(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-18
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】加熱装置および半導体処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240919BHJP
H01L 21/324 20060101ALI20240919BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
H01L21/68 P
H01L21/324 Q
H01L21/324 K
H01L21/31 F
(21)【出願番号】P 2022572698
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 CN2021095934
(87)【国際公開番号】W WO2021238955
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】202010454487.6
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田 西 強
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-047863(JP,A)
【文献】特表2014-522103(JP,A)
【文献】特開2014-150104(JP,A)
【文献】特開2016-207979(JP,A)
【文献】特開平08-302473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/324
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理装置内で処理対象ワークピースを担持して加熱するように構成された加熱装置であって、前記加熱装置は、ベースと、加熱アセンブリと、冷却機構とを備え、
前記加熱アセンブリには換気構造が設けられており、前記換気構造は、前記処理対象ワークピースの縁部にガスを吹き付けるように構成されており、
前記ベースは、前記加熱アセンブリの加熱面から離れた前記加熱アセンブリの側に配置され、前記ベースと前記加熱アセンブリとの間に取付空間が形成され、前記冷却機構は、前記取付空間内に配置され、前記加熱面の縁部領域に対応する位置に配置され、前記加熱アセンブリを冷却するように構成されて
おり、
前記冷却機構は環状アセンブリを含み、前記環状アセンブリには、冷却液を移送するように構成された冷却水チャネルまたは冷却ガスを移送するように構成された冷却ガスチャネルの少なくとも1つが組み込まれ、前記冷却ガスチャネルの出口は、前記加熱アセンブリの前記加熱面から離れた表面に面し、前記冷却ガスを前記表面に吹き付けるように構成されている、加熱装置。
【請求項2】
前記環状アセンブリは、前記冷却液を移送するように構成された前記冷却水チャネルおよび前記冷却ガスを移送するように構成された前記冷却ガスチャネルと一体化されており、前記環状アセンブリは、環状本体と、第1の環状カバーと、第2の環状カバーとを含み、前記加熱アセンブリの前記加熱面から離れた前記表面に面する前記環状本体の第1の表面に環状溝が形成されており、前記第1の環状カバーは、前記環状本体に封止されて接続され、前記環状溝と共に閉じた前記冷却水チャネルを形成し、
前記環状本体には、複数のガス吹出孔が配置され、前記ガス吹出孔の出口は、前記第1の表面に位置し、前記ガス吹出孔の入口は、前記環状本体の前記第1の表面から離れた第2の表面に位置し、前記第2の環状カバーは、前記環状本体の前記第2の表面が位置する側に前記環状本体に封止接続され、前記第2の環状カバーおよび前記環状本体は、閉じた環状ガスチャネルを形成し、前記環状ガスチャネルは、前記ガス吹出孔の入口に接続されている、請求項
1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記複数のガス吹出孔は、前記冷却水チャネルの内側および外側に分布し、同じ側のガス吹出孔は、前記環状本体の円周方向に沿って間隔をあけて分布している、請求項
2に記載の加熱装置。
【請求項4】
加熱部材が前記環状アセンブリにさらに組み込まれ、前記加熱部材は、前記環状アセンブリに組み込まれた前記冷却水チャネルまたは前記冷却ガスチャネルの少なくとも1つを加熱するように構成されている、請求項
1に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記加熱部材は、前記環状アセンブリに埋め込まれた加熱管を含み、前記加熱管は、前記環状アセンブリの軸の周りに螺旋平面状に巻かれている、請求項
4に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記冷却機構は、前記加熱アセンブリの前記加熱面から離れた表面と接触しているか、または前記冷却機構は、前記加熱アセンブリの前記加熱面から離れた前記表面から間隔をあけて配置され、前記冷却機構および前記加熱アセンブリの前記加熱面から離れた前記表面と接触する熱伝導性部材は、前記冷却機構と前記加熱アセンブリの前記加熱面から離れた前記表面との間に配置されている、請求項1~
5のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記加熱アセンブリは、加熱体と、前記加熱体の前記加熱面から離れた側に配置されたガスチャネルプレートと、ガス源に接続されるように構成されたガス源チャネルとを含み、前記換気構造は、第1のガスチャネルおよび第2のガスチャネルを含み、前記第1のガスチャネルの出口は、前記加熱体の前記加熱面の前記縁部領域に配置され、前記第1のガスチャネルの入口は、前記加熱体の前記加熱面から離れ
た表面に配置され、前記第1のガスチャネルは、ガスを前記処理対象ワークピースの前記縁部に吹き付けるように構成され、
前記第2のガスチャネルは、前記ガスチャネルプレートと前記加熱体との間に位置し、前記第2のガスチャネルは、前記第1のガスチャネルの前記入口と連通し、前記第2のガスチャネルは、前記ガス源チャネルと連通している、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記第2のガスチャネルは、第1のサブチャネルおよび第2のサブチャネルを含み、前記第1のサブチャネルは、前記第1のガスチャネルおよび前記第2のサブチャネルと連通し、前記第2のサブチャネルは、前記ガス源チャネルと連通し、
前記第2のサブチャネルのガス貯蔵容積および前記第1のガスチャネルのガス貯蔵容積は、いずれも前記第1のサブチャネルのガス貯蔵容積よりも小さく、前記第2のサブチャネルの流量は、前記第1のガスチャネルのガス流量よりも大きい、請求項
7に記載の加熱装置。
【請求項9】
前記第1のサブチャネルは、環状チャネルであり、複数の第2のサブチャネルを含み、前記複数の第2のサブチャネルは、前記環状チャネルの円周方向に沿って間隔をあけて分布しており、前記第2のサブチャネルの各々は、前記環状チャネルの半径方向に沿って延びる直線チャネルであり、前記直線チャネルの端部は、前記環状チャネルと連通し、前記直線チャネルの他方の端部は、前記ガス源チャネルと連通している、請求項
8に記載の加熱装置。
【請求項10】
前記第2のガスチャネルは、前記ガスチャネルプレートおよび前記加熱体の2つの対向する表面の少なくとも1つに形成された溝である、請求項
7~
9のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項11】
前記ベースの前記ガスチャネルプレートと対向する表面には取付溝が設けられ、前記取付溝と前記ガスチャネルプレートとは前記取付空間を形成し、前記冷却機構は、前記取付溝の溝底に配置され、前記冷却機構と前記溝底との間には、耐熱性の高い部材が配置されている、請求項
7に記載の加熱装置。
【請求項12】
支持部材が前記取付空間内に配置され、前記支持部材は、前記冷却機構と前記取付溝の溝底との間を支持する、請求項
11に記載の加熱装置。
【請求項13】
前記加熱アセンブリは、前記加熱体を取り囲む縁部リングをさらに含み、前記第1のガスチャネルは、第3のサブチャネルおよび第4のサブチャネルを含み、前記第3のサブチャネルは、前記加熱体に配置され、前記第3のサブチャネルの出口は、前記加熱体
の外周壁に配置され、前記第3のサブチャネルの入口は、前記加熱体の前記加熱面から離れた前記表面に配置され、前記第1のサブチャネルと連通し、
前記縁部リングの内周壁は、前記加熱体の前記外周壁から間隔をあけて配置されて前記第4のサブチャネルを形成し、前記第4のサブチャネルは、前記第3のサブチャネルと連通している、請求項
8に記載の加熱装置。
【請求項14】
冷却媒体を移送するように構成された冷却チャネルが、前記縁部リング内に配置されている、請求項
13に記載の加熱装置。
【請求項15】
反応チャンバを備える半導体処理装置であって、前記反応チャンバには、請求項1~
14のいずれか1項に記載の前記加熱装置が設けられている、半導体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、概して半導体製造技術分野に関し、より詳細には、加熱装置および半導体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
化学気相成長(以下、CVD)プロセスは、加熱またはプラズマなどの様々なエネルギー源を使用して、実験材料間で化学反応を引き起こすか、または化学反応様式で反応器内の対応するガスと実験材料を化学反応させて別のガス状化合物を形成させる技術である。次いで、堆積のために反応材料源領域とは異なる温度の対応する領域にガス状化合物を移動させて、物理的キャリアまたはケミカルマイグレーション様式で固体堆積物を形成する。
【0003】
ウエハ10に対するCVDプロセス中、ウエハ10は、通常、
図1に示すようにヒータ20上に置かれる。ヒータ20は、加熱プレート21を含む。加熱プレート21の中央領域には、真空吸引孔が形成されている。真空吸引孔は、真空パイプライン22と連通している。真空吸引孔を介してウエハ10を加熱プレート21に吸着させることができる。加熱プレート21によるウエハ10の加熱プロセス中、反応チャンバ内の圧力は一般に真空パイプライン22内の圧力よりも高いため、ウエハ10と加熱プレート21との間の縁部領域の圧力は比較的高く、ウエハ10と加熱プレート21との間の中間領域の圧力は比較的低い。そのため、ある時間帯では、ウエハ10の縁部領域の温度は高く、中央領域の温度は低くなる。そのため、ウエハ10の端部領域の温度がプロセス温度に達すると、ウエハ10の中央領域の温度はプロセス温度に達しない。この温度は、ウエハ10の膜形成レートに大きな影響を与える。通常、温度が高いほど、膜形成レートは速くなる。このため、ウエハ10の縁部領域の膜厚がウエハ10の中央領域の膜厚よりも厚くなり、これによりウエハ10の異なる領域の膜厚が異なってしまう。そのため、ウエハ10の膜形成の均一性が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概要
本開示は、ウエハの膜形成の均一性が低いという問題を解決することができる加熱装置および半導体処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するために、本開示は以下の技術的解決策を採用する。
本開示の実施形態は、半導体処理装置において処理対象ワークピースを担持して加熱するように構成された加熱装置を提供する。加熱装置は、ベースと、加熱アセンブリと、冷却機構とを含み、
加熱アセンブリには第1のガスチャネルが設けられ、第1のガスチャネルの出口は加熱アセンブリの加熱面の縁部領域に配置され、第1のガスチャネルの入口は、加熱アセンブリの加熱面から離れた表面に配置され、第1のガスチャネルは、処理対象ワークピースの縁部にガスを吹き付けるように構成されており、
ベースは、加熱アセンブリの加熱面から離れた加熱アセンブリの側に配置され、ベースと加熱アセンブリとの間に取付空間が形成され、冷却機構は、取付空間内に配置され、加熱面の縁部領域に対応する位置に配置され、加熱アセンブリを冷却するように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、冷却機構は環状アセンブリを含み、環状アセンブリには、冷却液を移送するように構成された冷却水チャネルまたは冷却ガスを移送するように構成された冷却ガスチャネルの少なくとも1つが組み込まれ、冷却ガスチャネルの出口は、加熱アセンブリの加熱面から離れた表面に面し、冷却ガスを表面に吹き付けるように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、環状アセンブリは、冷却液を移送するように構成された冷却水チャネルおよび冷却ガスを移送するように構成された冷却ガスチャネルと一体化されている。環状アセンブリは、環状本体と、第1の環状カバーと、第2の環状カバーとを含む。環状溝が、加熱アセンブリの加熱面から離れた表面に面する環状本体の第1の表面に形成されている。第1の環状カバーは、環状本体に封止されて接続され、環状溝と共に閉じた冷却水チャネルを形成する。環状本体には、複数のガス吹出孔が配置されている。各ガス吹出孔の出口は、第1の表面に位置している。各ガス吹出孔の入口は、環状本体の第1の表面から離れた第2の表面に位置している。第2の環状カバーは、環状本体の第2の表面が位置する側に環状本体に封止接続されている。第2の環状カバーおよび環状本体は、閉じた環状ガスチャネルを形成する。環状ガスチャネルは、ガス吹出孔の入口に接続されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、複数のガス吹出孔は、冷却水チャネルの内側および外側に分布し、同じ側のガス吹出孔は、環状本体の円周方向に沿って間隔をあけて分布している。
【0009】
いくつかの実施形態では、加熱部材が環状アセンブリにさらに組み込まれ、加熱部材は、環状アセンブリに組み込まれた冷却水チャネルまたは冷却ガスチャネルの少なくとも1つを加熱するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、加熱部材は、環状アセンブリに埋め込まれた加熱管を含み、加熱管は、環状アセンブリの軸の周りに螺旋平面状に巻かれている。
【0011】
いくつかの実施形態では、冷却機構は、加熱アセンブリの加熱面から離れた表面と接触しているか、または冷却機構は、加熱アセンブリの加熱面から離れた表面から間隔をあけて配置され、冷却機構および加熱アセンブリの加熱面から離れた表面と接触する熱伝導性部材は、冷却機構と加熱アセンブリの加熱面から離れた表面との間に配置されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、加熱アセンブリは、加熱体と、加熱体の加熱面から離れた側に配置されたガスチャネルプレートと、ガス源チャネルとを含む。ガスチャネルプレートと加熱体との間には、第2のガスチャネルが形成されている。第2のガスチャネルは、第1のガスチャネルの入口と連通している。第2のガスチャネルは、ガス源チャネルと連通している。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2のガスチャネルは、第1のサブチャネルおよび第2のサブチャネルを含む。第1のサブチャネルは、第1のガスチャネルおよび第2のサブチャネルと連通している。第2のサブチャネルは、ガス源チャネルと連通している。第2のサブチャネルのガス貯蔵容積および第1のガスチャネルのガス貯蔵容積は、いずれも第1のサブチャネルのガス貯蔵容積よりも小さい。第2のサブチャネルの流量は、第1のガスチャネルのガス流量よりも大きい。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のサブチャネルは環状チャネルである。複数の第2のサブチャネルが含まれる。複数の第2のサブチャネルは、環状チャネルの円周方向に沿って間隔をあけて分布している。第2のサブチャネルの各々は、環状チャネルの半径方向に沿って延びる直線チャネルである。直線チャネルの一端は環状チャネルと連通し、直線チャネルの他端はガス源チャネルと連通している。
【0015】
いくつかの実施形態では、第2のガスチャネルは、ガスチャネルプレートおよび加熱体の2つの対向する表面の少なくとも1つに形成された溝である。
【0016】
いくつかの実施形態では、ガスチャネルプレートに面するベースの表面には、取付溝が設けられている。取付溝およびガスチャネルプレートは、取付空間を形成する。冷却機構は、取付溝の溝底に配置されている。冷却機構と溝底との間には、耐熱性の高い部材が配置されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、支持部材が取付空間内に配置され、支持部材は、冷却機構と取付溝の溝底との間を支持する。
【0018】
いくつかの実施形態では、加熱アセンブリは、加熱体を取り囲む縁部リングをさらに含む。第1のガスチャネルは、第3のサブチャネルおよび第4のサブチャネルを含む。第3のサブチャネルは、加熱体に配置されている。第3のサブチャネルの出口は、加熱体の外周壁に配置され、第3のサブチャネルの入口は、加熱体の加熱面から離れた表面に配置され、第1のサブチャネルと連通している。縁部リングの内周壁は、加熱体の外周壁から間隔をあけて配置され、第4のサブチャネルを形成する。第4のサブチャネルは、第3のサブチャネルと連通している。
【0019】
いくつかの実施形態では、冷却媒体を移送するように構成された冷却チャネルが縁部リングに配置される。
【0020】
本開示の実施形態は、反応チャンバを含む半導体処理装置を提供する。反応チャンバには、上記の加熱装置が設けられている。
【0021】
本開示で採用される技術的解決策は、以下の有益な効果を達成することができる。
本開示の実施形態に開示される加熱装置および半導体処理装置において。換気構造は、加熱アセンブリに設けられている。換気構造は、処理対象ワークピースの縁部にガスを吹き付けるように構成されている。吹き出されたガスは、処理対象ワークピースの縁部の熱を奪うことができる。さらに、ベースと加熱アセンブリとの間に取付空間が形成されている。冷却機構は、取付空間内に配置され、加熱面の縁部領域に対応する位置に配置され、加熱アセンブリを冷却するように構成されている。冷却機構を加熱面の縁部領域に対応する位置に配置することによって、冷却機構は加熱アセンブリの縁部領域を冷却することができる。これにより、処理対象ワークピースと加熱アセンブリとの間の熱伝導ガスを均一に分散させることができ、処理対象ワークピースと加熱アセンブリとの間の熱伝導ガスの圧力が、処理対象ワークピースの縁部で大きくなり、処理対象ワークピースの中央領域で小さくなることを防止する。さらに、冷却機構を介して加熱アセンブリの縁部領域を冷却することにより、処理対象ワークピースの加熱プロセス中に、処理対象ワークピースの縁部の温度と中央領域の温度とを同じにすることができ、これにより、処理対象ワークピースの縁部の温度がプロセス温度に到達したときに、処理対象ワークピースの中央領域の温度がプロセス温度に到達しないことを防止する。したがって、処理対象ワークピースの温度分布は均一であり得、これにより、同一の処理対象ワークピースの異なる領域での膜形成の異なる厚さが回避され、処理対象ワークピースの膜形成の均一性がさらに向上する。
【0022】
図面の簡単な説明
本開示の実施形態の技術的解決策または背景技術をより明確に説明するために、以下で、実施形態の説明または背景技術で使用される添付の図面を簡単に紹介する。明らかに、当業者にとって、創造的な努力なしにこれらの図面に従って他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】既存の技術における典型的なヒータの概略構造図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による加熱装置の概略構造図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による冷却機構の概略構造図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による別の加熱装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施形態の詳細な説明
本開示の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、本開示の技術的解決策は、本開示の特定の実施形態および対応する図面を参照して以下に明確かつ完全に説明される。明らかに、記載された実施形態は、本開示の一部の実施形態にすぎず、すべてではない。本開示の実施形態に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本開示の範囲内に入るものとする。
【0025】
本開示の明細書および特許請求の範囲における「第1の」および「第2の」という用語は、同様の対象物を区別するために使用され、特定の順序または順番を説明するために使用されない。そのように使用されるデータは、適切な状況下で交換され得ることを理解されたい。したがって、本開示の実施形態は、本明細書に図示または記載されたもの以外の順序で実施されてもよい。また、「第1の」および「第2の」で区別される対象物は、通常、1種類であり、対象物の数は限定されない。例えば、第1の対象物は、1つまたは複数であってもよい。さらに、本明細書および特許請求の範囲における「および/または」は、接続された対象物の少なくとも1つを示す。文字「/」は、一般に、その前後の関連する対象物が「または」の関係にあることを示す。
【0026】
本開示の実施形態で開示される技術的解決策は、添付の図面を参照して、特定の実施形態および適用シナリオを通して以下に詳細に説明される。
【0027】
図2~
図4を参照すると、本開示の実施形態は、加熱装置を提供する。開示された加熱装置は、半導体処理装置において処理対象ワークピース100を担持して加熱するように構成されてもよい。処理対象ワークピース100は、一般にウエハであってもよい。具体的には、半導体処理装置は、通常、反応チャンバを備えている。加熱装置は、反応チャンバ内に配置されている。ウエハ処理プロセス中に、ウエハは加熱装置上に配置されてもよい。ウエハは、加熱装置によって加熱されてもよい。処理温度に達すると、ウエハのコーティング処理を行ってウエハの処理を実現してもよい。
【0028】
開示された加熱装置は、ベース200と、加熱アセンブリと、冷却機構400とを含む。加熱アセンブリは、処理対象ワークピース100を担持するように構成された加熱面を含む。換気構造は、加熱アセンブリに形成されてもよい。換気構造は、処理対象ワークピース100の縁部領域にガスを吹き付けるように構成されてもよい。加熱アセンブリは、様々な構造を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、加熱アセンブリは、加熱体300と、加熱体300の加熱面から離れた側に配置されたガスチャネルプレート500と、ガス源(図示せず)に接続されるように構成されたガス源チャネル900とを含む。加熱体300は、円盤状であってもよく、処理対象ワークピース100を担持して加熱するように構成されてもよい。例えば、加熱体300に加熱管を配置してもよい。加熱管は、熱を生成して加熱体300を加熱してもよい。これにより、加熱体300を介して処理対象ワークピース100に熱を伝えることができる。
【0029】
上記換気構造は、例えば、第1のガスチャネル310と第2のガスチャネル600とを有する。第1のガスチャネル310の出口は、加熱体300の上記加熱面の縁部領域(すなわち、
図2における加熱体300の上方を向く面)に配置されてもよい。第1のガスチャネル310の入口は、加熱体300の上記加熱面から離れた表面(すなわち、
図2における加熱体300の下方を向く面)に配置されてもよい。第1のガスチャネル310は、処理対象ワークピース100の縁部領域にガスを吹き付けるように構成されてもよい。第2のガスチャネル600は、ガスチャネルプレート500と加熱体300との間に配置されてもよい。第2のガスチャネル600は、第1のガスチャネル310の入口と連通していてもよい。第2のガスチャネル600はまた、上記のガス源チャネルと連通していてもよい。ガス源によって供給されたガスは、上記のガス源チャネル900、第2のガスチャネル600、および第1のガスチャネル310を順に通って処理対象ワークピース100の縁部領域に流れることができる。
【0030】
第1のガスチャネル310によって処理対象ワークピース100の縁部領域にガスを吹き付けることにより、処理対象ワークピース100の裏メッキや側面メッキを防止することができ、処理対象ワークピース100の歩留まりを向上させることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、任意選択的に、上記の第2のガスチャネル600は、ガスチャネルプレート500および加熱体300の2つの対向する表面の少なくとも1つの溝であってもよい。第2のガスチャネル600は、ガスチャネルプレート500を加熱体300に接続することで形成されてもよい。第2のガスチャネル600の形成方法は、本開示の実施形態において限定されない。
【0032】
本開示の実施形態の加熱装置では、第1のガスチャネル310の出口は、加熱体300の加熱面の縁部領域に配置されてもよい。したがって、第1のガスチャネル310は、処理対象ワークピース100の縁部領域にガスを吹き付けるように構成されてもよい。吹き出されたガスは、処理対象ワークピース100の縁部領域の熱を除去することができる。さらに、第1のガスチャネル310を加熱体300の外縁領域に配置することにより、第1のガスチャネル310をガスが流れる際に、ガスが加熱体300の外縁領域の熱を奪うことができる。したがって、第1のガスチャネル310内のガスは、加熱体300の外縁領域を冷却するために使用されてもよい。また、第1のガスチャネル310から吹き出されるガスは、処理対象ワークピース100の縁部領域の熱も奪うことができる。これにより、処理対象ワークピース100の温度分布をより均一にすることができる。
【0033】
ガスが第1のガスチャネル310を流れる際に加熱体300の外縁領域からより多くの熱を奪うことを可能にするために、任意選択の実施形態では、第2のガスチャネル600は、第1のサブチャネル610および第2のサブチャネル620を含んでもよい。第1のサブチャネル610は、第1のガスチャネル310および第2のサブチャネル620と連通していてもよい。第2のサブチャネル620は、上記ガス源チャネル900と連通していてもよい。ガス源チャネル900から流出したガスは、第2のサブチャネル620および第1のサブチャネル610を順に通って第1のガスチャネル310に流入してもよい。
【0034】
上記実施形態では、第2のサブチャネル620のガス貯蔵容積および第1のガスチャネル310のガス貯蔵容積は、いずれも第1のサブチャネル610のガス貯蔵容積よりも小さくてもよい。第2のサブチャネル620の流量は、第1のガスチャネル310の流量よりも大きくてもよい。したがって、ガスは、第1のサブチャネル610内に蓄積して、圧力を蓄積して第1のガスチャネル310内のガス流量を増加させる効果を実現することができる。より大きい流量を有するガスは、加熱体300の外縁領域からより多くの熱を奪うことができる。したがって、より大きい流量を有するガスは、第1のガスチャネル310を流れる際に加熱体300の外縁領域をより良好に冷却することができる。また、流量の多いガスを処理対象ワークピース100の縁部領域に吹き付けると、より多くの熱が奪われ、処理対象ワークピース100の温度分布がより均一になる場合がある。処理対象ワークピース100の加熱プロセス中に、加熱体300は、処理対象ワークピース100をより均一に加熱するように構成されてもよい。したがって、処理対象ワークピース100の縁部領域の温度および中央領域の温度は可能な限り同じになる可能性があり、これにより、同一の処理対象ワークピース100上の異なる領域での膜形成の異なる厚さをさらに回避して、処理対象ワークピース100の膜形成の均一性をさらに向上させることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、任意選択的に、第1のサブチャネル610は環状チャネルであってもよい。複数の第2のサブチャネル620が設けられてもよい。複数の第2のサブチャネル620は、環状チャネルの円周方向に沿って間隔をあけて配置されてもよい。各第2のサブチャネル620は、環状チャネルの半径方向に延びる直線チャネルであってもよい。直線チャネルの端部は、環状チャネルと連通していてもよい。直線チャネルの他方の端部は、上記ガス源チャネル900と連通していてもよい。したがって、ガス源チャネル900から流出したガスは、複数の直線チャネルを同時に通って上記環状チャネルに均一に流れ、ガス分布の均一性を向上させることができる。
【0036】
上述したように、第1のサブチャネル610および第2のサブチャネル620は様々な形成方法を有することができる。第1のサブチャネル610および第2のサブチャネル620の形成方法は、本開示の実施形態において限定されない。具体的には、上記環状チャネル(すなわち、第1のサブチャネル610)および複数の直線チャネル(すなわち、第2のサブチャネル620)は、ガスチャネルプレート500および加熱体300の対向する2つの面の少なくとも1つに形成された環状溝および複数の接続溝であってもよい。第1のサブチャネル610および第2のサブチャネル620を形成するための開口部を形成する方法と比較して、環状溝および接続溝をガスチャネルプレート500または加熱体300の少なくとも1つに形成する方法は、より少ないプロセスおよびより単純な処理で製造するためにより有益であり得る。したがって、ガスチャネルプレート500および/または加熱体300の加工難易度を低減することができ、加工プロセスにおけるコストも低減することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、任意選択的に、加熱アセンブリは、加熱体300の周囲に縁部リング301をさらに含む。上記の第1のガスチャネル310は、第3のサブチャネル310bおよび第4のサブチャネル310aを含んでもよい。第3のサブチャネル310bは、加熱体300内に配置されてもよい。第3のサブチャネル310bの出口は、加熱体300の外周壁に配置されてもよい。第3のサブチャネル310bの入口は、加熱体300の上記加熱面から離れた表面上に配置され、上記第1のサブチャネル610と連通していてもよい。第4のサブチャネル310aは、縁部リング301の内周壁と加熱体300の外周壁とを間隔をあけて配置することにより形成されてもよい。第4のサブチャネル310aと第3のサブチャネル310bとは互いに連通していてもよい。任意選択的に、縁部リング301の内周壁および加熱体300の外周壁の1つに溝が形成されてもよい。縁部リング301と加熱体300とを接続した後に、第4のサブチャネル310aを形成してもよい。第4のサブチャネル310aの形成方法は、本開示の実施形態において限定されない。縁部リング301および加熱体300の他の構造および機能はすべて既知の技術であり、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0038】
任意選択の実施形態では、
図4に示すように、冷却媒体を移送するように構成された冷却チャネル320が縁部リング301に配置される。冷却媒体は、例えば、冷却ガスまたは冷却水であってもよい。冷却チャネル320内の冷却ガスまたは冷却水は、加熱体300の縁部の熱を奪うことができる。そのため、加熱体300の縁部の温度は低くてもよい。加熱装置によって処理対象ワークピース100を加熱している間、処理対象ワークピース100と加熱体300との間の熱伝導ガスを均一に分散させることができ、処理対象ワークピース100と加熱体300との間の熱伝導ガスの圧力が、処理対象ワークピース100の縁部で大きくなり、処理対象ワークピース100の中央領域で低くなることを防止する。これにより、加熱体300によって処理対象ワークピース100を均一に加熱して、処理対象ワークピース100の縁部の温度と中央領域の温度とをできるだけ同じにすることができる。したがって、処理対象ワークピース100の温度分布は均一であり、同一の処理対象ワークピース100の異なる領域での膜形成の異なる厚さが回避される。したがって、処理対象ワークピース100の膜形成の均一性が良好であり得る。
【0039】
また、冷却チャネル320は、環状水チャネルであってもよい。環状水チャネルは、加熱体300を囲んでいてもよい。したがって、加熱体300の縁部のより多くの熱が冷却チャネル320内の冷却ガスまたは冷却水によって奪われてもよく、これにより、加熱体300の縁部に対する冷却チャネル320の冷却効果がさらに向上し、処理対象ワークピース100の異なる領域の膜形成の均一性がさらに向上する。
【0040】
ベース200は、加熱装置の基本部材であってもよい。ベース200は、加熱装置の他の部材のための取付ベースを提供することができる。具体的には、ベース200は、加熱アセンブリの加熱面から離れた側に配置されてもよい。ベース200と上記加熱アセンブリとの間に取付空間が形成されてもよい。冷却機構400は、取付空間内に配置され、加熱面の縁部領域に対応する位置に配置され、加熱アセンブリを冷却するように構成されてもよい。
【0041】
冷却機構400を加熱面の縁部領域に対応する位置に配置することによって、冷却機構400は加熱アセンブリの縁部領域を冷却することができる。したがって、熱伝導ガスを処理対象ワークピース100と加熱アセンブリとの間に均一に分配することができ、処理対象ワークピース100と加熱アセンブリとの間の熱伝導ガスの圧力が、処理対象ワークピース100の縁部で高く、処理対象ワークピース100の中央領域で低くなることを防止する。さらに、冷却機構400によって加熱アセンブリの縁部領域を冷却することにより、処理対象ワークピース100の加熱プロセスにおいて、処理対象ワークピース100の縁部の温度と中央領域の温度とを可能な限り同じにすることができ、処理対象ワークピース100の縁部の温度がプロセス温度に到達したときに、処理対象ワークピース100の中央領域の温度がプロセス温度に到達しないことを防止する。したがって、処理対象ワークピース100の温度分布は均一であり得、これにより、処理対象ワークピース100の異なる領域での膜形成の異なる厚さが回避され、処理対象ワークピース100の膜形成の均一性がさらに向上する。
【0042】
冷却機構400は、動作中に熱を吸収して加熱体300を冷却してもよい。ガスチャネルプレート500には、複数のガスチャネルが形成されてもよい。ガスチャネルのいくつかは、処理対象ワークピース100の縁部にガスを吹き付けて、処理対象ワークピース100に裏メッキまたは側面メッキが発生するのを防止して、処理対象ワークピース100の歩留まりを向上させるように構成されてもよい。ガスチャネルのいくつかは、加熱装置内に負圧を形成するように構成されてもよい。これにより、加熱装置は、処理対象ワークピース100を吸着することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、任意選択的に、上記冷却機構400は環状アセンブリであってもよい。
図3に示すように、環状アセンブリは、冷却液を移送するように構成された冷却水チャネル430または冷却ガスを移送するように構成された冷却ガスチャネル410の少なくとも1つと一体化されている。冷却ガスチャネル410の出口は、上記加熱アセンブリの加熱面から離れた表面に面し、冷却ガスを表面に吹き付けるように構成されてもよい。冷却機構400は、加熱面の縁部領域に対応する環状アセンブリを使用し、加熱アセンブリの縁部領域を冷却するので。ガスチャネルプレート500の外縁領域に面する環状アセンブリの領域は、大きくてもよい。したがって、環状アセンブリは、ガスチャネルプレート500の外縁領域の熱をより速く奪うことができる。したがって、冷却機構400は、加熱体300をより良好に冷却して、処理対象ワークピース100の異なる領域における膜形成の厚さを可能な限り同じにすることができる。
【0044】
上記環状アセンブリは、複数の構造を有してもよい。例えば、
図3に示すように、環状アセンブリは、冷却液を移送するように構成された冷却水チャネル430および冷却ガスを移送するように構成された冷却ガスチャネル410と一体化されている。さらに、環状アセンブリは、環状本体401と、第1の環状カバープレート402と、第2の環状カバープレート403とを含む。加熱アセンブリの加熱面から離れた表面に対応する環状本体401の第1の表面(すなわち、環状本体401の上方を向く面)に環状溝が形成されてもよい。第1のカバープレート402は、環状本体401に封止されて接続され、環状溝と共に閉じた冷却水チャネル430を形成してもよい。冷却水は、冷却水チャネル430に導入されてもよい。特定の冷却プロセス中、冷却水チャネル430内の冷却水は、ガスチャネルプレート500の外縁領域から冷却機構400に伝導される熱を奪うことができる。したがって、冷却機構400は、ガスチャネルプレート500の外縁領域から熱を奪うことができる。したがって、ガスチャネルプレート500の外縁領域を冷却する効果を実現して、加熱体300の縁部を冷却する効果をさらに実現することができる。ガス冷却方式と比較して、水冷方式はより良い効果を有し得る。したがって、冷却機構400は、ガスチャネルプレート500の外縁領域をより良好に冷却することができる。したがって、処理対象ワークピース100の温度分布をより均一にして、処理対象ワークピース100の膜形成の均一性をより良好にすることができる。
【0045】
また、
図3に示すように、環状本体401には、複数のガス吹出孔410bが配置されている。各ガス吹出孔410bの出口は、環状本体401の第1の表面に配置されている。各ガス吹出孔410bの入口は、環状本体401の第1の表面から離れた第2の表面(環状本体401の下方を向く面)に配置されてもよい。第2の環状カバープレート403は、環状本体401の第2の表面の側に環状本体401に封止されて接続されてもよい。第2の環状カバープレート403および環状本体401は、閉じた環状ガスチャネル410aを形成し、環状ガスチャネル410aとガス吹出孔410bとを連通するように構成されてもよい。冷却ガスは、環状ガスチャネル410aを通ってガス吹出孔410bに順次流れ、ガス吹出孔410bの出口を通ってガスチャネルプレート500の外縁領域に吹き付けられてもよい。したがって、冷却ガスは、ガスチャネルプレート500の外縁領域の熱を奪い、ガスチャネルプレート500の外縁領域を冷却する効果を実現することができる。この配置方法は、単純で信頼性があり得、設計者が冷却機構400の設計上の困難さを低減するように冷却機構400を設計することを容易にする。また、吹き出された後の冷却ガスは、処理対象ワークピース100の処理に影響を与えにくい場合がある。さらに、冷却ガスは、環境に影響を与えにくく、低コストであり得る。
【0046】
いくつかの任意選択の実施形態では、環状本体401の円周方向の冷却均一性を向上させるために、上記の複数のガス吹出孔410bは、冷却水チャネル430の内側および外側に分散されてもよい。同じ側のガス吹出孔410bは、環状本体401の円周方向に沿って間隔をあけて分布していてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、冷却水チャネル430および冷却ガスチャネル410は、環状アセンブリに一体化されてもよいことに留意する必要がある。ガスチャネルプレート500の外縁領域は冷却ガスによって冷却されてもよく、ガスチャネルプレート500の外縁領域は冷却水によって冷却されてもよい。また、冷却水チャネル430内の冷却水は、冷却ガスチャネル410内の冷却ガスを冷却するために使用されてもよい。したがって、冷却機構400の冷却効果は、ガスチャネルプレート500の外縁領域においてより良好であり得る。したがって、冷却機構400は、冷却体300の縁部をさらに冷却して、処理対象ワークピース100の温度分布をより均一にすることができる。もちろん、実際の用途では、特定の必要性に応じて、冷却水チャネル430および冷却ガスチャネル410の一方のみを設ける必要があり得る。
【0048】
冷却機構400によって加熱体300の縁部を冷却するプロセスでは、冷却ガスまたは冷却水の温度が低すぎる可能性があるため、冷却機構400によって加熱体300の縁部が過冷却される可能性がある。したがって、処理対象ワークピース100の縁部の温度は低く、処理対象ワークピース100の中央領域の温度は高く、処理対象ワークピース100の温度分布は均一でない可能性があり、さらに、同一の処理対象ワークピース100の異なる領域での膜形成の厚さを異なるものにする。これに基づいて、任意選択の実施形態では、加熱部材440を環状アセンブリにさらに一体化することができる。加熱アセンブリ440は、環状アセンブリに一体化された冷却水チャネル430または冷却ガスチャネル410の少なくとも1つを加熱するように構成されてもよい。これにより、冷却ガスの温度が低すぎることによる冷却機構400による加熱体300の縁部の過冷却を防止することができる。したがって、処理対象ワークピース100の温度分布は均一であってもよく、これにより、処理対象ワークピース100の縁部の温度が低すぎること、および処理対象ワークピース100の中央領域の温度が高いことが回避される。そのため、同一の処理対象ワークピース100の異なる領域における膜形成の厚さは、可能な限り同じになり得る。
【0049】
もちろん、加熱部材440は、冷却水チャネル430内の冷却水を加熱して、冷却水の温度が低すぎるために冷却機構400が加熱体300の縁部を過冷却することを防止するように構成されてもよい。同様に、本開示の実施形態では、処理対象ワークピース100の温度分布は比較的均一であってもよく、これにより、処理対象ワークピース100の縁部の温度が低いこと、および処理対象ワークピース100の中央領域の温度が高いことが回避される。したがって、同一の処理対象ワークピース100の異なる領域における厚さは、可能な限り同じになり得る。
【0050】
上記加熱部材440は、複数の構造を有してもよい。例えば、加熱部材440は、上記環状アセンブリ(例えば、環状本体401)に埋め込まれた加熱パイプであってもよい。加熱パイプは、環状アセンブリの軸の周りに螺旋平面状に巻かれてもよい。これにより、環状本体401の円周方向における加熱均一性を確保することができる。
【0051】
本開示の実施形態では、冷却機構400は、上記加熱アセンブリの加熱面から離れた表面と接触してもよい。例えば、上記環状アセンブリは、ガスチャネルプレート500の外縁領域と接触してもよい。したがって、冷却機構400は、ガスチャネルプレート500の外縁領域に直接接続されてもよい。冷却機構400は、ガスチャネルプレート500の外縁領域を通して加熱体300の縁部の熱を吸収することができる。したがって、冷却機構400は、加熱体300の縁部を冷却してもよい。処理対象ワークピース100の加熱プロセス中、加熱体300は、処理対象ワークピース100を均一に加熱して、処理対象ワークピース100の温度分布を均一にしてもよい。
【0052】
あるいは、冷却機構400はまた、加熱アセンブリの加熱面から外方に面する表面から間隔をあけて配置されてもよい。冷却機構400と加熱部材の加熱面から離れた表面との間には、冷却機構400と加熱部材の加熱面から離れた表面と接触する熱伝導部材700が配置されてもよい。例えば、上記環状アセンブリは、ガスチャネルプレート500の外縁領域に面していてもよい。例えば、上記環状アセンブリは、ガスチャネルプレート500の外縁領域から距離があってもよい。熱伝導部材700は、上記環状アセンブリとガスチャネルプレート500の外縁領域との間に配置されてもよい。熱伝導部材700は、ガスチャネルプレート500の外縁領域の熱を上記環状アセンブリに移送するように構成されてもよい。したがって、上記環状アセンブリは、ガスチャネルプレート500の外縁領域の熱を奪い、加熱体300の縁部を冷却することができる。上記の2つの熱伝導接続方法により、冷却機構400は、加熱体300の縁部をより良好に冷却して、処理対象ワークピース100の温度分布をより均一にすることができる。熱伝導部材700は、銅板、ステンレスフィン、銅フィン、熱伝導性接着剤、および熱伝導性発泡体を含むことができる。
【0053】
上述したように、取付空間は、ベース200と加熱アセンブリ(例えば、ガスチャネルプレート500)との間に形成されてもよい。冷却機構400は、取付空間に配置されてもよい。具体的には、取付溝は、ガスチャネルプレート500に面するベース200の表面に形成されてもよい。ベース200がガスチャネルプレート500に接続された後、取付溝は、ガスチャネルプレート500との取付空間を形成することができる。冷却機構400は、取付溝の溝底に配置されてもよい。したがって、冷却機構400は、取付空間内に配置されてもよい。冷却機構400と溝底との間には、加熱体300の熱がベース200に移送されないように、耐熱性の高い部材を配置してもよい。また、耐熱性の高い部材により、冷却機構400を取付溝の溝底に安定して配置することができ、高温による冷却機構400と溝底との接続関係の不具合を回避することができる。いくつかの実施形態では、取付空間を形成するための方法は単純であってもよく、冷却機構400の取付方法は単純で信頼性が高くてもよく、これにより支持部材のセットアップが容易になる。
【0054】
さらに、支持部材800が取付空間に配置されてもよい。支持部材800は、冷却機構400と取付溝の溝底との間を支持して、冷却機構400と溝底との接触面積が大きくならないようにして、冷却機構400がベース200の熱を吸収しないようにしてもよい。したがって、冷却機構400が加熱体300をより良好に冷却するように確保することができ、加熱体300に対する冷却機構400の冷却効果を向上させることができる。
【0055】
要約すると、本開示の実施形態の加熱装置では、換気構造は、加熱アセンブリ内に配置されてもよい。換気構造は、処理対象ワークピースの縁部にガスを吹き付けるように構成されてもよい。吹き出されたガスは、処理対象ワークピースの縁部の熱を奪うことができる。さらに、ベースと加熱アセンブリとの間に取付空間が形成されてもよい。冷却機構は、取付空間内に配置され、加熱面の縁部領域に対応する位置に配置され、加熱アセンブリを冷却するように構成されてもよい。冷却機構を加熱面の縁部領域に対応する位置に配置することによって、冷却機構は加熱アセンブリの縁部領域を冷却することができる。これにより、処理対象ワークピースと加熱アセンブリとの間の熱伝導ガスを均一に分布させることができ、これにより、処理対象ワークピースと加熱アセンブリとの間の熱伝導ガスの圧力が、処理対象ワークピースの縁部で大きくなり、処理対象ワークピースの中央領域の圧力が小さくなることを防止する。さらに、冷却機構によって加熱アセンブリの縁部領域を冷却するために、処理対象ワークピースの加熱プロセス中に、処理対象ワークピースの縁部の温度と中央領域の温度とを可能な限り同じにすることができ、これにより、処理対象ワークピースの縁部の温度がプロセス温度に到達したときに、処理対象ワークピースの中央領域の温度がプロセス温度に到達しないことを防止する。したがって、処理対象ワークピースの温度分布は均一であり得、これにより、同一の処理対象ワークピースの異なる領域での膜形成の異なる厚さが回避され、処理対象ワークピースの膜形成の均一性がさらに向上する。
【0056】
本開示の実施形態の加熱デバイスに基づいて、本開示の実施形態は、半導体処理装置をさらに提供する。開示の半導体処理装置は、反応チャンバを備えていてもよい。上記実施形態で説明したような加熱装置は、反応チャンバ内に配置されてもよい。
【0057】
本開示の実施形態で開示された半導体処理装置では、本開示の実施形態で開示された加熱装置を使用することにより、処理対象ワークピースの加熱プロセス中に、処理対象ワークピースの縁部の温度と中央領域の温度とを同じにすることができ、これにより、処理対象ワークピースの縁部の温度がプロセス温度に到達したときに、処理対象ワークピースの中央領域の温度がプロセス温度に到達しないことを防止する。したがって、処理対象ワークピースの温度分布は均一であり得、これにより、同一の処理対象ワークピースの異なる領域での膜形成の異なる厚さが回避され、処理対象ワークピースの膜形成の均一性がさらに向上する。
【0058】
本開示の上記の実施形態は、様々な実施形態間の違いを主に説明している。様々な実施形態の異なる最適化特徴が矛盾しない限り、最適化特徴を組み合わせてより良好な実施形態を形成することができ、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0059】
上記の説明は、本開示の実施形態にすぎず、本開示を限定することを意図するものではない。当業者であれば、本開示に対して様々な修正および変形を行うことができる。本開示の趣旨および原理の範囲内で行われる修正、同等の置換、改良は、本出願の特許請求の範囲内に含まれるものとする。