(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
G03F 1/84 20120101AFI20240917BHJP
G03F 1/62 20120101ALI20240917BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20240917BHJP
G01N 21/892 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
G03F1/84
G03F1/62
G01N21/956 A
G01N21/892 A
(21)【出願番号】P 2021518877
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 EP2019078152
(87)【国際公開番号】W WO2020083731
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-11
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】サフィノウスキー,パーヴェル
(72)【発明者】
【氏名】ブラウンス,デルク,ゼルヴァーティウス,ゲートルダ
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-501216(JP,A)
【文献】特開2004-064079(JP,A)
【文献】特開2007-042522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00-1/86
G01N 21/84-21/958
H01L 21/64-21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
EUVリソグラフィ装置で使用されるオブジェクトを検査するための検査装置であって、
真空チャンバと、
前記真空チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成するロードロックと、
前記ロードロックから第1のオブジェクトを受け取り、前記第1のオブジェクトを前記真空チャンバの内部に移動させるように構成されたステージ装置と、
前記ロードロックから前記ステージ装置への前記オブジェクトの移送及びその逆の移送を行うように構成された移送機構と、を備え、
前記真空チャンバが、第2のオブジェクトを一時的に保管するためのパーキング位置を有し、
前記移送機構及び前記パーキング位置を使用することにより、前記第1のオブジェクトが測定を受けている間に、前記第2のオブジェクト
がロード又はアンロードされる、検査装置。
【請求項2】
前記移送機構が、少なくとも部分的に前記ロードロックの内部に配置される、請求項
1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記移送機構が、前記ステージ装置に取り付けられる、請求項
1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記ロードロックが、第1のドアと、第2のドアと、ロードロックチャンバと、を備え、
前記第1のドアが、前記周囲環境を前記ロードロックチャンバから分離するように構成され、
前記第2のドアが、前記真空チャンバを前記ロードロックチャンバから分離するように構成される、請求項1から
3の何れか一項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記パーキング位置は、第1のパーキング位置と第2のパーキング位置とを含み、
前記ステージ装置が、前記ステージ装置から前記第1のパーキング位置へのオブジェクトの移送及びその逆の移送を行うように構成され、
前記ステージ装置が、前記ステージ装置から前記第2のパーキング位置へのオブジェクトの移送及びその逆の移送を行うように構成される、請求項1に記載の検査装置。
【請求項6】
前記ステージ装置が、前記オブジェクトを保持するためのホルダを備える、請求項1から
5の何れか一項に記載の検査装置。
【請求項7】
EUVリソグラフィ装置で使用されるオブジェクトを検査するための検査装置であって、
真空チャンバと、
前記真空チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成する第1のロードロックと、
前記真空チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成する第2のロードロックと、
前記第1のロードロックから前記真空チャンバへの前記オブジェクトの移送及びその逆の移送を行うための第1の移送機構と、
前記第2のロードロックから前記真空チャンバへの前記オブジェクトの移送及びその逆の移送を行うための第2の移送機構と、
前記第1のロードロックから前記オブジェクトを受け取り、前記オブジェクトを前記真空チャンバの内部に移動させるように構成され、前記オブジェクトを前記第2のロードロックに提供するように構成されたステージ装置と、を備え、
前記第1のロードロック及び前記第2のロードロック
並びに前記第1の移送機構及び前記第2の移送機構を使用することにより、第1のオブジェクトが測定されている間に、前の測定の後に第2のオブジェクトがアンロードされ、後の測定の前に第3のオブジェクトがロードされ、ローディングとアンローディングが同時に行われる、検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2018年10月23日に出願された欧州出願18202014.9及び2019年1月11日に出願された欧州出願19151427.2の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、オブジェクト、具体的にはEUVリソグラフィ装置を使用した集積回路の製造で使用されるオブジェクトの検査に使用できる検査ツール又は装置に関する。具体的には、検査ツール又は装置は、EUVリソグラフィ装置で使用される、パターンが形成されたレチクルを汚染から保護するペリクルを検査するのに使用されることがある。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)でのパターンを、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、その基板上に形成可能なフィーチャの最小サイズを決定する。4~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置は、例えば193nmの波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成するのに使用することができる。
【0005】
[0005] 前述のパターニングデバイスは、EUVリソグラフィ装置の場合に、ペリクルによって保護されることがよくある。ペリクルの貼り付けに先立って、ペリクルは、仕様を満たしているかどうかを判定するために、適格性判定又は検査プロセスを受ける必要がある。
【0006】
[0006] 既知の構成では、このような適格性判定プロセスはかなり時間がかかることがあり、必要な精度を持たないことがある。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本発明の目的は、処理時間を短縮する及び/又は精度を向上させる、ペリクルなどのオブジェクトを検査するための検査装置を提供することである。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、EUVリソグラフィ装置で使用されるペリクルなどのオブジェクトを検査するための検査装置が提供される。本検査装置は、
真空チャンバと、
真空チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成するロードロックと、
ロードロックからオブジェクトを受け取り、オブジェクトを真空チャンバの内部に移動させるように構成されたステージ装置と、を備え、
真空チャンバが、オブジェクトを一時的に保管するための第1のパーキング位置及び第2のパーキング位置を備える。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、EUVリソグラフィ装置で使用されるペリクルなどのオブジェクトを検査するための検査装置が提供される。本検査装置は、
真空チャンバと、
真空チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成する第1のロードロックと、
真空チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成する第2のロードロックと、
第1のロードロックからオブジェクトを受け取り、オブジェクトを真空チャンバの内部に移動させるように構成され、オブジェクトを第2のロードロックに提供するように構成されたステージ装置と、
を備える。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、EUVリソグラフィ装置で使用されるペリクルなどのオブジェクトを検査するための検査装置が提供される。本検査装置は、
オブジェクトを検査するために調節された雰囲気を提供するように構成されたチャンバと、
チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成するロードロックと、
オブジェクトを検査するための放射ビームを生成するように構成された放射ビーム源と、
放射ビームの特性を測定するように構成された放射ビーム測定システムと、を備え、
放射ビーム測定システムが、
放射ビームの光路上の放射ビーム源とオブジェクトとの間に配置された部材であって、放射ビームの一部がオブジェクトに伝搬することを可能にする開口を備えた、部材と、
部材上に配置され、放射ビームの特性を測定するように構成された少なくとも1つの放射センサと、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0008] 本発明の実施形態を、添付の概略図を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0012】
【
図1】リソグラフィ装置及び放射源を備えたリソグラフィシステムを示す。
【
図2A】本発明の第1の態様に係る検査装置の第1の実施形態を示す。
【
図2B】本発明の第1の態様に係る検査装置の第1の実施形態を示す。
【
図2C】本発明の第1の態様に係る検査装置の第1の実施形態を示す。
【
図2D】本発明の第1の態様に係る検査装置の第1の実施形態を示す。
【
図2E】本発明の第1の態様に係る検査装置の第1の実施形態を示す。
【
図2F】本発明の第1の態様に係る検査装置の第1の実施形態を示す。
【
図3A】本発明の第1の態様に係る検査装置の第2の実施形態を示す。
【
図3B】本発明の第1の態様に係る検査装置の第2の実施形態を示す。
【
図3C】本発明の第1の態様に係る検査装置の第2の実施形態を示す。
【
図4】本発明に係る検査装置において適用可能な放射ビーム測定システムを示す。
【
図5】本発明に係る検査装置において適用可能な別の放射ビーム測定システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備えるリソグラフィシステムを示す。放射源SOは、EUV放射ビームBを発生させるように、及び、EUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように、構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムIL、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)を支持するように構成された支持構造MT、投影システムPS、及び、基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTを備える。
【0014】
[0009] 照明システムILは、EUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前にEUV放射ビームBを調節するように構成される。そのため、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を備えることがある。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は共に、EUV放射ビームBに所望の断面形状及び所望の強度分布を与える。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて又はこれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを備えることがある。
【0015】
このように調節された後、EUV放射ビームBはパターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用の結果として、パターン付きEUV放射ビームB’が生成される。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を基板Wに投影するように構成される。この目的のため、投影システムPSは、基板テーブルWTにより保持された基板Wにパターン付きEUV放射ビームB’を投影するように構成された複数のミラー13、14を備えることがある。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’に縮小係数を適用し、これによってパターニングデバイスMAにおける対応するフィーチャよりも小さいフィーチャの像を形成することがある。例えば、4又は8という縮小係数が適用されることがある。投影システムPSは、
図1では2つのミラー13、14のみを有するように示されているが、投影システムPSは異なる数のミラー(例えば6つ又は8つのミラー)を備えることがある。基板Wは、前もって形成されたパターンを含むことがある。この場合、リソグラフィ装置LAは、パターン付きEUV放射ビームB’により形成された像を、基板W上に前もって形成されたパターンと位置合わせする。
【0016】
相対真空、すなわち大気圧を大きく下回る圧力の少量のガス(例えば水素)が、放射源SO、照明システムIL、及び/又は投影システムPS内に提供されることがある。
【0017】
放射源SOは、レーザ生成プラズマ(LPP)源、放電生成プラズマ(DPP)源、自由電子レーザ(FEL)又はEUV放射を生成可能な他の任意の放射源であることがある。
【0018】
本発明は、装置のコンポーネント又は装置で使用されるコンポーネントの製造に関する。装置は、リソグラフィ装置、例えば集積回路チップを製造するのに使用され得る極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置であることがある。コンポーネントは、例えば装置で使用される膜又はペリクルであることがある。
【0019】
コンポーネントの製造中、コンポーネントが一定の基準を満たすことを保証するために、コンポーネントの検査が必要なことがある。一部の検査は、特殊な環境、例えば真空環境で実行されることがある。これは真空チャンバ内に設けられることがある。真空チャンバではコンポーネントの他の処理、測定又は操作も行われ得ることが当然理解されるであろう。真空チャンバ内の真空環境を維持するために、アンティチャンバ(ロードロックとしても知られている)が設けられることがある。ロードロックに周囲圧力でコンポーネントを挿入することができる。次にロードロックは封止され、真空チャンバの真空条件と一致する真空条件がロードロック内に行き渡るまで空気が排出される。次いで、ロードロックが真空チャンバに開口した後、コンポーネントを、検査又はその他の手順が実行されるのに備えてロードロックから真空チャンバに移動させることができる。真空チャンバからコンポーネントを取り去りたい場合は、プロセスを逆転させる。つまり、コンポーネントを真空中でロードロックに移送し、ロードロックを真空チャンバから切り離す。次に、ロードロック内部の空間に空気を送り込むことによって、周囲圧力がロードロックに回復される。周囲圧力に達すると、ロードロックは開き、コンポーネントを取り去ることができる。
【0020】
EUV装置用のペリクルなどの敏感及び/又は繊細なコンポーネントの場合、排気及びベント時間は、低い圧力差を維持することでコンポーネントの機械的完全性を維持するとともに、ガスの流速を低く保つことで汚染のリスクを低下させるために、約数時間である場合がある。これは、真空チャンバ内でコンポーネントを検査するのにかかる時間よりも大幅に長く、例えば最大2倍の長さである場合がある。
【0021】
本発明は上記の問題に対する2つの解決策を開示する。第1の実施形態では、本発明は、例えばEUVリソグラフィ装置で使用されるペリクルなどのオブジェクト又はコンポーネントを検査するための検査装置を提供する。
【0022】
第1の実施形態によれば、検査装置は、
真空チャンバと、
真空チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成するロードロックと、
ロードロックからコンポーネントを受け取り、オブジェクトを真空チャンバ内に移動させるように構成されたステージ装置と、
を備える。
【0023】
[00010] また、第1の実施形態によれば、製造及び/又は検査時間の合計を短縮する、より具体的には、コンポーネントのスループットを向上させるために、第1のコンポーネントのローディング及び/又はアンローディング段階が第2のコンポーネントが検査されているのと同時に行われ得るように、真空チャンバの一部をコンポーネントの保管のために使用することが提案される。
【0024】
具体的には、本発明のある実施形態では、検査装置の真空チャンバは第1のパーキング位置及び第2のパーキング位置を備える。本発明によれば、パーキング位置は、コンポーネントを一時的に保管し得る位置又は場所を指す。
【0025】
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、真空チャンバの内部に2つのパーキング位置を提供することが提案される。以下で説明されるように、真空チャンバの内部に2つのパーキング位置を採用することで、第1のコンポーネントがロードロックの内部に存在する間に、例えばロードロックから空気を排出したり、ロードロックに空気を送り込んだりすることを含むロードロックの操作が、例えば真空チャンバの内部に配置されている第2のコンポーネントの検査などの処理と同時に可能になる。このプロセスの可能な手順が以下の
図2Aから
図2Fで詳しく説明される。
図2Aから
図2Fは、本発明に係る検査装置100の平面図を概略的に示している。示されている実施形態では、検査装置は、PP1及びPP2としても示される2つのパーキング位置140.1及び140.2を含む真空チャンバ110と、ロードロック120と、ステージ装置130と、を備える。
【0026】
ある実施形態では、ロードロック120などのロードロックは、第1の雰囲気と第2の雰囲気との間の、例えば周囲雰囲気又は環境と真空環境との間のインターフェイスと見なされることがある。このようなロードロックは、例えば第1のドア120.1(点線)と、第2のドア120.2と、ロードロックチャンバ120.3と、を備えることがあり、第1のドア120.1は、周囲環境をロードロックチャンバ120.3から分離するように構成され、第2のドア120.2は、真空チャンバ110をロードロックチャンバ120.3から分離するように構成される。一般に、ロードロックチャンバ120.3は、コンポーネント、例えばプロダクトA又はプロダクトBを収容するのに十分な大きさである方がよい。
【0027】
[00011]
図2Aは、第2のコンポーネント(プロダクトB)がロードロックにロードされている間に、第1のコンポーネント(プロダクトA、例えばペリクル)が真空チャンバで測定又は検査を受ける第1のプロセスステップ中の検査装置100を示す。示されている実施形態では、ステージ装置130は、ステージ装置に取り付けられているプロダクト、すなわち
図2AのプロダクトAをX方向に移動させるように構成されたXステージ130.1と、プロダクトAをY方向に移動させるように構成されたYステージと、を備える。
【0028】
ロードロックは真空チャンバから切り離されている。すなわちドア120.2が閉じている。ロードロック、具体的にはロードロックチャンバ120.3にプロダクトBをロードした後、第1のドア120.1も閉じることができ、ロードロックチャンバ120.3から空気を排出することができる。この空気を排出するプロセスは、プロダクトAが測定されている間に行うことができる。
【0029】
図2Bに示す第2のステップにおいて、プロダクトAを第1の保管領域(パーキング位置1,PP1、140.1)に移動させる。ある実施形態では、このステップは、例えばステージ装置130、具体的にはXステージ130.1及びYステージ130.2によって行うことができる。ある実施形態では、ステージ装置130は、例えば、オブジェクト、例えばペリクルをX方向に沿って移動させるためのリニアモータ、及びオブジェクトをY方向に沿って移動させるためのリニアモータなどの1つ以上のリニアモータを備えることがある。
【0030】
[00012]
図2Cに示す第3のステップにおいて、真空チャンバ110へのロードロックドア120.2は開き、プロダクトBはロードロック120から取り出され、真空チャンバ110へと移動される一方、プロダクトAは第1の保管領域140.1にとどまる。
【0031】
[00013]
図2Dに示す第4のステップにおいて、プロダクトBを第2の保管領域(パーキング位置2、PP2、140.2)に移動させる。示されている実施形態では、ロードロック120は、ロードロック120からステージ装置130へのオブジェクトの移送、及びその逆の移送を行うように構成された移送機構150を備える。このような移送機構がまたステージ装置に、又は真空チャンバ110内の他の場所に位置し得ることを指摘することができる。ある実施形態では、移送機構の端部150.1が、例えばオブジェクトを保持する、並びにオブジェクトを上昇及び/又は下降させるように構成されることがある。
【0032】
[00014]
図2Eに示す第5のステップにおいて、プロダクトAは第1の保管領域140.1からロードロック120へ戻される。これに関して、2つのパーキング位置PP1及びPP2が採用されているため、この移送がステージ装置130によって行われ得ることを指摘することができる。したがって、2つのパーキング位置が使用されるため、真空チャンバにおける追加の移送ロボットの設置又は使用を要しない。
【0033】
[00015] 最終的に、
図2Fに示す第6のステップにおいて、ロードロック120は封止される、すなわちロードロックドア120.2は閉じられ、プロダクトBが検査される間に周囲条件に戻される。ロードロック120が周囲条件に戻ると、プロダクトAをアンロードすることができる。
【0034】
[00016] 真空チャンバ内の第1及び第2の保管領域を使用することによって、測定サイクル時間を約1.5倍短縮することが可能である。これは、具体的には第1のコンポーネントが測定を受けている間に、第2のコンポーネントがロード又はアンロードされ得るためである。このような構成では、1つのコンポーネントのローディング/アンローディング時間は別のコンポーネントの測定プロセス時間と重なるため、検査/測定対象のコンポーネントのスループットが向上し、総処理時間が短縮される。
【0035】
[00017] 本発明の第1の態様の第2の実施形態によれば、第2のロードロックが使用されることがある。この構成では、ローディングとアンローディングが同時に行われることがある。例えば、第1のコンポーネントが測定されている間に、前の測定の後に第2のコンポーネントがアンロードされることがあり、後の測定の前に第3のコンポーネントがロードされることがある。このプロセスを用いることで、測定サイクル時間が最大で2倍短縮されることがある。これによって、スループットが大幅に向上するため、コンポーネントを製造するのに必要な製造装置の数及び/又はクリーンルーム空間が減少することもある。
【0036】
2つのロードロックを有する真空チャンバを使用するステップの可能な手順が、
図3Aから
図3Cに示されている。
図3Aから
図3Cは、垂直面(XZ平面)の断面図を概略的に示す。
図3Aは、本発明のある実施形態に係る検査装置200を示す。示されている実施形態では、検査装置は、参照番号222及び224でも示される2つのロードロック1及び2を有する真空チャンバ210を備える。3つのコンポーネント(プロダクトA、B及びC)、例えばEUVリソグラフィ装置で使用されるペリクルなどのオブジェクトが、真空チャンバ210並びにロードロック222及び224内に位置する。ロードロック222及び224は、例えばロードロック120と類似の構造を有することがある。すなわち、上記のように、第1のドアと、第2のドアと、ロードロックチャンバと、を備える。示されている実施形態では、プロダクトAは真空チャンバ210で既に処理され、ロードロック224に移動されている。ロードロック224は、真空チャンバ210から切り離され、プロダクトAのアンローディングに備えて周囲条件に戻されている。プロダクトBは、処理のためにロードロック222から真空チャンバ210にロードされている。その後、ロードロック222は、プロダクトCをロードロック1にロードできるように真空チャンバから切り離され、周囲条件に戻されている。
図3Aから
図3Cはさらに、真空チャンバ210の内部に配置されたステージ装置230を概略的に示す。示されている実施形態では、ロードロック222及び224はさらに、ロードロックチャンバから真空チャンバへのオブジェクトの移送、及びその逆の移送を行うための移送機構252及び254を備える。
【0037】
次に、プロダクトBが真空チャンバで測定及び/又は処理される間、プロダクトCを含むロードロック1、222を周囲圧力から真空条件にすることができる。続いて、プロダクトAはロードロック2、224からアンロードされ、次いでプロダクトBを受け入れるのに備えてロードロック2、224を真空条件に戻す。次いで、ロードロック224を真空チャンバ210から分離するドア224.2が開き、プロダクトBは測定プロセスが終わった後、ロードロック224に搬送される。これは
図3Bに示されている。これと同時に、ロードロック222を、プロダクトCを真空チャンバに渡すことができるように真空条件にし続ける。
【0038】
ロードロック222を真空条件にすると、ロードロック222を真空チャンバ210から分離するドア222.2が開き、プロダクトCは真空チャンバ210に移送される。同時に、ロードロック224は真空チャンバ210から切り離され、プロダクトBをアンロードできるように周囲圧力まで排気することができる。最終的に、プロダクトCの測定及び/又は処理は、次のコンポーネントがロードロック222にロードされる間に行うことができる。これらのステップは
図3Cに概略的に示されている。
【0039】
本発明によれば、検査装置は、検査又は品質評価プロセスを行うために、オブジェクトを検査するための放射源と、オブジェクトから放出、反射又は透過された放射を受けるための検出器とをさらに備えることがある。本発明の意義において、このような放射源は、任意の適切な形態の放射、例えば電磁放射、又は電子ビームやイオンビームなどの粒子ビームを含むことがある。
【0040】
[00018] 本発明の第2の態様によれば、ペリクルなどのオブジェクトを検査するための検査装置が提供される。
【0041】
一部のリソグラフィ装置は、パターンが形成されたレチクルに取り付けられたペリクルを備える。ペリクルは、レチクルのパターンから数ミリメートル離間される透過型フィルムである。ペリクルで受け止める汚染粒子は、レチクルのパターンに対して遠視野にあるため、リソグラフィ装置により基板に投影される像の品質に大きな影響を与えない。もしもペリクルが存在しなかったら、汚染粒子はレチクルのパターン上に載り、パターンの一部分を覆い隠す可能性があり、これによってパターンが正確に基板に投影されることが妨げられる。
【0042】
ペリクル適格性判定システムとも呼ばれる検査装置は、ペリクルがリソグラフィ装置で使用できるほど品質が高いか否かを判定するために、ペリクルの光学特性(反射性及び/又は透過性など)を決定するように構成されることがある。このようなペリクルの適格性判定又は検査は、測定放射ビームをペリクルに誘導し、放射センサを使用して、ペリクルとの相互作用の前後に測定放射ビームの強度を検出することを伴うことがある。これにより、ペリクルと相互作用する前後の測定放射ビームの特性の比較が可能になるため、ペリクルが測定放射ビームにどのような影響を与えたか、及びペリクルがリソグラフィ装置で使用できるほど品質が高いか否かを決定することができる。
【0043】
1つの既知のペリクル適格性判定システムは、2つの放射センサを使用して、測定放射ビームがペリクルと相互作用する前の測定放射ビームの強度を検出する。測定放射ビームの第1の部分は、ペリクルと相互作用する主要測定経路に沿って誘導される。測定放射ビームの第2の部分は放射センサへ誘導される。したがって、2つの放射センサは、異なる光路上に位置する、及び/又は主要な測定経路に対して異なる角度の入射放射を受ける。光路は互いに異なることがある。異なる光路間の差は時間とともに変化することがある。例えば、異なる光路上の光学コンポーネント(例えばレンズ及び/又はミラー)は異なって劣化したり、温度及び後続の熱変形が変化したり、光路上で真空又はガス変動が発生することがある。光路が異なるため、測定放射ビームの第1の部分と第2の部分との間にランダムな差が存在し、これにより既知のペリクル適格性判定システムの精度は低下する。既知のペリクル適格性判定システムの精度を向上させる既知の方法は、ビームスプリッタ及び/又はかすめミラーの使用を伴う。しかしながら、このような光学コンポーネントは放射の強度を低下させ、システムの精度に悪影響を及ぼす。本発明の第2の態様に係る検査装置は、ペリクルの検査又は適格性判定を行うのに用いられる放射ビームを測定する代替的な手段を提供する。
【0044】
図4は、本発明の第2の態様に係る検査装置で使用される、ペリクル適格性判定システムと呼ばれることもある新しい放射ビーム測定システムの上面図(
図4の左側)及び側面図(
図4の右側)を概略的に示している。
【0045】
本発明の第2の態様に係る検査装置は、例えば、
オブジェクトを検査するために調節された雰囲気を提供するように構成されたチャンバと、
チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成するロードロックと、
オブジェクトを検査するための放射ビームを生成するように構成された放射ビーム源と、
放射ビームの特性を測定するように構成された放射ビーム測定システムと、
を備えることがある。
【0046】
[00019] ある実施形態では、調節された雰囲気は、例えば真空環境であることがある。検査又は適格性判定に使用される放射のタイプによって、他のタイプの調節された雰囲気又は環境も同様に考えられる。
【0047】
本発明の意義において、任意の適切なタイプの放射が、ペリクルの検査又は適格性判定のための放射ビーム源として使用されることがある。
【0048】
本発明の第2の態様によれば、検査装置又はペリクル適格性判定システムで使用される放射ビーム測定システムはさらに、
放射ビームの光路上の放射ビーム源とオブジェクトとの間に配置された部材であって、放射ビームの一部がオブジェクトに伝搬することを可能にする開口を備えた、部材と、
部材上に配置され、放射ビームの特性を測定するように構成された少なくとも1つの放射センサと、
を備える。
【0049】
[00020] ある実施形態では、放射ビーム測定システムは、放射ビームの光路上の放射ビーム源とオブジェクトとの間、すなわち放射ビーム源の下流側かつオブジェクトの上流側に配置された部材上に配置された複数の放射センサ(例えば、4つ又は8つの放射センサ)を備える。
図4の例では、放射ビーム測定システムの部材400には、8つの放射センサ(参照番号1~8)が装備されている。示されている実施形態では、部材400はほぼ矩形の開口410を備える。8つの放射センサ1~8は、開口410の対向する2つの辺上に又はこれに沿って配置される。
図4では、左辺の参照番号412は、開口410を通過した後の放射ビームの幅を指し、参照番号414は、部材400に入射した放射ビームの幅を指す。ある実施形態では、放射ビーム測定システムは、放射ビーム、すなわち図示される入射放射ビームの強度などの特性を測定するように構成された少なくとも1つの放射センサを備える。
【0050】
より多くの放射センサを使用することが好ましいことがある。なぜなら、放射ビーム測定システムにより実行された測定中に存在するノイズは、各放射センサにより実行された測定を平均化することで低減されることがあるためである。放射センサはEUV放射を検出するように構成されることがある。放射センサは、例えば、フォトダイオード及び/又はカメラ、例えば電荷結合素子を含むことがある。放射ビーム測定システムは、入射放射ビームの空間強度プロファイルを決定するように構成されることがある。放射センサは、測定対象の放射ビームの光路の中心軸に最も近い測定放射ビームを検出することがある。
【0051】
ある実施形態では、検査システム又はペリクル適格性判定システムは、スペクトル純度フィルタ(SPF)422と、検出器430、例えば電荷結合素子(CCD)とを備えることがある。示されている実施形態では、検出器430は、オブジェクト、すなわち検査又は適格性判定の対象であるペリクル440の下流側に配置される。したがって、このような実施形態では、検出器はオブジェクト440を透過した放射を受ける。一般に、本発明の第2の態様に係る検査装置は、放射ビームとオブジェクト440との相互作用により生じた任意のタイプの放射を受けるように構成されることがある。このような放射は、例えば、オブジェクトにより放出された放射、オブジェクトにより反射された放射、又はオブジェクトを透過した放射を含むことができる。
【0052】
スペクトル純度フィルタ422は、放射ビーム450がペリクル440に入射する前に入射放射ビーム450をフィルタリングするように構成されることがある。したがって、SPF422はペリクル440の上流側に配置されることがある。CCD、一般には検出器430は、放射ビーム450がペリクル440と相互作用した後に放射ビーム450を検出するように構成されることがある。放射ビーム測定システムの放射センサ1~8は、放射ビームがスペクトル純度フィルタ422と相互作用した後かつCCD430と相互作用する前に、放射ビーム450を検出するように配置されることがある。放射ビーム測定システムにより行われた測定と、ペリクル適格性判定システムのCCDにより行われた測定と、の比較を用いて、ペリクル440が放射ビームにどんな効果をもたらしたかを判断することによって、ペリクル440がリソグラフィ装置での使用に適しているか否かを決定することがある。
【0053】
スペクトル純度フィルタ422は、サポートによって所定の位置に保持されることがある。示されている実施形態では、スペクトル純度フィルタ422はサポート420を介して部材400に取り付けられている。示されている実施形態では、部材400は、放射ビームの少なくとも一部(放射ビームの第1の部分と呼ばれることがある)が、放射ビームがペリクルに入射する前に通過する開口410を備える。放射ビーム測定システムの放射センサ1~8は、部材400に設置されることがある。放射センサの縁部は、部材400の開口の縁部と実質的に位置合わせされることがある。放射ビーム測定システムが設置される部材400の表面、及び放射ビーム測定システムの放射センサは、(入射放射ビームの第2の部分と呼ばれることがある)入射放射ビーム450の一部を遮断するように作用する。放射センサの縁部が部材400の開口410の縁部と実質的に位置合わせされているため、放射ビーム測定システムは、ペリクルと相互作用する(また、検査装置又はペリクル適格性判定システムのCCD430により検出され得る)放射ビームの一部に影響を及ぼすことなく、放射ビームの中心軸にできるだけ近い放射ビーム450の特性を測定することができる。放射ビーム測定システムは、放射ビームがペリクル440に入射する前に放射ビームと相互作用する最終光学コンポーネントであることがある。これにより、放射ビームの光路上の全ての他の光学コンポーネントの影響は、放射ビーム測定システムにより行われた測定に含められ考慮される。したがって、放射ビームの光路における変化がこの新しい放射ビーム測定システムの精度に及ぼす影響は、既知の放射ビーム測定システムと比べて少ない。
【0054】
放射ビーム測定システムは、有利には、放射ビームにあまり影響を及ぼすことなく入射放射ビームの特性(例えば、エネルギー、空間強度プロファイル、ドーズ量など)のインシチュモニタリングを可能にする。このことは、放射ビームがペリクルと相互作用した後に放射ビームを用いて行われる後続の測定の精度を向上させることがある。放射ビーム測定システムは、CCD430を基準とするセットアップ較正を可能にする。例えば、ペリクル440がサポートとCCD430との間に配設されていない場合、放射ビーム測定システムの放射センサ1~8とCCD430の両方を使用して、入射放射ビーム450の特性を決定することができる。CCD430からの放射ビームの第1の部分の直接測定を用いて、放射ビーム測定システムの放射センサ1~8からの間接測定を較正することができる。放射ビーム測定システムはコンパクトであり、設置や取り扱いが簡単である。放射ビーム測定システムは、例えば、放射センサの既知の位置の組み合わせを使用すること、基準測定を行うこと、測定結果を放射ビームの特性に関する情報のデータベースと比較すること、及び、アルゴリズムをフィッティングすることによって、放射の空間強度プロファイルを再構成できることがある。この放射ビーム測定システムは、既知の放射ビーム測定システムよりも設置及び/又は操作にかかる費用が安いことがある。
【0055】
[00021]
図4に示す実施形態では、放射センサ1~8は、開口410のY方向に延在する対向する2つの辺に沿って設けられる。X方向に延在する1つ又は2つの辺に沿った放射センサを備える又は設けることも有利なことがある。そのような実施形態は
図5に概略的に示されている。
図5は、
図4に示した特徴に加えて、X方向に延在する開口410の対向する2つの辺上に又はこれに沿って配置される別の対の放射センサ20、21を概略的に示す。
【0056】
[00022] 本発明のある実施形態では、少なくとも1つの放射センサが、放射ビーム測定システムの部材400の開口410の周囲に沿って配置される。ある実施形態では、少なくとも1つの放射センサが、部材400の開口410の各辺に沿って配置される。
【0057】
[00023] ある実施形態では、有利には、本発明に係る検査装置は、ペリクル、特にEUVペリクルなどのオブジェクトの透過特性及び/又は反射特性を測定するために使用されることがある。したがって、このような実施形態では、検査装置はEUVペリクル透過型及び/又は反射型測定ツールと呼ばれることがある。このような実施形態では、このようなツールで測定される一方又は両方の特性は、
a)膜又はペリクルのEUV放射透過、すなわち膜又はペリクルに吸収されずに通過するEUV放射の全放射に対する割合、及び/又は膜により反射されるEUV放射、及び/又は、
b)膜又はペリクルにより反射されるEUV放射、すなわち膜又はペリクルで反射して戻るEUV放射の割合である。
【0058】
EUV放射の一部が膜又はペリクルに吸収され得ることも指摘することができる。反射したEUV放射と透過したEUV放射の両方を、膜又はペリクルに向かう全EUV放射に関する情報と組み合わせて測定することによって、3つの放射成分、すなわち反射、吸収、透過成分の間の関係を決定することができる。例えば、反射及び透過特性は、放射検出器、例えば以上のようなCCD430などのCCDカメラで測定することができる。具体的には、CCDカメラを
図4及び
図5に示すように透過されたEUV放射の光路上に配置することができる。同様に、CCDカメラを、EUV放射の反射量を決定するために、反射されたEUV放射の光路上に配置することができる。このようなカメラは、例えばT-CCD(透過)及びR-CCD(反射)と呼ばれることがある。
【0059】
本発明は以下の条項によって記述することもできる。
【0060】
1.EUVリソグラフィ装置で使用されるペリクルなどのオブジェクトを検査するための検査装置であって、
真空チャンバと、
真空チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成するロードロックと、
ロードロックからオブジェクトを受け取り、オブジェクトを真空チャンバの内部に移動させるように構成されたステージ装置と、を備え、
真空チャンバが、オブジェクトを一時的に保管するための第1のパーキング位置及び第2のパーキング位置を備える、検査装置。
2.ロードロックからステージ装置へのオブジェクトの移送及びその逆の移送を行うように構成された移送機構をさらに備える、条項1に記載の検査装置。
3.移送機構が少なくとも部分的にロードロックの内部に配置される、条項2に記載の検査装置。
4.移送機構がステージ装置に取り付けられる、条項2に記載の検査装置。
5.ロードロックが、第1のドアと、第2のドアと、ロードロックチャンバと、を備え、第1のドアが周囲環境をロードロックチャンバから分離するように構成され、第2のドアが真空チャンバをロードロックチャンバから分離するように構成される、条項1から4のいずれかに記載の検査装置。
6.ステージ装置が、ステージ装置から第1のパーキング位置へのオブジェクトの移送及びその逆の移送を行うように構成され、ステージ装置が、ステージ装置から第2のパーキング位置へのオブジェクトの移送及びその逆の移送を行うように構成される、条項1に記載の検査装置。
7.ステージ装置が、オブジェクトを保持するためのホルダを備える、条項1から6のいずれかに記載の検査装置。
8.EUVリソグラフィ装置で使用されるペリクルなどのオブジェクトを検査するための検査装置であって、
真空チャンバと、
真空チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成する第1のロードロックと、
真空チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成する第2のロードロックと、
第1のロードロックからオブジェクトを受け取り、オブジェクトを真空チャンバの内部に移動させるように構成され、オブジェクトを第2のロードロックに提供するように構成されたステージ装置と、
を備える、検査装置。
9.EUVリソグラフィ装置で使用されるペリクルなどのオブジェクトを検査するための検査装置であって、
オブジェクトを検査するために調節された雰囲気を提供するように構成されたチャンバと、
チャンバと周囲環境との間のインターフェイスを形成するロードロックと、
オブジェクトを検査するための放射ビームを生成するように構成された放射ビーム源と、
放射ビームの特性を測定するように構成された放射ビーム測定システムと、を備え、
放射ビーム測定システムが、
放射ビームの光路上の放射ビーム源とオブジェクトとの間に配置された部材であって、放射ビームの一部がオブジェクトに伝搬することを可能にする開口を備えた、部材と、
部材上に配置され、放射ビームの特性を測定するように構成された少なくとも1つの放射センサと、
を備える、検査装置。
10.少なくとも1つの放射センサが開口の周囲に沿って配置される、条項9に記載の検査装置。
11.開口がほぼ矩形の形状を有する、条項9又は10に記載の検査装置。
12.放射ビーム測定システムが開口の少なくとも2つの辺に沿った放射センサを備える、条項11に記載の検査装置。
13.放射ビーム測定システムが開口の各辺に沿った少なくとも1つの放射センサを備える、条項11又は12に記載の検査装置。
14.放射ビーム測定システムが、光路上の部材の上流側に配置されたスペクトル純度フィルタをさらに備える、条項9から13のいずれかに記載の検査装置。
15.スペクトル純度フィルタが部材に取り付けられる、条項14に記載の検査装置。
16.少なくとも1つの放射センサがスペクトル純度フィルタの下流側に配置される、条項14又は15に記載の検査装置。
17.放射ビームのオブジェクトとの相互作用により生じた放射を受けるように構成された検出器をさらに備える、条項9から16のいずれかに記載の検査装置。
18.放射がオブジェクトにより透過された放射を含む、条項17に記載の検査装置。
19.検出器がオブジェクトの下流側に配置される、条項18に記載の検査装置。
20.検出器がCCDを含む、条項17から19のいずれかに記載の検査装置。
21.条項9から20のいずれかに記載の検査装置を備えたEUVペリクル透過測定ツール。
22.条項9から20のいずれかに記載の検査装置を備えたEUVペリクル透過反射測定ツール。
【0061】
[00024] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0062】
[00025] 本明細書ではリソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置に使用することもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(あるいはその他の基板)もしくはマスク(あるいはその他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成してよい。これらの装置は一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0063】
[00026] 以上では光学リソグラフィと関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなど、その他の適用例において使用されてもよく、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。
【0064】
[00027] 文脈上許される場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実装することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサにより読み取られて実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令として実装することも可能である。機械可読媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含むことができる。例えば機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号など)、及び他のものを含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明されることがある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じ、実行する際、アクチュエータ又は他のデバイスが物質世界と相互作用し得ることを理解すべきである。
【0065】
[00028] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。