(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】カートン
(51)【国際特許分類】
B65D 5/02 20060101AFI20240917BHJP
【FI】
B65D5/02 K
(21)【出願番号】P 2019074187
(22)【出願日】2019-04-09
【審査請求日】2022-02-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】711002926
【氏名又は名称】雪印メグミルク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯 一樹
(72)【発明者】
【氏名】金野 直樹
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-130547(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0069844(US,A1)
【文献】特開2011-079528(JP,A)
【文献】国際公開第2018/207814(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置された一対の第1主面部、前記一対の第1主面部の対向方向に直交する方向に互いに対向配置された一対の第2主面部、および一方の第1主面部と一方の第2主面部とを接着させる胴張部を有する筒状の胴部と、
前記胴部の軸方向の端部で一方の第2主面部に連接し、前記胴部の当該端部を覆う第1内側フラップと、
前記胴部の軸方向の端部で他方の第2主面部に連接し、前記胴部の当該端部を覆う第2内側フラップと、
前記胴部の軸方向の端部で他方の第1主面部に連接し、前記第1内側フラップおよび前記第2内側フラップに外側から重ねて接着される外側フラップとを備え、
前記第1内側フラップおよび前記第2内側フラップは、引裂帯と、その先端縁で互いに接触可能な接触部と、当該先端縁における前記外側フラップの基端側の端部から前記引裂帯の一部領域まで設けられ、互いに接触しない非接触部とを備えていることを特徴とするカートン。
【請求項2】
前記第1内側フラップおよび前記第2内側フラップの少なくとも一方の非接触部は、前記外側フラップの基端側に向って他方の非接触部から次第に離間するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカートン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カートンにおいて、筒状の胴部の軸方向の端部を内側フラップと外側フラップとで塞ぐものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のカートンは、ボトムパネル、トップパネル、およびサイドパネルで構成される胴部の軸方向の端部が、サイドフラップ(内側フラップ)と、サイドフラップに外側から重ねて配置される前後フラップ(外側フラップ)とで塞がれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したような従来のカートンは、製函時に内側フラップ同士が重なって段差ができてしまうことがある。この場合、内側フラップと外側フラップとの間に隙間が生じてしまい、内側フラップと外側フラップとの接着不良が発生するという問題がある。
これに対し、内側フラップ同士が重ならないように内側フラップを短くすると、カートンの剛性が低くなってしまい、製函時にカートンが歪んでしまうという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、製函時にカートンが歪んでしまうことを防止しつつ、内側フラップと外側フラップとの接着不良を防止できるカートンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカートンは、互いに対向配置された一対の第1主面部および前記一対の第1主面部の対向方向に直交する方向に互いに対向配置された一対の第2主面部を有する筒状の胴部と、前記胴部の軸方向の端部で一方の第2主面部に連接し、前記胴部の当該端部を覆う第1内側フラップと、前記胴部の軸方向の端部で他方の第2主面部に連接し、前記胴部の当該端部を覆う第2内側フラップと、前記胴部の軸方向の端部で前記第1主面部に連接し、前記第1内側フラップおよび前記第2内側フラップに外側から重ねて接着される外側フラップとを備え、前記第1内側フラップおよび前記第2内側フラップは、その先端縁で互いに接触可能な接触部と、前記外側フラップが接着される位置から前記外側フラップの先端が重なる位置までの領域で互いに接触しない非接触部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第1内側フラップおよび第2内側フラップは、その先端縁で互いに接触可能な接触部を備えているため、当該接触によってカートンの剛性を向上させることができ、製函時にカートンが歪んでしまうことを防止できる。
また、第1内側フラップおよび第2内側フラップには、外側フラップが接着される位置から外側フラップの先端位置までの領域にわたって非接触部が設けられるため、当該領域で第1内側フラップと第2内側フラップとが重なることを防止できる。このため、内側フラップと外側フラップとの間に隙間が生じることを防ぐことができるので、内側フラップと外側フラップとの接着不良を防止することができる。
【0009】
本発明のカートンは、互いに対向配置された一対の第1主面部および前記一対の第1主面部の対向方向に直交する方向に互いに対向配置された一対の第2主面部を有する筒状の胴部と、前記胴部の軸方向の端部で一方の第2主面部に連接し、前記胴部の当該端部を覆う第1内側フラップと、前記胴部の軸方向の端部で他方の第2主面部に連接し、前記胴部の当該端部を覆う第2内側フラップと、前記胴部の軸方向の端部で前記第1主面部に連接し、前記第1内側フラップおよび前記第2内側フラップに外側から重ねて接着される外側フラップとを備え、前記第1内側フラップおよび前記第2内側フラップは、その先端縁で互いに接触可能な接触部と、当該先端縁における前記外側フラップの基端側の端部に設けられ、互いに接触しない非接触部とを備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、第1内側フラップおよび第2内側フラップは、その先端縁で互いに接触可能な接触部を備えているため、当該接触によってカートンの剛性を向上させることができ、製函時にカートンが歪んでしまうことを防止できる。
また、第1内側フラップおよび第2内側フラップには、その先端縁における外側フラップの基端側の端部に非接触部が設けられているため、内側フラップにおいて製函時に接触しやすい外側フラップ基端側の角部同士が接触することを防ぐことができ、第1内側フラップと第2内側フラップとが重なることを防止できる。このため、内側フラップと外側フラップとの間に隙間が生じることを防ぐことができるので、内側フラップと外側フラップとの接着不良を防止することができる。
【0011】
本発明のカートンにおいて、前記第1内側フラップおよび前記第2内側フラップの少なくとも一方の非接触部は、前記外側フラップの基端側に向って他方の非接触部から次第に離間するように形成されていることが好ましい。
【0012】
本発明によれば、第1内側フラップおよび第2内側フラップの少なくとも一方の非接触部が外側フラップの基端側に向って他方の非接触部から次第に離間するように形成されているため、内側フラップの面積を外側フラップの先端側で大きくして強度を確保した上で、外側フラップの基端側で内側フラップの角部同士が接触することを防ぐことができる。このため、製函時にカートンが歪んでしまうことをより確実に防止しつつ、内側フラップと外側フラップとの接着不良を防止することができる。
【0013】
本発明のカートンにおいて、前記外側フラップは、前記第1内側フラップおよび前記第2内側フラップに部分的に重なる大きさとされ、前記接触部は、前記外側フラップが重ならない領域に設けられ、前記非接触部は、前記外側フラップの基端から先端までが重なる領域にわたって設けられていることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、内側フラップには、外側フラップが重ならない領域に接触部が設けられ、外側フラップの基端から先端までが重なる領域にわたって非接触部が設けられている。すなわち、外側フラップが重ならない領域では、内側フラップ同士が重なっても支障がないため接触部が設けられ、外側フラップの基端から先端までが重なる領域では、当該領域にわたって内側フラップ同士が重ならないように非接触部が設けられる。このため、製函時にカートンが歪んでしまうことを防止しつつ、内側フラップと外側フラップとの接着不良をより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るカートンの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態について説明する。
なお、以下の記載において方向を表す場合、カートン1を
図1に示すように置いた状態を基準とする。
【0017】
図1は、本実施形態に係るカートン1を示す斜視図である。
図2は、カートン1の展開図(カートン形成用パネル(カートンブランクとも称する)1Aの平面図)である。
図1において、カートン1は、
図2に示すカートン形成用パネル1Aで被収容物FD(
図3参照)を包み込んで箱にする、いわゆるラップラウンド式の段ボール箱であり、直方体に形成されている。被収容物FDとしては、それぞれ容器に収容された飲料、マーガリン、チーズ等の食品の他、容器に収容された洗剤が例示できる。
【0018】
図1および
図2において、カートン1は、胴部2、第1主面部としての底面部3A、第1主面部としての上面部3B、一方の第2主面部としての第1側面部4A、他方の第2主面部としての第2側面部4B、胴張部5、第1内側フラップ6A、第2内側フラップ6B、第1外側フラップ7A、第2外側フラップ7B、および引裂帯8を備えている。
胴部2は、底面部3A、上面部3B、第1側面部4A、第2側面部4B、および胴張部5で構成される。
【0019】
底面部3Aは、平面視略長方形状に形成されている。底面部3Aは、折曲げ線31Aを介して第1側面部4Aに、折曲げ線32Aを介して第2側面部4Bに、折曲げ線33Aを介して第1外側フラップ7Aにそれぞれ連接されている。
【0020】
上面部3Bは、平面視略長方形状に形成され、底面部3Aに対向して配置される。上面部3Bは、折曲げ線31Bを介して第2側面部4Bに連接され、折曲げ線32Bを介して第2外側フラップ7Bに連接され、折曲げ線33Bを介して胴張部5に連接されている。
【0021】
第1側面部4Aおよび第2側面部4Bは、底面部3Aと上面部3Bとの対向方向に直交する方向に互いに対向して配置される。第1側面部4Aおよび第2側面部4Bは、カートン1の長辺側の側面部分であり、一方の長辺側に第1側面部4Aが配置され、他方の長辺側に第2側面部4Bが配置される。
【0022】
胴張部5は、胴部2を形成する際のシール部であり、ホットメルト接着剤等の接着剤ADで第1側面部4Aに外側から重ねて接着される。
【0023】
第1内側フラップ6A、第2内側フラップ6B、第1外側フラップ7A、および第2外側フラップ7Bは、カートン1の短辺側の側面部分であり、各外側フラップ7A、7Bが第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bに重なって配置される。
【0024】
第1内側フラップ6Aは、胴部2の軸方向の両端部で折曲げ線41Aを介して第1側面部4Aに連接し、胴部2の当該端部を覆う。第1内側フラップ6Aは、接触部61Aおよび非接触部62Aを備えている。
接触部61Aは、第1内側フラップ6Aの先端部であり、その先端縁で第2内側フラップ6Bの先端縁に接触するように構成されている。
非接触部62Aは、第1内側フラップ6Aの先端縁が切り欠かれた形状とされ、第1外側フラップ7Aが接着剤ADで接着される位置から第1外側フラップ7Aの先端が重なる位置までの領域AR1で、第2内側フラップ6Bに接触しないように構成されている。本実施形態の場合、非接触部62Aは、第1外側フラップ7Aの基端から先端までが重なる領域AR2にわたって設けられ、引裂帯8の一部領域まで延設されている。
【0025】
第2内側フラップ6Bは、胴部2の軸方向の端部で折曲げ線41Bを介して第2側面部4Bに連接し、胴部2の当該端部を覆う。第2内側フラップ6Bは、第1内側フラップ6Aと同じ構成を有しているため、第1内側フラップ6Aの符号の最後のAの記号をBに置き換えて図示し、その説明を省略する。
【0026】
第1外側フラップ7Aは、胴部2の軸方向の端部で底面部3Aに連接し、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bに外側から重ねて接着される。第1外側フラップ7Aは、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bに部分的に重なる大きさとされ、先端が引裂帯8の第1切断線81よりも底面部3A側に位置するように形成されている。
【0027】
第2外側フラップ7Bは、胴部2の軸方向の端部で上面部3Bに連接し、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bに外側から重ねて接着される。第2外側フラップ7Bは、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bに部分的に重なる大きさとされ、先端が引裂帯8の第2切断線82よりも上面部3B側に位置するように形成されている。
【0028】
引裂帯8は、第1側面部4Aおよび第1内側フラップ6Aにわたって設けられるとともに、第2側面部4Bおよび第2内側フラップ6Bにわたって設けられている。引裂帯8は、底面部3A側に設けられた第1切断線81と、上面部3B側に設けられた第2切断線82とによって形成される。
【0029】
以上のカートン1を製函する際は、
図3に示すように、底面部3A上に被収容物FDを配置した状態で、第1側面部4Aおよび第2側面部4Bを互いに対向するように折り曲げて立ち上げつつ、上面部3B、胴張部5、各内側フラップ6A、6B、および各外側フラップ7A、7Bを内側に折り曲げる。そして、各外側フラップ7A、7Bを第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bに外側から重ねて接着するとともに、胴張部5を第1側面部4Aに外側から重ねて接着する。
【0030】
ここで、
図3の二点鎖線で示すように、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bに非接触部62A、62Bが設けられていない場合、第1側面部4A、第2側面部4B、第1内側フラップ6A、および第2内側フラップ6Bの折り曲げタイミングが合わないと、各内側フラップ6A、6Bにおける底面部3A側の角部同士が干渉したり、第1内側フラップ6Aと第2内側フラップ6Bとが重なったりしてしまう。
【0031】
これに対し、カートン1では、
図3に示すように、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bに非接触部62A、62Bが設けられているため、各内側フラップ6A、6Bにおける底面部3A側の角部同士が干渉したり、第1内側フラップ6Aと第2内側フラップ6Bとが重なったりしてしまうことを防止できる。このため、
図4に示すように、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bが互いに重なることなく、その接触部61A、61Bを互いの先端縁で接触させることができる。
【0032】
以上のような実施形態によれば、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bは、その先端縁で互いに接触可能な接触部61A、61Bを備えているため、当該接触によってカートン1の剛性を向上させることができ、製函時にカートン1が歪んでしまうことを防止できる。
また、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bには、第1外側フラップ7Aが接着される位置から第1外側フラップ7Aの先端位置までの領域AR1にわたって非接触部62A、62Bが設けられるため、当該領域で第1内側フラップ6Aと第2内側フラップ6Bとが重なることを防止できる。このため、内側フラップ6A、6Bと外側フラップ7A、7Bとの間に隙間が生じることを防ぐことができるので、内側フラップ6A、6Bと外側フラップ7A、7Bとの接着不良を防止することができる。
【0033】
さらに、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bには、その先端縁における第1外側フラップ7Aの基端側の端部に非接触部62A、62Bが設けられているため、内側フラップ6A、6Bにおいて製函時に接触しやすい外側フラップ基端側の角部同士が接触することを防ぐことができ、第1内側フラップ6Aと第2内側フラップ6Bとが重なることをより確実に防止できる。
【0034】
また、各内側フラップ6A、6Bには、第1外側フラップ7Aが重ならない領域に接触部61A、61Bが設けられ、第1外側フラップ7Aの基端から先端までが重なる領域AR2にわたって非接触部62A、62Bが設けられている。すなわち、第1外側フラップ7Aが重ならない領域では、内側フラップ6A、6B同士が重なっても支障がないため接触部61A、61Bが設けられ、第1外側フラップ7Aの基端から先端までが重なる領域AR2では、当該領域AR2にわたって内側フラップ6A、6B同士が重ならないように非接触部62A、62Bが設けられる。このため、製函時にカートン1が歪んでしまうことを防止しつつ、内側フラップ6A、6Bと外側フラップ7A、7Bとの接着不良をより確実に防止することができる。
【0035】
[変形例]
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、カートン1は、ラップラウンド式のものに限らず任意の方式のものを採用してもよいし、段ボール以外の紙で形成されてもよい。また、カートン1は、食品や洗剤等の収容に好適であるが、その他の被収容物FDを収容するものであってもよい。
カートン1は、直方体形状のものに限られず、例えば、立方体形状のものでもよいし、底面部3Aおよび上面部3Bが平行四辺形、菱形等の四角形や五角以上の多角形とされた角柱形状のものでもよい。
胴部2は、例えば、側面視三角形、正方形や菱形等の長方形以外の四角形、五角以上の多角形の筒状のものでもよい。
【0036】
折曲げ線32B、33A、33Bは、直線状の複数の切目が断続して列をなす切断線とされてもよい。
折曲げ線31A~33A、31B~33B、41A、41Bは、例えば、当該折曲げ線31A~33A、31B~33B、41A、41Bを部分的に変質させた変質部で構成してもよいし、折曲げ線31A~33A、31B~33B、41A、41Bを薄肉にした薄肉部で構成してもよい。この場合、変質部や薄肉部は、断続的に設けられてもよいし、連続する1本の線状に設けられてもよい。
【0037】
第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bでは、
図5に示すように、非接触部62A、62Bが引裂帯8の一部領域にまで延設されていなくてもよく、例えば、引裂帯8の第1切断線81までの延設でもよい。この場合、第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bの少なくとも一方には、
図5に示すように、引裂帯8を把持しやすくするための切欠き63A、63Bが設けられていることが好ましい。
【0038】
図6や
図7に示すように、非接触部62A、62Bは、第1外側フラップ7Aの基端側に向って次第に互いが離間するように形成されてもよい。これにより、各内側フラップ6A、6Bの面積を第1外側フラップ7Aの先端側で大きくして強度を確保した上で、第1外側フラップ7Aの基端側で内側フラップ6A、6Bの角部同士が接触することを防ぐことができる。このため、製函時にカートン1が歪んでしまうことをより確実に防止しつつ、内側フラップ6A、6Bと外側フラップ7A、7Bとの接着不良を防止することができる。
【0039】
図5から
図7において実線および二点鎖線で示すように、非接触部62A、62Bは、第1外側フラップ7Aが重なる領域AR2と、第2外側フラップ7Bの基端から先端までが重なる領域AR3とに設けられてもよいし、第2外側フラップ7Bが重なる領域AR3にのみ設けられてもよい。第1外側フラップ7Aが重なる領域AR2と、第2外側フラップ7Bが重なる領域AR3とに非接触部62A、62Bを設ければ、第1内側フラップ6Aと第2内側フラップ6Bとの重なりをより確実に防止することができる。
【0040】
第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bでは、
図7や
図8に示すように、第1外側フラップ7Aが重なる領域AR2に接触部61A、61Bが設けられてもよい。例えば、
図7に示すように、各内側フラップ6A、6Bの先端縁における第1外側フラップ7Aの先端側の端部に接触部61A、61Bが設けられ、各内側フラップ6A、6Bの先端縁における第1外側フラップ7Aの基端側の端部に非接触部62A、62Bが設けられてもよい。また、
図8に示すように、各内側フラップ6A、6Bの先端縁における第1外側フラップ7Aの基端側の端部に接触部61A、61Bが設けられ、各内側フラップ6A、6Bの先端縁における第1外側フラップ7Aの先端側の端部に非接触部62A、62Bが設けられてもよい。
【0041】
図8に示すように、接触部61A、61Bが第1外側フラップ7Aの基端側の端部に設けられている場合、
図8中実線で示すように、非接触部62A、62Bは、少なくとも第1外側フラップ7Aが接着される位置から第1外側フラップ7Aの先端が重なる位置までの領域AR1にわたって設けられ、好ましくは、
図8中実線および二点鎖線で示すように、少なくとも第1外側フラップ7Aが接着される位置から第2外側フラップ7Bが接着される位置までの領域AR4にわたって設けられる。
【0042】
図9に示すように、非接触部62A、62Bは、その一方のみが切り欠かれた形状とされ、他方が切り欠かれていない形状とされてもよい。
非接触部62A、62Bの形状は、互いに接触しないものであれば特に限定されず、例えば、半円状、円弧状、湾曲線状、折曲線状に切り欠かれた形状でもよい。
【0043】
第1内側フラップ6Aは、第2主面部としての底面部3Aに連接され、第2内側フラップ6Bは、第2主面部としての上面部3Bに連接されてもよい。この場合、第1外側フラップ7Aは、第1主面部としての第1側面部4Aに連接され、第2外側フラップ7Bは、第1主面部としての第2側面部4Bに連接されることになる。
【0044】
第1外側フラップ7Aおよび第2外側フラップ7Bは、どちらか一方が設けられず、他方が第1内側フラップ6Aおよび第2内側フラップ6Bの略全面に重なる大きさとされてもよい。
【0045】
引裂帯8は、第1側面部4Aおよび第1内側フラップ6Aと、第2側面部4Bおよび第2内側フラップ6Bとの一方にのみ設けられてもよい。
また、引裂帯8ではなく、側面部4A、4Bおよび内側フラップ6A、6Bの内側に設けられたカットテープであってもよい。
第1切断線81および第2切断線82は、例えば、ミシン目形状であってもよいし、各切目の端部が引裂帯8側に傾斜したジッパー形状であってもよいし、側面部4A、4Bおよび内側フラップ6A、6Bを部分的に変質させた変質部や、側面部4A、4Bおよび内側フラップ6A、6Bを薄肉にした薄肉部で構成してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…カートン、2…胴部、3A…底面部(第1主面部)、3B…上面部(第1主面部)、4A…第1側面部(一方の第2主面部)、4B…第2側面部(他方の第2主面部)、6A…第1内側フラップ、6B…第2内側フラップ、7A…第1外側フラップ(外側フラップ)、7B…第2外側フラップ(外側フラップ)、61A、61B…接触部、62A、62B…非接触部。