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特許7555909高アスペクト比パターニング及び縦方向スケーリングのための膜スタック簡素化
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】高アスペクト比パターニング及び縦方向スケーリングのための膜スタック簡素化
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/316 20060101AFI20240917BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240917BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20240917BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
H01L21/316 M
H01L21/31 C
H01L21/316 X
H01L21/318 B
H01L21/302 101B
H01L21/318 M
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021513311
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019050369
(87)【国際公開番号】W WO2020055837
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】62/729,323
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー・ホイ-ユング
(72)【発明者】
【氏名】バン スクラベンディク・バート・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】カワグチ・マーク・ナオシ
(72)【発明者】
【氏名】グナワン・ゲレング
(72)【発明者】
【氏名】ウグロウ・ジェイ・イー.
(72)【発明者】
【氏名】シャンカー・ナグラジ
(72)【発明者】
【氏名】カマーシー・ゴウリ・チャンナ
(72)【発明者】
【氏名】マクロフリン・ケビン・エム.
(72)【発明者】
【氏名】バナージ・アナンダ・ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ジアリン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ロウツァン・アーロン・リン
(72)【発明者】
【氏名】マセルホワイト・ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】シェン・メイファ
(72)【発明者】
【氏名】リル・トールステン・ベルンド
(72)【発明者】
【氏名】チ・ハオ
(72)【発明者】
【氏名】アルティエリ・ニコラス・ドミニク
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-103328(JP,A)
【文献】特開平09-232573(JP,A)
【文献】特開2015-028988(JP,A)
【文献】特表2006-511963(JP,A)
【文献】特開2011-108921(JP,A)
【文献】特開2017-147337(JP,A)
【文献】特開2014-011389(JP,A)
【文献】特開2020-064924(JP,A)
【文献】特開2012-094694(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0322377(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0268191(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/316
H01L 21/31
H01L 21/318
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
半導体基板を提供すること、
少なくとも3つの異なる材料を有し、前記3つの異なる材料の少なくとも1つが犠牲層である無金属多層スタックを堆積すること、
前記少なくとも3つの異なる材料を有する前記無金属多層スタックに、トレンチ又はビアをエッチングすること、
前記トレンチ又はビアをエッチングした後で、前記犠牲層を選択的にドライエッチングする前に、前記無金属多層スタックの前記トレンチ又はビアの側壁に誘電材料を陥凹させること、
前記トレンチ又はビアをエッチングした後に、前記無金属多層スタックの他の材料に対して犠牲層を選択的にドライエッチングして、前記無金属多層スタックの層間に少なくとも1つの空間を形成すること、及び
前記少なくとも1つの空間に金属を堆積して、エッチングされたトレンチ又はビアを備える金属含有多層スタックを形成すること、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記無金属多層スタックは、3つの異なる材料を、含む方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記無金属多層スタックは、4つの異なる材料を、含む方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記犠牲層を、ポリシリコンと窒化シリコンから成る群から選択する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも3つの異なる材料は、酸化シリコン、アンドープポリシリコン、ドープポリシリコン、窒化シリコン、酸素ドープ炭化シリコン、及び窒素ドープ炭化シリコンから成る群から選択する材料を含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記無金属多層スタックの層を、原子層堆積法、化学気相堆積法、プラズマ支援化学気相堆積法、及び物理気相堆積法から成る群から選択する技術によって堆積する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記無金属多層スタックの層を、単一のマルチステーション処理ツールが有する複数の処理チャンバのうちの異なる処理チャンバでそれぞれ異なる材料を堆積する、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記無金属多層スタックの層を、前記半導体基板を収容する処理チャンバ内の真空を破壊せずに堆積する、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記トレンチ又はビアをエッチングした後に、前記少なくとも3つの異なる材料の1つを陥凹させて、前記ビアの陥凹領域を形成すること、
誘電材料又は半導体材料を、前記トレンチ又はビアに堆積すること、
前記トレンチ又はビアに、前記誘電材料又は半導体材料をエッチバックして、側壁を形成し、前記誘電材料を、前記陥凹領域に残すこと、及び
前記犠牲を選択的にドライエッチングする前に、ゲート材料を前記トレンチ又はビアに堆積することを、更に含む方法。
【請求項10】
方法であって、
半導体基板を提供すること、
少なくとも3つの異なる材料を有し、前記3つの異なる材料の少なくとも1つが犠牲層である無金属多層スタックを堆積すること、
前記少なくとも3つの異なる材料を有する前記無金属多層スタックに、トレンチ又はビアをエッチングすること、
前記トレンチ又はビアをエッチングした後に、前記無金属多層スタックの他の材料に対して犠牲層を選択的にドライエッチングして、前記無金属多層スタックの層間に少なくとも1つの空間を形成すること、及び
前記少なくとも1つの空間に金属を堆積して、エッチングされたトレンチ又はビアを備える金属含有多層スタックを形成すること、
を備え、
前記無金属多層スタックは、4つの異なる材料を、含む方法。
【請求項11】
方法であって、
半導体基板を提供すること、
少なくとも3つの異なる材料を有し、前記3つの異なる材料の少なくとも1つが犠牲層である無金属多層スタックを堆積すること、
前記少なくとも3つの異なる材料を有する前記無金属多層スタックに、トレンチ又はビアをエッチングすること、
前記トレンチ又はビアをエッチングした後に、前記無金属多層スタックの他の材料に対して犠牲層を選択的にドライエッチングして、前記無金属多層スタックの層間に少なくとも1つの空間を形成すること、及び
前記少なくとも1つの空間に金属を堆積して、エッチングされたトレンチ又はビアを備える金属含有多層スタックを形成すること、
を備え、
前記トレンチ又はビアをエッチングした後で、前記犠牲層を選択的にドライエッチングする前に、誘電材料は、前記無金属多層スタックの前記トレンチ又はビアの側壁において陥凹させられる、方法。
【請求項12】
方法であって、
半導体基板を提供すること、
少なくとも3つの異なる材料を有し、前記3つの異なる材料の少なくとも1つが犠牲層である無金属多層スタックを堆積すること、
前記少なくとも3つの異なる材料を有する前記無金属多層スタックに、トレンチ又はビアをエッチングすること、
前記トレンチ又はビアをエッチングした後に、前記無金属多層スタックの他の材料に対して犠牲層を選択的にドライエッチングして、前記無金属多層スタックの層間に少なくとも1つの空間を形成すること、及び
前記少なくとも1つの空間に金属を堆積して、エッチングされたトレンチ又はビアを備える金属含有多層スタックを形成すること、
を備え、
前記犠牲層を、ポリシリコンと窒化シリコンから成る群から選択する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[参照による援用]
PCT願書を、本出願の一部として、この明細書と同時に提出する。同時に提出するPCT願書において特定されるように、本出願が利益又は優先権を主張する各出願を、全体として、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の作製は、フラッシュメモリ等の様々な装置の作製を伴う。装置が小型化するにつれて、複雑で効率的な複数のメモリセルを作製する構造が、メモリ装置におけるメモリセルの密度を最大化するために使用されている。三次元NAND技術は、メモリセルを垂直方向に積層することによって二次元NAND技術に関連する課題に対処するものである。更に、作製には、導電材料と誘電材料の組合せを含むますます複雑化する多層スタックを伴うことがある。
【0003】
本明細書で提供される背景の記載は、本開示の内容を一般的に表すことを目的としている。この背景技術セクションで記載される限りにおける、ここで挙げた発明者らの研究、及び出願時点で先行技術として特に見なされ得ない本明細書の態様は、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で提供するのは、半導体装置を作製する方法及び装置である。一態様は、半導体基板を提供すること、少なくとも3つの異なる材料を有し、上記3つの異なる材料の少なくとも1つが犠牲層である無金属多層スタックを堆積すること、上記少なくとも3つの異なる材料を有する上記無金属多層スタックに、トレンチ又はビアをエッチングすること、上記トレンチ又はビアをエッチングした後に、上記無金属多層スタックの他の材料に対して犠牲層を選択的にエッチングして、上記無金属多層スタックの層間に少なくとも1つの空間を形成すること、及び上記少なくとも1つの空間に金属を堆積して、エッチングされたトレンチ又はビアを備える金属含有多層スタックを形成することを、含む方法を伴う。
【0005】
様々な実施形態では、上記無金属多層スタックは、3つの異なる材料を含む。
【0006】
様々な実施形態では、上記無金属多層スタックは、4つの異なる材料を含む。
【0007】
また、本方法は、上記トレンチ又はビアをエッチングした後で、上記犠牲層を選択的にエッチングする前に、上記無金属多層スタックの上記トレンチ又はビアの側壁に誘電材料を陥凹させることも含んでもよい。
【0008】
様々な実施形態では、上記犠牲層は、ポリシリコン又は窒化シリコンである。
【0009】
様々な実施形態では、上記少なくとも3つの異なる材料は、酸化シリコン、アンドープポリシリコン、ドープポリシリコン、窒化シリコン、酸素ドープ炭化シリコン、及び窒素ドープ炭化シリコンの中の1つ又は複数を含む。
【0010】
様々な実施形態では、上記金属は、タングステン又はモリブデンである。
【0011】
また、本方法は、上記金属を堆積する前に、金属含有ライナを上記少なくとも1つの空間に堆積すること含み、それにより、上記金属を、上記少なくとも1つの空間にある上記金属含有ライナ上に堆積させてもよい。幾つかの実施形態では、上記金属含有ライナを、窒化チタン、酸化アルミニウム、及び炭窒化タングステンから成る群から選択する。
【0012】
様々な実施形態では、上記無金属多層スタックは、酸化炭化シリコン、窒素ドープ炭化シリコン、及び酸化シリコンの交互層を含む。
【0013】
様々な実施形態では、上記無金属多層スタックは、犠牲誘電体層、及び酸化炭化シリコンと酸化シリコンの交互層を含む。
【0014】
様々な実施形態では、上記少なくとも3つの異なる材料は、窒化シリコン、酸化シリコン、窒素ドープ炭化シリコン、及び酸素ドープ炭化シリコンを含む。
【0015】
様々な実施形態では、上記少なくとも3つの異なる材料は、ポリシリコン、酸化シリコン、窒素ドープ炭化シリコン、及び酸素ドープ炭化シリコンを含む。
【0016】
様々な実施形態では、上記少なくとも3つの異なる材料は、ポリシリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、及び酸素ドープ炭化シリコンを含む。
【0017】
幾つかの実施形態では、上記犠牲層は、窒化シリコンである。幾つかの実施形態では、上記犠牲層は、ポリシリコン、又はドープポリシリコンとしてもよい。
【0018】
様々な実施形態では、上記無金属多層スタックの層を、原子層堆積法によって堆積する。
【0019】
幾つかの実施形態では、上記無金属多層スタックの層を、単一ツールの異なるチャンバで堆積する。
【0020】
様々な実施形態では、上記無金属多層スタックの層を、真空を破壊せずに堆積する。
【0021】
幾つかの実施形態では、上記無金属多層スタックの層を、4つの異なるツールにおいて堆積する。
【0022】
様々な実施形態では、上記無金属多層スタックの上記少なくとも2層を、第1ツーにおいて堆積し、上記無金属多層スタックの他の少なくとも2層を、第2ツールにおいて堆積する。
【0023】
幾つかの実施形態では、上記無金属多層スタックの層を、化学気相堆積法によって堆積する。
【0024】
様々な実施形態では、上記無金属多層スタックの層を、プラズマ支援化学気相堆積法によって堆積する。
【0025】
幾つかの実施形態では、上記無金属多層スタックの層を、物理気相堆積法によって堆積する。
【0026】
様々な実施形態では、本方法はまた、上記トレンチ又はビアをエッチングした後に、上記少なくとも3つの異なる材料の1つを陥凹させて、上記ビアの陥凹領域を形成すること、誘電材料又は半導体材料を、上記トレンチ又はビアに堆積すること、上記トレンチ又はビアに、上記誘電材料又は半導体材料をエッチバックして、滑らかな側壁を形成し、上記誘電材料又は半導体材料を、上記陥凹領域に残すこと、及び上記犠牲窒化シリコンを選択的にエッチングする前に、ゲート材料を上記トレンチ又はビアに堆積することも含む。
【0027】
別の態様は、半導体基板を提供すること、交互の犠牲窒化シリコン層と非酸化物層の多層スタックを堆積すること、交互の犠牲窒化シリコン層と非酸化物層の上記多層スタックに、トレンチ又はビアをエッチングすること、上記トレンチをエッチングした後に、上記犠牲窒化シリコンを選択的にエッチングして、上記非酸化物層間に空間を形成すること、及び上記空間に金属を堆積させて、交互の金属層と非酸化物層、及び少なくとも1つの誘電バリア層にエッチングされたトレンチを含む基板を形成することを、含む方法を伴う。
【0028】
様々な実施形態では、上記少なくとも1つの誘電バリア層は、酸素ドープ炭化シリコンを含む。例えば、上記酸素ドープ炭化シリコンにおける酸素濃度を、約1atomic%~約65atomic%としてもよい。
【0029】
様々な実施形態では、上記非酸化物層は、酸化炭化シリコン、ポリシリコン、及び上記犠牲窒化シリコンに対するウェットエッチングコントラストを有する第2窒化シリコンの中の、1つ又は複数を含む。
【0030】
幾つかの実施形態では、上記ポリシリコンをドープする。例えば、上記ポリシリコンを、ホウ素、リン、及び砒素から成る群から選択するドーパントで、ドープしてもよい。
【0031】
様々な実施形態では、上記金属は、タングステンを含む。
【0032】
様々な実施形態では、上記金属は、モリブデンを含む。
【0033】
様々な実施形態では、上記犠牲窒化シリコンは、100:1の希フッ化水素酸又はリン酸における、非酸化物層及び上記少なくとも1つの誘電バリア層に対するウェットエッチングコントラストが、少なくとも約10:1となる。
【0034】
様々な実施形態では、本方法はまた、上記トレンチ又はビアをエッチングした後に、上記多層スタックの一層を陥凹させて、上記ビアの陥凹領域を形成すること、上記層を陥凹した後に、誘電材料又は半導体材料を、上記トレンチ又はビアに堆積すること、上記トレンチ又はビアに、上記誘電材料又は半導体材料をエッチバックして、滑らかな側壁を形成し、上記誘電材料又は半導体材料を、上記陥凹領域に残すこと、及び上記犠牲窒化シリコンを選択的にエッチングする前に、ゲート材料を上記トレンチ又はビアに堆積することも含む。
【0035】
これら及び他の態様について、以下で、図面を参照して更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、三次元NAND構造を形成する方法に従い実行する動作に関するプロセスフロー図である。
【0037】
図2図2は、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図である。
図3図3は、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図である。
図4A図4Aは、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図である。
図4B図4Bは、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図である。
図5A図5Aは、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図である。
図5B図5Bは、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図である。
図6図6は、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図である。
図7図7は、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図である。
図8図8は、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図である。
【0038】
図9A図9Aは、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図9B図9Bは、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図9C図9Cは、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図9D図9Dは、処理動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
【0039】
図10図10は、特定の開示した実施形態に従い実行される動作のプロセスフロー図である。
【0040】
図11A図11Aは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作のプロセスフロー図である。
【0041】
図11B図11Bは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作のプロセスフロー図である。
【0042】
図12A図12Aは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12B図12Bは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12C図12Cは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12D図12Dは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12E図12Eは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12F図12Fは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12G図12Gは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12H図12Hは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12I図12Iは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12J図12Jは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12K図12Kは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12L図12Lは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
図12M図12Mは、特定の開示した実施形態に従い実行される動作中における多層スタックの例示的断面の略図を示している。
【0043】
図13図13は、特定の開示した実施形態に従い技術を実装するように配設された様々な反応器の構成要素を示すブロック図を表している。
【0044】
図14図14は、開示した実施形態に従いマルチステーションのクラスタツールの一実施形態を表している。
【0045】
図15図15は、本開示の実施形態によるマルチステーションのプロセスツールの別の実施例を模式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下の説明では、多数の特定の細部について、提示した実施形態の完全な理解を提供するために、記述する。開示した実施形態は、これら特定の細部の一部又は全部を用いずに、実施されてもよい。他の例では、周知のプロセス動作については、開示した実施形態を不必要に曖昧にしないために、詳細には説明していない。開示した実施形態を、具体的な実施形態と関連付けて説明するが、開示した実施形態を限定する意図はないものと理解されたい。
【0047】
半導体装置の処理は、三次元NAND構造等、様々な三次元装置の作製に使用されてもよい多層スタックの形成を伴う。一部のスタックは、誘電材料と導電材料の複数の交互層を含み、各層の厚さは、約10nm以上となることがある。かかるスタックを形成する一アプローチは、酸化物材料と窒化物材料の交互層を複数堆積(ONON多層の堆積)し、次に、窒化物材料を選択的に除去し、窒化物材料が以前に占領していた空間に金属を埋戻し堆積することを伴う。この方法は、三次元NAND構造の作製に使用され得る。
【0048】
別のアプローチは、酸化物とポリシリコン(又は、本明細書の他の箇所で使用する「ポリ(poly)」)の複数の交互層のスタックを、ポリシリコンが導電層として残存するところに、直接パターニングするものである。場合によっては、このスタックは、タングステン材料等の金属を含むことがある。しかしながら、誘電体、ポリシリコン、及び金属を含むスタックを形成するのは、幾つかの技術を使用して、厄介な場合がある。特に、トレンチをエッチングし、例えば、浮遊ゲートを形成する酸化物材料の側壁を陥凹させるのは、難しいかも知れない。また、金属がスタック自体にある状態でエッチングする結果、得られる装置上に金属が残る危険性が高い可能性があり、エッチングパターンのプロファイルを不所望に変えてしまう虞もある。場合によっては、3端子装置の作製は、複数の異なる材料を含むが、既存の技術では作製できない。場合によっては、三次元NAND構造における2端子コンデンサの作製は、個々のソース/ドレイン領域を各装置上に作製することになるため、困難に直面する。
【0049】
図1は、三次元NAND構造を形成する方法に従い実行する動作に関するプロセスフロー図を示している。動作182では、基板を提供する。様々な実施形態では、基板は、半導体基板である。基板は、シリコンウエハ、例えば、200mmウエハ、300mmウエハ、又は450mmウエハであって、誘電材料、導電材料、若しくは半導電材料等の材料の1層又は複数層をその上に堆積させたウエハを含むシリコンウエハとしてもよい。例示の基板100を、図2で略図として提供する。図1に戻り、動作184では、交互の酸化物膜と窒化物膜の膜スタックを、基板上に堆積する。様々な実施形態では、堆積する酸化物層は、酸化シリコン層である。様々な実施形態では、堆積する窒化物層は、窒化シリコン層である。各酸化物層と窒化物層を、幾つかの実施形態では、約10nm~約100nm、又は約350オングストローム等のほぼ同じ厚さに堆積する。酸化物層を、略室温~約600℃の堆積温度で堆積してもよい。本明細書で使用する「堆積温度」(又は、「基板温度」)は、基板を保持する台座が堆積中に設定される温度を指すと理解されたい。
【0050】
交互の酸化物と窒化物膜スタックを形成する酸化物層と窒化物層を、原子層堆積法(ALD:atomic layer deposition)、プラズマ支援原子層堆積法(PEALD:plasma enhanced atomic layer deposition)、化学気相堆積法(CVD:chemical vapor deposition)、プラズマ支援化学気相堆積法(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)、物理気相堆積法(PVD:physical vapor deposition)、又はスパッタリング等の任意の適当な技術を使用して、堆積してもよい。様々な実施形態では、酸化物層と窒化物層を、PECVDによって堆積する。
【0051】
膜スタックは、各酸化物層又は窒化物層が1層を構成する48~512層の交互の酸化物層と窒化物層を含んでもよい。幾つかの実施形態では、膜スタックは、用途によって、48層未満又は512層超の交互の酸化物層と窒化物層を含んでもよい。交互の酸化物層と窒化物層を含む膜スタックを、ONONスタックと呼んでもよい。上記の膜スタックは、交互の酸化物層と窒化物層を伴うが、更なる層を、スタックに含んでもよいこと、更に、酸化物層でも窒化物層でもない交互層に、他の材料を使用してもよいことを理解されたい。例えば、場合によっては、シリコンゲルマニウムを、窒化物層又は窒化シリコン層の代わりに使用してもよい。スタック上に存在させてもよい他の更なる層としては、シリコン含有層、ゲルマニウム含有層、又は両層が挙げられる。シリコン含有層の例として、ドープ及びアンドープ炭化シリコン層、ドープ及びアンドープポリシリコン層、アモルファスシリコン層、ドープ及びアンドープ酸化シリコン層、ドープ及びアンドープ窒化シリコン層が挙げられる。ドーパントは、非金属ドーパントを含んでもよい。例えば、ドープ炭化シリコン層の一例は、酸素ドープ炭化シリコンである。別の例では、ドープ炭化シリコン層の一例は、窒素ドープ炭化シリコンである。
【0052】
図3は、基板100上に堆積した交互の酸化物膜(101)と窒化物膜(102)を有する基板100の例示的略図を示している。図3に示した構造では、酸化物を初めに、続いて窒化物、酸化物、窒化物等を堆積させて示しているが、窒化物を初めに、続いて酸化物、窒化物、酸化物等を堆積させてもよい。
【0053】
ONONスタックを堆積後に、チャネル(図3では図示せず)を基板にエッチングしてもよい。次に、図1を参照すると、動作186では、階段パターンを、基板上に形成する。本明細書で「階段パターン」と呼ぶものは、2段以上を含み、各段は、酸化物層及び窒化物層を含む。酸化物層と窒化物層の各組の上側層は、階段の段を形成するのに、酸化物又は窒化物のどちらでもよいと理解されたい。様々な実施形態では、階段パターンは、24~256段を含む。階段パターンを、様々なパターニング技術を使用して形成してもよい。例えば、一技術として、基板上に犠牲層を堆積し、基板の領域をマスキングして、酸化物層と窒化物層の各組をエッチングして、階段を形成することを挙げてもよい。
【0054】
図4Aでは、ハードマスク110で最上の窒化物層を覆った、酸化物(111)層と窒化物(112)層の階段パターンを含む基板100の実施例を提供している。図4Aでは、4段の階段パターンを示しているが、階段パターンは、24~256段を有してもよいと理解されたい。各段は、窒化物と酸化物層を含み、図4Aに示された距離dは、150nm~約1000nm、例えば約500nmとしてもよい。その上の段の縁部から延出する各段のこの領域を、特定の距離dを有する「パッド」と呼んでもよい。
【0055】
論述のために、基板に関する以下の論述及び略図は、図4Bに示したような、半分にした図199を含むであろう。
【0056】
図1の動作188では、酸化物を、基板上に堆積する。様々な実施形態では、酸化物は、ONONスタックの層で堆積される酸化物と同じ組成としてもよい。様々な実施形態では、基板上に堆積される酸化物を、ONONスタックで酸化物層を堆積するのに使用する堆積温度と異なる堆積温度で堆積する。堆積温度は、室温~約600℃としてもよい。次に、垂直スリット135を、酸化物を堆積した後に、基板にエッチングしてもよい。図5Aでは、ONON階段、ハードマスク110、及び基板上に堆積された酸化物122を含む例示的な基板100を示している。図5Bでは、垂直スリット130をエッチングした後の基板100の側面図を示している。
【0057】
図1に戻り、動作190では、窒化物を、基板上の酸化物に対して選択的にエッチングする。エッチングを、以下のガス:塩素(Cl2)、酸素(O2)、亜酸化窒素(N2O)、テトラフルオロメタン(CF4)、四フッ化硫黄(SF4)、二酸化炭素(CO2)、フッ化メタン(CH3F)、三フッ化窒素(NF3)、窒素(N2)、水素(H2)、アンモニア(NH3)、メタン(CH4)、六フッ化硫黄(SF6)、アルゴン(Ar)、硫化カルボニル(COS)、二硫化炭素(CS2)、硫化水素(H2S)、及び一酸化窒素(NO)の中任意の1つ又は複数に基板を暴露することによる等の、選択的ドライエッチングプロセスを使用して実行してもよい。この動作は、エッチング種が垂直スリットに流入し、選択的に窒化物をエッチングするように、ONONスタックから窒化物層を除去する。選択的エッチングは、第2材料をエッチングするより速いレートで第1材料をエッチングすることを伴うと理解されたい。例えば、酸化物に対して窒化物を選択的にエッチングすることは、窒化物を、酸化物のエッチングより速いレートでエッチングすることを意味する。窒化物を、リン酸(H3PO4)、及び/又は、希フッ化水素酸(「DHF:diluted hydrofluoric acid」)又はこれらの溶液の混合物に基板を暴露することによる等の、ウェットエッチングプロセスを使用して選択的にエッチングする。図6は、選択的に窒化物をエッチングすることからギャップ132が形成された基板の断面の側面図を示している。
【0058】
図1に戻り、動作192では、タングステンを、基板のギャップに堆積させて、タングステンワード線を形成する。タングステンを、ALD、CVD、PEALD、及び/又はPECVD等の適当な任意の技術によって堆積してもよい。幾つかの実施形態では、バリア層及び/又はタングステン核生成層を、バルクタングステンを堆積する前に、堆積する。バリア層の例として、窒化チタン、酸化アルミニウム、及び炭窒化タングステンが挙げられる。図7は、窒化物が前に存在したギャップにタングステン140を堆積させた状態での、基板の断面を側面から見た略図を示している。図示したように、金属堆積の結果、酸化物111の側壁に堆積が生じることがある。タングステンを、本明細書では記載するが、モリブデン等の他の金属を使用してもよい。
【0059】
図1に戻り、動作194では、ビアを、基板を垂直方向にエッチングすることによって、形成するが、このエッチングは、階段上に堆積した酸化物をエッチングすることだけでなく、交互層において酸化物の側壁から金属を除去するように、金属をエッチングすることも含むことができる。酸化物を、以下のガス:O2、Ar、C46、C48、SF6、CHF3、及びCF4の1つ又は複数への暴露を用いてドライエッチングすることによって、エッチングしてもよい。図8は、階段パターンでONONスタックを含み、ビア135が該スタックにエッチングされている例示的な基板100を示している。
【0060】
図1において、動作196では、タングステンをビアに堆積させて、タングステンワード線への配線を形成してもよい。ビアは、深さが異なり、約1ミクロン~約12ミクロンの深さを有してもよい。浅いビアは、約1.5ミクロン~3.0ミクロン等、3.0ミクロン未満の深さを有するものと定義されてもよい。深いビアは、3.0ミクロン超の深さを有してもよい。酸化物に形成されるビアの臨界寸法は、約50nm~約500nmにしてもよい。ビアを、酸化物をパターニングするためにマスキング動作を伴ってもよいドライエッチングプロセスを使用して、エッチングしてもよい。様々な実施形態では、パターニングプロセスは、図1に示されていないより多くの動作を含んでもよい。例えば、動作188で基板上に酸化物を堆積した後に、チャネルをエッチングして、チャネルを形成してもよい。このチャネルを、電荷トラップ層で充填してもよく、大きなトレンチ又はスリットを、動作190において選択的に窒化物をエッチングする前に、エッチングする。垂直に酸化物をエッチングする前とタングステンワード線を堆積した後に、タングステンを側壁から除去してもよい。
【0061】
図1は、タングステンの埋戻しを、ONONゲート置換のために、CVDによって堆積する一実施例を提供する。かかる技術を、ポリシリコンがOPOPスキームのゲートとして残存する幾つかの実施形態において等、メモリセルスタックを形成するためのONON又はOPOP集積スキームに使用してもよい。ONONスキームとOPOPスキームの両方を、このようにして、大きなリスク無しにエッチングできる。しかしながら、かかる技術を複雑な多層スタックに適用するには、課題がある。
【0062】
例えば、層は、酸化シリコン、タングステン、ポリシリコン、及び別の誘電体を、最終構造において含んでもよい。これは、OPOPスキームにおける浮遊ゲート形成と同様に、誘電体の側壁を陥凹させることを伴ってもよい。一アプローチは、図9A図9Dに関して説明するように、酸化シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、及びタングステン間のウェットエッチングコントラストを利用して、酸化シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、並びにタングステン及び窒化チタンを含有する膜スタックをエッチングし、次に酸化シリコン又は窒化シリコンを陥凹させるものであるが、かかるプロセスには、幾つかの課題がある。
【0063】
図9A図9Dは、異なる多層スタックを処理するための別の略図セットを示している。図9Aは、窒化シリコン層902、タングステン層940(タングステン層940と窒化シリコン902間には、任意選択の窒化チタンライナ(図示せず)がある)、ポリシリコン層900(タングステン層940とポリシリコン層900間には、任意選択の窒化チタン層(これも図示せず)がある)、酸化シリコン層901、及び窒化シリコン層902を含む。ここで、図9Bでは、ビア又はトレンチ950がエッチングされ、このエッチングには、結果的に基板上での不所望な金属残留物となり得る金属を含む、スタックにおける上記材料の全てをエッチングすることを伴う。酸化シリコン層901を、この基板の構造を形成するために、更に陥凹させてもよい。図9Cでは、ポリシリコン900が、酸化シリコン層901に隣接する凹領域内に充填するように、充填されている。図9Dでは、ポリシリコン層900が、更にエッチングされて、再びビアを形成し、それによって、図9Dに示したような構造を含むようにしている。
【0064】
しかしながら、かかるプロセスは、タングステン及び/又は金属だけでなく、他のシリコン含有材料もエッチングすることを伴い、これは、困難なことがある。第一に、垂直プロファイルを維持しながら誘電体と金属の多層スタックをエッチングするのは、異なる材料に対して、様々なエッチングレートやエッチング化学作用を使用することもあって、極めて難しい。これは、結果的に、フィーチャの崩壊やフィーチャプロファイルの劣化を齎すかも知れない。第二に、高アスペクト比構造に残る金属残留物は、一掃するのが極めて難しく、金属残留物は、装置の健全性に影響を与えることがある。第三に、タングステン膜の堆積は、粗い表面の形成に繋がることがあり、装置の性能制御問題を引き起すことがある。
【0065】
本明細書では、高アスペクト比パターニング及び縦方向の三次元スケーリングを実行するように、複数の膜スタックを形成し、エッチングする方法及び装置を提供する。複数の膜スタックは、繰返し重ねて堆積した層の組を含んでもよい。層の各組は、少なくとも3つの異なる材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、各組は、4つの異なる材料を含む。同じ層の組を、約5回、又は約10回、又は約20回、又はそれ以上等、数回重ねてスタックしてもよい。
【0066】
特定の開示した実施形態を使用してパターニングした高アスペクト比のビア又はトレンチは、約5:1超、又は約5:1~約20:1、又は約25:1~約35:1、又はそれ以上のアスペクト比を有してもよい。幾つかの実施形態は、膜スタックにおける金属を、他の材料と同様なドライエッチング挙動を有する一方で、他の材料に対して顕著なウェットエッチングコントラストを示す、別の誘電体と置換えることを伴う。例えば、金属と置換される誘電体のウェットエッチングコントラストは、100:1の希フッ化水素酸又はリン酸において他の材料に対して約10:1としてもよい。開示した実施形態を、基板上に金属残留物を生じるリスク無く、金属と誘電材料の両方を有する構造を形成するために、実行してもよい。様々な実施形態では、金属を、構造のパターニング後に堆積するため、金属と誘電材料両方を有する基板をエッチングすることを、避けられる。即ち、様々な実施形態では、無金属膜スタックを、金属を存在させずに、エッチング及び処理するが、これを、誘電材料を金属が後で堆積される領域に堆積、配置させ、所望の構造を形成した後に、誘電材料を除去し、続いて金属を、その場所に堆積させて、所望のパターン又は装置を作成するようにして行う。特定の開示した実施形態は、誘電材料と、金属を後で堆積させる領域に犠牲層とを含む構造を形成するプロセス、その構造において空間を残すようにパターニングした後に、犠牲層をエッチングするプロセス、及び金属を該空間に堆積させるプロセスを統合することを伴う。開示した実施形態は、浮遊ゲート等の特別な装置を形成するために、側壁を陥凹させるのに有利な場合がある。また、特定の開示した実施形態は、一層良好なプロファイル制御も可能にする。
【0067】
特定の開示した実施形態を、窒化シリコンの犠牲材料を使用して、パターンをエッチングし、次に、窒化シリコンと他の誘電材料間のエッチングコントラストを利用して、窒化シリコンを選択的に除去して、空間を生じさせ、次にこの空間に金属を堆積させることによって、多層スタックにおけるタングステンのエッチングを無しで済ませるのに、使用できる。また、多層スタックが、犠牲でない他の窒化シリコン層を含む場合、これらの材料を、酸素ドープ炭化シリコンと置換してもよく、酸素ドープ炭化シリコンは、選択的に窒化シリコンを除去するときに、エッチングコントラストを呈することができ、且つ窒化シリコンの特性と同様な特性を提供して、その特定の層の機能を実行することも可能にできる。SiOC等の、本明細書に記載した誘電体層は、SiNの除去とSiO の陥凹中にウェットエッチングコントラストを有するだろうが、高アスペクト比パターニング中に、同様のドライエッチング挙動を有する。また、誘電体は、同様の性能を提供する他の材料とすることもできる。かかる材料は、ドーパントが異なるポリシリコン、又は犠牲SiNと極めて異なるウェットエッチングレートを有する異なるプロセス条件下で堆積するSiN、又は窒素ドープされたSiC(SiNC)とすることもできる。
【0068】
開示した実施形態は、三次元NAND装置、浮遊ゲート等の作製を含む、様々な用途に使用されてもよい。本明細書に記載するのは、特定の開示した実施形態を使用して形成してもよい特別なスタックの一例である;他の材料や他のパターニングスキーム及びスタックを、特定の開示した実施形態を使用して形成してもよく、開示した実施形態は、この例に限定されるものではないと理解されたい。
【0069】
特定の開示した実施形態では、スタックは、窒化シリコンを犠牲層として使用して堆積されるが、該犠牲層には、該犠牲層をエッチング動作後に除去して、金属材料用空間を形成し、金属を該空間に埋め戻すようにして、金属を後で堆積してもよい。タングステンを、例示的な金属として、本明細書に記載しているが、モリブデン等の他の金属を使用してもよいと理解されたい。別の実施形態では、犠牲層として、窒化シリコンの代わりに、ポリシリコン材料、又はドープポリシリコンを使用してもよい。他の窒化シリコン膜(提供したスタックの上下膜)が、作製されるスタックに存在している場合には、かかる層を、酸素ドープ炭化シリコンと置換して、犠牲窒化シリコン層を除去する際に、これら層をエッチングしないようにする。酸素ドープ炭化シリコンの一利点は、SiN、ポリ(poly)、又はSiO2の除去又は陥凹を実行する際に、窒化シリコン及びポリシリコンを含む基板上の他の材料に対してエッチングコントラストを提供できる点である。
【0070】
従って、酸素ドープ炭化シリコンと酸化シリコンの交互スタックを形成してもよく、タングステンを後で堆積する場合に、窒化シリコンを、犠牲層として使用してもよく、酸化シリコンは、酸素ドープ炭化シリコンと窒化シリコンに対するエッチングコントラストを用いて、エッチングできるため、酸化シリコンを、ポリシリコンを堆積する前に、陥凹してもよい。幾つかの実施形態では、酸化シリコンを、窒素ドープ炭化シリコンと窒化シリコンに対するエッチングコントラストを用いて、陥凹してもよい。幾つかの実施形態では、酸化シリコンを、酸素ドープ炭化シリコンとシリコンゲルマニウムに対するエッチングコントラストを用いて、エッチングできる。幾つかの実施形態では、酸化シリコンを、窒素ドープ炭化シリコン、ドープSi、窒化シリコン、及びシリコンゲルマニウムを含むがこれらに限定されない、基板上の任意の他の非酸化シリコン材料に対するエッチングコントラストを用いて、陥凹してもよい。ポリシリコンの堆積や任意の他のパターニングプロセス後に、窒化シリコン犠牲層を、ウェットエッチングプロセスを使用して、選択的に除去してもよい。窒化チタンライナを、任意選択的に堆積してもよく、タングステンを、窒化シリコン犠牲層が前に占領した領域に堆積する。かかプロセスにより、スタック上においてタングステンでパターニングすることを回避でき、それにより、基板上でのタングステンの再堆積を抑制できる。更に、スタックにおけるタングステン材料は、他のすべてのプロセスを実行した後にタングステンを堆積するため、タングステン材料の結晶粒組織を歪め及び/又は変形させ得る様々なプロセス条件を受けることがない。エッチング化学作用(etch chemistry)は、タングステンをエッチングできる化学作用に限定されないため、スタックのエッチングは、簡素化される;むしろ、スタックの材料は、全てシリコン含有材料となり、様々な既存のエッチングプロセスを使用して、正確にエッチングされ得る。
【0071】
特定の開示した実施形態は、少なくとも3つの異なる材料を有する無金属多層スタックを堆積することを伴い、これら材料の少なくとも1つは、犠牲層である。本明細書で使用する用語「無金属(metal-free)」は、シリコン含有材料を含む;即ち、無金属は、主として遷移金属又は半金属を含まないが、半導電材料を含む材料を指す。無金属材料の例として、窒化シリコン、炭化シリコン、ドープ炭化シリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコン、ドープシリコン、及びポリシリコンを含むが、これらに限定されない。様々な実施形態では、無金属スタックは、タングステンを含まない。様々な実施形態では、無金属スタックは、タングステン無しである。犠牲層を、多層スタックのエッチング及びパターニング中に使用する;犠牲層を、金属のエッチングを回避するのに使用できる。パターニングに続いて、犠牲層を、エッチングし、結果的に得る構造のための金属材料と置換してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、少なくとも3つの異なる材料を有する無金属多層スタックを堆積し、トレンチ又はビアを、無金属多層スタックにエッチングし、エッチング後に、犠牲層を、空間を形成するために、スタックの他の材料に対して選択的にエッチングし、金属を、その空間に堆積させる。様々な実施形態では、無金属多層スタックは、4つの異なるシリコン含有材料を有する。幾つかの実施形態では、無金属多層スタックは、4つの異なる無金属材料を有する。幾つかの実施形態では、「異なる」材料は、異なる分子若しくは原子組成、又は異なる結晶粒組織、又は異なる格子構造を有する材料を指す。犠牲層の選択的エッチングは、液体エッチング液を含む様々なエッチング液に暴露した際の材料間のエッチングコントラストを使用することによって、達成可能であり得る。
【0072】
様々な実施形態では、犠牲層を、ポリシリコン又は窒化シリコン材料としてもよい。窒化シリコン犠牲層のためのエッチングコントラストは、酸化シリコン、酸素ドープ炭化シリコン又は酸化炭化シリコン、及びポリシリコンを含むがこれらに限定されない、多層スタックにおける他の材料を使用することによって、達成し得る。ポリシリコン犠牲層のためのエッチングコントラストは、ポリシリコンが、基板上の他の材料より実質的に速くエッチングされるエッチング液を使用することによって、達成し得る。スタック上の他の材料が、ポリシリコンを含む場合でも、ポリシリコンのドーパント濃度の差を使用することを用いて、エッチングコントラストを達成できる。ポリシリコンのドーパント濃度は、約1E19atoms/cm3~約1E20atoms/cm3とすることができる。例えば、幾つかの実施形態では、多層スタックは、ホウ素ドープポリシリコンを含んでもよい一方で、犠牲層は、アンドープポリシリコンを含み、該アンドープポリシリコンは、後で金属を堆積する空間を残すために、ホウ素ドープポリシリコンに対するエッチングコントラストを用いて、エッチング可能になるようなものにする。金属の堆積を、窒化チタン等だが、これに限定しないライナ層をまず堆積し、次に金属堆積することによって実行してもよいと理解されたい。
【0073】
多層スタックの様々なバリエーションを使用してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、多層スタックは、窒化シリコン、酸化シリコン、及び酸素ドープ炭化シリコンを含む。幾つかの実施形態では、酸化炭化シリコンと酸素ドープ炭化シリコンの用語を、互換的に使用してもよい。幾つかの実施形態では、多層スタックは、ポリシリコン、酸化シリコン、及び酸素ドープ炭化シリコンを含む。幾つかの実施形態では、多層スタックは、ポリシリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、及び酸素ドープ炭化シリコンを含む。
【0074】
幾つかの実施形態では、多層スタックは、窒化シリコン層と非酸化物層の交互層を含み、トレンチ又はビアを、多層スタックにエッチングし、続いて、非酸化物層間に空間を形成するために、窒化シリコンを選択的にエッチングする。次に、金属を、この空間に堆積してもよい。非酸化物層を、酸化炭化シリコン、ポリシリコン、又は他の窒化シリコン材料に対するウェットエッチングコントラストを有する窒化シリコン材料としてもよい。また、幾つかの実施形態では、上記の交互層を含む多層スタックは、窒化シリコンと異なる材料を有する別の層又は非酸化物層も含んでもよい。この層を、誘電バリア層としてもよい。幾つかの実施形態では、この層は、誘電バリア層ではない。幾つかの実施形態では、この層は、誘電材料ではない。幾つかの実施形態では、こうした窒化シリコンと異なる材料を有する他の層及び非酸化物層は、酸素ドープ炭化シリコン層である。幾つかの実施形態では、こうした他の層を使用して、窒化シリコンをエッチングする際のエッチングコントラストを達成する。幾つかの実施形態では、この多層スタックを使用して、三次元NAND構造を形成してもよい。
【0075】
本明細書で記載したように、酸素ドープ炭化シリコン又は酸化炭化シリコンは、約1atomic%~約65atomic%の酸素濃度を有する。
【0076】
図10は、特定の開示した実施形態に従い実行される動作について表すプロセスフロー図である。動作1082では、基板を提供する。基板は、シリコンウエハ、例えば、200mmウエハ、300mmウエハ、又は450mmウエハであって、誘電材料、導電材料、若しくは半導電材料等の材料の1層又は複数層をその上に堆積させたウエハを含むシリコンウエハとしてもよい。動作1084では、酸化物及び酸素ドープ炭化物、及び1層又は複数層の犠牲窒化シリコンの層を含む膜スタックを堆積するが、その場合、犠牲窒化シリコンは、結果的に得られる構造において金属が求められる空間に堆積させる。酸化シリコン、窒化シリコン、及び酸素ドープ炭化シリコンを、本明細書で記載するが、幾つかの実施形態では、他の酸化物、窒化物、及び酸素ドープ炭化物を使用してもよいと理解されたい。
【0077】
酸素ドープ炭化シリコンを、プラズマ点火中に、シリコン含有前駆体、酸素含有反応物、及び炭素含有反応物を導入することによる、プラズマ支援化学気相堆積法によって堆積してもよい。
【0078】
炭化シリコンを堆積するための前躯体分子は、シリコン-水素(Si-H)結合及び/又はシリコン-シリコン(Si-Si)結合、及びシリコン-炭素(Si-C)結合を有するシリコン含有分子を含むことができる。幾つかの実施形態では、炭化シリコン層を堆積するための前躯体分子を、シリコン含有及び炭素含有前駆体としてもよい。酸化炭化シリコンを堆積するための前躯体分子は、シリコン-水素(Si-H)結合及び/又はシリコン-シリコン(Si-Si)結合、及びシリコン-酸素(Si-O)結合及び/又はシリコン-炭素(Si-C)結合を有するシリコン含有分子を含む。炭窒化シリコンを堆積するための前躯体分子は、シリコン-水素(Si-H)結合及び/又はシリコン-シリコン(Si-Si)結合、及びシリコン-窒素(Si-N)結合及び/又はシリコン-炭素(Si-C)結合を有するシリコン含有分子を含む。炭酸窒化シリコン(silicon oxynitricarbide)を堆積するための前躯体分子は、シリコン-水素(Si-H)結合及び/又はシリコン-シリコン(Si-Si)結合、及びシリコン-窒素(Si-N)結合、シリコン-酸素(Si-O)結合、及び/又はシリコン-炭素(Si-C)結合を有するシリコン含有分子を含む。幾つかの実施形態では、シリコン含有前駆体は、Si-O結合との反応物及びSi-C結合との反応物を含むことができる。任意の数の適当な反応物を、本開示の範囲内で採用してもよいと理解されたい。シリコン含有前駆体は、1つ又は複数のSi-H結合、及び/又は1つ又は複数のSi-Si結合を含む。堆積プロセス中、Si-H結合及び/又はSi-Si結合は、切断され、堆積した炭化シリコン膜のシリコン含有前駆体間の結合を形成するための反応部位として機能する。また、切断された結合は、堆積中又は堆積後に行う熱処理中に架橋用部位としても機能できる。反応部位での結合及び架橋は、結果として得られる炭化シリコン膜において、第1幹部又はマトリクスを一括して形成できる。酸素ドープ炭化シリコンの代わりに、幾つかの実施形態では、炭化シリコン、窒素ドープ炭化シリコン、ホウ素窒素ドープ(boron-and-nitrogen-doped)炭化シリコン、及び酸素ドープ炭化シリコンとの組合せを含むそれらの組合わせを、使用してもよい。
【0079】
記述したように、炭化シリコン膜を形成する際に採用する前駆体は、シリコン含有前駆体を含むことができ、該シリコン含有前駆体の少なくとも幾つかは、 少なくとも1つのSi-H結合、及び/又は少なくとも1つのSi-Si結合を有する。特定の実施形態では、シリコン含有前駆体は、シリコン原子毎に最大1つの水素原子を有する。従って、例えば、1つのシリコン原子を有する前駆体は、シリコン原子に結合する最大1つの水素原子を有する;2つのシリコン原子を有する前駆体は、1つのシリコン原子に結合する1つの水素原子と、任意選択で、第2シリコン原子に結合する別の水素原子を有する;3つのシリコン原子を有する前駆体は、1つのシリコン原子に結合する少なくとも1つの水素原子と、任意選択で、残りのシリコン原子の1つ又は2つに結合するもう1つ又は2つの水素原子を有する、という具合である。更に、シリコン含有前駆体は、少なくとも1つのSi-O結合、少なくとも1つのSi-N結合、及び/又は少なくとも1つのSi-C結合を含んでもよい。炭化シリコン膜を形成する際に、任意の数の適当な前駆体を使用できるが、少なくとも幾つかの前駆体は、少なくとも1つのSi-H結合又はSi-Si結合、及び任意選択で、少なくとも1つのSi-O結合、Si-N結合、及び/又はSi-C結合を有する、シリコン含有前駆体を含むであろう。
【0080】
特定の実施形態では、炭化シリコン膜用に提供される炭素の少なくとも幾つかを、シリコン含有前駆体上の1つ又は複数の炭化水素部分によって提供する。かかる部分は、アルキル基、アルケン基、アルキン基、アリール基等からとしてもよい。特定の実施形態では、炭化水素基は、堆積中のSi-H及び/又はSi-Si結合切断反応の立体障害を最小にするために、単一の炭素原子を有する。しかしながら、前駆体は、単一炭素の基に限定されない;2、3、4、5、又は6炭素原子等のより多い炭素原子を、使用してもよい。特定の実施形態では、炭化水素基は、直鎖状である。特定の実施形態では、炭化水素基は、環状である。
【0081】
幾つかの実施形態では、シリコン含有前駆体は、化学物質クラス(chemical class)に入る。他の化学物質クラスのシリコン含有前駆体を採用してもよく、シリコン含有前駆体は、後述する化学物質クラスに限定されないと理解されたい。
【0082】
幾つかの実施形態では、シリコン含有前駆体を、シロキサンとすることができる。幾つかの実施形態では、シロキサンを、環状としてもよい。環状シロキサンは、2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、及びヘプタメチルシクロテトラシロキサン(HMCTS)等のシクロテトラシロキサンを含んでもよい。また、他の環状シロキサンは、シクロトリシロキサン及びシクロペンタシロキサンも含むことができるが、これらに限定されない。環状シロキサンを使用する実施形態は、酸素ドープ炭化シリコン膜に多孔性を導入できる環構造であり、孔の大きさは、環の半径に対応する。例えば、シクロテトラシロキサン環は、約6.7オングストロームの半径を有することができる。
【0083】
幾つかの実施形態では、シロキサンは、立体構造又はかご型構造を有してもよい。かご型シロキサンは、シリコン原子を酸素原子を介して互いに架橋させて、多面体又は任意の立体構造を形成している。かご型シロキサン前躯体分子の一例は、シルセスキオキサンである。かご型シロキサン構造について、自己所有(commonly owned)のCleemput他への米国特許第6,576,345号で更に詳細に記載されており、該特許を、全体として、あらゆる目的のために、本明細書に参照により援用する。環状シロキサンのように、かご型シロキサンは、多孔性を、酸素ドープ炭化シリコン膜に導入できる。幾つかの実施形態では、多孔性スケールは、メソ孔である。
【0084】
幾つかの実施形態では、シロキサンを直鎖状としてもよい。適当な直鎖状シロキサンの例として、ペンタメチルジシロキサン(PMDSO)やテトラメチルジシロキサン(TMDSO)等のジシロキサン、及びヘキサメチルトリシロキサンやヘプタメチルトリシロキサン等のトリシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
幾つかの実施形態では、シリコン含有前駆体を、アルキルシラン又は他の炭化水素置換シランとすることができる。アルキルシランは、中心のシリコン原子に、1つ又は複数のアルキル基と、1つ又は複数の水素原子を結合させたものを含む。特定の実施形態では、アルキル基の何れか1つ又は複数は、1~5つの炭素原子を含有する。炭化水素基を、飽和又は不飽和(例えば、アルケン(例えば、ビニール)、アルキン、及び芳香族基)としてもよい。例として、トリメチルシラン(3MS)、トリエチルシラン、ペンタメチルジシラメタン((CH32Si-CH2-Si(CH33))、及びジメチルシラン(2MS)を含むが、これらに限定されない。
【0086】
幾つかの実施形態では、シリコン含有前駆体を、アルコキシシランとすることができる。アルコキシシランは、中心のシリコン原子に、1つ又は複数のアルコキシ基、及び1つ又は複数の水素原子を結合させたものを含む。例として、トリメトキシシラン(TMOS)、ジメトキシシラン(DMOS)、メトキシシラン(MOS)、メチルジメトキシシラン(MDMOS)、ジエトキシメチルシラン(DEMS)、ジメチルエトキシシラン(DMES)、及びジメチルメトキシシラン(DMMOS)を含むが、これらに限定されない。
【0087】
更に、ジシラン、トリシラン、又は他の高次シランを、モノシランの代わりに使用してもよい。アルキルシラン類からのかかるジシランの一例としては、ヘキサメチルジシラン(HMDS)がある。アルキルシラン類からのジシランの別の例として、ペンタメチルジシラン(PMDS)を挙げることができる。他の種類のアルキルシランとして、アルキルカルボシランを挙げることができ、アルキルカルボシランは、炭素がシリコン原子に結合されただけでなく、アルキル基もシリコン原子に結合された分岐高分子構造を有することができる。例として、ジメチルトリメチルシリルメタン(DTMSM)や、ビス-ジメチルシリルエタン(BDMSE)が挙げられる。幾つかの実施形態では、シリコン原子の1つに、炭素含有基又は炭化水素含有基を付加させることができ、シリコン原子の1つに、水素原子を付加させることができる。
【0088】
幾つかの実施形態では、2つ以上の異なる化学物質源(chemical source)を使用してもよい。例えば、一つの化学物質源は、シリコンを含んでもよく、第2の化学物質源は、炭素を含む。幾つかの実施形態では、シリコンを含む化学物質源を、TEOS又は上述したようないずれのシランとしてもよい。幾つかの実施形態では、炭素を含む化学物質源は、メタン、アルカン類(エタン(C26)等の)、アルケン類(エチレン(C24)等の)、及びアルキン類(C23等の)を含んでもよい。
【0089】
炭素シリコンを堆積する際、複数のシリコン含有前駆体を、プロセスガス中に存在させることができる。例えば、シロキサンとアルキルシランを、一緒に使用してもよい、又はシロキサンとアルコキシシランを、一緒に使用してもよい。個々の前駆体の相対的比率を、選択する前駆体の化学構造や、結果的に得られる炭化シリコン膜の用途に基づいて、選択できる。
【0090】
多層スタックの幾つかの炭化シリコン膜は、高耐電圧及び低漏洩電流を有してもよい。特定の開示した実施形態によって達成される耐電圧の一例は、約4MV/cmである。特定の開示した実施形態によって達成される低漏洩電流の一例は、2MV/cmで約1E-8である。
【0091】
幾つかの実施形態では、プロセス条件により、Si-C結合を、及び存在する場合には、炭化シリコン膜の堆積時層におけるSi-OやSi-N結合も、実質的に維持できる。それに応じて、基板に隣接する反応条件は、Si-H及び/又はSi-Si結合の選択的切断、例えば、切断されたSi-H結合からの水素の抽出を提供するが、この反応条件は、Si-O結合からの酸素、Si-N結合からの窒素、又はSi-C結合からの炭素の抽出を提供しない。しかしながら、後述するように、酸素等の共反応物の導入により、Si-C結合から炭素を抽出してもよい。一般に、記載した反応条件は、基板の暴露面(炭化シリコン膜を堆積する表面)に存在する。かかる反応条件は、基板より少し上方に、例えば、基板より約0.5マイクロメートル~約150ミリメートル上方に、更に存在してもよい。実際には、前駆体の活性化は、基板よりかなり上方でも、気相で発生することがある。特定の用途では、幾らかばらつきを認める場合もあるが、通常、適切な反応条件は、基板の全暴露面に亘り均一又は略均一となるようにする。
【0092】
シリコン含有前駆体を、通常、基板に隣接する環境において、他の種、特に搬送ガスと共に送給する。幾つかの実装では、シリコン含有前駆体は、他の反応種及び/又は搬送ガスを含む、ラジカル種及び他の種と共に存在させる。幾つかの実施形態では、シリコン含有前駆体を、混合物として導入してもよい。堆積反応面から上流で、シリコン含有前駆体を、不活性搬送ガスと混合できる。不活性搬送ガスの例として、窒素(N2)、アルゴン(Ar)、及びヘリウム(He)が挙げられるが、これらに限定されない。更に、シリコン含有前駆体を、主要及び非主要な種を有する混合物中に、非主要な種が、炭化シリコン膜に比較的低濃度で存在する何らかの要素又は構造上の特徴(例えば、環構造、かご型構造、不飽和結合等)を含有した状態で、導入できる。複数の前駆体を、結果的に得られる炭化シリコン膜の第1幹部又はマトリクスを形成するために、適宜、等モル又は比較的同じ割合で、存在させてもよい。他の実施形態では、異なる前駆体の相対的な量を、実質的に等モル状態(equimolarity)ではなくする。
【0093】
酸化シリコンを堆積するために、1つ又は複数のシリコン含有前駆体を使用してもよい。開示した実施形態に従い使用するのに適するシリコン含有前駆体は、ポリシラン類(H3Si(SiH2n-SiH3)、式中n≧0)を含む。シラン類の例としては、シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、及び、メチルシラン、エチルシラン、イソプロピルシラン、t-ブチルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジ-t-ブチルシラン、アリルシラン、sec-ブチルシラン、テキシルシラン、イソアミルシラン、t-ブチルジシラン、ジ-t-ブチルジシラン等の有機シランがある。
【0094】
ハロシランは、少なくとも1つのハロゲン基を含み、水素及び/又は炭素基を含んでも、或いは含まなくてもよい。ハロシランの例は、ヨードシラン、ブロモシラン、クロロシラン、及びフルオロシランである。ハロシラン、特にフルオロシランは、プラズマが打出されるときに、シリコン材料をエッチングできる反応性のハロゲン化物種を形成することがあるが、幾つかの実施形態では、ハロシランを、プラズマが打出されるときにチャンバに導入しなくてもよく、そのため、ハロシランからの反応性ハロゲン化物種の形成が、軽減され得る。具体的なクロロシランは、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、クロロアリルシラン、クロロメチルシラン、ジクロロメチルシラン、クロロジメチルシラン、クロロエチルシラン、t-ブチルクロロシラン、ジ-t-ブチルクロロシラン、クロロイソプロピルシラン、クロロ-sec-ブチルシラン、t-ブチルジメチルクロロシラン、テキシルジメチルクロロシラン等である。
【0095】
アミノシランは、シリコン原子に結合された少なくとも1つの窒素原子を含むが、水素、酸素、ハロゲン、及び炭素を含有してもよい。アミノシランの例は、モノ-、ジ-、トリ-及びテトラ-アミノシラン(それぞれH3Si(NH2)、H2Si(NH22、HSi(NH23、及びSi(NH24である)の他に、置換モノ-、ジ-、トリ-及びテトラ-アミノシラン、例えば、t-ブチルアミノシラン、メチルアミノシラン、tert-ブチルシランアミン、ビス(tert-ブチルアミノ)シラン(SiH2(NHC(CH332(BTBAS)、tert-ブチルシリルカルバメート、SiH(CH3)-(N(CH322、SiHCl-(N(CH322、(Si(CH32NH)3等である。アミノシランの更なる例は、トリシリルアミン(N(SiH3))である。様々な実施形態では、プラズマを、多層スタックの何れか一層を堆積中に使用しなくてもよい。幾つかの実施形態では、プラズマを、多層スタックの何れか一層を堆積中に使用してもよい。
【0096】
本明細書で記載した幾つかの層を堆積する技術の例は、米国特許第8,741,394号、米国特許第9,028,924号、及び米国特許出願公開第2011/0236594号に提供されており、これらを、全体として、参照により本明細書に援用する。
【0097】
酸素ドープを、温度、圧力、プラズマ電力及び周波数だけでなく、他のガス流に対する酸素含有反応ガス流等の特定の技術を使用して、調整してもよい。酸素ドープ量は、関連するエッチングコントラストに影響を与えることができる。例えば、窒化シリコンは、酸素ドープ炭化シリコンに対して約0%~約65%という特定のエッチングコントラストを有する可能性がある一方、同材料は、同じプロセス条件で、66%の酸素ドープ炭化シリコンに対して低いエッチングコントラストを有する可能性がある。窒化シリコンは、高温のリン酸(H3PO4)において、酸化シリコンに対するエッチングコントラストを有する。酸化炭化シリコンを使用して、H3PO4によるウェットエッチングにおいて窒化シリコンに対するエッチングコントラストと、フッ化水素酸(HF)によるウェットエッチングにおいて酸化シリコンに対するエッチングコントラストの両方を提供できる。
【0098】
図10に戻り、動作1086では、任意のパターンを、基板上にエッチングしてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、トレンチ又はビアを、多層スタックを通してエッチングし、このエッチングを、全く金属残留物無しに、又はエッチングプロファイルを低下させるというリスク無しに、既存の誘電体エッチング技術を使用して、実行できる。例えば、この動作は、酸化シリコン材料を陥凹することを伴ってもよく、この陥凹は、酸素ドープ炭化シリコン、窒化シリコン、及びポリシリコンが、酸化シリコンのエッチングに対して十分なエッチングコントラストを提供できるため、実行できる。様々な実施形態では、スタックをパターニングするのに使用するエッチング化学作用は、テトラフルオロメタン(CF4)、フルオロメタン(CFH3)、ジフルオロメタン(CH22)、オクタフルオロシクロブタン(C48)、及び三フッ化窒素(NF3)の中1つ又は複数を含む。パターニングを、トレンチ又はビアをエッチングするのに実行してもよい。幾つかの実施形態では、この動作は、酸化シリコン陥凹動作を含まなくてもよい。
【0099】
動作1086でのパターニング中、エッチングコントラストは、スタックの材料によって異なってもよい。幾つかの実施形態では、酸化シリコンをトレンチの側壁から選択的に除去するように、酸化シリコンを、トレンチをエッチングした後に陥凹し、それによって、トレンチに、スタック内の特定の深さで異なる幅を持たせる。例えば、トレンチを、窒化シリコン、酸化シリコン、及びポリシリコンを、窒化シリコンとポリシリコン間に酸化シリコンがある状態で、含むスタックにエッチングしてもよく、次に、酸化シリコンを、酸化シリコンを有するトレンチの側壁を陥凹させるように、トレンチにエッチングしてもよい。酸化シリコンの陥凹を、基板上の他の材料に対してエッチングコントラストを有する特別なエッチング化学作用を使用して、実行してもよい。様々な実施形態では、酸化シリコンは、窒化シリコン、ポリシリコン、及び酸素ドープ炭化シリコンより約5~約1000倍速くエッチングされる。
【0100】
酸化シリコンを、一例として提供する。幾つかの実施形態では、誘電材料を、選択的にトレンチの側壁から除去するように、陥凹させる。誘電材料の例として、酸化シリコンやドープ酸化シリコンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
動作1090では、犠牲窒化シリコン材料を、基板上の他の材料(ポリシリコン、酸化物、酸素ドープ炭化シリコン)に対して、基板から選択的にエッチングする。この動作を、ウェットエッチングプロセスにおいて、これら材料に対する犠牲窒化シリコンのエッチングコントラストを使用して、実行してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、犠牲窒化シリコンを、高温のH3PO4中に基板を浸すことによって、エッチングしてもよい。このようにエッチングする結果、窒化シリコンが前に基板上で占領した場所に空間が形成される。基板上の他の材料に対する窒化シリコンのエッチング選択比を、他の材料が、酸化シリコン、酸素ドープ炭化シリコン、及びポリシリコンの場合、約10~約1000としてもよい。
【0102】
動作1092では、タングステンを、犠牲窒化シリコン材料が基板上で前に占領された空間に堆積する。例えば、タングステンを、酸化物層間の水平空間に堆積できる。幾つかの実施形態では、金属を堆積する前に、金属含有ライナを堆積する。金属含有ライナを、様々な実施形態では、窒化チタン、酸化アルミニウム、又は炭窒化タングステンとしてもよい。動作1092で堆積する金属を、金属含有ライナの直ぐ上、又は金属含有ライナ上方に堆積してもよい。例えば、タングステンを、窒化チタンライナ上に堆積してもよい。
【0103】
図11Aは、特定の開示した実施形態に従い実行する動作について表す例示的なプロセスフロー図を示している。この実施例では、動作1282において、基板を提供する。動作1284では、無金属膜スタックを、図9A、及び以下の図12Aに関して説明するように、堆積する。動作1285では、トレンチを、無金属スタックにエッチングする。様々な実施形態では、エッチングしたトレンチは、約5:1~約20:1等の高アスペクト比を有する。様々な実施形態では、トレンチの幅は、約30nm~約200nmである。動作1286では、酸化シリコンを、陥凹してもよい。様々な実施形態では、酸化シリコンの陥凹を、酸化シリコンのエッチングレートが、無金属スタックにおける他の材料より、少なくとも約50倍速くなるように、実行する。酸化シリコンの陥凹を、フッ化水素酸等のハロゲンベースの化学作用を含むが、これに限定されない、任意の適当なエッチング化学作用を使用して、実行してもよい。動作1290では、犠牲窒化シリコン層を、選択的に除去する。様々な実施形態では、犠牲窒化シリコン層を、希リン酸(diluted H3PO4)を使用して等、リンベースのウェットエッチング化学作用を使用して、エッチングする。動作1292では、タングステンを、犠牲窒化シリコンを除去した場所に堆積する。
【0104】
図11Bは、特定の開示した実施形態に従い実行する動作を表すまた別の例示的なプロセスフロー図を示している。この実施例では、動作1182において、基板を提供する。動作1184では、膜スタックを、上から下に以下の膜スタック:酸素ドープ炭化シリコン、窒化シリコン、ドープポリシリコン、酸化シリコン、ドープポリシリコン、及び窒化シリコンの複数組を重ねて堆積するように、堆積する。動作1186aでは、酸化シリコンを、陥凹してもよい。動作1186bでは、ポリシリコンを、基板に充填する。幾つかの実施形態では、基板を充填するのに使用する材料を、誘電材料又は半導体材料としてもよい。動作1190では、犠牲窒化シリコン層を、選択的に除去する。動作1192では、タングステンを、犠牲窒化シリコンを除去した場所に堆積する。
【0105】
図12A図12Eは、特定の開示したプロセス実施形態を実施中の様々な基板に関する例示的な略図を示している。
【0106】
図12Aでは、図9と比べて、基板が、酸素ドープ炭化シリコン400、犠牲窒化シリコン層402、ポリシリコン100、酸化シリコン101、及び酸素ドープ炭化シリコン400を有して、提供されている。図12Bでは、トレンチが、形成され、酸化シリコン101が陥凹されている。図12Cでは、ポリシリコン100が、酸化シリコン101を陥凹させた空間に充填するように堆積されている。幾つかの実施形態では、ポリシリコン100を、図12C図12D間の動作においてエッチバックしてもよい。図12Dでは、犠牲窒化シリコン層402が、ウェットエッチング等によって、選択的に除去されている。図12Eでは、タングステン440が、窒化シリコン層が前に占領した空間に、堆積されている。これにより、構造にポリシリコン100が存在することで、前にパターニングしたトレンチ又はビアの側壁にタングステンが堆積していないため、ビアの形成中、及び酸化シリコンの陥凹中にタングステンをエッチングすることを回避できる。
【0107】
様々な実施形態では、PECVDによって堆積してもよい酸素ドープ炭化シリコンで、窒化シリコンを置換え、窒化シリコンで、タングステン及び窒化チタンを置換える。使用する材料を、OPOP及びONONエッチングプロセス用に開発された技術を使用してエッチングできるため、膜スタックの高アスペクト比エッチングのリスクは低くなり、金属残留物のリスクもない。酸素ドープ炭化シリコン、窒化シリコン、及びポリシリコンが十分なエッチングコントラストを提供するようになるため、酸化シリコンを、同様に陥凹できる。最後に、窒化シリコンを除去でき、窒化チタン及びタングステンで、埋戻しでき、表面が誘電性側壁によって拘束されるようになるため、タングステンの粗さは、重要ではなくなる。
【0108】
別のアプローチは、タングステン及び窒化チタンをドープポリシリコンと置換することである。これにより、場合によっては、高アスペクト比のエッチングに関して、被エッチング材料の数を5から3に変えることで、エッチングプロセスを簡素化するであろう。しかしながら、ドープポリシリコンとアンドープポリシリコンは、極めて異なるウェットエッチングレートを有するため、ドープポリシリコンを、ウェットエッチングによって除去でき、その後窒化チタン及びタングステンで埋戻せる。ドーパントの例として、ホウ素、リン、及び砒素が挙げられる。
【0109】
様々なドーパント前駆体を、ドープポリシリコンの堆積中に使用して、ドープポリシリコンを形成してもよい。幾つかの実施形態では、適当なドーパント源を、砒素元素、又はアルシン(AsH3)、又は砒素ドープケイ酸塩ガラス(ASG)、又は三酸化二砒素(As23)及び/又は五酸化二砒素(As25+)等の砒素化合物としてもよい。他の実施形態では、適当なドーパント源を、ホウ素元素、又はジボラン(B26)等のホウ素化合物としてもよく、適当なドーパント前駆体を、ホウ酸アルキル等のホウ素化合物としてもよい。例えば、ホウ酸トリメチル(TMB)(以下で示す)は、ドーパント源の三酸化ホウ素(B23)を形成するためのドーパント前駆体としてよく機能できる特定のホウ酸アルキルである;しかしながら、他のドーパント前駆体もまた、様々なホウ素ベースのドーパント源を形成するのに適当であり得る。更にまた、ホウ素と砒素以外の元素に基づくドーパント源、例えば、ガリウム又はリンに基づくドーパント源等も、適当であり得る。
【化1】
【0110】
ホウ酸トリメチルは、1つの適当なドーパント前駆体であるが、他の化合物も、適当なドーパント前駆体として機能し得る。例えば、他の適当なホウ素ベースのドーパント前駆体は:ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリイソプロピル、及びトリ-n-ブチルホウ酸等の他のホウ酸アルキルだけでなく、トリメチルボロン、トリエチルボロン、トリフェニルボロン、トリ-i-プロピルホウ酸、トリ-n-アミルホウ酸、B-トリブロモボラジン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、及び他の同様なホウ素含有化合物を含んでもよい。また、ホウ素以外の元素に基づくドーパント源も、適当であり得る。例として、ガリウム、リン、砒素、又はIII価及びV価元素等の半導体基板をドープするのに適当な他の元素に基づくドーパント源が挙げられる。砒素に基づくドーパント前駆体は、アルキルアルシン、アルコキシアルシン、及びアミノアルシン化学族を含んでもよいが、これらに限定されず、以下の特定の化合物を含むが、これらに限定されない:アルシン、ヒ酸トリエチル(triethylaresenate)、トリメチルアルシン、トリエチルアルシン、トリフェニルアルシン、トリフェニルアルシンオキシド、エチレンビス(ジフェニルアルシン)、トリス(ジメチルアミノ)アルシン、及びAs(OR)3で、式中、Rが、-CH3又は-C25、又は他のアルキル基(飽和及び不飽和アルキル基を含む)であるもの、及び他の同様の砒素含有化合物。リンに基づくドーパント前駆体は、ホスフィン(PH3)、トリエチルホスフィンオキシド、リン酸トリメチル、亜リン酸トリメチル、及び他の同様のリン含有化合物を含んでもよいが、これらに限定されない。ドーパント前駆体の選択は、通常、既存の送給システムへの統合し易さ、膜の純度、及び全費用によって決まる。
【0111】
高濃度ホウ素ドープポリシリコンは、より高いウェットエッチングレートを有することができ、そのため、パターニング中、基板上の他の材料に対してエッチングコントラストを提供する。ウェットエッチングレートは、ホウ素濃度が高くなるにつれて、増大し、それにより、ドーパント濃度に応じて調整可能なエッチングコントラストを提供する。
【0112】
「酸化シリコン」は、本明細書では、整数値のxとy及び非整数値のxとy、及びその中にSi又はOに結合できる幾つかのHを含む、Sixyに関するありとあらゆる化学量論的可能性を含むものとする。例えば、「酸化シリコン」は、式SiOnを有する化合物を含み、式中、1<n<2であり、nは、整数値又は非整数値とできる。「酸化シリコン」は、SiO1.8等の亜化学量論的化合物を含むことができる。また、「酸化シリコン」は、二酸化シリコン(SiO2)及び一酸化シリコン(SiO)も含む。また、「酸化シリコン」は、天然と合成両方のバリエーションも含み、酸素原子が中心のシリコン原子を囲む四面体配位を含む、ありとあらゆる結晶構造及び分子構造も含む。また、「酸化シリコン」は、アモルファス酸化シリコン及びシリケートを含む。
【0113】
「窒化シリコン」は、本明細書では、Sixyに関するありとあらゆる化学量論的可能性を含むものとし、Sixyは、x=3及びy=4等、整数値のxとy及び非整数値のxとyを含む。例えば、「窒化シリコン」は、式SiNnを有する化合物を含み、式中、1<n<2であり、nは、整数値又は非整数値とできる。「窒化シリコン」は、SiN1.8等の亜化学量論的化合物を含むことができる。また、「窒化シリコン」は、Si34、及び幾らかの及び/又は格子間水素(SiNH)を有する窒化シリコン、及び微量の及び/又は格子間酸素(SiON)を有する窒化シリコンも含む。また、「窒化シリコン」は、天然と合成両方のバリエーションも含み、三方晶系α-窒化シリコン、六方晶系β-窒化シリコン、及び立方晶系γ-窒化シリコンを含む、ありとあらゆる格子構造、結晶構造、及び分子構造も含む。また、「窒化シリコン」は、アモルファス窒化シリコンも含み、微量の不純物を有する窒化シリコンを含むことができる。また、水素は、SiN中に存在するであろうし、Si又はN、又は両方に結合されてもよい。窒化シリコン中の水素濃度は、約1%~約30%までの範囲とすることができる。
【0114】
図12F図12Mは、また別の例示的なパターニングスキームを、特定の開示したプロセス実施形態を実施中の様々な基板に関する略図で、示している。
【0115】
図12Fでは、基板が、酸化シリコン1201を有し、酸化シリコン1201の直上と直下にはドープポリシリコン1210があり、同様に、酸素ドープ炭化シリコン1200と犠牲窒化シリコン層1202があり、下側の犠牲窒化シリコン層1202の下には、エッチング停止層1230がある状態で、提供されている。図12では、トレンチ1250が、形成されている。図12Hでは、酸化シリコン1201が、1240で陥凹されている。図12Iでは、ポリシリコン1260が、トレンチ1250及び酸化シリコン1201の陥凹部から生成された空間に充填するように堆積されている。図12Jでは、ドープポリシリコン1260が、図示したようにエッチバックされてもよい。幾つかの実施形態では、ポリシリコン1260を、薄膜トランジスタにしてもよい。図12Kでは、ゲート1270が、トレンチに堆積されている。図12Lでは、犠牲窒化シリコン層1202が、ウェットエッチング等によって、選択的に除去されて、フィーチャ(feature)1225を生成している。図12Mでは、タングステン1240が、窒化シリコン層が前に占領したフィーチャ1225に、堆積されている。これにより、ビアの形成中、及び酸化シリコンの陥凹中にタングステンをエッチングすることを、構造にポリシリコン1210が存在することで、前にパターニングしたトレンチ又はビアの側壁にタングステンが堆積していないため、回避できる。特定の材料を、図12F図12Mに関して記載したが、図12Fの多層スタックは、本明細書で示す又は記載する以外の、異なるエッチングコントラストを有する他の誘電材料を含んでもよいと理解されたい。特定の開示した実施形態を使用して、図12Jで表したようなスキームの陥凹領域内に、コンデンサ又は他のメモリセル等、トランジスタ以外の装置を形成してもよい。
【0116】
(装置)
図13は、低圧環境を維持するためのプロセスチャンバ本体1302を有する原子層堆積法(ALD)及び/又は化学気相堆積法(CVD)プロセスステーション1300の実施形態に関する略図を表している。複数のプロセスステーション1300を、一般的な低圧プロセスツール環境に含んでもよい。例えば、図14及び図15は、マルチステーション処理ツールの例示的な実施形態を表している。幾つかの実施形態では、以下で詳述するものを含むALDプロセスステーション1300の1つ又は複数のハードウェアパラメータを、1つ又は複数のコンピュータコントローラ1350によってプログラム的に調節してもよい。
【0117】
プロセスステーション1300は、プロセスガスを分散シャワーヘッド1306に送給する反応物送給システム1301aと流体連通する。反応物送給システム1301aは、シャワーヘッド1306に送給する、シリコン前駆体ガス、又は第2反応物ガス(例えば、酸素含有反応物、炭素含有反応物等)等のプロセスガスを、配合及び/又は調整するための混合容器1304を含む。1つ又は複数の混合容器入口弁1320は、プロセスガスの混合容器1304への導入を制御してもよい。プラズマを、シャワーヘッド1306に送給してもよい、或いはプロセスステーション1300内で発生させてもよい。反応物送給システム1301aを、プロセスガスを、プロセスステーション1300に提供した基板に送給するように、構成してもよい。
【0118】
一例として、図13の実施形態は、混合容器1304に供給する液体反応物を気化するための気化点1303を含む。幾つかの実施形態では、気化点1303を、加熱した気化器としてもよい。かかる気化器から発生した反応物の飽和蒸気は、下流の送給配管で凝縮することがある。不適合ガスが凝縮した反応物に暴露されると、小粒子が生じることがある。これらの小粒子は、配管を詰まらせたり、弁動作を妨害したり、基板を汚染したりする可能性がある。これらの問題を解消する幾つかのアプローチは、残留反応物を除去するために、送給配管をパージ及び/又は排気することを伴う。しかしながら、送給配管のパージは、プロセスステーションのサイクル時間を増加させ、プロセスステーションのスループットを低下させる可能性がある。従って、幾つかの実施形態では、気化点1303の下流にある送給配管を、ヒートトレースしてもよい。また、幾つかの実施形態では、混合容器1304も、ヒートトレースしてもよい。一つの非限定的な例では、気化点1303の下流にある配管は、約100℃から混合容器1304での約150℃に及ぶ昇温プロファイルを有する。
【0119】
幾つかの実施形態では、液体前駆体又は液体反応物を、液体インジェクタで気化させてもよい。例えば、液体インジェクタは、液体反応物のパルスを、混合容器の上流で、搬送ガス流に注入してもよい。一実施形態では、液体インジェクタは、液体を高圧から低圧にフラッシュすることによって、反応物を気化させてもよい。別の実施例では、液体インジェクタは、液体を霧化して、分散した微小滴にし、その後、微小滴を加熱した送給配管内で気化させてもよい。小滴ほど、大滴より速く気化し、液体注入と完全な気化との間の遅延を少なくさせ得る。より速く気化することで、気化点1303から下流の配管長を短くし得る。1つのシナリオでは、液体インジェクタを、混合容器1304に直接取付けてもよい。別のシナリオでは、液体インジェクタを、シャワーヘッド1306に直接取付けてもよい。
【0120】
幾つかの実施形態では、液体流量コントローラ(LFC:liquid flow controller)を、気化点1303の上流に、気化してプロセスステーション1300に送給する液体の質量流量を制御するために、設けてもよい。例えば、LFCは、LFCの下流に配設する熱式質量流量計(MFM:mass flow meter)を含んでもよい。その後、LFCのプランジャ弁を、MFMと電気的に連絡する比例積分微分(PID:proportional-integral-derivative)コントローラによって提供するフィードバック制御信号に応答して調節してもよい。しかしながら、フィードバック制御を使用して液体流量を安定させるのに、1秒以上かかるかも知れない。これにより、液体反応物をドージングするための時間が延びる虞がある。従って、幾つかの実施形態では、LFCを、フィードバック制御モードと直接制御モードとで動的に切替えてもよい。幾つかの実施形態では、これを、LFCの感知管及びPIDコントローラを無効にすることによって、実行してもよい。
【0121】
シャワーヘッド1306は、基板1319に向けてプロセスガスを分散させる。図13に示した実施形態では、基板1319を、シャワーヘッド1306の下に配設し、台座1308上に載置して示している。シャワーヘッド1306は、任意の適当な形状としてもよく、基板1319にプロセスガスを分散させるための任意の適当な数及び配置を有してもよい。
【0122】
幾つかの実施形態では、台座1308を昇降させて、基板1319を、基板1319とシャワーヘッド1306間の体積に、暴露してもよい。当然のことながら、幾つかの実施形態では、台座の高さを、適当なコンピュータコントローラ1350によってプログラム的に調節してもよい。
【0123】
別のシナリオでは、台座1308の高さを調節することで、プラズマ密度を、プラズマを点火する実施形態のプロセスにおいて、プラズマ活性化サイクル中に変更可能にしてもよい。処理段階の終了時に、台座1308を、別の基板の移送段階中に、下降させて、基板1319を台座1308から除去可能にしてもよい。
【0124】
幾つかの実施形態では、台座1308を、ヒータ1310を介して温度制御してもよい。幾つかの実施形態では、台座1308を、少なくとも約250℃の温度に、又は幾つかの実施形態では、約250℃等の約300℃未満に、開示した実施形態で記載するような窒化シリコン膜の堆積中に、加熱してもよい。幾つかの実施形態では、台座を、約200℃~約275℃の温度に等、約50℃~約300℃の温度に設定する。幾つかの実施形態では、台座を、約50℃~約300℃の温度に設定する。幾つかの実施形態では、台座を、約200℃~約275℃の温度に設定する。
【0125】
更に、幾つかの実施形態では、プロセスステーション1300のための圧力制御を、バタフライ弁1312によって提供してもよい。図13の実施形態に示すように、バタフライ弁1312は、下流の真空ポンプ(図示せず)によって提供される真空をスロットル調整する。しかしながら、幾つかの実施形態では、プロセスステーション1300の圧力制御を、プロセスステーション1300に導入する1つ又は複数のガスの流量を変えることによって調節してもよい。
【0126】
幾つかの実施形態では、シャワーヘッド1306の位置を、基板1319とシャワーヘッド1306間の体積を変化させるために、台座1308に対して調節してもよい。更に、当然のことながら、台座1308及び/又はシャワーヘッド1306の垂直方向の位置を、本開示の範囲内の任意の適当なメカニズムによって変化させてもよい。幾つかの実施形態では、台座1308は、基板1319の向きを回転させるための回転軸を含んでもよい。当然のことながら、幾つかの実施形態では、これらの例示的な調節の1つ又は複数を、1つ又は複数の適当なコンピュータコントローラ1350によってプログラム的に実行してもよい。
【0127】
プラズマを上述したように使用してもよい幾つかの実施形態では、シャワーヘッド1306及び台座1308は、プラズマに電力供給するための無線周波数(RF)電力供給装置1314及びマッチングネットワーク1316と、電気的に連絡する。幾つかの実施形態では、プラズマエネルギを、プロセスステーション圧力、ガス濃度、RF源電力、RF源周波数、及びプラズマ電力パルスタイミングの1つ又は複数を制御することによって、制御してもよい。例えば、RF電力供給装置1314及びマッチングネットワーク1316を、任意の適当な電力で動作して、特定の組成のラジカル種を有するプラズマを形成してもよい。適当な電力の例は、上記に含まれている。同様に、RF電力供給装置1314は、適当な周波数のRF電力を提供してもよい。幾つかの実施形態では、RF電力供給装置1314を、高周波及び低周波RF電源を互いに独立して制御するよう構成してもよい。低周波RF周波数の例として、0kHz~500kHzの周波数を挙げてもよいが、これらに限定されない。高周波RF周波数の例として、1.8MHz~2.45GHzの周波数、又は、約13.56MHz超、又は27MHz超、又は180MHz超、又は60MHz超を挙げてもよいが、これらに限定されない。当然のことながら、任意の適当なパラメータを、プラズマエネルギを表面反応に提供するように、離散的又は連続的に調整してもよい。
【0128】
幾つかの実施形態では、プラズマを、1つ又は複数のプラズマモニタによって、インサイチュで監視してもよい。1つのシナリオでは、プラズマ電力を、1つ又は複数の電圧、電流センサ(例えば、VIプローブ)によって監視してもよい。別のシナリオでは、プラズマ密度及び/又はプロセスガス濃度を、1つ又は複数の発光分光センサ(OES:optical emission spectroscopy sensor)によって測定してもよい。幾つかの実施形態では、1つ又は複数のプラズマパラメータを、かかるインサイチュプラズマモニタからの測定値に基づいて、プログラム的に調節してもよい。例えば、OESセンサを、プラズマ電力のプログラム制御を提供するためのフィードバックループで使用してもよい。当然のことながら、幾つかの実施形態では、他のモニタを使用して、プラズマ及び他のプロセス特性を監視してもよい。かかるモニタとして、赤外線(IR)モニタ、音響モニタ、及び圧力トランスデューサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
幾つかの実施形態では、コントローラ1350に対する命令を、入力/出力制御(IOC)シーケンス命令を介して提供してもよい。一実施例では、プロセス段階の条件を設定する命令を、プロセスレシピの対応するレシピ段階に含んでもよい。場合によっては、プロセスレシピ段階を、順次配置し、それによりプロセス段階の全命令が、そのプロセス段階と同時に実行されるようにしてもよい。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の反応器パラメータを設定する命令を、レシピ段階に含んでもよい。例えば、第1レシピ段階は、不活性ガス及び/又は反応ガス(例えば、シリコン前駆体等の第1前駆体)の流量を設定する命令、搬送ガス(アルゴン等)の流量を設定する命令、及び第1レシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。続く第2のレシピ段階は、不活性ガス及び/又は反応ガスの流量を調整又は停止する命令、搬送ガス又はパージガスの流量を調整する命令、及び第2レシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。第3レシピ段階は、第2反応ガスの流量を調整する命令、搬送ガス又はパージガスの流量を調整する命令、及び第3レシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。続く第4のレシピ段階は、不活性ガス及び/又は反応ガスの流量を調整又は停止する命令、搬送ガス又はパージガスの流量を調整する命令、及び第4レシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。当然のことながら、これらのレシピ段階を、開示した実施形態の範囲内で任意の適当な方法で、更に細分化及び/又は反復してもよい。
【0130】
前述したように、1つ又は複数のプロセスステーションを、マルチステーション処理ツールに含んでもよい。図14は、投入ロードロック1402と排出ロードロック1404を備えるマルチステーション処理ツール1400の一実施形態の概略図を示しており、該ロードロックの一方又は両方は、遠隔プラズマ源を含んでもよい。ロボット1406を、大気圧で、ポッド1408を通して装填したカセットから大気圧ポート1410を介して投入ロードロック1402内にウエハを移動させるように構成する。ウエハを、ロボット1406によって、投入ロードロック1402内にある台座1412上に置き、大気圧ポート1410を閉鎖し、ロードロックをポンプダウンする。投入ロードロック1402が遠隔プラズマ源を含む場合、処理チャンバ1414内に導入する前に、ウエハに、ロードロック内で遠隔プラズマ処理を施してもよい。更に、ウエハを、例えば、水分や吸着ガスを除去するために、投入ロードロック1402内でも加熱してもよい。次に、処理チャンバ1414へのチャンバ輸送ポート1416を開き、別のロボット(図示せず)が、ウエハを、反応器内に入れ、処理のために反応器内に図示した第1ステーションの台座上に置く。図14で表した実施形態はロードロックを含むが、当然のことながら、幾つかの実施形態では、ウエハがプロセスステーション内に直接進入するようにしてもよい。
【0131】
図示した処理チャンバ1414は、図14で示した実施形態では、1~4と付番した4つのプロセスステーションを含む。各ステーションは、加熱台座(ステーション1に関して参照番号1418で示した)、及びガスライン入口を有する。当然のことながら、幾つかの実施形態では、各プロセスステーションは、異なる又は複数の目的を有してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、プロセスステーションは、ALDモードとプラズマ支援ALDプロセスモードとの間で切替可能としてもよい。付加的に又は代替的に、幾つかの実施形態では、処理チャンバ1414は、ALDプロセスステーションとプラズマ支援ALDプロセスステーションの1つ又は複数の対応対を含んでもよい。図示した処理チャンバ1414は4つのステーションを含むが、本開示による処理チャンバは、任意の適当な数のステーションを有してもよいと理解されたい。例えば、幾つかの実施形態では、処理チャンバは、5つ以上のステーションを有してもよく、他の実施形態では、処理チャンバは、3つ以下のステーションを有してもよい。
【0132】
図14は、処理チャンバ1414内でウエハを移送するためのウエハハンドリングシステム1490の一実施形態を表している。幾つかの実施形態では、ウエハハンドリングシステム1490は、様々なプロセスステーション間、及び/又はプロセスステーションとロードロック間でウエハを移送してもよい。当然のことながら、任意の適当なウエハハンドリングシステムを採用してもよい。非限定的な例として、ウエハカルーセルやウエハハンドリングロボットが挙げられる。
【0133】
当然のことながら、幾つかの実施形態では、低圧移送チャンバを、複数の処理チャンバ間の移送を容易にするために、マルチステーション処理ツールに含んでもよい。例えば、図14は、マルチステーション処理ツール1400の別の実施形態を模式的に示している。図14で示す実施形態では、マルチステーション処理ツール1400は、複数のプロセスステーション(1~4と付番した)を含む複数の処理チャンバ1414を含む。処理チャンバ1414を、処理チャンバ1414とロードロック1419間で基板を輸送するように構成したロボット1406を含む低圧輸送チャンバ1404と連動させる。大気ロボット1412を含む、大気基板移送モジュール1410を、ロードロック1419とポッド1408間での基板の移送を容易にするように構成する。
【0134】
また、図14は、プロセスツール1400のプロセス条件及びハードウェア状態を制御するために採用するシステムコントローラ1450の一実施形態も表している。システムコントローラ1450は、1つ又は複数のメモリ装置1456、1つ又は複数の大容量記憶装置1454、1つ又は複数のプロセッサ1452を含んでもよい。プロセッサ1452は、CPU又はコンピュータ、アナログ及び/又はデジタル入出力接続、ステッパモータコントローラボード等を含んでもよい。
【0135】
幾つかの実施形態では、システムコントローラ1450は、プロセスツール1400の全ての活動を制御する。システムコントローラ1450は、大容量記憶装置1454に記憶され、メモリ装置1456にロードされ、プロセッサ1452で実行されるシステム制御ソフトウェア1458を実行する。或いは、制御論理を、コントローラ1450にハードコード化してもよい。特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はFPGA)等を、これらの目的に使用してもよい。以下の論述では、「ソフトウェア」又は「コード」を使用する場合には常に、機能的に同等のハードコード化された論理を代わりに使用してもよい。システム制御ソフトウェア1458は、タイミング、ガスの混合、ガス流量、チャンバ及び/又はステーション圧力、チャンバ及び/又はステーション温度、ウエハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、基板台座、チャック及び/又はサセプタ位置、及びプロセスツール1400によって実行される特定のプロセスの他のパラメータを、制御する命令を含んでもよい。システム制御ソフトウェア1458を、任意の適当な方法で構成してもよい。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチン又は制御オブジェクトを、様々なプロセスツールプロセスを実行するのに使用するプロセスツール構成要素の動作を制御するように、書いてもよい。システム制御ソフトウェア1458を、任意の適当なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化してもよい。
【0136】
幾つかの実施形態では、システム制御ソフトウェア1458は、上述した様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含んでもよい。システムコントローラ1450に関連付けられる大容量記憶装置1454及び/又はメモリ装置1456に記憶されている他のコンピュータソフトウェア及び/又はプログラムを、幾つかの実施形態では、採用してもよい。このためのプログラム又はプログラムの一部の例としては、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、及びプラズマ制御プログラムが挙げられる。
【0137】
基板位置決めプログラムは、台座1418上に基板を装填するのに、及び基板とプロセスツール1400の他の部分との間の間隔を制御するのに使用するプロセスツール構成要素のためのプログラムコードを含んでもよい。
【0138】
プロセスガス制御プログラムは、ガス組成(例えば、シリコン前駆体ガス、及び本明細書に記載するような炭素含有ガス、搬送ガス及びパージガス)及び流量を制御するためのコード、及び任意選択で、プロセスステーション内の圧力を安定させるために堆積前にガスを1つ又は複数のプロセスステーション内に流入するためのコードを含んでもよい。圧力制御プログラムは、例えば、プロセスステーションの排気システム内のスロットル弁やプロセスステーション内へのガス流等を調整することによってプロセスステーション内の圧力を制御するためのコードを含んでもよい。
【0139】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するのに使用する加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含んでもよい。或いは、ヒータ制御プログラムは、基板への伝熱ガス(ヘリウム等)の送給を制御してもよい。
【0140】
プラズマ制御プログラムは、本明細書における幾つかの実施形態に従い1つ又は複数のプロセスステーション内でプロセス電極に印加するRF電力レベルを設定するためのコードを含んでもよい。
【0141】
圧力制御プログラムは、本明細書における幾つかの実施形態に従い反応チャンバ内の圧力を維持するためのコードを含んでもよい。
【0142】
幾つかの実施形態では、システムコントローラ1450に関連付けるユーザインタフェースが存在してもよい。ユーザインタフェースは、ディスプレイ画面、装置及び/又はプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、及びポインティング装置、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン等のユーザ入力装置を含んでもよい。
【0143】
幾つかの実施形態では、システムコントローラ1450によって調節するパラメータは、プロセス条件に関係してもよい。非限定的な例としては、プロセスガス組成及び流量、温度、圧力、プラズマ条件(例えばRFバイアス電力レベル)等が挙げられる。これらのパラメータを、ユーザインタフェースを利用して入力してもよいレシピの形でユーザに提供してもよい。
【0144】
プロセスを監視するための信号を、様々なプロセスツールセンサから、システムコントローラ1450のアナログ及び/又はデジタル入力接続によって提供してもよい。プロセスを制御するための信号を、プロセスツール1400のアナログ及びデジタル出力接続で出力してもよい。監視されてもよいプロセスツールセンサの非限定的な例としては、マスフローコントローラ、圧力センサ(マノメータ等)、熱電対等が挙げられる。これらのセンサからのデータと共に、適切にプログラムされたフィードバック及び制御アルゴリズムを使用して、プロセス条件を維持してもよい。
【0145】
システムコントローラ1450は、上述した堆積プロセスを実装するためのプログラム命令を提供してもよい。プログラム命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、圧力、温度等の様々なプロセスパラメータを制御してもよい。命令は、本明細書に記載した様々な実施形態に従って膜スタックのインサイチュ堆積を動作するように、パラメータを制御してもよい。
【0146】
システムコントローラ1450は、通常、1つ又は複数のメモリ装置、及び開示した実施形態に従い方法を装置が行うように命令を実行するよう構成する1つ又は複数のプロセッサを含む。開示した実施形態に従いプロセス動作を制御するための命令を含む機械可読媒体を、システムコントローラ1450に結合してもよい。
【0147】
幾つかの実装では、システムコントローラ1450は、システムの一部であり、システムは、上述した例の一部であってもよい。かかるシステムは、1つ又は複数の処理ツール、1つ又は複数のチャンバ、1つ又は複数の処理用プラットフォーム、及び/又は特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システム等)を含む半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムを、半導体ウエハ又は基板の処理前、処理中、及び処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化してもよい。かかる電子機器は、「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つ又は複数のシステムの様々な構成要素又は副部品を制御してもよい。システムコントローラ1450を、処理条件及び/又はシステムの種類に応じて、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置及び動作設定、並びに、ツール及び特定のシステムと接続若しくは連動する他の移送ツール及び/又はロードロックの内外へのウエハ移送を含む、本明細書に開示したプロセスの何れかを制御するように、プログラムしてもよい。
【0148】
広義には、システムコントローラ1450を、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすること等を行う、様々な集積回路、論理、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器と定義してもよい。集積回路は、ファームウェアの形でプログラム命令を記憶するチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)として定義されるチップ、及び/又は1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(又はプログラムファイル)の形で、システムコントローラ1450に通信され、半導体ウエハ上での又は半導体ウエハのための、又はシステムに対する特定のプロセスを実行するための動作パラメータを定義する命令としてもよい。動作パラメータは、幾つかの実施形態において、ウエハの1層又は複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、及び/又はダイの作製中に1つ又は複数の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部としてもよい。
【0149】
システムコントローラ1450は、幾つかの実装では、システムと一体化されるか、システムに結合されるか、その他の方法でシステムとネットワーク接続されるか、又はそれらの組み合わせでシステムに結合されるコンピュータの一部としてもよいし、かかるコンピュータに結合されてもよい。例えば、システムコントローラ1450は、「クラウド」内に存在してもよい、又はファブホストコンピュータシステムの全部若しくは一部であってもよく、これにより、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にできる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、作製動作の現在の進捗状況を監視する、過去の作製動作の履歴を調べる、又は複数の作製動作からの傾向若しくは性能測定基準を調べて、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に続く処理ステップを設定する、又は新たなプロセスを開始してもよい。幾つかの実施例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを介して、システムにプロセスレシピを提供でき、該ネットワークは、ローカルネットワーク又はインターネットを含んでもよい。リモートコンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでもよく、かかるパラメータ及び/又は設定は、その後、リモートコンピュータからシステムに通信される。幾つかの実施例では、システムコントローラ1450は、データの形で命令を受信し、命令は、1つ又は複数の動作中に実行される各処理ステップのためのパラメータを指定する。パラメータは、実行されるプロセスの種類、及びシステムコントローラ1450が連動又は制御するよう構成されるツールの種類に固有としてもよいと理解されるべきである。従って、上述のように、システムコントローラ1450を、互いにネットワーク接続され、本明細書に記載のプロセス及び制御等の、共通の目的に向けて協働する1つ又は複数の別個のコントローラを含むこと等によって分散させてもよい。かかる目的のための分散コントローラの例として、チャンバにある1つ又は複数の集積回路であって、遠隔に(プラットフォームレベルにある、又はリモートコンピュータの一部として等)位置し、チャンバにおけるプロセスを制御するよう組合わされる1つ又は複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0150】
限定はしないが、システムの例として、プラズマエッチングチャンバ又はモジュール、堆積チャンバ又はモジュール、スピンリンスチャンバ又はモジュール、金属メッキチャンバ又はモジュール、洗浄チャンバ又はモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバ又はモジュール、物理気相堆積法(PVD)チャンバ又はモジュール、化学気相堆積法(CVD)チャンバ又はモジュール、ALDチャンバ又はモジュール、原子層エッチング(ALE:atomic layer etch)チャンバ又はモジュール、イオン注入チャンバ又はモジュール、トラックチャンバ又はモジュール、及び半導体ウエハの作製及び/又は製造に関連する又は使用されてもよい任意のその他の半導体処理システムを含んでもよい。
【0151】
上述のように、ツールによって実行される1つ又は複数のプロセスステップに応じて、システムコントローラ1450は、他のツール回路又はモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、或いは、半導体製造工場内のツール位置及び/又はロードポートに向かって又はそこからウエハのコンテナを運ぶ材料輸送に使用されるツール、の中の1つ又は複数と通信してもよい。
【0152】
図15は、投入ロードロック1502及び排出ロードロック1504を有するマルチステーション処理ツール1500の一実施形態の概略図であり、投入ロードロック1502と排出ロードロック1504のどちらか又は両方は、遠隔プラズマ源を含んでもよい。適当なツールの業務用実施形態の一例は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能なStrataツールである。
【0153】
図示した処理ツール1500は、4つの処理チャンバ1510a、1510b、1510c、及び1510dを含む。各処理チャンバは、4つの処理ステーションを含み、各処理ステーションを、処理チャンバ1510aでは、1、2、3、及び4と表記している。各ステーションは、加熱台座(処理チャンバ1510aで、処理ステーション1用に示した)、及びガスライン入口を有する。当然のことながら、幾つかの実施形態では、各プロセスステーションは、異なる又は複数の目的を有してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、処理ステーションは、PECVD、ALD、及びプラズマ支援ALDプロセスモード間で切替可能としてもよい。付加的に又は代替的に、幾つかの実施形態では、処理チャンバ1510aは、PECVD、ALD及びプラズマ支援ALDプロセスステーションの1つ又は複数の対応対を含んでもよい。図示した処理チャンバ1510bは4つのステーション1、2、3及び4を含むが、本開示による処理チャンバは、任意の適当な数のステーションを有してもよいと理解されたい。各処理チャンバ内の各ステーションを、1つの材料を各ステーションで堆積させるようにして、4つの異なる材料を処理するのに使用してもよい。幾つかの実施形態では、各ステーションを、4つの異なる材料を堆積するのに使用できる。幾つかの実施形態では、単一のステーションの処理チャンバを使用してもよい。幾つかの実施形態では、4ステーションの処理チャンバを使用してもよい。
【0154】
更に、処理ツール1500では、4つの処理チャンバを示しているが、処理ツールは、4つ以上又は4つ未満の処理チャンバを含んでもよく、各チャンバが1つ又は複数の処理ステーションを有すると理解されたい。例えば、幾つかの実施形態では、処理チャンバは、5つ以上のステーションを有してもよく、他の実施形態では、処理チャンバは、3つ以下のステーションを有してもよい。
【0155】
図15は、処理ツール1500内で、処理チャンバ1510a、1510b、1510c、及び1510d間でウエハを移送するためのウエハハンドリングシステム1590を含む。
【0156】
幾つかの実施形態では、ウエハハンドリングシステム1590は、様々なプロセスステーション間及び/又はプロセスステーションとロードロック間でウエハを移送してもよい。当然のことながら、任意の適当なウエハハンドリングシステムを採用してもよい。非限定的な例として、ウエハカルーセルやウエハハンドリングロボットが挙げられる。
【0157】
また、図15は、プロセスツール1500のプロセス条件及びハードウェア状態を制御するために採用するシステムコントローラ1550の一実施形態も表している。システムコントローラ1550は、1つ又は複数のメモリ装置1556、1つ又は複数の大容量記憶装置1554、1つ又は複数のプロセッサ1552を含んでもよい。プロセッサ1552は、CPU又はコンピュータ、アナログ及び/又はデジタル入出力接続、ステッパモータコントローラボード等を含んでもよい。
【0158】
幾つかの実施形態では、システムコントローラ1550は、プロセスツール1500の全ての活動を制御する。システムコントローラ1550は、大容量記憶装置1554に記憶され、メモリ装置1556にロードされ、プロセッサ1552で実行されるシステム制御ソフトウェア1558を実行する。或いは、制御論理を、コントローラ1550にハードコード化してもよい。特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はFPGA)等を、これらの目的に使用してもよい。以下の論述では、「ソフトウェア」又は「コード」を使用する場合には常に、機能的に同等のハードコード化された論理を代わりに使用してもよい。システム制御ソフトウェア1558は、タイミング、ガスの混合、ガス流量、チャンバ及び/又はステーション圧力、チャンバ及び/又はステーション温度、ウエハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、基板台座、チャック及び/又はサセプタ位置、及びプロセスツール1500によって実行される特定のプロセスの他のパラメータを、制御する命令を含んでもよい。システム制御ソフトウェア1558を、任意の適当な方法で構成してもよい。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチン又は制御オブジェクトを、様々なプロセスツールプロセスを実行するのに使用するプロセスツール構成要素の動作を制御するように、書いてもよい。システム制御ソフトウェア1558を、任意の適当なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化してもよい。
【0159】
コントローラ1550は、コントローラ1450に関して上述したどの特徴も有してもよい。
【0160】
本明細書に開示した方法を実行するための適切な装置については、2011年4月11日に出願された「PLASMA ACTIVATED CONFORMAL FILM DEPOSITION」と題する米国特許出願第13/084,399号(現在の米国特許第8,728,956号);及び2011年4月11日に出願された「SILICON NITRIDE FILMS AND METHODS」と題する米国特許出願第13/084,305号で、更に記述され、説明されており、これら特許出願其々を、全体として本明細書に援用する。
【0161】
本明細書に記載した装置/プロセスを、例えば、半導体装置、ディスプレイ、LED、光起電力パネル等の作製又は製造のために、リソグラフィパターニングツール又はプロセスと併せて使用してもよい。一般的には、必須ではないが、かかるツール/プロセスを、共通の作製施設で共に使用又は実施するだろう。膜のリソグラフィパターニングは、一般的には、以下の動作の幾つか又は全てを含み、各動作は、使用可能な多くのツールを用いて可能になる:(1)スピンオンツール又はスプレーオンツールを使用して、ワークピース、即ち基板上にフォトレジストを塗布する動作;(2)ホットプレート又は炉又はUV硬化ツールを使用してフォトレジストを硬化する動作;(3)ウエハステッパ等のツールを用いて可視光又はUV光又はX線光にフォトレジストを露光する動作;(4)レジストを選択的に除去してパターニングするために、ウェットベンチ等のツールを使用して、レジストを現像する動作;(5)ドライエッチングツール又はプラズマ支援エッチングツールを使用することによって、下層の膜又はワークピースにレジストパターンを転写する動作;及び(6)RF又はマイクロ波プラズマレジスト剥ぎ取り器等のツールを使用してレジストを除去する動作。
【0162】
(実験)
2酸化シリコン層間に複数組の無金属層、上側の酸化シリコン層上にアッシャブルハードマスク層を有する多層スタックに、高アスペクト比のトレンチをエッチングする実験を行った。無金属層の組には、シリコン含有層を含めた。無金属層には、タングステンを全く含まなかった。4~12組の無金属層が基板に存在した。高アスペクト比フィーチャを、エッチングし、その結果得られたフィーチャは、配線破壊(line collapse)がなく、滑らかなプロファイルを示した。
【0163】
無金属層の複数組を有するパターニングされた多層スタックにおいて酸化シリコン材料の側壁を陥凹する第2の実験を行った。無金属層の各組には、少なくとも1つの酸化シリコン層を含めた。多層スタックは、パターニングされるため、多層スタックのピラーを、多層ピラー全体に亘り酸化シリコン層の側壁が一緒にエッチングされるように、同時にエッチングした。ピラー間の空間は、アスペクト比が約25:1~約35:1のネガ型フィーチャであった。少なくとも50:1のエッチング選択比を、基板上の酸化シリコン対他のシリコン含有無金属層に対して、達成した。エッチングを、100:1の希HFを使用して実行した。高等方性のエッチング選択比を、酸化シリコン材料対窒化シリコン、ポリシリコン、及び酸化炭化シリコン材料に対して、達成した。
【0164】
(結論)
本明細書に記載した範囲は、それらの端点を含む。前述の実施形態については、理解を明確にするために幾分詳細に説明したが、特定の変更や変形が、付記したクレームの範囲内で実施されてもよいことは、明らかであろう。本実施形態のプロセス、システム、及び装置を実装する多くの代替方法がある点に留意すべきである。従って、本実施形態は、制限ではなく、例示と見なされ、且つ本実施形態は、本明細書で述べた詳細に限定されないものとする。本開示は以下の形態により実現されてもよい。
[形態1]
方法であって、
半導体基板を提供すること、
少なくとも3つの異なる材料を有し、前記3つの異なる材料の少なくとも1つが犠牲層である無金属多層スタックを堆積すること、
前記少なくとも3つの異なる材料を有する前記無金属多層スタックに、トレンチ又はビアをエッチングすること、
前記トレンチ又はビアをエッチングした後に、前記無金属多層スタックの他の材料に対して犠牲層を選択的にエッチングして、前記無金属多層スタックの層間に少なくとも1つの空間を形成すること、及び
前記少なくとも1つの空間に金属を堆積して、エッチングされたトレンチ又はビアを備える金属含有多層スタックを形成すること、
を備える方法。
[形態2]
形態1に記載の方法であって、
前記無金属多層スタックは、3つの異なる材料を、含む方法。
[形態3]
形態1に記載の方法であって、前記無金属多層スタックは、4つの異なる材料を、含む方法。
[形態4]
形態1の方法であって、
前記トレンチ又はビアをエッチングした後で、前記犠牲層を選択的にエッチングする前に、前記無金属多層スタックの前記トレンチ又はビアの側壁に誘電材料を陥凹させることを、更に含む方法。
[形態5]
形態1に記載の方法であって、
前記犠牲層を、ポリシリコンと窒化シリコンから成る群から選択する、方法。
[形態6]
形態1に記載の方法であって、
前記少なくとも3つの異なる材料は、酸化シリコン、アンドープポリシリコン、ドープポリシリコン、窒化シリコン、酸素ドープ炭化シリコン、及び窒素ドープ炭化シリコンから成る群から選択する材料を含む、方法。
[形態7]
形態1に記載の方法であって、
前記無金属多層スタックの層を、原子層堆積法、化学気相堆積法、プラズマ支援化学気相堆積法、及び物理気相堆積法から成る群から選択する技術によって堆積する、方法。
[形態8]
形態1に記載の方法であって、
前記無金属多層スタックの層を、単一ツールの異なるチャンバで堆積する、方法。
[形態9]
形態1に記載の方法であって、
前記無金属多層スタックの層を、真空を破壊せずに堆積する、方法。
[形態10]
形態1に記載の方法であって、
前記トレンチ又はビアをエッチングした後に、前記少なくとも3つの異なる材料の1つを陥凹させて、前記ビアの陥凹領域を形成すること、
誘電材料又は半導体材料を、前記トレンチ又はビアに堆積すること、
前記トレンチ又はビアに、前記誘電材料又は半導体材料をエッチバックして、滑らかな側壁を形成し、前記誘電材料を、前記陥凹領域に残すこと、及び
前記犠牲窒化シリコンを選択的にエッチングする前に、ゲート材料を前記トレンチ又はビアに堆積することを、更に含む方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図12I
図12J
図12K
図12L
図12M
図13
図14
図15