(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】導電性窒化物膜の核生成のための方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20240909BHJP
C23C 16/34 20060101ALI20240909BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20240909BHJP
H01L 21/285 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/34
H01L21/28 301R
H01L21/285 C
(21)【出願番号】P 2022577109
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 US2021036963
(87)【国際公開番号】W WO2021257396
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-03-01
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リチャーズ, ギャビン
(72)【発明者】
【氏名】バウム, トーマス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ハン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリックス, ブライアン シー.
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-029618(JP,A)
【文献】特開2017-174918(JP,A)
【文献】特開2016-186969(JP,A)
【文献】特開2016-018907(JP,A)
【文献】特開2008-240158(JP,A)
【文献】特開2013-147708(JP,A)
【文献】特開2015-193878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C
H01L 21/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応ゾーン内のマイクロ電子デバイス基板の表面上での金属窒化物核生成のための前処理プロセスであって、
I.
化合物A、B、及び
Cを、複数のパルスシーケンスを含むパルス蒸着条件下で反応ゾーンに導入することであって、化合物A、B、及び
Cが、順次かつ任意の順序で前記反応ゾーンに導入さ
れ、各々に任意選択的に不活性ガスによるパージステップが続き、パルスシーケンスのサイクルを規定し、前記複数のパルスシーケンスは少なくとも3回のサイクルを含み、A、B、及びCは、
A.ケイ素含有ハロゲン化物及びケイ素含有アミドから選択される前駆体、
B.金属前駆体であって、前記金属はチタン
である、金属前駆体、かつ
C.各パルスシーケンスのサイクルごとに1回又は2回前記反応ゾーンに導入される、窒素含有還元ガス
として定義される、
化合物A、B、及び
Cを導入すること
を含む、前処理プロセス。
【請求項2】
Aは
であり、BはTiCl
4である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
反応ゾーン内のマイクロ電子デバイス基板の表面上での金属窒化物核生成のためのプロセスであって、請求項1に記載のプロセスを含み、
化合物D及びEをいずれかの順序で前記反応ゾーンに導入することを含む、パルスシーケンスの第2のサイクルを前記反応ゾーンに導入することであって、各々に任意選択的に不活性ガスをパージすることが続き、
D.金属前駆体であって、前記金属はチタン、タンタル、モリブデン、タングステン、及びニオブから選択される、金属前駆体、かつ
E.窒素含有還元ガス
である、パルスシーケンスの第2のサイクルを前記反応ゾーンに導入することと、
基板上に金属窒化物核生成を確立して
、10オングストローム
~15オングストロームの厚さを有する膜中
に1%未満の空隙領域を呈する被覆率をもたらすのに十分な反復回数にわたって、パルスシーケンスの前記第2のサイクルを繰り返すこと
をさらに含む、プロセス。
【請求項4】
ケイ素含有ハロゲン化物及びケイ素含有アミドは、
i.式
【化1】
の化合物、
ii.式
【化2】
(式中、各Rは独立して、C
1~C
4アルキルから選択される)の化合物、
iii.ヘキサクロロジシラン、
iv.四ヨウ化ケイ素、及び
v.八塩化三ケイ素
から選択される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
I.第1のパルスシーケンスの第1のサイクルを規定するために、ヘキサクロロジシラン、アンモニア、TiCl
4、及びアンモニアを、パルス蒸着条件下で反応ゾーンに順次導入することであって、前記パルス蒸着条件は、少なくとも3回の前記サイクルを含み、各々に任意選択的に不活性ガスによるパージステップが続く、ヘキサクロロジシラン、アンモニア、TiCl
4、及びアンモニアをパルス蒸着条件下で反応ゾーンに順次導入することと、その後に
II.化合物D及びEをいずれかの順序で前記反応ゾーンに導入することを含む、パルスシーケンスの第2のサイクルを前記反応ゾーンに導入することであって、各々に任意選択的に不活性ガスによるパージステップが続き、
D.チタン前駆体、かつ
E.窒素含有還元ガス
である、パルスシーケンスの第2のサイクルを前記反応ゾーンに導入することと、
基板上に金属窒化物核生成を確立して
、10オングストローム
~15オングストロームの厚さを有する膜中
に1%未満の空隙領域を呈する被覆率をもたらすのに十分な反復回数にわたって、パルスシーケンスの前記第2のサイクルを繰り返すことと
を含む、請求項3に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、マイクロ電子デバイス上に特定の薄膜を形成するための方法に関する。特に、本発明は、マイクロ電子デバイスの表面上への金属窒化膜の核形成のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製造において、窒化チタンは、その比較的低い抵抗率及びCMOS(相補型金属酸化膜半導体)プロセスとの適合性を考慮して、相当な関心を集めてきた。したがって、窒化チタンは、ライナバリアとして使用されることが多く、シリコン基板上に堆積させることができる。そのような窒化チタン層は、障壁層として使用して、障壁層の下にある領域への金属の拡散を抑制することができる。銅含有層又はタングステン含有層などの導電性金属層は、通常、窒化チタン層の上に堆積される。チタン層は、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス、及び/又は物理蒸着(PVD)プロセスによって形成することができる。例えば、CVDプロセスにおいて四塩化チタンと、アンモニアなどの還元剤とを反応させて窒化チタン層を形成することができ、CVDプロセスにおいて四塩化チタンとアンモニアとを反応させて窒化チタン層を形成することができる。その後、導電性材料をマイクロ電子デバイス基板上に堆積させることができる。例えば、米国特許第7,838,441号明細書を参照されたい。しかしながら、窒化チタン及び窒化チタンケイ素などの材料の堆積は、マイクロ電子デバイス基板上への堆積の開始における難題に悩まされており、堆積シーケンスの数に基づく膜厚の構築は、いわゆる初期の非線形成長領域において比較的不十分である。例えば、’’Growth Mechanism and Continuity of Atomic Layer Deposited TiN films on Thermal SiO2’’、A.Satta,et al.,Journal of Applied Physics,Volume 92,Number 12,pp.7641-7646(2002)を参照されたい。
【0003】
したがって、特にそのようなチタン含有材料を有する基板表面の初期形成又は核生成中に、マイクロ電子デバイス基板上にチタン含有膜を堆積するための改善された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
要約すると、本発明は、窒素含有還元ガスと共に、特定のケイ素含有ハロゲン化物、ケイ素含有アミド、及び特定の金属前駆体を利用する、特定の金属窒化物基板表面の核生成のための改善された方法を提供する。前処理ステップを利用しながら、本方法は、そのような金属窒化物膜が堆積されたマイクロ電子デバイス基板が約10Å~約15Åの厚さ及び約1%未満の空隙領域を有する、大幅に改善された核生成を示す。このような核生成が達成された後で、従来の層ごとの堆積を迅速に行うことができる。
【0005】
本開示は、添付の図面に関連する様々な例示的な実施形態の以下の説明を考慮してより完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】原子層堆積における、厚さ対窒化チタンサイクルの数のプロットである。このデータは、TAS/TiCl
4、TAS/TiCl
4/NH
3、及びHCDS/NH
3/TiCl
4/NH
3によるマイクロ電子デバイス基板の早期核生成の効果を示す。TAS/TiCl
4/NH
3、及びHCDS/NH
3/TiCl
4/NH
3前処理の場合、TiN(窒化チタン)ALDサイクル数は前処理中に10のTiNサイクルを含む。例えば、数=100の場合、10サイクルのHCDS/NH
3/TiCl
4/NH
3と、例えばTiCl
4/NH
3を使用する90サイクルの窒化チタン堆積とを意味する。「TAS」(ビス-t-アミルエチレンシリレン)は、マサチューセッツ州ビレリカのEntegris,Inc.から市販されているオルガノシリレン製品である。
【
図2】抵抗率(μΩ-cm)対窒化チタンの厚さ(オングストローム)のプロットである。TiN抵抗率を、未処理及び前処理の両方の熱SiO
2基板上でXRFによって測定したTiN膜厚の関数としてプロットした。
【
図3】前処理なしの100サイクルのTiCl
4/NH
3によるALD後の、熱SiO
2基板の表面の走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。
【
図4】10サイクルのTAS/TiCl
4によるALD、その後50サイクルのTiCl
4/NH
3によるALDに供された熱SiO
2基板の表面のSEMである。このSEMは、前処理なし(しかし2倍のサイクル数)の同様の実験と比較して、大幅に改善された表面を示し、相当に少ない空隙空間、したがってより良好な核生成を示す。
図4の空隙空間を
図3と比較すると、
図4の空隙空間は0.8%であるのに対して、
図3の空隙空間は2.7%である。(国立衛生研究所から入手可能なImageJソフトウェアを使用して計算した。)
【
図5】原子層堆積における、TiN厚さ(XRFによって測定)対TiNサイクル数のプロットである。このデータは、10×HCDS/NH
3前処理によるマイクロ電子デバイス基板の早期核生成の効果を示す。
【
図6】XRFによって測定した、粗さ(オングストローム)対窒化チタンの厚さ(オングストローム)のプロットである。粗さは、プローブと試料との間の力を測定する原子間力顕微鏡(AFM)によって測定される。白抜きの三角形の点は、未処理SiO
2上のTiNを表し、黒塗りの正方形の点は、10×HCDS/NH
3で前処理したSiO
2上のTiNを表す。このデータは、10×HCDS/NH
3で前処理されたSiO
2上のTiN膜が、特に15Å未満の厚さを有する窒化チタンについて、未処理のものよりも少なくとも25%滑らかであることを示す。
【
図7】前処理なしで70サイクルのTiCl
4/NH
3によるALD後の、熱SiO
2基板の表面のSEMである。
【
図8】10サイクルのHCDS/NH
3によるALD、その後50サイクルのTiCl
4/NH
3によるALDに供された熱SiO
2基板の表面のSEMである。このSEMは、前処理なしの同様の実験と比較して、大幅に改善された表面を示し、相当に少ない空隙空間、したがってより良好な核生成を示す。
図8の空隙空間を
図7と比較すると、
図8の空隙空間は0.2%であるのに対して、
図7の空隙空間は3.7%である。(国立衛生研究所から入手可能なImageJソフトウェアを使用して計算した。)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、様々な修正及び代替形態を受け入れることができるが、その具体例が、例として図面に示され、詳述されている。しかしながら、本開示の態様を記載された特定の例示的な実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、本開示の趣旨及び範囲内に入るすべての修正、等価物、及び代替物を網羅することを意図している。
【0008】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容上他に明確に指示されない限り、それらの複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「又は」という用語は、一般に、内容上他に明確に指示されない限り、「及び/又は」を含む意味で使用される。
【0009】
用語「約」は、一般に、列挙された値と等価である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考えられる数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に四捨五入された数字を含むことができる。
【0010】
端点を使用して表される数値範囲は、その範囲内に包含されるすべての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)。
【0011】
第1の態様では、本発明は、反応ゾーン内のマイクロ電子デバイス基板の表面上での金属窒化物核生成のための前処理プロセスであって、
I.A、B、及びCから選択される化合物を、複数のパルスシーケンスを含むパルス蒸着条件下で反応ゾーンに導入することであって、化合物A、B、及びCのうちの少なくとも2つが、順次かつ任意の順序で反応ゾーンに導入され、そのうちの1つはAであり、各々に任意選択的に不活性ガスによるパージステップが続き、パルスシーケンスのサイクルを規定し、前記複数は少なくとも3回のサイクルを含み、A、B、及びCは、
A.ケイ素含有ハロゲン化物及びケイ素含有アミドから選択される前駆体、
B.金属前駆体であって、前記金属はチタン、タンタル、モリブデン、タングステン、及びニオブから選択される、金属前駆体、かつ
C.各パルスシーケンスのサイクルごとに1回又は2回前記反応ゾーンに導入される、窒素含有還元ガス
として定義される、A、B、及びCから選択される化合物を導入すること
を含む、前処理プロセスを提供する。
【0012】
一実施形態では、この前処理ステップにおけるパルスシーケンスのサイクルは、約3~約15回繰り返される。別の実施形態では、Aはビス-t-アミルエチレンシリレンであり、BはTiCl4である。別の実施形態では、パルスシーケンスの第1のサイクルはヘキサクロロジシラン、NH3、TiCl4及びNH3である。別の実施形態では、パルスシーケンスの第1のサイクルは、(i)ヘキサクロロジシラン及びNH3、(ii)ヘキサクロロジシラン及びN2H4、(iii)ヘキサクロルジシラン及び1,1-ジメチルヒドラジン、又は(iv)ヘキサクロロジシラン及び1,2-ジメチルヒドラジンである。
【0013】
第2の態様では、本発明は、反応ゾーン内のマイクロ電子デバイス基板の表面上での金属窒化物核生成のためのプロセスであって、
II.A、B、及びCから選択される化合物を、パルスシーケンスの第1のサイクルを規定するパルス蒸着条件下で反応ゾーンに導入することであって、前記パルス蒸着条件は複数のパルスシーケンスを含み、化合物A、B、及びCのうちの少なくとも2つが、順次かつ任意の順序で反応ゾーンに導入され、そのうちの1つはAであり、各々の後に不活性ガスによるパージステップが任意選択的に続き、前記複数は少なくとも3回のサイクルを含み、A、B、及びCは、
A.ケイ素含有ハロゲン化物及びケイ素含有アミドから選択される前駆体、
B.金属前駆体であって、前記金属はチタン、タンタル、モリブデン、タングステン、及びニオブから選択される、金属前駆体、かつ
C.各パルスシーケンスのサイクルごとに1回又は2回前記反応ゾーンに導入される、窒素含有還元ガス
として定義される、導入することと、その後の
II.化合物D及びEをいずれかの順序で前記反応ゾーンに導入することを含み、各々の後に不活性ガスによるパージが任意選択的に続く、パルスシーケンスの第2のサイクルを前記反応ゾーンに導入することであって、
D.金属前駆体であって、前記金属はチタン、タンタル、モリブデン、タングステン、及びニオブから選択される、金属前駆体、かつ
E.窒素含有還元ガス
である、導入することと、
基板上に金属窒化物核生成を確立して、約10Å~約15Åの厚さを有する膜中に約1%未満の空隙領域を呈する被覆率をもたらすのに十分な反復回数にわたって、パルスシーケンスの前記第2のサイクルを繰り返すことと
を含む、プロセスを提供する。
【0014】
一実施形態では、ケイ素含有ハロゲン化物及びケイ素含有アミドは、式:
【化1】
【化2】
(式中、各Rは独立して、C
1~C
4アルキルから選択される)の化合物、
ヘキサクロロジシラン、
四ヨウ化ケイ素、及び
八塩化三ケイ素
から選択される。
【0015】
一実施形態では、基板表面は二酸化ケイ素を含む。別の実施形態では、基板表面は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、及びそれらの混合物から選択される。
【0016】
本明細書で使用される場合、「金属窒化物」という用語は、窒素と共に、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン、及びニオブから選択される金属を様々な割合で有する膜を含む。このような膜では、膜中の金属の原子百分率は、金属及び堆積方法に応じて変化する場合がある。さらに、金属窒化物含有膜は、約2%~約20%の原子百分率のケイ素からさらに構成することができる。そのような金属窒化膜は、TiCl4、TiI4、テトラキス(ジメチルアミド)チタン(TDMAT)、Ti(NCH2CH3)xCly、TaCl5、TaF5、MoCl5、WCl5、WF6、NbCl5などの、そのための公知の金属前駆体を使用して調製することができる。本明細書に記載の前駆体は、単独で、又は異なる前駆体と組み合わせて、又は異なる前駆体と順次使用することができる。例えば、一実施形態では、約1単層の膜が達成されるまで、チタン前駆体であるテトラキス(ジメチルアミド)チタンを利用することができ、その後、TiCl4などの塩素化前駆体を利用して膜をさらに構築することができる。例示的な金属窒化物前駆体については、例えば、Journal of Applied Physics 113,021301(2013)「Crystallinity of inorganic films grown by atomic layer deposition:overview and general trends」Table IV(48~50頁)を参照されたい。例としては、TiCl4、TiI4、Ti(N(CH3)2)4、Ti(N(CH3CH2)(CH3))4、TaCl5、TaClS(CH3CH2)2、TaBr5、Ta(N(CH3)2)5、Ta(N(CH3CH2)CH3)5、Ta(isopropyl-N)(N(CH3CH2)CH3)3、Ta(tブチルN)(N(CH3CH2)2)3、Ta(t-アミル-N)(N(CH3)2)3、NbCl5、WF6、W(tBu-N)2(N(CH3)2)2、W2(N(CH3)2)6などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
一実施形態では、金属前駆体は、TiCl4、TiI4、Ti(NCH2CH3)xCly(式中、x+y=4)、式Ti(NR2)4(式中、R2はC1~C4アルキルである)の化合物(例えば、テトラキス(ジメチルアミド)チタン)、三級アミルイミド-tris(ジメチルアミド)チタン、TaCl5、MoCl5、WCl5、及びNbCl5から選択される。一実施形態では、チタン前駆体は、TiCl4、TiI4、Ti(NCH2CH3)xCly(式中、x+y=4)、式Ti(NR2)4(式中、R2はC1~C4アルキルである)の化合物(例えば、テトラキス(ジメチルアミド)チタン)、三級アミルイミド-tris(ジメチルアミド)チタンから選択される。別の実施形態では、チタン前駆体はTiCl4である。
【0018】
一実施形態では、金属窒化物は、窒化チタン、窒化タンタル、窒化タングステン、及び窒化ニオブから選択される。
【0019】
一実施形態では、Aは、
ii.式
【化3】
の化合物、
iii.式
【化4】
(式中、各Rは独立して、C
1~C
4アルキルから選択される)の化合物、
iv.ヘキサクロロジシラン、
v四ヨウ化ケイ素、及び
vi.八塩化三ケイ素
から選択され、金属は、チタン及びタンタルから選択される。
【0020】
一実施形態では、前駆体化合物Aは、式
【化5】
の化合物である。
【0021】
一実施形態では、前駆体化合物Aはヘキサクロロジシランである。
【0022】
一実施形態では、前駆体化合物Aは、式
【化6】
の化合物である。
【0023】
一実施形態では、パルスシーケンスのサイクルは、約3~約15回繰り返される。
【0024】
第3の態様では、本発明は、反応ゾーン内のマイクロ電子デバイス基板の表面上での窒化チタン核生成のためのプロセスであって、
I.A、B、及びCから選択される化合物を、パルスシーケンスの第1のサイクルを規定するパルス蒸着条件下で反応ゾーンに導入することであって、前記パルス蒸着条件は複数のパルスシーケンスを含み、化合物A、B、及びCのうちの少なくとも2つが、順次かつ任意の順序で前記反応ゾーンに導入され、そのうちの1つはAであり、各々の後に不活性ガスによるパージステップが任意選択的に続き、前記複数は少なくとも3回のサイクルを含み、A、B、及びCは、
A.式
【化7】
の化合物、
B.TiCl
4、かつ
C.アンモニア
として定義される、導入することと、その後の
II.化合物D及びEをいずれかの順序で前記反応ゾーンに導入することを含む、パルスシーケンスの第2のサイクルを前記反応ゾーンに導入することであって、
D.チタン前駆体、かつ
E.窒素含有還元ガス、
である、導入することと、
基板上に窒化チタン核生成を確立して、約10Å~約15Åの厚さを有する膜中に約1%未満の空隙領域を呈する被覆率をもたらすのに十分な反復回数にわたって、パルスシーケンスの前記第2のサイクルを繰り返すことと
を含む、プロセスを提供する。
【0025】
第4の態様では、本発明は、反応ゾーン内のマイクロ電子デバイス基板の表面上での窒化チタン核形成のためのプロセスであって、
I.第1のパルスシーケンスの第1のサイクルを規定するために、ヘキサクロロジシラン、アンモニア、TiCl4、及びアンモニアを、パルス蒸着条件下で反応ゾーンに順次導入することであって、パルス蒸着条件は、少なくとも3回の前記サイクルを含み、各々に任意選択的に不活性ガスによるパージステップが続く、ヘキサクロロジシラン、アンモニア、TiCl4、及びアンモニアを導入することと、その後に
II.化合物D及びEをいずれかの順序で前記反応ゾーンに導入することを含む、パルスシーケンスの第2のサイクルを反応ゾーンに導入することであって、各々に任意選択的に不活性ガスによるパージステップが続き、
D.チタン前駆体、かつ
E.窒素含有還元ガス
である、パルスシーケンスの第2のサイクルを導入することと、
基板上に金属窒化物核生成を確立して、約10Å~約15Åの厚さを有する膜中に約1%未満の空隙領域を呈する被覆率をもたらすのに十分な反復回数にわたって、パルスシーケンスの第2のサイクルを繰り返すことと
を含む、プロセスを提供する。
【0026】
第5の態様では、本発明は、反応ゾーン内のマイクロ電子デバイス基板の表面上での金属窒化物核生成のためのプロセスであって、
I.ヘキサクロロジシラン及び還元ガスを、パルスシーケンスの第1のサイクルを規定するパルス蒸着条件下で反応ゾーンに順次導入することであって、前記パルス蒸着条件は、各々の後に不活性ガスによるパージステップが任意選択的に続く複数のパルスシーケンスを含み、前記複数は、少なくとも3つのサイクルを含む、導入することと、
II.化合物A及びBをいずれかの順序で前記反応ゾーンに導入することを含む、パルスシーケンスの第2のサイクルを前記反応ゾーンに導入することであって、
A.金属前駆体であって、前記金属はチタン、タンタル、モリブデン、タングステン、及びニオブから選択される、金属前駆体、かつ
B.窒素含有還元ガス
である、導入することと、
基板上に金属窒化物核生成を確立して、約10Å~約15Åの厚さを有する膜を提供するのに十分な反復回数にわたって、第2のパルスシーケンスの前記サイクルを繰り返すことと
を含む、プロセスを提供する。
【0027】
別の実施形態では、得られた膜は、ステップIを利用しないで形成される、対応する膜よりも少なくとも約25%小さいAFM粗さを示すことになる。
【0028】
第6の態様では、本発明は、反応ゾーン内のマイクロ電子デバイス基板の表面上での窒化チタン核形成のためのプロセスであって、
I.ヘキサクロロジシラン及び窒素含有還元ガスを、第1のパルスシーケンスの第1のサイクルを規定するパルス蒸着条件下で反応ゾーンに順次導入することであって、前記パルス蒸着条件は、各々の後に不活性ガスによるパージステップが任意選択的に続く少なくとも3回の前記サイクルを含む、導入することと、その後の
II.化合物D及びEをいずれかの順序で反応ゾーンに導入することを含む、パルスシーケンスの第2のサイクルを反応ゾーンに導入することであって、各々に任意選択的に不活性ガスをパージすることが続き、
D.金属前駆体であって、金属はチタン、タンタル、モリブデン、タングステン、及びニオブから選択される、金属前駆体、かつ
E.窒素含有還元ガス
である、パルスシーケンスの第2のサイクルを導入することと、
窒化チタン核生成を確立して、約10Å~約15Åの厚さを有する膜を提供するのに十分な反復回数にわたって、パルスシーケンスの前記第2のサイクルを繰り返すことと
を含む、プロセスを提供する。
【0029】
別の実施形態では、得られた膜は、ステップIを利用しないで形成される、対応する膜よりも少なくとも約25%小さいAFM粗さを示す。
【0030】
一実施形態において、これらの第5及び第6の態様では、窒素含有還元ガスはアンモニアである。別の実施形態では、窒素含有還元ガスは、ヒドラジン、1,1-ジメチルヒドラジン、及び1,2-ジメチルヒドラジンから選択される。
【0031】
したがって、本発明の第2、第3、第4、第5、及び第6の態様では、金属窒化物を用いた、基板表面、例えばマイクロ電子デバイス基板の核生成のための改善された方法が提供される。したがって、第7の態様では、本発明は、約10Å~約15Åの厚さ及び約1%未満の空隙領域を有する金属窒化膜がその上に堆積されたマイクロ電子デバイス基板を提供する。一実施形態では、金属窒化物は窒化チタンからなる。
【0032】
核生成、すなわち約10~15Åの厚さを有し、約1%未満の空隙領域を有する膜が達成されると、金属窒化物種のさらなる堆積は層ごとの方式で進行することができる。
【0033】
したがって、第8の態様において、本発明は、基板の表面上に金属窒化物を堆積させるためのプロセスであって、上記の態様のいずれか1つのプロセスを含み、さらに、(i)少なくとも1つの金属前駆体及び(i)少なくとも1つの窒素含有還元ガスをいずれかの順序で反応ゾーンに導入し、各々の後に不活性ガスによる任意選択のパージステップを行って、パルスシーケンスの第3のサイクルを規定することと、所望の厚さの金属窒化物膜が得られるまでパルスシーケンスの前記第3のサイクルを繰り返すこととを含むプロセスを提供する。
【0034】
特定の実施形態では、上に示される化合物A、B又はCのパルス時間(すなわち、基板への前駆体曝露の持続時間)は、約1~60秒の範囲である。パージステップが利用される場合、前記パージステップの持続時間は、利用されるツールに応じて、及び化合物A、B、及びCの実体、並びに堆積が生じる基板に応じて、約1~60、1~4秒又は1~2秒である。他の実施形態では、各化合物のパルス時間は、やはり利用されるツールに応じて、0.1~60又は20~40秒の範囲である。他の実施形態では、各化合物のパルス時間は、約5~約10秒の範囲である。
【0035】
一実施形態では、蒸着条件は、約250℃~約750℃の温度、及び約0.5~約1000Torr、又は1~30Torrの圧力を含む。別の実施形態では、蒸着条件は、利用されるツールに応じて、及び化合物A、B、及びCの実体、並びに堆積が生じる基板に応じて、約350℃~約450℃の温度を含む。
【0036】
高純度の薄い金属、例えばチタン含有膜を形成するために使用することができるプロセスは、デジタル又はパルスCVD、ALD、及びパルスプラズマプロセスなどの任意の適切な蒸着技術を含む。そのような蒸着プロセスを利用して、マイクロ電子デバイスの少なくとも一方の基板表面上にチタン含有膜を形成して、約20オングストローム~約2000オングストロームの厚さを有する膜を形成することができる。
【0037】
本発明のプロセスでは、上記化合物は、任意のパルス化レジーム、例えば、単一ウエハCVD、ALD及び/若しくはPECVD若しくはPEALDチャンバ、又は複数のウエハを含む炉内で所望のマイクロ電子デバイス基板と反応させることができる。
【0038】
代替的に、本発明のプロセスは、ALD又はALD様プロセスとして行うことができる。本明細書で使用される場合、「ALD又はALD様」という用語は、(i)各反応物A、B、及びCが、単一ウエハALD反応器、半バッチALD反応器、又はバッチ炉ALD反応器などの反応器に順次導入されるプロセス、又は(ii)各反応物が、反応器の異なるセクションに基板を移動又は回転させることによって基板又はマイクロ電子デバイス表面に露出され、各セクションが不活性ガスカーテンによって分離される、すなわち空間ALD反応器又はロールツーロールALD反応器のプロセスなどを指す。
【0039】
本明細書で使用される場合、「窒素を含む還元ガス」という用語は、ヒドラジン(N2H4)、メチルヒドラジン、t-ブチルヒドラジン、1,1-ジメチルヒドラジン、1,2-ジメチルヒドラジン、及びNH3から選択されるガスを含む。
【0040】
本明細書に開示される堆積方法は、1つ又は複数のパージガスを伴うことができる。未消費の反応物及び/又は反応副生成物をパージするために使用されるパージガスは、前駆体と反応しない不活性ガスである。例示的なパージガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム、ネオン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、Arなどのパージガスを約10~約2000sccmの範囲の流量で約0.1~1000秒間反応器に供給し、それによって反応器内に残留し得る未反応材料及び任意の副生成物をパージする。同様に、そのような不活性ガスは、上記の様々な前駆体A、B、及びCのキャリアガスとして使用することができる。濃度及び流量は、利用される特定のツールに応じて変化する場合がある。
【0041】
反応を誘導し、マイクロ電子デバイス基板上に金属窒化物含有膜を形成するために、前駆体化合物及び還元ガス、又はそれらの組み合わせにエネルギーが印加される。そのようなエネルギーは、これらに限定されないが、熱、パルス熱、プラズマ、パルスプラズマ、ヘリコンプラズマ、高密度プラズマ、誘導結合プラズマ、光子、リモートプラズマ法、及びそれらの組み合わせによって提供することができ、プラズマエネルギーの場合、そのようなレジームは、上記のように前駆体Cに利用することができる。特定の実施形態では、二次RF周波数源を使用して、基板表面のプラズマ特性を変更することができる。堆積がプラズマを伴う実施形態では、プラズマ生成プロセスは、プラズマが反応器内で直接生成される直接プラズマ生成プロセス、又は代替的に、プラズマが反応ゾーン及び基板の「遠隔」で生成され、反応器内に供給される遠隔プラズマ生成プロセスを含むことができる。蒸着方法の他の例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,526,701号に記載されている。
【0042】
本明細書で使用される場合、「マイクロ電子デバイス」は、マイクロ電子機器、集積回路、又はコンピュータチップ用途で使用するために製造された、3D NAND構造、フラットパネルディスプレイ、及び微小電気機械システム(MEMS)を含む半導体基板に対応する。「マイクロ電子デバイス」という用語は、決して限定することを意味するものではなく、負チャネル金属酸化膜半導体(nMOS)及び/又は正チャネル金属酸化膜半導体(pMOS)トランジスタを含み、最終的にマイクロ電子デバイス又はマイクロ電子アセンブリになる任意の基板を含むことを理解されたい。そのようなマイクロ電子デバイスは、例えば、ケイ素、SiO2、Si3N4、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、OSG、FSG、炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、窒化ケイ素、水素化窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、水素化炭窒化ケイ素、窒化ホウ素、反射防止コーティング、フォトレジスト、ゲルマニウム、ゲルマニウム含有、ホウ素含有、Ga/As、可撓性基板、多孔質無機材料、銅及びアルミニウムなどの金属、並びに、これらに限定されないが、TiN、Ti(C)N、TaN、Ta(C)N、Ta、W、又はWNなどの拡散障壁層から選択することができる少なくとも1つの基板を含む。膜は、例えば、化学機械平坦化(CMP)及び異方性エッチングプロセスなどの様々な後続の処理ステップに適合する。
【実施例】
【0043】
この実施例では、未処理及び前処理された熱SiO2表面の両方にTiNを堆積させた。
【0044】
TiN膜は、第1の前駆体として四塩化チタン(TiCl4)を使用し、第2の前駆体としてアンモニア(NH3)を使用するALDプロセスにより堆積された。各堆積サイクルは、350℃の温度及び3Torrの反応チャンバ圧力で基板を用いて行われた。各堆積サイクルは、0.2秒間のTiCl4蒸気引き込み、20秒間の不活性アルゴンパージ、0.5秒間のNH3パルス、及び20秒間の不活性アルゴンパージを含んだ。
【0045】
第1の前処理層は、第1の前駆体としてTASを使用し、第2の前駆体としてTiCl4を使用するALDプロセスによって堆積された。各堆積サイクルは、350℃の温度及び3Torrの反応チャンバ圧力で基板を用いて行われた。各堆積サイクルは、1.0秒間のTAS蒸気パルス、20秒間の不活性アルゴンパージ、0.2秒間のTiCl4蒸気引き込み、及び20秒間の不活性アルゴンパージを含んだ。合計10サイクルを行った後、TiN処理を行った。
【0046】
第2の前処理層は、第1の前駆体としてTASを使用し、第2の前駆体としてTiCl4を使用し、第3の前駆体としてNH3を使用するALDプロセスによって堆積された。各堆積サイクルは、350℃の温度及び3Torrの反応チャンバ圧力で基板を用いて行われた。各堆積サイクルは、1.0秒間のTAS蒸気パルス、20秒間の不活性アルゴンパージ、0.2秒間のTiCl4蒸気引き込み、20秒間の不活性アルゴンパージ、0.5秒間のNH3パルス、及び20秒間の不活性アルゴンパージを含んだ。合計10サイクルを行った後、TiN処理を行った。
【0047】
第3の前処理層は、第1の前駆体としてHCDSを使用し、第2の前駆体としてTiCl4を使用し、第3の前駆体としてNH3を使用するALDプロセスによって堆積された。各堆積サイクルは、350℃の温度及び3Torrの反応チャンバ圧力で基板を用いて行われた。各堆積サイクルは、1.0秒間のHCDS又はパルス、20秒間の不活性アルゴンパージ、0.5秒間のNH3パルス、及び20秒間の不活性アルゴンパージ、0.2秒間のTiCl4蒸気引き込み、20秒間の不活性アルゴンパージ、0.5秒間のNH3パルス、及び20秒間の不活性アルゴンパージを含んだ。合計10サイクルを行った後、TiN処理を行った。
【0048】
説明:すべての堆積及び前処理は、熱SiO
2基板上で処理された。各堆積サイクルは、350℃の温度及び3Torrの反応チャンバ圧力で基板を用いて行われた。TiN膜を熱SiO
2上に直接堆積させた場合、10サイクルでは2.2Ti原子/nm
2しか得られなかったが、比較すると、TAS-TiCl
4-NH
3及びHCDS-NH
3-TiCl
4-NH
3の両方の前処理方法は、同じサイクル数で堆積したTiの量を増加させることができ、TiN ALDの前に前処理を行うことによる正の効果を実証する。
【表1】
【0049】
この実施例では、未処理及び前処理された熱SiO2表面の両方にTiNを堆積させた。
【0050】
この前処理層は、第1の前駆体としてHCDSを使用し、第2の前駆体としてNH
3を使用するALDプロセスによって堆積された。各堆積サイクルは、350℃の温度及び3Torrの反応チャンバ圧力で基板を用いて行われた。各堆積サイクルは、30秒間のHCDS又はパルス、20秒間の不活性アルゴンパージ、2秒間のNH
3パルス、及び20秒間の不活性アルゴンパージを含んだ。合計10サイクルを行った後、TiN処理を行った。
【表2】
【0051】
本発明の他の態様:
別の態様(I)では、本発明は、反応ゾーン内のマイクロ電子デバイス基板の表面上での金属窒化物核生成のためのプロセスであって、
I.ヘキサクロロジシラン及び還元ガスを、パルスシーケンスの第1のサイクルを規定するパルス蒸着条件下で反応ゾーンに順次導入するステップであって、前記パルス蒸着条件は、各々の後に不活性ガスによるパージステップが任意選択的に続く複数のパルスシーケンスを含み、前記複数は、少なくとも3つのサイクルを含む、導入するステップと、
II.化合物A及びBをいずれかの順序で前記反応ゾーンに導入することを含む、パルスシーケンスの第2のサイクルを前記反応ゾーンに導入するステップであって、
A.金属前駆体であって、前記金属はチタン、タンタル、モリブデン、タングステン、及びニオブから選択される、金属前駆体、かつ
B.窒素含有還元ガス
である、導入するステップと、
基板上に金属窒化物核生成を確立して、約10Å~約15Åの厚さを有する膜を提供するのに十分な反復回数にわたって、第2のパルスシーケンスの前記サイクルを繰り返すステップと
を含む、プロセスを提供する。
【0052】
別の態様(II)では、本発明は、窒素含有還元ガスがN2H4である、態様(I)のプロセスを提供する。
【0053】
別の態様(III)では、本発明は、反応ゾーン内のマイクロ電子デバイス基板の表面上での窒化チタン核形成のためのプロセスであって、
I.ヘキサクロロジシラン及び窒素含有還元ガスを、第1のパルスシーケンスの第1のサイクルを規定するパルス蒸着条件下で反応ゾーンに順次導入することであって、前記パルス蒸着条件は、各々の後に不活性ガスによるパージステップが任意選択的に続く少なくとも3回の前記サイクルを含む、導入することと、その後の
II.化合物D及びEをいずれかの順序で前記反応ゾーンに導入することを含み、各々の後に不活性ガスによるパージステップが任意選択的に続く、パルスシーケンスの第2のサイクルを前記反応ゾーンに導入することであって、
D.チタン前駆体、かつ
E.窒素含有還元ガス
である、導入することと、
窒化チタン核生成を確立して、約10Å~約15Åの厚さを有する膜を提供するのに十分な反復回数にわたって、パルスシーケンスの前記第2のサイクルを繰り返すことと
を含む、プロセスを提供する。
【0054】
別の態様(IV)において、本発明は、基板の表面上に金属窒化物を堆積させるためのプロセスであって、以下の請求項6に記載のプロセスを含み、さらに、(i)少なくとも1つの金属前駆体及び(i)少なくとも1つの窒素含有還元ガスをいずれかの順序で反応ゾーンに導入し、各々の後に不活性ガスによる任意選択のパージステップを行って、パルスシーケンスの第3のサイクルを規定することと、所望の厚さの金属窒化物膜が得られるまでパルスシーケンスの前記第3のサイクルを繰り返すこととを含むプロセスを提供する。
【0055】
このように本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲内でさらに他の実施形態を作成及び使用することができることを容易に理解するであろう。本文書が包含する本開示の多くの利点は、前述の説明に記載されている。しかしながら、本開示は、多くの点で例示にすぎないことが理解されよう。本開示の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。