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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】無線通信方法及び無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/2575 20130101AFI20240919BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
H04B10/2575
H04J14/02
H04J14/02 198
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022577881
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(86)【国際出願番号】 JP2021002852
(87)【国際公開番号】W WO2022162789
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 耕大
(72)【発明者】
【氏名】菅 瑞紀
(72)【発明者】
【氏名】新井 拓人
(72)【発明者】
【氏名】白戸 裕史
(72)【発明者】
【氏名】内田 大誠
(72)【発明者】
【氏名】北 直樹
(72)【発明者】
【氏名】鬼沢 武
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-150376(JP,A)
【文献】国際公開第2020/166379(WO,A1)
【文献】特開2001-086057(JP,A)
【文献】特開2013-146039(JP,A)
【文献】国際公開第03/034621(WO,A1)
【文献】特開2005-269569(JP,A)
【文献】特開2007-067802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/2575
H04J 14/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置が備える信号処理機能と通信機能とのうち前記信号処理機能を有する集約部が、前記通信機能で送信対象となる下りの無線信号に対応する形を有する光信号を、前記集約部と光ファイバを介して接続される前記通信機能を有する2以上の無線部のうち外部の通信装置と通信を行う通信対象無線部に送信して前記通信対象無線部のビームフォーミング制御を行い、
前記通信対象無線部が、前記集約部の制御に従って、前記外部の通信装置と通信を行い、
前記集約部が、前記下りの無線信号と制御信号とを複数の光信号に変換して多重化することによって前記光信号を生成し、
前記通信対象無線部が、前記光信号を複数の光信号に分波し、前記複数の光信号を複数のアナログ電気信号に変換して得られる前記制御信号に基づいて、変換して得られる前記下りの無線信号を前記外部の通信装置に送信する、
無線通信方法。
【請求項2】
前記集約部が、前記下りの無線信号と制御信号とを波長が互いに異なる複数の光信号に変換して波長分割多重することによって前記光信号を生成する、
請求項に記載の無線通信方法。
【請求項3】
前記集約部が、前記下りの無線信号と制御信号とをサブキャリア多重することによって前記光信号を生成する、
請求項に記載の無線通信方法。
【請求項4】
無線通信装置が備える信号処理機能と通信機能とのうち前記信号処理機能を有する集約部と、
前記集約部と光ファイバを介して接続される前記通信機能を有する2以上の無線部と、
を備え、
前記集約部は、前記通信機能で送信対象となる下りの無線信号に対応する形を有する光信号を、前記集約部と光ファイバを介して接続される前記通信機能を有する2以上の無線部のうち外部の通信装置と通信を行う通信対象無線部に送信して前記通信対象無線部のビームフォーミング制御を行い、
前記通信対象無線部は、前記集約部の制御に従って、前記外部の通信装置と通信を行い、
前記集約部が、前記下りの無線信号と制御信号とを複数の光信号に変換して多重化することによって前記光信号を生成し、
前記通信対象無線部が、前記光信号を複数の光信号に分波し、前記複数の光信号を複数のアナログ電気信号に変換して得られる前記制御信号に基づいて、変換して得られる前記下りの無線信号を前記外部の通信装置に送信する、
無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信方法及び無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(以下「5G」という。)及びローカル5Gの普及に向けて、無線通信サービスの提供エリアにおいて基地局の設置が進められている。5G及びローカル5Gに用いられる基地局は、集約部(Centralized Unit : CU)と、分散部(Distributed Unit DU)と、無線部(Radio Unit : RU)とを備える(非特許文献1参照)。また、集約部と分散部と無線部との組み合わせとして、複数の組み合わせが定義されている(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】ウメシュ 外3名,“O-RANフロントホール仕様概要,” NTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル Vol. 27 No.1 (Apr. 2019).
【文献】NGMN(Next Generation Mobile Networks) Alliance, “NGMN Overview on 5G RAN Functional Decomposition,” 2018.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図16は、従来における、5G及びローカル5Gの無線通信システムの構成例を示す図である。無線通信システムは、上位装置と、集約部と、分散部と、1以上の無線部200とを備える。分散部と1以上の無線部200との間では、eCPRI等のデジタルRoF(Radio-over-Fiber)を用いた伝送が行われる。
【0005】
図16では、無線部200-1~200-3は、無線通信サービスの提供エリアにおける既設の無線部である。無線部200-1~200-3のそれぞれは、カバーエリア201-1~201-3(セル)内の無線端末(不図示)との無線通信を実行する。
【0006】
従来の無線通信システムでは、分散部と無線部200との間でデジタルRoFを用いた伝送が行われているため、無線信号を光デジタル信号に変換する際に、無線信号の帯域よりも大きな光信号の帯域を必要としてしまい、伝送効率が低下してしまう。さらに、従来の無線部200は、O/E(Optical to Electrical)変換部と、E/O(Electrical to Optical)変換部と、信号処理部と、D/A(Digital to Analog)変換部と、A/D(Analog to Digital)変換部と、アンテナ素子とを備えている。そのため、高価かつ消費電力が大きい。このような理由から、従来では、無線通信サービスの提供エリアを拡大するための設備コストの増大を抑制することができない場合がある。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、無線通信サービスの提供エリアを拡大するための設備コストの増大を抑制しつつ、効率的な光伝送を行うことができる無線通信方法及び無線通信装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、無線通信装置が備える信号処理機能と通信機能とのうち前記信号処理機能を有する集約部が、前記通信機能で送信対象となる下りの無線信号に対応する形を有する光信号を、前記集約部と光ファイバを介して接続される前記通信機能を有する2以上の無線部のうち外部の通信装置と通信を行う通信対象無線部に送信して前記通信対象無線部のビームフォーミング制御を行い、前記通信対象無線部が、前記集約部の制御に従って、前記外部の通信装置と通信を行う無線通信方法である。
【0009】
本発明の一態様は、無線通信装置が備える信号処理機能と通信機能とのうち前記信号処理機能を有する集約部と、前記集約部と光ファイバを介して接続される前記通信機能を有する2以上の無線部と、を備え、前記集約部は、前記通信機能で送信対象となる下りの無線信号に対応する形を有する光信号を、前記集約部と光ファイバを介して接続される前記通信機能を有する2以上の無線部のうち外部の通信装置と通信を行う通信対象無線部に送信して前記通信対象無線部のビームフォーミング制御を行い、前記通信対象無線部は、前記集約部の制御に従って、前記外部の通信装置と通信を行う無線通信装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、無線通信サービスの提供エリアを拡大するための設備コストの増大を抑制しつつ、効率的な光伝送を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】各実施形態における、無線通信システムの構成例を示す図である。
図2】第1実施形態における基地局の構成例を示す図である。
図3】第1実施形態における基地局の動作例を示す図である。
図4】第2実施形態における基地局の構成例を示す図である。
図5】第3実施形態における基地局の構成例を示す図である。
図6】第3実施形態における基地局の動作例を示す図である。
図7】第3実施形態における変形例における基地局の構成例を示す図である。
図8】第4実施形態における基地局の構成例を示す図である。
図9】第5実施形態における基地局の構成例を示す図である。
図10】第5実施形態における基地局の動作例を示す図である。
図11】第6実施形態における基地局の構成例を示す図である。
図12】第7実施形態における基地局の構成例を示す図である。
図13】第8実施形態における基地局の構成例を示す図である。
図14】第8実施形態における基地局の動作例を示す図である。
図15】各実施形態における、基地局のハードウェア構成例を示す図である。
図16】従来の無線通信システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(概要)
図1は、各実施形態における、無線通信システム1の構成例を示す図である。無線通信システム1は、上位装置2と、基地局3とを備える。基地局3は、集約部4と、複数の無線部5-1~5-mとを備える。なお、mは2以上の整数である。なお、以下の説明において特に区別しない場合には、無線部5-1~5-mを無線部5と説明する。無線部5は、無線通信サービスの提供エリアにおいて多面配置される。以下の説明では、上位装置2から基地局3へ向かう方向を下り方向、基地局3から上位装置2へ向かう方向を上り方向とする。
【0013】
上位装置2と集約部4とは、同軸ケーブル6(通信線)を介して接続されている。集約部4と各無線部5-1~5-mとは、光ファイバ7を介して接続されている。光ファイバ7は、1以上のシングルコアファイバでもよいし、1以上のコアを有するマルチコアファイバでもよい。図1では、集約部4と各無線部5-1~5-mとは、ポイント・ツー・ポイント(point-to-point : P-P)で接続されている。例えば、集約部4と無線部5-1とは、光ファイバ7-1を介して接続されており、集約部4と無線部5-mとは、光ファイバ7-mを介して接続されている。
【0014】
なお、集約部4と各無線部5-1~5-mとは、パッシブ光ネットワーク(Passive Optical Network : PON)で接続されていてもよい。集約部4と各無線部5-1~5-mとが、PONで接続される場合には、集約部4と各無線部5-1~5-mとの間に光スプリッタ(分岐部)が設けられる。光スプリッタは、集約部4から入力された光信号を分岐して無線部5-1~5-mに出力する。パッシブ光ネットワークは、例えば、WDM-PON(Wavelength Division. Multiplexing - Passive Optical Network)、又は、TDM-PON(Time Division Multiplexing - Passive Optical Network)である。以下の説明では、集約部4と各無線部5-1~5-mとが、ポイント・ツー・ポイントで接続されているものとして説明する。
【0015】
上位装置2は、下りのデータを、集約部4に出力する。
集約部4は、下りのデータに対して所定の信号処理(例えば、パケット化や符号化)を実行することによって、各無線部5に対する下りの光信号を生成する。例えば、集約部4は、1以上の無線端末8-iとの間で通信を行う対象となっている無線部5(以下「通信対象無線部5」という。)宛の下りの光信号を生成する。なお、iは1以上I以下の整数である。Iは1以上の整数である。集約部4と各無線部5-1~5-mとの間は、アナログRoF伝送が用いられる。アナログRoFでは、無線信号に応じて強度変調された光信号が、光ファイバで伝送される。集約部4は、生成した下りの光信号を、無線部5に出力する。集約部4は、基地局3が備える信号処理機能と通信機能とを分離したうちの信号処理機能を有する。
【0016】
無線部5は、基地局3が備える信号処理機能と通信機能とを分離したうちの通信機能を有する。そのため、無線部5は、少なくとも複数のアンテナ素子と、1以上の光電変換部とを備える。無線部5は、信号強度を増幅する増幅器を備えてもよい。無線部5は、無線端末8-iとの間で無線通信を行う。例えば、無線部5は、集約部4によって遠隔制御されることで、ビームを形成して無線端末8-iとの間で無線通信を行う。さらに、無線部5のうち通信対象無線部5は、集約部4によって選択される。例えば、無線部5を介して、集約部4と無線端末8-iとの間で通信を行った場合に最も通信品質がよい無線部5が通信対象無線部5として選択される。
【0017】
通信対象無線部5は、光ファイバ7を介してアナログRoF伝送された下りの光信号に対する光電(Optical-to-Electrical)変換を用いて、下りの無線信号を光信号から取り出す。通信対象無線部5が備える1以上のアンテナ素子は、下りの無線信号を無線端末8-iに送信する。無線端末8-iは、MIMO(Multiple Input Multiple Output)信号処理等の信号処理によって、下りの無線信号に応じたストリームを分離する。
【0018】
無線部5と無線端末8-iとの通信形態は、以下の4つの形態が想定される。
(第1の通信形態)
・単一の無線部5(例えば、無線部5-1)と、単一の無線端末8-i(例えば、無線端末8-1)とが通信
(第2の通信形態)
・複数の無線部5-1~5-m(例えば、無線部5-1~5-2)と、単一の無線端末8-i(例えば、無線端末8-1)とが通信
(第3の通信形態)
・単一の無線部5(例えば、無線部5-1)と、複数の無線端末8-i(例えば、無線端末8-1~8-2)とが通信
(第4の通信形態)
・複数の無線部5-1~5-m(例えば、無線部5-1~5-2)と、複数の無線端末8-i(例えば、無線端末8-1~8-2)とが通信
【0019】
以下の説明では、まず無線通信システム1が第1の通信形態で通信を行うことを前提に複数の動作について複数の実施形態を用いて説明する。第2の通信形態以降については、第1の通信形態で説明した構成を用いて説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態における基地局3aの構成例を示す図である。基地局3aは、集約部4aと、複数の無線部5a-1~5a-mとを備える。集約部4aは、図1に示す集約部4に相当する。無線部5a-1~5a-mは、図1に示す無線部5-1~5-mに相当する。なお、無線部5a-1~5a-mは、同一の構成を備えるため、無線部5a-1を例に説明する。
【0021】
集約部4aは、無線部選択部41と、信号処理部42と、第1電光変換部43とを備える。
無線部選択部41は、通信対象無線部5を選択する。無線部選択部41は、各無線部5経由で受信した無線端末からの信号を用いて、通信対象無線部5を選択する。例えば、無線部選択部41は、各無線部5経由で受信した無線端末からの信号を復調せずにSNR(Signal to Noise Ratio)等により、通信品質が最もよい無線部5を判定しても良いし、復調してBER(Bit Error Rate)等により、通信品質が最もよい無線部5を判定してもよい。
【0022】
信号処理部42は、上位装置2から出力された下りのデータ(無線信号)に対して信号処理を行う。第1実施形態における信号処理部42は、さらに制御信号に対して信号処理を行う。第1実施形態における制御信号は、無線部5のビーム形成に関する制御を行うための信号であり、例えば無線部5が備える複数のアンテナ素子のいずれを通信に用いるかを示す情報、無線部5が備えるアンテナ素子の位相に関する情報等を含む。信号処理部42は、信号処理後の無線信号及び制御信号を第1電光変換部43に出力する。
【0023】
第1電光変換部43は、信号処理部42から出力された無線信号と制御信号とをそれぞれ異なる波長の光信号に変換する。第1電光変換部43は、変換後の光信号をWDMで出力する。
【0024】
無線部5a-1は、分波器51-1と、複数の第1光電変換部52-1-1~52-1-o(oは1以上の整数)と、アレーアンテナ制御部53-1と、アレーアンテナ部54-1とを備える。
分波器51-1(demultiplexer)は、光ファイバ7-1を介して入力された光信号を分波する。例えば、分波器51-1は、波長分割多重された光信号を、波長が互いに異なる複数の光信号に分波する。分波器51-1の複数の出力ポートには、第2光電変換部52-1-1~52-1-oが接続される。例えば、分波器51-1における波長λ1の光信号を出力する出力ポートには第2光電変換部52-1が接続され、波長λoの光信号を出力する出力ポートには第2光電変換部52-oが接続される。
【0025】
第2光電変換部52-1-1~52-1-oは、分波器51-1を介して入力した光信号を電気信号に変換する。なお、第2光電変換部52-1-1~52-1-oは、1つであってもよい。第2光電変換部52-1が1つの場合、第2光電変換部52-1は、分波器51-1の前段に設けられる。第2光電変換部52-1は、光ファイバ7-1を伝送してきた光信号を電気信号に変換する。
【0026】
アレーアンテナ制御部53-1は、入力された制御信号に基づいてアレーアンテナ部54-1のビーム制御を行う。
アレーアンテナ部54-1は、複数のアンテナ素子55-1-1~55-1-nを有する。アンテナ素子55-1-1~55-1-nは、アレー上に設けられる。アレーアンテナ部54-1は、アレーアンテナ制御部53-1の制御に応じて、第2光電変換部52-1-1から出力された無線信号に対応する電気信号を、アンテナ素子55-1-1~55-1-nを介して発出する。
【0027】
次に、基地局3aの動作例を説明する。
図3は、第1実施形態における基地局3aの動作例を示す図である。なお、図3では、無線部5a-1が、通信対象無線部5aであるとして説明する。
信号処理部42は、無線信号と制御信号に対して信号処理を行う(ステップS101)。信号処理部42は、信号処理後の無線信号と制御信号を第1電光変換部43に出力する。
【0028】
第1電光変換部43は、信号処理部42から出力された無線信号と制御信号とをそれぞれ異なる波長の光信号に変換する(ステップS102)。第1電光変換部43は、変換後の光信号を波長分割多重する(ステップS103)。第1電光変換部43は、波長分割多重された光信号を、光ファイバ7を介して通信対象無線部5a(無線部5a-1)に伝送する。例えば、第1電光変換部43は、波長分割多重された光信号を、光ファイバ7-1で伝送する(ステップS104)。波長分割多重された光信号は、光ファイバ7-1を介して無線部5a-1に伝送される。
【0029】
無線部5a-1は、光ファイバ7-1を介して伝送された光信号を受信する。分波器51-1は、受信された光信号を分波する(ステップS105)。これにより、波長λ1の光信号は第1光電変換部52-1-1に入力され、波長λoの光信号は第1光電変換部52-1-oに入力される。
【0030】
第1光電変換部52-1-1は、入力した波長λ1の光信号を電気信号に変換する(ステップS106)。この電気信号は、無線信号に応じた電気信号である。第1光電変換部52-1-1は、この電気信号をアレーアンテナ部54-1に出力する。
【0031】
第2光電変換部52-1-oは、入力した波長λoの光信号を電気信号に変換する(ステップS106)。この電気信号は、制御信号に応じた電気信号である。第1光電変換部52-1-oは、この電気信号をアレーアンテナ制御部53-1に出力する。
【0032】
アレーアンテナ制御部53-1は、入力された電気信号に基づいてアレーアンテナ部54-1のビーム制御を行う(ステップS107)。アレーアンテナ制御部53-1は、アレーアンテナ部54-1が備える複数のアンテナ素子55-1-1~55-1-nを制御して、アレーアンテナ部54-1に入力された電気信号に応じた無線信号を発出させる。アレーアンテナ部54-1は、アレーアンテナ制御部53-1の制御に応じて、入力された電気信号に応じた無線信号を放射する(ステップS108)。このようにして、光信号はアナログRoFを用いて伝送される。
【0033】
以上のように構成された基地局3aによれば、基地局3aの機能を集約部4aと無線部5aとに分割した構成において、集約部4aに複数の無線部5aを接続して集約部4aが遠隔で1以上の無線部5aのビームフォーミングを制御する。これにより、各無線部5aは、集約部4aからの指示に従ってビームを形成するだけでよい。さらに、第1実施形態における基地局3aは、集約部4aと無線部5aとの間でアナログRoF伝送が行われる。これにより、無線部5aにおいてデジタル信号を処理するためのデジタルアナログ変換部と、アナログデジタル変換部とを備えなくてよく、光信号の帯域の増加を抑制することができるため、効率的な光伝送を行うことが可能になる。
【0034】
これによって、無線通信サービスの提供エリアを拡大するための設備コストの増大を抑制しつつ、効率的な光伝送を行うことが可能である。
【0035】
従来の無線部(RU)は、デジタルアナログ変換部と、アナログデジタル変換部とを備えている。従来では、無線通信サービスの提供エリアが拡大される場合、ミリ波の直進性及び減衰性等の周波数特性に応じて、無線通信サービスの提供エリアに多数の無線部が設置される必要がある。また、無線通信サービスの提供エリアにおいて、壁面、信号機及び街灯等の高所への無線部の設置が難しい場合がある。さらに、無線部の消費電力が高い場合がある。これらの理由で、設備投資のコストが増大する等の課題があった。
【0036】
これに対して第1実施形態では、無線部5aがデジタルアナログ変換部と、アナログデジタル変換部とを備えないため、従来の無線部よりも設備投資のコストの増大を抑えることが可能である。さらに無線部5aがデジタルアナログ変換部と、アナログデジタル変換部とを備えないため、従来の無線部よりも小型且つ軽量である。このため、無線部5aは、高所、壁面、信号機及び街灯等(設置負担の大きい場所)にも容易に設置可能である。すなわち、無線部5aは、設置場所の柔軟性を向上させることが可能になる。
【0037】
(第2実施形態)
第2実施形態では、集約部がサブキャリア多重(SCM:Subcarrier Multiplexing)を行う点が、第1実施形態との差分である。第2実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。第2実施形態では、集約部は、サブキャリア多重により、1つの光波長に異なる周波数成分の電気信号を多重して無線部に伝送する。
【0038】
図4は、第2実施形態における基地局3bの構成例を示す図である。基地局3bは、集約部4bと、複数の無線部5b-1~5b-mとを備える。集約部4bは、図1に示す集約部4に相当する。無線部5b-1~5b-mは、図1に示す無線部5-1~5-mに相当する。なお、無線部5b-1~5b-mは、同一の構成を備えるため、無線部5b-1を例に説明する。
【0039】
集約部4bは、無線部選択部41と、信号処理部42と、第1電光変換部43bとを備える。
第1電光変換部43bは、信号処理部42から出力された無線信号と制御信号とを同一波長でサブキャリア多重して光信号に変換する。なお、第1電光変換部43bに入力される無線信号と制御信号とは、電気領域で異なる周波数成分であるとする。例えば、無線信号の周波数をf1、制御信号の周波数をf2とする。なお、f1≠f2であり、無線信号と制御信号とは周波数領域で重なっていないものとする。
【0040】
無線部5b-1は、分波器51b-1と、第1光電変換部52b-1と、アレーアンテナ制御部53-1と、アレーアンテナ部54-1とを備える。無線部5b-1は、1つの第1光電変換部52b-1を備え、第1光電変換部52b-1が分波器51b-1の前段(光ファイバ7-1側)に備えられている点で、第1実施形態における無線部5a-1と構成が異なる。
【0041】
分波器51b-1は、入力された電気信号を分波する。分波器51b-1には、第1光電変換部52b-1から出力された電気信号(例えば、サブキャリア多重された電気信号)が入力される。第2実施形態において分波器51b-1の複数の出力ポートには、アレーアンテナ制御部53-1と、アレーアンテナ部54-1とが接続される。例えば、分波器51b-1は、周波数f1の電気信号をアレーアンテナ部54-1が接続されている出力ポートから出力し、周波数f2の電気信号をアレーアンテナ制御部53-1が接続されている出力ポートから出力する。このように、分波器51b-1は、入力された電気信号を電気段で分波することによって、無線信号と制御信号とを分離する。
【0042】
次に基地局3bの動作例を説明する。なお、ここでは、無線部5b-1が、通信対象無線部5bであるとして説明する。
第1電光変換部43bは、信号処理部42から出力された周波数f1の無線信号と周波数f2の制御信号とを同一波長でサブキャリア多重して光信号に変換する。これにより、サブキャリア多重後の光領域のスペクトルは、光波長fc上にサブキャリア多重する場合、以下のように表される。
fc-f2:アレーアンテナ主信号の下側波帯成分
fc-f1:アレーアンテナ制御信号の下側波帯成分
fc:光キャリア
fc+f1:アレーアンテナ制御信号の上側波帯成分
fc+f2:アレーアンテナ主信号の上側波帯成分
【0043】
第1電光変換部43bは、サブキャリア多重後の光信号を、光ファイバ7を介して通信対象無線部5b(無線部5b-1)に伝送する。例えば、第1電光変換部43bは、サブキャリア多重後の光信号を、光ファイバ7-1で伝送する。サブキャリア多重後の光信号は、光ファイバ7-1を介して無線部5b-1に伝送される。
【0044】
無線部5b-1は、光ファイバ7-1を介して伝送された光信号を受信する。第1光電変換部52b-1は、受信された光信号を電気信号に変換する。第1光電変換部52b-1は、変換後の電気信号を分波器51b-1に出力する。分波器51b-1は、第2光電変換部52b-1から出力された電気信号を分波する。前述のとおり、無線信号と制御信号とは、周波数領域で重なっていないため、分波することが可能である。
【0045】
分波器51b-1によって分波された電気信号は、アレーアンテナ制御部53-1及びアレーアンテナ部54-1に入力される。アレーアンテナ制御部53-1は、入力された電気信号に基づいてアレーアンテナ部54-1のビーム制御を行う。
【0046】
アレーアンテナ制御部53-1は、アレーアンテナ部54-1が備える複数のアンテナ素子55-1-1~55-1-nを制御して、アレーアンテナ部54-1に入力された電気信号に応じた無線信号を発出させる。アレーアンテナ部54-1は、アレーアンテナ制御部53-1の制御に応じて、入力された電気信号に応じた無線信号を放射する。このようにして、光信号はアナログRoFを用いて伝送される。
【0047】
以上のように構成された基地局3bによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、基地局3bでは、無線部5bが備える第2光電変換部52bの数が、第1実施形態における無線部5aより少ない。そのため、無線部5bの製造コストも削減することができる。
【0048】
(第3実施形態)
第3実施形態では、集約部において光信号の位相調整を行う点が、第1実施形態との差分である。第3実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
図5は、第3実施形態における基地局3cの構成例を示す図である。基地局3cは、集約部4cと、複数の無線部5c-1~5c-mとを備える。集約部4cは、図1に示す集約部4に相当する。無線部5c-1~5c-mは、図1に示す無線部5-1~5-mに相当する。なお、無線部5c-1~5c-mは、同一の構成を備えるため、無線部5c-1を例に説明する。
【0049】
集約部4cは、無線部選択部41と、信号処理部42cと、複数の第1電光変換部43c-1~43c-nと、複数の位相調整部44-1~44-nと、合波器45とを備える。
信号処理部42cは、上位装置2から出力された下りのデータに対して信号処理を行う。信号処理部42cは、無線信号を第1電光変換部43c-1~43c-nに出力する。
【0050】
第1電光変換部43c-1~43c-nは、信号処理部42から出力された無線信号をn個の異なる波長の光信号に変換する。例えば、第1電光変換部43c-1は、無線信号を波長λ1の光信号に変換する。例えば、第1光電変換部43c-nは、無線信号を波長λnの光信号に変換する。
【0051】
位相調整部44-1~44-nは、第1光電変換部43c-1~43c-nによって変換された光信号の位相を調整する。具体的には、位相調整部44-1~44-nは、位相調整部44-1~44-nに入力された光信号の位相を合わせるように位相を調整する。光領域の位相調整方法としては、光遅延器などを利用して光経路長を調整する方法、分散制御デバイスなどを利用して屈折率を調整して光伝送速度を調整して結果として位相を調整する方法などが用いられてもよい。なお、位相調整は、アナログ信号で行われてもよいし、デジタル信号で行われてもよい。
【0052】
合波器45は、位相調整部44-1~44-nによって位相調整された光信号を合波する。これにより、合波器45は、波長分割多重された光信号を生成する。合波器45は、波長分割多重された光信号を出力する。
【0053】
無線部5c-1は、分波器51-1と、複数の第1光電変換部52-1-1~52-1-nと、複数のアンテナ素子55-1-1~55-1-nとを備える。第1光電変換部52-1-1~52-1-nのそれぞれには、1つのアンテナ素子55-1-1~55-1-nが接続される。例えば、第1光電変換部52-1-1には、アンテナ素子55-1-1が接続される。
【0054】
次に基地局3cの動作例を説明する。
図6は、第3実施形態における基地局3cの動作例を示す図である。なお、図6では、無線部5c-1が、通信対象無線部5cであるとして説明する。
信号処理部42cは、無線信号に対して信号処理を行う(ステップS201)。信号処理部42cは、信号処理後の無線信号を第1電光変換部43c-1~43c-nに出力する。信号処理部42cから出力された無線信号は、n個に分岐されて第1電光変換部43c-1~43c-nに入力される。なお、無線信号の分岐は、例えば1入力多出力の分岐器が用いられてもよいし、物理的に複数の回線を信号処理部42cの出力側に接続して行われてもよい。第1電光変換部43c-1~43c-nは、信号処理部42cから出力された無線信号をn個の異なる波長の光信号に変換する(ステップS202)。第1電光変換部43c-1~43c-nは、変換後の光信号を位相調整部44-1~44-nに出力する。
【0055】
位相調整部44-1~44-nは、入力された光信号の位相を調整する(ステップS203)。位相調整部44-1~44-nは、位相調整後の光信号を合波器45に出力する。合波器45は、位相調整部44-1~44-nによって位相調整された光信号を波長分割多重する(ステップS204)。合波器45は、波長分割多重された光信号を、光ファイバ7を介して通信対象無線部5c(無線部5c-1)に伝送する。例えば、合波器45は、波長分割多重された光信号を、光ファイバ7-1で伝送する(ステップS205)。波長分割多重された光信号は、光ファイバ7-1を介して無線部5c-1に伝送される。
【0056】
その後、ステップS105及びS106の処理において、光ファイバ7-1を介して伝送された光信号が分波器51-1によって分波され、分波された光信号が第1光電変換部52-1-1~52-1-nによって電気信号に変換される。第1光電変換部52-1-1~52-1-nによって変換された電気信号は、アンテナ素子55-1-1~55-1-nに入力される。アンテナ素子55-1-1~55-1-nは、入力された電気信号に応じた無線信号を放射する(ステップS206)。このようにして、光信号はアナログRoFを用いて伝送される。
【0057】
以上のように構成された基地局3cによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、基地局3cでは、分波器51-1の出力先に第2光電変換部52-1-1~52-1-nが接続され、第2光電変換部52-1-1~52-1-nの出力先にアンテナ素子55-1-1~55-1-nが接続される。そのため、集約部4dでの位相調整により無線部5cが形成するビームを制御することができる。
【0058】
(第3実施形態における変形例)
上記構成では、集約部4cにn個の第1電光変換部43c-1~43c-nを備える構成を示したが、集約部4cは1個の第1電光変換部43c-1を備えるように構成されてもよい。図7は、第3実施形態における変形例における基地局3dの構成例を示す図である。基地局3dは、集約部4dと、複数の無線部5d-1~5d-mとを備える。集約部4dは、図1に示す集約部4に相当する。無線部5d-1~5d-mは、図1に示す無線部5-1~5-mに相当する。なお、無線部5d-1~5d-mが備える機能部は、図5に示す無線部5c-1~5d-mと同一の構成であるため説明を省略する。
【0059】
集約部4dは、無線部選択部41と、信号処理部42dと、第1電光変換部43dと、複数の位相調整部44-1~44-nと、合波器45と、分波器46とを備える。集約部4dは、1個の第1電光変換部43dを備え、第1電光変換部43dと複数の位相調整部44-1~44-nとの間に分波器46を備える。
【0060】
第1電光変換部43dは、信号処理部42dから出力された無線信号をn個の異なる波長の光信号に変換する。例えば、第1電光変換部43dは、無線信号を波長λ1~λoの光信号に変換する。第1電光変換部43dは、変換後のn個の光信号を分波器46に出力する。
【0061】
分波器46は、第1電光変換部43dから出力されたn個の光信号を分波する。分波器46によって分波された光信号は、位相調整部44-1~44-nに入力される。例えば、波長λ1の光信号は、位相調整部44-1に入力され、波長λnの光信号は、位相調整部44-nに入力される。以降の処理は、第3実施形態と同様である。
【0062】
(第4実施形態)
第4実施形態では、集約部において電気信号の位相調整を行う点が、第1実施形態との差分である。第4実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
図8は、第4実施形態における基地局3eの構成例を示す図である。基地局3eは、集約部4eと、複数の無線部5e-1~5e-mとを備える。集約部4eは、図1に示す集約部4に相当する。無線部5e-1~5e-mは、図1に示す無線部5-1~5-mに相当する。なお、無線部5e-1~5e-mは、同一の構成を備えるため、無線部5e-1を例に説明する。
【0063】
集約部4eは、無線部選択部41と、信号処理部42eと、複数の第1電光変換部43e-1~43e-nと、複数の位相調整部44-1~44-nと、合波器45とを備える。信号処理部42eの出力側には、位相調整部44と第1電光変換部43eとのn個の組み合わせ(系統)が設けられる。
信号処理部42eは、上位装置2から出力された下りのデータに対して信号処理を行う。信号処理部42eは、無線信号を位相調整部44-1~44-nに出力する。
【0064】
位相調整部44-1~44-nは、信号処理部42から出力された無線信号の位相を調整する。具体的には、位相調整部44-1~44-nは、位相調整部44-1~44-nに入力された無線信号の位相を合わせるように位相を調整する。電気領域の位相調整方法としては、遅延器などを利用して経路長を調整する方法、移相器を利用して無線信号の位相を調整する方法などが用いられてもよい。なお、位相調整は、アナログ信号で行われてもよいし、デジタル信号で行われてもよい。
【0065】
第1電光変換部43e-1~43e-nは、位相調整された無線信号をn個の異なる波長の光信号に変換する。例えば、第1電光変換部43e-1は、位相調整された無線信号を波長λ1の光信号に変換する。例えば、第1電光変換部43e-nは、位相調整された無線信号を波長λoの光信号に変換する。
【0066】
合波器45は、第1電光変換部43e-1~43e-nによって変換された光信号を合波する。これにより、合波器45は、波長分割多重された光信号を生成する。合波器45は、波長分割多重された光信号を出力する。
【0067】
次に基地局3eの動作例を説明する。なお、ここでは、無線部5e-1が、通信対象無線部5eであるとして説明する。
信号処理部42eは、無線信号に対して信号処理を行う。信号処理部42eは、信号処理後の無線信号を位相調整部44-1~44-nに出力する。信号処理部42eから出力された無線信号は、n個に分岐されて位相調整部44-1~44-nに入力される。位相調整部44-1~44-nは、入力された無線信号の位相を調整する。位相調整部44-1~44-nは、位相調整後の無線信号を第1電光変換部43e-1~43e-nに出力する。
【0068】
第1電光変換部43e-1~43e-nは、位相調整部44-1~44-nから出力された無線信号をn個の異なる波長の光信号に変換する。第1電光変換部43e-1~43e-nは、変換後の光信号を合波器45に出力する。合波器45は、変換後の光信号を合波器45に出力する。合波器45は、第1電光変換部43e-1~43e-nによって変換された光信号を波長分割多重する。合波器45は、波長分割多重された光信号を、光ファイバ7を介して通信対象無線部5e(無線部5e-1)に伝送する。例えば、合波器45は、波長分割多重された光信号を、光ファイバ7-1で伝送する。波長分割多重された光信号は、光ファイバ7-1を介して無線部5e-1に伝送される。
【0069】
その後、ステップS105及びS106の処理において、光ファイバ7-1を介して伝送された光信号が分波器51-1によって分波され、分波された光信号が第1光電変換部52-1-1~52-1-nによって電気信号に変換される。第1光電変換部52-1-1~52-1-nによって変換された電気信号は、アンテナ素子55-1-1~55-1-nに入力される。アンテナ素子55-1-1~55-1-nは、入力された電気信号に応じた無線信号を放射する。このようにして、光信号はアナログRoFを用いて伝送される。
【0070】
以上のように構成された基地局3eによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、基地局3eでは、分波器51-1の出力先に第1光電変換部52-1-1~52-1-nが接続され、第2光電変換部52-1-1~52-1-nの出力先にアンテナ素子55-1-1~55-1-nが接続される。そのため、集約部4eでの位相調整により無線部5eが形成するビームを制御することができる。
【0071】
(第5実施形態)
第5実施形態では、無線部においてビームの形成に、ビーム形成回路を用いる点が、第1実施形態との差分である。第5実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
図9は、第5実施形態における基地局3fの構成例を示す図である。基地局3fは、集約部4fと、複数の無線部5f-1~5f-mとを備える。集約部4fは、図1に示す集約部4に相当する。無線部5f-1~5f-mは、図1に示す無線部5-1~5-mに相当する。なお、無線部5f-1~5f-mは、同一の構成を備えるため、無線部5f-1を例に説明する。
【0072】
集約部4fは、無線部選択部41と、信号処理部42fと、第1電光変換部43fと、波長制御部47とを備える。
信号処理部42fは、上位装置2から出力された下りのデータに対して信号処理を行う。信号処理部42fは、無線信号を第1電光変換部43fに出力し、制御信号を波長制御部47に出力する。
【0073】
波長制御部47は、信号処理部42fから出力された制御信号に基づいて第1電光変換部43fの波長を制御する。具体的には、波長制御部47は、第1電光変換部43fで無線信号を光信号に変換する際の波長を指定する。
【0074】
第1電光変換部43fは、信号処理部42fから出力された無線信号を、波長制御部47で指定された波長の光信号に変換する。
【0075】
無線部5f-1は、分波器51-1と、複数の第1光電変換部52-1-1~52-1-nと、複数のアンテナ素子55-1-1~55-1-nと、ビーム形成回路56-1とを備える。無線部5f-1は、アレーアンテナ制御部53-1及びアレーアンテナ部54-1に代えて、ビーム形成回路56-1を備える点で第1実施形態における無線部5a-1と構成が異なる。
【0076】
ビーム形成回路56-1は、複数の入力ポートと、複数の出力ポートとを持つ。ビーム形成回路56-1の入力ポートには、第1光電変換部52-1-1~52-1-nが接続される。ビーム形成回路56-1の出力ポートには、アンテナ素子55-1-1~55-1-nが接続される。ビーム形成回路56-1は、ある1つの入力ポートに信号を入力すると、出力ポートからは振幅が同じで、位相が線形に傾くような信号が出力される。ビーム形成回路56-1は、入力ポートによって位相の傾きが異なる。ビーム形成回路56-1は、入力ポートに応じた方向にビームを形成することができる。ビーム形成回路は、アンテナ部の一態様である。
【0077】
ビーム形成回路56-1は、入出力の可逆性をもち、ある入力ポートに対応するビームの方向から信号が到来すると、当該入力ポートのみから信号が出力される。ビーム形成回路56-1は、例えばバトラーマトリクス、ブラスマトリクス、ノーランマトリクス及びロットマンレンズなどがある(例えば、参考文献1参照)。
(参考文献1:Luo, Q., Gao, S. S., Liu, W., & Gu, C. ,“Low-cost Smart Antennas” , Wiley. p.253-265)
【0078】
次に基地局3fの動作例を説明する。
図10は、第5実施形態における基地局3fの動作例を示す図である。なお、図10では、無線部5f-1が、通信対象無線部5fであるとして説明する。
信号処理部42fは、無線信号と制御信号に対して信号処理を行う(ステップS101)。信号処理部42fは、信号処理後の無線信号を第1光電変換部43fに出力し、信号処理後の制御信号を波長制御部47に出力する。
【0079】
波長制御部47は、制御信号に基づいて第1電光変換部43fの波長を制御する(ステップS301)。例えば、波長制御部47は、制御信号に含まれる波長の情報に基づいて、第1電光変換部43fで無線信号を光信号に変換する際の波長を指定する。例えば、制御信号に含まれる波長の情報が、波長λ1とする。第1電光変換部43fは、信号処理部42fから出力された無線信号を、波長制御部47で指定された波長の光信号に変換する(ステップS302)。例えば、第1電光変換部43fは、信号処理部42fから出力された無線信号を、波長制御部47で指定された波長λ1の光信号に変換する。
【0080】
第1電光変換部43fは、波長λ1の光信号を、光ファイバ7を介して通信対象無線部5f(無線部5f-1)に伝送する。例えば、第1電光変換部43fは、波長λ1の光信号を、光ファイバ7-1で伝送する(ステップS303)。波長λ1の光信号は、光ファイバ7-1を介して無線部5f-1に伝送される。
【0081】
無線部5f-1は、光ファイバ7-1を介して伝送された光信号を受信する。分波器51-1は、受信された光信号を分波する(ステップS304)。無線部5f-1で受信された光信号は、波長λ1の光信号である。そのため、分波器51-1から出力される光信号は、波長λ1の光信号である。分波器51-1から出力される光信号は、第1光電変換部52-1-1に入力される。
【0082】
第1光電変換部52-1-1は、入力した波長λ1の光信号を電気信号に変換する(ステップS305)。第1光電変換部52-1-1は、電気信号をビーム形成回路56-1に出力する。
【0083】
ビーム形成回路56-1は、第1光電変換部52-1-1から出力された電気信号を入力する。ビーム形成回路56-1は、電気信号を入力した入力ポートに応じた方向にビームを形成する(ステップS306)。これにより、電気信号を入力した入力ポートに対応する出力ポートに接続されたアンテナ素子55-1から無線信号が発出される。電気信号を入力した入力ポートに対応する出力ポートに接続されたアンテナ素子55-1は、入力された電気信号に応じた無線信号を放射する(ステップS108)。このようにして、光信号はアナログRoFを用いて伝送される。
【0084】
以上のように構成された基地局3fによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、基地局3fでは、集約部4fで波長を切り替えることによって、無線部5fに備えられるビーム形成回路56に入力される電気信号の入力ポートが変更される。これにより、ビーム形成回路56で形成するビーム方向が変更される。このように、基地局3fでは、集約部4fで波長を切り替えることによって、無線部5fで形成するビームの方向を制御することができる。
【0085】
(第6実施形態)
第6実施形態では、無線部においてビームの形成に、リフレクタアンテナを用いる点が、第1実施形態との差分である。第6実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
図11は、第6実施形態における基地局3gの構成例を示す図である。基地局3gは、集約部4fと、複数の無線部5g-1~5g-mとを備える。集約部4fは、図1に示す集約部4に相当する。無線部5g-1~5g-mは、図1に示す無線部5-1~5-mに相当する。なお、無線部5g-1~5g-mは、同一の構成を備えるため、無線部5g-1を例に説明する。第6実施形態において、集約部4fの構成は、第5実施形態における集約部4fと同一構成のため説明を省略する。
【0086】
無線部5g-1は、分波器51-1と、複数の第1光電変換部52-1-1~52-1-nと、アンテナ部57-1とを備える。無線部5g-1は、アレーアンテナ制御部53-1及びアレーアンテナ部54-1に代えて、アンテナ部57-1を備える点で第1実施形態における無線部5a-1と構成が異なる。
【0087】
アンテナ部57-1は、例えば、リフレクタアンテナである。アンテナ部57-1は、複数のフィード58-1-1~58-1-nと、リフレクトアレー59-1とで構成される。
フィード58-1-1~58-1-nは、リフレクトアレー59-1に対面して設けられ、第1光電変換部52-1-1~52-1-nから出力された電気信号が入力される。フィード58-1-1~58-1-nは、入力された電気信号に応じた無線信号を放射する。
【0088】
リフレクトアレー59-1は、フィード58-1-1~58-1-nから放射された無線信号を反射させる。より具体的には、リフレクトアレー59-1は、フィード58-1-1~58-1-nの位置に応じた方向に位相差をつけて無線信号を反射する。これにより、リフレクトアレー59-1は、フィード58-1-1~58-1-nの位置に応じた方向にビームを形成することができる。例えば、第6実施形態におけるアンテナ部57-1として、反射位相を制御した素子を配列し平面化したリフレクトアレーが用いられてもよい(例えば、参考文献1参照)。
(参考文献1:Luo, Q., Gao, S. S., Liu, W., & Gu, C. ,“Low-cost Smart Antennas” , Wiley. p.165-198)
【0089】
リフレクトアレー59-1は、ある1つのフィード58から無線信号を放射すると、リフレクトアレーで反射する際に位相が線形に傾き、ある方向にビームを形成することができる。フィード58によって位相の傾きは異なり、ビーム方向は異なる。リフレクトアレー59-1は、入出力の可逆性をもち、あるフィード58に対応するビームの方向から無線信号が到来すると、無線信号は当該フィード58に収束する。
【0090】
次に基地局3gの動作例を説明する。なお、集約部4fの処理は、第5実施形態で説明したため省略する。ここでは、集約部4fにおいて波長λ1の光信号が出力されたとする。
無線部5g-1は、光ファイバ7-1を介して伝送された光信号を受信する。分波器51-1は、受信された光信号を分波する。無線部5g-1で受信された光信号は、波長λ1の光信号である。そのため、分波器51-1から出力される光信号は、波長λ1の光信号である。分波器51-1から出力される光信号は、第1光電変換部52-1-1に入力される。
【0091】
第1光電変換部52-1-1は、入力した波長λ1の光信号を電気信号に変換する。第1光電変換部52-1-1は、電気信号をフィード58-1-1に出力する。フィード58-1-1は、第1光電変換部52-1-1から出力された電気信号に応じた無線信号を放射する。フィード58-1-1から放射された無線信号は、リフレクトアレー59-1により反射されて、フィード58-1-1の位置に応じた方向に放射される。このようにして、光信号はアナログRoFを用いて伝送される。
【0092】
以上のように構成された基地局3gによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、基地局3gでは、集約部4fで波長を切り替えることによって、無線部5gに備えられるフィード58に入力される電気信号が変更される。これにより、アンテナ部57で形成するビーム方向が変更される。このように、基地局3gでは、集約部4fで波長を切り替えることによって、無線部5gで形成するビームの方向を制御することができる。
【0093】
(第7実施形態)
第7実施形態では、無線部においてビームの形成に、レンズアンテナを用いる点が、第1実施形態との差分である。第7実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
図12は、第7実施形態における基地局3hの構成例を示す図である。基地局3hは、集約部4fと、複数の無線部5h-1~5h-mとを備える。集約部4fは、図1に示す集約部4に相当する。無線部5h-1~5h-mは、図1に示す無線部5-1~5-mに相当する。なお、無線部5h-1~5h-mは、同一の構成を備えるため、無線部5h-1を例に説明する。第7実施形態において、集約部4fの構成は、第5実施形態における集約部4fと同一構成のため説明を省略する。
【0094】
無線部5f-1は、分波器51-1と、複数の第1光電変換部52-1-1~52-1-nと、アンテナ部57h-1とを備える。無線部5h-1は、アレーアンテナ制御部53-1及びアレーアンテナ部54-1に代えて、アンテナ部57h-1を備える点で第1実施形態における無線部5a-1と構成が異なる。
【0095】
アンテナ部57h-1は、例えば、レンズアンテナである。アンテナ部57h-1は、複数のフィード58-1-1~58-1-nと、トランスミットアレー60-1とで構成される。
フィード58-1-1~58-1-nには、第1光電変換部52-1-1~52-1-nから出力された電気信号が入力される。フィード58-1-1~58-1-nは、入力された電気信号に応じた無線信号を放射する。
【0096】
トランスミットアレー60-1は、フィード58-1-1~58-1-nから放射された無線信号を、フィード58-1-1~58-1-nの位置に応じた方向に位相差をつけて透過させる。これにより、トランスミットアレー60-1は、フィード58-1-1~58-1-nの位置に応じた方向にビームを形成することができる。例えば、第7実施形態におけるアンテナ部57f-1として、透過位相を制御した素子を配列し平面化したトランスミットアレーが用いられてもよい(例えば、参考文献1参照)。
(参考文献1:Luo, Q., Gao, S. S., Liu, W., & Gu, C. ,“Low-cost Smart Antennas” , Wiley. p.165-198)
【0097】
次に基地局3hの動作例を説明する。なお、集約部4fの処理は、第5実施形態で説明したため省略する。ここでは、集約部4fにおいて波長λ1の光信号が出力されたとする。
無線部5h-1は、光ファイバ7-1を介して伝送された光信号を受信する。分波器51-1は、受信された光信号を分波する。無線部5h-1で受信された光信号は、波長λ1の光信号である。そのため、分波器51-1から出力される光信号は、波長λ1の光信号である。分波器51-1から出力される光信号は、第1光電変換部52-1-1に入力される。
【0098】
第1光電変換部52-1-1は、入力した波長λ1の光信号を電気信号に変換する。第1光電変換部52-1-1は、電気信号をフィード58-1-1に出力する。フィード58-1-1は、第1光電変換部52-1-1から出力された電気信号に応じた無線信号を放射する。フィード58-1-1から放射された無線信号は、トランスミットアレー60-1を透過して、フィード58-1-1の位置に応じた方向に放射される。このようにして、光信号はアナログRoFを用いて伝送される。
【0099】
以上のように構成された基地局3hによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、基地局3hでは、集約部4fで波長を切り替えることによって、無線部5hに備えられるフィード58に入力される電気信号が変更される。これにより、アンテナ部57hで形成するビーム方向が変更される。このように、基地局3hでは、集約部4fで波長を切り替えることによって、無線部5hで形成するビームの方向を制御することができる。
【0100】
(第8実施形態)
第8実施形態では、上りの光信号を各無線部が受信する点が、第1実施形態との差分である。第8実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
【0101】
第8実施形態において、図1に示された各無線部5は、上りの無線信号に応じた光信号を、アナログRoFを用いて集約部4に送信する。集約部4は、上りの無線信号に応じた光信号に対して所定の信号処理を実行することによって、上りのデータを生成する。上位装置2は、上りのデータを、集約部4(CU)から取得する。
【0102】
図13は、第8実施形態における基地局3iの構成例を示す図である。基地局3iは、集約部4iと、複数の無線部5i-1~5i-mとを備える。集約部4iは、図1に示す集約部4に相当する。無線部5i-1~5i-mは、図1に示す無線部5-1~5-mに相当する。無線部5i-1~5i-mは、アナログRoFを用いて、上りの光信号を集約部4iに送信する。なお、無線部5i-1~5i-mは、同一の構成を備えるため、無線部5i-1を例に説明する。
【0103】
無線部5i-1は、第2電光変換部61-1と、アレーアンテナ部54-1と、アンテナ素子55-1-1~55-1-nとを備える。
アレーアンテナ部54-1は、アンテナ素子55-1-1~55-1-nを介して、無線端末8から送信された無線信号を受信する。
第2電光変換部61-1は、アンテナ素子55-1-1~55-1-nを介して受信された無線信号を光信号に変換する。
【0104】
集約部4iは、第2光電変換部48と、信号処理部49とを備える。
第2光電変換部48は、光ファイバ7を介して受信された光信号を電気信号に変換する。
信号処理部49は、第2光電変換部48によって変換された電気信号に対して信号処理を行うことによって、上りのデータを生成する。
【0105】
次に、基地局3iの動作例を説明する。
図14は、第8実施形態における基地局3iの動作例を示す図である。
アレーアンテナ部54-1は、アンテナ素子55-1-1~55-1-nを介して、無線端末8から送信された無線信号を受信する。アレーアンテナ部54-1は、受信した無線信号を電気信号に変換する(ステップS401)。アレーアンテナ部54-1は、上りの無線信号に応じた電気信号を第2電光変換部61-1に出力する。第2電光変換部61-1は、アレーアンテナ部54-1から出力された電気信号を光信号に変換する(ステップS402)。この際、第2電光変換部61-1は、光信号を無線信号で強度変調して、無線信号を光信号に変換する。これにより、無線部5i-1から集約部4iに対してアナログRoF伝送することができる。
【0106】
第2電光変換部61-1は、変換後の光信号を、光ファイバ7-1を介して伝送する(ステップS403)。光ファイバ7-1を介して伝送された光信号は、集約部4iで受信される。第2光電変換部48は、光ファイバ7を介して受信された光信号を電気信号に変換する(ステップS404)。第2光電変換部48は、変換後の電気信号を信号処理部49に出力する。
【0107】
信号処理部49は、第4光電変換部48から出力された電気信号に対して信号処理を行う(ステップS405)。これによって、信号処理部49は、上りのデータを生成する。
【0108】
以上のように構成された基地局3iによれば、上り方向においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0109】
第2実施形態から第7実施形態までについても、第8実施形態と同様に、上りの光信号を各無線部が受信して集約部に伝送するように構成されてもよい。このように構成される場合、各実施形態における集約部及び無線部5は以下のように構成される。
(第2実施形態における上り方向の構成)
第2実施形態における集約部4bと、無線部5b-1~5b-mは、第8実施形態における集約部4iと、無線部5i-1~5i-mと同様の構成を有する。
【0110】
(第3実施形態における上り方向の構成)
第3実施形態における無線部5c-1~5c-mは、第1光電変換部52-1-1~第1光電変換部52-1-nの代わりに複数の第2電光変換部61-1-1~第2電光変換部61-1-nを備え、分波器51-1の代わりに合波器を備える。ここで、合波器は、第2電光変換部61-1-1~第2電光変換部61-1-nから出力された光信号を波長分割多重する。
第3実施形態における集約部4cは、合波器45の代わりに分波器を備え、第1電光変換部43c-1~43c-nの代わりに複数の第2光電変換部48-1~48-nを備え、信号処理部42cの代わりに信号処理部49を備える。この場合、分波器は、光ファイバ7を介して入力された光信号を分波する。位相調整部44-1~44-nは、分波器から出力された光信号の位相を調整する。第2光電変換部48-1~48-nは、位相調整後の光信号をn個の電気信号に変換する。
【0111】
(第3実施形態の変形例における上り方向の構成)
第3実施形態の変形例における無線部5d-1~5d-mは、第1光電変換部52-1-1~第1光電変換部52-1-nの代わりに複数の第2電光変換部61-1-1~第2電光変換部61-1-nを備え、分波器51-1の代わりに合波器を備える。ここで、合波器は、第2電光変換部61-1-1~第3光電変換部61-1-nから出力された光信号を波長分割多重する。
第3実施形態の変形例における集約部4dは、合波器45の代わりに分波器を備え、分波器46の代わりに合波器を備え、第1電光変換部43dの代わりに第2光電変換部48-1~48-nを備え、信号処理部42dの代わりに信号処理部49を備える。この場合、分波器は、光ファイバ7を介して入力された光信号を分波する。位相調整部44-1~44-nは、分波器から出力された光信号の位相を調整する。合波器は、位相調整部44-1~44-nによって位相調整された光信号を合波する。第4光電変換部48-1は、合波器によって合波された光信号を電気信号に変換する。
【0112】
(第4実施形態における上り方向の構成)
第4実施形態における無線部5e-1~5e-mは、第1光電変換部52-1-1~第1光電変換部52-1-nの代わりに複数の第2電光変換部61-1-1~第2電光変換部61-1-nを備え、分波器51-1の代わりに合波器を備える。この場合、合波器は、第2電光変換部61-1-1~第2電光変換部61-1-nから出力された光信号を波長分割多重する。
第4実施形態における集約部4eは、合波器45の代わりに分波器を備え、第1光電変換部43e-1~43e-nの代わりに第2光電変換部48-1~48-nを備え、信号処理部42eの代わりに信号処理部49を備える。この場合、分波器は、光ファイバ7を介して入力された光信号を分波する。第2光電変換部48-1~48-nは、分波器から出力された光信号を電気信号に変換する。位相調整部44-1~44-nは、第4光電変換部48-1~48-nから出力された電気信号の位相を調整する。
【0113】
(第5実施形態における上り方向の構成)
第5実施形態における無線部5f-1~5f-mは、第1光電変換部52-1-1~第1光電変換部52-1-nの代わりに複数の第2電光変換部61-1-1~第2電光変換部61-1-nを備え、分波器51-1の代わりに合波器を備える。この場合、ビーム形成回路56-1は、無線信号を受信したアンテナ素子55-1-1~55-1-nが接続されている出力ポートに応じた入力ポートから無線信号を出力する。第2電光変換部61-1~61-nは、ビーム形成回路56-1の入力ポートから出力された無線信号を光信号に変換する。合波器は、第2電光変換部61-1-1~第2電光変換部61-1-nから出力された光信号を波長分割多重する。
第5実施形態における集約部4fは、第1電光変換部43fの代わりに第2光電変換部48を備え、信号処理部42dの代わりに信号処理部49を備える。
【0114】
(第6実施形態における上り方向の構成)
第6実施形態における無線部5g-1~5g-mは、第1光電変換部52-1-1~第1光電変換部52-1-nの代わりに複数の第2電光変換部61-1-1~第2電光変換部61-1-nを備え、分波器51-1の代わりに合波器を備える。この場合、アンテナ部57-1は、無線信号を受信したフィード58-1-1-1~58-1-nが接続されている第2電光変換部61-1~61-nに無線信号を出力する。第2電光変換部61-1~61-nは、無線信号を受信したフィード58-1-1-1~58-1-nから出力された無線信号を光信号に変換する。合波器は、第3光電変換部61-1-1~第3光電変換部61-1-nから出力された光信号を波長分割多重する。
第6実施形態における集約部4fは、第1電光変換部43fの代わりに第2光電変換部48を備え、信号処理部42dの代わりに信号処理部49を備える。
【0115】
(第7実施形態における上り方向の構成)
第7実施形態における無線部5h-1~5h-mは、第1光電変換部52-1-1~第1光電変換部52-1-nの代わりに複数の第2電光変換部61-1-1~第2電光変換部61-1-nを備え、分波器51-1の代わりに合波器を備える。この場合、アンテナ部57h-1は、無線信号を受信したフィード58-1-1-1~58-1-nが接続されている第2電光変換部61-1~61-nに無線信号を出力する。第2電光変換部61-1~61-nは、無線信号を受信したフィード58-1-1-1~58-1-nから出力された無線信号を光信号に変換する。合波器は、第2電光変換部61-1-1~第2電光変換部61-1-nから出力された光信号を波長分割多重する。
第7実施形態における集約部4fは、第1電光変換部43fの代わりに第2光電変換部48を備え、信号処理部42dの代わりに信号処理部49を備える。
【0116】
(第2の通信形態について)
上記説明では、無線部5と無線端末8-iとの通信形態が、第1の通信形態の場合の構成について説明した。次に、無線部5と無線端末8-iとの通信形態が、第2の通信形態の場合の構成について説明する。第2の通信形態では、複数の無線部5-1~5-mと、単一の無線端末8-iとが通信を行う。ここでは、一例として、無線部5が2台(無線部5-1~5-2)の場合について説明する。第2の通信形態における無線部5-1~5-2は、異なる信号を単一の無線端末8-iに送信する。単一の無線端末8-iが複数のアンテナを有している場合、MIMO通信が可能になる。すなわち、単一の無線端末8-iが複数のアンテナを有している場合、単一の無線端末8-iは無線部5-1~5-2それぞれから送信された無線信号を受信して信号処理で分離する。
【0117】
集約部4又は無線端末8-iは、一般的な信号処理手法(例えばZF(Zero Forcing)、MMSE(Minimum Mean Squared Error)、MLD(Maximum Likelihood Detection)等のMIMO信号処理手法)を用いて、受信した信号を分離してもよい。なお、無線部5-1~5-2は、同じ信号を単一の無線端末8-iに送信して,集約部4又は無線端末8-iが信号処理を用いて同相合成してもよい。
【0118】
第2の通信形態における無線部5-1~5-2は、集約部4の制御に従ってビームを形成する。下り方向における無線部5-1~5-2及び集約部4の構成は、上述した第1実施形態から第7実施形態のいずれかの構成となる。なお、複数の無線部5-1~5-2は、同一の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。複数の無線部5-1~5-2が異なる構成である場合、集約部4は各無線部5の構成に対応する構成を備える。例えば、無線部5-1が第1実施形態における無線部5-1の構成(無線部5a-1)であり、無線部5-2が第3実施形態における無線部5-1の構成(無線部5c-1)である場合、集約部4は第1実施形態における集約部4の構成(集約部4a)と第3実施形態における集約部4の構成(集約部4c)の両方を備える。なお、重複する構成については複数備えなくてよい。
【0119】
第2の通信形態において、上り方向における無線部5-1~5-2及び集約部4の構成は、上述した第8実施形態や第2実施形態から第7実施形態における上り方向の構成のいずれかの構成となる。
【0120】
(第3の通信形態について)
上記説明では、無線部5と無線端末8-iとの通信形態が、第1の通信形態の場合の構成について説明した。次に、無線部5と無線端末8-iとの通信形態が、第3の通信形態の場合の構成について説明する。第3の通信形態では、単一の無線部5と、複数の無線端末8-iとが通信を行う。ここでは、一例として、複数の無線端末8-iが2台(無線端末8-1~8-2)の場合について説明する。第3の通信形態において通信対象無線部5は、複数の無線部5-1~5-mの中から集約部4が選択する。第3の通信形態における通信対象無線部5は、集約部4の制御に従ってビームを形成する。下り方向における無線部5-1~5-m及び集約部4の構成は、上述した第1実施形態から第7実施形態のいずれかの構成となる。なお、複数の無線部5-1~5-mは、同一の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。複数の無線部5-1~5-mが異なる構成である場合、集約部4は各無線部5の構成に対応する構成を備える。なお、重複する構成については複数備えなくてよい。
【0121】
集約部4は、一般的な信号処理手法(例えばZF、MMSE、MLD等のMIMO信号処理手法)を用いて、受信した信号を分離してもよい。
第3の通信形態において、上り方向における無線部5-1~5-m及び集約部4の構成は、上述した第8実施形態や第2実施形態から第7実施形態における上り方向の構成のいずれかの構成となる。
【0122】
(第4の通信形態について)
上記説明では、無線部5と無線端末8-iとの通信形態が、第1の通信形態の場合の構成について説明した。次に、無線部5と無線端末8-iとの通信形態が、第4の通信形態の場合の構成について説明する。第4の通信形態では、複数の無線部5-1~5-mと、複数の無線端末8-iとが通信を行う。第4の通信形態は、第2の通信形態と第3の通信形態との組み合わせである。ここでは、一例として、無線部5が3台(無線部5-1~5-3)、無線端末8-iが2台(無線端末8-1~8-2)の場合について説明する。この場合、例えば、無線部5-1~5-2が第2の通信形態における無線部5として動作し、無線部5-3が第3の通信形態における無線部5として動作してもよい。なお、無線部5が2台の場合には、無線部5-1又は5-2の一方が、第2の通信形態における無線部5及び第3の通信形態における無線部5として動作する。
【0123】
第4の通信形態における無線部5-1~5-2は、集約部4の制御に従ってビームを形成する。下り方向における無線部5-1~5-2及び集約部4の構成は、上述した第1実施形態から第7実施形態のいずれかの構成となる。なお、複数の無線部5-1~5-2は、同一の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。複数の無線部5-1~5-2が異なる構成である場合、集約部4は各無線部5の構成に対応する構成を備える。
【0124】
第4の通信形態において、上り方向における無線部5-1~5-2及び集約部4の構成は、上述した第8実施形態や第2実施形態から第7実施形態における上り方向の構成のいずれかの構成となる。
【0125】
(ハードウェア構成例)
図15は、各実施形態における、基地局3~3i(無線通信装置)のハードウェア構成例を示す図である。基地局3~3iの各機能部のうちの一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ111が、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を有する記憶装置113とメモリ112とに記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記録媒体である。
【0126】
基地局3~3iの各機能部の一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いた電子回路(electronic circuit又はcircuitry)を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0127】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、無線通信システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0129】
1…無線通信システム、2…上位装置、3,3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3i…基地局、4,4a,4b,4c,4d,4e,4f…集約部、5,5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h,5i…無線部、7…光ファイバ、41…無線部選択部、42,42c,42d,42e,42f,49…信号処理部、43,43b,43c,43d,43e,43f…第1電光変換部、44…位相調整部、45…合波器、46…分波器、47…波長制御部、48…第2光電変換部、51,51b…分波器、52,52b…第1光電変換部、53…アレーアンテナ制御部、54…アレーアンテナ部、55…アンテナ素子、56…ビーム形成回路、57,57h…アンテナ部、58…フィード、59…リフレクトアレー、60…トランスミットアレー、61…第2電光変換部、111…プロセッサ、112…メモリ、113…記憶装置、200…無線部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16