(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】バッテリー保護装置、およびこれを含むバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240918BHJP
H02H 3/087 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02H3/087
(21)【出願番号】P 2023167846
(22)【出願日】2023-09-28
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2023-0057216
(32)【優先日】2023-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 永絃
(72)【発明者】
【氏名】秦 京必
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-193489(JP,A)
【文献】特開2015-107039(JP,A)
【文献】特開2014-3892(JP,A)
【文献】特開2013-115864(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0021144(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H02H 3/08-3/253
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー保護装置であって、
複数のパック端子のうちのいずれか一つとバッテリーモジュールとの間に連結され、前記複数のパック端子と前記バッテリーモジュールとの間の電流の流れを制御する第1トランジスター、
前記第1トランジスターをターンオンまたはターンオフさせるための第1制御信号を出力するスイッチ制御回路、
第2制御信号を出力する制御器、そして
前記第1トランジスターの制御端子に連結され、前記第2制御信号によりターンオンされるかターンオフされ、ターンオン時に前記第1トランジスターをターンオフさせるフォトカプラーを含むバッテリー保護装置。
【請求項2】
前記制御器は、前記複数のパック端子と前記バッテリーモジュールとの間の電流が設定値以上である場合、前記第2制御信号を通じて前記フォトカプラーをターンオンさせ、
前記フォトカプラーがターンオンされると、前記第1トランジスターは前記第1制御信号と関係なしにターンオフされる、請求項1に記載のバッテリー保護装置。
【請求項3】
前記第1トランジスターは、前記複数のパック端子のうちポジティブパック端子と前記バッテリーモジュールのポジティブモジュール端子との間に連結される、請求項1に記載のバッテリー保護装置。
【請求項4】
前記第1トランジスターは、前記ポジティブモジュール端子に連結されるドレイン端子、前記ポジティブパック端子に連結されるソース端子、および前記制御端子として使用されるゲート端子を含むN-チャンネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスターである、請求項3に記載のバッテリー保護装置。
【請求項5】
前記ゲート端子と前記ソース端子との間に連結され、前記第1制御信号により前記ゲート端子に印加される電圧を調整する駆動回路をさらに含む、請求項4に記載のバッテリー保護装置。
【請求項6】
前記駆動回路は、
前記第1制御信号が入力されるノードと前記ソース端子との間に連結される第1抵抗、そして
前記ノードと前記ゲート端子との間に連結される第2抵抗を含む、請求項5に記載のバッテリー保護装置。
【請求項7】
前記駆動回路は、
前記ソース端子と前記ノードとの間に連結されて、前記ゲート端子と前記ソース端子との間の電圧を制限するツェナーダイオードをさらに含む、請求項6に記載のバッテリー保護装置。
【請求項8】
前記フォトカプラーは、
前記第2制御信号により発光が制御される発光素子、そして
前記ゲート端子と前記ソース端子との間に連結され、前記発光素子の発光によりターンオンされ、ターンオン時に前記ゲート端子と前記ソース端子を連結する受光素子を含む、請求項4に記載のバッテリー保護装置。
【請求項9】
前記発光素子と前記制御器の出力端との間に連結され、前記第2制御信号により前記発光素子の電流の流れを遮断するか許容する発光制御回路をさらに含む、請求項8に記載のバッテリー保護装置。
【請求項10】
前記発光制御回路は、
前記発光素子を含む電流経路上に位置し、前記第2制御信号により前記発光素子を流れる電流の流れを許容するか遮断する第2トランジスターを含む、請求項9に記載のバッテリー保護装置。
【請求項11】
前記第2トランジスターは、前記発光素子に連結される第1端子、接地に連結される第2端子、および前記第2制御信号が入力される制御端子を含み、
前記発光素子は電源ノードと前記第2トランジスターの第1端子との間に連結される、請求項10に記載のバッテリー保護装置。
【請求項12】
前記スイッチ制御回路は、チャージポンプ回路を含み、前記チャージポンプ回路により生成された電圧を使用して前記第1制御信号を生成する、請求項1に記載のバッテリー保護装置。
【請求項13】
前記スイッチ制御回路は、前記複数のパック端子と前記バッテリーモジュールとの間の電流が設定値以上である場合、前記チャージポンプ回路を通じて前記第1トランジスターをターンオフさせるための前記第1制御信号を生成する、請求項12に記載のバッテリー保護装置。
【請求項14】
バッテリーモジュール、そして
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のバッテリー保護装置を含むバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリー保護装置、およびこれを含むバッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0002】
二次バッテリー(secondary battery)は、充電および放電が繰り返され得るという点で、化学物質の電気エネルギーへの非可逆的変換のみを提供する一次バッテリー(primary battery)とは異なる。低容量の二次バッテリーは、携帯電話、ノートパソコン、およびカムコーダーのような小型電子装置の電源装置として使用され、高容量の二次バッテリーは、ハイブリッド自動車などの電源装置として使用される。
【0003】
一般的に、二次バッテリーセルは、正極、負極、および正極と負極との間に介されたセパレータを含む電極組立体、電極組立体を収容するケース、そして電極組立体と電気的に連結されている電極端子を含む。正極、負極、および電解質溶液の電気化学的反応を通じてバッテリーセルの充放電を可能にするために、ケースに電解液が注入される。円筒形または長方形のようなケースの形状はバッテリーセルの用途により異なる。
【0004】
二次バッテリーセルは、高いエネルギー密度を提供するために互いに直列または並列に結合してバッテリーモジュールを構成する。また、このようなバッテリーモジュールは、所望の電圧、容量または電力密度を提供するために互いに直列または並列に結合してバッテリーパックを構成することができる。バッテリーパックは、バッテリーモジュールと負荷/充電器との間でこれらの間の電気的な連結を制御するためのスイッチを含む。このようなスイッチは、バッテリーパックのハイサイド(high side)(つまり、バッテリーパックのポジティブ(または正極)出力側)またはローサイド(low side)(つまり、バッテリーパックのネガティブ(または負極)出力側)に位置することができる。
【0005】
バッテリーパックの出力端子の外部短絡が発生する場合、過度な短絡電流が発生してバッテリーパックが損傷されることがある。したがって、バッテリーパックにはこのような短絡電流からバッテリーパックを保護するための保護装置が必須で備えられなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示を通じて解決しようとする課題は、外部短絡により高い短絡電流が発生するとバッテリーパックと外部との連結を迅速に遮断して短絡電流からバッテリーパックを保護することができるバッテリー保護装置、およびこれを含むバッテリーパックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための一実施形態によるバッテリー保護装置は、複数のパック端子のうちのいずれか一つとバッテリーモジュールとの間に連結され、前記複数のパック端子と前記バッテリーモジュールとの間の電流の流れを制御する第1トランジスター、前記第1トランジスターをターンオンまたはターンオフさせるための第1制御信号を出力するスイッチ制御回路、第2制御信号を出力する制御器、そして前記第1トランジスターの制御端子に連結され、前記第2制御信号によりターンオンされるかターンオフされ、ターンオン時に前記第1トランジスターをターンオフさせるフォトカプラー(photocoupler)を含むことができる。
【0008】
前記制御器は、前記複数のパック端子と前記バッテリーモジュールとの間の電流が設定値以上である場合、前記第2制御信号を通じて前記フォトカプラーをターンオンさせることができる。前記フォトカプラーがターンオンされると、前記第1トランジスターは前記第1制御信号と関係なしにターンオフされ得る。
【0009】
前記第1トランジスターは、前記複数のパック端子のうちポジティブパック端子と前記バッテリーモジュールのポジティブモジュール端子との間に連結され得る。
【0010】
前記第1トランジスターは、前記ポジティブモジュール端子に連結されるドレイン端子、前記ポジティブパック端子に連結されるソース端子、および前記制御端子として使用されるゲート端子を含むN-チャンネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスターであり得る。
【0011】
前記バッテリー保護装置は、前記ゲート端子と前記ソース端子との間に連結され、前記第1制御信号により前記ゲート端子に印加される電圧を調整する駆動回路をさらに含むことができる。
【0012】
前記駆動回路は、前記第1制御信号が入力されるノードと前記ソース端子との間に連結される第1抵抗、そして前記ノードと前記ゲート端子との間に連結される第2抵抗を含むことができる。
【0013】
前記駆動回路は、前記ソース端子と前記ノードとの間に連結されて、前記ゲート端子と前記ソース端子との間の電圧を制限するツェナーダイオードをさらに含むことができる。
【0014】
前記フォトカプラーは、前記第2制御信号により発光が制御される発光素子、そして前記ゲート端子と前記ソース端子との間に連結され、前記発光素子の発光によりターンオンされ、ターンオン時に前記ゲート端子と前記ソース端子を連結する受光素子を含むことができる。
【0015】
前記バッテリー保護装置は、前記発光素子と前記制御器の出力端との間に連結され、前記第2制御信号により前記発光素子の電流の流れを遮断するか許容する発光制御回路をさらに含むことができる。
【0016】
前記発光制御回路は、前記発光素子を含む電流経路上に位置し、前記第2制御信号により前記発光素子を流れる電流の流れを許容するか遮断する第2トランジスターを含むことができる。
【0017】
前記第2トランジスターは、前記発光素子に連結される第1端子、接地に連結される第2端子、および前記第2制御信号が入力される制御端子を含むことができる。前記発光素子は電源ノードと前記第2トランジスターの第1端子との間に連結され得る。
【0018】
前記スイッチ制御回路は、チャージポンプ回路を含み、前記チャージポンプ回路により生成された電圧を使用して前記第1制御信号を生成することができる。
【0019】
前記スイッチ制御回路は、前記複数のパック端子と前記バッテリーモジュールとの間の電流が設定値以上である場合、前記チャージポンプ回路を通じて前記第1トランジスターをターンオフさせるための前記第1制御信号を生成することができる。
【0020】
一実施形態によるバッテリーパックは、バッテリーモジュール、そして前述の特徴のうちの少なくとも一つを含むバッテリー保護装置を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、外部短絡により高い短絡電流が発生してもバッテリーパックと外部との連結を迅速に遮断して短絡電流からバッテリーパックを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示す。
【
図2】一実施形態によるバッテリー保護装置の回路構成の一例を示す。
【
図3】一実施形態によるバッテリー保護装置の作動を説明するためのタイミング図面である。
【
図4】他の実施形態によるバッテリーパックを示す。
【
図5】また他の実施形態によるバッテリーパックを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。以下、添付した図面を参照して実施形態の効果および特徴、そしてその具現方法を詳しく説明する。図面において、同一の参照符号は同一の構成要素を示し、それに関する重複する説明は省略される。しかし、本発明は、多様な形態に具現することができ、ここで説明する実施形態に限定されると解釈されてはならない。むしろ、これら実施形態は本開示が徹底かつ完全になることができるように例として提供され、通常の技術者に本発明の様態および特徴を十分に伝達する。
【0024】
したがって、本発明の様態および特徴の完全な理解のために当業者に必要でないと考慮されるプロセス、要素、および技術は説明されないことがある。図面において、素子、層、および領域の相対的な大きさは明確性のために誇張され得る。
【0025】
本文書で「および/または」という用語は、関連して列挙された複数の項目の全ての組み合わせまたは任意の組み合わせを含む。本発明の実施形態を記述する時、「~することができる」を使用することは、「本発明の一つ以上の実施形態」を意味する。本発明の実施形態に関する以下の説明において、単数の形態の用語は、文脈に異なるように明示されない限り、複数の形態を含むことができる。
【0026】
「第1」および「第2」の用語は、多様な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素はこの用語により限定されない。この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱せずに第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよく、同様に第1構成要素も第2構成要素と命名されてもよい。
【0027】
本文書で、一つの構成要素または層が他の構成要素または層に対して「上に」、「連結された」、または「結合された」と記載される場合において、「上に」、「連結された」および「結合された」とは、直接、または一つ以上の他の構成要素または層を介して形成されることを全て含む。また、一つの構成要素または層が2個の構成要素または層の「間」にあると記載される場合、2個の構成要素または層の間の唯一の構成要素または層であるか、または一つ以上の介された他の要素または層が存在すると理解されなければならない。
【0028】
本文書で、2個の構成要素を「電気的に連結」するとは、2個の構成要素を直接(directly)連結する場合だけでなく、2個の構成要素の間に他の構成要素を経て連結する場合も含むことができる。他の構成要素は、スイッチ、抵抗、キャパシタなどを含むことができる。実施形態を説明するに当たり、「連結」するという表現は、直接連結するという表現がない場合には、電気的に連結することを意味する。
【0029】
本発明の実施形態を説明するに先立ち、実施形態と関連したバッテリーパックの構成について説明する。
【0030】
バッテリーパックは、少なくとも一つのバッテリーモジュール、そして少なくとも一つのバッテリーモジュールを収容する収容空間が形成されたパックハウジングを含む。バッテリーパックが複数のバッテリーモジュールを含む場合、バッテリーパックに含まれている複数のバッテリーモジュールは、互いに直列および/または並列連結され得る。
【0031】
また、バッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルおよびモジュールハウジングを備えることができる。バッテリーモジュールに含まれている複数のバッテリーセルは、互いに直列および/または並列連結され、積層された形態でモジュールハウジング内部に収容され得る。
【0032】
バッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルが積層された形態である一つのセルスタックで構成されることもできる。この場合、セルスタックは、パックハウジング内部の収容空間に収容されたり、パックハウジング内部でフレーム、隔壁などにより区画した別途の収容空間に収容され得る。
【0033】
バッテリーセルは、正極、負極、および正極と負極との間に介されたセパレータを含む電極組立体、電極組立体を収容するケース、そして電極組立体と電気的に連結されている電極端子を含むことができる。正極、負極、および電解質溶液の電気化学的反応を通じてバッテリーセルの充放電を可能にするために、ケースに電解液が注入される。バッテリーセルは、ケースの形状により円形タイプ、角形タイプ、パウチタイプなどに区分され、ケースの形状はバッテリーセルの用途により異なり得る。
【0034】
バッテリーセルは、充/放電する間に多量の熱を発生させる。発生された熱は、バッテリーセルに蓄積されてバッテリーセルの劣化を促進する。したがって、バッテリーパックは、バッテリーセルの劣化を抑制するために冷却部材をさらに含むことができる。冷却部材は、バッテリーセルが備えられる収容空間の下部に備えられ得るが、バッテリーパックによってはこれに限定されずバッテリーセルが備えられる収容空間の上部や側面に備えられることもできる。
【0035】
バッテリーセルは、それぞれ熱暴走または熱イベントとも知られている異常な作動条件で発生したバッテリーセル内部の排気ガスがバッテリーセル外部に排出されるように構成され得る。バッテリーパックまたはバッテリーモジュールは、排気ガスによるバッテリーパックまたはバッテリーモジュールの損傷を抑制するために排気ガス排出のための排気口などを備えることができる。
【0036】
バッテリーパックは、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)を含むことができる。バッテリー管理システム(BMS)は、バッテリー状態モニタリング、診断および制御、通信、保護機能などを行うシステムである。バッテリー管理システム(BMS)は、バッテリーモジュールまたはバッテリーセルの充放電状態、寿命(または健康状態)(SOH:State Of Health)などを算出することができる。
【0037】
バッテリー管理システムは、検出装置、バランシング装置および制御装置を含むことができる。
【0038】
検出装置は、バッテリーモジュールまたはバッテリーセルの状態(電圧、電流、温度など)を感知して、バッテリーモジュールまたはバッテリーセルの状態を示す状態情報を検出することができる。検出装置は、各バッテリーセル、または各バッテリーモジュールの電圧を検出することができる。検出装置は、バッテリーモジュールを流れる電流を検出することもできる。検出装置は、バッテリーパックまたはバッテリーモジュールの少なくとも一地点でバッテリーセルおよび/またはバッテリーモジュールの温度および/または周辺温度を検出することもできる。バランシング装置は、バッテリーパックを構成するバッテリーモジュールおよびまたはバッテリーセルのバランシング動作を行うことができる。
【0039】
制御装置は、検出装置からバッテリーモジュールの状態情報(電圧、電流、温度など)を受信することができる。制御装置は、検出装置から受信した状態情報に基づいてバッテリーモジュールの状態(電圧、電流、温度、充電状態(State Of Charge、SOC)、寿命(State Of Health、SOH)など)をモニタリングおよび計算することができる。また、制御装置は、状態モニタリング結果に基づいて、制御機能(例えば、温度制御、バランシング制御、充放電制御など)、保護機能(例えば、過放電、過充電、過電流防止、短絡、消火機能など)などを行うこともできる。このために、制御装置は、充放電制御部、バランシング制御部および保護部を含むことができる。制御装置は、バッテリーパックの外部装置(例えば、上位制御器または車両または充電器またはPSCなど)との有線または無線通信機能を行うこともできる。
【0040】
バッテリー管理システム(BMS)は、必要時にバッテリーパックの電力遮断制御(スイッチ制御)機能、バッテリーパックの熱管理(冷却、加熱など)制御機能、高電圧インターロック機能、絶縁および短絡状態を検出する機能などを行うこともできる。
【0041】
バッテリーパックの電力遮断のために使用されるスイッチは、コイルの磁気力によりオン/オフされるリレー(relay)、コンタクタ(contactor)などの機械式スイッチであるか、またはMOSFET(Metal Oxide Semiconductoructor Field Effect Transistortor)のような半導体スイッチであり得る。
【0042】
バッテリー管理システム(BMS)のスイッチ制御機能は、車両およびバッテリーパックに問題が発生する場合、バッテリーパックからの電力供給を遮断する機能を含むことができる。このために、バッテリーパックは、バッテリーパックの出力端子(正極パック端子および負極パック端子)とバッテリーモジュールとの間に連結される一つ以上のスイッチを含むことができる。
【0043】
バッテリー管理システム(BMS)のスイッチ制御機能は、プリチャージ(precharge)制御機能を含むことができる。このために、バッテリーパックは、バッテリーパックの出力端子とバッテリーモジュールとの間に連結されるプリチャージスイッチおよびプリチャージ抵抗をさらに含むことができる。プリチャージ制御機能は、バッテリーパックと負荷の接続時、インバータ入力側の高電圧キャパシタにより突入電流(Inrush current)が発生する危険があるため、突入電流の引入み防止のために、車両起動時、メインスイッチの動作前にプリチャージスイッチを先に動作させてバッテリーモジュールと負荷との間にプリチャージ抵抗を連結する機能を行うことができる。
【0044】
バッテリーパックは、高電圧インターロック回路を含むこともできる。高電圧インターロック回路は、車両システム全体に高電圧部品が全て連結されているか否かを信号を利用して感知する回路であり、バッテリー管理システム(BMS)は、高電圧インターロック回路の全体ループ(Loop)上で一箇所でも開放(Open)が発生すればスイッチを強制的に開放させる高電圧インターロック機能を行うことができる。
【0045】
以下、必要な図面を参照して一実施形態によるバッテリー保護装置、およびこれを含むバッテリーパックについて詳しく説明する。
【0046】
図1は一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示す。
【0047】
図1を参照すれば、一実施形態によるバッテリーパック10aは、複数のパック端子P+、P-、バッテリーモジュール100、およびバッテリー保護装置200を含むことができる。
【0048】
複数のパック端子P+、P-は、バッテリーパック10aの入出力端子であり、バッテリーパック10aは、複数のパック端子P+、P-を通じて負荷20または充電器(図示せず)と連結され得る。
【0049】
バッテリーモジュール100は、複数のパック端子P+、P-の間に連結され、互いに直列または並列連結される複数のバッテリーセルを含むことができる。バッテリーモジュール100は、複数のパック端子P+、P-を通じて負荷20に電力を供給することができる。
【0050】
バッテリー保護装置200は、トランジスター(transistor)M1、スイッチ制御回路210、駆動回路220、フォトカプラー(photocoupler)230、制御器240、発光制御回路250、および電流検出回路260を含むことができる。
【0051】
トランジスターM1は、バッテリーモジュール100のポジティブ(positive)モジュール端子に連結される第1端子、バッテリーパック10aのポジティブパック端子P+に連結される第2端子、および制御端子を含むことができる。トランジスターM1は、バッテリーモジュール100と負荷20との間の電流の流れを許容するか遮断する放電スイッチとして使用され得る。
【0052】
トランジスターM1は、制御端子がゲート(gate)端子であり、第1端子および第2端子がそれぞれドレイン(drain)端子およびソース(source)端子であるN-チャンネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスター(N-channel metal oxide semiconductor field effect transistor、N-チャンネルMOSFET)であり得る。トランジスターM1は、制御端子と第2端子との間の電圧(ゲート-ソース電圧)が臨界値(Vth)以上である場合にターンオン(turn on)され、制御端子と第2端子との間の電圧(ゲート-ソース電圧)が臨界値(Vth)より低い場合はターンオフ(turn off)され得る。
【0053】
スイッチ制御回路210は、トランジスターM1のターンオン/ターンオフを制御するための制御信号S1を出力することができる。スイッチ制御回路210は、負荷20に対する電力供給が要求されると、トランジスターM1をターンオンさせるように制御信号S1を出力することができる。スイッチ制御回路210は、トランジスターM1がターンオンされた状態でバッテリーモジュール100と負荷20との間に設定値以上の電流が流れると、トランジスターM1をターンオフさせるように制御信号S1を出力することができる。
【0054】
駆動回路220は、トランジスターM1の制御端子と第2端子との間に連結され、スイッチ制御回路210から制御信号S1の入力を受けることができる。駆動回路220は、スイッチ制御回路210から入力された制御信号S1によりトランジスターM1のターンオン/ターンオフを制御することができる。駆動回路220は、入力される制御信号S1によりトランジスターM1のターンオン/ターンオフを制御するための制御電圧Vgを生成し、これをトランジスターM1の制御端子に供給することができる。駆動回路220は、スイッチ制御回路210から入力された制御信号S1がトランジスターM1のターンオンを指示すると、トランジスターM1をターンオンさせるための制御電圧VgをトランジスターM1の制御端子に供給することができる。駆動回路220は、スイッチ制御回路210から入力された制御信号S1がトランジスターM1のターンオフを指示すると、トランジスターM1をターンオフさせるための制御電圧VgをトランジスターM1の制御端子に供給することができる。
【0055】
フォトカプラー230は、発光素子LEおよび受光素子PEを含むことができる。発光素子LEに電流が流れて受光素子PEがターンオン(導通)されるターンオン状態と、発光素子LEに流れる電流が遮断されて受光素子PEがターンオフ(非導通)されるターンオフ状態で作動することができる。フォトカプラー230は、ターンオン時(発光素子LEの発光時)、トランジスターM1の制御端子をトランジスターM1の第2端子と連結することができる。したがって、フォトカプラー230がターンオンされると、制御信号S1と関係なしにトランジスターM1がターンオフされ得る。
【0056】
制御器240は、フォトカプラー230のターンオン(発光素子LEの発光オン)/ターンオフ(発光素子LEの発光オフ)を制御するための制御信号S2を出力することができる。制御器240は、デフォルト状態ではフォトカプラー230をターンオフさせるための制御信号S2を出力することができる。制御器240は、トランジスターM1がターンオンされた状態でバッテリーモジュール100と負荷20との間に設定値以上の電流が流れると、フォトカプラー230をターンオンさせるための制御信号S2を出力することができる。この時、制御器240は、電力消費を減らすためにフォトカプラー230のターンオン時間を所定時間に制限することができる。つまり、制御器240は、フォトカプラー230を所定時間ターンオンさせた後、フォトカプラー230が再びターンオフされるように制御信号S2を出力することができる。
【0057】
発光制御回路250は、フォトカプラー230と制御器240の出力端との間に連結され得る。発光制御回路250は、制御器240から制御信号S2の入力を受け、制御信号S2によりフォトカプラー230のターンオン/ターンオフを制御することができる。発光制御回路250は、制御器240からフォトカプラー230のターンオフを指示する制御信号S2が入力されると、発光素子LEの電流の流れを遮断してフォトカプラー230をターンオフさせることができる。発光制御回路250は、制御器240からフォトカプラー230のターンオンを指示する制御信号S2が入力されると、発光素子LEに電流が流れるようにしてフォトカプラー230をターンオンさせることができる。
【0058】
電流検出回路260は、バッテリーモジュール100とパック端子P+、P-との間に連結されたシャント抵抗などを使用してバッテリーモジュール100とパック端子P+、P-との間の電流経路に流れる電流を検出することができる。電流検出回路260は、検出された電流値に対応する電流検出信号S3を制御器240およびスイッチ制御回路210に出力することができる。これを受信した制御器240およびスイッチ制御回路210は、それぞれ過電流検出機能を行って電流検出信号S3に対応する電流値を設定値と比較し、電流値が設定値以上である場合、トランジスターM1がターンオフされるように制御信号S1、S2を出力することができる。
【0059】
トランジスターM1がターンオンされるためにはトランジスターM1のゲート-ソース電圧が臨界値以上でなければならず、このためにトランジスターM1のゲート端子に供給される制御電圧Vg(つまり、ゲート端子電圧)がトランジスターM1のソース端子電圧に比べて臨界値(Vth)以上高くなければならない。
図1に示されているようにトランジスターM1がハイサイド(high side)に位置する場合、このような制御電圧Vgを生成するためにはチャージポンプ(charge pump)などの昇圧回路の使用が要求される。昇圧回路の使用は、昇圧過程で遅延時間を発生させてトランジスターM1の迅速な制御を妨害する要素として作用することがある。バッテリーパック10a外部の短絡発生などにより瞬間的に高い短絡電流が発生する状況でトランジスターM1のターンオフ遅延は、バッテリーパック10aの損傷につながることがある。したがって、この実施形態では、過電流状況が発生するとフォトカプラー230を使用してトランジスターM1を迅速にターンオフさせることによってトランジスターM1がターンオフされるまでの時間を短縮することができる。また、フォトカプラー230のターンオン時間を所定時間に制限し、以降はスイッチ制御回路210によりトランジスターM1が制御され得るようにしてフォトカプラー230の使用による電力消費を最小化することができる。
【0060】
図2は一実施形態によるバッテリー保護装置の回路構成の一例を示す。
【0061】
図2を参照すれば、一実施形態によるバッテリー保護装置200において、スイッチ制御回路210は、チャージポンプ回路211を含むことができる。チャージポンプ回路211は、トランジスターM1のソース端子電圧よりも高い昇圧された第1電圧を生成することができる。チャージポンプ回路211により昇圧された第1電圧は制御信号S1を生成するために使用され得る。
【0062】
スイッチ制御回路210は、トランジスターM1をターンオンさせようとする場合、チャージポンプ回路211により昇圧された第1電圧を使用して制御信号S1を生成し、これを駆動回路220に出力することができる。つまり、スイッチ制御回路210は、トランジスターM1をターンオンさせようとする場合、電圧レベルが第1電圧である制御信号S1を駆動回路220に出力することができる。
【0063】
スイッチ制御回路210は、トランジスターM1をターンオフさせようとする場合、チャージポンプ回路211により昇圧された第1電圧でなく第2電圧を使用して制御信号S1を生成し、これを駆動回路220に出力することができる。つまり、スイッチ制御回路210は、トランジスターM1をターンオフさせようとする場合、電圧レベルが第2電圧である制御信号S1を駆動回路220に出力することができる。第1電圧は、トランジスターM1のソース端子電圧より臨界値(Vth)以上高い電圧であり、第2電圧は、第1電圧より低い電圧であり得る。例えば、第2電圧は、トランジスターM1のソース端子電圧に対応することができる。
【0064】
駆動回路220は、スイッチ制御回路210から出力される制御信号S1により制御電圧Vgを生成し、これをトランジスターM1のゲート端子に伝達することができる。駆動回路220は、トランジスターM1のソース端子とノードn1との間に連結される抵抗R21、およびノードn1とトランジスターM1のゲート端子との間に連結される抵抗R22を含むことができる。また、駆動回路220は、ノードn1とスイッチ制御回路210の出力端との間に連結される抵抗R23をさらに含むことができる。抵抗R21は、プルダウン抵抗として動作し、抵抗R22、R23は、トランジスターM1のゲート端子に入力される電流を制限するゲート抵抗として動作することができる。
【0065】
駆動回路220は、トランジスターM1のゲート-ソース電圧を制限するためにトランジスターM1のソース端子に連結するアノード(anode)、およびノードn1に連結されるカソード(cathode)を含むツェナーダイオードZDをさらに含むことができる。
【0066】
フォトカプラー230の発光素子LEは、電源ノードVCCと発光制御回路250との間に連結され、発光制御回路250により接地と連結されるか接地との連結が遮断され得る。電源ノードVCCの電圧は、レギュレーター(regulator)、DC-DCコンバータ、低電圧バッテリーなどの電圧源から供給され得る。受光素子PEは、トランジスターM1のゲート端子とソース端子との間に連結され、発光素子LEの発光によりターンオンされ得る。
【0067】
フォトカプラー230が発光制御回路250によりターンオン状態に制御されると、発光素子LEと接地が連結されて発光素子LEに流れる電流により発光素子LEが発光することができる。また、発光素子LEの発光により受光素子PEがターンオンされて、受光素子PEによりトランジスターM1のゲート端子とソース端子が互いに連結され得る。受光素子PEによりトランジスターM1のゲート端子とソース端子が互いに連結されることによって、トランジスターM1はターンオフされ得る。
【0068】
フォトカプラー230が発光制御回路250によりターンオフ状態に制御されると、発光素子LEと接地との連結が遮断されて発光素子LEに流れる電流が遮断され、発光素子LEが発光を中断することができる。また、発光素子LEの発光が中断されることによって受光素子PEがターンオフされて、受光素子PEによるトランジスターM1のゲート端子とソース端子との連結が遮断され得る。受光素子PEによるトランジスターM1のゲート端子とソース端子との連結が遮断されると、トランジスターM1はスイッチ制御回路210および駆動回路220によりターンオン/ターンオフが制御され得る。
【0069】
発光制御回路250は、フォトカプラー230の発光素子LEと接地との間に連結されるスイッチ、つまり、トランジスターM2を含むことができる。トランジスターM2は、発光素子LEに連結される第1端子、接地に連結される第2端子、および制御器240から制御信号S2を受信する制御端子を含むことができる。トランジスターM2は、制御信号S2によりターンオン/ターンオフが制御され得る。トランジスターM2は、制御信号S2がフォトカプラー230のターンオンを指示するとターンオンされ、制御信号S2がフォトカプラー230のターンオフを指示するとターンオフされ得る。トランジスターM2は、ターンオン/ターンオフを通じて発光素子LEを流れる電流の流れを遮断するか許容することができる。トランジスターM2がターンオンされると発光素子LEと接地が連結され、これにより発光素子LEに電流が流れて受光素子PEがターンオンされ得る。トランジスターM2がターンオフされると発光素子LEと接地との連結が遮断され、これにより発光素子LEに流れる電流が遮断されて受光素子PEがターンオフされ得る。
【0070】
トランジスターM2は、制御端子がゲート端子であり、第1端子および第2端子がそれぞれドレイン端子およびソース端子であるN-チャンネルMOSFETであり得る。したがって、トランジスターM2は、ゲート端子に臨界値(Vth)以上の電圧が印加されるとターンオンされ、ゲート端子に臨界値(Vth)より低い電圧が印加されるとターンオフされ得る。
【0071】
発光制御回路250は、トランジスターM2の安定した作動のためにトランジスターM2の制御端子と接地との間に連結される抵抗R51、および制御器240の出力端とトランジスターM2の制御端子との間に連結される抵抗R52をさらに含むことができる。発光制御回路250は、発光素子LEとトランジスターM2の第1端子との間に連結される電流制限用抵抗R53をさらに含むことができる。
【0072】
バッテリー保護装置200は、トランジスターM1の安定した作動のためにトランジスターM1のゲート端子とフォトカプラー230の受光素子PEとの間に連結される抵抗R1をさらに含むことができる。
【0073】
前述した構造のバッテリー保護装置200において、スイッチ制御回路210および制御器240は、一つの集積回路(integrated circuit、IC)で集積され得る。この場合、集積回路は、電流検出回路260、電源ノードVCCに電圧を供給するためのレギュレーターなどをさらに含むこともできる。
【0074】
図3は一実施形態によるバッテリー保護装置の作動を説明するためのタイミング図面である。
【0075】
図3を参照すれば、バッテリーパック10a外部での短絡発生によりt1時点で瞬間的に高い短絡電流が発生した。
【0076】
制御器240は、内部に内蔵された過電流検出機能を通じてt2時点で短絡電流の発生を検出し、これによりフォトカプラー230をターンオンさせるための制御信号S2を出力してトランジスターM1をターンオフさせることができる。
【0077】
一方、スイッチ制御回路210は、チャージポンプ回路211により制御信号S1の状態を変更するまで所定時間がかかり、これにより過電流発生を検出したt2時点より所定時間遅延されたt3時点にトランジスターM1をターンオフさせるための制御信号S1を出力することができる。
【0078】
制御器240は、フォトカプラー230の使用による電力消費を最小化するためにフォトカプラー230を所定時間(t2~t4区間参照)だけターンオンさせ、t4時点に再びターンオフさせることができる。この時、t3時点で既に制御信号S1がトランジスターM1のターンオフを指すように状態が変更されたため、フォトカプラー230がt4時点に再びターンオフされてもトランジスターM1はターンオフの状態を持続的に維持することができる。
【0079】
一方、前述した実施形態では、制御器240およびスイッチ制御回路210が全て過電流検出機能を含むものを例に挙げて説明したが、他の実施形態によれば、制御器240およびスイッチ制御回路210のうちのいずれか一つにのみ過電流検出機能が含まれることもできる。
【0080】
図4および
図5は、それぞれ他の実施形態によるバッテリーパックを概略的に示したものであり、制御器240およびスイッチ制御回路210のうちのいずれか一つにのみ過電流検出機能が含まれているものを示した。
【0081】
図4および
図5を参照すれば、制御器240およびスイッチ制御回路210のうちのいずれか一つにのみ過電流検出機能が含まれている場合、電流検出回路260は、制御器240およびスイッチ制御回路210のうち、過電流検出機能が含まれている装置に電流検出信号S3を伝達することができる。この場合、電流検出信号S3が伝達された装置は、過電流検出機能を通じて電流検出信号S3に対応する電流値を設定値と比較し、比較結果によりトランジスターM1を制御するための制御信号S1またはS2を出力することができる。また、この装置は、電流検出信号S3に対応する電流値が設定値以上である場合、残りの装置でもトランジスターM1をターンオフ制御するように過電流検出信号S4またはS5を当該装置に伝達することができる。
【0082】
図4を例に挙げれば、バッテリーパック10bの電流検出回路260は、制御器240に電流検出信号S3を伝達することができる。そのために、電流検出信号S3が伝達された制御器240は、過電流検出機能を通じて電流検出信号S3に対応する電流値を設定値と比較し、比較結果によりトランジスターM1を制御するための制御信号S2を出力することができる。また、制御器240は、電流検出信号S3に対応する電流値が設定値以上である場合、スイッチ制御回路210でもトランジスターM1をターンオフ制御するように過電流検出信号S4をスイッチ制御回路210に伝達することができる。
【0083】
図5を例に挙げれば、バッテリーパック10cの電流検出回路260は、スイッチ制御回路210に電流検出信号S3を伝達することができる。そのために、電流検出信号S3が伝達されたスイッチ制御回路210は、過電流検出機能を通じて電流検出信号S3に対応する電流値を設定値と比較し、比較結果によりトランジスターM1を制御するための制御信号S1を出力することができる。また、スイッチ制御回路210は、電流検出信号S3に対応する電流値が設定値以上である場合、制御器240でもトランジスターM1をターンオフ制御するように過電流検出信号S5を制御器240に伝達することができる。
【0084】
ここで説明された本発明の実施形態による電子または電気装置および/または任意の他の関連装置または構成要素は、任意の適したハードウェア、ファームウエア(例えば、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit))、ソフトウェア、またはソフトウェア、ファームウエアおよびハードウェアの組み合わせを利用して具現され得る。例えば、これら装置の多様な構成要素は、一つの集積回路(IC)チップ上にまたは個別のICチップ上に形成され得る。また、これら装置の多様な構成要素は、フレキシブルプリント回路フィルム(flexible printed circuit film)、テープキャリアパッケージ(TCP:tape carrier package)、プリント回路基板(PCB:printed circuit boardd)または一つの基板上に具現され得る。本明細書に記載された電気的連結または相互連結は、例えば、PCBまたは他の種類の回路キャリア上の配線または伝導性素子により具現され得る。伝導性素子は、例えば表面金属化(surface metallizations)のような金属化、および/またはピン(pin)を含むことができ、伝導性重合体(conductive polymers)またはセラミック(ceramics)を含むことができる。
【0085】
また、これら装置の多様な構成要素は、ここで説明された多様な機能を行うために一つ以上のプロセッサー上で実行され、一つ以上のコンピューティング装置内で実行され、コンピュータプログラム命令を実行し、他のシステム構成要素と相互作用するプロセスまたはスレッドであり得る。コンピュータプログラム命令は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)のような、標準メモリ装置を使用するコンピューティング装置で具現され得るメモリに保存される。コンピュータプログラム命令はまた、例えばCD-ROM、フラッシュドライブなどのような他の非一時的(non-transitory)コンピュータ読み取り可能媒体に保存され得る。
【0086】
また、当業者は、多様なコンピューティング装置の機能が単一のコンピューティング装置に結合または統合され得るか、または特定のコンピューティング装置の機能が本発明の例示的な実施形態の範囲を逸脱せずに一つ以上の他のコンピューティング装置にわたって分散され得ることを認識しなければならない。
【符号の説明】
【0087】
10a、10b、10c:バッテリーパック
20:負荷
100:バッテリーモジュール
200:バッテリー保護装置
210:スイッチ制御回路
211:チャージポンプ回路
220:駆動回路
230:フォトカプラー
240:制御器
250:発光制御回路
260:電流検出回路
M1:トランジスター
【要約】
【課題】本開示を通じて解決しようとする課題は、外部短絡により高い短絡電流が発生するとバッテリーパックと外部との連結を迅速に遮断して短絡電流からバッテリーパックを保護することができるバッテリー保護装置、およびこれを含むバッテリーパックを提供することにある。
【解決手段】本開示によるバッテリー保護装置は、複数のパック端子のうちのいずれか一つとバッテリーモジュールとの間に連結され、前記複数のパック端子と前記バッテリーモジュールとの間の電流の流れを制御する第1トランジスター、前記第1トランジスターをターンオンまたはターンオフさせるための第1制御信号を出力するスイッチ制御回路、第2制御信号を出力する制御器、そして前記第1トランジスターの制御端子に連結され、前記第2制御信号によりターンオンされるかターンオフされ、ターンオン時に前記第1トランジスターをターンオフさせるフォトカプラー(photocoupler)を含むことができる。
【選択図】
図1