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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】電子部品及び電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/12 20060101AFI20240909BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20240909BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20240909BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
H05K3/12 610B
H01L21/60 311S
H05K3/28 B
H05K3/34 505B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020545975
(86)(22)【出願日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 JP2019035039
(87)【国際公開番号】W WO2020054581
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-07-05
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2018172332
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100221992
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100229404
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 康洋
(72)【発明者】
【氏名】江尻 芳則
(72)【発明者】
【氏名】須方 振一郎
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 正也
(72)【発明者】
【氏名】中子 偉夫
(72)【発明者】
【氏名】川名 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】浦島 航介
(72)【発明者】
【氏名】米倉 元気
(72)【発明者】
【氏名】納堂 高明
(72)【発明者】
【氏名】栗原 祥晃
(72)【発明者】
【氏名】増田 宏
(72)【発明者】
【氏名】曽根 圭太
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】馬場 慎
【審判官】寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-237212(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021750(WO,A1)
【文献】特開2018-74055(JP,A)
【文献】特開2005-93105(JP,A)
【文献】特開2015-220422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/12
H05K 3/28
H05K 3/34
H01L 21/60
H01L 21/12
B22F 1/00
B23K 35/26
C22C 12/00
C22C 13/00
C22C 28/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー成形体上に、金属粒子を含有する金属ペーストを所定のパターンで塗布して金属ペースト層を形成する第1の工程と、
前記金属粒子を焼結させることにより、金属配線を形成する第2の工程と、
前記金属配線上に、はんだ粒子及び樹脂成分を含有するはんだペーストを塗布してはんだペースト層を形成する第3の工程と、
前記はんだペースト層上に電子素子を配置する第4の工程と、
前記はんだペースト層を加熱して、前記金属配線と前記電子素子とを接合するはんだ層を形成すると共に、前記はんだ層の少なくとも一部を被覆する樹脂層を形成する第5の工程と、を備え、
前記金属粒子が、粒径が2.0μm以上である第1の銅粒子と、粒径が0.8μm以下である第2の銅粒子とを含む、電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記第2の工程において、前記金属配線が空隙を有している、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記第3の工程において、前記空隙の少なくとも一部が、前記樹脂成分により充填されている、請求項2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記はんだ粒子が、スズを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記はんだ粒子が、In-Sn合金、In-Sn-Ag合金、Sn-Bi合金、Sn-Bi-Ag合金、Sn-Ag-Cu合金及びSn-Cu合金からなる群より選ばれる少なくとも1種のスズ合金からなる、請求項4に記載の電子部品の製造方法。
【請求項6】
前記ポリマー成形体が、液晶ポリマー又はポリフェニレンスルフィドからなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
【請求項7】
前記電子素子が、銅、ニッケル、パラジウム、金、白金、銀及びスズからなる群より選ばれる少なくとも1種を最表面に含む電極を有し、
前記第4の工程において、前記電極が前記はんだペースト層と接するように前記電子素子を配置する、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
【請求項8】
ポリマー成形体と、
前記ポリマー成形体上に設けられ、金属粒子の焼結体からなる金属配線と、
前記金属配線上に配置された電子素子と、
前記金属配線と前記電子素子とを接合するはんだ層と、
前記はんだ層の少なくとも一部を被覆する樹脂成分の硬化物からなる樹脂層と、
を備え、
前記金属粒子が、粒径が2.0μm以上である第1の銅粒子と、粒径が0.8μm以下である第2の銅粒子とを含む、電子部品。
【請求項9】
前記金属配線が、空隙を有する、請求項に記載の電子部品。
【請求項10】
前記空隙の少なくとも一部が、前記樹脂成分の硬化物で充填されている、請求項に記載の電子部品。
【請求項11】
前記はんだ層が、スズを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項12】
前記はんだ層が、In-Sn合金、In-Sn-Ag合金、Sn-Bi合金、Sn-Bi-Ag合金、Sn-Ag-Cu合金及びSn-Cu合金からなる群より選ばれる少なくとも1種のスズ合金からなる、請求項11に記載の電子部品。
【請求項13】
前記ポリマー成形体が、液晶ポリマー又はポリフェニレンスルフィドからなる、請求項8~12のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項14】
前記電子素子が、銅、ニッケル、パラジウム、金、白金、銀及びスズからなる群より選ばれる少なくとも1種を最表面に含む電極を有し、
前記電極が、前記はんだ層と接合している、請求項8~13のいずれか一項に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品及び電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポリマー成形体の表面上に、機能的及び/又は装飾的な表面加工の目的で、めっきにより金属層を形成する方法が検討されている。例えば、ポリマー成形体に金属配線を形成する場合、金属配線を所定のパターンで形成する必要があるため、選択的に金属めっきする方法として、レーザー・ダイレクト・ストラクチャリング(LDS)が有用である。例えば、LDSにより銅配線を形成する場合、触媒を含むポリマー成形体の銅配線を形成する部分にレーザーを照射して触媒を活性化させることにより、触媒に選択的に(銅配線を形成する部分のみに)無電解銅めっきを施すことができ、その結果、所定のパターンを有する銅配線を形成できる(例えば特許文献1)。一方、ポリマー成形体上に銅を含有するペーストを塗布して、焼成することで銅配線を簡易に形成する方法が提案されている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-149347号公報
【文献】特開2017-123254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LDSによる銅配線の形成方法では、触媒を含むポリマーが高価であること、レーザー照射及び無電解銅めっきの工程が必要になることから、生産性の点で課題がある。一方、ポリマー成形体上に金属ペーストを塗布して焼成することで金属配線を簡易に形成する方法では、ポリマー成形体と金属配線との間の接着性が充分に得られず、電子部品の接着強度が低下し易くなる。
【0005】
そこで、本発明の一側面は、金属配線の形成及び電子素子の実装を簡便に行い、接着強度の高い電子部品及び電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、ポリマー成形体上に、金属粒子を含有する金属ペーストを所定のパターンで塗布して金属ペースト層を形成する第1の工程と、金属粒子を焼結させることにより、金属配線を形成する第2の工程と、金属配線上に、はんだ粒子及び樹脂成分を含有するはんだペーストを塗布してはんだペースト層を形成する第3の工程と、はんだペースト層上に電子素子を配置する第4の工程と、はんだペースト層を加熱して、金属配線と電子素子とを接合するはんだ層を形成すると共に、はんだ層の少なくとも一部を被覆する樹脂層を形成する第5の工程と、を備える電子部品の製造方法である。
【0007】
この製造方法では、金属ペーストを所定のパターン(金属配線に対応するパターン)で塗布するため、触媒を含むポリマーが不要であり、また、レーザー照射及び無電解銅めっきの工程を省略できる。加えて、この製造方法では、金属ペーストを焼成して形成した金属配線上に、はんだペーストを塗布し、電子素子を配置した後に、はんだペーストを熱処理することで、金属配線と電子素子とがはんだ層を介して接合され、はんだ層の外周に樹脂層が形成されることで、ポリマー成形体と金属配線との接着性を改善することができる。
【0008】
第2の工程において、金属配線は、空隙を有してもよい。第3の工程において、金属配線の空隙の少なくとも一部は、樹脂成分により充填されていてもよい。
【0009】
はんだ粒子は、スズを含む成分であってもよい。はんだ粒子は、In-Sn合金、In-Sn-Ag合金、Sn-Bi合金、Sn-Bi-Ag合金、Sn-Ag-Cu合金又はSn-Cu合金からなる合金であってよい。
【0010】
金属粒子は、銅、ニッケル、パラジウム、金、白金、銀及びスズからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属から構成されていてよい。金属粒子は、粒径が2.0μm以上である第1の金属粒子と、粒径が0.8μm以下である第2の金属粒子とを含んでよい。
【0011】
ポリマー成形体は、液晶ポリマー又はポリフェニレンスルフィドからなってよい。
【0012】
電子素子は、銅、ニッケル、パラジウム、金、白金、銀及びスズからなる群より選ばれる少なくとも1種を最表面に含む電極を有し、第4の工程において、電極がはんだペースト層と接するように電子素子を配置してよい。
【0013】
本発明の他の一側面は、ポリマー成形体と、ポリマー成形体上に設けられ、金属粒子の焼結体からなる金属配線と、金属配線上に配置された電子素子と、金属配線と電子素子とを接合するはんだ層と、はんだ層の少なくとも一部を被覆する樹脂成分の硬化物からなる樹脂層と、を備える、電子部品。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一側面によれば、金属配線の形成及び電子素子の実装を簡便に行い、金属配線とポリマー成形体との良好な接着性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態の電子部品の製造方法を示す模式断面図である。
図2】電子部品における金属配線とポリマー成形体の接合部を説明するための模式断面図である。
図3】一実施形態の電子部品の製造方法を示す模式断面図である。
図4】金属粒子の焼結体からなる金属配線の断面の一例を示すSEM像である。
図5】実施例における電子部品の製造方法を示す模式図である。
図6】実施例で作製した電子部品の断面観察図である。
図7】実施例で作製した電子部品の断面観察図である。
図8】実施例における電子部品の製造方法を示す模式図である。
図9】実施例で作製した電子部品の断面観察図である。
図10】実施例におけるシェア強度の測定方法を説明するための模式図である。
図11】実施例におけるシェア強度の測定方法を説明するための模式図である。
図12】比較例で作製した電子部品の断面イメージ図である。
図13】比較例で作製した電子部品の断面イメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
本実施形態の電子部品の製造方法は、ポリマー成形体上に、金属粒子を含有する金属ペーストを所定のパターンで塗布して金属ペースト層を形成する第1の工程と、金属粒子を焼結させることにより、金属配線を形成する第2の工程と、金属配線上に、はんだ粒子及び樹脂成分を含有するはんだペーストを塗布してはんだペースト層を形成する第3の工程と、はんだペースト層上に電子素子を配置する第4の工程と、はんだペースト層を加熱して、金属配線と電子素子とを接合するはんだ層を形成すると共に、はんだ層の少なくとも一部を被覆する樹脂層を形成する第5の工程と、を備える。
【0018】
金属粒子は、銅、ニッケル、パラジウム、金、白金、銀及びスズからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。低温で焼結が起こり易いことから、金属粒子は、銅又は銀を含むことが好ましく、微細配線化したときに、マイグレーションを抑制する観点から、銅を含むことがより好ましい。低温での焼成と材料のコストとを考慮すると、金属粒子として、銀コート銅粒子を用いることがより好ましい。金属粒子は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、金属粒子は、粒径の異なる2種以上の金属粒子を含んでもよく、例えば、粒径が2.0μm以上である第1の金属粒子と、粒径が0.8μm以下である第2の金属粒子とを含んでよい。
【0019】
図1は、一実施形態の電子部品の製造方法を示す模式図である。金属配線を形成するための金属粒子として、銅粒子を用いた場合について説明する。この製造方法では、まず、ポリマー成形体上に、銅粒子を含有する銅ペーストを所定のパターンで塗布して金属(銅)ペースト層を形成する(第1の工程)。第1の工程では、まず、図1の(a)に示すように、ポリマー成形体1を準備する(準備工程)。
【0020】
ポリマー成形体1は、例えば、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)等のポリマーを用いて公知の方法により成形された成形体である。ポリマー成形体の形状及び大きさは、任意である。ポリマー成形体1は、好ましくは、液晶ポリマー(LCP)又はポリフェニレンスルフィド(PPS)からなる。
【0021】
(第1の工程)
第1の工程では、準備工程に続いて、図1の(b)に示すように、ポリマー成形体1上に銅ペーストを所定のパターンで(銅配線を形成する部分に)塗布して銅ペースト層2を形成する(形成工程)。銅ペーストは、例えば、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング法、ディスペンサー、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、グラビアコータ、スリットコート、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、ステンシル印刷、ソフトリソグラフ、バーコート、アプリケータ、粒子堆積法、スプレーコータ、スピンコータ、ディップコータ、電着塗装等によって塗布される。
【0022】
銅ペースト層の厚みは、1μm以上、2μm以上、3μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよく、3000μm以下、1000μm以下、500μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下であってよい。
【0023】
形成工程では、銅粒子の焼結時の流動及びボイドの発生を抑制する観点から、ポリマー成形体1上に設けられた銅ペースト層2を適宜乾燥させてもよい。乾燥時のガス雰囲気は大気中であってもよく、窒素、希ガス等の無酸素雰囲気中であってもよく、水素、ギ酸等の還元雰囲気中であってもよい。乾燥方法は、常温放置による乾燥であってもよく、加熱乾燥であってもよく、減圧乾燥であってもよい。加熱乾燥又は減圧乾燥には、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉、熱板プレス装置等を用いることができる。乾燥の温度及び時間は、使用した分散媒の種類及び量に合わせて適宜調整してもよい。乾燥の温度は、例えば、50℃以上であってよく、180℃以下であってよい。乾燥の時間は、例えば、1分間以上であってよく、120分間以下であってよい。
【0024】
銅ペーストは、銅粒子として、例えば、粒径(最大径)が2.0μm以上である第1の銅粒子を含む。第1の銅粒子の粒径(最大径)は、2.0μm以上であり、例えば、3.0μm以上であってもよい。第1の銅粒子の粒径は、20μm以下であってよく、10μm以下であってもよい。第1の銅粒子の平均粒径(平均最大径)は、得られる配線の熱ストレスによる断線をより抑制する観点から、1.0μm以上又は3μm以上であってよく、20μm以下又は10μm以下であってよい。
【0025】
第1の銅粒子の粒径及び平均粒径は、例えば、粒子のSEM像から求めることができる。第1の銅粒子の粒径(最大径)をSEM像から算出する方法を例示する。第1の銅粒子の粉末を、SEM用のカーボンテープ上にスパチュラで載せ、SEM用サンプルとする。このSEM用サンプルをSEM装置により5000倍で観察する。SEM像の第1の銅粒子に外接する長方形を画像処理ソフトにより作図し、長方形の長辺をその粒子の粒径(最大径)とする。複数のSEM像を用いて、この測定を50個以上の第1の銅粒子に対して行い、粒径の平均値(平均最大径)を算出する。
【0026】
第1の銅粒子の体積平均粒径は、2.0μm以上又は3.0μm以上であってよく、50μm以下、20μm以下、又は10μm以下であってよい。なお、本明細書において体積平均粒径とは、50%体積平均粒径を意味する。銅粒子の体積平均粒径を求める場合、原料となる銅粒子、又は銅ペーストから揮発成分を除去した乾燥銅粒子を、分散剤を用いて分散媒に分散させたものを光散乱法粒度分布測定装置(例えば、島津ナノ粒子径分布測定装置(株式会社島津製作所の商品名:SALD-7500nano)で測定する方法等により求めることができる。光散乱法粒度分布測定装置を用いる場合、分散媒としては、ヘキサン、トルエン、α-テルピネオール等を用いることができる。
【0027】
第1の銅粒子は、好ましくはフレーク状である。この場合、第1の銅粒子が銅ペーストの塗布面に対して略平行に配向することで、銅ペースト中の銅粒子を焼結させたときの体積収縮が抑制され、得られる配線の熱ストレスによる断線がより抑制される。また、理由は定かではないが、銅配線とポリマー成形体の接着性がより向上する。
【0028】
第1の銅粒子のアスペクト比は4以上であってよく、6以上であってもよい。アスペクト比が上記範囲内であれば、銅ペースト内の第1の銅粒子が、銅ペーストの塗布面に対して平行に配向し易くなり、銅ペースト中の銅粒子を焼結させたときの体積収縮を抑制できる。そのため得られる配線の熱ストレスによる断線をより一層抑制することができる。銅ペースト中の銅粒子のアスペクト比(長径/厚さ)は、例えば、粒子のSEM像を観察し、長径及び厚さを測定することにより求めることができる。
【0029】
銅ペーストは、粒径が2.0μm以上50μm以下であり、アスペクト比が4以上である第1の銅粒子を含むことが好ましい。第1の銅粒子の平均粒径及びアスペクト比が上記範囲内であれば、銅ペースト中の銅粒子を焼結させた際の体積収縮を充分に低減でき、得られる配線の熱ストレスによる断線をより抑制することができる。
【0030】
銅ペーストは、粒径が2.0μm以上50μm以下であり、アスペクト比が2未満である銅粒子を含んでいてもよいが、粒径が2.0μm以上50μm以下であり、アスペクト比が2未満である銅粒子の含有量は、粒径が2.0μm以上50μm以下であり、アスペクト比が4以上である第1の銅粒子100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。平均粒径が2.0μm以上50μm以下であり、アスペクト比が2未満である銅粒子の含有量を制限することにより、銅ペースト内の第1の銅粒子が、銅ペーストの塗布面に対して略平行に配向し易くなり、銅ペースト中の銅粒子を焼結させたときの体積収縮をより有効に抑制することができる。これにより、得られる配線の熱ストレスによる断線をより抑制し易くなる。このような効果が更に得られ易くなる点で、平均粒径が2.0μm以上50μm以下であり、アスペクト比が2未満である銅粒子の含有量は、粒径が2.0μm以上50μm以下であり、アスペクト比が4以上である第1の銅粒子100質量部に対して、20質量部以下であってもよく、10質量部以下であってもよく、0質量部であってもよい。
【0031】
銅ペースト中の第1の銅粒子の含有量は、銅ペーストに含まれる金属粒子の全質量を基準として、1質量%以上、10質量%以上、又は20質量%以上であってよく、90質量%以下、70質量%以下、又は50質量%以下であってよい。第1の銅粒子の含有量が、上記範囲内であれば、導通信頼性に優れる配線の形成が容易となる。
【0032】
第1の銅粒子は、分散安定性及び耐酸化性の観点から、表面処理剤で処理されていてよい。表面処理剤は、配線形成時(銅粒子の焼結時)に除去されるものであってよい。表面処理剤としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、ピロメリット酸、o-フェノキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソボルニルシクロヘキサノール、テトラエチレングリコール等の脂肪族アルコール;p-フェニルフェノール等の芳香族アルコール;オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミン;ステアロニトリル、デカンニトリル等の脂肪族ニトリル;アルキルアルコキシシラン等のシランカップリング剤;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、シリコーンオリゴマー等の高分子処理剤が挙げられる。表面処理剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
表面処理剤の処理量は、粒子表面に一分子層以上の量であってもよい。このような表面処理剤の処理量は、第1の銅粒子の比表面積、表面処理剤の分子量、及び表面処理剤の最小被覆面積により変化する。表面処理剤の処理量は、通常0.001質量%以上である。
【0034】
表面処理剤の処理量は、第1の銅粒子の表面に付着した分子層数(n)と、第1の銅粒子の比表面積(A)(単位m/g)と、表面処理剤の分子量(M)(単位g/mol)と、表面処理剤の最小被覆面積(S)(単位m/個)と、アボガドロ数(N)(6.02×1023個)から算出できる。具体的には、表面処理剤の処理量は、表面処理剤の処理量(質量%)={(n・A・M)/(S・N+n・A・M)}×100%の式に従って算出される。
【0035】
第1の銅粒子の比表面積は、乾燥させた銅粒子をBET比表面積測定法で測定することで算出できる。表面処理剤の最小被覆面積は、表面処理剤が直鎖飽和脂肪酸の場合、2.05×10-19/1分子である。それ以外の表面処理剤の場合には、例えば、分子モデルからの計算、又は「化学と教育」(上江田捷博、稲福純夫、森巌、40(2),1992,p114-117)に記載の方法で測定できる。表面処理剤の定量方法の一例を示す。表面処理剤は、銅ペーストから分散媒を除去した乾燥粉の熱脱離ガス・ガスクロマトグラフ質量分析計により同定でき、これにより表面処理剤の炭素数及び分子量を決定できる。表面処理剤の炭素分割合は、炭素分分析により分析できる。炭素分分析法としては、例えば、高周波誘導加熱炉燃焼/赤外線吸収法が挙げられる。同定された表面処理剤の炭素数、分子量及び炭素分割合から上記式により表面処理剤量を算出できる。
【0036】
第1の銅粒子としては、市販されているものを用いることができる。市販されている第1の銅粒子としては、例えば、MA-C025(三井金属鉱業株式会社製、平均粒径4.1μm)、3L3(福田金属箔粉工業株式会社製、平均粒径7.3μm)、1110F(三井金属鉱業株式会社製、平均粒径5.8μm)、2L3(福田金属箔粉工業株式会社製、平均粒径9μm)が挙げられる。
【0037】
銅ペーストの製造時には、粒径が2.0μm以上50μm以下であり、アスペクト比が4以上である第1の銅粒子を含み、且つ、粒径が2.0μm以上50μm以下であり、アスペクト比が2未満である銅粒子の含有量が、粒径が2.0μm以上50μm以下であり、アスペクト比が4以上である第1の銅粒子100質量部に対して、50質量部以下、好ましくは30質量部以下である銅粒子を用いることができる。このような銅粒子からなる市販品を選定して用いてよい。
【0038】
一実施形態において、銅ペーストは、第1の銅粒子と、粒径(最大径)が0.8μm以下である第2の銅粒子とを含んでもよい。この場合、銅粒子が焼結される際に、第1の銅粒子同士の間に第2の銅粒子が介在することで、得られる配線の導通性が向上する傾向がある。特に銅粒子として第1の銅粒子を用いる場合に、第1の銅粒子と第2の銅粒子とを併用することが好ましい。すなわち、第2の銅粒子のみから銅ペーストを調製する場合、分散媒の乾燥に伴う体積収縮及び焼結収縮が大きいため、銅粒子を焼結させる際に被着面から焼結体(配線)が剥離し易くなり、充分な導通信頼性が得られ難いが、第1の第1の銅粒子と第2の銅粒子とを併用することで、銅ペーストを焼結させたときの体積収縮が抑制され、得られる配線と被着体であるポリマー成形体との接着性が向上する。そのため、配線の熱ストレスによる断線がより起こり難くなる。
【0039】
第2の銅粒子は、第1の銅粒子間を好適に接合する銅粒子として作用する。また、第2の銅粒子は、第1の銅粒子よりも焼結性に優れ、銅粒子の焼結を促進する機能を有する。例えば、第1の銅粒子を単独で使用した場合と比較して、より低温で、銅粒子を焼結させることが可能になる。
【0040】
第2の銅粒子の粒径は、0.5μm以下、0.4μm以下又は0.3μm以下であってもよい。第2の銅粒子の粒径は、0.01μm以上、0.05μm以上、0.1μm以上又は0.2μm以上であってよい。第2の銅粒子の平均粒径は、0.01μm以上、0.05μm以上、0.1μm以上又は0.2μm以上であってよく、0.8μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下又は0.3μm以下であってよい。
【0041】
第2の銅粒子の体積平均粒径は、0.01μm以上であってよく、0.8μm以下であってよい。第2の銅粒子の体積平均粒径が0.01μm以上であれば、第2の銅粒子の合成コストの抑制、良好な分散性、表面処理剤の使用量の抑制といった効果が得られ易くなる。第2の銅粒子の体積平均粒径が0.8μm以下であれば、第2の銅粒子の焼結性に優れるという効果が得られ易くなる。より一層上記効果を奏する観点から、第2の銅粒子の体積平均粒径は、0.05μm以上、0.1μm以上又は0.2μm以上であってよく、0.5μm以下、0.4μm以下又は0.3μm以下であってよい。
【0042】
第2の銅粒子は、粒径が0.01μm以上0.8μm以下の銅粒子を10質量%以上含んでいてよい。銅ペーストの焼結性の観点から、第2の銅粒子は、粒径が0.01μm以上0.8μm以下の銅粒子を20質量%以上含んでいてよく、30質量%以上含んでいてよく、100質量%含んでいてよい。第2の銅粒子における粒径が0.01μm以上0.8μm以下の銅粒子の含有割合が20質量%以上であると、銅粒子の分散性がより向上し、粘度の上昇、ペースト濃度の低下をより抑制することができる。
【0043】
銅ペースト中の第2の銅粒子の含有量は、銅ペーストに含まれる金属粒子の全質量を基準として、20質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上であってよく、90質量%以下、85質量%以下、又は80質量%以下であってよい。第2の銅粒子の含有量が上記範囲内であれば、得られる配線の熱ストレスによる断線がより起こり難くなる。
【0044】
銅ペースト中の第2銅粒子の含有量は、第1の銅粒子の質量及び第2の銅粒子の質量の合計を基準として、20質量%以上であってよく、90質量%以下であってよい。第2の銅粒子の上記含有量が20質量%以上であれば、第1の銅粒子の間を充分に充填することができ、得られる配線の熱ストレスによる断線がより起こり難くなる。第2の銅粒子の上記含有量が90質量%以下であれば、銅粒子を焼結させた時の体積収縮を充分に抑制できるため、得られる配線の熱ストレスによる断線がより起こり難くなる。より一層上記効果を奏するという観点から、第2の銅粒子の含有量は、第1の銅粒子の質量及び第2の銅粒子の質量の合計を基準として、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上であってもよく、85質量%以下又は80質量%以下であってもよい。
【0045】
第2の銅粒子の形状は、例えば、球状、塊状、針状、フレーク状、略球状等であってよい。第2の銅粒子は、これらの形状を有する銅粒子の凝集体であってもよい。分散性及び充填性の観点から、第2の銅粒子の形状は、球状、略球状、フレーク状であってよく、燃焼性、及び第1の銅粒子との混合性等の観点から、球状又は略球状であってよい。
【0046】
第2の銅粒子のアスペクト比は、分散性、充填性、及び第1の銅粒子との混合性の観点から、5以下であってよく、3以下であってもよい。
【0047】
第2の銅粒子は、特定の表面処理剤で処理されていてもよい。特定の表面処理剤としては、例えば、炭素数8~16の有機酸が挙げられる。炭素数8~16の有機酸としては、例えば、カプリル酸、メチルヘプタン酸、エチルヘキサン酸、プロピルペンタン酸、ペラルゴン酸、メチルオクタン酸、エチルヘプタン酸、プロピルヘキサン酸、カプリン酸、メチルノナン酸、エチルオクタン酸、プロピルヘプタン酸、ブチルヘキサン酸、ウンデカン酸、メチルデカン酸、エチルノナン酸、プロピルオクタン酸、ブチルヘプタン酸、ラウリン酸、メチルウンデカン酸、エチルデカン酸、プロピルノナン酸、ブチルオクタン酸、ペンチルヘプタン酸、トリデカン酸、メチルドデカン酸、エチルウンデカン酸、プロピルデカン酸、ブチルノナン酸、ペンチルオクタン酸、ミリスチン酸、メチルトリデカン酸、エチルドデカン酸、プロピルウンデカン酸、ブチルデカン酸、ペンチルノナン酸、ヘキシルオクタン酸、ペンタデカン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、パルミチン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸、エチルシクロヘキサンカルボン酸、プロピルシクロヘキサンカルボン酸、ブチルシクロヘキサンカルボン酸、ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、ヘキシルシクロヘキサンカルボン酸、ヘプチルシクロヘキサンカルボン酸、オクチルシクロヘキサンカルボン酸、ノニルシクロヘキサンカルボン酸等の飽和脂肪酸;オクテン酸、ノネン酸、メチルノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、サビエン酸等の不飽和脂肪酸;テレフタル酸、ピロメリット酸、o-フェノキシ安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、ブチル安息香酸、ペンチル安息香酸、ヘキシル安息香酸、ヘプチル安息香酸、オクチル安息香酸、ノニル安息香酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。有機酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。このような有機酸と上記第2の銅粒子とを組み合わせることで、第2の銅粒子の分散性と焼結時における有機酸の脱離性とを両立できる傾向にある。
【0048】
表面処理剤の処理量は、第2の銅粒子の表面に一分子層~三分子層付着する量であってもよい。表面処理剤の処理量は、0.07質量%以上、0.10質量%以上、又は0.2質量%以上であってよく、2.1質量%以下、1.6質量%以下、又は1.1質量%以下であってよい。第2の銅粒子の表面処理量は、第1の銅粒子について上述した方法により算出することができる。比表面積、表面処理剤の分子量、及び表面処理剤の最小被覆面積についても同様である。
【0049】
第2の銅粒子としては、市販されているものを用いることができる。市販されている第2の銅粒子としては、例えば、CH-0200(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.36μm)、HT-14(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.41μm)、CT-500(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.72μm)、Tn-Cu100(太陽日酸株式会社製、体積平均粒径0.12μm)が挙げられる。
【0050】
銅ペースト中の第1の銅粒子の含有量及び第2の銅粒子の含有量の合計は、銅ペーストに含まれる金属粒子の全質量を基準として、80質量%以上であってよい。第1の銅粒子の含有量及び第2の銅粒子の含有量の合計が上記範囲内であれば、得られる配線の熱ストレスによる断線がより起こり難くなる。より一層上記効果を奏するという観点から、第1の銅粒子の含有量及び第2の銅粒子の含有量の合計は、金属粒子の全質量を基準として、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
【0051】
銅ペーストは、銅粒子以外のその他の金属粒子を更に含んでいてもよい。その他の金属粒子としては、例えば、ニッケル、銀、金、パラジウム、白金等の粒子が挙げられる。その他の金属粒子の体積平均粒径は、0.01μm以上又は0.05μm以上であってよく、10μm以下、5.0μm以下、又は3.0μm以下であってよい。その他の金属粒子を含んでいる場合、その含有量は、充分な接合性を得る観点から、銅ペーストに含まれる金属粒子の全質量を基準として、20質量%未満であってよく、10質量%以下であってもよい。その他の金属粒子は、含まれなくてもよい。その他の金属粒子の形状は、特に限定されるものではない。
【0052】
銅粒子以外の金属粒子を含むことで、複数種の金属が固溶又は分散した配線を得ることができるため、配線の降伏応力、疲労強度等の機械的な特性が改善され、導通信頼性が向上し易い。また、複数種の金属粒子を添加することで、形成される配線の、特定の被着体(例えばLCP)に対する接合強度が向上し易く、導通信頼性が向上し易い。
【0053】
銅ペーストに含まれる分散媒は特に限定されるものではなく、例えば、揮発性のものであってよい。揮発性の分散媒としては、例えば、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、α-テルピネオール、イソボルニルシクロヘキサノール等の一価及び多価アルコール類;エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPMA)、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ-ブチロラクトン、炭酸プロピレン等のエステル類;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の酸アミド;シクロヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;炭素数1~18のアルキル基を有するメルカプタン類;炭素数5~7のシクロアルキル基を有するメルカプタン類が挙げられる。炭素数1~18のアルキル基を有するメルカプタン類としては、例えば、エチルメルカプタン、n-プロピルメルカプタン、i-プロピルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、i-ブチルメルカプタン、t-ブチルメルカプタン、ペンチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン及びドデシルメルカプタンが挙げられる。炭素数5~7のシクロアルキル基を有するメルカプタン類としては、例えば、シクロペンチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン及びシクロヘプチルメルカプタンが挙げられる。
【0054】
分散媒の含有量は、銅ペーストに含まれる金属粒子の全質量を100質量部として、5質量部以上であってよく、50質量部以下であってよい。分散媒の含有量が上記範囲内であれば、銅ペーストをより適切な粘度に調整でき、また、銅粒子の焼結を阻害し難い。
【0055】
銅ペーストには、必要に応じて、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤;シリコーン油等の消泡剤;無機イオン交換体等のイオントラップ剤等を適宜添加してもよい。
【0056】
上述した銅ペーストは、銅粒子及び任意の成分(添加剤、その他の金属粒子等)を分散媒に混合して調製することができる。各成分の混合後に、撹拌処理を行ってもよい。分級操作により分散液の最大径を調整してもよい。
【0057】
銅ペーストは、第2の銅粒子、表面処理剤、分散媒をあらかじめ混合して、分散処理を行って第2の銅粒子の分散液を調製し、更に第1の銅粒子、その他の金属粒子及び任意の添加剤を混合して調製してもよい。このような手順とすることで、第2の銅粒子の分散性が向上して第1の銅粒子との混合性が良くなり、銅ペーストの性能がより向上する。第2の銅粒子の分散液を分級操作に供することによって凝集物を除去してもよい。
【0058】
(第2の工程)。
図1の(c)に示すように、銅粒子を焼結させることにより、銅配線3を形成する。
【0059】
焼結は、加熱処理により行うことできる。加熱処理には、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉等の加熱手段を用いることができる。
【0060】
焼結時の雰囲気は、焼結体の酸化抑制の観点から、無酸素雰囲気であってよく、銅ペースト層2中の銅粒子の表面酸化物を除去するという観点から、還元雰囲気であってもよい。無酸素雰囲気としては、例えば、窒素、希ガス等の無酸素ガスの導入、又は真空下が挙げられる。還元雰囲気としては、例えば、純水素ガス中、フォーミングガスに代表される水素及び窒素の混合ガス中、ギ酸ガスを含む窒素中、水素及び希ガスの混合ガス中、ギ酸ガスを含む希ガス中等が挙げられる。
【0061】
加熱処理時の到達最高温度は、各部材への熱ダメージの低減及び歩留まりを向上させるという観点から、150℃以上であってよく、350℃以下、300℃以下、又は260℃以下であってよい。到達最高温度が、150℃以上であれば、到達最高温度保持時間が60分間以下において、焼結が充分に進行する傾向にある。到達最高温度保持時間は、分散媒を全て揮発させ、また、歩留まりを向上させるという観点から、1分間以上であってよく、60分間以下、40分間以下、又は30分間以下であってよい。
【0062】
銅配線3における銅の含有量(体積割合)は、銅配線の全体積を基準として、65体積%以上であることが好ましく、70体積%以上がより好ましく、80体積%以上が更に好ましい。銅配線3における銅の含有量を65体積%以上とすることで、良好な導通信頼性が得られる。銅配線3における銅の含有量(体積割合)は、銅配線の全体積を基準として、95体積%以下であることが好ましい。この場合、銅配線3は空隙を有している。銅配線3が適度な空隙を有することで、銅配線3のポリマー成形体1と接する面と反対の面に、樹脂成分を含有するはんだペーストを塗布した場合、銅配線3内部の空隙に樹脂成分が充填され易くなり、ポリマー成形体と接している銅配線3との空隙部3aにも樹脂が到達し硬化することで、ポリマー成形体1と銅配線3との接着強度をより一層向上させることができる。
【0063】
なお、銅配線3を構成する材料の組成がわかっている場合には、例えば、以下の手順で銅配線3における銅の含有量を求めることができる。まず、銅配線3を直方体に切り出し、銅配線3の縦、横の長さをノギス又は外形形状測定装置で測定し、厚みを膜厚計で測定することにより銅配線3の体積を計算する。切り出した銅配線3の体積と、精密天秤で測定した銅配線3の重量とから見かけの密度M(g/cm)を求める。求めたMと、銅の密度8.96g/cmとを用いて、下記式(A)から銅配線3における銅の含有量(体積%)が求められる。
銅配線3における銅の含有量(体積%)=[(M)/8.96]×100 (A)
【0064】
銅配線3は、構成する元素のうち軽元素を除いた元素中の銅元素の割合が95質量%以上であってもよく、97質量%以上であってもよく、98質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。銅配線3における銅元素の上記割合が、上記範囲内であれば、金属間化合物の形成又は金属銅結晶粒界への異種元素の析出を抑制でき、銅配線3を構成する金属銅の性質が強固になり易く、より一層優れた接続信頼性が得られ易い。また、銅配線3における軽元素を除いた元素中の銅元素の割合が100質量%である場合、上記銅の体積割合は緻密度(%)とみなすことができる。
【0065】
銅配線3は、ポリマー成形体1との接合界面(例えば、ポリマー成形体1と銅配線3との接合面)に対して略平行に配向した第1の銅粒子に由来する構造を含むことが好ましい。この場合、ポリマー成形体1と略平行に第1の粒子を配向させることで、焼結により形成した銅配線3の割れを抑制することができる。さらに、理由は定かではないが、焼結により形成した銅配線3とポリマー成形体1との接着性を向上させることができる。
【0066】
(第3の工程)
第2の工程に続いて、図1の(d)に示すように、はんだ粒子4及び樹脂成分5を含有するはんだペーストを、銅配線3上に所定のパターンで塗布してはんだペースト層6を形成する。樹脂成分5の一部は、銅配線3の空隙部3aに浸透し、銅配線3の少なくとも一部に充填された樹脂充填部7を形成している。
【0067】
はんだ粒子4の粒径は、例えば、0.4~30μm、0.5~20μm又は0.6~15μmであってもよい。はんだ粒子4の粒径が0.4μm以上であると、はんだ表面の酸化の影響を受け難く、導通信頼性を向上し易くなる。一方、はんだ粒子4の粒径が30μm以下であると、絶縁信頼性を向上し易くなる。
【0068】
はんだ粒子4の粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により測定することができる。すなわち、はんだ粒子の平均粒径は、任意のはんだ粒子300個についてSEMを用いた観察により粒径の測定を行い、それらの平均値をとることにより得られる。
【0069】
はんだ粒子4は、スズを含んでいる。はんだ粒子4として、In-Sn合金、In-Sn-Ag合金、Sn-Bi合金、Sn-Bi-Ag合金、Sn-Ag-Cu合金及びSn-Cu合金からなる群より選ばれる少なくとも1種のスズ合金を用いてもよい。スズ合金としては、例えば、In-Sn(In52質量%、Bi48質量%、融点118℃)、In-Sn-Ag(In20質量%、Sn77.2質量%、Ag2.8質量%、融点175℃)、Sn-Bi(Sn43質量%、Bi57質量%、融点138℃)、Sn-Bi-Ag(Sn42質量%、Bi57質量%、Ag1質量%、融点139℃)Sn-Ag-Cu(Sn96.5質量%、Ag3質量%、Cu0.5質量%、融点217℃)及びSn-Cu(Sn99.3質量%、Cu0.7質量%、融点227℃)挙げられる。
【0070】
接合する温度に応じて、スズ合金を選択することができる。例えば、In-Sn合金、Sn-Bi合金等の融点の低いスズ合金を用いる場合、150℃以下で接合することができる。Sn-Ag-Cu、Sn-Cu等の融点の高いスズ合金を用いる場合、高温放置後においても、高い信頼性を達成できる傾向にある。
【0071】
はんだ粒子4を構成するスズ合金は、Ag、Cu、Ni、Bi、Zn、Pd、Pb、Au、P及びBから選ばれる少なくとも1種を含んでもよい。これらの元素のうち、以下の観点からAg又はCuを含んでもよい。すなわち、はんだ粒子4がAg又はCuを含むことで、はんだ粒子の融点を220℃程度まで低下させることができる、電極との接合強度が向上することによって良好な導通信頼性を得られるという効果が奏される。
【0072】
はんだ粒子4のCu含有率は、例えば、0.05~10質量%、0.1~5質量%又は0.2~3質量%であってもよい。Cu含有率が0.05質量%以上であれば、良好なはんだ接続信頼性を得られ易く、Cu含有率が10質量%以下であれば、はんだ粒子の融点が低くなり、はんだ濡れ性が向上し、結果として接合部の接続信頼性が良好となり易い。
【0073】
はんだ粒子4のAg含有率は、例えば、0.05~10質量%、0.1~5質量%又は0.2~3質量%であってもよい。Ag含有率が0.05質量%以上であれば、良好なはんだ接続信頼性を得られ易く、他方、10質量%以下であれば融点が低くなり、はんだ濡れ性が向上し、結果として接合部の接続信頼性が良好となり易い。
【0074】
樹脂成分5は、熱硬化性化合物を含んでもよい。熱硬化性化合物としては、例えば、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物が挙げられる。中でも、樹脂成分の硬化性及び粘度をより一層良好にし、ポリマー成形体1と銅配線3との接着性を一層高める観点から、エポキシ化合物が好ましい。
【0075】
樹脂成分5は、熱硬化剤を更に含んでもよい。熱硬化剤としては、例えば、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤、酸無水物、熱カチオン開始剤及び熱ラジカル発生剤が挙げられる。熱硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。低温で速やかに硬化可能である点で、イミダゾール硬化剤、ポリチオール硬化剤又はアミン硬化剤が好ましい。また、熱硬化性化合物と熱硬化剤とを混合したときの保存安定性を高める点で、熱硬化剤として、潜在性の熱硬化剤を用いてもよい。潜在性の熱硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性ポリチオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。なお、上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
【0076】
イミダゾール硬化剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン及び2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物が挙げられる。
【0077】
ポリチオール硬化剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリス-3-メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ-3-メルカプトプロピオネートが挙げられる。ポリチオール硬化剤の溶解度パラメーターは、好ましくは9.5以上、好ましくは12以下である。溶解度パラメーターは、Fedors法にて計算される。例えば、トリメチロールプロパントリス-3-メルカプトプロピオネートの溶解度パラメーターは9.6、ジペンタエリスリトールヘキサ-3-メルカプトプロピオネートの溶解度パラメーターは11.4である。
【0078】
アミン硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホンが挙げられる。
【0079】
熱カチオン硬化剤としては、例えば、ヨードニウム系カチオン硬化剤、オキソニウム系カチオン硬化剤及びスルホニウム系カチオン硬化剤が挙げられる。ヨードニウム系カチオン硬化剤としては、例えば、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファートが挙げられる。オキソニウム系カチオン硬化剤としては、例えば、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラートが挙げられる。スルホニウム系カチオン硬化剤としては、例えば、トリ-p-トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファートが挙げられる。
【0080】
熱ラジカル発生剤としては、例えば、アゾ化合物及び有機過酸化物が挙げられる。アゾ化合物としては、例えば、アゾビスイゾブチロニトリル(AIBN)が挙げられる。有機過酸化物としては、例えば、ジ-tert-ブチルペルオキシド及びメチルエチルケトンペルオキシドが挙げられる。
【0081】
樹脂成分5は、フラックスを更に含んでもよい。フラックスは、はんだ表面の酸化物を溶融して、粒子同士が融着すると共に、銅配線3へのはんだ濡れ性を向上させる。
【0082】
フラックスとして、はんだ接合等に一般的に用いられているものを使用できる。フラックスとしては、例えば、塩化亜鉛、塩化亜鉛と無機ハロゲン化物との混合物、塩化亜鉛と無機酸との混合物、溶融塩、リン酸、リン酸の誘導体、有機ハロゲン化物、ヒドラジン、有機酸及び松脂が挙げられる。フラックスは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0083】
溶融塩としては、例えば、塩化アンモニウムが挙げられる。有機酸としては、例えば、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、グルタミン酸及びグルタル酸が挙げられる。松脂としては、例えば、活性化松脂及び非活性化松脂が挙げられる。松脂は、アビエチン酸を主成分とするロジン類である。フラックスとして、カルボキシル基を2以上有する有機酸又は松脂を使用することにより、電極間の導通信頼性がより一層高くなるという効果が奏される。
【0084】
フラックスの融点は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは70℃以上であり、更に好ましくは80℃以上である。フラックスの融点は、好ましくは200℃以下であり、より好ましくは160℃以下であり、更に好ましくは150℃以下であり、特に好ましくは140℃以下である。フラックスの融点が上記範囲にあると、フラックス効果がより一層効果的に発揮され、はんだ粒子が電極上により一層効率的に配置される。フラックスの融点の範囲は、80~190℃であることが好ましく、80~140℃以下であることがより好ましい。
【0085】
融点が80~190℃の範囲にあるフラックスとしては、例えば、コハク酸(融点186℃)、グルタル酸(融点96℃)、アジピン酸(融点152℃)、ピメリン酸(融点104℃)、スベリン酸(融点142℃)等のジカルボン酸、安息香酸(融点122℃)及びリンゴ酸(融点130℃)が挙げられる。
【0086】
(第4の工程)
第3の工程に続いて、図1の(e)に示すように、はんだペースト層6の所定の位置に電極9を有する電子素子8を配置(マウント)する(第4の工程)。電子素子8としては、ダイオード、整流器、サイリスタ、MOSゲートドライバ、パワースイッチ、パワーMOSFET、IGBT、ショットキーダイオード、ファーストリカバリダイオード等からなるパワーモジュール、発信機、増幅器、LEDモジュール、コンデンサ、ジャイロセンサ等が挙げられる。
【0087】
はんだペースト層6上に電子素子8を配置する方法としては、例えば、チップマウンター、フリップチップボンダー、カーボン製又はセラミックス製の位置決め冶具等を用いた方法が挙げられる。
【0088】
電極9は、銅、ニッケル、パラジウム、金、白金、銀及びスズからなる群より選択される少なくとも1種の金属を最表面に含む電極であってよく、はんだ層11と接合した後に、高温放置によってもはんだ層11と電極9との間に不純物(金属間化合物)が形成されずに、接合信頼性の高い実装を行える観点から、好ましくは、銅、ニッケル及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を最表面に含む電極である。電極9は、これらの金属を含有する単層又は複層の金属含有層からなっていてよい。
【0089】
(第5の工程)
第4の工程に続いて、図1の(f)に示すように、はんだ粒子4を溶融することで、はんだ層11を形成し、銅配線3と電子素子8の電極9とを接合する(第5の工程)。これにより、電子部品10が得られる。
【0090】
はんだ粒子4を溶融する方法として、加熱処理により行うことできる。加熱処理には、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉等の加熱手段を用いることができる。
【0091】
はんだ粒子4を溶融してはんだ層11を形成し、銅配線3と電子素子8の電極9とを接合すると共に、樹脂成分5が硬化して、はんだ層11の少なくとも一部を被覆する樹脂層12を形成する。具体的には、融点が138℃のSn-Bi(Sn43質量%、Bi57質量%)を例に挙げると、150℃で保持することで、はんだ層11が形成され、樹脂成分5がはんだ層11の外周部を覆い、硬化して樹脂層12になることがよい。また、この時、銅配線3の空隙部3aの少なくとも一部に充填された樹脂成分が硬化して樹脂充填部13が形成される。
【0092】
はんだ接合時の雰囲気は、焼結体の酸化抑制の観点から、無酸素雰囲気であってよく、銅配線3の表面酸化物を除去するという観点から、還元雰囲気であってもよい。無酸素雰囲気としては、例えば、窒素、希ガス等の無酸素ガスの導入、又は真空下が挙げられる。還元雰囲気としては、例えば、純水素ガス中、フォーミングガスに代表される水素及び窒素の混合ガス中、ギ酸ガスを含む窒素中、水素及び希ガスの混合ガス中、ギ酸ガスを含む希ガス中等が挙げられる。
【0093】
加熱処理時の到達最高温度は、各部材への熱ダメージの低減及び歩留まりを向上させるという観点から、150℃以上であってよく、350℃以下、300℃以下、又は260℃以下であってよい。到達最高温度が、150℃以上であれば、到達最高温度保持時間が60分間以下において、はんだ粒子4の溶融が充分に進行する傾向にある。
【0094】
はんだ接合は、電子素子8に圧力を加えた状態で行われてよく、はんだペースト層6上の電子素子8及びその他の部材による自重のみで行われてもよい。当該圧力は、0.01MPa以下又は0.005MPa以下であってよい。焼結時に受ける圧力が上記範囲内であれば、特別な加圧装置が不要なため歩留まりを損なうこと無く、ボイドの低減、接合強度及び接続信頼性をより一層向上させることができる。電子素子8に圧力を加える方法としては、例えば、最も上に位置する電子素子8上に重りを載せる方法等が挙げられる。
【0095】
以上説明した製造方法により得られる電子部品10は、ポリマー成形体1と、ポリマー成形体1上に設けられた銅配線3と、銅配線3と電子素子8とを接合するはんだ層11と、はんだ層11の少なくとも一部を被覆する樹脂層12とを備えている。銅配線3の空隙部3aの少なくとも一部は、樹脂層12と同じ樹脂成分の硬化物で充填されている。
【0096】
図2は、電子部品10において、銅配線3とポリマー成形体1の接合部の詳細を表した図である。銅配線3の空隙部3aがポリマー成形体1との界面に形成され、空隙部3aに樹脂成分が充填され、硬化して樹脂充填部13となり、銅配線3とポリマー成形体1との接着性を向上させることが可能である。
【0097】
図3は、他の一実施形態の電子部品の製造方法を示す模式断面図である。以下、本実施形態について説明するが、上述した実施形態と重複する説明は省略する。この製造方法では、第1の工程の準備工程において、図3の(a)に示すように、ポリマー成形体1を準備する(準備工程)。第1の工程では、準備工程に続いて、図3の(b)に示すように、ポリマー成形体1上に銅ペーストを所定のパターンで(銅配線を形成する部分に)塗布して銅ペースト層2を形成する(形成工程)。そして、図3の(c)に示すように、銅粒子同士を焼結させることにより、銅配線3を形成する。(第2の工程)。
【0098】
続いて、図3の(d)に示すように、銅配線3の一部に樹脂成分を含む樹脂層14を形成する。樹脂成分は、銅配線3の空隙部3aの少なくとも一部に充填され樹脂充填部15が得られる。樹脂成分は、上述したはんだペーストの樹脂成分5と、同一であってよい。樹脂成分と樹脂成分5が同じ場合、樹脂層14を銅配線3とポリマー成形体1の全面に塗布してもよい。銅配線3上に塗布された樹脂層14の上部に、はんだ粒子4及び樹脂成分5を含有するはんだペーストを塗布してよい。電子素子8を接合する銅配線3以外の箇所に、樹脂層14を形成し、あらかじめ硬化しても、しなくてもよい。樹脂層14の硬化時の雰囲気は、銅配線3の酸化抑制の観点から、無酸素雰囲気であってよく、還元雰囲気であってもよい。無酸素雰囲気としては、例えば、窒素、希ガス等の無酸素ガスの導入、又は真空下が挙げられる。還元雰囲気としては、例えば、純水素ガス中、フォーミングガスに代表される水素及び窒素の混合ガス中、ギ酸ガスを含む窒素中、水素及び希ガスの混合ガス中、ギ酸ガスを含む希ガス中等が挙げられる。
【0099】
続いて、図3の(e)に示すように、はんだペーストを所定の銅配線3上に、所定のパターンで塗布する(第3の工程)。樹脂成分5は、銅配線3の空隙部3aに浸透し、銅配線3の少なくとも一部に充填している。第3の工程に続いて、図3の(f)に示すように、はんだペースト層6の所定の位置に電極9を有する電子素子8を配置(マウント)する(第4の工程)。第4の工程に続いて、図3の(g)に示すように、はんだ粒子4を溶融することで、はんだ層11を形成し、銅配線3と電子素子8の電極9とを接合する(第5の工程)。また、樹脂層14は、硬化して樹脂層16となる。これにより、電子部品18が得られる。
【0100】
以上説明した製造方法により得られる電子部品18は、ポリマー成形体1と、ポリマー成形体1上に設けられた銅配線3と、銅配線3と電子素子8の電極9とを接合するはんだ層11と、はんだ層11の少なくとも一部を被覆する樹脂層12と、銅配線3の一部を被覆する樹脂層16と、を備えている。銅配線3の空隙部3aの少なくとも一部は、樹脂層12又は樹脂層16と同じ樹脂成分の硬化物で充填されている。
【0101】
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、銅ペーストを所定のパターン(銅配線3に対応するパターン)で塗布するため、触媒を含むポリマーが不要であり、また、レーザー照射及び無電解銅めっきの工程を省略できる。加えて、これらの製造方法では、銅配線3上にペースト層6を形成した後、電子素子8を配置して熱処理することにより、銅配線3と電子素子8とをはんだにより互いに接合すると共に、はんだ層11の少なくとも一部が樹脂層12により被覆され、銅配線3の空隙部の少なくとも一部に充填された樹脂成分が硬化して樹脂充填部13又は樹脂充填部17が形成されることによって、ポリマー成形体と銅配線との接着性を改善することができる。
【0102】
本実施形態に係る製造方法では、銅配線3の一部を被覆する樹脂成分を含む樹脂層14と、はんだペーストにおける樹脂成分5とを、同一成分とすることで、電子素子8と銅配線3とのはんだ接合と、銅配線3の表面保護被膜の作製とを同一工程で行うことが可能で、従来行っていた工程(ソルダーレジストの形成工程(銅配線及びポリマー成形体前面への有機被膜の塗布、露光、現像によるはんだ接合のための開口部の形成)、ソルダーペーストの配線開口部への塗布、熱処理によるはんだ接合工程(部品実装)等)と比較して、大幅に工程及び製造するための時間を短縮することができる。
【0103】
図4は、銅粒子の焼結体からなる銅配線の断面の一例を示すSEM像である。図4に示す銅配線24は、接合界面(例えば、ポリマー成形体と配線との接合面)に対して略平行に配向したフレーク状の銅粒子に由来する構造である。配線が上記銅配線24を有する場合、接合界面方向と略平行にフレーク状の銅粒子を配向させることで、配線の割れを抑制することができる。さらに、理由は定かではないが、配線とポリマー成形体との接着性を向上させることができる。
【0104】
図4に示す銅配線24を有する配線は、フレーク状の銅粒子に由来する焼結銅24aの他に、空孔24bと、フレーク状の銅粒子同士を接合する銅粒子(例えば球状の銅粒子)に由来する焼結銅と、を更に含んでいてよい。上記銅配線24を有する配線は、例えば、フレーク状の銅粒子と、場合によりフレーク状の銅粒子同士を接合する銅粒子(例えば球状の銅粒子)と、を含む銅ペーストを焼結することより形成することができる。
【0105】
ここで、フレーク状とは板状、鱗片状等の平板状の形状を包含する。上記構造に含まれるフレーク状の銅粒子に由来する焼結銅24aにおいて、長径(最大径)と厚さとの比(長径/厚さ、アスペクト比)は5以上であってよい。長径の数平均径は2.0μm以上であってよく、3.0μm以上であってもよく、4.0μm以上であってもよい。フレーク状の銅粒子に由来する焼結銅24aがこのような形状である場合、配線に含まれる上記銅配線24による補強効果が向上し、配線とポリマー成形体との接着性(接合強度)及び配線の導通信頼性により一層優れるものとなる。
【0106】
フレーク状の銅粒子に由来する焼結銅24aの長径及び厚さは、例えば、配線の断面のSEM像から求めることができる。以下に、フレーク状の銅粒子に由来する焼結銅の長径と厚さをSEM像から測定する方法を例示する。まず、配線を直方体状に切り出し測定用サンプルとする。サンプルを注形用のカップに配置し、カップ内にエポキシ注形樹脂をサンプル全体が埋まるように注ぎ、硬化させる。注形したサンプルの観察したい断面付近で切断し、研磨で断面を削り、CP(クロスセクションポリッシャ)加工を行う。サンプルの断面をSEM装置により5000倍で観察する。配線の断面画像(例えば5000倍)を取得し、稠密な連続部であり、直線状、直方体状、楕円体状の部分で、この部分の内に内包される直線の中で最大の長さのものを長径、それと直交してこの部分に内包される直線の中で最大の長さのものを厚さとしたときに、長径の長さが1.0μm以上で且つ長径/厚さの比が4以上であるものをフレーク状の銅粒子に由来する焼結銅とみなし、測長機能のある画像処理ソフトによりフレーク状の銅粒子に由来する焼結銅の長径と厚さを測長する。それらの平均値については、無作為に選んだ20点以上で数平均を計算することで得られる。
【0107】
上記実施形態では、金属粒子として銅粒子を用いた態様を記載しているが、本実施形態に係る金属粒子としては、銅粒子に限定されず。焼結可能な金属を含む粒子を用いることができる。銅粒子以外の金属粒子を用いた場合にも、上述した電子部品の製造工程を適用することができる。
【実施例
【0108】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0109】
[銅ペーストの調製]
(銅ペーストa1)
分散媒としてα-テルピネオール(富士フイルム和光純薬株式会社製)5.2g及びイソボルニルシクロヘキサノール(日本テルペン化学株式会社製)6.8gと、サブマイクロ銅粒子として「CH-0200」(三井金属鉱業株式会社製、50%体積平均粒径:0.36μm、粒径が0.01~0.8μmの銅粒子の含有量:95質量%)52.8gとをポリ瓶に混合し、超音波ホモジナイザー(日本精機株式会社製の商品名「US-600」)により19.6kHz、600W、1分間処理し分散液を得た。この分散液に、フレーク状マイクロ銅粒子として「MA-C025」(三井金属鉱業株式会社製、最大径が1~20μmの銅粒子の含有量:100質量%)35.2gを添加し、スパチュラで乾燥粉がなくなるまでかき混ぜた。ポリ瓶を密栓し、自転公転型攪拌装置(株式会社シンキー製の商品名「Planetry Vacuum Mixer ARV-310」)を用いて、2000rpmで2分間撹拌し、減圧下、2000rpmで2分間撹拌して、銅ペーストa1を得た。
【0110】
(銅ペーストa2)
サブマイクロ銅粒子の代わりに、銀コート銅粒子「10%AgコートCu-HWQ 5μm」(福田金属箔粉工業株式会社製、50%体積平均粒径:5.89μm)を用い、フレーク状マイクロ銅粒子の代わりに、銀コート銅粒子「10%Agコート2L3」(福田金属箔粉工業株式会社製、50%体積平均粒径:10.86μm)を用いた以外は、銅ペーストa1の調製と同様にして、銅ペーストa2を得た。
【0111】
[はんだペーストの調製]
はんだ粒子(「Sn42-Bi58粒子」、平均粒子径:20μm)を70質量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製の商品名「YDF-170」、エポキシ当量:170)を25.2質量部、イミダゾール化合物(四国化成工業株式会社製の商品名「2PZ-CN」)を1.3質量部、2,2-ビスヒドロキシメチルプロピオン酸を3.5質量部混合して、はんだペーストを調製した。
【0112】
[実施例1]
(電子部品40の作製)
大きさ40mm×40mm、厚み3mmの液晶ポリマーからなるポリマー成形体(住友化学株式会社製の商品名「スミカスーパーLCP E6000HF」)を準備した。続いて、図5の(a)に示すように、ポリマー成形体31上に、1.5mm×1mmの長方形の開口を2つ有するステンレス製のメタルマスク(厚み:50μm)を載せ、メタルスキージを用いたステンシル印刷により銅ペーストa1を塗布して銅ペースト層32を形成した部材を得た。
【0113】
上記部材を、チューブ炉(株式会社エイブイシー製)にセットし、アルゴンガスを1L/分で流して空気をアルゴンガスに置換した。その後、水素ガスを300mL/分で流しながら昇温10分間、180℃で60分間の条件で焼結処理することにより銅ペースト層32を焼結させ、図5の(b)に示すように、銅配線33を形成した。
【0114】
続いて、図5の(c)に示すように、銅配線33上に、はんだペーストを塗布してはんだペースト層34を形成した後、図5の(d)に示すように、はんだペースト層34上に、電極36が形成されたセラミックコンデンサ35(2mm×1.2mm×0.6mmt、株式会社村田製作所製の商品名「GQMシリーズ」)を配置(マウント)した部材を得た。なお、電極36は、セラミックコンデンサ35の両端に銅で形成されていた。
【0115】
続いて、図5の(d)に示す部材を、170℃に加熱したホットプレートに大気中で15分間載置して、電子部品40を得た。電子部品40の断面の形状を図5の(e)に示す。図5の(e)は、図5の(d)におけるIVc-IVc線に沿った断面図である。セラミックコンデンサ35の電極36と銅配線33とが、はんだ層37により接合され、はんだ接合部の外周が樹脂層38により補強されていた。
【0116】
電子部品40を注型樹脂42で包埋して、断面観察用のサンプルを作製した。光学顕微鏡による電子部品40の断面の観察結果を図6に示す。セラミックコンデンサ35の電極36と銅配線33とが、はんだ層37を介して接合され、はんだ層37の外周に樹脂層38が形成されている。ポリマー成形体31、銅配線33及びはんだ層37の断面の光学顕微鏡による観察結果を図7に示す。銅配線33は空隙を有し、空隙部には樹脂成分が充填され、樹脂充填部43が形成されていた。
【0117】
(接着性の評価)
電子部品40について、ボンドテスタ(Dage社製の商品名:万能ボンドテスタ シリーズ4000)を用いて、接続強度(シェア強度)を測定した。具体的には、図10の(a)及び(b)に示すように、電子部品40に対し、シェアツール45を、シェア高さ50μmで配置し、矢印の方向に0.5mm/分の速度でシェアを行い、シェア強度を測定した。なお、図10の(b)は、図5の(d)におけるIVc-IVc線に沿った断面図である。ポリマー成形体31と銅配線33とが接合されている20箇所のシェア強度の平均値から、ポリマー成形体31と銅配線33との接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0118】
(電子部品44の作製)
上記ポリマー成形体を準備し、図8の(a)に示すように、ポリマー成形体31上に、0.9mm×0.9mmの正方形の開口を1つ有するステンレス製のメタルマスク(厚み:50μm)を載せ、メタルスキージを用いたステンシル印刷により銅ペーストa1を塗布して銅ペースト層32を形成した部材を得た。得られた部材を、チューブ炉(株式会社エイブイシー製)にセットし、アルゴンガスを1L/分で流して空気をアルゴンガスに置換した。その後、水素ガスを300mL/分で流しながら昇温10分間、180℃で60分間の条件で焼結処理することにより銅ペースト層を焼結し、図8の(b)に示すように、銅配線33を形成した。
【0119】
続いて、図8の(c)に示すように、銅配線上にはんだペーストを塗布してはんだペースト層34を形成した。続いて、図8の(d)に示すように、はんだペースト層34上部に、銅基板39(1mm×1mm×0.3mmt)を配置(マウント)して部材を得た。続いて、大気中で、170℃に加熱したホットプレートに、図8の(d)に示す部材を乗せて、15分間放置した。放置することにより得た、電子部品44の断面の形状を図8の(e)に示す。銅基板39と銅配線33とが、はんだ層37により接合され、はんだ層37の外周部が樹脂層38により補強されていた。
【0120】
光学顕微鏡による電子部品44の断面の観察結果を図9に示す。銅基板39と銅配線33とがはんだ層37を介して接合され、はんだ層37の外周に樹脂層38が形成されている。
【0121】
(接着性の評価)
電子部品44について、ボンドテスタを用いて、接続強度(シェア強度)を測定した。具体的には、図11に示すように、電子部品44に対し、シェアツール45を、シェア高さ50μmで配置し、矢印の方向に0.5mm/分の速度でシェアを行い、シェア強度を測定した。ポリマー成形体31と銅配線33とが接合されている20箇所のシェア強度の平均値から、ポリマー成形体31と銅配線33との接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0122】
[実施例2]
銅ペースト層32の焼結温度を180℃から225℃に変更した以外は、実施例1と同様にして電子部品40及び電子部品44を作製して、接着性を評価した。
【0123】
[実施例3]
銅ペーストa1に代えて、銅ペーストa2を用いて、銅ペースト層32を形成し、銅ペースト層32を大気中において180℃で10分間焼成した以外は、実施例1と同様にして電子部品40及び電子部品44を作製して、接着性を評価した。
【0124】
[比較例1]
はんだペーストに代えて、はんだ粒子「Sn42-Bi58粒子」のみを用いてはんだ層37を形成した以外は実施例1と同様にして、図12に示す電子部品48及び図13に示す電子部品49を作製して、接着性を評価した。
【0125】
[比較例2]
はんだペーストに代えて、はんだ粒子「Sn42-Bi58粒子」のみを用いてはんだ層37を形成した以外は実施例2と同様にして、電子部品48及び電子部品49を作製して、接着性を評価した。
【0126】
[比較例3]
はんだペーストに代えて、はんだ粒子「Sn42-Bi58粒子」のみを用いてはんだ層37を形成した以外は実施例3と同様にして、電子部品48及び電子部品49を作製して、接着性を評価した。
【0127】
【表1】
【符号の説明】
【0128】
1,31…ポリマー成形体、2,32…銅ペースト層、3,24,33…銅配線、3a…空隙部、4…はんだ粒子、5…樹脂成分、6,34…はんだペースト層、7,13,15,17,43…樹脂充填部、8…電子素子、35…セラミックコンデンサ、9,36…電極、10,40,44,48,49…電子部品、11,37…はんだ層、12,14,16,38…樹脂層、39…銅基板、42…注型樹脂、45…シェアツール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13