(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2阻害剤として有用な新規ビアリール誘導体及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20240909BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20240909BHJP
C07D 241/20 20060101ALI20240909BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20240909BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20240909BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20240909BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240909BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240909BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20240909BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240909BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240909BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
C07D401/14
C07D241/20
C07D403/12
C07D401/12
A61K31/497
A61K31/506
A61P1/16
A61P3/04
A61P3/06
A61P3/10
A61P9/10 101
(21)【出願番号】P 2023515025
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(86)【国際出願番号】 KR2021011906
(87)【国際公開番号】W WO2022050749
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0112843
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】スン・ヒュン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ウ・ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ボ・キョン・ソ
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ジン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ス・ヨン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ウ・ヨン・チョ
【審査官】高森 ひとみ
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-524831(JP,A)
【文献】特表2017-507979(JP,A)
【文献】特表2018-515554(JP,A)
【文献】国際公開第2011/031628(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/069504(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1464429(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)
【化1】
[式中、A、D及びEは、それぞれ独立して、CH又はNであり;
R
1は、
C
1
-C
10
アルキ
ルであり;
R
2は、-G-J-L{ここで、Gは、-C(=O)-又は直接結合であり、Jは、アルキレン、アルケニレン、アルキレン-アリーレン-、アルケニレン-アリーレン、アルコキシレン(alkoxyene)-アリーレン、アリーレン、ヘテロアリーレン-ヘテロシクロアルキレン、ヘテロアリーレン-アリーレン又はヘテロアリーレン-オキシ-シクロアルキレンであり、Lは、水素、ハロ、アミノ、ニトロ、カルボキシ(-COOH)、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ、シクロアルキル又はアリールである}であり;
前記アルキル、アルキレン、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ又はアリールは、ヒドロキシ、ハロ、アルキル及びアルコキシから選ばれる一つ以上の置換基で任意に置換されていてもよく;
前記ヘテロシクロアルキレン又はヘテロアリーレンは、N、O及びSから選ばれる一つ以上のヘテロ原子を含む]で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩又は
そのE若しくはZ異性体、R若しくはS異性体、ラセミ体、ジアステレオ異性体混合物若しくは各ジアステレオ異性体。
【請求項2】
A、D及びEは、それぞれ独立して、CH又はNであり;
R
1は、C
1-C
7アルキ
ルであり;
R
2は、-G-J-L{ここで、Gは、-C(=O)-又は直接結合であり、 Jは、C
1-C
7アルキレン、C
2-C
7アルケニレン、C
1-C
7アルキレン-C
6-C
10アリーレン、C
2-C
7アルケニレン-C
6-C
10アリーレン、C
1-C
7アルコキシレン(alkoxyene)-C
6-C
10アリーレン、C
6-C
10アリーレン、5~12員ヘテロアリーレン-5~12員ヘテロシクロアルキレン、5~12員ヘテロアリーレン-C
6-C
10アリーレン又は5~12員ヘテロアリーレン-オキシ-C
3-C
10シクロアルキレンであり、Lは、水素、ハロ、アミノ、ニトロ、カルボキシ、カルボキシ-C
1-C
7アルキル、カルボキシ-C
1-C
7アルコキシ、C
3-C
10シクロアルキル又はC
6-C
10アリールである}であり;
前記アルキル、アルキレン、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ又はアリールは、ヒドロキシ、ハロ、C
1-C
7アルキル及びC
1-C
7アルコキシから選ばれる1~4個の置換基で任意に置換されていてもよく;
前記ヘテロシクロアルキレン又はヘテロアリーレンは、N、O及びSから選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩又は
そのE若しくはZ異性体、R若しくはS異性体、ラセミ体、ジアステレオ異性体混合物若しくは各ジアステレオ異性体。
【請求項3】
以下の群から選ばれる請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩又は
そのE若しくはZ異性体、R若しくはS異性体、ラセミ体、ジアステレオ異性体混合物若しくは各ジアステレオ異性体:
N-(6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)-3-フェニルプロパンアミド;
メチル2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)アセテート;
2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)酢酸;
2-(4-(3-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)酢酸;
メチル2-(4-(3-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパノエート;
エチル2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジフルオロアセテート;
3-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(R)-1-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボン酸;
3-(3-(6-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
N-(6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)-3-フェニルプロパンアミド;
2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)酢酸;
2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)酢酸;
2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル-2,2-ジフルオロ酢酸;
3-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパン酸;
(E)-2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロ-1-ペン-1-イル)フェニル)-2-メチルプロパン酸;
3-(4-(1-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェノキシ-2-メチルプロパン酸;
2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)酢酸;
(1r,4r)-4-((2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボン酸;
N-(6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)-3-フェニルプロパンアミド;
3-(4-(2-((6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(R)-1-(2-((6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボン酸;
3-(3-(6-((6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
2-(4-(3-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパン酸;
3-(4-(2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
2-(4-(3-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸;
3-(4-(1-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
2-(4-(2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸;
(R)-1-(2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボン酸;
3-(3-(6-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;及び
(1r,4r)-4-((2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボン酸。
【請求項4】
有効成分として請求項1~3のいずれか1項に記載の式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩又は
そのE若しくはZ異性体、R若しくはS異性体、ラセミ体、ジアステレオ異性体混合物若しくは各ジアステレオ異性体と共に薬学的に許容される担体を含む、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2(DGAT2)に関連する疾患の治療用医薬組成物。
【請求項5】
前記DGAT2に関連する疾患が、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、糖尿病、肥満、高脂血症、アテローム性動脈硬化症及び高コレステロール血症からなる群から選ばれる請求項4に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2(DGAT2)阻害剤活性を示す式(1)のビアリール誘導体化合物、それを有効成分として含む医薬組成物及びその使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
経済発展に伴う生活水準の向上、インスタント食品の頻繁な摂取及び肉中心の食生活変化により、体内に過剰の熱量エネルギーの蓄積を誘発した。このような現代人の食生活の変化は、運動不足によるカロリー消費量の減少まで加わるにつれて、肥満、高脂血症、糖尿病、心血管疾患、冠動脈疾患などの代謝性疾患の有病率が深刻なレベルに達した。特に、肥満は急速に増加している疾患の一つであり、糖尿などの代謝性疾患の原因になると報告されている。肥満の主な要因である中性脂肪の生合成経路に関与する酵素の働きを制御することで、代謝性疾患の治療薬の開発が注目されている。
【0003】
トリグリセリド(TG)などの中性脂肪は、体内のエネルギー源として貯蔵機能において非常に重要な役割を果たしている。しかし、中性脂肪が臓器や組織に過剰に蓄積すると、肥満、高トリグリセリド血症、脂肪肝などを引き起こし、糖尿病、動脈硬化、代謝異常及び臓器の機能低下などの重大な疾患を引き起こす。このようなトリグリセリドの生合成において、重要な酵素であるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼは、哺乳動物の様々な組織から見られ、トリグリセリド合成の主要経路であるグリセロールリン酸(glycerol phosphate)経路の最終段階で、ジアシルグリセロールのヒドロキシル基に脂肪酸アシルCoAを結合させてTGを合成する酵素である。現在、DGAT1とDGATの2つのアイソフォームが知られている。それらの生化学的機能は似ているが、DGAT1は主に小腸と脂肪組織で発現し、DGAT2は、主に肝臓と脂肪組織で発現するという違いがある。また、遺伝子ファミリーについては、DGAT1は、ACATファミリーに属し、DGAT2は、MGATファミリーに属する。そのため、TG生合成におけるそれらの役割も異なると予想された。
【0004】
動物研究を含むいくつかの研究では、インビボでのTGの生合成にDGAT2が寄与することが明らかになった。TGをほとんど合成せず、皮膚層の異常により生後間もなく死亡するDGAT2ノックアウトマウスとは異なり、DGAT1ノックアウトマウスは、TGレベルの僅かな低下を示し、マウスの生存には問題がなかった(非特許文献1)。また、脂肪肝動物モデルにおいて、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を用いてDGAT1又はDGAT2の発現レベルを低下させた結果、DGAT2の量を減少した場合にのみ、脂肪肝の症状が緩和され、肝臓でのブドウ糖生成率が顕著に減少された(非特許文献2)。
【0005】
根底にある分子メカニズムは完全には解明されていないが、DGAT2の阻害により、ステロール調節エレメント-結合タンパク質1c(SREBP1c)及びステアロイルCoA-デサチュラーゼ1(SCD1)などの脂質生成に関与するタンパク質をコードする複数の遺伝子の発現を下方制御すると考えられた。同時に、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1(CPT1)などの遺伝子の増加によって酸化経路が誘導されたと考えられた。この変化により、肝臓のDAG及びTAG脂質レベルが低下し、肝臓のインスリン応答性が改善される。また、DGAT2の阻害は、肝臓のVLDL TAG分泌を阻害し、循環コレステロールレベルを低下させた。最終的に、血漿アポリポタンパク質B(APOB)レベルが阻害されるが、これは、新しく合成されるAPOBタンパク質の脂質化におけるTAGの供給が減少したためであると考えられた。つまり、DGAT2が阻害されると、血糖調節及び血漿コレステロールプロファイルの両方に有益な効果が示されており、これはDGAT2の阻害が代謝疾患の治療に応用できることを意味する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Stone SJ et al., 2000. Nat. Genet. 25: 87-90
【文献】Choi CS et al., 2007. Hepatology. 45: 1366-74
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2(DGAT2)に対して阻害活性を示す式(1)で示される新規ビアリール誘導体化合物を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、前記ビアリール誘導体化合物を製造する方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、有効成分として前記ビアリール誘導体化合物を含む、DGAT2に関連する代謝性疾患の治療用医薬組成物及びその製造方法を提供することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、有効成分として前記ビアリール誘導体化合物を用いることにより、従来の化合物と比較して、物理的、化学的特性を改善することにより、疾患の動物モデルにおける効能改善だけでなく、対象におけるDGAT2に関連する代謝性疾患が改善された効能及び服用便宜性を提供して治療する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、下記式(1)
【化1】
[式中、A、D及びEは、それぞれ独立して、CH又はNであり;
R
1は、アルキル、シクロアルキル又はハロアルキルであり;
R
2は、-G-J-L{ここで、Gは、-C(=O)-又は直接結合であり、Jは、アルキレン、アルケニレン、アルキレン-アリーレン-、アルケニレン-アリーレン、アルコキシレン(alkoxyene)-アリーレン、アリーレン、ヘテロアリーレン-ヘテロシクロアルキレン、ヘテロアリーレン-アリーレン又はヘテロアリーレン-オキシ-シクロアルキレンであり、Lは、水素、ハロ、アミノ、ニトロ、カルボキシ(-COOH)、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ、シクロアルキル又はアリールである}であり;
前記アルキル、アルキレン、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ又はアリールは、ヒドロキシ、ハロ、アルキル及びアルコキシから選ばれる一つ以上の置換基で任意に置換されていてもよく;
前記ヘテロシクロアルキレン又はヘテロアリーレンは、N、O及びSから選ばれる一つ以上のヘテロ原子を含む。]で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩又は異性体を提供する。
【0012】
本発明による式(1)の化合物は、薬学的に許容される塩を形成することができる。薬学的に許容される塩としては、薬学的に許容されるアニオンを含有する無毒性酸付加塩を形成する酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などの無機酸;酒石酸、ギ酸、クエン酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、安息香酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸、サリチル酸などの有機酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などのスルホン酸などによって形成された酸付加塩が含まれる。また、薬学的に許容されるカルボン酸塩には、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどによって形成されたアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩;リシン、アルギニン、グアニジンなどのアミノ酸塩;ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、ジエタノールアミン、コリン、トリエチルアミンなどの有機塩などが含まれる。本発明による式(1)の化合物は、通常の方法によりそれらの塩に変換することができる。
【0013】
一方、本発明による化合物は、不斉炭素中心と不斉軸又は不斉平面を有することができるので、E又はZ異性体、R又はS異性体、ラセミ体、ジアステレオ異性体混合物及び各ジアステレオ異性体として存在することができ、これらはすべての本発明の範囲内である。
【0014】
本明細書において、別段の指示がない限り、式(1)の化合物は式(1)の化合物、その薬学的に許容される塩及び異性体をすべて含む意味で使用される。
【0015】
ここで、置換基に対して定義された概念は、式(1)の化合物を定義するために使用される。
【0016】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)又はヨウ素(I)を意味する。
【0017】
用語「アルキル」又は「アルキレン」は、直鎖状又は分岐状炭化水素を意味し、単結合、二重結合又は三重結合を含むことができ、C1-C10アルキル又はC1-C10アルキレン、又はC1-C7アルキル又はC1-C7アルキレンが好ましい。例えば、前記アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、アセチレン、ビニル、トリフルオロメチルなどを含むが、これらに限定されない。
【0018】
用語「アルケニル」又は「アルケニレン」は、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖状又は分岐状炭化水素を意味し、C2-C10アルケニル又はC2-C10アルケニレン、又はC2-C7アルケニル又はC2-C7アルケニレンが好ましい。例えば、前記アルケニルは、ビニル、アリール、ブテニル、イソプロペニル、又はイソブテニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0019】
用語「シクロアルキル」は、部分的又は完全に飽和された単一又は縮合環炭化水素であり、C3-C10シクロアルキルが好ましい。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0020】
用語「アルコキシ」は、別段の指示がない限り、1~10個の炭素原子を有するアルキルオキシを意味する。
【0021】
用語「アリール」又は「アリーレン」は、芳香族炭化水素を意味し、好ましくはC5-C12アリール又はC5-C12アリーレン、より好ましくはC6-C10アリール又はC6-C10アリーレンである。例えば、前記アリールは、フェニル、ナフチルなどを含むが、これらに限定されない。
【0022】
用語「ヘテロアリール」又は「ヘテロアリーレン」は、N、O及びSから選ばれた一つ以上のヘテロ原子を還員として含み、ベンゾ又はC3-C8シクロアルキルと融合することができる単一又は縮合環を形成する3~12員、より好ましくは5~12員芳香族炭化水素を意味する。例えば、前記ヘテロアリールは、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサジアゾリル、イソオキサジアゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、インドリル、インダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、ベンゾフラニル、イミダゾリル、チオフェニル、ベンズチアゾール、ベンズイミダゾール、キノリニル、インドリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル、3,4-ジヒドロイソキノリニル、チアゾロピリジル、2,3-ジヒドロベンゾフラン、2,3-ジヒドロチオフェン、2,3-ジヒドロインドール、ベンゾ[1,3]ジオキサン、クロマン、チオクロマン、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、4H-ベンゾ[1,3]ダイオキシン、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ダイオキシン、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジンなどを含むが、これらに限定されない。
【0023】
用語「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロシクロアルキレン」は、N、O及びSから選ばれた一つ以上のヘテロ原子を環員として含み、単一又は縮合環を形成する部分的又は完全に飽和された炭化水素を意味し、3~12員又は5~12員が好ましい。例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフランなどを含むが、これらに限定されない。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記式(1)において、
A、D及びEは、それぞれ独立して、CH又はNであり;
R1は、C1-C7アルキル、C3-C10シクロアルキル又はハロ-C1-C7アルキルであり;
R2は、-G-J-L{ここで、Gは、-C(=O)-又は直接結合であり、Jは、C1-C7アルキレン、C2-C7アルケニレン、C1-C7アルキレン-C6-C10アリーレン、C2-C7アルケニレン-C6-C10アリーレン、C1-C7アルコキシレン(alkoxyene)-C6-C10アリーレン、C6-C10アリーレン、5~12員ヘテロアリーレン-5~12員ヘテロシクロアルキレン、5~12員ヘテロアリーレン-C6-C10アリーレン又は5~12員ヘテロアリーレン-オキシ-C3-C10シクロアルキレンであり、Lは、水素、ハロ、アミノ、ニトロ、カルボキシ、カルボキシ-C1-C7アルキル、カルボキシ-C1-C7アルコキシ、C3-C10シクロアルキル又はC6-C10アリールである}であり;
前記アルキル、アルキレン、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシ又はアリールは、ヒドロキシ、ハロ、C1-C7アルキル及びC1-C7アルコキシから選ばれる1~4個の置換基で任意に置換されていてもよく;
前記ヘテロシクロアルキレン又はヘテロアリーレンは、N、O及びSから選ばれる1~4個のヘテロ原子を含む。
【0025】
本発明による前記式(1)の代表的な化合物には、以下の化合物が含まれるが、これらに限定されない:
N-(6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)-3-フェニルプロパンアミド;
メチル2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)アセテート;
2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)酢酸;
2-(4-(3-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)酢酸;
メチル2-(4-(3-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパノエート;
エチル2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジフルオロアセテート;
3-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(R)-1-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボン酸;
3-(3-(6-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
N-(6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)-3-フェニルプロパンアミド;
2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)酢酸;
2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)酢酸;
2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル-2,2-ジフルオロ酢酸;
3-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパン酸;
(E)-2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロ-1-ペン-1-イル)フェニル)-2-メチルプロパン酸;
3-(4-(1-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェノキシ-2-メチルプロパン酸;
2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)酢酸;
(1r,4r)-4-((2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボン酸;
N-(6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)-3-フェニルプロパンアミド;
3-(4-(2-((6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(R)-1-(2-((6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボン酸;
3-(3-(6-((6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
2-(4-(3-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパン酸;
3-(4-(2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
2-(4-(3-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸;
3-(4-(1-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
2-(4-(2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸;
(R)-1-(2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボン酸
3-(3-(6-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;及び
(1r,4r)-4-((2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボン酸
【0026】
本明細書で使用される用語と略語は、別段の指示がない限り、本来の意味を有する。
【0027】
本発明は、式(1)の化合物を製造する方法も提供する。以下では、本発明を説明するために、式(1)化合物の製造方法を反応スキームに基づいて説明する。しかし、当業者は、式(1)の構造に基づく様々な方法によって式(1)の化合物を製造することができ、そのような方法はすべて本発明の範囲内であると解釈されるべきである。すなわち、本明細書に記載の方法によって、又は先行技術に開示された様々な合成法を任意に組み合わせて式(1)の化合物を製造することができ、これは本発明の範囲内であると解釈されるべきである。したがって、式(1)化合物の製造方法は以下の方法に限定されない。
【0028】
本発明の式(1)の化合物は、下記反応スキーム1の方法により、化合物(2)に置換アミン基を直接導入して式(1)の化合物を製造するか、化合物(2)に保護アミンを導入して保護基を除去した後、得られた化合物(3)にアミド化反応によって所望の式(1)の化合物を製造することができる。
【0029】
【0030】
化合物(2)は、2-エトキシフェノールを出発物質とし、下記反応スキーム2の方法に従って製造することができる。
【0031】
【0032】
また、化合物(3)は、下記反応スキーム3の方法に従って製造することができる。
【0033】
【0034】
式(4)の化合物のうち、アミド誘導体は、適当な酸から塩化チオニル又は塩化オキサリルで処理した後、アンモニア水で処理することにより得ることができる。例えば、メチル4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)ベンゾエートは、下記反応スキーム4の方法に従って製造することができる。式(4)の化合物のうち、アミン誘導体は、ジオキサボロランコア中間体と各種クロロアリール化合物とのクロスカップリング反応により得られた化合物にアミノ基を導入し、アミノアリール中間体を合成することより得ることができる。例えば、エチル2-(4-(2-アミノピリミジン-4-イル)フェニル)アセテートは、下記反応スキーム5の方法に従って製造することができる。
【0035】
【0036】
【0037】
本明細書の製造方法において特に記載されていない化合物は、既知の化合物、又は既知の化合物から既知の合成法若しくは類似の方法により容易に合成できる化合物である。
【0038】
前記方法で得られた式(1)の化合物は、再結晶化、イオン泳動法、シリカゲルカラム・クロマトグラフィー又はイオン交換樹脂クロマトグラフィーなどの常法により、反応生成物から分離又は精製することができる。
【0039】
前述したように、本発明による化合物、その製造のための出発物質又は中間体は、様々な方法によって合成することができ、これは、式(1)の化合物の製造と関連して、本発明の範囲内であると解釈されるべきである。
【0040】
本発明による式(1)の化合物は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2(DGAT2)に対して阻害効果を示す。従って、本発明は、式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩又は異性体を、薬学的に許容される担体と共に含む、DGAT2に関連する疾患の治療用医薬組成物を提供する。また、生体内で式(1)の化合物に変換される各種プロドラッグ(prodrug)も本発明の範囲内である。
【0041】
本発明による医薬組成物で治療できるDGAT2に関連する疾患は、例えば、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、糖尿病、肥満、高脂血症、アテローム性動脈硬化症及び高コレステロール血症からなる群から選ばれる疾患が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
本発明において、「医薬組成物」とは、本発明の有効成分に加えて、担体、希釈剤、賦形剤などの他の成分を含んでいてもよい。したがって、前記医薬組成物は、必要に応じて、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はそれらの組み合わせを含むことができる。医薬組成物は、体内への活性化合物の投与を容易にする。化合物を投与するための様々な方法には、経口、注射、エアロゾル、非経口及び局所投与などが含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書において、「担体(carrier)」とは、細胞又は組織への化合物の投入を容易にする化合物を意味する。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、生きている細胞又は組織への多くの有機化合物の投入を容易にする従来の担体だ。
【0044】
本明細書において、「希釈剤」とは、生物学的に活性形態を安定化するだけでなく、化合物を溶解する溶媒に希釈される化合物を意味する。当該分野では、緩衝液に溶解した塩が希釈剤として使用される。従来使用されている緩衝液は、体液中の塩の形態を模倣したリン酸緩衝生理食塩水である。緩衝溶液は低濃度で溶液のpHを制御できるため、緩衝希釈剤は化合物の生物学的活性をほとんど変更しない。
【0045】
本明細書において、「薬学的に許容される」とは、化合物の生物学的活性と物性を損なわない性質を意味する。
【0046】
本発明の化合物は、様々な薬学的に投与される剤形化として製剤化することができる。本発明による医薬組成物を製造する場合、有効成分、具体的には、式(1)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは異性体は、製造される剤形を考慮して選択された薬学的に許容される担体と混合される。例えば、本発明による医薬組成物は、必要に応じて、注射剤、経口剤などに製剤化することができる。
【0047】
本発明の化合物は、公知の医薬用担体と賦形剤を用いて公知の方法により製剤化し、単位用量形態又は多用量容器に充填することができる。製剤は、油性又は水性媒質中の溶液、懸濁液又は乳化液の形態であってもよく、従来の分散剤、懸濁剤又は安定化剤を含むことができる。また、例えば、使用前に無菌、発熱物質が除去された水に溶解される乾燥粉末の形態であってもよい。本発明の化合物は、ココアバター又は他のグリセリドなどの従来の座薬基剤を使用することにより、坐剤に製剤化することもできる。経口投与のための固体形態には、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末及び顆粒が含まれる。特にカプセル剤と錠剤が好ましい。錠剤及び丸剤は、好ましくは腸溶性コーティングされている。固体形態は、本発明の化合物をショ糖、乳糖、デンプンなどの一つ以上の不活性希釈剤及びステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、崩壊剤、結合剤などから選択される少なくとも1つの担体と混合することによって製造することができる。
【0048】
本発明による化合物又はそれを含む医薬組成物は、必要に応じて、他の薬剤、例えば、他の代謝障害治療剤と組み合わせて投与することができる。
【0049】
本発明の式(1)の化合物の投与量は、患者の体重、年齢及び病状を考慮して医師の処方によって決定される。成人の通常の投与量は、投与の頻度と強度に応じて、1日当たり約0.3~500mg範囲である。成人の筋肉内又は静脈内投与の典型的な1日量は、分割単位用量で投与できる1日当たり約1~300mgの範囲である。一部の患者の場合、より高い1日用量を必要とする。
【0050】
本明細書において、「治療」とは、疾患の症状を示す対象における疾患の進行を抑止、遅延又は緩和することを意味する。
【発明の効果】
【0051】
本発明による式(1)の新規ビアリール誘導体化合物は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2(DGAT2)に対して優れた阻害活性を示し、したがって、DGAT2に関連する代謝性疾患の予防、緩和又は治療に有用に使用することができる。また、本発明による式(1)の新規ビアリール誘導体化合物は、親油性(lipophilicity)及び肝選択性(liver selectivity)の増加を示し、それにより、肝臓への曝露の増大による効能が改善されるとともに、疾患動物モデル及び臨床では、半減期が比較的長いため、服用の便宜性のメリットを期待することができる。
【0052】
以下、本発明を以下の実施例でより詳細に説明する。しかしながら、本発明の保護範囲はこれらの例に限定されないことを理解すべきである。
【0053】
以下の実施例において、Mはモル濃度を表し、Nはn-濃度を意味する。また、本明細書の反応スキーム、製造例及び実施例で使用される略語と用語の説明は以下の通りである:
DCM:ジクロロメタン
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
NMP:N-メチルピロリドン
Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2:[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(1:1)
TEA:トリエチルアミン
THF:テトラヒドロフラン
PyBroP:ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート
【0054】
製造例1:2-クロロ-6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジンの合成
【化7】
工程1:3-ブロモ-5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジンの合成
0℃でNMP(100mL)に60%含量の水素化ナトリウム(1.82g、46mmol)を加え、窒素存在下、2-エトキシフェノール(6.1g、44mmol)をゆっくり滴加した。反応溶液を室温で1時間撹拌した後、3,5-ジブロモピリジン(7.2g、30.4mmol)を滴加し、150℃で72時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、水(120mL)で希釈し、5N水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加え、エーテルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下で除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た(収率19.5%)。
1H NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 8.32 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.09 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.04-6.87 (m, 2H), 4.01 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.24 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
【0055】
工程2:(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ボロン酸の合成
工程1で得られた3-ブロモ-5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン(1.74g、5.92mmol)、4,4,4’,4’,5,5、5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(2.25g、8.87mmol、1.5eq)、酢酸カリウム(2.32g、23.66mmol)及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(48mg、0.06mmol)をトルエン(30mL)に加え、120℃で12時間還流撹拌した。反応終了後、セライトパッドを通してろ過し、トルエンで洗浄し、溶媒を減圧下で除去し、さらに精製することなく、次の反応で行った。
m/z (M+H)+ calculated for C13H14BNO4: 259.0, found 260.1
【0056】
工程3:2-クロロ-6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジンの合成
工程2で得られた(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ボロン酸(1.53g、5.92mmol)、2,6-ジクロロピラジン(0.97g、6.5mmol、1.1eq)、炭酸ナトリウム(1.25g、11.81mmol)及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(48mg、0.06mmol)を1,4-ジオキサン(20mL)/水(1mL)に加え、120℃で12時間還流撹拌した。反応終了後、セライトパッドを通してろ過し、トルエンで洗浄し、溶媒を減圧下で除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た(2工程収率39%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.90 (s, 2H), 8.57 (s, 1H), 8.41 (d, j = 4 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 4 Hz, 1H), 7.20 (m, 1H), 7.13 (m, 1H), 7.02 (m, 2H), 4.06 (q, 2H), 1.24 (t, 3H)
【0057】
製造例2:2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジンの合成
【化8】
工程1:1-(3-ブロモフェノキシ)-2-エトキシベンゼンの合成
2-エトキシフェノール(4.33g、31.4mmol)、1-ブロモ-3-ヨードベンゼン(6mL、47.1mmol)、塩化銅(I)(1.553g、15.69mmol)、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタディオン(1.310mL、6.27mmol)及び炭酸セシウム(10.22g、31.4mmol)をNMP70mLに溶解し、120℃に加熱した。16時間撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却した。1N塩酸水溶液で反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、有機溶媒を減圧下で除去した。シリカゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で精製して、所望の生成物を得た(収率96%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D) δ: 7.14-7.12 (m, 3H), 7.04-7.03 (m, 2H), 7.00-6.98 (m, 1H), 6.97-6.93 (m, 1H), 6.88-6.86 (m, 1H), 4.03 (q, 2H, J = 7.35 Hz), 1.26 (t, 3H, J = 7.03 Hz)
【0058】
工程2:2-(3-(2-エトキシフェノキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-タイオクサボロランの合成
工程1で得られた1-(3-ブロモフェノキシ)-2-エトキシベンゼン(1.74g、5.94mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(2.26g、8.90mmol、1.5eq)、酢酸カリウム(2.33g、23.74mmol)及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(48mg、0.06mmol)をトルエン(30mL)に加え、120℃で12時間還流撹拌した。反応終了後、セライトパッドを通してろ過し、トルエンで洗浄した後、溶媒を減圧下で除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た(収率45%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.48 (d, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.28 (t, 1H), 7.09 (t, 1H), 6.94 - 7.03 (m, 4H), 4.06 (q, 2H), 1.32 (s, 12H), 1.28 (t, 3H)
【0059】
工程3:2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジンの合成
工程2で得られた2-(3-(2-エトキシフェノキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.9g、2.65mmol)、2,6-ジクロロピラジン(0.43g、2.91mmol、1.1eq)、炭酸ナトリウム(0.56g、5.29mmol)及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(22mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン(20mL)/水(1mL)に加え、120℃で12時間還流撹拌した。反応終了後、セライトパッドを通してろ過し、トルエンで洗浄した後、溶媒を減圧下で除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た(収率75%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D) δ 8.85 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.40 (t, 1H), 7.14 (t, 1H), 7.05 (d, J = 6 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 6 Hz, 2H), 6.95 (t, 1H), 4.05 (q, 2H), 1.26 (t, 3H)
【0060】
製造例3:2-クロロ-6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジンの合成
【化9】
2-エトキシフェノール(1.5g、10.86mmol)と2,6-ジブロモピリジン(3.86g、16.28mmol)を用いて、製造例2と同様の方法で所望の生成物を得た(収率44.9%)。
m/z (M+H)+ calculated for C
17H
14ClN
3O
2: 327.77, found 328.0
【0061】
製造例4:2-クロロ-6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジンの合成
【化10】
工程1:3-エトキシピリジン1-オキサイドの合成
3-エトキシピリジン(1.683g、13.67mmol)をDCM(32.5mL)に溶解し、10℃でm-クロロペルオキシ安息香酸(3.07g、17.77mmol)を加え、15℃で3時間撹拌した。反応終了後、得られた生成物をDCMで抽出した。溶媒を減圧下で除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た(収率87%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.96 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.92-7.83 (m, 1H), 7.15 (dd, J = 8.7, 6.3 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 8.5, 2.1 Hz, 1H), 4.05 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.44 (t, J = 6.9 Hz, 3H)
【0062】
工程2:2-(3-ブロモフェノキシ)-3-エトキシピリジンの合成
工程1で得られた3-エトキシピリジン1-オキサイド(825mg、5.93mmol)と3-ブロモフェノール(1.02g、5.93mmol)をTHF(19mL)に溶解し、DIPEA(3.83mL、21.94mmol)とPyBroP(3.59g、7.71mmol)を加え、室温で17時間撹拌した。反応完結後に、得られた生成物を減圧濃縮し、DCMで希釈し、有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた生成物を硫酸マグネシウムで乾燥し、有機溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルカラムで精製して、所望の生成物を得た(収率88%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.73 (dd, J = 5.0, 1.4 Hz, 1H), 7.28 (td, J = 3.4, 1.8 Hz, 2H), 7.24-7.19 (m, 2H), 7.12-7.02 (m, 2H), 7.02-6.91 (m, 1H), 6.82-6.66 (m, 1H), 4.13 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.46 (td, J = 7.1, 4.6 Hz, 3H)
【0063】
工程3:2-クロロ-6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジンの合成
工程2で得られた2-(3-ブロモフェノキシ)-3-エトキシピリジン(1.54g、5.24mmol)を用いて、製造例2の工程2及び工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率24.4%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 8.90 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.84 (dd, J = 8.7, 1.4 Hz, 2H), 7.71 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 7.52 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.33-7.26 (m, 1H), 7.24-7.15 (m, 1H), 6.98 (dd, J = 7.8, 5.0 Hz, 1H), 4.17 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.48 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
【0064】
製造例5:3-フェニルプロパンアミドの合成
【化11】
アンモニア水(189mL)に、THF(46mL)に溶解した3-フェニルプロパノイルクロリド(4.5mL、30.3mmol)を0℃で滴加し、1時間撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで有機溶媒を乾燥させ、有機溶媒を減圧下で除去した。シリカゲルカラムで精製して、所望の生成物を得た(収率100%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.29-7.25 (m, 2H), 7.22-7.20 (m, 3H), 5.44 (s, 1H), 5.35 (s, 1H), 2.97 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 7.6 Hz, 2H)
【0065】
製造例6:メチル2-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェニル)アセテートの合成
【化12】
工程1:ジメチル2,2’-(1,4-フェニレン)ダイアセテートの合成
0℃でメタノール(20mL)に塩化アセチル(2.9mL、40.8mmol)をゆっくり滴加した。次に、1,4-フェニレンジ酢酸(4.0g、20.6mmol)を溶解し、5時間還流撹拌した。反応終了をTLC確認後、室温まで冷却し、有機溶媒を減圧下で除去した。反応物を酢酸エチル100mLで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液と塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで有機溶媒を乾燥させ、有機溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物を得た。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.24 (s, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.61 (s, 2H)
【0066】
工程2:2-(4-(2-メトキシ-2-オキソエチル)フェニル)酢酸の合成
工程1で得られたジメチル2,2’-(1,4-フェニレン)ダイアセテート(4.58g、20.6mmol)をTHF(30mL)とメタノール(10mL)に溶解し、2N水酸化ナトリウム10mLをゆっくり滴加し、室温で3時間撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去し、水で希釈し、2N塩酸溶液で酸性化した。酢酸エチルで抽出後、硫酸マグネシウムで有機溶媒を乾燥させ、有機溶媒を減圧下で除去した。再結晶を行い、所望の生成物を得た(収率30%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.25 (d, J = 4.9 Hz, 4H), 3.68 (s, 3H), 3.66-3.62 (2H), 3.61 (s, 2H)
【0067】
工程3:メチル2-(4-カルバモイルフェノキシ)-2-メチルプロパノエートの合成
工程2で得られた2-(4-(2-メトキシ-2-オキソエチル)フェニル)酢酸(1.0g、4.8mmol)をジクロロメタン30mLに溶解し、塩化チオニル(0.7mL、9.6mmol)を室温でゆっくり滴加した。室温で4時間撹拌後、有機溶媒を減圧下で除去し、THF5mLに溶解し、25%アンモニア水溶液に0℃でゆっくり滴加した。1時間撹拌した後、生成された固体をろ過して、所望の生成物を得た(収率74%)。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-D6): δ 7.42 (s, 1H), 7.15 (dd, J = 12.2, 7.9 Hz, 4H), 6.83 (s, 1H), 3.60 (s, 2H), 3.57 (d, J = 4.3 Hz, 3H), 3.30 (s, 2H)
【0068】
製造例7:メチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェニル)アセテートの合成
【化13】
工程1:tert-ブチル(E)-3-(4-(2-メトキシ-2-オキソエチル)フェニル)アクリレートの合成
メチル2-(4-ブロモフェニル)アセテート(16.4g、71.56mmol)、tert-アクリル酸ブチル(18.0g、143.0mmol)及びトリエチルアミン(50mL、0.35mol)をジメチルホルムアミド200mLに溶解した。窒素バブリングにより溶存酸素を除去した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(2.5g、3.58mmol)を滴加し、75℃で12時間撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで有機溶媒を乾燥させ、有機溶媒を減圧下で除去した。シリカゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製して、所望の生成物を得た(収率79%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.56 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 6.34 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.64 (s, 2H), 1.53 (s, 9H)
【0069】
工程2:tert-ブチル3-(4-(2-メトキシ-2-オキソエチル)フェニル)プロパノエートの合成
工程1で得られたtert-ブチル(E)-3-(4-(2-メトキシ-2-オキソエチル)フェニル)アクリレート(5.0g、18.0mmol)をメタノール50mLに溶解し、パラジウム炭(0.5g、0.452mmol)を滴加した。還元反応は、水素バルーンを用いて行った。反応が終了したことを確信した後、得られた生成物をセライトパッドを通してろ過し、有機溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物を得た(収率93%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.17 (dd, J = 18.3, 7.9 Hz, 4H), 3.68 (s, 3H), 3.59 (s, 2H), 2.88 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.41 (s, 9H)
【0070】
工程3:3-(4-(2-メトキシ-2-オキソエチル)フェニル)プロパン酸の合成
工程2で得られたtert-ブチル3-(4-(2-メトキシ-2-オキソエチル)フェニル)プロパノエート(4.67g、16.8mmol)を20%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン溶液100mLに溶解し、室温で2時間撹拌した。反応が終了したことを確認した後、有機溶媒を減圧下で除去し、再結晶を行い、所望の生成物を得た(収率100%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.58 (s, 2H), 7.18 (dd, J = 19.0, 7.9 Hz, 4H), 3.70 (s, 3H), 3.61 (s, 2H), 2.95 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.69 (t, J = 7.9 Hz, 2H)
【0071】
工程4:メチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェニル)アセテートの合成
工程3で得られた3-(4-(2-メトキシ-2-オキソエチル)フェニル)プロパン酸(3.73g、16.8mmol)を用いて、製造例6の工程3と同様の方法でアミド化反応によって所望の生成物を得た(収率65%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.18 (q, J = 7.7 Hz, 4H), 5.41 (s, 2H), 3.66 (d, J = 15.9 Hz, 3H), 3.59 (s, 2H), 3.02-2.87 (2H), 2.51 (t, J = 7.6 Hz, 2H)
【0072】
製造例8:メチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェニル-2-メチルプロパノエートの合成
【化14】
工程1:tert-ブチル(E)-3-(4-(1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)アクリレートの合成
メチル2-(4-ブロモフェニル)-2-メチルプロパノエート(1.0g、3.89mmol)とtert-アクリル酸ブチル(0.98g、7.8mmol)を用いて、製造例7の工程1と同様の方法で所望の生成物を得た(収率79%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.56 (dd, J = 15.9, 4.3 Hz, 1H), 7.51-7.42 (2H), 7.41-7.31 (m, 2H), 6.34 (dd, J = 15.9, 4.9 Hz, 1H), 3.66 (d, J = 4.9 Hz, 3H), 1.58 (d, J = 4.9 Hz, 6H), 1.53 (d, J = 4.9 Hz, 9H)
【0073】
工程2:メチル2-(4-(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパノエートの合成
工程1で得られたtert-ブチル(E)-3-(4-(1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)アクリレート(0.93g、3.06mmol)を用いて、製造例7の工程2と同様の方法で還元反応により、所望の生成物を得た(収率96%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.23 (s, 2H), 7.15 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 3.63 (s, 3H), 2.87 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 1.55 (s, 6H), 1.40 (s, 9H)
【0074】
工程3:3-(4-(1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)プロパン酸の合成
工程2で得られたメチル2-(4-(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパノエート(0.90g、2.92mmol)を用いて、製造例7の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率96%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.26 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.03-2.84 (2H), 2.82-2.55 (2H), 1.56 (s, 6H)
【0075】
工程4:メチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパノエートの合成
工程3で得られた3-(4-(1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)プロパン酸(0.7g、2.8mmol)を用いて、製造例6の工程3と同様の方法でアミド化反応により、所望の生成物を得た(収率99%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.25 (dd, J = 6.4, 2.1 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 5.36 (s, 2H), 3.64 (s, 3H), 3.00-2.90 (2H), 2.52 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.56 (d, J = 4.3 Hz, 6H)
【0076】
製造例9:2-(4-(2-エトキシ-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)フェニル)酢酸の合成
【化15】
工程1:tert-ブチル2-(4-ヨードフェニル)アセテートの合成
2-(4-ヨードフェニル)酢酸(13.0g、49.6mmol)にtert-ブタノール(130mL)を加え、透明になるまで窒素バブリングしながら撹拌した。ジ-tert-ブチルジカーボネート(10.83g、49.6mmol)を加え、溶解するまで撹拌した後、4-ジメチルアミノピリジン(6.06g、49.6mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。有機溶媒を減圧下濃縮し、シリカゲルカラム(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:9)で精製して、所望の生成物を得た(収率68.9%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.63 (d, J = 7.95 Hz, 2H), 7.01 (d, J = 8.55 Hz, 2H), 3.45 (s, 2H), 1.42 (s, 9H)
【0077】
工程2:エチル2-(4-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジフルオロアセテートの合成
工程1で得られたtert-ブチル2-(4-ヨードフェニル)アセテート(8.4g、26.4mmol)と2-ブロモ-2,2-ジフルオロアセテート(5.36g、26.4mmol)をDMSO(80mL)に溶解した活性化銅粉(4.37g、68.6mmol)に加えた。60℃で12時間撹拌した後、氷と塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を塩化アンモニウム水溶液と塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧下濃縮し、シリカゲルカラム(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:9)で精製して、所望の生成物を得た(収率60%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.56 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 8 Hz, 2H), 4.31 (q, J = 8 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.30 (t, J = 8 Hz, 3H)
【0078】
工程3:2-(4-(2-エトキシ-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)フェニル)酢酸の合成
工程2で得られたエチル2-(4-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジフルオロアセテート(5g、15.91mmol)をDCM(10mL)に溶解し、DCM(50mL)に溶解したトリフルオロ酢酸(15mL)を加え、室温で1時間撹拌した。トルエンを加え、溶媒を減圧下で除去した後、さらに精製することなく、所望の生成物を得た(収率100%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.58 (d, J = 7.95 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 7.95 Hz, 2H), 4.28 (q, J = 6.7 Hz, 2H), 3.69 (s, 2H), 1.30 (t, J = 7.03 Hz, 3H)
【0079】
製造例10:tert-ブチル3-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエートの合成
【化16】
工程1:2-(4-(3-tert-ブトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)フェニル)酢酸の合成
ジイソプロピルアミン(14.0mL、98mmol)を無水のテトラヒドロフラン(164mL)に加え、-78℃で2.5M n-ブチルリチウム(39.3mL、98mmol)をゆっくり滴加した。反応溶液を同温度で20分間撹拌した。室温まで昇温し、10分間撹拌した後、反応溶液を再び-78℃に降温して10分間撹拌した。反応溶液に無水テトラヒドロフラン(163mL)に溶解したtert-ブチルイソブチレート(14.16g、98mmol)を滴加した。反応溶液を-78℃で1時間撹拌し、無水テトラヒドロフラン(163mL)に溶解した2-(4-(ブロモメチル)フェニル)酢酸(7.5g、32.7mmol)にゆっくりと滴加した。反応溶液を室温まで昇温し、20分間撹拌した。反応溶液に1N塩酸水溶液(100mL)を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、シリカゲルカラム(メタノール:ジクロロメタン=1:9)で精製して、所望の生成物を得た(収率92%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.20 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.14 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 3.64 (s, 2H), 2.83 (s, 2H), 1.63-1.40 (m, 9H), 1.18-1.06 (6H)
【0080】
工程2:tert-ブチル3-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエートの合成
工程1で得られた2-(4-(3-tert-ブトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)フェニル)酢酸(6.82g、23.33mmol)を用いて、製造例6の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率52.7%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.20-7.09 (m, 4H), 5.33 (d, J = 36.1 Hz, 2H), 3.54 (s, 2H), 2.80 (s, 2H), 1.42 (s, 9H), 1.11 (s, 6H)
【0081】
製造例11:エチル(R)-1-(2-アミノピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキシレートの合成
【化17】
工程1:エチル(R)-1-(2-クロロピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキシレートの合成
2,4-ジクロロピリミジン(0.5g、3.36mmol)をエタノール(6.71mL)に溶解し、エチル(R)-ピペリジン-3-カルボキシレート(0.621mL、4.03mmol)とTEA(0.187mL、1.343mmol)を加えた。反応混合物を85℃で3時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した後、得られた生成物を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄した。シリカゲルカラムで精製して、所望の生成物を得た(収率86%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 8.05 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.51-4.11 (m, 3H), 4.06 (s, 1H), 3.43 (dd, J = 13.4, 9.5 Hz, 1H), 3.36-3.21 (m, 1H), 2.67-2.46 (m, 1H), 2.22-2.03 (m, 1H), 1.96-1.79 (m, 2H), 1.69-1.59 (m, 1H), 1.33-1.23 (m, 3H)
【0082】
工程2:エチル(R)-1-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキシレートの合成
工程1で得られたエチル(R)-1-(2-クロロピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキシレート(0.78g、2.89mmol)、tert-ブチルカルバメート(0.407g、3.47mmol)、炭酸セシウム(2.36g、7.23mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンチン(0.201g、0.347mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.265g、0.289mmol)を1,4-ジオキサン50mLに溶解し、撹拌しながら窒素バブリングにより溶存酸素を除去した後、密閉容器内で外気の流入を遮断した。反応混合物を145℃で6時間撹拌し、室温まで冷却させた。セライトパッドを通してろ過し、有機溶媒を減圧下で除去した後、得られた生成物を酢酸エチルに溶解し、塩水で洗浄した。有機溶媒を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で除去した。シリカゲルカラムで精製して、所望の生成物を得た(収率11.8%)。
m/z (M+H)+ calculated for C17H26N4O4: 350.42, found 351.2
【0083】
工程3:エチル(R)-1-(2-アミノピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキシレートの合成
工程2で得られたエチル(R)-1-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキシレート(0.120g、0.342mmol)をDCM(3mL)に溶解し、DCMに溶解させたトリフルオロ酢酸(0.3mL)を加え、室温で2時間撹拌した。減圧下に溶媒を除去した後、得られた生成物をDCMに溶解し、水で洗浄した。シリカゲルカラムで精製して、所望の生成物を得た(収率58.3%)。
1H-NMR (500MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.68 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 6.49-6.21 (1H), 6.07 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 4.16 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.01 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 3.43-3.30 (1H), 3.30-3.16 (1H), 2.63-2.47 (m, 1H), 2.19-2.03 (m, 1H), 1.91-1.76 (m, 2H), 1.65-1.46 (m, 1H), 1.26 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
【0084】
製造例12:tert-ブチル3-(3-(6-アミノピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエートの合成
【化18】
工程1:tert-ブチル3-(3-ブロモフェニル)-2,2-ジメチルプロパノエートの合成
1-ブロモ-3-(ブロモメチル)ベンゼン(20.0g、80mmol)を用いて製造例10の工程1と同様の方法で所望の生成物を得た(収率77%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.37-7.30 (m, 2H), 7.16-7.04 (m, 2H), 2.78 (s, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.13 (s, 6H)
【0085】
工程2:tert-ブチル2,2-ジメチル-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル-プロパノエートの合成
工程1で得られたtert-ブチル3-(3-ブロモフェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(19.3g、61.6mmol)、4,4,4,4,5,5,5,5-オクタメチル-2,2-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(18.78g、73.9mmol)、酢酸カリウム(18.14g、185mmol)及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(2.52g、3.08mmol)を1,4-ジオキサン616mLに溶解し、撹拌しながら窒素バブリングにより解酸素を除去した後、密閉容器内で外気の流入を遮断した。反応混合物を110℃で16時間撹拌した後、室温まで冷却させた。セライトパッドでろ過し、有機溶媒を減圧下で除去した後、シリカゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン)で精製して、所望の生成物を得た(収率69.8%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.72-7.55 (m, 2H), 7.26-7.17 (m, 2H), 2.83 (s, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.33 (s, 12H), 1.13 (s, 6H)
【0086】
工程3:tert-ブチル3-(3-(6-アミノピリジン-2-イル)-フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエートの合成
6-クロロピリジン-2-アミン(5.53g、43mmol)、工程2で得られたtert-ブチル2,2-ジメチル-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル-プロパノエート(15.5g、43mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液(64.5mL、129mmol)及びビス(トリフェニルホスフィノ)ジクロロパラジウム(3.02g、4.30mmol)をジメトキシエタン358mLに溶解した後、撹拌しながら窒素バブリングにより溶解酸素を除去した後、密閉容器内で外気の流入を遮断した。反応混合物は100℃で16時間撹拌した後、室温まで冷却させた。セライトパッドを通してろ過し、有機溶媒を減圧下で除去した後、酢酸エチルに溶解し、塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで有機溶媒を乾燥させ、有機溶媒を減圧下で除去した。シリカゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン)で精製して、所望の生成物を得た(収率41.6%)。
m/z (M+H)+ calculated for C20H26N2O2: 326.44, found 327.2
【0087】
製造例13:tert-ブチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパノエートの合成
【化19】
工程1:tert-ブチル2-(4-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパノエートの合成
メチル3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート(2.17g、12.04mmol)、硫酸マグネシウム(0.29g、2.41mmol)及び炭酸カリウム(6.66g、48.2mmol)をDMF(30.1mL)に溶解し、tert-ブチル2-ブロモ-2-メチルプロパノエート(9.40g、42.1mmol)をさらに加えた。反応混合物を75℃で16時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。セライトパッドを通してろ過し、有機溶媒を減圧下で除去した後、酢酸エチルに溶解し、塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで有機溶媒を乾燥させ、有機溶媒を減圧下で除去した。シリカゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン)で精製して、所望の生成物を得た(収率62%)。
【0088】
工程2:3-(4-((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
tert-ブチル2-(4-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパノエート(2.4g、7.44mmol)をTHF(15mL)とメタノール(15mL)に溶解し、1N水酸化ナトリウム(15mL)をさらに加え、室温で6時間撹拌した。反応混合物を塩酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで有機溶媒を乾燥させ、有機溶媒を減圧下で除去した(収率100%)。
【0089】
工程3:tert-ブチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパノエートの合成
3-(4-((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)フェニル)プロパン酸(2.30g、7.46mmol)をDCM(37mL)に溶解し、塩化オキサリル(1.31mL、14.92mmol)及びDMF(0.058mL、0.75mmol)を室温でさらに加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、減圧下で溶媒を除去した後、THF(19mL)を加えた。温度を0℃に下げ、25%水酸化アンモニウム(8.71mL、224mmol)をゆっくりと滴加した。有機溶媒を減圧下で除去した後、反応混合物に酢酸エチルを加えて抽出し、塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで有機溶媒を乾燥させ、有機溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物を得た(収率87%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.11-7.01 (m, 2H), 6.77 (dt, J = 9.3, 2.5 Hz, 2H), 5.33 (s, 2H), 2.89 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.53-2.44 (m, 2H), 1.53 (s, 6H), 1.43 (s, 9H)
【0090】
製造例14:ベンジル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパノエートの合成
【化20】
2-(4-ブロモフェニル)-2-メチルプロパン酸(5.00g、20.57mmol)とベンジルブロミド(4.22g、24.68mmol)を用いて、製造例13の工程1、製造例7の工程1、工程3及び工程4と同様の方法を順次に行い、所望の生成物を得た(収率60%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.66-7.59 (m, 1H), 7.54-7.40 (m, 2H), 7.40-7.25 (m, 5H), 7.19-7.10 (m, 2H), 6.47-6.40 (m, 1H), 5.61 (s, 2H), 5.09 (s, 2H), 1.59 (s, 6H)
【0091】
製造例15:tert-ブチル3-(4-(1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエートの合成
【化21】
工程1:tert-ブチル3-(4-(1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエートの合成
メチル2-(4-(ブロモメチル)フェニル)-2-メチルプロパノエート(5.40g、19.91mmol)とtert-ブチルイソブチレート(3.45g、23.90mmol)を用いて、製造例10の工程1と同様の方法で行い、所望の生成物を得た(収率78%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 3.63 (s, 3H), 2.78 (s, 2H), 1.54 (s, 6H), 1.41 (s, 9H), 1.11 (s, 6H)
【0092】
工程2:tert-ブチル3-(4-(1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエートの合成
工程1で得られたtert-ブチル3-(4-(1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(0.50g、1.50mmol)を用いて、製造例13の工程2及び工程3と同様の方法を順次に行い、所望の生成物を得た(収率76%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.25 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 5.85 (s, 1H), 5.31 (s, 1H), 2.78 (s, 2H), 1.53 (s, 6H), 1.41 (s, 9H), 1.10 (s, 6H)
【0093】
製造例16:tert-ブチル2-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェノキシ)-2-メチルプロパノエートの合成
【化22】
メチル2-(4-ヒドロキシフェニル)アセテート(2.00g、12.04mmol)とtert-ブチル2-ブロモ-2-メチルプロパノエート(9.40g、42.1mmol)を用いて、製造例13と同様の方法で所望の生成物を得た(収率54%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 7.12 (dd, J = 11.4, 2.7 Hz, 2H), 6.83 (td, J = 5.7, 3.7 Hz, 2H), 5.43 (d, J = 26.5 Hz, 2H), 3.50 (s, 2H), 1.57-1.50 (m, 6H), 1.45-1.37 (m, 9H)
【0094】
製造例17:エチル2-(4-(2-アミノピリミジン-4-イル)フェニル)アセテートの合成
【化23】
エチル2-(4-ブロモフェニル)アセテート(27.6g、114mmol)を用いて、製造例12の工程2、工程3、製造例11の工程2及び工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率17.2%)。
m/z (M+H)
+ calculated for C
14H
15N
3O
2: 257.29, found 258.1
【0095】
製造例18:メチル(1r,4r)-4-((2-アミノピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボキシレートの合成
【化24】
工程1:メチル(1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキサン-1-カルボキシレートの合成
(1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキサン-1-カルボン酸(0.300g、2.081mmol)をメタノール(10mL)に溶解した後、硫酸(0.017mL、0.312mmol)を加えた。60℃で16時間撹拌した後、有機溶媒を減圧下で除去し、シリカゲルカラムで精製して、所望の生成物を得た(収率100%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 8.25 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 6.64-6.50 (m, 1H), 5.16-5.05 (1H), 3.73-3.62 (m, 3H), 2.35 (tt, J = 11.4, 3.7 Hz, 1H), 2.18 (dt, J = 12.8, 3.5 Hz, 2H), 2.07 (dd, J = 14.2, 3.7 Hz, 2H), 1.74-1.56 (m, 2H), 1.49 (ddd, J = 23.0, 12.7, 3.5 Hz, 2H)
工程2:メチル(1r,4r)-4-((2-クロロピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボキシレートの合成
【0096】
2,4-ジクロロピリミジン(0.28g、1.91mmol)をDMF(10mL)に溶解した後、、工程1で得られたメチル(1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキサン-1-カルボキシレート(0.33g、2.10mmol)と炭酸セシウム(2.56g、4.78mmol)を加えた。80℃で3時間撹拌した後、ジエチルエーテルで希釈し、水で洗浄した。硫酸マグネシウムで有機溶媒を乾燥させ、シリカゲルカラムで精製して、所望の生成物を得た(収率39.8%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 8.25 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 6.64-6.50 (m, 1H), 5.16-5.05 (1H), 3.73-3.62 (m, 3H), 2.35 (tt, J = 11.4, 3.7 Hz, 1H), 2.18 (dt, J = 12.8, 3.5 Hz, 2H), 2.07 (dd, J = 14.2, 3.7 Hz, 2H), 1.74-1.56 (m, 2H), 1.49 (ddd, J = 23.0, 12.7, 3.5 Hz, 2H)
【0097】
工程3:メチル(1r,4r)-4-((2-アミノピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボキシレートの合成
工程2で得られたメチル(1r,4r)-4-((2-クロロピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(0.21g、0.76mmol)を用いて、製造例11の工程2と同様の方法で所望の生成物を得た(収率69%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D) δ 7.98 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 6.01 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.02-4.89 (m, 1H), 4.82 (s, 2H), 3.68 (dd, J = 7.3, 2.7 Hz, 5H), 2.44-2.26 (m, 1H), 2.20-1.99 (m, 4H), 1.71-1.57 (m, 2H), 1.52 (s, 1H), 1.41 (dd, J = 12.6, 3.4 Hz, 1H)
【0098】
実施例1:N-(6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)-3-フェニルプロパンアミドの合成
【化25】
製造例1で得られた2-クロロ-6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン(0.1g、0.305mmol)、製造例5で得られた3-フェニルプロパンアミド(0.055g、0.366mmol)、炭酸セシウム(0.249g、0.763mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンチン(21mg、0.037mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(28mg、0.031mmol)を1,4-ジオキサン15mLに溶解した後、撹拌しながら窒素バブリングにより溶存酸素を除去し、密閉容器内で外気の流入を遮断した。反応混合物を110℃で16時間撹拌した後、室温まで冷却した。セライトパッドを通してろ過し、有機溶媒を減圧下で除去した後、酢酸エチルに溶解し、塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで有機溶媒を乾燥させ、有機溶媒を減圧下で除去した。シリカゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製して、所望の生成物を得た(収率67%)。
m/z (M+H)
+ calculated for C
26H
24N
4O
3: 440.50, found 441.1
【0099】
実施例2:メチル2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)アセテートの合成
【化26】
製造例1で得られた2-クロロ-6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン(0.32g、0.976mmol)、製造例6で得られたメチル2-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェニル)アセテート(0.243g、1.172mmol)を用いて実施例1と同様の方法で所望の生成物を得た(収率22.6%)。
1H NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.50 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.67 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.27 (4H), 7.17 (1H), 7.08 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.00-6.94 (m, 2H), 3.99 (q, J = 6.7 Hz, 2H), 3.76 (s, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.62 (s, 2H), 1.19 (t, J = 6.7 Hz, 3H)
【0100】
実施例3:2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)酢酸の合成
【化27】
実施例2で得られたメチル2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)アセテート(110mg、0.221mmol)をTHF(6mL)とメタノール(2mL)に溶解した。水(2mL)に溶解した水酸化ナトリウム(44mg、1.103mmol)を加えた後、室温で4時間撹拌した。反応物を室温まで冷却した後、反応混合物を1N塩酸水溶液を用いて、pH4.5に滴定し、酢酸エチルで希釈し、水層を除去した。得られた生成物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、有機溶媒を減圧下で除去した。シリカゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製して、所望の生成物を得た(収率33.6%)。
m/z (M+H)
+ calculated for C
27H
24N
4O
5: 484.51, found 485.1
【0101】
実施例4:2-(4-(3-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)酢酸の合成
【化28】
工程1:メチル2-(4-(3-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)アセテートの合成
製造例1で得られた2-クロロ-6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン(0.20g、0.61mmol)と製造例7で得られたメチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェニル)アセテート(0.14g、0.61mmol)を用いて、実施例1と同様の方法で所望の生成物を得た(収率35%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.51 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.36 (d, J = 10 Hz, 2H), 7.68 (s, 1H), 7.25 (m, 5H), 7.10 (d, 1H), 6.94 - 7.02 (m, 2H), 4.02 (q, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.58 (s, 2H), 3.06 (t, 2H), 2.77 (t, 2H), 1.21 (t, 3H)
【0102】
工程2:2-(4-(3-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)酢酸の合成
工程1で得られたエステル化合物(0.11g、2.39mmol)を用いて、実施例3と同様の方法で加水分解して、所望の生成物を得た(収率28%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ 10.87 (s, 1H), 9.34 (s, 1H), 9.00 (s, 2H), 8.33 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.17 (m, 7H), 7.02 (t, 1H), 4.03 (t, 2H), 3.51 (s, 2H), 2.92 (t, 2H), 2.78 (t, 2H), 1.10 (t, 3H)
【0103】
実施例5:メチル2-(4-(3-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパノエートの合成
【化29】
製造例1で得られた2-クロロ-6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン(0.25g、0.76mmol)と製造例8で得られたメチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェニル-2-メチルプロパノエート(0.19g、0.76mmol)を用いて、実施例1と同様の方法で所望の生成物を得た(収率51%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.51 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.37 (d, J = 4 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.25 (m, 3H), 7.20 (m, 2H), 7.12 (m, 1H), 7.03 (m, 2H), 4.03 (q, 2H), 3.06 (t, 2H), 2.78 (t, 2H), 1.55 (s, 6H), 1.22 (t, 3H)
【0104】
実施例6:エチル2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジフルオロアセテートの合成
【化30】
工程1:6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-アミンの合成
表題化合物は、実施例3において、2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)酢酸を製造する過程で副産物として得られた。
m/z (M+H)
+ calculated for C
17H
16N
4O
2: 308.3, found 309.1
【0105】
工程2:エチル2-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジフルオロアセテートの合成
製造例9で得られた2-(4-(2-エトキシ-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)フェニル)アセッツ酸(0.02g、0.077mmol)をDCM(0.4mL)に溶解し、塩化オキサリル(0.02g、0.155mmol)を加え、1滴のDMFを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下で溶媒を除去した。濃縮物をTHF(0.2mL)に溶解し、温度を0℃に下げ、工程1で得られた6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-アミン(0.02g、0.065mmol)をTHF(0.2mL)に溶解し、TEA(0.022g、0.216mmol)を加えた。室温で16時間撹拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。水と塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで有機層を乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た(収率13%)。
1H-NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.49 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.66 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.21 (1H), 7.11 (1H), 7.03-6.99 (2H), 4.30 (q, J = 7.95 Hz, 2H), 4.03 (q, J = 6.15 Hz, 2H), 3.86 (s, 2H), 1.31 (t, J = 6.15 Hz, 3H), 1.22 (t, J = 7.95 Hz, 3H)
【0106】
実施例7:3-(4-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
【化31】
製造例1で得られた2-クロロ-6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン(0.1g、0.305mmol)と製造例10で得られたtert-ブチル3-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(0.081g、0.277mmol)を用いて、実施例1、製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率12%)。
1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4): δ 9.34 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.85-8.74 (m, 1H), 8.23 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.91 (q, J = 1.4 Hz, 1H), 7.33-7.19 (m, 3H), 7.19-7.06 (m, 4H), 7.01 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 3.99 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.72 (s, 2H), 2.82 (s, 2H), 1.18-1.01 (m, 9H)
【0107】
実施例8:(R)-1-(2-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボン酸の合成
【化32】
製造例1で得られた2-クロロ-6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン(0.1g、0.305mmol)と製造例11で得られたエチル(R)-1-(2-アミノピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキシレート(0.069g、0.277mmol)を用いて、実施例1及び実施例3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率49%)。
1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4): δ 9.45 (s, 1H), 8.88 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.21 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.92 (t, J = 2.3 Hz, 1H), 7.31-7.21 (m, 1H), 7.21-7.16 (1H), 7.16-7.09 (m, 1H), 7.06-6.95 (m, 1H), 6.42 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.50-4.06 (1H), 4.01 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.53-3.33 (m, 1H), 3.23 (s, 1H), 2.62-2.40 (1H), 2.19-2.01 (1H), 1.81 (d, J = 12.3 Hz, 2H), 1.68-1.44 (1H), 1.14 (t, J = 6.9 Hz, 3H)
【0108】
実施例9:3-(3-(6-((6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
【化33】
製造例1で得られた2-クロロ-6-(5-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-3-イル)ピラジン(0.1g、0.305mmol)と製造例10で得られたtert-ブチル3-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(0.091g、0.277mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率26.9%)。
1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4): δ 9.36 (s, 1H), 8.89 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.65-8.50 (1H), 8.25 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.99-7.88 (m, 2H), 7.84 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.65 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 8.0, 5.7 Hz, 2H), 7.30-7.24 (m, 1H), 7.20 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.11-6.95 (m, 1H), 4.04-3.91 (2H), 2.95 (s, 2H), 1.19 (s, 6H), 1.13 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
【0109】
実施例10:N-(6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)-3-フェニルプロパンアミドの合成
【化34】
製造例2で得られた2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン(0.1g、0.306mmol)と製造例5で得られた3-フェニルプロパンアミド(0.055g、0.367mmol)を用いて、実施例1と同様の方法で所望の生成物を得た(収率60%)。
1H NMR (500 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.44 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.57 (1H), 7.50 (s, 1H), 7.36 (1H), 7.28-7.25 (2H), 7.21-7.19 (3H), 7.10 (1H), 7.05-6.98 (3H), 6.90 (1H), 4.30 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.04 (t, J = 7.65 Hz, 2H), 2.69 (t, J = 7.95 Hz, 2H), 1.23 (3H)
【0110】
実施例11:2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)酢酸の合成
【化35】
製造例2で得られた2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン(0.250g、0.765mmol)と製造例6で得られたメチル2-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェニル)アセテート(0.190g、0.918mmol)を用いて、実施例1及び実施例3と同様の方法を順次に行い、所望の生成物を得た(収率34.1%)。
1H NMR (300 MHz, Methanol-D): δ 9.35 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.45 (1H), 7.40 (d, J = 1.25 Hz, 1H), 7.26 (1H), 7.13 (m, 4H), 7.02 (1H), 6.94-6.89 (3H), 6.81 (1H), 3.95 (2H), 3.59 (s, 2H), 3.39 (s, 2H), 1.18 (3H)
【0111】
実施例12:2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)酢酸の合成
【化36】
工程1:メチル2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)アセテートの合成
製造例4で得られた2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン(0.10g、0.31mmol)と製造例11で得られたメチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェニル)アセテート(0.07g、0.31mmol)を用いて、実施例1と同様の方法で所望の生成物を得た(収率75%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.45 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.51 (d, J = 12 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.36 (t, 1H), 7.16 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.14 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.09 (t, 1H), 6.90 - 6.98 (m, 3H), 6.89 (t, 1H), 4.06 (t, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.59 9s, 2H), 3.01 (t, 2H), 2.65 (t, 2H), 1.24 (t, 3H)
【0112】
工程2:2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)酢酸の合成
工程1で得られたエステル化合物(0.11g、2.39mmol)を実施例3と同様の方法で加水分解をして、所望の生成物を得た(収率69%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.49 (s, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.35 9t, 1H), 7.11 - 7.26 (m, 5H), 6.97 - 7.05 (m, 3H), 6.91 (t, 1H), 4.06 (t, 2H), 3.61 (s, 2H), 3.00 (t, 2H), 2.68 (t, 2H), 1.26 (t, 3H)
【0113】
実施例13:2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸の合成
【化37】
製造例2で得られた2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン(0.080g、0.245mmol)と製造例13で得られたtert-ブチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパノエート(0.075g、0.245mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率64%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.43 (s, 1H), 8.65-8.52 (m, 2H), 7.51-7.41 (m, 2H), 7.36-7.27 (m, 1H), 7.10-6.91 (m, 6H), 6.91-6.76 (m, 3H), 4.01 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.93 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.63 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 1.56 (s, 6H), 1.23 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
【0114】
実施例14:2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル-2,2-ジフルオロ酢酸の合成
【化38】
工程1:6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-アミンの合成
表題化合物は、実施例11において、2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)酢酸を製造する過程で副産物として得られた。
m/z (M+H)
+ calculated for C
18H
17N
3O
2: 307.3, found 308.1
【0115】
工程2:2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル-2,2-ジフルオロ酢酸の合成
製造例9で得られた2-(4-(2-エトキシ-1,1-ジフルオロ-2-オキソエチル)フェニル)酢酸(0.046g、0.178mmol)と工程1で得られた6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-アミン(0.061g、0.199mmol)を用いて、実施例6及び実施例3と同様の方法を順次に行い、所望の生成物を得た(収率5.7%)。
1H-NMR (500 MHz, METHANOL-D4): δ 9.19 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 7.65 (1H), 7.54-7.52 (3H), 7.35-7.33 (3H), 7.10 (1H), 7.04-6.98 (2H), 6.90-6.88 (2H), 3.94 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.74 (s, 1H), 1.10 (t, J - 6.7 Hz, 3H)
【0116】
実施例15:3-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
【化39】
製造例2で得られた2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン(0.10g、0.306mmol)と製造例10で得られたtert-ブチル3-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(0.089g、0.306mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率74%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.43 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.56-7.47 (m, 2H), 7.34 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.18 (td, J = 7.8, 5.6 Hz, 4H), 7.13-7.05 (m, 1H), 7.05-6.93 (m, 3H), 6.90 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 4.03 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.76-3.69 (m, 2H), 2.88 (s, 2H), 1.29-1.16 (m, 9H)
【0117】
実施例16:2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパン酸の合成
【化40】
製造例2で得られた2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン(0.10g、0.306mmol)と製造例14で得られたベンジル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパノエート(0.099g、0.306mmol)を用いて、実施例1及び製造例7の工程2と同様の方法で所望の生成物を得た(収率31%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.44 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 7.58-7.45 (m, 2H), 7.39-7.27 (m, 3H), 7.17 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.10 (td, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 7.06-6.94 (m, 3H), 6.94-6.85 (m, 1H), 4.03 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.10-2.95 (m, 2H), 2.70 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.57 (s, 6H), 1.24 (t, J = 6.6 Hz, 3H)
【0118】
実施例17:(E)-2-(4-(3-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロ-1-ペン-1-イル)フェニル)-2-メチルプロパン酸の合成
【化41】
実施例16を得る過程で副産物として表題化合物を得た(収率41%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.60 (s, 1H), 8.92 (d, J = 31.1 Hz, 1H), 8.70 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.84-7.72 (m, 1H), 7.61-7.42 (m, 6H), 7.38 (td, J = 7.9, 2.4 Hz, 1H), 7.19-7.10 (m, 1H), 7.10-6.97 (m, 3H), 6.97-6.87 (m, 1H), 6.59 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.08-3.99 (m, 2H), 1.63 (s, 6H), 1.33-1.19 (m, 3H)
【0119】
実施例18:3-(4-(1-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
【化42】
製造例2で得られた2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン(0.10g、0.306mmol)と製造例15で得られたtert-ブチル3-(4-(1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(0.098g、0.306mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率77%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.46 (s, 1H), 8.69-8.60 (m, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.53-7.44 (m, 2H), 7.36-7.26 (m, 3H), 7.19 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.15-7.06 (m, 1H), 6.98 (ddd, J = 8.0, 5.0, 1.6 Hz, 2H), 6.94-6.85 (m, 2H), 4.01 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.88 (s, 2H), 1.66 (s, 6H), 1.28-1.13 (m, 9H)
【0120】
実施例19:2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェノキシ-2-メチルプロパン酸の合成
【化43】
製造例2で得られた2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン(0.08g、0.245mmol)と製造例16で得られたtert-ブチル2-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェノキシ)-2-メチルプロパノエート(0.072g、0.245mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率62%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.42 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.40 (d, J = 12.3 Hz, 1H), 7.54-7.42 (m, 2H), 7.32 (td, J = 7.9, 2.0 Hz, 1H), 7.20 (q, J = 4.0 Hz, 2H), 7.16-7.05 (m, 1H), 7.04-6.84 (m, 6H), 4.02 (qd, J = 7.0, 1.5 Hz, 2H), 3.69 (d, J = 2.7 Hz, 2H), 1.59 (d, J = 15.1 Hz, 6H), 1.30-1.16 (m, 3H)
【0121】
実施例20:2-(4-(2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)酢酸の合成
【化44】
製造例2で得られた2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン(0.140g、0.428mmol)と製造例17で得られたエチル2-(4-(2-アミノピリミジン-4-イル)フェニル)アセテート(0.1g、0.389mmol)を用いて、実施例1及び実施例3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率0.69%)。
m/z (M+H)+ calculated for C
30H
25N
5O
4: 519.56, found 520.1
【0122】
実施例21:(1r,4r)-4-((2-((6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボン酸の合成
【化45】
製造例2で得られた2-クロロ-6-(3-(2-エトキシフェノキシ)フェニル)ピラジン(0.100g、0.306mmol)と製造例18で得られたメチル(1r,4r)-4-((2-アミノピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(0.085g、0.337mmol)を用いて、実施例1及び実施例3と同様の方法を順次に適用して所望の生成物を得た(収率22.8%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ 10.09 (s, 1H), 9.38 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.25 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.70 (t, J = 2.1 Hz, 1H), 7.41 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.21-7.10 (m, 2H), 7.08-7.01 (m, 1H), 7.00-6.91 (m, 1H), 6.85 (dd, J = 7.8, 2.3 Hz, 1H), 6.43-6.33 (m, 1H), 4.95 (dd, J = 10.3, 4.3 Hz, 1H), 4.00 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.18 (s, 1H), 2.11 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 1.93 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 1.55-1.34 (m, 4H), 1.12 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
【0123】
実施例22:N-(6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)-3-フェニルプロパンアミドの合成
【化46】
製造例3で得られた2-クロロ-6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン(0.1g、0.305mmol)と製造例5で得られた3-フェニルプロパンアミド(0.059g、0.397mmol)を用いて、実施例1と同様の方法で所望の生成物を得た(収率52.1%)。
m/z (M+H)
+ calculated for C
26H
24N
4O
3: 440.50, found 441.1
【0124】
実施例23:3-(4-(2-((6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化47】
製造例3で得られた2-クロロ-6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン(0.070g、0.214mmol)と製造例10で得られたtert-ブチル3-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(0.056g、0.194mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率74.4%)。
1H-NMR (500 MHz, METHANOL-D4): δ 9.32 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.05 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.99-7.85 (1H), 7.30 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.28-7.23 (m, 1H), 7.23-7.16 (3H), 7.13 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 7.10-6.96 (m, 2H), 3.99 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.79 (s, 2H), 2.87 (s, 2H), 1.17 (s, 7H), 1.09 (t, J = 6.9 Hz, 4H)
【0125】
実施例24:(R)-1-(2-((6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボン酸の合成
【化48】
製造例3で得られた2-クロロ-6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン(0.070g、0.214mmol)と製造例11で得られたエチル(R)-1-(2-アミノピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキシレート(0.048g、0.194mmol)を用いて、実施例1及び実施例3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率20%)。
1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4): δ 9.40 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.00 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.85 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.19 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 6.98 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.61-4.32 (1H), 4.29-4.04 (1H), 3.94 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.26-3.01 (m, 2H), 2.41 (t, J = 3.9 Hz, 1H), 2.08 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 1.87-1.68 (m, 2H), 1.52 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 1.04 (t, J = 6.9 Hz, 3H)
【0126】
実施例25:3-(3-(6-((6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
【化49】
製造例3で得られた2-クロロ-6-(6-(2-エトキシフェノキシ)ピリジン-2-イル)ピラジン(0.140g、0.427mmol)と製造例12で得られたtert-ブチル3-(3-(6-アミノピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(0.127g、0.388mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率16%)。
1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4) δ 9.40 (s, 1H), 8.57-8.44 (1H), 8.06 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.98-7.89 (m, 2H), 7.89-7.82 (m, 1H), 7.76 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 10.5, 7.8 Hz, 2H), 7.35 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.30-7.20 (m, 2H), 7.20-7.14 (m, 1H), 7.11 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.01 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.54 (s, 1H), 3.97 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.46 (s, 0H), 2.95 (s, 2H), 1.19 (s, 7H), 1.06 (t, J = 6.9 Hz, 3H)
【0127】
実施例26:2-(4-(3-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパン酸の合成
【化50】
製造例4で得られた2-クロロ-6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン(0.08g、0.244mmol)と製造例14で得られたベンジル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェニル)-2-メチルプロパノエート(0.079g、0.244mmol)を用いて、実施例1及び製造例7の工程2と同様の方法で所望の生成物を得た(収率16%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.41 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.25 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.64 (q, J = 2.1 Hz, 2H), 7.48-7.38 (m, 1H), 7.30-7.09 (m, 6H), 6.97 (dd, J = 7.8, 5.0 Hz, 1H), 4.19-4.11 (m, 2H), 3.01 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.71 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.52 (s, 6H), 1.46 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
【0128】
実施例27:3-(4-(2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
【化51】
製造例4で得られた2-クロロ-6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン(0.08g、0.244mmol)と製造例10で得られたtert-ブチル3-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(0.071g、0.244mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率62%)。
1H-NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.42 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.76-7.69 (m, 1H), 7.68-7.61 (m, 2H), 7.43 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.23-7.10 (m, 6H), 6.97 (dd, J = 7.8, 5.0 Hz, 1H), 4.18-4.07 (m, 2H), 3.72 (s, 2H), 2.85 (s, 2H), 1.49-1.41 (m, 3H), 1.19 (s, 6H)
【0129】
実施例28:2-(4-(3-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸の合成
【化52】
製造例4で得られた2-クロロ-6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン(0.08g、0.244mmol)と製造例13で得られたtert-ブチル2-(4-(3-アミノ-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパノエート(0.075g、0.244mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率56%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ 10.74 (s, 1H), 9.26 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 7.92 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.81 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 7.60 (dd, J = 5.0, 1.4 Hz, 1H), 7.56-7.41 (m, 2H), 7.18 (dd, J = 7.5, 2.1 Hz, 1H), 7.13-7.00 (m, 3H), 6.78-6.65 (m, 2H), 4.11 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.87-2.76 (m, 2H), 2.69 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.42 (s, 6H), 1.33 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
【0130】
実施例29:3-(4-(1-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
【化53】
製造例4で得られた2-クロロ-6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン(0.08g、0.244mmol)と製造例15で得られたtert-ブチル3-(4-(1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(0.078g、0.244mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率59%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-D): δ 9.43 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 7.72-7.59 (m, 3H), 7.56 (s, 1H), 7.41 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.23-7.07 (m, 4H), 7.00-6.88 (m, 1H), 4.18-4.05 (m, 2H), 2.84 (s, 2H), 1.65 (s, 6H), 1.44 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.16 (s, 6H)
【0131】
実施例30:2-(4-(2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸の合成
【化54】
製造例4で得られた2-クロロ-6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン(0.08g、0.244mmol)と製造例16で得られたtert-ブチル2-(4-(2-アミノ-2-オキソエチル)フェノキシ)-2-メチルプロパノエート(0.072g、0.244mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率35%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ 10.94 (s, 1H), 9.23 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 7.93 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.83 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 5.0, 1.4 Hz, 1H), 7.58-7.43 (m, 2H), 7.19 (d, J = 8.7 Hz, 3H), 7.07 (dd, J = 8.0, 4.8 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.20-4.07 (m, 2H), 3.66 (s, 2H), 1.45 (s, 6H), 1.33 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
【0132】
実施例31:(R)-1-(2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボン酸の合成
【化55】
製造例4で得られた2-クロロ-6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン(0.08g、0.244mmol)と製造例11で得られたエチル(R)-1-(2-アミノピリミジン-4-イル)ピペリジン-3-カルボキシレート(0.055g、0.222mmol)を用いて、実施例1及び実施例3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率20%)。
1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4): δ 9.36 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 7.96 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.77 (t, J = 2.1 Hz, 1H), 7.66 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 8.5, 2.1 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 8.0, 4.8 Hz, 2H), 6.41 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.48-4.29 (1H), 4.29-4.17 (1H), 4.13 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.35 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 3.23-2.96 (1H), 2.52-2.39 (1H), 2.07 (s, 1H), 1.80 (d, J = 10.5 Hz, 2H), 1.57 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 1.37 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
【0133】
実施例32:3-(3-(6-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
【化56】
製造例4で得られた2-クロロ-6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン(0.08g、0.244mmol)と製造例12で得られたtert-ブチル3-(3-(6-アミノピリジン-2-イル)フェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート(0.072g、0.222mmol)を用いて、実施例1及び製造例11の工程3と同様の方法で所望の生成物を得た(収率26%)。
1H-NMR (400 MHz, METHANOL-D4): δ 9.40 (s, 1H), 8.62-8.47 (1H), 7.91 (s, 1H), 7.86 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 7.80 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.76-7.59 (m, 2H), 7.58-7.43 (m, 2H), 7.43-7.27 (m, 3H), 7.21 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.13 (td, J = 5.1, 2.7 Hz, 2H), 4.22-4.10 (m, 2H), 2.96 (s, 2H), 1.36 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.20 (s, 7H)
【0134】
実施例33:(1r,4r)-4-((2-((6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン-2-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボン酸の合成
【化57】
製造例4で得られた2-クロロ-6-(3-((3-エトキシピリジン-2-イル)オキシ)フェニル)ピラジン(0.10g、0.305mmol)と製造例18で得られたメチル(1r,4r)-4-((2-アミノピリミジン-4-イル)オキシ)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(0.084g、0.336mmol)を用いて、実施例1及び実施例3と同様の方法を順次に適用して所望の生成物を得た(収率42.2%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ 10.09 (s, 1H), 9.40 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 8.26 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.86 (t, J = 2.1 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 5.0, 1.4 Hz, 1H), 7.55-7.43 (m, 2H), 7.16 (dd, J = 7.5, 2.1 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 8.0, 4.8 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 4.96 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 4.12 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.24-2.05 (m, 3H), 1.93 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 1.56-1.37 (4H), 1.33 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
【0135】
実験例:DGAT2酵素活性に対する阻害効果の測定
本発明による式(1)の化合物について、以下の実験を行くことによってDGAT2酵素活性に対する阻害効果を調べた。
1.DGAT2発現ベクターの製造
DGAT2発現ベクターであるpBacPAK9-DGAT2を製造するために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅されたヒトDGAT2遺伝子を、pBacPAK9(clontech)ベクターのEcoR1及びXho1部位にクローニングされた。PCRで使用されたプライマーの塩基配列は、正方向プライマー5’CTATAAATACGGATCCCGGGAATTCATGGACTACAAGGACGACGATGACAAGCTTAAGACCCTCATAGCCGCCと逆方向プライマー5’TAAGCGGCCGCCCTGCAGGCCTCGAGTCAGTTCACCTCCAGGACであった。反応液の組成は、50ngのcDNAクローン(OriGene)、200μMのdATP、dCTP、dTTP、dGTP、200nMの各プライマー、1ユニットのTagDNA重合酵素(Toyobo)、1×PCR緩衝液を含むものとし、最終体積を20μLに調整された。反応条件は、95℃で5分間変成後、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で90秒を30回、さらに72℃で7分間反応させた。
【0136】
2.DGAT2発現及び膜タンパク質の製造
BacPackバキュロウイルス発現システム(Clontech)を用いて、組換えヒトDGAT2タンパク質を昆虫細胞であるSf-21細胞に発現させた。簡略な製造工程は以下の通りである。まず、pBacPAK9-DGAT2発現ベクターをBacPAK6ウィルスDNA(Bsu36I消化物)と共にsf21細胞にBacfectinを用いて形質感染し、組換えDGAT2発現バキュロウイルスを製造した。このように製造したバキュロウイルスをSf-21細胞に10MOI(感染の多重度)で感染させ、72時間後に感染昆虫細胞を回収し、膜タンパク質を分離した。膜タンパク質分離のために、細胞ペレットを250mMスクロース、10mM Tris(pH7.4)、1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含むスクロース溶液に溶解し、次に、ダウンスホモジナイザーを使用してホモジナイズし、600×gで15分間遠心分離して上清を採取し、100,000×gで1時間遠心分離して上清を捨て、残りのペレットを20mM HEPES緩衝溶液(pH7.4)に再懸濁した。製造したDGAT2過発現膜タンパク質を100μLずつ分注し、使用時まで-80℃で保存した。タンパク質濃度は、BCA蛋白質分析キット(Thermo Scientific)を使用して定量化された。
【0137】
3.DGAT2酵素活性に対する阻害効果の測定
インビトロDGAT2分析は、SPA(Scintillation proximity assay)原理に基づいてリン脂質フラッシュプレート(Phospholipid Flash Plate;PerkinElmer)を使用して行った。まず、3nMから10μMまで(最終濃度、1%DMSO)5倍ずつ連続的に希釈したDGAT2阻害化合物を、2μgDGAT2-膜タンパク質と共に20mM HEPES、20mM MgCl2、1mg/mL BSA、50μM 1,2sn-オレオイルグリセロール(Sigma)を含む最終容量90μL緩衝溶液に混合し、96ウェルフラッシュプレート(Flash Plate)に入れ、37℃で20分間反応させた後、1μM[14C]オレオイルCoA(PerkinElmer;NEC651050UC)を最終容積100μLになるように加え、37℃で15分間さらに反応させた。酵素反応終了後、100μLイソプロパノールを加え、プレートをフィルムで密封し、プレートシェーカーでゆっくり振とうした。翌日、Topcounter(Packard)で増幅されたシンチレーションシグナル(cpm)を測定し、反応産物としての[14C]標識トリアシルグリセロール(TG)の生成量を測定した。化合物未処理時の測定値を陽性対照群とし、化合物処理群の測定値を相対%として算出し、TG産生に対しる化合物の阻害効果を測定した。TG産生を50%阻害する化合物の濃度であるIC50値は、化合物濃度による反応値をPRISM(Graphpad Inc.)を用いて非線形回帰曲線で処理することにより求めた。
【0138】
式(1)の化合物のDGAT2酵素作用に対する阻害効果を測定した結果、各実施例化合物の具体的なIC
50値は、以下の表1に示される通りであった。
【表1】