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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】発光タンパク質
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20240911BHJP
   C07K 14/195 20060101ALI20240911BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240911BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240911BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240911BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240911BHJP
   C12N 15/53 20060101ALI20240911BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240911BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240911BHJP
   C12P 21/00 20060101ALI20240911BHJP
   C12N 9/02 20060101ALN20240911BHJP
【FI】
C07K19/00
C07K14/195 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/53
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12P21/00 C
C12N9/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023179446
(22)【出願日】2023-10-18
【審査請求日】2024-04-19
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)2022年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構/NEDO先導研究プログラム/マテリアル・バイオ革新技術先導研究プログラム委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 健治
(72)【発明者】
【氏名】クスマ スブハン ハディ
(72)【発明者】
【氏名】服部 満
【審査官】西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/178136(WO,A2)
【文献】国際公開第2019/209187(WO,A1)
【文献】特表2021-502805(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103160528(CN,A)
【文献】KAKU, T et al.,Enhanced brightness of bacterial luciferase by bioluminescence resonance energy transfer,Scientific Reports,2021年,Vol. 11,Article Number: 14994
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
C07K
C12P
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バクテリアルシフェラーゼと蛍光タンパク質との複合体を含み、前記バクテリアルシフェラーゼはLuxAサブユニット及びLuxBサブユニットを有し、前記蛍光タンパク質はLuxAサブユニットと融合している、発光タンパク質であって;
前記LuxAサブユニットが、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであり;
前記LuxBサブユニットが、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであり;
前記蛍光タンパク質が、シアン蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、橙色蛍光タンパク質及び赤色蛍光タンパク質から選択され、
前記シアン蛍光タンパク質が、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号3で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が450~500nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体であり;
前記緑色蛍光タンパク質が、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号4で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が500~520nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体であり;
前記黄色蛍光タンパク質が、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、LuxAサブユニットとの融合において、配列番号5の1~229番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造となり;
前記橙色蛍光タンパク質が、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、LuxAサブユニットとの融合において、配列番号6の1~218番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造となり;又は、
前記赤色蛍光タンパク質が、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号7で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が580~620nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体である、
発光タンパク質
【請求項2】
バクテリアルシフェラーゼのLuxAサブユニットと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を含む、核酸であって;
前記LuxAサブユニットが、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであり;
前記蛍光タンパク質が、シアン蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、橙色蛍光タンパク質及び赤色蛍光タンパク質から選択され、
前記シアン蛍光タンパク質が、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号3で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が450~500nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体であり;
前記緑色蛍光タンパク質が、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号4で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が500~520nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体であり;
前記黄色蛍光タンパク質が、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、LuxAサブユニットとの融合において、配列番号5の1~229番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造となり;
前記橙色蛍光タンパク質が、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、LuxAサブユニットとの融合において、配列番号6の1~218番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造となり;又は、
前記赤色蛍光タンパク質が、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号7で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が580~620nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体である、
核酸
【請求項3】
さらに、バクテリアルシフェラーゼのLuxBサブユニットをコードする塩基配列を含む、請求項に記載の核酸であって;
前記LuxBサブユニットが、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドである;
核酸
【請求項4】
請求項に記載の核酸が組み込まれた、発現用ベクター。
【請求項5】
バクテリアルシフェラーゼのLuxAサブユニットと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を有する核酸、及びLuxBサブユニットをコードする塩基配列を有する核酸が導入された、細胞であって;
前記LuxAサブユニットが、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであり;
前記LuxBサブユニットが、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであり;
前記蛍光タンパク質が、シアン蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、橙色蛍光タンパク質及び赤色蛍光タンパク質から選択され、
前記シアン蛍光タンパク質が、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号3で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が450~500nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体であり;
前記緑色蛍光タンパク質が、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号4で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が500~520nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体であり;
前記黄色蛍光タンパク質が、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、LuxAサブユニットとの融合において、配列番号5の1~229番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造となり;
前記橙色蛍光タンパク質が、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、LuxAサブユニットとの融合において、配列番号6の1~218番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造となり;又は、
前記赤色蛍光タンパク質が、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号7で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が580~620nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体である、
細胞
【請求項6】
細菌、真菌細胞、植物細胞又は動物細胞である、請求項に記載の細胞。
【請求項7】
バクテリアルシフェラーゼのLuxAサブユニットと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を有する核酸、及びLuxBサブユニットをコードする塩基配列を有する核酸を発現させることを含む、発光タンパク質の製造方法であって;
前記LuxAサブユニットが、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであり;
前記LuxBサブユニットが、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであり;
前記蛍光タンパク質が、シアン蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、橙色蛍光タンパク質及び赤色蛍光タンパク質から選択され、
前記シアン蛍光タンパク質が、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号3で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が450~500nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体であり;
前記緑色蛍光タンパク質が、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号4で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が500~520nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体であり;
前記黄色蛍光タンパク質が、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、LuxAサブユニットとの融合において、配列番号5の1~229番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造となり;
前記橙色蛍光タンパク質が、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、LuxAサブユニットとの融合において、配列番号6の1~218番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造となり;又は、
前記赤色蛍光タンパク質が、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号7で表されるアミノ酸配列と97%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が580~620nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体である、
発光タンパク質の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光バクテリア由来のルシフェラーゼを含む発光タンパク質に関する。
【背景技術】
【0002】
ルシフェラーゼと呼ばれる触媒酵素により発光基質が酸化される発光現象のうち、生物内にて起こるものは生物発光と分類される。生物発光を示す生物は数千種類知られており、その中には、ルシフェラーゼ及び発光基質が同定されており、これらは、例えば、遺伝子工学にて光を指標として細胞中のタンパク質等を定量する目的で使用されている。
【0003】
真正細菌(細菌、バクテリア)には、発光を生じる種(発光バクテリア)が複数存在する。発光バクテリアにおける光生成は、バクテリア由来のルシフェラーゼによって触媒される、基質の酵素反応によって生じる(非特許文献1及び2)。バクテリア由来のルシフェラーゼは、具体的には、還元フラビンモノヌクレオチド(FMNH)及び長鎖脂肪アルデヒド(RCHO)を酸化して、フラビンモノヌクレオチド(FMN)及び対応する長鎖脂肪酸(RCOOH)を生成するが、この反応時に、490nm付近に極大波長を有する光が発生する。
【0004】
発光バクテリアの発光に必要な基本的な酵素は、luxCDABEという単一のオペロン(luxオペロン)によってコードされており、このオペロンは、発光バクテリアのすべての種に見られる(非特許文献1及び2)。luxA及びluxBは、それぞれ、バクテリアルシフェラーゼのヘテロ二量体タンパク質のα(LuxA)サブユニット及びβ(LuxB)サブユニットをコードする。luxC、luxD及びluxEは、ルシフェラーゼの基質である脂肪アルデヒドを合成し、再循環させるための複合体をコードする遺伝子である。発光バクテリア以外の細菌又は酵母細胞で、上記の5つのlux遺伝子を共発現することにより、外部からの基質の供給を要することなく、自発的な発光現象(自発光)を示すことが観察された(非特許文献3及び4)。哺乳動物細胞又は植物細胞においては、上記の5つのlux遺伝子に加えて、FMNオキシドレダクターゼ(LuxG)を共発現させることで、十分な量のFMNHを生成することができ、これにより、安定な生物発光が可能となる(非特許文献5-8)。
【0005】
生物発光イメージングは、蛍光タンパク質によるイメージングとは異なり、外部からの励起光を必要としないため、光毒性、光退色、試料由来の蛍光バックグラウンド等の問題が活性し難い、という利点を有する。特に、バクテリアルシフェラーゼに基づくレポーターは、シグナル対ノイズ比(S/N比)が高く、かつ取り扱いが容易である、という利点も有する。また、励起光のスペクトル分析への干渉が生じないため、蛍光タンパク質よりも広いスペクトル範囲の解析が可能である。一方で、バクテリア由来の生物発光イメージングは、低輝度である、露光時間が長い、といった課題があり、その利用が制限されてきた(非特許文献9及び10)。
【0006】
非特許文献11には、バクテリア由来のLuxBと円順列変異を導入した黄色蛍光タンパク質Venusとを融合することにより、細胞内で生物発光共鳴エネルギー移動(bioluminescence resonance energy transfer(BRET))を生じさせ、Lux単独と比較して、短時間で10倍もの発光強度を達成できたことが記載されている。さらに、これを植物細胞及び動物細胞に導入することで、これらの細胞においても高光度化を達成したことも明らかにされた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】Meighen, E., A., Microbiol. Rev. 55, 123-142 (1991)
【文献】Dunlap, P., Adv. Biochem. Eng. Biotechnol. 144, 37-64 (2014)
【文献】Frackman, S. et al., J. Bacteriol. 172, 5767-5773 (1990)
【文献】Gupta, R. K. et al., FEMS Yeast Res. 4, 305-313 (2003)
【文献】Close, D. M. et al., PLoS One 5, e12441 (2010)
【文献】Krichevsky, A. et al., PLoS One 5, e15461 (2010)
【文献】Xu, T. et al., PLoS One 9, e96347 (2014)
【文献】Gregor, C. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 116, 26491-26496 (2019)
【文献】Close, D. M. et al., J. Biomed. Opt. 16, 047003 (2011)
【文献】Gregor, C. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 115, 962-967 (2018)
【文献】Kaku, T. et al., Nature Scientific Reports, 11, 14994 (2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の通り、バクテリア由来のluxオペロンを利用し、さらに蛍光タンパク質VenusをluxBと融合させることで、細胞内において高光度で自発光可能な発光タンパク質を構築できることが示された。この系で発生する光は、黄緑色(極大波長528nm)であるが、複数種のレポーターを要する細胞実験等に使用するには、異なる波長の光を発する複数種の発光タンパク質の存在が望まれる。
【0009】
本発明は、複数の波長域で高光度に発光する、発光タンパク質を提供することを目的とする。また、本発明は、複数の波長域で高光度に発光する発光タンパク質について、これをコードする核酸、該核酸を組み込んだベクター、及び該核酸を組み込んだ細胞を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下を提供する。
[1]バクテリアルシフェラーゼと蛍光タンパク質との複合体を含み、前記バクテリアルシフェラーゼはLuxAサブユニット及びLuxBサブユニットを有し、前記蛍光タンパク質はLuxAサブユニットと融合している、発光タンパク質。
[2]前記LuxAサブユニットが、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は配列番号1で表されるアミノ酸配列と50%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドである、[1]に記載の発光タンパク質。
[3]前記LuxBサブユニットが、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号2で表されるアミノ酸配列と50%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドである、[1]又は[2]に記載の発光タンパク質。
[4]前記蛍光タンパク質が、シアン蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、橙色蛍光タンパク質及び赤色蛍光タンパク質から選択される、[1]~[3]のいずれかに記載の発光タンパク質。
[5]前記シアン蛍光タンパク質が、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号3で表されるアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が450~500nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体である;前記緑色蛍光タンパク質が、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号4で表されるアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が500~520nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体である;前記黄色蛍光タンパク質が、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号5で表されるアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が520~550nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体である;前記橙色蛍光タンパク質が、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が550~580nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体である;又は、前記赤色蛍光タンパク質が、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、若しくは配列番号7で表されるアミノ酸配列と60%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が580~620nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体である、[4]に記載の発光タンパク質。
[6]バクテリアルシフェラーゼのLuxAと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を含む、核酸。
[7]さらに、バクテリアルシフェラーゼのLuxBをコードする塩基配列を含む、[6]に記載の核酸。
[8][6]又は[7]に記載の核酸が組み込まれた、発現用ベクター。
[9]バクテリアルシフェラーゼのLuxAと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を有する核酸、及びLuxBをコードする塩基配列を有する核酸が導入された、細胞。
[10]細菌、真菌細胞、植物細胞又は動物細胞である、[9]に記載の細胞。
[11]バクテリアルシフェラーゼのLuxAと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を有する核酸、及びLuxBをコードする塩基配列を有する核酸を発現させることを含む、発光タンパク質の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の波長域で高光度に発光する、複数種の発光タンパク質を提供することが可能である。また、本発明によれば、複数の波長域で高光度に発光する発光タンパク質について、これをコードする核酸、該核酸を組み込んだベクター、及び該核酸を組み込んだ細胞を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】luxオペロンによる自発光のメカニズムを示す概略図である。
図2】本発明の発光タンパク質の一例の立体構造図である。
図3】Photorhabdus luminescens(配列番号1)及びPhotobacterium leiognathi(配列番号9)のLuxAのアミノ酸配列のアラインメント図である。
図4】Photorhabdus luminescens(配列番号2)及びPhotobacterium leiognathi(配列番号10)のLuxBのアミノ酸配列のアラインメント図である。
図5】本発明の発光タンパク質を構成するLuxAサブユニットと各種蛍光タンパク質(シアン蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、橙色蛍光タンパク質、及び赤色蛍光タンパク質)との融合体の構造を示す模式図である。
図6】各種蛍光タンパク質とLuxAの融合タンパク質と、LuxBCDEとの共発現により発現させた、発光タンパク質(CNLX、GNLX、YNLX、ONLX及びRNLX)を含む大腸菌培養液の撮像写真を示す。図中、再下段の「青~シアン」、「シアン」、「青緑~緑」、「緑」、「黄」及び「赤」の表記は、目視で判定した各培養液の色を示す。
図7】Lux発光タンパク質(対照)、及び蛍光タンパク質を融合した発光タンパク質(CNLX、GNLX、YNLX、ONLX及びRNLX)の発光スペクトルを示すグラフである。縦軸は、各発光タンパク質における極大波長の発光強度を1とした場合の相対発光強度を示す。
図8】各種発光タンパク質(CNLX、GNLX、YNLX、ONLX及びRNLX)の発光強度を示すグラフである(n=3)。縦軸は、対照の発光強度を1とした場合の相対発光強度を示す。図中、エラーバーは標準誤差を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.定義・構成
本明細書において「発光タンパク質」とは、酵素反応により特定の基質に発光を伴う反応を生じさせるタンパク質を指し、「化学発光タンパク質」とも称されるものをいう。本明細書において、「シアン発光タンパク質(Cyan Nano-Lantern based on Lux(CNLX))」とは、極大波長が450~500nm(450nm以上500nm未満、以下同様)にある光を発するタンパク質を指す。本明細書において、「緑色発光タンパク質(Green Nano-Lantern based on Lux(GNLX))」とは、極大波長が500~520nmにある光を発光するタンパク質を指す。本明細書において、「黄色発光タンパク質(Yellow Nano-Lantern based on Lux(YNLX))」とは、極大波長が520~550nmにある光を発光するタンパク質を指す。本明細書において、「橙色発光タンパク質(Orange Nano-Lantern based on Lux(ONLX))」とは、極大波長が550~580nmにある光を発光するタンパク質を指す。本明細書において、「赤色発光タンパク質(Red Nano-Lantern based on Lux(RNLX))」とは、極大波長が580~620nmにある光を発光するタンパク質を指す。
【0014】
本明細書において、「蛍光タンパク質」とは、特定の波長を有する励起光の照射により蛍光を発する蛍光タンパク質を指す。本明細書の蛍光タンパク質は、シアン蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、橙色蛍光タンパク質及び赤色蛍光タンパク質から選択される。本明細書において、「シアン蛍光タンパク質」とは、極大蛍光波長が450~500nmにある蛍光タンパク質を指す。シアン蛍光タンパク質は、この範囲の蛍光を発する蛍光タンパク質であれば、特に限定されないが、例えば、mTurquoise2(励起波長434nm、極大蛍光波長474nm)等を使用することができる。本明細書において、「緑色蛍光タンパク質」とは、極大蛍光波長が500~520nmにある蛍光タンパク質を指す。この範囲の蛍光を発する蛍光タンパク質であれば特に限定されないが、例えば、sfGFP(極大蛍光波長510nm)、Gamillux(励起波長504nm、極大蛍光波長519nm)等を使用することができる。本明細書において、「黄色蛍光タンパク質」とは、極大蛍光波長が520~550nmにある蛍光タンパク質を指す。黄色蛍光タンパク質は、この範囲の蛍光を発する蛍光タンパク質であれば、特に限定されないが、例えば、Venus(励起波長515nm、極大蛍光波長528nm)等を使用することができる。本明細書において、「橙色蛍光タンパク質」とは、極大蛍光波長が550~580nmにある蛍光タンパク質を指す。橙色蛍光タンパク質は、この範囲の蛍光を発する蛍光タンパク質であれば、特に限定されないが、例えば、mKOκ(励起波長551nm、極大蛍光波長563nm)等を使用することができる。本明細書において、「赤色蛍光タンパク質」とは、蛍光の極大波長が580~620nmにある蛍光タンパク質を指す。赤色蛍光タンパク質は、この範囲の蛍光を発する蛍光タンパク質であれば、特に限定されないが、例えば、mScarlet-I(励起波長569nm、極大蛍光波長594nm)等を使用することができる。
【0015】
本明細書において、「バクテリアルシフェラーゼ」とは、発光バクテリアの発現するルシフェラーゼを指す。より具体的には、「バクテリアルシフェラーゼ」は、LuxAサブユニット及びLuxBサブユニットの2つのサブユニットの複合体を含む酵素を指す。ここでいう「発光バクテリア」は、化学発光する性質を有する細菌を指し、より具体的には、ゲノム中にluxオペロンを有する細菌を指す。発光バクテリアとしては、Photorhabdus luminescens、Photobacterium leiognathi、Photobacterium phosphoreum、Vibrio fischeri等が知られているが、いずれも本明細書の「発光バクテリア」に包含される。
【0016】
本明細書において、「核酸」とは、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)を指すが、本明細書においては、特に記載のない限り、DNAを指すものとする。
【0017】
本明細書において、「luxオペロン」とは、発光バクテリアの自発光に関連する遺伝子群であって、具体的には、luxC-luxD-luxA-luxB-luxEの構造を有するオペロンを指す。さらに、luxEの後ろにluxGが連結される場合もある。図1に、発光バクテリアのluxオペロンと、自発光のメカニズムとの関係を示す。luxDは、細胞内の脂肪アシル-アシルキャリアタンパク質(ACP)を還元して脂肪酸を生じさせる酵素をコードする。luxEは、脂肪酸からアシル酵素中間体を生成する酵素をコードする。luxCは、アシル酵素中間体からルシフェラーゼの基質となる脂肪アルデヒドを合成する酵素をコードする。luxA及びluxBは、それぞれルシフェラーゼの2つのサブユニット、LuxAサブユニット及びLuxBサブユニットをコードする。ルシフェラーゼは、脂肪アルデヒド、還元フラビンモノヌクレオチド(FMNH)を酸化して、脂肪酸とFMNとを生成するが、その際に光を発する。luxGは、FMNを還元する酵素をコードする。上記の通り、luxオペロンは、発光基質の酸化と再循環を行い、これにより細胞内での自発光を可能とする。
【0018】
本明細書において、「配列同一性」とは、2つのアミノ酸配列または塩基配列にギャップを導入して、又はギャップを導入しないで整列させた場合の、最適なアラインメントにおいて、オーバーラップする全アミノ酸配列(翻訳開始点となるアミノ酸を含む)又は塩基配列(開始コドンを含む)に対する同一アミノ酸又は塩基の割合(パーセンテージ)を意味し、式(1)によって算出する。配列同一性は、この分野で汎用されているアルゴリズムであるBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)を用いて容易に調べることができる。例えばBLASTは、NCBI(National Center for Biotechnology Information)やKEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)などのウェブサイトから誰でも利用可能であり、デフォルトのパラメーターを用いて容易に配列同一性を調べることができる。
配列同一性(%)=一致数(ギャップ同士は無視する)/短いほうの配列長(ギャップを含まない長さ)×100・・・式(1)
【0019】
2.発光タンパク質
本発明の第1の実施形態は、発光タンパク質である。本実施形態の発光タンパク質は、バクテリアルシフェラーゼと蛍光タンパク質との複合体を含み、前記バクテリアルシフェラーゼはLuxAサブユニット及びLuxBサブユニットを有し、前記蛍光タンパク質はLuxAサブユニットと融合している、ことを特徴とする。
【0020】
図2に、本発明の発光タンパク質の一例の立体構造図を示す。本実施形態の発光タンパク質は、蛍光タンパク質と融合したLuxAサブユニットと、LuxBサブユニットとの複合体を含む。LuxAサブユニットとLuxBサブユニットの複合体は、バクテリアルシフェラーゼとしての機能、すなわち、基質(ルシフェリン)を酸化し、その際に発光を生じる機能を有する。バクテリアルシフェラーゼのみであっても発光を生じるが、本発明者らは、バクテリアルシフェラーゼのLuxAサブユニットに蛍光タンパク質を融合させると、さらに強い発光を生じる機能を有することを見出した。これは、ルシフェラーゼの働きにより生じた光を受けて、蛍光タンパク質においてBRETが生じたためと考えられる。さらに、本発明者らは、LuxAサブユニットと融合させる蛍光タンパク質を他の蛍光波長領域の蛍光タンパク質に変更しても、同様にBRETが生じることを見出した。すなわち、本実施形態の発光タンパク質は、広い波長領域の光を生成することが可能である。
【0021】
本実施形態において、LuxAサブユニットは、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は配列番号1で表されるアミノ酸配列と50%以上、特に、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであることが好ましい。配列番号1で表されるアミノ酸配列は、Photorhabdus luminescensのLuxAサブユニットのアミノ酸配列と同一である。配列番号1で表されるアミノ酸配列と50%以上(特に、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上)の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドは、LuxAサブユニットとして機能する、つまり、LuxBサブユニットと複合体を形成することで、ルシフェラーゼとして機能するポリペプチドであることが好ましい。
【0022】
図3に、Photorhabdus luminescensのLuxAサブユニット(配列番号1)と、Photobacterium leiognathiのLuxAサブユニット(配列番号9)のアミノ酸配列のアラインメントを示す。両配列の配列相同性は、62.7%である。
【0023】
本実施形態において、LuxBサブユニットは、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は配列番号2で表されるアミノ酸配列と50%以上、特に、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドであることが好ましい。配列番号2で表されるアミノ酸配列は、Photorhabdus luminescensのLuxBサブユニットのアミノ酸配列と同一である。配列番号2で表されるアミノ酸配列と50%以上(特に、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上)の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドは、LuxBサブユニットとして機能する、つまり、LuxAサブユニットと複合体を形成することで、ルシフェラーゼとして機能するポリペプチドであることが好ましい。
【0024】
図4に、Photorhabdus luminescensのLuxBサブユニット(配列番号2)と、Photobacterium leiognathiのLuxBサブユニット(配列番号10)のアミノ酸配列のアラインメントを示す。両配列の配列相同性は、51.7%である。
【0025】
本実施形態において、LuxAと融合させる蛍光タンパク質は、シアン蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、橙色蛍光タンパク質及び赤色蛍光タンパク質から選択される、いずれかの蛍光タンパク質であることが好ましい。シアン蛍光タンパク質は、極大蛍光波長が450~500nmにある蛍光を発するタンパク質であれば特に限定されないが、例えば、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド(mTurquoise2ΔC10)、若しくは配列番号3で表されるアミノ酸配列と60%以上、特に70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が450~500nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体とすることができる。緑色蛍光タンパク質は、極大蛍光波長が500~520nmにある蛍光を発するタンパク質であれば特に限定されないが、例えば、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド(sfGFPΔC10)、若しくは配列番号4で表されるアミノ酸配列と60%以上、特に70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が500~520nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体とすることができる。黄色蛍光タンパク質は、極大蛍光波長が520~550nmにある蛍光を発するタンパク質であれば特に限定されないが、例えば、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド(VenusΔC10)、若しくは配列番号5で表されるアミノ酸配列と60%以上、特に70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が520~550nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体とすることができる。橙色蛍光タンパク質は、極大蛍光波長が550~580nmにある蛍光を発するタンパク質であれば特に限定されないが、例えば、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド(mKOκ)、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列と60%以上、特に70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が550~580nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体とすることができる。赤色蛍光タンパク質は、極大蛍光波長が580~620nmにある蛍光を発するタンパク質であれば特に限定されないが、例えば、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド(mScarlet-IΔC10)、若しくは配列番号7で表されるアミノ酸配列と60%以上、特に70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上の配列同一性を有し、かつ、極大蛍光波長が580~620nmにある蛍光を発する機能を有するポリペプチド、又はこれらのいずれかのポリペプチドの循環置換体とすることができる。なお、本明細書において「ΔC10」は、既知のアミノ酸配列より、C末端側の10アミノ酸を欠失していることを指す。
【0026】
LuxAとシアン蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、橙色蛍光タンパク質又は赤色蛍光タンパク質との融合体とLuxBとが複合体を形成することで、それぞれ、シアン発光タンパク質(CNLX)、緑色発光タンパク質(GNLX)、黄色発光タンパク質(YNLX)、橙色発光タンパク質(ONLX)又は赤色発光タンパク質(RNLX)を形成する。
【0027】
3.核酸
本発明の第2の実施形態は、発光タンパク質を発現するための核酸である。本実施形態の核酸は、バクテリアルシフェラーゼのLuxAサブユニットと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を含む、ことを特徴とする。本実施形態の核酸は、同一核酸分子内に、又は別の核酸分子として、バクテリアルシフェラーゼのLuxBサブユニットをコードする塩基配列を含むことが好ましい。本実施形態の核酸は、LuxAサブユニットと蛍光タンパク質との融合体と、LuxBサブユニットとを一細胞内で共発現するために使用され、これにより、細胞内での第1の実施形態に記載の発光タンパク質の発現を可能とする。
【0028】
LuxAをコードする遺伝子の塩基配列は、組み込まれる宿主に合わせて最適化してもよい。例えば、大腸菌に組み込まれる場合、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するLuxAをコードする遺伝子(luxA)は、配列番号11で表される塩基配列を有してもよい。また、配列番号9で表されるアミノ酸配列を有するLuxAをコードする遺伝子(luxA)は、配列番号19で表される塩基配列を有してもよい。この場合、配列番号19の塩基配列を有する遺伝子は、配列番号11の塩基配列を有する遺伝子のオーソログに相当する。すなわち、本発明の方法において、LuxAは、Photorhabdus luminescensのLuxAサブユニットをコードする遺伝子のオーソログがコードするタンパク質であってもよい。
【0029】
LuxBをコードする遺伝子の塩基配列は、組み込まれる宿主に合わせて最適化してもよい。例えば、大腸菌に組み込まれる場合、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するLuxBをコードする遺伝子(luxB)は、配列番号12で表される塩基配列を有してもよい。また、配列番号10で表されるアミノ酸配列を有するLuxBをコードする遺伝子(luxB)は、配列番号20で表される塩基配列を有してもよい。この場合、配列番号20の塩基配列を有する遺伝子は、配列番号12の塩基配列を有する遺伝子のオーソログに相当する。すなわち、本発明の方法において、LuxBは、Photorhabdus luminescensのLuxBサブユニットをコードする遺伝子のオーソログがコードするタンパク質であってもよい。
【0030】
蛍光タンパク質をコードする遺伝子(蛍光タンパク質遺伝子)の塩基配列は、組み込まれる宿主に合わせて最適化してもよい。例えば、大腸菌に組み込まれる場合、配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するシアン蛍光タンパク質をコードする遺伝子は、配列番号13で表される塩基配列を有していてもよい。配列番号4で表されるアミノ酸配列を有する緑色蛍光タンパク質をコードする遺伝子は、配列番号14で表される塩基配列を有していてもよい。配列番号5で表されるアミノ酸配列を有する黄色蛍光タンパク質をコードする遺伝子は、配列番号15で表される塩基配列を有していてもよい。配列番号6で表されるアミノ酸配列を有する橙色蛍光タンパク質をコードする遺伝子は、配列番号16で表される塩基配列を有していてもよい。配列番号7で表されるアミノ酸配列を有する赤色蛍光タンパク質をコードする遺伝子は、配列番号17で表される塩基配列を有していてもよい。
【0031】
蛍光タンパク質遺伝子及びluxAは、融合体として発現されれば、遺伝子の連結形態は特に限定されないが、5’末端側(上流側)から蛍光タンパク質遺伝子-luxAの順に連結されることが好ましい。融合体としての発現を妨げない限り、両遺伝子の連結部位にリンカー等をコードする配列が配されていてもよい。luxAの3’末端側(下流側)に、さらにluxBを連結させてもよい。この場合、luxAとluxBにそれぞれサブユニットを発現させるため、luxAとluxBの間にリボソーム結合配列(例えば、CTAAGGAGAAAGAA(配列番号8))が配されることが好ましい。
【0032】
さらに、必要に応じて、同一核酸分子内、又は別の核酸分子として、luxC、luxD、luxE及び/又はluxGが含まれていてもよい。
【0033】
4.発現用ベクター
本発明の第3の実施形態は、発光タンパク質を発現させるためのベクターである。本実施形態の発現用ベクターは、第2の実施形態の核酸が組み込まれていることを特徴とする。
【0034】
発現ベクターの種類は、組み込まれる宿主細胞に適したものであれば特に限定されず、適宜選択することが可能である。例えば、プラスミド、ファージ等を使用することができる。発現ベクターは、特に、細菌、真菌細胞、植物細胞又は動物細胞への導入に適したものとすることができる。発現ベクターとしては、市販のものを適否使用することが出来る。例えば、大腸菌を宿主とする場合、pRSET(Thermo Fisher Scientific社)、pBAD(Thermo Fisher Scientific社)、pCold(タカラバイオ社)等を好適に使用できる。
【0035】
発現用ベクターには、少なくとも、LuxAサブユニットと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列が含まれる。また、LuxBサブユニットをコードする塩基配列がさらに含まれていてもよい。さらに、必要に応じて、luxC、luxD、luxE及び/又はluxGが含まれていてもよい。あるいは、これらの遺伝子は2以上の発現ベクターに別々に組み込まれ、同一細胞内に同時に導入されてもよい。
【0036】
5.細胞
本発明の第4の実施形態は、発光タンパク質を発現させるための遺伝子を組み込んだ細胞である。本実施形態の細胞は、バクテリアルシフェラーゼのLuxAと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を有する核酸、及びLuxBをコードする塩基配列を有する核酸が導入された、ことを特徴とする。細胞の種類は特に限定されないが、時に、細菌、真菌細胞、植物細胞又は動物細胞とすることが好ましい。本発明の発光タンパク質は、例えば、細胞の挙動をモニタリングするためのマーカーとして使用することが可能であることから、遺伝子を組み込む宿主細胞は、その目的に応じて適宜選択することが好ましい。
【0037】
本実施形態の細胞は、例えば第3の実施形態の発現用ベクターを目的の細胞に導入することによって調製される。発現用ベクターは、蛍光タンパク質遺伝子、luxAを少なくとも含むが、必要に応じて、同一ベクター内にluxBが含まれていてもよい。あるいは、luxBは別のベクターに含まれていてもよく、前記luxAを含むベクターと共に同一細胞内に導入されてもよい。さらに、必要に応じて、luxC、luxD、luxE及び/又はluxGが、それぞれ上記ベクター内に、又は別のベクターに含まれていてもよく、少なくとも蛍光タンパク質、luxA及びluxBと共に、同一細胞内に導入されてもよい。
【0038】
本実施形態の細胞は、蛍光タンパク質遺伝子、luxA及びluxBを少なくとも含み、必要に応じてluxC、luxD、luxE及び/又はluxGが含まれる。本実施形態の細胞は、上記の遺伝子が導入されることで、基質の添加によって発光するか、自発光することが可能である。
【0039】
6.発光タンパク質の製造方法
本発明の第6の実施形態は、発光タンパク質の製造方法である。本実施形態の方法は、バクテリアルシフェラーゼのLuxAと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を有する核酸、及びLuxBをコードする塩基配列を有する核酸を発現させることを含む、ことを特徴とする。
【0040】
本実施形態の方法は、バクテリアルシフェラーゼのLuxAと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を有する核酸及びLuxBをコードする塩基配列を有する核酸を含む発現用ベクターを調製する工程を含んでもよい。あるいは、本実施形態の方法は、バクテリアルシフェラーゼのLuxAと蛍光タンパク質との融合体をコードする塩基配列を有する核酸を含む発現用ベクターと、LuxBをコードする塩基配列を有する核酸を含む発現用ベクターとを別々に調製する工程を含んでもよい。また、本実施形態の方法は、luxC、luxD、luxE及び/又はluxGを含む1以上の発現用ベクターを調製する工程を含んでもよい。
【0041】
本実施形態の方法は、上記で調製した発現用ベクターを細胞内に導入する工程を含んでもよい。ここで使用する細胞は、特に制限されないが、例えば、細菌、真菌細胞、植物細胞又は動物細胞とすることができる。さらに、本実施形態の方法は、発現用ベクターを導入した細胞を培養する工程を含んでもよい。当該工程によって、細胞内で発光タンパク質が製造され、細胞内への発光基質(ルシフェリン)の供給又は細胞内での発光基質生成により、細胞の発光が見られる。あるいは、培養した細胞から、集菌、細胞破砕、タンパク質精製を経ることで、発光基質の存在下で発光する発光タンパク質を得ることができる。
【実施例
【0042】
以下、本発明を詳細に説明するために実施例を提示するが、本発明を実施例の範囲に限定することを意図するものではない。
【0043】
実施例1:自発光大腸菌の調製
(1)luxAB挿入ベクターの調製
Lux遺伝子は、Photorhabdus luminescensのluxCDABEを組み込んだプラスミドpAKlux1(プラスミド#14073、Addgene社)からクローニングした。pAKlux1を鋳型として、luxA-luxB間にリボソーム結合配列CTAAGGAGAAAGAA(配列番号8)が挿入される形で、下記のプライマーセット(配列番号21、22)を用いて、luxABを増幅した。
フォワードプライマー(BamHI-G-luxA) CACCGGATCCGATGAAATTTGGAAACTTTTTG(配列番号21)
リバースプライマー(EcoRI-LuxB) CACCGAATTCTTAGGTATATTCCATGTGGTAC (配列番号22)
luxABオペロンが大腸菌内でバイシストロン性発現するように、PCR増幅したluxAB断片をBamHI及びEcoRIで消化し、断片をpRSET(Thermo Fisher Scientific社)の対応する部位にインフレームで挿入し、pRSETB-luxABを得た。
【0044】
(2)各種発光タンパク質発現ベクターの調製
発光タンパク質であるCNLX、GNLX、YNLX、ONLX及びRNLXを生合成するために、蛍光タンパク質であるmTurquoise2、sfGFP、Venus、mKOκ、mScarlet-Iの遺伝子を使用して発光タンパク質発現ベクターを調製した。ただし、mTurquoise2、sfGFP、Venus、mScarlet-Iは、既知のアミノ酸配列からC末端側10アミノ酸を欠失したアミノ酸配列(ΔC10)をコードする遺伝子とした。Turquoise2ΔC10、sfGFPΔC10、VenusΔC10、mKOκ、mScarlet-IΔC10のアミノ酸配列をそれぞれ配列番号3、4、5、6及び7として示す。これらをコードするDNAは、それぞれ、配列番号13、14、15、16及び17として示す。各遺伝子について、遺伝子特異的なプライマー、及びPCR増幅試薬(KOD-Plus-Neo、東洋紡社製)を用いて増幅した。増幅したDNAは、TEDA法(Xia, Y., et al,. Nucleic Acids Research, 47(3), e15 (2019)を参照のこと)を用いてpRSET-luxABのluxA上流に挿入した。大腸菌株XL10-GOLDにてクローニングを行い、遺伝子配列を確認して各種発光タンパク質発現ベクター(pCNLX(mTurquoise2ΔC10:luxA+luxB)、pGNLX(sfGFPΔC10:luxA+luxB)、pYNLX(VenusΔC10:luxA+luxB、pONLX(mKOκ:luxA+luxB)及びpRNLX(mScarlet-IΔC10:luxA+luxB))を得た。
【0045】
図5に、各種発光タンパク質(CNLX、GNLX、YNLX、ONLX及びRNLX)を構成する融合タンパク質の構造模式図を示す。CNLXは、配列番号3の1~229番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にEL(グルタミン酸-ロイシン)の2アミノ酸を挟んで連結した構造を有する。GNLXは、配列番号4の1~229番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造を有する。YNLXは、配列番号5の1~229番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造を有する。ONLXは、配列番号6の1~218番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造を有する。RNLXは、配列番号7の1~222番目のアミノ酸配列と、配列番号1の2~359番目のアミノ酸配列とが、間にELの2アミノ酸を挟んで連結した構造を有する。
【0046】
(3)luxCDEベクターの調製
LuxC(アミノ酸配列 配列番号23/塩基配列 配列番号26)、LuxD(アミノ酸配列 配列番号24/塩基配列 配列番号27)、LuxE(アミノ酸配列 配列番号25/塩基配列 配列番号28)の遺伝子を、プラスミドpAKlux1よりクローニングした。luxC-luxD間、luxD-luxE間に、それぞれリボソーム結合配列TAGGTAAAAAGT(配列番号18)およびAATCTATTGAGATATTCTATCACTCAAATAGCAATATAAGGACTCTCT(配列番号29)が挿入される形で、下記のプライマーセット(配列番号30、31)を用いてluxCDEをPCRにより増幅した。
フォワードプライマー(Fwd-BamHI-luxC) TAGGATCCATGACTAAAAAAATTTCATTCATTATTAACG(配列番号30)
リバースプライマー(Rev-EcoRI-luxE) CACCGAATTCAACTATCAAACGCTTCG(配列番号31)
PCR増幅したluxC-luxD-luxE断片をBamHIおよびEcoRIで消化し、断片をpRSET(Thermo Fisher Scientific社)の対応する部位にインフレームで挿入し、luxCDEベクターを得た。
【0047】
(4)発光タンパク質発現大腸菌の調製と培養
(2)で調製した各発光タンパク質発現ベクターとluxCDEベクターとを組み合わせて大腸菌株JM109(DE3)を形質転換し、発光タンパク質とLuxCDEの共発現系を構築した。対照として、蛍光タンパク質遺伝子を組み込んでいないpRSET-luxABとluxCDEベクターを組み合わせて、同様に大腸菌を形質転換した。形質転換した大腸菌は、100μg/mLカルベニシリンを含む200mLのLB液体培地にて、23℃、130rpmの条件下で60時間振盪培養した。培養後の培養液各150μLをPCR用PPチューブに分取し、遮光条件下でデジタル一眼カメラ(Sony α7S)を用いて露光時間8秒で撮像した。図6に撮像した写真を示す。蛍光タンパク質-LuxA融合タンパク質について、いずれもLuxのみ(対照)の発光よりも発光強度が高くなることが確認された。また、組み合わせる蛍光タンパク質の種類を変更することで、広い波長域で高い発光強度となることが示された。
【0048】
実施例2:発光タンパク質の調製
(1)発光タンパク質の調製と抽出
実施例1の(2)で調製した各発光タンパク質発現ベクターを用いて大腸菌株JM109(DE3)を形質転換し、LB液体培地にて23℃で60時間振盪培養した。培養液から大腸菌を回収し、フレンチプレスにて細胞質タンパク質を抽出した。Ni-NTAアガロースカラム(QIAGEN社製)を用いて、目的タンパク質を単離し、20mM HEPESバッファー(pH7.4)に溶解し、各種発光タンパク質(CNLX、GNLX、YNLX、ONLX及びRNLX)を得た。対照として、蛍光タンパク質遺伝子を挿入していないpRSET-luxABで、同様に大腸菌株を形質転換し、培養、タンパク抽出を行い、発光タンパク質(LuxA+LuxB)溶液を得た。
【0049】
(2)細胞外発光試験
10μM FMN、40μM デカナール、200μM 1-ベンジル-1,4-ジヒドロニコチンアミド(BNAH)を含む20mM HEPESバッファー(pH7.4、37℃)に、各発光タンパク質を終濃度が0.8μMとなるように添加した。添加直後に、各発光タンパク質溶液の発光スペクトルを、PMA-12マルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製)を用いて、露光時間30秒で測定した。同時に、各溶液を、96穴マイクロウェルプレートに100μLずつ分注し(n=3)、マイクロプレートリーダー(コロナマルチグレーティングマイクロプレートリーダー SH-9000Lab 日立ハイテク社製)で全波長の発光を測定した。図7に各発光タンパク質の発光スペクトルを示す、グラフの縦軸は、各発光タンパク質の極大波長における発光強度を1とした相対発光強度を示す。図8は、各発光タンパク質の発光強度を示す。図中のエラーバーは、標準誤差を示す。図7に示す通り、LuxAと組み合わせる蛍光タンパク質の種類を変更することで、広い波長域での発光が可能になることが判明した。また、図8に示す通り、Luxのみ(対照)の場合と比較して、LuxAをいずれの蛍光タンパク質と融合させても、有意に高い発光強度を示すことが判明した。
【要約】
【課題】複数の波長域で高光度に発光する、発光タンパク質を提供する。
【解決手段】バクテリアルシフェラーゼと蛍光タンパク質との複合体を含み、前記バクテリアルシフェラーゼはLuxAサブユニット及びLuxBサブユニットを有し、前記蛍光タンパク質はLuxAサブユニットを介してバクテリアルシフェラーゼと融合している、発光タンパク質。
【選択図】なし
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
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