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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】電圧パルスの時間領域多重化
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20240920BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
H05H1/46 M
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2023503504
(86)(22)【出願日】2022-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 US2022040270
(87)【国際公開番号】W WO2023027907
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】17/410,803
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラーマスワーミ, カーティク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ユエ
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-192876(JP,A)
【文献】特開2020-155408(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0032100(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
H01L 21/3065
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理用の波形生成器であって、
電圧源回路、
前記電圧源回路と前記波形生成器の第1の出力ノードとの間に結合された第1のスイッチであって、前記第1の出力ノードは、チャンバに結合されるように構成されている、第1のスイッチ、
前記第1の出力ノードと電気接地ノードとの間に結合された第2のスイッチ、
前記電圧源回路と前記波形生成器の第2の出力ノードとの間に結合された第3のスイッチであって、前記第2の出力ノードは、前記チャンバに結合されるように構成されている、第3のスイッチ、及び
前記第2の出力ノードと前記電気接地ノードとの間に結合された第4のスイッチを備え、
前記第1のスイッチの開閉動作と前記第2のスイッチの開閉動作により第1の負電圧パルスと第1の正電圧パルスを含む第1の波形が生成され、
前記第1の正電圧パルスの区間は波形周期の1%から20%の間である、
波形生成器。
【請求項2】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、前記チャンバに提供される第1のパルス電圧波形を生成するように構成され、
前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチは、前記チャンバに提供される第2のパルス電圧波形を生成するように構成され、前記第1のパルス電圧波形は、前記第2のパルス電圧波形から位相シフトされている、請求項1に記載の波形生成器。
【請求項3】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチは、非重複フェーズ中に閉じられるように構成されている、請求項1に記載の波形生成器。
【請求項4】
前記第1のスイッチは、前記非重複フェーズの第1のフェーズ中に閉じられるように構成され、
前記第2のスイッチは、前記非重複フェーズの第2のフェーズ中に閉じられるように構成され、前記第2のフェーズは前記第1のフェーズの後にあり、
前記第3のスイッチは、前記非重複フェーズの第3のフェーズ中に閉じられるように構成され、前記第3のフェーズは前記第2のフェーズの後にあり、
前記第4のスイッチは、前記非重複フェーズの第4のフェーズ中に閉じられるように構成され、前記第4のフェーズは前記第3のフェーズの後にある、請求項3に記載の波形生成器。
【請求項5】
前記電圧源回路は、前記第1のスイッチに結合された第1の電圧源、及び前記第3のスイッチに結合された第2の電圧源を備える、請求項1に記載の波形生成器。
【請求項6】
前記第1の電圧源は第1の容量素子を備え、前記第2の電圧源は第2の容量素子を備える、請求項5に記載の波形生成器。
【請求項7】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチの各々は、1以上のトランジスタを備える、請求項1に記載の波形生成器。
【請求項8】
前記第1の出力ノードは、前記第2の出力ノードに結合されている、請求項1に記載の波形生成器。
【請求項9】
前記第1の出力ノード及び前記第2の出力ノードは、前記チャンバ内に配置された基板支持体の基板支持面の下方に配置された電極に結合されている、請求項8に記載の波形生成器。
【請求項10】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、又は前記第4のスイッチのうちの少なくとも1つが、スイッチング周波数制限を有し、前記波形生成器は、前記電極において、前記スイッチング周波数制限を超える周波数を有する波形を生成するように構成されている、請求項9に記載の波形生成器。
【請求項11】
波形生成用の方法であって、
第1のスイッチを介して、電圧源回路を波形生成器の第1の出力ノードに結合することであって、前記第1の出力ノードはチャンバに結合されている、第1の出力ノードに結合すること、
第2のスイッチを介して、前記第1の出力ノードを電気接地ノードに結合すること、
第3のスイッチを介して、前記電圧源回路を前記波形生成器の第2の出力ノードに結合することであって、前記第2の出力ノードは前記チャンバに結合されている、第2の出力ノードに結合すること、及び
第4のスイッチを介して、前記第2の出力ノードを前記電気接地ノードに結合することを含
前記第1のスイッチの開閉動作と前記第2のスイッチの開閉動作により第1の負電圧パルスと第1の正電圧パルスを含む第1の波形が生成され、
前記第1の正電圧パルスの区間は波形周期の1%から20%の間である、
方法。
【請求項12】
第1のパルス電圧波形が、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを介した前記結合によって前記チャンバにおいて生成され、
第2のパルス電圧波形が、前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチを介した前記結合によって前記チャンバにおいて生成され、前記第1のパルス電圧波形は、前記第2のパルス電圧波形から位相シフトされている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチを介した前記結合は、非重複フェーズ中である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記電圧源回路は、前記非重複フェーズの第1のフェーズ中に前記第1の出力ノードに結合され、
前記第1の出力ノードは、前記非重複フェーズの第2のフェーズ中に前記電気接地ノードに結合され、前記第2のフェーズは前記第1のフェーズの後にあり、
前記電圧源回路は、前記非重複フェーズの第3のフェーズ中に前記第2の出力ノードに結合され、前記第3のフェーズは前記第2のフェーズの後にあり、
前記第2の出力ノードは、前記非重複フェーズの第4のフェーズ中に前記電気接地ノードに結合され、前記第4のフェーズは前記第3のフェーズの後にある、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電圧源回路は、前記第1のスイッチに結合された第1の電圧源、及び前記第3のスイッチに結合された第2の電圧源を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の電圧源は第1の容量素子を備え、前記第2の電圧源は第2の容量素子を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチの各々は、1以上のトランジスタを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記電圧源回路を前記第1の出力ノードに結合することによって、前記チャンバ内のノードにおいて前記第1の正電圧パルスを生成すること、
前記第1の出力ノードを前記電気接地ノードに結合することによって、前記チャンバ内の前記ノードにおいて前記第1の負電圧パルスを生成すること、
前記電圧源回路を前記第2の出力ノードに結合することによって、前記チャンバ内の前記ノードにおいて第2の正電圧パルスを生成すること、及び
前記第2の出力ノードを前記電気接地ノードに結合することによって、前記チャンバ内の前記ノードにおいて第2の負電圧パルスを生成することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の出力ノード及び前記第2の出力ノードは、前記チャンバ内に配置された基板支持体の基板支持面の下方に配置された電極に結合されている、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、又は前記第4のスイッチのうちの少なくとも1つが、スイッチング周波数制限を有し、前記方法は、前記電極において、前記スイッチング周波数制限を超える周波数を有する波形を生成することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
波形生成用の装置であって、
電圧源回路、
前記電圧源回路に結合された1以上のスイッチ、並びに
前記1以上のスイッチを制御するように構成されたコントローラを備え、前記1以上のスイッチは、
前記電圧源回路と波形生成器の第1の出力ノードとの間に結合された第1のスイッチであって、前記第1の出力ノードは、チャンバに結合されるように構成されている、第1のスイッチ、
前記第1の出力ノードと電気接地ノードとの間に結合された第2のスイッチ、
前記電圧源回路と前記波形生成器の第2の出力ノードとの間に結合された第3のスイッチであって、前記第2の出力ノードは、前記チャンバに結合されるように構成されている、第3のスイッチ、及び
前記第2の出力ノードと前記電気接地ノードとの間に結合された第4のスイッチを含
前記第1のスイッチの開閉動作と前記第2のスイッチの開閉動作により第1の負電圧パルスと第1の正電圧パルスを含む第1の波形が生成され、
前記第1の正電圧パルスの区間は波形周期の1%から20%の間である、
装置。
【請求項22】
前記コントローラは、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチを、非重複フェーズ中に閉じるように構成されている、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記コントローラは、
前記第1のスイッチを、前記非重複フェーズの第1のフェーズ中に閉じること、
前記第2のスイッチを、前記非重複フェーズの第2のフェーズ中に閉じることであって、前記第2のフェーズは前記第1のフェーズの後にある、第2のフェーズ中に閉じること、
前記第3のスイッチを、前記非重複フェーズの第3のフェーズ中に閉じることであって、前記第3のフェーズは前記第2のフェーズの後にある、第3のフェーズ中に閉じること、及び
前記第4のスイッチを、前記非重複フェーズの第4のフェーズ中に閉じることであって、前記第4のフェーズは前記第3のフェーズの後にある、第4のフェーズ中に閉じること、を実行するように構成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記電圧源回路は、前記第1のスイッチに結合された第1の電圧源、及び前記第3のスイッチに結合された第2の電圧源を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の出力ノード及び前記第2の出力ノードは、前記チャンバ内に配置された基板支持体の基板支持面の下方に配置された電極に結合されている、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、又は前記第4のスイッチのうちの少なくとも1つが、スイッチング周波数制限を有し、前記装置は、前記電極において、前記スイッチング周波数制限を超える周波数を有する波形を生成するように構成されている、請求項25に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、半導体デバイス製造に使用されるシステムに関する。特に、本開示の実施形態は、基板を処理するために使用されるプラズマ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 高いアスペクト比のフィーチャを確実に生成することは、次世代の半導体デバイスにとって重要な技術課題の1つである。高いアスペクト比のフィーチャを形成する1つの方法は、基板表面上に形成されたパターニング済みマスク層内に形成された開口部を通して、基板の表面上に形成された材料に衝突させるために、プラズマ支援エッチングプロセスを使用する。
【0003】
[0003] 技術ノードが2nmに向けて進歩するにつれて、より高いアスペクト比を有するより小さいフィーチャの製造は、プラズマ処理のための原子精度を必要とする。半導体機器産業における信頼性と再現性の高いデバイス形成プロセスの開発のために、プラズマイオンが主要な役割を果たすエッチングプロセスでは、イオンエネルギー制御が常に困難である。典型的なプラズマ支援エッチングプロセスでは、処理チャンバ内に配置された静電チャック(ESC)上に基板が配置され、基板の上にプラズマが生成され、イオンが、プラズマからプラズマシース(すなわち、プラズマと基板の表面との間に生成された電子が枯渇した領域)を横切って基板に向けて加速される。正弦波のRF波形を使用してプラズマを励起し、プラズマシースを生成する従来のRF基板バイアス法では、これらのより小さなデバイスフィーチャサイズを望ましく生成することができなかった。最近、処理チャンバ内の1以上の電極への高電圧パルスの供給が、基板の表面の上に生成されるプラズマシースを望ましく制御するのに有用であり得ることが見出された。しかし、中~高周波数の高電圧パルスを生成することは困難である。そのようなパルスは、高電圧パルスを生成するために使用されるスイッチング構成要素の加熱のために、標準的な電気構成要素を使用して生成することが、特に困難な場合がある。
【0004】
[0004] したがって、当技術分野では、基板上での所望なプラズマ支援プロセスの完了を可能にするパルス電圧源及びバイアス方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書で提供される複数の実施形態は、広くは、処理チャンバ内で基板をプラズマ処理するための波形を生成するための装置、プラズマ処理システム、及び方法を含む。
【0006】
[0006] 本開示の一実施形態は、プラズマ処理用の波形生成器を対象とする。該波形生成器は、概して、電圧源回路、電圧源回路と波形生成器の第1の出力ノードとの間に結合された第1のスイッチであって、第1の出力ノードは、チャンバに結合されるように構成されている、第1のスイッチ、第1の出力ノードと電気接地ノードとの間に結合された第2のスイッチ、電圧源回路と波形生成器の第2の出力ノードとの間に結合された第3のスイッチであって、第2の出力ノードは、チャンバに結合されるように構成されている、第3のスイッチ、及び、第2の出力ノードと電気接地ノードとの間に結合された第4のスイッチを含む。
【0007】
[0007] 本開示の一実施形態は、波形生成用の方法を対象とする。該方法は、概して、第1のスイッチを介して、電圧源回路を波形生成器の第1の出力ノードに結合することであって、第1の出力ノードはチャンバに結合されている、第1の出力ノードに結合すること、第2のスイッチを介して、第1の出力ノードを電気接地ノードに結合すること、第3のスイッチを介して、電圧源回路を波形生成器の第2の出力ノードに結合することであって、第2の出力ノードはチャンバに結合されている、第2の出力ノードに結合すること、及び、第4のスイッチを介して、第2の出力ノードを電気接地ノードに結合することを含む。
【0008】
[0008] 本開示の一実施形態は、波形生成用の装置を対象とする。該装置は、概して、電圧源回路、電圧源回路に結合された1以上のスイッチ、及び1以上のスイッチを制御するように構成されたコントローラを含む。1以上のスイッチは、電圧源回路と波形生成器の第1の出力ノードとの間に結合された第1のスイッチであって、第1の出力ノードは、チャンバに結合されるように構成されている、第1のスイッチ、第1の出力ノードと電気接地ノードとの間に結合された第2のスイッチ、電圧源回路と波形生成器の第2の出力ノードとの間に結合された第3のスイッチであって、第2の出力ノードは、チャンバに結合されるように構成されている、第3のスイッチ、及び、第2の出力ノードと電気接地ノードとの間に結合された第4のスイッチを含む。
【0009】
[0009] 本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、その幾つかを添付の図面に示す。しかし、添付図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010] 本明細書で説明される方法を実施するように構成された、1以上の実施形態による処理システムの概略断面図である。
図2A】[0011] 処理チャンバの電極に印加される電圧波形によって基板上に確立される電圧波形を示す。
図2B】[0012] 処理チャンバの電極に印加される電圧波形によって基板上に確立される電圧波形へのプラズマ密度の増加の影響を示す。
図2C】[0013] 図2Bの電圧波形に関連して示されるプラズマ密度の増加の影響に関連付けられたイオンエネルギー分布(IED)への影響を示す。
図3】[0014] 本開示の特定の複数の実施形態による、電圧パルスの時間多重化を使用して生成された例示的な波形を示す。
図4A】[0015] 本開示の特定の複数の実施形態による、例示的な波形生成器を示す。
図4B】[0016] 図4Aの波形生成器のスイッチの状態を示すタイミング図である。
図5】[0017] 本開示の特定の複数の実施形態による、図3で示されている波形に関連付けられたIEDを示す。
図6】[0018] 波形生成用の方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0019] 本開示の幾つかの実施形態は、広くは、プラズマ処理中にイオンエネルギー分布(IED)を制御するための波形を生成する技法を対象とする。例えば、パルス電圧波形(pulsed voltage waveform)は、異なるソース(例えば、スイッチ)からの電圧パルスを時間多重化することによって生成されてよく、プラズマ処理用のプラズマ処理チャンバ内の1以上の電極に印加されてよい。幾つかの実施形態では、パルス電圧波形が、複数のスイッチペアを使用して生成されてよく、単一のスイッチペアを使用する従来の実施態様と比較して、パルス電圧波形がより高い周波数を有することを可能にする。現在の従来の高電圧スイッチング構成要素に見られる物理的且つ実際的なデバイスの制限により、これらの従来の高電圧スイッチのスイッチング速度は、使用中に構成要素内で生成する熱のために、「実用的な最大スイッチング速度」に制限される。典型的なプラズマ処理プロセス中に、高電圧スイッチによって生成される高電圧パルス電圧波形は、典型的には、約200ボルトを超える、例えば、約500ボルトを超える、若しくは約800ボルトを超える、若しくは約1000ボルトを超える、又は約5000ボルトでさえ超える電圧レベルにおいて、スイッチ包含デバイスの寿命にわたりスイッチが繰り返し実行することを必要とする。一実施例では、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などの従来のスイッチの実用的な最大スイッチング速度は、典型的には、約800ボルトを超えるスイッチング電圧で約2.5マイクロ秒(μs)に制限される。しかし、より高い周波数の電圧波形を使用すると、プラズマ処理中に使用される電圧パルスのイオン電流段階中の電圧ドループ(voltage droop)を減らすことができる。その結果、より狭いIEDを実現することができ、本明細書でより詳細に説明されるように、プラズマ処理の精度を高めることが容易になる。本明細書で使用されるときに、電圧ドループは、概して、電圧パルスの負電圧含有部分中に電極において確立される電圧の増加を指す。
【0012】
プラズマ処理システムの複数の実施例
[0020] 図1は、本明細書で説明される複数のプラズマ処理方法のうちの1以上を実施するように構成された、処理システム10の概略断面図である。幾つか実施形態では、処理システム10が、反応性イオンエッチング(RIE)プラズマ処理などのプラズマ支援エッチングプロセス用に構成されている。しかし、本明細書で説明される複数の実施形態はまた、プラズマ堆積プロセス、例えば、プラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセス、プラズマ物理的気相堆積(PEPVD)プロセス、プラズマ原子層堆積(PEALD)プロセス、プラズマ処理プロセス、又はプラズマベースのイオン注入プロセス(例えば、プラズマドーピング(PLAD)プロセス)などの、他のプラズマ支援プロセスで使用されるように構成された処理システムと共に使用されてよいことに留意されたい。
【0013】
[0021] 図示されているように、処理システム10は、容量結合プラズマ(CCP)を形成するように構成されている。その場合、処理チャンバ100が、処理空間129内に配置された上側電極(例えば、チャンバリッド123)を含む。上側電極は、これもまた処理空間129内に配置された下側電極(例えば、基板支持アセンブリ136)と対向する。典型的な容量結合プラズマ(CCP)処理システムでは、高周波(RF)源(例えば、RF生成器118)が、上側電極又は下側電極のうちの一方に電気的に結合され、プラズマ(例えば、プラズマ101)を点火して維持するように構成されたRF信号を供給する。この構成では、プラズマが、上側電極と下側電極の各々に容量結合され、それらの間の処理領域内に配置される。典型的には、上側電極又は下側電極のうちの他方が、接地又は第2のRF電源に結合される。一実施形態では、支持ベース107などの基板支持アセンブリ136の1以上の構成要素が、プラズマ生成器アセンブリ163に電気的に結合される。プラズマ生成器アセンブリ163は、RF生成器118を含み、チャンバリッド123は、接地に電気的に結合されている。図示されているように処理システム10は、処理チャンバ100、支持アセンブリ136、及びシステムコントローラ126を含む。
【0014】
[0022] 処理チャンバ100は、典型的には、チャンバ本体113を含む。チャンバ本体113は、チャンバリッド123、1以上の側壁122、及びチャンバベース124を含む。それらは、集合的に処理空間129を画定する。1以上の側壁122及びチャンバベース124は、概して、処理チャンバ100の要素用の構造的支持を形成するようにサイズ決定され成形された材料であって、それらに印加される圧力及び更なるエネルギーに耐えるように構成された材料を含む。一方で、プラズマ101は、処理中に処理チャンバ100の処理空間129内で維持される減圧環境内で生成される。一実施例では、1以上の側壁122及びチャンバベース124が、アルミニウム、アルミニウム合金、又はステンレス鋼合金などの、金属から形成される。
【0015】
[0023] チャンバリッド123を貫通して配置されたガス入口128は、処理空間129に流体連通した処理ガス源119から、1種類以上の処理ガスを処理空間129に供給するために使用される。基板103は、1以上の側壁122のうちの1つ内の開口部(図示せず)を通して、処理空間129の中に装填され、処理空間129から取り出される。該開口部は、基板103のプラズマ処理中にスリットバルブ(図示せず)によって密封される。
【0016】
[0024] システムコントローラ126がまた、本明細書で処理チャンバコントローラとも呼ばれ、中央処理装置(CPU)133、メモリ134、及びサポート回路135を含む。システムコントローラ126は、基板103を処理するために使用されるプロセスシーケンス(本明細書で説明される基板バイアス方法を含む)を制御するために使用される。CPU133は、処理チャンバ及び処理チャンバと関連するサブプロセッサを制御するための、産業設定で使用されるように構成された汎用コンピュータプロセッサである。本明細書で説明されるメモリ134は、一般に不揮発性メモリであり、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フロッピー若しくはハードディスクドライブ、又は他の適切な形態のデジタルストレージ(ローカル若しくはリモート)を含んでよい。サポート回路135は、従来からCPU133に結合されており、キャッシュ、クロック回路、入/出力サブシステム、電源など、及びこれらの組み合わせを備える。ソフトウェア指示命令(プログラム)及びデータが、CPU133内のプロセッサに指示命令するために符号化され、メモリ134内に記憶され得る。システムコントローラ126内のCPU133によって読み取り可能なソフトウェアプログラム(又はコンピュータ指示命令)は、どの作業が処理システム10内の構成要素によって実行可能であるかを特定する。
【0017】
[0025] 典型的には、プログラムが、システムコントローラ126内のCPU133によって読み取り可能であり、コードを含む。該コードは、プロセッサ(CPU133)によって実行されると、本明細書で説明されるプラズマ処理スキームに関連する作業を実行する。該プログラムは、指示命令を含んでよい。該指示命令は、処理システム10内の様々なハードウェア及び電気部品を制御するために使用される。それによって、本明細書で説明される方法を実施するために使用される、様々なプロセス作業及び様々なプロセスシーケンスを実行する。一実施形態では、プログラムが、図6に関連して以下で説明される動作のうちの1以上を実行するために使用される指示命令を含む。
【0018】
[0026] 処理システムは、プラズマ生成器アセンブリ163、第1のパルス電圧(PV)波形をバイアス電極104において確立するための第1のPV源アセンブリ196、及び第2のPV波形をエッジ制御電極115において確立するための第2のPV源アセンブリ197を含んでよい。第1のPV波形又は第2のPV波形は、図3図4A、及び図4Bに関連して本明細書でより詳細に説明されるように、波形生成器を使用して生成されてよい。幾つかの実施形態では、プラズマ生成器アセンブリ163が、支持ベース107(例えば、電極又はカソード)にRF信号を供給する。支持ベース107は、基板支持アセンブリ136とチャンバリッド123との間に配置された処理領域内でプラズマ101を生成する(維持する及び/又は点火する)ために使用されてよい。幾つかの実施形態では、RF生成器118が、1MHz以上、又は約2MHz以上、例えば約13.56MHz以上などの、周波数を有するRF信号を供給するように構成される。
【0019】
[0027] 上述されたように、幾つかの実施形態では、プラズマ生成器アセンブリ163が、RF生成器118及びRF生成器アセンブリ160を含み、概して、システムコントローラ126から提供される制御信号に基いて、所望な量の連続波(CW)又はパルスRF電力を、所望の実質的に一定な正弦波形の周波数で、基板支持アセンブリ136の支持ベース107に供給するように構成されている。処理中に、プラズマ生成器アセンブリ163は、基板支持体105に近接して且つ基板支持アセンブリ136内に配置された支持ベース107に、RF電力(例えば、RF信号)を供給するように構成されている。支持ベース107に供給されるRF電力は、処理空間129内に配置された処理ガスの処理プラズマ101を点火し維持するように構成される。
【0020】
[0028] 幾つかの実施形態では、支持ベース107が、両方ともRF生成器アセンブリ160内に配置されている、RF整合回路162と第1のフィルタアセンブリ161を介して、RF生成器118に電気的に結合されたRF電極である。第1のフィルタアセンブリ161は、PV波形生成器150の出力によって生成された電流が、RF電力供給ライン167を通って流れ、RF生成器118に損傷を与えることを実質的に防止するように構成された1以上の電気素子を含む。第1のフィルタアセンブリ161は、PV波形生成器150内のPVパルス生成器P1から生成されるPV信号に対して高インピーダンス(例えば、高Z)として作用し、したがって、RF整合回路162及びRF生成器118への電流の流れを阻止する。
【0021】
[0029] 幾つかの実施形態では、RF生成器アセンブリ160及びRF生成器118が、処理空間129内に配置された処理ガス、及び、RF生成器118によって支持ベース107に供給されたRF電力(RF信号)によって生成された電場を使用して、処理プラズマ101を点火し維持するために使用される。処理空間129は、減圧出口120を介して1以上の専用減圧ポンプに流体結合されている。1以上の専用減圧ポンプは、処理空間129を準大気圧状態に維持し、処理空間129から処理ガス及び/又は他のガスを排気する。幾つかの実施形態では、処理空間129内に配置された基板支持アセンブリ136が、接地され且つチャンバベース124を貫通して延在する支持シャフト138上に配置される。しかし、幾つかの実施形態では、RF生成器アセンブリ160が、支持ベース107に対して基板支持体105内に配置されたバイアス電極104にRF電力を供給するように構成される。
【0022】
[0030] 短く上述されたように、基板支持アセンブリ136は、概して、基板支持体105(例えば、ESC基板支持体)及び支持ベース107を含む。幾つかの実施形態では、基板支持アセンブリ136が、以下で更に説明されるように、絶縁体プレート111及び接地プレート112を更に含み得る。支持ベース107は、絶縁体プレート111によってチャンバベース124から電気的に絶縁され、接地プレート112は、絶縁体プレート111とチャンバベース124との間に挿入されている。基板支持体105は、支持ベース107と熱的に結合され、支持ベース107上に配置されている。幾つかの実施形態では、支持ベース107が、基板処理中に、基板支持体105及び基板支持体105上に配置された基板103の温度を調節するように構成されている。
【0023】
[0031] 典型的には、基板支持体105が、誘電材料(例えば、耐食性金属酸化物材料又は金属窒化物材料などのバルク焼結セラミック材料)で形成され、これは、例えば、、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、酸化イットリウム(Y2O3)、これらの混合物、又はこれらの組み合わせである。本明細書の複数の実施形態では、基板支持体105が、その誘電材料内に埋め込まれたバイアス電極104を更に含む。幾つかの実施形態では、バイアス電極104の上の処理領域内でプラズマ101を維持するために使用されるRF電力の1以上の特性が、バイアス電極104において確立されたRF波形を測定することによって特定及び/又はモニタされる。
【0024】
[0032] ある構成では、バイアス電極104が、基板103を基板支持体105の基板支持面105Aに固定(すなわち、チャック)するため、及び、本明細書で説明されるパルス電圧バイアススキームのうちの1以上を使用して、基板103を処理プラズマ101に対してバイアスするために使用される、チャッキングポールである。典型的には、バイアス電極104が、1以上の金属メッシュ、箔、プレート、又はこれらの組み合わせなどの、1以上の導電性部品で形成される。
【0025】
[0033] 幾つかの実施形態では、バイアス電極104が、クランピングネットワーク116と電気的に結合される。クランピングネットワーク116は、同軸電力供給ライン106(例えば、同軸ケーブル)などの電気導体を使用して、約-5000Vと約5000Vとの間の静的DC電圧などのチャッキング電圧を、バイアス電極104に提供する。以下で更に説明されるように、クランピングネットワーク116は、バイアス補償回路要素116A、DC電源155、及び本明細書でブロッキングキャパシタC5とも呼ばれるバイアス補償モジュールブロッキングキャパシタを含む。ブロッキングキャパシタC5は、パルス電圧(PV)波形生成器150の出力とバイアス電極104との間に配置されている。
【0026】
[0034] 基板支持アセンブリ136は、エッジ制御電極115を更に含んでよい。エッジ制御電極115は、エッジリング114の下方に配置され、バイアス電極104を取り囲み、及び/又は、バイアス電極104の中心から距離を置いて配置される。一般に、回路基板を処理するように構成された処理チャンバ100では、エッジ制御電極115が、環形状であり、導電性材料から作製され、バイアス電極104の少なくとも一部分を取り囲むように構成されている。図1で示されているような幾つか実施形態では、エッジ制御電極115が、基板支持体105の領域内に配置される。幾つかの実施形態では、図1で示されているように、エッジ制御電極115が、基板支持体105の基板支持面105Aから、バイアス電極104と同様な距離(すなわち、Z方向)に配置された、導電性メッシュ、箔、及び/又はプレートを含む。幾つかの他の実施形態では、エッジ制御電極115が、石英管110の領域上に又は石英管110の領域内に配置された、導電性メッシュ、箔、及び/又はプレートを含む。石英管110は、バイアス電極104及び/又は基板支持体105の少なくとも一部分を取り囲む代替的に、幾つかの他の実施形態(図示せず)では、エッジ制御電極115が、基板支持体105上に隣接して配置されるエッジリング114内に配置されるか、又はそれと結合される。この構成では、エッジリング114が、半導体又は誘電材料(例えば、AlNなど)から形成される。
【0027】
[0035] エッジ制御電極115は、バイアス電極104をバイアスするために使用されるPV波形生成器150とは異なるPV波形生成器を使用してバイアスをかけることができる。幾つかの実施形態では、エッジ制御電極115が、PV波形生成器150を使用してバイアスをかけられ得る。PV波形生成器150は、電力の一部をエッジ制御電極115に分割することによって、バイアス電極104をバイアスするためにも使用される。ある構成では、第1のPV源アセンブリ196の第1のPV波形生成器150が、バイアス電極104をバイアスするように構成され、第2のPV源アセンブリ197の第2のPV波形生成器150は、エッジ制御電極115をバイアスするように構成される。
【0028】
[0036] 電力供給ライン157は、第1のPV源アセンブリ196のPV波形生成器150の出力を、任意選択的なフィルタアセンブリ151及びバイアス電極104と電気的に接続する。以下の説明では主に、PV波形生成器150をバイアス電極104に結合するために使用される第1のPV源アセンブリ196の電力供給ライン157について説明するが、PV波形生成器150をエッジ制御電極115に結合する第2のPV源アセンブリ197の電圧供給ライン158は、同じ又は同様な構成要素を含むことになる。電圧供給ライン157の様々な部分内の(1以上の)電気導体は、以下のものを含む。すなわち、(a)剛性同軸ケーブルと直列に接続された可撓性同軸ケーブルなどの同軸ケーブルの1つ又は組み合わせ、(b)絶縁された高電圧コロナ抵抗性回路用電線、(c)裸線、(d)金属ロッド、(e)電気コネクタ、又は(f)(a)~(e)の電気素子の任意の組み合わせである。任意選択的なフィルタアセンブリ151は、RF生成器118の出力によって生成された電流が、電力供給ライン157を通って流れ、PV波形生成器150に損傷を与えることを実質的に防止するように構成された1以上の電気素子を含む。任意選択的なフィルタアセンブリ151は、RF生成器118によって生成されたRF信号に対する高インビーダンス(例えば、高Z)として作用し、したがって、PV波形生成器150への電流の流れを阻止する。
【0029】
[0037] 第2のPV源アセンブリ197は、クランピングネットワーク116を含む。それによって、エッジ制御電極115に印加されるバイアスは、第1のPV源アセンブリ196内に結合されたクランピングネットワーク116によってバイアス電極104に印加されるバイアスと同様に構成され得る。同様に構成されたPV波形及びクランピング電圧をバイアス電極104及びエッジ制御電極115に印加することは、処理中の基板の表面にわたるプラズマの均一性を改善するのに役立ち、したがって、プラズマ処理プロセスの結果を改善することができる。
【0030】
[0038] 幾つかの実施形態では、処理チャンバ100が、石英管110又はカラーを更に含む。それらは、基板支持体105及び/又は支持ベース107が、腐食性の処理ガス若しくはプラズマ、洗浄ガス若しくはプラズマ、又はこれらの副生成物と接触することを防止するために、基板支持アセンブリ136の部分と少なくとも部分的に外接する。典型的には、石英管110、絶縁体プレート111、及び接地プレート112が、ライナ108によって外接される。幾つかの実施形態では、プラズマスクリーン109が、カソードライナ108と側壁122との間に配置されて、ライナ108と1以上の側壁122との間のプラズマスクリーン109の下方の空間内にプラズマが生成するのを防止する。
【0031】
[0039] 図2Aは、処理チャンバ(例えば、処理チャンバ100)内の基板において確立される例示的な電圧波形200を示している。この実施例では、波形200が、第1のPV源アセンブリ196のPV波形生成器150による波形の印加により生成される。波形200は、図示されているように、イオン電流段階及びシース崩壊段階を含む。イオン電流段階の開始時に、立ち下がりエッジ204によって生成される基板電圧の降下は、基板の上方に生成する高電圧シースを生成し、正イオンを基板に加速する。イオン電流段階中に基板の表面に衝突する正イオンは、基板表面上に正電荷を堆積させ、これが補償されていない場合、図示されているように、イオン電流段階中に、基板電圧を正方向に徐々に増加させる(すなわち、電圧波形200のフェーズ205中の正の勾配)。しかし、基板表面上の正電荷の制御されない蓄積は、望ましくないことにシース及びチャックキャパシタを徐々に放電し、シース電圧降下をゆっくり減少させ、基板電位をゼロに近づける。正電荷の蓄積は、基板において確立された電圧波形内に電圧ドループ(すなわち、フェーズ205中の正の勾配)をもたらす。
【0032】
[0040] イオン電流フェーズの開始と終了との間の電圧差は、イオンエネルギー分布関数(IEDF)幅を決定する。図2Bは、波形生成器150などのPV源の使用によって基板上に確立された電圧波形へのプラズマ密度の増加の影響を示している。図示されているように、1以上のプラズマ処理パラメータ(例えば、プラズマ生成器アセンブリ163によって印加されるRF電力)の変化によるプラズマ処理中のプラズマ密度の増加(すなわち、矢印は方向を強調している)は、イオン電流段階の開始から終了までの電圧差を増加させ、したがって、電圧ドループを望ましくないように増加させる傾向がある。電圧差が大きいほど、IEDF幅は広くなる。例えば、図2Cで示されているように、イオンエネルギー分布(IED)201は、基板の電圧上昇を補償することがない場合、イオン電流変動の増加と共に広がる。したがって、本明細書で開示される高周波電圧波形技法を使用することにより、プラズマ処理中にプラズマ密度を増加させることによって生成される電圧波形内の電圧ドループを低減させることができ、その結果、IEDが狭くなり、基板上のプラズマ処理結果の精度が向上する。
【0033】
[0041] リアクタ内で、プラズマは、基板(又は周辺コイル)の上の誘導結合源によって生成されてよい。コイルは、セラミックリッド(減圧境界)の上に配置されてよい。或いは、容量結合プラズマリアクタの場合は、静電チャック又は上部電極のいずれかにRF電力を印加することによる。説明されたように、波形生成器(例えば、第1のPV電源アセンブリ196の波形生成器150)は、図2Aで示されているように、負電圧からゼロより大きい正電圧に遷移する両極性の短く狭い正パルスを出力する。正の電圧パルスの持続時間は制御され、負の電圧ベースラインに戻る。電圧は負に留まり、TONとラベル付けされた期間の終わりに正パルスに戻る。正パルスへの遷移は、電圧波形200の立ち上がりエッジ202部分の間に完了する。パルスの正の区間の持続時間は変えることができ、幾つかの実施形態では、波形周期(Tp)の5%から15%の間など、波形周期(Tp)の1%から20%の間である。一実施例では、波形周期が約5μsであってよく、波形200の周波数が約200kHzであってよい。別の一実施例では、波形周期が約2.5μsであってよく、波形200の周波数が約400kHzであってよい。
【0034】
[0042] 電圧波形の一部分の間に、パルスステップの立ち上がりエッジ202により、プラズマバルク電子が基板表面に引き寄せられるが、これらの電子は、等量の正電荷が電極(例えば、電極104)上に存在するため、負のDCシース電位を確立することはできない。基板と、電極と基板支持面105Aとの間に配置された誘電体とが、キャパシタを形成し、これは実効キャパシタンスCescを有し、電極上の等量の正電荷が、基板表面上に配置された電子によって生成された電場を打ち消すことを可能にする。パルスステップの立ち下がりエッジ204では、電極上の正電荷が波形生成器からの電子によって中和され、したがって、負のDC電圧が基板表面上に確立される。生成されたDC電圧が一定に保たれる場合、単一エネルギーのイオン衝突が実現される。負のDC電圧(Vdc)は、以下の式に従って、立ち下がりエッジの大きさ(ΔV)及びCescとシース容量Csheathの比率を使用して概算できる。すなわち、
Vdc = ΔV * Cesc/(Cesc + Csheath
【0035】
波形生成用の生成技法
[0043] 半導体デバイスのフィーチャが縮小するにつれて、プラズマエッチング及びプラズマ堆積技法などの今日の基板処理技法において原子精度がしばしば必要とされる。プラズマイオンが主要な役割を果たすエッチングプロセスでは、多くの場合、正確なイオンエネルギー制御が必要になる。従来の高周波(RF)バイアスアプローチでは、プラズマを励起し、イオンを加速するために、正弦波を使用する。従来のRF技法によるイオンエネルギー分布(IED)は、典型的には、バイモーダル形状である。近年、単一エネルギーピークを持つIEDを生成するために、パルス化技法も研究されている。
【0036】
[0044] 幾つかの実施態様では、システムの複雑さ及び機器コストに関連する問題により、電圧波形のイオン電流段階中に正のイオン電流が補償されず、したがって、基板上の負電圧は時間とともに減衰する(例えば、負がより小さくなる)。換言すれば、波形200に関して説明されたように、補償なしでは、基板電圧がイオン電流段階中に上昇し、それは本明細書では電圧ドループとも呼ばれる。この傾向は、プラズマ密度の増加(例えば、イオン電流の増加)に伴って悪化し、図2Cで示されているように、IEDがより低いエネルギー領域に向かって拡大するか又は広がることをもたらす。
【0037】
[0045] 場合によっては、電極(例えば、電極104)に結合された電流源又は複数の電圧源を使用することによって、イオン電流段階の一部分の間(例えば、少なくともフェーズ205の間)のこの電圧上昇を補償するために、ランプ電圧が生成される。ただし、より高い電圧(例えば5kVを超える)では、この電圧上昇を補償するために、ランプを使用してカスタム調整された波形を生成することは困難である。
【0038】
[0046] 幾つかの実施形態では、高周波電圧波形を使用して、イオン電流段階中に生成されるこの電圧上昇(すなわち、ドループ)の影響を軽減することができる。今日市場で入手可能な高電圧スイッチの現状では、これらの従来の構成要素に見られる物理的及び実際的なデバイスの制限により、400kHzを超えるパルス繰り返し周波数で高周波電圧パルス列を生成することは問題がある。したがって、短く上述されたように、これらの従来の高電圧スイッチのスイッチング速度は、使用中に生成される熱により中~高周波数でこれらの構成要素に生じる損傷のために、実用的な最大スイッチング速度に制限される。本開示の特定の複数の実施形態では、電圧パルスの時間領域多重化を使用して、複雑な負荷(例えば、静電チャック及びプラズマ101(図1))に提供される波形を生成する。それによって、その負荷は、より高い周波数のパルスを受け取り、基板表面における電圧ドループの影響を軽減する。例えば、約400kHzの周波数の正の電圧パルスを使用して、基板上に負の直流(DC)バイアスを周期的に確立することができ、、それによって、単一のエネルギーピークを有するIEDを取得する。言い換えれば、第1の電圧波形パルスのイオン電流段階中に基板表面の電圧が特定の閾値まで上昇する時までに、第2の電圧波形パルス(例えば、異なるソースまたはスイッチから)を印加することができ、本明細書でより詳細に説明されるように、実際、次のパルスサイクル中に基板表面の電圧をリセットする。
【0039】
[0047] 図3は、本開示の特定の複数の実施形態による、波形300を使用するパルス電圧バイアススキームを示している。図示されているように、第1のパルス電圧サイクル320と第2のパルス電圧サイクル322は時間多重化されてよい。静電チャック及びプラズマ101にとって、電圧パルスの周波数は、第1のパルス電圧サイクル320と第2のパルス電圧サイクル322の交互配置により増加したように見える。第1のPV源から生成される第1の電圧サイクルのイオン電流段階中に基板電圧がドループし始めると、第2のPV源によって第2のパルスが生成され、印加され、基板上のDC電圧バイアス(負)を回復し、ドループによってもたらされる下降イオンエネルギーを回復させる。
【0040】
[0048] 換言すれば、波形300は、図3で示されているように、第1のパルス電圧サイクル320中に正電圧パルス302及び負電圧パルス304を含んでよく、その後に、第2のパルス電圧サイクル322中に別の正電圧パルス306及び別の負電圧パルス308を含んでよい。幾つかの実施形態では、正電圧パルス302及び負電圧パルス304は、スイッチペア(例えば、図4AのS1及びS3)を使用して生成されてよく、別の正電圧パルス306及び別の負電圧パルス308は、別のスイッチペア(例えば、図4AのS2及びS4)を使用して生成されてよい。異なるスイッチペアを使用すると、正パルスと負パルスの生成に単一のスイッチペアのみを使用する従来の実装と比較して、より高い周波数の波形が可能になる。換言すれば、各スイッチは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などの1以上のトランジスタを使用して実装されてよい。加熱に起因して、各MOSFETにはスイッチング周波数の制限(例えば、実用的な最大スイッチング速度)があり、単一のスイッチペアが高周波(例えば、400kHz)でパルスを生成することを妨げる。スイッチがスイッチのスイッチング周波数制限よりも高い周波数で動作している場合、高スイッチング電圧の存在によりスイッチ内で生成される熱に起因してスイッチの抵抗が増加することによって、スイッチの両端間の電圧降下が増加することがある。例えば、スイッチの両端間の電圧降下は、スイッチング周波数とスイッチの種類によっては、10%以上増加する場合がある。更に、複数のスイッチを直列に結合すると、スイッチの両端間の電圧降下が蓄積される。言い換えると、3つのスイッチが直列に結合されている場合(例えば、スイッチS1、S2、S3、又はS4を実装するため)、各スイッチの電圧降下が10%増加すると、スイッチの全電圧降下は、30%まで増加する可能性がある。また、同じスイッチ入力電圧で、スイッチのスイッチング周波数制限時と、スイッチが最初に使用される時と、におけるスイッチ両端間の電圧降下を比較すると、10%以上のスイッチの両端間の電圧降下は、スイッチ内の構成要素に対する恒久的な損傷(例えば、経時的に増加したスイッチング抵抗)、及び/又は通常のスイッチよりも著しく短くなった寿命につながり得ると、考えられている。
【0041】
[0049] 図4Aは、本開示の特定の複数の実施形態による、第1及び第2のパルス電圧サイクル320、322中にパルスを生成するための波形生成器400を示している。波形生成器400は、PV波形生成器150の一部であってよい。図4Bは、波形生成器400のスイッチの状態を示しているタイミング図401である。
【0042】
[0050] 図示されているように、スイッチS1は、あるフェーズ中に閉じられてよく、波形生成器の出力ノード402を電圧源回路410の電圧源V1に結合し、正電圧パルス302を生成する。次いで、スイッチS1が開かれ、スイッチS3が第2のフェーズ中に閉じられ、出力ノード402を接地する。出力ノード402を接地すると、負電圧パルス304が生じる。換言すれば、正電圧パルス302中に、出力ノード402と基板との間の静電容量が充電される。正電圧パルス302の後で、出力ノード402は電気接地ノードに結合される。出力ノード402と基板との間の静電容量の両端間の電圧は瞬時に変化することができないので、基板電圧は、スイッチS3の閉鎖に応じて負電圧に低下する。
【0043】
[0051] スイッチS3が開かれた後で、スイッチS2が第3のフェーズ中に閉じられ、電圧源回路410の電圧源V2を出力ノード404に結合し、正電圧パルス306を実際に実施する。次いで、スイッチS2が開かれ、スイッチS4が第4のフェーズ中に閉じられ、出力ノード404を電気接地ノードに結合して、負電圧パルス308を実施する。タイミング図401によって示されているように、第1、第2、第3、及び第4のフェーズは非重複フェーズである。図示されているように、フェーズは繰り返されてよく、個々のスイッチの実用的な最大スイッチング速度よりも高い周波数で供給される連続時間多重化パルス波形を生成する。一実施例では、各スイッチの実用的な最大スイッチング速度制限が、各スイッチのスイッチング周波数を400kHzの周波数に制限する場合、同じスイッチを含む2つの電圧源構成は、400kHzよりも高く且つ800kHz以下の周波数を有する時間多重化パルス列を供給し得る。非限定的な一実施例では、波形生成器400が800kHzのパルス列を生成するように求められる場合、スイッチの組み合わせS1/S3とS2/S4はそれぞれ別個に使用されて、第1及び第2のパルス電圧サイクル320、322を提供する。それらは、各々、1.25μsの長さの周期(Tp)を持つが、2.5μsの間隔で時間的にずらして、所望のパルス列を生成する。
【0044】
[0052] 幾つかの実施形態では、出力ノード402、404は、チャンバ内の同じノードに結合されてよい。例えば、出力ノード402、404は、電極104に結合されてよい。幾つかの実施形態では、出力ノード402、404は、チャンバ内の異なるノードに結合されてよい。例えば、出力ノード402は電極104に結合されてよく、出力ノード404は電極115に結合されてよい。
【0045】
[0053] 幾つかの実施形態では、波形生成器400の第1の電圧源回路410が、第1のPV源アセンブリ196のPV波形生成器150(図1)の一部を形成する。別の一実施形態では、波形生成器400の第1の電圧源回路410が、第1のPV源アセンブリ196のPV波形生成器150の一部を形成し、波形生成器400の第2の電圧源回路410が、第2のPV源アセンブリ197のPV波形生成器150の一部を形成する。更に別の一実施形態では、波形生成器400の第1の電圧源回路410が、第1のPV源アセンブリ196のPV波形生成器150の一部を形成し、波形生成器400の第2の電圧源回路410が、第2のPV源アセンブリ197のPV波形生成器150の一部を形成し、及び/又は、波形生成器400の第3の電圧源回路410が、リッド123に結合された第3のPV源アセンブリ198のPV波形生成器150の一部を形成する。これらの構成のいずれにおいても、適切な場合には、第1の電圧源回路410の出力ノード402、404が電極104に結合され、第2の電圧源回路410の出力ノード402、404が電極115に結合され、及び/又は、第3の電圧源回路410の出力ノード402、404がリッド123に結合される。
【0046】
[0054] 幾つかの実施形態では、電圧源回路410が、スイッチS1に結合された第1の電圧源V1、及びスイッチS2に結合された第2の電圧源V2を含んでよい。第1及び第2の電圧源の各々は、電源によって特定の電圧に充電される容量素子を使用して実装されてよい。幾つかの実施形態では、各電圧源回路410の第1及び第2の電圧源V1又はV2が、異なる電圧又は同じ電圧を提供してよい。
【0047】
[0055] 本明細書で提供される複数の実施例は、理解を容易にするために2つのスイッチペアを説明したが、本開示の複数の実施形態は、3つ以上のスイッチペアで実装されてもよい。例えば、第1のスイッチペア(例えば、S1及びS3)並びに第2のスイッチペア(例えば、S2及びS4)に加えて、第3のスイッチペアが、正及び負のパルスを生成するために実装されてよく、動作のより高い周波数を可能にする。換言すれば、スイッチS2及びスイッチS4を使用して正電圧パルス306及び負電圧パルス308を生成した後で、スイッチS1及びスイッチS3を使用して正電圧パルス302及び負電圧パルス304を再び生成する前に、第3のスイッチペアを使用して、別の正パルス及び別の負パルスを生成することができる。したがって、幾つかの実施形態では、個々のスイッチの実用的な最大スイッチング速度よりも高い周波数を有するパルス列を形成するために、複数のスイッチペアが連続的且つ繰り返しサイクルで利用される。それによって、パルス列の最大周波数は、複数のスイッチの各スイッチ又は少なくとも最も遅いスイッチの最大周波数のN倍に等しい。ここで、Nは、複数のスイッチペアのうちのスイッチペアの数に等しい。生成されたパルス列の異なるフェーズ中に各スイッチペアを動作させることによって、プラズマ処理用の高周波波形の実施が可能になる。より高い周波数の波形を使用すると、電圧ドループ(例えば、イオン電流段階中の電圧の増加)を減らすことができ、プラズマ処理の精度が向上する。
【0048】
[0056] 図5は、本開示の特定の複数の実施形態による、波形300に関連付けられたイオンエネルギー分布(IED)を示している。図示されているように、より高い周波数(例えば、400kHz)で波形を生成するときに、より低い周波数の波形(例えば、200kHzの周波数を有する図2Aの波形200)と比較して、より狭いIEDが得られてよい。より狭いIEDは、例えば、典型的なエッチングプラズマプロセス中に、より高いフィーチャ形成精度を促進する。
【0049】
[0057] 図6は、波形生成用の方法600を示すプロセスフロー図である。方法600は、波形生成器400などの波形生成器及びシステムコントローラ126などのシステムコントローラを含む波形生成システムによって実行されてよい。
【0050】
[0058] 方法600は、動作602で、波形生成システムが、第1のスイッチ(例えば、スイッチS1)を介して、電圧源回路(例えば、電圧源回路410)を波形生成器(例えば、波形生成器400)の第1の出力ノード(例えば、出力ノード402)に結合することから開始する。第1の出力ノードは、チャンバ(例えば、チャンバ100)に結合されている。動作604で、波形生成システムは、第2のスイッチ(例えば、スイッチS3)を介して、第1の出力ノードを電気接地ノードに結合する。動作606で、波形生成システムは、第3のスイッチ(例えば、スイッチS2)を介して、電圧回路を波形生成器の第2の出力ノード(例えば、出力ノード404)に結合する。第2の出力ノードは、チャンバに結合されている。動作608で、波形生成システムは、第4のスイッチ(例えば、スイッチS4)を介して、第2の出力ノードを電気接地ノードに結合する。幾つかの実施形態では、動作602、604、606、608を繰り返して、プラズマ処理用の波形を生成することができる。
【0051】
[0059] 幾つかの実施形態では、第1のパルス電圧波形(例えば、正電圧パルス302及び負電圧パルス304を含む)が、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介した結合によってチャンバにおいて生成される。更に、第2のパルス電圧波形(例えば、正電圧パルス306及び負電圧パルス308を含む)は、第3のスイッチおよび第4のスイッチを介した結合によってチャンバにおいて生成される。第1のパルス電圧波形は、第2のパルス電圧波形から(例えば、180°だけ)位相シフトされてよい。
【0052】
[0060] 幾つかの実施形態では、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ、及び第4のスイッチを介した結合が、非重複フェーズ中である。例えば、電圧源回路は、非重複フェーズの第1のフェーズ中に第1の出力ノードに結合され、第1の出力ノードは、非重複フェーズの第2のフェーズ中に電気接地ノードに結合され、第2のフェーズは第1のフェーズの後にある。更に、電圧源回路は、非重複フェーズの第3のフェーズ中に第2の出力ノードに結合され、第3のフェーズは第2のフェーズの後にあり、第2の出力ノードは、非重複フェーズの第4のフェーズ中に電気接地ノードに結合され、第4のフェーズは第3のフェーズの後にある。
【0053】
[0061] 幾つかの実施形態では、電圧源回路が、第1のスイッチに結合された第1の電圧源(例えば、電圧源V1)、及び第2のスイッチに結合された第2の電圧源(例えば、電圧源V2)を含む。第1の電圧源は第1の容量素子を含んでよく、第2の電圧源は第2の容量素子を含んでよい。第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ、及び第4のスイッチの各々は、1以上のトランジスタ(例えば、MOSFET)を含んでよい。
【0054】
[0062] 幾つかの実施形態では、波形生成システムが、電圧源回路を第1の出力ノードに結合することによって、チャンバ内のノード(例えば、基板)において第1の正電圧パルス(例えば、正電圧パルス302)を生成してよく、第1の出力ノードを電気接地ノードに結合することによって、チャンバ内のノードにおいて第1の負電圧パルス(例えば、負電圧パルス304)を生成してよい。更に、波形生成システムは、電圧源回路を第2の出力ノードに結合することによって、チャンバ内のノードにおいて第2の正の電圧パルス(例えば、正の電圧パルス306)を生成してよく、第2の出力ノードを電気接地ノードに結合することによって、チャンバ内のノードにおいて第2の負電圧パルス(例えば、負電圧パルス308)を生成してよい。
【0055】
[0063] 「結合された」という用語は、本明細書では、2つの物体間の直接的又は間接的な結合を指すために使用される。例えば、物体Aが物体Bと物理的に接触し、物体Bが物体Cと物理的に接触している場合、物体AとCとが直接的に物理的に接触していなくても、物体AとCとは、互いに結合されたと見なされてよい。例えば、第1の物体が第2の物体と直接的に物理的に接触していなくても、第1の物体は第2の物体と結合されてよい。
【0056】
[0064] 以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱せずに本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5
図6