(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物及び粘着シート
(51)【国際特許分類】
C09J 175/04 20060101AFI20240910BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20240910BHJP
C09J 7/21 20180101ALI20240910BHJP
C09J 7/22 20180101ALI20240910BHJP
C09J 175/06 20060101ALI20240910BHJP
C09J 175/08 20060101ALI20240910BHJP
C09J 175/14 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
C09J175/04
C09J7/38
C09J7/21
C09J7/22
C09J175/06
C09J175/08
C09J175/14
(21)【出願番号】P 2019189238
(22)【出願日】2019-10-16
【審査請求日】2022-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】坂本 圭市
(72)【発明者】
【氏名】亀井 淳一
【審査官】岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-330453(JP,A)
【文献】特開平01-121381(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101935385(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1分子当り2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールから選ばれる少なくとも一種以上のポリオール(b)、及び水酸基含有(メタ)アクリレート(c)、ブチルアルコール
である脂肪族アルコール(d)を、イソシアネート化合物(a)の持つイソシアネート基と、ポリオール(b)、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)、脂肪族アルコール(d)の持つ水酸基の総和が等しくなるよう、且つ水酸基含有(メタ)アクリレート(c)と脂肪族アルコール(d)のmol比率が1/9~2/8となるよう反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート樹脂を構成成分とする活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物。
【請求項2】
前記ポリオール(b)が、分子量1000~3000であることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物。
【請求項3】
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(c)が2-ヒドロキシエチルアクリレートであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物を紙又はフィルム基材に塗工してなる粘着シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線で硬化成膜する粘着剤用樹脂組成物及び粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線硬化技術は、省エネルギー、省スペース、短時間硬化等の利点を有し、近年その利用範囲が拡大している。中でも重合性モノマーを配合した無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が注目されている。無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の構成は、重合性オリゴマー、重合性モノマー、重合開始剤(電子線硬化の場合は不要)、その他添加剤等からなる。
【0003】
重合性オリゴマーとしては不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が用いられ、それらの中で特に木工塗装においては速硬化性であり、樹脂設計の自由度が大きいことからウレタン(メタ)アクリレート樹脂が多く使用されている。例えばウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含有する硬化性樹脂組成物は特許文献1、特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-281935号公報
【文献】特開2001-2744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまで熱硬化、二液硬化が主流であった粘接着剤において、上記省エネルギー化や工程短縮を目的に活性エネルギー線硬化性の検討が盛んに行われている。
しかしながら、官能基同士が1対1で直線状に成長反応するウレタン等と違い、ラジカル重合系の活性エネルギー線硬化性樹脂はアクリロイル基による三次元架橋で成膜するため、塗膜が硬くなりやすく、粘接着剤に必要な外部応力を緩和するための柔軟性において不利である。樹脂を高分子量化してアクリロイル基の濃度を低下させれば解決するが、一方で高分子量化に伴い高粘度化し、ハンドリング性の悪化が避けられない。
本発明の目的は、比較的低分子量で良好な粘着性を得られる活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記手法について鋭意検討した結果、一般的なポリオール系ウレタンアクリレートの構成材料となる水酸基含有アクリレートをアルコールに取り替えることで、比較的低分子の組成物でも十分な粘着力を発現できることを見出した。
本発明は、[1]1分子当り2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールから選ばれる少なくとも一種以上のポリオール(b)、及び水酸基含有(メタ)アクリレート(c)、炭素数4~12の脂肪族アルコール(d)を、イソシアネート化合物(a)の持つイソシアネート基と、ポリオール(b)、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)、脂肪族アルコール(d)の持つ水酸基の総和が等しくなるよう、且つ水酸基含有(メタ)アクリレート(c)と脂肪族アルコール(d)のmol比率が1/9~2/8となるよう反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート樹脂を構成成分とする活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、[2]前記ポリオール(b)が、分子量1000~3000であることを特徴とする[1]に記載の活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[3]前記水酸基含有(メタ)アクリレート(c)が2-ヒドロキシエチルアクリレートであることを特徴とする[1]又は、[2]に記載の活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[4]上記[1]~[3]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物を紙又はフィルム基材に塗工してなる粘着シートに関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、比較的低分子量で糊残りの無い良好な粘着性を持つ活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、イソシアネート化合物(a)、ポリオール(b)、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)、脂肪族アルコール(d)の代表的な化合物を挙げる。
本発明において、ポリイソシアネート化合物(a)はトリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物等を用いることができる。
【0010】
さらには、上記の各種ジイソシアネート化合物と水とを反応させて得られるビウレット型ポリイソシアネート化合物、又は上記の各種ジイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等の多価アルコールとを反応させて得られるアダクト型ポリイソシアネート化合物、又は上記の各種ジイソシアネート化合物をイソシアヌレート化せしめて得られる多量体等を用いることができる。
【0011】
本発明において、(b)成分のポリエステルポリオールは多価カルボン酸と多価アルコールをエステル化反応させて得られるものである。
多価カルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、ダイマー酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等公知慣用のものが挙げられる。
【0012】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等公知慣用のものが挙げられる。
【0013】
本発明において(b)成分のポリカプロラクトンポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等公知慣用の多価アルコールのε-カプロラクトン付加物等が挙げられる。
【0014】
本発明において(b)成分のポリエーテルポリオールは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランをカチオン重合して得られる公知慣用のものが挙げられる。
【0015】
本発明において(b)成分のポリカーボネートポリオールは、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のグリコールとジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジフェニルカーボネート、ホスゲン等との反応等により得られる公知慣用のものが挙げられる。
【0016】
本発明においてポリオール(b)の分子量は1000~4000の範囲内であることが好ましい。これより小さいと良好な粘着性が得られず、大きいと高粘度化し、ハンドリング性が著しく悪化する。
【0017】
本発明において(c)成分の水酸基含有(メタ)アクリレートは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等公知慣用のものが挙げられる。なお、ここで(メタ)アクリレートとはアクリレート及び/又はメタクリレートのことを指す。
【0018】
炭素数4~12の脂肪族アルコールとしては、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、又はその異性体等公知慣用のものが挙げられる。市販品を使用することができ、例えば、直鎖状の飽和脂肪族アルコールとしては、コノール10WS、コノール1098、コノール1275、(新日本理化株式会社製、商品名)、カルコール0898、カルコール0880、カルコール1098、カルコール2098(花王株式会社製、商品名)などが挙げられる。
【0019】
本発明に使用する脂肪族アルコールは炭素数4~12が好ましい。炭素数が4未満だと高粘度となり、12より大きくなると材料の持つ結晶性のために粘着力が損なわれる。
【0020】
本発明において水酸基含有(メタ)アクリレート(c)と脂肪族アルコール(d)とのmol比率は1/9~2/8の範囲内が好ましい。脂肪族アルコール(d)の比率がこれより大きいと、被着対象に糊残りが発生するようになり、逆に小さいと硬化成膜後の塗膜が硬くなり過ぎて良好な粘着性を発現しない。
【0021】
本発明においてイソシアネート化合物(a)の持つイソシアネート基と、ポリオール(b)、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)、脂肪族アルコール(d)の持つ水酸基の総和が等しくなるよう調整するのが好ましい。イソシアネート化合物(a)が多くなりすぎると、残存したイソシアネート基が水分と反応して尿素結合を形成し、高粘度化、白濁化の要因となり、逆に少ないと脂肪族アルコールが未反応のまま残存し、糊残りの原因となる。
【0022】
本発明における活性エネルギー線としては、電子線、α線、β線、γ線、赤外線、可視光線、紫外線等が挙げられる。中でも電子線、紫外線は比較的研究が進んでおり、特に紫外線はその照射装置が安価に手に入るなどの利点がある。
【0023】
本発明の活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化させる場合、上記の電子線を用いれば、光重合開始剤を混合させる必要はない。なお、紫外線で硬化させる場合、活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物に、光重合開始剤を混合させる必要がある。
光重合開始剤に用いられるものとしては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ベンゾフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、オキシ-フェニル-アセチックアシッド2-[2-オキソ-2-フェニル-アセトキシ-エトキシ]エチルエステル、オキシ-フェニル-アセチックアシッド2-[2-ヒドロキシ-エトキシ]-エチルエステル、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-(4-1-モルフォリン-4-イルーフェニル)-ブタン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(o-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(o-アセチルオキシム)、2-クロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、[4-(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、エチルアントラキノン等公知慣用のものから単独で、あるいは2種以上の混合物を用いることができる。また、光重合開始剤の配合量は、粘着性、硬化性、コスト等の面から、活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物の樹脂固形分に対して、1~5質量%が好ましい。
【0024】
また、上記光重合開始剤の効果を高めるため、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ-安息香酸エチルエステル、N-メチルジエタノールアミン、ビスエチルアミノベンゾフェノン、エチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-4-ジメチルアミノベンゾエート等の開始助剤を用いることもできる。
【0025】
本発明の活性エネルギー線硬化性粘着剤用樹脂組成物は、基材に塗工(塗装)した後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより塗膜(粘着層)を形成することができ、粘着シートとして使用できる。基材に塗工する際、樹脂固形分で5~50μmの膜厚となるように調整するのが好ましい。
【0026】
粘着シート用の基材としては、具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリエチレンナフタレートフィルムなどのフィルム基材、ならびに上質紙、中質紙、アート紙、キャストコート紙、及びコート紙などの紙基材が挙げられる。
【実施例】
【0027】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。又、実施例、比較例において示す「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。粘着テープの性能評価は、下記方法に従って行った。
【0028】
1)粘着シート作製:実施例、比較例にて作製した樹脂組成物に2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オンを3%混合し、膜厚25μmとなるよう未処理PET(表面にプラズマ処理等を施していないポリエチレンテレフタレート素材)に塗工、高圧水銀灯にて紫外線を照射して積算光量500mJ/cm2で硬化成膜した。
2)粘着力:作製した粘着シートをステンレス板に2kgのローラーで一往復圧着し、25mm幅に切断、室温(23℃)にて、200mm/分の速度で180°に引っ張り測定した。
3)糊残り:2)で測定に供したステンレス板を目視で観察、及び指触し、粘着剤が残存していないか確認した。
【0029】
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装備したフラスコに、イソシアネート化合物(a)としてHDI(東ソー株式会社製、商品名 ヘキサメチレンジイソシアネート)336部、ポリオール(b)としてエクセノール1020(AGC株式会社製、商品名 分子量1000のポリプロピレングリコール)を1000部仕込み、90℃まで昇温させ、8時間保温し反応させた。NCO%が飽和したのを確認した後、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)としてBHEA(株式会社日本触媒製、商品名 2-ヒドロキシエチルアクリレート)を23.2部、脂肪族アルコール(d)としてブチルアルコールを66.6部仕込み、7時間保温して反応させ、IRを測定し、イソシアネート基が消失したことを確認して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。なお、水酸基含有(メタ)アクリレートと脂肪族アルコール(d)のmol比率は1/9、脂肪族アルコールの炭素数は4であった。
【0030】
[実施例2]
実施例1と同様のフラスコに、イソシアネート化合物(a)としてMDI(東ソー株式会社製、商品名 ジフェニルメタンジイソシアネート)500部、ポリオール(b)としてエクセノール2020(AGC株式会社製、商品名 分子量2000のポリプロピレングリコール)を2000部仕込み、90℃まで昇温させ、8時間保温し反応させた。NCO%が飽和したのを確認した後、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)としてBHEA(株式会社日本触媒製、商品名 2-ヒドロキシエチルアクリレート)を46.4部、脂肪族アルコール(d)としてコノール1275(新日本理化株式会社製、商品名 ラウリルアルコール)を297.6部仕込み、7時間保温して反応させ、IRを測定し、イソシアネート基が消失したことを確認して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。なお、水酸基含有(メタ)アクリレートと脂肪族アルコール(d)のmol比率は2/8、脂肪族アルコールの炭素数は12であった。
【0031】
[比較例1]
実施例1と同様のフラスコに、イソシアネート化合物(a)としてデスモジュールI(住化コベストロウレタン株式会社製、商品名 イソホロンジイソシアネート)444部、ポリオール(b)としてエクセノール1020(AGC株式会社製、商品名 分子量1000のポリプロピレングリコール)を1000部仕込み、90℃まで昇温させ、8時間保温し反応させる。NCO%が飽和したのを確認した後、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)としてBHEA(株式会社日本触媒製、商品名 2-ヒドロキシエチルアクリレート)を232部仕込み、7時間保温して反応させIRを測定し、イソシアネート基が消失したことを確認して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。なお、水酸基含有(メタ)アクリレートと脂肪族アルコール(d)のmol比率は10/0であった。
【0032】
[比較例2]
実施例1と同様のフラスコに、イソシアネート化合物(a)としてHDI(東ソー株式会社製、商品名 ヘキサメチレンジイソシアネート)336部、ポリオール(b)としてエクセノール1020(AGC株式会社製、商品名 分子量1000のポリプロピレングリコール)を1000部仕込み、90℃まで昇温させ、8時間保温し反応させた。NCO%が飽和したのを確認した後、水酸基含有(メタ)アクリレート(c)としてBHEA株式会社日本触媒製、商品名 2-ヒドロキシエチルアクリレート)を46.4部、脂肪族アルコール(d)としてコノール30SS(新日本理化株式会社製、商品名 ステアリルアルコール)を432部仕込み、7時間保温して反応させ、IRを測定し、イソシアネート基が消失したことを確認して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。なお、水酸基含有(メタ)アクリレートと脂肪族アルコール(d)のmol比率は2/8、脂肪族アルコールの炭素数は18であった。
【0033】
実施例1~2及び比較例1~2の評価結果を表1に示す。
【0034】
【0035】
表1から、粘着力を示さない一般的なウレタンアクリレートをベースに、炭素数4~12の脂肪族アルコールを、(c)/(d)=1/9~2/8となるよう調整して反応させることにより、良好な粘着力が得られることが分かる。