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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】読取装置、画像形成装置および補正方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/193 20060101AFI20240910BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H04N1/193
G06T1/00 440
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020167360
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2022059534
(43)【公開日】2022-04-13
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】橋本 英樹
(72)【発明者】
【氏名】中澤 政元
(72)【発明者】
【氏名】二角 大祐
(72)【発明者】
【氏名】大宮 豊
【審査官】中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-290265(JP,A)
【文献】特開2007-259322(JP,A)
【文献】特開2006-082968(JP,A)
【文献】特開2000-092273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/193
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体表面の反射光から第1の波長領域の画像と第2の波長領域の画像とを読み取る読取手段と、
前記媒体表面が前記読取手段に読み取られる際の読取深度方向における基準位置からの変化を前記第2の波長領域の前記画像から読み取った特徴量から検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した前記変化を基に前記第1の波長領域の画像を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする読取装置。
【請求項2】
前記読取手段は、
前記読取深度方向の読取範囲において、前記第2の波長領域においては前記特徴量が前記読取深度方向に単調に変化する特性を有し、前記第1の波長領域においては前記読取深度方向に小さい変化の特性を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記特徴量は、前記読取手段の読取解像力である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の読取装置。
【請求項4】
前記媒体表面は、前記媒体表面に前記第2の波長領域で読み取られる検出パターンを有し、
前記検出手段は、前記第2の波長領域の画像に含まれる前記検出パターンから読み取った前記特徴量により、前記読取深度方向における前記基準位置からの変化を検出する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の読取装置。
【請求項5】
前記検出パターンは、前記媒体表面の実画像形成領域外に有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の読取装置。
【請求項6】
前記検出パターンは、前記媒体表面に対し可視光下で検出することができない色材で設けられている、
ことを特徴とする請求項4または5に記載の読取装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記第2の波長領域の画像に含まれる濃度変化が大きい領域の境界における読取値の変化を前記特徴量として使用する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の読取装置。
【請求項8】
前記検出手段は、前記第2の波長領域の画像の媒体端部における読取値の変化を前記特徴量として使用する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の読取装置。
【請求項9】
前記読取手段は、前記第2波長領域の画像の読取用の光源を有し、
前記特徴量は、前記読取用の光源の光量変化の特徴量である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の読取装置。
【請求項10】
前記読取手段は、前記第2波長領域の画像の読取用の光源を有し、
前記検出手段は、前記読取手段の読取解像力の特徴量と、前記読取用の光源の光量変化の特徴量との両方を使用して、前記読取深度方向における前記基準位置からの変化を検出する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の読取装置。
【請求項11】
前記補正手段は、前記媒体表面の一括補正する領域内で読取値に位置による光学的依存性がある場合には前記画像の補正の対象外とする、
ことを特徴とする請求項1乃至10のうちの何れか一項に記載の読取装置。
【請求項12】
前記読取手段は、前記第1波長領域の画像として前記媒体表面の画像位置情報を検出し、
前記補正手段は、前記検出手段で検出した前記変化を基に前記画像位置情報を補正する、
ことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちの何れか一項に記載の読取装置と、
前記読取装置の補正手段により補正された画像を媒体上に形成する画像形成手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
前記読取装置の読取手段は前記画像形成手段で形成された画像を読み取る、
ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
媒体表面の反射光から第1の波長領域の画像と第2の波長領域の画像とを読み取るステップと、
前記媒体表面が読み取られる際の読取深度方向における基準位置からの変化を前記第2の波長領域の前記画像から読み取った特徴量から検出するステップと、
検出した前記変化を基に前記第1の波長領域の画像を補正するステップと、
を有する補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取装置、画像形成装置および補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像読取装置で読取対象を読み取ると、その読取位置で読取対象が読取深度方向に変化する場合があり、その読取深度方向への変化量に応じて読取値にずれが生じることがある。例えば紙の搬送などにより紙のばたつきが生じ、読取位置において紙の読取対象が読取深度方向に変化する。このような読取値のずれを補正するため、読取対象の紙の裏当てに所定のパターンを形成しておき、そのパターンを読み取って読取値を補正する技術がある。
【0003】
例えば特許文献1において、読取の際に用紙に赤外光を照射し、用紙の裏当てから反射する赤外光の反射光により用紙の透け具合を検知して読取値を補正する補正技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術のように裏当てを利用する場合、読取対象の紙厚に検出精度が左右されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、読取対象の紙厚に左右されることなく読取深度の変化量を検出することが可能な読取装置、画像形成装置および補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の読取装置は、読取手段と、検出手段と、補正手段とを備え、前記読取手段は、媒体表面の反射光から第1の波長領域の画像と第2の波長領域の画像とを読み取り、前記検出手段は、前記媒体表面が前記読取手段に読み取られる際の読取深度方向における基準位置からの変化を前記第2の波長領域の前記画像から読み取った特徴量から検出し、前記補正手段は、前記検出手段で検出した前記変化を基に前記第1の波長領域の画像を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、読取対象の紙厚に左右されることなく読取深度の変化量を検出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施の形態にかかる読取装置の一例を示す図である。
図2図2は、読取位置の構成と読取手段の構成を示す模式図である。
図3図3は、読取位置での原稿の搬送パターンの一例を示す図である。
図4図4は、本実施の形態にかかる読取装置の読取系と補正部の構成の一例を示す図である。
図5図5は、MTF値を検出する処理の一例を示す図である。
図6図6は、かかる読取装置の読取系におけるMTF特性の一例を示す図である。
図7図7は、複数の原稿パターンの一例を示す図である。
図8図8は、原稿バターンが異なるときの読取深度の変化量の一例を示す図である。
図9図9は、読取深度方向の変化と倍率の変化との関係の一例を示す図である。
図10図10は、読取深度に応じて拡大される紙幅について説明する図である。
図11図11は、第2画像のMTF特性の一例を示す図である。
図12図12は、補正後の第1画像の紙幅を説明する図である。
図13図13は、変形例1にかかる検出パターンの一例を示す図である。
図14図14は、変形例2にかかる検出パターンの一例を示す図である。
図15図15は、変形例3にかかる読取装置の読取系と補正部の構成の一例を示す図である。
図16図16は、変形例4にかかる読取装置の読取系と補正部の構成の一例を示す図である。
図17図17は、変形例5にかかる検出パターンの一例を示す図である。
図18図18は、注目部分の読取値の分布を拡大した図である。
図19図19は、第2のMTF特性において、基準位置からのMTFの変化をパーセンテージで標記した図である。
図20図20は、設定テーブルの一例を示す図である。
図21図21は、変形例6にかかる検出パターンの一例を示す図である。
図22図22は、注目部分の読取値の分布を拡大した図である。
図23図23は、読取位置の搬送ギャップを2mmとした場合の図である。
図24図24は、読取深度と照明照度との関係を示す図である。
図25図25は、搬送パターンの一例を示す図である。
図26図26は、搬送ギャップ2mmで原稿面照度が10%低下する場合の例を示す図である。
図27図27は、光源の照度変化による読取深度の変化の関係を示す図である。
図28図28は、第2の実施の形態にかかるプロダクションプリンタの構成の一例を示す図である。
図29図29は、記録紙の実使用領域以外に検出パターンを形成した場合の一例を示す図である。
図30図30は、補正対象の説明図である。
図31図31は、補正対象の説明図である。
図32図32は、MTFの検出と補正方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、読取装置、画像形成装置および補正方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる読取装置の一例を示す図である。図1には、読取装置の一例として、ADF(自動搬送装置)を搭載した原稿読取装置の構成を示している。
【0011】
読取装置本体10は、上面にコンタクトガラス11を有し、読取装置本体10の内部に、縮小光学系方式の読取手段として、光源13、第1キャリッジ14、第2キャリッジ15、レンズユニット16、センサボード17などを有する。図1において、第1キャリッジ14は光源13と反射ミラー141とを有し、第2キャリッジ15は反射ミラー151、152を有する。なお、この縮小光学系の構成は一例であり、これに限定するものではない。
【0012】
光源13の光は読取対象に照射され、読取対象からの反射光が第1キャリッジ14のミラー141や第2キャリッジ15のミラー151、152で折り返されてレンズユニット16に入射し、読取対象の像がレンズユニット16からセンサボード17上の受光面上に縮小結像する。センサボード17は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary MOS)などのラインセンサを有し、ラインセンサにおいて受光面に結像した読取対象の像を順次電気信号に変換する。本実施の形態において、センサボード17は複数のラインセンサを備え、各ラインセンサでそれぞれ異なる波長領域の光を受光して電気信号に変換する。基準白板12は光源13の光量変化やラインセンサの画素(画素回路)のばらつきなどの補正に使用される。
【0013】
原稿読取装置1は読取装置本体10に制御ボードを備え、読取装置本体10の各部やADF20の各部を制御して所定の読取方式で原稿100の読取を行う。
【0014】
一例として、原稿読取装置1は、ADF20を使用してシートスルー方式で原稿100の読取を行う。シートスルー方式で読取を行う場合、原稿読取装置1は、ADF20の原稿トレイ21から原稿束の原稿100をADF20の搬送路22に沿って1枚ずつ搬送し、搬送路22を搬送する原稿100の読取対象の面を所定の読取位置で読み取って、原稿100を排紙トレイ26に排出する。原稿100は搬送ドラム23や各種搬送ローラ24の回転により搬送路22を搬送する。
【0015】
原稿100の読取は、原稿読取装置1が例えば第1キャリッジ14および第2キャリッジ15を所定のホームポジションに移動して固定し、それを固定した状態で、原稿100が読取窓19を通過するタイミングで行う。読取窓19はコンタクトガラス11の一部に設けられたスリット状の読取窓であり、原稿100が自動搬送で読取窓19を通過することで原稿100の副走査方向が走査される。原稿読取装置1は、原稿100が読取窓19を通過する間に読取窓19側に向けられている原稿100の第一面(表面または裏面)から反射する光源13の光の反射光をセンサボード17上の各ラインセンサで逐次読み取る。
【0016】
また、原稿100の両面読取が設定されている場合には、原稿読取装置1は、読取窓19の通過後に読取装置25で原稿100の背面を読み取る。読取装置25には等倍方式の読取手段を設けている。
【0017】
本例の原稿読取装置1の構成では、フラットベット方式の読取も可能である。具体的には、ADF20を持ち上げてコンタクトガラス11を露出し、コンタクトガラス11上に原稿100を直接配置する。そして、ADF20を元の位置に下ろしてADF20の下部で原稿100の背面を押さえる。フラットベット方式では原稿100が固定されるため、原稿100に対しキャリッジ(第1キャリッジ14、第2キャリッジ15)側を移動して走査を行う。第1キャリッジ14および第2キャリッジ15はスキャナモータ18によって駆動され、原稿100の副走査方向を走査する。例えば、第1キャリッジ14が速度Vで移動し、同時にそれと連動して第2キャリッジ15が、第1キャリッジ14の半分の速度1/2Vで移動して、原稿100のコンタクトガラス11側の第一面を読み取る。
【0018】
なお、この例では、第1キャリッジ14、第2キャリッジ15、レンズユニット16、センサボード17等を別々に示しているが、これらは、個別に設けてもよいし、一体となった一体型センサモジュールとして設けてもよい。
【0019】
続いて原稿100の読取時の状態に応じて異なる読取結果を補正するための構成について説明する。例えば原稿100を搬送させると、原稿100にばたつき(「搬送ばたつき」と言う)が発生し、読取位置を通過するときの原稿100の高さにギャップ(「搬送ギャップ」と言う)が生じる。例えばシートスルー方式で読み取る読取位置において搬送による搬送ギャップが生じる。このギャップは、原稿100を搬送して読み取る場合に限らず読取位置に応じて起こり得るものでもある。以下では、原稿100の高さによる読取値の変化について搬送時の搬送ギャップを例に模式的な図を用いて説明する。
【0020】
図2および図3は、原稿100の読取位置における搬送パターンの説明図である。図2は、読取位置の構成と読取手段の構成を示す模式図である。図3は、読取位置での原稿100の搬送パターンの一例を示す図である。
【0021】
図2に示すように、原稿100は、各種搬送ローラ24により送られ、コンタクトガラス11の読取位置と背景部材27との間を通過する。読取位置は、原稿読取装置1の構成の場合、読取窓19上に存在する。背景部材27は、読取の際に読取位置において原稿100の背面側に構成される部材に相当する。原稿読取装置1の構成の場合、搬送ドラム23(図1参照)が読取窓19の対面側に構成されているため搬送ドラム23のドラム表面に相当する。
【0022】
図1と同様、縮小光学方式の構成であり、原稿100が読取窓19を通過する間、読取窓19に向けられている原稿100の第一面から光源13の光の反射光が図2に点線で示す経路を経てセンサボード17上のラインセンサ上に縮小結像される。
【0023】
原稿100は、原稿100の厚みなどにより、ばたつきが発生し、図3に示すように読取位置で搬送ギャップ(搬送GAP)が発生する。つまり、読取位置で原稿100の読取側の面(原稿表面100aと呼ぶ)の通過位置が深度方向(読取深度方向)に変化する。例えば図3に示す原稿パターンP1の通過位置で最もピントが合うフォーカス位置に調整されていた場合、原稿パターンP1での解像力は高いが、原稿パターンP2のように通過すると読取位置でピントが合わず、読取画像の解像力が低下し、ぼけた画像になる。そこで、本実施の形態では、基準位置(例えばフォーカス位置)からの読取深度方向の搬送ギャップ(つまり変化)を原稿表面100aの検出パターンから検出し、搬送ギャップに応じて原稿表面100aの原稿画像の読取データを補正する。
【0024】
図4は、本実施の形態にかかる読取装置の読取系と補正部の構成の一例を示す図である。かかる読取系と補正部の構成について原稿読取装置1を例に説明する。
【0025】
読取手段31は、光源31aと撮像手段31bとを有する。これら光源31aと撮像手段31bとが読取系に含まれる。光源31aは、光源13に相当し、撮像手段31bは、第1キャリッジ14、第2キャリッジ15、レンズユニット16、センサボード17に相当する。なお、光源31aと撮像手段31bの構成をこれらに限定するものではない。
【0026】
読取手段31は、光源31a(光源13)を原稿表面100aに照射し、原稿表面100aの反射光から撮像手段31bにおいて第1の波長領域で検出される原稿表面100aの情報(第1画像)を読み取る。また、読取手段31は、原稿表面100aの反射光から撮像手段31bにおいて第2の波長領域で検出される原稿表面100aの検出パターン(第2画像)を読み取る。
【0027】
ここで原稿表面100aの検出パターンは、撮像手段31bにおいて第2の波長領域で検出される色材などで設けるなどして原稿画像と区別できるようにする。
【0028】
また、第1画像の読み取りと第2画像の読み取りとで画像の読取解像力を示すMTF(Modulation Transfer Function)特性が異なるように、使用する波長領域或いは読取系の構成などを選定する。第1の波長領域および第2の波長領域と、検出パターンの構成と、MTF特性の詳しい説明は後述する。
【0029】
第1検出手段32、第2検出手段33、および補正手段34は、撮像手段31bの出力つまり、センサボード17からの出力を補正処理する補正部である。第1検出手段32と第2検出手段33は「検出手段」に相当する。補正部は、例えばASIC等のハードウェアで制御ボードに搭載され、センサボード17から出力される第1画像や第2画像の読取データを受信して処理する。
【0030】
第1検出手段32は、読取手段31が読み取った第1画像を検出して保持する。
【0031】
第2検出手段33は、読取手段31が読み取った第2画像のMTF値から読取深度方向の変化量を検出する。
【0032】
補正手段34は、第2画像に基づいて検出した読取深度方向の変化量に応じて第1画像を補正する。なお、補正手段34は、読取データの使用用途に応じて省略する構成も可能である。以下では、補正手段34を設けた場合を一例に示す。
【0033】
以下、補正方法の一例について詳しく説明する。
【0034】
図5は、MTF値を検出する処理の一例を示す図である。図5(a)に、原稿表面100aに設けた検出パターンの一例を示し、図5(b)に、検出パターンの読取値の一例を示している。
【0035】
図5(a)に示すように原稿表面100aに検出パターン110を設ける。読取対象の面が両面である場合は、検出パターン110を原稿100の両面に設けてもよい。検出パターン110は、撮像手段31bにおいて第2の波長領域で検出される色材などで設ける。
【0036】
図5(a)には、一例として原稿100の地肌(用紙の地肌)を白地としたときの検出パターン110を示している。
【0037】
図5(a)に示す検出パターン110は、黒色の縦線(一例として4本)を等間隔に配置した縦線パターン111と、黒色で塗り潰した黒ベタ部112とを設けている。縦線パターン111は、原稿100の搬送方向(副走査方向)に対し直交する方向(主走査方向)に等間隔に配置されている。
【0038】
この場合、原稿読取装置1は第2画像として、原稿100の用紙の白地部113と、縦線パターン111と、黒ベタ部112とを読み取った画像からMTF値を算出する。
【0039】
例えば第2の波長領域として赤外域を使用する場合、黒色のインクやトナーなどが適している。黒色のインクやトナーは赤外域の光の吸収特性がよく、その検出パターン110を読み取ると第2画像として白地の部分と黒い部分とでコントラストが大きい画像が得られるため、MTF値の検出に適している。
【0040】
この場合、第2画像の読取系の実施形態としては、検出パターン110に赤外光を照射し、その反射光を赤外域に受光感度を有するラインセンサで受光するなどの構成を適用できる。第1画像の読取系については、一般的に原稿画像は可視光下で人の目で読み取ることができる色材が使用されているため、可視光を照射し、その反射光を可視域に受光感度を有するラインセンサで受光するなどの構成を適用できる。ラインセンサは、R(Red)/G(Green)/B(Blue)/NIR(Near InfraRed)の4色を同時に読み取ることができるラインセンサを構成してもよいし、R/G/Bと、NIRとを、別々のラインセンサで読み取る構成としてもよい。
【0041】
なお、可視光および赤外光を照射するための光源31aや、原稿からの反射光をラインセンサに導いて撮像する撮像手段31bの光学系の構成は、可視光と赤外光とで共通にすることで装置の小型化が図れるが、適宜別々に設けてもよい。
【0042】
また、光源の波長帯やラインセンサの受光感度の帯域は一実施形態を示すものであり、これに限定するものではない。その他にも光源の波長帯やラインセンサの受光感度の帯域を変えたものを適宜組み合わせて使用するなどしてよい。
【0043】
図5(b)には、白地部113と縦線パターン111と黒ベタ部112のそれぞれの読取値の関係を示している。横軸に主走査方向、縦軸に読取値をとり、白地部113と縦線パターン111と黒ベタ部112のそれぞれの、主走査方向の読取値を示している。図5(b)において白地部113の読取値が所定値Wに相当し、黒ベタ部112の読取値が所定値Bに相当する。縦線パターン111は、MAXの読取値とMINの読取値に交互に変化し、MAXの読取値とMINの読取値の差をAで示している。この差Aは、原稿表面100aにおける読取深度に応じて変化するため、Aを変数とし、MTFを次式(1)で表す。
【0044】
MTF=A/(W-B)×100(%) ・・・(1)
【0045】
つまり、MTF値も原稿表面100aの読取深度に応じて変化する。
【0046】
かかる読取装置は、原稿表面100aの読取の都度、原稿表面100aの検出パターン110を第2画像として読み取り、その第2画像からMTF値を算出する。そして、予め求めておいた、同じ光学系統で第2画像を読み取ったときの、MTF値と読取深度との関係を示す特性データ(MTF特性データと言う)から、都度読み取った第2画像のMTF値に対応する読取深度を求める。また、MTF特性データから、基準位置(フォーカス位置など)からの原稿表面100aの読取深度方向への変化量も求める。
【0047】
図6は、かかる読取装置の読取系におけるMTF特性の一例を示す図である。図6には、横軸に読取深度、縦軸にMTF値をとり、かかる読取装置の読取系の第1画像に対するMTF特性(実線で示す第1のMTF特性)f1と第2画像に対するMTF特性(破線で示す第2のMTF特性)f2とを重ねて示している。
【0048】
第1のMTF特性f1は原稿画像の読み取りに適した特性とする。このため、第1のMTF特性f1は、読取深度方向の読取範囲である最大の搬送ギャップM内でMTF値の変化が小さくなるようにとる。小さい変化とは単調変化ではない変化を指す。図6に示す例では最大の搬送ギャップMにおいてMTF値が極大をとるように読取系を設定した。例えば最大の搬送ギャップMの中間地点などにフォーカス位置を調整するなどの設定を行う。このようにすることで、搬送ギャップM内において読み取られる第1画像のピントのずれが最小限に抑えられ、解像力の低下が起こりにくくなる。
【0049】
一方、第2のMTF特性f2は、最大の搬送ギャップM内において通過位置に応じてMTF値の変化が大きくなるようにとる。この例では、最大の搬送ギャップM間においてMTF値が単調に増加するように設定した場合の例を示している。設定は、原稿表面100aの検出パターンに使用する色材や、第1の波長帯と第2の波長帯の帯域の選択や、各帯域の読取系の選定などにより設定する。このようにすることにより、深度変化による原稿画像への影響を最低限に抑えて、原稿表面100aの読取深度方法への変化量を精度よく検出することができる。
【0050】
なお、単調増加は単調変化の一例であり、単調減少するように設定しても同様の効果が得られる。また、第2のMTF特性f2は、搬送ギャップM内で傾きが大きいほど原稿表面100aの読取深度方向への変化量をより精度よく検知することができる。
【0051】
本実施の形態では、光学系やセンサの感受波長を第2のMTF特性f2となるように設定し、その第2のMTF特性f2をメモリなどに記憶する。そして、原稿画像の読取時に、検出パターン110を第2の波長領域で検出し、その検出パターン110の各読取値を式(1)のB値、A値、W値に代入してMTF値を算出する。算出したMTF値をメモリの第2のMTF特性f2と比較することにより、読取深度を求める。
【0052】
図7および図8は、原稿パターンに応じた読取深度の変化量を説明する図である。図7は、複数の原稿パターンの一例を示す図である。図8は、原稿バターンが異なるときの読取深度の変化量の一例を示す図である。
【0053】
図7には、原稿100が薄紙の場合と厚紙の場合のそれぞれの原稿パターンである通過位置のパターンの一例を示している。図7(a)、(b)に薄紙の通過位置のパターンの一例を示し、図7(c)、(d)に厚紙の通過位置のパターンの一例を示している。薄紙と厚紙共に、読取窓19側(コンタクトガラス11側)に張り付いて搬送される場合(図7(a)、図7(c))と、背景部材27側を通過する場合(図7(b)、図7(d))とを示している。
【0054】
図8において、薄紙が読取窓19側に張り付いた状態(図7(a))で読み取られた第2画像のMTF値は点p1となる。また、図7(b)のように背景部材27側を通過したときの第2画像のMTF値は点p2となる。つまりMTF特性f2が分かっていれば点p1と点p2の読取深度方向の差が変化量qとして求まる。
【0055】
一方厚紙を使用した場合も同様である。つまり本実施の形態では原稿表面100aの検出パターン110を読み取るため、厚紙が読取窓側に張り付いて通過する場合も、薄紙が読取窓に張り付いて通過する場合と読取対象とする面が同じ高さ(通過位置)なので、基準のMTF値も同じ値p1になる。よって、原稿100の紙厚に左右されることなく、原稿100の読取深度方向の変化量を求めることができる。
【0056】
以上の構成により、原稿100のばたつきやばたつきの度合を原稿読取面(この例では原稿表面100a)の検出パターン110を読み取った第2画像を使って検出することができる。また、ばたつきによる読取深度方向への変化量qも求まるので、変化量qに応じて第1画像を基準位置における画像に補正することもできる。続いて、補正手段34による第1画像の補正方法について説明する。
【0057】
例えば縮小光学系方式で原稿100を読み取る場合、読取位置で原稿100がばたつくとその読取画像である第1画像の倍率が変化する。そこで、補正方法の一例として、第2検出手段33において第2画像から変化量qを求め、第1検出手段32が保持する第1画像の倍率を補正手段34で補正する場合の補正方法について説明する。
【0058】
図9図12は、補正手段34による補正方法の説明図である。図9には、一例として解像度400dpiで画素サイズ4.7μmのラインセンサで読み取る場合の、読取深度方向の変化と倍率の変化との関係を示している。図10には、読取深度に応じて拡大される紙幅について説明する図を示している。例えば、図9と同じ条件の読取手段31を使用している場合に、読取位置において原稿表面100aが基準位置から読取深度方向に2mm近い側で読み取られたとする。その場合、基準位置0mmを通過する際に330mmの紙幅で読み取られていたもの(図10(a))が、2mm近い側を通過した場合は0.25%拡大され、330.8mmの紙幅として読み取られてしまうことになる(図10(b))。
【0059】
そこで、図9の倍率の関係と、以下の第2画像のMTF特性とを使用して、読取後の第1画像の紙幅を補正する。図11は、第2画像のMTF特性の一例を示す図である。図12は、補正後の第1画像の紙幅を説明する図である。第2検出手段33は、予め把握しておいた基準位置でのMTF値と、都度第2画像から検出するMTF値とを使用し、図11のMTF特性f2から読取深度方向の変化量qを求める。
【0060】
例えば図11に示すように、MTF特性f2の基準位置p1から読取深度方向に2mm近い位置p3を通過したことが求まる。補正手段34は、2mm近い位置を通過したことから、図9の倍率との関係に基づき読取倍率が0.25%拡大されていることを検出し、第1画像に対し、拡大されている0.25%分を縮小する補正を行う。すなわち、図12に示すように、基準位置で読み取られる紙幅330mm(図12(a))に揃うよう、紙幅が330.8mmに拡大されている第1画像(図12(b))を紙幅330mmになるよう縮小処理を行う(図12(c))。
【0061】
なお、第1画像の補正はラインセンサが出力するライン単位で行ってもよいし、複数ラインをまとめて行ってもよい。また、複数のラインセンサに限定されず、異なる波長領域の光を受光して電気信号に変換するものであれば適宜変更してよい。
【0062】
また、第1画像の補正は、媒体表面の代表的な1点で一括補正される領域内(例えば一ライン内)で読取値に位置による光学的依存性がある場合には補正の対象外とすることが望ましい。例えばMTFの特性は、使用するレンズ特性により、主走査の位置に応じて読取深度変化による特性変化の差が大きく変化する場合もある。この場合、代表的な一点での検出により主走査方向全体を補正すると、特性変化の差により補正不足や過補正が発生する部分もあるため、そのようなレンズ特性などがある場合には補正対象外とする。
【0063】
また、「特徴量」の具体例としてMTF特性を示したが、MTF特性は一例であり、「特徴量」をこれに限定するものではない。「特徴量」は、第1の画像と第2の画像において特性が異なるもの、例えば第1の画像よりも第2の画像において読取深度方向への値の変化が大きい特性を有するもの、望ましくは第1の画像においては変化が小さく、第2の画像においては変化が大きくかつ単調変化するものがあれば、その他の特徴量を適用してもよい。
【0064】
これらの構成により、搬送のばたつき等により読取対象である原稿表面100aの読取深度が変わった場合、読取対象と同じ原稿表面100a上の検出パターン110からMTFの変化を検出することにより、原稿100の厚みに左右されることなく読取深度方向の変化量を精度よく検出することが可能になる。
【0065】
(変形例1)
第1の実施の形態では、一例として白地の用紙に黒色のインクやトナーで検出パターン110(図5参照)を設けたものを示したが、色の組み合わせをこれに限定するものではない。
【0066】
図13は、変形例1にかかる検出パターン110の一例を示す図である。図13に示すように、黒地の原稿100aに対し、白色のインクやトナーで検出パターン110を設けてもよい。この場合、かかる読取装置は検出パターン110として黒紙の黒地部213と、白色のインクやトナーで形成した縦線パターン211と白ベタ部212とを読み取り、MTF値を求める。この場合も赤外域の光を照射すれば、黒での吸収特性がよいので、第2画像として白い部分と黒地の部分とでコントラストが大きい画像が得られる。この場合の読取系の構成も、検出パターン110に赤外光を照射し、その反射光を赤外域に受光感度を有するラインセンサで受光するなどの同様の構成で実施できる。
【0067】
なお、この他にも第2画像からMTF値を検出することが可能な色の組み合わせであれば、原稿の下地の色や読取系の構成などに応じて適宜色の組み合わせを変更してもよい。
【0068】
また、色の組み合わせに応じ、読取系の構成は第2画像のMTF特性が単調変化するような構成に設定することが好ましい。
【0069】
(変形例2)
また、第1の実施の形態では、検出パターンの一例として、可視光下において人の目で読み取ることができる検出パターン110(図5参照)を示したが、可視光下で人の目で読み取ることができない検出パターンを使用してもよい。例えば、可視光下で人の目で読み取ることはできないが、赤外光を照射すると可視の特定色を発光する色材(IRクリアトナー)がある。そのような色材からなる検出パターンを使用すれば、原稿表面100aに赤外光を照射することにより、原稿表面100aから反射光として可視の特定色の光の検出パターンが得られる。それを可視の特定色に受光感度を有するラインセンサ、例えば可視領域のラインセンサで読み取ることにより検出パターンを含む第2画像が検出できる。
【0070】
図14は、変形例2にかかる検出パターン110の一例を示す図である。図14(a)は、可視光下において人の目で読みとることのできない不可視色材(IRクリアトナーなど)からなる検出パターン110の構成を説明するための図である。図14(a)において黒色で示す縦線パターン311と、黒色で示すベタ部312とを不可視色材で設ける。
【0071】
図14(b)は、図14(a)の原稿表面100aの可視光下における形成状態である。図14(b)に示すように、可視光下では人の目で検出パターン110を読み取ることができない。
【0072】
また、図14(c)は、図14(a)の原稿表面100aを読取手段31により可視光を照射して可視光領域のラインセンサで読み取った場合の読取画像(第2画像)400である。図14(c)は、図14(d)との比較のために示したものであるが、第2画像400から検出パターン110を検出することはできない。図14(d)は、図14(a)の原稿表面100aを読取手段31により赤外光を照射して可視光領域の特定色のラインセンサで読み取った場合の読取画像(第2画像)400である。図14(d)の表示状態から、この組み合わせの読取系であれば、第2画像400から検出パターン110を検出することができることが分かる。
【0073】
このように、検出パターン110に不可視色材を使用することも可能である。不可視色材を使用した検出パターン110を使用すると、可視光では人の目の認識とほぼ同様に、原稿表面100aの絵柄が読み取られるが、赤外光では、絵柄が除かれ、検出パターン110が浮き出るようになる。よって、原稿自体や印刷画像に実害を与えることなく検出パターンを設けることができる。
【0074】
(変形例3)
第1の実施の形態では、原稿表面100aの原稿画像を可視領域で読み取り、検出パターン110を赤外領域で読み取る場合の読取系の形態を一例に挙げて説明したが、検出パターン110を可視領域で読み取るようにしてもよい。
【0075】
図15は、変形例3にかかる読取装置の読取系と補正部の構成の一例を示す図である。図15に示すように、読取手段31として第1読取手段41と第2読取手段42とを設ける。
【0076】
第1読取手段41は、第1光源41aと第1撮像手段41bとを有し、第1光源41aから原稿表面100aに第1可視領域の光を照射し、その反射光を第1可視領域に受光感度を有する第1撮像手段41bにより撮像する。
【0077】
また、第2読取手段42は、第2光源42aと第2撮像手段42bとを有し、第2光源42aから原稿表面100aに第2可視領域の光を照射し、その反射光を第2可視領域に受光感度を有する第2撮像手段42bにより撮像する。なお、第1の光源41aと第2の光源42aとを共通にしてもよい。
【0078】
ここでも、第1画像でMTF特性が最適となるように第1撮像手段41bを光学的に調整し、第2画像は意図的に搬送ギャップ内での特性変化が単調変化するように調整する。例えば第2撮像手段42bは、第1撮像手段41bとは読取系の光学経路の一部またはすべてを異ならせるなどして設ける。一例としては、光学経路によりMTF特性が異なるように、異なる光学部品を使用したり、光学部品の配置を調整するなどしたりして最適に設定する。このような光学系の調整により、第1画像と第2画像のMTF特性が異なるように設定する。
【0079】
(変形例4)
また、変形例3において、第1画像の読み取りにおいてRGBのうちの2色以下での読み取りが可能な場合には、第1画像にRGBのうちの2色以下、第2画像にRGBの残りの1色を用いるようにしてもよい。例えばモノクロ印刷では1色で表現できるため、第1画像にRGBの1色(例えばR)を使用し、第2画像に残りの1色(例えばBやG)を使用する。
【0080】
図16は、変形例4にかかる読取装置の読取系と補正部の構成の一例を示す図である。図16に示すように、光源51aに白色LED(R、G、Bなどの対応色のLEDでもよい)などを使用し、撮像手段51bに例えばRとBのラインセンサを設けて撮像する。R画像を第1画像として出力し、B画像を第2画像として出力する。この場合、第1画像を取得するRでMTF特性が最適となるように撮像手段51bを光学的に調整し、かつ第2画像を取得するBでMTF特性が搬送ギャップ内での単調変化するように調整する。このようにすることで、搬送ギャップ内で原稿100が深度方向にばたついた場合でも、第1画像のR画像は深度方向の特性変化を最低限に抑えつつ、第2画像のB画像から読取深度方向に変化する特徴量を精度良く検出することができる。
【0081】
(変形例5)
第1の実施の形態では、検出パターン110(図5参照)として縦線のパターン111と黒ベタ部112と白地部113とを有する原稿を使用し、それを読み取ってMTF値を算出する例を示したが、もっと簡素な構成にしてもよい。
【0082】
図17は、変形例5にかかる検出パターン110の一例を示す図である。図17(a)は、白地の原稿用紙の原稿表面100aの黒ベタ部412を第2画像として読み取った読取画像を示している。黒ベタ部412と白地の境界は、画像中の濃度変化が大きい領域であればいずれの領域でもよい。また、黒ベタ部412のみを設けてもよい。この読取画像(第2画像)において、原稿の白地と黒ベタ部412との境界を含む主走査方向の読取値の分布、つまり枠h1の範囲の読取値の分布は図17(b)のようになる。
【0083】
図17(b)に示すように、黒ベタ部412と白地との境界で読取値が変化する。そこで変形例5では、黒から白に変化する図17(b)の部分h2に注目してMTF値を求める。
【0084】
図18は、図17(b)の注目部分h2の読取値の分布を拡大した図である。図18(a)には、読取画像の解像力が高い場合の例である黒から白へ急峻に変化するもの(一例として黒から白へ2画素で変化するもの)を示している。また、図18(b)には、読取画像の解像力が低い場合の例である黒から白へ緩やかに変化するもの(一例として黒から白へ6画素で変化するもの)を示している。ここで、例えば図18(a)の状態をフォーカス位置での読取画像とすると、図18(b)の状態は読取深度方向に変化したときの読取画像つまりピンボケした画像と言えるため、注目部分h2の黒から白への変化の急峻さを求めることで読取深度方向への変化量も求まる。
【0085】
そこで、予め第2のMTF特性f2と黒から白へ変化する画素数との関係を求める。
【0086】
図19は、第2のMTF特性f2において、基準位置からのMTFの変化をパーセンテージで標記した図である。図20は、黒からの白へ変化する画素数とMTF(%)との関係を図19に示す関係に基づいて設定した設定テーブルの一例を示す図である。
【0087】
かかる読取装置は、第2画像から、黒ベタ部412の境界において黒から白へ変化する画素数を求め、その画素数に対応するMTFとして、図20に示すテーブルに紐づけられているMTF(%)を抽出して読取深度を求める。
【0088】
例えば、黒から白へ変化する画素数が2の場合、図20のテーブルからMTFが70%と求まる。また、画素数が6の場合、図20のテーブルからMTFが40%と求まる。図19のMTF特性から、MTFが70%とMTFが40%では読取深度が3mm異なることが分かる。これにより、画素数が6の場合には原稿がフォーカス位置から読取深度方向へ3mm変化していることが検出できる。
【0089】
なお、この例では検出パターン110として原稿に黒ベタ部412を設けたが色材を黒に限定するものではない。例えば、IRクリアトナー等の色材を用いてもよい。また、地肌が黒字であれば白の色材を用いるなど、適宜変更してもよい。
【0090】
(変形例6)
また、簡素な構成の別の例として、原稿表面100aの用紙端の読取結果からMTF値を検出するようにしてもよい。原稿表面100aの用紙端は「媒体端部」の一例である。図21図22を参照し、変形例6にかかるMTF値の取得方法を説明する。
【0091】
図21は、変形例6にかかる検出パターン110の一例を示す図である。図21(a)は、背景部材27を黒ベタとし、原稿表面100aと共に背景部材27を読み取った読取画像(第2画像)を示している。この読取画像では、白地の原稿のエッジ(端部)と黒ベタの背景部材27との境界(枠h3の範囲)で図21(b)に示すように読取値が変化する。そこで、黒から白に変化する読取値の分布の部分h4に注目してMTF値を求める。
【0092】
図22は、図21(b)の注目部分h4の読取値の分布を拡大した図である。図22(a)には、読取画像の解像力が高い場合の例である黒から白へ急峻に変化するもの(一例として黒から白へ2画素で変化するもの)を示している。また、図22(b)には、読取画像の解像力が低い場合の例である黒から白へ緩やかに変化するもの(一例として黒から白へ6画素で変化するもの)を示している。
【0093】
このように、原稿のエッジと背景部材27との境界でも黒から白への変化の急峻さ(画素数)を求めることができる。なお、求めた画素数から読取深度方向への変化量を求める方法については、変形例5と同様であるため、ここでのこれ以上の説明は省略する。
【0094】
(変形例7)
これまで、かかる特徴量としてMTFを使用した場合の例を示したが、かかる特徴量はMTFに限定されない。例えば特徴量として、原稿から反射する光の光量変化を使用してもよい。読取位置では原稿のばたつきにより搬送ギャップ内で原稿からの反射光の光量変化が生じている。
【0095】
図23および図24は、搬送ギャップ内における原稿からの反射光の光量変化を説明する図である。図23に一例として読取位置の搬送ギャップを2mmとした場合を示し、図24に、その場合の読取深度と照明照度(「原稿面照度」や単に「照度」などとも言う)との関係を示している。照明照度の変化が光量変化に対応している。
【0096】
図24には、一例として光源13に可視読取用(第1画像読取用)の光源と不可視読取用(第2画像読取用)の光源とを使用した場合のそれぞれの光源の照明照度の変化を示している。この例では、搬送ギャップ0mm、つまり原稿がコンタクトガラス11に張り付いて搬送される場合に光源13の照度が最大の「1」となるように光源13が設定されている。搬送ギャップ2mm、つまり原稿が背景部材27に張り付いて搬送される場合には、不可視読取用光源の照度が10%低下し「0.9」になる。これは、原稿がコンタクトガラス11側を通過したときと背景部材27側を通過したときとで、同じ原稿で10%の濃度差が発生することを意味する。そこで、変形例7では、かかる特徴量として光量変化を使用して読取深度を求める場合の形態を示す。
【0097】
図25図27は、変形例7にかかる実施形態の説明図である。図25に示す搬送パターンを一例に、図26図27について説明する。
【0098】
図26(a)には、図24と同様、搬送ギャップ2mmで原稿面照度が10%低下する場合の例を示している。図26(b)には、図26(a)における読取レベルの変化を示している。本光源13を用いて、搬送ギャップ0mmの位置(図25の原稿パターンP1)と搬送ギャップ2mmの位置(図25の原稿パターンP2)とで同じ原稿を読み取った場合、図26(a)に示す原稿面照度の10%の低下と同様、図26(b)の読取レベルも10%の低下が生じる。
【0099】
そこで、この例では、第2の検出手段33により、搬送ギャップ0mmのときと搬送ギャップ2mmのときの原稿面照度の低下分10%を読取レベルの低下分10%を検出することにより求める。
【0100】
図27は、原稿面の照度変化による読み取りレベルと読取深度との変化の関係の一例を示す図である。図27に示すように、読取手段31において予め搬送ギャップ0mmの位置での複数紙種(A、B、C、D、E・・・)の読取レベルを取得し、第2の検出手段33に保持させておく。該当の紙種の読み取り時に、読み取り時の読取レベルと保持している読取レベルの比較から原稿面照度の照度変化量を検出する。さらには、読取位置での読取深度変化量を検出する。
【0101】
例えば図27に示す例の場合、紙種Aにおいて、保持している搬送ギャップ0mmでの読取レベルが220digit/8bitで、今回読み取った読取レベルが198digit/8bitの場合、読取レベルは10%低下しているため、原稿面照度も10%低下していることとなり、図26に示す関係から読取位置では搬送ギャップ2mmであることが検出できる。
【0102】
上記のようにして、第2の検出手段33で読取深度変化量2mmを検出し、図9に示す関係から補正手段34で可視画像(第1画像)の倍率補正を行う。本例の場合、読取深度が2mm遠ざかっているため、基準位置(コンタクトガラス位置)と比較して0.25%縮小されることとなるため、補正手段では0.25%拡大する補正を行い、補正後の読取結果とする。
【0103】
なお、特徴量として読取解像力を示すMTFを使用する場合と光量変化を使用する場合をそれぞれ一例として示したが、これら2つの特徴量を同時に両方とも検出して、それぞれ読取深度変化量を求め、それらの平均を取ってもよい。その場合、複数の特徴量が検出されるので、読取深度変化量の検出精度をさらに向上させることが可能となる。
【0104】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態として画像形成装置への適用例を示す。ここでは一例としてプロダクションプリンタへの適用例を示す。プロダクションプリンタは商用印刷用の画像形成装置として活用されている。プロダクションプリンタは内部に検査装置を備え、この検査装置が記録紙(転写紙など)上に印刷された印刷画像を検査する用途にも用いられる。検査装置における検査でも、搬送される記録紙の搬送ばたつきが発生するため、検査装置における読取深度の変化に応じて読取精度が低下して検査結果に影響を及ぼすことがある。そこで、一例として検査装置に対しかかる読取装置を適用する。
【0105】
プロダクションプリンタ内の検査装置に読取装置を適用する場合も、第1の実施の形態や変形例で説明した読取装置を同様に構成することができる。そこで、以下の説明では、重複する箇所の説明については省略し、主に異なる箇所について説明する。
【0106】
図28は、第2の実施の形態にかかるプロダクションプリンタ2の構成の一例を示す図である。図28に示すプロダクションプリンタ2は、作像筐体50と定着筐体60とを有する。
【0107】
作像筐体50は、画像形成手段を備え、画像を記録紙上に形成して出力する。
【0108】
定着筐体60は、かかる読取装置を適用した検査装置61を備え、作像筐体50から出力されてくる出力紙を読み取り、出力紙上に形成されている画像の色味や画像形成位置を検出して作像筐体50にフィードバックする。
【0109】
具体的に、プロダクションプリンタ2は、作像筐体50と、定着筐体60と、オペレーションパネル80とを有する。作像筐体50には、画像形成手段の一例として電子写真方式の構成を示している。
【0110】
オペレーションパネル80は、プロダクションプリンタ2に対する各種の設定や操作入力などを受け付ける操作手段である。
【0111】
作像筐体50は、光書き込み装置51や、YMCKのタンデム方式の作像部52や、転写器53や、中間転写ベルト54や、給紙部55や、搬送路56や、二次転写ローラ57や、排紙ベルト58などを備える。
【0112】
作像部52は、YMCK4色に対応する4本の感光体ドラム52―1、52-2、52-3、52-4を並設して備え、各感光体ドラム52―1、52-2、52-3、52-4回りに帯電器、現像器、転写器、クリーナ、及び除電器を含む作像要素を有する。各感光体ドラム52―1、52-2、52-3、52-4と転写器53との間には、両者のニップに挟持された状態で中間転写ベルト54が配置されている。中間転写ベルト54は、駆動ローラg1と従動ローラg2との間に張架されている。
【0113】
光書き込み装置51は各感光体ドラム52―1、52-2、52-3、52-4に光書き込みを行う。各感光体ドラム52―1、52-2、52-3、52-4は、光書き込みが行われた部分に作像要素による作像プロセスを通じてトナー像を形成し、一方向に走行させた中間転写ベルト54上に各転写器53によりYMCKの順で4色のトナー像を重畳する。これにより、中間転写ベルト54上にフルカラー画像が一次転写される。
【0114】
中間転写ベルト54は、更に走行し、中間転写ベルト54上のフルカラー画像を二次転写位置まで搬送する。
【0115】
給紙部55は、記録紙の束を収容し、記録紙の束の上面から順に記録紙を繰り出す。レジストローラg3は、給紙部55から繰り出された記録紙を1枚ずつ分離し、搬送路56に供給する。
【0116】
搬送路56は、記録紙を矢印Y1方向に搬送する。
【0117】
二次転写ローラ57は、その位置(二次転写位置)において、中間転写ベルト54により搬送されてきたフルカラー画像を、搬送路56により搬送されてきた記録紙上に一括転写する。
【0118】
作像筐体50は、フルカラー画像が転写された記録紙を排紙ベルト58により定着筐体60に送る。
【0119】
定着筐体60は、検査装置61、冷却部62、定着部63などを有する。作像筐体50から排紙ベルト58により送られた記録紙は、定着部63、冷却部62、および検査装置61の順に搬送されて、各部の処理が行われる。定着部63は、記録紙を加熱及び加圧することにより、記録紙にフルカラー画像を定着させる。冷却部62は、加熱した記録紙を冷却する。冷却された記録紙(上記のフルカラー画像の記録紙)は、検査装置61の読取位置を搬送により通過して、その通過の際に検査装置61が記録紙を読み取る。読取位置には読取窓としてコンタクトガラスを備え、コンタクトガラスを通過する際に光源により照射された記録紙の反射光をラインセンサで読み取る。
【0120】
なお、読取位置におけるコンタクトガラス(読取窓)と背景部材との位置の関係、光源により照射される光により記録紙から反射する光をラインセンサに結像する光学系などの構成は、例えば図2に示す構成に対応する。また、検査装置61の読取系と補正部の構成は、第1の実施の形態または変形例において説明した読取系と補正部とが対応する。一例として、検査装置61の読取系と補正部の構成は、第1の実施の形態において説明した図4に示す読取系と補正部の構成に対応する。これら構成に関する説明、さらに読取位置における記録紙のばたつきの説明なども第1の実施の形態または変形例において既に説明した通りである。
【0121】
続いて、プロダクションプリンタ2における画像形成の方法について説明する。第1の実施の形態の読取装置では、予め検出パターンが形成されている原稿を使用したが、原稿に検出パターンを形成した場合、本来必要のない画像が印刷されることになるため許容されないことも考えられる。
【0122】
プロダクションプリンタ2では、例えばA3サイズを余白の無い仕上がりとするために、A3サイズよりも大きい記録紙(SRA3サイズ等)を用いてA3領域全面に画像形成を行い、A3領域以外の部分を断裁して使用するケースが多くある。そこで、実使用領域(仕上がりサイズ領域)の周囲(断裁領域)に検出パターンを形成し、検出パターンの読取を終えた後に断裁して仕上がりサイズで使用することが可能である。
【0123】
図29は、記録紙の実使用領域以外に検出パターン110を形成した場合の一例を示す図である。実使用領域は実画像が形成される実画像形成領域に対応する。図29にはA3領域を実使用領域とした場合の例を示している。図29(a)に示すように、記録紙100bのA3サイズ領域111外に検出パターン110を形成する。この場合、読取装置は図29(b)に示すような第2画像400を読み取り、第2画像400に示すA3領域111外の検出パターン110から読取深度方向の変化量を検出する。その後は、図29(c)に示すようにA3領域111外を断裁した仕上がりサイズであるA3サイズの記録紙100cで使用する。
【0124】
このように、余白部分を裁断して使用することが多いプロダクションプリンタでは、余白部分に検出パターンを形成し、後に余白部分を断裁して使用することができるので、本来の画像(原稿や印刷画像など)に対しては副作用を与えることなく読取深度方向の補正を行うことができる。
【0125】
プロダクションプリンタ2は、通常モードの画像形成を行うと、その画像を検査装置61で読み取り、その読取結果を作像筐体50に出力する。検査装置61の読取で記録紙のばたつきがあると読取結果が画像とは異なる結果となるため、読取結果を補正して作像筐体50に出力する。
【0126】
プロダクションプリンタ2は制御ボードにより各部を制御して動作する。
【0127】
なお、作像筐体50は検査装置61から出力された読取結果に基づき、作像筐体50のキャリブレーションに必要な調整パラメータを制御ボードのCPU(Central Processing Unit)に送信する。CPUは、調整パラメータを受信すると、作像筐体50の画像形成パラメータの最適化を行い、画像形成の画質確保を行う。
【0128】
検査装置61は、これまでの検出方法を使用して次のような補正を行うことができる。図30図32を参照し、補正の方法を説明する。
【0129】
図30は、補正対象を示す図である。図30には、補正対象として記録紙の外形形状と、画像書き込み領域とを示している。検査装置61は読取センサを用い、図30に示すように記録紙の位置(画像位置情報)を検出し、この検出結果から記録紙の外形形状を推定する。より詳細には、図30に示す記録紙の4隅の座標を検出して記録紙の外形形状を推定する。
【0130】
また、検査装置61は読取センサを用いて、画像パターンの位置も検出する。これも、記録紙の外形形状の検出と同様にして、画像の4隅の座標を検出することで推定する。
【0131】
このように、プロダクションプリンタ2では、検査装置61により記録紙の外形形状と画像パターンの位置とを検出し、画像パターンの位置から検出した変化を基に画像位置情報を補正することにより記録紙への印刷位置を補正する。
【0132】
なお、縮小光学系の読取装置を用いる場合には、図9に示すように倍率誤差の影響により記録紙や画像パターンの検出位置に誤差が発生する。具体的には図30に示す主走査方向の距離a、距離b、距離cの検出結果に誤差が発生する。そこで、倍率誤差の影響を補正するため、MTFを検出してMTFと読取深度方向の関係(図31参照)から記録紙の搬送ばたつき量を算出する。
【0133】
図31および図32は、MTFの検出と補正方法の説明図である。例えば、図30の距離a、距離b、距離cを第1検出手段で検出した結果が、距離a=10mm、距離b=310mm、距離c=320mmであったとする。また、記録紙に形成した検出パターンを第2の検出手段で検出したときのMTFが図31に示す基準位置から1.5mm離れた位置の値であったとする。
【0134】
その場合、図32に示す関係から、コンタクトガラスから1.5mm離れた位置を通過する記録紙を読み取ると倍率が0.19%縮小されて読み取られることが分かる。補正手段では、この0.19%縮小されて読み取られた検出結果(距離a、距離b、距離c)に対し、縮小されている分を補正する100/(100-0.19)をそれぞれに乗算する。従って、それぞれの乗算結果である補正後の距離a=10.02mm、距離b=310.59mm、距離c=320.61mmを画像位置検出結果とする。
【0135】
上記のようにして、読取深度変化による倍率変化により発生する画像位置検出精度の低下を防止する。
【0136】
なお、検出パターンとしてMTFを使用した例を示したが、この場合にも照明の照度変化から読取深度変化量を検出してもよい。
【0137】
また、プロダクションプリンタ2において、必ずしも検出パターンを形成できる余白(裁ち落とし領域)がある訳ではない。その場合には、記録紙に対し可視光下で不可視の色材(例えばIRクリアトナーなど)を使用して検出パターンを形成してもよい。可視光下で不可視の色材の検出パターンの説明は、第1の実施の形態において説明済みのため、繰り返しになるため、ここでの説明は省略する。
【0138】
また、第1の実施の形態に示した変形例についても第2の実施の形態において適宜適用してもよい。
【0139】
また、第2の実施の形態では、読取装置を画像形成装置に適用した例としてプロダクションプリンタへの適用例を示したが、これに画像形成装置を限定するものではない。そのほかにも、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する画像形成装置である複合機などに適用してもよい。
【0140】
以上、本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、実施の形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施の形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0141】
30 読取装置
31 読取手段
31a 光源
31b 撮像手段
32 第1検出手段
33 第2検出手段
34 補正手段
100a 原稿表面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0142】
【文献】特開2011-193404号公報
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