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  • 特許-油性食品の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】油性食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23D 9/02 20060101AFI20240924BHJP
   A23D 9/00 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
A23D9/02
A23D9/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020057084
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021153483
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000227009
【氏名又は名称】日清オイリオグループ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】▲羽▼染 芳宗
(72)【発明者】
【氏名】村山 典子
【審査官】二星 陽帥
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-170240(JP,A)
【文献】特開2020-010614(JP,A)
【文献】特開2019-187347(JP,A)
【文献】特開2014-003918(JP,A)
【文献】国際公開第2014/087724(WO,A1)
【文献】特開2018-143191(JP,A)
【文献】国際公開第2019/189047(WO,A1)
【文献】特開平10-248487(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0318831(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23D 9/00 - 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末を、当該油脂粉末の融点よりも低い温度に維持された流動状の油脂に分散する工程と、同時に、または、その後、非油溶性粉末を分散する工程とを含む、油脂に非油溶性粉末が分散した油性食品の製造方法であって、
前記油性食品に占める、前記流動状の油脂の含有量が50~98質量%であり、前記非油溶性粉末の含有量が1~49質量%である、前記油性食品の製造方法。
【請求項2】
前記流動状の油脂が、15℃以上の融点を有する、請求項1に記載の油性食品の製造方法。
【請求項3】
前記非油溶性粉末を分散する工程の後で、さらに、冷却する工程を含む、請求項1または2に記載の油性食品の製造方法。
【請求項4】
前記冷却する工程における冷却速度が、-0.01℃/分~-5℃/分である、請求項3に記載の油性食品の製造方法。
【請求項5】
前記油性食品が、固形または可塑性を有する、請求項1~4の何れか1項に記載の油性食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂に非油溶性粉末が分散した油性食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
油脂が連続相をなす油性食品としては、例えば、チョコレート、シュガークリーム、バタークリームなどが挙げられる。例えば、シュガークリームは、油脂に粉糖が均一に混ぜ合わされた構造を有する。油脂に粉糖が均一に混ぜ合わされるために、急冷混捏処理により製造されたマーガリンまたはショートニングなどの展延性を有する可塑性油脂が、油脂として使用される。また、可塑性油脂と粉糖との混合には、ホイッパーなど、強力な攪拌力が必要とされる。
【0003】
油脂に非油溶性粉末を均一に分散させる方法として、特許文献1の実施例には、粉糖と粉糖の1/3量の融解した油脂とをミキサーで混合して糊状としてから、さらに融解した油脂を混合する方法が記載されている。しかし、上記の方法においても、粉糖と油脂とを糊状とするために、強力な攪拌力が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2000/076328号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、油脂に非油溶性の粉末を、簡易に均一分散させることができれば、油性食品をより簡便に製造できる。
【0006】
本発明の課題は、油脂に非油溶性粉末が均一に分散した油性食品を、簡易に製造できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を達成するため、鋭意検討を行った。そして、特定の融点と平均粒径を有する油脂粉末を、予め油脂に分散させるか、非油溶性粉末と同時に分散させることにより、非油溶性粉末を油脂中に均一に分散できることを見出した。これにより、本発明は完成された。すなわち、本発明は、以下の態様を含み得る。
【0008】
[1]油脂に非油溶性粉末が分散した油性食品の製造方法であって、
40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末を、当該油脂粉末の融点よりも低い温度に維持された流動状の油脂に分散する工程と、同時に、または、その後、非油溶性粉末を分散する工程とを含む、前記油性食品の製造方法。
[2]前記流動状の油脂が、15℃以上の融点を有する、[1]の油性食品の製造方法。
[3]前記油性食品に占める、前記流動状の油脂の含有量が50~98質量%であり、前記非油溶性粉末の含有量が1~49質量%である、[1]または[2]の油性食品の製造方法。
[4]前記非油溶性粉末を分散する工程の後で、さらに、冷却する工程を含む、[1]~[3]の何れか1つの油性食品の製造方法。
[5]前記油性食品が、固形または可塑性を有する、[1]~[4]の何れか1つの油性食品の製造方法。
[6]40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末を有効成分とする、油脂への非油溶性粉末の分散性を向上させる、分散性向上剤。
[7]油脂に非油溶性粉末を分散する方法であって、
流動状の油脂に、当該油脂の温度よりも高い融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末を、分散させるのと同時に、または、分散させた後で、非油溶性粉末を分散させる、前記方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、油脂に非油溶性粉末が均一に分散した油性食品を、簡易に製造できる方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】油脂粉末Aを、2℃/分の昇温速度で加熱したときの吸熱量の変化を測定したDSCチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の油性食品の製造方法は、40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末を、当該油脂粉末の融点よりも低い温度に維持された流動状の油脂に分散する工程と、同時に、または、その後、非油溶性粉末を分散する工程とを含む。以下、本発明の油性食品の製造方法について順を追って記述する。
【0012】
<油脂粉末>
本発明の油性食品の製造方法は、40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末を使用する。当該40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末の原料となる油脂は、食用油脂である限り特に限定されない。例えば、油脂を構成する脂肪酸の80質量%以上が炭素数12以上の飽和脂肪酸からなる、パームステアリン、極度硬化菜種油、極度硬化高エルシン酸菜種油、極度硬化ひまわり油、極度硬化紅花油、極度硬化パーム油、トリラウリンなどが挙げられる。これらの油脂は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。油脂粉末の融点は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは56℃以上であり、さらに好ましくは61℃以上である。油脂粉末の融点の上限は特に限定されない。しかし、油脂粉末の融点は、好ましくは90℃以下であり、より好ましくは80℃以下であり、さらに好ましくは75℃以下である。油脂粉末の融点が上記範囲内にあると、非油溶性粉末を分散させる流動状の油脂の温度を高く維持できるので、非油溶性粉末が分散し易い。
【0013】
上記油脂粉末の融点は、DSC(示差走査熱量計)測定において、油脂粉末を、1~5℃(好ましくは2℃)/分の昇温速度で加熱して、吸熱がなくなる温度である。より具体的には、図1に見られるように、加熱により吸熱が完全になくなったベースラインと、最後の吸熱からベースラインへ回帰する立ち上がりのラインとの、交点の温度として求めることができる。
【0014】
上記油脂粉末は、50μm以下の平均粒径を有する。当該油脂粉末の平均粒径は、好ましくは1~30μmであり、より好ましくは1~20μmであり、さらに好ましく1~15μmである。なお、平均粒径(平均粒子径、有効径ともいう)は、粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製 Microtrac MT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201、ISO9276-1)に基づいて、湿式測定により測定した値(d50)である。有効径は、測定対象となる油脂粉末(油脂結晶)の実測回折パターンが、球形と仮定して得られる理論的回折パターンに適合する場合の、当該球形の粒径を意味する。このように、レーザー回折散乱法の場合、球形と仮定して得られる理論的回折パターンと、実測回折パターンを適合させて有効径を算出しているので、測定対象が板状形状であっても球状形状であっても同じ原理で測定できる。40℃以上の融点を有する油脂粉末の平均粒径が上記範囲内にあると、油性食品は良好な口どけを有する。
【0015】
上記油脂粉末は、抗酸化剤、乳化剤、香料、脱脂粉乳、全脂粉乳、ココアパウダー、砂糖、デキストリン、カゼインナトリウムなどのその他の成分とともに製剤化されてもよい。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができる。例えば、油脂粉末の全質量を100質量部とした場合、その他の成分は、好ましくは0~60質量部であり、より好ましくは0~35質量部であり、さらに好ましくは0~10質量部であり、ことさらに好ましくは0~5質量部であり、最も好ましくは0~2質量部である。また、油性食品に占める油脂粉末の正味の含有量は、好ましくは0.5~11質量%であり、より好ましくは1~10質量%であり、さらに好ましくは2~9質量%である。
【0016】
上記油脂粉末の好ましい態様の1つとしては、当該油脂粉末の粒子が板状形状である。ここで、油脂粉末の粒子が板状形状であるかどうかは、アスペクト比Bで判定できる。ここでいうアスペクト比Bは、粒子の長径を厚さで除した値であり、長径/厚さで定義される。すなわち、粒子が球状の場合はアスペクト比Bが1であり、扁平な度合いが増すにつれてアスペクト比Bは大きくなる。粒子の長径および厚さは、例えば、以下のように測定することができる。長径の大きさは、主に上述のレーザー回折散乱法に基づいて求めることができる。この場合、長径の大きさには平均粒径が通常用いられる。粒子の厚さは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定することができる。まず、走査型電子顕微鏡により、複数の粒子を撮影する。その観察像から、粒子を任意に50個選択し、厚さ方向の寸法をそれぞれ測定する。厚さの全てを積算して個数で除したものを平均厚さとする。そして、平均厚さに対する平均粒径を粉体集合体(油脂粉末)としての平均アスペクト比とし、アスペクト比Bとする。ここで、本発明における40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末の粒子形状は、アスペクト比Bが、好ましくは2.5以上であり、より好ましくは2.5~100であり、さらに好ましくは3~50であり、ことさらに好ましくは3~20であり、最も好ましくは3~15である。油脂粉末のアスペクト比Bが上記範囲内にあると、非油溶性粉末を分散後任意に行う冷却が徐冷却であっても、良好な組織を有する油性食品が得られる。
【0017】
上記油脂粉末の好ましい態様の1つとしては、また、油脂粉末(油脂結晶)の結晶形がβ型である。β型とは、油脂の結晶多形の一つである。油脂の結晶には、同一組成でありながら、異なる副格子構造(結晶構造)を持つものがあり、結晶多形と呼ばれている。代表的には、六方晶型、斜方晶垂直型および三斜晶平行型があり、それぞれα型、β’型およびβ型と呼ばれている。ここで油脂結晶の結晶形がβ型であるとは、好ましくは、上記油脂結晶が、X線回折測定において、4.5~4.7Å付近、好ましくは4.6Å付近に回析ピークを有し、特に、4.2Å付近に回折ピークを有さない場合である。より具体的には、X線回折測定において、β型の特徴的ピークである2θ=19°(4.6Å)のピーク強度(G)とα型の特徴的ピークである2θ=21°(4.2Å)のピーク強度(G’)の比率:G/(G+G’)を算出することでβ型結晶の存在量を表す指標とできる。本発明では、上記ピーク強度比が1であることが好ましい。しかし、ピーク強度比の下限値が、例えば0.4以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.7以上、ことさらに好ましくは0.75以上、最も好ましくは0.8以上であればよい。ピーク強度比が0.4以上であれば、油脂結晶の50質量%超がβ型であるとみなすことができる。ピーク強度比の上限値は1であることが好ましいが、0.99以下、0.98以下、0.95以下、0.93以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下などであってもかまわない。ピーク強度比は、上記下限値および上限値のいずれか、もしくは、任意の組み合わせであり得る。40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末の結晶形がβ型(ピーク強度比が上記範囲内)であると、非油溶性粉末を分散後任意に行う冷却が徐冷却であっても、良好な組織を有する油性食品が得られる。
【0018】
上記油脂粉末の好ましい態様の1つとしては、また、ゆるめ嵩密度が、好ましくは0.1~0.4g/cm3であり、より好ましくは0.15~0.4g/cm3であり、さらに好ましくは0.2~0.3g/cm3である。本発明における上記ゆるめ嵩密度は、粉体を自然落下させた状態の充填密度である。ゆるめ嵩密度(g/cm)は、例えば、ホソカワミクロン(株)のパウダテスタ(model PT-X)で測定することができる。具体的には、パウダテスタに試料を仕込み、試料を仕込んだ上部シュートを振動させ、試料を自然落下により下部の測定用カップに落とす。測定用カップから盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100cm)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求める。
ゆるめ嵩密度(g/cm)=A(g)/100(cm
また、ゆるめ嵩密度は、メスシリンダーを用いても測定できる。例えば、内径15mm、25mL容のメスシリンダーに、当該メスシリンダーの上部開口端から2cm程度上方から油脂粉末の適量を落下させて疎充填する。そして、充填された質量(g)の測定と容量(mL)の読み取りを行い、1mL当たりの油脂粉末の質量(g)を算出することにより、ゆるめ嵩密度が求められる。
【0019】
<油脂粉末の製造方法>
上記油脂粉末を調製する方法は特に限定されない。40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末となるように、凍結粉砕、押出造粒、噴霧冷却造粒など、従来公知の方法を適用してもよい。しかし、40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末を得る好ましい態様の1つとしては、当該油脂粉末の原料油脂として、グリセロールの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリアシルグリセロールを含み、前記炭素数xは12~22から選択される整数である、油脂を使用する態様が挙げられる。
【0020】
上記油脂粉末の原料油脂に含まれるXXX型トリアシルグリセロールは、グリセロールの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するトリアシルグリセロールであり、各脂肪酸残基Xは互いに同一である。ここで、当該炭素数xは12~22から選択される整数であり、好ましくは16~22から選択される整数、より好ましくは16~20から選択される整数、さらに好ましくは16~18から選択される整数である。脂肪酸残基Xは、飽和あるいは不飽和の脂肪酸残基であってもよい。具体的な脂肪酸残基Xとしては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、およびベヘン酸などの残基が挙げられる。しかし、これに限定するものではない。脂肪酸残基Xは、より好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびベヘン酸であり、さらに好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキジン酸であり、ことさら好ましくは、パルミチン酸およびステアリン酸である。40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末の原料油脂に含まれる当該XXX型トリアシルグリセロールの含有量は、油脂の全質量を100質量%とした場合、例えば、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上を下限とし、例えば、100質量%以下、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下を上限とする範囲である。XXX型トリアシルグリセロールは1種類または2種類以上を用いることができ、好ましくは1種類または2種類であり、より好ましくは1種類が用いられる。XXX型トリアシルグリセロールが2種類以上の場合は、その合計値がXXX型トリアシルグリセロールの含有量となる。
【0021】
上記油脂粉末の原料油脂は、上記XXX型トリアシルグリセロール以外の、その他のトリアシルグリセロールを含んでいてもよい。その他のトリアシルグリセロールは、複数の種類のトリアシルグリセロールであってもよく、合成油脂であっても天然油脂であってもよい。天然油脂としては、例えば、パーム油、ココアバター、ヒマワリ油、菜種油、大豆油、綿実油などが挙げられる。上記油脂粉末の原料油脂を100質量%とした場合、上記XXX型トリアシルグリセロール以外のその他のトリアシルグリセロールは、1質量%以上、例えば、5~50質量%程度含まれていても問題はない。その他のトリアシルグリセロールの含有量は、例えば、好ましくは0~30質量%、より好ましくは0~18質量%、さらに好ましくは0~15質量%、ことさらに好ましくは0~8質量%である。
【0022】
上記の、XXX型トリアシルグリセロールを有する油脂粉末の原料油脂は、溶融状態とし、特定の冷却温度に保ち、冷却固化することにより、噴霧やミルなどの粉砕機による機械粉砕などの特別の加工手段を採らなくても、粉末状の油脂結晶(油脂粉末)を得ることができる。より具体的には、(a)XXX型トリアシルグリセロールを有する原料油脂を準備し、任意に工程(b)として、工程(a)の原料油脂を加熱し、前記原料油脂に含まれるトリアシルグリセロールを融解して溶融状態の前記原料油脂を得、さらに(d)前記溶融状態の原料油脂を冷却固化して、β型油脂結晶を含有し、その粒子形状が板状である粉末状の油脂結晶(油脂粉末)を得る。
【0023】
上記工程(d)の冷却は、例えば、溶融状態の原料油脂を、当該原料油脂のβ型結晶の融点より低い温度であって、かつ、次式:
冷却温度(℃) = 炭素数x × 6.6 ― 68
から求められる冷却温度以上の温度で行われる。このような温度範囲で冷却すれば、β型の細かい油脂結晶ができるので、油脂結晶の粉末(油脂粉末)を容易に得ることができる。
【0024】
また、上記工程(b)と(d)の間に、工程(c)として油脂結晶の粉末生成を促進するための任意工程、例えば(c1)シーディング工程、(c2)テンパリング工程、および/または(c3)予備冷却工程を含んでいてもよい。さらに上記工程(d)で得られる油脂結晶粉末は、工程(d)の冷却後に得られる固形物を粉砕して粉末状の油脂結晶を得る工程(e)によって得られるものであってもよい。工程(e)において、冷却後に得られる固形物は、ハンマーミル、カッターミルなど、公知の粉砕加工手段を適用して、50μm以下の平均粒径を有する粉末状の油脂結晶(油脂粉末)を生産することもできる。なお、上記工程において、XXX型トリアシルグリセロールを有する油脂粉末の原料油脂は、すでに述べた油脂以外のその他成分を0~15質量%(好ましくは0~2質量%)含む油脂組成物の状態で工程(a)~(e)に供されてもよいし、β型油脂結晶粉末とした後、すでに述べた油脂以外のその他の成分と混合されてもよい。
【0025】
上記のようにして得られた、40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末であって、かつ、XXX型トリアシルグリセロールを有する油脂粉末は、好ましくは、アスペクト比Bが2.5以上の板状形状であり、油脂結晶の結晶形がβ型であり、ゆるめ嵩密度が0.05~0.4g/cmである。
【0026】
<流動状の油脂>
本発明の油性食品の製造方法において、上記40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末は、当該油脂粉末の融点よりも低い温度に維持された流動状の油脂(当該温度で流動性を有する油脂)に分散される。ここで、流動状とは、傾斜角30°程度で流れる状態である。流動状の油脂は、油脂粉末の融点より低い温度で流動性を有する食用に適した油脂(食用油脂)であれば特に限定されない。食用油脂の具体例としては、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油、パーム分別油(パームオレイン、パームスーパーオレイン、パーム中融点部、パームステアリンなど)、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、ココアバター、ヤシ油、パーム核油、豚脂、牛脂、および乳脂などや、これらの加工油脂(混合、水素添加、エステル交換、分別などの1種または2種以上の加工処理が施された油脂)などが挙げられる。これらの食用油脂は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。しかし、流動状の油脂は、好ましくはパーム系油脂を含む。パーム系油脂は、パーム油、パーム油の分別油、および、それらの加工油脂(硬化、エステル交換および分別のうち1以上の処理がなされたもの)であれば何れでもよい。パーム系油脂としては、具体的には、パーム油の1段分別油であるパームオレインおよびパームステアリン、パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)およびパームミッドフラクション、パームステアリンの2段分別油であるパームオレイン(ソフトパーム)およびパームステアリン(ハードステアリン)などが例示できる。また、パーム系油脂を含む加工油脂は、当該加工油脂の原料油脂に含まれるパーム系油脂の割合で、パーム系油脂の量が換算される。流動状の油脂に含まれるパーム系油脂の含有量は、好ましくは30~100質量%であり、より好ましくは40~100質量%であり、さらに好ましくは70~100質量%である。
【0027】
本発明の油性食品の製造方法において、流動状の油脂は、油脂粉末の融点より低い温度で流動性を有する。しかし、流動状の油脂は、当該温度で好ましくは透明(すなわち、完全に融解した状態)である。また、流動状の油脂の融点は、油性食品が固形状または可塑性を有する場合、好ましくは15℃以上であり、より好ましくは15~50℃であり、さらに好ましくは20℃~45℃、ことさらに好ましくは25~40℃である。また、流動状の油脂の融点は、油脂粉末の融点より、好ましくは10℃以上低く(すなわち、(油脂粉末の融点-10℃)以下であり)、より好ましくは15℃以上低く、さらに好ましくは20℃以上低い。流動状の油脂の融点は、例えば、油脂を融解状態から氷上で固化させ、油脂粉末と同様に、DSCで測定できる。また、油性食品に占める流動状の油脂の含有量は、好ましくは50~98質量%であり、より好ましくは54~94質量%であり、さらに好ましくは58~90質量%である。
【0028】
<非油溶性粉末>
本発明の油性食品の製造方法は、油脂粉末が分散された流動状の油脂に、非油溶性粉末を分散する工程を含む。ここで、非油溶性粉末は、油脂に溶けない食用に適する粉末であれば特に限定されない。ここで、油脂に溶けない粉末とは、例えば、粉末2質量部を常温(例えば25℃)で透明な油脂(例えばサラダ油)100質量部に分散し、必要に応じて加熱(例えば上限100℃まで)しても、油脂が透明な状態にならない粉末をいう。非油溶性粉末は、粉末の成分の一部として油脂が含まれていても(油分があっても)構わない。粉末に含まれる油脂は、便宜上、非油溶性粉末として(非油溶性粉末に含めて)扱う。非油溶性粉末としては、例えば、粉糖、デキストリン、カラメル粉末などの各種糖質粉末、食塩粉末、粉末醤油などの各種調味料粉末、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエーパウダー、チーズパウダーなどの各種乳製品粉末、レモンパウダー、イチゴパウダーなどの各種果実加工粉末、各種野菜加工粉末、唐辛子粉末、生姜粉末などの各種スパイス粉末、各種ハーブ粉末、卵黄粉末、ココアパウダー、大豆粉末、大豆蛋白粉末、抹茶粉末、コーヒー粉末、などの各種粉末が挙げられる。非油溶性粉末は2種以上が併用されてもよい。
【0029】
上記非油溶性粉末は、粉末状であれば粒度は特に限定されない。しかし、非油溶性粉末の粒度は、好ましくは目開き4.76mm(ASTM4メッシュ、Tyler4メッシュ)篩下の粒度を有し、より好ましくは目開き2mm(ASTM10メッシュ、Tyler9メッシュ)篩下の粒度を有し、さらに好ましくは目開き1mm(ASTM18メッシュ、Tyler16メッシュ)篩下の粒度を有し、ことさらに好ましくは目開き0.59mm(ASTM45メッシュ、Tyler42)篩下の粒度を有する。篩の目開きは、JIS Z8801-1を適用すればよいが、対応するASTMあるいはTylerの篩を使用してもよい。規格による篩の差異は極めて微小であり、本発明には影響しない。ここで、目開きXmm篩下は、非油溶性粉末を目開きXmmの篩を使用して篩掛けした時に、篩を通過する部分が8割以上であることを意味する。
【0030】
<油性食品の製造方法および油性食品>
本発明の油性食品の製造方法は、40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末を、当該油脂粉末の融点よりも低い温度に維持された流動状の油脂に分散する工程を有する。流動状の油脂の温度は、40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末の融点よりも低い温度であれば特に限定されない。しかし、油脂粉末の融点(℃)を基準として、好ましくは-35~-5℃であり、より好ましくは-30~-10℃であり、さらに好ましくは-25℃~-15℃である。例えば、油脂粉末の融点が65℃である場合、流動状の油脂の温度は、好ましくは30℃~60℃に維持される。油脂粉末は、流動状の油脂100質量部に対して、好ましくは1~15質量部、より好ましくは2~13質量部、さらに好ましくは3~11質量部、正味量で添加分散される。流動状の油脂に分散する油脂粉末の量が上記範囲程度であると、油脂粉末と同時に、または、後工程で、分散させる非油溶性粉末が均一に分散し易い。
【0031】
本発明の油性食品の製造方法は、油脂粉末を流動状の油脂に分散させると同時に、または、分散させた後で、非油溶性粉末を分散する工程を有する。油性食品に占める非油溶性粉末の含有量は、好ましくは1~49質量%であり、より好ましくは2~44質量%であり、さらに好ましくは3~40質量%である。油性食品に占める非油溶性粉末の含有量が上記範囲程度であると、流動状の油脂に、非油溶性粉末がより均一に分散し易い。上記のようにして、本発明の油性食品は、油脂が連続相をなすように調製される。
【0032】
また、上記のとおり、本発明は、流動状の油脂に、当該油脂の温度よりも高くかつ40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末を、分散させると同時に、または、分散させた後で、非油溶性粉末を分散させる、油脂に非油溶性粉末を分散する方法を提供する。
【0033】
非油溶性粉末を分散する工程を経た分散混合物は、必要に応じて、流動状の油脂の融点以下の温度に冷却されてもよい。冷却条件は特に限定されない。しかし、油性食品が固形物である場合、冷却したい温度(例えば、5~25℃、より好ましくは15~25℃)に設定された保冷庫に静置冷却してもよい。また、油性食品が可塑性を有する場合、徐冷却であってもよい。具体例としては、非油溶性粉末を分散する工程を経た分散混合物を、緩慢に攪拌をしながら、または、攪拌しないで、好ましくは5~30℃程度、より好ましくは10~25℃程度の冷媒(例えば、冷却水)で冷却して、または、好ましくは5~30℃程度、より好ましくは10~25℃程度、さらに好ましくは15~20℃程度の温度で放冷(空冷)して、可塑化(結晶化)してもよい。冷却時間は、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは3時間以上、さらに好ましくは12時間以上、ことさらに好ましくは24時間以上であってもよい。冷却時間の上限は、特に限定されない。しかし、冷却時間は、300時間以下、100時間以下または50時間以下であってもよい。冷却時間の下限と上限は任意に選択できる。また、冷却速度は、好ましくは-0.01℃/分~-5℃/分程度、より好ましく-0.01℃/分~-3℃/分程度、さらに好ましくは-0.01℃/分~-1℃/分程度、の緩慢な冷却速度であってもよい。緩慢冷却あっても良好な組織と可塑性を有する油性食品が得られることは、本発明の製造方法の副次効果である。
【0034】
本発明の油性食品は、上記の40℃以上の融点と50μm以下の平均粒径を有する油脂粉末、流動状の油脂、非油溶性粉末、以外に、一般的に油性食品に使用される副素材を含んでもよい。当該副素材としては、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの各種乳化剤、β-カロテン、カラメルおよび紅麹色素などの各種着色料、トコフェロール、茶抽出物(カテキンなど)、ルチンなどの各種酸化防止剤、水、などが挙げられる。これら副素材は2種以上が併用されてもよい。油性食品に占める副素材の含有量は、好ましくは0~10質量%であり、より好ましくは0~5質量%であり、さらに好ましくは0~2質量%である。
【0035】
本発明の油性食品の製造方法において、上記の副素材は、必要に応じて任意のタイミングで混合されてもよい。しかし、副素材は、好ましくは、流動状の油脂に予め溶解されるか、非油溶性粉末を分散する前後で、流動状の油脂に混合される。
【0036】
本発明の油性食品は、本発明の製造方法で製造され、油脂が連続相をなす食品であれば特に限定されない。しかし、油性食品の好ましい態様としては、例えば、チョコレート風味、チーズ風味、抹茶風味などの各種チョコレート様固形油脂食品、レモン風味、ガーリック風味、バジル風味などの各種スプレッド、が挙げられる。
【実施例
【0037】
次に、例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。しかし、本発明はこれらに何ら制限されない。また。以下において「%」は、特別な記載がない場合、質量%を示す。
【0038】
<分析方法>
・トリアシルグリセロール組成
ガスクロマトグラフィー分析条件
DB1-ht(0.32mm×0.1μm×5m)Agilent Technologies社(123-1131)
注入量 :1.0μL
注入口 :370℃
検出器 :370℃
スプリット比 :50/1 35.1kPa コンスタントプレッシャー
カラムCT :200℃(0min hold)~(15℃/min)~370℃(4min hold)
・X線回折測定
X線回折装置(株式会社リガク社製 UltimaIV)を用いて、CuKα(λ=1.542Å)を線源とし、Cu用フィルタ使用、出力1.6kW、操作角0.96~30.0°、測定速度2°/分の条件で測定した。この測定により、4.6Å付近のピークのみを有し、4.1~4.2Å付近のピークを有しない場合は、油脂成分のすべてがβ型油脂であると判断した。
なお、上記X線回析測定の結果から、β型の特徴的ピークである2θ=19°(4.6Å)のピーク強度(G)とα型の特徴的ピークである2θ=21°(4.2Å)のピーク強度(G’)の比率:G/(G+G’)をβ型結晶の存在量を表す指標とする。
【0039】
・融点
DSC(メトラー・トレド社製 DSC1)を使用して、油脂粉末を、2℃/分の昇温速度で加熱し、吸熱曲線を測定した。融点は、加熱により吸熱が完全になくなったベースラインと、最後の吸熱からベースラインへ回帰する立ち上がりのラインとの、交点の温度として求められた。
・ゆるめ嵩密度
実施例などで得られた粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度(g/cm3)は、内径15mm、25mL容のメスシリンダーに、当該メスシリンダーの上部開口端から2cm程度上方から粉末油脂組成物を落下させて疎充填し、充填された質量(g)の測定と容量(mL)の読み取りを行い、mL当たりの当該粉末油脂組成物の質量(g)を算出することで求めた。
・平均粒径
粒度分布測定装置(日機装株式会社製 Microtrac MT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201,ISO9276-1)に基づいて測定した。すなわち、上記の装置に極小容量循環器(日機装株式会社製、装置名:USVR)を取り付け、分散溶媒として水を循環させた。そして、100mlビーカーに試料を0.06g、中性洗剤を0.6g入れ、スパチュラで混合し、混合後に水を30ml加え、超音波洗浄器(アイワ医科工業株式会社製、装置名:AU-16C)に1分間供したものを滴下、循環させて測定した。得られた粒度分布における積算値50%の粒径の測定値(d50)を、平均粒径とした。
・アスペクト比B
粒度分布測定装置(日機装株式会社製 Microtrac MT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201、ISO9276-1)に基づいて平均粒径を計測し平均長径とした。また、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡(株式会社キーエンス製 VE-8800)により直接観察し、任意に選択した粒子について、その厚さ方向の寸法をそれぞれ測定した。厚さの全てを積算して個数で除したものを平均厚さとした。そして、平均粒径を平均厚さで除すことで粉体集合体としての平均アスペクト比を算出し、アスペクト比Bを測定した。
【0040】
<油脂粉末の調製>
以下の油脂粉末Aおよびaを準備した。
(1)油脂粉末A
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリアシルグリセロール(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)25gを80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末状の油脂結晶(融点:69.9℃、ゆるめ嵩密度:0.2g/cm3、アスペクト比B:4.7、平均粒径9.0μm、X線回折測定回析ピーク:2鎖長、特徴ピーク4.6Å、ピーク強度比(G/(G+G’)):0.89)を得た。これを油脂粉末Aとした。
(2)油脂粉末a
パーム極度硬化油を原料として、スプレークーラーによる噴霧冷却で、粉末状の油脂結晶(融点58.2℃、ゆるめ嵩密度:0.5g/cm3、アスペクト比B:1.1、平均粒径121μm、X線回折測定回析ピーク:2鎖長、特徴ピーク4.2Å、ピーク強度比(G/(G+G’):0.03)を得た。これを油脂粉末aとした。
【0041】
<チーズ味固形油脂食品の製造>
表1の配合にしたがって、チーズ味の固形油脂食品を製造した。すなわち、油脂を加熱融解し、レシチン、β-カロテン、フレーバーを溶解して、50℃で維持した。例2、3については、油脂粉末Aまたはaを添加し、プロペラ撹拌機を用いて、550rpmにて撹拌分散した。撹拌しながら、全脂粉乳、チーズパウダー、を順次投入し、撹拌混合した。全ての原材料を撹拌混合した後、混合物を型に分注し、20℃の室温で冷却して、例1~3のチーズ味固形油脂食品を得た。製造時の状態観察(製造適性)と製造したチーズ味固形油脂食品の外観と食味の評価の結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
<レモン&ハーブ風味オリーブ油スプレッドの製造>
表2の配合にしたがって、レモン&ハーブ風味オリーブ油スプレッドを製造した。すなわち、油脂を加熱融解し、オリーブ油を加えて、50℃で維持した。例5、6については、油脂粉末Aまたはaを、その他の粉末(食塩、粉糖、調味料粉末、レモンパウダー、ハーブパウダー)と同時に添加し、ハンドブレンダーで、撹拌分散した。撹拌分散後、20℃で24時間静置して、例4~6のレモン&ハーブ風味オリーブ油スプレッドを得た。各スプレッドの外観、塗り延ばした状態での組織の観察、および食味評価、を行った。結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】
<ピリ辛にんにく風味ごま油スプレッドの製造>
表3の配合にしたがって、ピリ辛にんにく風味ごま油スプレッドを製造した。すなわち、油脂を加熱融解し、ごま油を加えて、50℃で維持した。例8、9については、油脂粉末Aまたはaを、その他の粉末(食塩、粉糖、唐辛子粉末、しょうが粉末、にんにく粉末、フライドオニオン粉末)と同時に添加し、ハンドブレンダーで、撹拌分散した。撹拌分散後、20℃で24時間静置して、例7~9のピリ辛にんにく風味ごま油スプレッドを得た。各スプレッドの外観、塗り延ばした状態での組織の観察、および食味評価、を行った。結果を表3に示した。
【0046】
【表3】
図1