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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】MALT1阻害剤としての尿素誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/75 20060101AFI20240912BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240912BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240912BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240912BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20240912BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240912BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240912BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20240912BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240912BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
C07D213/75 CSP
A61P35/02
A61P29/00 101
A61P19/02
A61P17/06
A61P1/04
A61P11/00
A61P37/02
A61K31/444
C07D405/14
C07D401/14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021559711
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 EP2020060307
(87)【国際公開番号】W WO2020208222
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】62/832,608
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19178959.3
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【弁理士】
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(72)【発明者】
【氏名】チューリング,ヨハネス,ウィルヘルムス,ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ロ,テンバオ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,トンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ディールス,ガストン,スタニスラス,エム
(72)【発明者】
【氏名】ベルテロ,ディディエ,ジーン-クロード
(72)【発明者】
【氏名】ウロブロスキー,ベルトールド
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/020474(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/165385(WO,A1)
【文献】特表2018-533610(JP,A)
【文献】国際公開第2018/226150(WO,A1)
【文献】特表2017-516778(JP,A)
【文献】特表2017-526711(JP,A)
【文献】特表2013-530199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中、
は、水素、C1~4アルキル、はC3~6シクロアルキルを表し;
は、水素、C1~4アルキル、又は3~6シクロアルキルを表し;及び
は、水素を表し;
は、水素、-OR、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、ハロ、-CN、C3~6シクロアルキル、Het、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~4アルキル、-NR6a7a、及び-C(=O)NR6b7bからなる群から選択され;
2a及びR2bは、それぞれ独立して、水素、-O-C1~4アルキル、ハロ、-NR6c7c、C3~6シクロアルキル、C1~4アルキル、及び、1個、2個、又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され;
は、N又はCRを表し;
は、N又はCRを表し;
但し、X及びXの一方のみは、いかなる場合もNであり;
は、水素、C1~4アルキル、又は-O-C1~4アルキルを表し;
は、ハロ、シアノ、又はトリフルオロメチルを表し;
は、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、Het、並びに、-OH、ハロ、-C(=O)-NR、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、及びフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個又は2個の置換基で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され;
6a、R6b、R6c、R7a、R7b、R7c、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
Hetは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の非芳香族ヘテロシクリルを表し;
Hetは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の非芳香族ヘテロシクリルを表し;
は、1個、2個、若しくは3個のハロ置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている、C1~4アルキル若しくは-O-C1~4アルキルを表すか;
又は
は、C1~4アルキル及び1個の-OHで置換されているC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で、1個若しくは2個の炭素原子上でそれぞれ任意選択的に置換されている、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル若しくはC3~6シクロアルキルを表し;
は、水素を表す)
の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項2】
は、水素、C1~4アルキル、又はC3~6シクロアルキルを表し;
は、水素又はC1~4アルキルを表し;及び
は、水素を表し;
2a及びR2bは、それぞれ独立して、水素、-NR6c7c、C3~6シクロアルキル、C1~4アルキル、及び、1個、2個、又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され;
但し、X及びXの一方のみは、いかなる場合もNであり;
は、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、Het、並びに、-C(=O)-NR、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、及びフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個又は2個の置換基で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され;
は、1個、2個、若しくは3個のハロ置換基で任意選択的に置換されている-O-C1~4アルキルを表すか;
又は
は、C1~4アルキル及び1個の-OHで置換されているC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で、1個の炭素原子上で任意選択的にそれぞれ置換されている、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル又はC3~6シクロアルキルを表す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、C1~4アルキルを表し;
は、C1~4アルキルを表し;及び
は、水素を表し;
は、-OR、ハロ、及び-CNからなる群から選択され;
2aは、水素を表し;
2bは、水素、-NR6c7c、及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
は、CRを表し;
は、Nを表し;
は、水素を表し;
は、トリフルオロメチルを表し;
は、C1~4アルキルを表し;
6c及びR7cは、水素を表し;
は、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イルを表す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
は、CRを表し;
は、Nを表す、
請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
は、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イルを表す、請求項に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体、薬学的に許容される添加剤、及び薬学的に許容される希釈剤の内の少なくとも1つとを含む、医薬組成物。
【請求項7】
薬物としての使用のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎(PsA)、乾癬(Pso)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病、全身性エリテマトーデス(SLE)、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置又は予防での使用のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
疾患、症候群、状態、又は障害を処置するための医薬組成物であって、前記疾患、症候群、状態、又は障害は、MALT1の阻害による影響を受けており、前記医薬組成物は、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物を含む、医薬組成物
【請求項10】
前記疾患、症候群、状態、又は障害は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎(PsA)、乾癬(Pso)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病、全身性エリテマトーデス(SLE)、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群から選択される、請求項に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MALT1(粘膜関連リンパ組織リンパ腫転座タンパク質1)阻害剤である新規の化合物に関する。これらの化合物は、疾患、症候群、状態、又は障害の処置に有用であり得、特に、癌及び免疫疾患が挙げられるがこれらに限定されないMALT1関連の疾患、症候群、状態、又は障害の処置に有用であり得る。本発明はまた、そのような化合物の内の1種又は複数種を含む医薬組成物、そのような化合物及び組成物を調製するプロセス、並びにMALT1阻害剤と関連する癌及び自己免疫疾患、症候群、障害、又は状態の処置のためのそのような化合物又は医薬組成物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
MALT1(粘膜関連リンパ組織リンパ腫転座1)は、古典的なNFBシグナル伝達経路の重要なメディエータである。MALT1は、唯一のヒトパラカスパーゼであり、B細胞受容体(BCR)及びT細胞受容体(TCR)からのシグナルを伝達する。MALT1は、受容体活性化時に形成されるCBM複合体の活性サブユニットである。このCBM複合体は、下記の3種のタンパク質の複数のサブユニットからなる:CARD11(カスパーゼ動員ドメインファミリメンバー11)、BCL10(B細胞CLL/リンパ腫10)、及びMALT1。MALT1は、下記の2つの機序によりNFBシグナル伝達に影響を及ぼす:最初に、MALT1は、足場となるタンパク質として機能し、TRAF6、TAB-TAK1、又はNEMO-IKKα/β等のNFBシグナル伝達タンパク質を動員し、次に、MALT1は、システインプロテアーゼとして切断し、それにより、RelB、A20、又はCYLD等のNFBシグナル伝達の負の調節因子が不活性化される。MALT1活性の最終的なエンドポイントは、NFB転写因子複合体の核転座及びNFBシグナル伝達の活性化である(Jaworski et al.,Cell Mol Life Science 2016.73,459-473)。
【0003】
NFK0001Bシグナル伝達の構成的活性化は、DLBCLの比較的侵襲性な形態であるABC-DLBCL(活性化B細胞様サブタイプのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫)の特徴である。DLBCLは、非ホジキンリンパ腫(NHL)の最も一般的な形態であり、リンパ腫症例の約25%を占め、ABC-DLBCLは、DLBCLの約40%を構成する。ABC-DLBCL患者では、CD79A/B、CARD11、MYD88、又はA20等のシグナル伝達成分の変異により、NFB経路活性化が引き起こされる(Staudt,Cold Spring Harb Perspect Biol 2010,2;Lim et al,Immunol Rev 2012,246,359-378)。
【0004】
BTK阻害剤、例えばイブルチニブの使用により、ABC-DLBCLでのNFBシグナル伝達の阻害が有効であることが臨床的に概念実証されている。MALT1は、NFBシグナル伝達経路においてBTKの下流に位置しており、MALT1阻害剤は、イブルチニブに反応しないABC-DLBCL患者(主にCARD11変異を有する患者)を標的とする可能性があり、及びイブルチニブに対する耐性を獲得した患者を処置する可能性がある。
【0005】
MALT1プロテアーゼの小分子ツール化合物阻害剤は、ABC-DLBCLの前臨床モデルでの有効性が実証されている(Fontan et al.,Cancer Cell 2012,22,812-824;Nagel et al.,Cancer Cell 2012,22,825-837)。興味深いことに、共有結合性触媒部位及びMALT1プロテアーゼ機能のアロステリック阻害剤が説明されており、これにより、このプロテアーゼの阻害剤が医薬品として有用であり得ることが示唆される(Demeyer et al.,Trends Mol Med 2016,22,135-150)。
【0006】
API2-MALT1融合オンコプロテインが生じる染色体転座は、MALT(粘膜関連リンパ組織)リンパ腫で同定される最も一般的な変異である。API2-MALT1は、NFB経路の強力な活性化因子である(Rosebeck et al.,World J Biol Chem 2016,7,128-137)。API2-MALT1は、リガンドが結合したTNF受容体を模倣し、カノニカルNFBシグナル伝達の活性化の足場として作用するRIP1のTRAF2依存性ユビキチン化を促進する。さらに、API2-MALT1は、NFB誘導性キナーゼ(NIK)を切断してその安定した構成的活性断片を生成し、それにより非カノニカルNFB経路を活性化することが示されている(Rosebeck et al.,Science,2011,331,468-472)。
【0007】
リンパ腫に加えて、MALT1は、自然免疫及び適応免疫で重要な役割を果たすことが示されている(Jaworski M,et al.,Cell Mol Life Sci.2016)。MALT1プロテアーゼ阻害剤は、多発性硬化症のマウスモデルであるマウス実験アレルギー性脳脊髄炎の疾患の発症及び進行を減弱し得る(Mc Guire et al.,J.Neuroinflammation 2014,11,124)。触媒的に不活性なMALT1変異体を発現するマウスは、辺縁帯のB細胞及びB1 B細胞の喪失を示し、及びT細胞及びB細胞の活性化及び増殖の減少を特徴とする全般的な免疫不全を示した。しかしながら、このマウスは、9~10週齢で自発性の多臓器自己免疫炎症も発症した。MALT1プロテアーゼ死滅ノックインマウスが耐性の喪失を示すが、従来のMALT1 KOマウスが示さない理由は、依然としてほとんど理解されていない。ある仮説は、MALT1プロテアーゼ死滅ノックインマウスでの不均衡な免疫恒常性が、T細胞及びB細胞の不完全な欠損により引き起こされる可能性があるが、免疫調節細胞の重度の欠損により引き起こされる可能性があることを示唆する(Jaworski et al.,EMBO J.2014;Gewies et al.,Cell Reports 2014;Bornancin et al.,J.Immunology 2015;Yu et al.,PLOS One 2015)。同様に、ヒトでのMALT欠乏症は、複合免疫不全障害と関連している(McKinnon et al.,J.Allergy Clin.Immunol.2014,133,1458-1462;Jabara et al.,J.Allergy Clin.Immunol.2013,132,151-158;Punwani et al.,J.Clin.Immunol.2015,35,135-146)。遺伝子変異と薬理学的阻害との差違を考慮すると、MALT1プロテアーゼ死滅ノックインマウスの表現型は、MALT1プロテアーゼ阻害剤で処置された患者の表現型と異なる可能性がある。MALT1プロテアーゼ阻害による免疫抑制性T細胞の減少は、抗腫瘍免疫の増加の可能性により、癌患者にとって有益であり得る。
【0008】
そのため、本発明のMALT1阻害剤は、癌及び/又は免疫疾患に罹患している患者に治療上の利益をもたらし得る。
【0009】
国際公開第2018020474号パンフレットは、MALT1阻害剤としての置換チアゾロ-ピリジン化合物を説明する。
国際公開第2015181747号パンフレットは、ピラゾロピリミジン誘導体及びMALT1阻害剤としてその使用を説明する。
国際公開第2017081641号パンフレットは、ピラゾロピリミジン誘導体を説明する。
国際公開第2018226150号パンフレットは、MALT1阻害剤としてのピラゾロピリミジンを説明する。
国際公開第2018119036号パンフレットは、MALT1阻害剤としてのピラゾロ誘導体を説明する。
国際公開第2019243964号パンフレットは、MALT1阻害剤としてのピラゾロ誘導体を説明する。
国際公開第2019243965号パンフレットは、MALT1阻害剤としてのピラゾロ誘導体を説明する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、式(I)
【化1】

(式中、
は、水素、C1~4アルキル、若しくはC3~6シクロアルキルを表し;
は、水素、C1~4アルキル、若しくはC3~6シクロアルキルを表し;及び
は、水素を表すか;
又は
及びRは、一緒に、二価ラジカル-R-R-を形成し、-R-R-は、-(CH-若しくは-CH-O-(CH-を表し、nは、2、3、4、若しくは5を表し;及び
は、水素を表すか;
又は
は、水素、C1~4アルキル、若しくはC3~6シクロアルキルを表し;
及びRはまとめて、これらが結合している炭素原子と一緒に、C3~6シクロアルキルを形成し;
は、水素、-OR、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、ハロ、-CN、C3~6シクロアルキル、Het、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~4アルキル、-NR6a7a、及び-C(=O)NR6b7bからなる群から選択され;
2a及びR2bは、それぞれ独立して、水素、-O-C1~4アルキル、ハロ、-NR6c7c、C3~6シクロアルキル、C1~4アルキル、及び、1個、2個、又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され;
は、N又はCRを表し;
は、N又はCRを表し;
但し、X及びXの一方のみは、いかなる場合もNであり;
は、水素、C1~4アルキル、又は-O-C1~4アルキルを表し;
は、ハロ、シアノ、又はトリフルオロメチルを表し;
は、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、Het、並びに、-OH、ハロ、-C(=O)-NR、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、及びフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個又は2個の置換基で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され;
6a、R6b、R6c、R7a、R7b、R7c、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
Hetは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の非芳香族ヘテロシクリルを表し;
Hetは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の非芳香族ヘテロシクリルを表し;
は、1個、2個、若しくは3個のハロ置換基でそれぞれ任意選択的に置換されているC1~4アルキル若しくは-O-C1~4アルキルを表すか;
又は
は、C1~4アルキル及び1個の-OHで置換されているC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で、1個若しくは2個の炭素原子上でそれぞれ任意選択的に置換されている、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル若しくはC3~6シクロアルキルを表し;
は、水素を表す)
の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態を対象にする。
【0011】
当業者は、本発明の文脈における式(I)の下記の全ての言及は、たとえ明示的に言及されていなくても、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、又は薬学的に許容される塩形態にも言及する可能性があること、及びこれらも本発明の範囲に含まれることを理解するだろう。
【0012】
本発明はまた、薬学的に許容される担体、薬学的に許容される添加剤、及び/又は薬学的に許容される希釈剤と、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩形態とを含み、からなり、及び/又はから本質的になる医薬組成物も提供する。
【0013】
同様に提供されるのは、医薬組成物を製造するプロセスであって、式(I)の化合物と、薬学的に許容される単体、薬学的に許容される添加剤、及び/又は薬学的に許容される希釈剤とを混合することを含み、からなり、及び/又はから本質的になるプロセスである。
【0014】
本発明は、式(I)の化合物を使用して、対象(例えば、哺乳動物及び/又はヒト)の疾患、症候群、状態、又は障害を処置するか又は寛解させる方法であって、この疾患、症候群、又は状態は、MALT1の阻害による影響を受けており、癌及び/又は免疫疾患が挙げられるがこれらに限定されない、方法をさらに提供する。
【0015】
本発明はまた、薬物の調製における本明細書で説明されている化合物の内のいずれかの使用であって、この薬物は、MALT1の阻害による影響を受けている疾患、症候群、状態、又は障害(例えば、癌及び/又は免疫疾患)の処置のために調製される、使用も対象とする。
【0016】
本発明はまた、MALT1の阻害剤として機能する式(I)の化合物の調製も対象とする。
【0017】
例示的には、本発明は、リンパ腫、白血病、癌腫、及び肉腫、例えば非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリーセル白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、巨核芽球性白血病、急性巨核球白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、脳(神経膠腫)、神経膠芽腫、乳癌、結腸直腸/結腸癌、前立腺癌、肺癌、例えば非小細胞、胃癌、子宮内膜癌、黒色腫、膵癌、肝癌、腎癌(kidney cancer)、扁平上皮癌、卵巣癌、肉腫、骨肉腫、甲状腺癌、膀胱癌、頭頸部癌、精巣癌、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、子宮頸癌、腎癌(renal cancer)、尿路上皮癌、外陰癌、食道癌、唾液腺癌、上咽頭癌、頬癌、口腔癌、並びにGIST(消化管間質腫瘍)からなる群から選択される、MALT1により媒介される疾患、症候群、状態、又は障害を処置する方法であって、本発明で説明されている化合物又は医薬組成物の内のいずれかの治療上有効な量を、必要な対象に投与することを含む、からなる、及び/又はから本質的になる方法である。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、リンパ腫、白血病、癌腫、及び肉腫、例えば非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリーセル白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、巨核芽球性白血病、急性巨核球白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、脳(神経膠腫)、神経膠芽腫、乳癌、結腸直腸/結腸癌、前立腺癌、肺癌、例えば非小細胞、胃癌、子宮内膜癌、黒色腫、膵癌、肝癌、腎癌(kidney cancer)、扁平上皮癌、卵巣癌、肉腫、骨肉腫、甲状腺癌、膀胱癌、頭頸部癌、精巣癌、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、子宮頸癌、腎癌(renal cancer)、尿路上皮癌、外陰癌、食道癌、唾液腺癌、上咽頭癌、頬癌、口腔癌、並びにGIST(消化管間質腫瘍)からなる群から選択される、MALT1の阻害の影響を受けている疾患、症候群、状態、又は障害の処置での使用のための式(I)の化合物を対象とする。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、リンパ腫、白血病、癌腫、及び肉腫、例えば非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリーセル白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、巨核芽球性白血病、急性巨核球白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、脳(神経膠腫)、神経膠芽腫、乳癌、結腸直腸/結腸癌、前立腺癌、肺癌、例えば非小細胞、胃癌、子宮内膜癌、黒色腫、膵癌、肝癌、腎癌(kidney cancer)、扁平上皮癌、卵巣癌、肉腫、骨肉腫、甲状腺癌、膀胱癌、頭頸部癌、精巣癌、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、子宮頸癌、腎癌(renal cancer)、尿路上皮癌、外陰癌、食道癌、唾液腺癌、上咽頭癌、頬癌、口腔癌、並びにGIST(消化管間質腫瘍)からなる群から選択される、MALT1の阻害による影響を受けている疾患、症候群、状態、又は障害の処置のための、式(I)の化合物を含む組成物を対象とする。
【0020】
別の実施形態では、本発明は、リンパ腫、白血病、癌腫、及び肉腫、例えば非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリーセル白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、巨核芽球性白血病、急性巨核球白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、脳(神経膠腫)、神経膠芽腫、乳癌、結腸直腸/結腸癌、前立腺癌、肺癌、例えば非小細胞、胃癌、子宮内膜癌、黒色腫、膵癌、肝癌、腎癌(kidney cancer)、扁平上皮癌、卵巣癌、肉腫、骨肉腫、甲状腺癌、膀胱癌、頭頸部癌、精巣癌、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、子宮頸癌、腎癌(renal cancer)、尿路上皮癌、外陰癌、食道癌、唾液腺癌、上咽頭癌、頬癌、口腔癌、並びにGIST(消化管間質腫瘍)からなる群から選択される、MALT1の阻害による影響を受けている疾患、症候群、状態、又は障害の処置のための、式(I)の化合物を含む組成物を対象とする。
【0021】
別の実施形態では、本発明は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、及び粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫からなる群から選択される、MALT1の阻害による影響を受けている疾患、症候群、状態、又は障害の処置のための、式(I)の化合物を含む組成物を対象とする。
【0022】
本発明のある実施形態は、MALT1の阻害による影響を受けている免疫疾患の処置のための、式(I)の化合物を含む組成物であって、この免疫疾患として、自己免疫障害及び炎症性障害、例えば、関節炎、炎症性腸疾患、胃炎、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、膵炎、クローン病、セリアック病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、リウマチ熱、痛風、臓器拒絶反応又は移植片拒絶反応、慢性同種移植片拒絶反応、急性又は慢性の移植片対宿主病、皮膚炎、例えばアトピー、皮膚筋炎、乾癬、ベーチェット病、ぶどう膜炎、重症筋無力症、グレーブス病、橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、水疱症、抗体媒介性血管炎症候群、免疫複合体脈管炎、アレルギー性疾患、喘息、気管支炎、慢性障害肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、肺炎、肺疾患、例えば、浮腫、塞栓症、繊維症、サルコイドーシス、高血圧、及び気腫、ケイ肺症、呼吸不全、急性呼吸促迫症候群、BENTA病、ベリリウム症、並びに多発性筋炎が挙げられるが、これらに限定されない、組成物を対象とする。
【0023】
別の実施形態では、本発明は、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎(PsA)、乾癬(Pso)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病、全身性エリテマトーデス(SLE)、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群から選択される、MALT1の阻害による影響を受けている疾患、症候群、状態、又は障害の処置のための、式(I)の化合物を含む組成物を対象とする。
【0024】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物を含む医薬組成物を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0025】
置換基に関して、用語「独立して」は、いくつかの置換基が互いに独立して選択され及び互いに同一であってもよく又は異なっていてもよい状況を指す。
【0026】
接頭辞「Cx~y」(式中、x及びyは、整数である)は、本明細書で使用される場合、所与の基中の炭素原子の数を指す。そのため、C1~4アルキル基は、1~4個等の炭素原子を含む。
【0027】
用語「C1~4アルキル」は、本明細書で基又は基の一部として使用される場合、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素ラジカル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル等)を表す。
【0028】
用語「C2~4アルケニル」は、本明細書で基又は基の一部として使用される場合、2~4個の炭素原子を含み及び炭素炭素二重結合を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素基(例えば、限定されないが、エテニル、プロペニル、ブテニル等)を表す。
【0029】
「非芳香族ヘテロシクリル」は、芳香族性を有しない不飽和複素環系、部分的に飽和した及び完全に飽和した複素環系を包含する。用語「部分的に飽和した」は、環構造が少なくとも1つの多重結合(例えばC=C、N=C結合)を含む環を指す。用語「完全に飽和した」は、環原子間に多重結合がない環を指す。当業者は、「非芳香族ヘテロシクリル」は、特記されない限り、又は文脈から明確な限り、N、O、又はS等の少なくとも1つのヘテロ原子を含むことを理解するだろう。
【0030】
窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の非芳香族ヘテロシクリルの非限定的な例として下記が挙げられるが、これらに限定されない:アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、及びチオモルホリニル。
【0031】
用語「C3~6シクロアルキル」は、本明細書で基又は基の一部として使用される場合、3~6個の炭素原子を有する飽和した環状炭化水素ラジカル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル)を定義する。
【0032】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を指す。
【0033】
立体中心での標識「R」は、この立体中心が、純粋に、当該技術分野で定義されているR-立体配置であることを指定し、同様に、標識「S」は、この立体中心が、純粋にS-立体配置であることを意味する。本明細書で使用される場合、立体中心での標識「*R」又は「*S」は、この立体中心が純粋ではあるが未知の絶対立体配置であることを指定するために使用される。本明細書で使用される場合、標識「RS」は、R-立体配置及びS-立体配置の混合として存在する立体中心を指す。
【0034】
立体結合が指定されることなく描かれた1つの立体中心を含む化合物は、2種のエナンチオマーの混合物である。両方とも立体結合が指定されることなく描かれた2つの立体中心を含む化合物は、4種のジアステレオマーの混合物である。
【0035】
立体結合が指定されることなく描かれた非標識立体中心は、R-立体配置及びS-立体配置の混合物である。立体結合が指定されて描かれた非標識立体中心の場合には、相対的な立体化学及び絶対的な立体化学は、描写された通りである。
【0036】
別途注記されない限り、分子中の特定の位置での任意の置換基又は可変要素の定義は、この分子中の他の箇所でのその定義から独立していることが意図されている。本発明の化合物上の置換基及び置換パターンは、化学的に安定している化合物を得るために当業者により選択され得ること、並びに当該技術分野で既知の技術及び本明細書に記載されている方法により容易に合成され得ることが理解される。
【0037】
用語「対象」は、処置、観察、又は実験の目的物となっている動物を指し、好ましくは哺乳動物を指し、最も好ましくはヒトを指す。
【0038】
用語「治療上有効な量」は、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医により求められている組織系、動物、又はヒトでの生物学的反応又は医薬的反応(例えば、酵素若しくはタンパク質の活性の減少若しくは阻害、又は症状の寛解、状態の軽減、疾患進行の遅延(slowing)若しくは遅延(delaying)、又は疾患の予防)を誘発する、活性化合物又は医薬品(例えば、本発明の化合物)の量を指す。
【0039】
一実施形態では、用語「治療上有効な量」は、対象に投与された場合に、(1)(i)MALT1により媒介されるか;又は(ii)MALT1活性と関連しているか;又は(iii)MALT1の(正常な若しくは異常な)活性を特徴とする状態、又は障害、又は疾患を少なくとも部分的に軽減し、阻害し、予防し、及び/又は寛解させるのに有効であるか;又は(2)MALT1の活性を減少させるか若しくは阻害するのに有効であるか;又は(3)MALT1の発現を減少させるか若しくは阻害するのに有効であるか;又は(4)MALT1のタンパク質レベルを変更するのに有効である、本発明の化合物の量を指す。
【0040】
用語「組成物」は、治療上有効な量で特定の成分を含む生成物、及び特定の量での特定の成分の組み合わせから直接的に又は間接的に得られる任意の生成物を指す。
【0041】
用語「MALT1媒介性」は、MALT1の非存在下で生じる可能性があるが、MALT1の存在下で生じ得るあらゆる疾患、症候群、状態、又は障害を指す。MALT1により媒介される疾患、症候群、状態、又は障害の適切な例として下記が挙げられるが、これらに限定されない:リンパ腫、白血病、癌腫、及び肉腫、例えば非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリーセル白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、巨核芽球性白血病、急性巨核球白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、脳(神経膠腫)、神経膠芽腫、乳癌、結腸直腸/結腸癌、前立腺癌、肺癌、例えば非小細胞、胃癌、子宮内膜癌、黒色腫、膵癌、肝癌、腎癌(kidney cancer)、扁平上皮癌、卵巣癌、肉腫、骨肉腫、甲状腺癌、膀胱癌、頭頸部癌、精巣癌、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、子宮頸癌、腎癌(renal cancer)、尿路上皮癌、外陰癌、食道癌、唾液腺癌、上咽頭癌、頬癌、口腔癌、並びにGIST(消化管間質腫瘍)。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「MALT1阻害剤」は、MALT1の少なくとも1種の状態、症状、障害、及び/又は疾患を阻害するか又は軽減する薬剤を指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、別途注記されない限り、(MALT1の阻害による影響を受けている疾患、症候群、状態、又は障害を指す場合の)用語「影響を及ぼす」又は「影響を受けている」は、前記疾患、症候群、状態、若しくは障害の1種若しくは複数種の症状若しくは徴候の頻度及び/若しくは重症度の低下を含み;並びに/又は前記疾患、症候群、状態、若しくは障害の1種若しくは複数種の症状若しくは徴候の発生又はこの疾患、状態、症候群、若しくは障害の発生の予防を含む。
【0044】
本明細書で使用される場合、任意の疾患、状態、症候群、又は障害の用語「処置する」、「処置すること」、又は「処置」は、一実施形態では、この疾患、状態、症候群、又は障害の寛解(即ち、この疾患又はその臨床症状の内の少なくとも1種の発生の遅延、又は抑止、又は軽減)を指す。別の実施形態では、「処置する」、「処置すること」、又は「処置」は、患者が認識し得ない場合があるものを含む少なくとも1種の身体パラメータの軽減又は寛解を指す。さらなる実施形態では、「処置する」、「処置すること」、又は「処置」は、疾患、状態、症候群、又は障害の身体的な(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的な(例えば、身体パラメータの安定化)、又は両方のいずれかの調節を指す。さらに別の実施形態では、「処置する」、「処置すること」、又は「処置」は、疾患、状態、症候群、又は障害の発症、又は発生、又は進行の予防又は遅延を指す。
【0045】
本発明の化合物は、MALT1の阻害による影響を受けている疾患、症候群、状態、又は障害を処置するか又は寛解させる方法で有用である。そのような方法は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩の治療上有効な量を、そのような処置、寛解、及び/又は予防が必要な対象(例えば、動物、哺乳動物、及びヒト)に投与することを含む、からなる、及び/又はから本質的になる。
【0046】
本発明の一実施形態は、必要な対象(例えば、処置が必要な動物、哺乳動物、及びヒト)のMALT1依存性か又はMALT1媒介性の疾患又は状態を処置する方法であって、式(I)の化合物の治療上有効な量をこの対象に投与することを含む方法を対象とする。
【0047】
別の実施形態では、MALT1依存性か又はMALT1媒介性の疾患又は状態は、造血起源の癌又は固形腫瘍(例えば、慢性骨髄性白血病、骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、及び他のB細胞リンパ腫)から選択される。
【0048】
具体的には、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態は、疾患、症候群、状態、又は障害(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、及び粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫)の処置又は寛解に有用である。
【0049】
より具体的には、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、及び粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫の処置又は寛解であって、本明細書で定義されている式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態の治療上有効な量を、必要な対象に投与することを含む処置又は寛解に有用である。
【0050】
さらに、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態は、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎(PsA)、乾癬(Pso)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病、全身性エリテマトーデス(SLE)、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群から選択される免疫学的な疾患、症候群、障害、又は状態の処置又は寛解に有用である。
【0051】
本発明の実施形態は、式(I)
(式中、
は、C1~4アルキル又はC3~6シクロアルキルを表し;
は、C1~4アルキルを表し;及び
は、水素を表し;
は、水素、-OR、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、ハロ、-CN、C3~6シクロアルキル、Het、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~4アルキル、-NR6a7a、及び-C(=O)NR6b7bからなる群から選択され;
2a及びR2bは、それぞれ独立して、水素、-NR6c7c、C3~6シクロアルキル、C1~4アルキル、及び、1個、2個、又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され;
は、N又はCRを表し;
は、N又はCRを表し;
但し、X及びXの一方のみは、いかなる場合もNであり;
は、水素、C1~4アルキル、又は-O-C1~4アルキルを表し;
は、ハロ、シアノ、又はトリフルオロメチルを表し;
は、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、Het、並びに、-C(=O)-NR、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、及びフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個又は2個の置換基で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され;
6a、R6b、R6c、R7a、R7b、R7c、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
Hetは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の非芳香族ヘテロシクリルを表し;
Hetは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の非芳香族ヘテロシクリルを表し;
は、それぞれ1個、2個、若しくは3個のハロ置換基で任意選択的に置換されている-O-C1~4アルキルを表すか;
又は
は、C1~4アルキル及び1個の-OHで置換されているC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で、1個の炭素原子上でそれぞれ任意選択的に置換されている、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル若しくはC3~6シクロアルキルを表し;
は、水素を表す)
の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態を含む。
【0052】
本発明の実施形態は、式(I)
(式中、
は、C1~4アルキルを表し;
は、C1~4アルキルを表し;及び
は、水素を表し;
は、-OR、ハロ、及び-CNからなる群から選択され;
2aは、水素を表し;
2bは、水素、-NR6c7c、及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
は、CRを表し;
は、Nを表し;
は、水素を表し;
は、トリフルオロメチルを表し;
は、C1~4アルキルを表し;
6c及びR7cは、水素を表し;
は、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イルを表す)
の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態を含む。
【0053】
本発明の実施形態は、式(I)
(式中、
は、C1~4アルキルを表し;
は、C1~4アルキルを表し;及び
は、水素を表し;
は、ハロ及び-CNからなる群から選択され;
2aは、水素を表し;
2bは、水素、-NR6c7c、C1~4アルキル、及び、1個、2個、又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキルを表し;
は、CRを表し;
は、Nを表し;
は、水素又は-O-C1~4アルキルを表し;
は、ハロ又はトリフルオロメチルを表し;
6c及びR7cは、水素を表し;
は、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イルを表す)
の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態を含む。
【0054】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、水素、C1~4アルキル、又はC3~6シクロアルキルを表し;
は、水素、C1~4アルキル、又はC3~6シクロアルキルを表し;及び
は、水素を表す。
【0055】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
及びRは、一緒に、二価ラジカル-R-R-を形成し、-R-R-は、-(CH-若しくは-CH-O-(CH-を表し、nは、2、3、4、若しくは5を表し;及び
は、水素を表す。
【0056】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、水素、C1~4アルキル、又はC3~6シクロアルキルを表し;
及びRはまとめて、これらが結合している炭素原子と一緒に、C3~6シクロアルキルを形成する。
【0057】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、-OR、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、ハロ、-CN、C3~6シクロアルキル、Het、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~4アルキル、-NR6a7a、及び-C(=O)NR6b7bからなる群から選択される。
【0058】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
2aは、水素を示す。
【0059】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
2aは、水素を表し;及び
2bは、水素、-NR6c7c、C1~4アルキル、及び、1個、2個、又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキルを表す。
【0060】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、それぞれ1個、2個、又は3個のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1~4アルキル又は-O-C1~4アルキルを表す。
【0061】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、C1~4アルキル及び1個の-OHで置換されているC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で、1個又は2個の炭素原子上でそれぞれ任意選択的に置換されている、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル又はC3~6シクロアルキルを表す。
【0062】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、C1~4アルキル及び-CH(OH)-C0~3アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で、1個又は2個の炭素原子上でそれぞれ任意選択的に置換されている、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル又はC3~6シクロアルキルを表す。
【0063】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、1個、2個、若しくは3個のハロ置換基でそれぞれ任意選択的に置換されているC1~4アルキル若しくは-O-C1~4アルキルを表すか;
又は
は、C1~4アルキル及び-CH(OH)-C0~3アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で、1個又は2個の炭素原子上でそれぞれ任意選択的に置換されている、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル若しくはC3~6シクロアルキルを表す。
【0064】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イルを表す。
【0065】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、Nを表し;及び
は、CRを表す。
【0066】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、CRを表し;及び
は、Nを表す。
【0067】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
は、CRを表し;及び
は、CRを表す。
【0068】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
6c及びR7cは、水素を表す。
【0069】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
Hetは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の完全に飽和したヘテロシクリルを表し;
Hetは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の完全に飽和したヘテロシクリルを表す。
【0070】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、
Hetは、1個の酸素原子を含む単環式の4~7員の完全に飽和したヘテロシクリルを表し;
Hetは、1個の酸素原子を含む単環式の4~7員の完全に飽和したヘテロシクリルを表す。
【0071】
ある実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態、又は他の実施形態の内のいずれかで言及されているこれらの任意の部分群に関し、式中、Het及びHetは、オキセタニルを表し、特に3-オキセタニルを表す。
【0072】
医薬で使用される場合、式(I)の化合物の塩は、無毒の「薬学的に許容される塩」を指す。しかしながら、他の塩も、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩形態の調製において有用であり得る。式(I)の化合物の好適な薬学的に許容される塩として、例えば、この化合物の溶液と、薬学的に許容される酸(例えば、塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、又はリン酸)の溶液とを混合することにより形成され得る酸付加塩が挙げられる。さらに、式(I)の化合物が酸部分を有する場合には、この薬学的に許容される好適な塩として、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩);アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩);及び好適な有機リガンドと形成される塩(例えば第四級アンモニウム塩)が挙げられ得る。そのため、代表的な薬学的に許容される塩として、下記が挙げられる:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル化物、トリエチオダイド、及び吉草酸塩。
【0073】
薬学的に許容される塩の調製で使用され得る代表的な酸及び塩基として、下記が挙げられる:酸、例えば、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、(+)-樟脳酸、カンファースルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルコロン酸(D-glucoronic acid)、L-グルタミン酸、α-オキソ-グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)-L-乳酸、(±)-DL-乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロット酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、リン酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、及びウンデシレン酸;並びに塩基、例えば、アンモニア、L-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、L-リシン、水酸化マグネシウム、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン、及び水酸化亜鉛。
【0074】
本発明の実施形態は、式(I)の化合物のプロドラッグを含む。一般に、そのようなプロドラッグは、必要な化合物へとインビボで容易に変換可能な、化合物の機能的誘導体であるだろう。そのため、本発明の処置するか又は予防する方法の実施形態では、用語「投与する」は、具体的に開示されている化合物によるか、又は具体的には開示されていない可能性があるが患者への投与後にインビボで指定の化合物へと変換する化合物による、説明されている様々な疾患、状態、症状、及び障害の処置又は予防を包含する。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製についての従来の手順は、例えば“Design of Prodrugs”,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985で説明されている。
【0075】
当業者は、本明細書で説明されている化合物が互変異性体として存在し得ること、及び本明細書で示されている構造の他の互変異性配置が可能であることを認識するだろう。互変異性体は、容易に相互変換する構造異性体である。たとえ具体的に示されていなくても、化合物の基の1つの可能な互変異性配置が説明されている構造により全ての互変異性形態が包含されることが理解される。
【0076】
本発明の実施形態に係る化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合には、それに応じて、この化合物はエナンチオマーとして存在し得る。この化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合は、この化合物は、ジアステレオマーとしてさらに存在し得る。全てのそのような異性体及びそれらの混合物は本発明の範囲内に包含されることを理解されたい。さらに、この化合物の結晶形の内のいくつかは多形として存在し得、それ自体は本発明に含まれることが意図されている。加えて、化合物の内のいくつかは、水(即ち水和物)又は一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成し得、そのような溶媒和物も本発明の範囲に包含されることが意図されている。当業者は、本明細書で使用される化合物という用語が式(I)の溶媒和化合物を含むことを意味することを理解するだろう。
【0077】
本発明のある特定の実施形態に係る化合物の調製プロセスにより立体異性体の混合物が生じる場合には、これらの異性体を、分取クロマトグラフィー等の従来の技術により分離し得る。化合物をラセミ体で調製してもよいし、個々のエナンチオマーをエナンチオ特異的な合成によるか又は分割により調製してもよい。化合物を、例えば、標準的な技術(光学的に活性な酸(例えば、(-)-ジ-p-トルオイル-d-酒石酸及び/又は(+)-ジ-p-トルオイル-l-酒石酸)との塩形成によるジアステレオマー対の形成、その後の分別結晶及び遊離塩基の再生)により、化合物を構成するエナンチオマーへと分割し得る。この化合物を、ジアステレオマーエステル又はジアステレオマーアミドの形成、その後のクロマトグラフィーによる分離及びキラル補助基の除去によっても分割し得る。或いは、この化合物を、キラルHPLCカラムを使用して分割し得る。
【0078】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物の(+)-エナンチオマーを含み、からなり、及び/又はから本質的になる組成物(例えば医薬組成物)であって、前記化合物の(-)-異性体を実質的に含まない、組成物を対象とする。本文脈では、実質的に含まないとは、
【数1】

として算出される(-)-異性体が約25%未満であり、好ましくは約10%未満であり、より好ましくは約5%未満であり、さらにより好ましくは約2%未満であり、さらにより好ましくは約1%未満であることを意味する。
【0079】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物の(-)-エナンチオマーを含み、からなり、及び/又はから本質的になる組成物(例えば医薬組成物)であって、前記化合物の(+)-異性体を実質的に含まない組成物である。本文脈では、実質的に含まないとは、
【数2】

として算出される(+)-異性体が約25%未満であり、好ましくは約10%未満であり、より好ましくは約5%未満であり、さらにより好ましくは約2%未満であり、さらにより好ましくは約1%未満であることを意味する。
【0080】
本発明の範囲内では、特に式(I)の化合物に関連して言及される場合には、任意の1つ又は複数の要素は、天然の存在量で又は同位体的に富化された形態で、天然に存在するか又は合成により製造された、前記要素の全ての同位体及び同位体混合物を含むであろうことが意図されている。例えば、水素への言及は、その範囲内に、H、H(D)、及びH(T)を含む。同様に、炭素及び酸素への言及は、それらの範囲内に、それぞれ12C、13C、及び14C、並びに16O及び18Oを含む。同位体は、放射性であってもよく、又は非放射性であってもよい。放射標識された式(I)の化合物は、H、11C、18F、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Br、及び82Brの群から選択される1つ又は複数の放射性同位体を含み得る。好ましくは、この同位体は、H、H、11C、及び18Fの群から選択される。特に、重水素化化合物は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0081】
本発明の様々な実施形態の化合物の調製プロセスのいずれかの最中に、関与している分子の内のいずれかでの感応基又は反応基を保護することが必要な及び/又は望ましい場合がある。このことは、従来の保護基により達成され得、例えば、Protective Groups in Organic Chemistry,Second Edition,J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;T.W.Greene&P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons,1991;及びT.W.Greene&P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,John Wiley&Sons,1999で説明されているものにより達成され得る。この保護基を、当該技術分野から既知の方法を使用して、その後の簡便な段階で除去し得る。
【0082】
本発明の実施形態の化合物(この薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される溶媒和物を含む)を単独で投与し得るにもかかわらず、化合物は、一般的には、意図された投与経路及び標準的な薬学的実践又は獣医学的実践に関して選択された薬学的に許容される担体、薬学的に許容される添加剤、及び/又は薬学的に許容される希釈剤との混合物で投与されるであろう。そのため、本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、薬学的に許容される添加剤、及び/又は薬学的に許容される希釈剤とを含む医薬組成物及び獣医用組成物を対象とする。
【0083】
例として、本発明の実施形態の医薬組成物では、式(I)の化合物は、任意の適切な結合剤、潤滑剤、懸濁化剤、コーティング剤、可溶化剤、及びこれらの組み合わせと混合され得る。
【0084】
本発明の化合物を含む固体経口剤形(例えば、錠剤又はカプセル剤)は、必要に応じて一度に少なくとも1つの剤形で投与され得る。この化合物を徐放性製剤で投与することも可能である。
【0085】
本発明の化合物を投与し得る更なる経口剤形として、エリキシル剤、溶剤、シロップ剤、及び懸濁剤が挙げられ、それぞれは、着香剤及び着色剤を任意選択的に含む。
【0086】
代わりに、式(I)の化合物を、吸入(気管内若しくは鼻腔内)で投与し得るか、又は座薬若しくはペッサリーの形態で投与し得るか、又はローション、溶液、クリーム、軟膏、若しくは散布剤の形態で局所的に投与し得る。例えば、式(I)の化合物を、ポリエチレングリコール又は流動パラフィンの水性エマルションを含み、からなり、及び/又はから本質的になるクリームに組み込み得る。クリームの約1重量%~約10重量%の濃度にて、必要に応じて任意の安定剤及び保存料と一緒に、ワックス又は軟質パラフィンベースを含み、からなり、及び/又はから本質的になる軟膏にも組み込み得る。投与の代替手段として、皮膚パッチ又は経皮パッチを使用することによる経皮投与が挙げられる。
【0087】
同様に、本発明の医薬組成物(及び本発明の化合物のみ)を非経口注射し得、例えば、陰茎海綿体内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、又は髄腔内に注射し得る。この場合、この組成物は、適切な担体、適切な添加剤、及び適切な希釈剤の内の少なくとも1つも含むであろう。
【0088】
非経口投与の場合、本発明の医薬組成物を、他の物質(例えば、この溶液を血液と等張にするのに十分な塩及び単糖)を含み得る無菌水溶液の形態で使用することが最良である。
【0089】
頬側投与又は舌下投与の場合、本発明の医薬組成物を、従来の方法で製剤化され得る錠剤又はロゼンジ剤の形態で投与し得る。
【0090】
さらなる例として、活性成分として式(I)の化合物の内の少なくとも1つを含む医薬組成物を、従来の医薬配合技術に従って、この化合物と、薬学的に許容される担体、薬学的に許容される希釈剤、及び/又は薬学的に許容される添加剤とを混合することにより、調製し得る。これらの担体、添加剤、及び希釈剤は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口等)に応じて多様な形態を取り得る。そのため、液体経口調製物(例えば、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、及び溶剤)の場合には、適切な担体、添加剤、及び希釈剤として、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、保存料、安定剤、着色剤、及び同様のものが挙げられ、固体経口調製物(例えば、散剤、カプセル、剤及び錠剤)の場合には、適切な担体、添加剤、及び希釈剤として、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、及び同様のものが挙げられる。固体経口調製物はまた、任意選択的に、糖等の物質でコーティングされ得るか、又は吸収及び崩壊の主要な場所を調整するために腸溶コーティングされ得る。非経口投与の場合には、これらの担体、添加剤、及び希釈剤として、通常は無菌水が挙げられ、組成物の溶解性及び保存を高めるために他の成分を添加し得る。可溶化剤及び保存料等の適切な添加剤と一緒に水性担体を利用して、注射可能な懸濁液又は溶液も調製し得る。
【0091】
式(I)の化合物又はその医薬組成物の治療上有効な量として、約0.1mg~約3000mgの用量範囲、又はこの範囲内の任意の特定の量若しくは範囲が挙げられるが、式(I)の化合物の治療上有効な量は、処置される疾患、症候群、状態、及び障害によって異なるであろうことが当業者に明らかである。
【0092】
投与される式(I)の化合物の最適な投与量は、容易に決定され得、及び使用される特定の化合物、投与様式、調製物の強度、及び疾患、症候群、状態、又は障害の発達により変わるであろう。加えて、処置される特定の対象と関連する要因(例えば、対象の性別、年齢、体重、食事、及び投与時間)により、適切な治療レベル及び所望の治療効果を達成するために用量を調整する必要が生じるであろう。そのため、上記の投与量は、平均的な場合の例示である。当然のことながら、より高い投与量範囲又はより低い投与量範囲がメリットである個々の例が存在し得、そのようなものは、本発明の範囲内である。
【0093】
式(I)の化合物を、必要な対象にとって式(I)の化合物の使用が必要である場合には常に、前述の組成物及び投与レジメンの内のいずれかで投与し得るか、又は当該技術分野で確立されている組成物及び投与レジメンにより投与し得る。
【0094】
本発明の化合物がMALT1活性を阻害することが見出されている。
【0095】
いくつかの実施形態では、提供される化合物によるMALT1の阻害は、本明細書で説明されている癌の非限定的なリストの処置又は予防(特に処置)に有用であり得る。
【0096】
本発明は、薬物としての使用のための式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態に関する。
【0097】
本発明は、MALT1活性の阻害での使用のための式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態に関する。
【0098】
本発明は、本明細書で言及されている疾患の処置での使用のための式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態に関する。
【0099】
本発明は、前記疾患の処置又は予防、特に処置のための式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態に関する。
【0100】
本発明は、MALT1媒介性の疾患又は状態の処置又は予防、特に処置のための式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態に関する。
【0101】
本発明は、薬物の製造のための式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態に関する。
【0102】
本発明は、MALT1の阻害のための薬物の製造のための式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態に関する。
【0103】
本発明は、本明細書で言及されている病状の内のいずれか1つの処置又は予防、特に処置のための薬物の製造のための式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態に関する。
【0104】
本発明は、本明細書で言及されている病状の内のいずれか1つの処置のための薬物の製造のための式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態に関する。
【0105】
本発明は、本明細書で言及されている疾患の内のいずれか1つの処置又は予防のために哺乳動物、好ましくはヒトに投与され得る式(I)の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態に関する。
【0106】
式(I)の化合物又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態の有用性を考慮して、本明細書で言及されている疾患の内のいずれか1つに罹患している温血動物、例えばヒトを処置する方法、又は温血動物、例えばヒトが本明細書で言及されている疾患の内のいずれか1つに罹患するのを予防する方法が提供される。
【0107】
ある実施形態では、本発明のMALT1阻害剤による処置から利益を受け得る癌として下記が挙げられるが、これらに限定されない:リンパ腫、白血病、癌腫、及び肉腫、例えば非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、ヘアリーセル白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、巨核芽球性白血病、急性巨核球白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、脳(神経膠腫)、神経膠芽腫、乳癌、結腸直腸/結腸癌、前立腺癌、肺癌、例えば非小細胞、胃癌、子宮内膜癌、黒色腫、膵癌、肝癌、腎癌(kidney cancer)、扁平上皮癌、卵巣癌、肉腫、骨肉腫、甲状腺癌、膀胱癌、頭頸部癌、精巣癌、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、子宮頸癌、腎癌(renal cancer)、尿路上皮癌、外陰癌、食道癌、唾液腺癌、上咽頭癌、頬癌、口腔癌、並びにGIST(消化管間質腫瘍)。
【0108】
別の実施形態では、本発明のMALT1阻害剤を免疫疾患の処置に使用し得、この免疫疾患として下記が挙げられるが、これらに限定されない:自己免疫障害及び炎症性障害、例えば関節炎、炎症性腸疾患、胃炎、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、膵炎、クローン病、セリアック病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、リウマチ熱、痛風、臓器拒絶反応又は移植片拒絶反応、慢性同種移植片拒絶反応、急性又は慢性の移植片対宿主病、皮膚炎、例えばアトピー、皮膚筋炎、乾癬、ベーチェット病、ぶどう膜炎、重症筋無力症、グレーブス病、橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、水疱症、抗体媒介性血管炎症候群、免疫複合体脈管炎、アレルギー性疾患、喘息、気管支炎、慢性障害肺疾患(COPD)、嚢胞性繊維症、肺炎、肺疾患、例えば浮腫、塞栓症、繊維症、サルコイドーシス、高血圧及び気腫、ケイ肺症、呼吸不全、急性呼吸促迫症候群、BENTA病、ベリリウム症、並びに多発性筋炎。
【0109】
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物を、1種又は複数の他の薬剤(より具体的には他の抗癌剤(例えば、化学療法剤、抗増殖剤、若しくは免疫調節剤))と組み合わせて用い得るか、又は癌治療でのアジュバント(例えば、免疫抑制剤若しくは抗炎症剤)と組み合わせて用い得る。
【0110】
一般的な合成方法
この項では、全ての他の項と同様に、別途文脈が示さない限り、式(I)への言及は、本明細書で定義されている全ての他の亜群及びその例も含む。
【0111】
式(I)の化合物のいくつかの典型例の一般的な調製は、下記に及び具体例で説明されており、市販されているか又は有機化学の当業者が一般的に使用する標準的な合成プロセスにより調製されている出発物質から一般的に調製される。下記のスキームは、本発明の例を示すことを単に意図したものであって、決して本発明を限定することを意図したものではない。
【0112】
或いは、本発明の中間体又は化合物はまた、国際公開第2018020474号パンフレット、同第2015181747号パンフレット、及び同第2017081641号パンフレットで説明されているのと類似の反応プロトコルも挙げられる当業者により一般に使用される標準的な合成プロセスと組み合わされた、下記の一般的スキーム及び具体例で説明されているのと類似の反応プロトコルによっても調製され得る。
【0113】
当業者は、スキームで説明されている反応では、必ずしも明示的に示されているわけではないが、反応性官能基(例えばヒドロキシ基、アミノ基、又はカルボキシ基)が最終生成物で所望される場合には、これらが不必要に反応に関与するのを回避するために、これらを保護する必要があり得ることを理解するだろう。一般に、従来の保護基を、標準的な実践に従って使用し得る。保護基を、当該技術分野から既知の方法を使用して、その後の簡便な段階で除去し得る。
【0114】
当業者は、スキームで説明されている反応では、例えばNaH、LDA、又はMeMgBrがこの反応で使用される場合には、例えばNガス雰囲気下等の不活性雰囲気下でこの反応を実施することが妥当であり得るか又は必要であり得ることを理解するだろう。
【0115】
当業者には、反応後処理(化学反応の生成物の単離及び精製に必要とされる一連の操作、例えば、クエンチ、カラムクロマトグラフィー、抽出等を指す)の前に、反応混合物を冷却することが必要であり得ることが明らかであるだろう。
【0116】
当業者は、撹拌下で反応混合物を加熱することで反応結果が向上され得ることを理解するであろう。いくつかの反応では、全反応時間を短縮するために、従来の加熱の代わりにマイクロ波加熱を使用し得る。
【0117】
当業者は、下記のスキームで示される化学反応の別の順序によっても式(I)の所望の化合物が得られることを理解するだろう。
【0118】
当業者は、下記のスキームで示される中間体及び最終化合物を、当業者に公知の方法に従って更に官能化し得ることを理解するであろう。本明細書で説明されている中間体及び化合物を、その遊離形態で又は塩若しくは溶媒和物として単離し得る。本明細書で説明されている中間体及び化合物を、当該技術分野で既知の分割手順に従って互いに分離され得る互変異性体及び立体異性体の混合物の形態で合成し得る。
【0119】
下記のスキームで使用される略語に関しては、「実施例」パートでの略語の表を確認されたい。
【0120】
一般的スキーム1
【化2】

スキーム1では、「RG(a)」は、好適な反応基(例えば、ヨード、ブロモ、又はトシル)と定義される。具体的には、スキーム1を使用して、R及びRが一緒ではない中間体を調製し得る。スキーム1中の他の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0121】
スキーム1では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(II)の中間体を、好適な温度範囲(例えば-70℃~室温)で及びホルミルドナー(例えばDMF)の存在下で、典型的には非プロトン性溶媒(例えば無水THF)中の塩基(例えばリチウムジイソプロピルアミド(LDA))と反応させ;
2:式(III)の中間体を、好適な温度範囲(例えば0℃~室温)で、典型的には非プロトン性溶媒(例えば無水THF)中のグリニャール試薬RMgBrと反応させ;
3:式(IV)の中間体を、好適な温度範囲(例えば0℃~室温)で、好適な塩基(例えば水素化ナトリウム(NaH)又はカリウムtert.ブトキシド(KOtBu)又は同類のもの)の存在下にて、典型的には非プロトン性溶媒(例えば無水THF)中のアルキル化剤Ry-RG(a)と反応させる。
【0122】
一般的スキーム1a
【化3】

スキーム1aでは、「RG(a)」は、好適な反応基(例えば、ヨード、ブロモ、トシル)と定義される。具体的には、スキーム1aを使用して、R及びRが一緒ではない中間体を調製し得る。スキーム1a中の他の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0123】
スキーム1aでは、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(II)の中間体を、好適な温度範囲(例えば-70℃~室温)で及びカルボニル源R-C(O)-Rの存在下で、典型的には非プロトン性溶媒(例えば無水THF)中の塩基(例えばLDA)と反応させ;
2:式(IV-a)の中間体を、好適な温度範囲(例えば0℃~室温)で、好適な塩基(例えば(NaH)又は同類のもの)の存在下にて、典型的には非プロトン性溶媒(例えば無水THF)中のアルキル化剤R-RG(a)と反応させる。
【0124】
一般的スキーム2
【化4】

スキーム2中の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0125】
スキーム2では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
式(V-a)の中間体を、好適な温度範囲(例えば60℃~120℃)で、銅触媒(例えばヨウ化銅(I)(CuI))、添加剤(例えばL-プロリン)、及び塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下にて、典型的には溶媒(例えばDMSO)中のアミン源(例えば水性アンモニア)と反応させる。
【0126】
一般的スキーム2a
【化5】

スキーム2a中の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0127】
スキーム2aでは、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(Va)の中間体を、好適な温度範囲(例えば100℃~125℃)で、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(Pd(OAc))又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba)))、リガンド(例えば4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(キサントホス)、及び塩基(例えば炭酸セシウム)の存在下にて、典型的には溶媒(例えばトルエン又は1,4-ジオキサン)中のアミン源(例えばHN-Boc(「Boc」はtert-ブチルオキシカルボニルを意味する))と反応させ;
2:好適な温度範囲(例えば0℃~室温)での、好適な酸(例えば、ジクロロメタン(DCM)中のトリフルオロ酢酸(THF))の存在下。
【0128】
一般的スキーム2b
【化6】

スキーム2b中の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0129】
スキーム2bでは、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(Va)の中間体を、好適な温度範囲(例えば80℃~125℃)で、パラジム触媒(例えばPd(dba))、リガンド(例えばキサントホス又はBINAP)、及び塩基(例えばナトリウム tert.ブトキシド)の存在下にて、典型的には溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中のアミン源(例えばジフェニルメタンイミン)と反応させる。
2:好適な温度範囲(例えば20℃~40℃)での、好適な酸(例えば、ジクロロメタン(DCM)中の1M~4Mの濃度での水性HCl)の存在下。
【0130】
一般的スキーム3
【化7】

スキーム3中の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0131】
スキーム3では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
式(VI-c)の中間体を、好適な温度範囲(例えば100℃~120℃)で、リガンド(例えばdppf)の存在下でのパラジム触媒(例えばPd(dba)又はPd(dppf)Cl)の存在下にて、典型的には溶媒(例えばDMF)中の亜鉛の存在下でのシアン化物源(例えばシアン化亜鉛)と反応させる。
【0132】
一般的スキーム4
【化8】

スキーム4中の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。しかしながら、当業者は、Rは水素でないことを理解するだろう。
【0133】
スキーム4では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
式(V-b)の中間体を、好適な温度範囲(例えば20℃~80℃)で、典型的には溶媒(例えばDMF)中の触媒(例えば銅粉末)の存在下にて、アルコールR-OH及び塩基(例えば水素化ナトリウム)と反応させる。
【0134】
一般的スキーム4a
【化9】

スキーム4aでは、「R5a」は、C1~4アルキル(任意選択的に置換されている)又はC3~6シクロアルキルと定義され;スキーム4a中の他の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0135】
スキーム4aでは、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(VI-e)の中間体を、好適な温度25℃で、任意選択的に、好適な溶媒(例えばメタノール又はTHF)中の酸(例えば塩酸)の存在下にて、パラジウム触媒(例えばパラジウム炭素)の存在下で、典型的には15psiの圧力にて、水素ガスと反応させる。
2:好適な温度範囲(例えば20℃~140℃)での、好適な溶媒(例えばDMF又はDMA)中の添加剤(例えばヨウ化ナトリウム)及び好適な塩基(例えば炭酸セシウム)の存在下での、好適なアルキル化剤(例えばR5a-Br)の存在下。
【0136】
一般的スキーム5
【化10】

スキーム5では、「R1a」は、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、又はC3~6シクロアルキルと定義される。スキーム5中の他の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0137】
スキーム5では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
式(VI-c)の中間体を、好適な温度範囲(例えば90℃~120℃)で、任意選択的に水の存在下にて、並びにパラジウム触媒(例えば[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dtbpf)Cl(CAS95408-45-0)))及び好適な塩基(例えばリン酸カリウム)の存在下にて、典型的には溶媒(例えば1,4-ジオキサン又はトルエン)中のボロン酸エステルと反応させる。或いは、この反応を、好適な温度範囲(例えば100℃~140℃)で、任意選択的に水の存在下にて、好適な溶媒(例えば1,4-ジオキサン又はトルエン)中の塩基(例えばリン酸カリウム)の存在下で、パラジウム触媒(例えばPd(OAc))及び好適なリガンド(例えばトリシクロヘキシルホスフィン)の存在下にて、好適なボロン酸R1a-B(OH)を使用して実施し得る。
【0138】
一般的スキーム5a
【化11】

スキーム5aでは、全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0139】
スキーム5aでは、典型的には、下記の反応条件が適用される:
式(VI-i)の中間体を、好適な温度範囲(例えば90℃~120℃)で、任意選択的に水の存在下にて、並びにパラジウム触媒(例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh))及び好適な塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下にて、典型的には溶媒(例えば1,4-ジオキサン又はトルエン)中の2,4,6-トリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン(CAS823-96-1)と反応させる。
【0140】
一般的スキーム5b
【化12】

スキーム5bでは、「R1b」は、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、又はHet(例えばオキセタン)と定義される。スキーム5b中の他の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0141】
スキーム5bでは、典型的には、下記の反応条件が適用される:
式(VI-i)の中間体を、リガンド(例えば4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ジピリジル(CAS72914-19-3))の存在下で、イリジウム触媒(例えば[4,4’-ビス(tert-ブチル)-2,2’-ビピリジン]ビス[3,5-ジフルオロ-2-[5-トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]フェニル]イリジウム(III)ヘキサフルオロホスフェート((Ir[dF(CF)ppy](dtbpy))PF(CAS 870987-63-6))及びニッケル触媒複合体(例えばNiCl.グライムからなる触媒系の存在下にて、化合物R1b-Brと反応させる。この反応はまた、トリス(トリメチルシリル)シランの存在も必要とし、好適な温度(例えば25℃)で、DME等の溶媒中において例えば青色LED光を使用する照射下で行う。
【0142】
一般的スキーム6
【化13】

スキーム6では、全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0143】
スキーム6では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
式(VI-i)の中間体を、好適な温度範囲(例えば100℃~140℃)で、パラジウム触媒(例えばPd(dba))及び好適な塩基(例えばナトリウム tert.ブトキシド)の存在下にて、典型的には溶媒(例えばトルエン)中のアミンR7a-NH-R6aと反応させる。
【0144】
一般的スキーム7
【化14】

スキーム7では、「R2b-b」は、1個、2個、若しくは3個のハロ原子で任意選択的に置換されているC1~4アルキルか、又はC3~6シクロアルキルと定義される。スキーム7中の他の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0145】
スキーム7では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
式(V-d)の中間体を、任意選択的に強酸(例えば硫酸)の存在下で、酸化剤(例えば過硫酸アンモニウム)、銀塩(例えば硝酸銀)の存在下にて、カルボン酸R2b-b-COHと反応させる。この反応は、好適な温度範囲(例えば60℃~100℃)で、アセトニトリル又はDMSO等の溶媒中で起こる。
【0146】
当業者は、R2aが水素を表す場合には、スキーム7で説明されている反応が2回起こる可能性があること理解するだろう。
【0147】
一般的スキーム8
【化15】

スキーム8では、全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0148】
スキーム8では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(V-f)の中間体を、好適な温度0℃~25℃で、好適な溶媒(例えばジクロロメタン)中の酸化剤(例えばmCPBA)と反応させる。
2:好適な温度範囲(例えば60℃~80℃)での、好適な溶媒(例えばTHF)中の活性化剤(例えばPyBrOP)及び好適な塩基(例えばDIPEA)の存在下での、アミンHNR6c7cの存在下。
【0149】
一般的スキーム9
【化16】

スキーム9では、Xは、CR(式中、Rは、C1~4アルキル又はC3~6シクロアルキルと定義されるRa-aに限定される)に限定される。スキーム9中の他の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0150】
スキーム9では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(VII)の中間体を、好適な温度範囲(例えば100℃~140℃)で、任意選択的にリガンド(例えばトリシクロヘキシルホスフィン(PCy))の存在下にて、パラジウム触媒(例えばPd(OAc))及び好適な塩基(例えばリン酸カリウム)の存在下で、典型的には溶媒(例えばトルエン及び水)中の、Ra-a置換基アミンを含むボロン酸又はボロン酸エステルと反応させる。
2:好適な温度範囲(例えば25℃~65℃)での、好適な溶媒混合物(例えば、メタノール、THF、及び水)中の塩化アンモニウの存在下における、還元剤(例えば鉄)の存在下。
【0151】
一般的スキーム10
【化17】

スキーム10では、全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0152】
スキーム10では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(X-a)の中間体を、温度範囲(例えば25℃~50℃)で、好適な塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下にて、典型的には溶媒(例えばアセトニトリル)中のメチル2H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートと反応させる。
2:好適な温度範囲(例えば25℃~65℃)での、好適な溶媒混合物(例えば、メタノール、THF、及び水)中の塩化アンモニウムの存在下における還元剤(例えば鉄)の存在下。
3:好適な温度範囲(例えば室温)での、任意選択的な、好適な溶媒(例えばTHF)中のトリエチルアミンの存在下における、好適な塩基(例えばDMAP)を使用する、BocOを使用する保護。
4:好適な温度(例えば室温)での、好適な溶媒混合物(例えばTHF及び水)中の水酸化リチウムを使用する加水分解。
5:好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDMF)中の活性化剤(例えばHATU)及び好適な塩基(例えばDIPEA)の存在下においてN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用するWeinrebアミドの形成。
6:式(X-f)の中間体を、好適な温度範囲(例えば0℃~室温)で、典型的には非プロトン性溶媒(例えば無水THF)中のグリニャール試薬C1~3アルキル-MgBrと反応させる。
7:好適な温度(例えば室温)での、例えば、好適な溶媒(例えばメタノール)中の水素化ホウ素ナトリウムを使用する還元。
8:好適な温度(例えば100℃~120℃)で、好適な溶媒(例えばトルエン)中の弱酸(例えばシリカゲル)を使用する脱保護。
【0153】
一般的スキーム10a
【化18】

スキーム10aでは、全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0154】
スキーム10aでは、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(X-d)の中間体を、好適な温度範囲(例えば0℃~室温)で、典型的には非プロトン性溶媒(例えば無水THF)中のグリニャール試薬C1~3アルキル-MgBrと反応させる。
2:好適な温度(例えば100℃~120℃)で、好適な溶媒(例えばトルエン)中の弱酸(例えばシリカゲル)を使用する脱保護。
【0155】
一般的スキーム11
【化19】

スキーム11では、全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0156】
スキーム11では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
式(IX)の中間体を、好適な温度範囲(例えば0℃~20℃)で、好適な塩基(例えばピリジン)の存在下において、典型的には溶媒(例えばTHF)中のクロロギ酸フェニルと反応させる。
【0157】
当業者は、ギ酸フェニル以外の代替の活性化基(例えばイソシアネート)も使用し得ることを理解するだろう。
【0158】
一般的スキーム12
【化20】

スキーム12では、全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0159】
スキーム12では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(VI)の中間体を、好適な温度範囲(例えば0℃~20℃)で、好適な塩基(例えばピリジン)の存在下において、典型的には溶媒(例えばTHF)中のクロロギ酸フェニルと反応させる。
2:式(XII)の中間体を、好適な温度範囲(例えば20℃~80℃)で、好適な塩基(例えば、トリエチルアミン、又はDMAP、又は同類のもの)の存在下において、好適な溶媒(例えばTHF)中の式(IX)の中間体と反応させる。
【0160】
当業者は、ギ酸フェニル以外の代替の活性化基(例えばイソシアネート)も使用し得ることを理解するだろう。
【0161】
一般的スキーム13
【化21】

スキーム13では、全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0162】
スキーム13では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
式(VI)の中間体を、好適な温度範囲(例えば20℃~80℃)で、好適な塩基(例えば、トリエチルアミン、又はDMAP、又は同類のもの)の存在下において、好適な溶媒(例えばTHF)中の式(XI)の中間体と反応させる。
【0163】
当業者は、ギ酸フェニル以外の代替の活性化基(例えばイソシアネート)も使用し得ることを理解するだろう。
【0164】
一般的スキーム14
【化22】

スキーム14では、「R5a」は、C1~4アルキル(任意選択的に置換されている)又はC3~6シクロアルキルと定義される。スキーム14中の他の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0165】
スキーム14では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(I-a)の化合物を、好適な温度25℃で、任意選択的に、好適な溶媒(例えばメタノール又はTHF)中の酸(例えば塩酸)の存在下において、パラジム触媒(例えばパラジウム炭素)の存在下で、典型的には15psi(平方インチ当たりのポンド)の圧力にて、水素ガスと反応させる。
2:好適な温度範囲(例えば0℃~40℃)での、好適な溶媒(例えば、THF、又はDMF、又は同類のもの)中の(E)-ジイソプロピルジアゼン-1,2-ジカルボキシレート(DIAD)及びトリフェニルホスフィン(PPh)の存在下における、アルコールR5a-OHの存在下。
【0166】
一般的スキーム15
【化23】

スキーム15では、「A」は、C1~4アルキルと定義される。スキーム15中の他の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0167】
スキーム15では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒混合物(例えば、THF、及び水、及びエタノール等のアルコール)中の水酸化リチウムを使用する加水分解。
2:好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDMF)中の活性化剤(例えばHATU)及び好適な塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン(DIPEA))の存在下において、一般式HNRのアミンを使用する、化合物(I-c)からのアミドの形成。
【0168】
一般的スキーム
【化24】

スキーム16中の他の全ての可変要素は、本発明の範囲に従って定義される。
【0169】
スキーム16では、典型的には、下記の反応条件が適用される:
1:式(I-g)の化合物を、好適な温度範囲60℃~100℃で、任意選択的にTHFの存在下において、好適な溶媒(例えばC1~4アルキル-OH)中の触媒(例えばPd(dppf)Cl)の存在下で、好適な圧力(例えば60psi)にて、一酸化炭素雰囲気下で処理する。
2:好適な温度範囲20℃~40℃で、任意選択的にTHFの存在下において、好適な溶媒混合物(例えば、水、及びメタノール又はエタノール等のアルコール)中の水酸化リチウムを使用する加水分解。
3:好適な温度(例えば室温)で、好適な溶媒(例えばDMF)中の活性化剤(例えばHATU)及び好適な塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン(DIPEA))の存在下において、一般式HNR6b7bのアミンを使用する、化合物(I-c)からのアミドの形成。
【0170】
本発明の化合物の調製では、中間体の離れた官能基(remote functionality)(例えば第一級アミン)を保護することが必要な場合がある。そのような保護に対する要求は、離れた官能基の性質と、調製法の条件とに応じて変化するだろう。好適なアミノ保護基(NH-Pg)として、t-ブトキシカルボニル(Boc)、アセチルが挙げられる。そのような保護の必要性は、当業者により容易に決定される。
【0171】
適切な官能基が存在する場合には、様々な式の化合物、又はその調製で使用されるあらゆる中間体は、縮合反応、置換反応、酸化反応、還元反応、又は開裂反応を用いる1種又は複数種の標準的な合成法によりさらに誘導体化され得ることが理解されるだろう。具体的な置換アプローチとして、アルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、スルホニル化、ハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化、及びカップリングの手順が挙げられる。
【0172】
式(I)の化合物は、当該技術分野で既知の分割手順に従って互いに分離され得るエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成され得る。塩基性窒素原子を含む式(I)のラセミ化合物は、好適なキラル酸との反応により、対応するジアステレオマー塩形態へと変換され得る。その後、前記ジアステレオマー塩形態は、例えば、選択的結晶化又は分別結晶化により分離され、これからアルカリによりエナンチオマーが遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形態を分離する代替的な方法として、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーが挙げられる。前記純粋な立体化学異性体はまた、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学異性体からも誘導され得るが、但し、この反応は、立体特異的に起こる。
【0173】
本発明の化合物の調製では、中間体の離れた官能基(例えば、第一級アミン又は第二級アミン)を保護することが必要な場合がある。そのような保護に対する要求は、離れた官能基の性質と、調製法の条件とに応じて変化するだろう。好適なアミノ保護基(NH-Pg)として、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(CBz)、及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。そのような保護の必要性は、当業者により容易に決定される。保護基とその使用の概要に関して、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.,Wiley,Hoboken,New Jersey,2007を参照されたい。
【実施例
【0174】
具体例
下記の実施例では、いくつかの合成物が、残留物として単離されているとして列挙される。用語「残留物」は、生成物が単離された物理的状態を限定するものではなく、例えば、固体、油状物、泡状物、ガム、シロップ、及び同類のものを含み得ることを、当業者は理解するだろう。
【0175】
【表1】
【0176】
【表2】
【0177】
【表3】
【0178】
当業者は、下記で説明する実施例では、例えば、反応でNaH、LDA、又はMeMgBrを使用する場合に、不活性雰囲気(例えばNガス雰囲気)下でこの反応を実施することが(たとえ明示的に述べられていなくても)妥当であるか又は必要であるかを理解するだろう(例えば、中間体55又は56の合成を不活性雰囲気下で実施した)。
【0179】
化合物1、2、及び3の合成
【化25】

中間体1の調製
3,5-ジブロモイソニコチンアルデヒド(50g、189mmol)のTHF(200mL)溶液に、0℃で、メチルマグネシウムブロミド(THF中に3M、189mL、566mmol)を添加した。この混合物を20℃まで昇温させ、1時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~15%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、淡黄色固体として中間体1(40g、収率:75%)を得た。
【0180】
中間体2の調製
中間体1(40g、142mmol)を、THF(150mL)に溶解させ、0℃で、水素化ナトリウム(鉱油中に60%、8.5g、214mmol)を添加した。この混合物を、10分にわたり0℃で撹拌した。次いで、MeI(50.5g、356mmol)を添加し、この混合物を、1時間にわたり25℃で撹拌した。飽和水性NHClを添加し、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~10%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として中間体2(39g、収率:93%)を得た。
【0181】
中間体3の調製
DMF(125mL)中のベンジルアルコール(7.3g、69mmol)の混合物に、0℃で、水素化ナトリウム(鉱油中に60%、2.7g、68mmol)を添加した。この混合物を、20分にわたり0℃で撹拌した。中間体2(5.0g、17mmol)のDMF(25mL)溶液を滴下した。次いで、この混合物に、Cu粉末(108mg、1.7mmol)を添加し、この反応混合物を、0.5時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を25℃まで昇温させ、次いでブラインを添加した。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~5%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体3(3.8g、収率:66%)を得た。
【0182】
中間体4の調製
トルエン(150mL)中の中間体3(3.8g、11mmol)及びtert-ブチルカルバメート(2.6g、23mmol)の混合物に、CsCO(14.7g、45.1mmol)を添加した。この混合物を脱気し、次いで、10分にわたりNを充填した。次いで、Pd(OAc)(380mg、1.7mmol)及びキサントホス(652mg、1.1mmol)を添加し、この混合物を、N下で16時間にわたり125℃にて撹拌した。この混合物を25℃まで放冷し、ろ過した。ろ液を濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~27%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体4(2.8g、収率:68%)を得た。
【0183】
中間体5の調製
CHCl(45mL)中の中間体4(2.8g、7.7mmol)の混合物に、0℃で、TFA(9mL)を添加した。この混合物を25℃まで温め、3時間にわたり撹拌した。この混合物を、飽和水性NaCOで中和し、CHClで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~70%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、淡黄色固体として中間体5(1.8g、収率:90%)を得た。
【0184】
化合物1の調製
TFH(20mL)中の3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-ピリジン CAS2244109-98-4(1.1g、4.9mmol)及びトリメチルアミン(1.4mL、10mmol)の混合物に、25℃で、中間体5(0.6g、2.3mmol)を添加した。この混合物を40℃まで温め、12時間にわたり撹拌した。この反応混合物をろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、淡黄色固体として粗生成物を得た。この粗生成物にMeOHを添加し、この混合物を15分にわたり25℃で撹拌した。次いで、この混合物をろ過し、ろ過ケーキを回収して真空中で乾燥させて、白色固体として化合物1(1.0g、収率:89%)を得た。
【0185】
LC/MS:m/z 480.0[M+H] 方法:B,純度:99.5%,保持時間:0.727min.
【0186】
化合物2及び3の調製
化合物1(100mg、0.2mmol)を、SFC.[カラム:DAICEL CHIRALCEL OJ-H(250mm×30mm,5μm)、条件:A:超臨界CO、B:0.1%のNHO EtOH;開始時:A(55%)及びB(45%)、終了時:A(55%)及びB(45%)、流速(ml/分)40]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物2(42mg、収率:43%)及び化合物3(46mg、収率:46%)を得た。
【0187】
化合物2:
LC/MS:m/z 480.2[M+H],rt 3.47min.純度100%,方法K
SFC:純度100%,rt 5.66min.方法:SFC1
【0188】
化合物3:
LC/MS:m/z 480.2[M+H],rt 3.47min.純度100%,方法K
SFC:純度100%,rt 6.76min.方法:SFC1
【0189】
化合物4、5、及び6の合成
【化26】
【0190】
化合物4の調製
濃HCl(1mL)の存在下でのTHF(100mL)中の化合物1(500mg、1.1mmol)の混合物を、触媒としてのPd/C(500mg、10%水分)により、25℃(15Psi)で水素化した。この反応混合物を、3時間にわたり25℃で撹拌した。H(1当量)を付加した後、触媒をろ別し、ろ液を飽和水性NaHCOで中和し、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、白色固体として化合物4(330mg、収率:75.9%)を得た。
【0191】
LC/MS:m/z 390.0[M+H],rt:0.77分,純度:93%、方法:A
【0192】
化合物5及び6の調製
化合物4(100mg、0.2mmol)を、SFC.[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒、A:超臨界CO.溶媒、B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア.開始時:A(65%)及びB(35%)、終了時:A(65%)及びB(35%)、流速(ml/分)70]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物5(40mg、収率42%)及び化合物6(41mg、収率:43%)を得た。
【0193】
化合物5:
HPLC-MS:m/z 390.1[M+H],rt:2.84min,純度:97.2%,方法:M
SFC:純度100%,rt:1.87min,方法:SFC9
【0194】
化合物6:
HPLC-MS:m/z 390.1[M+H],rt:2.84min,純度:95.9%,方法:M
SFC:純度99.6%,rt:2.13min,方法:SFC9
【0195】
化合物7の合成
【化27】

最終化合物7の調製
THF(12mL)中の化合物4(250mg、0.6mmol)、メタノール(200mg、6.4mmol)、及びトリフェニルホスフィン(336mg、1.3mmol)の混合物に、0℃で、(E)-ジイソプロピルジアゼン-1,2-ジカルボキシレート(259mg、1.3mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり25℃で撹拌した。この反応混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(82%)及びB(18%)、終了時:A(52%)及びB(48%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物7(146mg、収率:56.5%)を得た。
【0196】
化合物7:
LC/MS:m/z 404.1[M+H],rt:3.61min,純度:99.7%,方法:K.
SFC:純度48.6%/51.4%,rt:6.30min/7.14min,方法:SFC6.
【0197】
化合物8、9、及び10の合成
【化28】

化合物8の調製
イソプロピルアルコールを使用して、化合物7に関して説明した手順と類似のものにより、化合物8を調製した。この化合物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(30%)及びB(70%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物8(100mg、収率:29.5%)を得た。
【0198】
LC/MS:m/z 432.0[M+H],rt:0.69min,純度:100%,方法:A.
SFC:純度49.6%/50.4%,rt:1.64min/ 2.04min,方法:SFC9
【0199】
化合物9及び10の調製
化合物8(100mg、0.2mmol)を、SFC.[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒、A:超臨界CO.溶媒、B:ETOH中の0.1%の水性アンモニア.開始時:A(55%)及びB(45%)、終了時:A(55%)及びB(45%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物9(37mg、収率:37%)及び化合物10(36mg、収率:35%)を得た。
【0200】
化合物9:
LC/MS ESI-MS:m/z 432.2[M+H],rt:3.87min,純度:99.8%,方法:K
SFC:純度100%,rt:1.66min,方法:SFC9
【0201】
化合物10:
LC/MS ESI-MS:m/z 432.2[M+H],rt:3.88min,純度:98.4%,方法:K
SFC:純度99.8%,rt:2.01min,方法:SFC9
【0202】
化合物11の合成
【化29】

中間体6の調製
DMF(20mL)中のシクロプロピルメタノール(978mg、13.6mmol)の混合物に、水素化ナトリウム(542mg、13.6mmol、鉱油中に60%)を添加し、この混合物を、1時間にわたり25℃で撹拌した。中間体2(1.0g、3.4mmol)のDMF(5mL)溶液を滴下した。次いで、銅粉末(22mg、0.34mmol)を添加し、この混合物を、0.5時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を25℃まで放冷し、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~6%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体6(600mg、収率:60%)を得た。
【0203】
中間体7の調製
トルエン(25mL)中の中間体6(0.5g、1.7mmol)、tert-ブチルカルバメート(0.4g、3.4mmol)、及びCsCO(2.2g、6.8mmol)の混合物を、10分にわたりNで脱気した。次いで、Pd(OAc)(57mg、0.26mmol)及びキサントホス(98mg、0.17mmol)を添加し、この混合物を、N下で12時間にわたり120℃にて撹拌した。この混合物を25℃まで冷却し、ろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~27%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させ、無色油状物として中間体7(0.5g、収率:89.3%)を得た。
【0204】
中間体8の調製
中間体7(0.3g、0.9mmol)のCHCl(5mL)溶液に、25℃で、TFA(1mL)を添加した。この混合物を、2時間にわたり25℃で撹拌した。飽和水性NaHCOを添加し、この混合物を、CHClで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、淡黄色固体として中間体8(0.3g、収率:96%)を得た。
【0205】
化合物11の調製
THF(20mL)中の3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン(CAS2244109-98-4)(540mg、2.4mmol)及びトリエチルアミン(0.7mL、4.8mmol)の溶液に、25℃で、中間体8(200mg、0.9mmol)のTHF(5mL)溶液を添加した。この反応混合物を、12時間にわたり40℃で撹拌した。この混合物を25℃に到達させ、ろ過した。ろ液をHOで希釈し、得られた混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時A(55%)及びB(45%)、終了時:A(25%)及びB(75%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]で精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物11(156mg、収率:40%)を得た。
【0206】
化合物11:
LC/MS:m/z 444.2[M+H],rt:3.97min,方法:K,純度:99.2%,
SFC:純度49.1%/50.9%,rt:2.99min/3.29min,方法:SFC3
【0207】
化合物12の合成
【化30】

中間体9の調製
DMF(20mL)中のオキセタン-3-オール(CAS7748-36-9、0.99g、13.3mmol)の混合物に、水素化ナトリウム(0.53g、13.3mmol、鉱油中に60%)を添加し、この混合物を、20分にわたり20℃で撹拌した。中間体2(1.0g、3.3mmol)のDMF(5mL)溶液を滴下した。次いで、銅粉末(22mg、0.34mmol)を添加し、この混合物を、1時間にわたり80℃で撹拌した。この反応混合物を25℃まで放冷し、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~22%のEtOAC)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体9(560mg、収率56.7%)を得た。
【0208】
中間体10の調製:
トルエン(35mL)中の中間体9(560mg、1.9mmol)、tert-ブチルカルバメート(442mg、3.8mmol)、及びCsCO(2.5g、7.6mmol)の混合物を脱気し、次いで、10分にわたりNを充填した。次いで、Pd(OAc)(64mg、0.28mmol)及びキサントホス(109mg、0.19mmol)を添加し、この混合物を、N下で16時間にわたり120℃にて撹拌した。この混合物を25℃に到達させ、ろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAC)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、無色油状物として中間体10(600mg、収率:96%)を得た。
【0209】
中間体11の製造
中間体10(300mg、0.9mmol)のCHCl(5mL)溶液に、25℃で、TFA(1mL)を添加した。この混合物を、2時間にわたり25℃で撹拌した。飽和水性NaHCOを添加し、この混合物を、CHClで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~100%のEtOAC)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体11(170mg、収率:83%)を得た。
【0210】
化合物12の調製
3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン(CAS2244109-98-4)(410mg、1.8mmol)のTHF(15mL)溶液に、25℃で、トリエチルアミン(0.5mL、3.6mmol)を添加した。中間体11(150mg、0.7mmol)のTHF(5mL)溶液を添加し、この混合物を40℃まで温め、12時間にわたり撹拌した。この反応混合物を25℃まで放冷し、ろ過した。ろ液をHOで洗浄し、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(77%)及びB(23%)、終了時:A(47%)及びB(53%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物12(113mg、収率:37%)を得た。
【0211】
化合物12:
LC/MS:m/z 446.1[M+H],rt:3.39min,純度:97.8%,方法:K.
SFC:純度49.3%/50.7%,rt:3.69min/4.15min,方法:SFC 2
【0212】
化合物13の合成
【化31】

中間体12の調製
MeOH(100mL)中の中間体4(2g、5.6mmol)の混合物を、触媒としてのPd/C(1g、10%水分)により、25℃(15Psi)で水素化した。この反応混合物を、2時間にわたり25℃で撹拌した。H(1当量)を付加した後、触媒をろ別し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として中間体12(1.4g、収率:92%)を得た。
【0213】
中間体13の調製
DMA(20mL)中の中間体12(0.5g、1.8mmol)、CsCO(1.8g、5.5mmol)、及びNaI(28mg、0.2mmol)の混合物に、25℃で、ブロモシクロプロパン(0.45g、3.7mmol)を添加した。この混合物を、12時間にわたり135℃で撹拌した。この反応混合物を25℃まで放冷し、ろ過した。ろ液にHOを添加し、この混合物をEtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~40%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固して、黄色固体として中間体13(100mg、収率:23.5%)を得た。
【0214】
化合物13の調製
3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン(CAS2244109-98-4)(287mg、1.3mmol)のTHF(15ml)溶液に、トリエチルアミン(0.9mL、6.5mmol)を添加した。この反応混合物に、25℃で、中間体13(100mg、0.4mmol)のTHF(5mL)溶液を添加した。この混合物を40℃まで温め、12時間にわたり撹拌した。この反応混合物を25℃に到達させ、ろ過した。ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(65%)及びB(35%)、終了時:A(35%)及びB(65%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物13(32mg、収率:17%)を得た。
【0215】
化合物13:
LC/MS:m/z 430.1[M+H],rt:3.66min,純度:98.9%,方法:K.
SFC:純度49.9%/50.1%,rt:3.72min/4.02min,方法:SFC 4
【0216】
化合物14、15、及び16の合成
【化32】

中間体14の調製
DMF(5mL)中の中間体12(200mg、0.74mmol)及びブロモ酢酸エチル(249mg、1.5mmol)の混合物に、CsCO(971mg、3mmol)を添加した。この混合物を、16時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物をブラインでクエンチし、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色油状物として中間体14(130mg、収率:42%)を得た。
【0217】
中間体15の調製
中間体14(260mg、0.7mmol)のDCM(10mL)溶液に、0℃で、TFA(2mL)を添加した。この混合物を、3時間にわたり25℃で撹拌した。溶媒の大部分を真空下で除去して、黄色ガム状物を得た。この黄色ガム状物を、CHClに溶解させた。この混合物に、飽和水性NaCOを添加し、この混合物を、CHClで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~25%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色固体として中間体15(160mg、収率:86%)を得た。
【0218】
化合物14の調製
3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン(CAS2244109-98-4)(471mg、2.1mmol)のTHF(10mL)溶液に、トリエチルアミン(1.6mL、11.8mmol)を添加した。次いで、中間体15(150mg、0.6mmol)のTHF(5mL)溶液を、25℃で添加した。この混合物を、16時間にわたり40℃で撹拌した。この混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、10分にわたり(石油エーテル/酢酸エチル=1:1中で)撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色固体として粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:Xtimate C18 10μ 250mm×50mm、条件:A:水(0.04%のNHO+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(30%)及びB(70%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:0分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物14(150mg、収率:33%)を得た。
【0219】
LC/MS:m/z 476.1[M+H],rt 3.77min,純度95.1%,方法K.
SFC:純度49.9%/50.1%,rt:4.26min/4.56min,方法:SFC4
【0220】
化合物15の調製
THF(4mL)、HO(1mL)、EtOH(0.2mL)中の化合物14(200mg、0.2mmol)の溶液に、LiOH(50mg、1.2mmol)を添加した。この混合物を、16時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物に水を添加し、この混合物をEtOAcで抽出した。水層を、HCl(水中に2M)でpH=6に調整した。この水層を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、白色固体として化合物15(200mg、粗物質)を得た。
【0221】
LC/MS:m/z 448.1[M+H],rt:1.04min,純度:49.4%,方法:E
【0222】
化合物16の調製
DMF(20mL)中の化合物15(180mg、0.2mmol)及びNHCl(32mg、0.59mmol)の溶液に、25℃で、HATU(113mg、0.3mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.6mmol)を添加した。この混合物を、16時間にわたり25℃で撹拌した。この反応混合物をろ過した。ろ液を真空下で濃縮して、褐色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:Xtimate C18 10μ 250mm×50mm 条件:A:水(0.04%のNHO+10mMのNHHCO)B:MeCN.開始時:A(77%)及びB(23%)、終了時:A(47%)及びB(53%).勾配時間(分):8;100%B保持時間(分)0;流速(ml/分)25]により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させ、凍結乾燥させて、白色固体として化合物16(10mg、11%収率)を得た。
【0223】
HPLC-MS:m/z 447.1[M+H],rt:3.63min,純度:98.5%,方法:M.
SFC:純度:50.6%/49.4%,rt:4.98min/5.49min,方法:SFC8
【0224】
化合物17、18、及び19の合成
【化33】
【0225】
中間体16の調製
トルエン(50mL)中の中間体2(10g、33.9mmol)、tert-ブチルカルバメート(4g、33.9mmol)、及びCsCO(22g、67.8mmol)の混合物を、10分にわたりNで脱気した。次いで、Pd2(dba)(2.5g、2.9mmol)、キサントホス(2.59g、5mmol)を添加し、この混合物を、N下で16時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~20%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固して、白色固体として中間体16(6.5g、収率:58%)を得た。
【0226】
中間体17の調製:
中間体16(5.9g、17.8mmol)のCHCl(100mL)溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(40mL)を添加した。この混合物を、3時間にわたり10℃で撹拌した。溶媒の大部分を真空下で除去して、黄色ガム状物を得た。この黄色ガム状物を、CHClに溶解させた。この混合物にNaHCOを添加し、この混合物をCHClで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、黄色固体を得た。この黄色固体を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~25%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体17(3.3g、収率:81%)を得た。
【0227】
化合物17の調製
3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン(CAS2244109-98-4)(3.5g、15.8mmol)のTHF(15mL)溶液に、10℃で、トリメチルアミン(4mL、30mmol)を添加した。次いで、中間体17(0.5g、2.1mmol)のTHF(15mL)溶液を添加した。この混合物を、12時間にわたり40℃で撹拌した。この混合物を、25℃まで冷却した。この混合物を真空下で蒸発させて、黄色固体を得た。この混合物をメタノールに溶解させ、0.5時間にわたり10℃で撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色固体を得た。この黄色固体を、メタノールに溶解させた。この混合物を0.5時間にわたり10℃で撹拌して、沈殿物を得た。この混合物をろ過して、黄色固体として化合物17(420mg、0.9mmol)を得た。
【0228】
LC/MS:m/z 452[M+H],rt 0.92min,純度96.9%,方法A.
【0229】
化合物18及び19の調製
化合物17(124mg、0.26mmol)を、SFC[カラム:YMC CHIRAL Amylose-C(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(55%)及びB(45%)、終了時:A(55%)及びB(45%)、流速(ml/分)50]で分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物18(44mg、収率:36.3%)を得、及び白色抗体として化合物19(43mg、収率:35.9%)を得た。
【0230】
化合物18:
LC/MS:m/z 452[M+H],rt 4.43min.純度99.5%,方法K
SFC:純度100%,rt 1.73min.方法:SFC15
【0231】
化合物19:
LC/MS:m/z 452[M+H],rt 4.43min.純度99.8%,方法K
SFC:純度99.2%,rt 2.36min.方法:SFC15
【0232】
化合物20の合成
【化34】

中間体18の調製
1,4-ジオキサン(5mL)中の中間体16(500mg、1.5mmol)、2,4,6-トリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン CAS823-96-1(417mg、1.7mmol)、Pd(PPh(174mg、0.1mmol)、炭酸カリウム(417mg、3.0mmol)の混合物を脱気し、Nを3回補充した。この混合物を、N下で16時間にわたり100℃にて撹拌した。この混合物を25℃に到達させた。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチし、この混合物をEtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、黄色固体を得た。この黄色固体を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~35%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体18(330mg、収率:80.6%)を得た。
【0233】
中間体19の調製
中間体17に関して説明した手順と類似のものにより、中間体19を調製した。この化合物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~45%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体19(180mg、収率:89.7%)を得た。
【0234】
化合物20の調製
THF(8mL)中の3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン(CAS2244109-98-4)(1.2g、5.3mmol)及びトリエチルアミン(1.5mL、10.6mmol)の溶液に、25℃で、中間体19(130mg、0.76mmol)を添加した。この混合物を、12時間にわたり40℃で撹拌した。この混合物を25℃まで冷却した。この混合物を、真空下で蒸発させ、次いでメタノールに溶解させ、0.5時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色固体を得た。この黄色固体を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.05%の水酸化アンモニア)、B:MeCN、開始時:A(72%)及びB(28%)、終了時:(42%)及びB(58%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物20(214mg、収率:71.1%)を得た。
【0235】
LC/MS:m/z 388.1[M+H],rt 3.28min,純度98.5%,方法:K.
SFC:純度50.1%/49.9 %,rt 4.50min/5.16min.方法:SFC5
【0236】
化合物21の合成
【化35】

中間体20の調製
ジオキサン(20mL)中のCAS1440520-80-8(657mg、2.8mmol)、tert-ブチルカルバメート(395mg、3.4mmol)、及びCsCO(1.8g、5.6mmol)からなる混合物を、10分にわたりNで脱気した。次いで、Pd(OAc)(32mg、0.14mmol)及びキサントホス(162mg、0.28mmol)を添加し、この混合物を、N下で16時間にわたり100℃にて撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、黄色固体として中間体20(663mg、収率:87%)を得た。
【0237】
中間体21の調製
中間体20(663mg、2.5mmol)のCHCl(10mL)溶液に、25℃で、TFA(1mL)を添加した。この混合物を、2時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物に、飽和水性NaHCO3を添加し、この混合物を、CHClで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~70%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体21(350mg、収率:68%)を得た。
【0238】
化合物21の調製
化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物21を調製した。この化合物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.05%の水酸化アンモニア)、B:MeCN.開始時:A(65%)及びB(35%)、終了時:A(35%)及びB(65%)、勾配時間:10分;100%B保持時間:3分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物21(28mg、収率:23.2%)を得た。
【0239】
LC/MS:m/z 392.1[M+H],rt 4.06min,純度95.5%,方法K
【0240】
化合物22の合成
【化36】

中間体22の調製
3-ブロモ-5-クロロイソニコチンアルデヒド(1g、4.5mmol)のTHF(20mL)溶液に、0℃で、臭化メチルマグネシウム(THF中に3M、2.3mL、6.8mmol)を添加した。この混合物を、1時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチし、EtOAcで抽出した(2回)。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~15%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として中間体22(0.9g、収率:84%)を得た。
【0241】
中間体23の調製
THF(15mL)中の中間体22(0.9g、3.8mmol)の混合物に、0℃で、水素化ナトリウム(230mg、5.7mmol、鉱油中に60%)を添加し、この混合物を、10分にわたり撹拌した。ヨードメタン(3.7g、25.7mmol)を添加し、この混合物を、2時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチし、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~5%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、白色固体として中間体23(0.8g、収率:84%)を得た。
【0242】
中間体24の調製
トルエン(40mL)中の中間体23(0.7g、2.8mmol)、tert-ブチルカルバメート(393mg、3.4mmol)、及びCsCO(3.6g、11.2mmol)の混合物を、10分にわたりNで脱気した。次いで、Pd(OAc)(94mg、0.4mmol)及びキサントホス(162mg、0.3mmol)を添加し、この混合物を、N下で12時間にわたり100℃にて撹拌した。この混合物を25℃まで冷却し、次いでろ別した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~4%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、白色固体として中間体24(0.60g、収率:71%)を得た。
【0243】
中間体25の調製
中間体24(0.6g、2.0mmol)のCHCl(15mL)溶液に、25℃で、TFA(3mL)を添加した。この混合物を、2時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物に、飽和水性NaHCOを添加し、この混合物を、CHClで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~26%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体25(360mg、収率:96%)を得た。
【0244】
化合物22の調製
THF(15mL)中の3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン(CAS2244109-98-4)(328mg、1.5mmol)及びトリエチルアミン(0.4mL、3mmol)の溶液に、25℃で、中間体25(100mg、0.5mmol)のTHF(5mL)溶液を添加した。この反応混合物を、12時間にわたり40℃で撹拌した。この混合物を25℃まで放冷し、ろ過した。ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(65%)及びB(35%)、終了時:A(35%)及びB(65%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物22(55mg、収率:25%)を得た。
【0245】
化合物22:
LC/MS:m/z 408.0[M+H],rt:4.29min,純度:96.4%,方法:K
SFC:純度49.9%/50.1%,rt:5.27min/5.93min,方法:SFC1
【0246】
化合物23及び24の合成
【化37】

化合物22(300mg、0.7mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒、A:超臨界CO.溶媒、B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア.開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(60%)及びB(40%)、流速(ml/分):50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物23(145mg、収率:48.3%)及び化合物24(144mg、収率:47.8%)を得た。
【0247】
化合物23:
LC/MS:m/z 408.1[M+H],rt:4.37min,純度:99.8%,方法:K.
SFC:純度100%,rt:5.24min,方法:SFC1
【0248】
化合物24:
LC/MS:m/z 408.1[M+H],rt:4.38min,純度:100%,方法:K
SFC:純度100%,rt:5.89min,方法:SFC1
【0249】
化合物25の合成
【化38】

最終化合物25の調製
DMF(5mL)中の化合物17(50mg、0.11mmol)、Zn(CN)(16mg、0.14mmol)、及びZn(2mg、0.02mmol)の混合物に、25℃で、Pd(dppf)Cl(12mg、0.02mmol)を添加した。この反応混合物を、2.5時間にわたり110℃で撹拌した。この混合物を25℃まで放冷し、ろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(40%)及びB(60%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物25(8mg、収率:18%)を得た。
【0250】
LC/MS:m/z 399.1[M+H],rt:4.06min,純度:99.8%,方法:K.
【0251】
化合物25、26、及び27の合成
【化39】

中間体26の調製
DMF(20mL)中の中間体17(0.8g、3.5mmol)、Zn(CN)(0.25g、2.1mmol)、及びZn(68mg、1.1mmol)の混合物を、10分にわたりNで脱気した。次いで、Pd(dba)(159mg、0.17mmol)及びdppf(192mg、0.35mmol)を添加し、この混合物を、N下で12時間にわたり120℃にて撹拌した。この混合物を25℃まで放冷し、ろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、白色固体として中間体26(0.55g、収率:85%)を得た。
【0252】
化合物25の調製(代替手順)
THF(30mL)中の3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)ピリジン(CAS2244109-98-4)(664mg、3.0mmol)及びトリエチルアミン(0.8mL、6.0mmol)の溶液に、25℃で、中間体26(200mg、1.1mmmol)のTHF(10mL)溶液を添加した。この反応混合物を、12時間にわたり40℃で撹拌した。この混合物を25℃に到達させ、ろ過した。ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー.[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(65%)及びB(35%)、終了時:A(35%)及びB(65%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物25(120mg、収率:27.7%)を得た。
【0253】
化合物26及び27の調製
化合物25(120mg、0.3mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒、A:超臨界CO;溶媒、B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア.開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(60%)及びB(40%)、流速(ml/分):50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物26(41mg、収率:34%)及び化合物27(43mg、収率:36%)を得た。
【0254】
化合物26:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.52(d,J=6.8Hz,3H),3.27(s,3H),4.82(q,J=6.8Hz,1H),8.15(s,2H),8.47(d,J=2.4Hz,1H),8.55(d,J=2.4Hz,1H),8.77(s,1H),9.24(s,1H);
HPLC/MS:m/z 399.1[M+H],rt:4.20min,純度:98%,方法:M.
SFC:純度99.8%,rt:4.74min,方法:SFC7
【0255】
化合物27:
LC/MS:m/z 399.1[M+H],rt:4.12min,純度:100%,方法:K
SFC:純度99.5%,rt:5.30min,方法:SFC7
【0256】
化合物28の合成
【化40】

中間体27の調製
トルエン(2mL)及びHO(0.5mL)中の中間体16(300mg、0.91mmol)、シクロプロピルボロン酸(156mg、1.8mmol)、及びリン酸カリウム(385mg、1.8mmol)の溶液に、N下で、Pd(OAc)(10mg、0.04mmol)及びトリシクロヘキシルホスフィン(25mg、0.09mmol)を添加した。この反応混合物を、N下で12時間にわたり120℃にて撹拌した。この混合物を、25℃まで冷却した。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、ガム状物を得た。この黄色ガム状物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、淡黄色油状物として中間体27(200mg、収率:71.9%)を得た。
【0257】
中間体28の調製
中間体28を、中間体17に関して説明したものと類似の手順により調製した。この化合物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~40%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、淡黄色固体として中間体28(111g、収率:88.5%)を得た。
【0258】
化合物28の調製
化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物28を調製した。この化合物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.05%の水酸化アンモニア)、B:MeCN、開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(40%)及びB(60%)、勾配時間9分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物28(75mg、収率:27%)を得た。
【0259】
LC/MS:m/z 414.2[M+H],rt 3.54min,純度99.3%,方法K.
SFC:純度50.3% / 49.7 %,rt 4.78min / 5.40min.方法:SFC7
【0260】
化合物29の合成
【化41】

中間体29の調製
1,4-ジオキサン(20mL)及びHO(4mL)中の中間体17(300mg、1.3mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン CAS126726-62-3(250mg、1.5mmol)、リン酸カリウム(547mg、2.6mmol)の混合物に、5分にわたりNをバブリングし、次いでPd(dtbpf)Cl CAS95408-45-0(84mg、0.1mmol)で処理した。この混合物に、さらに5分にわたりNをバブリングし、次いで4時間にわたり100℃で撹拌した。この混合物を室温に到達させ、HOでクエンチし、この混合物をEtOAcで2回抽出した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、真空下で蒸発させて、黄色ガム状物を得た。この黄色ガム状物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~41%のEtOAc)により精製して、黄色固体として中間体29(205mg、収率:80.9%)を得た。
【0261】
化合物29の調製
化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物29を調製した。この化合物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.05%の水酸化アンモニア)、B:MeCN、開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(40%)及びB(60%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物29(83mg、収率:19%)を得た。
【0262】
LC/MS:m/z 414.2[M+H],rt 3.74min.純度99.8%,方法K.
SFC:純度48.8%;51.2%,rt 1.84min,2.12min.方法:SFC9.
【0263】
化合物30の合成
【化42】

中間体30の調製
メタノール(50mL)中の中間体29(270mg、1.38mmol)の混合物を、25℃(40psi)で、触媒としてのPd/C(100mg)により水素化した。この反応混合物を、48時間にわたり撹拌した。H(1当量)を付加した後、触媒をろ別し、ろ液を蒸発させた。ろ液を真空下で濃縮して、黄色ガム状物を得た。この黄色ガム状物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~60%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、淡黄色固体として中間体30(140mg、収率:51.9%)を得た。
【0264】
化合物30の合成
化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物30を調製した。この化合物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.05%の水酸化アンモニア)、B:MeCN、開始時:A(68%)及びB(32%)、終了時:A(38%)及びB(62%)、勾配時間9分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物30(73.5mg、収率:24.0%)を得た。
【0265】
LC/MS:m/z 416.2[M+H],rt 3.63min.純度97.2%,方法K
SFC:純度49.3% / 50.7%,rt 4.42min / 4.71min.方法:SFC7.
【0266】
化合物31の合成
【化43】

中間体31の調製
DME(3mL)中の中間体16(1100mg、3.3mmol)、3-ブロモオキセタン(478mg、3.5mmol)、トリス(トリメチルシリル)シラン(826mg、3.3mmol)、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ジピリジル(CAS72914-19-3)(10.7mg、0.04mmol)、及びNaCO(704mg、6.6mmol)の黄色混合物に、NiCl・グライム(7.3mg、0.03mmol)及び(Ir[dF(CF)ppy](dtbbpy))PF(CAS870987-63-6)(74mg、0.07mmol)を添加した。この混合物に、Nをバブリングし、72WロイヤルブルーLED照射下で25時間にわたりN下にてRTで撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空中で蒸発させて、黄色油状物を得た。この黄色油状物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色固体として中間体31(380mg、収率:32.2%)を得た。
【0267】
中間体32の調製
中間体17に関して説明した手順と類似のものにより、中間体32を調製した。この化合物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~40%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体32(140mg、収率:57.6%)を得た。
【0268】
化合物31の調製
化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物31を調製した。この化合物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.05%の水酸化アンモニア)、B:MeCN、開始時:A(77%)及びB(23%)、終了時:A(62%)及びB(38%)、勾配時間9分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物31(44mg、収率:38%)を得た。
【0269】
HPLC/MS:m/z 430.1[M+H],rt 3.81min,純度96.6%,方法M.
SFC:純度49.6% / 50.4 %,rt 3.03min / 3.42min.方法:SFC16
【0270】
化合物32の合成
【化44】

中間体33の調製
トルエン(4mL)中の中間体16(100mg、0.3mmol)、キサントホス(35mg、0.06mmol)、Pd(dba)(28mg、0.03mmol)、及びナトリウム tert-ブトキシド(87mg、0.9mmol)の混合物に、1時間にわたりNをバブリングした。次いで、上記の混合物に、トルエン(1mL)中のプロパン-2-アミン(125mg、2.1mmol)を添加した。得られた混合物を、N下で16時間にわたり120℃にて撹拌した。この混合物を、25℃まで冷却した。この混合物をろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色ガム状物を得た。この黄色ガム状物を、分取TLC(CHCl/MeOH=10/1)により精製して、黄色固体として中間体33(25mg、収率:40%)を得た。
【0271】
化合物32の合成
化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物32を調製した。この化合物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Waters Xbridge 150×25 5um、条件:A:水(10mMのNH4HCO3)、B:MeCN、開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(52%)及びB(48%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物32(13.5mg、収率:14.2%)を得た。
【0272】
LC/MS:m/z 431.2[M+H],rt 3.78min,純度95.2%,方法:K.
【0273】
化合物33の合成
【化45】

中間体34の調製
中間体33に関して説明した手順と類似のものにより、中間体34を調製した。この化合物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:DCM中に0~10%のMeOH)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体34(270mg、収率:86.1%)を得た。
【0274】
化合物33の合成
化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物33を調製した。反応後、この混合物を真空下で蒸発させて、黄色固体を得た。この黄色固体を、MeOHに溶解させた。この混合物を、1時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色固体を得た。この黄色固体を、DMSO及びEtOAcに溶解させた。この混合物を、1時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物をろ別し、ろ過ケーキをEtOAc及びMeOHで洗浄した。このろ過ケーキを、HO及びMeOHに溶解させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物33(192mg、収率:36.3%)を得た。
【0275】
HPLC/MS:m/z 403.2[M+H],rt 3.89min,純度98.9%,方法:M.
【0276】
化合物34、35、36、及び37の合成
【化46】

中間体17の調製
中間体16(5.9g、17.8mmol)のCHCl(100mL)溶液に、10℃で、TFA(40mL)を添加した。この混合物を、3時間にわたり10℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NaHCOで処理し、CHClで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~25%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体17(3.4g、収率:81%)を得た。
【0277】
化合物34の調製
THF(80mL)中の3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-ピリジン CAS2244109-98-4(2.3g、10.3mmol)及びトリエチルアミン(2.8mL、20.6mmol)の溶液に、中間体17(1g、4.3mmol)を添加した。この混合物を、12時間にわたり40℃で撹拌した。この混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物をMeOH/EtOAcで洗浄し、ろ過ケーキを乾燥させて、白色固体として化合物34(1.2g、収率:62%)を得た。
【0278】
化合物35の調製
EtOH(20mL)中の化合物34(100mg、0.2mmol)及びTEA(154uL、1.1mmol)の溶液を、80℃、50psiでのCO雰囲気下で48時間にわたり、触媒としてのPd(dppf)Clで処理した。この混合物をろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として化合物35(85mg、収率:86%)を得た。
【0279】
LC/MS:m/z 446.0[M+H],rt 1.68min,純度94.2%,方法C
【0280】
化合物36及び37の調製
化合物35(85mg、0.19mmol)を、SFC.[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(60%)及びB(40%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物36(8.1mg、収率:7.9%)を得、及び白色固体として化合物37(7.6mg、収率:7.5%)を得た。
【0281】
化合物36:
LC/MS:m/z 446.2[M+H] ,rt 4.315min.純度96.5%,方法K
SFC:純度97.7%,rt 4.019min.方法:SFC17
【0282】
化合物37:
HPLC/MS:m/z 446.1[M+H],rt 4.404min.純度97.7%,方法M
SFC:純度95.8%,rt 4.471min.方法:SFC17
【0283】
化合物38及び39の合成
【化47】

化合物38の調製
化合物35(160mg、0.4mmol)のメタノール(5mL)溶液に、LiOH.HO(1.8mL、3.7mmol、2M)を添加した。この混合物を、1.5時間にわたり30℃で撹拌した。この混合物を、25℃まで冷却した。この混合物を、HCl(1N)でpH=6に調整した。この混合物を、MeOH/DCM(v/v=1/3)(20mL×5回)で抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色固体として化合物38(160mg、収率:99.6%)を得た。
【0284】
LC/MS:m/z 418.0[M+H],rt 1.41min,純度96.4%,方法C.
【0285】
化合物39の調製
DMF(5mL)中の化合物38(160mg、0.4mmol)、HATU(210mg、0.5mmol)、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(191mg、1.5mmol)の混合物を、10分にわたり30℃で撹拌した。この混合物にNHCl(30mg、0.5mmol)を添加し、16時間にわたり30℃で撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色ガム状物を得た。この黄色ガム状物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Xtimate C18 10μ 250mm×50mm、条件:A:水(0.05%の水酸化アンモニア)、B:MeCN、開始時:A(80%)及びB(20%)、終了時:A(60%)及びB(40%)、勾配時間9分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物39(56mg、収率:345%)を得た。
【0286】
HPLC/MS:m/z 417.1[M+H],rt 3.47min,純度95.2%,方法M.
SFC:純度50.1% / 49.9%,rt 4.82min / 5.03,方法:SFC1
【0287】
化合物40の合成
【化48】

中間体35の調製
3,5-ジブロモ-2-メチルピリジン(15g、60mmol)をTHF(300mL)に溶解させ、この混合物を-70℃まで冷却し、LDA(THF及びヘプタン中に2M、35.9mL、71.8mmol)を添加した。この反応混合物を、1時間にわたり-70℃で撹拌した。この混合物にDMF(6.9mL、90mmol)を添加し、この混合物を1時間にわたり-70℃で撹拌した。この反応混合物を、-20℃~-70℃の温度にて、飽和 水性NHClでクエンチし、次いでHOを添加し、室温まで温めた。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色固体として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~7%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、淡黄色固体として中間体35(9.5g、収率:57%)を得た。
【0288】
中間体36の調製
中間体35(16g、57mmol)のTHF(400mL)溶液に、0℃で、臭化メチルマグネシウム(THF中に3M、28.7mL、86mmol)を添加した。この混合物を20℃まで昇温させ、1時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~15%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、淡黄色固体として中間体36(15g、収率:89%)を得た。
【0289】
中間体37の調製
中間体36(15g、50mmol)のTHF(200mL)溶液に、10分にわたり、0℃で、NaH(鉱油中に60%、3g、75mmol)を添加した。0℃でCHI(26g、184mmol)を添加した。この混合物をrtまで昇温させ、2時間にわたりrtで撹拌した。この混合物を飽和水性NHClでクエンチし、この混合物をEtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~4%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、白色固体として中間体37(14g、収率:90%)を得た。
【0290】
中間体38及び中間体72の調製
ジオキサン(120mL)中の中間体37(6.0g、19mmol)、ジフェニルメタンイミン(5.3g、29mmol)、及びt-BuONa(2.8g、29mmol)の混合物を、10分にわたりNでパージした。Pd(OAc)(0.44g、1.9mmol)及びキサントホス(2.2g、3.9mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり120℃で撹拌した。この反応物を25℃にし、ろ過した。残留物を、EtOAc(400mL)で洗浄した。ろ液を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~10%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色油状物として中間体38及び中間体72の混合物(5.2g、純度:73%)を得た。
【0291】
中間体39及び中間体48の調製
中間体38及び72の混合物(5.2g、73%純度)を、DCM(50mL)に溶解させた。水性HCl(4mL、12M)を添加し、この混合物を18時間にわたり40℃で撹拌した。この反応混合物を、飽和NaHCOを使用してpH=8に調整し、EtOAC(100mL×3回)で抽出した。まとめた有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体39(1.1g)を得、及び中間体48(800mg)を得た。
【0292】
中間体38を調製するための代替手順
トルエン(200mL)中の中間体37(10g、32.4mmol)、ジフェニルメタンイミン(6.5g、35.6mmol)、及びt-BuONa(3.1g、32.4mmol)の混合物を、10分にわたりNでパージした。Pd(dba)(1.5mg、1.6mmol)及びBINAP(3.0g、4.8mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり120℃で撹拌した。この混合物を25℃にし、ろ過した。残留物を、EtOAc(500mL)で洗浄した。ろ液を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~12%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色油状物として粗中間体38(20g、純度:39%)を得た。
【0293】
中間体39を調製するための代替手順
粗中間体38(中間体38を調製するための代替手順により得られた)(20g、39%純度)を、DCM(60mL)に溶解させた。水性HCl(10mL、2M)を添加し、この混合物を5時間にわたり40℃で撹拌した。この反応混合物を、飽和NaHCOを使用してpH=8に調整し、EtOAc(100mL×3回)で抽出した。まとめた有機層を、分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体39(4g、収率:2つの工程後に50.4%収率)を得た。
【0294】
化合物40の合成
化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物40を調製した。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Xtimate C18 10μ 250mm×50mm、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(50%)及びB(50%)、終了時:A(20%)及びB(80%)、勾配時間8分;100%B保持時間0分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物40(6mg、収率:8.4%)を得た。
【0295】
HPLC/MS:m/z 466[M+H],rt 4.716min.純度98.7%,方法M
SFC:純度53.1%;46.9 %,rt 5.535min,6.995min.方法:SFC1
【0296】
化合物41、42及び43の合成
【化49】

中間体40の調製
DMF(10mL)中の中間体37(1g、3mmol)の混合物に、20℃で、CHONa(810mg、15mmol)及びCu粉末(20mg、0.3mmol)を添加した。この混合物を、2時間にわたり70℃で撹拌した。この混合物にブラインを添加し、この混合物をEtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~5%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、無色油状物として中間体40(520mg、収率:53.3%)を得た。
【0297】
中間体41の調製
トルエン(6mL)中の中間体40(240mg、0.9mmol)、tert-ブチルカルバメート(162mg、1.4mmol)、及びCsCO(1.2g、3.7mmol)からなる混合物を、10分にわたりNで脱気した。次いで、Pd(OAc)(31mg、0.14mmol)、キサントホス(53mg、0.1mmol)を添加し、この混合物を、N下で16時間にわたり100℃にて撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~10%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、白色固体として中間体41(140mg、収率:48%)を得た。
【0298】
中間体42の調製
中間体41(280mg、0.9mmol)のCHCl(10mL)溶液に、20℃で、TFA(2mL)を添加した。この混合物を、2時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NaHCOで処理し、CHClで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体42(130mg、収率:70.1%)を得た。
【0299】
化合物41の調製
THF(8mL)中の中間体42(110mg、0.6mmol)及びN-[5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-3-ピリジニル]-カルバミン酸フェニルエステル(CAS2178988-79-7)(226mg、0.7mmol)の溶液に、20℃で、TEA(233uL、1.68mmol)を添加した。この反応混合物を、12時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を室温まで放冷し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Phenomenex Gemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(65%)及びB(35%)、終了時:A(35%)及びB(65%)、勾配時間8分;100%B保持時間8分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物41(150mg、収率:64%)を得た。
【0300】
化合物42及び43の調製
化合物41(150mg、0.36mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(55%)及びB(45%)、終了時:A(55%)及びB(45%)、流速(ml/分)70]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物42(71mg、収率:48%)を得、及び白色固体として化合物43(71mg、収率:48%)を得た。
【0301】
化合物42:
LC/MS:m/z 418.1[M+H],rt 3.470min.純度100%,方法K
SFC:純度100%,rt 5.66min.方法:SFC1
【0302】
化合物43:
LC/MS:m/z 418.1[M+H],rt 3.47min.純度100%,方法K
SFC:純度100%,rt 6.76min.方法:SFC1
【0303】
化合物44、45、及び46の合成
【化50】

化合物44の調製
中間体39及びN-[5-クロロ-6-(2-H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-3-ピリジニル]-1-カルバミン酸フェニルエステル(CAS2178988-79-7)から出発して、化合物41に関して説明した手順と類似のものにより、化合物44を調製した。この反応混合物を真空下で濃縮して、白色固体として粗生成物を得た。この混合物にMeOH(100mL)を添加し、1時間にわたり70℃で撹拌した。ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗化合物44を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(55%)及びB(45%)、終了時:A(25%)及びB(75%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物44(460mg、収率:48%)を得た。
【0304】
LC/MS:m/z 466.1/468.1[M+H],rt 1.015min,純度99.4%,方法G.
【0305】
化合物45及び46の調製
化合物44(500mg、1.07mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm×30mm、10μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(55%)及びB(45%)、終了時:A(55%)及びB(45%)、流速(ml/分)70]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物45(235mg、収率:47.5%)を得、及び白色固体として化合物46(235.8mg、収率:47.7%)を得た。
【0306】
化合物45:
LC/MS:m/z 466.1/468.1[M+H],rt 4.338min.純度99.8%,方法K;
SFC:純度100%,rt 1.880min.方法:SFC14.
【0307】
化合物46:
LC/MS:m/z 466.1/468.1[M+H],rt 4.326min.純度100%,方法K;
SFC:純度100%,rt 2.347min.方法:SFC14.
【0308】
化合物47及び48の合成
【化51】

中間体43の調製
MeCN(90mL)及び10%のHSO(90mL)の混合物中の中間体2(5.4g、18mmol)の溶液に、AgNO(3g、18mmol)及びシクロプロパンカルボン酸(4.6g、54mmol)を添加した。この反応混合物を、70~80℃の温度まで加熱した。この混合物に、新たに調製した(NH(12.3g、54mmol)のHO(150mL)溶液を緩やかに添加した。この反応混合物を、4時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を25℃に到達させ、NH.HOを使用してpHを10に調整した。この混合物を、EtOAcで3回抽出した。まとめた有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~5%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して粗物質(2g、60%純度)を得、この粗物質を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Phenomenex Synergi Max-RP 250×50mm×10um、条件:A:水(0.225%のFA)、B:MeCN、開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(15%)及びB(85%)、勾配時間24分;100%B保持時間8分;流速100ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、無色油状物として中間体43(600mg、収率:7.5%)を得た。
【0309】
中間体44及び45の調製
DMSO(5mL)中の中間体43(500mg、1.5mmol)、CuI(57mg、0.3mol)、L-プロリン(69mg、0.6mmol)、KCO(311mg、2.25mmol)、NH.HO(8mL)の混合物を、Nでパージした。この混合物を、4時間にわたり100℃で撹拌した。HOを添加し、この混合物をEtOACで3回抽出した。まとめた有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~15%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体44(30mg、収率:6%)を得、及び黄色油状物として中間体45(60mg、収率:12%)を得た。
【0310】
化合物47の合成
中間体44及び3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-ピリジン(CAS2244109-98-4)を使用して、化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物47を調製した。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Xtimate C18 10μ 250mm×50mm、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(50%)及びB(50%)、終了時:A(20%)及びB(80%)、勾配時間8分;100%B保持時間0分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物47(6mg、収率:13%)を得た。
【0311】
LC/MS:m/z 492[M+H],rt 5.138min.純度99.8%,方法K
SFC:純度50.7%;49.3%,rt 4.758min,5.371min.方法:SFC1
【0312】
化合物48の合成
中間体45及び3-クロロ-5-イソシアナト-2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-ピリジン(CAS2244109-98-4)を使用して、化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物48を調製した。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(50%)及びB(50%)、終了時:A(20%)及びB(80%)、勾配時間8分;100%B保持時間0分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物48(3mg、収率:5%)を得た。
【0313】
LC/MS:m/z 492[M+H],rt 4.772min.純度98.9%,方法K
SFC:純度47.9%;52.1%,rt 3.945min,4.493min.方法:SFC1.
【0314】
化合物49及び50の合成
【化52】

中間体46及び47の調製
中間体43に関して説明した手順と類似のものにより、中間体46及び47を調製した。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~5%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して粗生成物を得、この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Phenomenex Synergi Max-RP 250×50mm×10 um、条件:A:水(0.225%FA)、B:MeCN、開始時:A(80%)及びB(20%)、終了時:A(25%)及びB(75%)、勾配時間24分;100%B保持時間3分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、黄色固体として中間体47(150mg、収率:2%)及び中間体46(650mg、収率:8%)を得た。
【0315】
中間体49の調製
中間体45に関して説明した手順と類似のものにより、中間体49を調製した。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~15%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体49(20mg、25%)を得た。
【0316】
化合物49の合成
化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物49を調製した。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(55%)及び(45%)、終了時:A(25%)及びB(75%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物49(4mg、収率:7%)を得た。
【0317】
LC/MS:m/z 480.0/482.0[M+H],rt 3.911min.純度99.8%,方法K
SFC:純度51.7%;48.3%,rt 4.483min,4.944min.方法:SFC1
【0318】
中間体48の調製:
中間体48を、中間体45に関して説明した手順と類似のものにより調製したか、又は化合物40の調製での実験手順で説明されているように調製した。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~15%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体48(40mg、収率:8%)を得た。
【0319】
化合物50の調製
中間体48から出発して、化合物20に関して説明した手順と類似のものにより、化合物50を調製した。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Xtimate C18 10μ 250mm×50mm、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(30%)及びB(70%)、勾配時間8分;100%B保持時間0分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物50(4mg、収率:5%)を得た。
【0320】
LC/MS:m/z 466[M+H],rt 4.255min.純度97.3%,方法K
SFC:純度52.9%;47.1%,rt 6.058min,7.033min.方法:SFC13
【0321】
化合物51、52、及び53の合成
【化53】

中間体50の調製
2-ブロモ-5-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)ピリジン(20g、74mmol)及びシクロプロピルボロン酸(13g、148mmol)を、トルエン(160mL)及びHO(40mL)の溶媒混合物に溶解させ、次いで、N下で、KPO(31g、148mmol)、PCy(3g、11mmol)、Pd(OAc)(1g、5mmol)を添加した。この反応物を、N下で12時間にわたり120℃にて撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、この混合物をろ過し、残留物を酢酸エチル200mLで2回洗浄した。有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~10%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色固体として中間体50(13g、収率:76%)を得た。
【0322】
中間体51の調製
MeOH(40mL)、THF(80mL)、及びHO(20mL)中の中間体50(13g、56mmol)の溶液に、室温で、NHCl(15g、280mmol)を添加した。鉄粉(16g、280mmol)を、緩やかに添加した。この反応物を、2時間にわたり65℃で撹拌した。この混合物を25℃まで放冷し、次いでろ過した。残留物を、酢酸エチル300mLで2回洗浄した。有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色固体として中間体51(10.5g、収率:89%)を得た。
【0323】
中間体52の調製
中間体51(2g、10mmol)のTHF(50mL)溶液に、室温で、ピリジン(1.2mL、14.8mmol)を添加した。クロロギ酸フェニル(2g、13mmol)を、緩やかに添加した。この反応物を、16時間にわたり室温で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAc(100mL)で2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として中間体52(3g、収率:75%)を得た。
【0324】
化合物51の調製
THF(5mL)中の中間体52(657mg、1.6mmol)及び中間体39(200mg、0.8mmol)の溶液に、25℃で、TEA(340uL、2.5mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Xtimate C18 10μ 250mm×50mm、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(40%)及びB(60%)、終了時:A(10%)及びB(90%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物51(240mg、収率:57.3%)を得た。
【0325】
LC/MS:m/z 473.1[M+H],rt 2.37min,純度92.2%,方法:D
【0326】
化合物52及び53の調製
化合物51(240mg、0.43mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALCEL OD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:MeOH中に0.1%の水性アンモニア、開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(70%)及びB(30%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物52(105mg、収率:46.8%)を得、及び白色固体として化合物53(110mg、収率:49.7%)を得た。
【0327】
化合物52:
LC/MS:m/z 473.1[M+H],rt 5.15min.純度98.7%,方法:K
SFC:純度100%,rt 3.98min.方法:SFC11
【0328】
化合物53:
LC/MS:m/z 473.1[M+H],rt 5.15min.純度99.9%,方法:K
SFC:純度99.7%,rt 4.56min.方法:SFC11
【0329】
化合物54、55、及び56の合成
【化54】

中間体53の調製
5-クロロ-6-シクロプロピル-3-ピリジンアミン(500mg、2.8mmol)のTHF(10mL)溶液に、室温で、ピリジン(0.4mL、4.3mmol)を添加した。クロロギ酸フェニル(0.5mL、3.7mmol)を、緩やかに添加した。この反応物を、16時間にわたり室温で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~33%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として中間体53(755mg、収率:93%)を得た。
【0330】
化合物54の調製
THF(10mL)中の中間体53(353mg,1.2mmol)及び中間体39(200mg、0.8mmol)の溶液に、25℃で、トリエチルアミン(340uL、2.5mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を室温まで放冷し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Xtimate C18 10μ 250mm×50mm、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(40%)及びB(60%)、終了時:A(10%)及びB(90%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物54(186mg、収率:51.8%)を得た。
【0331】
LC/MS:m/z 439.1[M+H],rt:2.30min,純度:100%,方法:B
【0332】
化合物55及び56の調製
化合物54(186mg、0.42mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALCEL OD-H(250mm×30mm、5μm)条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:MeOH中の0.1%の水性アンモニア. 開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(60%)及びB(40%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物55(79mg、収率:42%)を得、及び白色固体として化合物56(90mg、収率:48%)を得た。
【0333】
化合物55:
LC/MS:m/z 439.1[M+H],rt:4.85min.純度:99.3%,方法:K
SFC:純度100%,rt:5.01min.方法:SFC12
【0334】
化合物56:
LC/MS:m/z 439.1[M+H],rt 4.84min.純度99%,方法:K
SFC:純度98.9%,rt:5.57min.方法:SFC12
【0335】
化合物57、58、及び59の合成
【化55】

化合物57の調製
THF(5mL)中のN-[6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]-カルバミン酸フェニルエステル(CAS2178988-91-3)(427mg、1.2mmol)及び中間体39(200mg、0.8mmol)の溶液に、25℃で、TEA(0.34mL、2.5mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Xtimate C18 10μ 250mm×50mm、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(48%)及びB(52%)、終了時:A(18%)及びB(82%)、勾配時間8分;100%B保持時間1分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物57(240mg、収率:58%)を得た。
【0336】
LC/MS:m/z 500[M+H],rt 2.08min,純度99.1%,方法:D.
【0337】
化合物58及び59の調製
化合物57(240mg、0.48mmol)を、SFC[カラム:Phenomenex-Amylose-1(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO2、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(70%)及びB(30%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物58(95mg、収率:39%)を得、及び白色固体として化合物59(80mg、収率:33%)を得た。
【0338】
化合物58:
LC/MS:m/z 500.1[M+H],rt 4.62min.純度96.7%,方法:K
SFC:純度98.5%,rt 4.21min.方法:SFC1
【0339】
化合物59:
LC/MS:m/z 500.1[M+H],rt 4.62min.純度99.3%,方法:K
SFC:純度99.6%,rt 3.77min.方法:SFC1
【0340】
化合物60、61、及び62の合成
【化56】

中間体54の調製
DMF(150mL)中の中間体39(7.0g、28mmol)、Zn(CN)(2.1g、18mmol)、及びZn(0.55g、8.4mmol)の混合物を、5分にわたりNで脱気した。Pd(dba)(1.3g、1.4mmol)及びdppf(1.6g、2.8mmol)を添加した。この混合物を、N下で12時間にわたり120℃にて撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体54(5.0g、純度:90%)を得た。
【0341】
化合物60の調製
THF(6mL)中の中間体54(150mg、0.78mmol)及びN-[5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-3-ピリジニル]-カルバミン酸フェニルエステル(CAS2178988-79-7)(316mg、0.94mmol)の混合物に、25℃で、トリエチルアミン(0.32mL、2.4mmol)を添加した。この反応混合物を、12時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を25℃まで放冷し、ろ過した。ろ液を真空中で濃縮して、黄色固体として粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(65%)及びB(35%)、終了時:A(35%)及びB(65%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物60(100mg、収率:30%)を得た。
【0342】
化合物61及び62の調製
化合物60(100mg、0.24mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒、A:超臨界CO;溶媒、B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア.開始時:A(65%)及びB(35%)、終了時:A(65%)及びB(35%)、流速(ml/分):50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物61(27mg、収率:28%)及び化合物62(27mg、収率:28%)を得た。
【0343】
化合物61:
LC/MS:m/z 413.1[M+H],rt:4.27min,純度:100%,方法:K.
SFC:純度99.8%,rt:4.38min,方法:SFC10.
【0344】
化合物62:
LC/MS:m/z 413.2[M+H],rt:4.26min,純度:98.4%,方法:K
SFC:純度99.2%,rt:4.87min,方法:SFC10.
【0345】
化合物60の代替的調製
THF(20mL)中の中間体54(500mg、2.5mmol)及びN-[5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-3-ピリジニル]-カルバミン酸フェニルエステル(CAS2178988-79-7)(1.3g、3.8mmol)の溶液に、20℃で、DMAP(619mg、5.1mmol)を添加した。この反応混合物を、2時間にわたり60℃で撹拌した。この混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物に石油エーテル:酢酸エチル=1:1(50L)を添加し、この混合物を10分にわたり25℃で撹拌した。得られた固体をろ別により回収し、石油エーテル:酢酸エチル=1:1(20mL)で洗浄した。この固体残留物を回収し、MeCN(200mL)で処理し、懸濁液を10分にわたり25℃で撹拌した。この混合物をろ過し、生成物を含むろ液を真空中で濃縮して、白色固体として化合物60(450mg、収率:43%)を得た。
【0346】
LC/MS:m/z 413.0[M+H],rt 0.75min,純度100%,方法A
【0347】
化合物61及び62の代替的調製
化合物60(450mg、1.09mmol)を、SFC[カラム:Phenomenex-Amylose-1(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(70%)及びB(30%)、流速(mL/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物61(166mg、収率:37%)を得、及び白色固体として化合物62(173.3mg、収率:38.3%)を得た。
【0348】
化合物61:
HPLC-MS:m/z 413.1[M+H],rt 4.25min.純度100%,方法K;
SFC:純度100%,rt 4.40min.方法:SFC10.
【0349】
化合物62:
HPLC-MS:m/z 413.1[M+H],rt 4.25min.純度99.59%,方法K;
SFC:純度99.38%,rt 4.88min.方法:SFC10.
【0350】
化合物63、64、及び65の合成
【化57】

中間体55の調製
5-ブロモ-3-クロロ-2-メチルピリジン(6.5g、31.5mmol)をTHF(130mL)に溶解させ、-70℃まで冷却した。LDA(THF及びヘプタン中に2M、19mL、38mmol)を滴下した。この反応混合物を、1時間にわたり-70℃で撹拌した。この混合物にDMF(4.9mL、63mmol)を添加し、1時間にわたり-70℃で撹拌した。この反応混合物を、-20℃~-70℃の温度にて、飽和水性NHClでクエンチし、次いでHOを添加し、この混合物を室温まで温めた。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色固体として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~3%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、淡黄色固体として中間体55(6g、収率:81%)を得た。
【0351】
中間体56の調製
中間体55(6g、26mmol)をTHF(150mL)に溶解させ、0℃で撹拌した。臭化メチルマグネシウムの溶液(THF中に3M、17.1mL、51mmol)を、0℃で添加した。この混合物を20℃まで昇温させ、1時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機相を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、黄色固体として粗中間体56(5.9g、収率:89%)を得た。
【0352】
中間体57の調製
中間体56(6.3g、25mmol)をTHF(65mL)に溶解させ、0℃で撹拌した。NaH(鉱油中に60%、1.5g、38mmol)を添加し、この混合物を0.5時間にわたり0℃で撹拌した。MeI(13g、93mmol)を添加し、さらに16時間にわたりrtで撹拌した。この混合物を飽和水性NHClでクエンチし、この混合物をEtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~9%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、黄色油状物として中間体57(6.1g、収率:91%)を得た。
【0353】
中間体58の調製
中間体57(3.9g、19mmol)及びジフェニルメタンイミン(4.0g、22mmol)を、ジオキサン(60mL)に溶解させた。次いで、Pd(OAc)(329mg;1.5mmol)、キサントホス(1.7g、2.9mmol)、及びtBuONa(2g、22mmol)を添加し、この混合物をNでパージした。この反応混合物を、16時間にわたり120℃で撹拌した。この混合物に飽和水性NHClを添加し、この混合物をEtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~8%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、黄色油状物として中間体58(6g、収率68.6%)を得た。
【0354】
中間体59の調製
中間体58(2g、5.5mmol)をDCM(40mL)に溶解させ、TFA(20mL)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたりrtで撹拌した。この混合物を真空下で濃縮して、TFAを除去した。粗生成物をETOAcで希釈し、飽和NaHCOを添加してpH=7にした。水相を、EtOAcで2回抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させて、黄色固体を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~40%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、黄色固体として中間体59(0.8g、収率73%)を得た。
【0355】
化合物63の調製
THF(10mL)中の中間体59(200mg、1.0mmol)及びN-[2-(トリフルオロメチル)-4-ピリジニル]-カルバミン酸フェニルエステル(CAS871556-34-2)(445mg、1.5mmol)の溶液に、25℃で、TEA(303mg、3.0mmol)を添加した。この反応混合物を、12時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~60%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として化合物63(265mg、収率:68%)を得た。
【0356】
LC/MS::m/z 389.1[M+H],rt 0.79min,純度100%,方法A
【0357】
化合物64及び65の調製
化合物63(265mg、0.68mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(85%)及びB(15%)、終了時:A(85%)及びB(15%)、流速(mL/分)60]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物64(130mg、収率:49%)を得、及び白色固体として化合物65(135mg、収率:51%)を得た。
【0358】
化合物64:
LC/MS:m/z 389.1[M+H],rt 5.54min.純度100%,方法K
SFC:純度100%,rt 2.82min.方法:SFC10
【0359】
化合物65:
LC/MS:m/z 389.1[M+H],rt 5.54min.純度100%,方法K
SFC:純度100%,rt 3.02min.方法:SFC10
【0360】
化合物66、67、及び68の合成
【化58】

化合物66の調製
THF(5mL)中の中間体59(200mg、1mmol)及び中間体60(国際公開第2018020474号パンフレットのプロトコルと類似のものにより調製した)(385mg、1.2mmol)の混合物に、25℃で、トリエチルアミン(0.4mL、3mmol)を添加した。この反応混合物を、12時間にわたり80℃で撹拌した。次いで、中間体60の追加の量(160mg、0.5mmol)を添加した。この反応混合物を、12時間にわたり80℃で撹拌した。この反応混合物を25℃に到達させ、真空下で濃縮して、黄色固体として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を濃縮して、黄色固体として生成物を得た。この黄色固体を、石油エーテル/酢酸エチル(5:1)で洗浄して、化合物66(250mg、収率:58%)として白色固体を得た。
【0361】
LC/MS:m/z 429.1[M+H],rt:2.33min,純度:100%,方法:C
SFC:純度49.9/50.1%,rt:4.95/5.59,方法:SFC6
【0362】
化合物67及び68の調製
化合物66(250mg、0.6mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒、A:超臨界CO;溶媒、B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア.開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(60%)及びB(40%)、流速(ml/分):60]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物67(100mg、収率:40%)及び化合物68(103mg、収率:41%)を得た。
【0363】
化合物67:
LC/MS:m/z 429.2[M+H],rt:5.09min,純度:100%,方法:K.
SFC:純度100%,rt:4.94min,方法:SFC6
【0364】
化合物68:
LC/MS:m/z 429.2[M+H],rt:5.10min,純度:99.8%,方法:K
SFC:純度100%,rt:5.57min,方法:SFC6
【0365】
化合物69、70、及び71の合成
【化59】

化合物69の調製
N-[5-クロロ-6-(ジフルオロメトキシ)-3-ピリジニル]-カルバミン酸フェニルエステル(CAS2178988-87-7)及び中間体54を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物69を調製した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、高速液体クロマトグラフィー[カラム Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(50%)及びB(50%)、終了時:A(20%)及びB(80%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物69(125mg、収率:39%)を得た。
【0366】
LC/MS:m/z 412.2[M+H],rt:1.85min,純度99.9%,方法:C.
【0367】
化合物70及び71の調製
化合物69(125mg、0.3mmol)を、SFC[カラム:Phenomenex-Amylose-1(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(85%)及びB(15%)、終了時:A(85%)及びB(15%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物70(42mg、収率:33%)を得、及び白色固体として化合物71(48mg、収率:38.3%)を得た。
【0368】
化合物70:
HPLC/MS:m/z 412.1[M+H],rt:4.96min,純度98.5%,方法:K;
SFC:純度99.8%,rt:2.87min,方法:SFC1.
【0369】
化合物71:
HPLC/MS:m/z 412.1[M+H],rt:4.96min,純度99.7%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:3.12min,方法:SFC1.
【0370】
化合物72、73、及び74の合成
【化60】

化合物72の調製
カルバメートCAS2178988-87-7及び中間体59を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物72を調製した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Xtimate C18 10μ 250mm×50mm、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(45%)及びB(55%)、終了時:A(15%)及びB(85%)、勾配時間15分;100%B保持時間0分;流速60ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物72(170mg、収率:53.4%)を得た。
【0371】
LC/MS:m/z 421.1[M+H],rt:1.96min,純度98.1%,方法C.
【0372】
化合物73及び74の調製
化合物72(170mg、0.4mmol)を、SFC[カラム:Phenomenex-Amylose-1(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(75%)及びB(25%)、終了時:A(75%)及びB(25%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物73(70mg、収率:41.9%)を得、及び白色固体として化合物74(65mg、収率:38.5%)を得た。
【0373】
化合物73:
HPLC/MS:m/z 421.1[M+H],rt:4.88min,純度99.9%,方法:K;
SFC:純度99.7%,rt:3.53min,方法:SFC10.
【0374】
化合物74:
HPLC/MS:m/z 421.1[M+H],rt:4.88min,純度98.8%,方法:K;
SFC:純度98.1%,rt:4.87min,方法:SFC10.
【0375】
化合物75、76、及び77の合成
【化61】

化合物75の調製
カルバメートCAS2178989-01-8及び中間体59を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物75を調製した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(30%)及びB(70%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物75(160mg、収率:42.1%)を得た。
【0376】
LC/MS:m/z 376.2[M+H],rt:1.71min,純度97.7%,方法:C.
【0377】
化合物76及び77の調製
化合物75(160mg、0.42mmol)を、SFC[カラム:Phenomenex-Amylose-1(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(70%)及びB(30%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物76(52mg、収率:33.2%)を得、及び白色固体として化合物77(55mg、収率:35.2%)を得た。
【0378】
化合物76:
HPLC/MS:m/z 376.1[M+H],rt:4.17min.純度99.7%,方法:K.
SFC:純度99.9%,rt:4.39min,方法:SFC10.
【0379】
化合物77:
HPLC/MS:m/z 376.2[M+H],rt:4.17min.純度100%,方法:K.
SFC:純度99.1%,rt:4.94min,方法:SFC10.
【0380】
化合物78、79、及び80の合成
【化62】

中間体61の調製
THF(30mL)中のアミノピリジンCAS2178988-25-3(1.6g、7mmol)の混合物に、20℃でピリジン(1.1mL、14mmol)を添加し、0℃でクロロギ酸フェニル(1.6g、10.5mmol)を添加した。この混合物を、16時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として中間体61(2g、収率:82%)を得た。
【0381】
化合物78の調製
中間体61及び中間体54を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物78を調製した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として化合物78(150mg、収率:32%)を得た。
【0382】
LC/MS:m/z 443.2[M+H],rt:0.83min,純度98.4%,方法:B.
【0383】
化合物79及び80の調製
化合物78(150mg、0.3mmol)を、SFC.[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒、A:超臨界CO;溶媒、B:MeOH中の0.1%の水性アンモニア. 開始時:A(45%)及びB(55%)、終了時:A(55%)及びB(45%)、流速(ml/分):50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物79(65mg、収率:44%)を得、及び白色固体として化合物80(65mg、収率:42%)を得た。
【0384】
化合物79:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.49(d,J=6.8Hz,3H),2.67(s,3H),3.20(s,3H),3.99(s,3H),4.77(q,J=6.8Hz,1H),8.13(s,2H),8.70(s,1H),8.93(s,1H),8.98(br s,1H),9.51(br s,1H)
HPLC/MS:m/z 443.2[M+H],rt:4.62min,純度99.3%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:4.43min,方法:SFC19.
【0385】
化合物80:
HPLC/MS:m/z 443.2[M+H],rt:4.64min,純度95.1%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:3.53min,方法:SFC19.
【0386】
化合物81、82、及び83の合成
【化63】
【0387】
化合物81の調製
中間体61及び中間体59を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物81を調製した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として化合物81(200mg、収率:45%)を得た。
【0388】
LC/MS:m/z 452.1[M+H],rt:0.83min,純度100%,方法:B.
【0389】
化合物82及び83の調製
化合物81(200mg、0.4mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒、A:超臨界CO;溶媒、B:MeOH中の0.1%の水性アンモニア. 開始時:A(50%)及びB(50%)、終了時:A(50%)及びB(50%)、流速(ml/分):70]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物82(80mg、収率:40%)を得、及び白色固体として化合物83(80mg、収率:40%)を得た。
【0390】
化合物82:
HPLC/MS:m/z 452.0[M+H],rt:4.7min,純度99.5%,方法:K;
SFC:純度98.8%,rt:2.72min,方法:SFC19.
【0391】
化合物83:
HPLC/MS:m/z 452.0[M+H],rt:4.7min,純度99.8%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:1.38min,方法:SFC19.
【0392】
化合物84、85、及び86の合成
【化64】

化合物84の調製
中間体61及び中間体39を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物84を調製した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として化合物84(150mg、収率:36%)を得た。
【0393】
LC/MS:m/z 496[M+H],rt:0.84min,純度98%,方法:B.
【0394】
化合物85及び86の調製
化合物84(150mg、0.3mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒、A:超臨界CO;溶媒、B:MeOH中の0.1%の水性アンモニア. 開始時:A(50%)及びB(50%)、終了時:A(50%)及びB(50%)、流速(ml/分):70]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物85(60mg、収率:39%)を得、及び白色固体として化合物86(60mg、収率:40.9%)を得た。
【0395】
化合物85:
HPLC/MS:m/z 496[M+H],rt:4.79min,純度96.3%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:3.30min,方法:SFC19.
【0396】
化合物86:
HPLC/MS:m/z 496[M+H],rt:4.79min,純度100%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:1.55min,方法:SFC19.
【0397】
化合物87、88、及び89の合成
【化65】

中間体62の調製
THF(200mL)中のCAS2230280-11-0(10g、47mmol)の混合物に、20℃でピリジン(11.5mL、143mmol)を添加し、0℃でクロロギ酸フェニル(9mL、71mmol)を添加した。この混合物を、16時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色固体として中間体62(9g、収率:51%)を得た。
【0398】
化合物87の調製
THF(10mL)中の中間体54(200mg、1mmol)の混合物に、25℃で、中間体62(561mg、1.5mmol)及びDMAP(247mg、2mmol)を添加した。この反応混合物を、2時間にわたり60℃で撹拌した。この混合物を25℃に到達させ、ろ過した。ろ液を真空中で濃縮して、黄色固体として粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Phenomenex Gemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(40%)及びB(60%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25mL/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、黄色固体として化合物87(120mg、収率:27.4%)を得た。
【0399】
LC/MS:m/z 427.0[M+H],rt:0.75min,純度:98.9%,方法:A.
【0400】
化合物88及び89の調製
化合物87(120mg、0.28mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK IC(250mm×30mm、10μm)、条件:MeOH、A:超臨界CO;溶媒、B:MeOH.開始時:A(45%)及びB(55%)、終了時:A(45%)及びB(55%)、流速(ml/分):80]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物88(41.3mg、収率:35%)を得、及び白色固体として化合物89(44.1mg、収率:37%)を得た。
【0401】
化合物88:
HPLC/MS:m/z 427.2,[M+H],rt:4.25min,純度:100%,方法:K.
SFC:純度100%,rt:1.93min,方法:SFC19.
【0402】
化合物89:
HPLC/MS:m/z 427.2,[M+H],rt:4.25min,純度:99.9%,方法:K.
SFC:純度99.99%,rt:4.40min,方法:SFC19.
【0403】
化合物90、91、及び92の合成
【化66】

中間体63の調製
THF(10mL)中のCAS2097854-16-3(10g、54mmol)及びピリジン(8.7mL、108mmol)の溶液に、20℃で、クロロギ酸フェニル(11g、70mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~40%のEtOAc)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させて、白色固体として中間体63(13g、収率:70%)を得た。
【0404】
化合物90の調製
THF(10mL)中の中間体39(200mg、0.7mmol)及び中間体63(300mg、1.0mmol)の溶液に、20℃で、DMAP(159mg、1.3mmol)を添加した。この反応混合物を、2時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%のNHO+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(64%)及びB(36%)、終了時:A(34%)及びB(66%)、勾配時間8.5分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物90(180mg、収率:60%)を得た。
【0405】
LC/MS::m/z 457.1[M+H],rt 1.0min,純度100%,方法G
【0406】
化合物91及び92の調製
化合物90(180mg、0.39mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、10μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(50%)及びB(50%)、終了時:A(50%)及びB(50%)、流速(mL/分)70]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物91(86mg、収率:47.5%)を得、及び白色固体として化合物92(86mg、収率:47.3%)を得た。
【0407】
化合物91:
HPLC-MS:m/z 457.1[M+H],rt 4.10min.純度99.5%,方法K
SFC:純度100%,rt 0.59min.方法:SFC18
【0408】
化合物92:
HPLC-MS:m/z 457[M+H],rt 4.10min.純度99.1%,方法K
SFC:純度100%,rt 1.51min.方法:SFC18
【0409】
化合物96、97、及び98の合成
【化67】

化合物96の調製
出発物質としてCAS2178989-01-8及び中間体39を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物96を調製した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(30%)及びB(70%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物96(200mg、収率:57%)を得た。
【0410】
化合物97及び98の調製
化合物96(200mg、0.47mmol)を、SFC[カラム:Phenomenex-Amylose-1(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(70%)及びB(30%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物97(66mg、収率:33.2%)を得、及び化合物98(70mg、収率:35.6%)を得た。
【0411】
化合物97:
LC/MS:m/z 420.1[M+H],rt 4.24min.純度99.2%,方法K;
SFC:純度99.7%,rt 4.68min.方法:SFC1
【0412】
化合物98:
LC/MS:m/z 420.1[M+H],rt 4.24min.純度100%,方法K;
SFC:純度98.3%,rt 5.25min.方法:SFC1
【0413】
化合物99、100、及び101の合成
【化68】

化合物99の調製
THF(30mL)中の中間体54(1g、5.1mmol)及びCAS2178988-91-3(2.6g、7.6mmol)の溶液に、20℃で、DMAP(1.2g、10mmol)を添加した。この反応混合物を、3時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~55%のEtOAc)により精製した。
純粋な画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させて、白色固体として生成物を得た。この化合物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.225%のFA)-ACN、B:MeCN、開始時:A(70%)及びB(30%)、終了時:A(40%)及びB(60%)、勾配時間(分)8;100%B保持時間(分)2;流速(ml/分)60]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物99(1.1g、収率:47%)を得た。
【0414】
LC/MS:m/z 447.0[M+H],rt 0.783min.純度98.6%,方法A
【0415】
化合物100及び101の調製
化合物99(1.1g、2.4mmol)を、SFC.[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:A:CO、B:0.1%のNHO EtOH、開始時:A(75%)及びB(25%)、終了時:A(75%)及びB(25%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物100(502mg、収率:47%)及び化合物101(505mg、収率:47%)を得た。
【0416】
化合物100:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.52(d,J=6.8Hz,3H),2.67(s,3H)3.27(s,3H),4.82(q,J=6.8Hz,1H),8.17(s,2H),8.69(d,J=2.4Hz,1H),8.77(br s,1H),8.84(d,J=2.4Hz,1H),9.10(s,1H),10.46(br s,1H)
HPLC/MS:m/z 447.1[M+H],rt:4.59min.純度:99.9%,方法:K;
SFC:純度99.9%,rt:4.85min,方法:SFC13.
【0417】
化合物101:
HPLC/MS:m/z 447.2[M+H],rt:4.55min.純度:100%,方法:K;
SFC:純度99.7%,rt:5.36min,方法:SFC13.
【0418】
化合物102、103、及び104の合成
【化69】

中間体69の調製
中間体59(350mg、1.74mmol)及びピリジン(0.21mL、2.8mmol)をTHF(4mL)に溶解させ、0℃で撹拌し、この混合物にクロロギ酸フェニル(0.4mL、3.5mmol)を滴下し、16時間にわたりrtまで昇温させた。飽和NHClを添加し、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層をNaSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に10~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、中間体69(450mg、収率:80.4%)を得た。
【化70】

中間体64の調製
MeCN(200mL)中の2,3-ジクロロ-5-ニトロピリジン(16.7g、86.5mmol)及びメチル 2H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレート(10.0g、78.7mmol)の混合物に、KCO(32.6g、236.0mmol)を添加し、この混合物を16時間にわたり50℃で撹拌した。この混合物を25℃まで冷却し、ろ過し、ろ液を濃縮して、黄色固体として中間体64(22g、収率:98.6%)を得た。
【0419】
中間体65の調製
MeOH(40mL)、THF(80mL)、及びHO(20mL)中の中間体64(10g、17.6mmol)の混合物に、鉄粉(4.9g、88.1mmol)及びNHCl(4.7g、88.1mmol)を添加し、この混合物を2時間にわたり60℃で撹拌した。この混合物を25℃まで冷却し、ろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~60%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、黄色固体として中間体65(3.2g、収率:35.8%)を得た。
【0420】
中間体66の調製
THF(100mL)中の中間体65(6g、23.7mmol)、DMAP(289mg、2.4mmol)、及びTEA(7.2g、70.9mmol)の溶液に、25℃で、(Boc)O(25.8g、118.3mmol)を緩やかに添加した。この反応物を、16時間にわたり25℃で撹拌した。この反応混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体66(7.5g、収率:69.8%)を得た。
【0421】
中間体67の調製
中間体66(2.9g、6.4mmol)をTHF(40mL)に溶解させ、0℃で臭化メチルマグネシウム(THF中に3M、8.9mL、26.8mmol)を添加した。この混合物を25℃まで温め、2時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~60%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色固体として中間体67(2.2g、収率:96%)を得た。
【0422】
中間体68の調製
トルエン(50mL)中の中間体67(2.2g、6.1mmol)の混合物にシリカゲル(15g)を添加し、16時間にわたり110℃で撹拌した。この混合物を25℃まで冷却し、ろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~100%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、黄色固体として中間体68(1.5g、収率:97%)を得た。
【0423】
化合物102の調製
中間体68及び69を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物102を調製した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(65%)及びB(35%)、終了時:A(35%)及びB(65%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、化合物102(114.7mg、収率:30.3%)を得た。
【0424】
LC/MS:m/z 480.1[M+H],rt:1.87min,純度:100%,方法:C.
【0425】
化合物103及び104の調製
化合物102(114.7mg、0.24mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm×30mm、10μm)、条件:A:超臨界CO、B:0.1%のNHO EtOH、開始時:A(55%)及びB(45%)、終了時:A(55%)及びB(45%)、流速(ml/分)70]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物103(44mg、収率:38.3%)を得、及び白色固体として化合物104(44mg、収率:40%)を得た。
【0426】
化合物103:
HPLC/MS:m/z 480.1[M+H],rt 4.21min,純度99.8%,方法K.
SFC:純度100%,rt 5.57min.方法:SFC1.
【0427】
化合物104:
HPLC/MS:m/z 480.2[M+H],rt 4.21min,純度100%,方法K.
SFC:純度100%,rt 7.02min.方法:SFC1.
【0428】
化合物105の合成
【化71】

中間体70及び71の調製
中間体59(500mg、2.46mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:MeOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(85%)及びB(15%)、終了時:A(85%)及びB(15%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として中間体70(220mg、収率:44%)を得、及び白色固体として中間体71(210mg、収率:42%)を得た。
【0429】
中間体70 SFC:純度100%、rt 2.594min.方法:SFC10。
【0430】
中間体71 SFC:純度99.87%、rt 2.848min.方法:SFC10。
【0431】
化合物105の調製
CAS2178988-79-7及び中間体71を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物105を調製した。この混合物を真空中で濃縮して、淡黄色固体として粗生成物を得た。この粗物質に、石油エーテル:酢酸エチル=1:1(50mL)を添加し、この混合物を10分にわたり25℃で撹拌し、ろ過した。ろ過ケーキを、さらに20mlの混合溶媒により洗浄した。このろ過ケーキを回収し、THFを添加し(20mL)、この混合物を10分にわたり25℃で撹拌した。ろ液を真空中で濃縮して、白色固体として化合物105(164.4mg、収率:37%)を得た。
【0432】
HPLC/MS:m/z 422.2[M+H],rt 4.225min.純度99.47%,方法K;
SFC:純度99.93%,rt 1.653min.方法:SFC18.
【0433】
化合物106の合成
【化72】

中間体73の調製
THF(15mL)の中間体48(500mg、2mmol;中間体39と類似のものにより調製した)、tert-亜硝酸ブチル(630mg、6.1mmol)、及びCuCl(55mg、0.4mmol)の混合物を、16時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を、25℃まで放冷した。HO(30mL)を添加し、EtOAcで抽出した(20mL×2回)。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗物質を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~10%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、中間体73(270mg、純度83%;黄色油状物)を得た。
【0434】
中間体74の調製
中間体73(220mg、83%純度)、CuI(15mg、0.08mmol)、L-プロリン(18mg、0.16mmol)、KCO(165mg、1.2mmol) NH.HO(5mL)の混合物を、DMSO(5mL)に溶解させた。この混合物を、16時間にわたり100℃で撹拌した。この反応を、飽和NHCl(20mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した(20mL×2回)。まとめた有機層を分離し、ブラインで洗浄させ、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~100%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色油状物として中間体74(40g、収率:29.5%)を得た。
【0435】
化合物106の調製
N-[5-クロロ-6-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)-3-ピリジニル]-カルバミン酸フェニルエステル及び中間体74を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物106を調製した。この反応混合物を真空下で濃縮して、白色固体として粗物質を得た。この混合物にMeOH(20mL)を添加し、15分にわたり80℃で撹拌した。ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗物質を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN、開始時:A(75%)及びB(25%)、終了時:A(45%)及びB(55%)、勾配時間8分;100%B保持時間2分;流速25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体としての2種のエナンチオマーの1:1混合物(21mg、収率:23%)として化合物106を得た。
【0436】
HPLC/MS:m/z 388.1[M+H],rt 3.903min.純度100%,方法M;
SFC:純度49.79%;50.21%,rt 5.813min,8.012min.方法:SFC1
【0437】
化合物110、111、及び112の合成
【化73】

化合物110の調製
CAS2178988-91-3及び中間体59を使用して、化合物57に関して説明した手順と類似のものにより、化合物110を調製した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Boston Prime C18 150×30mm 5um、条件:A:水(0.04%の水性アンモニア+10mMのNHHCO)、B:MeCN.開始時:A(55%)及びB(45%)、終了時:A(25%)及びB(75%)、勾配時間:8分;100%B保持時間:2分;流速:25ml/分]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物110(200mg、収率:44%)を得た。
【0438】
LC/MS:m/z 456.1[M+H],rt:1.85min,純度:100%,方法:C.
【0439】
化合物111及び112の調製
化合物110(200mg、0.44mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:A:超臨界CO、B:0.1%のNHO EtOH、開始時:A(75%)及びB(25%)、終了時:A(75%)及びB(25%)、流速(ml/分)60]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物111(89.5mg、収率:44.7%)を得、及び化合物112(98.2mg、収率47.5%)を得た。
【0440】
化合物111:
HPLC/MS:m/z 456.2[M+H],rt 4.55min.純度100%,方法K
SFC:純度100%,rt 3.54min.方法:SFC1.
【0441】
化合物112:
HPLC/MS:m/z 456.0[M+H],rt 4.55min.純度96.6%,方法K
SFC:純度100%,rt 3.92min.方法:SFC1.
【0442】
化合物113、114、及び115の合成
【化74】

中間体75の調製
MeCN(200mL)中の2,3-ジクロロ-5-ニトロピリジン(16.7g、86.5mmol)及びメチル 2H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレート(10.0g、78.7mmol)の混合物にKCO(32.6g、236.0mmol)を添加し、この混合物を16時間にわたり50℃で撹拌した。この混合物を25℃まで冷却し、ろ過し、ろ液を濃縮して、黄色固体として中間体75(22g、収率:98.6%)を得た。
【0443】
中間体76の調製
MeOH(40mL)、THF(80mL)、及びHO(20mL)中の中間体75(10g、17.6mmol)の混合物に、鉄粉(4.9g、88.1mmol)及びNHCl(4.7g、88.1mmol)を添加した。この混合物を、2時間にわたり60℃で撹拌した。この混合物を25℃まで冷却し、ろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~60%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、黄色固体として中間体76(3.2g、収率:35.8%)を得た。
【0444】
中間体77の調製
THF(100mL)中の中間体76(6g、23.7mmol)、DMAP(289mg、2.4mmol)、及びTEA(7.2g、70.9mmol)の溶液に、25℃で、(Boc)O(25.8g、118.3mmol)を緩やかに添加した。この反応物を、16時間にわたり25℃で撹拌した。この反応混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~30%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体77(7.5g、収率:69.8%)を得た。
【0445】
中間体78の調製
THF(24mL)及びHO(6mL)中の中間体77(3g、6.6mmol)の溶液に、25℃で、LiOH(2.8g、66.0mmol)を添加した。この反応物を、16時間にわたり25℃で撹拌した。この反応混合物を、水性HCl(5M)を使用してpH3~4に調整し、EtOACで抽出した(50mL×3回)。まとめた有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、白色固体として粗中間体78(2.2g、収率:97.3%)を得た。
【0446】
中間体79の調製
DMF(30mL)中の中間体78(2.2g、6.4mmol)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.94g、9.6mmol)、及びDIEA(4.8mL、28.9mmol)の溶液に、25℃で、HATU(3.7g、9.6mmol)を緩やかに添加した。この反応物を、16時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物をHOで希釈し、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~60%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、白色固体として中間体79(2.4g、収率:96%)を得た。
【0447】
中間体80の調製
中間体79(2.4g、6.2mmol)をTHF(60mL)に溶解させ、0℃で臭化メチルマグネシウム(THF中に3M、8.3mL、24.8mmol)を添加した。この混合物を25℃まで温め、2時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色固体として中間体80(2g、収率:95%)を得た。
【0448】
中間体81の調製
中間体80(2g、5.9mmol)をMeOH(30mL)に溶解させ、25℃でNaBH(1.1g、29.6mmol)を緩やかに添加した。この混合物を、16時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチした。この混合物を、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~100%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色固体として中間体81(1.7g、収率:84%)を得た。
【0449】
中間体82の調製
トルエン(30mL)中の中間体81(1.1g、3.2mmol)の混合物に、シリカゲル(8g)を添加した。この混合物を、18時間にわたり110℃で撹拌した。この混合物を25℃まで冷却し、ろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~100%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、黄色固体として中間体82(650mg、収率:82.3%)を得た。
【0450】
中間体83の調製
DMF(10mL)中の中間体82(650mg、2.7mmol)及びイミダゾール(910mg、13.3mmol)の混合物に、N下で0℃にて、tert-ブチルクロロジメチルシランを添加した。この反応混合物を、16時間にわたりrtで撹拌した。この混合物を、25℃まで昇温させた。HO(30mL)を添加し、EtOAcで抽出した(30mL×2回)。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色固体として粗物質を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~60%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体83(700mg、純度:74%)を得た。
【化75】

中間体84の調製
中間体54(2.6g、13.6mmmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AY(250mm×50mm、10μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOHの0.1%の水性アンモニア、開始時:A(85%)及びB(15%)、終了時:A(85%)及びB(15%)、流速(ml/分)180]により分離した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、黄色固体として中間体84(1.1g、純度:100%)を得た。
【0451】
SFC:純度100%、rt:3.36分、方法:SFC20
【0452】
中間体85の調製
THF(10mL)中の中間体84(300mg、1.6mmol)の溶液に、室温で、ピリジン(0.3mL、3.1mmol)を添加した。クロロギ酸フェニル(320mg、2.0mmol)を緩やかに添加した。この反応物を、16時間にわたり室温で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチし、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~50%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として中間体85(450mg、収率:92%)を得た。
【0453】
中間体86の調製
中間体85及び中間体83から出発して、化合物87に関して説明した手順と類似のものにより、中間体86を調製した。この混合物を室温に到達させ、真空中で濃縮して、粗物質を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~60%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として中間体86(420mg、収率:88%)を得た。
【0454】
化合物113の調製
中間体86(350mg、0.6mmol)のDCM(5mL)溶液に、25℃で、HCl.ジオキサン(4M)(5mL)を添加した。この反応物を、2時間にわたり25℃で撹拌した。この反応混合物を、飽和NaHCOを使用してpH=8~9に調整し、EtOAcで抽出した(30mL×3回)。まとめた有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~100%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として化合物113(260mg、収率:91%)を得た。
【0455】
LC/MS:m/z 457.2[M+H] ,rt:0.82min,純度98.6%,方法:B
SFC:純度50.0%/50.0%,rt:2.3min/6.0min,方法:SFC21
【0456】
化合物114及び115の調製
化合物113(260mg、0.56mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK IC(250mm×30mm、10μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中に0.1%の水性アンモニア、開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(60%)及びB(40%)、流速(ml/分)70]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物114(89.0mg、収率:34%)を得、及び化合物115(95.0mg、収率:36%)を得た。
【0457】
化合物114:
HPLC/MS:m/z 457.0[M+H],rt 4.60min.純度98.2%,方法M
SFC:純度100%,rt:5.57min,方法:SFC21
【0458】
化合物115:
HPLC/MS:m/z 457.0[M+H],rt 4.67min.純度97.4%,方法M.
SFC:純度99.2%,rt:6.3min,方法:SFC21
【0459】
化合物116、117、118、及び119の合成
【化76】

中間体87の調製
中間体87(10g、40mmol)をDCM(100mL)に溶解させ、m-CPBA(85%、13.7g、688mmol)を添加した。この混合物を、16時間にわたり20℃で撹拌した。NaOH(5M)を使用してpHを12に調整し、水(100mL)を添加し、この混合物をEtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、100mLの混合溶媒(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)で洗浄した。固体を回収し、真空下で濃縮して、白色固体として中間体87(9.8g、収率:90%)を得た。
【0460】
中間体88の調製
中間体87(30g、96.5mmol)のTHF(200mL)溶液に、Tert-ブチルアミン(8.82g、120.6mmol)、PyBroP CAS132705-51-2(58.5g、125.4mmol)、及びDIPEA(46.7g、361.8mmol)を添加した。この反応物を、16時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を25℃まで冷却し、次いでろ過し、残留物を酢酸エチル150mLで2回洗浄した。飽和NHCl(400mL)を添加し、まとめた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~10%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、白色固体として中間体88(12.5g、収率:35.4%)を得た。
【0461】
中間体89及び90の混合物の調製
中間体89及び90の混合物を、中間体38に関して説明した手順と類似のものにより調製した。残留物を、EtOAc(200mL)で洗浄した。ろ液を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~8%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色油状物として中間体89及び90の混合物(粗物質6g)を得た。
【0462】
中間体91及び92の調製
中間体89及び中間体90の混合物(粗物質6g)を、DCM(20mL)に溶解させた。水性HCl(80mL、1M)を添加し、この混合物を16時間にわたり25℃で撹拌した。この反応混合物を、水性NaOH(5M)を使用してpH=8に調整し、DCMで抽出した(80mL×2回)。まとめた有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~10%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体91(1.5g、収率:2つの工程後に25%)を得、及び黄色油状物として未反応中間体90(粗物質4g)を得た。次いで、中間体90(粗物質4g)を、DCM(10mL)に溶解させた。水性HCl(30mL、3M)を添加し、この混合物を16時間にわたり25℃で撹拌した。この反応混合物を、水性NaOH(5M)を使用してpH=8に調整し、DCMで抽出した(50mL×2回)。まとめた有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~12%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体92(700mg、収率:3つの工程後に12%)を得た。
【0463】
化合物116の調製
化合物116を、化合物99に関して説明した手順と類似のものにより調製した。この反応混合物を25℃まで冷却し、ろ過し、残留物をEtOAc(50mL)で洗浄した。まとめたろ液を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗物質を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~60%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として化合物116(1.0g、収率:60%)を得た。
【0464】
LC/MS:m/z 523.1[M+H],rt 2.230min,純度99.3%,方法C.
【0465】
化合物117の調製
化合物116(1.0g、1.9mmol)をDCM(10mL)に溶解させ、TFA(10mL)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり80℃で撹拌した。この反応混合物を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この反応混合物を、飽和NaHCOを使用してpH=7に調整し、水50mLを添加し、30分にわたりrtで撹拌した。生成物をろ別により回収し、残留物を回収して真空下で乾燥させて、白色固体として化合物117(700mg、収率:72%)を得た。
【0466】
LC/MS:m/z 467.0[M+H],rt 1.488min,純度90.8%,方法C.
【0467】
化合物118及び119の調製
化合物117(600mg、1.165mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK IC(250mm×30mm、10μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(45%)及びB(55%)、終了時:A(45%)及びB(55%)、流速(ml/分)60]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物118(252mg、収率:46.3%)を得、及び白色固体として化合物119(255mg、収率:46.8%)を得た。
【0468】
化合物118:
HPLC/MS:m/z 467[M+H],rt:3.526min,純度98.4%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:7.808min,方法:SFC22.
【0469】
化合物119:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.37(d,J=6.8Hz,3H)3.21(s,3H)4.89(q,J=6.8Hz,1H)6.14(s,2H)8.11(s,2H)8.20(s,1H)8.25(br s,1H)8.42-8.44(m,1H)8.45-8.47(m,1H)10.17(br s,1H)
HPLC/MS:m/z 467[M+H],rt:3.536min,純度98.8%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:9.907min,方法:SFC22.
【0470】
化合物120、121、及び122の合成
【化77】

中間体94の調製
中間体35(2.0g、7.2mmol)をTHF(20mL)に溶解させ、-78℃で、臭化シクロプロピルマグネシウム(28.7mL、14.3mmol、THF中に0.5M)を添加した。この反応混合物を、2時間にわたり-78℃で撹拌した。TLCは、この反応が完了したことを示した。この反応混合物を、飽和水性NHClによりクエンチし、次いでHOを添加し、この混合物をEtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~20%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色油状物として中間体94(1.8g、収率:78%)を得た。
【0471】
中間体95の調製
中間体94(1.8g、5.6mmol)のTHF(20mL)溶液に、0℃で、NaH(336mg、8.4mmol、鉱油中に60%)を添加した。この混合物を、0.5時間にわたり0℃で撹拌した。次いで、MeI(3.2g、22.4mmol)を添加した。この混合物を、2時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物を、飽和水性NHClでクエンチし、EtOAcで2回抽出した。まとめた有機層を、NaSOで脱水し、ろ過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~20%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色油状物として中間体95(1.4g、収率:74%)を得た。
【0472】
中間体96の調製
トルエン(16mL)中の中間体95(1.4g、4.2mmol)の混合物に、ジフェニルメタンイミン(0.8g、4.6mmol)及びt-BuONa(0.4g、4.2mmol)を添加し、この混合物を10分にわたりNでパージした。Pd(dba)(0.2g、0.2mmol)及びBINAP(0.4g、0.6mmol)を添加した。この反応混合物を、12時間にわたり120℃で撹拌した。TLCは、この反応が完了したことを示した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~20%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色油状物として中間体96(1.0g、収率:36%)を得た。
【0473】
中間体97の調製
中間体96(1.0g、1.5mmol)のDCM(15mL)溶液に、HCl(3mL、1M)を添加した。この混合物を、2時間にわたり40℃で撹拌した。この反応混合物を、飽和水性NaHCOを使用してpH=8に調整し、CHClで2回抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、真空下で蒸発させて、黄色油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~55%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体97(330mg)を得た。
【0474】
中間体98の調製
中間体97(330mg、1.1mmol)、Zn(CN)(82mg、0.7mmol)、及びZn(23mg、0.3mmol)の混合物に、DMF(10mL)を添加した。この混合物を、5分にわたりNでパージした。Pd(dba)(53mg、0.1mmol)及びdppf CAS12150-46-8(65mg、0.1mmol)を添加した。この反応混合物を、12時間にわたり120℃で撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮して、黄色油状物として粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~52%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色固体として中間体98(250mg、収率:88%)を得た。
【0475】
化合物120の調製
THF(20mL)中の中間体98(150mg、0.6mmol)及びCAS2178988-91-3(322mg、0.9mmol)の溶液に、20℃で、DMAP(150mg、1.2mmol)を添加した。この反応混合物を、3時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を真空中で濃縮して、粗物質を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~45%のEtOAc)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させて、白色固体として生成物を得た。この化合物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:PhenomenexGemini 150×25mm×10um、条件:A:水(0.04%のNHO+10mMのNHHCO)-ACN、B:MeCN、開始時:A(58%)及びB(42%)、終了時:A(28%)及びB(72%)、勾配時間(分)8;100%B保持時間(分)2;流速(ml/分)25]により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物120(70mg、収率:24%)を得た。
【0476】
LC/MS:m/z 473.1[M+H],rt:0.96min,純度100%,方法:A.
SFC:純度50.1%/49.9%,rt:5.2min/6.9min,方法:SFC13.
【0477】
化合物121及び122の調製
化合物120(70mg、0.1mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm)、条件:A:CO、B:0.1%のNHO EtOH、開始時:A(60%)及びB(40%)、終了時:A(60%)及びB(40%)、流速(ml/分)70]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として化合物121(29.5mg、収率:42%)及び化合物122(28.6mg、収率:40%)を得た。
【0478】
化合物121:
HPLC/MS:m/z 473.2[M+H],rt:4.87min.純度100%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:5.19min,方法:SFC13.
【0479】
化合物122:
HPLC/MS:m/z 473.2[M+H],rt:4.87min.純度:100%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:6.87min,方法:SFC13.
【0480】
化合物123、124、及び125の合成
【化78】

中間体99の調製
メタノール(0.83g、26mmol)をDMF(30mL)に溶解させ、0℃でNaH(1.0g、26mmol、鉱油中に60%)を添加した。この混合物を、1時間にわたり室温で撹拌した。次いで、この混合物に、中間体2(2.0g、6.5mmol)及びCu粉(0.040g、0.65mmol)を緩やかに添加した。この混合物を、20分にわたり80℃で撹拌した。この反応物を0℃まで冷却し、水(30mL)の滴下によりクエンチし、次いでEtOAcで2回抽出した(50mL×2回)。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~60%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を減圧下で濃縮して、無色液体として中間体99(1.13g、収率:70.4%)を得た。
【0481】
中間体100の調製
トルエン(20mL)中の中間体99(1.13g、4.58mmol)、ジフェニルメタンイミン CAS1013-88-3(0.9g、5mmol)、及びt-BuONa(0.44g、4.58mmol)の混合物を、10分にわたりNでパージした。次いで、Pd(dba)(0.21g、0.23mmol)、及びBINAP(0.43g、0.69mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり120℃で撹拌した。この反応物を25℃まで冷却し、ろ過した。残留物を、EtOAc(50mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~70%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、黄色油状物として粗中間体100(1.78g、収率:65.9%)を得た。
【0482】
中間体101の調製
粗中間体100(1.78g、58.7%純度)を、DCM(20mL)に溶解させた。水性HCl(6mL、1M)を添加し、この混合物を24時間にわたり室温で撹拌した。この反応混合物を、飽和NaHCOを使用してpH=8に調整し、DCMで抽出した(30mL×2回)。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で蒸発させて、黄色油状物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~90%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として中間体101(0.47g、収率:2つの工程後に56%)を得た。
【0483】
化合物123の調製
THF(10mL)中の中間体101(350mg、1.92mmol)及びCAS2178988-91-3(805mg、2.3mmol)の溶液に、20℃で、DMAP(469uL、3.84mmol)を添加した。この反応混合物を、2時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物を室温まで放冷し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~90%のEtOAc)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で濃縮して、白色固体として化合物123(0.6g、収率:66%)を得た。
【0484】
LC/MS:m/z 438.1[M+H],rt:0.699min,純度92.8%,方法:B.
【0485】
化合物124及び125の調製
化合物123(600mg、1.27mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm×50mm、10μm)、条件:溶媒A:超臨界CO、溶媒B:EtOH中の0.1%の水性アンモニア、開始時:A(65%)及びB(35%)、終了時:A(65%)及びB(35%)、流速(ml/分)80]により分離した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空中で蒸発させて、白色固体として粗物質(260mg、純度:93.5%)を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中に0~90%のEtOAc)により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。残留物にMeCN及びHOを添加し、凍結乾燥させて、白色固体として化合物124(207mg、収率:37%)及び化合物125(253mg、収率:45%)を得た。
【0486】
化合物124:
HPLC/MS:m/z 438.2[M+H],rt:3.762min,純度99.9%,方法:K.
SFC:純度100%,rt:0.928min,方法:SFC1.
【0487】
化合物125:
LC/MS:m/z 438.2[M+H],rt:3.765min,純度100%,方法:K.
SFC:純度100%,rt:1.163min,方法:SFC1.
【0488】
化合物126、127、及び128の合成
【化79】

中間体102の調製
CHCN(250mL)及びHO(125mL)の混合物中の中間体2(5.0g;17mmol))、2,2-ジフルオロ酢酸(5当量)、及びAgNO(5当量)の混合物に、(NH(10当量)を添加した。この反応混合物を、60℃まで加熱した。この反応混合物を、36時間にわたり60℃で撹拌した。この反応混合物を、NH.HOを使用してpH=10に調整し、ETOAcで抽出した(100mL×3回)。まとめた有機層を、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色油状物として得た。粗物質を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 100/0~95/5)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗中間体102(2.5g)を得、この粗中間体102を、分取HPLC:カラム:Xtimate C18 150×25mm×5um 条件:A:水(0.225%のFA) B:MeCN 開始時:A(60%)及びB(40%)終了時:A(30%)及びB(70%)勾配時間(分)7 100%B保持時間(分)2;流速(ml/分)30により精製した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。水層を凍結乾燥させて、白色固体として中間体102(800mg、収率:15.5%)を得た。
【0489】
中間体103の調製
中間体102(800mg、2.32mmol)及びジフェニルメタンイミン(462mg、2.55mmol)を、トルエン(20mL)、Pd(dba) CAS:51364-51-3(106mg、0.12mmol)に溶解させた。この溶液にBINAP(216mg、0.35mmol)及びNaOtBu(223mg、2.32mmol)を添加し、この溶液をNでパージした。この反応混合物を、16時間にわたり120℃で撹拌した。この反応物をrtまで冷却し、この混合物をろ過し、ろ過ケーキをEtOAc(20mL)で洗浄した。ろ液を真空下で濃縮して、粗生成物を得た。この粗物質を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 100/0~85/15)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色油状物として中間体103(750mg、収率:72.3%)を得た。
【0490】
中間体104の調製
中間体103(750mg、1.68mmol)をDCM(6mL)に溶解させ、HCl(6mL、1M水溶液)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたりrtで撹拌した。この反応混合物を、飽和NaHCOを使用してpH=8に調整し、DCMで抽出した(30mL×2回)。まとめた有機層を、NaSOで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、黄色油状物として粗物質を得た。この粗物質を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル 100/0~45/55)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮して、黄色固体として中間体104(350mg、収率:73.9%)を得た。
【0491】
中間体105の調製
DMF(10mL)中の中間体104(350mg、1.24mmol)、Zn(CN)(150mg、1.28mmol)、及びZn末(49mg、0.75mmol)の溶液を、5分にわたり脱気した。次いで、Pd(dba)(57mg、0.06mmol)、dppf(69mg、0.12mmol)を添加し、この混合物を、N下で16時間にわたり120℃にて撹拌した。この混合物をろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、シリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液;石油エーテル/EtOAc 100/0~62/38)により精製した。所望の画分を回収し、溶媒を真空下で濃縮乾固させて、黄色個体として中間体105(210mg、収率:65.6%)を得た。
【0492】
化合物126の調製
THF(10mL)中の中間体105(210mg、0.82mmol)及びCAS2178988-91-3(428mg、1.22mmol)の溶液に、rtで、DMAP(299mg、2.45mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり80℃で撹拌した。この混合物にMeCN(10mL)を添加し、ろ過した。ろ液を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、分取高速液体クロマトグラフィー[カラム:Waters Xbridge Prep OBD C18 150×40mm×10μm、条件:A:水(10mMのNHHCO)B:MeCN、開始時:A(62%)及びB(38%)、終了時:A(32%)及びB(68%)、勾配時間(分)15;100%B保持時間(分)1;流速(ml/分)25]により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発乾固させて、白色固体として化合物126(80mg、収率:20%)を得た。
【0493】
LC/MS:m/z 483.1[M+H],rt:0.98min,純度99.2%,方法:A.
【0494】
化合物127及び128の調製
化合物126(80mg、0.16mmol)を、SFC[カラム:DAICEL CHIRALCEL OD(250mm×30mm、10μm)、条件:移動相:A:超臨界CO、B:0.1%のNHO IPA.開始時:B(40%)、終了時:B(40%)、流速(ml/分)50]により分離した。純粋な画分を回収し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。CHCN 2mL及びHO 20mLを添加し、この混合物を凍結乾燥させて、白色固体として化合物127(35mg、純度:99%、収率:43.8%)及び化合物128(35mg、純度:100%、収率:44.1%)を得た。
【0495】
化合物127:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.54(d,J=6.8Hz,3H),3.30(s,3H),4.93(q,J=6.8Hz,1H),6.94-7.31(m,1H),8.15(s,2H),8.67(d,J=2.4Hz,1H),8.83(d,J=2.4Hz,1H),9.07(br s,1H),9.44(s,1H),10.71(br s,1H)
LC/MS:m/z 483.1[M+H],rt:5.04min,純度99.3%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:5.43min,方法:SFC23
【0496】
化合物128:
LC/MS:m/z 483.2[M+H],rt:5.04min,純度100%,方法:K;
SFC:純度99.6%,rt:5.90min,方法:SFC23.
【0497】
下記の表の化合物を、既に説明した化合物の内の1つと類似のものにより調製した。「合成」に関する下記の表では、一般的スキームで説明した手順を参照する。
【0498】
【表4】
【0499】
【表5】
【0500】
【表6】
【0501】
【表7】
【0502】
【表8】
【0503】
【表9】
【0504】
化合物130:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.39(d,J=6.8Hz,3H),3.24(s,3H),4.98(d,J=6.4Hz,1H),8.08(s,1H),8.13(s,2H),8.66(d,J=2.4Hz,1H),8.76(s,1H),8.81(d,J=2.4Hz,1H),8.85(s,1H),10.61(br s,1H);
HPLC/MS:m/z 441.1,[M+H],rt:3.81min.純度:100%,方法:K.
SFC:純度:99.48%,rt:1.20min,方法:SFC30.
【0505】
化合物129:
HPLC/MS:m/z 441.1,[M+H],rt:3.81min.純度:100%,方法:K;
SFC:純度:100%,rt:1.40min,方法:SFC30.
【0506】
化合物132:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.39(d,J=6.8Hz,3H),3.28(s,3H),3.88(s,3H),4.97(q,J=6.8Hz,1H),8.08(s,1H),8.13(s,2H),8.66(d,J=2.4Hz,1H),8.77(s,1H),8.81(d,J=2.4Hz,1H),8.85(s,1H),10.61(s,1H);
HPLC/MS:m/z 441.1,[M+H]+,rt:4.04min,純度:100%,方法:M;
SFC:純度:99.72%,rt:1.21min,方法:SFC30.
【0507】
化合物131:
HPLC/MS:m/z 441.1[M+H],rt:4.15min,純度:100%,方法:M;
SFC:純度:99.69%,rt:1.40min,方法:SFC30.
【0508】
化合物134:
LC/MS:m/z 492.1,494.1[M+H],rt 5.1min.純度100%,方法:K;
SFC:純度99.9%,rt 5.3min.方法:SFC 13.
【0509】
化合物133:
LC/MS:m/z 492.1,494.1[M+H],rt 5.1min.純度100%,方法:K;
SFC:純度99.3%,rt 5.6min.方法:SFC 13.
【0510】
化合物136:
HPLC/MS:m/z 422.1,423.1,424.1[M+H],rt 4.2min.純度98.6%,方法:K;
SFC:純度100%,rt 5.9min.方法:SFC1.
【0511】
化合物135:
HPLC/MS:m/z 422.1,423.1,424.1[M+H],rt 4.2min.純度98.6%,方法:K;
SFC:純度100%,rt 7.3min.方法:SFC1.
【0512】
化合物146:
LC/MS:m/z 468.2[M+H],rt 4.0min.純度99.6%,方法:K;
SFC:純度100%,rt 4.5min.方法:SFC25.
【0513】
化合物137:
LC/MS:m/z 468.2[M+H],rt 4.0min.純度99.8%,方法:K;
SFC:純度98%,rt 4.7min.方法:SFC25.
【0514】
化合物139:H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.41(d,J=6.8Hz,3H),3.25(s,3H),4.93(q,J=6.8Hz,1H),6.21(s,2H),8.16(s,2H),8.25(s,1H),8.29(s,1H),8.70(d,J=2.4Hz,1H),8.79(d,J=2.4Hz,1H),10.34(br s,1H);
HPLC/MS:m/z 501.1,503.1[M+H]+,rt:3.875min,純度99%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:0.666min,方法:SFC 41.
【0515】
化合物138:
HPLC/MS:m/z 501.1,503.1[M+H]+,rt:3.877min,純度98.7%,方法:K;
SFC:純度99.89%,rt:1.128min,方法:SFC 41.
【0516】
化合物140:
HPLC/MS:m/z 434.2,436.2[M+H],rt 3.8min.純度99.9%,方法:K.
SFC:純度100%,rt 3.3min.方法:SFC 25
【0517】
化合物141:
HPLC/MS:m/z 434.2,436.2[M+H],rt 3.8min.純度100%,方法:K.
SFC:純度100%,rt 5.0min.方法:SFC 25
【0518】
化合物143:
HPLC/MS:m/z 482.2,484.1[M+H],rt:3.61min.純度:100%,方法:L;
SFC:純度99.9%,rt:3.51min,方法:SFC1.
【0519】
化合物142:
HPLC/MS:m/z 482.1,484.1[M+H],rt:3.60min.純度:100%,方法:L;
SFC:純度100%,rt:4.40min,方法:SFC1.
【0520】
化合物144:
HPLC/MS:m/z 536.0,538.0[M+H],rt:5.29min.純度:99%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:1.24min,方法:SFC33.
【0521】
化合物147:
HPLC/MS:m/z 535.9,537.9[M+H],rt:5.28min.純度:98%,方法:K;
SFC:純度99.8%,rt:1.34min,方法:SFC33.
【0522】
化合物145:
HPLC/MS:m/z 380.1[M+H],rt:4.43min.純度100%,方法:K.
SFC:純度100%,rt:3.73min,方法:SFC39.
【0523】
化合物149:
HPLC/MS:m/z 380.2[M+H],rt:4.43min.純度:100%,方法:K;
SFC:純度99%,rt:3.55min,方法:方法:SFC39.
【0524】
化合物148:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.89(t,J=7.2Hz,3H),1.69-1.81(m,1H),1.94(dt,J=14,7.2Hz,1H),2.64(s,3H),3.26(s,3H),4.56(t,J=6.8Hz,1H),8.13(s,2H),8.65(s,2H),8.80(s,1H),9.09(s,1H),10.46(br s,1H);
HPLC/MS:m/z 461.2,[M+H]+,rt:4.80min,純度:100%,方法:K;
SFC:純度100%,rt:1.45,min,方法:SFC35.
【0525】
化合物150:
HPLC/MS:m/z 461.2,[M+H],rt:4.79min,純度:100%,方法:K;
SFC:純度100 %,rt:1.58min,方法:SFC35.
【0526】
化合物151:
HPLC/MS:m/z 587.1,589.1[M+H],rt:4.649min,純度96.77%,方法:L
【0527】
化合物152:
HPLC/MS:m/z 509.3,[M+H],rt:3.06min.純度:100%,方法:L
【0528】
化合物153:
LC/MS:m/z 481.1,482.0,483.1[M+H],,rt 3.7min.純度99.1%,方法:K;
SFC:純度100%,rt 4.0min.方法:SFC27
【0529】
化合物154:
LC/MS:m/z 481.1,482.0,483.1[M+H],,rt 3.7min.純度98%,方法:K;
SFC:純度100%,rt 2.1min.方法:SFC27
【0530】
NMRの説明
いくつかの化合物に関して、内部重水素ロックを使用し及びz勾配を有する5mm PABBO BB-1H/Dプローブヘットを備え、プロトンの場合には400MHzで動作して炭素の場合には100MHzで動作するBruker Avance III 400分光計を周囲温度(295K)で使用するか、又は内部重水素ロックを使用して、及び5mm PFG 4Nuc Probeを備え、プロトンの場合には400MHzで動作して炭素の場合には100MHzで動作するVarian VNMRS 400M分光計を周囲温度(295K)で使用して、NMR実験を実行した。化学シフト(δ)を、100万分の1(ppm)で報告する。J値を、Hzで表す。
【0531】
或いは、いくつかのNMR実験を、内部重水素ロックを使用して、及び5mm PFG 4Nuc Probeを備え、プロトンの場合には400MHzで動作して炭素の場合には100MHzで動作するVarian MR 400MHz分光計を周囲温度(295K)で使用して実行した。化学シフト(δ)を、100万分の1(ppm)で報告する。J値を、Hzで表す。
【0532】
LCMS(液体クロマトグラフィー/質量分析法)
一般手順
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を、各方法で明記したLCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)検出器又はUV検出器、及びカラムを使用して実施した。必要に応じて、検出器を追加した(下記の方法の表を参照されたい)。
【0533】
カラムからの流れは、大気圧イオン源と共に構成された質量分析計(MS)に導入された。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、スキャン範囲、ドウェル時間等)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ収集を、適当なソフトウェアで実施した。
【0534】
化合物を、この実験保持時間(R)及びイオンで説明する。データの表に別段明記されていない場合には、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)及び/又は[M-H](脱プロトン化分子)に対応する。化合物を直接イオン化できなかった場合には、付加物の種類を明記する(即ち、[M+NH、[M+HCOO]等)。同位体パターンが複数の分子(Br、Cl等)の場合には、報告された値は、最も低い同位体質量に関して得られた値である。全ての結果は、使用される方法に通常付随する実験的不確実性を伴って得られた。
【0535】
以下において、「SQD」はシングル四重極検出器を意味し、「RT」は室温を意味し、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを意味し、「HSS」は高強度シリカを意味し、「DAD」はダイオードアレイ検出器を意味する。
【0536】
【表10】
【0537】
【表11】
【0538】
【表12】
【0539】
【表13】
【0540】
分析的SFC
SFC法の一般的手順
SFC測定を、二酸化炭素(CO)及びモディファイアを送達するバイナリポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン、400バールまで耐用する高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器で構成されている分析超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)システムを使用して実施した。データ収集を、適切なソフトウェアを用いて実施した。
【0541】
【表14】
【0542】
【表15】
【0543】
【表16】
【0544】
【表17】
【0545】
【表18】
【0546】
生物学的実施例
インビトロアッセイには、細胞形態、タンパク質発現、及び/又は細胞毒性、酵素阻害活性、及び/又は本発明の化合物による細胞の処理後の機能的結果を決定するアッセイが含まれる。代替の又は追加のインビトロアッセイを使用して、細胞内のタンパク質分子又は核酸分子に結合する、阻害剤の能力を定量化し得る。
【0547】
阻害剤の結合を、結合前の阻害剤を放射性標識し、阻害剤/標的分子複合体を単離し、結合した放射性標識の量を決定することにより測定し得る。或いは又は加えて、阻害剤の結合を、既知の放射性リガンドに結合した精製済のタンパク質又は核酸と共に新規の阻害剤をインキュベートする競合実験を実行することにより決定し得る。MALT1阻害剤として本発明の式(I)の化合物をアッセイするための例示的なシステムの詳細な条件を、下記の生物学的実施例に記載する。
【0548】
そのようなアッセイは例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。当業者は、従来のアッセイを改変して、活性を比較的に評価するか又は本明細書で説明されている化合物及び/若しくは組成物をその他の方法で特徴付けるために採用され得る同等のアッセイ又は他のアッセイを開発し得ることを理解し得る。
【0549】
下記の表で報告されるIC50値は、使用するアッセイ及び装置に関連する許容誤差の影響を受ける。
【0550】
インビトロアッセイ
生物学的実施例1
MALT1の生化学的プロテアーゼアッセイ
MALT1プロテアーゼ活性を、基質としてのテトラペプチド及びバキュロウイルス感染昆虫細胞から精製された完全長MALT1タンパク質(Strep-MALT1(1-824)-His)を使用するインビトロアッセイで評価した。テトラペプチドLRSRは、AMC(7-アミノ-4-メチルクマリン)に結合しており、MALT1プロテアーゼ(SM Biochemicals)用の消光した蛍光基質をもたらす。アルギニン残基からのAMCの切断により、460nmで測定されるクマリン蛍光(励起355nm)が増加する。最終アッセイ緩衝液は、10nMのFL MALT1タンパク質、200μMのAc-LRSR-AMC、50mMのTris pH7.5、0.6Mのクエン酸塩、1mMのDTT、1mMのEDTA、0.05%のBSA、及び1.5%のDMSOからなった。試験化合物を、黒色384-Proxiplate(Perkin Elmer)のウェル当たり100%のDMSO中の50nLでスポットした。試験化合物の濃度は、11段階希釈(1:3)を使用して30μM~0.5nMの範囲であった。バックグラウンドシグナルを、酵素を含まないアッセイ緩衝液が入ったコントロールウェルから測定し、このシグナルは、低コントロール(LC)として機能する。高コントロール(HC)値を、酵素を含むが化合物が処理されていない反応を使用して生成した。化合物を、RTで50分にわたり、MALT1酵素と共にプレインキュベートした。その後に基質を添加し、励起355nm及び発光460nmにてLabsystems fluoroskanで蛍光を測定して0時間を決定した。その後、この反応物をRTで4時間にわたりインキュベートし、蛍光を測定した。IC50の算出のために、4時間の時点から0時点を減算して、化合物の自己発光のあらゆる可能性を補正した。酵素反応は、4時間のインキュベーション期間にわたり直線的であった。基質Ac-LRSR-AMCのキャラクタリゼーションにより、200μMでのミカエリス定数Kを決定した。
【0551】
IC50値を、下記式(Zプライムは>0.5であるべきである)を使用して算出した。
LC=低コントロール値の中央値
=低コントロール:酵素を使用しない反応
HC=高コントロール値の中央値
=高コントロール:酵素を使用する反応
%効果=100-[(サンプル-LC)/(HC-LC)×100]
%コントロール=(サンプル/HC)×100
%コントロールmin=(サンプル-LC)/(HC-LC)×100
【0552】
最小二乗和法により、%コントロールmin対化合物濃度のプロットに対して最良適合曲線をフィットさせる。これから、IC50値(50%阻害を引き起こす阻害濃度)を得ることができる。Hill係数に関するプロットの傾きの推定も得た。
【0553】
IC50の算出:
【数3】

式中、y=推定される反応
UB=上限
LB=下限
h=hill
【0554】
“Lexis Dose Response Curve Fitting”Version 1.0で使用した。結果のデータを表Aに示す。
【0555】
【表19】
【0556】
【表20】
【0557】
【表21】
【0558】
【表22】
【0559】
生物学的実施例2
ヒトIL6/IL10メソスケールアッセイ
NFBシグナル伝達により、IL6及びIL10を含む複数のサイトカインの分泌が制御される。OCI-LY3 ABC-DLBCL細胞によるサイトカインIL6及びIL10の分泌を、メソスケールアッセイを使用して測定した。MALT1阻害剤によるNFBシグナル伝達の阻害により、IL6/10分泌が減少する。
【0560】
OCI-LY3細胞を、10%のウシ胎児血清(HyClone)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Invitrogen)、2mMのL-グルタミン(Sigma Aldrich)、及び1%のPenStrep(Sigma Aldrich)が補充されたRPMI-1640(Sigma Aldrich)中で増殖させた。細胞の継代数は、30を超えるべきではない。細胞を、培養中に1mL当たり50万~250万個の細胞で維持すべきであり、細胞に、2~3日毎に新鮮な50μMのベータ-メルカプトエタノール(mercaptoenthanol)を補充すべきである。メソスケールアッセイの最中は、ベータ-メルカプトエタノールを使用しなかった。
【0561】
メソスケールアッセイのために、底が透明な黒色着色96ウェルプレート(Corning #3904)中にウェル当たり100,000個のOCI-LY3細胞を播種し、試験化合物を、15μM~58.6nMの範囲の9段階希釈(1:2)で添加した(最終DMSO濃度0.3%)。DMSOコントロールウェルを使用して、最大シグナル(高コントロール(HC))を決定した。30nM~131pM(1:2の9回希釈)の用量範囲でのBTK阻害剤RN486による処理は、NFB経路阻害の陽性コントロールとしての役割を果たしており、これを使用して、最大阻害(低コントロール(LC))を決定した。化合物及び細胞を、37℃及び5%のCOで24時間にわたりインキュベートした(アッセイ量は150μLである)。24時間のインキュベーション後、上清50μLをMSDプレート(V-Plex Proinflammation Panel 1(ヒト)キット、Mesoscale(MSD))に移し、室温で激しく振盪させつつ(600rpm)2時間にわたりインキュベートした。インキュベーション後、プレートをPBS+0.05%のTween-20で3回洗浄し、ウェル当たり検出抗体溶液(希釈剤3(MSD)中のIL6&IL10抗体)25μLを添加し、続いて、室温で激しく振盪させつつ(600rpm)で2時間にわたりインキュベートした。PBS+0.05%のTween-20による3回の洗浄後、プレートを、2×Read Buffer T 150μLと共にインキュベートし、SECTOR撮像装置で読み取った。結果のデータを表Bに示す。
【0562】
【表23】
【0563】
【表24】
【0564】
【表25】
【0565】
【表26】
【0566】
【表27】
【0567】
前述の明細書は、説明のために記載されている実施例と共に、本発明の原理を教示するが、本発明の実施は、下記の特許請求の範囲及び等価物の範囲内に入る通常の変更、適応、及び/又は改変の全てを包含することが理解されるだろう。

本発明は次の実施態様を含む。
[請求項1]
式(I)
【化1】
(式中、
は、水素、C 1~4 アルキル、若しくはC 3~6 シクロアルキルを表し;
は、水素、C 1~4 アルキル、若しくはC 3~6 シクロアルキルを表し;及び
は、水素を表すか;
又は
及びR は、一緒に、二価ラジカル-R -R -を形成し、-R -R -は、-(CH -若しくは-CH -O-(CH -を表し、nは、2、3、4、若しくは5を表し;及び
は、水素を表すか;
又は
は、水素、C 1~4 アルキル、若しくはC 3~6 シクロアルキルを表し;
及びR はまとめて、これらが結合している炭素原子と一緒に、C 3~6 シクロアルキルを形成し;
は、水素、-OR 、C 1~4 アルキル、C 2~4 アルケニル、ハロ、-CN、C 3~6 シクロアルキル、Het 、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C 1~4 アルキル、-NR 6a 7a 、及び-C(=O)NR 6b 7b からなる群から選択され;
2a 及びR 2b は、それぞれ独立して、水素、-O-C 1~4 アルキル、ハロ、-NR 6c 7c 、C 3~6 シクロアルキル、C 1~4 アルキル、及び、1個、2個、又は3個のハロ原子で置換されているC 1~4 アルキルからなる群から選択され;
は、N又はCR を表し;
は、N又はCR を表し;
但し、X 及びX の一方のみは、いかなる場合もNであり;
は、水素、C 1~4 アルキル、又は-O-C 1~4 アルキルを表し;
は、ハロ、シアノ、又はトリフルオロメチルを表し;
は、水素、C 1~4 アルキル、C 3~6 シクロアルキル、Het 、並びに、-OH、ハロ、-C(=O)-NR 、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C 1~4 アルキル、C 3~6 シクロアルキル、及びフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個又は2個の置換基で置換されているC 1~4 アルキルからなる群から選択され;
6a 、R 6b 、R 6c 、R 7a 、R 7b 、R 7c 、R 、及びR は、それぞれ独立して、水素及びC 1~4 アルキルからなる群から選択され;
Het は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の非芳香族ヘテロシクリルを表し;
Het は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む単環式の4~7員の非芳香族ヘテロシクリルを表し;
は、1個、2個、若しくは3個のハロ置換基でそれぞれ任意選択的に置換されている、C 1~4 アルキル若しくは-O-C 1~4 アルキルを表すか;
又は
は、C 1~4 アルキル及び1個の-OHで置換されているC 1~4 アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で、1個若しくは2個の炭素原子上でそれぞれ任意選択的に置換されている、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル若しくはC 3~6 シクロアルキルを表し;
は、水素を表す)
の化合物、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩形態。
[請求項2]
は、水素、C 1~4 アルキル、又はC 3~6 シクロアルキルを表し;
は、水素又はC 1~4 アルキルを表し;及び
は、水素を表し;
2a 及びR 2b は、それぞれ独立して、水素、-NR 6c 7c 、C 3~6 シクロアルキル、C 1~4 アルキル、及び、1個、2個、又は3個のハロ原子で置換されているC 1~4 アルキルからなる群から選択され;
但し、X 及びX の一方のみは、いかなる場合もNであり;
は、水素、C 1~4 アルキル、C 3~6 シクロアルキル、Het 、並びに、-C(=O)-NR 、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C 1~4 アルキル、C 3~6 シクロアルキル、及びフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個又は2個の置換基で置換されているC 1~4 アルキルからなる群から選択され;
は、1個、2個、若しくは3個のハロ置換基で任意選択的に置換されている-O-C 1~4 アルキルを表すか;
又は
は、C 1~4 アルキル及び1個の-OHで置換されているC 1~4 アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で、1個の炭素原子上で任意選択的にそれぞれ置換されている、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル又はC 3~6 シクロアルキルを表す、
請求項1に記載の化合物。
[請求項3]
は、C 1~4 アルキルを表し;
は、C 1~4 アルキルを表し;及び
は、水素を表し;
は、-OR 、ハロ、及び-CNからなる群から選択され;
2a は、水素を表し;
2b は、水素、-NR 6c 7c 、及びC 1~4 アルキルからなる群から選択され;
は、CR を表し;
は、Nを表し;
は、水素を表し;
は、トリフルオロメチルを表し;
は、C 1~4 アルキルを表し;
6c 及びR 7c は、水素を表し;
は、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イルを表す、
請求項1に記載の化合物。
[請求項4]
は、水素、C 1~4 アルキル、又はC 3~6 シクロアルキルを表し;
は、水素、C 1~4 アルキル、又はC 3~6 シクロアルキルを表し;及び
は、水素を表す、
請求項1に記載の化合物。
[請求項5]
は、CR を表し;
は、Nを表す、
請求項1に記載の化合物。
[請求項6]
は、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イルを表す、請求項5に記載の化合物。
[請求項7]
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体、薬学的に許容される添加剤、及び薬学的に許容される希釈剤の内の少なくとも1つとを含む、医薬組成物。
[請求項8]
薬物としての使用のための、請求項1に記載の化合物。
[請求項9]
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎(PsA)、乾癬(Pso)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病、全身性エリテマトーデス(SLE)、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置又は予防での使用のための、請求項1に記載の化合物。
[請求項10]
疾患、症候群、状態、又は障害を処置する方法であって、前記疾患、症候群、状態、又は障害は、MALT1の阻害による影響を受けており、前記方法は、請求項1に記載の化合物の治療上有効な量を、必要な対象に投与することを含む、方法。
[請求項11]
前記疾患、症候群、状態、又は障害は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎(PsA)、乾癬(Pso)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病、全身性エリテマトーデス(SLE)、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。