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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-19
(45)【発行日】2024-09-30
(54)【発明の名称】静電チャック及び半導体プロセス装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240920BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240920BHJP
   C23C 14/50 20060101ALI20240920BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20240920BHJP
   C23C 16/509 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/31 F
C23C14/50 A
C23C16/458
C23C16/509
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023524642
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 CN2021125979
(87)【国際公開番号】W WO2022089342
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】202011170370.1
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】リィゥ ジィェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シン
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/004210(WO,A1)
【文献】特開2000-349141(JP,A)
【文献】特開2012-089694(JP,A)
【文献】特開2012-074464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/31
C23C 14/50
C23C 16/458
C23C 16/509
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセス装置のプロセスチャンバ内に設けられる静電チャックであって、
ウェハを載置するための絶縁層と、
前記絶縁層内に設けられた電極アセンブリとを含み、
前記電極アセンブリは直流電源及びRF電源に電気的に接続され、前記直流電源が直流電力を印加する際に前記ウェハを前記絶縁層に吸着し、及び前記RF電源がRF電力を印加する際に、前記絶縁層の異なる位置に到達するRFエネルギーを同じにすることに用いられ
前記電極アセンブリは吸着電極及び分配電極を含み、前記吸着電極は前記分配電極を介して前記直流電源及び前記RF電源に電気的に接続され、且つ、前記吸着電極の前記分配電極に電気的に接続された接続点から前記吸着電極の縁部の異なる位置までの距離が同じであり、
前記吸着電極は間隔を空けて設けられた第1電極及び第2電極を含み、前記分配電極は、間隔を空けて設けられた第1分配電極及び第2分配電極を含み、前記第1分配電極は前記第1電極に電気的に接続され、前記第2分配電極は前記第2電極に電気的に接続され、且つ、前記第1分配電極及び前記第2分配電極は前記直流電源の正極及び負極に電気的にそれぞれ接続され、且つ前記第1分配電極及び前記第2分配電極はいずれも前記RF電源に電気的に接続され、
前記第1電極の前記第1分配電極に電気的に接続された接続点から前記第1電極の縁部の異なる位置までの距離が同じであり、前記第2電極の前記第2分配電極に電気的に接続された接続点から前記第2電極の縁部の異なる位置までの距離が同じであり、
前記第1分配電極の前記RF電源に電気的に接続された接続点から前記第1電極に電気的に接続された接続点までの距離が第1距離であり、前記第2分配電極の前記RF電源に電気的に接続された接続点から前記第2電極に電気的に接続された接続点までの距離が第2距離であり、前記第1距離が前記第2距離と同じであることを特徴とする静電チャック。
【請求項2】
前記第1電極は複数あり、且つ形状が同じであり、複数の前記第1電極は同一平面に位置し、且つ互いに間隔を空けて、前記第1分配電極は複数の前記第1電極に同時に電気的に接続され、且つ異なる前記第1電極の前記第1分配電極に電気的に接続された接続点の位置は同じであることを特徴とする請求項に記載の静電チャック。
【請求項3】
複数の前記第1電極は前記第2電極に周設され、且つ複数の前記第1電極のそれぞれの前記絶縁層の載置面における正投影面積がいずれも前記第2電極の前記絶縁層の載置面における正投影面積と同じであることを特徴とする請求項に記載の静電チャック。
【請求項4】
前記第2電極は円盤状を呈し、複数の前記第1電極は前記第2電極の周囲環状に取り囲、且つ前記第2電極の中心は複数の前記第1電極で囲まれた環状の中心と重なっていることを特徴とする請求項に記載の静電チャック。
【請求項5】
前記第1分配電極は互いに電気的に導通する中心部及び複数の縁部を含み、前記中心部の中心は前記第2電極の中心の前記絶縁層の載置面における正投影と重なり、且つ前記中心部の中心に前記RF電源に電気的に接続される第1接続点を有し、複数の前記縁部は前記中心部の周方向に沿って間隔を空けて分布し、前記縁部と前記第1電極は数が同じで、且つ1対1で対応して設けられ、各前記縁部に第2接続点を有し、前記第2接続点は対応する前記第1電極の幾何学的中心に電気的に接続され、前記第1電極の幾何学的中心は、前記第1電極の幾何学的中心から前記第1電極の縁部の異なる位置までの距離が同じであることを満たし、
前記第2分配電極に第3接続点及び第4接続点を有し、前記第3接続点は前記第2電極の幾何学的中心に電気的に接続され、前記第4接続点は前記RF電源に電気的に接続され、前記第2電極の幾何学的中心は、前記第2電極の幾何学的中心から前記第2電極の縁部の異なる位置までの距離が同じであることを満たし、
前記第1接続点から各前記第2接続点までの距離が前記第1距離であり、前記第4接続点から前記第3接続点までの距離が前記第2距離であることを特徴とする請求項又はに記載の静電チャック。
【請求項6】
各前記縁部はいずれも帯状を呈し、且つ前記中心部の径方向に沿って設けられ、各前記縁部の一端が前記中心部に接続され且つ電気的に導通し、各前記縁部の他端に前記第2接続点を有することを特徴とする請求項に記載の静電チャック。
【請求項7】
前記第2分配電極は円弧状を呈し、前記第3接続点及び前記第4接続点は前記第2分配電極の両端にそれぞれ位置することを特徴とする請求項に記載の静電チャック。
【請求項8】
前記静電チャックはフィルタ及び短絡防止回路をさらに含み、前記第1分配電極及び前記第2分配電極は前記フィルタを介して前記直流電源の正極及び負極に電気的にそれぞれ接続され、且つ前記第1分配電極及び前記第2分配電極はいずれも前記短絡防止回路を介して前記RF電源に電気的に接続され、
前記フィルタは前記RF電源が前記直流電源の動作を干渉することを回避することに用いられ、
前記短絡防止回路は前記直流電源の正極と負極との間の短絡を回避することに用いられることを特徴とする請求項に記載の静電チャック。
【請求項9】
前記短絡防止回路は2本の分岐回路及び各本の分岐回路に設けられたコンデンサを含み、2本の前記分岐回路の一端は、前記第1分配電極及び前記第2分配電極が前記直流電源の正極及び負極に電気的にそれぞれ接続された2本の回路にそれぞれ接続され、2本の前記分岐回路の他端はいずれも前記RF電源に電気的に接続されることを特徴とする請求項に記載の静電チャック。
【請求項10】
半導体プロセス装置であって、
プロセスチャンバと、直流電源と、RF電源と、前記プロセスチャンバ内に設けられた請求項1~のいずれか1項に記載の静電チャックとを含み、前記直流電源及び前記RF電源はいずれも前記静電チャックに電気的に接続されることを特徴とする半導体プロセス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は半導体加工の技術分野に関し、具体的には、静電チャック及び半導体プロセス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体プロセス装置の下電極構造は一般的に静電チャック、RFシステム及び直流給電システムを含む。静電チャック(Electrostatic Chuck、ESC)は上から下へ順に設けられたセラミック層、加熱層及びベース層を含み、ここで、セラミック層の内部に吸着電極が設けられ、ウェハを吸着することに用いられ、加熱層の内部に加熱ワイヤが設けられ、ウェハを加熱することに用いられる。
【0003】
従来技術において吸着電極は一般的にバイポーラであり、すなわち、直流正極及び直流負極であり、両者はいずれもセラミック層に位置し、ケーブルを介して直流給電システムに電気的に接続され、直流給電システムは直流正極及び直流負極に直流電圧を供給することができ、ウェハに対する吸着を実現する。また、RFシステムはケーブル又は銅ポストを介してベース層に電気的に接続され、ベース層を介してRFエネルギーを供給する。静電チャックの各層の間は一般的に接着の方式により接続固定され、且つセラミック層、加熱層及びベース層の加工に一定の公差が存在するため、多層構造の接着過程において、異なる位置の接着層の厚さは絶対に一致することができず、これはベース層の異なる位置とセラミック層の表面に配置されたウェハとの間に形成された容量に差が存在することを引き起こし、それによりウェハの異なる位置に到達するRFエネルギーが異なり、それによりプロセス結果の整合性に影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、静電チャックのRFエネルギーが異なることによるプロセス結果が一致しないという従来技術に存在する技術的課題を解決するために、従来方式の欠点に対し、静電チャック及び半導体プロセス装置を提供する。
【0005】
第1態様によれば、本願の実施例は、半導体プロセス装置のプロセスチャンバ内に設けられる静電チャックであって、ウェハを載置するための絶縁層と、前記絶縁層内に設けられた電極アセンブリとを含み、前記電極アセンブリは直流電源及びRF電源に電気的に接続され、前記直流電源が直流電力を印加する際に前記被加工ワークを前記絶縁層に吸着し、及び前記RF電源がRF電力を印加する際に、前記絶縁層の異なる位置に到達するRFエネルギーを同じにすることに用いられる静電チャックを提供する。
【0006】
本願の一実施例では、前記電極アセンブリは吸着電極及び分配電極を含み、前記吸着電極は前記分配電極を介して前記直流電源及び前記RF電源に電気的に接続され、且つ、前記吸着電極の前記分配電極に電気的に接続された接続点から前記吸着電極の縁部の異なる位置までの距離が同じである。
【0007】
本願の一実施例では、前記吸着電極は間隔を空けて設けられた第1電極及び第2電極を含み、前記分配電極は、間隔を空けて設けられた第1分配電極及び第2分配電極を含み、 前記第1分配電極は前記第1電極に電気的に接続され、前記第2分配電極は前記第2電極に電気的に接続され、且つ、前記第1分配電極及び前記第2分配電極は前記直流電源の正極及び負極に電気的にそれぞれ接続され、且つ前記第1分配電極及び前記第2分配電極はいずれも前記RF電源に電気的に接続され、
前記第1電極の前記第1分配電極に電気的に接続された接続点から前記第1電極の縁部の異なる位置までの距離が同じであり、前記第2電極の前記第2分配電極に電気的に接続された接続点から前記第2電極の縁部の異なる位置までの距離が同じであり、
前記第1分配電極の前記RF電源に電気的に接続された接続点から前記第1電極に電気的に接続された接続点までの距離が第1距離であり、前記第2分配電極の前記RF電源に電気的に接続された接続点から前記第2電極に電気的に接続された接続点までの距離が第2距離であり、前記第1距離が前記第2距離と同じである。
【0008】
本願の一実施例では、前記第1電極は複数あり、且つ形状が同じであり、複数の前記第1電極は同一平面に位置し、且つ互いに間隔を空けて、前記第1分配電極は複数の前記第1電極に同際に電気的に接続され、且つ異なる前記第1電極の前記第1分配電極に電気的に接続された接続点の位置は同じである。
【0009】
本願の一実施例では、複数の前記第1電極は前記第2電極に周設され、且つ複数の前記第1電極のそれぞれの前記絶縁層の載置面における正投影面積がいずれも前記第2電極の前記絶縁層の載置面における正投影面積と同じである。
【0010】
本願の一実施例では、前記第2電極は円盤状を呈し、複数の前記第1電極は前記第2電極の周囲に環状に取り囲まれ、且つ前記第2電極の中心は複数の前記第1電極で囲まれた環状の中心と重なっている。
【0011】
本願の一実施例では、前記第1分配電極は互いに電気的に導通する中心部及び複数の縁部を含み、ここで、前記中心部の中心は前記第2電極の中心の前記絶縁層の載置面における正投影と重なり、且つ前記中心部の中心に前記RF電源に電気的に接続される第1接続点を有し、複数の前記縁部は前記中心部の周方向に沿って間隔を空けて分布し、前記縁部と前記第1電極は数が同じで、且つ1対1で対応して設けられ、各前記縁部に第2接続点を有し、前記第2接続点は対応する前記第1電極の幾何学的中心に電気的に接続され、前記第1電極の幾何学的中心は、前記第1電極の幾何学的中心から前記第1電極の縁部の異なる位置までの距離が同じであることを満たし、
前記第2分配電極に第3接続点及び第4接続点を有し、前記第3接続点は前記第2電極の幾何学的中心に電気的に接続され、前記第4接続点は前記RF電源に電気的に接続され、前記第2電極の幾何学的中心は、前記第2電極の幾何学的中心から前記第2電極の縁部の異なる位置までの距離が同じであることを満たし、
前記第1接続点から各前記第2接続点までの距離が前記第1距離であり、前記第4接続点から前記第3接続点までの距離が前記第2距離である。
【0012】
本願の一実施例では、各前記縁部はいずれも帯状を呈し、且つ沿前記中心部の径方向に沿って設けられ、各前記縁部の一端が前記中心部に接続され且つ電気的に導通し、各前記縁部の他端に前記第2接続点を有する。
【0013】
本願の一実施例では、前記第2分配電極は円弧状を呈し、前記第3接続点及び前記第4接続点は前記第2分配電極の両端にそれぞれ位置する。
【0014】
本願の一実施例では、前記静電チャックはフィルタ及び短絡防止回路をさらに含み、ここで、前記第1分配電極及び前記第2分配電極は前記フィルタを介して前記直流電源の正極及び負極に電気的にそれぞれ接続され、且つ前記第1分配電極及び前記第2分配電極はいずれも前記短絡防止回路を介して前記RF電源に電気的に接続され、
前記フィルタは前記RF電源が前記直流電源の動作を干渉することを回避することに用いられ、
前記短絡防止回路は前記直流電源の正極と負極との間の短絡を回避することに用いられる。
【0015】
本願の一実施例では、前記短絡防止回路は2本の分岐回路及び各本の分岐回路に設けられたコンデンサを含み、2本の前記分岐回路の一端は、前記第1分配電極及び前記第2分配電極が前記直流電源の正極及び負極に電気的にそれぞれ接続された2本の回路にそれぞれ接続され、2本の前記分岐回路の他端はいずれも前記RF電源に電気的に接続される。
【0016】
第2態様によれば、プロセスチャンバと、直流電源と、RF電源と、前記プロセスチャンバ内に設けられた第1態様に係る静電チャックとを含み、前記直流電源及び前記RF電源はいずれも前記静電チャックに電気的に接続される本願の実施例は半導体プロセス装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本願の実施例に係る技術的解決手段の有益な技術的効果は以下のとおりである。
【0018】
本願の実施例はRF電源と直流電源を電極アセンブリに電気的に接続し、該電極アセンブリは直流電源が直流電力を印加する際に被加工ワークを絶縁層に吸着し、及びRF電源がRF電力を印加する際に、絶縁層の異なる位置に到達するRFエネルギーを同じにすることに用いられる。このように、ウェハに対する吸着固定を実現することができるだけでなく、RF電源から供給されたRF電力を電極アセンブリに直接供給することができ、且つ絶縁層の異なる位置に到達するRFエネルギーが同じであることが保証され、それにより従来技術において静電チャックの多層構造間の容量差がRFエネルギー整合性に与える影響が回避され、それによりウェハプロセス結果の整合性を大幅に向上させ、さらにウェハ歩留まりを向上させる。
【0019】
本願の付加的な態様及び利点は以下の説明において部分的に与えられ、これらは以下の説明から明らかになり、又は本願の実践によって了解される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本願の上記及び/又は付加的な態様及び利点は以下の図面を参照して実施例に対する説明から明らかになり且つ理解しやすくなり、図において、
図1】本願の実施例に係る静電チャックの構造概略図である。
図2】本願の実施例に係る吸着電極の構造概略図である。
図3】本願の実施例に係る第1分配電極の構造概略図である。
図4】本願の実施例に係る第2分配電極の構造概略図である。
図5】本願の実施例に係る静電チャックの別の構造概略図である。
図6】本願の実施例に係る分配電極のセラミック層におけるレイアウト概略図である。
図7】本願の実施例に係る分配電極のセラミック層における別のレイアウト概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下は本願を詳細に説明し、本願の実施例の例は図面に示され、ここで、同一又は類似の符号は終始、同一又は類似の部材又は同一又は類似の機能を有する部材を示す。また、本発明の特徴を示すことに従来技術の詳細な説明を必要としない場合には、その説明を省略する。以下は図面を参照して説明した実施例は例示的なものであり、本願を単に説明することに用いられ、本願を限定するものと解釈することはできない。
【0022】
当業者であれば理解されるように、ここで使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、特に定義しない限り、本願の属する分野における一般的な技術者の一般的な理解と同じ意味を有する。また、理解されるように、汎用辞書に定義されているような用語は、従来技術の文脈と同じ意味を持ち、ここのように特に定義されていない限り、理想的な意味や本格的な意味で解釈されることはない。
【0023】
以下は具体的な実施例で本願の技術的解決手段及び本願の技術的解決手段が上記技術的問題をどのように解決するかについて詳細に説明する。
【0024】
本願の実施例は、半導体プロセス装置のプロセスチャンバ内に設けられる静電チャックを提供し、図1は本願の実施例に係る静電チャックの構造概略図である。図1に示すように、静電チャック1はウェハ(図示せず)を載置するための絶縁層11及び絶縁層11内に設けられた電極アセンブリ2を含み、ここで、電極アセンブリ2は直流電源30及びRF電源31に電気的に接続され、直流電源30が直流電力を印加する際にウェハを絶縁層11に吸着し、及びRF電源31がRF電力を印加する際に、絶縁層11の異なる位置に到達するRFエネルギーを同じにすることに用いられる。
【0025】
具体的には、図1に示すように、静電チャック1は上から下へ順に設けられた絶縁層11、加熱層12及びベース層13を含んでもよく、ここで、ベース層13はプロセスチャンバ(図示せず)内に固定され、且つ加熱層12及び絶縁層11を支持することに用いられ、加熱層12は絶縁層11を加熱することに用いられ、ウェハに対する温度制御を実現し、絶縁層11はウェハを載置するための載置面を含み、該絶縁層11は具体的にはセラミック材質を用いて製造することができるが、本願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0026】
電極アセンブリ2は、例えば、絶縁層11内に設けられており、且つ載置面から下の所定距離のところに位置している。いくつかの選択可能な実施例では、電極アセンブリ2はケーブル21を介して直流電源30に電気的に接続され、ケーブル21及びケーブル22を介してRF電源31に電気的に接続される。直流電源30はケーブル21を介して電極アセンブリ2に直流電力を印加する際に、電極アセンブリ2と絶縁層11上に置かれたウェハは静電引力を発生させ、それによりウェハに対する吸着固定を実現し、RF電源31がケーブル22及びケーブル21を介して電極アセンブリ2にRF電力を印加すると、絶縁層11上に置かれたウェハにRFバイアスを発生させることができる。そして、RF電源31がRF電力を印加する際に、電極アセンブリ2は絶縁層11の異なる位置に到達するRFエネルギーを同じにすることができる。RF電源31から供給されたRF電力が電極アセンブリ2に直接供給され、且つ絶縁層11の異なる位置に到達するRFエネルギーが同じであるため、従来技術における静電チャックの多層構造間の容量差がRFエネルギー整合性へ与える影響が回避され、それによりウェハプロセス結果の整合性を大幅に向上させ、さらにウェハ歩留まりを向上させる。
【0027】
本願の一実施例では、電極アセンブリ2は吸着電極4及び分配電極5を含み、該吸着電極4は分配電極5を介して直流電源30及びRF電源31に電気的に接続され、分配電極5は、直流電源30から供給された直流電力を吸着電極4に輸送すると共に、RF電源31から供給されたRF電力を吸着電極4に供給するためのものであり、且つ、吸着電極4の分配電極5に電気的に接続された接続点から吸着電極4の縁部の異なる位置までの距離が同じである。具体的には、吸着電極4にRF供給点(即ち、上記接続点)が設けられ、該RF供給点は分配電極5に電気的に接続することに用いられ、且つ該RF供給点の吸着電極4における位置は、該RF供給点から吸着電極4の縁部の異なる位置までの距離が同じであることを満たし、このように、吸着電極4のRF通路の整合性が保証され得、それにより絶縁層11の異なる位置に到達するRFエネルギーが同じであることを実現することができる。
【0028】
本願の一実施例では、図2乃至図4に示すように、吸着電極4は間隔を空けて設けられた第1電極41及び第2電極42を含み、分配電極5は間隔を空けて設けられた第1分配電極51及び第2分配電極52を含み、第1分配電極51は第1電極41に電気的に接続され、第2分配電極52は第2電極42に電気的に接続され、第1分配電極51及び第2分配電極52は直流電源30の正極及び負極に電気的にそれぞれ接続され、且つ第1分配電極51及び第2分配電極52はいずれもRF電源31に電気的に接続される。この場合には、第1電極41の第1分配電極51に電気的に接続された接続点から第1電極41の縁部の異なる位置までの距離が同じであり、それにより第1電極41のRF通路の整合性が保証され、第2電極42の第2分配電極52に電気的に接続された接続点から第2電極42の縁部の異なる位置までの距離が同じであり、それにより第2電極42のRF通路の整合性が保証される。第1分配電極51のRF電源31に電気的に接続された接続点から第1電極41に電気的に接続された接続点までの距離が第1距離であり、第2分配電極52のRF電源31に電気的に接続された接続点から第2電極42に電気的に接続された接続点までの距離が第2距離であり、該第1距離と第2距離は同じであり、第1電極41と第2電極42との間のRF通路の整合性が保証される。
【0029】
上記第1分配電極51は直流電源30の正極に電気的に接続されるが、第2分配電極は直流電源30の負極に電気的に接続され、又は、上記第1分配電極51は直流電源30の負極に電気的に接続されるが、第2分配電極は直流電源30の正極に電気的に接続されてもよい。
【0030】
上記第1分配電極51及び第2分配電極52により、第1電極41及び第2電極42と直流電源30との電気的導通を実現するとともに、RF電源31から供給されたRF電力を第1電極41及び第2電極42に供給し、該構造は簡単で実現しやすく、且つ第1電極41と第2電極42との間に電磁干渉が存在することを回避することができる。
【0031】
図5は本願の実施例に係る静電チャックの別の構造概略図である。図5に示すように、該静電チャックは図1に示す静電チャックに基づいて改良されたものであり、具体的には、RF電源31が直流電源30の動作に影響を与えることを回避するために、静電チャック1はフィルタ33及び短絡防止回路をさらに含み、ここで、第1分配電極51及び第2分配電極52はフィルタ33を介して直流電源30の正極及び負極にそれぞれ電気的に接続され、且つ第1分配電極51及び第2分配電極52はいずれも上記短絡防止回路を介してRF電源31に電気的に接続され、フィルタ33はRF電源31が直流電源30の動作に影響を与えることを回避することに用いられ、それにより電極アセンブリ2に悪影響を与えることを回避することができ、このフィルタ33は、直流電源30に近い位置に設けることができる。短絡防止回路は直流電源30の正極と負極との間の短絡を回避するためのものである。
【0032】
いくつかの選択可能な実施例では、短絡防止回路は2本の分岐回路(即ち、ケーブル22)及び各分岐回路(即ち、ケーブル22)に設けられたコンデンサ32を含み、ここで、2本の分岐回路(即ち、ケーブル22)の一端は、第1分配電極51及び第2分配電極52が直流電源30の正極及び負極にそれぞれ電気的に接続された2本の回路(即ち、ケーブル21)にそれぞれ接続され、2つのアーム(すなわち、ケーブル22)の他端はいずれもRF電源31に電気的に接続される。コンデンサ32は直流を遮断して交流を行う特性を有するため、該コンデンサ32は、直流電源30の吸着電圧、RF電源31のRF電圧及びRF電流に耐える必要があり、プロセス過程において吸着電圧は一般的に±2000V(ボルト)であり、RF電流は一般的に1~2A(アンペア)であり、したがって、該コンデンサ32は耐圧2000V以上及び耐電流2A以上を満たす必要があり、しかし、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0033】
以下、第1電極41及び第2電極42、並びに、第1分配電極51及び第2分配電極52の具体的な構成について詳述する。具体的には、図2に示すように、第1電極41は複数あり、且つ形状が同じであり、複数の第1電極41は同一平面に位置し、且つ互いに間隔を空けて、第1分配電極51は複数の第1電極41に同時に電気的に接続され、且つ異なる第1電極41の第1分配電極51に電気的に接続された接続点の位置は同じである。具体的には、各第1電極41にいずれもRF供給点(即ち、上記接続点)が設けられ、該RF供給点は第1分配電極51に電気的に接続することに用いられ、異なる第1電極41のRF供給点の位置は同じであり、異なる第1電極41間のRF通路の整合性が保証される。
【0034】
本願の一実施例では、複数の第1電極41は第2電極42に周設され、且つ複数の第1電極41のそれぞれの絶縁層11の載置面における正投影面積がいずれも第2電極42の絶縁層11の載置面における正投影面積と同じである。このように、各第1電極41と第2電極42との間のRF通路の整合性が保証され得る。例えば、図2に示すように、第2電極42は円盤状を呈してもよく、複数の第1電極41は第2電極42の周囲に環状に取り囲まれ、且つ第2電極42の中心は複数の第1電極41で囲まれた環状の中心と重なっている。
【0035】
一具体的な実施例では、図2に示すように、第2電極42は1つであり、且つ円盤状を呈し、第1電極41は8つであり、且つ複数の第1電極41は環状を呈して第2電極42の周囲に分布し、且つ第1電極41の絶縁層11の載置面における正投影面積が第2電極42の絶縁層11の載置面における正投影面積と同じであり、且つ第2電極42の中心は複数の第1電極41で囲まれた環状の中心と重なり、即ち第2電極42は複数の第1電極41で囲まれた環状と同心に設けられる。上記設計を採用すると、本願の実施例の構造が簡単で製造しやすく、それにより加工製造コストが大幅に低減する。
【0036】
実際の応用では、直流電源30を利用して第1電極41に負電圧を印加し、第2電極42に正電圧を印加することができ、このように、プロセスチャンバ内のプラズマに影響を与えることを回避することができるだけでなく、静電チャック1とウェハとの接着によりウェハが損傷を受けるような現象を回避することができ、それによりプロセス結果の均一性及び歩留まりが大幅に向上する。
【0037】
本願の実施例では、複数の第1電極41の間は電気的に分離され、且つ任意の2つの隣接する第1電極41の間に隙間を有し、該隙間は0.1mm~1mmに設定されてもよい。第1電極41と第2電極42との間は同様に電気的に分離され、且つ第1電極41と第2電極42との間に隙間を有し、該隙間は直流電源30の正、負極間の耐電圧要件を満たす必要があり、該隙間は0.1mm~3mmに設定されてもよい。
【0038】
なお、本願の実施例は第1電極41及び第2電極42の形状、数及び配置方式を限定するものではない。本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0039】
図1及び図2に示すように、複数の第1電極41は同層に設けられており、すなわち複数の第1電極41は絶縁層11内の同一水平面に位置するように設けられている。第1電極41は絶縁層11内に形成された電極シートであってもよく、例えばタングステン又は白金を用いて製造されてもよいが、本願の実施例はこれらに限定されるものではない。第1分配電極51は同様に絶縁層11内に設けられており、且つ第1電極41の下方に位置している。第1分配電極51は複数の第1電極41に同時に電気的に接続され、RF電源31から供給されたRFエネルギーを複数の第1電極41に均一に分配することに用いられる。第1電極41を複数設計することにより、各第1電極41のRF供給点から縁部までの距離を小さくすることができ、それにより本願の実施は低周波RF信号だけでなく、高周波RF信号にも適用する。
【0040】
具体的には、現在採用されているRF信号は一般的に連続的な正弦波であり、RF信号の波長式はλ=c/fであり、ここでcは光速であり且つ一定値を採用し、fは周波数である。低周波RF信号の周波数は一般的に2KHz(キロヘルツ)又は13.56MHz(メガヘルツ)等であり、例えば、一般的に使用される13.56MHzの低周波RF信号に対し、その波長は22メートルである。高周波RF信号の周波数は一般的に50MHz~100MHz程度であり、RF周期は一般的に10ns~20nsであり、RF周期が10nsである場合、周波数は108Hz~100MHzであり、その波長は3mである。
【0041】
RF信号の周波数が低いほど、波長が長く、逆に、RF信号の周波数が高いほど、波長は短い。そして、電極のRF供給点から縁部までの距離が大きいほど、波形が電極で拡散しやすく、波形が該電極での整合性が悪く、それによりプロセス結果に影響を与える。一般に、電極のRF供給点から縁部までの距離がウェハの直径(例えば300mm)よりも小さければ、各第1電極41上で波形が過度に拡散しないようにすることができる。これに基づき、本願の実施例は第1電極41を複数設計することにより、各第1電極41のRF供給点から縁部までの距離を小さくすることができ、該距離をウェハ直径よりはるかに小さくし、それにより低周波RF信号でも高周波RF信号でも、波形が各第1電極41上で過度に拡散しないことが保証され得、さらに波形が各第1電極41での整合性が保証され得、したがって、本願の実施例は低周波RF信号だけでなく、高周波RF信号にも適用する。
【0042】
本願の一実施例では、図3に示すように、第1分配電極51は互いに電気的に導通する中心部及び複数の縁部を含み、ここで、中心部の中心は第2電極42の中心の絶縁層11の載置面における正投影と重なり、且つ中心部の中心に第1接続点512を有して、該第1接続点512はRF電源31に電気的に接続され、複数の縁部沿中心部の周方向に沿って間隔を空けて分布し、縁部と第1電極41は数が同じで、且つ1対1で対応して設けられ、各縁部に第2接続点511を有し、第2接続点511は対応する第1電極41電極の幾何学的中心に電気的に接続され、該第1電極41電極の幾何学的中心は、第1電極41電極の幾何学的中心から第1電極41の縁部の異なる位置までの距離が同じであることを満たす。なお、第2接続点511と各第1電極41の幾何学的中心との間に接続部が設けられ、両者の電気的導通を実現する。該接続部は、例えば、垂直結線であり、接続距離を短くする。
【0043】
具体的には、第1分配電極51にRF供給点(すなわち、上記第1接続点512)が設けられ、該RF供給点はRF電源31に電気的に接続することに用いられ、第1分配電極51に複数のRF供給点(すなわち、上記第2接続点511)がさらに設けられ、各RF供給点は各第1電極41の幾何学的中心に電気的に接続され、それにより複数の第1電極41に対するRF分配を実現することができる。
【0044】
本願の一実施例では、図3に示すように、各縁部はいずれも帯状を呈し、且つ中心部の径方向に沿って設けられ、各縁部の一端が中心部に接続され且つ電気的に導通し、各縁部の他端に上記第2接続点511を有する。すなわち、複数の帯状の縁部は中心部から四方に放射状に分布している。上記設計を採用し、中心部を絶縁層11の軸心に対して中央に設けることにより、複数の帯状の縁部が絶縁層11の軸心に対して四方に放射状に分布するようにでき、それにより第1分配電極51自体が絶縁層11に対する影響の整合性をよくする。なお、本願の実施例は第1分配電極51の具体的な構造を限定するものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0045】
図4に示すように、第2分配電極52に第3接続点521及び第4接続点522を有し、ここで、第3接続点521は第2電極42電極の幾何学的中心に電気的に接続され、該第2電極42電極の幾何学的中心は、第2電極42電極の幾何学的中心から第2電極42の縁部の異なる位置までの距離が同じであることを満たす。例えば、第2電極42は円盤状を呈し、第2電極42電極の幾何学的中心は円の中心となる。なお、第3接続点521と各第2電極42の幾何学的中心との間に接続部が設けられ、両者の電気的導通を実現する。該接続部は、例えば、垂直結線であり、接続距離を短くする。
【0046】
具体的には、第2分配電極52にRF供給点(すなわち、上記第4接続点522)が設けられ、該RF供給点はRF電源31に電気的に接続することに用いられ、第2分配電極52にRF供給点(すなわち、上記第3接続点521)がさらに設けられ、RF供給点は第2電極42の幾何中心に電気的に接続され、それにより第2電極42に対するRF分配を実現することができる。
【0047】
そして、第1分配電極51の第1接続点512から各第2接続点511までの距離が第1距離であり、第4接続点522から第3接続点521までの距離が第2距離である。該第1距離は第2距離に等しく、このように、RFが第1分配電極51のRF供給点からRF出力点までの経路の長さと第2分配電極52のRF供給点からRF出力点までの経路の長さを一致させることができ、それにより第1電極41と第2電極42との間のRF通路の整合性が保証され得る。なお、上記第1距離及び第2距離はいずれもRFのRFフィードイン点からRFフィードアウト点までの経路の長さを指す。
【0048】
第1分配電極51及び第2分配電極52は上記設計を採用することにより、複数の第1電極41及び第2電極42に対するRF分配を実現することができ、本願の実施例の構造が簡単で実現しやすい。そして、第1分配電極51と第2分配電極52は互いに独立して設計されるため、さらに本願の実施例は構造が簡単で使いやすく、それにより設計製造コストが大幅に低減する。
【0049】
本願の一実施例では、図4に示すように、第2分配電極52は円弧状を呈し、上記第3接続点521及び第4接続点522は第2分配電極52の両端にそれぞれ位置する。該円弧の第3接続点521と第4接続点522との間の弧の長さが上記第2距離である。なお、本願の実施例は第2分配電極52の具体的な構造を限定するものではなく、例えば第2分配電極52は他の曲線の形状を採用してもよい。したがって、本願の実施例はこれらに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0050】
本願の一実施例では、図6及び図7に示すように、第1分配電極51及び第2分配電極52は同層又は別層に設けられてもよい。具体的には、図6に示すように、第1分配電極51及び第2分配電極52は同一層に設けられてもよく、すなわち両者は絶縁層11内において同一水平面に位置し、且つ吸着電極4の下方に位置し、且つ、第1分配電極51と第2分配電極52は間隔を空けて設けられ、且つ両者の間に0.1mm~3mmの隙間を有し、耐電圧要求が保証される。上記設計を採用することで、絶縁層11の厚さを大幅に減らすことができ、それにより絶縁層11の占有空間を減らし、絶縁層11の厚さに制限があるシーンに対応することができる。
【0051】
なお、第1分配電極51と第2分配電極52が同層に設けられる場合、第1分配電極51の第1接続点512が例えば第2電極42の幾何学的中心の直下に位置することができ、これにより第1分配電極51の各第2接続点511が各第1電極41の幾何学的中心に対応できることが保証される。この場合、第2分配電極52の第3接続点521を、第2電極42の幾何学的中心の直下から若干ずれた位置に適応的に設けてもよく、このずれ量が小さいので、RF供給の均一性に影響を与えることがなく、第1分配電極51と第2分配電極52との位置の干渉を回避することができる。
【0052】
図7に示すように、第1分配電極51と第2分配電極52とは、絶縁層11内において高さの異なる2つの水平面上にそれぞれ位置し、且つ、吸着電極4の下方に位置するように別層に設けられていてもよい。第1分配電極51と第2分配電極52の高さの差が小さいので、別層に設けられてもRF供給の均一性に影響を与えない。
【0053】
そして、第1分配電極51及び第2分配電極52が別層に設けられる場合、第2分配電極52を第1分配電極51よりも高くしてもよく、このように、第1分配電極51の第1接続点512が例えば第2電極42電極の幾何学的中心の直下に位置するようにでき、これにより第1分配電極51の各第2接続点511が各第1電極41電極の幾何学的中心に対応できることが保証され、また、第2分配電極52の第3接続点521は第1分配電極51の位置と干渉せず、第2電極42電極の幾何学的中心の直下に位置することもでき、それにより第1分配電極51及び第2分配電極52のRF供給の均一性が保証され得る。
【0054】
同一の発明思想に基づき、本願の実施例は半導体プロセス装置を提供し、プロセスチャンバと、直流電源と、RF電源と、プロセスチャンバ内に設けられた上記各実施例に係るような静電チャックとを含み、直流電源及びRF電源はいずれも静電チャックに電気的に接続される。
【0055】
本願の実施例を応用すると、少なくとも以下の有益な効果を実現することができる。
【0056】
本願の実施例はRF電源と直流電源を電極アセンブリに電気的に接続し、該電極アセンブリは直流電源が直流電力を印加する際に被加工ワークを絶縁層に吸着し、及びRF電源がRF電力を印加する際に、絶縁層の異なる位置に到達するRFエネルギーを同じにすることに用いられる。このように、ウェハに対する吸着固定を実現することができるだけでなく、RF電源から供給されたRF電力を電極アセンブリに直接供給することができ、且つ絶縁層の異なる位置に到達するRFエネルギーが同じであることが保証され、それにより従来技術における静電チャックの多層構造間の容量差がRFエネルギー整合性に与える影響が回避され、それによりウェハプロセス結果の整合性を大幅に向上させ、さらにウェハ歩留まりを向上させる。
【0057】
理解できるように、以上の実施形態は、本発明の原理を説明するために採用された例示的な実施形態にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の精神及び本質を逸脱することなく、種々の変形及び改良を行うことができ、これらの変形及び改良も本発明の保護範囲とみなすことができる。
【0058】
本願の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等で指示した方位又は位置関係は図示に基づく方位又は位置関係であり、単に本願を簡潔に説明するためのものであり、係る装置又は素子が必ずしも特定の方位を持ったり、特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示しないため、本発明を限定するものではないと理解すべきである。
【0059】
用語「第1」、「第2」は単に説明の目的に用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示し又は指示された技術的特徴の数を暗示すると理解できない。これにより、「第1」、「第2」が限定された特徴は明示的又は暗黙的に1つ又は複数の該特徴を含むことができる。本発明の説明において、特に説明しない限り、「複数」の意味は2つ又は2つ以上である。
【0060】
本願の説明において、なお、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体的接続であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接連結、中間媒体を介する間接的連結、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0061】
本明細書の説明において、具体的な特徴、構造、材料又は特徴は適切な方式でいずれかの1つ又は複数の実施例又は例示に組み合わせられ得る。
【0062】
以上は本願の一部の実施形態に過ぎず、指摘すべきことは、本技術分野の当業者にとって、本願の原理から逸脱することなく、さらにいくつかの改良及び修飾を行うことができ、これらの改良及び修飾も本願の保護範囲と見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7