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特許7555436無線周波数トランジスタ増幅器パッケージ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】無線周波数トランジスタ増幅器パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/02 20060101AFI20240913BHJP
   H01L 21/338 20060101ALI20240913BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20240913BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20240913BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240913BHJP
   H03F 3/60 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
H01L23/02 H
H01L29/80 H
H01L29/80 F
H01L23/12 301Z
H03F3/60
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022580059
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 US2021037978
(87)【国際公開番号】W WO2021262538
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】16/913,783
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コンポッシュ、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ムー、キアンリ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、クン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、エン ワー
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-283658(JP,A)
【文献】特開2015-115960(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0022020(US,A1)
【文献】特開2004-349563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12-23/15
H01L 23/02-23/10
H01L 23/48-23/50
H01L 29/78-29/812
H01L 27/04-27/098
H03F 1/00- 1/56
H03F 3/00- 3/72
H03F 7/00- 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数(RF)トランジスタ増幅器パッケージであって、
サブマウントと、
前記サブマウントの第1の側から延在し且つ前記サブマウントの表面上の1つ又は複数のトランジスタ・ダイへのRF信号接続を提供するように構成された第1及び第2のリードと、
前記第1の側において前記第1及び第2のリードの間で前記サブマウントの前記表面に取り付けられた少なくとも1つのリベットであって、前記第1及び第2のリードを前記サブマウントに固定する少なくとも1つのリベットと、
前記サブマウントの前記表面上の前記少なくとも1つのリベットから延在し且つ前記第1及び第2のリードの間の電磁結合を低減するように構成されている隔離構造と、
を含む、RFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項2】
前記隔離構造が、前記サブマウントの前記表面上の前記少なくとも1つのリベットから垂直方向に突出する導電性素子を含む、請求項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項3】
前記サブマウントの前記表面上の第1の入力リード及び第1の出力リードを含む第1のRF増幅器経路と、
それぞれ前記第1の入力リード及び前記第1の出力リードに隣接する、前記サブマウントの前記表面上の第2の入力リード及び第2の出力リードを含む第2のRF増幅器経路と、をさらに含み、
前記第1及び第2のリードが、それぞれ前記第1及び第2の入力リード又は前記第1及び第2の出力リードを含み、
記第1及び第2の入力リードを分離させる間隔が、前記第1及び第2の出力リードを分離させる間隔とは異なる、請求項1に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項4】
前記第1及び第2のリードは、前記サブマウントの前記第1の側における前記第1及び第2の入力リードを含み、前記少なくとも1つのリベットが、少なくとも1つの第1のリベットを含み、
前記第1の側とは反対の前記サブマウントの第2の側において前記第1及び第2の出力リードの間で前記サブマウントの前記表面に取り付けられた少なくとも1つの第2のリベットをさらに含む、請求項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項5】
前記隔離構造は、前記サブマウントの前記表面において前記少なくとも1つの第1のリベットと前記少なくとも1つの第2のリベットとの間に延在し且つ前記第1及び第2のRF増幅器経路の間の電磁結合を低減するように構成され、
前記隔離構造が、前記第1及び第2のRF増幅器経路の間で前記サブマウントの前記表面から垂直方向に突出し且つ前記少なくとも1つの第1のリベットを前記少なくとも1つの第2のリベットに接続する導電性素子を含み、
記導電性素子が、少なくとも1つの金属セグメント及び/又は少なくとも1つのボンド・ワイヤを含む、請求項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項6】
前記RFトランジスタ増幅器パッケージであって、
前記サブマウントの前記第1の側の1つ又は複数の角が、リベットを有しない、請求項1から5までのいずれか一項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項7】
前記第1のリード及び/又は前記第2のリードが、前記サブマウントの前記第1の側の前記1つ又は複数の角まで延在している、請求項6に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項8】
前記RFトランジスタ増幅器パッケージは、
前記サブマウントの前記第1の側の前記1つ又は複数の角から延在する1つ又は複数の非RFリードをさらに含み、
記1つ又は複数の非RFリードが、それぞれ、前記サブマウントの前記表面上に延在する第1の部分と、前記サブマントの前記表面を超えて延在する第2の部分とを含み、平面図において、前記第1の部分及び前記第2の部分が、なくとも1つの同一の寸法を含む、請求項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項9】
前記第1及び第2のリードが、それぞれ、前記サブマウントの前記表面上に延在する内側部分と、前記サブマウントの前記表面を超えて前記内側部分から延在する外側部分とを含み、
前記第1及び第2のリードのうちの少なくとも一方について、前記内側部分及び前記外側部分が、異なる間隔によって前記サブマウントの前記表面の平面から分離されている、
請求項1から8までのいずれか一項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項10】
前記第1及び第2のリードが、前記第1及び第2のリードの内側部分を前記サブマウントの前記表面に固定するためにオーバーモールド部材の部分を受け入れるように構成されたそれぞれのモールド・ロック特徴を含み、
前記モールド・ロック特徴が、前記サブマウントの前記表面を超えて延在する前記第1及び第2のリードの外側部分の幅内に制限された楕円形を含む、請求項1からまでのいずれか一項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項11】
記少なくとも1つのリードの前記内側部分が、前記1つ又は複数のトランジスタ・ダイのための入力又は出力整合回路の少なくとも一部のインピーダンスを規定しており、前記少なくとも1つのリードの前記外側部分が、少なくとも1つの外部接続に対応する高さを規定している、請求項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項12】
前記サブマウントの前記表面上にオーバーモールド部材をさらに含み、
前記第1及び第2のリードの前記内側部分及び前記外側部分が、それぞれ前記オーバーモールド部材内及び前記オーバーモールドの外側に延在している、請求項11に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項13】
前記サブマウントの前記表面上にセラミック蓋をさらに含み、
前記第1及び第2のリードの前記内側部分及び前記外側部分が、それぞれ前記セラミック蓋内及び前記セラミック蓋の外側に延在している、請求項11に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項14】
前記少なくとも1つのトランジスタ・ダイが、窒化ガリウムベース高電子移動度トランジスタ(HEMT)を含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項15】
前記少なくとも1つのトランジスタ・ダイが、シリコンベース横方向拡散金属酸化物半導体(LDMOS)トランジスタを含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのトランジスタ・ダイが、2.5~2.7GHz、3.4~4.2GHz又は5.1~5.8GHz周波数帯のうちの1つ又は複数の少なくとも一部において動作するように構成されている、請求項1から15までのいずれか一項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのトランジスタ・ダイが、10GHzよりも高い周波数において動作するように構成されている、請求項1から15までのいずれか一項に記載のRFトランジスタ増幅器パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許商標庁に2020年6月26日に出願された米国特許出願第16/913,783号の優先権を主張する。
【0002】
分野
本開示は、マイクロ電子デバイス、より具体的には、高出力、高周波数のトランジスタ増幅器及び関連するデバイスパッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
R-帯(0.5~1GHz)、S-帯(3GHz)及びX-帯(10GHz)などの高周波数において動作しながら高出力取扱い能力を要求する電気回路は、近年、より普及するようになった。特に、RF信号を無線(マイクロ波を含む)周波数において増幅するために使用される無線周波数(RF)トランジスタ増幅器の高い需要が存在する場合がある。これらのRFトランジスタ増幅器は、高い信頼性と良好な直線性を示し且つ高出力電力レベルを取り扱う必要がある場合がある。
【0004】
RFトランジスタ増幅器は、シリコンにおいて、又は炭化ケイ素(「SiC」)及びIII族窒化物材料などの広バンドギャップ半導体材料(すなわち、1.40eVよりも大きなバンドギャップを有する)を使用して、実装される場合がある。本明細書において使用される場合、「III族窒化物」という用語は、窒素と、周期表のIII族における元素、通常は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及び/又はインジウム(In)との間に形成される半導体化合物を指す。この用語は、AlGaN及びAlInGaNなどの三元及び四元化合物も指す。これらの化合物は、1モルの窒素が合計で1モルのIII族元素と組み合わされる実験式を有する。
【0005】
シリコンベースのRFトランジスタ増幅器は、典型的には、横方向拡散金属酸化物半導体(「LDMOS」)トランジスタを使用して実装される。シリコンLDMOS RFトランジスタ増幅器は、高レベルの直線性を示すことができ、製造するのが比較的安価である場合がある。III族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器は、典型的には、高電子移動度トランジスタ(「HEMT」)を使用して実装され、主に、LDMOS RFトランジスタ増幅器が固有の性能限界を有する場合がある高出力及び/又は高周波数動作を要求する用途において使用される。
【0006】
RFトランジスタ増幅器は、1つ又は複数の増幅器ステージを含む場合があり、各ステージは典型的にはトランジスタ増幅器として実装されている。出力電力及び電流取扱い能力を増大するために、RFトランジスタ増幅器は、典型的には、「ユニットセル」構成で実装されており、この構成では、多数の個々の「ユニットセル」トランジスタが電気的に並列で配置されている。RFトランジスタ増幅器は、1つの集積された回路チップ又は「ダイ」として実装される場合があるか、又は複数のダイを含む場合がある。ダイ又はチップは、その上に電子回路素子が製造されている半導体材料の小さなブロック又はその他の基板を指す場合がある。多数のRFトランジスタ増幅器ダイが使用される場合、それらは直列及び/又は並列で接続される場合がある。
【0007】
RFトランジスタ増幅器は、しばしば、アクティブ・トランジスタ・ダイ(例えば、MOSFET、HEMT、LDMOSなどを含む)と基本動作周波数におけるRF信号のためにそれに接続された伝送線路との間のインピーダンス整合を改善するように設計されたインピーダンス整合回路などの整合回路、並びに第2次及び第3次高調波などの、デバイス動作中に生成される場合がある高調波を少なくとも部分的に終了させるように設計された高調波終了回路を含む。高調波の終了は、相互変調ひずみ産物の生成にも影響する。
【0008】
RFトランジスタ増幅器ダイ及びインピーダンス整合及び/又は高調波終了回路は、集積回路デバイスパッケージ内に封入される場合がある。集積回路パッケージングは、ダイを物理的損傷及び/又は腐食から保護し且つ外部回路への接続のための電気接点を支持する支持ケース又はパッケージ内に1つ又は複数のダイを封入することを指す場合がある。集積回路デバイスパッケージにおける入力及び出力インピーダンス整合回路は、典型的には、アクティブ・トランジスタ・ダイのインピーダンスを固定値に整合させるように構成されたインピーダンス整合回路の少なくとも一部を提供するLCネットワークを含む。パッケージは、典型的には、その上にダイが取り付けられたアタッチメント面又は「フランジ」、及びダイを封止し且つ湿気及びダスト粒子から保護する、プラスチック又はセラミックなどの、電気的に絶縁性の封入材料を含む。導電性リード(本明細書では、パッケージ・リード又はRFリードとも呼ばれる)がパッケージから延在する場合があり、RFトランジスタ増幅器を入力及び出力RF伝送線路及びバイアス電圧源などの外部回路素子に電気的に接続するために使用される。
【0009】
上述のように、III族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器は、しばしば、高電力及び/又は高周波数用途において使用される。典型的には、動作中、III族窒化物ベースRF増幅器ダイ内では高レベルの熱が発生する。RFトランジスタ増幅器ダイが高温になりすぎると、RFトランジスタ増幅器の性能(例えば、出力電力、効率、直線性、ゲインなど)が低下する場合がある及び/又はRFトランジスタ増幅器ダイが損傷される場合がある。これにより、III族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器は、典型的には、熱除去のために最適化される場合があるパッケージに取り付けられる。
【0010】
幾つかのパッケージ設計において、パッケージのフランジは、本明細書では「ヒート・スラグ」又は「ヒート・シンク」とも呼ばれる熱伝導性基板を含む。パッケージレベルヒート・スラグは、集積回路から外部ヒート・シンクに向かって熱を引き出すように設計されている。典型的には、ヒート・スラグは、熱伝導性材料(例えば、金属)から形成されている。幾つかのパッケージ構成において、ヒート・スラグは、その上に取り付けられたダイに基準電位(例えば、接地)を提供する電気端子としても機能する。例えば、フランジは、ダイのためのアタッチメント面及びヒート・スラグの両方を提供する、CPC(銅、銅-モリブデン、銅ラミネート構造)又は銅フランジである場合がある。
【0011】
1つの半導体パッケージ設計は、「オープンエア・キャビティ」又は「オープン・キャビティ」パッケージであり、この場合、(典型的にはセラミックの)蓋が金属ヒート・スラグ上に配置されている。セラミック蓋は、RFトランジスタ増幅器ダイ及び/又はその他の集積回路及び関連する電機接続を含むオープンエア・キャビティを封止する。オープンエア・キャビティ・セラミック・パッケージのパッケージ・リードは、高温ろう付けプロセスを用いてヒート・スラグに取り付けられる場合がある。
【0012】
別の半導体パッケージ設計は、成形設計(又は「オーバーモールド」パッケージ)であり、この設計では、プラスチック又はその他の非導電性材料が、ヒート・スラグ上に直接に成形され(例えば、射出成形又はトランスファ成形によって)、これにより、RFトランジスタ増幅器ダイ及び/又はその他の集積回路及び関連する電気接続並びにヒート・スラグに直接接触し且つこれらを封入するソリッド構造を形成する。成形されたプラスチックパッケージのパッケージ・リードは、リード・フレームを使用してヒート・スラグに取り付けられる場合があり、パッケージ・リードを含む外側フレームがヒート・スラグの周囲に配置される。リード・フレームの外側フレームをヒート・スラグに固定するために、金属リベットが使用される場合がある。ダイアタッチ及びワイヤボンディングの後、プラスチック封入材料が、ヒート・スラグ及びパッケージ・リードの周囲に成形される。パッケージ・リードは、「モールド・ロック」開口を含む場合があり、この開口内に、プラスチック封入材料が流入又はさもなければ延在する場合があり、これにより、パッケージ・リードをフランジにさらに固定するモールド・ロック特徴(又は「モールド・ロック」)を形成する。その後、パッケージ・リードと外側フレームとの間のアタッチメントがトリミングされる。成形プラスチック設計は、オープン・キャビティ設計と比較してより安価である場合があるが、成形プラスチック設計において使用されるリベットは、全体的なパッケージングコストの実質的な一因を表す場合がある。さらに、成形プラスチック設計において使用されるリベットは、フランジにおける顕著な大きさの領域を占める場合があり、空間効率に悪影響を及ぼす場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
幾つかの実施例によれば、無線周波数(RF)トランジスタ増幅器パッケージは、サブマウントと、サブマウントの第1の側から延在し且つサブマウントの表面上の1つ又は複数のトランジスタ・ダイへのRF信号接続を提供するように構成された第1及び第2のリードと、第1の側における第1及び第2のリードの間においてサブマウントの表面に取り付けられた少なくとも1つのリベットとを含む。
【0014】
幾つかの実施例において、隔離構造が、サブマウントの表面上の少なくとも1つのリベットから延在している場合がある。隔離構造が、第1及び第2のリードの間の電磁結合を低減するように構成されている場合がある。例えば、隔離構造は、サブマウントの表面上の少なくとも1つのリベットから垂直方向に突出する導電性素子を含む場合がある。
【0015】
幾つかの実施例において、RFトランジスタ増幅器パッケージは、サブマウントの表面上に第1の入力リード及び第1の出力リードを有する第1のRF増幅器経路と、それぞれ第1の入力リード及び第1の出力リードに隣接してサブマウントの表面上に第2の入力リード及び第2の出力リードを有する第2のRF増幅器経路とを含む場合がある。第1及び第2のリードは、それぞれ第1及び第2の入力リード又は第1及び第2の出力リードである場合がある。
【0016】
幾つかの実施例において、第1及び第2の入力リードを分離させる空間は、第1及び第2の出力リードを分離させる空間とは異なる場合がある。
【0017】
幾つかの実施例において、第1及び第2のリードは、サブマウントの第1の側における第1及び第2の入力リードである場合があり、少なくとも1つのリベットは、少なくとも1つの第1のリベットを含む場合がある。少なくとも1つの第2のリベットは、第1の側とは反対側のサブマウントの第2の側における第1及び第2の出力リードの間においてサブマウントの表面に取り付けられている場合がある。
【0018】
幾つかの実施例において、隔離構造は、サブマウントの表面上の少なくとも1つの第1のリベットと少なくとも1つの第2のリベットとの間に延在している場合がある。隔離構造は、第1及び第2のRF増幅器経路の間の電磁結合を低減するように構成されている場合がある。
【0019】
幾つかの実施例において、隔離構造は、第1及び第2のRF増幅器経路の間においてサブマウントの表面から垂直方向に突出し且つ少なくとも1つの第1のリベットを少なくとも1つの第2のリベットに接続する導電性素子を含む場合がある。
【0020】
幾つかの実施例において、導電性素子は、少なくとも1つの金属セグメント及び/又は少なくとも1つのボンド・ワイヤを含む場合がある。
【0021】
幾つかの実施例において、サブマウントの第1の側の1つ又は複数の角は、リベットを有さない場合がある。
【0022】
幾つかの実施例において、第1のリード及び/又は第2のリードは、サブマウントの第1の側の1つ又は複数の角まで延在している場合がある。
【0023】
幾つかの実施例において、1つ又は複数の非RFリードが、サブマウントの第1の側の1つ又は複数の角から延在している場合がある。
【0024】
幾つかの実施例において、1つ又は複数の非RFリードは、それぞれ、サブマウントの表面上に延在する第1の部分と、サブマウントの表面を超えて延在する第2の部分とを含む場合がある。平面図において、第1の部分及び第2の部分は、実質的に類似の少なくとも1つの寸法を有する場合がある。
【0025】
幾つかの実施例において、第1及び第2のリードは、それぞれ、サブマウントの表面上に延在する内側部分と、サブマウントの表面を超えて内側部分から延在する外側部分とを含む場合がある。第1及び第2のリードのうちの少なくとも一方の場合、内側及び外側部分は、異なる間隔によってサブマウントの表面の平面から分離されている場合がある。
【0026】
幾つかの実施例において、第1及び第2のリードは、第1及び第2のリードの内側部分をサブマウントの表面に固定するためにオーバーモールド部材の部分を受け入れるように構成されたそれぞれのモールド・ロック特徴を含む場合がある。モールド・ロック特徴は、サブマウントの表面を超えて延在する第1及び第2のリードの外側部分の幅内に限定された楕円形を含む場合がある。
【0027】
幾つかの実施例によれば、無線周波数(RF)トランジスタ増幅器パッケージは、サブマウントと、サブマウントの第1の側から延在する第1及び第2のリードを含む。第1及び第2のリードは、サブマウントの表面上の1つ又は複数のトランジスタ・ダイへのRF信号接続を提供するように構成されている。サブマウントの第1の側の1つ又は複数の角は、リベットを有さない。
【0028】
幾つかの実施例において、1つ又は複数の非RFリードは、サブマウントの第1の側の1つ又は複数の角から延在している場合がある。
【0029】
幾つかの実施例において、1つ又は複数の非RFリードは、1つ又は複数の非RFリードの等価伝送線路インピーダンスを低減するように構成された、形状、サブマウントの表面とのオーバーラップ、及び/又はサブマウントの表面からの間隔を含む場合がある。1つ又は複数の非RFリードは、それぞれ、サブマウントの表面上に延在する第1の部分と、サブマウントの表面を超えて延在する第2の部分とを含む場合がある。幾つかの実施例において、平面図において、1つ又は複数の非RFリードの第1の部分及び第2の部分は、実質的に類似の少なくとも1つの寸法を含む場合がある。幾つかの実施例において、1つ又は複数の非RFリードの第1の部分及び第2の部分は、それぞれ、その上方に異なる第1及び第2の間隔によってサブマウントの表面の平面から分離されている場合がある。
【0030】
幾つかの実施例において、第1のリード及び/又は第2のリードは、サブマウントの第1の側の1つ又は複数の角まで延在している場合がある。
【0031】
幾つかの実施例において、少なくとも1つのリベットが、第1及び第2のリードの間においてサブマウントの表面に取り付けられている場合がある。
【0032】
幾つかの実施例において、隔離構造は、サブマウントの表面上の少なくとも1つのリベットから垂直方向に突出する導電性素子を含む場合がある。隔離構造は、第1及び第2のリードの間の電磁結合を低減するように構成されている場合がある。
【0033】
幾つかの実施例において、RFトランジスタ増幅器パッケージは、サブマウントの表面上に第1の入力リード及び第1の出力リードを有する第1のRF増幅器経路と、それぞれ第1の入力リード及び第1の出力リードに隣接してサブマウントの表面上に第2の入力リード及び第2の出力リードを有する第2のRF増幅器経路とを含む場合がある。第1及び第2のリードは、それぞれ第1及び第2の入力リード又は第1及び第2の出力リードである場合がある。
【0034】
幾つかの実施例によれば、トランジスタ増幅器パッケージは、サブマウントと、サブマウントの第1の側から延在する少なくとも1つのリードとを含む。少なくとも1つのリードは、サブマウントの表面上の少なくとも1つのトランジスタ・ダイへのそれぞれの信号接続を提供するように構成されている。少なくとも1つのリードは、サブマウントの表面上に延在する第1の部分と、サブマウントの表面を超えて第1の部分から延在する第2の部分とを含む。第1及び第2の部分は、それぞれその上に異なる第1及び第2の間隔によってサブマウントの表面の平面から分離させられている。
【0035】
幾つかの実施例において、少なくとも1つのリードは、非無線周波数(RF)リードである場合がある。幾つかの実施例において、平面図において、非RFリードの第1の部分及び第2の部分は、実質的に類似の少なくとも1つの寸法を含む場合がある。
【0036】
幾つかの実施例において、少なくとも1つのリードは、少なくとも1つのトランジスタ・ダイへの無線周波数(RF)信号接続を提供するように構成されている場合がある。
【0037】
幾つかの実施例において、少なくとも1つのリードの第1の部分の第1の間隔は、少なくとも1つのトランジスタ・ダイのための入力又は出力整合回路の少なくとも一部のインピーダンスを規定する場合があり、少なくとも1つのリードの第2の部分の第2の間隔は、少なくとも1つの外側接続に対応する高さを規定する場合がある。
【0038】
幾つかの実施例において、少なくとも1つのリードは、少なくとも1つのトランジスタ・ダイへの無線周波数(RF)信号接続を提供するように構成された第1及び第2のリードを含む場合がある。少なくとも1つのリベットが、第1及び第2のリードの間においてサブマウントの表面に取り付けられている場合がある。
【0039】
幾つかの実施例において、隔離構造が、サブマウントの表面上の少なくとも1つのリベットから垂直方向に突出した導電性素子を含む場合がある。隔離構造は、第1及び第2のリードの間の電磁結合を低減するように構成されている場合がある。
【0040】
幾つかの実施例において、トランジスタ増幅器パッケージは、サブマウントの表面上に第1の入力リード及び第1の出力リードを有する第1のRF増幅器経路と、それぞれ第1の入力リード及び第1の出力リードに隣接するサブマウントの表面上の第2の入力リード及び第2の出力リードを有する第2のRF増幅器経路とを含む場合がある。少なくとも1つのリードは、それぞれ第1及び第2の入力リード又は第1及び第2の出力リードを含む場合がある。異なる第1及び第2の間隔は、第1及び/又は第2のRF増幅器経路における入力又は出力整合回路の少なくとも一部を含むそれぞれのインピーダンスを規定する場合がある。
【0041】
幾つかの実施例において、トランジスタ増幅器パッケージは、サブマウントの表面上のオーバーモールド部材をさらに含む場合がある。少なくとも1つのリードの第1及び第2の部分は、それぞれオーバーモールド部材内及びオーバーモールド部材の外側に延在している場合がある。
【0042】
幾つかの実施例において、トランジスタ増幅器パッケージは、サブマウントの表面上のセラミック蓋をさらに含む場合がある。少なくとも1つのリードの第1及び第2の部分は、それぞれセラミック蓋内及びセラミック蓋の外側に延在している場合がある。
【0043】
幾つかの実施例において、1つ又は複数のトランジスタ・ダイは、窒化ガリウムベース高電子移動度トランジスタ(HEMT)を含む場合がある。
【0044】
幾つかの実施例において、1つ又は複数のトランジスタ・ダイは、シリコンベース横方向拡散金属酸化物半導体(LDMOS)トランジスタを含む場合がある。
【0045】
幾つかの実施例において、1つ又は複数のトランジスタ・ダイは、1.7~1.9GHz、2.5~2.7GHz、3.4~4.2GHz又は5.1~5.8GHzの周波数帯のうちの1つ又は複数の少なくとも一部において動作するように構成されている場合がある。
【0046】
幾つかの実施例において、1つ又は複数のトランジスタ・ダイは、10GHzよりも高い周波数において動作するように構成されている場合がある。
【0047】
幾つかの実施例によるその他のデバイス、装置及び/又は方法は、以下の図面及び詳細な説明を検討することによって当業者に明らかになるであろう。全てのこのような追加的な実施例は、上記実施例のあらゆる及び全ての組合せに加えて、この説明に含まれ、発明の範囲に含まれ且つ添付の請求項によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1A】本開示の様々な実施例によるパッケージングされたIII族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器の概略的な側面図である。
図1B】本開示の様々な実施例によるRFトランジスタ増幅器ダイの概略的な断面図であり、断面は、図1Aの線B-B’に沿って見たものである。
図1C】本開示の様々な実施例によるRFトランジスタ増幅器ダイユニットセルの概略的な断面図であり、断面は、図1Bの線C-C’に沿って見たものである。
図2A】本開示の様々な実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージの斜視図である。
図2B図2AのRFトランジスタ増幅器パッケージの平面図である。
図3A】本開示の幾つかの実施例による例示的なモールド・ロック構造を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図3B】本開示の幾つかの実施例による例示的なモールド・ロック構造を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4A】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4A1】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4B】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4B1】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4B2】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4C】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4D】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4D1】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4D2】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4D3】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4E】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図4F】本開示の幾つかの実施例によるリベット及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを示す平面図である。
図5A】本開示の幾つかの実施例によるモールド・ロック、リベット及び/又は隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージの電気的特性を示すグラフである。
図5B】本開示の幾つかの実施例によるモールド・ロック、リベット及び/又は隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージの電気的特性を示すグラフである。
図5C】本開示の幾つかの実施例によるモールド・ロック、リベット及び/又は隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージの電気的特性を示すグラフである。
図6A】本開示の幾つかの実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージにおいて使用される場合がある非RFリードの拡大された平面図である。
図6B】本開示の幾つかの実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージにおいて使用される場合がある非RFリードの拡大された平面図である。
図7A】本開示の幾つかの実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージにおいて使用される場合がある実例RFリードを示す簡略化された概略的な側面図である。
図7B図7AのRFリードを含む実例RFトランジスタ増幅器パッケージを示す概略的な側面図である。
図7C図7AのRFリードを含む実例RFトランジスタ増幅器パッケージを示す概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1A及び図1Bは、パッケージングされたIII族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器を示す。特に、図1Aは、パッケージングされたIII族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器100の概略的な側面図であり、図1Bは、パッケージングされたIII族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器100に含まれたRFトランジスタ増幅器ダイ110の概略的な断面図であり、断面は、図1Aの線B-B’に沿って見たものである。図1Cは、RFトランジスタ増幅器ダイ110のユニットセル116の概略的な断面図であり、断面は、図1Bの線C-C’に沿って見たものである。図1A図1C(及び様々なその他の図)は、大幅に簡略化された図であり、実際のRFトランジスタ増幅器は、本明細書における簡略化された図面に示されていない多くのさらなるユニットセル及び様々な回路及び要素を含む場合があることを理解されたい。より一般的に、本明細書における図面は、識別及び説明のために構造を表すことが意図されており、物理的スケールで構造を表すことは意図されていない。
【0050】
図1Aに示したように、III族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器100は、本明細書ではパッケージングされたトランジスタデバイスとも呼ばれる、パッケージ170内に取り付けられたRFトランジスタ増幅器ダイ110を含む。パッケージ170は、その上に1つ又は複数の導電性RFリード、例えば、1つ又は複数の入力(例えば、ゲート)リード172及び1つ又は複数の出力(例えば、ドレイン)リード174を含むサブマウント(本明細書ではベース又はフランジとも呼ばれる176)を含む。RFトランジスタ増幅器ダイ110は、サブマウント176の上面に取り付けられている。サブマウント176は、導電性アタッチメント面、例えば、熱伝導性ヒート・シンクとして機能する金属基板(又は「スラグ」)である場合がある又はこれを含む場合がある。幾つかの実施例において、サブマウント176は、追加的又は代替的に、半導体処理技術を使用して製造された導電層、金属トレースを備えるプリント回路基板、及び/又は導電性ビア及び/又はパッドを含むセラミック基板を含む、再配線層(RDL)ラミネート構造を含む場合がある。幾つかの実施例において、金属リード・フレームが、形成され、次いで、金属サブマウント176及び/又はRFリード(例えば、ゲート及びドレイン・リード)172及び174を提供するように処理される場合がある。RFトランジスタ増幅器100は、RFトランジスタ増幅器ダイ110、RFリード172、174及び金属サブマウント176を少なくとも部分的に包囲するハウジング178(例えば、プラスチックオーバーモールド)も含む。
【0051】
RFトランジスタ増幅器ダイ110は、上側112及び下側114を有する。RFトランジスタ増幅器ダイ110は、順次積層された下側(「裏」側とも呼ばれる)メタライゼーション構造120、半導体層構造130及び上側メタライゼーション構造140を含む。裏側メタライゼーション構造120は、金属ソース端子126を含む。RFトランジスタ増幅器100は、HEMTベースRFトランジスタ増幅器である場合があり、その場合、半導体層構造130は、少なくともチャネル層324及びバリア層326を含む場合があり、これらの層は、典型的には基板322上に形成されている(図1C参照、以下で詳細に説明する)。基板322は、半導体又は絶縁成長基板(SiC又はサファイア基板など)である場合がある。成長基板は、非半導体材料から形成されているとしても、半導体層構造130の一部であると考えられる場合がある。上側メタライゼーション構造140は、とりわけ、金属ゲート端子142及び金属ドレイン端子144を含む。
【0052】
入力整合回路190及び/又は出力整合回路192も、ハウジング170内に取り付けられている場合がある。整合回路190、192は、RFトランジスタ増幅器100へ入力される又はRFトランジスタ増幅器100から出力されるRF信号の基本構成要素のインピーダンスを、それぞれRFトランジスタ増幅器ダイ110の入力又は出力におけるインピーダンスに整合させるインピーダンス整合回路、及び/又は二次又は三次高調波などの、RFトランジスタ増幅器ダイ110の入力又は出力において存在する場合がある基本RF信号の高調波を接地するために短絡するように構成された高調波終了回路である場合がある。図1Aに概略的に示したように、入力及び出力整合回路190、192は、金属フランジ176に取り付けられている場合がある。ゲート・リード172は、1つ又は複数の第1のボンド・ワイヤ182によって入力整合回路190に接続されている場合があり、入力整合回路190は、1つ又は複数の第2のボンド・ワイヤ183によってRF増幅器ダイ110のゲート端子142に接続されている場合がある。同様に、ドレイン・リード174は、1つ又は複数の第4のボンド・ワイヤ185によって出力整合回路192に接続されている場合がある、出力整合回路192は、1つ又は複数の第3のボンド・ワイヤ184によってRF増幅器ダイ110のドレイン端子144に接続されている場合がある。RFトランジスタ増幅器ダイ110のソース端子126は、金属フランジ176上に直接に取り付けられている場合がある。金属フランジ176は、ソース端子126への電機接続を提供する場合があり、熱放散構造として機能する場合もある。第1~第4のボンド・ワイヤ182~185は、入力及び/又は出力整合回路の部分を形成している場合がある。ゲート・リード172及びドレイン・リード174は、ハウジング178を通って延在している場合がある。
【0053】
図1Bは、上側メタライゼーション構造140の部分を見た、RFトランジスタ増幅器ダイ110の概略的な断面図である。上側メタライゼーション構造140の様々な導電性素子を互いに隔離する誘電層は、図面を簡略化するために図1Bには示されていない。
【0054】
図1Bに示したように、RFトランジスタ増幅器ダイ110は、例として、それぞれゲートフィンガ152、ドレインフィンガ154及びソースフィンガ156を含む複数のユニットセルトランジスタ116を有するIII族窒化物ベースHEMT RFトランジスタ増幅器として示されている。しかしながら、RFトランジスタ増幅器ダイ110は、例えば、シリコンLDMOS RFトランジスタ増幅器などの異なる技術において実装される場合があることが認められるであろう。ゲートフィンガ152は共通のゲートバス146に電気的に接続されており、ドレインフィンガ154は共通のドレインバス148に電気的に接続されている。ゲートバス146は、ゲートボンドパッドとして実装された(例えば、ゲートバス146から上方へ延在する導電性ビアを介して)ゲート端子142に電気的に接続されており(図1A参照)、ドレインバス148は、ドレインボンドパッドとして実装された(例えば、ドレインバス148から上方へ延在する導電性ビアを介して)ドレイン端子144に電気的に接続されている(図1A参照)。ソースフィンガ156は、半導体層構造130を通って延在する複数の導電性ソースビア166を介してソース端子126に電気的に接続されている。導電性ソースビア166は、半導体層構造130を完全に通って延在する金属めっきビアである場合がある。
【0055】
再び図1Aを参照すると、金属フランジ176は、RFトランジスタ増幅器ダイ110において発生された熱を放散させるヒート・シンクとして機能する場合がある。熱は、比較的高い電流密度が、例えば、ユニットセルトランジスタ116のチャネル領域において生成される、RFトランジスタ増幅器ダイ110の上側部分において主に発生される。この熱は、ソースビア166及び半導体層構造130を介して金属フランジ176へ伝達される場合がある。
【0056】
実施例に応じて、パッケージングされたトランジスタ増幅器100は、例えば、RFトランジスタ増幅器ダイ110としてのモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)を含むことができ、その場合、RFトランジスタ増幅器ダイ110は多数の別個のデバイスを組み込んでいる。RFトランジスタ増幅器ダイ110がMMIC実装である場合、入力整合回路190及び/又は出力整合回路192は省略される場合があり(それらは、代わりに、RFトランジスタ増幅器ダイ110内に実装される場合があるため)、ボンド・ワイヤ182及び/又は185は、ゲート及びドレイン・リード172、174からゲート及びドレイン端子142、144まで直接に延在している場合がある。幾つかの実施例において、パッケージングされたRFトランジスタ増幅器100は、多段RFトランジスタ増幅器を形成するために直列に接続された多数のRFトランジスタ増幅器ダイを含むことができ且つ/又はデュアルパスドライバ増幅器及び/又はドハティ増幅器構成などにおいて、多数のRFトランジスタ増幅器ダイ及び多数のパスを備えるRFトランジスタ増幅器を形成するために多数の増幅器パスに(例えば、並列に)配置された多数のトランジスタ・ダイを含む場合がある。
【0057】
上述のように、幾つかのRFパッケージ設計は、オーバーモールド178の形成前に(例えば、導電性リード材料を導電性サブマウント又はフランジ176にリベット留めすることによって)RFリードをパッケージに固定するためにリベットを使用する場合がある。リベットは、オーバーモールドを形成した後に除去することができるトリム・バー又はタイ・バーを含むリード・フレームによってRFリードに物理的に接続される場合がある。リード・フレームは、例えば、RFリード及び/又はリベットと同じ材料の導電性構造である場合がある。特に、パッケージに1つ又は複数のアクティブ・トランジスタ・ダイを装備し、ダイ及び/又はRFリードの間に電機接続を提供し、且つパッケージ上にオーバーモールドを形成した後、タイ・バー(RFリードとリベットとの間に延在する)は、RFリードをフランジから電気的に分離させるために除去される場合がある。これにより、リベットは、パッケージングプロセス中にRFリードのための機械的安定性を提供する場合があり、パッケージングが完了した後、フランジの表面にとどまる場合がある。
【0058】
本開示の幾つかの実施例は、リベットがパッケージの4つの角又はパッケージの2つのより長い側に位置決めされているリベット設計が、パッケージの貴重な内部領域を占める場合がある及び/又は設計柔軟性を制限する場合がある(例えば、より短い側又はパッケージの角からの追加的な非RFリードを接続する場合)という実現から生じる場合がある。本開示の実施例は、RF電力増幅器の電気的特性及び/又は性能を向上させるようにサイズ決め、位置決め、成形又はさもなければ構成されたリベット、モールド・ロック及び/又はリード(RF及び非RFの両方)を含むRF電力増幅器パッケージ設計を提供する。
【0059】
本明細書において説明したように、RFリードは、RFトランジスタ増幅器パッケージの構成要素への入力及び/又はそこからの出力のためのRF信号を提供する電機接続を指す場合がある。例えば、RFリードは、1.7~1.9GHz、2.5~2.7GHz、3.4~4.2GHz又は5.1~5.8GHz周波数帯、及び/又は10GHzよりも高い周波数のうちの1つ又は複数の少なくとも一部における動作のために1つ又は複数のトランジスタ・ダイにRF信号を提供する場合がある。非RFリードは、RFトランジスタ増幅器パッケージの構成要素への入力及び/又はそこからの出力のための非RF信号(すなわち、無線スペクトルの外側の周波数を有する信号)を提供する電機接続を指す場合がある。本明細書において説明されたリベットは、サブマウント又はフランジの材料と同じである又は異なる場合がある、金属又はその他の導電性材料を含む場合がある。
【0060】
図2Aは、本開示の様々な実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ270の斜視図である。図2Bは、図2AのRFトランジスタ増幅器パッケージ270の平面図であり、オーバーモールド部材は簡略化のために排除されている。RFトランジスタ増幅器パッケージ270及びその構成要素は、図1A図1Dを参照して上記で説明したパッケージ170及び構成要素に対応する場合がある。
【0061】
図2A及び図2Bに示したように、パッケージ270は、1つ又は複数のアクティブ・トランジスタ・ダイ210を受け入れるように構成された表面276sを含むサブマウント276(ベース又はフランジとも呼ばれる)を含む。アクティブ・トランジスタ・ダイ210は、表面276sに取り付けられており、本明細書においてそれぞれのRF増幅器経路と呼ばれる、それぞれの並列のRF信号経路P1及びP2を規定するためにボンド・ワイヤ282~285によって導電性RF入力(例えば、ゲート)リード272とRF出力(例えば、ドレイン)リード274との間に結合されている。フランジ276は、ヒート・スラグ又はその他のヒート・シンクなどの、導電性(例えば、金属)基板を含むがこれに限定されない、導電性アタッチメント面である場合がある。フランジ276の内部領域は、パッケージ270のトランジスタ・ダイ210、リード272、274、275及び/又はその他の構成要素のためのアタッチメント面276sを規定している場合がある。フランジ276の表面276sは、概して平坦である場合があるが、必ずしもそうではない。幾つかの実施例において、フランジ276及び/又は表面276sは、銅、アルミニウム及びそれらの合金などの1つ又は複数の熱伝導性及び導電性材料から形成されている場合がある。幾つかの実施例において、フランジ276及び/又は表面276sは、パッケージ270の1つ又は複数の構成要素のための電気的接地を提供するように構成されている場合がある。
【0062】
RFトランジスタ増幅器パッケージ270は、トランジスタ・ダイ210へRF信号接続を提供する(すなわち、トランジスタ・ダイ210へ又はトランジスタ・ダイ210からRF信号を伝送する)ように構成された2つ以上の導電性入力及び出力リード272及び274を含む。図示された実例において、RFトランジスタ増幅器パッケージ270は、パッケージ270の第1の側又は縁部から延在する1つ又は複数の入力リード272と、入力リード272とは反対方向にパッケージ270の第2の側から延在する1つ又は複数の出力リード274とを含む。リード272、274の数、サイズ及びジオメトリは様々であることができる。さらに、RFトランジスタ増幅器パッケージ270は、様々なリード設計(例えば、曲がったリード、平坦なパッケージなど)のうちのいずれかに従って構成することができる。リード272、274は、銅、アルミニウム及びそれらの合金などの1つ又は複数の導電性材料を含むことができる。
【0063】
RFトランジスタ増幅器パッケージ270は、フランジ276の表面に取り付けられた1つ又は複数の半導体ダイ210を含む。図示された実例において、RFトランジスタ増幅器パッケージ270は、2つの並列の増幅器経路P1及びP2を含み、それぞれの経路P1及びP2にそれぞれのアクティブ・トランジスタ・ダイ210を備える。しかしながら、上側増幅器回路P2(図2A及び図2Bにおける上側に位置決めされたリード272及び274の間)における半導体ダイ210は、簡略化のために示されていない。より一般的に、RFトランジスタ増幅器パッケージ270は、あらゆる数のトランジスタ・ダイ210及び増幅器経路P1、P2を含むことができる。
【0064】
半導体ダイ210は、トランジスタ・ダイ、例えば、MOSFET(金属酸化物半導体フィールド効果トランジスタ)、LDMOS(横方向拡散金属酸化物半導体)デバイス、又はHEMT(高電子移動度トランジスタ)デバイスとして構成することができる。トランジスタ・ダイ210は、導電性フランジ276に直接に面し且つ電気的に接触する基準端子(例えば、ソース端子)を備える、垂直方向デバイスとして構成することができる。代替的に、トランジスタ・ダイ210は、フランジ276の表面に対して平行な横方向において伝導するように構成された横方向デバイスとして構成することができる。加えて、1つ又は複数のパッシブ・デバイス290、292、例えば、チップ・キャパシタ、インダクタなどは、例えば、整合回路として、トランジスタ・ダイ210と、入力及び出力リード272及び274との間においてフランジ276の表面に取り付けられている場合がある。
【0065】
導電性接続部282~285は、半導体ダイ210の端子を入力及び出力リード272及び274に電気的に接続する。図示された実例において、これらの電気的接続部282~285は、導電性ボンド・ワイヤによって提供されている。ボンド・ワイヤの数及び構成は様々である場合がある。より一般的に、リボン又は導電性メタライゼーションなどの様々な一般的に知られる電気接続技術のいずれかが、これらの電気的接続部282~285を完成させるために使用される場合もある。
【0066】
図2A及び図2Bの実例において、ゲート・リード272は、1つ又は複数の第1のボンド・ワイヤ282によって入力整合回路290に接続されている。入力整合回路290は、1つ又は複数のボンド・ワイヤ283によってRF増幅器ダイ210のゲート端子に接続されている。ドレイン・リード274は、1つ又は複数の第3のボンド・ワイヤ284によってRF増幅器ダイ210のドレイン端子244に接続されており、出力整合回路292は、1つ又は複数の第4のボンド・ワイヤ285によってRFトランジスタ増幅器ダイ210のドレイン端子244に接続されている。ボンド・ワイヤ282~285は、各増幅器経路において入力及び/又は出力整合回路290/292の一部を形成している場合がある。幾つかの実施例において、入力/出力整合回路290/292は、集積型パッシブ・デバイス(IPD)などのパッシブ・デバイスによって実装される場合がある。IPDは、インダクタ及び/又はその他の受動的電気的構成要素を含み、薄膜及び/又はフォトリソグラフィ・プロセシングなどの標準的な半導体プロセシング技術を用いて製造される場合がある。IPDは、フリップチップ取付可能又はワイヤ・ボンド可能構成要素であることができ、シリコン、アルミナ又はガラスなどの薄膜基板を含む場合がある。
【0067】
さらに図2A及び図2Bを参照すると、RFトランジスタ増幅器ダイ210のソース端子は、金属フランジ276に直接に取り付けられている場合があり、金属フランジ276は、ソース端子に電気接続を提供する場合があり、熱放散構造としても機能する場合がある。上側増幅器経路P2(図2A及び図2Bにおける上側に位置決めされたリード272及び274の間)のダイ、整合回路及び/又はその他の構成要素は、簡略化のために示されていない。オーバーモールド部材278(例えば、プラスチック・オーバーモールド)は、それぞれの増幅器経路P1、P2の構成要素を封入している。それぞれの増幅器経路P1、P2のゲート・リード272及びドレイン・リード274は、外部デバイス(1つ又は複数の外部PCB299の導電性トレース298として示されている)への接続のためにパッケージ270のハウジングの外側にハウジングを超えて延在する外部接続タブ272t及び274tを規定するためにパッケージ270のハウジングを通って(例えば、オーバーモールド278を通って)延在している。パッケージ270は、さらに、リベット201、モールド・ロック特徴202及び非RFリード275を含む。リベット201、モールド・ロック202、RFリード272、274及び/又は非RFリード275は、所望の電気的特性を提供するように位置決め及び/又は成形されている(単独又はあらゆる組合せにおいて)。
【0068】
特に、本開示の幾つかの実施例は、パッケージ270の同じ側又は縁部におけるRFリード272、274のうちの2つ以上の間(例えば、それぞれの増幅器経路P1、P2の入力リード272の間及び/又は出力リード274の間)にリベット201のうちの1つ又は複数を位置決めするパッケージ設計を含む。幾つかの実施例において、リベット201は、例えば、2つ以上の隣接するリード272/274の間の間隔Sin/Soutを増大することによって及び/又はリベット201に結合された又はリベット201から延在する1つ又は複数の隔離構造を提供することによって、隣接する増幅器経路の間(例えば、二重経路増幅器の経路の間又はドハティ増幅器の主増幅器とピーク増幅器との間)の電磁結合を低減する/電気的隔離を増大するように構成されている場合がある。加えて、フランジ276の周辺領域(例えば、1つ又は複数の角C)はリベット201を有さないので、フランジ276における利用可能な表面積は、例えば、(例えば、フランジ276の角CにRFリード272、274を取り付けることによって)RFリード272、274の間の間隔を増大するために及び/又は(例えば、フランジ276の角Cにおける非RFリード275の取付けのために)1つ又は複数の追加的な構成要素の接続及び/又は設計柔軟性を可能にするために、増大される場合がある。
【0069】
幾つかの実施例において、RFリード272、274のモールド・ロック202のサイズ、形状及び/又は位置決めが、電気的特性を改良するように構成される場合もある。例えば、モールド・ロック202は、平面図において楕円形又は円形である場合があり、これは、細長い又はスロット状のモールド・ロックを含むリードと比較してRFリード272、274における電流集中効果を低減する場合がある。
【0070】
幾つかの実施例において、RFリード272及び/又は274は、同様に、挿入損失、寄生キャパシタンス、電流集中及びインピーダンス整合柔軟性を含むがこれらに限定されない電気的特性を改良するように構成される場合がある。例えば、RFリード272及び/又は274は、外部(すなわち、オーバーモールド278の外側に延在する)接続タブ272t、274tの長さ、入力RFリード272と出力RFリード274との間の間隔Sgd(例えば、高周波数(例えば、1.8GHz)LDMOS及び(例えば、2GHz~5GHz)GaN HEMTダイのための整合トポロジーに対応するためのゲート・トゥ・ドレイン・リード間隔)、RFリード272、274とフランジ276との間の垂直方向分離又はギャップ(例えば、インピーダンス整合のための所望のキャパシタンスを提供するための及び/又はボンド・ワイヤ282~285の間の相互結合効果を低減するための変化するリード・トゥ・グラウンド間隔を備えるRFリード)、及び/又はリード272及び/又は274の平面図形状(例えば、電流集中を低減するために及び/又は電界分布を最適化するために丸み付けられた縁部272e、274eを備える)の変化及び/又は最適化を含む場合がある。
【0071】
幾つかの実施例において、非RFリード275が、電気的特性を改良するように構成される場合もある。例えば、1つ又は複数のリベット201の内部位置決めにより、非RFリードの形状は、寄生インダクタンスを低減するように及び/又はビデオ帯域幅を増大又は最大化するために共振周波数を拡張させるように構成されている場合がある。幾つかの実施例において、非RFリード275は、等価伝送線路インピーダンスを低減するように(例えば、リード形状、サブマウントとのオーバーラップ、及び/又はサブマウントからの間隔に関して)設計又はさもなければ構成される場合があり、ベースバンド帯域幅を拡張する又はさもなければベースバンド設計柔軟性を提供するために追加的なキャパシタンス(例えば、1つ又は複数のIPDによって提供される)と組み合わせて使用される場合がある。
【0072】
図3A及び図3Bは、本開示の幾つかの実施例による実例モールド・ロック構造を含むRFトランジスタ増幅器パッケージ370a及び370bを示す平面図である。パッケージ370a及び370bは、その他の点では図2A及び図2Bのパッケージ270と類似であり、アクティブ・トランジスタ・ダイ210及び非RFリード275は簡略化のために示されていない。モールド・ロック202及び302は、出力リード274、374の対の間に位置決めされたリベット201と組み合わせて示されているが、モールド・ロック202及び302の構成は、幾つかの実施例においてリベット201の配置とは独立している場合がある。
【0073】
図3A及び図3Bに示したように、モールド・ロック202及び302は、RFリード272、274をフランジ276に固定するためにオーバーモールド部材278の部分を受け入れるように構成されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ370a及び370bの動作に対する電気的影響を低減及び/又は最小化するようにサイズ決め、成形、位置決め又はさもなければ構成されている場合がある。例えば、より小さなモールド・ロック202、302は、リードの電気信号伝送における電流集中効果を低減する場合がある。図3Aの実例において、入力リード272及び出力リード274はそれぞれ、楕円形又は円形のモールド・ロック202を含む。モールド・ロック202は、RFリード272、274の縁部272e、274eの内側に位置決めされており、すなわち、それぞれの外部接続タブ272t、274tの幅寸法W内に制限されている。図3Bの実例において、入力リード372及び出力リード374はそれぞれ、リード372、374のそれぞれの幅に沿った方向に延在するスロット状モールド・ロック302を含む。モールド・ロック302は、RFリード372、374の縁部372e、374eに向かって、すなわち、それぞれの外部接続タブ372t、374tの幅寸法Wを超えて延在している。リードごとに2つのモールド・ロックを備えて示されているが、リードごとにより少ない又はより多いモールド・ロックが幾つかの実施例において設けられる場合があることが理解されるであろう。
【0074】
図4A図4Fは、本開示の幾つかの実施例による、リベット201i及び201o(集合的に201)及び隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージ470a~470fを示す平面図である。パッケージ470a~470fは、その他の点では図2A及び図2Bのパッケージ270と類似であり、幾つかの構成要素(例えば、アクティブ・トランジスタ・ダイ210)は簡略化のために示されていない。リベット構成は、円形のモールド・ロック202との組合せにおいて示されているが、幾つかの実施例においてモールド・ロック202のサイズ及び/又は形状から独立している場合がある。
【0075】
上述のように、幾つかの実施例において、リベット201は、リード・フレームの外側フレーム(それに取り付けられたRFリード272、274を含む)をサブマウント又はフランジ276に固定するために使用され、RFリード272、274と外側フレームとの間のアタッチメント(例えば、トリム・バー又はタイ・バー)はその後、トリミングされる。すなわち、リベット201(及びリード・フレーム)は、パッケージ製造中にRFリード272、274をサブマウント276に固定する締結機構の構成要素を規定している。幾つかの実施例において、リベット201は、トリミング・プロセスの完了後に存在する場合がある、トリム・バー又はタイ・バーの残留部分201rを含む場合がある。幾つかの実施例において、リベット201は、接地リードなどの追加的なリードをサブマウント276に固定する場合がある。図4A図4Fに示したように、本開示の幾つかの実施例は、1つ又は複数のリベット201をパッケージ・リード272、274のうちの2つ以上の間に位置決めするRFトランジスタ増幅器パッケージ470a~470fを含む。例えば、幾つかの実施例において、1つ又は2つのリベット201は、それぞれの増幅器経路P1及びP2のRFリードの間、すなわち、隣接するRF入力(例えば、ゲート)リード272の間及び/又は隣接するRF出力(例えば、ドレイン)リード274の間に位置決めされる場合がある。
【0076】
特に、図4Aは、隣接する増幅器経路P1及びP2のRF出力リード274の間に少なくとも1つのリベット201o(及び間隔Sout)を含む実例パッケージ470aを示しており、間隔Soutは、RF入力リード272の間の間隔Sinとは異なる。しかしながら、少なくとも1つのリベット201i(及び間隔Sin)が追加的又は代替的に隣接する増幅器経路P1及びP2のRF入力リード272の間に設けられている場合があることが理解されるであろう。リベット201(及び関連するリード・フレーム)は、RFリード272及び/又は274をフランジ276に固定するように構成された寸法を有する場合があり、パッケージングプロセス中に機械的安定性を提供する場合がある。例えば、幾つかの実施例において、多数のRF出力リード274の間のリベット201oは、RF入力リード272のそれぞれに隣接するリベット201iよりも大きい1つ又は複数の寸法を有する場合がある(又はその逆)。隣接する増幅器経路P1及びP2のRFリードの間にリベット201を位置決めすることは、隣接するRF入力リード272の間、隣接するRF出力リード274の間、及び/又はさもなければ隣接する増幅器経路P1、P2の間に増大した間隔を提供する及び/又は電気的隔離構造を提供することによって、結合又は電磁/RF干渉を低減し、したがって、それらの間の電気的隔離を改善する場合がある。
【0077】
幾つかの実施例において、2つ以上のRFリード272又は274の間にリベット201を位置決めすることは、RFリード272又は274の間の間隔Sin又はSoutを増大し、且つ(リベット201が、幾つかの実施例において電気的に設地されたフランジ276に電気的に接続されている場合があるため)RFリード272、274の間に設地された隔離構造を提供することによって、電気的隔離を改善する場合がある。図4Bは、本開示の幾つかの実施例による隔離構造405bを含む実例パッケージ470bを示している。図4Bに示したように、隔離構造405bは、隣接する増幅器経路P1及びP2のRF出力リード274の間に位置決めされたリベット201oに結合された導電性構造である場合がある。しかしながら、1つ又は複数の隔離構造405bは、追加的又は代替的に、隣接する増幅器経路P1及びP2のRF入力リード272の間に位置決めされたリベット201iに結合されている場合があることが理解されるであろう。
【0078】
幾つかの実施例において、リベット201及び/又は関連する隔離構造405bの1つ又は複数の部分は、隔離フェンスを規定するようにRFリードの間のフランジ276から垂直方向に突出している場合がある。例えば、隔離構造405bは、隣接するRFリードの間に垂直方向に突出するように曲げられた又はさもなければL字形405b(又はU字形405b’)で提供された金属セグメント(例えば、リード、リベット、リード・フレーム及び/又はフランジと同じ材料から形成されている)を含む場合がある。幾つかの実施例において、隔離構造405bは、リベット201oの一部である又はリベット201oと一体である場合がある。例えば、隔離構造405bは、隔離フェンスの部分を規定するように曲げられている又はさもなければ構成されている場合がある、リベット201のトリム・バー又はタイ・バーの残留部分201rを含む場合がある。幾つかの実施例において、隔離構造405bは、リベット201のうちの1つ又は複数及び/又はRFリード272及び/又は274の間のフランジ276に結合された、1つ又は複数のボンド・ワイヤによって実装されている場合がある。より一般的に、隔離構造405bは、隣接するRFリード272、274及び/又は増幅器経路P1、P2の間の結合又は電磁/RF干渉を低減するように構成されている場合がある。このような隔離構造405bは、多数の増幅器経路P1及びP2を備える多段RF電力増幅器設計において有利である場合がある。例えば、増幅器経路P1及びP2は、クラスAB二重経路ドライバ増幅器のそれぞれのRF信号経路を規定している場合がある、又はパッケージングされたドハティ電力増幅器の主及びピーク増幅器経路を規定している場合がある。
【0079】
加えて、本開示の実施例により2つ以上の隣接するRFリード272及び/又は274の間にリベット201を位置決めすること(したがって、フランジ276の1つ又は複数の角Cにおけるリベットを排除すること)は、非RFリード275(本明細書ではサテライト・リードとも呼ばれる)の接続及び/又は構成のために、例えばパッケージ内の内部使用可能領域を増大する場合がある。例えば、RF出力リード274の間にリベット201oを提供することは、RF出力リード274に隣接するフランジ276の周辺領域(例えば、1つ又は複数の角C)における1つ又は複数の非RFリード275の接続のため(及び逆にリベット201iがRF入力リード272の間に設けられている場合)、及び非RFリード275の所望の設計又は構成のための、柔軟性を提供する。例えば、図6A及び図6Bを参照して本明細書において説明したように、非RFリード275は、寄生インダクタンスを低減又は最小化する場合があるより大きな表面積、及び/又はRFリード272及び/又は274との干渉を低減する場合がある丸み付けられた又は面取りされた角を備えて構成される場合がある。
【0080】
幾つかの実施例において、それぞれのリベット201は、パッケージの反対側において隣接する増幅器経路P1及びP2のRFリードの間においてサブマウントの表面に取り付けられている場合がある。図4Cは、パッケージ470cの第1の側におけるRF入力(例えば、ゲート)リード272の間の少なくとも1つの第1のリベット201iと、パッケージ470cの反対又は第2の側におけるRF出力(例えば、ドレイン)リード274の間の少なくとも1つの第2のリベット201oとを含む実例パッケージ470cを示す。角Cから離れてリベット201を位置決めすることは、例えば、パッケージ470cの入力(例えば、ゲート)及び出力(例えば、ドレイン)側の両方における非RFリード275の接続及び/又は構成のために、サブマウント又はフランジ276の寸法内の使用可能領域を増大させる場合がある。加えて、RFリード272、274の間にリベット201を位置決めすることは、RFリード272、274の間の間隔Sin/Soutを増大させ、それにより、パッケージ470cの増幅器経路P1及びP2の間の電気的隔離を改善する。
【0081】
幾つかの実施例において、電気的隔離は、RFリード272及び274の間の間隔Sin及びSoutを増大させ、且つ隣接する増幅器経路P1及びP2のRFリード272及び274の間のリベット201i及び201oに結合された、設地された隔離構造を提供することによって、改善される場合がある。図4Dは、本開示の幾つかの実施例による隔離構造405dを含む実例パッケージ470dを示す。図4Dに示したように、隔離構造405dは、フランジ276を横切って延在し、且つRF出力リード274の間に位置決めされたリベット201o及び隣接する増幅器経路P1及びP2のRF入力リード272の間に位置決めされたリベット201iの両方に接続された、導電性構造である場合がある。例えば、隔離構造405dは、隣接するRFリードの間で垂直方向に突出するように曲げられた又はさもなければL字形405d(又はU字形405d’)で提供された金属セグメント(例えば、リード、リベット及び/又はフランジと同じ材料から形成されている)を含む場合がある。幾つかの実施例において、隔離構造405dは、トリミング・プロセスの残留部分201rなど、リベット201o及び201iの一部である又はリベットと一体的な部分である場合がある又はそれを含む場合がある。幾つかの実施例において、隔離構造405dは、RFリード272及び274の間のリベット201i及び201oを接続する1つ又は複数のボンド・ワイヤ405d’’によって実装される場合がある。より一般的に、隔離構造405dは、隣接する増幅器経路P1、P2の間の結合又は電磁/RF干渉を低減するためにRFリード272及び274の間のリベット201i及び201oを電気的及び物理的に接続する1つ又は複数の垂直方向に突出する部分を含む場合がある。
【0082】
図4E及び図4Fは、パッケージ470e、470fの第1の側におけるRF入力リード272の間の第1のリベット201iと、パッケージ470e、470fの反対又は第2の側におけるRF出力リード274の間の第2のリベット201oとを備える、3つの並列のRF信号経路P1、P2及びP3を規定する導電性RF入力(例えば、ゲート)リード272及びRF出力(例えば、ドレイン)リード274を含む実例パッケージ470e及び470fをそれぞれ示している。例えば、3つのRF増幅器経路P1、P2及びP3は、主増幅器経路P1と、第1及び第2のピーク増幅器経路P2及びP3とを備えるドハティ増幅器構成を実装する場合がある。図4Fのパッケージ470fは、さらに、隣接する増幅器経路P1、P2及びP3のRFリード272及び274の間の第1のリベット201i及び第2のリベット201oのそれぞれの対に結合された多数の隔離構造405dを含む。パッケージ470e及び470fは、パッケージ470a~470dと類似であり、パッケージ470a~470fのうちの1つに関して本明細書において説明されたリベット201、隔離構造405、及び/又はその他の特徴の組合せが、類似の利点を提供するために他の組合せと互換的に適用される場合があることが理解されるであろう。
【0083】
図5A図5B及び図5Cは、本開示の幾つかの実施例によるモールド・ロック、リベット及び/又は隔離構造の実例構成を含むRFトランジスタ増幅器パッケージの電気的特性を示すグラフである。図5Aに示したように、(フランジの角ではなく)RFリードの間でフランジに位置決めされた少なくとも1つのリベットを含むパッケージ570aは、(例えば、1つ又は複数の非RFリードの接続及び/又は構成のための)フランジの内部領域内の利用可能な空間を増大しながら、フランジの各角に位置決めされたリベットを含むパッケージ70aと比較して、示された周波数範囲にわたって(例えば、最大10GHz以上)類似の又は改善された隔離性能を提供する場合がある。同様に、図5Bに示したように、RFリードの間でフランジに位置決めされた少なくとも1つのリベットと、円形のモールド・ロックとを含むパッケージ570bは、セラミック蓋によって包囲されたオープン・キャビティにおいてトランジスタ・ダイを含むパッケージ70bと比較して、示された周波数範囲にわたって類似の又は改善された隔離性能を提供する場合がある。図5Cは、オープン・キャビティ・パッケージ70cと比較して、RFリードの間でフランジに位置決めされた少なくとも1つのリベットと、円形のモールド・ロックとを含むパッケージ570cの挿入損失特性を示している。
【0084】
図6A及び図6Bは、本開示の幾つかの実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージにおいて使用される場合がある非RFリード675a、675bの拡大された平面図である。例えば、非RFリード675a、675bは、非RFリード275に対応する場合がある及び/又は本明細書に記載されたパッケージ170、270において使用される場合がある。
【0085】
図6A及び図6Bに示したように、幾つかの実施例において、非RFリード675a、675bは、本明細書に記載されたRFトランジスタ増幅器パッケージの1つ又は複数の構成要素への電気的影響を低減及び/又は最小化するように構成されている場合もある。例えば、非RFリード675a、675bは、寄生インダクタンスを低減及び/又は最小化するように成形されている場合がある(例えば、角度、長さ及び/又は厚さに関して)。幾つかの実施例において、非RFリード675a、675bは、より大きな表面積及び/又は丸み付けられた又は面取りされた角Rを備えて構成されている場合がある。特に、図6A及び図6Bに示したように、非RFリード675a、675bは、サブマウント276の表面に重なる又はサブマウント276の表面上に延在する第1の部分675a1、675b1と、サブマウント276の表面にオーバーハングする又はサブマウント276の表面を超えて延在する(すなわち、サブマウントの表面に重ならない又はサブマウントの表面上に延在しない)第2の部分675a2、675b2とを含む。例えば、図2Aに示したオーバーモールド・パッケージ270において、第1の部分675a1、675b1は、オーバーモールド278内に延在する場合があり、オーバーモールド278によって封入されている場合があるのに対し、第2の部分675a2、675b2は、外部接続タブを規定するようにオーバーモールド278の外側に且つオーバーモールド278を超えて延在している場合がある。第2の部分675a2、675b2の表面積は、第1の部分675a1、675b1の表面積よりも大きい又は小さい場合がある。
【0086】
非RFリード675a、675bの表面積及び/又はフランジ276とのオーバーラップを増大させることは、(例えば、パッケージの外側の終了構成要素によって見られる等価伝送線路インピーダンスを低減することによって)寄生インダクタンスを低減する場合がある。表面積及び/又はオーバーラップは、リベット201がRFリード272及び/又は274の間に位置決めされている実施例において、フランジ276の周囲(例えば、角C)における利用可能な表面積の増大により、増大させられる場合がある。図6A及び図6Bに示したように、非RFリード675a、675bは、リベットによって妨げられない又はリベットを有さないフランジ276の角Cから位置決めされる又はさもなければ延在する場合がある。非RFリード675a、675bは、RFリード272及び/又は274に隣接して位置決めされる場合があり、幾つかの実施例において、非RFリード675の角Rは、例えば、非RFリード675とRFリード272、274との間の干渉を低減する又はさもなければ電気的隔離を増大するために、丸み付けられている又は面取りされている場合がある。例えば、図6Aにおいて、非RFリード675aの第1の部分675a1は、フランジ276の縁部に沿って角Cから寸法D1だけ延在している。第1の部分675a1の角Rは、隣接するRFリード272、274によって伝送されるRF信号との干渉を低減するように面取りされている。図6Aの実例において、非RFリード675aの第2の部分675a2の寸法D2は、第1の部分675a1の寸法D1よりも小さい。
【0087】
図6Bにおいて、非RFリード675bの第1の部分675b1は、同様に、角Cから寸法D1だけ、フランジ276の縁部に沿って延在しており、角Rは、隣接するRFリードによって伝送されるRF信号との干渉を低減するために面取りされている。図6Bの実例において、第1の部分675b1の少なくとも1つの平面図寸法(例えば、D1)は、第2の部分675b2において実質的に維持されている(例えば、D2)。すなわち、平面図において、非RFリード675bの第1の部分675b1及び第2の部分675b2は、少なくとも1つの共通の又は実質的に類似の寸法を有する。第2の部分675b2の表面積は、第1の部分675b1の表面積よりも大きい場合がある。したがって、図6Bの非RFリード675bの全体的な表面積は、図6Aの非RFリード675aのものよりも大きく、これは、低減された寄生インダクタンスに寄与する場合がある。幾つかの実施例において、非RFリードの第1及び第2の部分675b1及び675b2は、集合的に平面図において実質的に正方形を規定している場合がある、及び/又はさもなければ第1の部分675a1/675b1とフランジ276との間の寄生インダクタンスを低減する表面積を規定する場合がある。より一般的に、非RFリード675a、675bは、ダイ210、IPD290、292、及び/又はパッケージ270のその他の構成要素の取付けのための表面積を妥協することなく、RFリード272、274からの十分な隔離を提供しながら、フランジ276の周囲における利用可能な表面積に基づいてインダクタンスを低減するように設計又はさもなければ構成されている場合がある。
【0088】
図7Aは、本開示の幾つかの実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージにおいて使用される場合がある実例リード772、774を示す簡略化された概略的な側面図である。RFリード772及び774は、本明細書に記載されたパッケージ170、270において使用される、入力及び出力RFリード272及び274、又はさらには非RFリード275、675に対応する場合がある。
【0089】
図7A及び図7Bに示したように、リード772、774は、所望の電気的影響又は移行を提供するように構成されている場合がある。例えば、リード772、774は、所望のインピーダンス(例えば、整合回路のための及び/又はビデオ帯域幅を広げるための)を提供するために及び/又は相互結合(例えば、ボンド・ワイヤの間の)を低減するために、(例えば、1つ又は複数の凹んだ又はクリンプされた部分を使用して)リード772、774とサブマウント又はフランジ276との間の所望の間隔を提供するように段状である又はさもなければ構成されている場合がある。例えば、非RFリードのギャップ(G1aによって示されている)を低減することは、寄生インダクタンス又は等価伝送線路インピーダンスを低減する場合があり、これは、パッケージの外部又は外側のベースバンド終了キャパシタがアクティブ・トランジスタ・ダイに電気的により近くなることを可能にすることができ、これは、より広いビデオ帯域幅を可能にする場合がある。幾つかの実施例において、リード772、774は、その部分が、所望の形状を備えるリード772、774を提供するために、リード772、774をリベット201又はリード・フレームから分離するために使用される同じトリミング・プロセスにおいて除去する、曲げる及び/又はクリンプすることができるように、構成されている場合がある。
【0090】
特に、図7Aに示したように、リード772及び/又は774(例えば、入力及び/又は出力RFリード)は、フランジ276の表面276sと重なる第1の部分772i、774iと、フランジ276の表面276sを超えて延在する第2の部分772e、774eとを含む場合がある。第1の部分772i、774i及び第2の部分772e、774eは、フランジ276の表面276sによって規定された又はフランジ276の表面276sを含む平面の上方にある。第1の部分772i、774iは、第1の間隔又はギャップG1a、G1bによって表面276sの平面から分離されており、第2の部分772e、774eは、フランジ270の表面276sの上方において、フランジ276の表面276sに対して垂直な方向に沿って、第1の間隔又はギャップG1a、G1bとは異なる第2の間隔又はギャップG2によって表面276sの平面から分離されている又は離隔させられている。幾つかの実施例において、ギャップG1a、G1b及びG2の異なる距離は、リード772、774の第1の部分772i、774iをフランジ276に向かって又はフランジ276から離れるように曲げる又はクリンプすることによって実装される場合がある。ギャップG2に関して、RFリード772、774の第1の部分772i、774iとフランジ276との間の間隔又はギャップ(より小さなギャップG1aによって示されている)を低減することは、キャパシタンスを増大させる場合があるのに対し、RFリード772、774の第1の部分772i、774iとフランジ276との間の間隔又はギャップ(より大きなギャップG1bによって示されている)を増大させることは、キャパシタンスを低減する場合がある。
【0091】
図7Bは、オーバーモールド・パッケージ170’における入力及び出力RFリードとしてのリード772、774の実装を示している。オーバーモールド・パッケージ170’の内部構成要素は、それ以外の点では本明細書に記載されたパッケージ170、270のうちのいずれかに類似している場合がある。図7Bに示したように、リード772、774の第1の部分772i、774iは、オーバーモールド部材178の内部にあり且つオーバーモールド部材178によって封入されているのに対し、第2の部分772e、774eは、外部接続タブ(例えば、タブ272t、274t)を規定するようにオーバーモールド178の外側に、オーバーモールド178を超えて延在している。したがって、RFリード772、774の内側部分772i、774iはそれぞれ、フランジ176からそれぞれの間隔又はギャップ(例えば、図7AのG1a、G1b)を備えて構成されている場合があるのに対し(例えば、入力/出力整合回路のための所望のインピーダンスを提供するため、ボンド・ワイヤの間の相互結合を低減するため、及び/又はビデオ帯域幅を広げるため)、外側部分772e、774eのセグメントは、例えば、顧客要求を満たすために、フランジ276の表面の平面の上方の所望のギャップ(例えば、図7AのG2)、及び/又はパッケージ170’の下面の上方の高さH(例えば、約1.5748mm(約62ミル)などの、外部パッケージ接続のための標準着座平面高さ)に維持されている場合がある。それぞれの間隔又はギャップG1a、G1bは、フランジ176の厚さTから独立して構成されている場合があり、これにより、標準的な厚さT(約1.27mm(約50ミル))を有するフランジ176がパッケージ170’において使用される場合がある。
【0092】
図7Cは、オープン・キャビティ・パッケージ170’’における入力及び出力RFリードとしてのリード772、774の実装を示す。オープン・キャビティ・パッケージ170’’の内部構成要素は、それ以外の点では、本明細書に記載のパッケージ170、270のうちのいずれかに類似である場合がある。オープン・キャビティ・パッケージ170’’は、サブマウント又はフランジ176上に蓋部材779(例えば、セラミック蓋)を含む。蓋779は、例えば、図1Aに示された、RFトランジスタ増幅器ダイ110及び/又はその他の集積回路及び関連する電気接続を含むオープンエア・キャビティを封止する。図7Cの実例において、リード772及び774は、フランジ176の表面の平面の上方の所望のギャップ(例えば、図7AのG2)、及び/又はパッケージ170’’の下面の上方の高さHを維持しながら、フランジ176と、フランジ176に重なるRFリード772、774の内側部分772i、774iとの間の所望の間隔又はギャップ(例えば、図7AのG1a、G1b)を備える、それぞれ、整合回路190及び192を介してダイ110へのRF信号接続を提供する入力及び出力RFリードである。図7A図7Cにおいて、RFリード772の内側部分772i及び/又は774iの間のそれぞれのギャップG1a、G1bは、それぞれのRF増幅器経路において入力及び/又は出力整合回路の少なくとも一部のそれぞれのインピーダンスを規定するように選択又はさもなければ構成されている場合がある。
【0093】
本開示の実施例は、2つ以上のRFリードの間の隔離が望まれる場合があるあらゆる二重材料RF電力パッケージにおいて使用される場合がある。例えば、本開示の実施例は、リード材料(例えば、リード・フレーム及び/又は接地リード)がベース(ヒート・シンク、フランジ又はダイ・パドルなど)にリベット留めされ、オーバーモールド部材(プラスチック・オーバーモールドなど)によって保護されているRFトランジスタ増幅器パッケージにおいて実装される場合がある。
【0094】
再び図1Cを参照すると、III族窒化物半導体HEMTのための半導体構造などの、本明細書に記載されたRFトランジスタ増幅器パッケージにおいて使用される場合がある半導体構造130は、炭化ケイ素SiC基板又はサファイア基板などの基板322上に形成される場合がある。基板322は、例えば、炭化ケイ素の4Hポリタイプである場合がある半絶縁炭化ケイ素(SiC)基板である場合がある。その他の炭化ケイ素候補ポリタイプは、3C、6H及び15Rポリタイプを含む場合がある。基板は、Cree Inc.から入手可能な高純度半絶縁性(HPSI)基板である場合がある。「半絶縁」という用語は、本明細書において絶対的な意味ではなく説明的に使用されている。
【0095】
本明細書において使用される場合、「III族窒化物」という用語は、窒素(N)と、周期表のIII族の元素、通常は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及び/又はインジウム(In)との間に形成される半導体化合物を指す。この用語は、また、例えば、AlGaN及びAlInGaNなどの三元及び四元(又はより高い)化合物を指す。当業者によって十分に理解されるように、III族元素は、二元(例えば、GaN)、三元(例えば、AlGaN、AlInN)及び四元(例えば、AlInGaN)化合部を形成するように窒素と組み合わさることができる。これらの化合物は全て、1モルの窒素が合計で1モルのIII族元素と組み合わされる実験式を有する。炭化ケイ素は基板材料として使用される場合があるが、本願の実施例は、サファイア(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(AnO)、LAO、リン化インジウム(InP)などの、あらゆる適切な基板を利用する場合がある。
【0096】
本発明の幾つかの実施例において、基板322のSiCバルク結晶は、室温において約1×10ohm-cm以上の抵抗率を有する場合がある。本発明の幾つかの実施例において使用される場合がある例示的なSiC基板は、例えば、本発明の譲受人であるノースカロライナ州ダーラムのCree,Inc.によって製造されている。このような基板を製造するための方法は、例えば、米国特許第Re.34,861号、米国特許第4,946,547号、米国特許第5,200,022号及び米国特許第6,218,680号に記載されており、それらの開示は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。SiCを基板材料として使用することができるが、本願の実施例はあらゆる適切な基板を利用する場合がある。基板322はSiCウェハであることができ、HEMTデバイスは、少なくとも部分的にウェハレベル・プロセシングを介して形成することができ、次いで、ウェハは、複数の個々のHEMTを提供するために裁断することができる。
【0097】
チャネル層324は基板322の上面(又はさらに本明細書に記載されている選択的な層)に形成されており、バリア層326はチャネル層324の上面に形成されている。チャネル層324及びバリア層326はそれぞれ、幾つかの実施例においてエピタキシャル成長によって形成される場合がある。III族窒化物のエピタキシャル成長のための技術は、例えば、米国特許第5,210,051号、米国特許第5,393,993号及び米国特許第5,523,589号に記載されており、その開示も、参照により全体が本明細書に組み込まれる。チャネル層324は、バリア層326のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有する場合があり、チャネル層324は、バリア層326よりも大きな電子親和力をも有する場合がある。チャネル層324及びバリア層326は、III族窒化物ベース材料を含む場合がある。
【0098】
幾つかの実施例において、チャネル及びバリア層324、326の境界面においてチャネル層324の伝導帯エッジのエネルギがバリア層326の伝導帯エッジのエネルギよりも小さいとすると、チャネル層324は、AlGa1-xNなどのIII族窒化物である場合があり、ここで、0≦x<1である。本発明のある実施例において、x=0であり、チャネル層324がGaNであることを示している。チャネル層324は、InGaN、AlInGaNなどのその他のIII族窒化物である場合もある。チャネル層324は非ドープ(「意図せずドープされている」)である場合があり、約0.002μmよりも大きな厚さに成長させられる場合がある。チャネル層324は、超格子又はGaN、AlGaNなどの組合せなどの、多層構造である場合もある。チャネル層324は、幾つかの実施例において圧縮ひずみ下にある場合がある。
【0099】
従来のHEMTデバイスに関して上記で説明したように、チャネル層324とバリア層326との間の接合部においてチャネル層324に2DEG層が誘発される。2DEG層は、それぞれソース接点156及びドレイン接点154の下にあるデバイスのソース及びドレイン領域の間の伝導を許容する、非常に導電性の層として機能する。チャネル層324及びバリア層326は、半導体構造130を形成する。
【0100】
例示のためにチャネル層324及びバリア層326を備える半導体構造130が示されているが、半導体構造130は、チャネル層324と基板322との間のバッファ及び/又は核生成層、及び/又はバリア層326上のキャップ層などの、追加的な層/構造/要素を含む場合がある。基板、チャネル層、バリア層及びその他の層を含むHEMT構造は、例えば、米国特許第5,192,987号、米国特許第5,296,395号、米国特許第6,316,793号、米国特許第6,548,333号、米国特許第7,544,963号、米国特許第7,548,112号、米国特許第7,592,211号、米国特許第7,615,774号、及び米国特許第7,709,269号に記載されており、その開示は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。例えば、炭化ケイ素基板322とHEMTデバイスの残りとの間に適切な結晶構造遷移を提供するために、AlNバッファ層が基板322の上面に形成される場合がある。さらに、ひずみバランシング遷移層が、さらに及び/又は代替的に、例えば同一出願人による米国特許第7,030,428号に記載されたように提供される場合があり、その開示は、本明細書に完全に示されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。選択的なバッファ/核生成/遷移層は、MOCVD、MBE及び/又はHVPEによって堆積させられる場合がある。
【0101】
ソース接点156及びドレイン接点154は、バリア層326の上面に形成される場合があり、互いから横方向に離隔させられる場合がある。ゲート接点152は、ソース接点156とドレイン接点154との間でバリア層326の上面に形成される場合がある。ゲート接点152の材料は、バリア層326の組成に基づいて選択される場合があり、幾つかの実施例において、ショットキー接点である場合がある。
【0102】
ソース接点156は、例えば、接地電圧などの基準信号に結合される場合がある。基準信号への結合は、基板322の下面から基板322を通ってバリア層326の上面まで延在するビア166によって提供される場合がある。ビア166は、ソース接点156の抵抗部分の底面を露出させる場合がある。バックメタル層126は、基板322の下面及びビア166の側壁に形成される場合がある。バックメタル層126は、ソース接点156の抵抗部分に直接接触する場合がある。したがって、バックメタル層126及びそれに結合された信号は、ソース接点156に電気的に接続される場合がある。
【0103】
さらに図1Cを参照すると、HEMTデバイスは、第1の絶縁層350及び第2の絶縁層355を含む場合がある。第1の絶縁層350は、半導体構造130の上面に直接接触している(例えば、バリア層326の上面と接触している)場合がある。第2の絶縁層355は、第1の絶縁層350上に形成されている場合がある。幾つかの実施例において3つ以上の絶縁層が含まれる場合があることも認められるであろう。第1の絶縁層350及び第2の絶縁層355は、HEMTデバイスのためのパッシベーション層として機能する場合がある。
【0104】
ソース接点156、ドレイン接点154及びゲート接点152が、第1の絶縁層350に形成されている場合がある。幾つかの実施例において、ゲート接点152の少なくとも一部が、第1の絶縁層上にある場合がある。幾つかの実施例において、ゲート接点152は、T字形ゲート及び/又はガンマ・ゲートとして形成されている場合があり、その形成は、例えば、米国特許第8,049,252号、米国特許第7,045,404号及び米国特許第8,120,064号に記載されており、その開示は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。第2の絶縁層355は、第1の絶縁層350上及びドレイン接点154、ゲート接点152及びソース接点156の部分上に形成されている場合がある。
【0105】
幾つかの実施例において、フィールド・プレート360が第2の絶縁層355上に形成されている場合がある。フィールド・プレート360の少なくとも一部は、ゲート接点152上にある場合がある。フィールド・プレート360の少なくとも一部は、ゲート接点152とドレイン接点154との間にある第2の絶縁層355の部分上にある場合がある。フィールド・プレート及びフィールド・プレートを形成するための技術は、例えば、米国特許第8,120,064号に記載されており、その開示は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0106】
金属接点365が第2の絶縁層355に配置されている場合がある。金属接点365は、ドレイン接点154、ゲート接点152及びソース接点156と、HEMTデバイスの他の部分との間の相互接続を提供する場合がある。金属接点365のそれぞれは、ドレイン接点154及び/又はソース接点156のそれぞれと直接に接触している場合がある。金属接点365は、例えば、銅、コバルト、金及び/又は複合金属を含む、金属又はその他の非常に導電性の材料を含む場合がある。
【0107】
実例実施例が示されている添付の図面を参照して、本明細書には様々な実施例が説明されている。しかしながら、これらの実施例は異なる形式で具体化される場合があり、本明細書に示された実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、この開示が徹底的且つ完全であり、発明の概念を当業者に完全に伝達するように提供されている。本明細書に説明された実例実施例及び一般的原理及び特徴に対する様々な修正が、容易に明らかになるであろう。図面において、層及び領域のサイズ及び相対的サイズは縮尺通りに示されておらず、幾つかの例において、明確にするために誇張されている場合がある。
【0108】
「第1」、「第2」などの用語は様々な要素を説明するために本明細書において使用される場合があるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用されている。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と言うことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と言うことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙されたアイテムのうちの1つ又は複数のあらゆる及び全ての組合せを含む。
【0109】
本明細書において使用された用語は、特定の実施例を説明するためのものでしかなく、発明の限定を意図したものではない。本明細書において使用される場合、「a」、「an」及び「the」という単数形は、文脈が明確にそうでないことを定めていない限り、複数形を含むことが意図されている。さらに、本明細書において使用されるときの「comprises」、「comprising」、「includes」及び/又は「including」という用語は、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を明示しており、1つ又は複数のその他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0110】
別段の定めがない限り、本明細書において使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、本明細書において使用される用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書において明らかにそのように定められていない限り、理想化された又は過剰に形式的な意味で解釈されないことが理解されるであろう。
【0111】
層、領域又は基板などの要素が別の要素「の上に」ある、「に取り付けられている」、又は「の上に」延在すると言った場合、これらはその他の要素の上に直接あることができるか又は介在する要素が存在する場合もあることが理解されるであろう。対照的に、要素が別の要素「の上に直接」ある又は「に直接取り付けられている」又は「の上に直接」延在すると言った場合、介在する要素は存在しない。要素が別の要素に「接続」又は「結合」されていると言った場合、要素はその他の要素に直接接続又は結合されることができるか又は介在する要素が存在する場合があることも理解されるであろう。対照的に、要素が別の要素に「直接接続されている」又は「直接結合されている」と言った場合、介在する要素は存在しない。
【0112】
「下方」又は「上方」又は「上側」又は「下側」又は「水平方向」又は「横方向」又は「垂直方向」などの相対的な用語は、図面に示された別の要素、層又は領域に対する1つの要素、層又は領域の関係を説明するために本明細書において使用されている場合がある。これらの用語は、図面に示された向きに加えてデバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されるであろう。
【0113】
発明の実施例は、本発明の理想化された実施例(及び中間構造)の概略的な図である断面図に関して本明細書において説明されている。図面における層及び領域の厚さは、明確にするために誇張されている場合がある。加えて、例えば、製造技術及び/又は公差の結果としての図の形状からの変動が予想される。したがって、発明の実施例は、本明細書に示された領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造から生じる形状の逸れを含む。点線によって示された要素は、示された実施例において選択的である場合がある。
【0114】
同じ番号は、全体を通じて同じ要素を指す。したがって、同じ又は類似の番号は、対応する図面に言及又は説明されていないとしても、他の図面に関連して説明される場合がある。また、参照番号によって示されていない要素が、他の図面に関連して説明される場合がある。
【0115】
図面及び明細書において、発明の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは、限定のためではなく、一般的及び説明的な意味でのみ使用されており、発明の範囲は、以下の請求項に示されている。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4A1
図4B
図4B1
図4B2
図4C
図4D
図4D1
図4D2
図4D3
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C