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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ズームレンズおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20240920BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023065721
(22)【出願日】2023-04-13
(62)【分割の表示】P 2022111985の分割
【原出願日】2017-08-24
(65)【公開番号】P2023080280
(43)【公開日】2023-06-08
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永見 亮介
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-242501(JP,A)
【文献】特開2015-222333(JP,A)
【文献】特開2013-064912(JP,A)
【文献】特開2012-252175(JP,A)
【文献】特開2012-181350(JP,A)
【文献】特開2007-279147(JP,A)
【文献】国際公開第2017/099244(WO,A1)
【文献】特開2011-059598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とからなり、
変倍時に、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群は、隣接する群との光軸方向の間隔を変化させ、
前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズとからなり、
前記第2レンズ群は、絞りを有し、前記絞りの像側に、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとからなる接合レンズを有し、
前記第4レンズ群は、変倍時に固定され、
前記第1レンズの屈折率をNd1、
前記第1レンズのアッベ数をνd1、
広角端におけるバックフォーカスをBf、
最大像高をIH、
前記第4レンズ群の焦点距離をf4とした場合、
1.7<Nd1-0.0037×νd1<2 …(1)
0.6<Bf/IH<1.1 …(4-4)
0.21≦Bf/f4<0.3 …(5-2
で表される条件式(1)、(4-4)および(5-2)を満足するズームレンズ。
【請求項2】
0.6<Bf/IH≦0.81 …(4-5)
で表される条件式(4-5)を満足する
請求項1記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記絞りの物体側および像側に隣接してレンズを有する
請求項1又は2項記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記第3レンズの屈折率をNd3、
前記第3レンズのアッベ数をνd3とした場合、
1.8<Nd3-0.0037×νd3<2 …(2)
で表される条件式(2)を満足する
請求項1から3のいずれか1項記載のズームレンズ。
【請求項5】
広角端における無限遠物体合焦時の全系の焦点距離をfw、
前記第3レンズ群の焦点距離をf3とした場合、
-0.6<fw/f3<-0.15 …(3)
で表される条件式(3)を満足する
請求項1からのいずれか1項記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記第2レンズ群は、光軸と直交する方向に移動することで防振を行う防振レンズ群を有し、
望遠端における無限遠物体合焦時の全系の焦点距離をft、
前記防振レンズ群の焦点距離をfoisとした場合、
0.5<ft/fois<2 …(6)
で表される条件式(6)を満足する
請求項1からのいずれか1項記載のズームレンズ。
【請求項7】
請求項1からのいずれか1項記載のズームレンズを備えた撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にデジタルカメラ、レンズ交換式デジタルカメラ、映画撮影用カメラ等の撮像装置に好適なズームレンズおよびこのズームレンズを備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ、レンズ交換式デジタルカメラ、映画撮影用カメラ等の撮像装置に用いられるズームレンズとして、特許文献1~3に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-121768号公報
【文献】特開2014-77867号公報
【文献】特開2015-4880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記撮像装置に用いるズームレンズは、携帯性を良くするために小型・軽量化が求められている。また、高速なフォーカシングと撮影距離全般で良好な光学性能、そして広角端状態での更なる広画角化が求められている。
【0005】
しかしながら、特許文献1および2に開示されたズームレンズでは、広画角化や高速なフォーカシングを達成しながらも、最も物体側のレンズ群(第1レンズ群)が大きく、小型化が十分に達成されているとはいえない。
【0006】
また、特許文献3に開示されたズームレンズでは、小型化でかつ高速なフォーカシングを可能としながらも、撮影距離による収差変動の抑制との両立が十分に達成されているとはいえない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、全体が小型・軽量でかつ高速なフォーカシングを可能としながら、物体距離に依る収差変動が少なく、物体距離全般にわたり高い光学性能が得られるズームレンズ、およびこのズームレンズを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1のズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とからなり、変倍時に、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群および第4レンズ群は、隣接する群との光軸方向の間隔を変化させ、第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズとからなり、第3レンズ群は、負レンズからなり、合焦時に、第3レンズ群のみが光軸に沿って移動し、第1レンズの屈折率をNd1、第1レンズのアッベ数をνd1、第3レンズの屈折率をNd3、第3レンズのアッベ数をνd3、広角端における無限遠物体合焦時の全系の焦点距離をfw、第3レンズ群の焦点距離をf3、広角端におけるバックフォーカスをBf、最大像高をIHとした場合、下記条件式(1)~(4)を満足する。
1.7<Nd1-0.0037×νd1<2 …(1)
1.8<Nd3-0.0037×νd3<2 …(2)
-0.6<fw/f3<-0.15 …(3)
0.6<Bf/IH<1.2 …(4)
【0009】
本発明の第2のズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とからなり、変倍時に、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群および第4レンズ群は、隣接する群との光軸方向の間隔を変化させ、第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズとからなり、第3レンズ群は、負レンズからなり、合焦時に、第3レンズ群のみが光軸に沿って移動し、第1レンズの屈折率をNd1、第1レンズのアッベ数をνd1、第3レンズの屈折率をNd3、第3レンズのアッベ数をνd3、広角端における無限遠物体合焦時の全系の焦点距離をfw、第3レンズ群の焦点距離をf3、広角端におけるバックフォーカスをBf、第4レンズ群の焦点距離をf4とした場合、条件式(1)~(3)、(5)を満足する。
1.7<Nd1-0.0037×νd1<2 …(1)
1.8<Nd3-0.0037×νd3<2 …(2)
-0.6<fw/f3<-0.15 …(3)
0.15<Bf/f4<0.35 …(5)
【0010】
本発明の第1および第2のズームレンズにおいては、条件式(1-1)~(3-1)のうち少なくとも1つ以上を満足することが好ましい。
1.75<Nd1-0.0037×νd1<2 …(1-1)
1.85<Nd3-0.0037×νd3<2 …(2-1)
-0.5<fw/f3<-0.2 …(3-1)
【0011】
本発明の第1のズームレンズにおいては、条件式(4-1)を満足することが好ましい。
0.7<Bf/IH<1.1 …(4-1)
【0012】
本発明の第2のズームレンズにおいては、条件式(5-1)を満足することが好ましい。
0.18<Bf/f4<0.3 …(5-1)
【0013】
本発明の第1および第2のズームレンズにおいて、第2レンズ群は、光軸と直交する方向に移動することで防振を行う防振レンズ群を有し、望遠端における無限遠物体合焦時の全系の焦点距離をft、防振レンズ群の焦点距離をfoisとした場合、条件式(6)を満足することが好ましく、条件式(6-1)を満足することがより好ましい。
0.5<ft/fois<2 …(6)
1<ft/fois<1.5 …(6-1)
【0014】
また、第2レンズ群は、光軸と直交する方向に移動することで防振を行う防振レンズ群を有し、防振レンズ群は、1枚のレンズからなることが好ましい。
【0015】
この場合、防振レンズ群を構成するレンズのアッベ数をνudとした場合、条件式(7)を満足することが好ましく、条件式(7-1)を満足することがより好ましい。
50<νud<100 …(7)
55<νud<95 …(7-1)
【0016】
また、第2レンズ群は、絞りを有し、絞りの物体側および像側に隣接してレンズを有することが好ましい。
【0017】
この場合、第2レンズ群は、物体側から順に、正レンズと絞りとを連続して有することが好ましい。
【0018】
また、第2レンズ群は、絞りの像側に、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとからなる接合レンズを有することが好ましい。
【0019】
この場合、接合レンズは、1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなり、接合レンズを構成する正レンズと負レンズのアッベ数差(正レンズのアッベ数-負レンズのアッベ数)をΔνcdとした場合、条件式(8)を満足することが好ましい。
15<Δνcd<60 …(8)
【0020】
また、第4レンズ群は、正レンズからなることが好ましい。
【0021】
また、第4レンズ群は、変倍時に固定されるものとしてもよいし、変倍時に移動するものとしてもよい。
【0022】
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明のズームレンズを備えたものである。
【0023】
なお、上記「~からなる」とは、構成要素として挙げたもの以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやマスクやカバーガラスやフィルタ等のレンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手ぶれ補正機構等の機構部分、等を含んでもよいことを意図するものである。
【0024】
また、各条件式における屈折率およびアッベ数は、d線を基準波長とする。
【0025】
また、上記のレンズの面形状、屈折力の符号、および曲率半径は、非球面が含まれている場合は近軸領域で考えるものとする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1および第2のズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とからなり、変倍時に、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群および第4レンズ群は、隣接する群との光軸方向の間隔を変化させ、第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズとからなり、第3レンズ群は、負レンズからなり、合焦時に、第3レンズ群のみが光軸に沿って移動し、所定の条件式を満足するようにしたので、全体が小型・軽量でかつ高速なフォーカシングを可能としながら、物体距離に依る収差変動が少なく、物体距離全般にわたり高い光学性能が得られるズームレンズ、およびこのズームレンズを備えた撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1および第2の実施形態にかかるズームレンズ(実施例1と共通)のレンズ構成を示す断面図
図2】本発明の実施例2のズームレンズのレンズ構成を示す断面図
図3】本発明の実施例3のズームレンズのレンズ構成を示す断面図
図4】本発明の実施例4のズームレンズのレンズ構成を示す断面図
図5】本発明の実施例5のズームレンズのレンズ構成を示す断面図
図6】本発明の実施例1のズームレンズの無限遠物体合焦時の各収差図
図7】本発明の実施例1のズームレンズの有限距離物体合焦時の各収差図
図8】本発明の実施例2のズームレンズの無限遠物体合焦時の各収差図
図9】本発明の実施例2のズームレンズの有限距離物体合焦時の各収差図
図10】本発明の実施例3のズームレンズの無限遠物体合焦時の各収差図
図11】本発明の実施例3のズームレンズの有限距離物体合焦時の各収差図
図12】本発明の実施例4のズームレンズの無限遠物体合焦時の各収差図
図13】本発明の実施例4のズームレンズの有限距離物体合焦時の各収差図
図14】本発明の実施例5のズームレンズの無限遠物体合焦時の各収差図
図15】本発明の実施例5のズームレンズの有限距離物体合焦時の各収差図
図16】本発明の一実施形態による撮像装置の前面側を示す斜視図
図17図16の撮像装置の背面側を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態にかかるズームレンズのレンズ構成を示す断面図である。図1に示す構成例は、後述の実施例1のズームレンズの構成と共通である。図1においては、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
【0029】
また、図1では、WIDEと表記した上段に広角端の状態を示し、光束として軸上光束waおよび最大画角の光束wbを記入し、TELEと表記した下段に望遠端の状態を示し、光束として軸上光束taおよび最大画角の光束tbを記入している。これらはいずれも無限遠物体に合焦した状態を示している。また、変倍時の各レンズ郡の移動軌跡も併せて記入している。
【0030】
なお、ズームレンズが撮像装置に搭載される際には、撮像装置の仕様に応じた各種フィルタおよび/または保護用のカバーガラスを備えることが好ましいため、図1ではこれらを想定した平行平面板状の光学部材PPをレンズ系と像面Simとの間に配置した例を示している。しかし、光学部材PPの位置は図1に示すものに限定されないし、光学部材PPを省略した構成も可能である。
【0031】
本実施形態のズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とからなり、変倍時に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4は、隣接する群との光軸Z方向の間隔を変化させるように構成されている。このように、最も物体側の第1レンズ群G1に負の屈折力を持たすことにより、後続するレンズ群に発散光が入射するようになるため、周辺光量の確保に有利となる。また、第3レンズ群G3に負の屈折力を持たすことにより、光束を小さくできるため、小径化に有利となる。
【0032】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズL1aと、負の屈折力を有する第2レンズL1bと、正の屈折力を有する第3レンズL1cとからなる。負の屈折力を有する第1レンズL1aで入射瞳を物体側に近づけることによって、広角端での画角確保と小径化に寄与する。また、負の屈折力を有する第2レンズL1bと正の屈折力を有する第3レンズL1cを連続して配置することによって、望遠端での球面収差を抑制し、第1レンズ群G1全体での変倍時の収差変動を抑制することができる。
【0033】
第3レンズ群G3は、負レンズL3aからなり、合焦時に、第3レンズ群G3のみが光軸Zに沿って移動するように構成されている。すなわち、第3レンズ群G3は、合焦レンズ群FOCUSとして機能する。このような構成とすることによって、合焦ユニット(合焦レンズ群FOCUSおよびこの合焦レンズ群FOCUSを移動させる機構)の小型・軽量化および高速オートフォーカスに寄与する。
【0034】
さらに、第1レンズL1aの屈折率をNd1、第1レンズL1aのアッベ数をνd1、第3レンズL1cの屈折率をNd3、第3レンズL1cのアッベ数をνd3、広角端における無限遠物体合焦時の全系の焦点距離をfw、第3レンズ群G3の焦点距離をf3、広角端におけるバックフォーカスをBf、最大像高をIHとした場合、条件式(1)~(4)を満足するように構成されている。
1.7<Nd1-0.0037×νd1<2 …(1)
1.8<Nd3-0.0037×νd3<2 …(2)
-0.6<fw/f3<-0.15 …(3)
0.6<Bf/IH<1.2 …(4)
【0035】
条件式(1)の上限以上とならないようにすることによって、色収差の補正に有利となる。条件式(1)の下限以下とならないようにすることによって、小型・軽量化に有利となる。なお、条件式(1-1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
1.75<Nd1-0.0037×νd1<2 …(1-1)
【0036】
条件式(2)の上限以上とならないようにすることによって、色収差の補正に有利となる。条件式(2)の下限以下とならないようにすることによって、小型・軽量化に有利となる。なお、条件式(2-1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
1.85<Nd3-0.0037×νd3<2 …(2-1)
【0037】
条件式(3)の上限以上とならないようにすることによって、第3レンズ群G3の屈折力が弱くなりすぎないようにできるため、合焦時の第3レンズ群G3の移動量を抑え、小型化に有利となる。条件式(3)の下限以下とならないようにすることによって、第3レンズ群G3の屈折力が強くなり過ぎないようにできるため、合焦時の収差変動量の抑制に有利となる。なお、条件式(3-1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
-0.5<fw/f3<-0.2 …(3-1)
【0038】
条件式(4)の上限以上とならないようにすることによって、小型化に有利となる。また、広角側で像面Simへの軸外光線の主光線の入射角の抑制に有利となる。条件式(4)の下限以下とならないようにすることによって、ズームレンズと像面Simが近くなり過ぎるのを抑え、レンズの小径化に有利となる。なお、条件式(4-1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.7<Bf/IH<1.1 …(4-1)
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態にかかるズームレンズのレンズ構成は、図1に示す第1の実施形態にかかるズームレンズと同じである。
【0040】
本実施形態のズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とからなり、変倍時に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4は、隣接する群との光軸Z方向の間隔を変化させるように構成されている。
【0041】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズL1aと、負の屈折力を有する第2レンズL1bと、正の屈折力を有する第3レンズL1cとからなる。 第3レンズ群G3は、負レンズL3aからなり、合焦時に、第3レンズ群G3のみが光軸Zに沿って移動するように構成されている。
【0042】
さらに、第1レンズL1aの屈折率をNd1、第1レンズL1aのアッベ数をνd1、第3レンズL1cの屈折率をNd3、第3レンズL1cのアッベ数をνd3、広角端における無限遠物体合焦時の全系の焦点距離をfw、第3レンズ群G3の焦点距離をf3、広角端におけるバックフォーカスをBf、第4レンズ群G4の焦点距離をf4とした場合、条件式(1)~(3)、(5)を満足するように構成されている。
1.7<Nd1-0.0037×νd1<2 …(1)
1.8<Nd3-0.0037×νd3<2 …(2)
-0.6<fw/f3<-0.15 …(3)
0.15<Bf/f4<0.35 …(5)
【0043】
第2の実施形態にかかるズームレンズは、第1の実施形態にかかるズームレンズと比較して、条件式(4)の代わりに条件式(5)を満足するように構成されており、これ以外の構成については同じである。そのため、条件式(5)の説明以外は省略する。
【0044】
条件式(5)の上限以上とならないようにすることによって、バックフォーカスが長くなり過ぎない、または第4レンズ群G4の屈折力が強くなり過ぎないようにでき、その結果、隣接する第3レンズ群G3の負の屈折力が強くなり過ぎないようにできるため、合焦時の収差変動の抑制に有利となる。条件式(5)の下限以下とならないようにすることによって、バックフォーカスが短くなり過ぎない、または第4レンズ群G4の屈折力が弱くなり過ぎないようにでき、その結果、隣接する第3レンズ群G3の負の屈折力が弱くなり過ぎないようにできるため、合焦時の第3レンズ群G3の移動量を抑え、小型化に有利となる。なお、条件式(5-1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.18<Bf/f4<0.3 …(5-1)
【0045】
第1および第2の実施形態のズームレンズにおいて、第2レンズ群G2は、光軸Zと直交する方向に移動することで防振を行う防振レンズ群OISを有し、望遠端における無限遠物体合焦時の全系の焦点距離をft、防振レンズ群OISの焦点距離をfoisとした場合、条件式(6)を満足することが好ましい。条件式(6)の上限以上とならないようにすることによって、防振レンズ群OISの屈折力が強くなり過ぎないようにできるため、防振時の収差変動を小さくできる。条件式(6)の下限以下とならないようにすることによって、防振レンズ群OISの移動量が大きくなり過ぎないようにできるため、ズームレンズ全体の大きさ、および防振ユニット(防振レンズ群OISおよびこの防振レンズ群OISを移動させる機構)の大きさを抑えることができる。なお、条件式(6-1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.5<ft/fois<2 …(6)
1<ft/fois<1.5 …(6-1)
【0046】
また、第2レンズ群G2は、光軸Zと直交する方向に移動することで防振を行う防振レンズ群OISを有し、防振レンズ群OISは、1枚のレンズからなることが好ましい。このような構成とすることによって、防振ユニットの小型・軽量化に有利となる。
【0047】
この場合、防振レンズ群OISを構成するレンズのアッベ数をνudとした場合、条件式(7)を満足することが好ましい。条件式(7)の上限以上とならないようにすることによって、十分な屈折率を有する材料を選択できる。条件式(7)の下限以下とならないようにすることによって、防振時の色収差変動の抑制に有利となる。なお、条件式(7-1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
50<νud<100 …(7)
55<νud<95 …(7-1)
【0048】
また、第2レンズ群G2は、開口絞りStを有し、開口絞りStの物体側および像側に隣接してレンズを有することが好ましい。このような構成とすることによって、変倍時に第2レンズ群G2の移動量を確保しやすく、また小型化にも有利となる。
【0049】
この場合、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正レンズと開口絞りStとを連続して有することが好ましい。このように開口絞りStの物体側に正レンズを配置することで、開口絞りStの小径化に有利となる。
【0050】
また、第2レンズ群G2は、開口絞りStの像側に、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズとからなる接合レンズを有することが好ましい。このような構成とすることによって、軸上色収差の補正に有利となる。
【0051】
この場合、接合レンズは、1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなり、接合レンズを構成する正レンズと負レンズのアッベ数差(正レンズのアッベ数-負レンズのアッベ数)をΔνcdとした場合、条件式(8)を満足することが好ましい。条件式(8)を満足することによって、第2レンズ群G2での色収差を十分に補正でき、高い光学性能の達成に有利となる。なお、条件式(8-1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
15<Δνcd<60 …(8)
20<Δνcd<50 …(8-1)
【0052】
また、第4レンズ群G4は、正レンズからなることが好ましい。このような構成とすることによって、第3レンズ群G3の合焦時の移動量を確保しつつ、負レンズからなる第3レンズ群G3との合焦時における収差変動のバランスを良くすることができる。
【0053】
また、第4レンズ群G4は、変倍時に固定されるものとしてもよいし、変倍時に移動するものとしてもよい。第4レンズ群G4を変倍時に固定した場合、ズームレンズ内へのゴミの侵入を防ぐことができる。第4レンズ群G4を変倍時に移動するものとした場合、第4レンズ群G4の小径化に有利となる。
【0054】
また、第1レンズ群G1の最も像側の面は、物体側に凸面を向けた形状であることが好ましい。このような構成とすることによって、望遠端で第2レンズ群G2との間隔を確保しやすくなり、また小型化にも有利となる。
【0055】
また、図1に示す例では、レンズ系と像面Simとの間に光学部材PPを配置した例を示したが、ローパスフィルタや特定の波長域をカットするような各種フィルタ等をレンズ系と像面Simとの間に配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよく、あるいは、いずれかのレンズのレンズ面に、各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
【0056】
次に、本発明のズームレンズの数値実施例について説明する。
【0057】
まず、実施例1のズームレンズについて説明する。実施例1のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を図1に示す。図1および後述の実施例2~5に対応した図2~5においては、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。また、WIDEと表記した上段に広角端の状態を示し、光束として軸上光束waおよび最大画角の光束wbを記入し、TELEと表記した下段に望遠端の状態を示し、光束として軸上光束taおよび最大画角の光束tbを記入している。これらはいずれも無限遠物体に合焦した状態を示している。また、変倍時の各レンズ郡の移動軌跡も併せて記入している。
【0058】
実施例1のズームレンズは、物体側から順に、レンズL1a~レンズL1cの3枚のレンズから構成される第1レンズ群G1と、開口絞りStおよびレンズL2a~レンズL2eの5枚のレンズから構成される第2レンズ群G2と、レンズL3aのみの1枚のレンズから構成される第3レンズ群G3と、レンズL4aのみの1枚のレンズから構成される第4レンズ群G4とから構成されている。また、変倍時に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、および第3レンズ群G3は移動し、第4レンズ群G4は固定されるように構成されている。
【0059】
実施例1のズームレンズの基本レンズデータを表1に、諸元に関するデータを表2に、変化する面間隔に関するデータを表3に、非球面係数に関するデータを表4に示す。以下では、表中の記号の意味について、実施例1のものを例にとり説明するが、実施例2~5についても基本的に同様である。
【0060】
表1のレンズデータにおいて、面番号の欄には最も物体側の構成要素の面を1番目として像面側に向かうに従い順次増加する面番号を示し、曲率半径の欄には各面の曲率半径を示し、面間隔の欄には各面とその次の面との光軸Z上の間隔を示す。また、nの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm(ナノメートル))における屈折率を示し、νの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm(ナノメートル))におけるアッベ数を示す。
【0061】
また、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像面側に凸の場合を負としている。基本レンズデータには、開口絞りSt、光学部材PPも含めて示している。開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号とともに(絞り)という語句を記載している。また、表1のレンズデータにおいて、変倍時および合焦時に間隔が変化する面間隔の欄にはそれぞれDD[面番号]と記載している。このDD[面番号]に対応する数値は表3に示している。
【0062】
表2の諸元に関するデータに、無限遠物体合焦時および有限距離物体合焦時(像面から1mの距離の物体に合焦時)の各々について、ズーム倍率、焦点距離f´、バックフォーカスBf´、FナンバーFNo.、全画角2ω(°)の値を示す。
【0063】
表1のレンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表4の非球面係数に関するデータには、非球面の面番号と、これら非球面に関する非球面係数を示す。表4の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10±n」を意味する。非球面係数は、下記式で表される非球面式における各係数KA、Amの値である。
Zd=C・h/{1+(1-KA・C・h1/2}+ΣAm・h
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数
であり、非球面深さZdにおけるΣはmに関する総和を意味する。
【0064】
基本レンズデータ、諸元に関するデータ、および変化する面間隔に関するデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmm(ミリメートル)を用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。
【0065】
【表1】


【0066】
【表2】


【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
実施例1のズームレンズの無限遠物体合焦時の各収差図を図6に、有限距離物体合焦時(像面から1mの距離の物体に合焦時)の各収差図を図7に示す。なお、図6、7中の上段左側から順に広角端(WIDE)での球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示し、図6、7中の中段左側から順に中間位置(MID)での球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示し、図6、7中の下段左側から順に望遠端(TELE)での球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示す。球面収差、非点収差、および歪曲収差を表す各収差図には、d線(波長587.6nm(ナノメートル))を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはd線(波長587.6nm(ナノメートル))、C線(波長656.3nm(ナノメートル))、F線(波長486.1nm(ナノメートル))、およびg線(波長435.8nm(ナノメートル))についての収差をそれぞれ実線、長破線、短破線、および灰色の実線で示す。非点収差図にはサジタル方向およびタンジェンシャル方向の収差をそれぞれ実線および短破線で示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm(ナノメートル))、F線(波長486.1nm(ナノメートル))、およびg線(波長435.8nm(ナノメートル))についての収差をそれぞれ長破線、短破線、および灰色の実線で示す。なお、球面収差図のFNo.はFナンバー、その他の収差図のωは半画角を意味する。
【0070】
次に、実施例2のズームレンズについて説明する。実施例2のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を図2に示す。実施例2のズームレンズの群構成および変倍時に移動するレンズ群は、実施例1のズームレンズと同じである。また、実施例2のズームレンズの基本レンズデータを表5に、諸元に関するデータを表6に、変化する面間隔に関するデータを表7に、非球面係数に関するデータを表8に、無限遠物体合焦時の各収差図を図8に、有限距離物体合焦時(像面から1mの距離の物体に合焦時)の各収差図を図9に示す。
【0071】
【表5】


【0072】
【表6】


【0073】
【表7】

【0074】
【表8】
【0075】
次に、実施例3のズームレンズについて説明する。実施例3のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を図3に示す。実施例3のズームレンズの群構成および変倍時に移動するレンズ群は、実施例1のズームレンズと同じである。また、実施例3のズームレンズの基本レンズデータを表9に、諸元に関するデータを表10に、変化する面間隔に関するデータを表11に、非球面係数に関するデータを表12に、無限遠物体合焦時の各収差図を図10に、有限距離物体合焦時(像面から1mの距離の物体に合焦時)の各収差図を図11に示す。
【0076】
【表9】


【0077】
【表10】


【0078】
【表11】

【0079】
【表12】


【0080】
次に、実施例4のズームレンズについて説明する。実施例4のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を図4に示す。実施例4のズームレンズの群構成および変倍時に移動するレンズ群は、実施例1のズームレンズと同じである。また、実施例4のズームレンズの基本レンズデータを表13に、諸元に関するデータを表14に、変化する面間隔に関するデータを表15に、非球面係数に関するデータを表16に、無限遠物体合焦時の各収差図を図12に、有限距離物体合焦時(像面から1mの距離の物体に合焦時)の各収差図を図13に示す。
【0081】
【表13】


【0082】
【表14】


【0083】
【表15】

【0084】
【表16】


【0085】
次に、実施例5のズームレンズについて説明する。実施例5のズームレンズのレンズ構成を示す断面図を図5に示す。実施例5のズームレンズの群構成は、実施例1のズームレンズと同じであるが、変倍時に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、および第4レンズ群G4の全てのレンズ群が移動するように構成されている。また、実施例5のズームレンズの基本レンズデータを表17に、諸元に関するデータを表18に、変化する面間隔に関するデータを表19に、非球面係数に関するデータを表20に、無限遠物体合焦時の各収差図を図14に、有限距離物体合焦時(像面から1mの距離の物体に合焦時)の各収差図を図15に示す。
【0086】
【表17】


【0087】
【表18】

【0088】
【表19】
【0089】
【表20】


【0090】
実施例1~5のズームレンズの条件式(1)~(8)に対応する値を表21に示す。なお、全実施例ともd線を基準波長としており、下記の表21に示す値はこの基準波長におけるものである。
【0091】
【表21】


【0092】
以上のデータから、実施例1~5のズームレンズは全て、条件式(1)~(8)を満たしており、全体が小型・軽量でかつ高速なフォーカシングを可能としながら、物体距離に依る収差変動が少なく、物体距離全般にわたり高い光学性能が得られるズームレンズであることが分かる。
【0093】
次に、図16および図17を参照して本発明に係る撮像装置の一実施形態について説明する。図16図17にそれぞれ前面側、背面側の斜視形状を示すカメラ30は、本発明の実施形態によるズームレンズ1を鏡筒内に収納した交換レンズ20が取り外し自在に装着される、ノンレフレックス(いわゆるミラーレス)方式のデジタルカメラである。
【0094】
このカメラ30はカメラボディ31を備え、その上面にはシャッターボタン32と電源ボタン33とが設けられている。またカメラボディ31の背面には、操作部34、35と表示部36とが設けられている。表示部36は、撮像された画像や、撮像される前の画角内にある画像を表示するためのものである。
【0095】
カメラボディ31の前面中央部には、撮影対象からの光が入射する撮影開口が設けられ、その撮影開口に対応する位置にマウント37が設けられ、このマウント37を介して交換レンズ20がカメラボディ31に装着されるようになっている。
【0096】
そしてカメラボディ31内には、交換レンズ20によって形成された被写体像を受け、それに応じた撮像信号を出力するCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子(不図示)、その撮像素子から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路、およびその生成された画像を記録するための記録媒体等が設けられている。このカメラ30では、シャッターボタン32を押すことにより静止画または動画の撮影が可能であり、この撮影で得られた画像データが上記記録媒体に記録される。
【0097】
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数等の値は、上記各実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
【0098】
また、撮像装置の実施形態では、ノンレフレックス方式のデジタルカメラを例に挙げ図を示して説明したが、本発明の撮像装置はこれに限定されるものではなく、例えば、ビデオカメラ、ノンレフレックス方式以外のデジタルカメラ、映画撮影用カメラ、放送用カメラ等の撮像装置に本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 ズームレンズ
20 交換レンズ
30 カメラ
31 カメラボディ
32 シャッターボタン
33 電源ボタン
34、35 操作部
36 表示部
37 マウント
FOCUS 合焦レンズ群
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
L1a~L4a レンズ
OIS 防振レンズ群
PP 光学部材
Sim 像面
St 開口絞り
ta 望遠端における軸上光束
tb 望遠端における最大画角の光束
wa 広角端における軸上光束
wb 広角端における最大画角の光束
Z 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17