IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特許7552150プログラム、通信端末、通信方法、通信システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】プログラム、通信端末、通信方法、通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/56 20060101AFI20240910BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H04M3/56 C
H04N7/15 120
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020144933
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039756
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 尭志
(72)【発明者】
【氏名】井上 浩一
(72)【発明者】
【氏名】武田 貴文
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-210153(JP,A)
【文献】特開2001-333193(JP,A)
【文献】国際公開第2017/130908(WO,A1)
【文献】特開2007-228023(JP,A)
【文献】特開2014-027433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0054649(US,A1)
【文献】特開2007-164581(JP,A)
【文献】特開2008-060651(JP,A)
【文献】特開2007-140610(JP,A)
【文献】特開2006-211395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z99/00
H04L51/00-51/58
67/00-67/75
H04N 7/10
7/14- 7/173
7/20- 7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して第一のユーザと対応づけられている第二の情報処理装置と通信する情報処理装置を、
第二のユーザの氏名と、当該第二のユーザが有する1以上のスキルとを対応付けて記憶する記憶部と、
前記第二の情報処理装置との通話中に前記第二のユーザの氏名と、前記1以上のスキルとを含む第二のユーザのリストを表示する表示制御部と、
前記表示制御部が表示した前記第二のユーザの選択を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記第二のユーザに対応づけられている第三の情報処理装置に対し、前記第二の情報処理装置との通話への参加を要求する旨を送信する送受信部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記送受信部はネットワークを介して通信管理装置と通信し、
前記送受信部は、前記通信管理装置が保持する各第二のユーザの1以上のスキルと前記第二のユーザの稼働状態を前記通信管理装置から受信し、
前記表示制御部は、前記通信管理装置から受信した各第二のユーザの1以上のスキルと前記第二のユーザの稼働状態を前記第二のユーザのリストに表示することを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項3】
前記送受信部は、前記通信管理装置からリアルタイムに各第二のユーザの1以上のスキルと前記第二のユーザの稼働状態を受信し、
前記表示制御部が前記第二のユーザのリストを表示中に、前記第二のユーザの稼働状態に更新があった場合、表示中の前記第二のユーザのリストに稼働状態を反映させることを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記送受信部は、前記受付部が受け付けた前記第二のユーザに要求されるスキルを前記受付部が受け付けた前記第二のユーザに対して送信し、
前記第二の情報処理装置との通話への参加を要求された前記第二のユーザに対応づけられた第三の情報処理装置の表示制御部は、前記第二のユーザに要求されるスキルを表示することを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第二のユーザに要求されるスキルは、前記第二の情報処理装置から要求されたスキルであることを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第二のユーザに要求されるスキルは、前記第二のユーザのリストに表示され、前記受付部が受け付けた前記第二のユーザのスキルであることを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第三の情報処理装置の表示制御部は、前記第二の情報処理装置との通話に参加する応答ボタン、又は、拒否する拒否ボタンを表示し、
前記第三の情報処理装置の受付部が前記応答ボタンの選択を受け付けた場合、前記第三の情報処理装置の送受信部は応答する旨を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置の前記送受信部は、前記情報処理装置と前記第二の情報処理装置との通話に参加するための情報を前記第三の情報処理装置に送信することを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第三の情報処理装置の受付部が前記拒否ボタンの選択を受け付けた場合、前記第三の情報処理装置の送受信部は拒否する旨を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置の表示制御部は、前記第三の情報処理装置が拒否した旨を前記第二のユーザのリストに反映することを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項9】
ネットワークを介して第一のユーザと対応づけられている第二の情報処理装置と通信する通信端末であって、
第二のユーザの氏名と、当該第二のユーザが有する1以上のスキルとを対応付けて記憶する記憶部と、
前記第二の情報処理装置との通話中に前記第二のユーザの氏名と、前記1以上のスキルとを含む第二のユーザのリストを表示する表示制御部と
前記表示制御部が表示した前記第二のユーザの選択を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記第二のユーザに対応づけられている第三の情報処理装置に対し、前記第二の情報処理装置との通話への参加を要求する旨を送信する送受信部と、
を有することを特徴とする通信端末。
【請求項10】
ネットワークを介して第一のユーザと対応づけられている第二の情報処理装置と通信する情報処理装置が行う通信方法であって、
第二のユーザの氏名と、当該第二のユーザが有する1以上のスキルとを対応付けて記憶する記憶部に基づいて、表示制御部が、前記第二の情報処理装置との通話中に前記第二のユーザの氏名と、前記1以上のスキルとを含む第二のユーザのリストを表示するステップと、
受付部が、前記表示制御部が表示した前記第二のユーザの選択を受け付けるステップと、
送受信部が、前記受付部が受け付けた前記第二のユーザに対応づけられている第三の情報処理装置に対し、前記第二の情報処理装置との通話への参加を要求する旨を送信するステップと、
を有することを特徴とする通信方法。
【請求項11】
ネットワークを介して第一のユーザと対応づけられている第二の情報処理装置と通信する通信端末と、前記通信端末が通信する通信管理装置とを有する通信システムであって、
前記通信管理装置は、
第二のユーザのスキルと第二のユーザの稼働状態を記憶するユーザ管理DBと、
前記ユーザ管理DBに記憶されている第二のユーザのスキルと第二のユーザの稼働状態を第二のユーザと対応づけられている第三の情報処理装置に送信する第一の送受信部と、を有し、
前記通信端末は、
ネットワークを介して前記通信管理装置から第二のユーザのスキルと第二のユーザの稼働状態を受信する送受信部と、
第二のユーザの氏名と、当該第二のユーザが有する1以上のスキルとを対応付けて記憶する記憶部と、
前記第二の情報処理装置との通話中に前記第二のユーザの氏名と、前記1以上のスキルとを含む第二のユーザのリストを表示する表示制御部と、
前記表示制御部が表示した前記第二のユーザの選択を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記第二のユーザに対応づけられている前記第三の情報処理装置に対し、前記第二の情報処理装置との通話への参加を要求する旨を送信する第二の送受信部と、
を有することを特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、通信端末、通信方法、及び、通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗業務のスリム化及び効率化の観点から、リモートコンシェルジュ(遠隔接客)のサービスが行われるようになった。これにより、例えば、店舗内の従業員が接客中のため、顧客が接客応対の順番待ちをしなければならない場合であっても、顧客は店舗端末からインターネット等を介して遠隔のサービスセンタの専門的なスキルを有する説明者(コンシェルジュ)の説明者端末と接続できる。顧客は説明者と映像通話を行うことで、接客応対のサービスを受けることができる。
【0003】
また、最近は、接客応対する従業員が在籍する有人店舗以外に、従業員が在籍していない無人店舗が運営されるようになった。このような無人店舗にも店舗端末が設置されており、顧客は無人店舗に赴き、店舗端末を利用してサービスセンタの説明者と映像通話を行うことで、接客応対のサービスを受けることができる。
【0004】
しかしながら、顧客の興味によっては、顧客との会話中に特定の知識が説明者に求められる場合がある。このような場合、説明者が近くの説明者に知りたい情報を問い合わせることができればよいが、必ずしも近くに知識を持った説明者がいない場合もある。
【0005】
テレビ会議であれば、会議中に別の参加者が会議に参加することも可能である(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、予め会議の参加者を登録することなく、参加者の制限を行いながら、会議中の会議に別の参加者が参加する方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、顧客等の第一のユーザとの通話に参加を要求する旨を説明者等の第二のユーザが他の第二のユーザに送信できないという問題があった。例えば、説明者が接客中に自分の詳しくない事柄について顧客から質問された場合、どこか別の店舗やサービスセンタなら詳しい説明者が存在する可能性があるとしても、他の説明者を呼び出す方法がなく、自力で解決するか、顧客に十分な情報を提供できない場合があった。すなわち、普段から遠隔で接客を行なっているため他の説明者についての情報が足らず、質問を受けた事柄をどの説明者に聞けば解決するかを知ることができない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、第一のユーザとの通話に参加を要求する旨を第二のユーザが他の第二のユーザに送信できるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、ネットワークを介して第一のユーザと対応づけられている第二の情報処理装置と通信する情報処理装置を、第二のユーザの氏名と、当該第二のユーザが有する1以上のスキルとを対応付けて記憶する記憶部と、前記第二の情報処理装置との通話中に前記第二のユーザの氏名と、前記1以上のスキルとを含む第二のユーザのリストを表示する表示制御部と、前記表示制御部が表示した前記第二のユーザの選択を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記第二のユーザに対応づけられている第三の情報処理装置に対し、前記第二の情報処理装置との通話への参加を要求する旨を送信する送受信部、として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
第一のユーザとの通話に参加を要求する旨を第二のユーザが他の第二のユーザに送信できるプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】説明者が操作する説明者端末と顧客が操作する店舗端末とが通話中に、説明者が別の説明者を呼び出す場合の通信システムの動作の概略を説明する図である。
図2】本実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
図3】店舗の顧客とサービスセンタの説明者が遠隔的に映像通話をしている状況を示したイメージ図である。
図4】本実施形態の通信システムを構築する各端末及び各装置のハードウェア構成図である。
図5】本実施形態に係る通信システムの各機能ブロック図である。
図6】本実施形態に係る通信システムの各機能ブロック図である。
図7】(A)は説明者管理テーブルを示す概念図、(B)はスキルグループ管理テーブルを示す概念図である。
図8】(A)は認証管理テーブルを示す概念図、(B)は端末状態管理テーブルを示す概念図である。
図9】(A)は宛先リスト管理テーブルを示す概念図、(B)はセッション管理テーブルを示す概念図、(C)は通信情報管理テーブルを示す概念図である。
図10】(A)はシステムアップデート情報管理テーブルの概念図、(B)は事業者管理テーブルの概念図、(C)グループ管理テーブルの概念図である。
図11】(A)は端末管理テーブルの概念図、(B)はスキル管理テーブルの概念図である。
図12】(A)はログイン情報管理テーブルの概念図、(B)はサブグループ管理テーブルの概念図、(C)はユーザアップデート情報管理テーブルの概念図である。
図13】サービス情報の登録処理を示したシーケンス図である。
図14】管理者端末で表示されるログイン画面を示す図である。
図15】管理者端末で表示される店舗一覧画面を示す図である。
図16】管理者端末で表示される説明者一覧画面を示す図である。
図17】管理者端末で表示されるグループ一覧画面を示す図である。
図18】管理者端末で表示される説明者情報編集画面を示す図である。
図19】管理者端末で表示されるグループ情報編集画面を示す図である。
図20】管理者端末で表示される店舗情報編集画面を示す図である。
図21】店舗端末の映像通話の準備処理を示し、特にサービス情報を取得する処理を示すシーケンス図である。
図22】店舗端末の映像通話の準備処理を示し、特に各端末の稼働状態を取得する処理を示すシーケンス図である。
図23】店舗端末の映像通話の準備処理を示し、特にスキル毎の説明者端末群の稼働状態を判断する処理を示すフローチャートである。
図24】店舗端末で表示される画面を示す図である。
図25】映像通話を開始する処理を示すシーケンス図である。
図26】通信確立制御の詳細な処理を示したシーケンス図である。
図27】店舗端末と通信している説明者端末から別の説明者端末を呼び出す処理を説明するシーケンス図の一例である。
図28】説明者端末が表示する他の説明者のリストの一例を示す図である。
図29】店舗端末と通信している説明者端末から呼び出された他の説明者端末が表示する着信ダイアログの一例を示す図である。
図30】通話中における他の説明者の稼働状態の変更を説明者端末がリストにリアルタイムに反映する手順を示すシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、通信システムと通信システムが行う通信方法について図面を参照しながら説明する。
【0012】
<全体的な動作の概略>
図1は、説明者Aが操作する説明者端末9と顧客が操作する店舗端末1とが通話中に、説明者Aが別の説明者Cを呼び出す場合の通信システム200の動作の概略を説明する図である。図1では説明者Aが操作する説明者端末9と店舗端末1との間で遠隔コミュニケーションが行われている。遠隔コミュニケーションは遠隔地の拠点で行われる会合である。会合とは相談や討議などのために人々が寄り集まることをいう。会合には接客、会議、集会、打合せ、勉強会、授業、セミナー、発表会など種々の態様がある。必ずしも双方向通信である必要はない。
【0013】
説明者端末9はサービスセンタに配置されることが想定され、店舗端末1は店舗に配置されることが想定される。説明者端末9を説明者Aが操作しており、店舗端末1を店舗に来店した顧客Gが操作している。説明者端末9と店舗端末1には、Webカメラ123と書画カメラ130が接続されている。また、店舗端末1にはタッチパネル190が接続されており、顧客Gが情報を手書きできる。
【0014】
(1) 図1に示すように、通話中(接客中)、説明者端末9は、店舗端末1がWebカメラ123又は書画カメラ130で撮像した画像(動画でも静止画でもよい)をディスプレイ106に表示する。同様に、店舗端末1は、説明者端末9がWebカメラ123又は書画カメラ130で撮像した画像(動画でも静止画でもよい)をディスプレイ106に表示する。説明者Aと顧客Gは互いに相手の顔を見ながら会話することができる。
【0015】
(2) サービスセンタや店舗には別の説明者Cが待機している。説明者Cが操作する説明者端末9は稼働状態と説明者Cのスキルを、通信管理装置5を介して説明者Aの説明者端末9に送信する。スキルとは、サービスセンタの説明者の専門である。例えば、旅行会社の場合、国内旅行、海外旅行、又はウェディングなど、説明者が詳しい分野が専門(スキル)となる。このように、説明者Aの説明者端末9はリアルタイムに他の説明者端末9の稼働状態と他の説明者のスキルに関する情報を保持している。
【0016】
(3) 説明者Aが顧客Gの接客中に自分の詳しくない事柄について質問された場合、説明者Aは保持している他の説明者の稼働状態と他の説明者のスキルに関する情報(他の説明者のリスト)を表示する。説明者Aはこの中から質問された事柄について詳しそうな他の説明者を選択する。
【0017】
(4) 例えば説明者Cが選択された場合、説明者Aの説明者端末9は説明者Cの呼び出しを通信管理装置5に要求する。通信管理装置5は説明者Cの通信IDに基づいて説明者端末9を呼び出し、説明者端末9が着信ダイアログを表示する。着信ダイアログには、顧客Gが要求するスキルが表示されるので、説明者Cは通話に参加するかどうかを判断できる。説明者Cが通話に参加することで、説明者Aが詳しくない事柄について、説明者Cが説明できる。顧客Gは質問した内容について回答を得ることができる。
【0018】
このように、本実施形態の説明者端末9は他の説明者端末9のリストを表示し、選択された他の説明者端末9を呼び出すことができるので、顧客と通話中の説明者が他の説明者を通話(又は通信)に参加させることができる。
【0019】
<用語について>
第一のユーザは、商品又は役務を購入する者又は購入する可能性がある者をいう。本実施形態では顧客と称される。店舗を訪問する場合に限らず、自宅やカフェなど任意の場所で店舗端末を操作する人を含む。店舗端末としての機能は情報処理装置が所定のアプリ(プログラム)をダウンロードすることで実現できる。顧客は、ユーザ、又は、ゲスト等と呼ばれていてよい。
【0020】
第二のユーザは第一のユーザに情報を提供する者である。本実施形態では説明者と称される。説明者とは事柄の内容や意味を分かりやすく解き明かすものをいう。オペレータ、コンシェルジュ、説明員、指導員、又はアドバイザーなどと称してもよい。説明者端末としての機能は情報処理装置が所定のアプリ(プログラム)をダウンロードすることで実現できる。したがって、店舗端末と説明者端末の機能の差異はアプリによって実現される。
【0021】
第二の情報処理装置は顧客が操作する店頭の端末であり、第三の情報処理装置は他の説明者の拠点に配置されている端末である。店舗端末及び説明者端末を総称して通信端末という場合がある。
【0022】
参加とは、会合等に加わることをいう。本実施形態では通話中の遠隔コミュニケーションに後から説明者が加わることである。
【0023】
通話中とは、例えば説明者と顧客が通話できる状態にあることをいい、実際に言葉を交わしていることまでは要求されない。すなわち、通話できる状態で顧客が資料を見ていてもよい。また、通話が可能であれば、通話中は、店舗端末と説明者端末が通信中である場合を含んでよい。
【0024】
専門とは比較的豊富な経験や知識を人が有する特定の分野である。例えば、旅行については国内旅行、海外旅行、又はウェディング等、保険については生命保険、損害保険、医療保険、又は法人保険等、ローンについては住宅ローン、又は車ローン等、投資については株式(国内、国外)、ファンド、FX、又は先物等がある。当然、これらには限られない。
【0025】
〔通信システムの全体構成〕
図2を用いて、通信システムの全体構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成図である。ここでは、顧客、この顧客に旅行商品を販売する旅行会社、及びこの旅行会社にリモートコンシェルジュ(遠隔接客)を行うためのシステムを提供するシステム提供者が登場する。
【0026】
旅行会社は、関東や関西等の複数のエリア毎に、有人店舗、無人店舗、及びサービスセンタを運営している。図2では、旅行会社は、エリアE1において、有人店舗MS、無人店舗US、サービスセンタSC1を運営していることが示されている。有人店舗MSは、接客応対する従業員が在籍する店舗である。無人店舗は、接客応対する従業員が在籍しない店舗である。なお、図2では、有人店舗MS、及び無人店舗USは一店舗ずつしか示されていないが、それぞれ複数あってもよい。
【0027】
有人店舗MSでは、通常、来店した顧客に対して従業員が旅行商品の案内を行うが、従業員が接客中のため、新たに来店した顧客に接客応対できない場合がある。また、無人店舗USには、そもそも接客対応する従業員がいない。このような場合、顧客は、有人店舗MS内の店舗端末1c1、又は無人店舗US内の店舗端末1c2を利用し、インターネット等の通信ネットワーク100を介してサービスセンタSC1における任意の説明者の説明者端末にアクセスして、説明者から旅行商品に関する遠隔接客を受けることができる。
【0028】
店舗端末1c1,1c2は、それぞれ、PC(personal computer)によって構成されている。有人店舗MS及び無人店舗USには、複数の店舗端末が設置されていてもよい。なお、以降、店舗端末1c1,1c2等、複数の店舗端末の総称を示す場合には「店舗端末1」と記す。店舗端末1は、汎用的なOS(Windows(登録商標)、Mac OS(登録商標)、Android(登録商標)、iOS(登録商標)等が動作する情報処理装置である。例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレットPC、ノートPC、PDA(Personal Digital Assistant)等であるが、これらには限られない。店舗端末1は通信システム200に専用の端末装置でもよい。
【0029】
サービスセンタSC1には、有人店舗MSの店舗端末1c1からの遠隔接客を開始するための通話開始要求を優先的に受けるための有人店舗優先対応組織MG1、及び、無人店舗USの店舗端末1c2からの遠隔接客を開始するための通話開始要求を優先的に受けるための無人店舗優先対応組織UG1が存在している。なお、3つ以上の優先対応組織が存在してもよい。
【0030】
更に、有人店舗優先対応組織MG1には、スキル(技能)SK1の担当組織SR11、及びスキル(技能)SK2の担当組織SR12が含まれている。例えば、スキルSK1はクルーズに関する提案ができる説明者の能力、スキルSK2はウェディングに関する提案ができる説明者の能力である。同様に、無人店舗優先対応組織UG1には、スキルSK1の担当組織SR21、及びスキルSK2の担当組織SR22が含まれている。即ち、有人店舗優先対応組織MG1と無人店舗優先対応組織UG1には、同じスキルを有する説明者が在籍する組織SR11,SR21(又は、組織SR12,SR22)が存在する。なお、スキル及びスキル担当組織は3つ以上存在してもよい。
【0031】
更に、有人店舗優先対応組織MG1において、スキルSK1の担当組織SR11には、スキルSK1を有する説明者mg11,mg12が在籍している。説明者mg11は説明者端末9mg11を利用し、説明者mg12は説明者端末9mg12を利用する。
【0032】
また、スキルSK2の担当組織SR12には、スキルSK2を有する説明者mg21,mg22が在籍している。説明者mg21は説明者端末9mg21を利用し、説明者mg22は説明者端末9mg22を利用する。
【0033】
同様に、無人店舗優先対応組織UG1において、スキルSK1の担当組織SR21には、スキルSK1を有する説明者ug11,ug12が在籍している。説明者ug11は説明者端末9ug11を利用し、説明者ug12は説明者端末9ug12を利用する。また、スキルSK2の担当組織SR22には、スキルSK2を有する説明者ug21,ug22が在籍している。説明者ug21は説明者端末9ug21を利用し、説明者ug22は説明者端末9ug22を利用する。
【0034】
なお、説明者は各担当組織(SR11,SR12,SR21,SR22)に、3人以上在籍していてもよい。この場合は、3人以上の説明者のそれぞれに説明者端末が割り当てられる。また、以降、説明者端末9mg11,9mg12,9mg21,9mg22,9ug11,9ug12,9ug21,9ug22等、複数の説明者端末の総称を示す場合には「説明者端末9」と記す。説明者端末9は、汎用的なOS(Windows(登録商標)、Mac OS(登録商標)、Android(登録商標)、iOS(登録商標)等が動作する情報処理装置である。例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレットPC、ノートPC、PDA(Personal Digital Assistant)等であるが、これらには限られない。説明者端末9は通信システム200に専用の端末装置でもよい。
【0035】
また、旅行会社には、各サービスエリアの端末を管理する管理者ad1が存在する。管理者ad1は、管理者端末4を利用し、通信ネットワーク100を介してサービス情報管理装置7にアクセスし、各種のサービス情報の設定を行う。このサービス情報は、旅行会社の各端末の処理や設定に関する情報であり、管理者端末4は、PCによって構成されている。
【0036】
顧客c1及び顧客c2は、それぞれ有人店舗MS及び無人店舗USに来店した者である。
【0037】
システム提供者は、中継装置3、通信管理装置5、及びサービス情報管理装置7を管理及び運用している。中継装置3、通信管理装置5、及びサービス情報管理装置7は、サーバ等のコンピュータである。中継装置3は、店舗端末1のいずれかと説明者端末9のいずれかとの間で映像通話をする場合の画像データ及び音データを中継する。通信管理装置5は、店舗端末1及び説明者端末9からのログイン認証、店舗端末1及び説明者端末9の通信状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置3の通信状況等を一元的に管理する。サービス情報管理装置7は、設定された各種サービス情報の管理を行う。中継装置3、通信管理装置5、及びサービス情報管理装置7に関しては、後ほど詳細に説明する。
【0038】
また、店舗端末1、管理者端末4、説明者端末9、中継装置3、通信管理装置5、及びサービス情報管理装置7は、インターネット等の通信ネットワーク100に接続することが可能である。
【0039】
なお、中継装置3、通信管理装置5、及びサービス情報管理装置7、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
【0040】
図3は、店舗の顧客とサービスセンタの説明者が遠隔的に映像通話をしている状況を示したイメージ図である。図3では、無人店舗USに来店した顧客c2が店舗端末1c2を利用すると共に、無人店舗優先対応組織UG1の説明者ug11が説明者端末9ug11を利用している状態が示されている。このように、顧客c2は、遠隔接客によって旅行商品の説明を受けることができる。
【0041】
〔通信システムの各ハードウェア構成〕
続いて、図4を用いて、図2に示される通信システム200を構築している各端末(店舗端末1、管理者端末4、説明者端末9及び各装置(中継装置3、通信管理装置5、サービス情報管理装置7)のハードウェア構成について説明する。なお、本実施形態では、各端末及び各装置は全て同じ構成であるとして、店舗端末1のハードウェア構成を説明し、他の端末及び装置のハードウェア構成の説明を省略する。
【0042】
図4に示されているように、店舗端末1は、コンピュータにより構成されており、CPU101、ROM102、RAM103、HD104、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ105、ディスプレイ106、外部機器接続I/F(Interface)108、ネットワークI/F109、バスライン110、キーボード111、ポインティングデバイス112、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ114、メディアI/F116を備えている。
【0043】
これらのうち、CPU101は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM102は、IPL等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。HD104は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ105は、CPU101の制御にしたがってHD104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ106は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F108は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F109は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン110は、図4に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0044】
また、キーボード111は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス112は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ114は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW113に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-RやBlu-ray Disc(登録商標。ブルーレイディスク)等であってもよい。メディアI/F116は、フラッシュメモリ等の記録メディア115に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0045】
また、外部機器接続I/Fには、集音装置の一例としてのマイク121、音出力装置の一例としてのスピーカ122、及び撮像装置の一例としてのカメラ123が接続されている。なお、図4では、マイク121、スピーカ122、及びカメラ123は、外付けの装置として示されているが、外部機器接続I/Fを介さずに内蔵装置としても良い。
【0046】
〔通信システムの各機能構成〕
次に、図4乃至図12を用いて、本実施形態の通信システムの各機能構成について説明する。図5及び図6は、本実施形態に係る通信システムの各機能ブロック図である。
【0047】
<店舗端末の機能構成>
まず、図4及び図5を用いて、店舗端末1の機能構成について説明する。図5に示されているように、店舗端末1は、送受信部11、受付部12、通信制御部13、表示制御部14、判断部15、及び記憶・読出処理部19を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、店舗端末1は、図4に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部1000を有している。記憶部1000には、説明者管理DB1001(ユーザ管理DBの一例)及びスキルグループ管理DB1002が構築されている。説明者管理DB1001及びスキルグループ管理DB1002で管理されている各情報は、後述のステップS19によって、サービス情報管理装置7から送られて来たクライアント情報に含まれている。そして、店舗端末1は説明者管理DB1001及びスキルグループ管理DB1002で管理されている各情報を、後述の図24に示される画面を表示する場合に利用する。
【0048】
(説明者管理テーブル)
図7(A)は説明者管理テーブルの概念図である。記憶部1000には、図7(A)に示されているような説明者管理テーブルによって構成されている説明者管理DB1001が構築されている。この説明者管理テーブルでは、店舗端末1の宛先候補(ここでは、説明者端末9)の各種情報(通信ID、説明者の氏名、宛先候補の稼働状態(プレゼンス)、説明者端末に使用する説明者のスキルを示すスキル名、呼出スキル)が関連付けられて管理される。
【0049】
通信IDは、通信システムにおいて、通信先を特定するための識別情報である。通信IDとしては、特に限定されないが、例えば、説明者端末9を利用する説明者を識別するための利用者ID、説明者端末を識別するための通信ID等である。図7(A)の説明者名は、後述の図24(C)に示されている説明者名である。稼働状態は、映像通話において相手側の端末の稼働状態を示す。稼働状態には、Online(通話可能)、Chat(通話中)、及びOffline(通話不可能)の3種類がある。稼働状態は、図24(A),(C)の表示に反映される。スキルは、上記のように、説明者が有するスキルの名称を示している。図7(A)に示されているように、一人の説明者が複数のスキル(専門1、専門2)を有している場合もある。スキル名は説明者の属性に関する情報であり、説明者管理テーブルには、属性として更に、性別、年齢、勤務年数、各国の渡航歴などが含まれてもよい。呼出スキルは店舗端末1で顧客が選択したスキルである。すなわち、図24(A)で顧客が選択したスキルである。したがって、呼出スキルは説明者が持つスキルの1つである。呼出スキルは通信中(セッションが継続中)だけ登録される。
【0050】
(スキルグループ管理テーブル)
図7(B)はスキルグループ管理テーブルを示す概念図である。記憶部1000には図7(B)で示されているようなスキルグループ管理テーブルによってスキルグループ管理DB1002が構築されている。このスキルグループ管理テーブルでは、スキル名、スキルグループの稼働状態(プレゼンス)、店舗端末が通話可能な説明者端末の通信ID、及び通話中の説明者端末の通信IDが関連付けられて管理される。
【0051】
スキルグループの稼働状態は、専門1等の同じスキルを有する説明者群の各説明者端末の全体としての稼働状態を示す。例えば、複数の同じスキルを有する説明者群の各説明者端末がある場合、これらの説明者端末うちの1つでも稼働状態がOnlineであれば、専門1のスキルグループの稼働状態はOnlineとして管理される。また、複数の説明者端末のうち全ての稼働状態がOnlineでない場合であっても、これらの説明者端末うちの1つでも稼働状態がChatであれば、専門1のスキルグループの稼働状態はChatとして管理される。更に、複数の説明者端末のうち全ての稼働状態がOnlineでもなくChatでもない場合、即ち、全ての稼働状態がOfflineの場合、専門1のスキルグループの稼働状態はOfflineとして管理される。
【0052】
(店舗端末の各機能構成)
次に、店舗端末1の各構成要素について説明する。送受信部11は、図4に示されているCPU101からの命令、並びに外部機器接続I/F108及びネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(又は情報)の送受信を行う。
【0053】
受付部12は、主に、図4に示されているCPU101からの命令、並びに、キーボード111、及び、ポインティングデバイス112、によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
【0054】
通信制御部13は、図4に示されているCPU101からの命令によって実現され、外部機器接続I/F108に接続された外付けのカメラから、このカメラが被写体を撮像して得た画像データを入力する。また、通信制御部13は、外部機器接続I/F108に接続された外付けのマイクから、このマイクが集音して得た音データを入力する。更に、通信制御部13は、映像通話の相手から受信した画像データ及び自端末で得た画像データを表示制御部14に出力する。また、通信制御部13は、映像通話の相手から受信した音データ及び自端末で得た音データを、外部機器接続I/F108に接続された外付けのスピーカに出力する。
【0055】
表示制御部14は、主に、図4に示されているCPU101からの命令によって実現され、ディスプレイ106又は外部機器接続I/Fに接続された外付けのディスプレイに対して画像データを出力することで、画像を表示させる。
【0056】
判断部15は、主に、図4に示されているCPU101からの命令によって実現され、各種判断を行う。判断内容については後述する。
【0057】
記憶・読出処理部19は、主に、図4に示されているCPU101からの命令及びHDDコントローラ105によって実行され、記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0058】
更に、記憶部1000には、他の端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ106又は外付けのディスプレイに画像が表示され、上書きされる前の音データによって外付けのスピーカから音声が出力される。
【0059】
<管理者端末>
続いて、図4及び図5を用いて、管理者端末4の機能構成について説明する。図5に示されているように、管理者端末4は、送受信部41、受付部42、表示制御部44、及び記憶・読出処理部49を有している。また、説明者端末9は、図4に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部4000を有している。
【0060】
なお、管理者端末4の送受信部41、受付部42、表示制御部44、及び記憶・読出処理部49は、それぞれ、店舗端末1の送受信部11、受付部12、表示制御部14、及び記憶・読出処理部49と同様の機能を有するため、これらの説明を省略する。
【0061】
<説明者端末の機能構成>
続いて、図4及び図5を用いて、説明者端末9の機能構成について説明する。図5に示されているように、説明者端末9は、送受信部91、受付部92、通信制御部93、表示制御部94、判断部95、及び記憶・読出処理部99を有している。また、説明者端末9は、図4に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部9000を有している。記憶部9000には、説明者管理DB9001及びスキルグループ管理DB9002が構築されている。
【0062】
なお、説明者端末9の送受信部91(第二の送受信部の一例)、受付部92、通信制御部93、表示制御部94、判断部95、及び記憶・読出処理部99は、それぞれ、店舗端末1の送受信部11、受付部12、通信制御部13、表示制御部14、判断部15、及び記憶・読出処理部19と同様の機能を有するため、これらの説明を省略する。また、説明者端末9の説明者管理DB9001及びスキルグループ管理DB9002は、店舗端末1の説明者管理DB1001及びスキルグループ管理DB1002と同様のデータ構造であるため、これらの説明を省略する。
【0063】
<中継装置の機能構成>
続いて、図4及び図6を用いて、中継装置3の機能構成について説明する。図6に示されているように、中継装置3は、転送部を兼ねた送受信部31、判断部32、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、中継装置3は、図4に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部3000を有している。
【0064】
(中継装置の各機能構成)
次に、中継装置3の各機能構成について詳細に説明する。図6に示されている中継装置3の送受信部31は、図4に示されているCPU101からの命令、及び図4に示されているネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(又は情報)の送受信を行う。また、送受信部31は、転送部としての役割も果たし、所定の端末ら送信されて来た画像データ及び音データを、他の端末に転送する。
【0065】
判断部32は、図4に示されているCPU101からの命令によって実現され、データの遅延状態の判断等を行なう。
【0066】
記憶・読出処理部39は、図4に示されているCPU101からの命令、及び図4に示されているHDDコントローラ105によって実現され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0067】
<通信管理装置の機能構成>
続いて、図4及び図6を用いて、通信管理装置5の機能構成について説明する。図6に示されているように、通信管理装置5は、送受信部51、選択部53、作成部54、判断部55、及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、通信管理装置5は、図4に示されているRAM103及びHD104により構築される記憶部5000を有している。
【0068】
(認証管理テーブル)
図8(A)は、認証管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図8(A)に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB5001が構築されている。この認証管理テーブルでは、通信管理装置5によって管理される全ての店舗端末1,説明者端末9の各通信IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。なお、パスワードは認証情報の一例であり、認証情報にはアクセストークンも含まれる。
【0069】
(端末状態管理テーブル)
図8(B)は、端末状態管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図8(B)に示されているような端末状態管理テーブルによって構成されている端末状態管理DB5002が構築されている。この端末状態管理テーブルでは、店舗端末1,説明者端末9の通信ID毎に、各店舗端末1,説明者端末9を宛先とした場合の宛先名、各店舗端末1,説明者端末9の稼働状態、後述のログイン要求情報が通信管理装置5で受信された受信日時、及び店舗端末1,説明者端末9のIPアドレスが関連付けられて管理される。なお、通信ID、宛先名、及び端末のIPアドレスは、店舗端末1,説明者端末9が、通信管理装置5によるサービスの提供を受けるために事前登録する際に記憶される。
【0070】
(宛先リスト管理テーブル)
図9(A)は、宛先リスト管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図9(A)に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5003が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、通話の開始を要求する開始端末の通信IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の通信IDが全て関連付けられて管理される。この宛先端末の候補は、管理者端末4から通信管理装置5に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
【0071】
なお、宛先リストは、宛先情報の一例であり、宛先情報には、リスト形式になっておらず、通信ID等の宛先に関する情報が羅列されていてもよい。
【0072】
(セッション管理テーブル)
図9(B)は、セッション管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図9(B)に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5004が構築されている。このセッション管理テーブルでは、各端末と中継装置3との間で相互通信を行うためのセッションを識別するための通信セッションID毎に、使用される中継装置3の中継装置ID、開始端末の通信ID、宛先端末の通信ID、宛先端末において画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から送られて来て通信管理装置5で受信された受信日時が関連付けられて管理される。
【0073】
(通信情報管理テーブル)
図9(C)は、通信情報管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図9(C)に示されているような通信情報管理テーブルによって構成されている通信情報管理DB5005が構築されている。この通信情報管理テーブルでは、各端末と中継装置3との間で行われる相互通信を識別するための接続ID毎に、接続で使用される中継装置3の中継装置のIPアドレス、及び相互通信する端末の通信IDが関連付けられて管理される。接続IDは会議IDともいえ、同じ会議に参加している通信端末間で映像と音声の相互通信を中継装置3が行うための情報となる。
【0074】
(通信管理装置の各機能構成)
次に、通信管理装置5の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、通信管理装置5の各機能構成を説明するにあたって、図4に示されている各構成要素のうち、通信管理装置5の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
【0075】
図6に示されている通信管理装置5の送受信部51は、図4に示されているCPU101からの命令及びネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(又は情報)の送受信を行う(第一の送受信部の一例)。
【0076】
選択部53は、図4に示されているCPU101からの命令によって実現され、各端末のIPアドレスに基づいて、相互通信に最適な中継装置を選択する。
【0077】
作成部54は、図4に示されているCPU101からの命令によって実現され、各端末からの相互通信の開始要求に応じて、通信情報を作成する。この通信情報は、選択部53によって選択された中継装置のIPアドレス、及び上記の通信ID等を含んでいる。
【0078】
判断部55は、図4に示されているCPU101からの命令によって実現され、各種判断を行う。
【0079】
記憶・読出処理部59は、図4に示されているCPU101からの命令及びHDDコントローラ105によって実現され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0080】
<サービス情報管理装置>
続いて、図4及び図6を用いて、サービス情報管理装置7の機能構成について説明する。図6に示されているように、サービス情報管理装置7は、送受信部71、判断部75、及び記憶・読出処理部79を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、サービス情報管理装置7は、図4に示されているRAM103及びHD104により構築される記憶部7000を有している。この記憶部7000には、サービス情報管理DB7001が構築されている。サービス情報管理DB7001には、図10乃至図12に示されている各テーブルが構築されている。
【0081】
(システムアップデート情報管理テーブル)
図10(A)は、システムアップデート情報管理テーブルを示す概念図である。このシステムアップデート情報管理テーブルでは、クライアントID毎に、クライアント名、最新バージョン、アップデート適用日時、及びダウンロードURL(Uniform Resource Locator)が関連付けられて管理される。クライアント名欄において、店舗端末アプリは店舗端末1用のアプリケーションであり、説明者端末アプリは説明者端末9用のアプリケーションである。各アプリケーションは、各ダウンロードURLで管理されている。店舗端末1用のアプリケーションと説明者端末9用のアプリケーションは機能が異なっている。店舗端末1用のアプリケーションは相手の音量の調整等しかできない。説明者端末9用のアプリケーションは顧客が操作しなくてもよいように、店舗端末のアプリケーションの操作も可能である。
【0082】
(事業者管理テーブル)
図10(B)は、事業者管理テーブルを示す概念図である。この事業者管理テーブルでは、事業者ID及び事業者名が関連付けられて管理される。事業者は、例えば、旅行会社、リース会社等である。
【0083】
(グループ管理テーブル)
図10(C)は、グループ管理テーブルを示す概念図である。このグループ管理テーブルでは、グループID(エリアID)毎に、グループ名(エリア名)、及び事業者IDが関連付けられて管理される。グループは、図2におけるエリアE1等を示している。
【0084】
(端末管理テーブル)
図11(A)は、端末管理テーブルを示す概念図である。この端末管理テーブルでは、アカウントID毎に、宛先名、ロール、ログインID、パスワード、事業者ID、グループID、及び通信IDが関連付けられて管理される。アカウントIDは、店舗、説明者、及び管理者を識別するための識別情報である。店舗の場合は、顧客ではなく、店舗自体のアカウントが管理されている。宛先名は、図8(B)の端末状態管理テーブルでも管理されているが、図24に示されるように店舗端末1で表示される宛先選択画面に示される表示名である。ロールは、端末の管理者又は利用者などの役割等を示す。ログインID及びパスワードは、管理者ad1が管理者端末4からサービス情報管理装置7にアクセスする際の認証に利用される。なお、この端末管理テーブルの「パスワード」は、図8(A)の認証管理テーブルの「パスワード」と同じであるが、別のパスワードであってもよい。通信IDは、通信管理装置5における端末状態管理テーブル(図8(B)参照)においても管理される。
【0085】
(スキル管理テーブル)
図11(B)は、スキル管理テーブルを示す概念図である。このスキル管理テーブルでは、スキルID毎に、スキル名、及びこのスキルを保有する説明者のアカウントIDが関連付けられて管理される。図11(B)に示されているように、同じ説明者(001)が専門1及び専門2等の複数のスキルを保有していることも管理することができる。
【0086】
(ログイン情報管理テーブル)
図12(A)は、ログイン情報管理テーブルを示す概念図である。このログイン情報管理テーブルでは、整理番号のID毎に、バージョン、アカウントID、及び最終ログイン日時が関連付けられて管理される。バージョンは、何がログイン情報となるかを示す。
【0087】
(サブグループ管理テーブル)
図12(B)は、サブグループ管理テーブルを示す概念図である。このサブグループ管理テーブルでは、サブグループID毎に、サブグループ名、グループID、サブグループに所属する説明者のアカウントIDが関連付けられて管理される。図11(B)に示されているように、同じ説明者(001)が専門1及び専門2等の複数のスキルを保有していることも管理することができる。店舗端末のアカウントIDの場合は、図2に示されているように、サブグループは、有人店舗、無人店舗を示す。また、説明者のアカウントIDの場合は、サブグループは有人店舗優先対応組織又は無人店舗優先対応組織を示す。
【0088】
サブグループ管理テーブルによって、例えば、アカウントID「003」の店舗端末(東京本店1号機)は、優先的に、アカウントID「002」,「003」の説明者が利用する説明者端末に対して、映像通話の開始要求(図26のS101参照)の前段階として、映像通話のための通信セッションの接続要求を示す接続要求情報を一斉に送信(第1回目の送信)することになる(後述の図25のS84-1,S85-1参照)。そして、アカウントID「002」,「003」の説明者の説明者端末から一定時間内に応答がなければ、アカウントID「002」,「003」以外で、同じスキルを有する説明者の説明者端末のうちOnline(通話可能)である所定の説明者端末に対して、通話開始要求を一斉送信(第2回目の送信)することになる。
【0089】
(ユーザアップデート情報管理テーブル)
図12(C)は、ユーザアップデート情報管理テーブルを示す概念図である。このユーザアップデート情報管理テーブルでは、アップデートID毎に、アップデート対象のアカウントID、アップデート予定バージョン、アップデート適用日時、ダウンロードURLが関連付けられて管理される。
【0090】
(サービス情報管理装置の各機能構成)
次に、サービス情報管理装置7の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、サービス情報管理装置7の各機能構成を説明するにあたって、図4に示されている各構成要素のうち、サービス情報管理装置7の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
【0091】
図6に示されているサービス情報管理装置7の送受信部11は、図4に示されているCPU101からの命令及びネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(又は情報)の送受信を行う。
【0092】
判断部75は、図4に示されているCPU101からの命令によって実現され、各種判断を行う。
【0093】
記憶・読出処理部79は、図4に示されているCPU101からの命令及びHDDコントローラ105によって実現され、記憶部7000に各種データを記憶したり、記憶部7000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0094】
〔実施形態の処理又は動作〕
次に、図13乃至26を用いて、本実施形態に係る通信システムにおける処理又は動作を説明する。なお、以下、映像通話の開始を要求する要求元としての店舗端末1は「開始端末」と表され、要求先である宛先(中継先)としての説明者端末9は「宛先端末」と表される場合もある。
【0095】
<サービス情報の登録処理>
まず、図13乃至図20を用いて、管理者端末4からサービス情報管理装置7に各種サービス情報を登録する処理について説明する。サービス情報は、図10乃至図12の各テーブルで管理される。
【0096】
図13は、サービス情報の登録処理を示したシーケンス図である。図14は、管理者端末で表示されるログイン画面を示す図である。図15は、管理者端末で表示される店舗一覧画面を示す図である。図16は、管理者端末で表示される説明者一覧画面を示す図である。図17は、管理者端末で表示されるグループ一覧画面を示す図である。図18は、管理者端末で表示される説明者情報編集画面を示す図である。図19は、管理者端末で表示されるグループ情報編集画面を示す図である。図20は、管理者端末で表示される店舗情報編集画面を示す図である。
【0097】
図13に示されているように、管理者ad1は管理者端末4を利用し、通信ネットワーク100を介してサービス情報管理装置7にアクセスすることで、管理者端末4のウェブブラウザ(表示制御部44)が、ディスプレイ106上に図14乃至図20の各画面を表示させると共に、送受信部41が、管理者ad1によって各画面で入力又は選択された各サービス情報をサービス情報管理装置7に送信する(S1)。そして、サービス情報管理装置7では、送受信部71が各サービス情報を受信し、記憶・読出処理部79が各サービス情報をサービス情報管理DB7001に記憶する。これにより、図10乃至図12に示される各テーブルで各情報が管理される。
【0098】
図14乃至図20の順に画面が表示される。例えば、図19に示されるグループ情報編集画面において、管理者ad1は、優先して通話開始要求を送信したい説明者端末9の説明者のアカウントIDを、サブグループ(無人店舗用)の「説明者」欄に入力する。更に、図20に示されている店舗情報編集画面において、「優先して呼び出すサブグループ」欄に、サブグループ名(ここでは、無人店舗用))を入力する。これにより、店舗端末1は、サービス情報管理装置7からサービス情報を取得することで(後述の図21のS19参照)、店舗端末1が優先して通話開始要求を送信すべき説明者端末9を管理することができる(S20参照)。
【0099】
<映像通話の準備処理>
続いて、図21乃至図24を用いて、遠隔接客に際し映像通話の準備の処理について説明する。図21は、店舗端末の通話準備の処理を示すシーケンス図である。
【0100】
まず、店舗に来店した顧客が店舗端末1の電源スイッチをONにすると、受付部12が電源ONを受け付けて、店舗端末1を起動させる(S11)。店舗端末1が起動すると、店舗端末1にインストールされている通信アプリが起動する(S12)。以下、店舗端末1における処理は、通信アプリの命令により実行される。そして、記憶・読出処理部19は、記憶部1000からローカル設定情報の読み込みを行う(S13)。これにより、店舗端末1は、表示画面の背景画像の設定、ログインID及びパスワード等の準備が完了する。
【0101】
次に、店舗端末1の送受信部11は、通信ネットワーク100を介してサービス情報管理装置7に、ログイン要求を送信する(S14)。このログイン要求には、ステップS13で読み込まれたログインID及びパスワードが含まれている。これにより、サービス情報管理装置7の送受信部71は、ログイン要求を受信する。店舗端末1からサービス情報管理装置7へログイン要求が送信されることで、受信側であるサービス情報管理装置7は、送信側である店舗端末1のIPアドレスを取得することができる。
【0102】
次に、サービス情報管理装置7の判断部75は、ログイン要求に含まれているログインID及びパスワードを検索キーとして、サービス情報管理DB7001の端末管理テーブル(図11(A))を検索し、この端末管理テーブルに同一のログインID及びパスワードが管理されているかを判断することによって認証を行う(S15)。
【0103】
そして、サービス情報管理装置7の送受信部71は、店舗端末1に対して、認証結果を示す認証結果情報を送信する(S16)。これにより、店舗端末1の送受信部11は、認証結果情報を受信する。
【0104】
次に、店舗端末1の送受信部11は、サービス情報管理装置7に対してサービス情報の要求を送信する(S17)。これにより、サービス情報管理装置7の送受信部71は、サービス情報の要求を受信する。
【0105】
次に、サービス情報管理装置7では、記憶・読出処理部79が、サービス情報管理DB7001からサービス情報を読み出す(S18)。そして、送受信部71は、店舗端末1に対して、サービス情報を送信する(S19)。これにより、店舗端末1の送受信部11は、サービス情報を受信する。次に、店舗端末1では、記憶・読出処理部19が、サービス情報を設定する(S20)。
【0106】
<映像通話の開始処理>
まず、店舗端末1の作成部54は、自ら通信セッションを識別するためのセッションIDを作成する(S22)。次に、送受信部11は、通信ネットワーク100を介して通信管理装置5に、ログイン要求を示すログイン要求情報を送信する(S23)。このログイン要求情報には、ステップS22で作成されたセッションID、ステップS19で取得されたサービス情報における自端末の通信ID及びパスワードが含まれている。なお、ここでは、通信IDは、ステップS23でログイン要求を送信した店舗端末1を識別するための開始端末IDである。
【0107】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードを検索キーとして、認証管理テーブル(図8(A)参照)を検索し、同一の通信ID及び同一のパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(S24)。ここでは、記憶・読出処理部59によって、同一の通信ID及び同一のパスワードが管理されているものとして、続けて説明する。
【0108】
記憶・読出処理部59によって、同一の通信ID及び同一のパスワードが管理されているものとして、正当な利用権限を有する端末からのログイン要求であると判断された場合には、記憶・読出処理部59は、端末状態管理テーブル(図8(B)参照)において、上記ステップS23で受信された通信IDのレコードにおける稼働状態のフィールド部分を「Online(通話可能)」に変更すると共に、受信日時のフィールド部分に上記ステップS23によってログイン要求が受信された受信日時を記憶する(S25)。これにより、例えば、端末状態管理テーブルには、通信ID「01aa」に、稼働状態「Online(通話可能)」、受信日時「2019.4.10.13:40」及びIPアドレス「1.2.1.4」が関連付けて管理されることになる。なお、端末のIPアドレスは、事前に登録されているのではなく、上記ステップS23で店舗端末1から送信されるようにしてもよい。
【0109】
次に、記憶・読出処理部59は、上記ステップS23によって受信された店舗端末1の通信ID及びパスワードを含む新しいレコードを、セッション管理テーブル(図9(B)参照)で追加して管理する(S26)。そして、通信管理装置5の送受信部51は、上記ステップ24の処理によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク100を介して、上記ログイン要求してきた店舗端末1に送信する(S27)。
【0110】
ログイン要求端末(店舗端末1)の送受信部11が、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、送受信部11が通信ネットワーク100を介して通信管理装置5へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(S28)。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
【0111】
次に、記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信ID「01ab」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(図9(A)参照)を検索し、ログイン要求端末(店舗端末1)と通信することができる宛先候補の通信IDを読み出すと共に、この通信IDに対応する宛先名を端末状態管理テーブル(図8(B)参照)から読み出す(ステップS29)。ここでは、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信ID「01ab」に対応する宛先候補のそれぞれの通信IDと、これらに対応する宛先名が抽出される。
【0112】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、記憶部5000から宛先リスト枠のデータを読み出す(S30)。そして、送受信部51は、この宛先リスト枠及び上記記憶・読出処理部59によって読み出された通信ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、通信ID、宛先名)」を、ログイン要求端末(店舗端末1)に送信する(S31)。これにより、ログイン要求端末(店舗端末1)では、送受信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部19が記憶部1000へ宛先リスト情報を記憶する(S32)。
【0113】
このように、本実施形態では、各端末で宛先リスト情報を管理するのではなく、通信管理装置5が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、通信システムに新たな端末が含まれるようになったり、既に含まれている端末に替えて新機種の端末を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、通信管理装置5側で一括して対応するため、各端末側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
【0114】
また、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、上記の読み出した宛先候補の通信IDを検索キーとして、端末状態管理テーブル(図8(B)参照)を検索し、上記通信ID毎に、対応する稼働状態を読み出すことで、宛先候補としての通信端末の各稼働状態を取得する(S33)。
【0115】
次に、送受信部51は、上記ステップS26で使用された検索キーとしての各通信IDと、対応する各宛先端末の稼働状態とが含まれた「端末の状態情報」を、通信ネットワーク100を介して開始端末(店舗端末1)に送信する(S34)。
【0116】
次に、開始端末(店舗端末1)の記憶・読出処理部19は、順次、通信管理装置5から受信した端末の状態情報を記憶部1000に記憶する(S35)。よって、開始端末(店舗端末1)は、上記各端末の状態情報を受信することで、開始端末(店舗端末1)と通信することができる宛先候補である説明者端末9等それぞれの現時点の稼働状態を取得することができる。
【0117】
次に、ログイン要求端末(店舗端末1)の表示制御部14は、記憶部1000に記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての端末の状態を反映させた宛先リストを作成する(S36)。この宛先リストは、後ほど図24(C)に示すように、店舗端末1で表示される。
【0118】
一方、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDに基づいて宛先リスト管理テーブル(図9(A)参照)を検索することにより、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDを宛先候補として登録している他の端末の通信IDを抽出する(S37)。
【0119】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDに基づいて端末状態管理テーブル(図8(B)参照)を検索し、ログイン要求端末(店舗端末1)の稼働状態を取得する(S38)。
【0120】
そして、送受信部51は、上記ステップS37で抽出された通信IDに係る端末のうち、端末状態管理テーブル(図8(B)参照)で稼働状態が「Online」となっている端末に、上記ステップS38で取得されたログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDと稼働状態が含まれる「端末の状態情報」を送信する(S39)。なお、送受信部51が説明者端末9に端末の状態情報を送信する際に、各通信IDに基づいて、端末状態管理テーブル(図8(B)参照)で管理されている通信端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求端末(店舗端末1)を宛先候補として通信することができる他の宛先端末のそれぞれに、上記ログイン要求端末(店舗端末1)の通信ID、及び稼働状態を伝えることができる。これにより、宛先候補(説明者端末9)においても、図24(C)に示されているような宛先候補の状態を表示させることができる(S40)。
【0121】
<説明者端末群の稼働状態の判断処理>
次に、図23を用いて、店舗端末1がスキル毎の説明者端末群の稼働状態を判断する処理について説明する。図23は、店舗端末の映像通話の準備処理を示し、特にスキル毎の説明者端末群の稼働状態を判断する処理を示すフローチャートである。なお、スキルグループの稼働状態「Online」は、このスキルグループの宛先候補のうち、少なくとも1つの宛先候補が通話可能な稼働状態が「Online」であることを表す。スキルグループの稼働状態「Chat」は、このスキルグループにおいて宛先候補のいずれの稼働状態も「Online」の状態ではなく、通話中の稼働状態が「Chat」の宛先候補が少なくとも1つ含まれていることを表す。更に、スキルグループの稼働状態「Offline」は、このスキルグループの宛先候補のいずれも稼働状態「Offline」であることを表す。以下、スキルグループの稼働状態を決定する処理の一例について説明する。
【0122】
店舗端末1の記憶・読出処理部19は、図22のステップS34で、宛先管理テーブルの稼働状態が更新される度、更新されたレコードに記録されている情報を取得する(S51)。取得される情報には、説明者端末9ug11の通信ID、宛先候補である説明者端末9ug11の最新の状態を示す稼働状態、及び宛先候補である説明者端末9ug11を利用する説明者のスキルを示すスキル名が含まれている。
【0123】
店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002における、ステップS51で取得されるスキル名が含まれる各レコードを更新する。すなわち、取得されるスキル名が「専門1,専門2」である場合、記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002における、スキル名「専門1,専門2」が含まれる各レコードを更新する。
【0124】
以下、一例として、説明者端末9ug11から店舗端末1へ、稼働状態情報(稼働状態「Online」、スキル名(専門1,専門2)、通信ID「01ba」)が送信され、ステップS51でこれらの情報が取得されたときの処理について説明する(S52;Online)。
【0125】
まず、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002のテーブルのうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードを更新する処理について説明する。店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002(図7(B)参照)のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可能の通信IDのフィールドを参照する。これにより、判断部15は、通話可能のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ba」が含まれているか判断する(S53)。
【0126】
スキルグループ管理DB1002における通話可能のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ba」が含まれていないと判断された場合(S53;NO)、記憶・読出処理部19は、通話可能のフィールドに、取得された通信ID「01ba」を追加する(S54)。
【0127】
ステップS54の処理が完了した場合、又は、ステップS53においてYESの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002(図7(B)参照)のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話中のフィールドを参照する。これにより、記憶・読出処理部19は、通話中のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ba」が含まれているか判断する(S55)。
【0128】
スキルグループ管理DB1002における通話中のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ba」が含まれていると判断された場合(S55;YES)、通話中のフィールドから、取得された通信IDを削除する(S56)。ここまでの処理により、説明者端末9ug11側の稼働状態が、「Chat」から「Online」へ遷移する場合も、「Offline」から「Online」へ遷移する場合も、スキルグループ管理DB1002のスキル名「専門1」が記録されたレコードには、通話可のフィールドにのみ説明者端末9ug11の通信IDが記録されるようになる。
【0129】
ステップS56の処理が完了した場合、又は、ステップS55においてNOの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002(図7(B)参照)のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を参照する。これにより、判断部15は、グループの稼働状態が「Online」であるか判断する(S57)。
【0130】
スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態が「Online」ではないと判断された場合(S57;NO)、記憶・読出処理部19は、この稼働状態を「Online」に更新する(S58)。これにより、表示制御部14は、図24(A)に示されている画面を表示する場合、例えば、「クルーズ」のように明確に見える通常表示を行う(S59)。一方、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態が「Online」であると判断された場合(S57;YES)、記憶・読出処理部19は、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を更新しない。ここまでの処理により、スキルグループ管理DB1002のスキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態は「Online」になる。
【0131】
ステップS51ではスキル名「専門1,専門2」が取得されているので、記憶・読出処理部19は、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002におけるスキル名「専門2」が記録された各レコードについても、同様に更新する。
【0132】
続いて、説明者端末9ug11から店舗端末1へ、稼働状態情報(稼働状態「Chat」、スキル名(専門1,専門2)、通信ID「01ba」)が送信され、ステップS51でこれらの稼働状態情報が取得されたときの処理について説明する(S52;Chat)。
【0133】
まず、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードを更新する処理について説明する。店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のテーブルのうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可のフィールドを参照する。これにより、判断部15は、通話のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ba」が含まれているか判断する(S63)。
【0134】
スキルグループ管理DB1002における通話可のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ba」が含まれていると判断された場合(S63;YES)、記憶・読出処理部19は、通話可能のフィールドから、取得された通信ID「01ba」を削除する(S64)。
【0135】
ステップS64の処理が完了した場合、又は、ステップS63においてNOの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話中のフィールドを参照する。これにより、記憶・読出処理部19は、通話中のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ba」が含まれているか判断する(S65)。
【0136】
スキルグループ管理DB1002における通話中のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ba」が含まれていないと判断された場合(S65;NO)、通話中のフィールドに、取得された通信ID「01ba」を追加する(S66)。ここまでの処理により、スキルグループ管理DB1002のスキル名「専門1」が記録されたレコードには、通話中のフィールドにのみ説明者端末9ug11の通信IDが記録されるようになる。
【0137】
ステップS66の処理が完了した場合、又は、ステップS65においてYESの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドを参照する。これにより、記憶・読出処理部19は、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)であるか判断する(S67)。
【0138】
スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)である場合(S67;YES)、記憶・読出処理部19は、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を「Chat」に更新する(ステップS68)。これにより、表示制御部14は、図24(A)に示されている画面を表示する場合、例えば、「ウェディング」のように半透明表示を行う(S69)。一方、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)ではない場合(S67;NO)、記憶・読出処理部19は、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を更新しない。すなわち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可のフィールドに通信IDが記録されている場合、対応する稼働状態は「Online」のまま更新されない。
【0139】
ステップS51ではスキル名「専門1,専門2」が取得されているので、記憶・読出処
理部19は、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002におけるスキル名「専門2」が記録された各レコードについても、同様に更新する。
【0140】
続いて、説明者端末9ug21ら店舗端末1へ稼働状態情報(稼働状態「Offline」、スキル名「専門3,専門4」,通信ID「01ca」)が送信され、ステップS51でこれらの稼働状態情報が取得される場合について説明する(ステップS52;Offline)。
【0141】
まず、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002のうち、スキル名「専門3」が記録されたレコードを更新する処理について説明する。店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のテーブルのうち、スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話可のフィールドを参照する。これにより、判断部15は、通話可のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ca」が含まれているか判断する(S73)。
【0142】
スキルグループ管理DB1002における通話可のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ca」が含まれていると判断された場合(S73;YES)、記憶・読出処理部19は、通話可のフィールドから、取得された通信ID「01ca」を削除する(S74)。
【0143】
ステップS74の処理が完了した場合、又は、ステップS73においてNOの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のテーブルのうち、スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話中のフィールドを参照する。これにより、判断部15は、通話中のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ca」が含まれているか判断する(S75)。
【0144】
スキルグループ管理DB1002における通話中のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ca」が含まれていると判断された場合(S75;YES)、通話中のフィールドから、取得された通信ID「01ca」を削除する(S76)。ここまでの処理により、スキルグループ管理DB1002におけるスキル名「専門3」が記録されたレコードから説明者端末9ug21の通信IDが削除される。
【0145】
ステップS76の処理が完了した場合、又は、ステップS75においてNOの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のうち、スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話可及び通話中のフィールドを参照する。これにより、記憶・読出処理部19は、条件IF1,IF2に該当するか判断する(ステップS77)。条件IF1は、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可能
のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)であり、通話中のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)ではない場合である。条件IF2は、スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)であり、通話中のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)である場合である。
【0146】
スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)であり、通話中のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)ではない場合(S77;IF1)、記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のスキル名「専門3」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を「Chat」に更新する(S78)。スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話可のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)であり、通話中のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)である場合(S77;IF2)、記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のスキル名「専門3」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を「Offline」に更新する(S79)。これにより、表示制御部14は、図24(A)に示されている画面を表示する場合、例えば、「ウェディング」のように半透明表示を行う(S80)。一方、ステップS77でIF1にもIF2にも該当しない場合(S77;NO)、記憶・読出処理部19は、スキル名「専門3」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を「Online」のまま更新しない。
【0147】
ステップS51ではスキル名「専門3,専門4」が取得されているので、記憶・読出処理部19は、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002において、スキル名「専門4」が記録された各レコードについても、同様に更新する。
【0148】
<映像通信の開始処理>
続いて、図24及び図25を用いて、遠隔接客のための映像通信を開始する処理について説明する。図24は、店舗端末で表示される画面を示す図である。図25は、映像通信を開始する処理を示すシーケンス図である。
【0149】
店舗端末1では、表示制御部14が店舗端末1のディスプレイ106上に、図24(A)乃至図24(D)のいずれかの画面を表示し、受付部12が顧客から、スキルグループの選択又は説明者の指名を受け付ける(S82)。
【0150】
具体的には、記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理テーブル(図7(B)参照)に記憶されている各スキル名、及びこのスキル名に対応するスキルグループの稼働状態の組を取得する。これにより、表示制御部14は、店舗端末1のディスプレイ106上に、図24(A)に示されるスキル選択画面を表示させる。
【0151】
スキル選択画面の右側には、スキルを選択するためのスキル表示ボタン(クルーズ、ウェディング等)、及び説明者の全ての宛先リストを表示させるための説明者一覧表示ボタンが表示されている。ここでは、「クルーズ」のスキル表示ボタンは通常表示されており、顧客が選択可能な状態になっている。これに対して、「ウェディング」のスキル表示ボタンは半透明表示されており、顧客が選択不可能な状態になっている。そして、例えば、顧客が「クルーズ」スキル表示ボタンを選択すると、受付部12が選択を受け付けることにより、表示制御部14がディスプレイ106上に、図24(B)に示される確認画面を表示する。そして、顧客が「OK」ボタンを押下すると、受付部12が押下を受け付けることにより、送受信部11が通信管理装置5を介して所望の説明者端末9に、映像通話のための通信セッションの接続要求を示す接続要求情報(後述のS84-1,S85-1参照)。
【0152】
一方、図24(A)に示されるスキル選択画面において、顧客が説明者一覧表示ボタンを押下すると、受付部12が押下を受け付けることにより、表示制御部14は、説明者管理テーブル(図7(A)参照)に記憶されている説明者名、説明者端末の稼働状態、及びスキル名に基づいて、ディスプレイ106上に図24(C)に示されているような説明者の宛先リストを表示させる。ここで、顧客は、通話可能な説明者端末のうち、所望の説明者端末を利用する説明者の名称を選択し、「OK」ボタンを押下すると、受付部12が説明者の指名を受け付けることにより、表示制御部14がディスプレイ106上に、図24(D)に示される確認画面を表示する。そして、顧客が「OK」ボタンを押下すると、受付部12が押下を受け付けることにより、送受信部11が通信管理装置5を介して指名した説明者端末9に映像通話の開始要求を送信する(後述のS90,図26の処理参照)。
【0153】
続いて、店舗端末1では、図24(A)のスキル選択画面において、顧客が所望のスキルグループ(例えば、クルーズについて説明できる担当組織)を選択した場合に、判断部15が、無人店舗優先対応組織UG1の特定のスキルグループ(例えばクルーズ)でOnline(通話可能)の説明者端末に映像通話の開始要求を送信するのか、又は有人店舗優先対応組織MG1の同じ特定のスキルグループ(例えばクルーズ)でOnline(通話可能)の説明者端末に映像通話の開始要求を送信するのかを判断する(S83)。この場合、店舗端末1は、上記ステップS19で受信されたサービス情報内のサブグループ管理テーブル(図12(B)参照)における自端末のアカウントIDが属するサブグループ名に基づき判断する。自端末(店舗端末1)が無人店舗に所属している場合には、判断部15は開始要求の宛先を無人店舗優先対応組織UG1の特定のスキルグループと定める。一方、自端末(店舗端末1)が有人店舗に所属している場合には、判断部15は開始要求の宛先を有人店舗優先対応組織MG1の特定のスキルグループと定める。
【0154】
続いて、以下、店舗端末1が無人店舗USに設置された店舗端末1c2である場合に、優先して、無人店舗優先対応組織UG1においてスキルSK1に関する担当組織SR21でOnline(通話可能)の説明者端末9ug11,9ug12に、映像通話の開始要求を送信する場合(第1回目)について説明する。
【0155】
まず、店舗端末1c2の送受信部11は、映像通話の開始要求(図26のS101参照)の前段階として、映像通話のための通信セッションの接続要求を示す接続要求情報を第1回目として一斉に送信する(S84-1)。この接続要求情報には、ステップS83で読み出された通信IDのうち対応する稼働状態が「Online」である通信ID、開始要求元の店舗端末1c2の通信ID、及びステップS82で選択されたスキルを示すスキル名が含まれている。
【0156】
次に、通信管理装置5の送受信部51は、店舗端末1c2によって送信された接続要求情報を受信すると、受信した接続要求情報に含まれる通信IDによって特定される説明者端末9ug11へ、この映像通話の開始要求を送信する(ステップS84-2)。
【0157】
店舗端末1c2が接続要求情報を送信してから応答を受信するまでの間に、ステップS34(図22参照)で稼働状態が更新された場合、店舗端末1c2は、ステップS82,S83の処理を繰り返す。これにより、説明者端末9側の稼働状態が「Online」に更新されることで、対応する稼働状態が「Online」である通信IDとして、通信IDが抽出された場合、店舗端末1c2の送受信部11は、通信IDを含む接続要求情報を通信管理装置5へ送信する(ステップS85-1)。なお、ここで送信される接続要求情報にも、ステップS82で選択されたスキルを示すスキル名及び自端末の通信IDが含まれている。
【0158】
通信管理装置5の送受信部51は、店舗端末1によって送信される接続要求情報を受信すると、受信した接続要求情報に含まれる通信IDによって特定される説明者端末9ug12へ、この接続要求情報を送信する(ステップS85-2)。
【0159】
説明者端末9ug11,9ug12の各送受信部91は、店舗端末1c2から通信管理装置5を介して送信される接続要求情報を受信する。この接続要求情報が受信されると、説明者端末9ug11,9ug12の各表示制御部14は、接続要求情報に含まれる通信IDに対応する要求元の情報、及び通話の開始要求に含まれるスキル名に対応するスキル名(スキル情報)を含むメッセージを各説明者端末9ug11,9ug12のディスプレイ106へ表示させる。メッセージにスキルを示すことにより、各説明者端末9ug11,9ug12の説明者は、顧客がどのような旅行商品を望んでいるかを事前に把握することができる。
【0160】
次に、各説明者端末9ug11,9ug12において、各説明者ug11,ug12が応答許可の操作入力を行うと、各説明者端末9ug11,9ug12の受付部92は、応答の許可の操作入力を受け付ける(ステップS86-1,S86-2)。応答の許可の操作入力が受け付けられると、各説明者端末9ug11,9ug12の送受信部91は、接続可を示す応答情報を通信管理装置5へ送信する(ステップS87-1,S87-2)。この応答情報には、送信元(店舗端末1c2)の通信ID、自端末(9ug11,9ug12)の通信IDが含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、各説明者端末9ug11,9ug12によって送信される応答情報を受信する。なお、上記の処理は一例であって、各説明者端末9ug11,9ug12の送受信部11は、店舗端末1c2からの接続要求情報を受信した場合に、自動的に店舗端末1c2へ接続要求に対する応答情報を送信しても良い。また、各説明者端末9ug11,9ug12の送受信部11は、複数の店舗端末1による複数の接続要求情報を受信した場合に、最先に受信した接続要求情報の送信元の店舗端末1へ応答情報を送信してもよい。
【0161】
次に、通信管理装置5の送受信部51は、受信した応答情報を、この応答情報に含まれる通信IDによって特定される店舗端末1c2へ送信する(ステップS87-2,S88-2)。
【0162】
店舗端末1c2の送受信部11は、複数の応答情報を受信した場合、最先の応答情報に含まれる送信元の説明者端末9を判断する(S89)。以降、本実施形態では、説明者端末9ug11が最初に応答対応した場合について説明する。
【0163】
通信管理装置5の送受信部51は、通信確立要求に含まれる通信ID「店舗端末の通信ID,説明者の通信ID」により特定される説明者端末9ug11及び店舗端末1の間で中継装置3を介して画像データ及び音データのコンテンツデータを送信して映像通話を行うための通信セッションを確立する制御を行う(ステップS90)。このステップS90については、後ほど図26を用いて詳細に説明する。なお、通信セッションは、上記に限られず、説明者端末9ug11及び店舗端末1c2の間で通信ネットワーク100を介して直接コンテンツデータを送信するためのセッションであっても良い。店舗端末1c2及び説明者端末9ug11の間の通信が確立すると、各店舗端末1c2及び説明者端末9ug11は、自端末側で撮像された画像の画像データ、及び自端末側で集音された音データを、中継装置3を介して相手側の端末へ送信する。これにより、図2に示されているように、顧客と説明者の間で映像通話を開始することができる。
【0164】
なお、ステップS90によって通信が確立すると、説明者端末9ug11の送受信部91は、稼働状態「Chat」、スキル名「専門1」、及び説明者端末9ug11の通信IDが含まれる状態情報を通信管理装置5へ送信する。
【0165】
また、ステップS90によって通信が確立すると、店舗端末1c2の送受信部11は、最先に受信した送信元以外の応答の送信元に対して通話の開始要求をキャンセルするため、キャンセル情報を通信管理装置5へ送信する(ステップS91-1)。キャンセル情報には、自端末(店舗端末1c2)の通信ID及び最先に受信した送信元以外の送信元の説明者端末9(ここでは、説明者端末9ug12)の通信IDが含まれている。
【0166】
通信管理装置5の送受信部51が、キャンセル情報を受信すると、キャンセル情報に含まれている通信IDにより特定される説明者端末9ug12へ、キャンセル情報を送信する(ステップS91-2)。説明者端末9ug12の送受信部11は、通信管理装置5によって送信されるキャンセル情報を受信する。これにより、説明者端末9ug12側では店舗端末1側の通話の開始要求に対する応答が不要になったことを把握することができる。
【0167】
<通信確立制御の処理>
続いて、図26を用いて、図25の通信確立制御の処理(S90参照)について詳細に説明する。図26は、通信確立制御の詳細な処理を示したシーケンス図である。
【0168】
まず、店舗端末1c2は、通信管理装置5に対して、映像通信を開始する要求を示す開始要求情報を送信する(ステップS101)。この開始要求情報には、開始端末(ここでは、店舗端末1c2)の通信ID、及び、宛先端末(ここでは、説明者端末9ug11)の説明者ug11の通信IDが含まれている。これにより、通信管理装置5は、開始要求情報を受信する。
【0169】
次に、通信管理装置5では、選択部53が、開始端末及び宛先端末の各IPアドレスに基づいて、最寄りの中継装置を選択する(ステップS102)。各端末のIPアドレスは端末管理テーブルで管理されており、各中継装置のIPアドレスは記憶部5000に予め記憶されている。
【0170】
次に、作成部54は、中継装置のIPアドレス、通信ID,及び、上記の接続IDを含む通信情報を作成する(ステップS103)。
【0171】
そして、記憶・読出処理部59は、通信情報管理DB5005(図9(C)参照)に、通信情報の内容である接続ID及び中継装置のIPアドレス、並びに、ステップS101で受信された開始端末及び宛先端末の説明者の各通信IDを関連付けて記憶することにより管理する(S104)。
【0172】
その後、送受信部51は、宛先端末(ここでは、説明者端末9ug11)に対して、開始要求情報を送信する(ステップS105)。この開始要求情報には、上記ステップS101で開始端末から送られて来た各通信IDに加え、通信情報(接続IDを含む)が含まれている。これにより、宛先端末の送受信部91aは、開始要求情報を受信する。
【0173】
次に、宛先端末では、説明者端末9ug11の判断部15が、ステップS105で受信された開始端末(店舗端末1c2)の通信IDが、図25のステップS84-2の処理で既に受信している店舗端末1c2の通信IDが同じであるかを判断する(S106)。
【0174】
この場合、基本的に同じであるため、送受信部91aは、通信管理装置5に対して応答可情報を送信する(ステップS107)。この場合の応答可情報は応答可である旨を示し、開始端末の通信IDが含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、応答可情報を受信する。
【0175】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ステップS107で受信された開始端末の通信IDを検索キーとして、通信情報管理DB5005を検索することにより、対応する通信情報(接続ID、通信ID、中継装置のIPアドレス)を読み出す(ステップS108)。
【0176】
そして、送受信部51は、開始端末に対して、応答可情報を送信する。この場合の応答可情報には、ステップS108で読み出された通信情報(接続IDを含む)が含まれている。これにより、開始端末の送受信部11は、応答可情報を受信する(S109)。
【0177】
次に、宛先端末の送受信部91は、ステップS105で受信した通信情報に含まれる中継装置のIPアドレスに対して、相互通信のセッションを確立する要求を示す確立要求情報を送信する(ステップS110)。この確立要求情報には、開始端末の通信IDと宛先端末の説明者の通信IDが含まれている。また、送信元である宛先端末のIPアドレスも送信される。
【0178】
一方、開始端末の送受信部11は、ステップS109で受信した通信情報に含まれる中継装置のIPアドレスに対して、相互通信のセッションを確立する要求を示す確立要求情報を送信する(ステップS111)。この確立要求情報には、開始端末の通信IDと宛先端末の説明者の通信IDが含まれている。また、送信元である開始端末のIPアドレスも送信される。
【0179】
これにより、中継装置3と開始端末との間で、画像及び音を相互通信するための通信セッションが確立すると共に(ステップS112-1)、中継装置3と宛先端末との間で、画像及び音を相互通信するための通信セッションが確立する(ステップS112-2)。
【0180】
次に、開始端末の送受信部11は、通信管理装置5に対して自端末(開始端末)の状態情報を送信する(ステップS113-1)。この状態情報には、開始端末の通信ID、及び稼働状態情報(ここでは「通信中」)が含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、開始端末の状態情報を受信する。
【0181】
一方、宛先端末の送受信部91は、通信管理装置5に対して自端末(宛先端末)の状態情報を送信する(ステップS113-2)。この状態情報には、宛先端末の通信ID、及び稼働状態情報(ここでは「Chat(通信中)」)が含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、宛先端末の状態情報を受信する。このように、各端末は、通信管理装置5に対して、自ら自端末の稼働状態を通知する。
【0182】
そして、通信管理装置5では、記憶・読出処理部59が、端末管理テーブル(図11(A)参照)において、開始端末の通信IDに関連付けられている稼働状態を「Chat(通信中)」に変更すると共に、宛先端末の通信IDに関連付けられている稼働状態を「Chat(通信中)」に変更する(ステップS114)。
【0183】
以上より、開始端末(店舗端末1c2)及び宛先端末(説明者端末9ug11)では、図2に示されているように、相互通信により映像通話をすることができる。以上が、ステップS82において、図24(A)で「クルーズ」等のスキルグループが選択された場合の処理である。
【0184】
<説明者が指名された場合の映像通話の開始要求>
続いて、ステップS82において、図24(C)で説明者が指名された場合に映像通話を開始する処理について説明する。この場合、図25において、ステップS84以降のうち、ステップS90の処理のみが実行される。
【0185】
また、説明者が指名された場合には、図25のステップS84-2,S85-2の処理が行われないため、図26のステップS106では、表示制御部94が開始端末の通信IDを表示することで、指名された説明者に手動で応答の可否を選択させる。そして、指名された説明者が応答の可否を選択すると、受付部92が応答の可否の選択を受け付ける。
【0186】
そして、ステップS107,S109では、応答可情報に代えて応答可否情報が送信される。この場合も、開始端末の通信IDが含まれている。これら以外の処理は、スキルグループが選択された場合と同様であるため、説明を省略する。
【0187】
<通信確立後の説明者端末から、別の説明者端末の呼び出し>
次に、図27を参照して、説明者端末9ug11が説明者端末9ug12を呼び出す場合の処理について説明する。図27は、店舗端末1と通信している説明者端末9から別の説明者端末を呼び出す処理を説明するシーケンス図の一例である。なお、説明者端末9は起動後に説明者管理テーブル(図7(A))を受信している。また、説明者端末9の説明者管理テーブルはリアルタイムに更新される。
【0188】
S201:説明者A(説明者ug11)は顧客と通話中に例えば質問を受け、質問内容に詳しい説明者に通話に参加してほしいと考えた。このため、説明者Aは説明者のリストを表示する操作を説明者端末9ug11に入力する。説明者端末9ug11の受付部92は入力を受け付ける。
【0189】
S202:これにより、説明者端末9ug11の表示制御部94は説明者のリストを表示する。説明者のリスト300の表示例を図28に示す。表示制御部94は記憶・読出処理部99を介して、説明者管理テーブル(図7(A))を取得し、他の説明者のリスト(稼働状態及びスキル)を表示する。説明者のリストの一例を図28に示す。
【0190】
S203:説明者Aはスキルを考慮して他の説明者(ここでは説明者C(説明者ug12)とする)を選択する。説明者端末9ug11の受付部92は選択を受け付ける。説明者端末9ug11の表示制御部94は説明者のリストにおいて、説明者C(説明者端末9ug12)の呼出状態を変更する。すなわち、「呼出」から「キャンセル」に変更する。「キャンセル」は、呼び出しをキャンセルする場合に押下される。
【0191】
S204:説明者端末9ug11の送受信部91は、通信への途中参加リクエストを通信管理装置5に送信する。途中参加リクエストには、要求元の通信端末(説明者端末9ug11)の通信ID、宛先の通信端末(説明者端末9ug12)の通信ID、要求されるスキル(このスキルは通信の開始時に顧客が選択したスキルである。図7(A)の呼出スキルである。)が含まれる。
【0192】
なお、送受信部91が途中参加リクエストを送信することで、自動的に、保留コマンドを店舗端末1に送信してもよい。店舗端末1は保留コマンドを受信すると、「しばらくおまちください」のようなメッセージや広告を映像よりも手前に表示する。また、説明者側の音声をミュートする(無音にする)。これにより、店舗端末1に説明者同士の音声が送信され、社内の会話を顧客に聞かれることを抑制できる。保留コマンドは説明者Aの操作で送信してもよい。また、保留状態は説明者Aの操作で解除される。
【0193】
S205:通信管理装置5の送受信部51は途中参加リクエストを受信し、宛先の通信端末(説明者端末9ug12)に途中参加リクエストを送信する。
【0194】
S206:説明者端末9ug12の送受信部91は途中参加リクエストを受信し、表示制御部94が着信ダイアログを表示する。着信ダイアログの一例を図29に示す。
【0195】
S207~S210:説明者ug11は別の他の説明者(ここでは説明者E(説明者mg21)とする)を選択することができ、ステップS203~S206と同様の処理が実行される。複数の他の説明者を選択できることで、説明者Aが早期に他の説明者のサポートを受けられる。説明者Aは必ずしも複数の他の説明者を選択しなくてよい。
【0196】
S211:他の説明者Cが途中参加リクエストを拒否した。説明者端末9ug12の受付部92は拒否の操作を受け付ける。
【0197】
S212:説明者端末9ug12の送受信部91は拒否する旨を通信管理装置5に送信する。拒否する旨には、拒否した説明者端末9ug12の通信IDと途中参加リクエストを要求した説明者端末9ug11の通信IDが含まれる。
【0198】
S213:通信管理装置5の送受信部51は拒否する旨を、途中参加リクエストを要求した説明者端末9ug11に送信する。
【0199】
S214:説明者端末9ug11の送受信部91は拒否する旨を受信し、表示制御部94が説明者のリストにおいて、説明者C(説明者端末9ug12)の呼出状態を変更する。すなわち、呼出中(表示は「キャンセル」)から「呼出」に変更する。
【0200】
S215:他の説明者Eが途中参加リクエストに応答した(受け付けた)。説明者端末9mg21の受付部92は応答の操作を受け付ける。
【0201】
S216:説明者端末9mg21の送受信部91は応答する旨を通信管理装置5に送信する。応答する旨には、応答した説明者端末9mg21の通信IDと途中参加リクエストを要求した説明者端末9ug11の通信IDが含まれる。
【0202】
S217:通信管理装置5の送受信部51は応答する旨を、途中参加リクエストを要求した説明者端末9ug11に送信する。
【0203】
S218:説明者端末9ug11の送受信部91は応答する旨を受信し、現在、通話中の接続IDを通信管理装置5に送信する(図9(C)参照。)。なお、説明者端末9ug11側では接続IDでなく通信IDを指定して、接続IDの送信を通信管理装置5に要求してもよい。通信管理装置5は通信情報管理DB5005から通信IDに対応付けられている接続IDを取得する。
【0204】
S219:通信管理装置5の送受信部51は説明者端末9ug11が参加している通信の接続IDを説明者端末9mg21に送信する。
【0205】
S220:説明者端末9mg21の送受信部91は接続IDを受信して、会議参加リクエストを通信管理装置5に送信する。会議参加リクエストには接続IDが含まれる。
【0206】
S221:通信管理装置5の送受信部51は会議参加リクエストを受信し、同じ通話に参加させるため、接続IDに対応づけられている中継装置のIPアドレスを説明者端末9mg21に送信する。
【0207】
S222:これにより、説明者端末9mg21の送受信部91は、説明者端末9ug11が接続している中継装置3と通信できる。説明者端末9mg21の送受信部91は、接続IDを指定して会議参加リクエストを中継装置3に送信する。
【0208】
S223:中継装置3の送受信部31は会議参加成功を説明者端末9mg21に送信する。以降は、中継装置3の送受信部31が同じ接続IDを有する通信端末間で映像と音声を転送する。
【0209】
なお、他の説明者Cが途中参加リクエストを拒否せずに応答した場合、説明者CとEが共に通話に参加できる。
【0210】
<店舗端末と通信している説明者端末が表示する他の説明者のリスト>
図28は、説明者端末9ug11が表示する他の説明者のリスト300の一例を示す。まず、図28(A)に示すように、通話中の説明者端末9ug11は、店舗端末1が送信する映像301と、説明者端末9ug11が撮像した映像302(説明者の顔など)を表示している。
【0211】
説明者A(説明者ug11)が他の説明者の参加を求める場合、説明者Aはタブ309をマウスやタッチパネルで押下する。これにより、図28(B)に示すように、他の説明者のリスト300が表示される。
【0212】
他の説明者のリスト300が表示する項目について説明する。なお、これらはいずれも図7(A)の説明者管理テーブルから取得される。
アイコン303…他の説明者を呼び出せるか(online)、呼び出せないか(chat、offline)を示す。呼び出せない説明者はグレーアウトで表示される。
説明者名304…他の説明者の氏名(又は名称)である。
スキル305…他の説明者が有するスキルである。
呼出状態306…呼出(呼出可能を意味する)、キャンセル(呼出中を意味する)などの状態を示す。なお、呼出(呼出可能)が表示される場合でも、通話不可能(chat、offline)の場合は説明者が押下できないようにグレーアウトして表示される。
【0213】
他の説明者のリスト300では、店舗端末1と通話中の説明者端末9ug11が他の説明者の稼働状態(online, offline, chat)、及び、他の説明者が持つスキルの一覧を見ることができるため、説明者Aはどの説明者に参加要請すれば顧客を満足させられるかを推測できる。説明者Aはこのリストから通話に参加して欲しい他の説明者を選択して呼び出すことができる。
【0214】
説明者Aは複数の他の説明者を並行に呼び出すこともできる。図28(B)では、説明者C、Eが並行に呼び出されている。これは、説明者C、Eの呼出状態306が「キャンセル」であること、又は、説明者のリスト300の下部に呼出中の説明者307として説明者C、Eが表示されること、から判断できる。
【0215】
なお、説明者Aは他の説明者(C、Eのどちらか)が参加したため、残りの説明者の参加不要になった場合など、呼出状態306の「キャンセル」ボタンを押下して、呼出を終了できる。
【0216】
説明者のリスト300では、説明者Aがスキルを検索できてもよい。すなわち、説明者Aは顧客の質問に答えられそうなスキルを有する他の説明者を検索できる。
【0217】
<店舗端末と通信している説明者端末から呼び出された他の説明者端末が表示する着信ダイアログ>
図29は、店舗端末1と通信している説明者端末9から呼び出された他の説明者端末9が表示する着信ダイアログ310の一例である。したがって、説明者端末9ug12、及び、説明者端末9mg21が表示する着信ダイアログ310である。
【0218】
着信ダイアログ310は、途中参加リクエストを送信した説明者端末9ug11の説明者名311、説明者端末9ug11が行っている通話において顧客が要求(選択)したスキル312(呼出スキル)、を有している。説明者C,Eは着信ダイアログ310を見て、この通話に参加するかどうかを判断できる。例えば、「ハワイ旅行」や「ローン相談」など、通話の内容(スキル)が表示されているため、どのような内容が通話されているかが判り、途中参加する説明者C,Eも準備しやすい。
【0219】
説明者C、Eは通話に参加する場合、応答ボタン313を押下することで、呼び出し元の説明者端末9ug11が参加している通話に途中参加することができる。説明者C、Eが拒否ボタン314を押下した場合、通信管理装置5から説明者端末9ug11に拒否する旨が送信され、説明者のリスト300の呼び出し中を表す「キャンセル」ボタンが再び「呼出」に変化する。このように説明者C、Eの応答又は拒否がリアルタイムに説明者のリスト300に反映される。
【0220】
また、スキル312として、説明者端末9ug11が行っている通話において顧客が要求(選択)した図7(A)の呼出スキルに加え、又は呼出スキルに代えて、他のスキルが表示されてよい。例えば、説明者Aが検索で指定したスキルでもよいし、説明者C,Eのスキルでもよい。いずれも他の説明者に要求される専門(スキル)と言える。また、説明者Aが任意に入力したフリーワードが表示されてもよい。
【0221】
<通話中に他の説明者の稼働状態が変化した場合における説明者のリストへの反映>
各通信端末が有する図7(A)の説明者管理テーブルはリアルタイムに更新される。例えば、途中参加リクエストを送信した説明者端末9ug11が他の説明者のリストを表示中に他の説明者の稼働状態が変更された場合、他の説明者のリスト300の稼働状態がリアルタイムに変更される。図30のシーケンス図で説明する。
【0222】
図30は、通話中における他の説明者の稼働状態の変更を説明者端末9ug11が説明者のリスト300にリアルタイムに反映する手順を示すシーケンス図の一例である。
【0223】
S231、S232:図27と同様に、説明者A(説明者ug11)の操作により、説明者端末9ug11が他の説明者のリスト300を表示する。ここでは、他の説明者Bが呼び出しできない状態(Offline)又は通話中(chat)であるとする。このため、他の説明者のリスト300では、説明者Bに関する情報がグレーアウトの表示になっている(図28(B))。説明者Aは、説明者Bの「呼出」ボタンを押下できない。
【0224】
S233:他の説明者B(説明者ug21とする)が通話を切断した。
【0225】
S234:説明者端末9ug21の送受信部91は通話を切断する旨を通信管理装置5に送信する。
【0226】
S235:また、説明者端末9ug21の送受信部91は稼働状態の更新を通信管理装置5に送信する。稼働状態の更新には、説明者端末9ug21の通信ID、稼働状態(online)、及び、他の説明者Bのスキルが含まれる。
【0227】
S236:通信管理装置5の記憶・読出処理部59は稼働状態管理テーブルの説明者端末9ug21の稼働状態を変更したり、セッション管理テーブルから通信IDを削除したりするなどの処理を行う。
【0228】
S237:また、通信管理装置5の送受信部51は説明者端末9ug21の稼働状態の更新を説明者端末9ug11に送信する。説明者端末9ug11だけでなく、稼働状態がonline又はchatの全ての説明者端末9に説明者端末9ug21の稼働状態の更新を送信する。
【0229】
S238:通話が終了した説明者端末9ug21の表示制御部94は待機画面を表示する。
【0230】
S239:説明者端末9ug11の送受信部91は説明者端末9ug21の稼働状態の更新を受信し、記憶・読出処理部99が図7(A)の説明者管理テーブルにおける説明者端末9ug21の稼働状態を更新する。すなわち、稼働状態をchatからonlineに更新する。
【0231】
S240:説明者管理テーブルが変更されたので、説明者端末9ug11の表示制御部94は説明者のリスト300におけるアイコン303を更新し、呼出状態306を示す呼出ボタンをグレーアウトから押下可能な状態に変更する。これにより、説明者Aは説明者Bに会議参加リクエストを送信できる。
【0232】
なお、説明者端末9ug11が説明者のリスト300を表示中でなければ、表示制御部94は説明者管理テーブルの変更を説明者のリスト300に反映しない。説明者Aが会議参加リクエストを送信する場合に他の説明者の稼働状態が分かればよいためである。
【0233】
ただし、説明者Aがあるスキルを有する他の説明者の稼働状態がonlineになることを待っている場合もあるため、説明者端末9ug11が説明者のリスト300を表示中でない場合は、稼働状態の更新に応じて、表示制御部94が自動で説明者のリスト300を表示してもよい。一方、全ての説明者の稼働状態がonlineになるたびに説明者のリスト300が表示されると煩わしいおそれがある。このため、説明者Aが説明者のリスト300を自動表示するか否かを設定できるとよい。
【0234】
このように、本実施形態の説明者端末は、他の説明者の稼働状態をリアルタイムに反映できる。
【0235】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態の説明者端末9は他の説明者端末9のリストを表示し、選択された他の説明者端末9を呼び出すことができるので、顧客と通話中の説明者が他の説明者を通話に参加させることができる。また、顧客と通話中の説明者端末9が他の説明者の稼働状態をリアルタイムに反映できる。
【0236】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0237】
例えば、図5図6などの構成例は、説明者端末9、店舗端末1、及び、通信管理装置5による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。説明者端末9、店舗端末1、及び、通信管理装置5の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0238】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、通信管理装置5は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0239】
更に、通信管理装置5は、開示された処理ステップ、例えば図27等のフローチャートを様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、通信管理装置5が有する複数の情報処理装置によって実行され得る。また、通信管理装置5は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0240】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0241】
1 店舗端末
3 中継装置
4 管理者端末
5 通信管理装置
7 サービス情報管理装置
9 説明者端末
200 通信システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0242】
【文献】特開2014-027433号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30