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特許7552267情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/00 127B
H04N1/00 127A
H04N1/00 127Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020186859
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2021093722
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2019217585
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 匡
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-115877(JP,A)
【文献】特開2019-146008(JP,A)
【文献】国際公開第03/036459(WO,A1)
【文献】特開2014-168161(JP,A)
【文献】特開2010-087860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00 - 1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
FAXで受信した文書を記憶部に蓄積させる文書管理部と、
ユーザの操作に基づき、蓄積された前記文書の出力を制御する出力制御部と、
前記文書が前記記憶部に蓄積されたとき前記文書の状態を未読に設定し、公衆回線に未接続の他の情報処理装置で前記文書の全てのページの出力が完了し前記文書の状態が既読に設定されていることを条件として、前記文書の状態を既読に設定する、状態管理部と、
を備え
前記状態管理部は、前記文書の前記記憶部への蓄積と同時に前記他の情報処理装置での前記文書の出力を行う場合、自動的に行われる前記他の情報処理装置での前記文書の出力結果に応じて、前記文書の未読の解除を判断する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記状態管理部は、
前記文書の一部または全部のページの出力が完了しない場合に、前記文書の状態を既読に設定しない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記文書の出力の状態を取得する状態取得部と、
取得された前記文書の出力の状態に基づき、前記文書の全てのページの出力が完了したか否かを判断する出力結果判断部と、
をさらに有する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記文書の印刷を制御し、
前記状態取得部は、前記文書の印刷により前記文書のうちの排紙が完了したページの数を取得し、
前記出力結果判断部は、前記文書の全てのページの排紙が完了したか否かを前記数に基づいて判断し、前記文書の全てのページの排紙が完了した場合に、前記文書の全てのページの出力が完了したと判断する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記文書の配信を制御し、
前記状態取得部は、前記文書のうちの配信が完了したページの数を取得し、
前記出力結果判断部は、前記文書の全てのページの配信が完了したか否かを前記数に基づいて判断し、前記文書の全てのページの配信が完了した場合に、前記文書の全てのページの出力が完了したと判断する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力制御部は、前記文書のFAXでの転送を制御し、
前記状態取得部は、前記文書のうちのFAXでの転送が完了したページの数を取得し、
前記出力結果判断部は、前記文書の全てのページのFAXでの転送が完了したか否かを前記数に基づいて判断し、前記文書の全てのページのFAXでの転送が完了した場合に、前記文書の全てのページの出力が完了したと判断する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザの別の操作に基づき、前記文書の状態を表示装置に表示する表示制御部をさらに備える、
請求項1から6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記文書管理部により前記記憶部に蓄積された前記文書の他の情報処理装置への転送を制御するネットワーク制御部を更に備え、
前記状態管理部は、前記文書が前記記憶部に蓄積されたとき前記文書の状態を未読に設定し、前記他の情報処理装置で前記文書の全てのページの出力が完了し前記文書の状態が既読に設定されていることを条件として、前記文書の状態を既読に設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶部は、当該情報処理装置が接続されたクラウドストレージである、
請求項1から8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
公衆回線に接続された第1の情報処理装置を介して、前記公衆回線に未接続の第2の情報処理装置からのFAXによる文書の送受信を行えるようにした情報処理システムにおいて、
前記第1の情報処理装置に設けられ、FAXで受信した文書を記憶部に蓄積させる文書管理部と、
前記第1の情報処理装置および前記第2の情報処理装置に設けられ、前記文書管理部に蓄積された前記文書の前記第2の情報処理装置への転送を制御するネットワーク制御部と、
前記第2の情報処理装置に設けられ、前記第1の情報処理装置から転送された前記文書および蓄積された前記文書の全てのページの出力が完了したことを条件に前記文書の状態を既読に設定する第2の文書管理部と、
前記第1の情報処理装置に設けられ、前記文書が前記記憶部に蓄積されたとき前記文書の状態を未読に設定し、前記第2の文書管理部で前記文書の全てのページの出力が完了し前記文書の状態が既読に設定されていることを条件として、前記文書の状態を既読に設定する、状態管理部と、
を備え
前記状態管理部は、前記第1の情報処理装置における前記文書の前記記憶部への蓄積と同時に前記第2の情報処理装置での前記文書の出力を行う場合、自動的に行われる前記第2の情報処理装置での前記文書の出力結果に応じて、前記文書の未読の解除を判断する、
情報処理システム。
【請求項11】
FAXで受信した文書を記憶部に蓄積するステップと、
前記文書が前記記憶部に蓄積されたとき前記文書の状態を未読に設定するステップと、
ユーザの操作に基づき、蓄積された前記文書の出力を制御するステップと、
公衆回線に未接続の他の情報処理装置で前記文書の全てのページの出力が完了し前記文書の状態が既読に設定されていることを条件として、前記文書の状態を既読に設定する状態管理ステップと、
含み、
前記状態管理ステップは、前記文書の前記記憶部への蓄積と同時に前記他の情報処理装置での前記文書の出力を行う場合、自動的に行われる前記他の情報処理装置での前記文書の出力結果に応じて、前記文書の未読の解除を判断する、
情報処理方法。
【請求項12】
FAXで受信した文書を記憶部に蓄積させる文書管理機能と、
ユーザの操作に基づき、蓄積された前記文書の出力を制御する出力制御機能と、
前記文書が前記記憶部に蓄積されたとき前記文書の状態を未読に設定し、公衆回線に未接続の他の情報処理装置で前記文書の全てのページの出力が完了し前記文書の状態が既読に設定されていることを条件として、前記文書の状態を既読に設定する、状態管理機能と、
をコンピュータに実現させ
前記状態管理機能は、前記文書の前記記憶部への蓄積と同時に前記他の情報処理装置での前記文書の出力を行う場合、自動的に行われる前記他の情報処理装置での前記文書の出力結果に応じて、前記文書の未読の解除を判断する、
ための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、FAX(facsimile)によって受信された文書の状態をユーザによる出力の指示に応じて未読から既読に切り替える方法がある。
【0003】
例えば特許文献1によれば、文書のプレビューがユーザによって指示された場合に、当該文書の状態が未読から既読に切り替えられる。
【0004】
別の例では、文書の印刷がユーザによって指示された場合に、当該文書の状態を未読から既読に切り替えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば印刷出力の場合、文書の印刷がユーザによって指示されたが、紙詰まりなどの原因で当該文書の一部または全部のページが印刷されないケースが起こり得る。そのようなケースが起こった場合、上記従来の方法によれば、ユーザは印刷されていないページを閲覧することができないにもかかわらず、当該文書が既読として管理されてしまう。つまり、FAXで受信された文書の状態の管理が適切ではなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、FAXで受信された文書の適切な管理が可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、FAXで受信した文書を記憶部に蓄積させる文書管理部と、ユーザの操作に基づき、蓄積された前記文書の出力を制御する出力制御部と、前記文書が前記記憶部に蓄積されたとき前記文書の状態を未読に設定し、公衆回線に未接続の他の情報処理装置で前記文書の全てのページの出力が完了し前記文書の状態が既読に設定されていることを条件として、前記文書の状態を既読に設定する、状態管理部と、を備え、前記状態管理部は、前記文書の前記記憶部への蓄積と同時に前記他の情報処理装置での前記文書の出力を行う場合、自動的に行われる前記他の情報処理装置での前記文書の出力結果に応じて、前記文書の未読の解除を判断する
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、FAXで受信された文書の適切な管理が可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態にかかるMFPの接続例を示す模式的な図である。
図2図2は、第1の実施形態にかかるMFPのハードウェア構成の一例を示す模式的な図である。
図3図3は、第1の実施形態にかかるMFPの機能構成の一例を示す模式的な図である。
図4図4は、第1の実施形態にかかる情報処理プログラムの格納の態様の一例を示す模式的な図である。
図5図5は、第1の実施形態にかかるMFPの動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第2の実施形態にかかる情報処理プログラムの構成の一例を示す模式的な図である。
図7図7は、第2の実施形態にかかるMFPの機能構成の一例を示す模式的な図である。
図8図8は、第2の実施形態にかかる文書管理テーブルのデータ構成の一例を示す模式的な図である。
図9図9は、第2の実施形態にかかるFAX操作表示部が表示する画面の一例を示す模式的な図である。
図10図10は、第2の実施形態にかかる印刷ジョブ管理テーブルのデータ構成の一例を示す模式的な図である。
図11図11は、印刷ジョブ管理テーブルの状態が図10の(C)に示される状態にあるタイミングにおける第2の実施形態にかかるFAXデータ管理テーブルのデータ構成の一例を示す模式的な図である。
図12図12は、第2の実施形態にかかるMFPの動作の一例を示すシーケンス図である。
図13図13は、第2の実施形態にかかる印刷ジョブ管理テーブルのデータ構成の別の例を示す模式的な図である。
図14図14は、第2の実施形態にかかる印刷ジョブ管理テーブルのデータ構成のさらに別の例を示す模式的な図である。
図15図15は、第2の実施形態の変形例を示す図である。
図16図16は、第3の実施形態にかかる情報処理装置が適用されたシステムの構成の一例を示す図である。
図17図17は、第4の実施形態にかかるFAX連携システムにおけるシステム構成の一例を示す模式的な図である。
図18図18は、第4の実施形態にかかるMFP(親機)の機能構成の一例を示す模式的な図である。
図19図19は、第4の実施形態にかかるMFP(子機)の機能構成の一例を示す模式的な図である。
図20図20は、第4の実施形態にかかるFAXデータ管理テーブルのデータ構成の一例を示す模式的な図である。
図21図21は、第4の実施形態にかかる印刷ジョブ管理テーブルのデータ構成の一例を示す模式的な図である。
図22図22は、FAX操作表示部が表示する画面の一例を示す模式的な図である。
図23図23は、設定画面の一例を示す図である。
図24図24は、第4の実施形態にかかる動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムを詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
(第1の実施形態)
実施形態にかかる情報処理装置は、FAXで受信された文書を管理する任意の機器に適用できる。第1の実施形態では、一例として、MFP(Multi Function Printer)に実施形態にかかる情報処理装置が適用された場合について説明する。ここで説明されるMFPは、少なくともFAX機能とプリンタ機能とを含み、さらに、スキャナ機能、コピー機能といった複数の機能を1の筐体で実現した複合機である。
【0012】
図1は、第1の実施形態にかかるMFP1の接続例を示す模式的な図である。MFP1は、公衆回線網3を介して1以上(図1の例では2つ)のFAX装置2と接続されている。各FAX装置2は、公衆回線網3を介してMFP1に文書を送信することができる。また、MFP1は、公衆回線網3を介して各FAX装置2に文書を送信することができる。
【0013】
以降、文書とは、特に断りがない限り、MFP1がFAXで受信した文書をいう。
【0014】
MFP1は、インターネットまたはイントラネットなどのネットワーク4に接続されている。ネットワーク4には、サーバ5、印刷装置6、PC(Personal Computer)7、などが接続されている。
【0015】
MFP1は、受信した文書を内部の記憶部(後述する記憶部16)に蓄積する。記憶部に蓄積された文書は、種々の方法で出力され得る。例えば、記憶部内の文書は、MFP1が有するプリンタ機能または印刷装置6によって印刷され得る。または、記憶部内の文書は、サーバ5またはPC7に配信され得る。または、記憶部内の文書は、FAX装置2に公衆回線網3を介して転送され得る。つまり、出力は、印刷すること、配信すること、またはFAXで転送すること、などを含み得る。
【0016】
図2は、第1の実施形態にかかるMFP1のハードウェア構成の一例を示す模式的な図である。
【0017】
図2に示されているように、MFP1は、コントローラ110、近距離通信回路120、エンジン制御部130、操作パネル140、ネットワークI/F150、および公衆回線I/F160を備えている。
【0018】
これらのうち、コントローラ110は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)101、システムメモリ(MEM-P)102、ノースブリッジ(NB)103、サウスブリッジ(SB)104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)106、ローカルメモリ(MEM-C)107、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ108、及び、HD(Hard Disk)109を有し、NB103とASIC106との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス121で接続した構成となっている。
【0019】
これらのうち、CPU101は、MFP1の全体制御を行う制御部である。NB103は、CPU101と、MEM-P102、SB104、及びAGPバス121とを接続するためのブリッジであり、MEM-P102に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0020】
MEM-P102は、コントローラ110の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM102a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM102bとからなる。なお、RAM102bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0021】
SB104は、NB103とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC106は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス121、PCIバス122、HDコントローラ108およびMEM-C107をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC106は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC106の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C107を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部131及びプリンタ部132との間でPCIバス122を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC106には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0022】
MEM-C107は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD109は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD109は、CPU101の制御にしたがってHD109に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス121は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインターフェースであり、MEM-P102に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0023】
また、近距離通信回路120には、近距離通信回路120aが備わっている。近距離通信回路120は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0024】
更に、エンジン制御部130は、スキャナ部131及びプリンタ部132によって構成されている。また、操作パネル140は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部140a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル140bを備えている。コントローラ110は、MFP1全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル140からの入力等を制御する。スキャナ部131又はプリンタ部132には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。なお、パネル表示部140aは、表示装置の一例である。
【0025】
なお、MFP1は、操作パネル140のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびFAX機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、FAX機能の選択時にはファクシミリモードとなる。
【0026】
また、ネットワークI/F150は、ネットワーク4を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。公衆回線I/F160は、公衆回線網3を介して文書の送受信をするためのインターフェースである。近距離通信回路120、ネットワークI/F150、及び公衆回線I/F160は、PCIバス122を介して、ASIC106に電気的に接続されている。
【0027】
図3は、第1の実施形態にかかるMFP1の機能構成の一例を示す模式的な図である。
【0028】
図3に示されるように、MFP1は、自身が1以上のFAX装置2から受信した1以上の文書が蓄積される記憶部16を備えている。記憶部16は、例えば、RAM102b、MEM-C907、またはHD109などの、データを記憶する記憶装置によって構成される。なお、記憶部16は、これら以外の記憶装置によって構成されてもよい。記憶部16は、着脱可能な記憶装置によって構成されてもよいし、MFP1の外部にネットワーク4または他の通信手段を介して接続された記憶装置によって構成されてもよい。MFP1の外部にネットワーク4または他の通信手段を介して接続された記憶装置は、例えば、インターネット上でデータの保管や共有などを行えるクラウドストレージである。
【0029】
MFP1は、文書管理部11、出力制御部12、状態取得部13、出力結果判断部14、および状態管理部15をさらに備えている。
【0030】
文書管理部11は、FAXで受信した文書、つまり公衆回線網3を介してFAX装置2から受信した文書、を記憶部16に格納する。これによって文書が記憶部16に蓄積される。
【0031】
出力制御部12は、記憶部16に蓄積された文書の出力を制御する。
【0032】
例えば、ユーザは、PC7のような外部機器または操作パネル140を操作することによって、文書を指定して当該文書の印刷を指示することができる。出力制御部12は、印刷の指示に基づき、指定された文書を、プリンタ部132を用いて印刷する。出力制御部12は、印刷装置6に文書を送ってもよい。
【0033】
または、ユーザは、PC7のような外部機器または操作パネル140を操作することによって、文書を指定して当該文書の配信を指示することができる。出力制御部12は、配信の指示に基づき、指定された文書をネットワークI/F150を介して配信する。
【0034】
または、ユーザは、PC7のような外部機器または操作パネル140を操作することによって、文書を指定して当該文書のFAXによる転送を指示することができる。出力制御部12は、転送の指示に基づき、指定された文書を公衆回線網3を介して転送する。
【0035】
状態取得部13は、文書の出力の状態を取得する。
【0036】
より具体的には、状態取得部13は、出力の対象として指定された文書のうちの、出力が完了したページの数を取得する。例えば出力が印刷の場合、排紙が完了したページの数が、出力が完了したページの数としてカウントされる。出力が配信またはFAXによる転送の場合、配信または転送が完了したページの数が、出力が完了したページの数としてカウントされる。
【0037】
出力結果判断部14は、状態取得部13によって取得されたページの数に基づき、出力の対象として指定された文書の全てのページの出力が完了したか否かを判断する。
【0038】
状態管理部15は、文書の状態を管理する。
【0039】
具体的には、状態管理部15は、文書が記憶部16に格納されたとき、当該文書の状態を未読に設定する。そして、状態管理部15は、当該文書の全てのページの出力が完了したことを条件に、当該文書の状態を既読に設定する。
【0040】
状態管理部15は、たとえ当該文書の出力が指示された後であっても、当該文書の一部または全部のページの出力が完了しない場合、換言すると、当該文書を構成するページのうちの出力が完了していないページが残っている場合、当該文書の状態を既読に設定しない。
【0041】
例えば、当該文書の印刷が指示され、指示された印刷が実行された場合、用紙切れ、紙詰まり、または印刷のキャンセルの指示などによって、文書の全てのページの出力が完了しない場合がある。そのような場合は、状態管理部15は、当該文書の状態を既読に設定しない。状態管理部15は、当該文書の状態を未読に維持してもよいし、未読および既読の何れとも異なる名称に設定してもよい。
【0042】
このように、実施形態によれば、出力が指定された文書の全てのページの出力が完了することを条件に、当該文書の状態が既読に設定される。
【0043】
なお、文書管理部11、出力制御部12、状態取得部13、出力結果判断部14、および状態管理部15の機能は、例えばCPU101が情報処理プログラムを実行することによって実現する。
【0044】
情報処理プログラム170は、例えば図4に示されるように、ROM102aに予め格納されている。CPU101は、情報処理プログラム170をROM102aからRAM102bにロードして、RAM102bにロードされた情報処理プログラム170を実行することによって、文書管理部11、出力制御部12、状態取得部13、出力結果判断部14、および状態管理部15として機能する。
【0045】
すなわち、MFP1は、CPU101などのプロセッサと、ROM102a、RAM102b、MEM-C107、またはHD109などのメモリと、を備えて構成され、この構成は、通常のコンピュータ構成と見なすことができる。コンピュータプログラムである情報処理プログラム170は、コンピュータ構成を備えたMFP1に、文書管理部11、出力制御部12、状態取得部13、出力結果判断部14、および状態管理部15として機能させることができる。
【0046】
なお、情報処理プログラム170が予め格納される記憶装置は、ROM102aに限定されない。情報処理プログラム170はHD109などの不揮発性の記憶装置に予め格納されてもよい。
【0047】
また、情報処理プログラム170は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0048】
さらに、情報処理プログラム170を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、情報処理プログラム170をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0049】
なお、文書管理部11、出力制御部12、状態取得部13、出力結果判断部14、および状態管理部15の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0050】
図5は、第1の実施形態にかかるMFP1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、出力の一例として印刷が実行される場合について説明する。
【0051】
まず、出力制御部12は、ユーザによってなされる、未読の状態の文書を指定した印刷の操作(より正確には、印刷を指示する操作)を受け付ける(S101)。なお、当該文書の状態は、当該文書が記憶部16に格納された際に、状態管理部15によって未読に設定されている。印刷の指示は、操作パネル140を介して入力されてもよいし、PC7のような外部機器から入力されてもよい。なお、本図の説明において、S101の処理によって印刷の対象として指定された文書を、対象の文書、と表記する。
【0052】
状態管理部15は、対象の文書の状態を未読から保留に変更する(S102)。保留は、印刷などの出力が指示されたが、まだ既読になっていない状態を示す。
【0053】
出力制御部12は、プリンタ部132を制御して、対象の文書の印刷を実行する(S103)。
【0054】
状態取得部13は、プリンタ部132による対象の印刷の実行が終了すると、排紙が完了したページの数を取得する(S104)。
【0055】
印刷の実行が終了するとは、プリンタ部132による印刷が試みられて、その後、何らかの要因によってプリンタ部132が当該印刷の動作を停止した状態になるか、またはプリンタ部132が次の印刷を実行できる状態になることである。つまり、印刷の実行の終了は、対象の文書の全てのページの印刷および排紙が完了した場合のほかにも、種々のケースで起こり得る。例えば、用紙切れ、紙詰まり、または印刷のキャンセルによっても、印刷の動作が停止し、これによって印刷の実行が終了したと見なされる。
【0056】
出力結果判断部14は、対象の文書の全てのページの排紙が完了したか否かを判断する(S105)。
【0057】
例えば、状態管理部15は、文書管理部11によって対象の文書が記憶部16に格納された際に、対象の文書を構成するページの数を取得する。出力結果判断部14は、排紙が完了したページの数を状態取得部13から取得すると、対象の文書を構成するページの数を状態管理部15から取得する。そして、出力結果判断部14は、対象の文書を構成するページの数と排紙が完了したページの数とが一致するか否かを判断する。両者が一致する場合には、出力結果判断部14は、対象の文書の全てのページの排紙が完了したと判断する。両者が一致しない場合には、出力結果判断部14は、対象の文書の全てのページの排紙が完了しないと判断する。
【0058】
対象の文書の全てのページの排紙が完了したと判断された場合には(S105:Yes)、状態管理部15は、対象の文書の状態を既読に設定し(S106)、MFP1の動作が終了する。
【0059】
対象の文書の全てのページの排紙が完了しないと判断された場合には(S105:No)、状態管理部15は、対象の文書の状態を保留に維持し(S107)、MFP1の動作が終了する。
【0060】
なお、図5の説明においては、状態管理部15は、印刷の実行の際に、文書の状態を保留に設定した。状態管理部15は、印刷の実行の際に対象の文書の状態を必ずしも保留に設定しなくてもよく、文書の状態を未読に維持してもよい。また、保留という名称は一例である。状態管理部15は、S102において、文書の状態を保留以外の任意の名称に変更し得る。状態管理部15は、例えば、文書の状態を印刷中などに設定してもよい。
【0061】
このように、第1の実施形態によれば、情報処理装置としてのMFP1は、FAXで受信した文書を記憶部16に蓄積させる文書管理部11と、ユーザの操作に基づき、文書の印刷を制御する出力制御部12と、文書の状態を管理する状態管理部15と、を備える。状態管理部15は、文書が受信されたとき、当該文書の状態を未読に設定する。そして、状態管理部15は、文書の全てのページの排紙が完了したことを条件に、前記文書の状態を未読から既読に変更する。
【0062】
よって、用紙切れ、紙詰まり、または印刷のキャンセルなどによって文書の一部のページが印刷されないことで当該ページをユーザが閲覧することができないにもかかわらず当該文書が既読として管理されてしまう、といったケースが発生することが防止される。つまり、FAXで受信された文書の適切な管理が可能となる。
【0063】
なお、状態管理部15は、文書の一部または全部のページの出力が完了しない場合に、文書の状態を既読に設定しない。
【0064】
よって、用紙切れ、紙詰まり、または印刷のキャンセルなどによって文書の一部のページが印刷されないことで当該ページをユーザが閲覧することができないにもかかわらず当該文書が既読として管理されてしまう、といったケースが発生することが防止される。つまり、FAXで受信された文書の適切な管理が可能となる。
【0065】
また、情報処理装置としてのMFP1は、文書の印刷により文書のうちの排紙が完了したページの数を取得する状態取得部13と、文書の全てのページの排紙が完了したか否かを排紙が完了したページの数に基づいて判断し、文書の全てのページの排紙が完了した場合に、文書の全てのページの出力が完了したと判断する、出力結果判断部14と、をさらに備える。
【0066】
これによって、文書の全てのページの排紙が完了した場合に文書の状態を既読とすることが可能となる。
【0067】
なお、図5では、出力の一例として、印刷することを挙げて説明した。実施形態の情報処理装置としての動作は、文書を印刷する場合だけでなく、文書を配信したり文書をFAXで転送したりする場合にも適用できる。
【0068】
一例では、出力制御部12は、文書の配信を制御する。出力制御部12は、文書を、例えばサーバ5またはPC7などの外部機器に配信することができる。状態取得部13は、文書のうちの配信が完了したページの数を取得する。出力結果判断部14は、文書の全てのページの配信が完了したか否かを配信が完了したページの数に基づいて判断し、文書の全てのページの配信が完了した場合に、文書の全てのページの出力が完了したと判断する。状態管理部15は、文書の全てのページの出力が完了したことを条件に、文書の状態を既読に設定する。
【0069】
文書の配信の際には、ネットワーク4の不調や配信のキャンセルなどの原因によって文書の一部または全部のページが配信されないケースが起こり得る。上記の構成によれば、当該ケースが起こった場合には、当該文書の状態は既読にされない。これによって、ユーザが一部または全部のページを閲覧することができないにもかかわらず当該文書が既読として管理されてしまう、といったケースが発生することが防止される。つまり、FAXで受信された文書の適切な管理が可能となる。
【0070】
別の例では、出力制御部12は、文書のFAXでの転送を制御する。出力制御部12は、文書を、例えばFAX装置2などに公衆回線網3を介して転送することができる。状態取得部13は、文書のうちの転送が完了したページの数を取得する。出力結果判断部14は、文書の全てのページの転送が完了したか否かを転送が完了したページの数に基づいて判断し、文書の全てのページの転送が完了した場合に、文書の全てのページの出力が完了したと判断する。状態管理部15は、文書の全てのページの出力が完了したことを条件に、文書の状態を既読に設定する。
【0071】
文書のFAXでの転送の際には、公衆回線網3の状況または送信先のFAX装置2の状況によっては文書の一部または全部のページが転送されないケースが起こり得る。上記の構成によれば、当該ケースが起こった場合には、当該文書の状態は既読にされない。これによって、ユーザが一部または全部のページを閲覧することができないにもかかわらず当該文書が既読として管理されてしまう、といったケースが発生することが防止される。つまり、FAXで受信された文書の適切な管理が可能となる。
【0072】
(第2の実施形態)
第2の実施形態にかかるMFPを、MFP1aと表記する。MFP1aは、第1の実施形態のMFP1と同様のハードウェア構成を有する。したがって、MFP1aのハードウェア構成についての説明は省略する。以降の説明では、第1の実施形態と異なる点について説明する。第1の実施形態と同じ点については説明を省略するか簡略的に説明する。
【0073】
図6は、第2の実施形態にかかる情報処理プログラム170の構成の一例を示す模式的な図である。第2の実施形態にかかる情報処理プログラム170は、FAX機能を実現するFAXアプリケーションプログラム(FAXアプリ)180と、プリンタ機能を実現する印刷アプリケーションプログラム(印刷アプリ)190と、を含む。
【0074】
図7は、第2の実施形態にかかるMFP1aの機能構成の一例を示す模式的な図である。
【0075】
図7に示されるように、MFP1aは、FAX操作表示部21、FAX受信部22、およびFAXデータ管理部23を備える。FAX操作表示部21、FAX受信部22、およびFAXデータ管理部23の機能は、例えばCPU101がFAXアプリ180を実行することによって実現する。なお、第1の実施形態の各機能構成要素と同様に、FAX操作表示部21、FAX受信部22、およびFAXデータ管理部23の機能の一部または全部は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。
【0076】
FAX操作表示部21は、MFP1の操作パネル140のパネル表示部140aに対する情報の表示、および、パネル表示部140aまたは操作パネル140bを介した操作入力の受け付け、などを実行する。FAX操作表示部21は、文書の状態をパネル表示部140aなどの表示装置に表示する表示制御部の一例である。
【0077】
FAX受信部22は、FAXでの文書の受信を行う。
【0078】
FAXデータ管理部23は、文書管理部11と、状態管理部15と、の機能を有する。つまり、FAXデータ管理部23は、FAX受信部22によって受信された文書を記憶部16に格納する。また、FAXデータ管理部23は、文書を記憶部16に格納したとき、当該文書の状態を未読に設定する。FAXデータ管理部23は、当該文書の全てのページの出力が完了したことを条件に、当該文書の状態を既読に設定する。
【0079】
なお、第2の実施形態では、出力の一例として、印刷を挙げる。
【0080】
FAXデータ管理部23は、記憶部16内の各文書の状態を管理するために、FAXデータ管理テーブル181を使用する。FAXデータ管理テーブル181は記憶部16に格納されており、FAXデータ管理部23は、記憶部16内のFAXデータ管理テーブル181を参照したり更新したりすることができる。なお、FAXデータ管理テーブル181の具体的な構成については後述する。
【0081】
また、MFP1aは、印刷ジョブ管理部31、および印刷制御部32を備えている。印刷ジョブ管理部31、および印刷制御部32の機能は、例えばCPU101が印刷アプリ190を実行することによって実現する。なお、第1の実施形態の各機能構成要素と同様に、印刷ジョブ管理部31、および印刷制御部32の機能の一部または全部は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。
【0082】
印刷制御部32は、出力制御部12の機能(より正確には出力制御部12のうちの印刷を制御する機能)を備えている。印刷制御部32は、プリンタ部132を用いて文書の印刷を制御する。
【0083】
印刷ジョブ管理部31は、印刷ジョブを管理する機能と、状態取得部13および出力結果判断部14としての機能を備えている。
【0084】
具体的には、印刷ジョブ管理部31は、印刷が指示された場合に、印刷の指示のそれぞれを印刷ジョブとして扱う。印刷ジョブ管理部31は、1以上の印刷ジョブを、印刷ジョブ管理テーブル191に登録して、印刷ジョブ管理テーブル191に登録された各印刷ジョブの実行状態を管理する。印刷ジョブの実行状態を、処理状態と表記する。処理状態は、印刷待ち、印刷中、および印刷完了を含む複数の状態のいずれかを取り得る。
【0085】
また、印刷ジョブ管理部31は、印刷の対象として指定された文書のうちの、出力が完了したページの数を取得する。具体的には、印刷ジョブ管理部31は、排紙が完了したページの数を、出力が完了したページの数としてカウントする。そして、印刷ジョブ管理部31は、取得されたページの数に基づき、印刷の対象として指定された文書の全てのページの出力が完了したか否かを判断する。印刷ジョブ管理部31は、判断の結果をFAXデータ管理部23に通知する。
【0086】
図8は、第2の実施形態にかかるFAXデータ管理テーブル181のデータ構成の一例を示す模式的な図である。本図に示されるように、FAXデータ管理テーブル181は、文書ID、受信日時、相手先、ページ数、未読状態、ファイルパス、ジョブID、およびジョブ状態の各項目が記録されるフィールドを備えたテーブルの構成を有している。
【0087】
文書IDのフィールドには、受信した文書を一意に識別するための番号(即ち文書ID)が記録される。受信日時のフィールドには、受信を開始した日時が記録される。相手先のフィールドには、文書の送信元の機器を表す情報が記録される。例えばFAX番号が相手先のフィールドに記録される。ページ数のフィールドには、文書を構成するページの数が記録される。未読状態のフィールドには、文書の状態、つまり例えば未読であるか既読であるかが記録される。ファイルパスのフィールドには、文書の格納先を示すファイルパスが記録される。ジョブIDには、印刷や配信などが指示された場合に、指示された内容のジョブを一意に識別するための番号(即ちジョブID)が記録される。ジョブ状態のフィールドには、文書の処理にかかるジョブの実行に関する状態が記録される。
【0088】
ジョブ状態は、例えば、印刷指示中、印刷完了、および印刷失敗の何れかを取り得る。ジョブ状態に関しては、印刷指示中は、印刷ジョブの実行が指示されて、印刷ジョブの実行が完了することを待っている状態である。また、印刷完了は、文書を構成する全てのページの排紙が完了した状態である。つまり、印刷完了は、印刷が成功した状態である。また、印刷失敗は、文書を構成するページのうちの一部または全部の排紙が行われずに印刷ジョブの実行が完了した状態である。
【0089】
図8の例によれば、0001から0005の文書IDが与えられた5つの文書に関する情報がFAXデータ管理テーブル181に登録されている。そして、文書IDが0001である文書は6ページで構成され、文書IDが0002である文書は5ページで構成され、文書IDが0003である文書は3ページで構成され、文書IDが0004である文書は10ページで構成され、文書IDが0005である文書は2ページで構成されていることが読み取れる。これらの5つの文書の状態は、全て未読の状態となっている。
【0090】
ユーザは、文書を一覧表示する指示を操作パネル140などから入力することによって、記憶部16に蓄積された文書の状態を確認することができる。当該指示が入力されると、FAX操作表示部21は、記憶部16に蓄積された1以上の文書の状態を示す画面をFAXデータ管理テーブル181に基づいて生成し、生成した画面をパネル表示部140aに表示する。
【0091】
図9は、第2の実施形態にかかるFAX操作表示部21が表示する画面の一例を示す模式的な図である。
【0092】
図9に示される例によれば、画面141は、1以上の文書の情報が表示される領域141aを備えている。ここでは、領域141aには、文書IDが0001から0004までの文書の情報が表示されている。各文書の情報は、受信日時、送信元、原稿、および状態(未読か既読か)を含んでいる。送信元は、FAXデータ管理テーブル181の相手先のフィールドに記載された情報であり、原稿は、FAXデータ管理テーブル181のページ数のフィールドに記載された情報である。
【0093】
なお、画面141は、指示を入力することができる領域141bを備えている。領域141bには、文書転送ボタン142と、文書印刷ボタン143と、描画されており、ユーザは、これらのボタンをタッチ操作することができる。
【0094】
ユーザが領域141aから文書を選択して、文書転送ボタン142をタッチすると、転送先を設定する設定画面がFAX操作表示部21によって表示される。ユーザは、転送先として、FAX番号、フォルダ、メールアドレス、クラウドストレージなど、1又は複数の転送先を当該設定画面を介して設定することができる。当該設定画面には、スタートキーが含まれており、ユーザが当該スタートキーをタッチすると、選択された文書の転送が開始される。
【0095】
ユーザが領域141aから文書を選択して、文書印刷ボタン143をタッチすると、両面、集約など印刷条件を設定する設定画面がFAX操作表示部21によって表示される。ユーザは、印刷条件を当該設定画面を介して設定することができる。当該設定画面にはスタートキーが含まれており、ユーザが当該スタートキーをタッチすると、印刷が開始される。
【0096】
なお、FAX操作表示部21は、図9に示される画面141を、PC7などの外部機器の表示装置に表示して、PC7などからの操作入力を受け付けることが可能に構成されてもよい。
【0097】
図10は、第2の実施形態にかかる印刷ジョブ管理テーブル191のデータ構成の一例を示す模式的な図である。なお、ここでは、ユーザによって文書IDが0001,0003,0004の3つの文書の印刷の指示が入力されたこととする。
【0098】
図10の(A)~(C)に示されるように、印刷ジョブ管理テーブル191は、ジョブID、総ページ数、印刷済みページ数、および処理状態の各項目が記録されるフィールドを備えたテーブルの構成を有している。ジョブIDのフィールドには、ジョブIDが記録される。総ページ数のフィールドには、文書を構成するページの数が記録される。印刷済みページ数のフィールドには、印刷ジョブ管理部31によって取得された、排紙が完了したページの数が記録される。処理状態のフィールドには、ジョブの実行の状態が記録される。
【0099】
処理状態は、ここでは一例として、印刷待ち、印刷中、および印刷完了のうちの何れかを取り得る。処理状態に関して、印刷待ちは、印刷ジョブの実行が指示されたが、当該印刷ジョブの実行の開始を待っている状態である。印刷中は、印刷ジョブの実行が行われている最中である状態である。印刷完了は、印刷ジョブの実行が完了した状態である。なお、処理状態では、ジョブ状態と異なり、全てのページの排紙が完了したか否かにかかわらず、印刷ジョブの実行が終了した場合に、印刷完了とされる。
【0100】
例えば、印刷ジョブ管理部31は、FAXデータ管理部23からの指示に応じて印刷ジョブを登録すると、当該印刷ジョブの処理状態を印刷待ちに設定する。印刷制御部32によって当該印刷ジョブの実行が開始されると、印刷ジョブ管理部31は、当該印刷ジョブの処理状態を印刷中に設定する。処理状態が印刷中である場合、印刷ジョブ管理部31は、排紙が完了したページの数をモニタリングして、排紙が完了したページの数の項目の記録をリアルタイムに更新する。印刷ジョブ管理部31は、印刷制御部32から印刷ジョブの実行の終了の通知を受領すると、処理状態を印刷完了に設定する。そして、印刷ジョブ管理部31は、排紙が完了したページの数と総ページ数とが一致するか否かを判定する。両者が一致した場合、印刷ジョブ管理部31は、印刷成功と判断する。両者が一致しない場合、印刷ジョブ管理部31は、印刷失敗と判断する。印刷ジョブ管理部31は、判断結果をFAXデータ管理部23に通知する。
【0101】
例えば、図10の(A)は、文書IDが0001,0003,0004の3つの文書の印刷の指示された直後の印刷ジョブ管理テーブル191を示している。本図に示されるように、文書IDが0001の文書の印刷ジョブには、ジョブIDとして0001が付与され、文書IDが0003の文書の印刷ジョブには、ジョブIDとして0002が付与され、文書IDが0004の文書の印刷ジョブには、ジョブIDとして0003が付与されている。そして、総ページ数のフィールドには、FAXデータ管理テーブル181のページ数のフィールドに記録された情報と同じ情報が記録されている。
【0102】
図10の(A)に示される印刷ジョブ管理テーブル191からは、ジョブIDが0001である印刷ジョブの処理状態が印刷中となっており、文書IDが0001である6ページの文書のうちの2ページの排紙(つまり印刷)が完了したことが読み取れる。また、ジョブIDが0002および0003の印刷ジョブの処理状態は、ともに印刷待ちとなっている。
【0103】
印刷ジョブ管理テーブル191は、図10の(A)に示された状態から、例えば、図10の(B)に示された状態に遷移する。図10の(B)に示される印刷ジョブ管理テーブル191によれば、ジョブIDが0001である印刷ジョブの処理状態が印刷完了となっている。当該印刷ジョブの対象とされた、文書IDが0001である6ページの文書のうちの、6ページの排紙が完了していることから、当該文書の印刷は成功したことが読み取れる。
【0104】
また、図10の(B)に示される印刷ジョブ管理テーブル191によれば、ジョブIDが0002である印刷ジョブの処理状態が印刷中となっている。そして、ジョブIDが0001である印刷ジョブの対象とされた文書IDが0003である3ページの文書のうちの1ページの排紙が完了したことが読み取れる。ジョブIDが0003の印刷ジョブの処理状態は、印刷待ちとなっている。
【0105】
印刷ジョブ管理テーブル191は、図10の(B)に示された状態から、例えば、図10の(C)に示された状態に遷移する。図10の(C)に示されるFAXデータ管理テーブル181によれば、ジョブIDが0002である印刷ジョブの処理状態が印刷失敗に設定されて、ジョブIDが0003である印刷ジョブの処理状態が印刷中となっている。ジョブIDが0002である印刷ジョブの対象とされた文書は、3ページのうちの2ページのみが排紙されて、残りの1ページの排紙(つまり印刷)が完了しないで印刷が終了していることが読み取れる。
【0106】
図11は、印刷ジョブ管理テーブル191の状態が図10の(C)に示される状態にあるタイミングにおける第2の実施形態にかかるFAXデータ管理テーブル181のデータ構成の一例を示す模式的な図である。
【0107】
前述されたように、文書IDが0001の文書の印刷ジョブには、ジョブIDとして0001が付与され、文書IDが0003の文書の印刷ジョブには、ジョブIDとして0002が付与され、文書IDが0004の文書の印刷ジョブには、ジョブIDとして0003が付与されている。よって、文書IDが0001の文書にかかる情報のジョブIDのフィールドには、0001が記録され、文書IDが0003の文書にかかる情報のジョブIDのフィールドには、0002が記録され、文書IDが0004の文書にかかる情報のジョブIDのフィールドには、0003が記録されている。
【0108】
また、印刷ジョブ管理テーブル191の状態が図10の(C)に示される状態にあるタイミングにおいては、ジョブIDが0001である印刷ジョブの処理状態は印刷完了であり、かつ、印刷成功と判断された状態であるため、当該印刷ジョブによる印刷の対象とされた文書IDが0001の文書にかかる情報のジョブ状態のフィールドには、印刷完了が記録されている。そして、未読状態のフィールドには、既読が記録されている。
【0109】
上記タイミングにおいては、ジョブIDが0002である印刷ジョブに関しては、印刷失敗と判断されている。よって、当該印刷ジョブによる印刷の対象とされた文書IDが0003の文書にかかる状態のジョブ状態のフィールドには、印刷失敗が記録されている。そして、未読状態のフィールドには、既読ではなく未読が記録されている。
【0110】
また、上記タイミングにおいては、ジョブIDが0003である印刷ジョブの実行はまだ完了していないため、当該印刷ジョブによる印刷の対象とされた文書IDが0004の文書にかかる状態のジョブ状態のフィールドには、印刷指示中が記録されている。そして、未読状態のフィールドには、既読ではなく未読が記録されている。
【0111】
なお、前述されたように、ユーザは、FAXデータ管理テーブル181の未読状態のフィールドの情報を、画面141を呼び出すことによって知ることができる。
【0112】
図12は、第2の実施形態にかかるMFP1aの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0113】
まず、FAX受信があると(S201)、FAX受信部22は、FAXで受信した文書の蓄積をFAXデータ管理部23に指示する(S202)。FAXデータ管理部23は、指示された文書を記憶部16に格納するとともに、FAXデータ管理テーブル181に、当該文書に関する情報を登録する(S203)。FAXデータ管理テーブル181に登録される情報は、前述されたように、文書ID、受信日時、相手先、ページ数、未読状態、ファイルパス、ジョブID、およびジョブ状態、などの項目を含む。S203では、FAXデータ管理部23は、未読状態のフィールドには未読を記録する。また、FAXデータ管理部23は、ジョブIDおよびジョブ状態は空欄としておく。FAXデータ管理部23は、文書IDのフィールドには、何らかの方法で与えられた番号を記録する。例えば、FAX受信部22またはFAXデータ管理部23は、各文書に受信の順番に昇順に文書IDの番号を与えてもよい。
【0114】
なお、S201~S203の処理は、FAX受信・蓄積フェーズを構成する。FAX受信・蓄積フェーズは、FAXでの文書の受信があったタイミングで実行される。
【0115】
ユーザは、操作パネル140を操作するなどによって文書を一覧表示する指示を入力することができる(S204)。当該指示が入力されると、FAX操作表示部21は、例えば図8で表示されたような記憶部16に蓄積された文書の一覧を示す画面を生成してパネル表示部140aに表示する(S205)。
【0116】
ユーザは、表示された画面から文書を選択して印刷の指示を入力することができる(S206)。入力された印刷の指示は、FAX操作表示部21によってFAXデータ管理部23に送られる(S207)。
【0117】
なお、FAXデータ管理部23に送られる印刷の指示は、選択された文書を示す文書IDを含む。図12の説明において、S206によって印刷の対象として選択された文書を、対象の文書と表記する。
【0118】
FAXデータ管理部23は、印刷の指示を受領すると、対象の文書を印刷するための印刷ジョブの登録を印刷ジョブ管理部31に指示する(S208)。印刷ジョブの登録の指示は、ファイルパスを含んでいる。
【0119】
印刷ジョブ管理部31は、印刷ジョブの登録の指示を受領すると、印刷ジョブ管理テーブル191に、対象の文書の印刷にかかる情報を登録する(S209)。
【0120】
印刷ジョブ管理テーブル191に登録される情報は、前述されたように、ジョブID、総ページ数、印刷済みページ数、および処理状態、などの項目を含んでいる。印刷ジョブ管理部31は、ジョブIDを何らかの方法で生成して記録する。例えば印刷ジョブ管理部31は、印刷ジョブの登録が指示される毎に昇順の番号を生成して、生成した番号をジョブIDとしてもよい。また、例えば、印刷ジョブ管理部31は、S208において、FAXデータ管理部23から対象の文書を構成するページの数の通知を受けて、当該通知されたページの数を総ページ数として記録する。印刷ジョブ管理部31は、印刷済みページ数として0を記録し、処理状態のフィールドを空欄としておく。
【0121】
印刷ジョブの登録が完了すると、印刷ジョブ管理部31は、ジョブIDをFAXデータ管理部23に返す(S210)。すると、FAXデータ管理部23は,受領したジョブIDをFAXデータ管理テーブル181の対象の文書に関する情報のジョブIDのフィールドに登録する(S211)。
【0122】
印刷制御部32は、印刷ジョブ管理テーブル191に登録された印刷ジョブを順番に取得して実行することができる。印刷制御部32は、対象の文書を印刷するための印刷ジョブを取得すると(S212)、当該印刷ジョブを実行する(S213)。印刷制御部32は、プリンタ部132を制御して、対象の文書の印刷を試みる。
【0123】
印刷制御部32は、印刷ジョブの実行が終了すると、実行結果を印刷ジョブ管理部31に通知する(S214)。なお、印刷ジョブの実行は、印刷が正常に完了した場合のほか、印刷のキャンセル、用紙切れ、または紙詰まりなどが起こった場合にも終了し得る。S214では、印刷ジョブの実行が終了した旨が通知される。
【0124】
印刷ジョブ管理部31は、印刷ジョブが実行されている間、排紙が完了したページの数をモニタリングして、印刷ジョブ管理テーブル191の印刷済みページ数の項目の記録をリアルタイムに更新している。印刷ジョブ管理部31は、印刷ジョブの実行が終了した旨の通知を受領すると、当該通知に応じて印刷ジョブ管理テーブル191を更新する(S215)。具体的には、印刷ジョブ管理部31は、処理状態の項目の記録を印刷完了に設定する。
【0125】
なお、印刷ジョブ管理部31は、排紙が完了したページの数のリアルタイムのモニタリングを実行しなくてもよい。印刷ジョブ管理部31は、印刷ジョブが完了した旨の通知をS214の処理によって受領すると、排紙が完了したページの数を取得してもよい。
【0126】
続いて、印刷ジョブ管理部31は、印刷が成功したか否かを判断する(S216)。つまり、印刷ジョブ管理部31は、総ページ数の項目の記録と、印刷済みページ数の項目の更新後の記録と、を比較する。そして、両者が等しい場合、印刷ジョブ管理部31は、印刷成功と判断する。両者が等しくない場合、印刷ジョブ管理部31は、印刷失敗と判断する。
【0127】
そして、印刷ジョブ管理部31は、判断の結果をFAXデータ管理部23に通知する(S217)。判断の結果の通知は、ジョブIDを含み得る。
【0128】
なお、ここで説明したS216およびS217の処理は、複数のバリエーションの一つ(バリエーションA)である。別のバリエーション(バリエーションB)によれば、例えば、FAXデータ管理部23は、ジョブIDを指定して、印刷ジョブ管理部31に印刷ジョブの実行の状態の問い合わせを行う(S218)。印刷ジョブ管理部31は、問い合わせを受領した際に印刷ジョブの実行が終わっていれば、印刷が成功したか否かを判断する(S219)。つまり、印刷ジョブ管理部31は、S216と同様の処理を実行する。そして、印刷ジョブ管理部31は、判断の結果をFAXデータ管理部23に通知する(S220)。判断の結果の通知は、このように、FAXデータ管理部23が印刷ジョブ管理部31にポーリングを行ってもよい。
【0129】
FAXデータ管理部23は、印刷が成功したか否かの判断の結果をS217またはS220の処理によって受信すると、FAXデータ管理テーブル181のジョブ状態のフィールドの記録を更新するとともに、FAXデータ管理テーブル181の未読状態のフィールドの記録を更新するか否かを判断する(S221)。
【0130】
例えば、印刷が成功したという判断の結果を受領した場合には、FAXデータ管理部23は、未読状態のフィールドの記録を既読に変更する(S222)。そして、FAXデータ管理部23は、FAX操作表示部21に、表示を更新する指示を送信する(S223)。FAX操作表示部21は、当該指示を受領すると、画面内の対象の文書にかかる状態の表示を未読から既読に変更して、変更後の当該画面をパネル表示部140aに表示する(S224)。
【0131】
印刷が失敗したという判断の結果を受領した場合には、FAXデータ管理部23は、未読状態のフィールドの記録を未読のまま維持する。
【0132】
このように、文書管理部11、出力制御部12、状態取得部13、出力結果判断部14、および状態管理部15としての機能は、FAXアプリ180と、印刷アプリ190と、に分けて実装することが可能である。
【0133】
なお、文書管理部11、出力制御部12、状態取得部13、出力結果判断部14、および状態管理部15としての機能の分け方は上記に説明された分け方に限定されない。
【0134】
一例では、出力結果判断部14としての機能は、FAXアプリ180に持たされてもよい。例えば、印刷ジョブ管理部31は、状態取得部13としての機能を有し、FAXデータ管理部23は、出力結果判断部14としての機能を有する。図13は、そのような場合における第2の実施形態にかかる印刷ジョブ管理テーブル191のデータ構成の例を示す模式的な図である。図13に示されるように、印刷ジョブ管理テーブル191は、ジョブID、印刷済みページ数、および処理状態の各項目が記録されるフィールドを備えたテーブルの構成を有している。印刷ジョブ管理部31は、排紙が完了したページの数をリアルタイムに取得して、取得された数で印刷済みページ数の記録を更新する。そして、処理状態が印刷完了となったとき、印刷ジョブ管理部31は、その時点での印刷済みページ数の記録をFAXデータ管理部23に送信する。なお、印刷ジョブ管理部31は、排紙が完了したページの数のリアルタイムの取得を行わず、処理状態が印刷完了となったとき、排紙が完了したページの数を取得してFAXデータ管理部23に送信してもよい。FAXデータ管理部23は、文書を構成するページの数と受信した印刷済みページ数とが一致するか否かに基づいて印刷が成功したか否かを判断する。
【0135】
また、ジョブの種別が複数設けられてもよい。図14は、第2の実施形態にかかる印刷ジョブ管理テーブル191のデータ構成のさらに別の例を示す模式的な図である。図14に示されるように、印刷ジョブ管理テーブル191には、ジョブ種別および通知アプリの項目が記録されるフィールドが追加されている。本図では、一例として、ジョブ種別が、通常印刷、FAX蓄積文書の手動印刷、およびコピー印刷、である3つのジョブが登録されている。
【0136】
通常印刷のジョブは、FAXによって受信された文書ではなく、PC7などによって作成された文書を印刷するジョブである。FAX蓄積文書の手動印刷のジョブは、記憶部16に蓄積された文書をユーザによる操作パネル140の操作に応じて印刷するジョブである。コピー印刷のジョブは、ユーザによる手動の操作によってスキャナ部131が読み取った文書を印刷するジョブである。
【0137】
そして、FAX蓄積文書の手動印刷のジョブは、通知アプリとしてFAXアプリに対応付けられている。つまり、FAX蓄積文書の手動印刷のジョブの状態は、FAXアプリ180に通知される。通知アプリとしてFAXアプリに対応付けられていない他の種別のジョブの状態は、FAXアプリ180には通知されない。
【0138】
このように、印刷ジョブは複数の種別を含んでいてもよい。
【0139】
また、上記の説明においては、FAXで受信された文書の出力の一例として、文書を印刷することを挙げた。文書が印刷される場合だけでなく、文書が配信される場合や文書がFAXで転送される場合においても、全てのページの出力が完了したことを条件に文書の状態を既読に設定する実施形態にかかる技術が適用できる。
【0140】
例えば、記憶部16に蓄積された文書を配信する配信アプリが、MFP1で動作している。FAXアプリ180は、配信アプリと連携する。具体的には、FAXアプリ180は、文書の配信が指示された場合、文書の全てのページの配信が完了した場合に、文書の状態を既読に設定する。
【0141】
別の例では、FAXアプリ180は、記憶部16に蓄積された文書をFAXで転送する機能を有している。FAXアプリ180は、文書のFAXでの転送が指示された場合、文書の全てのページの転送が完了した場合に、文書の状態を既読に設定する。
【0142】
なお、本実施形態においては、FAXデータ管理部23の状態管理部15は、文書の全てのページの出力が完了したことを条件に、当該文書の状態を既読に設定する、として説明したが、これに限るものではない。
【0143】
ここで、図15は第2の実施形態の変形例を示す図である。図15に示すように、FAXデータ管理部23の状態管理部15は、文書の全てのページの出力が完了した際に、FAX操作表示部21を介して操作パネル140にユーザに既読に移行させるポップアップ画面161を表示させ、文書の状態を既読に設定するか否かをユーザに設定させるようにしてもよい。図15に示すように、ポップアップ画面161には、文書出力が全て完了した旨に加えて、文書の状態を既読に変更するためのボタン162と、文書の状態を未読のままにするためのボタン163と、を表示する。そして、FAXデータ管理部23の状態管理部15は、ポップアップ画面161のボタン162をユーザが選択操作した場合には、図9に示したように、未読状態のフィールドの記録を既読に変更する。一方、FAXデータ管理部23の状態管理部15は、ポップアップ画面161のボタン163をユーザが選択操作した場合には、未読状態のフィールドの記録を未読のままとする。
【0144】
(第3の実施形態)
文書管理部11、出力制御部12、状態取得部13、出力結果判断部14、および状態管理部15としての機能の一部は、MFPの他の機器に具備されてもよい。
【0145】
図16は、第3の実施形態にかかる情報処理装置が適用されたシステムの構成の一例を示す図である。本図に示されるように、MFP1bは、第1の実施形態にかかるMFP1と同様の機能構成を備えている。また、サーバ5は、記憶部16に蓄積された文書を配信することができる配信制御部51を備えている。また、印刷装置6は、記憶部16に蓄積された文書を印刷することができる印刷制御部61を備えている。また、PC7は、記憶部16に蓄積された文書を印刷することができる印刷制御部71および記憶部16に蓄積された文書を配信することができる配信制御部72を備えている。
【0146】
配信制御部51、印刷制御部61、印刷制御部71、および配信制御部72は、MFP1b以外の機器に具備された出力制御部12に相当する。
【0147】
MFP1では、状態取得部13は、配信制御部51、印刷制御部61、印刷制御部71、および配信制御部72などによって出力(印刷の場合は排紙)が完了したページの数を取得する。そして、出力結果判断部14は、取得された出力(印刷の場合は排紙)が完了したページの数に基づき、文書の全てのページの出力(印刷の場合は排紙)が完了したか否かを判断する。そして、状態管理部15は、判断の結果に基づいて文書の状態を既読に設定する。より詳しくは、状態管理部15は、文書の全てのページの出力(印刷の場合は排紙)が完了したことを条件に、文書の状態を既読に設定する。
【0148】
なお、出力制御部だけでなく、状態取得部13や、出力結果判断部14などもMFP1以外の機器に具備されてもよい。
【0149】
また、文書管理部11、出力制御部12、状態取得部13、出力結果判断部14、および状態管理部15は、MFP1を有した情報処理装置は、FAX受信装置によって受信された文書を取得して管理するFAXサーバなどにも適用することができる。つまり、第1および第2の実施形態のMFP1、1aの機能は、MFP1、1a以外の機器にも適用され得る。
【0150】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
【0151】
第1ないし第3の実施形態においては、印刷等の文書処理をMFP1単独で行うことを想定した記載となっているが、第4の実施形態では、FAX連携機能のように、複数の機器が連携して文書処理を行うようなケースについて説明する。なお、FAX連携機能とは、FAX回線未接続の機器(以下、子機という)と、FAX回線接続済みの機器(以下、親機という)を連携させることで、FAX回線未接続の機器でもFAX送受信を行えるようにした機能である。以下、第4の実施の形態の説明では、第1ないし第3の実施形態と同一部分の説明については省略し、第1ないし第3の実施形態と異なる箇所について説明する。
【0152】
本実施形態は、FAX連携システムにおけるFAX受信文書の未読管理を行うにあたり、文書に対する操作だけでなく、操作により機器で行われる文書処理の実行結果も踏まえ、また、機器単体で見たときの実行結果だけでなく、FAX連携システム全体での実行結果を踏まえ、文書の未読管理を行うことを目的とする。
【0153】
図17は、第4の実施形態にかかるFAX連携システムにおけるシステム構成の一例を示す模式的な図である。図17に示すFAX連携システムは、情報処理システムとして機能するものであって、FAX回線接続済みのMFP1を親機とし、FAX回線未接続のMFP8を子機として連携させることで、FAX回線未接続の他の情報処理装置であるMFP8でもFAX送受信を行えるようにしている。
【0154】
なお、MFP8のハードウェア構成は、図2で説明したMFP1のハードウェア構成とはなんら変わるものではないので、説明を省略する。
【0155】
ここで、本実施形態のFAX連携システムにおけるFAX連携機能について概略を説明する。
【0156】
MFP1(親機:第1の情報処理装置)は、公衆回線網3を介して接続されているFAX装置2から文書を受信し、HD109などの記憶装置に蓄積する。
【0157】
MFP1(親機)の利用者は、蓄積された文書(FAX受信文書)を操作パネル140やブラウザから選択し、表示・印刷・転送・消去等の処理を行うことができる。また、予め登録しておいたMFP8(子機:第2の情報処理装置)での印刷(手動/自動)も行うことができる。
【0158】
また、MFP1(親機)は、その文書(FAX受信文書)がまだ処理されていない(以下、未読)なのか、それとも処理済み(以下、既読)なのかを管理しており、MFP1(親機)の利用者はその情報を操作パネル140上で確認することができる。
【0159】
図18は、第4の実施形態にかかるMFP1(親機)の機能構成の一例を示す模式的な図である。
【0160】
図18に示されるように、MFP1は、上述した文書管理部11、出力制御部12、状態取得部13、出力結果判断部14、状態管理部15および記憶部16に加え、ネットワーク制御部17、画面制御部18、Web制御部19を更に備えている。
【0161】
ネットワーク制御部17は、HD109などの記憶部16に蓄積された文書(FAX受信文書)のサーバ5への転送や、文書(FAX受信文書)のMFP8(子機)への転送および印刷指示を行う。
【0162】
また、記憶部16は、前述したように、FAXデータ管理部23が使用するFAXデータ管理テーブル181と、印刷ジョブ管理部31が管理する印刷ジョブ管理テーブル191と、を備える。
【0163】
画面制御部18は、MFP1の操作パネル140から、記憶部16に蓄積された文書の内容/未読状態の表示や、印刷/転送/削除等の操作を行うためのUIを提供する。
【0164】
Web制御部19は、画面制御部18の提供する機能に加え、記憶部16に蓄積された文書の引き取りをWebブラウザから行うためのUIを提供する。
【0165】
図19は、第4の実施形態にかかるMFP8(子機)の機能構成の一例を示す模式的な図である。
【0166】
図19に示されるように、MFP8は、文書管理部81、出力制御部82、ネットワーク制御部83、画面制御部84を備えている。
【0167】
文書管理部81は、第2の文書管理部として機能する。文書管理部81は、MFP1(親機)から転送された文書を、記憶部16に蓄積/管理する。また、文書管理部81は、MFP1(親機)から転送されて記憶部16に蓄積された文書の全てのページの出力が完了したことを条件に文書の状態を既読に設定する。
【0168】
出力制御部82は、記憶部16に蓄積された文書の出力を制御する。
【0169】
ネットワーク制御部83は、MFP1(親機)から転送された文書(FAX受信文書)の受信や、MFP1(親機)にFAX送信を依頼する文書の転送を行う。
【0170】
画面制御部84は、MFP8の操作パネル140から、印刷状態の表示や、またMFP1(親機)へのFAX送信依頼等の各種操作を行うためのUIを提供する。
【0171】
次に、MFP1(親機)が備える記憶部16において管理されるデータについて説明する。
【0172】
図20は、第4の実施形態にかかるFAXデータ管理テーブル181のデータ構成の一例を示す模式的な図である。FAXデータ管理テーブル181は、後述する蓄積受信文書画面で表示するデータを管理する。本図に示されるように、FAXデータ管理テーブル181は、文書ID、受信日時、相手先、ページ数、未読状態の各項目が記録されるフィールドを備えたテーブルの構成を有している。
【0173】
文書IDのフィールドには、受信した文書を一意に識別するための番号(即ち文書ID)が記録される。
【0174】
受信日時のフィールドには、受信を開始した日時が記録される。
【0175】
相手先のフィールドには、相手先や公衆回線網3から通知された文書の送信元の機器を表す情報が記録される。例えばFAX番号が相手先のフィールドに記録される。
【0176】
ページ数のフィールドには、文書を構成するページの数が記録される。
【0177】
未読状態のフィールドには、文書の状態、つまり例えば未読であるか既読であるかが記録される。
【0178】
図20の例によれば、1001から1003の文書IDが与えられた3つの文書に関する情報がFAXデータ管理テーブル181に登録されている。そして、例えば、文書IDが1001である文書の状態は未読の状態、文書IDが1002である文書の状態は保留の状態、文書IDが1003である文書の状態は保留の状態となっている。
【0179】
図21は、第4の実施形態にかかる印刷ジョブ管理テーブル191のデータ構成の一例を示す模式的な図である。なお、ここでは、ユーザによって文書IDが0001,0002,0003,0004の4つの文書の印刷の指示が入力されたこととする。印刷ジョブ管理テーブル191は、MFP1(親機)で動作するジョブの各種データを管理する。
【0180】
図21に示されるように、印刷ジョブ管理テーブル191は、ジョブID、ジョブ種別、処理対象、文書ID、および処理状態の各項目が記録されるフィールドを備えたテーブルの構成を有している。
【0181】
ジョブIDのフィールドには、ジョブを一意に識別するための番号であるジョブIDが記録される。
【0182】
ジョブ種別のフィールドには、動作するジョブの種別を表す情報が記録される。ジョブの種別としては、「蓄積文書手動印刷(自機)」「蓄積文書手動印刷(子機)」「文書送信」「レポート印刷」などが挙げられる。「蓄積文書手動印刷(自機)」は、文書をMFP1(親機)で印刷したことを示す。「蓄積文書手動印刷(子機)」は、文書のMFP8(子機)への転送および印刷指示を行ったことを示す。「文書送信」は、文書をサーバ5に送信したことを示す。「レポート印刷」は、処理レポートをMFP1(親機)で印刷したことを示す。
【0183】
処理対象のフィールドには、ジョブの対象となる機器に関する情報であり、子機での印刷の場合には印刷指示を出したMFP8(子機)の情報が記録される。
【0184】
文書IDのフィールドには、ジョブの対象となった文書を表し、受信した文書を一意に識別するための番号(即ち文書ID)が記録される。すなわち、FAXデータ管理テーブル181で管理している文書IDと同じである。
【0185】
文書IDは、FAXデータ管理テーブル181と印刷ジョブ管理テーブル191の双方で管理されているデータであって、両テーブルを結び付けているデータとなる。蓄積された文書(FAX受信文書)に関するジョブが完了した際には、同一の文書IDを持つ印刷ジョブ管理テーブル191の行も必要に応じて更新される。
【0186】
処理状態のフィールドには、ジョブの実行の状態が記録される。
【0187】
処理状態は、ここでは一例として、印刷待ち、印刷中、および印刷完了のうちの何れかを取り得る。処理状態に関して、印刷待ちは、印刷ジョブの実行が指示されたが、当該印刷ジョブの実行の開始を待っている状態である。印刷中は、印刷ジョブの実行が行われている最中である状態である。印刷完了は、印刷ジョブの実行が完了した状態である。なお、処理状態では、ジョブ状態と異なり、全てのページの排紙が完了したか否かにかかわらず、印刷ジョブの実行が終了した場合に、印刷完了とされる。
【0188】
次に、第4の実施形態にかかるMFP1(親機)のFAX操作表示部21が表示する画面について説明する。
【0189】
ここで、図22はFAX操作表示部21が表示する画面の一例を示す模式的な図である。図22に示される例によれば、画面141は、1以上の文書の情報が表示される領域141aを備えている。ここでは、領域141aには、文書IDが0001から0004までの文書の情報が表示されている。各文書の情報は、受信日時、送信元、原稿、および文書の確認状態(未読か既読か)を含んでいる。送信元は、FAXデータ管理テーブル181の相手先のフィールドに記載された情報であり、原稿は、FAXデータ管理テーブル181のページ数のフィールドに記載された情報である。
【0190】
なお、画面141は、指示を入力することができる領域141bを備えている。領域141bには、文書転送ボタン142と、自機文書印刷ボタン144と、子機文書印刷ボタン145とが描画されており、ユーザは、これらのボタンをタッチ操作することができる。
【0191】
ユーザが領域141aから文書を選択して、文書転送ボタン142をタッチすると、転送先を設定する設定画面がFAX操作表示部21によって表示される。ユーザは、転送先として、FAX番号、フォルダ、メールアドレス、クラウドストレージなど、1又は複数の転送先を当該設定画面を介して設定することができる。当該設定画面には、スタートキーが含まれており、ユーザが当該スタートキーをタッチすると、選択された文書の転送が開始される。
【0192】
ユーザが領域141aから文書を選択して、自機文書印刷ボタン144をタッチすると、両面、集約など印刷条件を設定する設定画面がFAX操作表示部21によって表示される。ユーザは、印刷条件を当該設定画面を介して設定することができる。当該設定画面にはスタートキーが含まれており、ユーザが当該スタートキーをタッチすると、印刷が開始される。
【0193】
ユーザが領域141aから文書を選択して、子機文書印刷ボタン145をタッチすると、処理対象となるMFP8(子機)を設定する設定画面151(図23参照)がFAX操作表示部21によって表示される。ここで、図23は設定画面151の一例を示す図である。図23に示すように、設定画面151には、処理対象として設定可能なMFP8(子機)の一覧が表示される。ユーザは、転送先として、1又は複数の転送先となるMFP8(子機)を当該設定画面151を介して設定することができる。当該設定画面151には、スタートキー152が含まれており、処理対象となるMFP8(子機)の設定後、ユーザが当該スタートキー152をタッチすると、選択された文書の転送が開始される。
【0194】
次に、FAX連携システムにおける各部の動作について説明する。
【0195】
図24は、第4の実施形態にかかる動作の一例を示すシーケンス図である。図24に示すように、FAX装置2からのFAX受信があると(S301)、MFP1(親機)は、FAXで受信した文書の蓄積を記憶部16に格納するとともに、FAXデータ管理テーブル181および印刷ジョブ管理テーブル191に、当該文書に関する情報を登録する(S302)。
【0196】
FAXデータ管理テーブル181に登録される情報は、前述されたように、文書ID、受信日時、相手先、ページ数、未読状態などの項目を含む。S302では、MFP1(親機)のFAXデータ管理部23は、未読状態のフィールドには「未読」を記録する。
【0197】
印刷ジョブ管理テーブル191に登録される情報は、前述されたように、ジョブID、ジョブ種別などの項目を含む。S302では、MFP1(親機)のFAXデータ管理部23は、ジョブIDおよびジョブ種別は空欄としておく。MFP1(親機)のFAXデータ管理部23は、文書IDのフィールドには、文書IDを記録する。
【0198】
ユーザが、図24に示される画面141の領域141aから文書を選択し、子機文書印刷ボタン145をタッチし、処理対象となるMFP8(子機)の設定があった場合、MFP8(子機)への印刷指示があったとして(ステップS303)、MFP1(親機)は、ジョブID、ジョブ種別、処理対象、文書ID、処理状態を印刷ジョブ管理テーブル191に登録して、処理対象となるMFP8(子機)に印刷指示を行う(S304)。
【0199】
例えば、図21に示すように、MFP1(親機)は、ジョブID「0002」、ジョブ種別「蓄積文書手動印刷(子機)」、処理対象「1階西」、文書ID「1003」、処理状態「実行中」を印刷ジョブ管理テーブル191に登録する。
【0200】
加えて、MFP1(親機)のFAXデータ管理部23は、上述の印刷操作が行われた時点で、FAXデータ管理テーブル181の未読状態のフィールドを「未読」から「保留」の状態に変更する(S305)。
【0201】
その後、MFP1(親機)は、MFP8(子機)から印刷結果を受信する(S306)。
【0202】
MFP1(親機)は、MFP8(子機)での印刷動作が正常に完了し、MFP8(子機)からの印刷結果=OKを受信した場合、FAXデータ管理テーブル181の未読状態のフィールドを「既読」の状態に変更する(S307)。すなわち、MFP8(子機)で文書印刷を行う場合には、選択したMFP8(子機)での印刷が正常に完了した時点で、FAXデータ管理テーブル181の未読状態のフィールドを「既読」とする。
【0203】
一方、MFP1(親機)は、MFP8(子機)での印刷に失敗し、MFP8(子機)から印刷結果=NGを受信した場合、FAXデータ管理テーブル181の未読状態のフィールドを「保留」のままとしておく。
【0204】
このように本実施形態によれば、当該文書に対する操作自体ではなく、操作によって発生する情報処理装置のジョブ実行結果も踏まえ、また情報処理装置単体で見たときの実行結果ではなく、FAX連携システム全体としてのジョブ実行結果も踏まえ、文書の未読管理を行う。これにより、FAX連携システムにおけるFAX受信文書の未読管理について、ユーザの期待にそぐわない結果となる可能性を低減することができる。
【0205】
なお、本実施形態においては、ステップS303でユーザからの印刷指示を受け付けるようにしたが、これに限るものではなく、MFP1(親機)では文書の蓄積と同時にMFP8(子機)で自動印刷を行う設定をするようにしてもよい。この場合、MFP1(親機)は、自動で行われるMFP8(子機)での印刷の実行結果により未読の解除を判断することになる。
【符号の説明】
【0206】
1、8 MFP
2 FAX装置
3 公衆回線網
4 ネットワーク
5 サーバ
6 印刷装置
7 PC
11 文書管理部
12 出力制御部
13 状態取得部
14 出力結果判断部
15 状態管理部
16 記憶部
17 ネットワーク制御部
18 画面制御部
19 Web制御部
21 FAX操作表示部
22 FAX受信部
23 FAXデータ管理部
31 印刷ジョブ管理部
32 印刷制御部
51 配信制御部
61 印刷制御部
71 印刷制御部
72 配信制御部
81 文書管理部
82 出力制御部
83 ネットワーク制御部
84 画面制御部
101 CPU
102 MEM-P
102a ROM
102b RAM
103 NB
104 SB
106 ASIC
107 MEM-C
108 HDDコントローラ
109 HD
110 コントローラ
120 近距離通信回路
120a 近距離通信回路
121 AGPバス
122 PCIバス
130 エンジン制御部
131 スキャナ部
132 プリンタ部
140 操作パネル
140a パネル表示部
140b 操作パネル
141 画面
141a 領域
141b 領域
142 文書転送ボタン
143 文書印刷ボタン
170 情報処理プログラム
180 FAXアプリ
181 FAXデータ管理テーブル
190 印刷アプリ
191 印刷ジョブ管理テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0207】
【文献】特開2009-115877号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24