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテートを、AcOH中の過酸化水素で処理して、標題化合物を淡黄色の固体として得た。MS:m/e=443.2([M+H]
+,Br)
工程4:tert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソエチル)-7-フルオロ-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程4と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテートを、炭酸セシウム及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下、トルエン中で(4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸と反応させ、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=623.4([M+H]
+)
工程5:tert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-7-フルオロ-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程5と同様に、tert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-エトキシ-2-オキソエチル)-7-フルオロ-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートを最初にLiOHで処理し、得られた酸性塩をHATU及びヒューニッヒ塩基の存在下でチアゾール-2-アミンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=675.5([M-H]
-)
工程6:2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
実施例1の工程6と同様に、ジクロロメタン及びメタノール中のtert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(1-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-7-フルオロ-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートの溶液をジオキサン中のHClで処理すると、標題化合物が灰白色の固体として得られた。MS:m/e=575.4([M-H]
-)
【0074】
実施例16
2-(4-クロロ-6-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例4と同様に、2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド(実施例15)をトリエチルアミンの存在下、ヨードエタンで処理して、標題化合物を無色の固体として得た。MS:m/e=603.5([M-H]
-)
【0075】
実施例18
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
工程1:エチル2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
実施例1の工程4と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(実施例15の工程3)を、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、炭酸セシウム及び10当量の水の存在下、トルエン中で、1-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=522.3([M+H]
+)
工程2:2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例1の工程5と同様に、エチル2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテートを最初にLiOHで処理し、得られた酸性塩をHATU及びヒューニッヒ塩基の存在下でチアゾール-2-アミンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=576.2([M+H]
+)
【0076】
実施例20
2-[4-クロロ-7-メトキシ-6-(1-メチル-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-6-イル)インダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド
工程1:tert-ブチル(2S,4R)-2-(2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)-4-フルオロピロリジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程1と同様に、(2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロピロリジン-2-カルボン酸をカルボニルジイミダゾールで処理して、溶液Aを得た。エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)アセテートをLDAで脱プロトン化し、-78℃で溶液Aで処理した。室温で90分間撹拌し、実施例1の工程1と同様にワークアップした後、粗標題化合物を得て、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:m/e=564.2([M+H]
+,Br)
工程2:エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
実施例1の工程2と同様に、tert-ブチル(2S,4R)-2-(2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)-3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)-4-フルオロピロリジン-1-カルボキシレートをジオキサン中のHClを用いて脱保護し、続いてチオシアン酸カリウムと反応させると、粗標題化合物が得られ、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:m/e=505.1([M+H]
+,Br)
工程3:エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
実施例1の工程3と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-3-チオキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテートを、AcOH中の過酸化水素で処理して、標題化合物を淡褐色の固体として得た。MS:m/e=472.9([M+H]
+,Br)
工程4:エチル2-(4-クロロ-7-メトキシ-6-(1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
実施例1の工程4と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(実施例19の工程3)を、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、炭酸セシウム及び10当量の水の存在下、トルエン中で、1-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=552.3([M+H]
+)
工程5:2-[4-クロロ-7-メトキシ-6-(1-メチル-2-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-6-イル)インダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例1の工程5と同様に、エチル2-(4-クロロ-7-メトキシ-6-(1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテートを最初にLiOHで処理し、得られた酸性塩をHATU及びヒューニッヒ塩基の存在下でチアゾール-2-アミンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=606.2([M+H]
+)
【0077】
実施例21
2-[4-クロロ-6-[4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド
工程1:tert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(2-エトキシ-1-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソエチル)-7-メトキシ-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程4と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(実施例20の工程3)を、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II及び炭酸セシウムの存在下、トルエン中で、(4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸と反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=653.4([M+H]
+)
工程2:tert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(1-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-7-メトキシ-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例1の工程5と同様に、tert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(2-エトキシ-1-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソエチル)-7-メトキシ-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートを最初にLiOHで処理し、得られた酸性塩をHATU及びヒューニッヒ塩基の存在下でチアゾール-2-アミンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=705.5([M-H]
-)
工程3:2-(4-クロロ-7-メトキシ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリド
実施例1の工程6と同様に、ジクロロメタン及びメタノール中のtert-ブチル4-(4-(4-クロロ-2-(1-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-2-オキソ-2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチル)-7-メトキシ-2H-インダゾール-6-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートの溶液をジオキサン中のHClで処理すると、標題化合物が灰白色の固体として得られた。MS:m/e=605.5([M-H]
-)
工程4:2-[4-クロロ-6-[4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例4と同様に、2-(4-クロロ-7-メトキシ-6-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミドヒドロクロリドをトリエチルアミンの存在下、ヨードエタンで処理して、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=633.4([M-H]
-)
【0078】
実施例22
2-[4-クロロ-6-[4-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド
工程1:エチル2-(4-クロロ-6-(4-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)フェニル)-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
実施例1の工程4と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(実施例20の工程3)を、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)及び炭酸セシウムの存在下、THF及び水中で、1-シクロプロピル-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジン(CAS# 2244702-81-4)と反応させて標題化合物を淡褐色の固体として得た。MS:m/e=592.4([M+H]
+)
工程2:2-[4-クロロ-6-[4-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)フェニル]-7-メトキシインダゾール-2-イル]-2-[rac-(6R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル]-N-(1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例1の工程5と同様に、エチル2-(4-クロロ-6-(4-(1-シクロプロピルピペリジン-4-イル)フェニル)-7-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)-2-((R)-6-フルオロ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテートを最初にLiOHで処理し、得られた酸性塩をHATU及びヒューニッヒ塩基の存在下でチアゾール-2-アミンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=644.4([M-H]
-)
【0079】
実施例23
2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-イソプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
工程1:エチル2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-イソプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート
実施例1の工程4と同様に、エチル2-(6-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテート(実施例15の工程3)を、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、炭酸セシウム及び10当量の水の存在下、トルエン中で、1-イソプロピル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=498.4([M+H]
+)
工程2:2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-イソプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)-N-(チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例1の工程5と同様に、エチル2-(4-クロロ-7-フルオロ-6-(1-イソプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-(6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-1-イル)アセテートを最初にLiOHで処理し、得られた酸性塩をHATU及びヒューニッヒ塩基の存在下でチアゾール-2-アミンと反応させて、標題化合物を灰白色の固体として得た。MS:m/e=550.4([M-H]
-).