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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04847 20220101AFI20240909BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
G06F3/04847
H04N1/00 350
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021010563
(22)【出願日】2021-01-26
(65)【公開番号】P2022114312
(43)【公開日】2022-08-05
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 達夫
(72)【発明者】
【氏名】小野澤 雄二
(72)【発明者】
【氏名】治田 貴文
(72)【発明者】
【氏名】槇野 洋平
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-147004(JP,A)
【文献】国際公開第2013/133007(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/116978(WO,A1)
【文献】特開2011-191927(JP,A)
【文献】特開2018-089120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04847
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる操作が行われると、予め定められた機能を実行し、
前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記予め定められた機能の実行に必要とされる前記操作の難易度が高くなるように、前記操作の操作性を変更する制御を行い、
前記操作は、前記操作部に対する、前記ユーザによる移動操作であり、
前記プロセッサは、前記操作部に対して、前記移動操作が行われると、前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域であって、前記予め定められた機能を実行しない領域である開始領域と、前記予め定められた機能を実行する領域である実行領域とを含む前記移動可能領域内で前記操作部を前記移動操作に追従するように移動させ、
前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域に移動してから、前記移動操作が完了した場合に、前記予め定められた機能を実行し、
前記重要度が相対的に高いほど、前記予め定められた機能の実行に必要とされる前記移動操作の難易度が高くなるように、前記移動操作の操作性を変更する制御を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記移動操作の操作性の変更は、前記開始領域と前記実行領域との境界の位置を変更することを含み、
前記プロセッサは、前記重要度が相対的に高いほど、前記開始領域の長さが長く、かつ、前記実行領域の長さが短くなるように、前記境界の位置を変更する制御を行う
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記移動操作の操作性の変更は、前記移動可能領域の長さを変更することを含み、
前記プロセッサは、前記重要度が相対的に高いほど、前記移動可能領域の長さが長くなるように変更する制御を行う
請求項又は請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記移動操作の操作性の変更は、前記移動可能領域の向きが変曲する点である変曲点の数を変更することを含み、
前記プロセッサは、前記重要度が相対的に高いほど、前記移動可能領域の変曲点の数が多くなるように変更する制御を行う
請求項~請求項の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記移動操作の操作性の変更は、前記操作部の追従を可能とする前記移動操作の速度を変更することを含み、
前記プロセッサは、前記重要度が相対的に高いほど、前記操作部の追従を可能とする前記移動操作の速度が遅くなるように変更する制御を行う
請求項~請求項の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記移動操作の操作性の変更は、前記移動操作の回数を変更することを含み、
前記プロセッサは、前記重要度が相対的に高いほど、前記移動操作の回数が多くなるように変更する制御を行う
請求項~請求項の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記移動操作の操作性の変更は、前記操作部に対する前記移動操作から、前記操作部の移動を伴わない、前記操作部に対する接触操作に変更することを含み、
前記プロセッサは、前記重要度が相対的に低く、かつ、閾値以下である場合、又は、前記重要度が相対的に低い場合に、前記移動操作から、前記操作部の移動を伴わない前記接触操作に変更する制御を行う
請求項~請求項の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる操作が行われると、予め定められた機能を実行し、
前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記予め定められた機能の実行に必要とされる前記操作の難易度が高くなるように、前記操作の操作性を変更する制御を行い、
前記操作は、前記操作部に対する、前記ユーザによる移動操作であり、
前記操作部に対して、前記移動操作が行われると、前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域であって、前記予め定められた機能を実行しない領域である開始領域と、前記予め定められた機能を実行する領域である実行領域とを含む前記移動可能領域内で前記操作部を前記移動操作に追従するように移動させ、
前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域に移動してから、前記移動操作が完了した場合に、前記予め定められた機能を実行し、
前記重要度が相対的に高いほど、前記予め定められた機能の実行に必要とされる前記移動操作の難易度が高くなるように、前記移動操作の操作性を変更する制御を行うことを、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、表示手段に操作画面を表示させてユーザの操作を受け付けるユーザインターフェイス制御装置が記載されている。このユーザインターフェイス制御装置は、ユーザインターフェイスに表示される操作画面の設定に基づいて当該操作画面を制御し、かつ当該操作画面の設定を変更するための入力を受け付けて当該入力に基づく設定変更が行われた場合における当該操作画面の誤操作に関する情報をユーザインターフェイスに表示させる制御部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-237820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タッチパネル方式のUI(User Interface)画面では、タッチ式のボタンを用いたスライドスタートが実装される場合がある。このスライドスタートでは、例えば、ユーザが操作部に対してドラッグ又はスライド等の操作を行うことで所定の機能が実行される。
【0005】
ユーザが操作部に対して操作を行う場合に、操作によって実行される機能に関する重要度をユーザが把握できると、誤操作防止の観点から望ましい。しかしながら、上記スライドスタート等の操作方式では、操作によって実行される機能に関する重要度を把握することはできない。
【0006】
本開示は、ユーザが操作部に対して操作を行う場合に、操作によって実行される機能に関する重要度を把握することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる操作が行われると、予め定められた機能を実行し、前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記予め定められた機能の実行に必要とされる前記操作の難易度が高くなるように、前記操作の操作性を変更する制御を行う。
【0008】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記操作が、前記操作部に対する、前記ユーザによる移動操作であり、前記プロセッサが、前記操作部に対して、前記移動操作が行われると、前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域であって、前記予め定められた機能を実行しない領域である開始領域と、前記予め定められた機能を実行する領域である実行領域とを含む前記移動可能領域内で前記操作部を前記移動操作に追従するように移動させ、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域に移動してから、前記移動操作が完了した場合に、前記予め定められた機能を実行し、前記重要度が相対的に高いほど、前記予め定められた機能の実行に必要とされる前記移動操作の難易度が高くなるように、前記移動操作の操作性を変更する制御を行う。
【0009】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記移動操作の操作性の変更が、前記開始領域と前記実行領域との境界の位置を変更することを含み、前記プロセッサが、前記重要度が相対的に高いほど、前記開始領域の長さが長く、かつ、前記実行領域の長さが短くなるように、前記境界の位置を変更する制御を行う。
【0010】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第2態様又は第3態様に係る情報処理装置において、前記移動操作の操作性の変更が、前記移動可能領域の長さを変更することを含み、前記プロセッサが、前記重要度が相対的に高いほど、前記移動可能領域の長さが長くなるように変更する制御を行う。
【0011】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第2態様~第4態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記移動操作の操作性の変更が、前記移動可能領域の向きが変曲する点である変曲点の数を変更することを含み、前記プロセッサが、前記重要度が相対的に高いほど、前記移動可能領域の変曲点の数が多くなるように変更する制御を行う。
【0012】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第2態様~第5態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記移動操作の操作性の変更が、前記操作部の追従を可能とする前記移動操作の速度を変更することを含み、前記プロセッサが、前記重要度が相対的に高いほど、前記操作部の追従を可能とする前記移動操作の速度が遅くなるように変更する制御を行う。
【0013】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第2態様~第6態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記移動操作の操作性の変更が、前記移動操作の回数を変更することを含み、前記プロセッサが、前記重要度が相対的に高いほど、前記移動操作の回数が多くなるように変更する制御を行う。
【0014】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第2態様~第7態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記移動操作の操作性の変更が、前記操作部に対する前記移動操作から、前記操作部の移動を伴わない、前記操作部に対する接触操作に変更することを含み、前記プロセッサが、前記重要度が相対的に低く、かつ、閾値以下である場合、又は、前記重要度が相対的に低い場合に、前記移動操作から、前記操作部の移動を伴わない前記接触操作に変更する制御を行う。
【0015】
更に、上記目的を達成するために、第9態様に係る情報処理プログラムは、表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる操作が行われると、予め定められた機能を実行し、前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記予め定められた機能の実行に必要とされる前記操作の難易度が高くなるように、前記操作の操作性を変更する制御を行うことを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様及び第9態様によれば、ユーザが操作部に対して操作を行う場合に、操作によって実行される機能に関する重要度を把握することができる、という効果を有する。
【0017】
第2態様によれば、ユーザが操作部に対して移動操作を行う場合に、移動操作によって実行される機能に関する重要度を把握することができる、という効果を有する。
【0018】
第3態様によれば、境界の位置を固定する場合と比較して、重要度が相対的に高いほど、移動操作の難易度を高くすることができる、という効果を有する。
【0019】
第4態様によれば、移動可能領域の長さを固定する場合と比較して、重要度が相対的に高いほど、移動操作の難易度を高くすることができる、という効果を有する。
【0020】
第5態様によれば、移動可能領域の変曲点の数を固定する場合と比較して、重要度が相対的に高いほど、移動操作の難易度を高くすることができる、という効果を有する。
【0021】
第6態様によれば、操作部の追従を可能とする移動操作の速度を固定する場合と比較して、重要度が相対的に高いほど、移動操作の難易度を高くすることができる、という効果を有する。
【0022】
第7態様によれば、移動操作の回数を固定する場合と比較して、重要度が相対的に高いほど、移動操作の難易度を高くすることができる、という効果を有する。
【0023】
第8態様によれば、重要度が相対的に低い場合であっても移動操作を行う場合と比較して、重要度が相対的に低い場合に操作の難易度を低くすることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る画像形成装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る画像形成装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】CPUの処理によって表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図4】指示部に対して予め定められた移動可能領域の一例を示す図である。
図5】表示部に表示される指示部におけるユーザ操作とユーザ操作に対するスライドマークの位置との関係の一例を示す模式図である。
図6】実施形態に係る移動操作の説明に供する図である。
図7】実施形態に係る重要度テーブルの一例を示す図である。
図8】実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態に係る重要度と移動操作の操作性の変更との関係の一例を示す図である。
図10】実施形態に係る重要度と移動操作の操作性の変更との関係の別の例を示す図である。
図11】実施形態に係る重要度と移動操作の操作性の変更との関係の更に別の例を示す図である。
図12】実施形態に係る重要度と移動操作の操作性の変更との関係の更に別の例を示す図である。
図13】実施形態に係る重要度と移動操作の操作性の変更との関係の更に別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0026】
実施形態では、ディスプレイ等の表示部上に表示されたマーク等の操作部に対するユーザの手動操作(以下、ユーザ操作という。)によって、その操作部に対するユーザ操作に応じて、予め定められた機能を実行する情報処理装置の一例を説明する。
【0027】
本開示において「操作部」とは、ディスプレイ等の表示部に表示される画像を含む概念である。「移動操作」とは、ユーザ操作による指示位置が逐次移動されつつ変更されることを含む概念である。移動操作の一例には、ディスプレイ等の表示部に接触されつつ移動するユーザ操作、例えば開始点から終了点までの間でユーザによる接触操作が継続されるドラッグ、及びスライド等のユーザ操作が挙げられる。「移動操作の開始」は、ユーザによる指示の開始として、ディスプレイ等の表示部への接触開始によるユーザ操作が挙げられる。また、「移動操作の完了」は、ユーザによる指示の終了として、接触解除によるユーザ操作が挙げられる。「予め定められた機能」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)及び当該指示を示す情報を含む概念である。予め定められた機能の一例には、自己又は他のプロセッサにより実行される処理(例えば、複写、印刷、スキャン、ファクシミリ等)が挙げられる。「機能の実行」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)の出力及び当該指示を示す情報の出力を含む概念である。
【0028】
なお、実施形態に係る操作とは、移動操作に限定されるものではなく、ユーザ操作による指示位置の移動を伴わない接触操作も含まれる。
【0029】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インターフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、報知部17と、原稿読取部18と、画像形成部19と、通信部20と、を備えている。
【0031】
なお、画像形成装置10は、情報処理装置の一例である。本実施形態に係る情報処理装置は、画像形成装置10以外に、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器等、タッチパネル方式を採用したUI画面を持つ情報処理装置全般が対象とされる。
【0032】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14の各部は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、表示部16と、報知部17と、原稿読取部18と、画像形成部19と、通信部20と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0033】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって制御部が構成される。制御部は、画像形成装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、画像形成装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0034】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る情報処理プログラム15Aが記憶される。なお、この情報処理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。
【0035】
情報処理プログラム15Aは、例えば、画像形成装置10に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム15Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、画像形成装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0036】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有し、タッチパネルを介してユーザによる各種の入力操作を受け付ける。タッチパネルには、例えば、静電容量方式が採用される。タッチパネルには、静電容量方式以外の方式を採用してもよい。また、報知部17は、各種の入力操作に応じて、予め設定されている効果音、振動等を出力する。
【0037】
原稿読取部18は、画像形成装置10の上部に設けられた自動原稿送り装置(図示省略)の給紙台に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。あるいは、原稿読取部18は、プラテンガラス等の原稿台に置かれた原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。
【0038】
画像形成部19は、原稿読取部18による読み取りによって得られた画像情報、又は、ネットワークを介して接続された外部のPC(Personal Computer)等から得られた画像情報に基づく画像を、紙等の記録媒体に形成する。なお、本実施形態においては、画像を形成する方式として、電子写真方式を例示して説明するが、インクジェット方式等の他の方式を採用してもよい。
【0039】
画像を形成する方式が電子写真方式の場合、画像形成部19は、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、転写部、及び定着部を含む。帯電部は、感光体ドラムに電圧を印加して感光体ドラムの表面を帯電させる。露光部は、帯電部で帯電された感光体ドラムを画像情報に応じた光で露光することにより感光体ドラムに静電潜像を形成する。現像部は、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより現像することで感光体ドラムにトナー像を形成する。転写部は、感光体ドラムに形成されたトナー像を記録媒体に転写する。定着部は、記録媒体に転写されたトナー像を加熱及び加圧により定着させる。
【0040】
通信部20は、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークに接続されており、外部のPC等との間でネットワークを介して通信が可能とされる。
【0041】
本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている情報処理プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することにより、図2に示す各部として機能する。
【0042】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11は、表示制御部11Aとして機能する。表示制御部11Aは、追従制御部11B及び操作制御部11Cを含む。
【0044】
表示制御部11Aは、表示部16への画像の表示を制御する制御機能及び表示部16上に画像として表示された操作部の表示位置に応じて機能の実行及び機能の未実行を制御する制御機能を有する。
【0045】
追従制御部11Bは、表示部16に画像を表示する制御、及び画像として表示された操作部を、ユーザによる移動操作に追従するように表示する制御を行う。すなわち、追従制御部11Bは、表示部16上に操作部を表示させつつ、ユーザによって操作部に対する移動操作が行われると、移動操作に追従された表示部16上の位置に操作部を表示する。
【0046】
操作制御部11Cは、ユーザによる移動操作に追従するように表示された操作部について、移動操作が完了すると、当該操作部の位置に対応して、機能の実行又は機能の未実行を制御する。機能の未実行とは、機能を実行するまでに至ることがない移動操作により、機能の実行が開始されない状態(例えば初期状態)を維持する制御である。また、機能の実行の制御は、予め定められた機能を実行する制御を含む。
【0047】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11による機能の実行について説明する。以後の説明では、CPU11による機能の実行として、原稿の複写の実行を一例として説明する。機能の実行は、原稿の複写の実行に限定されるものではなく、画像形成装置10において実行される他の処理であってもよい。
【0048】
図3は、CPU11の処理によって表示部16に表示される画面30の一例を示す図である。
【0049】
図3では、CPU11によって実行される原稿関連機能のうちの画像複写機能における複写条件を一例として、原稿の複写時における色に関する設定を行う設定画面の一例が示されている。また、以後の説明では、ユーザが画面を目視した状態における画面の水平方向の右方向をX方向、上下方向の上方向をY方向と称する。
【0050】
画面30の例では、原稿を複写するときの色に関する複写条件の設定を指示するための選択指示ボタン30Aが表示されている。複写条件は、複写対象(例えば原稿)を複写する場合に設定可能な画像形成装置10が有する機能の設定であり、その機能はパラメータとして設定される。図3に示す例では、「自動」、「フル」、「2色」、「単色」、及び「その他」の何れかの色に関する設定を指示するための選択指示ボタンが表示されている。選択指示ボタンの「自動」ボタンは原稿の色を自動的に検出して原稿に沿った色により複写することを選択指示するためのボタンである。「フル」ボタンは、原稿を画像形成装置10が有する多色により複写することを選択指示するためのボタンである。「2色」ボタンは、予め定められた2色により複写することを選択指示するためのボタンである。「単色」ボタンは、予め定めた単色により複写することを選択指示するためのボタンである。「その他」ボタンはその他の色の設定により複写することを選択指示するためのボタンである。複写条件のパラメータは、公知の技術のため、説明を省略する。
【0051】
なお、図3では、複写条件の設定を指示した状態として、ユーザ操作によって「フル」ボタンが押下されたときに、「フル」ボタンが反転表示された画面を示している。
【0052】
また、図3に示す画面30には、複写条件が指示されたときに、複写の実行を指示するための指示部31に画像が表示される。指示部31は、複写の実行を指示するための移動可能な画像を示すスライドマーク32、及び複写条件のうち部数を表示する表示領域33を含む。なお、指示部31は、ここでの図示は省略するが、操作方法の説明を表示するメッセージ領域を含むようにしてもよい。メッセージ領域には、例えば、スライドマーク32を移動(すなわちスライド)させることで複写が実行(すなわち開始)されることを示す「スライドしてスタート」のメッセージが表示される。また、スライドマーク32は、X方向(及び逆方向)に移動された位置にも表示可能になっている。スライドマーク32は、操作部の一例である。
【0053】
図3の例において、スライドマーク32は、ユーザUの指で接触されると色が変化し、ドラッグ又はスライド等の移動操作が可能となる。表示領域33には、例えば、部数、送信件数等のように、画像形成装置10の機能(例えば、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能等)に依存した情報が表示される。
【0054】
図4は、指示部31に対して予め定められた移動可能領域34の一例を示す図である。
【0055】
指示部31は、スライドマーク32の移動可能な領域である移動可能領域34を含む。移動可能領域34は、移動可能に表示されたスライドマーク32の位置に応じて複写の未実行及び複写の実行を判定するための領域の一例である。移動可能領域34は、開始領域35及び実行領域36を含む。開始領域35は、予め定められた機能を実行しない領域であり、実行領域36は、予め定められた機能を実行する領域である。ここでいう予め定められた機能とは、例えば、上述の画像複写機能である。
【0056】
具体的に、実行領域36は、移動操作が完了したときのスライドマーク32が当該領域内に存在するときに複写の実行を行うことを特定するための領域である。また、開始領域35は、移動操作が完了したときのスライドマーク32が当該領域内に存在するときに複写の実行を行わないこと(未実行)を特定するための領域である。
【0057】
図5は、表示部16に表示される指示部31におけるユーザ操作とユーザ操作に対するスライドマーク32の位置との関係の一例を示す模式図である。
【0058】
ユーザUは、表示部16の指示部31に表示されているスライドマーク32にユーザUの指を接触させ、スライドマーク32にユーザUの指を接触させつつ複写の実行を指示する。スライドマーク32は、開始領域35及び実行領域36のY方向の中心位置を結ぶ線CL上を、開始領域35及び実行領域36のX方向の範囲内で移動する。より具体的には、スライドマーク32は、始点である初期位置Psと、終点である実行位置Peとが予め定められており、初期位置Psと実行位置Peとの間に表示可能とされる。
【0059】
すなわち、ユーザUの指の動きは、X方向及びY方向の2次元的な動きとされる。つまり、ユーザUの指は、斜め方向に動く場合もある。一方、スライドマーク32の動きは、ユーザUによる移動操作に応じて移動可能領域34内のみを移動し、移動方向はX方向(又は逆方向)に限定される。スライドマーク32の動きは、1次元的な動きとされる。ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達した場合、スライドマーク32は移動可能領域34の内側でユーザUによる移動操作に追従して移動する。つまり、ユーザUの指の位置とスライドマーク32の位置とは、射影の関係にある。
【0060】
なお、例えば、スライドマーク32のX方向における中心が開始領域35の側に位置すれば、開始領域35に位置すると判定され、スライドマーク32のX方向における中心が実行領域36の側に位置すれば、実行領域36に位置すると判定される。なお、開始領域35と実行領域36との境界は、ユーザにより適宜設定可能とする。
【0061】
また、図3図5の例では、指示部31を横向きに配置しているが、配置方向はこれに限定されない。指示部31は、例えば、縦向きに配置してもよい。この場合、スライドマーク32の移動方向はY方向(又は逆方向)に限定される。
【0062】
図2に戻り、追従制御部11Bは、一例として、上述の図3に示す画面30において、ユーザUの指で接触された操作位置(例えば、座標)を検出する。なお、ユーザUの指に代えて、スタイラスペン等を用いてもよい。ここでいう移動操作とは、上述したように、例えば、ドラッグ又はスライド等の操作である。この移動操作によって連続的に検出される複数の位置によって移動操作の軌跡が導出される。また、追従制御部11Bは、ユーザUの指によるスライドマーク32の接触を検出した場合に、ユーザUの指による移動操作に追従させるスライドマーク32の位置を導出する。具体的に、追従制御部11Bは、スライドマーク32に対して、ユーザUの指による移動操作が行われると、移動可能領域34内でスライドマーク32を移動操作に追従するように移動させる。
【0063】
操作制御部11Cは、ユーザUの指による操作位置及びスライドマーク32の位置に基づいて、予め定められた機能(以下、一例として「画像複写機能」という。)の制御を行う。具体的に、操作制御部11Cは、ユーザUの指による移動操作によってスライドマーク32が開始領域35から実行領域36に移動してから、移動操作が完了した場合に、画像複写機能を実行する。
【0064】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る移動操作について具体的に説明する。
【0065】
図6は、本実施形態に係る移動操作の説明に供する図である。
【0066】
(S1)では、CPU11が、ユーザUの指によりスライドマーク32が接触されると、その位置を検出し、スライドマーク32の色を機能の実行予約を表す色に変更する。そして、ユーザUによる移動操作に追従して、スライドマーク32を矢印方向(X方向)に移動させる。なお、初期状態において、スライドマーク32は、開始領域35の開始端(ここでは左端)に位置している。また、スライドマーク32が開始端から離れ、かつ、開始領域35に位置する状態で、ユーザUの指が離れると、移動操作の完了と判定し、スライドマーク32を開始端に戻し、つまり、開始端に吸着させ、画像複写機能は実行しない。
【0067】
(S2)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作に追従して、更にスライドマーク32をX方向に移動させると、スライドマーク32が開始領域35を超えて実行領域36内に到達したことを検出する。このとき、スライドマーク32が通過する部分のテキスト(例えば、999部)を非表示にする。
【0068】
(S3)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作に追従して、更にスライドマーク32をX方向に移動させると、スライドマーク32が実行領域36の終了端(ここでは右端)に到達したことを検出する。ここで、ユーザUの指が離れると、移動操作の完了と判定する。なお、スライドマーク32が実行領域36内に位置し、かつ、終了端に到達していない状態で、ユーザUの指が離れると、上記と同様に、移動操作の完了と判定し、スライドマーク32を終了端に移動させる、つまり、終了端に吸着させる。但し、スライドマーク32が終了端に到達した状態で、ユーザUの指が離れた場合にのみ、移動操作の完了と判定してもよい。
【0069】
(S4)では、CPU11が、画像複写機能を実行し、実行領域36の終了端に移動したスライドマーク32の色を当該機能の実行を表す色に変更する。なお、画像複写機能の実行は、実行領域36の終了端にスライドマーク32が移動した時点で開始される。
【0070】
図6に示すように、指示部31では、ユーザUがスライドマーク32に対して移動操作を行い、スライドマーク32が開始領域35を超えて実行領域36内まで移動してから、移動操作が完了した場合に、一例として、画像複写機能が実行される。
【0071】
ところで、ユーザが操作部に対して操作を行う場合に、誤操作防止の観点から、操作によって実行される機能に関する重要度をユーザが把握できることが望ましい。
【0072】
このため、本実施形態に係る画像形成装置10は、上述の図2に示す操作制御部11Cを備えている。
【0073】
操作制御部11Cは、予め定められた機能(例えば、画像複写機能)の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、予め定められた機能の実行に必要とされる移動操作の難易度が高くなるように、移動操作の操作性を変更する制御を行う。
【0074】
図7は、本実施形態に係る重要度テーブル15Bの一例を示す図である。
【0075】
図7に示す重要度テーブル15Bは、例えば、記憶部15に記憶されている。ここでいう「重要度」とは、機能の実行条件によって定まるレベルを表している。実行条件とは、例えば、機能の種類、機能毎の設定項目の設定値等のように、機能を実行する際に指定される各種の条件を表している。実行条件には、一例として、図7に示すように、部数、ページ数、機能の種類、印刷物の印字密度(トナー量)、画質、紙質、宛先のセキュリティ性、及びカラーモード等が含まれる。
【0076】
重要度は、一例として、図7に示すように、部数が多い場合に相対的に高く、部数が少ない場合に相対的に低くなる。なお、部数の多い/少ないは、例えば、予め設定された閾値を用いて判定される。また、重要度は、ページ数が多い場合に相対的に高く、ページ数が少ない場合に相対的に低くなる。なお、ページ数の多い/少ないは、例えば、予め設定された閾値を用いて判定される。
【0077】
また、重要度は、機能の種類がFAX(ファクシミリ)又はScan To Email(スキャンして電子メールで送信)である場合に相対的に高く、コピー/プリント又はScan(スキャン)である場合に相対的に低くなる。また、重要度は、印刷物の印字密度が高い(トナー量が多い)場合に相対的に高く、印刷物の印字密度が低い場合に相対的に低くなる。なお、印刷物の印字密度の高い/低いは、例えば、予め設定された閾値を用いて判定される。また、重要度は、画質が高い場合に相対的に高く、画質がトナー節約モード等のように低い場合に相対的に低くなる。画質の指標には、例えば、dpi(dot per inch)で表される解像度が用いられる。なお、画質の高い/低いは、例えば、予め設定された閾値を用いて判定される。
【0078】
また、重要度は、紙質がOHPシート、ラベル用紙、又はコート紙である場合に相対的に高く、紙質が普通紙又は再生紙である場合に相対的に低くなる。また、重要度は、宛先に高いセキュリティ性が要求される場合に相対的に高く、宛先に高いセキュリティ性が要求されない場合に相対的に低くなる。例えば、宛先が高い秘匿性が要求される取引先(つまり、秘匿性の高い案件を扱う取引先)である場合に重要度は高くなり、宛先が社内である場合に重要度は低くなる。また、重要度は、カラーモードがカラーである場合に相対的に高く、カラーモードがモノクロである場合に相対的に低くなる。
【0079】
重要度は、「高」又は「低」の2つの段階(2値)で表してもよいし、3つ以上の段階で表してもよい。例えば、部数の上限を999部とした場合、部数が1以上500未満の場合に重要度を「低」とし、部数が500以上999以下の場合に重要度を「高」とする。あるいは、部数が1以上99未満の場合に重要度を「低」とし、部数が99以上500未満の場合に重要度を「中」とし、部数が500以上999以下の場合に重要度を「高」としてもよい。なお、重要度の設定基準、閾値、組み合わせ等はユーザによって適宜設定することが可能とされる。
【0080】
また、上述の「移動操作の難易度」とは、例えば、移動操作によって機能が実行されるまでに必要な時間が長いほど難易度が高いとする。例えば、移動操作の操作性の変更が、開始領域35と実行領域36との境界の位置を変更することである場合、CPU11は、操作制御部11Cとして、重要度が相対的に高いほど、開始領域35の長さが長く、実行領域36の長さが短くなるように、境界の位置を変更する制御を行う。つまり、開始領域35の長さを長く、実行領域36の長さを短くすることで、移動操作によって機能が実行されるまでに必要な時間が長くなり、移動操作の難易度が高くなる。
【0081】
次に、図8を参照して、本実施形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。
【0082】
図8は、本実施形態に係る情報処理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0083】
まず、画像形成装置10に対して、一例として、上述の図3に示す画面30の表示の実行が指示されると、情報処理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0084】
図8のステップS101では、CPU11が、一例として、上述の図3に示す画面30を介して、ユーザUによって指定される実行条件(例えば、カラーモード)を取得する。なお、取得される実行条件は、カラーモードに限定されるものではなく、上述したように、例えば、部数、ページ数、又は画質等でもよい。
【0085】
ステップS102では、CPU11が、ステップS101で取得した実行条件に基づいて、一例として、上述の図7に示す重要度テーブル15Bを参照し、当該実行条件によって定まる重要度を取得する。
【0086】
ステップS103では、CPU11が、ステップS102で取得した重要度が「高」、「中」、又は「低」のいずれであるかを判定する。重要度が「高」であると判定した場合(「高」の場合)、ステップS104に移行し、重要度が「中」であると判定した場合(「中」の場合)、ステップS105に移行し、重要度が「低」である場合(「低」の場合)、ステップS106に移行する。なお、この例では、重要度を「高」、「中」、「低」の3段階としているが、「高」、「低」の2段階でもよいし、4段階以上にしてもよい。
【0087】
ステップS104では、CPU11が、重要度「高」に対応する、移動操作の難易度になるように、移動操作の操作性を変更する制御を行う。
【0088】
ステップS105では、CPU11が、重要度「中」に対応する、移動操作の難易度になるように、移動操作の操作性を変更する制御を行う。
【0089】
ステップS106では、CPU11が、重要度「低」に対応する、移動操作の難易度になるように、移動操作の操作性を変更する制御を行う。これらのステップS104~ステップS106における、重要度と移動操作の操作性の変更との関係の具体例については後述する。
【0090】
ステップS107では、CPU11が、一例として、上述の図3に示す画面30において、ユーザUの指によって接触された操作位置を検出する。
【0091】
ステップS108では、CPU11が、ステップS107で検出した操作位置が開始領域35内にあるか否かを判定する。操作位置が開始領域35内にあると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS109に移行し、操作位置が開始領域35内にないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS107に戻り待機となる。
【0092】
ステップS109では、CPU11が、ユーザUの指による操作位置を検出しながら、操作位置に追従させるスライドマーク32の位置を導出し、導出結果を表示、記憶する。
【0093】
ステップS110では、CPU11が、ユーザUによる移動操作が完了したか否かを判定する。移動操作の完了の判定は、ユーザUの指がスライドマーク32から離れたこと(ユーザUの指とスライドマーク32との追従関係が解除されることを含む。)をもって完了と判定する。移動操作が完了したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS111に移行し、移動操作が完了しないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS110で待機となる。
【0094】
ステップS111では、CPU11が、ステップS110でユーザUによる移動操作が完了したときのスライドマーク32の位置が実行領域36内に到達したか否かを判定する。スライドマーク32の位置が実行領域36内に到達したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS112に移行し、スライドマーク32の位置が実行領域36内に到達していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS113に移行する。
【0095】
ステップS112では、CPU11が、予め定められた機能の一例として、画像複写機能を実行し、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0096】
ステップS113では、CPU11が、予め定められた機能の一例として、画像複写機能を実行することなく、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0097】
次に、図9図13を参照して、重要度と移動操作の操作性の変更との関係について具体的に説明する。
【0098】
図9は、本実施形態に係る重要度と移動操作の操作性の変更との関係の一例を示す図である。
【0099】
図9に示すように、移動操作の操作性の変更は、開始領域35と実行領域36との境界Thの位置を変更することを含む。図9の例の場合、CPU11は、重要度が相対的に高い(例えば、部数が多い)ほど、開始領域35の長さが長く、かつ、実行領域36の長さが短くなるように、境界Thの位置を変更する制御を行う。つまり、上述したように、開始領域35の長さを長く、実行領域36の長さを短くすることで、移動操作によって機能が実行されるまでに必要な時間が長くなり、移動操作の難易度が高くなる。
【0100】
図10は、本実施形態に係る重要度と移動操作の操作性の変更との関係の別の例を示す図である。
【0101】
図10に示すように、移動操作の操作性の変更は、移動可能領域34の長さを変更することを含む。図10の例の場合、CPU11は、重要度が相対的に高い(例えば、部数が多い)ほど、移動可能領域34の長さが長くなるように変更する制御を行う。つまり、移動可能領域34の長さを長くすることで、移動操作によって機能が実行されるまでに必要な時間が長くなり、移動操作の難易度が高くなる。
【0102】
ここで、移動操作の操作性の変更は、スライドマーク32に対する移動操作から、スライドマーク32の移動を伴わない、スライドマーク32に対する接触操作に変更することを含むようにしてもよい。図10の例の場合、CPU11は、重要度が相対的に低く(例えば、部数が少なく)、かつ、閾値以下(例えば、10部以下)である場合に、移動操作から、スライドマーク32の移動を伴わない接触操作に変更する制御を行う。図10の例では、部数が「1部」の場合に、スライドマーク32は固定され、スライドマーク32に対する接触操作に変更される。この場合、スライドマーク32の矢印は非表示とされる。そして、ユーザUの指がスライドマーク32に接触した後、ユーザUの指が離れると、機能が実行される。なお、重要度が「高」、「低」の2段階である場合、閾値の判定は行わなくてもよい。この場合、CPU11は、重要度が相対的に低い(例えば、部数が少ない)場合に、移動操作から、スライドマーク32の移動を伴わない接触操作に変更する制御を行う。
【0103】
図11は、本実施形態に係る重要度と移動操作の操作性の変更との関係の更に別の例を示す図である。
【0104】
「移動操作の難易度」は、例えば、移動可能領域34の形状が複雑であるほど難易度が高いとしてもよい。例えば、移動可能領域34の形状が直線状よりもL字形状等のパターン(1つ以上の変曲点を含むパターン)のほうが移動操作の難易度が高いとする。
【0105】
具体的に、図11に示すように、移動操作の操作性の変更は、移動可能領域34の向きが変曲する点である変曲点CPの数を変更することを含む。図11の例の場合、CPU11は、重要度が相対的に高い(例えば、部数が多い)ほど、移動可能領域34の変曲点CPの数が多くなるように変更する制御を行う。つまり、移動可能領域34の変曲点CPの数を多くすることで、移動可能領域34の形状が複雑になるため、移動操作の難易度が高くなる。
【0106】
図12は、本実施形態に係る重要度と移動操作の操作性の変更との関係の更に別の例を示す図である。
【0107】
図12に示すように、移動操作の操作性の変更は、スライドマーク32の追従を可能とする、ユーザUによる移動操作の速度を変更することを含む。図12の例の場合、CPU11は、重要度が相対的に高い(例えば、部数が多い)ほど、スライドマーク32の追従を可能とする、ユーザUによる移動操作の速度が遅くなるように変更する制御を行う。具体的に、重要度が「高」である場合、ユーザUの指の移動速度が比較的遅い移動操作のみを受け付け、ユーザUの指の移動速度が比較的速い移動操作は受け付けず、エラー通知を行う。一方、重要度が「低」である場合、ユーザUの指の移動速度が比較的速い移動操作を受け付ける。つまり、スライドマーク32の追従を可能とする、ユーザUによる移動操作の速度を遅くすることで、移動操作によって機能が実行されるまでに必要な時間が長くなり、移動操作の難易度が高くなる。
【0108】
図13は、本実施形態に係る重要度と移動操作の操作性の変更との関係の更に別の例を示す図である。
【0109】
図13に示すように、移動操作の操作性の変更は、ユーザUによる移動操作の回数を変更することを含む。図13の例の場合、CPU11は、重要度が相対的に高い(例えば、部数が多い)ほど、移動操作の回数が多くなるように変更する制御を行う。つまり、移動操作の回数を多くすることで、移動操作によって機能が実行されるまでに必要な時間が長くなり、移動操作の難易度が高くなる。
【0110】
このように本実施形態によれば、ユーザが操作部に対して移動操作を行う場合に、移動操作によって実行される機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、移動操作の難易度が高くなるように、移動操作の操作性が変更される。このため、ユーザは実行する機能が重要であることを把握することが可能とされる。
【0111】
上記実施形態では、ユーザによる移動操作に応じて操作部が移動する形態について説明した。実施形態は、操作部が移動しない、つまり、操作部が固定された形態であってもよい。この場合、操作部は、例えば、表示部16の所定の位置に固定されたタッチ式のボタンとされる。CPU11は、操作部に対して、ユーザによる操作の一例として接触操作が行われると、予め定められた機能(例えば、画像複写機能)を実行する。CPU11は、予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、予め定められた機能の実行に必要とされる接触操作の難易度が高くなるように、接触操作の操作性を変更する制御を行う。
【0112】
例えば、接触操作の操作性の変更は、ユーザによる接触操作の回数を変更することを含む。具体的に、CPU11は、重要度が相対的に高い(例えば、部数が多い)ほど、接触操作の回数が多くなるように変更する制御を行う。つまり、接触操作の回数を多くすることで、接触操作によって機能が実行されるまでに必要な時間が長くなり、接触操作の難易度が高くなる。あるいは、接触操作の操作性の変更は、ユーザによる接触開始から接触終了までの時間を変更することを含む。具体的に、CPU11は、重要度が相対的に高い(例えば、部数が多い)ほど、接触開始から接触終了までの時間が長くなるように変更する制御を行う。重要度が相対的に高いにも関わらず、ユーザによる接触開始から所定よりも短い時間でユーザの指が離れると、機能は実行されなくなる。つまり、接触操作の時間を長くすることで、接触操作によって機能が実行されるまでに必要な時間が長くなり、接触操作の難易度も高くなる。
【0113】
なお、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0114】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0115】
以上、実施形態に係る情報処理装置の一例として画像形成装置を例示して説明した。実施形態は、画像形成装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0116】
その他、上記実施形態で説明した画像形成装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0117】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0119】
10 画像形成装置
11 CPU
11A 表示制御部
11B 追従制御部
11C 操作制御部
12 ROM
13 RAM
14 I/O
15 記憶部
15A 情報処理プログラム
15B 重要度テーブル
16 表示部
17 報知部
18 原稿読取部
19 画像形成部
20 通信部
30 画面
30A 選択指示ボタン
31 指示部
32 スライドマーク
33 表示領域
34 移動可能領域
35 開始領域
36 実行領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13