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特許7551595作物保護用製剤のための低泡アジュバントの組合せ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】作物保護用製剤のための低泡アジュバントの組合せ
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/00 20060101AFI20240909BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20240909BHJP
   A01N 57/20 20060101ALI20240909BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
A01N25/00 101
A01N25/02
A01N57/20 L
A01P13/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021504768
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2019070409
(87)【国際公開番号】W WO2020025565
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2018/028440
(32)【優先日】2018-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 善孝
(72)【発明者】
【氏名】小畑 宏子
【審査官】平井 裕彰
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0164884(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02666355(EP,A1)
【文献】特表平10-500676(JP,A)
【文献】特表2007-520448(JP,A)
【文献】特表2012-504115(JP,A)
【文献】特表2005-535452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の:
1) 線状ポリジメチルシロキサンの群から選択されるシリコーン系消泡剤、ここで、前記シリコーン系消泡剤は、25℃で測定して、1000~8000mPas(mPas=ミリパスカル秒)の範囲の平均動粘度を有する、および
2) 3,5,5-トリメチルヘキシル3,5,5-トリメチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミタット、2,3,4-トリス(2-エチルヘキサノイルオキシ)ブチル2-エチルヘキサノエート、ネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエート、および1,3-ビス[(2-エチルヘキサノイル)オキシ]プロパン-2-イル2-エチルヘキサノエートから選択される脂肪酸エステル(カルボン酸エステル)
を含む農薬製剤用消泡組成物であって、
1)対2)の重量比が1:50~1:10である、農薬製剤用消泡組成物。
【請求項2】
1)対2)の重量比が1:20~1:10である、請求項1に記載の農薬製剤用消泡組成物。
【請求項3】
前記シリコーン系消泡剤が、エマルジョン中の線状ポリジメチルシロキサンの群から選択される、請求項1に記載の農薬製剤用消泡組成物。
【請求項4】
前記シリコーン系消泡剤がシリカを含有する、請求項1に記載の農薬製剤用消泡組成物。
【請求項5】
以下の:
(a) 1種以上の水溶性の活性作物保護成分(タイプ(a)活性成分)、
(b) 任意の1種以上の水不溶性の活性作物保護成分(タイプ(b)活性成分)、
(c) 任意の極性有機溶媒、
(d) 陰イオン界面活性剤、
(e) 任意の、非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 記載のシリコーン系消泡剤1)
(g) 上記の脂肪酸エステル2)
(h) 必要に応じて、他の慣用の製剤補助剤、および
(i) 水
を含む、請求項1に記載の消泡組成物を含有する低泡性作物保護組成物であって、
ここで、f(シリコーン系消泡剤1))対g)(脂肪酸エステル2))の重量比が、1:50~1:10である、前記組成物。
【請求項6】
以下の
(a) 1重量%~40重量%の水溶性活性作物保護剤成分(タイプ(a)成分)、
(b) 0~40重量%の水不溶性活性作物保護剤成分(タイプ(b)成分)、
(c) 0~50重量%の極性有機溶媒、
(d) 1~80重量%の陰イオン性界面活性剤
(e) 0~20重量%の非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 本発明に従って使用するための、0.0005%~2重量%の、任意にシリカを含有してもいてもよい、消泡剤、
(g) 本発明に従って使用するための0.01~20重量%の脂肪酸エステル、
(h) 0~30重量%の通常の製剤補助剤、
(i) 100%まで添加する水
を含む、請求項1に記載の消泡組成物を含有する低泡性作物保護組成物であって、
ここで、f(シリコーン系消泡剤1))対g)(脂肪酸エステル2))の重量比が、1:50~1:10である、前記組成物。
【請求項7】
以下の
(a) 2重量%~30重量%の水溶性活性作物保護剤成分(タイプ(a)成分)、
(b) 0~20重量%の水不溶性活性作物保護剤成分(タイプ(b)成分)、
(c) 2~30重量%の極性有機溶媒、
(d) 5~70重量%の陰イオン性界面活性剤
(e) 0~15重量%の非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 本発明に従って使用するための、0.005%~1重量%の、任意にシリカを含有してもいてもよい、消泡剤、
(g) 本発明に従って使用するための0.05~10重量%の脂肪酸エステル、
(h) 0~20重量%の通常の製剤補助剤、
(i) 100%まで添加する水
を含む、請求項1に記載の消泡組成物を含有する低泡性作物保護組成物であって、
ここで、f(シリコーン系消泡剤1))対g)(脂肪酸エステル2))の重量比が、1:50~1:10である、前記組成物。
【請求項8】
以下の
(a) 5重量%~20重量%の水溶性活性作物保護剤成分(タイプ(a)成分)、
(b) 0~10重量%の水不溶性活性作物保護剤成分(タイプ(b)成分)、
(c) 5~20重量%の極性有機溶媒、
(d) 6~60重量%の陰イオン性界面活性剤
(e) 0~15重量%の非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 本発明に従って使用するための、0.01%~0.25重量%の、任意にシリカを含有してもいてもよい、消泡剤、
(g) 本発明に従って使用するための0.5~5.0重量%の脂肪酸エステル、
(h) 0.1~15重量%の通常の製剤補助剤、
(i) 100%まで添加する水
を含む、請求項1に記載の消泡組成物を含有する低泡性作物保護組成物であって、
ここで、f(シリコーン系消泡剤1))対g)(脂肪酸エステル2))の重量比が、1:50~1:10である、前記組成物。
【請求項9】
以下の
(a) 5重量%~20重量%の水溶性活性作物保護剤成分(タイプ(a)成分)、
(b) 0~10重量%の水不溶性活性作物保護剤成分(タイプ(b)成分)、
(c) 5~15重量%の極性有機溶媒、
(d) 20~40重量%の陰イオン性界面活性剤
(e) 0~15重量%の非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 本発明に従って使用するための、0.01%~0.25重量%の、任意にシリカを含有してもいてもよい、消泡剤、
(g) 本発明に従って使用するための0.5~5.0重量%の脂肪酸エステル、
(h) 0.1~15重量%の通常の製剤補助剤、
(i) 100%まで添加する水
を含む、請求項1に記載の消泡組成物を含有する低泡性作物保護組成物であって、
ここで、f(シリコーン系消泡剤1))対g)(脂肪酸エステル2))の重量比が、1:50~1:10である、前記組成物。
【請求項10】
成分(a)~(g)および任意に製剤中に存在するさらなる成分を水(成分(i))と混合することを含む、請求項のいずれか一項に記載の作物保護組成物を調製するための方法。
【請求項11】
請求項のいずれか一項に記載の低泡作物保護組成物を調製するための、請求項1~のいずれか一項に記載の消泡組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物保護製剤、特に除草性製剤、のための消泡特性(消泡アジュバント組合せ)を有するアジュバントの組合せおよび前記アジュバントの組合せを含有する製剤の技術分野、ならびに前記製剤を製造するための方法に関する。
【0002】
好ましい態様において、本発明は、水溶性活性作物保護剤成分の水性製剤、特に塩様活性作物保護剤成分の水性製剤、特にグルホシネートおよび/またはグリホセートを含有する製剤に関する。
【背景技術】
【0003】
以下の消泡アジュバントは消泡剤とも呼ばれる。
【0004】
農薬製剤中、特にグルホシネート-アンモニウムまたはグリホセート-塩のような水溶性活性成分を含有する製剤の種々の高濃度の界面活性剤およびアジュバント、は葉への噴霧液滴の良好な広がり性および良好な保持、葉への浸透の改善または促進を提供して、グルホシネート-アンモニウムまたはグリホセート塩を標的部位に輸送し、次いで信頼できる除草活性を確実にすることができる。他方、これらの界面活性剤およびアジュバントは、スプレー溶液の調製/希釈時、および前記製剤の製造および充填プロセス中に問題のある泡を引き起こす。
【0005】
グルホシネート-アンモニウムの水性製剤は例えば、EP-A-0048436、EP-A-00336151、およびEP-A-1093722から公知である。製剤中に存在し、活性を高める界面活性剤のために、製剤は消泡剤を添加しない限り、塗布前に水で希釈する時、および施用の過程で噴霧する間に、好ましくない泡挙動を示す。その結果、しばしば、噴霧装置のオーバーフロー、環境の汚染、作物上の不均一な噴霧堆積物、および噴霧装置内の作物保護剤の残留物が生じる。
【0006】
農薬製剤中の泡を抑制または減少させるために、ペルフルオロアルキルホスホン酸(PFPA)またはペルフルオロアルキルホスフィン酸(PFPIA)またはそれらの混合物(先行技術1 EP0407874B1)およびシリコーン油ベースの消泡剤(US2005/0266998A1)のような種々の消泡剤の使用が知られている。
【0007】
しかしながら、公知のフッ素化消泡剤、例えばPFPAおよびPFPIAは、全ての適用分野に等しく適しているわけではない。このような製剤の多くの場合、例えば、消泡活性は、噴霧液を調製するために使用される水の硬度(カルシウムおよびマグネシウム塩含有量)に依存する。
【0008】
しかし、PFPAおよびPFPIAは、有害な環境影響を有すると考えられるペルフルオロオクタン酸(PFOA)またはペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)などのペルフルオロアルキル酸(PFAA)に類似している。したがって、一般的な生態毒性学的考察から、これらのPFPAおよびPFPIAの産生および使用は、現在制限されている。
【0009】
したがって、良好な性能特性:例えば、貯蔵時の良好な安定性および高い均一な生物学的活性を有する活性作物保護成分の低泡製剤の調製を可能にする代替消泡剤が必要とされている。さらに、本発明の目的は、製剤中のシリコーン系消泡剤の量を減少させることである。
【0010】
優れた消泡性能を示すシリコーン油系消泡剤またはそれらの製剤は、種々の殺有害生物剤製剤において広く使用されている。しかしながら、界面活性剤およびアジュバントを高含量で含有する、特に極性作物保護剤成分、特にグルホシネート-アンモニウムまたはグリホサート-塩のような塩様成分の水溶液中での消泡性能は、特に噴霧溶液を製造するために使用される水の硬度が高い場合には不十分であり、PFPAおよびPFPIAに劣っている。
【0011】
さらに、シリコーンオイルを水性製剤中に分散させて、長期貯蔵/貯蔵寿命(1年以上)のための安定な製剤を得ることは困難であり、ここで、安定とは相分離およびゲル形成がないことを意味する。
【0012】
さらに、この種の消泡剤は、製剤が例えば、室温または50℃までの高温で貯蔵された後、もはや十分な消泡活性を示さなくなる。
【0013】
この問題を克服するために、有機溶媒ベースの製剤が調製されたが、消泡剤の性能は依然として不十分であるように思われる(WO2004/105914A1)。
【0014】
さらに、多くの公知の作物保護組成物中の消泡剤(消泡アジュバント)を他の消泡剤に置き換えることは、経験から見出され、そして本発明者ら自身の実験によれば、多くの場合、製剤の生物的活性の顕著な減少をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】EP-A-0048436
【文献】EP-A-00336151
【文献】EP-A-1093722
【文献】EP0407874B1
【文献】US2005/0266998A1
【文献】WO2004/105914A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、目的は前述の欠点を排除または低減し、1つ以上の利点と共に使用することができる、農薬の製剤、特に塩様水溶性作物保護剤の水性製剤のための消泡組合せを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
驚くべきことに、ここで、ペルフルオロ化消泡剤は脂肪酸エステルおよびシリコーン系消泡剤を含む消泡剤組成物で置き換えることができる(ここで、脂肪酸エステルはシリコーン系消泡剤よりも高い割合を有し、そして好ましくは、脂肪酸エステルが8~16個のC-原子を含む酸部分(カルボン酸部分)を有する)ことが見出された。
【0018】
本発明において、用語「脂肪酸エステル」は、式Iに示されるようなカルボン酸部分およびアルコール部分から構成されるカルボン酸エステルに関する。
【化1】
【0019】
〔式中、前記カルボン酸エステルは、C8~C16カルボン酸部分を有する。〕
本発明に関連して、カルボン酸エステルは天然源から単離されてもよく、または式Iによるカルボン酸部分およびアルコール部分の下にあるそれぞれのカルボン酸およびアルコールのエステル化に限定されない当技術分野で公知の任意の方法によって製造されてもよい。むしろ、「カルボン酸部分」および「アルコール部分」という用語の使用は本発明によるカルボン酸エステルの構造を明確にし、定義するのに役立つ。組み合わされた場合、両方の部分はHOの形式的脱離のもとでエステル基を生成する。したがって、カルボン酸部分はカルボン酸のX-(C=O)ラジカルとして定義されてもよく、アルコール部分はアルコールのY-O-オラジカルとして定義されてもよい。このような定義は、本発明に関連して「由来する」とも呼ばれる。好ましくはカルボン酸部分の下にあるカルボン酸は以下でさらに定義されるカルボン酸モノ酸であり、アルコール部分の下にあるアルコールは以下でさらに定義されるモノアルコールまたはポリアルコールである。
【0020】
したがって、本発明の一態様では、農薬製剤用消泡組成物は:
1) シリコーン系消泡剤、および
2) C8~C16、好ましくはC8-C9の酸部分を有する脂肪酸エステル(カルボン酸エステル)
を含む。
【0021】
好ましくは、1)対2)の比は1:1000~1:8、より好ましくは1:500~1:8、さらにより好ましくは1:200~1:9、さらに好ましくは1:100~1:10、最も好ましくは1:50~1:10である。
【0022】
一実施形態では、1)対2)の比が1:20~1:10である。
【0023】
別段の指示がなければ、消泡剤1)対脂肪酸エステル2)の比は常に重量比である。
【0024】
本発明による消泡剤1)は、直鎖状ポリジメチルシロキサンからなる群からの消泡剤を含む。好ましくは、消泡剤が25℃で測定して、1000~8000mPas(mPas=ミリパスカル秒)、好ましくは1000~6000mPasの範囲の平均動粘度を有する。粘度はISO 2555規格に従って、例えば、Brookfield RVT粘度計、針番号3、20rpmを用いて、回転剪断レオメーターによって測定することができる。
【0025】
さらに、別の実施形態では、前記消泡剤はシリカをさらに含有する。シリカとは、例えば、ポリケイ酸、メタケイ酸、オルトケイ酸、シリカゲル、ケイ酸ゲル、珪藻土、沈降SiO2などの形態/変性を意味する。
【0026】
直鎖状ポリジメチルシロキサンの群からの消泡剤はそれらの化学主鎖として、式HO-[Si(CH-O-]n-Hの化合物を含み、ここで、末端基は変性-エーテル化されており、例えば、または一般に、基-Si(CHに結合されている。
【0027】
シリカの量は広い範囲内で変性することができ、一般に、ポリジメチルシロキサンの重量に基づいて、シリカの0.1~10重量%、好ましくは0.2~5重量%、特に0.2~2重量%の範囲である。
【0028】
この種の消泡剤の例は、Rhodorsil Antifoam 416(登録商標)(Rhodia)およびRhodorsil Antifoam 481(登録商標)(Rhodia)である。
【0029】
Rhodorsil Antifoam 416(登録商標)は25℃における動的粘度が約1500mPasであり、界面活性剤およびシリカを含有する中粘度のシリコーン油である。界面活性剤含有量のために、密度は非添加シリコーン油と比較して減少し、約0.995g/cmである。
【0030】
Rhodorsil Antifoam 481(登録商標)は25℃で約4500mPasの動的粘度を有し、シリカを含有する中粘度シリコーン油である。密度は約1.045g/cmである。
【0031】
シリコーン油はエマルジョン、例えば、MomentiveによるSAG 1572 Silicone Antifoam Emulsion、Antifoam EM SE 39(シリカゲルを含まないシリコーン系消泡剤エマルジョン、Wacker)、Antimussol 4459-2(シリカゲルを含まないシリコーン系消泡剤エマルジョン、Clariant)、Rhodorsil 1824(シリカゲルを含まないシリコーン系消泡剤エマルジョン、Rhodia)として使用することもできる。
【0032】
好ましくは、1000~5000mPas、好ましくは1200~5000mPasの範囲の、25℃で測定される動的粘度を有するポリジメチルシロキサンに基づく中粘度消泡剤、特にSAG 1572(登録商標)のようなエマルジョン消泡剤の使用である。
【0033】
1つの実施形態において、前記少なくとも1つの脂肪酸エステル2)は
a1) カルボン酸モノ酸部分およびモノアルコール部分、および/または
b1) 少なくとも1つのカルボン酸モノ酸部分およびポリアルコール部分
から構成されるか、またはそれらを含むか、またはそれらから得られてもよく、前記モノアルコール部分は分枝鎖、直鎖、環状、非環式または部分環式、飽和または部分不飽和C1-C24モノアルコール部分であることが好ましく;
前記ポリアルコール部分は分枝鎖、直鎖、環状、非環式または部分環式、飽和または部分不飽和の二価、三価、四価、五価および/または六価のC2-C20ポリアルコール部分であり;および
前記カルボン酸モノ酸部分は、分枝鎖、直鎖、環状、非環式または部分環式、飽和または部分不飽和のC8-C16カルボン酸モノ酸部分、好ましくは少なくとも1つのOH官能基を有してもよいC8-C9カルボン酸モノ酸部分である。
【0034】
当業者に知られているように、分岐部分は、少なくとも3個の炭素原子を有さなければならない。
【0035】
一実施形態では、a1)および/またはb1)のいずれか1つは2つ以上の異なるモノアルコール、ポリアルコールまたはカルボン酸モノ酸からなるエステルの混合物である。例えば、a1)による混合物は2つ以上の異なるカルボン酸モノ酸および/またはモノアルコール部分を含んでもよく、および/またはb1)による混合物は2つ以上の異なるカルボン酸モノ酸および/またはポリアルコール部分を含んでもよい。
【0036】
好ましい実施形態では、前記モノアルコール部分が分枝鎖、直鎖、飽和または部分不飽和C1-C20モノアルコール、好ましくはC4-12モノアルコール、さらにより好ましくはC6-C10モノアルコール、最も好ましくはC8-C9モノアルコールに由来する。
【0037】
さらに好ましくは、モノアルコールは分岐モノアルコールである。
【0038】
例示的で好ましいモノアルコールは、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-オール、3,5,5-トリメチルヘキサン-1-オール、3,4,4-トリメチルペンタン-1-オール、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール、カプリンアルコール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、および任意選択で前述のいずれかの混合物からなる群から選択される。より好ましいモノアルコールは、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-オール、3,5,5-トリメチルヘキサン-1-オール、3,4,4-トリメチルペンタン-1-オール、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール、カプリンアルコール、および任意選択で前述のいずれかの混合物を含む。
【0039】
さらにより好ましいモノアルコホールは、2-プロパノール、2-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-オール、3,5,5-トリメチルヘキサン-1―オール、3,4,4―トリメチルペンタン-1-オール、カプリルアルコール、および任意に前述のいずれかの混合物を含む。
【0040】
最も好ましいモノアルコールは、2-エチルヘキサン-1-オール、3,5,5-トリメチルヘキサン-1-オール、3,4,4-トリメチルペンタン-1-オール、カプリルアルコール、および任意に前述のいずれかの混合物を含む。
【0041】
別の好ましい実施形態では、前記少なくとも1つのカルボン酸モノ酸部分は、分岐鎖、直鎖、飽和または部分不飽和C8-C16カルボン酸モノ酸、好ましくはC8-C9カルボン酸モノ酸から誘導される。例示的および好ましいカルボン酸モノ酸は、カプリル酸、カプリン酸、2-エチルヘキサン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸、3,4,4-トリメチルペンタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、および任意に前述のいずれかの混合物を含む。
【0042】
より好ましいカルボン酸モノ酸は、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸、3,4,4-トリメチルペンタン酸およびパルミチン酸を含む。
【0043】
最も好ましいカルボン酸モノ酸は、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸および3,4,4-トリメチルペンタン酸を含む。
【0044】
好ましい実施形態では、少なくとも1つのポリアルコール部分は、グリコール、1,3-プロパンジオール、1-4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、イソソルビド、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、および式HOCH(CHOH)CHOHで記載される糖アルコール、ならびに任意選択でそれらの混合物からなる群から選択されるポリアルコールから誘導される。糖アルコールの例は、エチレングリコール、グリセロール、エリスロール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、マルトトリオール、マルトテトライトール、ポリグリシトールおよびソルビタンを含む。好ましい糖アルコールは、ソルビトールおよびソルビタンである。
【0045】
より好ましいポリアルコールは、1,2-プロパンジオール、エリスリトール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパンおよびソルビタン、ならびに任意にそれらの混合物である。
【0046】
最も好ましいポリアルコールは、エリスリトール、ネオペンチルグリコール、グリセロールである。
【0047】
b1)に記載の前記少なくとも1つのカルボン酸エステルの特定の実施形態に含まれるようなポリアルコール部分を生じる少なくとも1つのポリアルコールは、部分的にまたは完全にエステル化されていてもよい。換言すれば、ポリアルコールは、その官能性OH基の1つ以上で、得られるポリアルコール部分中に存在する全ての官能性OH基までエステル化され得る。従って、グリセロールのような3つの官能性OH基を含むポリアルコール部分において、1つまたは2つまたは3つ全てのOH基をモノ酸でエステル化して、b1)に記載のカルボン酸エステルを形成することができる。
【0048】
a1)に記載の特に好ましいカルボン酸エステルは、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸、3,4,4-トリメチルペンタン酸およびパルミチン酸および任意選択でそれらの混合物からなる群から選択されるカルボン酸モノ酸から誘導されるカルボン酸モノ酸部分、ならびに2-エチルヘキサン-1-オール、3,5,5-トリメチルヘキサン-1-オール、3,4,4-トリメチルペンタン-1-オール、カプリルアルコール、および任意選択でそれらの混合物からなる群から選択されるモノアルコールから誘導されるモノアルコール部分を含む。
【0049】
好ましい実施形態では、前記モノアルコール部分は、分枝鎖、直鎖、飽和または部分不飽和C1-C20モノアルコール、好ましくはC4-12モノアルコール、さらにより好ましくはC6-C10モノアルコール、最も好ましくはC8-C9モノアルコールに由来する。
【0050】
好ましくは、b)に記載のカルボン酸エステル中のC原子の数は、9~37個の炭素原子、より好ましくは9~24個の炭素原子の範囲である。
【0051】
b)に記載のカルボン酸エステルに含まれる特に好ましいポリアルコール部分は、エリスリトール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、および任意にそれらの混合物、ならびにカプリル酸、2-エチルヘキサン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸、および3,4,4-トリメチルペンタン酸およびそれらの混合物から誘導される。
【0052】
特に好ましい脂肪酸エステルは、以下の
3,5,5-トリメチルヘキシル3,5,5-トリメチルヘキサノエート、
3,5,5-トリメチルヘキシル7-メチルオクタノエート、
2-エチルヘキシルパルミタット、
2,3,4-トリス(2-エチルヘキサノイルオキシ)ブチル2-エチルヘキサノエート、
ネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエート、および
1,3-ビス[(2-エチルヘキサノイル)オキシ]プロパン-2-イル2-エチルヘキサノエート
を含む群から選択される。
【0053】
一実施形態では、脂肪酸エステルは
3,5,5-トリメチルヘキシル3,5,5-トリメチルヘキサノエートおよび3,5,5-トリメチルヘキシル7-メチルオクタノエート
を含む群から選択される。
【0054】
別の実施形態では、脂肪酸エステルは
2,3,4-トリス(2-エチルヘキサノイルオキシ)ブチル2-エチルヘキサノエート、
ネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエート、および
1,3-ビス[(2-エチルヘキサノイル)オキシ]プロパン-2-イル2-エチルヘキサノエート
を含む群から選択される。
【0055】
別の態様では、本発明は、液体水性作物保護剤組成物、好ましくは水溶性活性作物保護剤成分の液体水性作物保護剤組成物を提供し、前記組成物は
(a) 1種以上の水溶性の活性作物保護成分(タイプ(a)活性成分)、
(b) 任意に1種以上の水不溶性の活性作物保護成分(タイプ(b)活性成分)、
(c) 任意に極性の有機溶媒、
(d) 陰イオン界面活性剤、
(e) 任意に、非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤
(f) シリコーン系消泡剤1)(上記の通りである)、
(g) 脂肪酸エステル2)(上記の通りである)、
(h) 必要に応じて、他の慣用の製剤補助剤、および
(i) 水
〔ここで、f(シリコーン系消泡剤1))対g)(脂肪酸エステル2))の比は、1:1000~1:8、より好ましくは1:500~1:8、さらにより好ましくは1:200~1:9、さらに好ましくは1:100~1:10、最も好ましくは1:50~1:10である〕
を含む。
【0056】
好ましい実施形態では、(f)は、25℃で測定して1000~8000mPasの範囲の平均動粘度を有する線状ポリジメチルシロキサンの群から選択される。
【0057】
さらに好ましい態様において、(f)はエマルジョン型である。
【0058】
別の実施形態では、(f)はシリカを含有する。
【0059】
消泡剤を含有する本発明の水性製剤は、好ましくはグルホシネート(塩)、グリホセート(塩)、パラコート、ジクワット等、特にグルホシネート-アンモニウムおよびグリホセート塩のような塩含有水溶性活性成分の群からのタイプ(a)活性成分に適している。
【0060】
本発明の製剤は、水に大部分不溶性であるタイプ(b)活性成分、例はオキシフルオルフェン、カルバメート、チオカルバメート、トリフェニルスズ化合物およびトリブチルスズ化合物などのジフェニルエーテルの群からの除草剤、ハロアセトニリド、フェノキシフェノキシアルカンカルボン酸誘導体、およびキノリルオキシ-、キノキサリルオキシ-、ピリジルオキシ-、ベンゾオキサリルオキシ-およびベンゾチアゾリルオキシフェノキシアルカンカルボン酸エステルなどのヘテロアリールオキシフェノキシアルカンカルボン酸誘導体の群からの除草剤、例はジクロホップ-メチル、フェノキサプロップ-エチル、およびフェノキサプロップ-P-エチルをさらに含むことができる。
【0061】
異なる溶解度の活性成分を通常含む物質のクラスからの対応する不溶性活性成分も好適であり、例は、シクロヘキサンジオン誘導体、イミダゾリノン、ピリミジルオキシピリジンカルボン酸誘導体、ピリミジルオキシ安息香酸誘導体、スルホニル尿素、トリアゾロピリミジンスルホンアミド誘導体、およびS-(N-アリール-N-アルキルカルバモイルメチル)ジチオリン酸エステルの群からの活性成分である。
【0062】
グルホシネート、グリホサート、オキシフルオルフェン、ジクロホップ-メチル、フェノキサプロップ-(P-)エチルなどの活性成分の記載された一般名は当業者に公知であり;例えば、「The Pesticide Manual」British Crop Protection Council 2003を参照されたい;その名前には、グルホシネートおよびグリホサートの塩などの公知の誘導体、特に商業的に慣用の形態が含まれる。
【0063】
同様に、セーフナー、成長調節剤、殺虫剤および殺菌剤の群からの活性成分は、成分(b)として好適であること、および/または成分(a)として、良好な水溶性を与えることも可能である。
【0064】
使用される活性成分(a)および(b)のタイプは、作物保護組成物または農薬製剤の施用によって防除することができる有害生物のタイプを決定する。除草剤の場合、有害生物は望ましくない植物である。
【0065】
好ましい製剤は、式(1)
【化2】
【0066】
〔ここで、
Z1は、式-OM、-NHCH(CH)CONHCH(CH)COMまたは-NHCH(CH)CONHCH[CHCH(CH]COMの基であり、
M=Hまたは塩形成カチオン〕
の1つ以上の化合物またはその塩
および/または式(2)
【化3】
【0067】
〔式中、
は式CNまたはCOの基であり、ここで、R=Qまたは塩形成カチオンおよびQ=H、アルキル、アルケニル、アルコキシアルキルまたはC-C10-アリール(これらは、置換されているか、または置換されておらず、好ましくは置換されていないか、またはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、CF、NOおよびCNからなる群からの1つ以上の基によって置換されている)であり、および
およびRはそれぞれ独立して、H、アルキル、C-C10-アリール(これらは置換されていないか、または置換されており、好ましくは置換されていないか、またはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、CF、NOおよびCNからなる群からの1つ以上の基によって置換されており、またはビフェニルまたは塩形成カチオンである〕
の1つ以上の化合物またはその塩
からなる群からのタイプ(a)成分を含む製剤である。
【0068】
好ましくはQ、RまたはRに関連する炭素含有基はそれぞれ10個までの炭素原子、特に好ましくは6個までの炭素原子を有する。
【0069】
式(1)の化合物は、不斉炭素原子を含む。Lエナンチオマーは、生物的に活性な異性体とみなされる。したがって、式(1)は、すべての立体異性体およびそれらの混合物、特にラセミ体、およびそれぞれの場合の生物的に活性な鏡像異性体を包含する。式(1)の活性成分の例は以下の通りである:
・ グルホシネートおよびそのアンモニウム塩のラセミ体、すなわち2-アミノ-4-[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]ブタン酸およびそのアンモニウム塩、
・ グルホシネートおよびそのアンモニウム塩のLエナンチオマー、
・ ビラナホス/ビアラホス、すなわちL-2-アミノ-4-[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]ブタノイル-L-アラニン-L-アラニンおよびそのナトリウム塩。
【0070】
グルホシネート-アンモニウムのラセミ体はそれ自体で、通常、200~1000g a.i./ha(すなわち、ヘクタール当たりの活性成分のグラム数)の用量で送達される。これらの用量のグルホシネート-アンモニウムは、それが植物の緑色部分によって取り込まれる場合に特に有効である;「The Pesticide Manual」第13版、British Crop Protection Council 2003を参照のこと。グルホシネート-アンモニウムは主に、植栽作物および非耕作地における広葉雑草およびイネ科雑草の防除に使用され、また、特別な施用技術を使用して、トウモロコシ、綿などの栽培可能な作物における列間防除にも使用される。その使用は、有効成分に耐性または耐性のあるトランスジェニック作物においても、ますます重要性を増している。
【0071】
式(2)の化合物は、N-(ホスホノアルキル)グリシン、したがってアミノ酸グリシンの誘導体を含む。N-(ホスホノメチル)グリシン(グリホサート)の除草特性は、例えば米国特許第3799758号に記載されている。
【0072】
作物保護製剤において、グリホサートは一般に、水溶性塩の形態で使用され、イソプロピルアンモニウム塩は、本発明に関連して特に重要である;「The Pesticide Manual」第13版、British Crop Protection Council 2003を参照のこと。
【0073】
本発明に関連して、用語「極性有機溶媒」(成分(c))は例えば、極性プロトン性または非プロトン性極性溶媒およびそれらの混合物を指す。本発明の意味における溶媒の例は、以下のもの
・ 脂肪族アルコール、例えば低級アルカノール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびブタノール、または多価アルコール、例えばエチレングリコール、1-メチル-プロパンジオールおよびグリセロール、
・ 極性エーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、およびアルキレングリコールモノアルキルおよびジアルキルエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、ジグリムおよびテトラグリムである;
・ ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリルアミド、ジメチルカプラミド(Hallcomide(登録商標))およびN-アルキルピロリドンなどのアミド;
・ アセトンのようなケトン;
・ グリセロールおよびカルボン酸をベースとするエステル、例えばグリセリルモノ-、ジ-およびトリアセテート;
・ ラクタム;
・ 炭酸ジエステル;
・ アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;
・ ジメチルスルホキシド(DMSO)およびスルホランなどのスルホキシドおよびスルホン
が挙げられる。
【0074】
また、多くの場合、メタノール、エタノール、n-およびイソプロパノール、n-、イソ-、tert-および2-ブタノールなどのアルコールをさらに含む異なる溶媒の組み合わせも好適である。
【0075】
単相水性有機溶液の場合、完全にまたは大部分が水混和性の溶媒または溶媒混合物が好適である。
【0076】
本発明の意味における好ましい有機溶媒は、N-メチルピロリドンおよびDowanol(登録商標)PM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)などの極性有機溶媒である。
【0077】
本発明の製剤は、成分(d)として、アニオン性界面活性化合物(アニオン性界面活性剤)を含む。アニオン性界面活性剤の例(ここで、EO=エチレンオキシド単位、PO=プロピレンオキシド単位およびBO=ブチレンオキシド単位)は:
d1) 10-24個の炭素原子を有し、0-60個のEOおよび/または0-20個のPOおよび/または0-15個のBOを任意の順序で有し、エーテルカルボキシレート、スルホネート、スルフェートおよびホスフェート、ならびにそれらの無機塩(例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属)および有機塩(例えば、アミンまたはアルカノールアミンに基づくもの)の形態の脂肪アルコールのアニオン誘導体、例えばClariantからのGenapol(登録商標)LRO、Sandopan(登録商標)グレード、Hostaphat/Hordaphos(登録商標)グレード;
d2) EO、POおよび/またはBO単位からなり、400~10の分子量を有し、エーテルカルボキシレート、スルホネート、スルフェートおよびホスフェート並びにそれらの無機塩(例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属)および有機塩(例えば、アミンまたはアルカノールアミンに基づくもの)の形態のコポリマーのアニオン誘導体;
d3) エーテルカルボキシレート、スルホネート、スルフェートおよびホスフェート並びにそれらの無機塩(例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属)および有機塩(例えば、アミンまたはアルカノールアミンに基づくもの)の形態のC-Cアルコールのアルキレンオキシド付加物のアニオン誘導体;
d4) エーテルカルボキシレート、スルホネート、スルフェートおよびホスフェート並びにそれらの無機塩(例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属)および有機塩(例えば、アミンまたはアルカノールアミンに基づくもの)の形態の脂肪酸アルコキシレートのアニオン誘導体;
d5) 脂肪族、脂環式およびオレフィン性カルボン酸およびポリカルボン酸の塩、ならびにHenkelから入手可能なα-スルホ脂肪酸エステル;
d6) スルホスクシネート、アルカンスルホネート、パラフィンスルホネートおよびオレフィンスルホネート、例えばNetzer IS(登録商標)、Hoe(登録商標)S1728、Hostapur(登録商標)OS、Hostapur(登録商標)SAS(Clariantからの)、Triton(登録商標)GR7MEおよびGR5(Union Carbideからの)、Empimin(登録商標)グレード(AlbrightおよびWilsonからの)、ならびにMarlon(登録商標)-PS65(Condeaからの)
である。
【0078】
好ましいアニオン性界面活性剤はアルキルポリグリコールエーテルサルフェート、特に脂肪アルコールジエチレングリコールエーテルサルフェート(例えば、Genapol LRO(登録商標)、Clariant)、またはアルキルポリグリコールエーテルカルボキシレート(例えば、2-(イソトリデシルオキシポリエチレンオキシ)エチルカルボキシメチルエーテル、Marlowet 4538(登録商標)、Huels)である。
【0079】
本発明の製剤は所望であれば、成分(e)として非イオン性および/またはカチオン性界面活性剤を含むことができる。
【0080】
非イオン性界面活性剤(界面活性剤成分eに関して)の例は:
e1) 10~24個の炭素原子を有し、0~60個のEOおよび/または0~20個のPOおよび/または0~15個のBOを任意の順序で有する脂肪アルコール。そのような化合物の例は、Genapol(登録商標)C、L、O、T、UD、UDDおよびXグレード(Clariantからの)、Plurafac(登録商標)およびLutensol(登録商標)A、AT、ONおよびTOグレード(BASFからの)、Marlipal(登録商標)24およびO13グレード(Condeaからの)、Dehypon(登録商標)グレード(Henkelからの)、およびEthylan(登録商標)グレード(Akzo-Nobelからの)、例えばEthylan DC 120である;
e2) CondeaからのSerdox(登録商標)NOGグレードまたはClariantからのEmulsogen(登録商標)グレードなどの脂肪酸アルコキシレートおよびトリグリセリドアルコキシレート;
e3) HenkelからのComperlan(登録商標)グレードやRhodiaからのAmam(登録商標)グレードなどの脂肪酸アミドアルコキシレート;
e4) Air ProductsからのSurfynol(登録商標)グレードなどのアルキンジオールのアルキレンオキシド付加物;Clariantからのアミノ糖およびアミド糖などの糖誘導体、
e5) Clariantからのグルシトール、
e6) HenkelからのAPG(登録商標)グレードの形態のアルキルポリグリコシド;
e7) UniqemaからのSpan(登録商標)またはTween(登録商標)グレードの形態のソルビタンエステル;
e8) Wackerからのシクロデキストリンエステルまたはエーテル;
e9) ClariantからのTylose(登録商標)グレード、KelcoからのManutex(登録商標)グレード、およびCesalpinaからのグアー誘導体などの界面活性セルロース誘導体およびアルギン、ペクチンおよびグアー誘導体;
e10) ClariantからのPolyglykol(登録商標)グレードのようなポリオールベースのアルキレンオキシド付加物;
e11) Clariantからの界面活性ポリグリセリドおよびそれらの誘導体
である。
【0081】
カチオン性界面活性剤(界面活性剤成分eに関して)の例は、脂肪アミンのアルキレンオキシド付加物、および8~22個の炭素原子を有する対応する第四級アンモニウム化合物、例えば、ClariantからのGenamin(登録商標)C、L、OおよびTグレードである。
【0082】
所望であれば、GoldschmidtからのTegotain(登録商標)グレードおよびClariantからのHostapon(登録商標)TおよびArkopon(登録商標)Tグレード(界面活性剤成分eについて)の形態のタウリド(taurides)、ベタインおよびスルホベタインなどの界面活性双性イオン化合物も可能である。
【0083】
1つの好ましい実施形態において、e)は、アルキルポリグリコシドの形態で存在する。
【0084】
本発明の製剤は成分(f)の消泡剤を含み、これは上記で1)として記載されている。
【0085】
本発明の製剤はまた、2)として上記した脂肪酸エステル(g)を含む。
【0086】
通例の製剤補助剤(h)の例は、ステッカー、湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、防腐剤、および凍結保護剤、充填剤、担体、染料および着色剤、蒸発抑制剤およびpH調整剤(緩衝剤、酸および塩基)または粘度調整剤(例えば増粘剤)などの不活性材料である。
【0087】
界面活性剤などの上記製剤を調製するために必要な補助剤は特に、原則的に公知であり、例えば、McCutcheonの「Detergents and Emulsifiers Annual」、MC Publ.Corp.、Ridgewood N.J.;SisleyおよびWood「Encyclopedia of Surface Active Agents」、Chem.Publ.Co.、N.Y.1964;Schoenfeldt、「Grenzflaechenaktive Aethylenoxidaddukte」、Wiss.Verlagsgesellschaft、Stuttgart 1976;Winnacker-Kuechler、「Chemische Technologie」、第7巻、CHanser-Verlag、Munich、第4版1986、及びそれらに引用されている参照文献に記載されている。
【0088】
従って、成分の混合物の助けを借りて、グルホシネート-アンモニウムまたはグリホサート塩のような塩様活性作物保護成分の好ましくは濃縮された低泡液体水性調製物を調製することが可能であり、それは以下の
(a) 1重量%~40重量%、好ましくは2重量%~30重量%、特に5重量%~20重量%の水溶性活性作物保護剤成分(タイプ(a)成分)、
(b) 0~40重量%、好ましくは0~20重量%、特に0~10重量%の水不溶性活性作物保護剤成分(タイプ(b)成分)、
(c) 0~50重量%、好ましくは2~30重量%、より好ましくは5~20重量%、最も好ましくは5~15重量%の極性有機溶媒、
(d) 1~80重量%、好ましくは5~70重量%、より好ましくは6~60重量%、最も好ましくは20~40重量%の陰イオン性界面活性剤、
(e) 0~20重量%、好ましくは0~15重量%の非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 本発明に従って使用するための、0.0005%~2%、好ましくは0.005%~1%、特に0.01%~0.25重量%の、シリカを含有していてもよい、消泡剤、
(g) 本発明に従って使用するための0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、特に0.5~5.0重量%の脂肪酸エステル、
(h) 0~30重量%、好ましくは0~20重量%、好ましくは0.1~15重量%の通常の製剤補助剤、
(i) 100%まで添加する水、
〔ここで、f(シリコーン系消泡剤1))対g(脂肪酸エステル2))に対する比率は1:1000から1:8、より好ましくは1:500から1:8、さらに好ましくは1:200から1:9、さらに好ましくは1:100から1:10、最も好ましくは1:50から1:10である〕
を含む。
【0089】
一実施形態において、bは0.1~40重量%で存在する。
【0090】
一実施形態において、eは0.1~15重量%で存在し、
他に示されない場合、本出願において%は重量%を指す。
【0091】
活性成分(a)、例えば除草剤(a)と、(d)で特定される陰イオン性界面活性剤との重量比は、それぞれの場合において、それぞれの洗浄成分(DTI)に基づいて、一般に1:0.1~1:10、特に1:0.2~1:8、特に1:0.2~1:5の範囲である。
【0092】
活性成分(a)、例えば除草剤(a)と、(f)で特定される消泡剤との重量比は、好ましくは1000:1~2:1、より好ましくは500:1~20:1、特に200:1~50:1の範囲である。
【0093】
アニオン性界面活性剤(d)と(f)で特定される消泡剤との重量比は、好ましくは1000:1~2:1、より好ましくは800:1~50:1、特に500:1~50:1の範囲である。
【0094】
さらに好ましいのは水溶液、好ましくは単相溶液であり、以下を
(a) 1重量%~40重量%、好ましくは2重量%~30重量%、特に5重量%~20重量%の水溶性活性作物保護剤成分(タイプ(a)成分)、
(b) 0~40重量%、好ましくは0~20重量%、特に0~10重量%の水不溶性活性作物保護剤成分(タイプ(b)成分)、
(c) 0~50重量%、好ましくは2~30重量%、より好ましくは5~20重量%、最も好ましくは5~15重量%の極性有機溶媒、
(d) 1~80重量%、好ましくは5~70重量%、より好ましくは6~60重量%、最も好ましくは20~40重量%の陰イオン性界面活性剤、
(e) 0~20重量%、好ましくは0~15重量%の非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 本発明に従って使用するための0.0005重量%~2重量%、好ましくは0.005重量%~1重量%、特に0.01重量%~0.05重量%の非シリカ含有消泡剤、
(g) 本発明に従って使用するための0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、特に0.5~5.0重量%の脂肪酸エステル、
(h) 0~30重量%、好ましくは0~20重量%、好ましくは0.1~15重量%の通常の製剤補助剤、
(i) 100%まで添加する水、
を含む。
【0095】
水性単相溶液を調製する目的のために添加することができる溶媒は、特に水との無限または実質的な混和性の有機溶媒であり、例えば、N-メチルピロリドン(NMP)、N-ブチルピロリドン(NBP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)またはDowanol(登録商標)PM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、1-メチル-プロパンジオールである。
【0096】
慣用の配合補助剤(g)の例は指定された不活性材料、凍結保護剤、蒸発防止剤、防腐剤、着色剤などであり;好ましい配合助剤(g)は
・ 例えば2重量%~10重量%の量であり、例えば、例えばグリセロールまたはエチレングリコールなどの凍結保護剤および蒸発防止剤、
・ 防腐剤、例えば、Mergal K9N(登録商標)(Riedel)またはCobate C(登録商標)
である。
【0097】
さらに、製剤は、慣用の製剤補助剤(g)として、成分(f)または(g)の消泡剤とは異なる種類の消泡剤を含むことができる。
【0098】
本発明の液体製剤は原則として慣用の方法、すなわち、攪拌または振盪しながら成分を混合することによって、または静止混合法の手段によって調製することができる。得られた液体製剤は、良好な貯蔵特性で安定である。
【0099】
本発明はさらに、記載された濃縮作物保護剤製剤を調製するために、または活性作物保護剤成分製剤とのタンクミックスを調製するために使用することができる、または活性成分(好ましくは記載された活性成分(a))を植物または植物が生育している土壌に施用することと同時にまたは連続して別々に施用することができる、低泡液体アジュバント製剤を提供する。
【0100】
この種のアジュバント製剤は、
(c) 任意の極性有機溶媒、
(d) 陰イオン界面活性剤、
(e) 任意の、非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 記載のシリコーン系消泡剤1)
(g) 上記の脂肪酸エステル2)
(h) 必要に応じて、他の慣用の製剤補助剤、および
(i) 水
を含み、
成分(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h)ならびに(f)対(g)の比は、活性成分を含む前述の作物保護剤製剤について定義される通りである。
【0101】
好ましい液体アジュバント製剤は、
(c) 0~50重量%、好ましくは2~30重量%、より好ましくは5~20重量%、最も好ましくは5~15重量%の極性有機溶媒、
(d) 1~80重量%、好ましくは5~70重量%、より好ましくは6~60重量%、最も好ましくは20~40重量%の陰イオン性界面活性剤
(e) 0~20重量%、好ましくは0~15重量%の非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 本発明に従って使用するための、0.0005%~2重量%、好ましくは0.005%~1重量%、特に0.01%~0.05重量%の、シリカを含有していてもよい、消泡剤、
(g) 本発明に従って使用するための0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、特に0.5~5.0重量%の脂肪酸エステル、
(h) 0~30重量%、好ましくは0~20重量%、好ましくは0.1~15重量%の通常の製剤補助剤、
(i) 100%まで添加する水、
を含む。
【0102】
活性成分およびアジュバント製剤を含む液体製剤は、良好な貯蔵特性を有する低泡性製剤である。多くの場合、それらは、施用時に非常に好ましい技術的特性を有する。例として、製剤は例えばタンクミックスを調製する場合、または製剤が噴霧によって施用される場合のように、水で希釈された場合に泡立つ傾向が低いこと、ならびに泡の急速な分解によって区別される。さらに、シリコーン系消泡剤の量は、生分解性脂肪酸エステルを添加することによって有意に減少させることができる。
【0103】
したがって、本発明の製剤は、製剤が植物、植物の一部、または栽培下の領域に施用される作物保護における使用に特に適している。
【0104】
除草剤成分(a)および/または(b)の場合、製剤は、非耕作地および耐性作物の両方で望ましくない植物成長を防除するのに非常に適している。
【0105】
さらに、本出願の消泡組成物は、本出願による低泡作物保護製剤を調製するために使用することができる。
【実施例
【0106】
表の欄には製剤の組成が列挙されており、各列は重量パーセントで、第1列に特定された成分の量を含む。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0107】
表1の略語および索引:表1の後を参照されたい。
【0108】
表1の略語:
a.i. 有効成分基準量、
(1) マークなし=本発明による/RF=基準
(2) ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
(3) f1=SAG 1572
f2=SAF 184
f3=FOAM-CLEAR ARRAPRO S
(4) g1=3,5,5-トリメチルヘキシル3,5,5-トリメチルヘキサノエート、
g2=2-エチルヘキシルパルミタット、
g3=2,3,4-トリス(2-エチルヘキサノイルオキシ)ブチル2-エチルヘキサノエート、
g4=ネオペンチルグリコールジエチルヘキサノエート、
g5=1,3-ビス[(2-エチルヘキサノイル)オキシ]プロパン-2-イル2-エチルヘキサノエート。
【0109】
(5) 水の量はad100%として示され、着色剤、防腐剤などの使用される特定の成分中に存在し得る少量の非水性成分も含む。
【0110】
CIPAC MT 47.3に準拠した持続性フォーム試験
秤上に置いたメスシリンダーに、約180mLのCIPAC標準水Dまたは40ppmのミネラルを含むより柔らかい水を移す。
【0111】
2.2g(2ml、濃度1.10g/cm)の200ml希釈液を調製するのに必要なSL製剤を秤量し、添加する。CIPAC標準水Dで200mLまで補充する。シリンダを止めて、30回反転させる。常温の台の上にストッパ付シリンダを直立させ、直ちにストップウオッチをスタートさせる。10秒、1分、3分、12分後に水面から泡の高さ(mm)を読み取り、記録する。泡の体積は、1mm当たりの体積(ml/mm)によって計算した。
【表6】
(付記)
[付記1]
以下の:
1) シリコーン系消泡剤、および
2) C8~C16の酸部分をもつ脂肪酸エステル(カルボン酸エステル)
を含む農薬製剤用消泡組成物。
[付記2]
1)対2)の比が1:1000~1:8である、付記1に記載の農薬製剤用消泡組成物。
[付記3]
1)対2)の比が1:50~1:10である、付記1に記載の農薬製剤用消泡組成物。
[付記4]
シリコーン系消泡剤が線状ポリメチルジシロキサンの群から選択される、付記1~3のいずれか一項に記載の農薬製剤用消泡組成物。
[付記5]
前記シリコーン系消泡剤が、エマルジョン中の線状ポリメチルジシロキサンの群から選択される、付記4に記載の農薬製剤用消泡組成物。
[付記6]
前記シリコーン系消泡剤がシリカを含有する、付記4に記載の農薬製剤用消泡組成物。
[付記7]
前記消泡剤が、25℃で測定して、1000~8000mPas(mPas=ミリパスカル秒)の範囲の平均動粘度を有する、付記4~6のいずれか一項に記載の農薬製剤用消泡組成物。
[付記8]
前記少なくとも1つの脂肪酸エステル2)が、
a1) カルボン酸モノ酸部分およびモノアルコール部分、および/または
b1) 少なくとも1つのカルボン酸モノ酸部分およびポリアルコール部分
から構成されるか、またはそれらを含むか、またはそれらから得ることができる、付記1~7のいずれか一項に記載の農薬製剤用消泡組成物であって、
ここで、前記モノアルコール部分が分枝鎖、直鎖、環状、非環式、または部分環式、飽和または部分不飽和C1-C24モノアルコール部分であることが好ましく;
ここで、前記ポリアルコール部分は分枝鎖、直鎖、環状、非環式または部分環式、飽和または部分不飽和の二価、三価、四価、五価および/または六価のC2-C20ポリアルコール部分であり、;
ここで、前記カルボン酸モノ酸部分は、分枝鎖、直鎖、環状、非環式または部分環式、飽和または部分不飽和のC8-C16カルボン酸モノ酸部分、好ましくは少なくとも1つのOH官能基を有していてもよいC8-C9カルボン酸モノ酸部分である、前記農薬製剤用消泡組成物。
[付記9]
前記酸部分がC8-C9酸部分である、付記8に記載の農薬製剤用消泡組成物。
[付記10]
前記脂肪酸エステルのアルコール部分がモノアルコールである、付記1~9のいずれか一項に記載の農薬製剤用消泡組成物。
[付記11]
前記モノアルコールが、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、2-エチルヘキサン-1-オール、3,5,5-トリメチルヘキサン-1-オール、3,4,4-トリメチルペンタン-1-オール、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、イソノニルアルコール、カプリンアルコール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、付記10に記載の農薬製剤用消泡組成物。
[付記12]
前記脂肪酸エステルのアルコール部分がポリアルコールである、付記1~9のいずれか一項に記載の農薬製剤用消泡組成物。
[付記13]
前記ポリアルコールが、グリコール、1,3-プロパンジオール、1-4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、イソソルビド、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトールおよび式HOCH (CHOH) CH OHで記載される糖アルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される、付記10に記載の農薬製剤用消泡剤。
[付記14]
以下の:
(a) 1種以上の水溶性の活性作物保護成分(タイプ(a)活性成分)、
(b) 任意の1種以上の水不溶性の活性作物保護成分(タイプ(b)活性成分)、
(c) 任意の極性有機溶媒、
(d) 陰イオン界面活性剤、
(e) 任意の、非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 記載のシリコーン系消泡剤1)
(g) 上記の脂肪酸エステル2)
(h) 必要に応じて、他の慣用の製剤補助剤、および
(i) 水
を含む、付記1~13のいずれか一項に記載の消泡組成物を含有する低泡性作物保護組成物であって、
ここで、f(シリコーン系消泡剤1))対g)(脂肪酸エステル2))の比が、1:1000~1:8である、前記組成物。
[付記15]
以下の
(a) 1重量%~40重量%、好ましくは2重量%~30重量%、特に5重量%~20重量%の水溶性活性作物保護剤成分(タイプ(a)成分)、
(b) 0~40重量%、好ましくは0~20重量%、特に0~10重量%の水不溶性活性作物保護剤成分(タイプ(b)成分)、
(c) 0~50重量%、好ましくは2~30重量%、より好ましくは5~20重量%、最も好ましくは5~15重量%の極性有機溶媒、
(d) 1~80重量%、好ましくは5~70重量%、より好ましくは6~60重量%、最も好ましくは20~40重量%の陰イオン性界面活性剤
(e) 0~20重量%、好ましくは0~15重量%の非イオン性、カチオン性および/または両性イオン性界面活性剤、
(f) 本発明に従って使用するための、0.0005%~2重量%、好ましくは0.005%~1重量%、特に0.01%~0.25重量%の、任意にシリカを含有してもいてもよい、消泡剤、
(g) 本発明に従って使用するための0.01~20重量%、好ましくは0.05~10重量%、特に0.5~5.0重量%の脂肪酸エステル、
(h) 0~30重量%、好ましくは0~20重量%、好ましくは0.1~15重量%の通常の製剤補助剤、
(i) 100%まで添加する水
を含む、付記1に記載の作物保護組成物であって、
ここで、f(シリコーン系消泡剤1))対g)(脂肪酸エステル2))の比が、1:10
00~1:8である、前記組成物。
[付記16]
成分(a)~(g)および任意に製剤中に存在するさらなる成分を水(成分(h))と混合することを含む、付記14または15のいずれか一項に記載の作物保護剤組成物を調製するための方法。
[付記17]
付記14および15に記載の低泡作物保護製剤を調製するための、付記1~13のいずれか一項に記載の消泡組成物の使用。