(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】複数の前駆体の流れのための半導体処理チャンバ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240909BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022183816
(22)【出願日】2022-11-17
(62)【分割の表示】P 2018093724の分割
【原出願日】2018-05-15
【審査請求日】2022-12-16
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ドンチン
(72)【発明者】
【氏名】サミール, メフメト トゥールル
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー, ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】ヒルマン, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】パク, スナム
(72)【発明者】
【氏名】チョイ, マーティン ユエ
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ララ
(72)【発明者】
【氏名】イングル, ニティン
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0248780(US,A1)
【文献】特開昭63-057775(JP,A)
【文献】特開2002-057114(JP,A)
【文献】特表2011-527840(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0271097(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102089863(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理システム構成要素であって、
第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部とを含むアダプタであって、前記アダプタが、前記アダプタを通る中央チャネルを画定し、前記アダプタが、前記第2の端部において第2のチャネルからの出口を画定し、前記アダプタが、前記アダプタの前記第2の端部において第3のチャネルからの出口を画定し、前記中央チャネル、前記第2のチャネル、および前記第3のチャネルが、各々前記アダプタ内で互いに流体的に分離されている、アダプタを備え、
前記アダプタは前記第1の端部で遠隔プラズマユニットと結合し、且つ前記第2の端部で混合部を介して処理チャンバと結合するように構成されており、
前記中央チャネル、前記第2のチャネル及び前記第3のチャネルから供給されるガスが前記混合部で混合されるように構成され
、
前記中央チャネルが、前記アダプタの前記第1の端部における第1の直径によって特徴付けられ、前記中央チャネルが、前記第1の直径と異なる前記アダプタの前記第2の端部における第2の直径によって特徴付けられ、
前記第2のチャネルが環状チャネルを備え、前記第3のチャネルが環状チャネルを備え、前記第2のチャネル及び前記第3のチャネルが各々、前記アダプタの前記第2の端部から前記アダプタの前記第1の端部に向けて、前記第1の直径によって特徴付けられた前記中央チャネルの部分と、前記第2の直径によって特徴付けられた前記中央チャネルの部分との間の前記中央チャネルの移行部の、前記アダプタを通る水平面より低い高さまで、前記アダプタを通って垂直に延びる、半導体処理システム構成要素。
【請求項2】
前記第2のチャネルが、前記アダプタの垂直断面を少なくとも部分的に通って延びる第1の環状チャネルを含み、前記第2のチャネルが、前記中央チャネルの周りに画定される、請求項1に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項3】
前記アダプタが、前記アダプタの外側に沿って配置され且つ前記第2のチャネルへの流体アクセスを提供するように構成された第1のポートをさらに画定する、請求項2に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項4】
前記第3のチャネルが、前記アダプタの垂直断面を少なくとも部分的に通って延びる第2の環状チャネルを含み、前記第3のチャネルが、前記第2のチャネルの周りに画定される、請求項3に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項5】
前記第1の環状チャネルが、前記第2の環状チャネルよりも長い垂直距離、前記アダプタを通って延びる、請求項4に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項6】
前記中央チャネル、前記第2のチャネル、および前記第3のチャネルが、同心円状に整列されている、請求項4に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項7】
前記アダプタが、前記アダプタの外側に配置され且つ前記第3のチャネルへの流体アクセスを提供するように構成された第2のポートをさらに画定する、請求項4に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項8】
前記第2のポートが、前記アダプタの前記外側に沿って前記第1のポートから垂直にオフセットされている、請求項7に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項9】
前記第1のポートと前記第2のポートが、前記アダプタを通る直径の両端に配置される、請求項7に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項10】
前記中央チャネルが、カウンタボアによって特徴付けられる、請求項
1に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項11】
前記第2のチャネルが、環状の外径によって特徴付けられた環状チャネルを含み、前記第2のチャネルの前記環状の外径が、前記中央チャネルの前記第1の直径より小さい、請求項
1に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項12】
前記第3のチャネルが、環状の外径によって特徴付けられた環状チャネルを含み、前記第3のチャネルの前記環状の外径が、前記中央チャネルの前記第1の直径より小さい、請求項
1に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項13】
前記アダプタが、前記アダプタの前記第1の端部の第1の外半径によって特徴付けられ、前記アダプタが、前記アダプタの第2の端部の第2の外半径によって特徴付けられ、前記第2の外半径が前記第1の外半径より小さい、請求項1に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項14】
半導体処理システム構成要素であって、
第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部とを含むアダプタであって、前記アダプタが、前記アダプタを通る中央チャネルを画定し、前記アダプタが、前記第2の端部において第2のチャネルからの出口を画定し、前記アダプタが、前記アダプタの前記第2の端部において第3のチャネルからの出口を画定し、前記中央チャネル、前記第2のチャネル、および前記第3のチャネルが、各々前記アダプタ内で互いに流体的に分離されており、前記第2のチャネルが、前記アダプタの垂直断面を少なくとも部分的に通って延びる第1の環状チャネルを備え、前記第2のチャネルが、前記中央チャネルの周りに画定される、アダプタ
を備え、
前記アダプタは前記第1の端部で遠隔プラズマユニットと結合し、且つ前記第2の端部で混合部を介して処理チャンバと結合するように構成されており、
前記中央チャネル、前記第2のチャネル及び前記第3のチャネルから供給されるガスが前記混合部で混合されるように構成され
、
前記中央チャネルが、前記アダプタの前記第1の端部における第1の直径によって特徴付けられ、前記中央チャネルが、前記第1の直径と異なる前記アダプタの前記第2の端部における第2の直径によって特徴付けられ、
前記第2のチャネルが環状チャネルを備え、前記第3のチャネルが環状チャネルを備え、前記第2のチャネル及び前記第3のチャネルが各々、前記アダプタの前記第2の端部から前記アダプタの前記第1の端部に向けて、前記第1の直径によって特徴付けられた前記中央チャネルの部分と、前記第2の直径によって特徴付けられた前記中央チャネルの部分との間の前記中央チャネルの移行部の、前記アダプタを通る水平面より低い高さまで、前記アダプタを通って垂直に延びる、
半導体処理システム構成要素。
【請求項15】
前記アダプタが、前記アダプタの外側に沿って配置され且つ前記第2のチャネルへの流体アクセスを提供するように構成された第1のポートをさらに画定する、請求項
14に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項16】
前記第3のチャネルが、前記アダプタの垂直断面を少なくとも部分的に通って延びる第2の環状チャネルを含み、前記第3のチャネルが、前記第2のチャネルの周りに画定される、請求項
15に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項17】
前記第1の環状チャネルが、前記第2の環状チャネルよりも長い垂直距離、前記アダプタを通って延びる、請求項
16に記載の半導体処理システム構成要素。
【請求項18】
半導体処理システム構成要素であって、
第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部とを含むアダプタであって、前記アダプタが、前記アダプタを通る中央チャネルを画定し、前記中央チャネルが、カウンタボアによって特徴付けられ、前記アダプタが、前記第2の端部において第2のチャネルからの出口を画定し、前記アダプタが、前記アダプタの前記第2の端部において第3のチャネルからの出口を画定し、前記中央チャネル、前記第2のチャネル、および前記第3のチャネルが、各々前記アダプタ内で互いに流体的に分離されている、アダプタ
を備え、
前記アダプタは、前記第1の端部で遠隔プラズマユニットと結合し、且つ前記第2の端部で混合部を介して処理チャンバと結合するように構成されており、
前記中央チャネル、前記第2のチャネル及び前記第3のチャネルから供給されるガスが前記混合部で混合されるように構成され
、
前記中央チャネルが、前記アダプタの前記第1の端部における第1の直径によって特徴付けられ、前記中央チャネルが、前記第1の直径と異なる前記アダプタの前記第2の端部における第2の直径によって特徴付けられ、
前記第2のチャネルが環状チャネルを備え、前記第3のチャネルが環状チャネルを備え、前記第2のチャネル及び前記第3のチャネルが各々、前記アダプタの前記第2の端部から前記アダプタの前記第1の端部に向けて、前記第1の直径によって特徴付けられた前記中央チャネルの部分と、前記第2の直径によって特徴付けられた前記中央チャネルの部分との間の前記中央チャネルの移行部の、前記アダプタを通る水平面より低い高さまで、前記アダプタを通って垂直に延びる、
半導体処理システム構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本技術は、半導体システム、プロセスおよび装置に関する。より具体的には、本技術は、システムおよびチャンバ内で前駆体を供給するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 集積回路は、複雑にパターニングされた材料層を基板表面上に生成するプロセスによって可能になる。パターニングされた材料を基板上に生成するには、露出した材料を除去するための制御された方法が必要である。化学エッチングが、フォトレジストのパターンを下地層に転写する、層を薄くする、または表面に既に存在するフィーチャの横寸法を細くすることを含む様々な目的に使用される。多くの場合、1つの材料を他の材料よりも速くエッチングして、パターン転写プロセスまたは個々の材料除去などを容易にするエッチングプロセスを有することが望ましい。そのようなエッチングプロセスは、最初の材料に対して選択的であると言われる。材料、回路、およびプロセスの多様性の結果、様々な材料に対して選択性を有するエッチングプロセスが開発されてきた。
【0003】
[0003] エッチングプロセスは、プロセスで使用される材料に基づいて、ウェットまたはドライと呼ばれ得る。ウェットHFエッチングは、他の誘電体および材料よりも酸化ケイ素を優先的に除去する。しかしながら、ウェットプロセスは、狭いトレンチに入り込むことが困難であり、残っている材料を時には変形させる可能性がある。ドライエッチングプロセスは、複雑なフィーチャおよびトレンチに入り込む可能性があるが、受け入れ可能な上部から底部までの形状を提供しない可能性がある。次世代のデバイスではデバイスのサイズが縮小し続けているため、システムがチャンバ内に且つチャンバを通って前駆体を供給する方法が、ますます影響を与える可能性がある。処理条件の均一性が、重要性を増し続けるにつれて、チャンバ設計およびシステムセットアップが、製造されるデバイスの品質において重要な役割を果たす可能性がある。
【0004】
[0004] したがって、高品質のデバイスおよび構造を製造するために使用することができる改良されたシステムおよび方法が必要とされている。これらおよび他の必要性が、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 例示的な半導体処理システムは、処理チャンバを含むことができ、処理チャンバに結合された遠隔プラズマユニットを含むことができる。例示的なシステムはまた、遠隔プラズマユニットに結合されたアダプタを含むことができる。アダプタは、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを含むことができる。アダプタは、アダプタを通る中央チャネルを画定することができる。アダプタは、第2の端部で第2のチャネルからの出口を画定することができ、アダプタは、第2の端部で第3のチャネルからの出口を画定することができる。中央チャネル、第2のチャネル、および第3のチャネルはそれぞれ、アダプタ内で互いに流体的に分離されていてもよい。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、第2のチャネルは、アダプタの垂直断面を少なくとも部分的に通って延びる第1の環状チャネルを含み、第2のチャネルは、中央チャネルの周りに画定されてもよい。アダプタはまた、アダプタの外側に配置された第1のポートを画定することができ、第1のポートは、第2のチャネルに流体アクセスを提供するように構成することができる。第3のチャネルは、アダプタの垂直断面を少なくとも部分的に通って延びる第2の環状チャネルを含み、第3のチャネルは、第2のチャネルの周りに画定されてもよい。アダプタはまた、アダプタの外側に配置された第2のポートを画定することができ、第2のポートは、第3のチャネルに流体アクセスを提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、中央チャネル、第2のチャネル、および第3のチャネルは、同心円状に配列されていてもよい。システムは、アダプタと遠隔プラズマユニットとの間に結合されたアイソレータをさらに含むことができる。実施形態において、アイソレータは、セラミックであってもよいし、セラミックを含んでもよい。システムは、アダプタと処理チャンバとの間に結合されたミキシングマニホールドをさらに含むことができる。ミキシングマニホールドは、第3のチャネルの外径より大きいまたは等しい直径を有する入口によって特徴付けられてもよい。ミキシングマニホールドの入口は、ミキシングマニホールドのテーパセクションに移行することができる。加えて、ミキシングマニホールドのテーパセクションは、ミキシングマニホールドの出口まで延びるミキシングマニホールドのフレアセクションに移行することができる。
【0007】
[0007] 本技術はまた、遠隔プラズマユニットを含むことができる半導体処理システムを包含する。システムは、処理チャンバをさらに含むことができる。処理チャンバは、中央チャネルを画定するガスボックスを含むことができる。処理チャンバは、ガスボックスに結合されたブロッカプレートをさらに含むことができる。ブロッカプレートは、ブロッカプレートを貫通する複数の開孔を画定することができる。処理チャンバは、フェースプレートの第1の面でブロッカプレートと結合されたフェースプレートをさらに含むことができる。処理チャンバは、フェースプレートの第1の面の反対側のフェースプレートの第2の面でフェースプレートと結合されたイオン抑制要素をさらに含むことができる。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、システムは、ガスボックスに結合されたミキシングマニホールドの周りでガスボックスに外部から結合されたヒータをさらに含むことができる。ガスボックスは、上方から第1の容積部を画定することができ、ブロッカプレートは、第1の容積部の外径に沿って、かつ下方から、第1の容積部を画定することができる。さらに、フェースプレートは、上方から、かつ第2の容積部の外径に沿って第2の容積部を画定することができ、イオン抑制要素は、第2の容積部を下方から画定することができる。ガスボックス、ブロッカプレート、フェースプレート、およびイオン抑制要素は、直接に結合されていてもよい。システムは、遠隔プラズマユニットに結合されたアダプタをさらに含むことができ、アダプタは、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを含むことができる。アダプタは、アダプタを通る中央チャネルを画定することができ、アダプタは、第2の端部において第2のチャネルからの出口を画定することができる。アダプタは、アダプタの第2の端部において第3のチャネルからの出口を画定することができ、いくつかの実施形態では、中央チャネル、第2のチャネル、および第3のチャネルは、それぞれアダプタ内で互いに流体的に分離され得る。いくつかの実施形態では、イオン抑制要素は、処理チャンバの処理領域に供給されるイオン種を制限または低減するように構成されてもよい。
【0009】
[0009] 本技術はまた、半導体処理システムを通って前駆体を供給する方法を包含する。この方法は、遠隔プラズマユニット内にフッ素含有前駆体のプラズマを形成することを含むことができる。この方法は、フッ素含有前駆体のプラズマ放出物をアダプタに流すことを含むことができる。この方法は、水素含有前駆体をアダプタに流すことを含むことができる。この方法は、第3の前駆体をアダプタに流すことをさらに含むことができる。アダプタは、フッ素含有前駆体のプラズマ放出物、水素含有前駆体、および第3の前駆体を、アダプタを通る間、流体的に分離された状態に維持するように構成することができる。この方法は、フッ素含有前駆体のプラズマ放出物および水素含有前駆体を混合するように構成されたミキシングマニホールド内に、フッ素含有前駆体のプラズマ放出物および水素含有前駆体を流すことを、さらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、フッ素含有前駆体、水素含有前駆体、および第3の前駆体の混合されたプラズマ放出物を処理チャンバに流すことを、さらに含むことができる。
【0010】
[0010] このような技術は、従来のシステムおよび技術に対して多くの利点を提供することができる。例えば、複数のバイパス経路を有することによって、チャンバ構成要素の劣化を保護しながら、複数の前駆体を供給することができる。さらに、チャンバの外側でエッチャント種を生成する構成要素を利用することによって、混合および基板への供給を従来のシステムよりも均一に提供することができる。これらのおよび他の実施形態が、それらの利点および特徴の多くと共に、以下の説明および添付図面と併せて、より詳細に説明される。
【0011】
[0011] 開示された技術の性質および利点のさらなる理解が、明細書の残りの部分および図面を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本技術の実施形態による例示的な処理システムの平面図を示す。
【
図2A】本技術の実施形態による例示的な処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図2B】本技術の実施形態による例示的なシャワーヘッドの詳細図を示す。
【
図3】本技術の実施形態による例示的なシャワーヘッドの底面図を示す。
【
図4】本技術の実施形態による例示的な処理システムの概略断面図を示す。
【
図5】本技術の実施形態による入口アダプタの概略部分底面図を示す。
【
図6】本技術の実施形態による処理チャンバを通って前駆体を供給する方法の工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0019] 図のいくつかは、概略図として含まれている。図は説明のためのものであり、縮尺通りであると特に記載されていない限り、縮尺通りと見なすべきではないことを理解されたい。さらに、概略図として、図面は、理解を助けるために提供され、実際的な表現と比較してすべての面または情報を含むものではなく、説明のために誇張された素材を含むことがある。
【0014】
[0020] 添付の図面において、類似の構成要素および/または特徴部は、同じ参照ラベルを有することがある。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、類似の構成要素を区別する文字が参照ラベルの後に続くことによって区別することができる。本明細書において最初の参照ラベルのみを用いる場合には、文字にかかわらず最初の参照ラベルが同じである類似の構成要素のいずれにも、当該説明が適用される。
【0015】
[0021] 本技術は、半導体製造工程を実行するための半導体処理システム、チャンバ、および構成要素を含む。半導体製造中に実行される多くのドライエッチング工程は、複数の前駆体を含むことがある。これらのエッチャントは、様々な方法で活性化され、組み合わされて、基板に供給され、基板の外観を除去または修正することができる。従来の処理システムは、エッチング用などの前駆体を複数の方法で提供することができる。強化された前駆体またはエッチャントを提供する1つの方法は、前駆体を処理チャンバを通って、処理のためにウエハなどの基板に供給する前に、遠隔プラズマユニットを通ってすべての前駆体を提供することである。しかしながら、このプロセスの問題は、種々の前駆体が種々の材料と反応する可能性があり、遠隔プラズマユニットに損傷を与える可能性があることである。例えば、強化されたフッ素含有前駆体は、アルミニウム表面と反応するが、酸化物表面とは反応しない可能性がある。強化された水素含有前駆体は、遠隔プラズマユニット内のアルミニウム表面と反応しないが、酸化物コーティングと反応して、これを除去することができる。したがって、2つの前駆体が、遠隔プラズマユニットを通って一緒に供給される場合、それらは、ユニット内のコーティングまたはライナーを損傷する可能性がある。
【0016】
[0022] 従来の処理は、プラズマ処理のために遠隔プラズマ装置を通って1つの前駆体を供給し、第2の前駆体をチャンバに直接供給することもできる。しかし、このプロセスの問題点は、前駆体の混合が困難であり、エッチャント生成に対する適切な制御を提供できず、ウェハまたは基板に均一なエッチャントを供給できないことである。これにより、プロセスが基板の表面にわたって均一に実行されず、パターニングおよび形成が続くにつれて、デバイスの問題を引き起こす可能性がある。
【0017】
[0023] キャリアガスまたは他のエッチャント前駆体などの複数の前駆体を、遠隔プラズマユニットを通って流すこともできるが、1つのエッチャント前駆体のみを遠隔プラズマユニットを通って供給しながら、前駆体をチャンバ内に供給する前に前駆体を混合するように構成された構成要素およびシステムを利用することによって、本技術は、これらの問題を克服することができる。この特別のバイパス方式は、前駆体を処理チャンバに供給する前に前駆体を十分に混合することができる。これにより、遠隔プラズマユニットを保護しながら、均一な処理を行うことができる。本技術のチャンバはまた、チャンバを通る熱伝導率を最大にし、構成要素を特定の方法で結合することによって整備の容易性を高める構成要素配置を含むことができる。
【0018】
[0024] 残りの開示は、開示された技術を利用する具体的なエッチングプロセスを機械的に特定するが、本システムおよび方法は、記載されたチャンバ内で起こり得る堆積プロセスおよび洗浄プロセスに等しく適用可能であることが、容易に理解されるであろう。従って、この技術は、エッチングプロセスだけの使用に限定されていると考えるべきではない。本開示は、除去工程のいくつかを実施するために本技術と共に使用され得る1つの可能なシステムおよびチャンバを説明し、その後に本技術の実施形態によるこのシステムの追加的な変形および修正を記載する。
【0019】
[0025]
図1は、実施形態による堆積、エッチング、ベーキングおよび硬化チャンバの処理システム100の一実施形態の平面図を示す。この図では、1対の前方開口型統一ポッド(FOUP)102が、様々なサイズの基板を供給し、基板は、ロボットアーム104によって受け取られ、低圧保持領域106内に配置されてから、タンデムセクション109a-cに配置された基板処理チャンバ108a-fの1つの中に配置される。第2のロボットアーム110を使用して、基板ウェハを保持領域106から基板処理チャンバ108a-fに搬送し戻すことができる。各基板処理チャンバ108a-fは、本明細書に記載されたドライエッチングプロセスに加えて、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、エッチング、前洗浄、ガス抜き、配向、および他の基板プロセスを含む多くの基板処理工程を実行するように装備することができる。
【0020】
[0026] 基板処理チャンバ108a-fは、基板ウェハ上で誘電体膜を堆積、アニール、硬化および/またはエッチングするための1つ以上のシステム構成要素を含むことができる。1つの構成では、2対の処理チャンバ、例えば108c-dおよび108e-fが、基板上に誘電体材料を堆積させるために使用され、処理チャンバの第3の対、例えば108a-bが、堆積した誘電体をエッチングするために使用される。別の構成では、3対のチャンバすべて、例えば108a-fが、基板上の誘電体膜をエッチングするように構成されてもよい。記載されたプロセスのうちの任意の1つ以上が、異なる実施形態において、示された製造システムから分離されたチャンバ内で実行されてもよい。誘電体膜用の堆積、エッチング、アニール、および硬化チャンバの追加の構成が、システム100によって予期されることが理解されよう。
【0021】
[0027]
図2Aは、処理チャンバ内に区画されたプラズマ生成領域を有する例示的な処理チャンバシステム200の断面図を示す。例えば、窒化チタン、窒化タンタル、タングステン、シリコン、ポリシリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭化ケイ素などの膜エッチングの間、プロセスガスを、ガス入口アセンブリ205を通って第1のプラズマ領域215に流入させることができる。遠隔プラズマシステム(RPS)201が、任意選択でシステムに含まれて、第1のガスを処理してもよく、次いで、第1のガスは、ガス入口アセンブリ205を通って移動する。入口アセンブリ205は、2つ以上の別個のガス供給チャネルを含み、第2のチャネル(図示せず)が、RPS201(含まれる場合)をバイパスすることができる。
【0022】
[0028] 冷却プレート203、フェースプレート217、イオンサプレッサ223、シャワーヘッド225、および基板255が配置された基板支持体265が示されており、それぞれ実施形態に従って含まれてもよい。ペデスタル265は、基板の温度を制御するために熱交換流体が流れる熱交換チャネルを有してもよく、これは、処理工程中に基板またはウェハを加熱および/または冷却するように動作することができる。ペデスタル265のウェハ支持プラッターは、アルミニウム、セラミック、またはそれらの組み合わせを含むことができ、埋め込まれた抵抗ヒータ要素を使用して、例えば約100℃以下から約1100℃以上までの比較的高い温度を達成するために抵抗加熱されてもよい。
【0023】
[0029] フェースプレート217は、ピラミッド形状、円錐形状、または幅の広い底部へ広がる狭い上部を有する別の同様の構造であってもよい。フェースプレート217は、さらに、図示のように平坦であってもよく、プロセスガスを分配するために使用される複数の貫通チャネルを含んでもよい。RPS201の使用に応じて、プラズマ生成ガスおよび/またはプラズマ励起種が、第1のプラズマ領域215へのより均一な供給のために、
図2Bに示すフェースプレート217の複数の孔を通過することができる。
【0024】
[0030] 例示的な構成は、ガス/種がフェースプレート217の穴を通って第1のプラズマ領域215に流れるように、フェースプレート217によって第1のプラズマ領域215から区画されたガス供給領域258に開口するガス入口アセンブリ205を有することを含むことができる。構造上および動作上の特徴が、第1のプラズマ領域215から供給領域258、ガス入口アセンブリ205、および流体供給システム210へのプラズマの著しい逆流を防止するように選択されてもよい。フェースプレート217、すなわちチャンバの導電性頂部、およびシャワーヘッド225は、それら部品の間に配置された絶縁リング220とともに示されており、これにより、AC電位がシャワーヘッド225および/またはイオンサプレッサ223に対してフェースプレート217に印加されることが可能になる。絶縁リング220は、フェースプレート217とシャワーヘッド225および/またはイオンサプレッサ223との間に配置され、容量結合プラズマ(CCP)を第1のプラズマ領域に形成することができる。バッフル(図示せず)が、追加的に第1のプラズマ領域215内に配置され、あるいはガス入口アセンブリ205と結合され、ガス入口アセンブリ205を通って第1のプラズマ領域へ入る流体の流れに影響を及ぼすことができる。
【0025】
[0031] イオンサプレッサ223は、帯電していない中性またはラジカル種がイオンサプレッサ223を通過してサプレッサとシャワーヘッドとの間の活性化ガス供給領域に入ることを可能にしながら、第1のプラズマ領域215からのイオン的に帯電した種の移動を抑制するように構成された複数の開孔を構造全体に画定するプレートまたは他の形状を含むことができる。実施形態では、イオンサプレッサ223は、様々な開孔配置を有する多孔プレートを含むことができる。これらの帯電していない種は、反応性の低いキャリアガスとともに開孔を通って運ばれる反応性の高い種を含むことができる。上記のように、孔を通るイオン種の移動は減少し、ある場合には完全に抑制される。イオンサプレッサ223を通過するイオン種の量を制御することにより、下にあるウェハ基板と接触する混合ガスに対する制御を有利に向上させることができ、これにより、混合ガスの堆積および/またはエッチング特性の制御を向上させることができる。例えば、混合ガスのイオン濃度の調節は、そのエッチング選択性、例えば、SiNx:SiOxエッチング比、Si:SiOxエッチング比などを大幅に変えることができる。堆積が実行される代替の実施形態では、これは、誘電体材料の共形型堆積と流動型堆積とのバランスをシフトさせることもできる。
【0026】
[0032] イオンサプレッサ223の複数の開孔は、イオンサプレッサ223を通る、活性化されたガス、すなわちイオン種、ラジカル種および/または中性種の通過を制御するように構成することができる。例えば、イオンサプレッサ223を通過する活性化されたガス中のイオン的に帯電した種の流れが減少するように、孔のアスペクト比、すなわち孔の直径対長さ、および/または孔の形状寸法を制御することができる。イオンサプレッサ223の孔は、プラズマ励起領域215に面するテーパ部と、シャワーヘッド225に面する円筒部とを含むことができる。円筒部は、シャワーヘッド225に流れるイオン種の流れを制御するような形状および寸法にすることができる。調節可能な電気バイアスが、サプレッサを通るイオン種の流れを制御するための追加の手段としてイオンサプレッサ223に印加されてもよい。
【0027】
[0033] イオンサプレッサ223は、プラズマ生成領域から基板に移動するイオン的に帯電した種の量を低減または除去するように機能することができる。帯電していない中性およびラジカル種は、それでもなお、イオンサプレッサの開口部を通過して、基板と反応することができる。基板を囲む反応領域におけるイオン的に帯電した種の完全な除去は、いくつかの実施形態では実施されないことに、留意されたい。場合によっては、エッチングおよび/または堆積プロセスを実行するために、イオン種が基板に到達することが意図される。これらの場合、イオンサプレッサは、反応領域内のイオン種の濃度を、プロセスを促進するレベルに制御するのに役立つことができる。
【0028】
[0034] イオンサプレッサ223と組み合わせたシャワーヘッド225は、第1のプラズマ領域215内に存在するプラズマが基板処理領域233内のガスを直接励起するのを回避することを可能にするが、それにもかかわらず、励起種がチャンバプラズマ領域215から基板処理領域233に移動することを可能にし得る。このようにして、チャンバは、エッチングされている基板255にプラズマが接触することを防止するように構成されてもよい。これは、有利なことに、基板上にパターニングされた様々な複雑な構造および膜を保護することができ、これらは、発生したプラズマが直接接触すると、損傷、転位、または反りが生じる可能性がある。さらに、プラズマが基板に接触するかまたは基板の高さに近づくことが可能になると、酸化物種のエッチング速度が、増加する可能性がある。従って、材料の露出領域が酸化物である場合、この材料は、プラズマを基板から遠隔に維持することによって、さらに保護され得る。
【0029】
[0035] 処理システムは、フェースプレート217、イオンサプレッサ223、シャワーヘッド225、および/またはペデスタル265に電力を供給して、第1のプラズマ領域215または処理領域233にプラズマを生成するために、処理チャンバと電気的に結合された電源240をさらに含むことができる。電源は、実行されるプロセスに応じて、調節可能な量の電力をチャンバに供給するように構成することができる。そのような構成は、実行されているプロセスにおいて調整可能なプラズマを使用することを可能にすることができる。オンオフ機能を備えていることが多い遠隔プラズマユニットとは異なり、チューニング可能なプラズマは、プラズマ領域215に特定量の電力を供給するように構成することができる。これは、前駆体がこれらの前駆体によって生成されるエッチング形状を向上させるための特定の方法で解離されるような、特別なプラズマ特性の発現を可能にし得る。
【0030】
[0036] プラズマは、シャワーヘッド225の上方のチャンバプラズマ領域215またはシャワーヘッド225の下方の基板処理領域233のいずれかで点火され得る。実施形態では、基板処理領域233に形成されたプラズマは、ペデスタルが電極として作用して形成されたDCバイアスプラズマであってもよい。プラズマは、チャンバプラズマ領域215内に存在して、例えば、フッ素含有前駆体または他の前駆体の流入からラジカル前駆体を生成することができる。典型的には高周波(RF)範囲内のAC電圧が、堆積中にチャンバプラズマ領域215内でプラズマを点火するために、フェースプレート217などの処理チャンバの導電性頂部と、シャワーヘッド225および/またはイオンサプレッサ223との間に印加され得る。RF電源は、13.56MHzの高いRF周波数を生成することができるが、単独でまたは13.56MHzの周波数と組み合わせて他の周波数を生成することもできる。
【0031】
[0037]
図2Bは、フェースプレート217を通る処理ガスの分配に影響を与える特徴部の詳細
図253を示す。
図2Aおよび
図2Bに示すように、フェースプレート217、冷却プレート203、およびガス入口アセンブリ205が交差して、ガス供給領域258を画定し、そこにプロセスガスが、ガス入口205から供給され得る。ガスが、ガス供給領域258を満たし、フェースプレート217の開孔259を通って第1のプラズマ領域215に流れることができる。プロセスガスが処理領域233に流入することができるが、フェースプレート217を横切った後にガス供給領域258へ逆流するのを部分的に又は完全に防止することができるように、開孔259は、実質的に一方向に流れを向けるように構成することができる。
【0032】
[0038] 処理チャンバ部分200で使用するためのシャワーヘッド225などのガス分配アセンブリは、デュアルチャネルシャワーヘッド(DCSH)と呼ばれてもよく、
図3に記載された実施形態でさらに詳述されている。デュアルチャネルシャワーヘッドは、エッチャントを処理領域233の外側で分離して、処理領域に供給される前のチャンバ構成要素および互いとの相互作用を制限することを可能にするエッチングプロセスを提供することができる。
【0033】
[0039] シャワーヘッド225は、上部プレート214および下部プレート216を含むことができる。プレートは、プレートの間に容積部218を画定するように、互いに結合されてもよい。プレートの結合は、上部プレートおよび下部プレートを通る第1の流体チャネル219、ならびに下部プレート216を通る第2の流体チャネル221を提供するようにすることができる。形成されたチャネルは、第2の流体チャネル221のみを経由して容積部218から下部プレート216を通る流体アクセスを提供するように構成され、第1の流体チャネル219は、プレート間の容積部218および第2の流体チャネル221から流体的に分離され得る。容積部218は、ガス分配アセンブリ225の側面を通って流体的にアクセス可能であってもよい。
【0034】
[0040]
図3は、実施形態による処理チャンバで使用するためのシャワーヘッド325の底面図である。シャワーヘッド325は、
図2Aに示すシャワーヘッド225に対応することができる。第1の流体チャネル219の眺めを示す貫通孔365は、シャワーヘッド225を通る前駆体の流れを制御し影響を及ぼすために、複数の形状および構成を有することができる。第2の流体チャネル221の眺めを示す小さな孔375は、貫通孔365の間でさえも、シャワーヘッドの表面上に実質的に一様に分布することができ、前駆体がシャワーヘッドを出るときに、他の構成よりも前駆体がより一様に混合するのを助けることができる。
【0035】
[0041]
図4は、本技術の実施形態による例示的な処理システム400の概略断面図を示す。システム400は、
図2に示されたチャンバに対する変形を含むことができ、その図に示された構成要素のいくつかまたはすべてを含むことができる。システム400は、処理チャンバ405および遠隔プラズマユニット410を含むことができる。遠隔プラズマユニット410は、1つ以上の構成要素によって処理チャンバ405と結合されてもよい。遠隔プラズマユニット410は、遠隔プラズマユニットアダプタ415、アイソレータ420、圧力プレート425、および入口アダプタ430、ディフューザ435、またはミキシングマニホールド440のうちの1つ以上と結合されてもよい。ミキシングマニホールド440は、処理チャンバ405の上部と結合され、処理チャンバ405への入口と結合されてもよい。
【0036】
[0042] 遠隔プラズマユニットアダプタ415は、遠隔プラズマユニット410と第1の端部411において結合され、第1の端部411に対向する第2の端部412においてアイソレータ420と結合され得る。遠隔プラズマユニットアダプタ415を通って、1つ以上のチャネルを画定することができる。第1の端部411において、チャネル413への開口部またはポートを画定することができる。チャネル413は、遠隔プラズマユニットアダプタ415内で中央に画定されてもよく、遠隔プラズマユニット410からの流れの方向であり得る、遠隔プラズマユニットアダプタ415を通る中心軸に垂直な方向の第1の断面積によって特徴付けられてもよい。チャネル413の直径は、遠隔プラズマユニット410からの出口ポートと等しいか、またはそれと共通であってもよい。チャネル413は、第1の端部411から第2の端部412までの長さによって特徴付けられてもよい。チャネル413は、遠隔プラズマユニットアダプタ415の全長にわたって延びていてもよく、または第1の端部411から第2の端部412までの長さよりも短い長さで延びていてもよい。例えば、チャネル413は、遠隔プラズマユニットアダプタ415の第1の端部411から第2の端部412までの長さの半分より短く延びてもよく、チャネル413は、第1の端部411から第2の端部412までの長さの半分だけ延びてもよく、チャネル413は、第1の端部411から第2の端部412までの長さの半分より長く延びてもよく、またはチャネル413は、第1の端部411から第2の端部412までの長さの約半分だけ延びてもよい。
【0037】
[0043] 遠隔プラズマユニットアダプタ415はまた、遠隔プラズマユニットアダプタ415の下に画定された1つ以上のトレンチ414を画定することができる。トレンチ414は、アイソレータ420との結合を可能にするOリングまたはエラストマ要素の着座を可能にするように、遠隔プラズマユニットアダプタ415内に画定された1つ以上の環状凹部であってもよく、またはこれを含んでもよい。
【0038】
[0044] アイソレータ420は、実施形態において、遠隔プラズマユニットアダプタ415の第2の端部412と結合されてもよい。アイソレータ420は、アイソレータチャネル421の周りの環状部材であってもよいし、環状部材を含んでもよい。アイソレータチャネル421は、遠隔プラズマユニットアダプタ415を通る流れの方向の中心軸と軸方向に整列していてもよい。アイソレータチャネル421は、アイソレータ420を通る流れの方向に垂直な方向の第2の断面積によって特徴付けられてもよい。第2の断面積は、チャネル413の第1の断面積と等しくてもよいし、大きくてもよいし、または小さくてもよい。実施形態では、アイソレータチャネル421は、遠隔プラズマユニットアダプタ415を通るチャネル413の直径よりも大きいか、等しいか、またはほぼ同じ直径によって特徴付けられてもよい。
【0039】
[0045] アイソレータ420は、遠隔プラズマユニットアダプタ415、ミキシングマニホールド440、または任意の他のチャンバ構成要素と同様の材料で作製されてもよいし、または異なる材料で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔プラズマユニットアダプタ415およびミキシングマニホールド440は、アルミニウムの酸化物、1つ以上の表面上の処理されたアルミニウムを含むアルミニウム、または他の何らかの材料から作製されるか、またはそれを含むことができるが、アイソレータ420は、他のチャンバ構成要素よりも熱伝導性の低い材料であってもよく、またはそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アイソレータ420は、セラミック、プラスチック、または遠隔プラズマユニット410とチャンバ405との間に熱遮断部を提供するように構成された他の断熱構成要素であってもよく、またはそれを含んでもよい。動作中、遠隔プラズマユニット410は、チャンバ405に対してより低い温度に冷却され又は動作してもよく、チャンバ405は、遠隔プラズマユニット410に対してより高い温度に加熱され又は動作してもよい。セラミックまたは断熱アイソレータ420を設けることによって、構成要素間の熱的、電気的、または他の干渉を防止または制限することができる。
【0040】
[0046] 圧力プレート425が、アイソレータ420と結合されてもよい。圧力プレート425は、実施形態ではアルミニウムまたは他の材料であってもよく、またはそれを含んでもよく、また圧力プレート425は、実施形態では、遠隔プラズマユニットアダプタ415またはミキシングマニホールド440と同様のまたは異なる材料で作製されるか、またはそれを含んでもよい。圧力プレート425は、圧力プレート425を通る中央開孔423を画定することができる。中央開孔423は、アイソレータチャネル421に近接する部分から圧力プレート425の反対側へ圧力プレート425を貫通するテーパ形状によって特徴付けられてもよい。アイソレータチャネル421に近接した中央開孔423の部分は、アイソレータチャネル421の断面積と等しいか又はそれと同様の、流れの方向に垂直な断面積によって特徴付けられ得る。中央開孔423は、圧力プレート425の長さあたり約10%またはそれより大きいテーパ率によって特徴付けられてもよく、実施形態において、約20%もしくはそれより大きい、約30%もしくはそれより大きい、約40%もしくはそれより大きい、約50%もしくはそれより大きい、約60%もしくはそれより大きい、約70%もしくはそれより大きい、約80%もしくはそれより大きい、約90%もしくはそれより大きい、約100%もしくはそれより大きい、約150%もしくはそれより大きい、約200%もしくはそれより大きい、約300%もしくはそれより大きい、またはそれより大きいテーパ率によって特徴付けられてもよい。圧力プレート425はまた、アイソレータ420の下に画定された1つ以上のトレンチ424を画定することができる。トレンチ424は、アイソレータ420との結合を可能にするOリングまたはエラストマ要素の着座を可能にするように、圧力プレート425内に画定された1つ以上の環状凹部であってもよく、またはこれを含んでもよい。
【0041】
[0047] 入口アダプタ430は、第1の端部426において圧力プレート425と結合され、第1の端部426の反対側の第2の端部427においてディフューザ435と結合され得る。入口アダプタ430は、入口アダプタ430を通って画定される中央チャネル428を画定することができる。中央チャネル428は、第1の部分429aおよび第2の部分429bによって特徴付けられてもよい。第1の部分429aは、第1の端部426から入口アダプタ430を通って第1の長さまで延びることができ、ここで、中央チャネル428は、第2の端部427まで延びることができる第2の部分429bに移行することができる。第1の部分429aは、第1の断面積または直径によって特徴付けられ、第2の部分429bは、第1の断面積または直径より小さい第2の断面積または直径によって特徴付けられ得る。実施形態において、第1の部分429aの断面積または直径は、第2の部分429bの断面積または直径の2倍の大きさであってもよく、実施形態において、約3倍以下または約3倍より大きい、約4倍もしくはそれより大きい、約5倍もしくはそれより大きい、約6倍もしくはそれより大きい、約7倍もしくはそれより大きい、約8倍もしくはそれより大きい、約9倍もしくはそれより大きい、約10倍もしくはそれより大きい、またはそれより大きくてもよい。中央チャネル428は、実施形態において、遠隔プラズマユニット410から供給された前駆体のプラズマ放出物を提供するように構成することができ、前駆体のプラズマ放出物は、遠隔プラズマユニットアダプタ415のチャネル413、アイソレータ420のアイソレータチャネル421、および圧力プレート425の中央開孔423を通過することができる。
【0042】
[0048] 入口アダプタ430はまた、第1の部分429aより下から第2の端部427まで又は第2の端部427を通って延びることができる1つ以上の第2のチャネル431を画定することができる。第2のチャネル431は、入口アダプタ430を通る中心軸に垂直な方向における第2の断面積によって特徴付けられてもよい。第2の断面積は、実施形態において第1の部分429aの断面積より小さくてもよく、第2の部分429bの断面積または直径より大きくてもよい。第2のチャネル431は、第2の端部427における入口アダプタ430からの出口まで延びてもよく、遠隔プラズマユニット410から交互に供給される、第1のバイパス前駆体などの前駆体のためにアダプタ430からの出口を提供してもよい。例えば、第2のチャネル431は、入口アダプタ430の側面などの外面に沿って画定された第1のポート432から流体的にアクセス可能であってもよく、これは、遠隔プラズマユニット410をバイパスすることができる。第1のポート432は、入口アダプタ430の長さに沿って第1の部分429aにあるか、またはそれより下にあってもよく、第2のチャネル431への流体アクセスを提供するように構成されてもよい。
【0043】
[0049] 第2のチャネル431は、前駆体を入口アダプタ430を通って第2の端部427から出すことができる。第2のチャネル431は、第1の部分429aと第2の端部427との間の入口アダプタ430の領域に画定され得る。実施形態において、第2のチャネル431は、中央チャネル428からアクセス可能でなくてもよい。第2のチャネル431は、前駆体を、遠隔プラズマユニット410から中央チャネル428に供給されるプラズマ放出物から流体的に分離された状態に維持するように構成することができる。第1のバイパス前駆体は、第2の端部427を通って入口アダプタ430を出るまで、プラズマ放出物に接触しなくてもよい。第2のチャネル431は、アダプタ430に画定された1つ以上のチャネルを含むことができる。第2のチャネル431は、アダプタ430内の中央に配置され、中央チャネル428と関連付けられてもよい。例えば、実施形態において、第2のチャネル431は、中央チャネル428の周りに同心円状に配列され、画定されてもよい。第2のチャネル431は、実施形態において、入口アダプタ430の長さまたは垂直断面を部分的に通って延びる環状または円筒状のチャネルであってもよい。いくつかの実施形態では、第2のチャネル431は、中央チャネル428の周りに放射状に延びる複数のチャネルであってもよい。
【0044】
[0050] 入口アダプタ430はさらに、第1の部分429aより下から第2の端部427まで又は第2の端部427を通って延びることができ、第1のポート432を二分する平面より下から延びることができる1つ以上の第3のチャネル433を画定することができる。第3のチャネル433は、入口アダプタ430を通る中心軸に垂直な方向における第3の断面積によって特徴付けられてもよい。第3の断面積は、実施形態において、第1の部分429aの断面積より小さくてもよく、第2の部分429bの断面積または直径より大きくてもよい。第3の断面積は、図示されているように、第1の部分429aの断面積または直径と等しいかまたは同様であってもよい。例えば、第3のチャネル433の外径は、第1の部分429aの外径と等しくてもよく、または第1の部分429aの外径より小さくてもよい。第3のチャネル433は、第2の端部427における入口アダプタ430からの出口まで延びてもよく、遠隔プラズマユニット410から交互に供給される、第2のバイパス前駆体などの前駆体のためにアダプタ430からの出口を提供してもよい。例えば、第3のチャネル433は、入口アダプタ430の側面などの外面に沿って画定された第2のポート434から流体的にアクセス可能であってもよく、これは、遠隔プラズマユニット410をバイパスすることができる。第2のポート434は、第1のポート432とは反対側の入口アダプタ430の側面または部分に配置することができる。第2のポート434は、入口アダプタ430の長さに沿って第1の部分429aにあるか、またはそれより下にあってもよく、第3のチャネル433への流体アクセスを提供するように構成されてもよい。第2のポート434は、さらに、実施形態において、入口アダプタ430の長さに沿って第1のポート432にあるか、またはそれより下にあってもよい。
【0045】
[0051] 第3のチャネル433は、第2のバイパス前駆体を入口アダプタ430を通って第2の端部427から出すことができる。第3のチャネル433は、第1の部分429aと第2の端部427との間の入口アダプタ430の領域に画定され得る。実施形態において、第3のチャネル433は、中央チャネル428からアクセス可能でなくてもよい。第3のチャネル433は、第2のバイパス前駆体を、遠隔プラズマユニット410から中央チャネル428に供給されるプラズマ放出物から、かつ第1のポート432を通って第2のチャネル431に供給される第1のバイパス前駆体から流体的に分離された状態に維持するように構成することができる。第2のバイパス前駆体は、第2の端部427を通って入口アダプタ430を出るまで、プラズマ放出物にも第1のバイパス前駆体にも接触しなくてよい。第3のチャネル433は、アダプタ430に画定された1つ以上のチャネルを含むことができる。第3のチャネル433は、アダプタ430内の中央に配置され、中央チャネル428および第2のチャネル431と関連付けられてもよい。例えば、第3のチャネル433は、実施形態において、中央チャネル428の周りに同心円状に配列され、画定されてもよく、かつ第2のチャネル431の周りに同心円状に配列され、画定されてもよい。第3のチャネル433は、実施形態において、入口アダプタ430の長さまたは垂直断面を部分的に通って延びる第2の環状または円筒状のチャネルであってもよい。いくつかの実施形態では、第3のチャネル433はまた、中央チャネル428の周りに放射状に延びる複数のチャネルであってもよい。
【0046】
[0052] ディフューザ435が、入口アダプタ430とミキシングマニホールド440との間に配置され、入口アダプタ430を通って供給される前駆体を、ミキシングマニホールド440に達するまで流体的に分離された状態に維持することができる。ディフューザ435は、ディフューザ435を通って画定された円筒状または環状チャネルなどの1つ以上のチャネルによって特徴付けられてもよい。実施形態において、ディフューザ435は、第1のチャネル436または中央チャネル、第2のチャネル437、および第3のチャネル438を画定することができる。これらのチャネルは、入口アダプタ430の中央チャネル428の第2の部分429b、第2のチャネル431、および第3のチャネル433と同様の寸法または直径によって特徴付けられてもよい。例えば、各チャネルは、入口アダプタのチャネルをミキシングマニホールド440まで延ばすことができる。第2のチャネル437および第3のチャネル438は、それぞれ、第1のチャネル436の周りに画定された環状チャネルであってもよく、第1のチャネル436、第2のチャネル437、および第3のチャネル438は、実施形態において同心円状に配列され、ディフューザ435を通って画定されてもよい。
【0047】
[0053] ディフューザ435は、さらに、ディフューザ435を周る1つ以上のトレンチ439を画定することができる。例えば、実施形態において、ディフューザ435は、Oリングまたはエラストマ部材を入口アダプタ430とディフューザ435との間に着座させることを可能にする、第1のトレンチ439a、第2のトレンチ439b、および第3のトレンチ439cを画定することができる。実施形態において、トレンチ439の各々は、ディフューザ435を通って画定されたチャネルのうちの1つ以上のチャネルに対して半径方向外側に位置する環状トレンチであってもよい。第1のトレンチ439aは、第1のチャネル436の半径方向外側に配置されてもよく、かつ第1のチャネル436と第2のチャネル437との間に配置されてもよい。第2のトレンチ439bは、第2のチャネル437の半径方向外側に配置されてもよく、かつ第2のチャネル437と第3のチャネル438との間に配置されてもよい。第3のトレンチ439cは、第3のチャネル438の半径方向外側に配置されてもよい。各トレンチ439の直径は、チャネルであって、該トレンチ439が該チャネルに関連付けられ、該トレンチ439が該チャネルの半径方向外側に配置され得るところのチャネルより大きくてもよい。トレンチは、入口アダプタ430とディフューザ435との間の改善された密封を可能にして、前駆体がこれらの構成要素間で流体的に分離された状態に維持され、チャネル間の漏れが生じないようにする。
【0048】
[0054] ミキシングマニホールド440が、第1の端部441でディフューザ435と結合され、第2の端部442でチャンバ405と結合されてもよい。ミキシングマニホールド440は、第1の端部441において入口443を画定することができる。入口443は、ディフューザ435からの流体アクセスを提供することができ、入口443は、ディフューザ435を通る第3のチャネル438の直径と等しいかまたはほぼ同じである直径によって特徴付けられ得る。入口443は、ミキシングマニホールド440を通るチャネル444の一部を画定することができ、チャネル444は、チャネル444の輪郭を画定する1つ以上のセクションから構成され得る。入口443は、ミキシングマニホールド440のチャネル444を通る流れの方向における第1のセクションであってもよい。入口443は、ミキシングマニホールド440の流れの方向における長さの半分より短い長さによって特徴付けられてもよい。実施形態において、入口443の長さはまた、ミキシングマニホールド440の長さの3分の1未満であってもよく、ミキシングマニホールド440の長さの4分の1未満であってもよい。入口443は、各前駆体をディフューザ435から受け取り、ミキシングマニホールド440に供給されるまで流体的に分離された状態に維持されていた前駆体の混合を可能にすることができる。
【0049】
[0055] 入口443は、テーパセクション445であるか、またはテーパセクション445を含むことができる、チャネル444の第2のセクションまで延びることができる。テーパセクション445は、入口443の直径に等しいか又はそれと同様の第1の直径から、第1の直径より小さい第2の直径まで延びることができる。いくつかの実施形態では、第2の直径は、第1の直径の約半分または半分未満であってもよい。実施形態において、テーパセクション445は、テーパ率が約10%もしくはそれより大きい、約20%もしくはそれより大きい、約30%もしくはそれより大きい、約40%もしくはそれより大きい、約50%もしくはそれより大きい、約60%もしくはそれより大きい、約70%もしくはそれより大きい、約80%もしくはそれより大きい、約90%もしくはそれより大きい、約100%もしくはそれより大きい、約150%もしくはそれより大きい、約200%もしくはそれより大きい、約300%もしくはそれより大きい、またはそれより大きいことによって、特徴付けられてもよい。
【0050】
[0056] テーパセクション445は、フレアセクション446であってもよいチャネル444の第3の領域に移行することができる。フレアセクション446は、テーパセクション445から第2の端部442におけるミキシングマニホールド440の出口まで延びることができる。フレアセクション446は、テーパセクション445の第2の直径に等しい第1の直径から、第1の直径より大きい第2の直径まで延びることができる。いくつかの実施形態では、第2の直径は、第1の直径の約2倍または2倍より大きくてもよい。実施形態において、フレアセクション446は、フレア率が約10%もしくはそれより大きい、約20%もしくはそれより大きい、約30%もしくはそれより大きい、約40%もしくはそれより大きい、約50%もしくはそれより大きい、約60%もしくはそれより大きい、約70%もしくはそれより大きい、約80%もしくはそれより大きい、約90%もしくはそれより大きい、約100%もしくはそれより大きい、約150%もしくはそれより大きい、約200%もしくはそれより大きい、約300%もしくはそれより大きい、またはそれより大きいことによって、特徴付けられてもよい。
【0051】
[0057] フレアセクション446は、ミキシングマニホールド440を通って供給された前駆体に、出口447を経由して第2の端部442を通る出口を提供することができる。ミキシングマニホールド440を通るチャネル444のセクションは、混合された前駆体をチャンバ405に供給する前に、ミキシングマニホールドに供給された前駆体の適切なまたは徹底した混合を提供するように構成され得る。従来の技術とは異なり、チャンバへの供給前にエッチャントまたは前駆体の混合を行うことによって、本システムは、チャンバおよび基板の周りに分配される前に均一な特性を有するエッチャントを準備することができる。このようにして、本技術を用いて実施されるプロセスは、基板表面にわたってより均一な結果を有することができる。
【0052】
[0058] チャンバ405は、積層配置でいくつかの構成要素を含むことができる。チャンバ積層は、ガスボックス450、ブロッカプレート460、フェースプレート470、イオン抑制要素480、およびリッドスペーサ490を含むことができる。これらの構成要素は、前駆体または前駆体のセットをチャンバを通って分配し、処理のために基板にエッチャントまたは他の前駆体を均一に供給するために利用され得る。実施形態において、これらの構成要素は、各々がチャンバ405の外部を少なくとも部分的に画定する積層されたプレートであってもよい。
【0053】
[0059] ガスボックス450は、チャンバ入口452を画定することができる。前駆体をチャンバ405内に供給するために、中央チャネル454が、ガスボックス450を通って画定され得る。入口452は、ミキシングマニホールド440の出口447と整列されてもよい。入口452および/または中央チャネル454は、実施形態において同様の直径によって特徴付けられてもよい。中央チャネル454は、ガスボックス450を通って延び、ガスボックス450によって上方から画定された容積部457に1つ以上の前駆体を供給するように構成されてもよい。ガスボックス450は、ガスボックス450の上面などの第1の面453、およびガスボックス450の底面などの、第1の面453の反対側の第2の面455を含むことができる。上面453は、実施形態において、平面または実質的に平面であり得る。ヒータ448が、上面453と結合されてもよい。
【0054】
[0060] ヒータ448は、実施形態において、チャンバ405を加熱するように構成されてもよく、各リッド積層構成要素を伝導的に加熱してもよい。ヒータ448は、流体ヒータ、電気ヒータ、マイクロ波ヒータ、またはチャンバ405に伝導的に熱を伝えるように構成された他のデバイスを含む任意の種類のヒータとすることができる。いくつかの実施形態では、ヒータ448は、ガスボックス450の第1の面453の周りに環状パターンで形成された電気ヒータであってもよく、またはそれを含んでもよい。ヒータは、ガスボックス450を横切って、ミキシングマニホールド440の周りに画定されてもよい。ヒータは、約2,000Wまでの、約2,000Wの、または約2,000Wより多い熱を供給するように構成することができるプレートヒータまたは抵抗要素ヒータであってもよく、約2,500Wもしくはそれより多い、約3,000Wもしくはそれより多い、約3,500Wもしくはそれより多い、約4,000Wもしくはそれより多い、約4,500Wもしくはそれより多い、約5,000Wもしくはそれより多い、またはそれより多い熱を供給するように構成されてもよい。
【0055】
[0061] ヒータ448は、約50℃までの、約50℃の、または約50℃より高い可変のチャンバ構成要素温度を生成するように構成されてもよく、実施形態において、約75℃もしくはそれより高い、約100℃もしくはそれより高い、約150℃もしくはそれより高い、約200℃もしくはそれより高い、約250℃もしくはそれより高い、約300℃もしくはそれより高い、またはそれより高いチャンバ構成要素温度を生成するように構成されてもよい。ヒータ448は、アニールなどの処理工程を容易にするために、イオン抑制要素480などの個々の構成要素をこれらの温度のいずれかに上昇させるように構成することができる。いくつかの処理工程において、基板は、アニール工程のためにイオン抑制要素480の方に持ち上げられてもよく、ヒータ448は、上記の任意の特定の温度に、または任意の記載された温度内のもしくはその間の温度の任意の範囲内に、ヒータの温度を伝導的に上昇させるように、調整することができる。
【0056】
[0062] ガスボックス450の第2の面455は、ブロッカプレート460と結合することができる。ブロッカプレート460は、ガスボックス450の直径と等しいか又はそれと同様の直径によって特徴付けられてもよい。ブロッカプレート460は、ブロッカプレート460を通る複数の開孔463を画定することができ(そのサンプルのみが図示されている)、これにより、容積部457からエッチャントなどの前駆体を分配することができ、基板への均一な供給のための、チャンバ405を通る前駆体の分配を開始することができる。少数の開孔463しか図示されていないが、ブロッカプレート460は、構造を貫通して画定された任意の数の開孔463を有することができることを、理解されたい。ブロッカプレート460は、ブロッカプレート460の外径における隆起した環状部分465と、ブロッカプレート460の外径における下がった環状部分466とによって特徴付けられてもよい。隆起した環状部分465は、ブロッカプレート460に構造的剛性を提供することができ、実施形態において、容積部457の側面または外径を画定することができる。ブロッカプレート460はまた、下方から容積部457の底部を画定してもよい。容積部457は、ブロッカプレート460の開孔463を通過する前に、ガスボックス450の中央チャネル454から前駆体を分配することを可能にすることができる。下がった環状部分466もまた、ブロッカプレート460に構造的剛性を提供することができ、実施形態において、第2の容積部458の側面または外径を画定することができる。ブロッカプレート460はまた、上方から容積部458の上部を画定することができ、容積部458の底部は、下方からフェースプレート470によって画定されてもよい。
【0057】
[0063] フェースプレート470は、第1の面472と、第1の面472の反対側の第2の面474とを含むことができる。フェースプレート470は、ブロッカプレート460の下がった環状部分466と係合することができる第1の面472でブロッカプレート460と結合することができる。フェースプレート470は、第2の面474の内側に、フェースプレート470内にまたはフェースプレート470によって少なくとも部分的に画定された第3の容積部475まで延びるレッジ473を画定することができる。例えば、フェースプレート470は、第3の容積部475の側部または外径を、ならびに上方から容積部475の上部を画定することができ、一方、イオン抑制要素480は、下方から第3の容積部475を画定することができる。フェースプレート470は、
図4には示されていないが、チャンバ200に関して先に説明したような、フェースプレートを貫通する複数のチャネルを画定することができる。
【0058】
[0064] イオン抑制要素480が、フェースプレート470の第2の面474に近接して配置されてもよく、第2の面474においてフェースプレート470と結合され得る。イオン抑制要素480は、上記のイオンサプレッサ223に類似していてもよく、基板を収容するチャンバ405の処理領域へのイオンの移動を低減するように構成されてもよい。イオン抑制要素480は、
図4には示されていないけれども、
図2に示すような、構造を貫通する複数の開孔を画定することができる。実施形態において、ガスボックス450、ブロッカプレート460、フェースプレート470、およびイオン抑制要素480は、一緒に結合されてもよく、実施形態において、直接に一緒に結合されてもよい。構成要素を直接に結合することによって、ヒータ448によって生成された熱が、少ない構成要素間の変動とともに維持することができる特定のチャンバ温度を維持するように、構成要素を通って伝導することができる。イオン抑制要素480はまた、処理中に基板が維持されるプラズマ処理領域を少なくとも部分的に一緒に画定するリッドスペーサ490と接してもよい。
【0059】
[0065]
図5を参照すると、本技術の実施形態による入口アダプタ500の部分底面図が示されている。入口アダプタ500は、実施形態において入口アダプタ430と同様であってもよい。図示されるように、入口アダプタは、入口アダプタ500の中心軸の周りに同心円状に配列された3つのチャネルを含むことができる。他の実施形態では、入口アダプタ500は、図示されているよりも多いまたは少ないチャネルを含むことができることを、理解されたい。入口アダプタ500は、上述のように、遠隔プラズマユニットから流体的にアクセス可能な中央チャネル505を含むことができる。中央チャネル505は、入口アダプタ500を完全に貫通して延びることができる。第2のチャネル510が、中央チャネル505の周りに延びていてもよく、中央チャネル505を通る前駆体のプラズマ放出物に加えてまたはその代わりに供給される第1のバイパス前駆体のための流体アクセスを提供してもよい。第2のチャネル510は、入口アダプタ500の外側に沿って画定された第1のポート512からアクセスされてもよい。第2のチャネル510は、中央チャネル505と同心円状に配列されてもよく、第1のバイパス前駆体を、中央チャネル505を通って流れるプラズマ放出物または異なる前駆体から流体的に分離された状態に維持してもよい。
【0060】
[0066] 第3のチャネル515が、中央チャネル505および第2のチャネル510の周りに延びていてもよく、中央チャネル505を通る前駆体のプラズマ放出物および第2のチャネル510を通る第1のバイパス前駆体に加えてまたはその代わりに供給される第2のバイパス前駆体のための流体アクセスを提供してもよい。第3のチャネル515は、第1のポート512の反対側の入口アダプタ500の側面に配置することができる、入口アダプタ500の外側に沿って画定された第2のポート517からアクセスされてもよい。第2のポート517および第3のチャネル515は、第1のポート512を通る水平面より下に配置することができる。第3のチャネル515は、中央チャネル505と同心円状に配列されてもよく、第2のバイパス前駆体を、中央チャネル505を通って流れるプラズマ放出物または異なる前駆体、および第2のチャネル510を通って供給される第1のバイパス前駆体から流体的に分離された状態に維持することができる。
【0061】
[0067] 第2のチャネル510および第3のチャネル515の両方が、実施形態において、入口アダプタ500の長さを通って少なくとも部分的に画定された環状チャネルであってもよい。チャネルはまた、中央チャネル505の周りに放射状に画定された複数のチャネルであってもよい。前駆体のための3つの別個の経路を提供することにより、前駆体の異なる体積および/または流量を利用して、前駆体の供給およびエッチャントの生成をより制御することができる。各前駆体は、1つ以上のキャリアガスとともに供給され、生成されたエッチャントは、入口アダプタ500と流体的に結合された処理チャンバに供給される前に微調整されてもよい。
【0062】
[0068]
図6は、本技術の実施形態による、処理チャンバを通って前駆体を供給する方法600の工程を示す。方法600は、チャンバ200またはチャンバ405内で実行されてもよく、構成要素をエッチャントの損傷から保護しながら、チャンバの外部での前駆体の混合を改善することができる。チャンバの構成要素は、経時的な摩耗を引き起こす可能性があるエッチャントに曝されることがあるが、本技術は、これらの構成要素を、より容易に交換および修理できるものに限定することができる。例えば、本技術は、遠隔プラズマユニットの内部構成要素の曝露を制限することができ、遠隔プラズマユニットに特別の保護を適用することができる。
【0063】
[0069] 方法600は、工程605において、フッ素含有前駆体の遠隔プラズマを形成することを含むことができる。前駆体が、遠隔プラズマユニットに供給されて、解離され、プラズマ放出物を生成することができる。実施形態において、遠隔プラズマユニットは、フッ素含有放出物との接触に耐えることができる酸化物または他の材料でコーティングまたはライニングされてもよい。実施形態において、キャリアガス以外に、他のエッチャント前駆体が、遠隔プラズマユニットを通って供給されず、これによりユニットを損傷から保護することができる。異なるエッチャントのプラズマ放出物を生成するように構成された他の実施形態は、その前駆体または前駆体の組み合わせに対して不活性であり得る異なる材料でライニングされてもよい。
【0064】
[0070] 工程610において、フッ素含有前駆体のプラズマ放出物を、遠隔プラズマユニットと結合されたアダプタに流入させることができる。工程615で、水素含有前駆体をアダプタに流入させることができる。アダプタは、フッ素含有前駆体のプラズマ放出物および水素含有前駆体を、アダプタを通る間、流体的に分離した状態に維持するように構成することができる。工程620で、第3の前駆体をアダプタに流入させることができる。第3の前駆体は、追加の水素含有前駆体、追加のハロゲン含有前駆体、または前駆体の他の組み合わせを含むことができる。アダプタは、フッ素含有前駆体のプラズマ放出物、水素含有前駆体、および第3の前駆体を、アダプタを通る間、流体的に分離された状態に維持するように構成することができる。
【0065】
[0071] 工程625において、フッ素含有前駆体のプラズマ放出物および水素含有前駆体が、混合された前駆体または生成されたエッチャントを半導体処理チャンバ内に供給する前に、フッ素含有前駆体のプラズマ放出物と水素含有前駆体と第3の前駆体とを混合するように構成されたミキシングマニホールドに流入され得る。他の箇所に記載されている追加の構成要素を使用して、前述のように、エッチャントの供給および分配を制御することができる。特定された前駆体は、記載されたチャンバ内での使用に適した前駆体の例に過ぎないことを理解されたい。本開示全体を通して議論されたチャンバおよび材料は、処理チャンバに供給する前に、前駆体を分離して、それらを混合することから利益を得ることができる他の多くの処理工程で使用することができる。
【0066】
[0072] 前述の説明では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために、多くの詳細が述べられている。しかしながら、特定の実施形態が、これらの詳細の一部を伴わずに、または追加の詳細と共に実施され得ることは、当業者に明らかであろう。
【0067】
[0073] いくつかの実施形態を開示したが、実施形態の精神から逸脱することなく、様々な修正、代替構成、および均等物を使用できることが、当業者には理解されるであろう。さらに、多くの周知のプロセスおよび要素は、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために記載されていない。従って、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0068】
[0074] 値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間にある各々の値もまた、文脈上明らかにそうでないと判断されない限り、下限の1の位の最小端数まで、具体的に開示されるものとする。記載された範囲内の任意の記載された値または記載されていない間にある値と、その記載された範囲内の任意の他の記載されたまたは間にある値との間の任意のより狭い範囲が、包含される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立してその範囲内に含まれてもよいし、または除外されてもよく、記載された範囲内の任意の明確に除外された上限または下限に従って、これらのより小さい範囲内に、上限と下限のいずれか一方が含まれる、両方とも含まれない、または両方とも含まれるような各範囲もまた、本技術の中に包含される。記載された範囲が、上限と下限の1つまたは両方を含む場合、それら含まれている上限と下限のいずれか一方または両方を除外した範囲もまた含まれる。
【0069】
[0075] 本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかにそうでないと判断されない限り、複数の参照を含む。したがって、例えば、「1つの層(a layer)」への言及は、複数の層を含み、「前駆体(the precursor)」への言及は、1つ以上の前駆体および当業者に知られているその均等物への言及を含む、等々である。
【0070】
[0076] また、本明細書および以下の特許請求の範囲で使用される場合、「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(contain)」、「含んでいる(containing)」、「含む(include)」、および「含んでいる(including)」という言葉は、記載された特徴、完全体、構成要素、または工程の存在を明示することを意図するが、1つ以上の他の特徴、完全体、構成要素、工程、動作またはグループの存在または追加を排除しない。