(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】基板処理システム、および基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240920BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20240920BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20240920BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/02 Z
H01L21/306 E
H01L21/304 642B
H01L21/304 643A
H01L21/304 648A
H01L21/304 651B
H01L21/306 J
(21)【出願番号】P 2020166237
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 慶介
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211017026(CN,U)
【文献】特開2006-108300(JP,A)
【文献】特開2002-159927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/02
H01L 21/306
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を所定のピッチで含むロットを一括で処理するバッチ処理部と、
前記ロットに含まれる前記基板を一枚ずつ処理する枚葉処理部と、
前記バッチ処理部から前記枚葉処理部へ前記基板を一枚ずつ搬送する搬送部と
を備え、
前記バッチ処理部は、
処理液を貯留する処理槽と、
前記所定のピッチで形成された複数の溝を有し、起立した状態の複数の前記基板を複数の前記溝の各々において下方から支持する支持具と、
を含み、
前記搬送部は、
前記所定のピッチよりも大きく且つ前記処理液内で前記支持具に支持された複数の前記基板と複数の前記基板と対向する前記処理槽の内壁面との間の隙間に挿入可能な厚さを有し、複数の前記基板を一枚ずつ保持可能な保持具を含
み、
前記搬送部を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記保持具を前記隙間に挿入し、複数の前記基板が位置する複数の前記溝のうち、前記処理槽の内壁面に最も近い溝に対応する前記基板を前記保持具に保持させ、
前記保持具に保持された前記基板を前記処理槽から取り出して前記枚葉処理部へ搬送し、
前記保持具に、前記処理槽の内壁面に最も近い溝に隣接する溝に対応する前記基板を保持させ、
前記保持具に保持された前記基板を前記隣接する溝から前記処理槽の内壁面に最も近い溝に移動させ、
前記保持具の保持時に前記基板と対向する側の表面を反転させ、反転させた前記保持具に、前記処理槽の内壁面に最も近い溝に移動後の前記基板を保持させ、
前記保持具に保持された前記基板を前記処理槽から取り出して前記枚葉処理部へ搬送する、基板処理システム。
【請求項2】
前記ロットに含まれる複数の前記基板は、互いの主面を対向させた状態で配列され、
前記支持具は、互いの主面を対向させた状態で配列された複数の前記基板を複数の前記溝の各々において下方から支持する、請求項
1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
複数の基板を所定のピッチで含むロットを一括で処理するバッチ処理部と、
前記ロットに含まれる前記基板を一枚ずつ処理する枚葉処理部と、
前記バッチ処理部から前記枚葉処理部へ前記基板を一枚ずつ搬送する搬送部と
を備え、
前記バッチ処理部は、
処理液を貯留する処理槽と、
前記所定のピッチで形成された複数の溝を有し、起立した状態の複数の前記基板を複数の前記溝の各々において下方から支持する支持具と、
を含み、
前記搬送部は、
前記所定のピッチよりも大きく且つ前記処理液内で前記支持具に支持された複数の前記基板と複数の前記基板と対向する前記処理槽の内壁面との間の隙間に挿入可能な厚さを有し、複数の前記基板を一枚ずつ保持可能な保持具を含み、
前記ロットに含まれる複数の前記基板は、前記バッチ処理部の処理内容に応じて、互いの主面を対向させた第1状態で又は互いの主面を一方へ向けた第2状態で配列され、
前記搬送部を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記ロットに含まれる複数の前記基板の配列状態を示す配列情報を取得し、前記配列情報が前記第1状態を示す場合、前記搬送部に第1基板搬送処理を実行させ、前記配列情報が前記第2状態を示す場合、前記搬送部に第2基板搬送処理を実行させ、
前記第1基板搬送処理は、
前記保持具を前記隙間に挿入し、複数の前記基板が位置する複数の前記溝のうち、前記処理槽の内壁面に最も近い溝に対応する前記基板を前記保持具に保持させ、
前記保持具に保持された前記基板を前記処理槽から取り出して前記枚葉処理部へ搬送し、
前記保持具に、前記処理槽の内壁面に最も近い溝に隣接する溝に対応する前記基板を保持させ、
前記保持具に保持された前記基板を前記隣接する溝から前記処理槽の内壁面に最も近い溝に移動させ、
前記保持具の保持時に前記基板と対向する側の表面を反転させ、反転させた前記保持具に、前記処理槽の内壁面に最も近い溝に移動後の前記基板を保持させ、
前記保持具に保持された前記基板を前記処理槽から取り出して前記枚葉処理部へ搬送する処理を含み、
前記第2基板搬送処理は、
前記支持具に支持された複数の前記基板を主面とは反対側から順次一枚ずつ前記保持具に保持させて前記枚葉処理部へ順次搬送する処理を含む、
基板処理システム。
【請求項4】
前記処理槽の内部に流体を供給する供給部と、
前記供給部を制御する制御部と
をさらに備え、
前記制御部は、
前記処理槽の内部に貯留された前記処理液内で前記保持具に一枚の前記基板を保持させる前に、前記供給部を制御して、前記処理槽への流体の供給を停止させ、前記保持具に一枚の前記基板を保持させた後に、前記供給部を制御して、前記処理槽への流体の供給を再開する、請求項1~
3のいずれか一つに記載の基板処理システム。
【請求項5】
複数の基板を所定のピッチで含むロットを一括で処理するバッチ処理部と、
前記ロットに含まれる前記基板を一枚ずつ処理する枚葉処理部と、
前記バッチ処理部から前記枚葉処理部へ前記基板を一枚ずつ搬送する搬送部と
を備え、
前記バッチ処理部は、
処理液を貯留する処理槽と、
前記所定のピッチで形成された複数の溝を有し、起立した状態の複数の前記基板を複数の前記溝の各々において下方から支持する支持具と、
を含み、
前記搬送部は、
前記所定のピッチよりも大きく且つ前記処理液内で前記支持具に支持された複数の前記基板と複数の前記基板と対向する前記処理槽の内壁面との間の隙間に挿入可能な厚さを有し、複数の前記基板を一枚ずつ保持可能な保持具を含む基板処理システムにおける基板搬送方法であって、
前記保持具を前記処理液内の前記隙間に挿入させ、前記保持具に、複数の前記溝のうち、前記処理槽の内壁面に最も近い溝に対応する前記基板を保持させ、
前記保持具に保持された前記基板を前記処理槽から取り出して前記枚葉処理部へ搬送し、
前記保持具に、前記処理槽の内壁面に最も近い溝に隣接する溝に対応する前記基板を保持させ、
前記保持具に保持された前記基板を前記隣接する溝から前記処理槽の内壁面に最も近い溝に移動させ、
前記保持具の保持時に前記基板と対向する側の表面を反転させ、反転させた前記保持具に、前記処理槽の内壁面に最も近い溝に移動後の前記基板を保持させ、
前記保持具に保持された前記基板を前記処理槽から取り出して前記枚葉処理部へ搬送する
ことを含む、基板搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システム、および基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハ等の基板を一枚ずつ処理する枚葉式の処理部(枚葉処理部)および複数の基板を一括して処理するバッチ式の処理部(バッチ処理部)の両方を備え、バッチ処理部から枚葉処理部へ基板を一枚ずつ搬送する基板処理システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、バッチ処理部および枚葉処理部の両方を備える基板処理システムにおいて、バッチ処理部から枚葉処理部への基板の搬送を適切に行うことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による基板処理システムは、バッチ処理部と、枚葉処理部と、搬送部とを備える。バッチ処理部は、複数の基板を所定のピッチで含むロットを一括で処理する。枚葉処理部は、ロットに含まれる基板を一枚ずつ処理する。搬送部は、バッチ処理部から枚葉処理部へ基板を一枚ずつ搬送する。バッチ処理部は、処理槽と、支持具とを含む。処理槽は、処理液を貯留する。支持具は、所定のピッチで形成された複数の溝を有し、起立した状態の複数の基板を複数の溝の各々において下方から支持する。搬送部は、保持具を含む。保持具は、所定のピッチよりも大きく且つ処理液内で支持具に支持された複数の基板と複数の基板と対向する処理槽の内壁面との間の隙間に挿入可能な厚さを有し、複数の基板を一枚ずつ保持可能である。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、バッチ処理部および枚葉処理部の両方を備える基板処理システムにおいて、バッチ処理部から枚葉処理部への基板の搬送を適切に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る基板処理システムのうち、搬入エリア、バッチエリアおよびIFエリアの模式的な平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る基板処理システムのうち、IFエリア、枚葉エリアおよび搬出エリアの模式的な平面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るエッチング用の処理槽の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るリンス用の処理槽の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るロット浸漬機構の構成を示す図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る支持具の構成を示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る保持具の構成を示す図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る支持アームの先端を拡大して示す拡大図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る保持具の厚さを説明するための図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る液処理部の構成を示す模式図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る乾燥処理部の構成を示す模式図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る基板処理システムが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図14A】
図14Aは、第1実施形態に係る第4搬送機構の動作を説明するための図である。
【
図14B】
図14Bは、第1実施形態に係る第4搬送機構の動作を説明するための図である。
【
図14C】
図14Cは、第1実施形態に係る第4搬送機構の動作を説明するための図である。
【
図14D】
図14Dは、第1実施形態に係る第4搬送機構の動作を説明するための図である。
【
図14E】
図14Eは、第1実施形態に係る第4搬送機構の動作を説明するための図である。
【
図14F】
図14Fは、第1実施形態に係る第4搬送機構の動作を説明するための図である。
【
図15A】
図15Aは、第1実施形態の変形例に係る第4搬送機構およびリンス用の処理槽の動作を説明するための図である。
【
図15B】
図15Bは、第1実施形態の変形例に係る第4搬送機構およびリンス用の処理槽の動作を説明するための図である。
【
図15C】
図15Cは、第1実施形態の変形例に係る第4搬送機構およびリンス用の処理槽の動作を説明するための図である。
【
図15D】
図15Dは、第1実施形態の変形例に係る第4搬送機構およびリンス用の処理槽の動作を説明するための図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る基板処理システムの模式的な平面図である。
【
図17】
図17は、第2実施形態に係る第1載置部の模式的な正面図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態に係る第2載置部の模式的な正面図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態に係る基板処理システムの模式的な側面図である。
【
図20】
図20は、変形例に係る枚葉エリアの模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示による基板処理システム、および基板搬送方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0009】
また、以下に示す実施形態では、「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」といった表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密に「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」であることを要しない。すなわち、上記した各表現は、例えば製造精度、設置精度などのずれを許容するものとする。
【0010】
また、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。また、鉛直軸を回転中心とする回転方向をθ方向と呼ぶ場合がある。
【0011】
特許文献1には、複数の基板を一括して水洗処理するバッチ処理部と、基板を一枚ずつ乾燥処理する枚葉処理部と、基板を搬送する搬送機構とを備えた基板処理システムが開示されている。搬送機構は、基板の周縁部をつかむチャックを有し、チャックを用いてバッチ処理部から基板を一枚ずつ取り出して枚葉処理部に搬送する。
【0012】
ところで、近年の基板処理システムでは、スループットを向上させる観点から、バッチ処理部において一括で処理される複数の基板間のピッチが狭小化されている。
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載の基板処理システムでは、基板間のピッチが狭い場合に、バッチ処理部から枚葉処理部へ基板を適切に搬送することまでは考慮されていない。このため、基板間のピッチが狭い場合でも、バッチ処理部から枚葉処理部への基板の搬送を適切に行うことができる基板搬送システムが期待されている。
【0014】
(第1実施形態)
<基板処理システムの構成>
まず、第1実施形態に係る基板処理システムの概略構成について
図1を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る基板処理システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、第1実施形態に係る基板処理システム1は、搬入エリアA1、バッチエリアA2、IF(インタフェース)エリアA3、枚葉エリアA4および搬出エリアA5を備える。搬入エリアA1、バッチエリアA2、IFエリアA3、枚葉エリアA4および搬出エリアA5は、この順番で並べられる。
【0016】
第1実施形態に係る基板処理システム1では、まず、搬入エリアA1において半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記載する)の搬入が行われる。搬入エリアA1には、複数のウエハを収容したキャリアが載置される第1載置部等が設けられる。搬入エリアA1では、第1載置部に載置されたキャリアから複数のウエハを取り出してロットを形成する処理、および、形成したロットをバッチエリアに渡す処理等が行われる。
【0017】
バッチエリアA2には、ウエハをロット単位で一括処理するバッチ処理部等が設けられる。第1実施形態において、バッチエリアA2では、バッチ処理部を用いてウエハのエッチング処理等がロット単位で行われる。また、バッチエリアA2には、ロットを搬送するロット搬送機構が設けられている。ロット搬送機構は、搬入エリアA1で形成されたロットをバッチエリアA2に搬送する。
【0018】
IFエリアA3では、バッチエリアA2から枚葉エリアA4へのウエハの受け渡し(搬送)が行われる。IFエリアA3には、ウエハを一枚ずつ搬送する搬送部が設けられており、かかる搬送部を用いてバッチエリアから枚葉エリアへウエハを一枚ずつ搬送する。
【0019】
枚葉エリアA4には、ウエハを一枚ずつ処理する枚葉処理部等が設けられる。第1実施形態において、枚葉エリアA4には、IFエリアA3からウエハが搬入される第1枚葉処理部と、第1枚葉処理部によって処理されたウエハを処理する第2枚葉処理部とが設けられる。
【0020】
具体的には、第1枚葉処理部は、ウエハの表面に液膜を形成する液処理部である。また、第2枚葉処理部は、表面に液膜が形成されたウエハを超臨界流体と接触させてウエハを乾燥させる複数の乾燥処理部である。
【0021】
すなわち、第1実施形態に係る基板処理システム1では、バッチエリアA2においてウエハのエッチング処理をロット単位で行い、その後、枚葉エリアA4においてウエハの乾燥処理を一枚ずつ行う。
【0022】
搬出エリアA5には、空のキャリアが載置される第2載置部等が設けられる。搬出エリアA5では、枚葉エリアA4において乾燥処理を終えたウエハを第2載置部に載置されたキャリアに収容する処理が行われる。
【0023】
次に、第1実施形態に係る基板処理システム1の具体的な構成について
図2および
図3を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係る基板処理システム1のうち、搬入エリア、バッチエリアおよびIFエリアの模式的な平面図である。また、
図3は、第1実施形態に係る基板処理システム1のうち、IFエリア、枚葉エリアおよび搬出エリアの模式的な平面図である。
【0024】
まず、
図2を参照して搬入エリアA1、バッチエリアA2およびIFエリアA3の構成について説明する。
【0025】
(搬入エリアA1について)
図2に示すように、搬入エリアA1には、キャリア搬入部2と、ロット形成部3とが配置される。キャリア搬入部2およびロット形成部3は、エリアA1~A5の並び方向(X軸方向)に沿って並べられる。また、ロット形成部3は、バッチエリアA2に隣接する。
【0026】
キャリア搬入部2は、第1載置部20と、第1搬送機構21と、キャリアストック22、23と、キャリア載置台24とを備える。
【0027】
第1載置部20には、外部から搬送された複数のキャリアCが載置される。キャリアCは、複数(たとえば、25枚)のウエハWを水平姿勢で上下に並べて収容する容器である。第1搬送機構21は、第1載置部20、キャリアストック22、23およびキャリア載置台24間でキャリアCの搬送を行う。
【0028】
ロット形成部3は、第2搬送機構30と、複数(たとえば、2つ)のロット保持部31とを備え、複数のウエハWで構成されるロットを形成する。第1実施形態において、ロットは、2つのキャリアCに収容された計50枚のウエハWを組合せることによって形成される。1つのロットを形成する複数のウエハWは、互いの主面を対向させた状態で一定の間隔(所定のピッチP)をあけて配列される。主面とは、例えば、ウエハWのパターン形成面である。所定のピッチPは、例えば、キャリアCに収容された複数(例えば、25枚)のウエハW間のピッチの半分の距離である。第1実施形態において、所定のピッチPは、5mmである。なお、ロットを構成するウエハWの枚数は、50枚に限定されない。たとえば、ロットは、100枚のウエハWで構成されてもよい。
【0029】
第2搬送機構30は、キャリア載置台24に載置されたキャリアCとロット保持部31との間で複数のウエハWを搬送する。第2搬送機構30は、たとえば、多関節ロボットで構成され、複数(たとえば、25枚)のウエハWを一括で搬送する。また、第2搬送機構30は、搬送途中で複数のウエハWの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢に変更させることができる。
【0030】
ロット保持部31は、1ロット分の複数のウエハWを垂直姿勢で保持する。第2搬送機構30は、キャリア載置台24に載置されたキャリアCから複数のウエハWを取り出してロット保持部31に垂直姿勢で載置する。たとえばこの動作を2回繰り返すことにより、1つのロットが形成される。
【0031】
(バッチエリアA2について)
バッチエリアA2には、前処理部4_1と、複数(ここでは、2つ)のエッチング処理部4_2と、後処理部4_3とが配置される。前処理部4_1、複数のエッチング処理部4_2および後処理部4_3は、バッチ処理部の一例である。
【0032】
前処理部4_1、複数のエッチング処理部4_2および後処理部4_3は、エリアA1~A5の並び方向(X軸方向)に沿ってこの順番で並べられる。また、前処理部4_1は、搬入エリアA1に隣接し、後処理部4_3は、IFエリアA3に隣接する。
【0033】
前処理部4_1は、前処理用の処理槽40と、リンス用の処理槽41と、ロット浸漬機構42とを備える。
【0034】
処理槽40および処理槽41は、垂直姿勢で配列された1ロット分のウエハWを収容可能である。処理槽40には、前処理用の処理液が貯留される。たとえば、処理槽40には、前処理、ここでは自然酸化膜除去用の処理液として、DHF(希フッ酸)が貯留される。また、処理槽41には、リンス用の処理液(たとえば脱イオン水)が貯留される。
【0035】
ロット浸漬機構42は、ロットを形成する複数のウエハWを垂直姿勢で一定の間隔をあけて保持する。ロット浸漬機構42は、保持したロットを昇降させる昇降機構を有しており、処理槽40,41の上方からロットを下降させて処理槽40,41に浸漬させたり、処理槽40,41に浸漬させたロットを上昇させて処理槽40,41から取り出したりする。また、ロット浸漬機構42は、水平移動機構を有しており、処理槽40の上方位置と処理槽41の上方位置との間でロットを水平移動させることができる。
【0036】
なお、ここでは、前処理用の処理槽40がリンス用の処理槽41のX軸正方向側に配置される場合の例を示しているが、前処理用の処理槽40は、リンス用の処理槽41のX軸負方向側に配置されてもよい。
【0037】
エッチング処理部4_2は、エッチング用の処理槽43と、リンス用の処理槽44と、ロット浸漬機構45,46とを備える。
【0038】
処理槽43および処理槽44は、垂直姿勢で配列された1ロット分のウエハWを収容可能である。処理槽43には、エッチング用の処理液(以下、「エッチング液」とも呼称する。)が貯留される。処理槽43の詳細については後述する。処理槽44には、リンス用の処理液(たとえば脱イオン水)が貯留される。
【0039】
ロット浸漬機構45,46は、ロットを形成する複数のウエハWを垂直姿勢で一定の間隔を空けて保持する。ロット浸漬機構45は、保持したロットを昇降させる昇降機構を有しており、処理槽43の上方からロットを下降させて処理槽43に浸漬させたり、処理槽43に浸漬させたロットを上昇させて処理槽43から取り出したりする。同様に、ロット浸漬機構46も、保持したロットを昇降させる昇降機構を有しており、処理槽44の上方からロットを下降させて処理槽44に浸漬させたり、処理槽44に浸漬させたロットを上昇させて処理槽44から取り出したりする。
【0040】
なお、ここでは、エッチング処理用の処理槽43がリンス用の処理槽44のX軸正方向側に配置される場合の例を示しているが、エッチング処理用の処理槽43は、リンス用の処理槽44のX軸負方向側に配置されてもよい。
【0041】
後処理部4_3は、後処理用の処理槽47と、リンス用の処理槽48と、ロット浸漬機構49とを備える。
【0042】
処理槽47および処理槽48は、垂直姿勢で配列された1ロット分のウエハWを収容可能である。処理槽47には、後処理用の処理液が貯留される。たとえば、処理槽40には、後処理、ここでは洗浄用の処理液として、SC1(アンモニア、過酸化水素および水の混合液)が貯留される。また、処理槽48には、リンス用の処理液(たとえば脱イオン水(DIW:Deionized Water))が貯留される。かかるリンス用の処理槽48は、IFエリアA3に隣接している。処理槽48の詳細については後述する。
【0043】
ロット浸漬機構49は、ロットを形成する複数のウエハWを垂直姿勢で一定の間隔を空けて保持する。ロット浸漬機構49は、保持したロットを昇降させる昇降機構を有しており、処理槽47,48の上方からロットを下降させて処理槽47,48に浸漬させたり、処理槽47,48に浸漬させたロットを上昇させて処理槽47,48から取り出したりする。また、ロット浸漬機構49は、水平移動機構を有しており、処理槽47の上方位置と処理槽48の上方位置との間でロットを水平移動させることができる。ロット浸漬機構49の詳細については後述する。
【0044】
ここでは、バッチエリアA2に4つのバッチ処理部(前処理部4_1、複数のエッチング処理部4_2および後処理部4_3)が配置される場合の例を示したが、バッチ処理部の数は、本例に限定されず、たとえば1つであってもよい。
【0045】
(第3搬送機構50について)
基板処理システム1は、第3搬送機構50(ロット搬送機構の一例)を備える。第3搬送機構50は、搬入エリアA1およびバッチエリアA2に跨がるように配置され、搬入エリアA1からバッチエリアA2にロットを搬送する。
【0046】
第3搬送機構50は、保持体51と、レール52と、移動体53とを備える。保持体51は、複数のウエハWが垂直姿勢となる状態でロットを保持する。レール52は、搬入エリアA1のロット保持部31からバッチエリアA2の処理槽48まで、X軸方向に沿って延在する。移動体53は、レール52に設けられ、保持体51をレール52に沿って移動させる。
【0047】
かかる第3搬送機構50は、ロット保持部31に保持されたロットを保持体51を用いて保持し、保持したロットをバッチエリアA2に搬送する。そして、第3搬送機構50は、前処理部4_1、エッチング処理部4_2および後処理部4_3の順にロットを搬送していく。
【0048】
ここで、エッチング用の処理槽43について
図4を参照して説明する。
図4は、第1実施形態に係るエッチング用の処理槽43の構成を示すブロック図である。
【0049】
処理槽43では、所定のエッチング液を用いて、ウエハW上に形成されたシリコン窒化膜(SiN)およびシリコン酸化膜(SiO2)のうちシリコン窒化膜を選択的にエッチングするエッチング処理が行われる。かかるエッチング処理では、リン酸(H3PO4)水溶液にシリコン(Si)含有化合物を添加してシリコン濃度を調整した溶液が、エッチング液として用いられる。
【0050】
エッチング液中のシリコン濃度を調整する手法としては、リン酸水溶液にダミー基板を浸漬させてシリコンを溶解させる方法(シーズニング)や、コロイダルシリカなどのシリコン含有化合物をリン酸水溶液に溶解させる方法を用いることができる。また、リン酸水溶液にシリコン含有化合物水溶液を添加してシリコン濃度を調整してもよい。
【0051】
図4に示すように、エッチング用の処理槽43は、内槽101と、外槽102とを備える。内槽101は、上方が開放された箱形の槽であり、内部にエッチング液を貯留する。複数のウエハWにより形成されるロットは、内槽101に浸漬される。外槽102は、上方が開放され、内槽101の上部周囲に配置される。外槽102には、内槽101からオーバーフローしたエッチング液が流入する。
【0052】
また、処理槽43は、リン酸水溶液供給部103と、シリコン供給部104と、DIW供給部105とを備える。
【0053】
リン酸水溶液供給部103は、リン酸水溶液供給源131と、リン酸水溶液供給ライン132と、流量調整器133とを有する。
【0054】
リン酸水溶液供給源131は、リン酸濃度が所望の濃度に濃縮されたリン酸水溶液を供給する。リン酸水溶液供給ライン132は、リン酸水溶液供給源131と外槽102とを接続し、リン酸水溶液供給源131から外槽102にリン酸水溶液を供給する。
【0055】
流量調整器133は、リン酸水溶液供給ライン132に設けられ、外槽102へ供給されるリン酸水溶液の供給量を調整する。流量調整器133は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。
【0056】
シリコン供給部104は、シリコン供給源141と、シリコン供給ライン142と、流量調整器143とを有する。
【0057】
シリコン供給源141は、シリコン含有化合物水溶液を貯留するタンクである。シリコン供給ライン142は、シリコン供給源141と外槽102とを接続し、シリコン供給源141から外槽102にシリコン含有化合物水溶液を供給する。
【0058】
流量調整器143は、シリコン供給ライン142に設けられ、外槽102へ供給されるシリコン含有化合物水溶液の供給量を調整する。流量調整器143は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。流量調整器143によってシリコン含有化合物水溶液の供給量が調整されることで、エッチング液のシリコン濃度が調整される。
【0059】
DIW供給部105は、DIW供給源151と、DIW供給ライン152と、流量調整器153とを有する。DIW供給部105は、エッチング液を加熱することで蒸発した水分を補給するため、外槽102にDIWを供給する。
【0060】
DIW供給ライン152は、DIW供給源151と外槽102とを接続し、DIW供給源151から外槽102に所定温度のDIWを供給する。
【0061】
流量調整器153は、DIW供給ライン152に設けられ、外槽102へ供給されるDIWの供給量を調整する。流量調整器153は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。流量調整器153によってDIWの供給量が調整されることで、エッチング液の温度、リン酸濃度およびシリコン濃度が調整される。
【0062】
また、処理槽43は、循環部106を備える。循環部106は、内槽101と外槽102との間でエッチング液を循環させる。循環部106は、循環ライン161と、複数の処理液供給ノズル162と、フィルタ163と、ヒータ164と、ポンプ165とを備える。
【0063】
循環ライン161は、外槽102と内槽101とを接続する。循環ライン161の一端は、外槽102に接続され、循環ライン161の他端は、内槽101の内部に配置された複数の処理液供給ノズル162に接続される。
【0064】
フィルタ163、ヒータ164およびポンプ165は、循環ライン161に設けられる。フィルタ163は、循環ライン161を流れるエッチング液から不純物を除去する。ヒータ164は、循環ライン161を流れるエッチング液を、エッチング処理に適した温度に加熱する。ポンプ165は、外槽102内のエッチング液を循環ライン161に送り出す。フィルタ163、ヒータ164およびポンプ165は、上流側からこの順番で設けられる。
【0065】
循環部106は、エッチング液を外槽102から循環ライン161および複数の処理液供給ノズル162経由で内槽101内へ送る。内槽101内に送られたエッチング液は、内槽101からオーバーフローすることで、再び外槽102へと流出する。このようにして、エッチング液は、内槽101と外槽102との間を循環する。
【0066】
なお、循環部106は、ヒータ164によってエッチング液を加熱することにより、エッチング液を沸騰状態としてもよい。
【0067】
次に、リンス用の処理槽48について
図5を参照して説明する。
図5は、第1実施形態に係るリンス用の処理槽48の構成を示すブロック図である。
【0068】
図5に示すように、リンス用の処理槽48は、内槽201と、外槽202とを備える。内槽201は、上方が開放された箱形の槽であり、内部にリンス液(処理液の一例)を貯留する。複数のウエハWにより形成されるロットは、内槽201に浸漬される。外槽202は、上方が開放され、内槽201の上部周囲に配置される。外槽202には、内槽201からオーバーフローしたリンス液が流入する。
【0069】
また、処理槽48は、DIW供給部205を備える。
【0070】
DIW供給部205は、DIW供給源251と、DIW供給ライン252と、流量調整器253とを有する。
【0071】
DIW供給源251は、DIWを供給する。DIW供給ライン252は、DIW供給源251と外槽202とを接続し、DIW供給源251から外槽202に所定温度のDIWを供給する。
【0072】
流量調整器253は、DIW供給ライン252に設けられ、外槽202へ供給されるDIWの供給量を調整する。流量調整器253は、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。
【0073】
また、処理槽43は、循環部206を備える。循環部206は、内槽201と外槽202との間でリンス液を循環させる。循環部206は、循環ライン261と、複数の処理液供給ノズル262と、フィルタ263と、ヒータ264と、ポンプ265とを備える。
【0074】
循環ライン261は、外槽202と内槽201とを接続する。循環ライン261の一端は、外槽202に接続され、循環ライン261の他端は、内槽201の内部に配置された複数の処理液供給ノズル262に接続される。
【0075】
フィルタ263、ヒータ264およびポンプ265は、循環ライン261に設けられる。フィルタ263は、循環ライン261を流れるリンス液から不純物を除去する。ヒータ264は、循環ライン261を流れるリンス液を、リンス処理に適した温度に加熱する。ポンプ265は、外槽202内のリンス液を循環ライン261に送り出す。フィルタ263、ヒータ264およびポンプ265は、上流側からこの順番で設けられる。
【0076】
循環部206は、リンス液を外槽202から循環ライン261および複数の処理液供給ノズル262経由で内槽201内へ送る。内槽201内に送られたリンス液は、内槽201からオーバーフローすることで、再び外槽202へと流出する。このようにして、リンス液は、内槽201と外槽202との間を循環する。
【0077】
次に、ロット浸漬機構49について
図6を参照して説明する。
図6は、第1実施形態に係るロット浸漬機構49の構成を示す図である。
【0078】
図6に示すように、ロット浸漬機構49は、支持具301と、昇降機構302とを備える。なお、ロット浸漬機構49は、昇降機構302の他に水平移動機構を備えるが、ここでは、説明の便宜上、水平移動機構の説明を省略する。
【0079】
支持具301は、複数の溝311を有し、起立した状態の複数のウエハWを複数の溝311の各々において下方から支持する。ここで、支持具301の構成について
図7を参照して説明する。
図7は、第1実施形態に係る支持具301の構成を示す図である。
【0080】
図7に示すように、支持具301が有する複数の溝311は、水平方向(ここでは、Y軸方向)に沿って一定の間隔(所定のピッチP)で形成される。各溝311は、下方に向かって狭幅となる略逆台形状を有する。このように、支持具301は、複数の溝311により形成される櫛歯構造を有する。
【0081】
複数のウエハWは、各溝311に対して1枚ずつ支持される。これにより、複数のウエハWは、溝311の並び方向と同じ方向(Y軸方向)に一定の間隔(所定のピッチP)をあけて並べられた状態で支持具301に支持される。
【0082】
昇降機構302は、支持具301を昇降させる。昇降機構302は、処理槽48の上方から支持具301を降下させて、支持具301に支持された複数のウエハWを処理槽48のリンス用の処理液に浸漬させることができる。また、昇降機構302は、支持具301を上昇させて、支持具301に支持された複数のウエハWを処理槽48から取り出すことができる。
【0083】
(IFエリアA3について)
IFエリアA3には、第4搬送機構55(搬送部の一例)が配置される。第4搬送機構55は、たとえば、多関節ロボットで構成され、ウエハWを一枚ずつ搬送する。また、第4搬送機構55は、搬送途中でウエハWの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢に変更させることができる。
【0084】
第4搬送機構55は、後処理部4_3が備えるリンス用の処理槽48に浸漬されたロットからウエハWを一枚取り出し、取り出したウエハWの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢に変更したうえで、後述する枚葉エリアA4の液処理部6に搬入する。
【0085】
第4搬送機構55は、複数のアームセグメントを複数の回転軸で回転可能に接続したアーム55aを有する多関節ロボットである。アーム55aの先端には保持具55bが接続される。第4搬送機構55は、アーム55aを動作させて、保持具55bの姿勢を垂直姿勢と水平姿勢との間で変更することができる。保持具55bは、ウエハWを一枚ずつ保持可能に構成される。ここで、保持具55bの構成について
図8および
図9を参照して説明する。
図8は、第1実施形態に係る保持具55bの構成を示す図である。
図8においては、垂直姿勢の保持具55bが示されている。
【0086】
図8に示すように、保持具55bは、ベース部材401と、支持アーム402と、クランプ部材403とを備える。
【0087】
ベース部材401は、アーム55aに連結される。
【0088】
支持アーム402は、ベース部材401に固定される。支持アーム402は、
図9に示すように、先端402aに支持溝411を有し、保持具55bの姿勢が垂直姿勢に設定された状態で、支持溝411において下方から一枚のウエハWを支持する。
図9は、第1実施形態に係る支持アーム402の先端402aを拡大して示す拡大図である。支持溝411は、下方に向かって狭幅となる略V字形状を有する。ウエハWは、支持アーム402の片側の面402bと対向するように支持溝411に収容されることにより、支持アーム402に支持される。
【0089】
クランプ部材403は、ベース部材401に対して進退可能に設けられる。
【0090】
保持具55bは、ベース部材401の内部からクランプ部材403を進出させ、進出させたクランプ部材403を支持アーム402に支持されたウエハWの上縁部に当接させることにより、ウエハWを保持する。また、保持具55bは、ウエハWの上縁部に当接させたクランプ部材403をベース部材401の内部に退避させることにより、ウエハWの保持を解除する。
【0091】
また、保持具55bは、所定のピッチPよりも大きく且つ処理槽48のリンス用の処理液内で支持具301に支持された複数のウエハWと複数のウエハWと対向する処理槽48の内壁面との間の隙間に挿入可能な厚さを有する。ここで、保持具55bの厚さについて
図10を参照して説明する。
図10は、第1実施形態に係る保持具55bの厚さを説明するための図である。
図10では、支持具301に支持された複数のウエハWが処理槽48のリンス用の処理液に浸漬された状態を示している。
【0092】
支持具301が有する複数の溝311は、Y軸方向に沿って所定のピッチPで形成されている。複数のウエハWは、処理槽48のリンス用の処理液内において、溝311の並び方向と同じY軸方向に所定のピッチPで並べられた状態で支持具301に支持されている。処理槽48のリンス用の処理液内で支持具301に支持された複数のウエハWと複数のウエハWと対向する処理槽48の内壁面との間には、隙間48gが形成されている。保持具55bは、所定のピッチPよりも大きく且つ隙間48gに挿入可能な厚さtを有する。保持具55bの厚さtとは、保持具55bが備える支持アーム402のうち最も厚い部分である先端402aの厚さを指す。すなわち、隙間48gの幅をGとすると、P<t<Gの関係が成立する。本実施形態では、所定のピッチPが5mmであるので、保持具55bの厚さtは、たとえば8mmであり、隙間48gの幅Gは、たとえば10mm以上である。
【0093】
このように、保持具55bは、所定のピッチPよりも大きく且つ隙間48gに挿入可能な厚さtを有する。これにより、保持具55bを備える第4搬送機構55は、隙間48gに挿入させた保持具55bを用いて処理槽48からウエハWを一枚ずつ取り出して枚葉エリアA4の液処理部6へ搬送することができる。結果として、バッチエリアA2において一括で処理される複数のウエハWのピッチPが狭い場合でも、バッチエリアA2から枚葉エリアA4へのウエハWの搬送を適切に行うことができる。
【0094】
(枚葉エリアA4について)
次に、
図3を参照して、枚葉エリアA4および搬出エリアA5の構成について説明する。
【0095】
枚葉エリアA4には、液処理部6と、乾燥処理部7と、第5搬送機構8とが配置される。液処理部6は、第1枚葉処理部の一例であり、乾燥処理部7は、第2枚葉処理部の一例である。また、第5搬送機構8は、枚葉搬送機構の一例である。
【0096】
液処理部6、乾燥処理部7および第5搬送機構8は、エリアA1~A5の並び方向と直交する方向(Y軸方向)に沿ってこの順番で並べられる。具体的には、枚葉エリアA4の中央に第5搬送機構8が配置され、第5搬送機構8のY軸方向における一方側(ここでは、Y軸負方向側)に液処理部6が配置される。また、第5搬送機構8を挟んで液処理部6と反対側に、乾燥処理部7が配置される。
【0097】
液処理部6は、第4搬送機構55によって搬送されたウエハWに対して液処理を行う。具体的には、液処理部6は、ウエハWの表面に乾燥用処理液の液膜を形成する。液処理部6によって液膜が形成されたウエハWは、第5搬送機構8によって液処理部6から取り出されて乾燥処理部7に搬送される。
【0098】
第5搬送機構8は、ウエハWを保持する保持体を備える。また、第5搬送機構8は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、保持体を用いてウエハWの搬送を行う。具体的には、第5搬送機構8は、液処理部6から乾燥処理部7へのウエハWの搬送と、乾燥処理部7から後述する搬出エリアA5のウエハ載置台91へのウエハWの搬送とを行う。
【0099】
乾燥処理部7は、液処理部6によって液膜が形成されたウエハWに対して超臨界乾燥処理を行う。具体的には、乾燥処理部7は、液膜が形成されたウエハWを超臨界状態の処理流体と接触させることによってウエハWを乾燥させる。
【0100】
乾燥処理部7は、超臨界乾燥処理が行われる処理エリア71と、第5搬送機構8と処理エリア71との間でのウエハWの受け渡しが行われる受渡エリア72とを備える。
【0101】
また、枚葉エリアA4には、乾燥処理部7の処理エリア71に隣接する位置に供給ユニット73が配置される。供給ユニット73は、乾燥処理部7の処理エリア71に対して処理流体を供給する。供給ユニット73は、流量計、流量調整器、背圧弁、ヒータなどを含む供給機器群と、供給機器群を収容する筐体とを備える。第1実施形態において、供給ユニット73は、処理流体としてCO2を乾燥処理部7に供給する。
【0102】
液処理部6は、ウエハWの搬入口61および搬出口62を備える。搬入口61は、IFエリアA3と対向する位置に設けられ、第4搬送機構55によってウエハWが搬入される。搬出口62は、第5搬送機構8と対向する位置に設けられ、ウエハWが搬出される。このように、搬入口61と搬出口62とを別々の位置に設けることで、液処理部6に対するウエハWの搬入出を効率よく行うことができる。なお、搬出口62は、受渡エリア72と対向する位置に設けられてもよい。この場合、液膜が形成されたウエハWを第5搬送機構8によって液処理部6から乾燥処理部7へ搬送する距離が最短となるため、液膜の乾燥を抑制することができる。
【0103】
ここで、液処理部6および乾燥処理部7の構成について説明する。まず、液処理部6の構成について
図5を参照して説明する。
図11は、第1実施形態に係る液処理部6の構成を示す模式図である。
【0104】
図11に示すように、液処理部6は、処理空間を形成するアウターチャンバー503内に配置されたスピンチャック505にてウエハWをほぼ水平に保持し、このスピンチャック505を鉛直軸周りに回転させることによりウエハWを回転させる。そして、液処理部6は、回転するウエハWの上方にノズルアーム506を進入させ、かかるノズルアーム506の先端部に設けられるノズル561から乾燥用処理液、ここではIPA(イソプロピルアルコール)を供給する。
【0105】
また、液処理部6には、スピンチャック505の内部にも薬液供給路551が形成されている。そして、かかる薬液供給路551から供給されたIPAによって、ウエハWの下面も処理される。
【0106】
IPAは、アウターチャンバー503や、アウターチャンバー503内に配置されるインナーカップ504に受け止められて、アウターチャンバー503の底部に設けられる排液口531や、インナーカップ504の底部に設けられる排液口541から排出される。さらに、アウターチャンバー503内の雰囲気は、アウターチャンバー503の底部に設けられる排気口532から排気される。
【0107】
液処理部6は、スピンチャック505を回転させながら、ウエハWの上面および下面にIPAを供給する。これにより、ウエハWの両面に残存するDIWがIPAに置換される。その後、液処理部6は、スピンチャック505の回転を緩やかに停止する。
【0108】
その後、ウエハWは、上面にIPAの液膜が形成された状態のまま、スピンチャック505から第5搬送機構8に受け渡され、第5搬送機構8によって液処理部6から搬出される。ウエハW上に形成された液膜は、液処理部6から乾燥処理部7へのウエハWの搬送中に、ウエハW上面の液体が蒸発(気化)することによってパターン倒れが発生することを防止する。
【0109】
次に、乾燥処理部7の構成について
図12を参照して説明する。
図12は、第1実施形態に係る乾燥処理部7の構成を示す模式図である。
【0110】
図12に示すように、乾燥処理部7は、本体601と、保持板602と、蓋部材603とを有する。筐体状の本体601には、ウエハWを搬入出するための開口部604が形成される。保持板602は、処理対象のウエハWを水平方向に保持する。蓋部材603は、かかる保持板602を支持するとともに、ウエハWを本体601内に搬入したときに、開口部604を密閉する。
【0111】
本体601は、一枚のウエハWを収容可能な処理空間が内部に形成された容器であり、その壁部には、供給ポート605,606と排出ポート607とが設けられる。供給ポート605,606および排出ポート607は、それぞれ、乾燥処理部7に超臨界流体を流通させるための供給流路および排出流路に接続されている。
【0112】
供給ポート605は、筐体状の本体601において、開口部604とは反対側の側面に接続されている。また、供給ポート606は、本体601の底面に接続されている。さらに、排出ポート607は、開口部604の下方側に接続されている。なお、
図12には2つの供給ポート605,606と1つの排出ポート607が図示されているが、供給ポート605,606や排出ポート607の数は特に限定されない。
【0113】
また、本体601の内部には、流体供給ヘッダー608,609と、流体排出ヘッダー600とが設けられる。そして、流体供給ヘッダー608,609には複数の供給口がかかる流体供給ヘッダー608,609の長手方向に並んで形成され、流体排出ヘッダー600には複数の排出口がかかる流体排出ヘッダー600の長手方向に並んで形成される。
【0114】
流体供給ヘッダー608は、供給ポート605に接続され、筐体状の本体601内部において、開口部604とは反対側の側面に隣接して設けられる。また、流体供給ヘッダー608に並んで形成される複数の供給口は、開口部604側を向いている。
【0115】
流体供給ヘッダー609は、供給ポート606に接続され、筐体状の本体601内部における底面の中央部に設けられる。また、流体供給ヘッダー609に並んで形成される複数の供給口は、上方を向いている。
【0116】
流体排出ヘッダー600は、排出ポート607に接続され、筐体状の本体601内部において、開口部604側の側面に隣接するとともに、開口部604より下方に設けられる。また、流体排出ヘッダー600に並んで形成される複数の排出口は、上方を向いている。
【0117】
流体供給ヘッダー608,609は、超臨界流体を本体601内に供給する。また、流体排出ヘッダー600は、本体601内の超臨界流体を本体601の外部に導いて排出する。なお、流体排出ヘッダー600を介して本体601の外部に排出される超臨界流体には、ウエハWの表面から超臨界状態の超臨界流体に溶け込んだIPA液体が含まれる。
【0118】
かかる乾燥処理部7内において、ウエハW上に形成されているパターンの間のIPA液体は、高圧状態(たとえば、16MPa)である超臨界流体と接触することで、徐々に超臨界流体に溶解し、パターンの間は徐々に超臨界流体と置き換わる。そして、最終的には、超臨界流体のみによってパターンの間が満たされる。
【0119】
そして、パターンの間からIPA液体が除去された後に、本体601内部の圧力を高圧状態から大気圧まで減圧することによって、CO2は超臨界状態から気体状態に変化し、パターンの間は気体のみによって占められる。このようにしてパターンの間のIPA液体は除去され、ウエハWの乾燥処理が完了する。
【0120】
(搬出エリアA5について)
搬出エリアA5には、ウエハ載置台91と、第6搬送機構92と、第2載置部93とが配置される。ウエハ載置台91、第6搬送機構92および第2載置部93は、エリアA1~A5の並び方向(X軸方向)に沿ってこの順番で並べられる。また、ウエハ載置台91は、枚葉エリアA4に隣接して配置される。
【0121】
ウエハ載置台91には、ウエハWが水平姿勢で載置される。ウエハ載置台91は、第5搬送機構8および第6搬送機構92の両方がアクセス可能である。
【0122】
第6搬送機構92は、ウエハWを保持する保持体を備える。また、第6搬送機構92は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、保持体を用いてウエハ載置台91と第2載置部93との間でウエハWの搬送を行う。第2載置部93は、複数のキャリアCを載置可能である。
【0123】
(制御装置11について)
基板処理システム1は、制御装置11を備える。制御装置11は、たとえばコンピュータであり、制御部12と記憶部13とを備える。記憶部13には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部12は、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
【0124】
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置11の記憶部13にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0125】
<基板処理システム1の具体的動作>
次に、基板処理システム1が実行する処理の手順について
図13を参照して説明する。
図13は、第1実施形態に係る基板処理システム1が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図13に示す各処理は、制御部12による制御に従って実行される。
【0126】
図13に示すように、基板処理システム1は、第2搬送機構30によって2つのキャリアCから複数のウエハWをそれぞれ取り出し、各キャリアCに収容された複数(たとえば、25枚)のウエハWによってロットを形成する(ステップS101)。
【0127】
ステップS101の処理について
図2を参照しながら説明する。まず、第1搬送機構21が、第1載置部20からキャリアCを取り出してキャリア載置台24に載置する。そして、第2搬送機構30が、キャリア載置台24に載置されたキャリアCから複数枚のウエハWを取り出し、取り出した複数枚のウエハWの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢に変更し、複数枚のウエハWをロット保持部31に載置する。この動作を2回繰り返すことにより、ロットが形成される。ロットに含まれる複数のウエハWは、互いの主面を対向させた状態で配列される。
【0128】
つづいて、基板処理システム1は、形成されたロットに対して、前処理を行う(ステップS102)。
【0129】
具体的には、第3搬送機構50が、ロット保持部31からロットを受け取って前処理部4_1のロット浸漬機構42に渡す。そして、ロット浸漬機構42は、受け取ったロットを処理槽40に貯留されたDHFに浸漬させる。その後、ロット浸漬機構42は、ロットを処理槽40から取り出して処理槽41に貯留されたDIWに浸漬させる。これにより、ウエハWに付着したDHFが処理槽41に貯留されたDIWによって洗い流される。
【0130】
つづいて、基板処理システム1は、前処理部4_1によって処理されたロットに対してエッチング処理を行う(ステップS103)。
【0131】
具体的には、第3搬送機構50が、前処理部4_1のロット浸漬機構42からロットを受け取ってエッチング処理部4_2のロット浸漬機構45に渡す。そして、ロット浸漬機構45は、受け取ったロットを処理槽43に貯留されたエッチング液に浸漬させる。その後、ロット浸漬機構45は、ロットを処理槽43から取り出して第3搬送機構50に渡す。つづいて、第3搬送機構50が、ロット浸漬機構45から受け取ったロットをロット浸漬機構46に渡す。そして、ロット浸漬機構46は、受け取ったロットを処理槽44に貯留されたDIWに浸漬させる。これにより、ウエハWに付着したエッチング液が処理槽44に貯留されたDIWによって洗い流される。
【0132】
つづいて、基板処理システム1は、エッチング処理部4_2によって処理されたロットに対して、洗浄処理を行う(ステップS104)。
【0133】
具体的には、第3搬送機構50が、ロット浸漬機構46からロットを受け取って後処理部4_3のロット浸漬機構49に渡す。そして、ロット浸漬機構49は、受け取ったロットを処理槽47に貯留されたSC1に浸漬させる。その後、ロット浸漬機構49は、ロットを処理槽47から取り出して処理槽48に貯留されたDIWに浸漬させる。これにより、ウエハWに付着したSC1が処理槽48に貯留されたDIWによって洗い流される。
【0134】
つづいて、基板処理システム1は、後処理部4_3によって処理されたウエハWに対して、液膜形成処理を行う(ステップS105)。液膜形成処理は、ロット単位ではなく一枚のウエハW単位で行われる。
【0135】
具体的には、第4搬送機構55が、処理槽48の内部でロット浸漬機構49に保持されたロットからウエハWを一枚取り出す。そして、第4搬送機構55は、ウエハWを垂直姿勢から水平姿勢に変更したうえで、搬入口61(
図3参照)を介して液処理部6内のスピンチャック505(
図11参照)にウエハWを渡す。
【0136】
液処理部6は、スピンチャック505を回転させながら、ウエハWの上面および下面にIPAを供給する。これにより、ウエハWの両面に残存するDIWがIPAに置換される。また、ウエハWの上面にIPAの液膜が形成される。
【0137】
つづいて、基板処理システム1は、液膜形成処理後のウエハWに対して、乾燥処理を行う(ステップS106)。
【0138】
具体的には、第5搬送機構8が、液処理部6から搬出口62を介してウエハWを取り出し、取り出したウエハWを受渡エリア72(
図3参照)に配置された保持板602(
図12参照)に渡す。つづいて、乾燥処理部7が、保持板602を処理エリア71に移動させることにより、本体601の内部にウエハWを配置させる。
【0139】
つづいて、乾燥処理部7は、超臨界流体を本体601内に供給する。これにより、本体601内の圧力は大気圧から所定の第1圧力まで昇圧される。ここで、第1圧力は、超臨界流体であるCO2が超臨界状態となる臨界圧力(約7.2MPa)以上の圧力であり、たとえば、16MPa程度である。したがって、超臨界流体を本体601内に供給することにより、本体601内の超臨界流体は超臨界状態に相変化する。そして、かかる超臨界状態の超臨界流体に、ウエハW上のIPAが溶け込み始める。
【0140】
その後、本体601内部の圧力を高圧状態から大気圧まで減圧することによって、CO2は超臨界状態から気体状態に変化し、パターンの間は気体のみによって占められる。このようにしてパターンの間のIPA液体は除去され、ウエハWの乾燥処理が完了する。
【0141】
つづいて、基板処理システム1は、乾燥処理後のウエハWをキャリアCに収容する搬出処理を行う(ステップS107)。
【0142】
具体的には、乾燥処理部7が、保持板602を受渡エリア72に移動させ、第5搬送機構8が、保持板602から乾燥処理後のウエハWを受け取る。つづいて、第5搬送機構8は、受け取ったウエハWをウエハ載置台91に載置する。そして、第6搬送機構92は、ウエハ載置台91からウエハWを取り出して、第2載置部93に載置されたキャリアCに収容する。
【0143】
<第4搬送機構55の動作>
次に、上述した第4搬送機構55の具体的な動作について
図14A~
図14Fを参照して説明する。
図14A~
図14Fは、第1実施形態に係る第4搬送機構55の動作を説明するための図である。なお、第4搬送機構55が備えるアーム55aおよび保持具55bの動作は、制御部12によって制御される。
【0144】
洗浄処理(ステップS104)が行われた後、ロット浸漬機構49は、
図14Aに示すように、処理槽48のリンス用の処理液内で支持具301に複数(たとえば、50枚、
図14Aには便宜上8枚のみ図示)のウエハWが支持された状態で、待機する。支持具301は、互いの主面M1を対向させた状態で配列された複数のウエハWを複数(たとえば、50個、
図14Aには便宜上8個のみ図示)の溝311の各々の下方から支持している。かかる状況の下で、制御部12は、保持具55bを隙間48g(
図10参照)に挿入し、複数のウエハWが位置する複数の溝311のうち、処理槽48の内壁面に最も近い溝311に対応するウエハWを保持具55bに保持させる。以下、処理槽48の内壁面に最も近い溝311を適宜「第1溝311a」と表記する。第1溝311aに対応するウエハWは、主面M1が保持具55bの支持アーム402とは反対側を向くように保持具55bに保持される。
【0145】
つづいて、
図14Bに示すように、制御部12は、保持具55bに保持されたウエハWを処理槽48から取り出す。そして、制御部12は、取り出したウエハWを垂直姿勢から水平姿勢へ変更したうえで、液処理部6へ搬送する。すなわち、制御部12は、ウエハWの主面M1が上方へ向くようにウエハWを水平姿勢へ変更し、主面M1が上方へ向けられたウエハWを液処理部6へ搬送する。
【0146】
つづいて、
図14Cに示すように、制御部12は、保持具55bに、処理槽48の内壁面に最も近い溝311(つまり、第1溝311a)に隣接する溝311に対応するウエハWを保持させる。以下、第1溝311aに隣接する溝311を適宜「第2溝311b」と標記する。第2溝311bに対応するウエハWは、主面M1が支持アーム402と対向するように保持具55bに保持される。
【0147】
つづいて、
図14Dに示すように、制御部12は、保持具55bに保持されたウエハWを第2溝311bから処理槽48の内壁面に最も近い溝311(つまり、第1溝311a)に移動させる。ウエハWが第2溝311bから第1溝311aに移動することにより、第1溝311aに移動後のウエハWと、第1溝311aおよび第2溝311bを除く残りの溝311に対応するウエハWとの間に、隙間48hが形成される。隙間48hの幅は、所定のピッチPの2倍であり、且つ保持具55bの厚さtよりも大きい。
【0148】
つづいて、
図14Eに示すように、制御部12は、保持具55bのウエハWを保持する側の表面(つまり、支持アーム402のウエハWとの対向面)を反転させ、反転させた保持具55bを隙間48hに挿入する。そして、制御部12は、保持具55bに、第1溝311aに移動後のウエハWを保持させる。第1溝311aに移動後のウエハWは、主面M1が保持具55bの支持アーム402とは反対側を向くように保持具55bに保持される。
【0149】
つづいて、
図14Fに示すように、制御部12は、保持具55bに保持されたウエハWを処理槽48から取り出す。そして、制御部12は、取り出したウエハWの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢へ変更したうえで、液処理部6へ搬送する。すなわち、制御部12は、ウエハWの主面M1が上方へ向くようにウエハWを水平姿勢へ変更し、主面M1が上方へ向けられたウエハWを液処理部6へ搬送する。
【0150】
その後、制御部12は、第1溝311aおよび第2溝311bを除く残りの溝311に対応するウエハWが無くなるまで、
図14A~
図14Fに示す処理を繰り返す。
【0151】
このように、制御部12は、処理槽48の内部で互いの主面M1を対向させた状態で配列された複数のウエハWを保持具55bを用いて一枚ずつ液処理部6へ搬送する。これにより、処理槽48の内部で互いの主面M1を対向させた状態で配列された複数のウエハWのピッチPが狭い場合でも、バッチエリアA2から枚葉エリアA4へのウエハWの搬送を適切に行うことができる。
【0152】
上述してきたように、第1実施形態に係る基板処理システム(一例として、基板処理システム1)は、バッチ処理部(一例として、後処理部4_3)と、枚葉処理部(一例として、液処理部6)と、搬送部(一例として、第4搬送機構55)とを備える。バッチ処理部は、複数の基板(一例として、ウエハW)を所定のピッチ(一例として、所定のピッチP)で含むロットを一括で処理する。枚葉処理部は、ロットに含まれる基板を一枚ずつ処理する。搬送部は、バッチ処理部から枚葉処理部へ基板を一枚ずつ搬送する。バッチ処理部は、処理槽(一例として、処理槽48)と、支持具(一例として、支持具301)とを含む。処理槽は、処理液を貯留する。支持具は、所定のピッチで形成された複数の溝(一例として、溝311)を有し、起立した状態の複数の基板を複数の溝の各々において下方から支持する。搬送部は、保持具(一例として、保持具55b)を含む。保持具は、所定のピッチよりも大きく且つ処理液内で支持具に支持された複数の基板と複数の基板と対向する処理槽の内壁面との間の隙間(一例として、隙間48g)に挿入可能な厚さ(一例として、厚さt)を有し、複数の基板を一枚ずつ保持可能に構成される。これにより、バッチ処理部および枚葉処理部の両方を備える基板処理システムにおいて、バッチ処理部から枚葉処理部への基板の搬送を適切に行うことができる。
【0153】
また、第1実施形態に係る基板処理システムは、搬送部を制御する制御部(一例として、制御部12)をさらに備えていてもよい。制御部は、保持具を隙間に挿入し、複数の基板が位置する複数の溝のうち、処理槽の内壁面に最も近い溝(一例として、第1溝311a)に対応する基板を保持具に保持させてもよい。そして、制御部は、保持具に保持された基板を処理槽から取り出して枚葉処理部へ搬送してもよい。そして、制御部は、保持具に、処理槽の内壁面に最も近い溝に隣接する溝(一例として、第2溝311b)に対応する基板を保持させてもよい。そして、制御部は、保持具に保持された基板を隣接する溝から処理槽の内壁面に最も近い溝に移動させてもよい。そして、制御部は、保持具の保持時に基板と対向する側の表面を反転させ、反転させた保持具に、処理槽の内壁面に最も近い溝に移動後の基板を保持させてもよい。そして、制御部は、保持具に保持された基板を処理槽から取り出して枚葉処理部へ搬送してもよい。
【0154】
また、第1実施形態に係る基板処理システムにおいて、ロットに含まれる複数の基板は、互いの主面を対向させた状態で配列されてもよい。また、支持具は、互いの主面を対向させた状態で配列された複数の基板を複数の溝の各々において下方から支持してもよい。これにより、処理槽の内部で互いの主面を対向させた状態で配列された複数の基板のピッチが狭い場合でも、バッチ処理部から枚葉処理部への基板の搬送を適切に行うことができる。
【0155】
(第1実施形態の変形例)
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
図15A~
図15Dは、第1実施形態の変形例に係る第4搬送機構55およびリンス用の処理槽48の動作を説明するための図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0156】
図15Aに示すように、処理槽48では、循環部206および処理液供給ノズル262によって形成されるリンス用の処理液の流れによって、処理槽48の内部に貯留された処理液が揺れ動いている状態となる場合がある。処理槽48では、貯留された処理液が揺れ動くと、処理液内で支持具301に支持された複数のウエハWの揺れが発生する場合がある。
【0157】
そこで、
図15Bに示すように、制御部12は、処理槽48の内部に貯留された処理液内で保持具55bに一枚のウエハWを保持させる前に、循環部206(
図5参照)を制御して、処理液供給ノズル262から処理槽48への処理液の供給を停止させる。具体的には、制御部12は、循環部206に設けられたポンプ265を停止させる。その後、制御部12は、処理液の揺れ動きが収束するまで所定の時間待機する。
【0158】
所定の時間待機した後に、
図15Cに示すように、制御部12は、保持具55bを隙間48g(
図10参照)に挿入し、第1溝311aに対応するウエハWを保持具55bに保持させる。
【0159】
つづいて、
図15Dに示すように、制御部12は、保持具55bに一枚のウエハWを保持させた後に、循環部206を制御して、処理液供給ノズル262から処理槽48への処理液の供給を再開させる。具体的には、制御部12は、保持具55bに設けられたクランプ部材403(
図8参照)をウエハWの上縁部に当接させた後に、処理液供給ノズル262から処理槽48への処理液の供給を再開させる。
【0160】
その後、制御部12は、第1溝311aを除く残りの溝311に対応するウエハWに関して、
図15B~
図15Dに示す処理を繰り返す。
【0161】
このように、制御部12は、処理槽48の内部に貯留された処理液内で保持具55bに一枚のウエハWを保持させる前に、循環部206(供給部の一例)を制御して、処理槽48への処理液の供給を停止させる。これにより、処理槽48内でのウエハWの揺れを抑制することができ、保持具55bを用いたウエハWの搬送の安定性を向上させることができる。
【0162】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る基板処理システムの構成について
図16~
図18を参照して説明する。
図16は、第2実施形態に係る基板処理システムの模式的な平面図である。また、
図17は、第2実施形態に係る第1載置部の模式的な正面図である。また、
図18は、第2実施形態に係る第2載置部の模式的な正面図である。なお、
図16では、バッチエリアA2を省略している。第2実施形態に係るバッチエリアA2は、第1実施形態に係るバッチエリアA2と同様の構成である。
【0163】
図16に示すように、第2実施形態に係る基板処理システム1Aは、搬入エリアA1にキャリア搬入部2Aを備える。キャリア搬入部2Aは、第1載置部20Aを備える。第1載置部20Aは、ロット形成部3に隣接する位置に配置される。
【0164】
図17に示すように、第1載置部20Aには、複数の載置台26,27,28と、第7搬送機構25とが設けられている。複数の載置台26,27,28は、第7搬送機構25の両側に配置される。
図17に示す例では、第7搬送機構25のY軸正方向側に、2つの載置台28と、1つの載置台27と、1つの載置台26とが、下からこの順番で高さ方向(Z軸方向)に並べられている。また、
図17に示す例では、第7搬送機構25のY軸負方向側に、3つの載置台28と、1つの載置台26とが、下からこの順番で高さ方向に並べられている。
【0165】
載置台26には、外部から搬送されてきたキャリアCが載置される。載置台27は、ロット形成部3への搬入口27aに隣接しており、ロット形成部3に搬入されるウエハWを収容したキャリアCが載置される。載置台28には、たとえばロット形成部3に搬入される前のキャリアCが一時的に載置される。
【0166】
第7搬送機構25は、複数の載置台26,27,28間でキャリアCの搬送を行う。具体的には、第7搬送機構25は、高さ方向(Z軸方向)に沿って延在するレール25aと、キャリアCを保持する保持体25bとを備える。保持体25bは、レール25aに沿って移動可能である。
【0167】
第7搬送機構25は、載置台26に載置されたキャリアCを保持体25bを用いて保持して、載置台27または載置台28へ搬送する。載置台27に載置されたキャリアCに収容された複数のウエハWは、ロット形成部3に配置された第2搬送機構30によってキャリアCから取り出される。空のキャリアCは、第7搬送機構25によって載置台26または載置台28へ搬送される。
【0168】
このように、第2実施形態に係る基板処理システム1Aでは、第1載置部20Aがロット形成部3に隣接して設けられるため、搬入エリアA1がクリーンルーム等の床面積に占める割合であるフットプリントを小さく抑えることができる。
【0169】
また、
図16に示すように、第2実施形態に係る基板処理システム1Aでは、枚葉エリアA4にIFエリアA3が配置される。具体的には、IFエリアA3の第4搬送機構55は、枚葉エリアA4において液処理部6に隣接して配置される。
【0170】
また、第2実施形態に係る基板処理システム1Aでは、枚葉エリアA4に搬出エリアA5の第2載置部93Aが配置される。なお、第4搬送機構55、液処理部6および第2載置部93Aは、X軸方向に沿ってこの順番で並べられる。
【0171】
図18に示すように、第2載置部93Aは、複数の載置台94,95,96と、第8搬送機構97とが設けられている。複数の載置台94,95,96は、第8搬送機構97の両側に配置される。
図18に示す例では、第8搬送機構97のY軸負方向側に、3つの載置台96と、1つの載置台95とが、下からこの順番で高さ方向(Z軸方向)に並べられている。また、
図18に示す例では、第8搬送機構97のY軸正方向側に、2つの載置台94と、1つの載置台95とが、下からこの順番で高さ方向に並べられている。
【0172】
載置台94には、枚葉エリアA4からの搬出口94aに隣接しており、枚葉エリアA4から搬出されるウエハWを収容するキャリアCが載置される。載置台95には、外部から搬出されてきた空のキャリアCが載置される。載置台96には、たとえば載置台94に載置される前の空のキャリアCが一時的に載置される。
【0173】
第8搬送機構97は、複数の載置台94,95,96間でキャリアCの搬送を行う。具体的には、第8搬送機構97は、高さ方向(Z軸方向)に沿って延在するレール97aと、キャリアCを保持する保持体97bとを備える。保持体97bは、レール97aに沿って移動可能である。
【0174】
第8搬送機構97は、載置台95に載置された空のキャリアCを保持体97bを用いて保持して、載置台94または載置台96へ搬送する。載置台94に載置されたキャリアCには、枚葉エリアA4に配置された第5搬送機構8によって処理済みのウエハWが収容される。処理済みのウエハWを収容したキャリアCは、第8搬送機構97によって載置台95または載置台96に搬送される。
【0175】
このように、第2実施形態に係る基板処理システム1Aでは、第2載置部93Aが枚葉エリアA4に配置されるため、基板処理システム1Aがクリーンルーム等の床面積に占める割合であるフットプリントを小さく抑えることができる。
【0176】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る基板処理システムの構成について
図19を参照して説明する。
図19は、第3実施形態に係る基板処理システムの模式的な側面図である。
【0177】
図19に示すように、第3実施形態に係る基板処理システム1Bは、たとえば第2実施形態に係る基板処理システム1の構成に加え、キャリア搬送エリアA6をさらに備える。キャリア搬送エリアA6は、たとえば、搬入エリアA1、バッチエリアA2、IFエリアA3、枚葉エリアA4および搬出エリアA5の上部に配置される。
【0178】
キャリア搬送エリアA6には、第9搬送機構700が配置される。第9搬送機構700は、第1載置部20Aと第2載置部93Aとの間でキャリアCを搬送する。
【0179】
第9搬送機構700は、保持体701と、レール702と、移動部703とを備える。保持体701は、キャリアCを保持する。レール702は、第1載置部20Aの上方位置から第2載置部93Aの上方位置まで延在する。移動部703は、保持体701をレール702に沿って移動させる。
【0180】
第3実施形態に係る基板処理システム1Bは、たとえば、載置台26に載置された空のキャリアCを第9搬送機構500を用いて第1載置部20Aから第2載置部93Aへ搬送して第2載置部93Aの載置台95に載置する。載置台26から第9搬送機構500へのキャリアCの移動は、たとえば、第7搬送機構25によって行われてもよいし、図示しない専用の搬送機構によって行われてもよい。同様に、第9搬送機構500から載置台95へのキャリアCの移動は、たとえば、第8搬送機構97によって行われてもよいし、図示しない専用の搬送機構によって行われてもよい。第2載置部93Aに搬送された空のキャリアCには、処理済みのウエハWが収容される。
【0181】
また、第3実施形態に係る基板処理システム1Bは、処理済みのウエハWを収容したキャリアCを第9搬送機構500を用いて第2載置部93Aから第1載置部20Aへ搬送して第1載置部20Aの載置台26に載置する。載置台26に載置されたキャリアCは、基板処理システム1Bの外部に搬出される。
【0182】
かかる基板処理システム1Bによれば、第1載置部20Aと第2載置部93Aとを別々の場所に配置しつつも、基板処理システム1Bに対して外部からアクセスする場所を1箇所(たとえば、第1載置部20A)に集約することができる。したがって、基板処理システム1Bの利便性を向上させることができる。
【0183】
(その他の変形例)
図20は、変形例に係る枚葉エリアA4の模式的な平面図である。
図20に示すように、枚葉エリアA4には、複数(ここでは、2つ)の液処理部6と、複数(ここでは、2つ)の乾燥処理部7と、複数(ここでは、2つ)の供給ユニット73とが配置される。
【0184】
液処理部6,乾燥処理部7および供給ユニット73は、第5搬送機構8のY軸正方向側およびY軸負方向側にそれぞれ1台ずつ配置される。また、液処理部6,乾燥処理部7および供給ユニット73は、X軸方向に沿って並べられるとともに、X軸負方向側からこの順番で配置される。
【0185】
また、第4搬送機構55は、IFエリアA3の中央に配置される。これにより、第4搬送機構55は、2つの液処理部6に対して容易にアクセスすることができる。なお、液処理部6には、第5搬送機構8と対向する位置に搬入出口63が設けられており、第4搬送機構55は、かかる搬入出口63を介してウエハWを液処理部6に搬入する。
【0186】
このように、枚葉エリアA4には、液処理部6および乾燥処理部7が複数台設けられてもよい。また、液処理部6および乾燥処理部7は、エリアA1~A5の並び方向に沿って並べられてもよい。
【0187】
上述した実施形態では、バッチ処理部による処理として、リン酸等を含むエッチング液を用いてウエハWをエッチングするエッチング処理等を例示したが、バッチ処理部による処理は、例示したエッチング処理等に限定されない。また、上述した実施形態では、枚葉処理部による処理として、乾燥用処理液を用いた液膜形成処理および超臨界流体を用いた乾燥処理を例示したが、枚葉処理部による処理は、これら液膜形成処理および乾燥処理に限定されない。たとえば、枚葉処理部による処理は、薬液、リンス液、機能水等の処理液を用いてウエハWを処理するものであってもよい。また、上述した実施形態では、液処理部6とは別の乾燥処理部7において乾燥処理を行う場合の例を挙げたが、たとえば、液処理部6においてウエハWを高速で回転させることによってウエハWを乾燥させてもよい。
【0188】
上述した実施形態では、搬入エリアA1、バッチエリアA2、IFエリアA3、枚葉エリアA4および搬出エリアA5が直線状に配置される場合の例を示したが、エリアA1~A5の配置は必ずしも直線状であることを要しない。たとえば、搬入エリアA1、バッチエリアA2、IFエリアA3、枚葉エリアA4および搬出エリアA5は、L字状に配置されてもよいし、U字状に配置されてもよい。
【0189】
また、上述した実施形態では、1ロットを形成する複数のウエハWが互いの主面を対向させた状態で配列される場合を例に説明したが、開示の技術はこれに限定されない。例えば、1ロットを形成する複数のウエハWが互いの主面を一方へ向けた状態で配列されてもよい。この場合、支持具301は、互いの主面を一方へ向けた状態で配列された複数のウエハWを複数の溝311の各々の下方から支持してもよい。また、この場合、支持具301に支持された複数のウエハWを主面とは反対側から順次1枚ずつ保持具55bに保持させて枚葉処理部(液処理部6)へ順次搬送してもよい。
【0190】
また、例えば、1ロットを形成する複数のウエハWが、バッチ処理部(一例として、後処理部4_3)の処理内容に応じて、互いの主面を対向させた「第1状態」で又は互いの主面を一方へ向けた「第2状態」で配列されてもよい。この場合、1ロットに含まれる複数のウエハWの配列状態に応じてバッチ処理部から枚葉処理部への基板搬送処理を変更してもよい。具体的には、制御部12は、1ロットに含まれる複数のウエハWの配列状態を示す配列情報を取得する。例えば、配列情報は、記憶部13に格納されており、制御部12は、記憶部13から配列情報を取得する。制御部12は、配列情報が第1状態を示す場合、第4搬送機構55に第1基板搬送処理を実行させ、配列情報が第2状態を示す場合、第4搬送機構55に第2基板搬送処理を実行させる。ここで、第1基板搬送処理は、上記第1実施形態に係る基板搬送処理(
図14A~
図14F参照)と同様である。第2搬送処理は、支持具301に支持された複数のウエハWを主面とは反対側から順次一枚ずつ保持具55bに保持させて枚葉処理部(液処理部6)へ順次搬送することを含む。
【0191】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0192】
1 :基板処理システム
2 :キャリア搬入部
3 :ロット形成部
4_1 :前処理部
4_2 :エッチング処理部
4_3 :後処理部
6 :液処理部
7 :乾燥処理部
8 :第5搬送機構
11 :制御装置
12 :制御部
13 :記憶部
20 :第1載置部
21 :第1搬送機構
22,23 :キャリアストック
24 :キャリア載置台
25 :第7搬送機構
30 :第2搬送機構
31 :ロット保持部
40,41,43,44,47,48 :処理槽
42,45,46,49 :ロット浸漬機構
50 :第3搬送機構
55 :第4搬送機構
55a :アーム
55b :保持具
91 :ウエハ載置台
92 :第6搬送機構
93 :第2載置部
94 :載置台
95 :載置台
96 :載置台
97 :第8搬送機構
301 :支持具
311 :溝
A1 :搬入エリア
A2 :バッチエリア
A3 :IFエリア
A4 :枚葉エリア
A5 :搬出エリア
A6 :キャリア搬送エリア
C :キャリア
W :ウエハ