(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240918BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240918BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240918BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G06F3/12 331
G06F3/12 304
G06F3/12 326
G06F3/12 336
H04N1/00 E
H04N1/00 127B
B41J29/38 202
B41J29/00 E
(21)【出願番号】P 2023042781
(22)【出願日】2023-03-17
(62)【分割の表示】P 2021034172の分割
【原出願日】2015-05-11
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】P 2014126155
(32)【優先日】2014-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 悠太
(72)【発明者】
【氏名】高平 知幸
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-303459(JP,A)
【文献】特開2009-218939(JP,A)
【文献】特開2014-106764(JP,A)
【文献】特開2007-019614(JP,A)
【文献】特開2014-092823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 - 3/12
B41J 29/00 -29/70
H04N 1/00
G06F 13/00
H04W 84/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の機器とネットワークを介して接続された情報処理装置を、
前記情報処理装置を
前記1以上の機器に貼り付けられた情報媒体に近接することで、該情報媒体に記憶されている前記1以上の機器のうちのいずれかの機器を一意に識別する第1の機器固有情報
と、該情報媒体に記憶されている第1のアドレス情報とを、近距離無線通信を介して取得する第1の取得手段、
前記第1のアドレス情報が示す機器から、該第1のアドレス情報が示す機器を一意に識別する前記機器に記憶されている第2の機器固有情報を前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得する第2の取得手段、
前記第1の取得手段により前記情報処理装置を近接した情報媒体から前記近距離無線通信を介して取得された前記第1の機器固有情報と、前記第2の取得手段により前記第1のアドレス情報が示す機器から前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得された第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により前記第1の機器固有情報と前記第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されないと判定した場合、前記情報媒体に近接した前記情報処理装置の画面に警告画面を表示させる画面制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置を、
前記判定手段により前記第1の機器固有情報と前記第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されると判定した場合、第1のアドレス情報が示す機器に対して処理の実行を要求する要求手段、
として機能させるための請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記警告画面は、
前記第1の機器固有情報により識別される機器のアドレスが変更された可能性があることを示す表示を含む、請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記警告画面は、
前記第1のアドレス情報が示す機器に対する処理の要求を継続するか否かを選択させるための表示を含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記判定手段は、
前記第1の機器固有情報と前記第2の機器固有情報とが同一の場合、同一の機器が示されると判定する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記警告画面は、
前記処理の要求先の機器のアドレスの入力を受け付けるための表示を含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1の取得手段は、さらに、前記第1の機器固有情報により識別される機器のアドレスを取得するための第2のアドレス情報を取得し、
前記情報処理装置は、
前記判定手段により前記第1の機器固有情報と前記第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されないと判定された場合、前記第2のアドレス情報に基づいて前記第1の機器固有情報により識別される機器のアドレスを示す第3のアドレス情報を取得する第3の取得手段、
として機能させ、
前記要求手段は、前記第3の取得手段により取得された第3のアドレス情報が示す機器に対して処理の実行を要求する、請求項2記載のプログラム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
所定の情報媒体に記憶されている前記第1のアドレス情報を、前記第3の取得手段により取得された第3のアドレス情報で更新する更新手段、
として機能させるための請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記近距離無線通信はNFCチップを用いた通信であって、
前記第1の取得手段は、
前記1以上の機器のうちのいずれかの機器の外部に構成されたNFCチップを介して、前記第1のアドレス情報と前記第1の機器固有情報とを取得する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第2の取得手段は、前記第1のアドレス情報が示す機器のMIBから前記第2の機器固有情報を取得する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記第2の取得手段は、前記第1のアドレス情報が示す機器が提供するWebAPIを介して前記第2の機器固有情報を取得する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記情報媒体は、NFCチップを用いた近距離無線通信装置である、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記機器は画像形成装置である、請求項1に記載のプログラム。
【請求項14】
前記要求手段は、前記処理として画像処理の実行を要求する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項15】
前記第1の取得手段は、前記情報処理装置を前記情報媒体に近接することで、前記第1のアドレス情報を取得する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項16】
1以上の機器とネットワークを介して接続された情報処理装置であって、
前記情報処理装置を
前記1以上の機器に貼り付けられた情報媒体に近接することで、該情報媒体に記憶されている前記1以上の機器のうちのいずれかの機器を一意に識別する第1の機器固有情報
と、該情報媒体に記憶されている第1のアドレス情報とを、近距離無線通信を介して取得する第1の取得手段と、
前記第1のアドレス情報が示す機器から、該第1のアドレス情報が示す機器を一意に識別する前記機器に記憶されている第2の機器固有情報を前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により前記情報処理装置を近接した情報媒体から前記近距離無線通信を介して取得された前記第1の機器固有情報と、前記第2の取得手段により前記第1のアドレス情報が示す機器から前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得された第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1の機器固有情報と前記第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されないと判定した場合、前記情報媒体に近接した前記情報処理装置の画面に警告画面を表示させる画面制御手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項17】
1以上の機器と、該1以上の機器とネットワークを介して接続された情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置を
前記1以上の機器に貼り付けられた情報媒体に近接することで、該情報媒体に記憶されている前記1以上の機器のうちのいずれかの機器を一意に識別する第1の機器固有情報
と、該情報媒体に記憶されている第1のアドレス情報とを、近距離無線通信を介して取得する第1の取得手段と、
前記第1のアドレス情報が示す機器から、該第1のアドレス情報が示す機器を一意に識別する前記機器に記憶されている第2の機器固有情報を前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により前記情報処理装置を近接した情報媒体から前記近距離無線通信を介して取得された前記第1の機器固有情報と、前記第2の取得手段により前記第1のアドレス情報が示す機器から前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得された第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1の機器固有情報と前記第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されないと判定した場合、前記情報媒体に近接した前記情報処理装置の画面に警告画面を表示させる画面制御手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項18】
1以上の
機器である画像形成装置と、該1以上の画像形成装置とネットワークを介して接続された情報処理装置のプログラムとを有する情報処理システムであって、
前記プログラムは、前記情報処理装置を、
前記情報処理装置を
前記1以上の機器に貼り付けられた情報媒体に近接することで、該情報媒体に記憶されている前記1以上の機器のうちのいずれかの機器を一意に識別する第1の機器固有情報
と、該情報媒体に記憶されている第1のアドレス情報とを、近距離無線通信を介して取得する第1の取得手段、
前記第1のアドレス情報が示す機器から、該第1のアドレス情報が示す機器を一意に識別する前記機器に記憶されている第2の機器固有情報を前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得する第2の取得手段、
前記第1の取得手段により前記情報処理装置を近接した情報媒体から前記近距離無線通信を介して取得された前記第1の機器固有情報と、前記第2の取得手段により前記第1のアドレス情報が示す機器から前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得された第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により前記第1の機器固有情報と前記第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されないと判定した場合、前記情報媒体に近接した前記情報処理装置の画面に警告画面を表示させる画面制御手段、
として機能させる、情報処理システム。
【請求項19】
1以上の機器とネットワークを介して接続された情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置を
前記1以上の機器に貼り付けられた情報媒体に近接することで、該情報媒体に記憶されている前記1以上の機器のうちのいずれかの機器を一意に識別する第1の機器固有情報
と、該情報媒体に記憶されている第1のアドレス情報とを、近距離無線通信を介して取得する第1の取得手順と、
前記第1のアドレス情報が示す機器から、該第1のアドレス情報が示す機器を一意に識別する前記機器に記憶されている第2の機器固有情報を前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得する第2の取得手順と、
前記第1の取得手順により前記情報処理装置を近接した情報媒体から前記近距離無線通信を介して取得された前記第1の機器固有情報と、前記第2の取得手順により前記第1のアドレス情報が示す機器から前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得された第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されるか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記第1の機器固有情報と前記第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されないと判定した場合、前記情報媒体に近接した前記情報処理装置の画面に警告画面を表示させる画面制御手順と、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NFC(Near Field Communication)チップから無線通信を行うために必要なパラメータを取得する技術が従来より知られている(例えば特許文献1参照)。このような技術の応用として、携帯端末からMFP(MultiFunction Peripheral)などの画像形成装置の印刷やスキャンなどの各種機能を利用する際に、この画像形成装置と通信を行うために必要なIP(Internet Protocol)アドレスなどのパラメータをNFCチップから取得する技術が従来より知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の従来技術においては、例えば、画像形成装置のIPアドレスがDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)により動的に割り当てられているような場合、問題となる。すなわち、このような場合、NFCチップから取得したIPアドレスと、印刷やスキャンなどの機能を利用したい画像形成装置に割り当てられているIPアドレスとが異なる可能性があり、意図しない画像形成装置に対して機能の実行を行ってしまうことがあった。
【0004】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、意図しない機器に対して処理要求を行うことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態は、1以上の機器とネットワークを介して接続された情報処理装置を、前記情報処理装置を前記1以上の機器に貼り付けられた情報媒体に近接することで、該情報媒体に記憶されている前記1以上の機器のうちのいずれかの機器を一意に識別する第1の機器固有情報と、該情報媒体に記憶されている第1のアドレス情報とを、近距離無線通信を介して取得する第1の取得手段、前記第1のアドレス情報が示す機器から、該第1のアドレス情報が示す機器を一意に識別する前記機器に記憶されている第2の機器固有情報を前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得する第2の取得手段、前記第1の取得手段により前記情報処理装置を近接した情報媒体から前記近距離無線通信を介して取得された前記第1の機器固有情報と、前記第2の取得手段により前記第1のアドレス情報が示す機器から前記近距離無線通信とは異なる無線通信を介して取得された第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されるか否かを判定する判定手段、前記判定手段により前記第1の機器固有情報と前記第2の機器固有情報とによって同一の機器が示されないと判定した場合、前記情報媒体に近接した前記情報処理装置の画面に警告画面を表示させる画面制御手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、意図しない機器に対して処理要求を行うことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る印刷システムの一例の構成図である。
【
図2】第1の実施形態に係る携帯端末の一例のハードウェア構成図である。
【
図3】第1の実施形態に係る画像形成装置及び情報媒体の一例のハードウェア構成図である。
【
図4】第1の実施形態に係る印刷システムの一例の機能ブロック図である。
【
図5】第1の実施形態に係る印刷処理の一例のフローチャートである。
【
図6】第1の実施形態に係る印刷処理の一例のシーケンス図である。
【
図8】第2の実施形態に係る印刷システムの一例の機能ブロック図である。
【
図9】第2の実施形態に係る印刷処理の一例のフローチャートである。
【
図10】第2の実施形態に係る印刷処理の一例のシーケンス図である。
【
図11】第3の実施形態に係る画像形成装置及び情報媒体の一例のハードウェア構成図である。
【
図12】第3の実施形態に係る印刷システムの一例の機能ブロック図である。
【
図13】操作パネル及び本体部の電力状態の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム構成>
まず、本実施形態に係る印刷システム1のシステム構成について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る印刷システムの一例の構成図である。
図1の印刷システム1は、携帯端末10と、1台以上の画像形成装置20とが有線又は無線でネットワークN1に接続されている。特に、携帯端末10は、ネットワークN1に無線で接続されているものとする。また、画像形成装置20の筐体には、情報媒体30が貼り付けられており、携帯端末10と情報媒体30とが近距離無線通信を介して通信可能なように構成されている。
【0010】
携帯端末10は、ユーザが操作するスマートフォンなどの端末装置である。携帯端末10は、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、PDA、デジタルカメラなどでもよい。携帯端末10は、印刷対象データに印刷指示を行うことができるアプリケーション(印刷アプリケーション)が搭載(インストール)されており、携帯端末10は、印刷指示に係る印刷対象データを含む印刷ジョブを生成し、画像形成装置20に送信する。
【0011】
また、携帯端末10は、後述するようにNFCチップなどの近距離無線通信装置を備えている。ユーザは、携帯端末10を画像形成装置20の筐体の所定の位置に貼り付けられている情報媒体30にかざすことにより画像形成装置20のIPアドレスなどを取得する。そして、携帯端末10は、取得したIPアドレス宛に生成した印刷ジョブを送信することで、このIPアドレスが示す画像形成装置20において印刷ジョブを実行させ、印刷対象データの印刷を行うことができる。
【0012】
なお、印刷アプリケーションとは、印刷対象データに印刷指示を行うことができるブラウザ、文書作成ソフト、ビューワなどのアプリケーションである。
【0013】
画像形成装置20は、携帯端末10から印刷ジョブを受け取り、印刷対象データの印刷を行うプリンタなどの画像処理装置である。なお、画像形成装置20は、プリント機能の他、コピー機能、スキャナ機能、FAX機能など複数の機能を有するMFPなどの複合機でもよい。
【0014】
また、画像形成装置20は、例えば、プロジェクタ、電子黒板、デジタルサイネージなどの出力装置、スピーカ装置などの音響出力装置であってもよい。したがって、本実施形態では、情報処理システムの一例として印刷システムである場合について説明するが、これに限られず、例えば、画像形成装置20の代わりに画像出力装置を用いた画像出力システムや画像形成装置20の代わりにスピーカ装置を用いた音響出力システムなどであってもよい。換言すれば、本発明は、所定のジョブを生成する携帯端末10と、携帯端末10から受け取った所定のジョブを実行する機器とを用いた各種システムに適用することができる。
【0015】
情報媒体30は、画像形成装置20の筐体の所定の位置に貼り付けられた、NFCチップなどの近距離無線通信装置である。すなわち、情報媒体30は、NFCタグなどである。情報媒体30には、この情報媒体30が貼り付けられている画像形成装置20のIPアドレス、画像形成装置20を一意に識別する機器固有情報などの情報が記憶されている。携帯端末10は、近距離無線通信を介して、情報媒体30に記憶されているこれらの情報を取得することができる。すなわち、画像形成装置20には、この画像形成装置20の少なくともIPアドレスと機器固有情報とが記憶された情報媒体30が貼り付けされており、携帯端末10は、これらの情報を近距離無線通信を介して情報媒体30から取得することができる。そして、上述したように、携帯端末10は、情報媒体30から取得したIPアドレスが示す画像形成装置20に対して印刷ジョブを送信することで、この画像形成装置20において印刷ジョブが実行される。
【0016】
なお、上記で説明した印刷システム1は、例えば、携帯端末10から送信された印刷ジョブを蓄積する印刷サーバなどを有する構成であってもよい。また、印刷システム1は、携帯端末10を1台以上の任意の台数有する構成であってもよい。
【0017】
<ハードウェア構成>
≪携帯端末≫
本実施形態に係る携帯端末10は、例えば
図2に示すようなハードウェア構成により実現される。
図2は、第1の実施形態に係る携帯端末の一例のハードウェア構成図である。
図2に示す携帯端末10は、入力装置101、表示装置102、外部I/F103、RAM(Random Access Memory)104、ROM(Read Only Memory)105、CPU(Central Processing Unit)106、通信I/F107、SSD(Solid State Drive)108、及び近距離無線通信装置109などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0018】
入力装置101は、例えば、タッチパネルであり、携帯端末10に各操作信号を入力するのに用いられる。なお、入力装置101は、キーボードやマウスなどであってもよい。表示装置102は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などであり、携帯端末10による処理結果を表示する。
【0019】
外部I/F103は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体103aなどがある。記憶媒体103aには、実施形態を実現するプログラムを格納することができる。携帯端末10は外部I/F103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0020】
記録媒体103aは、例えば、SDメモリカード(SD Memory card)などの記録媒体である。記録媒体103aは、USBメモリ(Universal Serial Bus memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、CD(Compact Disk)、フレキシブルディスクなどの記録媒体であってもよい。
【0021】
RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、携帯端末10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。
【0022】
CPU106は、ROM105やSSD108などの記憶装置からプログラムやデータをRAM104上に読み出し、処理を実行することで、携帯端末10全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0023】
通信I/F107は、携帯端末10を携帯電話網やインターネット等に接続するためのインタフェースである。これにより、携帯端末10は通信I/F107を介してデータ通信を行うことができる。
【0024】
SSD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、例えば携帯端末10全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)や、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどがある。SSD108は格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステム及び/又はDB(データベース)により管理している。なお、情報処理装置1は、SSD108の代わりに又はSSD108と併せて、HDD(Hard Disk Drive)等を備えていてもよい。
【0025】
近距離無線通信装置109は、例えば、NFCチップなどである。これにより、携帯端末10は、近距離無線通信装置109を介してデータ通信を行うことができる。
【0026】
本実施形態に係る携帯端末10は、上記したハードウェア構成により後述するような各種処理を実現できる。
【0027】
≪画像形成装置及び情報媒体≫
本実施形態に係る画像形成装置20及び情報媒体30は、例えば
図3に示すようなハードウェア構成により実現される。
図3は、第1の実施形態に係る画像形成装置及び情報媒体の一例のハードウェア構成図である。
図3に示される画像形成装置20は、コントローラ201、操作パネル202、外部I/F203、通信I/F204、及びプリンタ205などを有している。また、画像形成装置20の外部(筐体)には、情報媒体30を実現する構成として近距離無線通信装置301が貼り付けられている。
【0028】
コントローラ201はCPU211、RAM212、ROM213と、NVRAM214、HDD215を有する。ROM213は、各種プログラムやデータが格納されている。RAM212はプログラムやデータを一時保持する。NVRAM214は、例えば設定情報等が格納されている。また、HDD215は各種プログラムやデータが格納されている。
【0029】
CPU211は、ROM213やNVRAM214、HDD215などからプログラムやデータ、設定情報等をRAM212上に読み出し、処理を実行することで、画像形成装置20全体の制御や機能を実現する。
【0030】
操作パネル202はユーザからの入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部とを備えている。外部I/F203は外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体203a等がある。これにより、画像形成装置20は外部I/F203を介して記録媒体203aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体203aには、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0031】
通信I/F204は、画像形成装置20をネットワークN1に接続するインタフェースである。これにより、画像形成装置20は通信I/F204を介してデータ通信を行うことができる。プリンタ205は、印刷対象データを印刷して出力するための印刷装置(画像処理エンジン)である。
【0032】
近距離無線通信装置301は、例えば、NFCチップなどである。情報媒体30は、近距離無線通信装置301を介して、携帯端末10とデータ通信を行うことができる。近距離無線通信装置301は、例えば、NFCチップが画像形成装置20の筐体の所定の位置に貼り付けられて構成されているなど、画像形成装置20の外部に構成されている。この場合、NFCチップは、携帯端末10との間で近距離無線通信が容易な位置に貼り付けされることが好ましい。
【0033】
なお、近距離無線通信装置301は、画像形成装置20の外部に構成されずに、携帯端末10との間で近距離無線通信が可能な範囲内で、画像形成装置20の内部に構成されていてもよい。
【0034】
本実施形態に係る画像形成装置20及び情報媒体30は、上記したハードウェア構成により後述するような各種処理を実現できる。
【0035】
<ソフトウェア構成>
本実施形態に係る印刷システム1は、例えば
図4に示すような機能ブロックにより表すことができる。
図4は、第1の実施形態に係る印刷システムの一例の機能ブロック図である。
【0036】
印刷システム1の携帯端末10は、全体制御部11、情報取得部12、情報記憶部13、機器固有情報取得部14、機器固有情報照合部15、UI表示部16、処理要求部17などを有する。また、印刷システム1の画像形成装置20は、プリント機能部21などを有する。
【0037】
全体制御部11は、CPU106などにより実現され、例えばユーザが入力装置101を介して行った操作や携帯端末10の各部からの要求に応じて、他の各部に処理を要求する。
【0038】
情報取得部12は、CPU106、近距離無線通信装置109などにより実現され、近距離無線通信を介して、情報媒体30からIPアドレス、機器固有情報などの情報を取得する。なお、以降では、後述する機器固有情報取得部14により取得された機器固有情報と区別するため、情報取得部12により情報媒体30から取得された機器固有情報を「第1の機器固有情報」と表す。また、情報取得部12により取得されたIPアドレスは、第1のアドレス情報の一例である。
【0039】
ここで、機器固有情報とは、上述したように画像形成装置20を一意に識別する情報である。機器固有情報は、例えば、画像形成装置20の製造固有番号(シリアルナンバー)、MAC(Media Access Control)アドレス、又はこれらの組合せなどである。また、機器固有情報は、例えば、製造固有番号(シリアルナンバー)、MACアドレス、又はこれらの組合せなどを所定のアルゴリズムのハッシュ関数に入力して得た値(ハッシュ値)などでもよい。
【0040】
情報記憶部13は、ROM105、SSD108などにより実現され、情報取得部12により取得された第1の機器固有情報と、機器固有情報取得部14により取得された機器固有情報とを記憶する。
【0041】
機器固有情報取得部14は、CPU106、通信I/F105などにより実現され、情報取得部12により情報媒体30から取得されたIPアドレスに基づき、このIPアドレスが示す画像形成装置20から機器固有情報を取得する。なお、以降では、上記の第1の機器固有情報と区別するため、機器固有情報取得部14により取得された機器固有情報を「第2の機器固有情報」と表す。
【0042】
機器固有情報照合部15は、CPU106などにより実現され、情報記憶部13に記憶された第1の機器固有情報と、機器固有情報取得部14により取得された第2の機器固有情報とが同一であるか否かについて判定する。
【0043】
UI表示部16は、CPU106、表示装置102などにより実現され、UI(ユーザインタフェース)画面の生成及び表示を行う。
【0044】
処理要求部17は、CPU106などにより実現され、画像形成装置20に対して印刷ジョブの実行を要求する。
【0045】
プリント機能部21は、プリンタ205などにより実現され、携帯端末10の処理要求部17から実行を要求された印刷ジョブに含まれる印刷対象データを印刷する。なお、画像形成装置20は、プリント機能部21に加えて、読み取った原稿から画像データ(電子データ)を生成するためのスキャン機能部、読み取った原稿を複製するコピー機能部、読み取った原稿又は電子データを電話回線などを介してFAX送信するFAX機能部などを有していてもよい。
【0046】
情報媒体30は、近距離無線通信装置301により実現され、この情報媒体30が貼り付けられている画像形成装置20のIPアドレスや機器固有情報などの情報を記憶している。また、情報媒体30は、携帯端末10の情報取得部12からの要求に応じて、近距離無線通信を介して、自身が記憶しているIPアドレスや機器固有情報などの情報を携帯端末10に送信する。
【0047】
<処理の詳細>
次に、第1の実施形態に係る印刷システム1の処理の詳細について説明する。まず、第1の実施形態に係る印刷システム1の印刷処理の流れについて説明する。
図5は、第1の実施形態に係る印刷処理の一例のフローチャートである。
【0048】
ステップS51において、ユーザは、携帯端末10に搭載された印刷アプリケーションから印刷対象データを選択し、印刷指示を行う。すると、携帯端末10の表示装置102上に、例えば、携帯端末10を印刷を行いたい画像形成装置20にかざすことを促す画面が表示される。
【0049】
ステップS52において、ユーザは、印刷対象データの印刷を行いたい、所望の画像形成装置20に貼り付けられているNFCチップ(情報媒体30)に、携帯端末10をかざす。
【0050】
ステップS53において、携帯端末10の情報取得部12は、情報媒体30からIPアドレスと、機器固有情報(第1の機器固有情報)とを取得する。
【0051】
ステップS54において、携帯端末10の機器固有情報取得部14は、情報媒体30から取得したIPアドレスに基づき、このIPアドレスが示す画像形成装置20から第2の機器固有情報を取得する。
【0052】
ステップS55において、携帯端末10の機器固有情報照合部15は、情報媒体30から取得した第1の機器固有情報と、情報媒体30から取得したIPアドレスに基づき取得した第2の機器固有情報とが同一であるか否かを判定する。第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが同一である場合、ステップS56に進む一方、第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが異なる場合、ステップS57に進む。
【0053】
上記のことは、換言すれば、ユーザがステップS52において携帯端末10をかざしたNFCチップ(情報媒体30)が貼り付けれている画像形成装置20のIPアドレスが変更されている場合、ステップS57に進む一方、変更されていない場合、ステップS56に進むということができる。
【0054】
ステップS56において、携帯端末10の処理要求部17は、第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが同一である場合、情報媒体30から取得したIPアドレスが示す画像形成装置20に対して印刷ジョブを送信する。そして、画像形成装置20のプリント機能部21は、携帯端末10から印刷ジョブを受け取ると、この印刷ジョブに含まれる印刷対象データを印刷する。
【0055】
ステップS57において、携帯端末10のUI表示部16は、第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが同一でない場合、例えば、表示装置102にIPアドレスが変更になったことを示す警告画面を表示させる。これにより、例えば、画像形成装置20のIPアドレスがDHCPを用いて割り当てられているような場合、ユーザは、所望の画像形成装置20のIPアドレスが(情報媒体30にIPアドレスが書き込まれた時から)変更されていることを知ることができる。したがって、ユーザが意図しない画像形成装置20に対して印刷ジョブを送信し、印刷対象データが印刷されてしまうことを防止することができる。
【0056】
次に、第1の実施形態に係る印刷システム1の印刷処理の詳細な流れについて説明する。
図6は、第1の実施形態に係る印刷処理の一例のシーケンス図である。
【0057】
ステップS61において、ユーザは、携帯端末10のUI表示部16を介して、携帯端末10に搭載された印刷アプリケーションから所望の印刷対象データを選択し、印刷指示を行う。
【0058】
ステップS62において、携帯端末10のUI表示部16は、印刷アプリケーションから印刷指示を受け付けると、印刷ジョブの実行通知を全体制御部11に対して行う。また、携帯端末10のUI表示部16は、表示装置102上に、例えば、印刷を行いたい画像形成装置20の情報媒体30(NFCチップ)に携帯端末10をかざすことを促す画面が表示させる。
【0059】
ステップS63において、携帯端末10の全体制御部11は、情報取得部12に対して近距離無線通信を介したIPアドレスや第1の機器固有情報などの取得要求を行う。これにより、携帯端末10は、情報媒体30と近距離無線通信が可能な状態となり、ユーザが携帯端末10を情報媒体30にかざす動作を行うまで、上記のステップS62における画面が表示された状態を維持する。
【0060】
ステップS64において、ユーザは、印刷対象データの印刷を行いたい、所望の画像形成装置20に貼り付けられているNFCチップ(情報媒体30)に、携帯端末10をかざす。すると、携帯端末10の情報取得部12は、近距離無線通信を介して、情報媒体30からIPアドレスと第1の機器固有情報とを取得する。なお、このとき、情報取得部12は、例えば、SSID(Service Set Identifier)や暗号化方式に関する情報、ネットワークを利用するためのパスワード、画像形成装置20の機能を利用する際に利用するHTTP(HyperText Transfer Protocol)又はHTTPS(HTTP over SSL/TLS)ポート番号などを取得してもよい。
【0061】
なお、上記では、携帯端末10の情報取得部12は、近距離無線通信を介して、情報媒体30からIPアドレスや第1の機器固有情報などを取得したが、これに限られない。例えば、画像形成装置20の外部に情報媒体30としてQRコード(登録商標)が貼り付けられており、ユーザは、携帯端末10のカメラ装置(不図示)を用いて、このQRコードを読み取ることにより、情報媒体30からIPアドレスや第1の機器固有情報などを取得するようにしてもよい。
【0062】
ステップS65において、携帯端末10の情報取得部12は、全体制御部11に対して情報媒体30からIPアドレスや第1の機器固有情報などの情報を取得したことを通知する。
【0063】
ステップS66において、携帯端末10の全体制御部11は、上記のステップS64で情報取得部12により取得された第1の機器固有情報を情報記憶部13に記憶させる。
【0064】
ステップS67において、携帯端末10の全体制御部11は、第2の機器固有情報の取得要求を機器固有情報取得部14に対して行う。
【0065】
ステップS68において、携帯端末10の機器固有情報取得部14は、上記のステップS64で情報取得部12により取得されたIPアドレスに基づき、このIPアドレスが示す画像形成装置20の機器固有情報(第2の機器固有情報)を取得する。
【0066】
なお、上記の機器固有情報は、例えば機器固有情報が画像形成装置20の製造固有番号(シリアルナンバー)やMACアドレスである場合、MIB(Management Information Base)を用いて取得することができる。また、例えば、画像形成装置20により提供されるWebAPIを用いて取得することもできる。また、例えば機器固有情報が画像形成装置20のMACアドレスである場合、ARP(Address Resolution Protocol)を用いて取得することもできる。
【0067】
ステップS69において、携帯端末10の全体制御部11は、上記のステップS68で機器固有情報取得部14により取得された第2の機器固有情報を情報記憶部13に記憶させる。
【0068】
ステップS70において、携帯端末10の全体制御部11は、第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが同一であるか否かの判定を機器固有情報照合部15に対して要求する。
【0069】
ステップS71において、携帯端末10の機器固有情報照合部15は、情報記憶部13から第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とを取得する。
【0070】
ステップS72において、携帯端末10の機器固有情報照合部15は、情報記憶部13から取得した第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが同一であるか否かを判定し、判定結果を全体制御部11に返す。そして、携帯端末10の全体制御部11は、機器固有情報照合部15から受け取った判定結果に応じて、第1の機器固有情報と第2の機器固有情報と同一でない場合、ステップS73の処理を行う一方、第1の機器固有情報と第2の機器固有情報と同一である場合、ステップS75の処理を行う。
【0071】
ステップS73において、携帯端末10の全体制御部11は、ユーザが印刷を行いたいと所望する(印刷ジョブの実行を所望する)画像形成装置20のIPアドレスが変更されたことを示す警告画面の表示要求をUI表示部16に対して行う。
【0072】
ステップS74において、携帯端末10のUI表示部16は、警告画面を生成し、携帯端末10の表示装置102に表示させる。ここで表示させる警告画面は、例えば
図7に示すような警告画面1000である。
図7は、警告画面の一例を説明するための図である。
【0073】
図7に示す警告画面1000では、ユーザが印刷ジョブを実行しようとしている画像形成装置20の機器固有情報とともに、この画像形成装置20のIPアドレスが変更された可能性があることを示すメッセージが表示されている。これにより、例えば、画像形成装置20のIPアドレスをDHCPを用いて割り当てているような場合、ユーザは、印刷を行いたい所望の画像形成装置20のIPアドレスが変更されたことを知ることができる。したがって、ユーザが意図しない画像形成装置20に対して印刷ジョブを送信し、印刷対象データが印刷されてしまうことを防止することができる。
【0074】
図7に示す警告画面1000において、ユーザが例えばOKボタン1001を押下した場合、上記のステップS64において情報取得部12により取得されたIPアドレスが示す画像形成装置20において印刷ジョブが実行される。したがって、この場合、ユーザが携帯端末10をかざした情報媒体30が貼り付けられている画像形成装置20とは異なる他の画像形成装置20(情報取得部12により取得されたIPアドレスが示す画像形成装置20)において印刷ジョブが実行され、印刷対象データが印刷される。他方、警告画面1000において、ユーザが例えばCancelボタン1002を押下した、印刷ジョブの実行は中止される。
【0075】
また、
図7に示す警告画面1000において、ユーザが例えば手動出力先設定ボタン1003を押下すると、任意のIPアドレスを手動で入力することができるようにしてもよい。これにより、警告画面1000が表示された場合においてもユーザは、所望の画像形成装置20のIPアドレスを入力することにより、この入力されたIPアドレスが示す画像形成装置20において印刷ジョブを実行させることができる。
【0076】
ステップS75において、携帯端末10の全体制御部11は、上記のステップS61で選択された印刷対象データを含む印刷ジョブの実行要求を処理要求部17に対して行う。
【0077】
ステップS76において、携帯端末10の処理要求部17は、全体制御部11から印刷ジョブの実行要求を受け取ると、上記のステップS64で情報取得部12により取得されたIPアドレスが示す画像形成装置20に対して印刷ジョブを送信し、この印刷ジョブの実行要求を行う。
【0078】
ステップS77において、画像形成装置20のプリント機能部21は、携帯端末10から印刷ジョブを受け取ると、受け取った印刷ジョブを実行し、この印刷ジョブに含まれる印刷対象データを印刷する。これにより、ユーザは、所望の印刷対象データを所望の画像形成装置20で印刷することができる。
【0079】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る印刷システム1について説明する。第2の実施形態に係る印刷システム1では、第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが同一でない場合、メール送信を行うことで、所望の画像形成装置20のIPアドレスを取得する。したがって、ユーザは、印刷を行いたい所望の画像形成装置20のIPアドレスが変更されている場合においても、所望の画像形成装置20で印刷ジョブの実行をさせることができるようになる。また、第2の実施形態に係る印刷システム1では、携帯端末10は変更後のIPアドレスを取得すると、このIPアドレスを情報媒体30に書き込み、IPアドレスを更新する。なお、以降では、第1の実施形態と実質的に同一の機能を有する箇所及び同一の処理を行う箇所については、第1の実施形態と同一の符号を用い、適宜その説明を省略する。
【0080】
<ソフトウェア構成>
本実施形態に係る印刷システム1は、例えば
図8に示すような機能ブロックにより表すことができる。
図8は、第2の実施形態に係る印刷システムの一例の機能ブロック図である。なお、画像形成装置20及び情報媒体30の機能ブロックは、第1の実施形態と同様である。一方、携帯端末10は、第1の実施形態の構成に加えて、情報更新部18、メール送受信部19を有する。
【0081】
情報更新部18は、CPU106、近距離無線通信装置109により実現され、情報媒体30に記憶されている情報を更新する。
【0082】
メール送受信部19は、CPU106、通信I/F107により実現され、機器固有情報照合部15の判定結果に応じて、画像形成装置20に対してIPアドレスを取得するためのメールを送信する。また、メール送受信部19は、画像形成装置20から返信されたメールを受信する。
【0083】
<処理の詳細>
次に、第2の実施形態に係る印刷システム1の処理の詳細について説明する。まず、第2の実施形態に係る印刷システム1の印刷処理の流れについて説明する。
図9は、第2の実施形態に係る印刷処理の一例のフローチャートである。第2の実施形態では、ステップS91~ステップS93の処理が第1の実施形態と異なる。したがって、これらの処理についてのみ説明し、他の処理についてはその説明を省略する。
【0084】
ステップS91において、携帯端末10の情報取得部12は、情報媒体30からIPアドレスと、機器固有情報(第1の機器固有情報)と、この情報媒体30が貼り付けられている画像形成装置20のメールアドレスとを取得する。なお、以降では、メール送受信部19により取得されたIPアドレスと区別するため、情報媒体30から情報取得部12により取得されたIPアドレスを「第1のIPアドレス」と表す。
【0085】
ステップS92において、携帯端末10のメール送受信部19は、上記のステップS91において取得されたメールアドレス宛にIPアドレスの取得を要求するメールを送信し、所望の画像形成装置20のIPアドレスを取得する。なお、以降では、上記の第1のIPアドレスと区別するため、メール送受信部19により取得されたIPアドレスを「第2のIPアドレス」と表す。このような、第2のIPアドレスは、第3のアドレス情報の一例である。
【0086】
そして、携帯端末10の情報更新部18は情報媒体30に記憶されている第1のIPアドレスを、第2のIPアドレスで更新(書き換え)する。これにより、第1のIPアドレスの情報は、第2のIPアドレスの情報と同一となる。
【0087】
ステップS93において、携帯端末10の処理要求部17は、機器固有情報照合部15の判定結果に応じて、第1のIPアドレスが示す画像形成装置20又は第2のIPアドレスが示す画像形成装置20のいずれかに対して印刷ジョブを送信する。そして、画像形成装置20のプリント機能部21は、携帯端末10から印刷ジョブを受け取ると、この印刷ジョブに含まれる印刷対象データを印刷する。このように、第2の実施形態では、所望の画像形成装置20のIPアドレスが変更された場合においても、メールを送信し、変更後のIPアドレスを取得することで所望の画像形成装置20で印刷ジョブを実行させることができるようになる。
【0088】
次に、第2の実施形態に係る印刷システム1の印刷処理の詳細な流れについて説明する。
図10は、第2の実施形態に係る印刷処理の一例のシーケンス図である。第2の実施形態では、ステップS101~ステップS108の処理が第1の実施形態と異なる。したがって、これらの処理についてのみ説明し、他の処理についてはその説明を省略する。
【0089】
ステップS101において、携帯端末10の全体制御部11は、情報取得部12に対して近距離無線通信を介した第1のIPアドレスと第1の機器固有情報とメールアドレスの取得要求を行う。なお、ここで、取得するメールアドレスは所望の画像形成装置20のメールアドレスである。このようなメールアドレスは、第2のアドレス情報の一例である。
【0090】
これにより、携帯端末10は、情報媒体30と近距離無線通信が可能な状態となり、ユーザが携帯端末10を情報媒体30にかざす動作を行うまで、ステップS62における画面が表示された状態を維持する。
【0091】
なお、上記においては、所望の画像形成装置20のメールアドレスを取得したが、これに限られない。例えば、印刷システム1に含まれる各画像形成装置20のIPアドレスをDHCPにより割り当てている場合、DHCPサーバのメールアドレスを取得するようにしてもよい。この場合、後述するステップS105の処理において、携帯端末10のメール送受信部19は、DHCPサーバから所望の画像形成装置20のIPアドレスを取得することができる。このようにすることで、印刷システム1に含まれる各画像形成装置20に貼り付けられた情報媒体30には、同一のメールアドレス(DHCPサーバのメールアドレス)を書き込めばよく、管理者等の手間を軽減させることができる。
【0092】
ステップS102において、ユーザは、印刷対象データの印刷を行いたい、所望の画像形成装置20に貼り付けられているNFCチップ(情報媒体30)に、携帯端末10をかざす。すると、携帯端末10の情報取得部12は、近距離無線通信を介して、情報媒体30から第1のIPアドレスと、第1の機器固有情報と、メールアドレスとを取得する。なお、このとき、情報取得部12は、例えば、SSIDや暗号化方式に関する情報、ネットワークを利用するためのパスワード、画像形成装置20の機能を利用する際に利用するHTTP又はHTTPSポート番号などを取得してもよいことは第1の実施形態と同様である。また、例えば、画像形成装置20の外部に情報媒体30としてQRコードが貼り付けられており、ユーザは、携帯端末10のカメラ装置(不図示)を用いて、このQRコードを読み取ることにより、情報媒体30からIPアドレス、第1の機器固有情報、メールアドレスなどを取得するようにしてもよいことも第1の実施形態と同様である。
【0093】
ステップS103において、携帯端末10の全体制御部11は、機器固有情報照合部15による判定結果が第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが同一でないものである場合、メール送受信部19に対してメールの送信を要求する。
【0094】
ステップS104において、携帯端末10のメール送受信部19は、上記のステップS102で情報取得部12により取得されたメールアドレスに対して、IPアドレス(第2のIPアドレス)の取得を要求するメールを送信する。なお、第2のIPアドレスの取得を要求するメールは、メール送受信部19が直接送信してもよいし、例えば携帯端末10に搭載されているメールソフトと連携して処理を行い、このメールソフトがメールを送信するようにしてもよい。また、メール送受信部19は、単に、メールアドレスを携帯端末10の表示装置102に表示させて、ユーザに対して当該メールアドレスへのメール送信を促すようにしてもよい。
【0095】
ステップS105において、画像形成装置20は、携帯端末10からIPアドレスの取得を要求するメールを受け付けると、自身のIPアドレス(第2のIPアドレス)が記載されたメールを携帯端末10に返信する。そして、携帯端末10のメール送受信部19は、画像形成装置20から返信されたメール(返信メール)を受け付けると、第2のIPアドレスを取得したことを全体制御部11に通知する。
【0096】
なお、例えば、携帯端末10に搭載されたメールソフトが返信メールを受信する場合、このメールソフトとメール送受信部19が連携して処理を行い、メールソフトからメール送受信部19に第2のIPアドレスが送信されるようにしてもよい。また、ユーザがメールソフトから返信メールを開き、この返信メールに記載された所定のリンク等をクリック(選択)した場合、メール送受信部19に第2のIPアドレスが送信されるようにしてもよい。
【0097】
他方、メール送受信部19が返信メールを受信する場合、返信メールに記載されている第2のIPアドレスを自動的に取得するようにしてもよい。この場合、画像形成装置20は、例えば、携帯端末10に対して第2のIPアドレスを記載したSMS(Short Message Service)を送信する。すなわち、上記のステップS104において、メール送受信部19は、携帯端末10の電話番号を取得し、この取得した電話番号を記載したメールを画像形成装置20に対して送信する。そして、画像形成装置20は、この電話番号宛に第2のIPアドレスを記載したSMSを送信する。
【0098】
ステップS106において、携帯端末10の全体制御部11は、情報媒体30に記憶されている第1のIPアドレスの更新要求を情報更新部18に対して行う。
【0099】
ステップS107において、携帯端末10の情報更新部18は、全体制御部11から情報媒体30の更新要求を受け付けると、情報媒体30に記憶されている第1のIPアドレスを、上記のステップS105で取得した第2のIPアドレスと同一の情報に更新する。これにより、情報媒体30に記憶されている第1のIPアドレスは、ユーザが印刷を行いたいと所望する画像形成装置20に割り当てられているIPアドレスに更新される。そして、携帯端末10の情報更新部18は、情報媒体30の更新が完了すると、更新が完了したことを全体制御部11に通知する。
【0100】
なお、携帯端末10の情報更新部18は、全体制御部11から情報媒体30の更新要求を受け付けると、携帯端末10を更新対象の情報媒体30にかざすことを促す画面を表示装置102に表示させてもよい。そして、その後、ユーザが携帯端末10を情報媒体30にかざした場合、近距離無線通信を介して、情報媒体30に記憶されている第1のIPアドレスを第2のIPアドレスに更新するようにしてもよい。
【0101】
なお、上記の情報媒体30に記憶されているIPアドレスの更新は、例えば、印刷システム1の管理者権限を有するユーザにのみ許可するようにしてもよい。
【0102】
ステップS108において、携帯端末10の処理要求部17は、全体制御部11から印刷ジョブの実行要求を受け取ると、ステップS64で情報取得部12により取得された第1のIPアドレスが示す画像形成装置20又はステップS105でメール送受信部19により取得された第2のIPアドレスが示す画像形成装置20に対して印刷ジョブを送信し、この印刷ジョブの実行要求を行う。すなわち、機器固有情報照合部15による判定結果が、第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが同一であることを示すものである場合、処理要求部17は、第1のIPアドレスが示す画像形成装置20に対して印刷ジョブを送信する。他方、機器固有情報照合部15による判定結果が、第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが異なることを示すものである場合、処理要求部17は、第2のIPアドレスが示す画像形成装置20に対して印刷ジョブを送信する。これにより、ユーザは、所望の画像形成装置20のIPアドレスが変更されていた場合においても、意図する画像形成装置20で印刷を行うことができる。
【0103】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る印刷システム1について説明する。第3の実施形態に係る画像形成装置20は、操作パネルと本体部とがそれぞれが独立して電力制御を行うものである。なお、以降では、第2の実施形態と実質的に同一の機能を有する箇所及び同一の処理を行う箇所については、第2の実施形態と同一の符号を用い、適宜その説明を省略する。
【0104】
<ハードウェア構成>
第3の実施形態に係る画像形成装置20は、例えば
図11に示すようなハードウェア構成により実現される。
図11は、第3の実施形態に係る画像形成装置及び情報媒体の一例のハードウェア構成図である。第3の実施形態に係る画像形成装置20は、操作パネル202AがCPU206及び記憶装置207を有する点が異なる。ここで、記憶装置207は、例えばRAMやROM等である。
【0105】
また、第3の実施形態では、便宜上、コントローラ201、外部I/F203、通信I/F204、及びプリンタ205を、本体部208と表す。すなわち、画像形成装置20は、ユーザインタフェースである操作パネル202Aと、画像形成に関する処理等を行う本体部208とを含む。
【0106】
<ソフトウェア構成>
第3の実施形態に係る印刷システム1は、例えば
図12に示すような機能ブロックにより表すことができる。
図12は、第3の実施形態に係る印刷システムの一例の機能ブロック図である。
【0107】
第3の実施形態に係る画像形成装置20は、電力制御部22を有する点が第2の実施形態と異なる。
【0108】
電力制御部22は、CPU211、CPU206などにより実現され、操作パネル202A及び本体部208の電力状態を制御する。ここで、操作パネル202A及び本体部208の電力状態について、
図13を用いて説明する。
図13は、操作パネル及び本体部の電力状態の一例を説明するための図である。
【0109】
図13に示すように、操作パネル202Aの電力状態は、操作パネル202Aに電源が供給されている状態を示す「電源ON」と、操作パネル202Aに電源が供給されていない状態を示す「電源OFF」とがある。一方、本体部208の電力状態は、本体部208全体に電源が供給されている状態を示す「待機状態」と、本体部208のうちプリンタ205等の画像処理エンジンを除く各部に電源が供給されている状態を示す「エンジンOFF」とがある。また、本体部208の電力状態は、本体部208のうちRAM212等を除く各部に電源が供給されていない状態を示す「STR(Suspend To RAM)」がある。
【0110】
そして、
図13に示すように、操作パネル202Aの電力状態が「電源ON」の場合、本体部208の電力状態は「待機状態」、「エンジンOFF」、「STR」のいずれかの状態をとり得ることができる。同様に、操作パネル202Aの電力状態が「電源OFF」の場合、本体部208の電力状態は「待機状態」、「エンジンOFF」、「STR」のいずれかの状態をとり得ることができる。
【0111】
このように、本実施形態に係る画像形成装置20の電力制御部22は、操作パネル202A及び本体部208の電力状態を、それぞれ独立に制御することができる。これにより、本実施形態に係る印刷システム1では、画像形成装置20の消費電力の削減を図ることができるとともに、印刷処理におけるユーザの待ち時間の削減を図ることができる。
【0112】
すなわち、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したように、画像形成装置20における印刷処理は、ユーザが携帯端末10を操作することにより行われる。したがって、画像形成装置20の操作パネル202Aの電力状態を「電源OFF」とする一方で、本体部208の電力状態を「待機状態」又は「エンジンOFF」とすることにより、画像形成装置20の消費電力の削減を図ることができる。換言すれば、ユーザが携帯端末10を画像形成装置10のユーザインタフェースとして用いる場合には、本体部208には電源を供給する一方で、操作パネル202Aには電源の供給を抑止することで、消費電力の削減を図ることができる。
【0113】
また、本実施形態に係る画像形成装置20では、上記で説明したように、操作パネル202Aの電力状態を「電源OFF」とする一方で、本体部208の電力状態を「待機状態」又は「エンジンOFF」とすることができる。したがって、画像形成装置20全体に電力が供給されていない場合と比べて、印刷処理におけるユーザの待ち時間(すなわち、本体部208に電力を供給するのに要する時間)を削減することができる。
【0114】
ここで、例えば、ユーザが操作パネル202Aを介して印刷処理を行う場合において、操作パネル202に対して操作や入力がなされないで所定の時間が経過した場合、電力制御部22は、本体部208の電力状態を「STR」としてもよい。すなわち、操作パネル202Aに対して最後の操作や入力がなされてから所定の時間が経過した場合、電力制御部22は、操作パネル202Aの電力状態は「電源ON」のままとする一方で、本体部208の電力状態を「STR」としてもよい。
【0115】
これにより、画像形成装置20の消費電力を削減することができる。また、操作パネル202Aの電力状態は「電源ON」のままであるため、ユーザの待ち時間も削減される。なお、本体部208の電力状態が「STR」である場合において、操作パネル202Aに対して何らかの操作や入力がなされた場合、電力制御部22は、本体部208の電力状態を「待機状態」とすればよい。
【0116】
また、電力制御部22は、例えば画像形成装置20のモードと連動させて、本体部208及び操作パネル202Aの電力状態を制御してもよい。ここで、モードには、例えば、第1の実施形態や第2の実施形態で説明した携帯端末10が情報媒体30から取得したIPアドレスに基づいて印刷ジョブの実行要求を行うモードがある。また、モードには、例えば、印刷ジョブの実行要求に際してログインが必要なモードや印刷ジョブの実行要求に際してログインが不要なモードなどがある。
【0117】
このとき、電力制御部22は、例えば、携帯端末10が取得したIPアドレスに基づいて印刷ジョブの実行要求を行うモード、かつ、ログインが必要なモードの場合、本体部208の電力状態を「STR」、操作パネル202Aの電力状態を「電源ON」とする。
【0118】
また、電力制御部22は、例えば、携帯端末10が取得したIPアドレスに基づいて印刷ジョブの実行要求を行うモード、かつ、ログインが不要なモードの場合、本体部208の電源状態を「待機状態」、操作パネル202Aの電源状態を「電源OFF」とする。
【0119】
また、電力制御部22は、例えば、携帯端末10が情報媒体30からIPアドレスを取得しないモード、かつ、ログインが必要なモードの場合、本体部208の電力状態を「STR」、操作パネル202Aの電力状態を「電源ON」とする。
【0120】
さらに、電力制御部22は、例えば、携帯端末10が情報媒体30からIPアドレスを取得しないモード、かつ、ログインが不要なモードの場合、本体部208の電力状態を「STR」、操作パネル202Aの電力状態を「電源OFF」とする。
【0121】
<まとめ>
以上のように、第1の実施形態に係る印刷システム1では、情報媒体30から取得した第1の機器固有情報と、情報媒体30から取得したIPアドレスに基づき取得した第2の機器固有情報とが同一か否かを判定する。そして、同一でないと判定された場合、ユーザが印刷ジョブの実行を意図する画像形成装置20のIPアドレスが変更されたものとみなして印刷ジョブの実行を中止する。これにより、ユーザが意図しない画像形成装置20において印刷ジョブが実行されてしまう事態を防止することができる。
【0122】
また、第2の実施形態に係る印刷システム1では、第1の機器固有情報と第2の機器固有情報とが同一でないと判定された場合、所定のメールアドレスにメールを送信して、ユーザが印刷ジョブの実行を意図する所望の画像形成装置20のIPアドレスを取得する。これにより、画像形成装置20のIPアドレスが変更されていた場合においても、ユーザは所望の画像形成装置20で印刷ジョブを実行させることができる。
【0123】
さらに、第3の実施形態に係る印刷システム1では、画像形成装置20の操作パネル202A及び本体部208は、それぞれ独立に電力制御が行われる。したがって、画像形成装置20の消費電力の削減と、印刷処理におけるユーザ待ち時間の削減とを図ることができる。
【0124】
なお、情報取得部12は、第1の取得手段の一例である。機器固有情報取得部14は、第2の取得手段の一例である。機器固有情報照合部15は、判定手段の一例である。処理要求部17は、処理要求手段の一例である。UI表示部16は、表示手段の一例である。メール送受信部19は、第3の取得手段の一例である。情報更新部18は、更新手段の一例である。
【0125】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0126】
1 印刷システム
10 携帯端末
11 全体制御部
12 情報取得部
13 情報記憶部
14 機器固有情報取得部
15 機器固有情報照合部
16 UI表示部
17 処理要求部
18 情報更新部
19 メール送受信部
20 画像形成装置
21 プリント機能部
30 情報媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0127】