(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】基板処理チャンバにおける処理キットのシース及び温度制御
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240909BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
(21)【出願番号】P 2022555795
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(86)【国際出願番号】 US2021022647
(87)【国際公開番号】W WO2021188605
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-11-15
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】ディンサ, ラジンダー
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ, ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】フセイン, アンワル
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/054682(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0267218(US,A1)
【文献】国際公開第2019/088204(WO,A1)
【文献】特開2014-150104(JP,A)
【文献】特開2018-164092(JP,A)
【文献】特開2008-244274(JP,A)
【文献】特開2016-146472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバで使用するための基板支持体であって、
基板を支持するように構成された第1の
面、及び前記第1の
面の反対側の第2の
面を有するセラミックプレートであって、前記セラミックプレートに埋め込まれた電極を含む、セラミックプレートと、
前記セラミックプレートの周囲に配置され、第1の
面及び前記第1の
面と反対側の第2の
面を有するセラミックリングであって、前記セラミックリングに埋め込まれたチャック電極及び加熱素子を含
み、前記セラミックリングは上部内側ノッチを含み、前記上部内側ノッチは前記セラミックリングと前記セラミックプレートとの間にシールを提供するためのOリングを含み、第2のOリングが前記セラミックプレートより径方向外側の位置で前記セラミックリングと冷却プレートの間に配置される、セラミックリングと、
前記セラミックプレートの前記第2の
面と前記セラミックリングの前記第2の
面とに連結された
前記冷却プレートであって、半径方向内側部分と、半径方向外側部分と、前記半径方向内側部分と前記半径方向外側部分の間に配置された熱遮断部とを含む
前記冷却プレートと
を備える、基板支持体。
【請求項2】
前記半径方向内側部分は、前記半径方向外側部分に対して上昇している、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項3】
前記冷却プレートの前記半径方向内側部分の外径は、前記セラミックプレートの外径と実質的に等しい、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項4】
前記第1の
面から前記第2の
面までの前記セラミックリングの厚さは、前記第1の
面から前記第2の
面までの前記セラミックプレートの厚さよりも大きい、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項5】
前記熱遮断部は、前記冷却プレートの上面から前記冷却プレートの下面に向かって延びる環状チャネルを備える、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項6】
前記セラミックリングと前記冷却プレートとの間に配置された結合層を更に含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項7】
前記セラミックリング上に配置されたエッジリングを更に備える、請求項1から
5のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項8】
前記セラミックプレートを通って前記第1の
面から前記第2の
面まで延びる第1のガスチャネルを更に備える、請求項1から
5のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項9】
前記セラミックリングの前記第1の
面から前記第2の
面に延びる第2のガスチャネルを更に備える、請求項1から
5のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項10】
前記セラミックプレートに埋め込まれた加熱素子と、
前記セラミックリング上に配置されたエッジリングと
を更に備える、請求項1から
5のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項11】
前記冷却プレートは、冷却剤を循環させるように構成された前記半径方向内側部分内の第1の冷却剤チャネルと、冷却剤を循環させるように構成された前記半径方向外側部分内の第2の冷却剤チャネルとを含み、前記第1の冷却剤チャネルは、前記第2の冷却剤チャネルから流体的に独立している、請求項
10に記載の基板支持体。
【請求項12】
前記セラミックリング及び前記エッジリングの両方の周囲に配置された第2のセラミックリングを更に備える、請求項
10に記載の基板支持体。
【請求項13】
前記第2のセラミックリングを支持するための第3のセラミックリングを更に備え、前記第3のセラミックリングは、前記第3のセラミックリングが上昇すると、前記第2のセラミックリング及び前記エッジリングを上昇させるように構成される、請求項
12に記載の基板支持体。
【請求項14】
前記セラミックリングの前記第1の
面又は前記エッジリングの下面のうちの少なくとも1つが、前記エッジリングと前記セラミックリングとの間の熱的結合を強化するように構成された表面輪郭を含む、請求項
10に記載の基板支持体。
【請求項15】
チャンバ本体の内部空間内に配置された請求項1から
5のいずれか一項に記載の前記基板支持体を有するチャンバ本体と、
前記セラミックプレートの温度から独立して前記セラミックリングの温度を制御するために、前記加熱素子に連結された電源と
を備える、処理チャンバ。
【請求項16】
前記セラミックリングは、前記セラミックリングの内部に埋め込まれたチャック電極を含み、前記セラミックプレートは、前記セラミックプレート内部に埋め込まれた電極を含む、請求項
15に記載の処理チャンバ。
【請求項17】
前記チャック電極は、負のパルスDC電源に連結される、請求項
16に記載の処理チャンバ。
【請求項18】
前記チャック電極は、RF電源に連結される、請求項
16に記載の処理チャンバ。
【請求項19】
前記セラミックプレートの前記電極と前記セラミックリングの前記チャック電極とに連結された整合ネットワークを更に備える、請求項
16に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
基板処理チャンバで使用するための基板支持体であって、
基板を支持するように構成された第1の面、及び前記第1の面の反対側の第2の面を有するセラミックプレートであって、前記セラミックプレートに埋め込まれた電極及び加熱素子を含み、前記第1の面から前記第2の面に延びる第1のガスチャネルを含む、セラミックプレートと、
前記セラミックプレートの周囲に配置され、第1の面及び前記第1の面と反対側の第2の面を有するセラミックリングであって、前記セラミックリングに埋め込まれたチャック電極及び加熱素子を含み、前記セラミックリングを通って延びる第2のガスチャネルを含み、前記セラミックプレートから間隔を空けて配置される、セラミックリングと、
前記セラミックリング上に配置されたエッジリングと、
前記セラミックプレートの前記第2の面と前記セラミックリングの前記第2の面とに連結された冷却プレートであって、Oリングが前記セラミックプレートより径方向外側の位置で前記セラミックリングと前記冷却プレートとの間に配置される、冷却プレートと、
を備える、基板支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、基板処理システムに関し、より具体的には、基板処理システムで使用するための処理キットに関する。
【背景技術】
【0002】
高周波(RF)電力は、エッチングプロセスで使用されることが多く、例えば、電気経路のためのインフラストラクチャを敷設するための接点又は深いトレンチを形成するために非常に高いアスペクト比の孔を必要とする。RF電力は、プラズマ生成のため、及び/又はバルクプラズマからイオンを引きつけるために処理されている基板上にバイアス電圧を生成するために使用されうる。基板を静電的に保持し、処理中の基板温度を制御するために、静電チャックが使用される。静電チャックは、通常、誘電体プレートに埋め込まれた電極と、誘電体プレートの下方に配置された冷却プレートとを含む。処理キットは、基板を案内するために、冷却プレートの上方及び誘電体プレートの周囲に配置されることが多いエッジリングを含みうる。
【0003】
しかし、長いアイドル時間の後に基板を処理チャンバ内に置くと、基板が2つの異なるRF電力で処理される際にエッジリングの温度が上昇する。エッジリングと誘電体プレートとの間の温度差は、誘電体プレート及びプロセスガスと比較して、エッジリングとプロセスガスとの間の不均一な化学反応、ひいてはプロセスドリフトを引き起こす可能性がある。
【0004】
バイアスを形成するためのRF電源が冷却プレートに適用される。本発明者らは、基板処理中のイオン衝突によりエッジリングの高さが下がるにつれて、バイアスRF電源によって作られたシース内の等電位線がエッジリングの近くで傾斜し、プロセスドリフトを引き起こすことを観察した。
【0005】
したがって、本発明者らは、改善された処理キットの実施形態を提供している。
【発明の概要】
【0006】
本明細書には、基板支持体の実施形態が提供される。いくつかの実施形態では、基板処理チャンバで使用するための基板支持体は、基板を支持するように構成された第1の面、及び第1の面の反対側の第2の面を有するセラミックプレートであって、セラミックプレートに埋め込まれた電極を含む、セラミックプレートと、セラミックプレートの周囲に配置され、第1の面及び第1の面と反対側の第2の面を有するセラミックリングであって、セラミックリングに埋め込まれたチャック電極及び加熱素子を含む、セラミックリングと、セラミックプレートの第2の面とセラミックリングの第2の面とに連結された冷却プレートであって、半径方向内側部分と、半径方向外側部分と、半径方向内側部分と半径方向外側部分の間に配置された熱遮断部とを含む冷却プレートとを備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、基板処理チャンバで使用するための基板支持体は、基板を支持するように構成された第1の面、及び第1の面の反対側の第2の面を有するセラミックプレートであって、セラミックプレートに埋め込まれた電極及び加熱素子を含む、セラミックプレートと、セラミックプレートの周囲に配置され、第1の面及び第1の面と反対側の第2の面を有するセラミックリングであって、セラミックリングに埋め込まれたチャック電極及び加熱素子を含み、セラミックプレートから間隔を空けて配置されているセラミックリングと、セラミックリング上に配置されたエッジリングと、セラミックプレートの第2の面とセラミックリングの第2の面とに連結された冷却プレートとを含む。
【0008】
いくつかの実施態様では、処理チャンバは、チャンバ本体の内部空間内に配置された基板支持体を有するチャンバ本体を含み、基板支持体は、半径方向内側部分に配置された第1の冷却剤チャネル及び半径方向外側部分に配置された第2の冷却剤チャネルを有する冷却プレートであって、第1の冷却剤チャネルは第2の冷却剤チャネルから流体的に独立している、冷却プレートと、冷却プレート上方に配置されたセラミックプレート及びセラミックプレートの底面から上面まで延びるガスチャネルと、冷却プレートに連結され、間に間隙を有してセラミックプレートの周囲に配置されたセラミックリングであって、加熱素子、及びセラミックリングの底面から上面まで延びる第2のガスチャネルとを有するセラミックリングと、セラミックプレートの温度から独立してセラミックリングの温度を制御するために加熱素子に連結された電源とを含む。
【0009】
本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が、以下に説明される。
【0010】
上記で簡潔に要約し、下記でより詳細に述べる本開示の実施形態は、添付面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解可能である。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容しうることから、添付図面は、この開示の典型的な実施形態のみを例示しているのであり、従って、範囲を限定していると見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、基板支持体を有する処理チャンバの概略側面図を示す。
【
図2】本開示の少なくともいくつかの実施形態による基板支持体の概略部分側面図を示す。
【
図3】本開示の少なくともいくつかの実施形態による基板支持体の概略部分側面図を示す。
【
図4】本開示の少なくともいくつかの実施形態による基板支持体の簡略化された概略部分側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図面は縮尺どおりには描かれておらず、明確にするために簡略化されることがある。1つの実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうる。
【0013】
本明細書では、基板処理チャンバで使用するための基板支持体及び処理キットの実施形態が提供される。基板支持体は、基板を支持するための支持面を有するセラミックプレートを含む。基板支持体は、セラミックプレートの周囲に配置されたセラミックリングを有する処理キットを含む。処理キットは、基板を案内するためにセラミックリング上に配置されたエッジリングを更に含む。セラミックリング及びセラミックプレートは、有利には、独立した温度制御を提供するために、互いに断熱される。
【0014】
図1は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、基板支持体を有する処理チャンバ(例えば、プラズマ処理チャンバ)の概略側面図を示している。いくつかの実施形態では、プラズマ処理チャンバは、エッチング処理チャンバである。しかしながら、異なるプロセスのために構成された他のタイプの処理チャンバもまた、本明細書に記載される静電チャックの実施形態と共に使用することができ、又はその静電チャックの実施形態と共に使用するために修正することができる。
【0015】
チャンバ100は、基板処理中にチャンバ内部空間(chamber interior volume)120内の大気圧未満の圧力を維持するように適切に適合された真空チャンバである。チャンバ100は、チャンバ内部空間120の上半分に位置する処理空間(processing volume)119を囲むリッド104によって覆われたチャンバ本体106を含む。チャンバ100はまた、様々なチャンバ部品とイオン化されたプロセス材料との間の不要な反応を防止するために、そのようなチャンバ部品を取り囲む1つ又は複数のシールド105を含みうる。チャンバ本体106及びリッド104は、アルミニウムなどの金属から作製されうる。チャンバ本体106は、接地115への連結を介して接地されうる。
【0016】
基板支持体124は、チャンバ内部空間120内に配置され、例えば、半導体ウエハなどの基板122、又は静電的に保持されうる他のそのような基板を支持及び保持する。基板支持体124は、一般に、静電チャック150(
図2~3に関してより詳細に後述する)と、静電チャック150を支持するための中空支持シャフト112とを備えうる。静電チャック150は、内部に配置された1つ又は複数の電極154を有するセラミックプレート152と、冷却プレート136とを備える。中空支持シャフト112は、例えば、裏側ガス、プロセスガス、流体、冷却剤、電力等を静電チャック150に供給するための導管を提供する。基板支持体124は、セラミックプレート152の周囲に配置されたセラミックリング187(
図2~3に関して以下でより詳細に説明する)を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、中空支持シャフト112は、アクチュエータ又はモータなどのリフト機構113に連結され、リフト機構113は、上部処理位置(
図1に示す)と下部移送位置(
図1に示されず)との間で静電チャック150の垂直移動を提供する。ベローズアセンブリ110は、中空支持シャフト112の周囲に配置され、静電チャック150とチャンバ100の底面126との間に連結されて、チャンバ100内からの真空の損失を防止しながら、静電チャック150の垂直運動を可能にするフレキシブルシールを提供する。ベローズアセンブリ110はまた、チャンバ真空の損失を防止するのを助けるために、底面126に接触するOリング165又は他の適当なシール要素と接触する下部ベローズフランジ164を含む。
【0018】
中空支持シャフト112は、裏側ガス供給141、チャック電源140、及びRF源(例えば、RFプラズマ出力源170及びバイアス電源117)を静電チャック150に連結するための導管を提供する。いくつかの実施形態では、バイアス電源117は、1つ又は複数のRFバイアス電源を含む。いくつかの実施形態では、RFプラズマ出力源170によって供給されるRFエネルギーは、約40MHz以上の周波数を有しうる。裏側ガス供給141は、チャンバ本体106の外側に配置され、熱伝達ガスを静電チャック150に供給する。いくつかの実施形態では、RFプラズマ出力源170及びバイアス電源117は、それぞれのRF整合ネットワーク(図示のRF整合ネットワーク116のみ)を介して静電チャック150に連結される。いくつかの実施形態では、基板支持体124は、代替的には、AC、DC、又はRFバイアス電力を含みうる。
【0019】
基板リフト130は、基板122が静電チャック150上に載置され又はその静電チャック150から取り外されうるように、基板リフト130を上昇及び下降させるための第2のリフト機構132に連結されるシャフト111に接続されたプラットフォーム108上に装着されるリフトピン109を含むことができる。静電チャック150は、リフトピン109を受容するための貫通孔を含みうる。いくつかの実施形態では、セラミックリング187は、リフトピン109を受容するための貫通孔を含みうる。ベローズアセンブリ131は、基板リフト130と底面126との間に連結され、基板リフト130の垂直運動中にチャンバ真空を維持するフレキシブルシールを提供する。
【0020】
いくつかの実施形態では、静電チャック150は、静電チャック150の下面(例えば、冷却プレート136の底面)から静電チャック150の上面の種々の開口部まで延びるガス供給チャネル138を含む。ガス供給チャネル138は、窒素(N)又はヘリウム(He)などの裏側ガスを静電チャック150の上面に提供して熱伝達媒体として作用するように構成される。ガス供給チャネル138は、使用中に静電チャック150の温度及び/又は温度プロファイルを制御するために、ガス導管142を介して裏側ガス供給141と流体連結している。
【0021】
チャンバ100は、チャンバ100を排気するために使用されるスロットバルブ(図示せず)及び真空ポンプ(図示せず)を含む真空システム114に連結され、流体連結している。チャンバ100内の圧力は、スロットバルブ及び/又は真空ポンプを調整することによって調節されうる。チャンバ100はまた、内部に配置された基板を処理するために1つ又は複数のプロセスガスをチャンバ100に供給しうるプロセスガス供給源118に結合され、流体連結している。
【0022】
動作中、例えば、1つ又は複数のプロセスを実行するために、チャンバ内部空間120内にプラズマ102が生成されうる。プラズマ102は、プロセスガスを点火しプラズマ102を発生させるために、プラズマ出力源(例えば、RFプラズマ出力源170)からの電力を、チャンバ内部空間120の近く又は内部の1つ又は複数の電極を介してプロセスガスに結合することによって生成されうる。プラズマから基板122に向かってイオンを引き付けるために、バイアス電源(例えば、バイアス電源117)から静電チャック150内の1つ又は複数の電極154にバイアス電力が供給されうる。
【0023】
図2は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による基板支持体の概略部分側面図を示す。セラミックプレート152は、基板122を支持するように構成された第1の
面216と、第1の
面216の反対側の第2の
面224とを含む。セラミックプレート152は、その内部に埋め込まれた1つ又は複数の電極154を含む。1つ又は複数の電極154は、単極又は双極でありうる。いくつかの実施形態では、セラミックプレート152は、クーロンチャックを提供する。いくつかの実施形態では、セラミックプレート152は、ジョンセン・ラーベック(Johnsen-Rahbek)チャックを提供する。いくつかの実施態様では、1つ又は複数の電極154は、上部電極、下部電極、並びに上部電極及び下部電極に電気的に連結された複数のポストを含む。いくつかの実施形態では、セラミックプレート152は、セラミックプレート152の温度を制御するために、その内部に埋め込まれた1つ又は複数の加熱素子246を含む。いくつかの実施態様では、セラミックプレート152は、窒化アルミニウム(AlN)又は酸化アルミニウム(Al
2O
3)から作られる。
【0024】
セラミックリング187が、間に間隙を有して、セラミックプレート152の周囲に配置される。セラミックリング187は、第1の面244と、第1の面244の反対側の第2の面226とを含む。いくつかの実施形態では、第1の面244は上側である。いくつかの実施形態では、セラミックリング187は、その内部に埋め込まれた1つ又は複数のチャック電極228を含む。1つ又は複数のチャック電極228は、単極又は双極でありうる。いくつかの実施形態では、セラミックリング187は、クーロンチャックを提供する。いくつかの実施形態では、セラミックリング187は、ジョンセン・ラーベックチャックを提供する。エッジリング210は、セラミックリング187上に配置される。いくつかの実施態様では、エッジリング210は、シリコン(Si)から作られる。いくつかの実施形態では、セラミックリング187の第1の面244又はエッジリング210の下面のうちの少なくとも1つは、これらの間の熱的結合を強化するために研磨される。いくつかの実施態様において、セラミックリング187の第1の面244又はエッジリング210の下面の少なくとも1つは、裏側ガス供給141からの裏側ガスの流れを(例えば、後述する第2のガスチャネル256を介して)拡散させることによって、これらの間の熱的結合を強化するために、例えば、ピーク、谷、チャネル等の表面輪郭(surface contouring)を含む。いくつかの実施態様では、熱ガスケット284をエッジリング210とセラミックリング187との間に配置して、これらの間の熱的結合を強化しうる。1つ又は複数のチャック電極228は、エッジリング210を保持するためにチャック電源254に連結される。いくつかの実施形態では、エッジリング210の外径は、セラミックリング187の外径と類似である。いくつかの実施形態では、エッジリング210の外径は、セラミックリング187の外径よりも大きい。エッジリング210は、エッジリング210の最上面と第2の上面214との間に配置された角度付き内面212を含む。いくつかの実施態様では、セラミックリング187は、窒化アルミニウム(AlN)又は酸化アルミニウム(Al2O3)から作られる。
【0025】
いくつかの実施形態では、バイアス電源117は、基板122及びエッジリング210上に同じバイアス電圧を生成するために、冷却プレート136に電気的に連結される。動作中、冷却プレート136上に適用されるバイアス電源117は、基板122とプラズマ102との間にシース(sheath)を生成する。その結果、プラズマ102からのイオンは、バイアスされる基板122に引き付けられ、イオンは、シース内の等電位線に直角なシースを通して加速する。エッジリング210が処理のために経時的に浸食すると、基板122のエッジに近接してシースの形状が曲がり、基板122の不均一な処理につながる。
【0026】
基板122への最小の衝撃及び直接電圧制御のために、1つ又は複数のチャック電極228は、負のパルスDC電源258に連結される。負のパルスDC電源258は、シースの曲がりを修正し、基板122にわたる実質的に平坦なシースプロファイルを維持するための電力プロファイルを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のチャック電極228は、エッジリング210の底部から0.3mm未満に配置され、エッジリング210への負のパルスDC電力の効率的な連結を提供する。いくつかの実施形態では、セラミックプレート152の1つ又は複数の電極154は、負のパルスDC電源266に連結される。負のパルスDC電源266は、シースの曲がりを補正し、負のパルスDC電源258から独立して基板122にわたった実質的に平坦なシースプロファイルを維持するための電力プロファイルを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、RF電源264は、1つ又は複数のチャック電極228に連結され、更なるシース制御のために、バイアス電源117から独立してRFバイアス電力をセラミックリング187に供給する。
【0027】
セラミックリング187は、セラミックリング187に埋め込まれた加熱素子219を含む。加熱素子219は、電源268(例えば、AC電源)に連結されて、加熱素子219を加熱する。いくつかの実施形態では、温度プローブは、電源268により加熱素子219に印加される電力を制御することによって、セラミックリング187の温度をモニタし制御するために、セラミックリング187内に埋め込まれるか、又は別の方法でセラミックリング187に連結される。いくつかの実施形態では、チャック電極228は、第1の面244と加熱素子219との間に配置される。いくつかの実施形態では、セラミックプレート152を加熱するために、加熱素子246がセラミックプレート152に埋め込まれる。加熱素子246は、電源268又は別の電源に連結されてもよい。セラミックリング187は、アーク放電を防止するためにセラミックプレート152から間隔を空けて配置される。
【0028】
いくつかの実施形態では、半径方向内側部分208の外径は、セラミックプレート152の外径と実質的に等しい。いくつかの実施形態では、第1の面から第2の面へのセラミックリング187の厚さは、有利には、別個のRF電力がチャック電極228に印加されるときに、基板上のシースの全体的な衝撃を低減するために、第1の面から第2の面までのセラミックプレート152の厚さよりも大きい。いくつかの実施形態では、半径方向内側部分208は、半径方向外側部分218に対して上昇して、より厚いセラミックリング187に空間を提供するか、又はエッジリング210に空間を提供する。
【0029】
セラミックリング187及びセラミックプレート152は、セラミックリング187及びセラミックプレート152の温度を制御するために、冷却プレート136に連結される。いくつかの実施態様において、冷却プレート136は、導電性材料、例えばアルミニウム(Al)から作られる。冷却プレート136は、セラミックプレート152の第2の面224とセラミックリング187の第2の面226とに連結される。いくつかの実施形態では、冷却プレート136は絶縁体プレート286上に載置される。いくつかの実施形態では、絶縁体プレート286は、酸化アルミニウム(Al2O3)又はポリフェニレンサルファイド(PPS)から作られる。
【0030】
冷却プレート136は、半径方向内側部分208と半径方向外側部分218とを含む。半径方向内側部分208と半径方向外側部分218との間に、熱遮断部(thermal break)275が配置され、冷却プレート136の二重加熱ゾーン(dual heating zone)を提供する。いくつかの実施形態では、熱遮断部275は、冷却プレート136の上面から冷却プレート136の上面と冷却プレート136の下面との間の位置まで延びる環状チャネルを備える。半径方向内側部分208は、第1の冷却剤チャネル242を含む。第1の冷却剤チャネル242は、セラミックプレート152を冷却するために第1の温度を有する冷却剤を流すように構成される。半径方向外側部分218は、セラミックリング187を冷却するために第2の温度を有する冷却剤を循環させるように構成された半径方向外側部分218内の第2の冷却剤チャネル252を含む。いくつかの実施形態では、第1の温度は、第2の温度未満である。いくつかの実施態様では、第1の冷却液チャネル242は、第2の冷却液チャネル252から流体的に独立している。いくつかの実施態様では、熱遮断部275は、半径方向内側部分208と半径方向外側部分218との間の熱的結合解除を増大させるために、冷却プレート136の上面から第1の冷却剤チャネル242及び第2の冷却剤チャネル252を越える位置まで延びる。
【0031】
第1の冷却剤チャネル242及び第2の冷却剤チャネル252は、冷却剤を再循環させるように構成された冷却器272に連結される。いくつかの実施態様では、セラミックリング187は、間の熱的結合を防止するために、冷却プレート136の半径方向内側部分208から間隔を空けて配置される。いくつかの実施態様では、セラミックプレート152は、間の熱的結合を防止するために、冷却プレート136の半径方向外側部分218から間隔を空けて配置される。
【0032】
いくつかの実施態様では、結合層230は、セラミックプレート152と冷却プレート136の半径方向内側部分208との間に配置される。ボンディング層230は、半径方向内側部分208とセラミックプレート152との間の改善された熱的結合を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、結合層230はシリコーンを含む。いくつかの実施形態では、結合層230は、約0.1mm~約0.4mmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、結合層230は、約0.2W/mK~約1.2W/mkの熱伝導率を有する。いくつかの実施形態では、結合層262が、セラミックリング187と半径方向外側部分218との間に配置される。いくつかの実施形態では、結合層262は、結合層230に類似する。
【0033】
いくつかの実施形態では、セラミックプレート152とセラミックリング187との間にOリング250が配置され、裏側ガスのシールを提供し、結合層262及び結合層230の浸食からプラズマ102に対するシールを提供する。いくつかの実施形態では、Oリング250は、セラミックリング187の上部内側ノッチ内に配置される。いくつかの実施形態では、セラミックリング187と冷却プレート136との間にOリング260が配置され、裏側ガスのシールを提供し、結合層262の侵食からプラズマ102に対するシールを提供する。いくつかの実施形態では、Oリング260は、セラミックリング187の下外側ノッチ又は冷却プレート136の上外側ノッチのうちの少なくとも1つに配置される。
【0034】
いくつかの実施態様では、
図2に示されるように、ガス供給チャネル138は、半径方向外側部分218の底部から、絶縁体プレート286、冷却プレート136の半径方向内側部分208、及びセラミックプレート152を介して、セラミックプレート152の第1の
面216、又は上面に延びる第1のガスチャネル238を含む。いくつかの実施態様において、ガス供給チャネル138は、絶縁体プレート286を通り、冷却プレート136の半径方向外側部分218を通り、セラミックリング187を通って、セラミックリング187の第1の
面244まで延びる、第2のガスチャネル256を含む。第1のガスチャネル238及び第2のガスチャネル256は、セラミックプレート152及びセラミックリング187の上面にそれぞれ窒素(N)又はヘリウム(He)等の裏側ガスを供給して伝熱媒体として作用するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のガスチャネル238及び第2のガスチャネル256は、基板122及びエッジリング210に独立した温度制御を提供するために、基板支持体124内で流体的に独立している。
【0035】
図3は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による基板支持体の概略部分側面図を示す。いくつかの実施形態では、バイアス電源117は、オプションで、導管312を介してセラミックプレート152の1つ又は複数の電極154に電気的に連結され、1つ又は複数の電極154にRF電力を供給する。いくつかの実施形態では、バイアス電源117は、第1のRF源310と第2のRF源320とを含む。いくつかの実施形態では、第1のRF源310は、第2のRF源320によって供給されるRF電力の第2の周波数とは異なる第1の周波数でRF電力を供給する。第1のRF源310及び第2のRF源320は、整合ネットワーク316に連結される。いくつかの実施形態では、整合ネットワーク316はRF整合ネットワーク116であり、いくつかの実施形態では、第1のRF源310と第2のRF源320のインピーダンスのマッチングを調整するように構成される。いくつかの実施形態では、整合ネットワーク316は、第1のRF源310及び第2のRF源320からセラミックプレート152及びセラミックリング187の各々にRF電力を分割するように構成される。コントローラ330が整合ネットワーク316に連結されて、第1のRF源310及び第2のRF源320からの電力の分配を制御する。いくつかの実施形態では、整合ネットワーク316及び/又はコントローラ330は、中央処理装置(CPU)、複数のサポート回路、及びメモリを備える。
【0036】
図4は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による基板支持体の簡略化された概略部分側面図を示す。いくつかの実施形態では、第2のセラミックリング410は、エッジリング210の周囲に配置される。いくつかの実施形態では、第2のセラミックリング410は、石英から作られる。いくつかの実施形態では、第2のセラミックリング410は、セラミックリング187及びエッジリング210の両方の周囲に配置される。いくつかの実施形態では、第2のセラミックリング410は、第3のセラミックリング420上に載置される。第3のセラミックリング420は、冷却プレート136の周囲に配置される。いくつかの実施形態では、第3のセラミックリング420は、石英から作られる。いくつかの実施形態では、セラミックリング187は、エッジリング210を上昇又は下降させるために、リフトピン109を受容するための貫通孔を含みうる。いくつかの実施形態では、
図4に示されるように、第3のセラミックリング420は、チャンバ100からの取り外しを容易にするために、第2のセラミックリング410又はエッジリング210のうちの少なくとも1つを上昇又は下降させるためのアクチュエータ430に連結される。いくつかの実施形態では、第2のセラミックリング410は、エッジリング210が載置される内側リップ406を含む。これらの実施形態では、第3のセラミックリング420は、上昇すると、第2のセラミックリング410及びエッジリング210の両方を同時に上昇させる。
【0037】
上記は、本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されうる。