IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士フイルム株式会社の特許一覧

特許7553732超音波システムおよび超音波システムの制御方法
<>
  • 特許-超音波システムおよび超音波システムの制御方法 図1
  • 特許-超音波システムおよび超音波システムの制御方法 図2
  • 特許-超音波システムおよび超音波システムの制御方法 図3
  • 特許-超音波システムおよび超音波システムの制御方法 図4
  • 特許-超音波システムおよび超音波システムの制御方法 図5
  • 特許-超音波システムおよび超音波システムの制御方法 図6
  • 特許-超音波システムおよび超音波システムの制御方法 図7
  • 特許-超音波システムおよび超音波システムの制御方法 図8
  • 特許-超音波システムおよび超音波システムの制御方法 図9
  • 特許-超音波システムおよび超音波システムの制御方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】超音波システムおよび超音波システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
A61B8/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024016847
(22)【出願日】2024-02-07
(62)【分割の表示】P 2022536127の分割
【原出願日】2021-03-08
(65)【公開番号】P2024050832
(43)【公開日】2024-04-10
【審査請求日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2020122102
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】田代 りか
【審査官】井海田 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-115480(JP,A)
【文献】国際公開第2010/122791(WO,A1)
【文献】特開2017-169666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 ー 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブと、前記超音波プローブと有線または無線で接続される情報端末と、を備える超音波システムであって、
前記情報端末は、
エラーの種別毎に、前記エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を格納する操作情報格納部と、
前記エラーの発生が検出された場合に、前記発生したエラーの種別に対応する前記複数の操作情報のうち、優先度が高い側から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報を表示させ、前記第1操作情報を表示させた後、前記ユーザによって行われた、前記第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、前記第1操作情報の次に前記優先度が高い少なくとも1つの操作情報である第2操作情報を表示させるエラー処理部と、を備える、超音波システム。
【請求項2】
前記エラー処理部は、n、mを1以上の整数、nの最大値をmとして、第n操作情報を表示させた後、前記ユーザによって行われた、前記第n操作情報に対応する操作の操作回数が、前記定められた期間内に、前記定められた回数に到達した場合に、前記第n操作情報の次に前記優先度が高い少なくとも1つの操作情報である第(n+1)操作情報を表示させることを、nを1からmまで1つずつ増加させて1回以上行う、請求項1に記載の超音波システム。
【請求項3】
前記エラー処理部は、第(m+1)操作情報を表示させた後、前記ユーザによって行われた、前記第(m+1)操作情報に対応する操作の操作回数が、前記定められた期間内に、前記定められた回数に到達した場合に、前記エラーに関連性のある関連情報の参照先を表す参照先情報を表示させる、請求項2に記載の超音波システム。
【請求項4】
前記エラー処理部は、前記参照先情報を、リンク形式またはコード形式で表示させる、請求項3に記載の超音波システム。
【請求項5】
前記関連情報は、前記情報端末、または、前記情報端末とネットワークを介して接続されるサーバに格納された前記超音波システムのユーザガイドである、請求項3または4に記載の超音波システム。
【請求項6】
前記関連情報は、前記情報端末とネットワークを介して接続されるサーバに格納された前記エラーに関連性のある情報を含むウェブページである、請求項3または4に記載の超音波システム。
【請求項7】
前記ウェブページは、質問および回答集のウェブページおよび問い合わせフォームのウェブページの少なくとも一方を含む、請求項6に記載の超音波システム。
【請求項8】
前記参照先情報は、前記情報端末にインストールされたプログラムの参照先の情報であって、前記ユーザによって前記プログラムの参照先の情報が選択された場合に、前記プログラムが起動される、請求項3ないし7のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項9】
前記エラー処理部は、前記第1操作情報から第(m+1)操作情報までのそれぞれを、複数のページのそれぞれを順次表示させるページ形式によって、前記複数のページのそれぞれに順次表示させる、請求項2ないし8のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項10】
超音波プローブと、前記超音波プローブと有線または無線で接続される情報端末と、前記情報端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備える超音波システムであって、
前記情報端末は、
エラーの種別毎に、前記エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を格納する操作情報格納部と、
前記エラーの発生が検出された場合に、前記発生したエラーの種別に対応する前記複数の操作情報のうち、優先度が高い側から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報を表示させ、前記第1操作情報を表示させた後、前記ユーザによって行われた、前記第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、前記サーバから受信される、前記発生したエラーの種別の情報および前記操作回数の情報に対応するサーバ側操作情報を表示させるエラー処理部と、を備える、超音波システム。
【請求項11】
前記エラー処理部は、コンピュータを、前記エラー処理部として機能させるためのプログラムとして構成され、前記操作回数が、前記定められた期間内に、前記定められた回数に到達した場合に、前記サーバから受信される、前記発生したエラーの種別の情報、前記操作回数の情報および前記プログラムのバージョンの情報に対応するサーバ側操作情報を表示させる、請求項10に記載の超音波システム。
【請求項12】
超音波プローブと、前記超音波プローブと有線または無線で接続される情報端末と、を備える超音波システムであって、
前記情報端末は、
エラーの種別毎に、前記エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を格納する操作情報格納部と、
前記エラーの発生が検出された場合に、前記発生したエラーの種別に対応する前記複数の操作情報のうち、優先度が高い側から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報を表示させ、前記第1操作情報が表示された後、前記ユーザによって行われた、前記第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、前記第1操作情報の次に前記優先度が高い少なくとも1つの操作情報である第2操作情報を音声で読み上げさせるエラー処理部と、を備える、超音波システム。
【請求項13】
超音波プローブと、前記超音波プローブと有線または無線で接続される情報端末と、を備える超音波システムであって、
前記情報端末は、
エラーの種別毎に、前記エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を格納する操作情報格納部と、
前記エラーの発生が検出された場合に、前記発生したエラーの種別に対応する前記複数の操作情報のうち、優先度が高い側から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報を表示させ、前記第1操作情報を表示させた後、前記ユーザによって行われた、前記第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、前記エラーに関連性のある関連情報の参照先を表す参照先情報を表示させるエラー処理部と、を備える、超音波システム。
【請求項14】
超音波プローブと、前記超音波プローブと有線または無線で接続される情報端末と、を備える超音波システムの制御方法であって、
エラーの種別毎に、前記エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を、前記情報端末の操作情報格納部が格納するステップと、
前記エラーの発生が検出された場合に、前記発生したエラーの種別に対応する前記複数の操作情報のうち、優先度が高い側から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報を、前記情報端末のエラー処理部が表示させるステップと、
前記第1操作情報を表示させた後、前記ユーザによって行われた、前記第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、前記第1操作情報の次に前記優先度が高い少なくとも1つの操作情報である第2操作情報を、前記エラー処理部が表示させるステップと、を含む、超音波システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブと、情報端末と、が有線または無線で接続される超音波システムおよび超音波システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療分野において、超音波画像を利用する超音波システムが実用化されている。一般に、超音波システムは、振動子アレイを内蔵する超音波プローブと、超音波プローブと接続される情報端末と、を備えており、超音波プローブから被検体に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーを超音波プローブで受信し、その受信信号を電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
【0003】
近年では、据置型の超音波システムのみならず、携帯型およびハンドヘルド型の超音波システムが開発されている。携帯型の超音波システムは、情報端末が、ラップトップ型の端末装置によって実現されている超音波専用システムである。一方、ハンドヘルド型の超音波システムは、情報端末が、スマートフォンまたはタブレットPC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)等のハンドヘルド型の端末装置と、端末装置上で動作する超音波診断用のアプリケーションプログラムと、によって実現されている。
【0004】
ここで、本発明の参考となる先行技術文献として、特許文献1-4がある。
【0005】
特許文献1は、情報提供装置等に関するものである。特許文献1には、ユーザによる繰り返し操作を検出し、検出された繰り返し操作の操作履歴を解析し、内部記憶手段および外部記憶手段等の記憶手段に、操作履歴に対応して記憶された操作情報から、記憶手段に記憶された操作履歴を参照して、解析された繰り返し操作の操作履歴に対応する操作情報を特定し、特定された操作情報を出力することが記載されている。
【0006】
特許文献2は、誤操作防止装置等に関するものである。特許文献2には、操作者が行った操作画面上の操作を記憶し、記憶した操作の中で操作画面上に誤り表示がなされた操作およびその操作回数を計数し、計数した計数値が予め設定された所定の値を越えると、計数値が所定の値を越えた特定の操作を操作画面上で操作できないように制御したり、特定の操作が誤りであることを操作画面上で報知したりすることが記載されている。
【0007】
特許文献3は、医用装置の誤操作防止装置に関するものである。特許文献3には、表示装置の画面に表示される操作ボタンをタッチまたはクリックする操作により、所望の処理を実行させるようにしたソフトキーを有する医用装置において、操作ボタンを所定時間操作し続けるか、所定時間内に所定回数操作を繰り返すことにより、所望の処理の実行を開始させることが記載されている。
【0008】
特許文献4は、可搬型の超音波撮像システム等に関するものである。特許文献4には、超音波探触子と、超音波探触子から情報を受信するように構成された可搬型のホストシステムとを含む超音波撮像システムにおいて、ホストシステムが、ホストシステムにより特定された超音波探触子を表示し、操作者が、対応するアイコンに触れることにより、表示された探触子の1つを選択することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2009-116787号公報
【文献】特開2008-282086号公報
【文献】特開2001-084074号公報
【文献】特開2013-172959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ハンドヘルド型の超音波システムは、据置型および携帯型の超音波システムに比べて表示画面が小さいため、メッセージを表示させることにより、ユーザに一度に報知することができる情報量が限られている。そのため、エラーが発生した場合に、このエラーを解決するための主要な情報だけしか一度に表示させることができないため、ユーザは、この主要な情報に対応する操作を行っても、エラーを解決することができず、同じ操作を繰り返す場合があるという問題があった。
【0011】
例えば、ユーザが、超音波プローブと情報端末との間を無線で接続した場合に、無線接続のエラーが発生したとする。この無線接続のエラーを解決するために、本来は、ユーザガイド等に記載されている様々な情報がある可能性があるが、ハンドヘルド型の超音波システムの表示画面が小さいため、その中でも主要な情報しか一度に表示させることができない。そのため、ユーザは、この主要な情報に対応する操作を行っても、接続エラーを解決することができず、同じ操作を繰り返す。
【0012】
従って、本発明は、上記従来の問題点を解消し、ユーザが、同じ操作を繰り返すことなく、エラーを解決できるようにサポートすることができる超音波システムおよび超音波システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、超音波プローブと、超音波プローブと有線または無線で接続される情報端末と、を備える超音波システムであって、
情報端末は、
エラーの種別毎に、エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を格納する操作情報格納部と、
エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、優先度が高い側から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報を表示させ、第1操作情報を表示させた後、ユーザによって行われた、第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、第1操作情報の次に優先度が高い少なくとも1つの操作情報である第2操作情報を表示させるエラー処理部と、を備える、超音波システムを提供する。
【0014】
ここで、エラー処理部は、n、mを1以上の整数、nの最大値をmとして、第n操作情報を表示させた後、ユーザによって行われた、第n操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、第n操作情報の次に優先度が高い少なくとも1つの操作情報である第(n+1)操作情報を表示させることを、nを1からmまで1つずつ増加させて1回以上行うことが好ましい。
【0015】
また、エラー処理部は、第(m+1)操作情報を表示させた後、ユーザによって行われた、第(m+1)操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、エラーに関連性のある関連情報の参照先を表す参照先情報を表示させることが好ましい。
【0016】
また、エラー処理部は、参照先情報を、リンク形式またはコード形式で表示させることが好ましい。
【0017】
また、関連情報は、情報端末、または、情報端末とネットワークを介して接続されるサーバに格納された超音波システムのユーザガイドであることが好ましい。
【0018】
また、関連情報は、情報端末とネットワークを介して接続されるサーバに格納されたエラーに関連性のある情報を含むウェブページであることが好ましい。
【0019】
また、ウェブページは、質問および回答集のウェブページおよび問い合わせフォームのウェブページの少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0020】
また、参照先情報は、情報端末にインストールされたプログラムの参照先の情報であって、ユーザによってプログラムの参照先の情報が選択された場合に、プログラムが起動されることが好ましい。
【0021】
また、エラー処理部は、第1操作情報から第(m+1)操作情報までのそれぞれを、複数のページのそれぞれを順次表示させるページ形式によって、複数のページのそれぞれに順次表示させることが好ましい。
【0022】
また、本発明は、超音波プローブと、超音波プローブと有線または無線で接続される情報端末と、情報端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備える超音波システムであって、
情報端末は、
エラーの種別毎に、エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を格納する操作情報格納部と、
エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、優先度が高い側から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報を表示させ、第1操作情報を表示させた後、ユーザによって行われた、第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、サーバから受信される、発生したエラーの種別の情報および操作回数の情報に対応するサーバ側操作情報を表示させるエラー処理部と、を備える、超音波システムを提供する。
【0023】
ここで、エラー処理部は、コンピュータを、エラー処理部として機能させるためのプログラムとして構成され、操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、サーバから受信される、発生したエラーの種別の情報、操作回数の情報およびプログラムのバージョンの情報に対応するサーバ側操作情報を表示させることが好ましい。
【0024】
また、本発明は、超音波プローブと、超音波プローブと有線または無線で接続される情報端末と、を備える超音波システムであって、
情報端末は、
エラーの種別毎に、エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を格納する操作情報格納部と、
エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、優先度が高い側から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報を表示させ、第1操作情報が表示された後、ユーザによって行われた、第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、第1操作情報の次に優先度が高い少なくとも1つの操作情報である第2操作情報を音声で読み上げさせるエラー処理部と、を備える、超音波システムを提供する。
【0025】
また、本発明は、超音波プローブと、超音波プローブと有線または無線で接続される情報端末と、を備える超音波システムであって、
情報端末は、
エラーの種別毎に、エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を格納する操作情報格納部と、
エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、優先度が高い側から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報を表示させ、第1操作情報を表示させた後、ユーザによって行われた、第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、エラーに関連性のある関連情報の参照先を表す参照先情報を表示させるエラー処理部と、を備える、超音波システムを提供する。
【0026】
また、本発明は、超音波プローブと、超音波プローブと有線または無線で接続される情報端末と、を備える超音波システムの制御方法であって、
エラーの種別毎に、エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を、情報端末の操作情報格納部が格納するステップと、
エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、優先度が高い側から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報を、情報端末のエラー処理部が表示させるステップと、
第1操作情報を表示させた後、ユーザによって行われた、第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、第1操作情報の次に優先度が高い少なくとも1つの操作情報である第2操作情報を、エラー処理部が表示させるステップと、を含む、超音波システムの制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明では、エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、優先度が高い側から第1操作情報および第2操作情報を順次表示させるため、ユーザは、定められた期間内に、定められた回数、第1操作情報に対応する操作を行った後に、第2操作情報に対応する操作を行うことができる。そのため、本発明によれば、ユーザが、同じ操作を繰り返すことなく、エラーを解決できるようにサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に係る一実施形態の超音波システムの構成を表すブロック図である。
図2】超音波プローブおよび情報端末の構成を表すブロック図である。
図3】送受信回路の構成を表すブロック図である。
図4】エラー処理部の構成を表すブロック図である。
図5】サーバの構成を表すブロック図である。
図6】超音波システムの動作を表すフローチャートである。
図7】超音波プローブと情報端末との間を無線で接続する場合の超音波システムの動作を表すフローチャートである。
図8】エラーの種別の情報および第1操作情報を表すモニタの表示画面の概念図である。
図9】操作情報を3段階に分けて表示させた後、参照先情報を表示させる場合のモニタの表示画面の概念図である。
図10】サーバ側操作情報を表示させる場合の超音波システムの動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の超音波システムおよび超音波システムの制御方法を詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明に係る一実施形態の超音波システムの構成を表すブロック図である。図1に示す超音波システムは、超音波プローブ1と、超音波プローブ1と有線または無線で接続されるハンドヘルド型の情報端末3と、サーバ5と、を備えている。本実施形態の超音波システムは、超音波プローブ1と、ハンドヘルド型の情報端末3と、情報端末3上で動作する超音波診断用のアプリケーションプログラムと、によって実現されている。
【0031】
超音波プローブ1は、超音波ビームにより被検体をスキャンして超音波画像を撮像し、超音波画像に対応するデータ、本実施形態の場合、超音波画像の画像情報データを出力する。超音波プローブ1は、図2に示すように、振動子アレイ11と、送受信回路14と、信号処理部16と、画像処理部17と、プローブ側通信回路18と、プローブ制御部21と、シネメモリ22と、バッテリ24と、を備えている。
【0032】
振動子アレイ11には、送受信回路14が双方向に接続されている。送受信回路14には、信号処理部16、画像処理部17およびプローブ側通信回路18が順次直列に接続されている。信号処理部16および画像処理部17は、画像情報データ生成部19を構成する。また、画像処理部17にはシネメモリ22が接続され、シネメモリ22にはプローブ側通信回路18が接続されている。
【0033】
また、送受信回路14、信号処理部16、画像処理部17、シネメモリ22およびプローブ側通信回路18には、プローブ制御部21が接続されている。また、超音波プローブ1は、バッテリ24を内蔵している。
送受信回路14、画像情報データ生成部19(信号処理部16および画像処理部17)およびプローブ制御部21により、プローブ側プロセッサ25が構成されている。
【0034】
振動子アレイ11は、1次元または2次元に配列された複数の超音波振動子を有している。これらの振動子は、それぞれ送受信回路14から供給される駆動信号に従って超音波を送信し、かつ、被検体からの反射波を受信してアナログの受信信号を出力する。
各振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN-PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した素子を用いて構成される。
【0035】
送受信回路14は、プローブ制御部21による制御の下で、振動子アレイ11から超音波を送信させ、かつ、超音波エコーを受信した振動子アレイ11から出力される受信信号に受信フォーカス処理を施すことにより音線信号を生成する。送受信回路14は、図3に示すように、振動子アレイ11に接続されるパルサ51と、振動子アレイ11から順次直列に接続される増幅部52、AD(Analog Digital)変換部53およびビームフォーマ54と、を有している。
【0036】
パルサ51は、例えば複数のパルス発生器を含んでおり、プローブ制御部21により選択された送信遅延パターンに基づいて、振動子アレイ11の複数の振動子から送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号を、遅延量を調節して複数の振動子に供給する。このように、振動子アレイ11の振動子の電極にパルス状または連続波状の電圧が印加されると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状または連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成波から、超音波ビームが形成される。
【0037】
送信された超音波ビームは、例えば、被検体の部位等の対象において反射され、超音波プローブ1の振動子アレイ11に向かって伝搬する。振動子アレイ11を構成するそれぞれの振動子は、このように振動子アレイ11に向かって伝搬する超音波エコーを受信することにより伸縮して、電気信号である受信信号を発生し、これらの受信信号を増幅部52に出力する。
【0038】
増幅部52は、振動子アレイ11を構成するそれぞれの振動子から入力された信号を増幅し、増幅した信号をAD変換部53に送信する。AD変換部53は、増幅部52から送信された信号をデジタルの受信データに変換し、これらの受信データをビームフォーマ54に出力する。
【0039】
ビームフォーマ54は、プローブ制御部21により選択された受信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、AD変換部53により変換された各受信データに対してそれぞれの遅延を与えて加算することにより、いわゆる受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、AD変換部53で変換された各受信データが整相加算され、かつ、超音波エコーの焦点が絞り込まれた音線信号が生成される。
【0040】
画像情報データ生成部19は、送受信回路14により生成された音線信号に基づいて画像情報データを生成する。画像情報データ生成部19は、前述のように、信号処理部16と、画像処理部17と、を有している。
【0041】
信号処理部16は、プローブ制御部21の制御の下で、送受信回路14により生成された音線信号に基づいて、超音波画像への画像化前の画像信号データを生成する。より具体的には、信号処理部16は、送受信回路14のビームフォーマ54により生成された音線信号に対して信号処理、例えば超音波が反射した位置の深度に応じて伝搬距離に起因する減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施して、画像化前の画像信号データとして、被検体内の組織に関する断層画像情報を表す信号を生成する。
【0042】
画像処理部17は、プローブ制御部21の制御の下で、信号処理部16により生成された画像信号データに基づいて、画像情報データ生成部19により生成された画像情報データとして超音波画像を生成する。より具体的には、画像処理部17は、信号処理部16により生成された画像化前の画像信号データを、通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号にラスター変換し、このように変換された画像信号に対して、モニタ34の表示フォーマットに従う明るさ補正、諧調補正、シャープネス補正、画像サイズ補正、リフレッシュレート補正、走査周波数補正および色補正等の各種の画像処理を施すことにより超音波画像(超音波画像信号)を生成した後、生成された超音波画像を画像情報データとしてプローブ側通信回路18に出力する。
【0043】
シネメモリ22は、プローブ制御部21による制御の下で、画像情報データ生成部19により生成された画像情報データを格納する。より詳しくは、シネメモリ22は、ライブモードの場合に、画像情報データとして、画像情報データ生成部19の画像処理部17により生成された超音波画像を格納する。シネメモリ22は、数秒から数十秒の超音波画像、例えば1秒間に30フレームの超音波画像が撮像される場合、数十フレームから数百フレームの超音波画像を格納するためのメモリ容量を有している。
シネメモリ22はリングバッファである。従って、メモリ容量に対応するフレーム数の過去のフレームの超音波画像がシネメモリ22に格納されると、最古のフレームの超音波画像の代わりに、最新のフレームの超音波画像がシネメモリ22に順次格納される。これにより、シネメモリ22には、常に、最新のフレームの超音波画像から、メモリ容量に対応するフレーム数の過去のフレームの超音波画像が格納される。
【0044】
ここで、ライブモードは、一定のフレームレートで撮像された超音波画像(動画像)を逐次表示(リアルタイム表示)するモードである。
フリーズモードは、ライブモードの場合に撮像された超音波画像(動画像)をシネメモリ22に格納しておき、このシネメモリ22に格納されている過去のフレームの超音波画像(動画像)の中から任意のフレームの超音波画像(静止画像)を読み出して表示するモードである。
【0045】
プローブ側通信回路18は、プローブ制御部21の制御の下で、画像処理部17により生成された画像情報データ、または、シネメモリ22に格納された画像情報データを有線または無線で送信する。
プローブ側通信回路18は、本実施形態の場合、電波の送信および受信を行うためのアンテナを含んでおり、画像処理部17により生成された超音波画像に基づいてキャリアを変調して伝送信号を生成し、伝送信号をアンテナに供給してアンテナから電波を送信することにより、超音波画像を無線送信する。
キャリアの変調方式としては、ASK(Amplitude Shift Keying:振幅偏移変調)、PSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:四位相偏移変調)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation:16直角位相振幅変調)等が用いられる。
また、プローブ側通信回路18は、超音波プローブ1と情報端末3とを、USB(Universal Serial Bus:ユニバーサル・シリアル・バス)ケーブル等のケーブルによって有線で接続することもできる。
【0046】
プローブ側通信回路18は、ライブモードの場合に、画像情報データ生成部19により生成されたフレームの画像情報データを無線送信し、フリーズモードの場合に、シネメモリ22に格納される画像情報データを無線送信する。
【0047】
プローブ制御部21は、予め記憶しているプログラム等に基づいて、超音波プローブ1の各部の制御を行う。より詳しくは、プローブ制御部21は、予め設定された検査モードおよび走査方式に基づいて、超音波ビームの送信および超音波エコーの受信が行われるように送受信回路14を制御する。また、プローブ制御部21は、予め設定された信号処理が音線信号に施され、予め設定された画像処理が画像信号データに施されるように画像情報データ生成部19の信号処理部16および画像処理部17を制御する。プローブ制御部21は、ライブモードの場合に、画像情報データ生成部19により生成された画像情報データがシネメモリ22に格納され、フリーズモードの場合に、シネメモリ22に格納されている過去のフレームの超音波画像が読み出されるように制御する。さらに、プローブ制御部21は、予め設定された送信電波強度で画像信号データの送信が行われるようにプローブ側通信回路18を制御する。
【0048】
ここで、検査モードとは、B(輝度)モード、CF(カラードプラ)モード、PD(パワードプラ)モード、M(モーション)モード、PW(パルスドプラ)モード、CW(連続波ドプラ)モード等、超音波システムにおいて使用可能な検査モードのうちのいずれかを示し、走査方式は、電子セクタ走査方式、電子リニア走査方式、電子コンベックス走査方式等の走査方式のうちのいずれかを示すものとする。
【0049】
バッテリ24は、超音波プローブ1に内蔵されており、超音波プローブ1の各回路に電力を供給する。
【0050】
次に、情報端末3は、図1に示す例では、スマートフォンおよびタブレットPC等のようなハンドヘルド型の端末装置であって、超音波プローブ1によって撮像された超音波画像に対応するデータに基づいて超音波画像を表示する。情報端末3は、図2に示すように、端末側通信回路32と、表示制御部33と、エラー処理部35と、端末制御部36と、モニタ(表示部)34と、入力装置37と、を備えている。
【0051】
端末側通信回路32には、表示制御部33およびモニタ34が順次直列に接続されている。また、端末側通信回路32、表示制御部33およびエラー処理部35に端末制御部36が接続されている。また、端末制御部36には、入力装置37が接続されている。
【0052】
超音波プローブ1のプローブ側通信回路18と情報端末3の端末側通信回路32とは、本実施形態の場合、無線通信により無線接続されており、これにより、超音波プローブ1と情報端末3とが、双方向に情報の受け渡しが可能に接続されている。
【0053】
端末側通信回路32は、端末制御部36の制御の下で、超音波プローブ1のプローブ側通信回路18から送信される画像情報データを有線または無線で受信する。本実施形態の場合、端末側通信回路32は、電波の送信および受信を行うためのアンテナを含んでおり、プローブ側通信回路18から無線送信された伝送信号を、アンテナを介して受信し、受信した伝送信号を復調することにより、画像情報データである超音波画像(超音波画像信号)を出力する。
【0054】
表示制御部33は、端末制御部36の制御の下で、各種の情報をモニタ34に表示させる。表示制御部33は、例えば端末側通信回路32により受信された画像情報データに基づいて超音波画像をモニタ34に表示させる。より詳しくは、表示制御部33は、画像情報データである超音波画像に所定の処理を施して、モニタ34に表示させる。また、表示制御部33は、超音波システムにエラーが発生した場合に、発生したエラーの種別の情報およびこのエラーを解決するための操作情報等をモニタ34に表示させる。
【0055】
エラー処理部35は、端末制御部36の制御の下で、超音波システムにおいて、エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別の情報を表示させ、エラーを解決するための操作情報等をユーザ(超音波システムの操作者)に提案する。エラー処理部35は、図4に示すように、端末側操作情報格納部61と、エラー検出部62と、操作情報取得部63と、経過時間判定部64と、操作回数判定部66と、音声出力部67と、を備えている。
【0056】
エラーの種別は、特に限定されないが、例えば超音波システムの不具合の他、超音波プローブ1と情報端末3との間の無線接続時あるいは有線ケーブルでの接続時のエラー、超音波画像を撮像しようとする患者の患者情報の入力時のエラー、等のユーザによる操作ミスおよび設定ミス等のエラーを含む。
【0057】
操作情報とは、エラーが発生した場合に、発生したエラーを解決するために、ユーザに提案される各種の情報(アドバイス)であって、エラーを解決するためにユーザが行う操作の手順等の情報を含む。操作情報は、テキストメッセージ、動画および音声等であってもよく、特に限定されないが、例えば無線接続のエラーを解決するための操作情報は、超音波診断用のアプリケーションプログラムのスキャンボタンをタップする操作、プローブ追加ボタンをタップする操作、およびプローブ切り替えボタンをタップする操作、等の情報を含む。
【0058】
エラー検出部62には、操作情報取得部63および操作回数判定部66が順次直列に接続されている。また、エラー検出部62には、経過時間判定部64が接続され、経過時間判定部64には、操作回数判定部66が接続されている。端末側操作情報格納部61およびエラー検出部62には、音声出力部67が接続されている。また、エラー検出部62には、端末側操作情報格納部61が接続され、端末側操作情報格納部61および操作回数判定部66には、表示制御部33が接続されている。
【0059】
端末側操作情報格納部61は、超音波システムにおいて発生するエラーの種別毎に、エラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を格納する。端末側操作情報格納部61は、例えば無線接続のエラーを解決するために、ユーザによって行われる操作に対応する複数の操作情報を格納する。
【0060】
エラー検出部62は、超音波システムにエラーが発生したか否かを検出する。エラー検出部62は、例えば操作ミスおよび設定ミス等のエラーを含む、無線接続のエラーが発生したか否かを検出する。
【0061】
エラーの発生の検出方法は、特に限定されないが、例えば超音波プローブ1と情報端末3との間の無線接続の設定が正しいか否かを確認する、超音波プローブ1と情報端末3との間が有線で接続されているか否かを検出する、患者情報の入力が正しいか否かを検出する、等を含む。
【0062】
操作情報取得部63は、エラー検出部62によってエラーの発生が検出された場合に、発生したエラーを解決するために、操作情報を読んだユーザによって行われる操作の情報であるユーザ操作情報を取得する。
【0063】
ユーザの操作は、特に限定されないが、例えば超音波プローブ1と情報端末3の間の無線接続の設定を行う操作、超音波プローブ1と情報端末3との間を有線ケーブルで接続する操作、正しい患者情報を入力し直す操作、等を含む。
【0064】
経過時間判定部64は、エラーの発生が検出されてからの経過時間が、定められた期間を経過したか否かを判定する。
【0065】
経過時間判定部64は、経過時間をタイマー等によって計測し、計測された経過時間が、定められた期間、例えば2分間を経過したか否かを判定する。
【0066】
操作回数判定部66は、経過時間判定部64によって、経過時間が、定められた期間を経過していないと判定された場合に、操作情報取得部63によって取得されたユーザ操作情報に基づいて、定められた期間内に、ユーザによって行われる、操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた回数に到達したか否かを判定する。
【0067】
操作回数判定部66は、エラーの発生が検出されてから、定められた期間内に、例えばユーザによって情報端末3の無線接続の設定が行われる回数をカウンタ等により計数し、その計数値が、定められた回数、例えば2回に到達したか否かを判定する。
【0068】
音声出力部67は、各種の情報を音声で読み上げるものであり、例えばスピーカ、イヤフォンおよびヘッドフォン等を含む。
【0069】
端末制御部36は、予め記憶されているプログラムおよび入力装置37から入力されたユーザの指示等に基づいて、情報端末3の各部の制御を行う。より詳しくは、端末制御部36は、超音波プローブ1のプローブ側通信回路18から伝送信号の受信が行われるように端末側通信回路32を制御する。また、端末制御部36は、画像情報データに基づいて超音波画像がモニタ34に表示されるように表示制御部33を制御する。さらに、端末制御部36は、エラーが発生した場合に、発生したエラーを解決するための操作情報をユーザに提案するようにエラー処理部35を制御する。
【0070】
表示制御部33と、エラー処理部35のエラー検出部62、操作情報取得部63、経過時間判定部64および操作回数判定部66と、端末制御部36と、によって端末側プロセッサ39が構成されている。
【0071】
モニタ34は、各種の情報を表示する。モニタ34は、例えば表示制御部33により生成された超音波画像、エラーの種別の情報および操作情報等を表示する。
モニタ34としては、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)および有機EL(Electro-Luminescence:エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等を例示することができる。
【0072】
入力装置37は、ユーザが入力操作を行って各種の指示を入力するためのものであり、本実施形態の場合、ユーザがタッチ操作を行って各種の指示を入力することができるタッチパネル等を含む。
【0073】
サーバ5は、エラーが発生した場合に、情報端末3からの要求に対応するサーバ側操作情報を情報端末3に提供する。サーバ5は、図5に示すように、サーバ側通信回路71と、サーバ側操作情報格納部73と、サーバ制御部75と、を備えている。
【0074】
サーバ側操作情報格納部73には、サーバ側通信回路71が接続されている。サーバ側通信回路71およびサーバ側操作情報格納部73には、サーバ制御部75が接続されている。
【0075】
サーバ5のサーバ側通信回路71と情報端末3の端末側通信回路32とは、図1に示すように、Wi-Fi(Wireless Fidelity:ワイファイ)、インターネットおよび電話回線等の通信回線(ネットワーク)7を介して接続されており、これにより、サーバ5と情報端末3とが、双方向に情報の受け渡しが可能に接続されている。
【0076】
サーバ側通信回路71は、サーバ制御部75の制御の下で、情報端末3の端末側通信回路32から送信される各種の情報を受信し、サーバ側操作情報格納部73から読み出される操作情報を情報端末3に送信する。
【0077】
サーバ側操作情報格納部73は、情報端末3の端末側操作情報格納部61と同様に、エラーの種別毎に、エラーを解決するための複数のサーバ側操作情報を格納する。
【0078】
サーバ側操作情報は、特に限定されず、例えば端末側操作情報格納部61に格納されている操作情報と同じものでもよいし、違うものでもよい。
【0079】
サーバ制御部75は、予め記憶されているプログラム等に基づいて、サーバ5の各部の制御を行う。より詳しくは、サーバ制御部75は、端末側通信回路32からデータの受信が行われるようにサーバ側通信回路71を制御する。また、サーバ制御部75は、サーバ側操作情報格納部73から、情報端末3からの要求に対応するサーバ側操作情報を読み出し、サーバ側操作情報格納部73から読み出されたサーバ側操作情報が端末側通信回路32に送信されるようにサーバ側通信回路71を制御する。
【0080】
なお、超音波システムがサーバ5を備えることは必須ではない。
【0081】
次に、図6のフローチャートを参照しながら、超音波システムの動作について説明する。まず、ライブモードの場合の超音波システムの動作を説明する。
【0082】
入力装置37から入力されたユーザからの指示に基づいてライブモードが指定されると(ステップS1)、超音波プローブ1が被検体の体表面上に接触された状態において、送受信回路14により超音波の送信が開始され、音線信号が生成される(ステップS2)。
【0083】
つまり、プローブ制御部21の制御の下で、送受信回路14のパルサ51からの駆動信号に従って振動子アレイ11の複数の振動子から被検体内に超音波ビームが送信される。
パルサ51から送信された超音波ビームに基づく被検体からの超音波エコーは、振動子アレイ11の各振動子により受信され、超音波エコーを受信した振動子アレイ11の各振動子からアナログ信号である受信信号が出力される。
振動子アレイ11の各振動子から出力されるアナログ信号である受信信号は、送受信回路14の増幅部52により増幅され、AD変換部53によりAD変換されて受信データが取得される。
この受信データに対して、ビームフォーマ54により受信フォーカス処理が施されることにより、音線信号が生成される。
【0084】
続いて、画像情報データ生成部19により、送受信回路14のビームフォーマ54により生成された音線信号に基づいて、画像情報データとして超音波画像が生成される(ステップS3)。
【0085】
つまり、ビームフォーマ54により生成された音線信号は、画像情報データ生成部19の信号処理部16により各種の信号処理が施され、画像化前の画像信号データとして、被検体内の組織に関する断層画像情報を表す信号が生成される。
信号処理部16により生成された画像信号データは、画像処理部17によりラスター変換され、さらに各種の画像処理が施され、画像情報データとして超音波画像が生成される。
【0086】
画像処理部17により生成された超音波画像は、シネメモリ22に格納される(ステップS4)。
【0087】
また、画像処理部17により生成された超音波画像は、プローブ側通信回路18から情報端末3に向けて無線送信される(ステップS5)。
【0088】
続いて、超音波プローブ1のプローブ側通信回路18から無線送信された超音波画像は、情報端末3の端末制御部36の制御の下で、端末側通信回路32により受信される(ステップS6)。
【0089】
続いて、表示制御部33は、端末側通信回路32により受信された超音波画像に所定の処理を施して、モニタ34に表示させる(ステップS7)。
【0090】
つまり、ライブモードの場合、画像情報データとして、超音波プローブ1の画像情報データ生成部19の画像処理部17により生成された超音波画像がプローブ側通信回路18から無線送信される。一方、情報端末3の表示制御部33は、端末側通信回路32により受信された超音波画像をモニタ34に表示させる。
【0091】
次に、フリーズモードの場合の超音波システムの動作を説明する。
【0092】
入力装置37から入力されたユーザの指示に基づいてフリーズモードが指定されると(ステップS8)、振動子アレイ11からの超音波の送信が停止される(ステップS9)。
【0093】
この場合、画像情報データとして、シネメモリ22に格納されている過去のフレームの超音波画像が読み出されてプローブ側通信回路18から無線送信される(ステップS10)。
【0094】
続いて、端末側通信回路32によりプローブ側通信回路18から無線送信された超音波画像が受信される(ステップS11)。
【0095】
続いて、表示制御部33は、端末側通信回路32により受信された過去のフレームの超音波画像をモニタ34に表示させる(ステップS12)。
【0096】
次に、図7のフローチャートを参照しながら、超音波プローブ1と情報端末3との間を無線で接続する場合の超音波システムの動作を説明する。
【0097】
まず、ユーザは、超音波プローブ1と情報端末3との間を無線で接続する(ステップS21)。この場合、ユーザは、例えば登録済みの複数の超音波プローブのリストの中から、使用したい超音波プローブ1をタップすることによって選択する。
【0098】
使用したい超音波プローブ1が選択されると、エラー検出部62により、超音波プローブ1と情報端末3との間に無線接続のエラーが発生したか否かが検出される(ステップS22)。
【0099】
その結果、エラーの発生が検出されなかった場合(ステップS22でNO)、超音波プローブ1と情報端末3との間の無線接続が確立される(ステップS23)。これにより、超音波プローブ1から送信され、情報端末3で受信された画像情報データに対応する超音波画像がモニタ34に表示される。
一方、エラーの発生が検出された場合(ステップS22でYES)、経過時間判定部64により、経過時間Tが、T=0に設定(初期化)され、かつ、操作回数判定部66により、操作回数Nが、N=0に設定(初期化)される(ステップS24)。
続いて、端末側操作情報格納部61から、無線接続のエラーに対応する複数の操作情報が読み出され、読み出された複数の操作情報のうち、優先度が高い側の操作情報から少なくとも1つの操作情報である第1操作情報が選択される。そして、表示制御部33により、図8に示すように、発生したエラーの種別の情報および第1操作情報がモニタ34に表示される(ステップS25)。
【0100】
続いて、ユーザは、モニタ34に表示されたエラーの種別の情報を読んで、超音波プローブ1と情報端末3との間に無線接続のエラーが発生したことを理解し、同じく第1操作情報を読んで、エラーを解決するために、この第1操作情報に対応する操作を行う(ステップS26)。ユーザによって第1操作情報に対応する操作が行われると、操作情報取得部63により、ユーザ操作情報が取得される。
【0101】
続いて、ユーザ操作情報に基づいて、ユーザによって第1操作情報に対応する操作が行われたことが分かると、操作回数判定部66により、操作回数Nが、N=N+1に設定される(ステップS27)。
【0102】
続いて、エラー検出部62により、超音波プローブ1と情報端末3との間に無線接続のエラーが発生したか否か、つまり、ユーザの操作によってエラーが解決されたか否かが検出される(ステップS28)。
【0103】
その結果、エラーの発生が検出されなかった場合(ステップS28でNO)、つまり、ユーザの操作によってエラーが解決された場合、ステップS23に進み、超音波画像がモニタ34に表示される。
一方、エラーが発生していることが検出された場合(ステップS28でYES)、つまり、ユーザの操作によってもエラーが解決されていない場合、続いて、経過時間判定部64により、エラーの発生が検出されてからの経過時間Tが、定められた期間T1、例えば2分間を経過したか否か(T≧T1?)が判定される(ステップS29)。
【0104】
その結果、経過時間Tが、定められた期間T1を経過した場合(ステップS29でYES)、ステップS21に戻り、最初からやり直す。経過時間Tが、定められた期間T1を経過した場合、エラーの発生が検出されてから、例えば1時間後に、あるいは、翌日に、同じ操作が行われるというように、ユーザによって同じ操作が短時間の間に繰り返し行われていない、言い換えると、ユーザは、無線接続を最初からやり直すことを意味する。
一方、経過時間Tが、定められた期間T1を経過していない場合(ステップS29でNO)、続いて、操作回数判定部66により、操作回数Nが、定められた回数N1、例えば2回に到達したか否か(N≧N1?)が判定される(ステップS30)。
【0105】
その結果、操作回数Nが、定められた回数N1に到達していない場合(ステップS30でNO)、ステップS26に戻る。従って、ユーザは、例えば第1操作情報に対応する操作を再度行う。つまり、ユーザは、同じ操作を繰り返す。
一方、操作回数Nが、定められた回数N1に到達した場合(ステップS30でYES)、表示制御部33により、無線接続のエラーに対応する複数の操作情報のうち、第1操作情報の次に優先度が高い少なくとも1つの操作情報である第2操作情報がモニタ34に表示される(ステップS31)。
【0106】
続いて、ユーザは、モニタ34に表示された第2操作情報を読んで、この第2操作情報に対応する操作を行う(ステップS32)。
【0107】
上記のように、超音波システムでは、エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、第1操作情報を、表示制御部33がモニタ34に表示させる。
以下順に、第1操作情報を読んだユーザによって行われる、第1操作情報に対応する操作のユーザ操作情報を、操作情報取得部63が取得し、エラーの発生が検出されてからの経過時間が、定められた期間を経過したか否かを、経過時間判定部64が判定し、この経過時間が、定められた期間を経過していないと判定された場合に、ユーザ操作情報に基づいて、定められた期間内に、ユーザによって行われる、第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた回数に到達したか否かを、操作回数判定部66が判定する。
そして、表示制御部33が、第1操作情報を表示させた後、操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、第2操作情報をモニタ34に表示させる。
【0108】
このように、超音波システムでは、エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、優先度が高い側から第1操作情報および第2操作情報を順次表示させため、ユーザは、定められた期間内に、定められた回数、第1操作情報に対応する操作を行った後に、第2操作情報に対応する操作を行うことができる。そのため、超音波システムによれば、ユーザが、同じ操作を繰り返すことなく、エラーを解決できるようにサポートすることができる。
【0109】
なお、一度に表示させる操作情報の個数は、モニタ34の画面サイズに応じて設定することができる。例えば、モニタ34の画面サイズが小さい場合には、一度に1つの操作情報を表示させ、画面サイズが大きい場合には、一度に3つの操作情報を表示させる。また、一度に表示させる操作情報の個数は、操作情報を表示させる場合の各段階において同じ個数に設定してもよいし、違う個数に設定してもよい。
【0110】
無線接続のエラーを例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されず、超音波システムで発生する各種のエラーに対しても同様に適用可能である。
【0111】
例えば、患者情報を入力し、「登録」しようとすると、「不正な文字が使用されています」というエラーの情報が表示されたとする。
この場合、例えば下記の(A1)~(A4)の操作情報を順に表示させる。
(A1)「患者名に不適切な記号(@、<、>、.、等)が含まれていないことを確認して下さい」
(A2)「患者IDに不適切な記号(@、<、>、.、等)が含まれていないことを確認して下さい」
(A3)「年月日が正しいことを確認して下さい」
(A4)「情報端末の日時設定が正しいことを確認して下さい」
【0112】
超音波プローブ1と情報端末3との間を有線ケーブルで接続したが、「プローブの設定に失敗したため、プローブとの接続を解除しました。電波状況を確認し、プローブと再接続して下さい」というエラーの情報および操作情報(第1操作情報)が表示されたとする。
この場合、例えば下記の(B1)~(B4)の操作情報を順に表示させる。
(B1)「有線ケーブルを抜き差しして、数秒待って下さい」
(B2)「プローブの電源を一旦オフにし、再度オンして、数秒待って下さい」
(B3)「もう一度、有線ケーブルを抜き差しして、数秒待って下さい」
(B4)「アプリケーションを一旦「終了」し、有線ケーブルを抜き差しして、数秒待ってからアプリケーションを再起動して下さい」
【0113】
また、操作情報を2段階に分けて順次表示させる例を挙げて説明したが、これに限定されず、操作情報を3段階以上に分けて順次表示させてもよい。
【0114】
この場合、超音波システムでは、n、mを1以上の整数、nの最大値をmとして、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、第n操作情報を、表示制御部33がモニタ34に表示させる。
以下順に、第n操作情報を読んだユーザによって行われる、第n操作情報に対応する操作のユーザ操作情報を、操作情報取得部63が取得し、エラーの発生が検出されてからの経過時間が、定められた期間を経過したか否かを、経過時間判定部64が判定し、この経過時間が、定められた期間を経過していないと判定された場合に、ユーザ操作情報に基づいて、定められた期間内に、ユーザによって行われる、第n操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた回数に到達したか否かを、操作回数判定部66が判定する。
そして、表示制御部が、第n操作情報を表示させた後、さらに、操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、第n操作情報の次に優先度が高い少なくとも1つの操作情報である第(n+1)操作情報を表示させることを、nを1からmまで1つずつ増加させて1回以上行う。
【0115】
例えば、m=2、つまり、複数の操作情報を3段階に分けて表示させる場合、図9に示すように、n=1として、1段階目の第1操作情報を表示させた後、第1操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、2段階目の第2操作情報を表示させる。続いて、n=2として、2段階目の第2操作情報を表示させた後、第2操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、3段階目の第3操作情報を表示させる。
【0116】
また、表示制御部33は、第(m+1)操作情報を表示させた後、ユーザによって行われる、第(m+1)操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、エラーに関連性のある関連情報の参照先を表す参照先情報を表示させてもよい。この場合、ユーザによって参照先情報がタップされることによって選択された場合に、この参照先情報に対応する関連情報が表示される。
【0117】
表示制御部33は、例えば複数の操作情報を、第1操作情報、第2操作情報および第3操作情報の3段階に分けて表示させる場合、図9に示すように、3段階目(最後)の第3操作情報を表示させた後、第3操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、参照先情報を表示させ、ユーザによって参照先情報がタップされて選択された場合に、この参照先情報に対応する関連情報を表示させる。
【0118】
関連情報とは、例えば超音波システムの情報およびWi-Fiの情報等のように、エラーとの関連性はあるが、操作情報よりもエラーとの関連性が低い、より一般的な内容の情報である。
関連情報は、特に限定されないが、情報端末3に格納された超音波システムのユーザガイドでもよいし、サーバ5に格納された超音波システムのユーザガイドでもよい。例えば、表示制御部33は、ユーザガイドのうち、発生したエラーに対応するページを表示させる。
また、関連情報は、サーバ5に格納されたエラーに関連性のある情報を含むウェブページでもよい。このウェブページは、Q&A(Question and Answer:質問および回答)集のウェブページおよび問い合わせフォームのウェブページの少なくとも一方を含むことができる。
ユーザは、操作情報に対応する操作によってエラーを解決することができなかった場合であっても、関連情報を参照してエラーを解決することができる可能性がある。
【0119】
参照先情報とは、関連情報の参照先、例えば情報端末内のフォルダおよびサーバのウェブアドレス等のように、関連情報が格納されている場所を表す情報である。
表示制御部33は、参照先情報を、リンク形式、または、QR(Quick Response:クイックレスポンス)コード等の2次元以上の多次元のコードで表されるコード形式等によって表示させることができる。
例えば、ユーザによって、モニタ34に表示されたリンク形式の参照先情報がタップされる、または、情報端末3自身ないし他の情報端末によりQRコード(登録商標)が読み取られることによって選択された参照先情報に対応する関連情報が表示される。
【0120】
参照先情報は、情報端末3にインストールされた各種のプログラムであってもよい。各種のプログラムとしては、音声による自動応答システムを利用して、エラーの解決をサポートするプログラムおよび通信環境の状態を検出するプログラム等を例示することができる。
例えば、ユーザによって、参照先情報としてモニタ34に表示されたプログラムのアイコンがタップされることによって参照先情報が選択された場合に、タップされたアイコンに対応するプログラムが起動される。
ユーザは、操作情報に対応する操作によってエラーを解決することができなかった場合であっても、各種のプログラムを利用してエラーを解決することができる可能性がある。
【0121】
また、表示制御部33は、第1操作情報から第(m+1)操作情報までのそれぞれを、複数のページのそれぞれを順次表示させるページ形式によって、複数のページのそれぞれに順次表示させてもよい。
表示制御部33は、例えば第1操作情報、第2操作情報および第3操作情報を順次表示させる場合、第1操作情報、第2操作情報および第3操作情報のそれぞれをページ形式によって、1ページ目、2ページ目および3ページ目に表示させる。
操作情報をページ形式で表示させることにより、ユーザは、ページをスワイプして順次めくることによって各ページの操作情報を順次参照することができる。すなわち、ユーザは、エラーの種別に対応する複数の操作情報の全てを参照することができる。
【0122】
超音波プローブ1と情報端末3と間の無線接続のエラーが発生した場合の操作情報、関連情報および参照先情報の表示について一例を挙げて説明する。
【0123】
無線接続のエラーが発生した場合の操作情報の一例を下記の(1)~(12)に示す。(1)から(12)の操作情報のうち、(1)の操作情報の優先度が最も高く、(1)から(12)の順に優先度が低くなり、(12)の操作情報の優先度が最も低い。(1)から(12)の操作情報の優先度は、ユーザが、(1)~(12)の操作情報に対応する操作を行った場合に、エラーを解決することができる可能性が高い順に高くなっている。
【0124】
(1)超音波プローブの電源がオンになっていることを確認する。
(2)情報端末のWi-Fi機能がオンになっていることを確認する。
(3)情報端末のGPS(Global Positioning System:グローバルポジショニングシステム)機能(位置情報)がオンになっていることを確認する。
(4)超音波プローブと情報端末との間を無線で接続する。
(5)超音波診断用のアプリケーションプログラムを一旦終了した後、再度、起動する。
(6)接続したい超音波プローブの電源をオフにした後、再度、オンにする。
(7)登録済みの超音波プローブのリストの中から、接続したい超音波プローブを削除する。
(8)保存済みネットワークのリストの中から、保存済みのネットワークを全て削除する。
(9)接続したい超音波プローブを、再度、登録する。
(10)再度、(4)の操作情報に対応する操作を実施する。
(11)場所を変えて超音波プローブと情報端末との間を無線で接続する。
(12)超音波プローブと情報端末との間を有線で接続する。
【0125】
この場合、表示制御部33は、無線接続のエラーの発生が検出された場合に、無線接続のエラーに対応する(1)~(12)の操作情報のうち、例えば優先度が高い側から(1)~(3)の3つの操作情報(第1操作情報)をモニタ34に表示させる。
続いて、表示制御部33は、ユーザによって行われる、(1)~(3)の操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、次に優先度が高い(4)~(6)の3つの操作情報(第2操作情報)を表示させ、(4)~(6)の操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた間内に、定められた回数に到達した場合に、その次に優先度が高い(7)~(9)の3つの操作情報(第3操作情報)を表示させ、(7)~(9)の操作情報に対応する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、その次に優先度が高い(10)~(12)の3つの操作情報(第4操作情報)を表示させる。
さらに続いて、表示制御部33は、最後の(10)~(12)の操作情報を表示させた後、(10)~(12)の操作情報に対する操作の操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、関連情報または参照先情報を表示させる。
【0126】
表示制御部33が、第2操作情報を表示させる代わりに、サーバ側操作情報を表示させるようにしてもよい。
この場合、表示制御部33は、エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、第1操作情報をモニタ34に表示させる。
続いて、第1操作情報を表示させた後、操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、プローブ側通信回路18は、例えば発生したエラーの種別の情報および操作回数の情報をサーバ5に送信し、サーバ5から、発生したエラーの種別の情報および操作回数の情報に対応するサーバ側操作情報を受信する。
そして、表示制御部33は、サーバ5から受信される、発生したエラーの種別の情報および操作回数の情報に対応するサーバ側操作情報をモニタ34に表示させる。
【0127】
図10のフローチャートを参照しながら、サーバ側操作情報を表示させる場合の超音波システムの動作を説明する。
【0128】
ステップS21からステップS30の判定の結果、操作回数Nが、定められた回数N1に到達していない場合(ステップS30でNO)までの動作は、図7のフローチャートの場合と同じであるから、繰り返しの説明は省略する。
【0129】
ステップS30の判定の結果、操作回数Nが、定められた回数N1に到達した場合(ステップS30でYES)、プローブ側通信回路18により、例えば発生したエラーの種別の情報および操作回数の情報がサーバ5に送信され、サーバ5から、発生したエラーの種別の情報および操作回数の情報に対応するサーバ側操作情報が受信される。
そして、表示制御部33により、サーバ5から受信される、発生したエラーの種別の情報および操作回数の情報に対応するサーバ側操作情報がモニタ34に表示される(ステップS33)。
【0130】
続いて、ユーザは、モニタ34に表示されたサーバ側操作情報を読んで、このサーバ側操作情報に対応する操作を行う(ステップS34)。
【0131】
サーバ5のサーバ側操作情報格納部73には、常に、最新のサーバ側操作情報が格納されている。言い換えると、サーバ側操作情報格納部73に格納されたサーバ側操作情報を更新することにより、常に、最新のサーバ側操作情報をユーザに提供することができる。これにより、ユーザは、発生したエラーの種別の情報および操作回数の情報に対応する最新のサーバ側操作情報を参照することができる。
【0132】
また、表示制御部33、エラー検出部62、操作情報取得部63、経過時間判定部64、操作回数判定部66および端末制御部36は、端末側プロセッサ39(コンピュータ)を、これらの表示制御部33、エラー検出部62、操作情報取得部63、経過時間判定部64、操作回数判定部66および端末制御部36として機能させるためのプログラムとして構成することができる。
この場合、プローブ側通信回路18は、発生したエラーの種別の情報、操作回数の情報およびプログラムのバージョンの情報をサーバ5に送信し、サーバ5から、発生したエラーの種別の情報、操作回数の情報およびプログラムのバージョンの情報に対応するサーバ側操作情報を受信し、サーバ5から受信される、発生したエラーの種別の情報、操作回数の情報およびプログラムのバージョンの情報に対応するサーバ側操作情報をモニタ34に表示させるようにしてもよい。
これにより、表示制御部33は、プログラムのバージョン毎に、発生したエラーの種別の情報および操作回数に対応する最新のサーバ側操作情報を表示させることができる。
【0133】
また、表示制御部33が、第2操作情報を表示させる代わりに、あるいは、第2操作情報が表示される前に、音声出力部67が、第2操作情報を音声で読み上げるようにしてもよい。
この場合、表示制御部は、エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、第1操作情報をモニタ34に表示させる。
そして、音声出力部67が、第1操作情報が表示された後、操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、第2操作情報を音声で読み上げる。
これにより、ユーザは、モニタ34に表示された第1操作情報を読みながら、第2操作情報を音声で聞くことができる。また、第2操作情報を音声で読み上げることにより、情報端末3の表示画面のサイズに関わらず、第2操作情報の内容をユーザに提案することができる。
【0134】
表示制御部33が、第2操作情報を表示させる代わりに、参照先情報を表示させるようにしてもよい。
この場合、表示制御部33は、エラーの発生が検出された場合に、発生したエラーの種別に対応する複数の操作情報のうち、第1操作情報をモニタ34に表示させる。
続いて、表示制御部33は、第1操作情報を表示させた後、操作回数が、定められた期間内に、定められた回数に到達した場合に、参照先情報を表示させる。
このように、第1操作情報を表示させた後に、第2表示情報を表示させることなく、参照先情報を表示させてもよい。
【0135】
画像処理部17は、超音波プローブ1側ではなく、情報端末3側に設けられていてもよい。この場合、信号処理部16によって超音波画像への画像化前の画像信号データが生成され、信号処理部16によって生成された画像信号データが、超音波プローブ1のプローブ側通信回路18から情報端末3の端末側通信回路32に向けて無線送信され、情報端末3の画像処理部において、画像信号データに基づいて超音波画像が生成される。
【0136】
この場合、情報端末3において、画像信号データに画像処理を行って超音波画像を生成するため、超音波画像をモニタ34に表示させた後で、モニタ34の表示特性に合わせて、ゲイン等の画像処理条件を自由に変更することができるという利点がある。
【0137】
本発明の装置において、送受信回路14、信号処理部16、画像処理部17、プローブ制御部21、表示制御部33、エラー検出部62、操作情報取得部63、経過時間判定部64、操作回数判定部66)、端末制御部36およびサーバ制御部75等の各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構成は、専用のハードウェアであってもよいし、プログラムを実行する各種のプロセッサまたはコンピュータであってもよい。また、シネメモリ22、端末側操作情報格納部61およびサーバ側操作情報格納部73等のハードウェア的な構成は、専用のハードウェアであってもよいし、あるいは半導体メモリ等のメモリおよびHDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)およびSSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)等のストレージデバイスであってもよい。
【0138】
各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理をさせるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0139】
1つの処理部を、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成してもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ、例えば、複数のFPGAの組み合わせ、または、FPGAおよびCPUの組み合わせ等によって構成してもよい。また、複数の処理部を、各種のプロセッサのうちの1つで構成してもよいし、複数の処理部のうちの2以上をまとめて1つのプロセッサを用いて構成してもよい。
【0140】
例えば、サーバおよびクライアント等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。また、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。
【0141】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構成は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)である。
【0142】
また、本発明の方法は、例えば、その各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムにより実施することができる。また、このプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することもできる。
【0143】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0144】
1 超音波プローブ、3 情報端末、5 サーバ、7 通信回線、11 振動子アレイ、14 送受信回路、16 信号処理部、17 画像処理部、18 プローブ側通信回路、19 画像情報データ生成部、21 プローブ制御部、22 シネメモリ、24 バッテリ、25 プローブ側プロセッサ、32 端末側通信回路、33 表示制御部、34 モニタ、35 エラー処理部、36 端末制御部、37 入力装置、39 端末側プロセッサ、51 パルサ、52 増幅部、53 AD変換部、54 ビームフォーマ、61 端末側操作情報格納部、62 エラー検出部、63 操作情報取得部、64 経過時間判定部、66 操作回数判定部、67 音声出力部、71 サーバ側通信回路、73 サーバ側操作情報格納部、75 サーバ制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10