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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】光結合器、光増幅器及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20240924BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20240924BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240924BHJP
   G02B 6/036 20060101ALI20240924BHJP
   H04B 10/291 20130101ALI20240924BHJP
【FI】
H01S3/10 D
G02B6/26
G02B6/02 461
G02B6/036
H04B10/291
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020137388
(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公開番号】P2022033477
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2023-06-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、総務省、「研究開発課題「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」技術課題II「マルチコア大容量光伝送システム技術」」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高坂 繁弘
(72)【発明者】
【氏名】土田 幸寛
(72)【発明者】
【氏名】前田 幸一
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-110171(JP,A)
【文献】特開2012-209430(JP,A)
【文献】特開2017-183564(JP,A)
【文献】特表2010-517112(JP,A)
【文献】特表2017-503189(JP,A)
【文献】特表2010-534354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/10
G02B 6/26
G02B 6/02
G02B 6/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光を伝搬するコア部と、前記コア部を取り囲み、前記コア部よりも屈折率が低い内側クラッド部と、前記内側クラッド部の外周を取り囲み、前記内側クラッド部よりも屈折率が低い外側クラッド部とを少なくとも備え、長手方向の一部において前記外側クラッド部が除去されている主光ファイバと、
前記主光ファイバの前記外側クラッド部が除去された部分における前記内側クラッド部に溶融接続され、前記内側クラッド部に接触する接触領域における平均屈折率が、前記内側クラッド部の屈折率よりも大きい、少なくとも1本の励起光入出力用光ファイバと、
を備え、
前記内側クラッド部は、複数の気泡、又は、隣接する領域とは屈折率が異なる異屈折率領域を含み、
前記励起光入出力用光ファイバを伝搬する励起光が前記接触領域から前記内側クラッド部に結合して前記内側クラッド部を伝搬する、又は前記内側クラッド部を伝搬した前記励起光が前記接触領域から前記励起光入出力用光ファイバに結合して前記励起光入出力用光ファイバを伝搬する
光結合器。
【請求項2】
前記内側クラッド部には、前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において、径方向において前記気泡の存在密度が疎又は密の層又は前記異屈折率領域の層が2層以上存在する
請求項1に記載の光結合器。
【請求項3】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において、前記コア部から、コア径以上離間した位置に存在する
請求項1又は2に記載の光結合器。
【請求項4】
前記気泡の存在領域又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの中心を軸とした回転対称の位置にある
請求項1~3のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項5】
前記気泡の存在領域又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において六方最密格子を規定した場合に、その格子点の位置にある
請求項1~4のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項6】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において六方最密格子を規定した場合に、或る格子点を中心とし、格子点間距離の1/2以下の半径の円環状に存在する
請求項1~5のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項7】
複数の前記異屈折率領域が、前記内側クラッド部内に分散して存在する
請求項1~6のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項8】
前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において、前記内側クラッド部の断面積に対する前記複数の気泡又は前記異屈折率領域の断面積の総計が0.1%以上30%以下である
請求項1~7のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項9】
前記気泡又は前記異屈折率領域の直径は前記内側クラッド部を伝搬する光の波長の1/2000倍以上2倍以下である
請求項1~8のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項10】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において、前記コア部から、コア径以上離間した円環状の領域に存在する
請求項1~9のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項11】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの各コア部の径方向において、略一様に分布している
請求項1~10のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項12】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの軸方向において、略一様に分布している
請求項1~11のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項13】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの各コア部の軸回り方向において、略一様に分布している
請求項1~12のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項14】
複数の前記コア部を備え、前記複数のコア部のうち、前記主光ファイバの中心を軸として前記中心から最も離間したコア部を通る円管状の境界の内側と外側とで、前記気泡又は前記異屈折率領域の存在密度が異なる
請求項1~13のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項15】
一端が前記励起光を出力する励起光源に接続されるとともに、別の一端が前記主光ファイバの前記外側クラッド部が除去された部分における前記内側クラッド部に溶融接続され、前記主光ファイバに前記励起光を供給する励起光供給用光ファイバをさらに備える
請求項1~14のいずれか一つに記載の光結合器。
【請求項16】
励起光源と、
光増幅媒体を含む光増幅コア部を備えるクラッド励起型の光増幅ファイバと、
信号光を伝搬するコア部と、前記コア部を取り囲み、前記コア部よりも屈折率が低い内側クラッド部と、前記内側クラッド部の外周を取り囲み、前記内側クラッド部よりも屈折率が低い外側クラッド部とを少なくとも備え、長手方向の一部において前記外側クラッド部が除去されている主光ファイバと、前記主光ファイバの前記外側クラッド部が除去された部分における前記内側クラッド部に溶融接続され、前記内側クラッド部に接触する接触領域における平均屈折率が、前記内側クラッド部の屈折率よりも大きい、少なくとも1本の励起光入出力用光ファイバと、一端が前記励起光を出力する前記励起光源に接続されるとともに、別の一端が前記主光ファイバの前記外側クラッド部が除去された部分における前記内側クラッド部に溶融接続され、前記主光ファイバに前記励起光を供給する励起光供給用光ファイバと、を備え、前記光増幅ファイバの一端が前記主光ファイバの一端に接続されている第1光結合器と、
信号光を伝搬するコア部と、前記コア部を取り囲み、前記コア部よりも屈折率が低い内側クラッド部と、前記内側クラッド部の外周を取り囲み、前記内側クラッド部よりも屈折率が低い外側クラッド部とを少なくとも備え、長手方向の一部において前記外側クラッド部が除去されている主光ファイバと、前記主光ファイバの前記外側クラッド部が除去された部分における前記内側クラッド部に溶融接続され、前記内側クラッド部に接触する接触領域における平均屈折率が、前記内側クラッド部の屈折率よりも大きい、少なくとも1本の励起光入出力用光ファイバと、を備え、前記光増幅ファイバの別の一端が前記主光ファイバの一端に接続される第2光結合器と、
を備え、
前記第1光結合器および前記第2光結合器の少なくとも一方が、請求項1~14のいずれか一つに記載の光結合器であり、
前記第1光結合器の前記励起光入出力用光ファイバと前記第2光結合器の前記励起光入出力用光ファイバとが接続されている
光増幅器。
【請求項17】
前記光増幅ファイバは、複数の前記光増幅コア部を備える
請求項16に記載の光増幅器。
【請求項18】
前記光増幅コア部は、前記光増幅媒体としてエルビウムを含む
請求項16又は17に記載の光増幅器。
【請求項19】
前記光増幅ファイバは、前記コア部を取り囲み前記コア部の屈折率よりも低い屈折率を有する励起用内側クラッド部と、前記励起用内側クラッド部を取り囲み前記励起用内側クラッド部の屈折率よりも低い屈折率を有する励起用外側クラッド部と、を備え、前記励起用内側クラッド部が、複数の気泡、又は、隣接する領域とは屈折率が異なる異屈折率領域を含む
請求項16~18のいずれか一つに記載の光増幅器。
【請求項20】
請求項16~19のいずれか一つに記載の光増幅器を備える光通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光結合器、光増幅器及び通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、海底光通信等の用途において、光増幅器としてマルチコアEDFA(Erbium-Doped optical Fiber Amplifier)を用いることによって、光増幅器の消費電力が削減されることが期待されている。
【0003】
光増幅器には、消費電力の削減の観点等から励起効率の向上が望まれている。ここで、励起効率とは、励起光のパワーに対する光増幅された信号光のパワーの比で表される。すなわち、励起効率が高いほど、同じ励起光パワーであっても信号光パワーは大きくなる。励起光パワーのうち信号光の光増幅に寄与しなかった分は、例えば熱に変換されて廃棄される。特に、EDFは、他の光増幅媒体であるイッテルビウム(Yb)を含むYDFやエルビウムとイッテルビウムとを含むEYDFに比べて励起効率が低いので、より一層の励起効率の向上が望まれている。そこで、本発明者らは、励起光率を改善すべく、励起光を回生する技術を開示している(非特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】S. Takasaka, K. Maeda, K. Kawasaki, K. Yoshioka, R. Sugizaki, and M. Tsukamoto, “Cladding Pump Recycling Device for 19-core EDFA”, OFC 2019, Th3D.7
【文献】S. Takasaka, K. Maeda, K. Kawasaki, K. Yoshioka, R. Sugizaki, and M. Tsukamoto, “Cladding Pump Recycling in 7-Core EDFA”, ECOC 2018, We1E.5.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光増幅器における励起効率の向上に寄与する光結合器並びにこれを用いた光増幅器及び光通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、信号光を伝搬するコア部と、前記コア部を取り囲み、前記コア部よりも屈折率が低い内側クラッド部と、前記内側クラッド部の外周を取り囲み、前記内側クラッド部よりも屈折率が低い外側クラッド部とを少なくとも備え、長手方向の一部において前記外側クラッド部が除去されている主光ファイバと、前記主光ファイバの前記外側クラッド部が除去された部分における前記内側クラッド部に溶融接続され、前記内側クラッド部に接触する接触領域における平均屈折率が、前記内側クラッド部の屈折率よりも大きい、少なくとも1本の励起光入出力用光ファイバと、を備え、前記内側クラッド部は、複数の気泡、又は、隣接する領域とは屈折率が異なる異屈折率領域を含み、前記励起光入出力用光ファイバを伝搬する励起光が前記接触領域から前記内側クラッド部に結合して前記内側クラッド部を伝搬する、又は前記内側クラッド部を伝搬した前記励起光が前記接触領域から前記励起光入出力用光ファイバに結合して前記励起光入出力用光ファイバを伝搬する光結合器である。
【0007】
前記内側クラッド部には、前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において、径方向において前記気泡の存在密度が疎又は密の層又は前記異屈折率領域の層が2層以上存在するものでもよい。
【0008】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において、前記コア部から、コア径以上離間した位置に存在するものでもよい。
【0009】
前記気泡の存在領域又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの中心を軸とした回転対称の位置にあるものでもよい。
【0010】
前記気泡の存在領域又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において六方最密格子を規定した場合に、その格子点の位置にあるものでもよい。
【0011】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において六方最密格子を規定した場合に、或る格子点を中心とし、格子点間距離の1/2以下の半径の円環状に存在するものでもよい。
【0012】
複数の前記異屈折率領域が、前記内側クラッド部内に分散して存在するものでもよい。
【0013】
前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において、前記内側クラッド部の断面積に対する前記複数の気泡又は前記異屈折率領域の断面積の総計が0.1%以上30%以下であるものでもよい。
【0014】
前記気泡又は前記異屈折率領域の直径は前記内側クラッド部を伝搬する光の波長の1/2000倍以上2倍以下であるものでもよい。
【0015】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの軸方向に直交する断面において、前記コア部から、コア径以上離間した円環状の領域に存在するものでもよい。
【0016】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの各コア部の径方向において、略一様に分布しているものでもよい。
【0017】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの軸方向において、略一様に分布しているものでもよい。
【0018】
前記気泡又は前記異屈折率領域は、前記主光ファイバの各コア部の軸回り方向において、略一様に分布しているものでもよい。
【0019】
複数の前記コア部を備え、前記複数のコア部のうち、前記主光ファイバの中心を軸として前記中心から最も離間したコア部を通る円管状の境界の内側と外側とで、前記気泡又は前記異屈折率領域の存在密度が異なるものでもよい。
【0020】
一端が前記励起光を出力する励起光源に接続されるとともに、別の一端が前記主光ファイバの前記外側クラッド部が除去された部分における前記内側クラッド部に溶融接続され、前記主光ファイバに前記励起光を供給する励起光供給用光ファイバをさらに備えるものでもよい。
【0021】
本発明の一態様は、励起光源と、光増幅媒体を含む光増幅コア部を備えるクラッド励起型の光増幅ファイバと、信号光を伝搬するコア部と、前記コア部を取り囲み、前記コア部よりも屈折率が低い内側クラッド部と、前記内側クラッド部の外周を取り囲み、前記内側クラッド部よりも屈折率が低い外側クラッド部とを少なくとも備え、長手方向の一部において前記外側クラッド部が除去されている主光ファイバと、前記主光ファイバの前記外側クラッド部が除去された部分における前記内側クラッド部に溶融接続され、前記内側クラッド部に接触する接触領域における平均屈折率が、前記内側クラッド部の屈折率よりも大きい、少なくとも1本の励起光入出力用光ファイバと、一端が前記励起光を出力する前記励起光源に接続されるとともに、別の一端が前記主光ファイバの前記外側クラッド部が除去された部分における前記内側クラッド部に溶融接続され、前記主光ファイバに前記励起光を供給する励起光供給用光ファイバと、を備え、前記光増幅ファイバの一端が前記主光ファイバの一端に接続されている第1光結合器と、信号光を伝搬するコア部と、前記コア部を取り囲み、前記コア部よりも屈折率が低い内側クラッド部と、前記内側クラッド部の外周を取り囲み、前記内側クラッド部よりも屈折率が低い外側クラッド部とを少なくとも備え、長手方向の一部において前記外側クラッド部が除去されている主光ファイバと、前記主光ファイバの前記外側クラッド部が除去された部分における前記内側クラッド部に溶融接続され、前記内側クラッド部に接触する接触領域における平均屈折率が、前記内側クラッド部の屈折率よりも大きい、少なくとも1本の励起光入出力用光ファイバと、を備え、前記光増幅ファイバの別の一端が前記主光ファイバの一端に接続される第2光結合器と、を備え、前記第1光結合器および前記第2光結合器の少なくとも一方が、前記光結合器であり、前記第1光結合器の前記励起光入出力用光ファイバと前記第2光結合器の前記励起光入出力用光ファイバとが接続されている光増幅器である。
【0022】
前記光増幅ファイバは、複数の前記光増幅コア部を備えるものでもよい。
【0023】
前記光増幅コア部は、前記光増幅媒体としてエルビウムを含むものでもよい。
【0024】
前記光増幅ファイバは、前記コア部を取り囲み前記コア部の屈折率よりも低い屈折率を有する励起用内側クラッド部と、前記励起用内側クラッド部を取り囲み前記励起用内側クラッド部の屈折率よりも低い屈折率を有する励起用外側クラッド部と、を備え、前記励起用内側クラッド部が、複数の気泡、又は、隣接する領域とは屈折率が異なる異屈折率領域を含むものでもよい。
【0025】
本発明の一態様は、前記光増幅器を備える光通信システムである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、光増幅器における励起効率を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、実施形態1に係る光増幅器の構成を示す模式図である。
図2図2は、マルチコアファイバの構成を示す模式図である。
図3図3は、第1光結合器の構成を示す模式図である。
図4図4は、第1光結合器の主光ファイバの構成を示す模式図である。
図5図5は、第2光結合器の構成を示す模式図である。
図6図6は、第2光結合器の主光ファイバの構成を示す模式図である。
図7図7は、励起光入出力用光ファイバの屈折率分布の一例を示す図である。
図8図8は、第1光結合器の変形例の構成を示す模式図である。
図9図9は、主光ファイバの変形例1の構成を示す模式図である。
図10図10は、主光ファイバの変形例2の構成を示す模式図である。
図11図11は、主光ファイバの変形例3の構成を示す模式図である。
図12図12は、主光ファイバの変形例4の構成を示す模式図である。
図13図13は、主光ファイバの変形例5の構成を示す模式図である。
図14図14は、変形例5の主光ファイバの製造方法の一例の説明図である。
図15図15は、主光ファイバの変形例6の構成を示す模式図である。
図16図16は、変形例6の主光ファイバの製造方法の一例の説明図である。
図17図17は、主光ファイバの変形例7の構成を示す模式図である。
図18図18は、変形例7の主光ファイバの製造方法の一例の説明図である。
図19図19は、実施形態2に係る光通信システムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、図面を参照して実施形態について説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0029】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光増幅器の構成を示す模式図である。図1に示すように、光増幅器100は、7個の光アイソレータ1、光ファイバファンイン(FAN IN)2、半導体レーザ3、第1光結合器4、マルチコアEDF5、第2光結合器6、ポンプストリッパ7、光ファイバファンアウト(FAN OUT)8、7個の光アイソレータ9と、を備えている。なお、図中「×」の記号は光ファイバの融着接続点を示している。
【0030】
光ファイバファンイン2は、束ねられた7本のシングルモード光ファイバ2aと、7個のコア部を有する1本のマルチコアファイバ2bとを備えており、結合部2cにおいて7本のシングルモード光ファイバ2aの各コア部がマルチコアファイバ2bの各コア部に光学結合するように構成されている。なお、7本のシングルモード光ファイバ2aは、例えばITU-T(国際電気通信連合)G.652に定義される標準のシングルモード光ファイバであり、それぞれ光アイソレータ1が設けられている。光アイソレータ1、9は矢印が示す方向に光を通過させ、逆方向への光の通過を遮断する。マルチコアファイバ2bは第1光結合器4に接続されている。なお、束ねられた7本のシングルモード光ファイバ2a及びマルチコアファイバ2bの光学結合する端面は、反射抑制のため光軸に対して斜めに加工されているが、光軸に対して垂直であってもよい。
【0031】
光ファイバファンイン2のマルチコアファイバ2bは、図2に示すように、三角格子状に配置された7個のコア部2baと、コア部2baを取り囲み、コア部2baよりも屈折率が低いクラッド部2bbとを備えている。コア部2baは、マルチコアファイバ2bの軸方向に直交する断面において六方最密格子を規定した場合に、その格子点の位置にあるということもできる。クラッド部2bbの外径は例えば135μmであり、最隣接するコア部2ba同士の間隔は例えば38.5μmである。光ファイバファンイン2の各シングルモード光ファイバ2aに信号光を入力すると、各光アイソレータ1は各信号光を通過させ、マルチコアファイバ2bの各コア部2baは各信号光を伝搬する。
【0032】
励起光源である半導体レーザ3は、横マルチモード半導体レーザであり、励起光を出力する。励起光の波長は、エルビウムイオンの900nm波長帯における吸収ピークの波長と略同一な975nmである。半導体レーザ3は、マルチモード光ファイバから励起光を出力する。このマルチモード光ファイバは、コア径/クラッド径が例えば105μm/125μmのステップインデックス型であり、NAが例えば0.16や0.22である。
【0033】
第1光結合器4は、図3に示すように、主光ファイバ4aと、励起光入出力用光ファイバ4bと、励起光供給用光ファイバ4cと、保護部4dとを備えている。主光ファイバ4aは、図4に示すように、マルチコアファイバ2bのコア部2baと同様に三角格子状(すなわち六方最密状)に配置された7個のコア部4aaと、コア部4aaを取り囲み、コア部4aaよりも屈折率が低い内側クラッド部4abと、内側クラッド部4abを取り囲み、内側クラッド部4abよりも屈折率が低い外側クラッド部4acと、を備えるダブルクラッド型の光ファイバである。コア部4aaと内側クラッド部4abとは石英系ガラスからなり、外側クラッド部4acは樹脂からなる。
【0034】
また、主光ファイバ4aの内側クラッド部4abは、複数の気泡4adを含んでいる。気泡4adは独立気泡であり、たとえば、大気圧よりも低い圧力のガスを含んでいる。
【0035】
図4では、図面に垂直な方向が主光ファイバ4aの軸方向Dzである。また、図4では、主光ファイバ4aの径方向Dr、軸回り方向Dtが規定されている。なお、その他の図でも、図1と同様に、軸方向Dz、径方向Dr、軸回り方向Dtを同様に規定することができる。
【0036】
図3に示すように、長手方向の一部において、外側クラッド部4acが除去されている。そして、外側クラッド部4acが除去された部分4eにおける内側クラッド部4abには、励起光入出力用光ファイバ4bの一端と、励起光供給用光ファイバ4cの一端とが溶融接続されている。保護部4dは外側クラッド部4acが除去された部分4eにおける内側クラッド部4abを保護するように設けられている。
【0037】
励起光供給用光ファイバ4cは、別の一端が半導体レーザ3のマルチモード光ファイバと接続された同種のマルチモード光ファイバであり、コア径/クラッド径が例えば105μm/125μmのステップインデックス型であり、NAが例えば0.16や0.22である。励起光供給用光ファイバ4cは、矢印Ar1で示す励起光(pump)が半導体レーザ3から入力され、この励起光を主光ファイバ4aに供給する。内側クラッド部4abは励起光を伝搬する。
【0038】
なお、励起光入出力用光ファイバ4bからも励起光が内側クラッド部4abに結合して伝搬するが、これについては後に詳述する。
【0039】
主光ファイバ4aは、一端が光ファイバファンイン2のマルチコアファイバ2bに接続されている。マルチコアファイバ2bの各コア部2baは主光ファイバ4aの各コア部4aaに接続されている。従って、マルチコアファイバ2bの各コア部2baを伝搬した各信号光(signal)は、矢印Ar2で示すように主光ファイバ4aに入力すると、各コア部4aaに光学結合する。各コア部4aaは各信号光を伝搬する。励起光と信号光とは、矢印Ar3で示すように主光ファイバ4aからマルチコアEDF5へと出力される。
【0040】
マルチコアEDF5は、第1光結合器4の主光ファイバ4aと同様に、三角格子状(すなわち六方最密状)に配置された7個の光増幅コア部と、光増幅コア部を取り囲み光増幅コア部よりも屈折率が低い内側クラッド部(励起用内側クラッド部)と、内側クラッド部を取り囲み内側クラッド部よりも屈折率が低い外側クラッド部(励起用外側クラッド部)と、を備えている7コア型である。マルチコアEDF5は、光増幅コア部に光増幅媒体としてのエルビウムのイオンを含む、公知のクラッド励起型の光増幅ファイバである。
【0041】
マルチコアEDF5は、一端が第1光結合器4の主光ファイバ4aに接続されている。マルチコアEDF5の各コア部は主光ファイバ4aの各コア部4aaに接続されている。また、マルチコアEDF5の内側クラッド部は主光ファイバ4aの内側クラッド部4abに接続されている。従って、主光ファイバ4aを伝搬した各信号光及び励起光は、マルチコアEDF5に入力すると、それぞれ各光増幅コア部と内側クラッド部を同一方向に伝搬する。励起光は内側クラッド部を伝搬しながら各光増幅コア部内のエルビウムを光励起する。各光増幅コア部を伝搬する各信号光はエルビウムの誘導放出の作用により光増幅される。マルチコアEDF5は、光増幅された各信号光と、光増幅に寄与しなかった励起光とを出力する。
【0042】
第2光結合器6は、図5に示すように、主光ファイバ6aと、励起光入出力用光ファイバ6bと、保護部6dとを備えている。主光ファイバ6aは、図6に示すように、主光ファイバ4aのコア部4aaと同様に三角格子状(すなわち六方最密状)に配置された7個のコア部6aaと、コア部6aaを取り囲み、コア部6aaよりも屈折率が低い内側クラッド部6abと、内側クラッド部6abを取り囲み、内側クラッド部6abよりも屈折率が低い外側クラッド部6acと、を備えるダブルクラッド型の光ファイバである。コア部6aaと内側クラッド部6abとは石英系ガラスからなり、外側クラッド部6acは樹脂からなる。
【0043】
また、主光ファイバ6aの内側クラッド部6abは、複数の気泡6adを含んでいる。気泡6adは独立気泡であり、たとえば、大気圧よりも低い圧力のガスを含んでいる。
【0044】
図5に示すように、長手方向の一部において、外側クラッド部6acが除去されている。そして、外側クラッド部6acが除去された部分6eにおける内側クラッド部6abには、励起光入出力用光ファイバ6bが溶融接続されている。保護部6dは外側クラッド部6acが除去された部分6eにおける内側クラッド部6abを保護するように設けられている。
【0045】
主光ファイバ6aは、一端がマルチコアEDF5に接続されている。マルチコアEDF5の各コア部は主光ファイバ6aの各コア部6aaに接続されている。また、マルチコアEDF5の内側クラッド部は主光ファイバ6aの内側クラッド部6abに接続されている。従って、マルチコアEDF5から出力された光増幅された各信号光と、光増幅に寄与しなかった励起光とは、矢印Ar4で示すように主光ファイバ6aに入力すると、それぞれ各コア部6aaと内側クラッド部6abとを伝搬する。
【0046】
ここで、第2光結合器6では、励起光入出力用光ファイバ6bは、主光ファイバ6aの内側クラッド部6abに融着接続されて、接触領域6baにおいて接触する。この接触領域6baにおける平均屈折率は、内側クラッド部6abの屈折率よりも大きくなっている。その結果、内側クラッド部6abを伝搬する励起光は、少なくともその一部が接触領域6baから励起光入出力用光ファイバ6bに結合し、励起光入出力用光ファイバ6bを伝搬する。このときの結合は、励起光が内側クラッド部6abの側面から励起光入出力用光ファイバ6bに結合する、いわゆる横結合型である。また、励起光入出力用光ファイバ6bは主光ファイバ6aにおける励起光の伝搬方向と鋭角をなすように配置されるので、励起光と結合しやすい。
ここで、平均屈折率は、例えば以下の式で定義される。
【数1】
n(r)は、例えば励起光入出力用光ファイバ6bにおける、純石英ガラスに対する比屈折率差の、径(r)についての依存性を示す関数であり、rは光が伝搬する領域の外径である。
【0047】
また、図1に示すように、第2光結合器6の励起光入出力用光ファイバ6bと第1光結合器4の励起光入出力用光ファイバ4bとは接続されている。従って、図5にて矢印Ar5で示すように励起光入出力用光ファイバ6bを伝搬して出力した励起光は、図3にて矢印Ar5で示すように励起光入出力用光ファイバ4bに入力して伝搬する。
【0048】
さらに、励起光入出力用光ファイバ4bの、主光ファイバ4aの内側クラッド部4abに融着接続されて接触する接触領域4baにおける平均屈折率も、内側クラッド部4abの屈折率よりも大きくなっている。その結果、励起光は、励起光入出力用光ファイバ4bから内側クラッド部4abに結合し、励起光供給用光ファイバ4cから供給された励起光とともに内側クラッド部4abを伝搬する。このときの結合も、励起光が励起光入出力用光ファイバ4bから内側クラッド部4abの側面に結合する横結合型である。なお、励起光入出力用光ファイバ4bも、主光ファイバ4aにおける励起光の伝搬方向と鋭角をなすように配置されるので、励起光は内側クラッド部4abに結合しやすい。
【0049】
一方、主光ファイバ6aの各コア部6aaを伝搬した各信号光は、矢印Ar6で示すように主光ファイバ6aからポンプストリッパ7へと出力される。なお、励起光入出力用光ファイバ6bに結合しなかった励起光も主光ファイバ6aからポンプストリッパ7へと出力される。
【0050】
ポンプストリッパ7は、第2光結合器6の主光ファイバ6aから出力された励起光を排除する公知のデバイスである。ポンプストリッパ7は、例えば、7個のコアを有するダブルクラッド型マルチコアファイバの外側クラッドの一部が除去されており、除去された部分の内側クラッド部の表面から励起光を取り出して放熱板などに照射し、吸収させて励起光のエネルギーを熱エネルギーに変換して放熱する構成を有する。ポンプストリッパ7はマルチコアファイバによって各信号光を伝搬させるとともに、励起光を、光増幅器100から出力されても問題の無い程度のパワーまで低減させる。
【0051】
光ファイバファンアウト8は、光ファイバファンイン2と同様に、束ねられた7本のシングルモード光ファイバと、7個のコア部を有する1本のマルチコアファイバとを備えており、結合部において7本のシングルモード光ファイバの各コア部がマルチコアファイバの各コア部に光学結合するように構成されている。各シングルモード光ファイバには、それぞれ光アイソレータ9が設けられている。マルチコアファイバはポンプストリッパ7に接続されている。なお、束ねられた7本のシングルモード光ファイバ及びマルチコアファイバの光学結合する端面は、反射抑制のため光軸に対して斜めに加工されているが、光軸に対して垂直であってもよい。
【0052】
ポンプストリッパ7のマルチコアファイバの各コア部から光ファイバファンアウト8の各コア部に信号光が入力すると、各信号光は各シングルモード光ファイバの各コア部を伝搬し、光アイソレータ9を通って出力する。
【0053】
この光増幅器100によれば、半導体レーザ3から出力され、第1光結合器4を介してマルチコアEDF5に供給された励起光のうち、マルチコアEDF5において光励起に寄与しなかった励起光の少なくとも一部は、第2光結合器6によって回収される。回収された励起光は、励起光入出力用光ファイバ6b、励起光入出力用光ファイバ4bを通って第1光結合器4に入力されて励起光として回生され、再びマルチコアEDF5に供給される。これにより、光増幅器100における励起効率を向上することができる。
【0054】
さらに、この光増幅器100では、第2光結合器6の主光ファイバ6aの内側クラッド部6abにおいて、複数の気泡6adが、内側クラッド部6abを伝搬する励起光を散乱させる。その結果、散乱が無ければ励起光入出力用光ファイバ6bに結合しない空間モードを伝搬している励起光が、散乱により励起光入出力用光ファイバ6bに結合する空間モードに変換される。そのため、内側クラッド部6abを伝搬する励起光のうち、励起光入出力用光ファイバ6bと結合する成分が多くなる。その結果、第2光結合器6における励起光の回収量が多くなる。その結果、第1光結合器4に入力されて回生され、再びマルチコアEDF5に供給される励起光の量も多くなる。その結果、励起効率はさらに向上する。
【0055】
さらに、この光増幅器100では、第1光結合器4の主光ファイバ4aの内側クラッド部4abにおいて、複数の気泡4adが、内側クラッド部4abを伝搬する励起光を散乱させる。その結果、内側クラッド部6abを伝搬してマルチコアEDF5の内側クラッド部に入力された励起光のうち、光増幅コア部に到達する成分が多くなる。たとえば、マルチコアEDF5のようなクラッド励起方式の場合、通常は光増幅コア部に到達しないように伝搬するスキュー成分のような励起に寄与しない未使用成分が存在する。しかしながら、第2光結合器6では、スキュー成分などの未使用成分が気泡6adによって散乱されて、その一部がマルチコアEDF5で光増幅コア部に到達し、エルビウムの光励起に使用され得る。なお、励起光は内側クラッド部6ab及びマルチコアEDF5の内側クラッド部をマルチモードで伝搬するため、スキュー成分も様々な角度で伝搬するモードがあり得る。これらの様々なスキュー成分が気泡6adによって散乱されることで、その一部がマルチコアEDF5で光増幅コア部に到達し、エルビウムの光励起に使用され易くなり得る。
【0056】
なお、主光ファイバ4a、6aにおいて、図4、6に示すような軸方向Dzに直交する断面において、内側クラッド部4ab、6abの断面積に対する複数の気泡4ad、6adの断面積の総計を断面積比とすると、断面積比は、たとえば0.1%以上30%以下が好ましく、1%以上がさらに好ましい。断面積比が0.1%以上であれば、複数の気泡4ad、6adによる励起効率の改善効果が発揮され易く、1%以上であればさらに改善効果が発揮され易い。また、断面積比が30%以下であれば、主光ファイバ4a、6aを所望の光学特性で製造することが容易である。また、断面積比が30%より大きい場合は、励起光を散乱させる効果が強くなりすぎ、主光ファイバ4a、6aにおける励起光の伝搬損失が増大する場合がある。この場合、気泡が励起光を散乱することにより励起効率が改善される効果を、伝搬損失の増大により励起効率が劣化する効果が上回ることがある。
【0057】
また、図4、6のような断面における気泡4ad、6adの直径の平均は、それぞれコア部4aa、6aaのコア径の1/20倍より大きく2倍より小さいことが好ましい。気泡の直径がコア部のコア径の1/20倍より大きければ気泡による光散乱の効果が発揮され易い。気泡の直径は励起光の波長程度以上であることがより好ましい。また、気泡の直径がコア径の2倍より小さければ、気泡によりコア部が変形するなどの影響を抑制できる。気泡4ad、6adの直径はコア径より小さいことがより好ましい。
【0058】
また、別の観点からは、図4、6のような断面における気泡4ad、6adの直径、内側クラッド部4ab、6abを伝搬する光(励起光)の波長の1/2000倍以上2倍以下であるが好ましい。散乱体である気泡の直径が励起光の波長の1/20倍以上2倍以下である場合、気泡による光の散乱は主にミー散乱である。気泡の直径が励起光の波長の1/2000倍以上1/20倍以下である場合、気泡による光の散乱は主にレイリー散乱である。このように、粒子状の物質や屈折率変化に光波が衝突する場合、その大きさによって散乱の種類が異なる。ここで、ミー散乱では前方散乱が主であり、レイリー散乱は等方散乱であるが、いずれの散乱も励起効率の改善に寄与すると考えられる。たとえば、これらの散乱の散乱方向の特性を利用して、コア部の配置や内側クラッド部における励起光の電界分布等に応じて、直径が異なる気泡を空間的に分布させて、励起効率の改善の度合いを高めてもよい。たとえば、レイリー散乱は、伝搬方向を大きく変更させるほうが効果的な場合は、励起効率の改善に対する貢献が大きい。気泡の直径を制御する方法については後に詳述する。
【0059】
なお、気泡の断面が円形ではない場合、気泡の直径は、その気泡の断面積に等しい円の直径として定義してもよい。
【0060】
また、複数の気泡4ad、6adは、内側クラッド部4ab、6ab内でランダムに存在していれば、励起光散乱効果が各コア部4aa、6aaに対して均一に作用し易いので好ましい。複数の気泡が内側クラッド部内でランダムに存在しているとは、内側クラッド部内で気泡の分布に偏りがなく、略一様に分布していると言い換えることができる。従って、たとえば、気泡は、軸方向Dzにおいて略一様に分布していることが好ましい。
【0061】
たとえば、内側クラッド部4ab、6abの図4、6の断面から、軸方向Dzに、主光ファイバ4a、6aの長さの1%~5%程度の、長さに対して小さい距離だけ移動しただけで断面における気泡の存在位置が異なってもよい。
【0062】
また、同様に、たとえば、気泡4ad、6adは、径方向Drにおいて略一様に分布していることが好ましい。また、気泡4ad、6adは、各コア部4aa、6aaの径方向において略一様に分布していることが好ましい。また、たとえば、気泡4ad、6adは、軸回り方向Dtにおいて略一様に分布していることが好ましい。この場合、軸回り方向Dtにおいて基準角度位置から0度~60度の範囲での気泡4ad、6adの存在位置と、60度~120度の範囲での気泡4ad、6adの存在位置とが異なってもよい。また、気泡4ad、6adは、各4aa、6aaの軸回り方向において略一様に分布していることが好ましい。
【0063】
主光ファイバ4a、6aは、たとえばスタック法や穿孔法などの公知のマルチコアファイバの製造方法を利用して製造することができる。なお、気泡4ad、6adは、公知の方法、たとえば特開2018-162170号公報に記載のような微粒子を用いる方法を用いて、たとえば内側クラッド部4ab、6ab内に形成することができる。
【0064】
また、微粒子を用いる方法において、たとえば、結晶石英微粒子と石英ガラス微粒子とを混合した微粒子を用いてもよい。このとき、結晶石英微粒子には、固溶度が石英ガラス微粒子における固溶度よりも高いガス、たとえばヘリウムガスを固溶させておいてもよい。これにより、熱処理にて結晶石英微粒子が溶けるとヘリウムガスが発泡し、内側クラッド部4ab、6ab内に気泡4ad、6adが形成される。
【0065】
つぎに、励起光入出力用光ファイバ4b、6bの好ましい特性について例示する。上述したように、励起光入出力用光ファイバ4b、6bは、主光ファイバ4a、6aの内側クラッド部4ab、6abに接触する接触領域4ba、6baにおける平均屈折率が、内側クラッド部4ab、6abの屈折率よりも大きい。このような条件は、例えば内側クラッド部4ab、6abを純石英ガラスで構成し、励起光入出力用光ファイバ4b、6bを、商用のGI(Graded Index)ファイバのコア部と同じ屈折率分布を有し、商用のGIファイバにおけるクラッド部が存在しないような光ファイバ(以下、クラッド無しGIファイバと呼ぶことがある)とすることで実現できる。また、励起光入出力用光ファイバ4b、6bは、商用のSI(Step Index)ファイバにおける石英系ガラスからなるコア部のみ線引きして、低屈折率樹脂で被覆することでも実現できる。
【0066】
図7は、励起光入出力用光ファイバの屈折率分布の一例を示す図である。横軸は光ファイバの中心軸からの径方向への位置を示し、縦軸は純石英ガラスに対する比屈折率差(Δn)を示している。この励起光入出力用光ファイバはクラッド無しGIファイバであり、直径が約120μmである。中心軸付近における比屈折率差の最大値は約2%であり、位置が±60μm(すなわち光ファイバの外周)における比屈折率差は略ゼロ、すなわち屈折率としては純石英ガラスと略同じである。このようなクラッド無しGIファイバを励起光入出力用光ファイバ4b、6bとして使用し、内側クラッド部4abを純石英ガラスで構成すると、内側クラッド部4abの屈折率に対する励起光入出力用光ファイバ4bの接触領域4baにおける平均屈折率の比屈折率差が、0.83%程度となる。
【0067】
なお、内側クラッド部4abの屈折率に対する励起光入出力用光ファイバ4bの接触領域4baにおける平均屈折率の比屈折率差が、0.05%以上であることが、励起光の効果的な回収の観点から好ましい。同様に、内側クラッド部6abの屈折率に対する励起光入出力用光ファイバ6bの接触領域6baにおける平均屈折率の比屈折率差が、0.05%以上であることが、励起光の効果的な回収の観点から好ましい。
【0068】
また、励起光入出力用光ファイバ4bと励起光入出力用光ファイバ6bとが同一の光ファイバであれば、励起光入出力用光ファイバ4bと励起光入出力用光ファイバ6bとの接続点における接続損失を低減できるので、回収した励起光を効率良く回生させる観点から、より好ましい。また、励起光入出力用光ファイバ4bの屈折率分布と励起光入出力用光ファイバ6bの屈折率分布との差異が、比屈折率差にして±0.2%の範囲内であれば、回収した励起光を効率良く回生させる観点から、より好ましい。
【0069】
また、励起光入出力用光ファイバ4bの屈折率分布と励起光入出力用光ファイバ6bとが同一の光ファイバでない場合に、励起光入出力用光ファイバ6bの開口数が、励起光入出力用光ファイバ4bの開口数以下であれば、励起光入出力用光ファイバ4bと励起光入出力用光ファイバ6bとの接続点における接続損失を低減できるので好ましい。
【0070】
(変形例)
図8は、第1光結合器の変形例の構成を示す模式図である。この変形例の第1光結合器4Aは、図3及び図4に示す第1光結合器4において、励起光供給用光ファイバ4cを励起光供給用光ファイバ4Acに置き換えた構成を有する。励起光供給用光ファイバ4Acは、励起光入出力用光ファイバ4bと同じ光ファイバである。その結果、励起光供給用光ファイバ4Acの、主光ファイバ4aの内側クラッド部4abに融着接続されて接触する接触領域4Acaにおける平均屈折率も、内側クラッド部4abの屈折率よりも大きくなる。これにより、矢印Ar1のように半導体レーザ3から入力された励起光の内側クラッド部4abに対する結合効率を向上させることができ、励起効率も向上する。
【0071】
また、他の変形例に係る第1光結合器、第2光結合器として、それぞれが複数の励起光入出力用光ファイバを備えていてもよい。これらの第1光結合器、第2光結合器を備えた光増幅器において、第1光結合器の各励起光入出力用光ファイバが第2光結合器のいずれかの励起光入出力用光ファイバと接続されていれば、複数の光ファイバ経路にて励起光を回収、回生できるので、励起効率がより一層向上する。
【0072】
また、実施形態1の変形例に係る光増幅器として、主光ファイバ同士が直列接続された複数の第2光結合器を設け、第1光結合器に励起光入出力用光ファイバを複数設けてもよい。そして、各第2光結合器の励起光入出力用光ファイバが、第1光結合器のいずれかの励起光入出力用光ファイバと接続される構成とすれば、複数の光ファイバ経路にて励起光を回収、回生できるので、励起効率がより一層向上する。
【0073】
また、実施形態1の他の変形例に係る光増幅器として、第2光結合器に励起光入出力用光ファイバを複数設け、これらの励起光入出力用光ファイバと、第1光結合器の励起光入出力用光ファイバとを光学接続する励起光合波器を設けてもよい。これにより、複数の光ファイバ経路にて励起光を回収できるとともに、第1光結合器が備えるべき励起光入出力用光ファイバの数は比較的少なくてよいので第1光結合器の構造を簡易なものとできる。なお、励起光合波器は、第1光結合器等と同様に横結合型の光合波器でもよいし、TFB(Tapered Fiber Bundle)などで採用されている端面結合型の光合波器でもよい。
【0074】
(主光ファイバの変形例)
つぎに、第1光結合器の主光ファイバ及び第2光結合器の主光ファイバとして適用できる主光ファイバの変形例について説明する。
【0075】
(変形例1)
図9は、主光ファイバの変形例1の構成を示す模式図であって、主光ファイバの軸方向に垂直な断面を示している。主光ファイバ14aは、図4に示す主光ファイバ4aと比較して、内側クラッド部4abに、各コア部4aaを取り囲む領域R1が存在する点で異なる。
【0076】
各領域R1は、各コア部4aaと同心円状の領域であり、取り囲むコア部4aaのコア径のたとえば3倍以上の直径を有し、各コア部4aaに沿って軸方向Dzに伸びている円管状の領域である。そして、この領域R1には気泡4adは含まれていない。
【0077】
以上のように構成された主光ファイバ14aでは、気泡4adは、主光ファイバ14aの軸方向Dzに直交する断面において、各コア部4aaから、コア径以上離間、たとえばコア径の3倍以上離間した位置に存在する。その結果、主光ファイバ14aを用いて第1光結合器や第2光結合器を構成した光増幅器であれば、内側クラッド部4ab中の励起光入出力用光ファイバ6bに結合しないモードを伝搬している光が、気泡4adにより散乱され、励起光入出力用光ファイバ6bに結合するモードに変換されることを通じて、残留励起光の回収率が向上する。また、さらには、気泡4adが、各コア部4aaから比較的離れているので、各コア部4aaの光伝搬特性に影響を与えることを抑制することもできる。
【0078】
主光ファイバ14aは、公知のマルチコアファイバの製造方法を利用して製造することができる。たとえば、スタック法の場合は、コア部4aaとなる部分と領域R1となる部分を含む7本のガラスロッドであるコアロッドを、内側クラッド部4abの一部となるガラス管の中にスタックする。つづいて、コアロッドとガラス管との間の隙間に、気泡を含み、内側クラッド部4abの一部となるガラスロッドをスタックし、母材を形成する。つづいて、この母材を線引きし、外側クラッド部4acを形成する。また、穿孔法の場合は、内側クラッド部4abの一部となる、気泡を含む比較的太径のガラスロッドである母材ロッドに、軸方向に平行に延びる孔を7つ形成し、各孔にコアロッドを挿入し、母材を形成する。つづいて、この母材を線引きし、外側クラッド部4acを形成する。
【0079】
(変形例2)
図10は、主光ファイバの変形例2の構成を示す模式図であり、主光ファイバの軸方向に垂直な断面を示している。主光ファイバ24aは、図4に示す主光ファイバ4aと比較して、内側クラッド部4abに領域R2、R3が存在している点で異なる。なお、図10では、気泡の図示を省略している。
【0080】
領域R2は、内側クラッド部4abにおいて、正六角形の角の位置となるように配置されている6個のコア部4aaの中心を通り、軸方向Dzに伸びている円筒状の領域である。領域R3は、内側クラッド部4abにおいて、領域R2の外周側に位置し、軸方向Dzに伸びている円管状の領域である。領域R2と領域R3との境界は、主光ファイバ24aの中心から最も離間したコア部4aaを通る円管状の境界の一例である。なお、境界の軸は主光ファイバ24aの中心である。
【0081】
主光ファイバ24aは、境界の内側の領域R2と、境界の外側の領域R3とで気泡4adの存在密度が異なる。たとえば、領域R2における存在密度は、領域R3における存在密度よりも高い。またたとえば、領域R2における存在密度は、領域R3における存在密度よりも低い。
【0082】
以上のように構成された主光ファイバ24aを用いて第1光結合器や第2光結合器を構成した光増幅器であれば、励起効率が改善される。また、主光ファイバ24aでは、コア部4aaが主に存在する領域R2と、内側クラッド部4abの外縁側でスキュー成分が比較的多い領域R3とで、散乱光の発生の程度を異ならせることができる。たとえば、領域R2における気泡の存在密度を高くして、コア部4aaが主に存在する領域R2で散乱を多数発生させてもよいし、領域R3における気泡の存在密度を高くして、スキュー成分の散乱を多数発生させてもよい。各領域における存在密度の設計は、第1光結合器や第2光結合器の設計や要求特性に応じて適宜設定することができる。
【0083】
主光ファイバ24aは、公知のマルチコアファイバの製造方法を利用して製造することができる。たとえば、穿孔法の場合は、気泡の存在密度が場所によって異なるように、内側クラッド部4abの一部となる母材ロッドを形成する。このような母材ロッドは、たとえばジャケット法によって作製することができる。つづいて、この母材ロッドに、軸方向に平行に延びる孔を7つ形成し、各孔にコア部4aaとなる部分と内側クラッド部4abの一部となる部分とを含むコアロッドを挿入し、母材を形成する。つづいて、この母材を線引きし、外側クラッド部4acを形成する。また、スタック法の場合は、コアロッドを、内側クラッド部4abの一部となるガラス管の中にスタックする。つづいて、コアロッドとガラス管との間の隙間に、気泡を含み、内側クラッド部4abの一部となるガラスロッドをスタックし、母材を形成する。この際、スタックする場所に応じて、気泡の存在密度が異なるガラスロッドを用いることで、気泡の存在密度が場所によって異なるようにできる。
【0084】
(変形例3)
図11は、主光ファイバの変形例3の構成を示す模式図であって、主光ファイバの軸方向に垂直な断面を示している。主光ファイバ34aは、図4に示す主光ファイバ4aと比較して、内側クラッド部4abに領域R4が存在し、領域R4にのみ気泡4adが存在している点で異なる。なお、図11では、気泡の図示を省略している。
【0085】
各領域R4は、各コア部4aaと同心円状の領域であり、各コア部に沿って軸方向Dzに伸びている円管状の領域である。各領域R4は、主光ファイバ34aの軸方向Dzに直交する断面において、各コア部4aaから、コア径以上離間した円環状の領域に存在してもよい。
【0086】
以上のように構成された主光ファイバ34aを用いて第1光結合器や第2光結合器を構成した光増幅器であれば、励起効率が改善される。また、主光ファイバ34aでは、気泡4adが各コア部4aaの光伝搬特性に影響を与えることを抑制することができる。また、各コア部4aaに対する領域R4での気泡の存在密度を互いに異なる値とすれば、気泡の効果を異なる程度に調整できる。
【0087】
主光ファイバ34aは、公知のマルチコアファイバの製造方法を利用して製造することができる。たとえば、穿孔法の場合は、母材ロッドに、軸方向に平行に延びる孔を7つ形成し、各孔にコア部4aaとなる部分と内側クラッド部4abの一部となる部分とを含むガラスロッドであるコアロッドを挿入し、母材を形成する。つづいて、この母材を線引きし、外側クラッド部4acを形成する。
【0088】
上記方法において、コアロッドの外周面又はガラスロッドの孔の内表面を比較的粗くすると、その後の熱処理において、コアロッドの外周面とガラスロッドの孔の内表面との界面に気泡が発生する。気泡が発生する熱処理は、たとえば母材の脱水工程や母材ロッドとコアロッドとの一体化工程や線引き工程である。これにより、領域R4となる、気泡が存在する気泡領域が形成される。コアロッドの外周面又はガラスロッドの孔の内表面を比較的粗くする方法としては、たとえば以下の方法がある。たとえば、当該表面をフッ酸などの化学処理にて表面粗処理を行なう。この場合、表面に、複数の孔が開いたテフロン(登録商標)などのマスク層を形成し、マスク層の上から化学処理を行ってもよい。又は、当該表面に長手方向に沿って複数の直線状の溝や、1又は複数の螺旋状の溝を形成して粗くしてもよい。
【0089】
また、母材を形成する際に、ガラスロッドの孔とコアロッドとの間の隙間に多数のガラス管を挿入し、熱処理にてガラス管の孔が閉塞しないように線引きまでを行えば、長手方向に連続した気泡が形成される。
【0090】
(変形例4)
図12は、主光ファイバの変形例4の構成を示す模式図である。この主光ファイバ44aは、図4に示す主光ファイバ4aにおいて、内側クラッド部4abを内側クラッド部4aeに置き換えた構成を有する。
【0091】
内側クラッド部4aeは、断面が円形の内側クラッド部4ae1と、内側クラッド部4ae1を取り囲む円環状かつ層状の気泡領域4ae2と、気泡領域4ae2を取り囲む円環状かつ層状の内側クラッド部4ae3と、内側クラッド部4ae3を取り囲む円環状かつ層状の気泡領域4ae4と、気泡領域4ae4を取り囲む円環状かつ層状の内側クラッド部4ae5と、を備えている。内側クラッド部4ae1、4ae3、4ae5と、気泡領域4ae2、4ae4とは、いずれも内側クラッド部4abと同様のガラス材料で構成できる。気泡領域4ae2、4ae4は、ガラス材料に複数の気泡を含む領域である。内側クラッド部4ae1、4ae3、4ae5は、本実施形態では気泡を含んでいないが、気泡領域4ae2、4ae4よりも低い存在密度で気泡を含んでいてもよい。
【0092】
内側クラッド部4ae3、4ae5を気泡の存在密度が疎の層、気泡領域4ae2、4ae4を気泡の存在密度が密の層とすると、内側クラッド部4aeには、径方向において気泡の存在密度が疎又は密の層が2層以上である4層存在する。
【0093】
以上のように構成された主光ファイバ44aを用いて第1光結合器や第2光結合器を構成した光増幅器であれば、励起効率が改善される。また、径方向において気泡の存在密度が疎又は密の層の数や厚さや気泡の存在密度の調整によって、気泡の効果を調整できる。たとえば、気泡の存在密度が疎又は密の層は、それぞれ1層以上、合計2層以上となるように適宜設計できる。
【0094】
主光ファイバ44aは、公知のマルチコアファイバの製造方法を利用して製造することができる。たとえば、穿孔法の場合は、母材ロッドに、軸方向に平行に延びる孔を7つ形成し、各孔にコア部4aaとなる部分と内側クラッド部4ae1の一部となる部分とを含むガラスロッドであるコアロッドを挿入し、母材を形成する。つづいて、この母材を線引きし、外側クラッド部4acを形成する。
【0095】
上記方法において用いる母材ロッドは、たとえば、VAD(Vapor-phase Axial Deposition)法、OVD(Outside Vapor Deposition)法、MCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法、又はプラズマCVD法を用いて作製することができる。このとき、母材ロッドは、ガラス微粒子からなるスート層として、内側クラッド部4ae1となるスート層、内側クラッド部4ae3となるスート層、内側クラッド部4ae5となるスート層を堆積し、熱処理によって脱水、ガラス化して形成する。このとき、隣接するスート層として、互いに組成が異なる材料である異組成材料からなるスート層を堆積すると、その後の熱処理において、スート層の界面に気泡が発生し、気泡領域4ae2、4ae4となる部分が形成される。異組成材料は、たとえば、フッ素(F)、ゲルマニウム(G)、リン(P)、ナトリウム(Na)やカリウム(K)などのアルカリ金属、塩素(Cl)などのドーパントを添加した石英ガラスである。上記ドーパントは、石英ガラスの粘性を変化させるドーパントの一例である。上記ドーパントの添加により、熱処理において異組成材料の界面に応力が掛かり、気泡が発生すると考えられる。なお、上記ドーパントは石英ガラスの屈折率を変化させるドーパントでもある。上記ドーパントから選ばれる1又は複数のドーパントを添加する、又はドーパントを添加しないことによって、スート層同士の屈折率を等しくすることが好ましい。
【0096】
上記方法において用いる母材ロッドは、ジャケット法でも作製できる。この場合、内側クラッド部4ae1となるガラスロッドを、内側クラッド部4ae3となるジャケット管に挿入し、これをさらに内側クラッド部4ae5となるジャケット管に挿入し、熱処理によって一体化して形成する。ジャケット法の場合は、異組成材料からなるガラスロッドとジャケット管を用いてもよいし、コアロッドの外周面又はジャケット管の内外表面を比較的粗くしてもよい。
【0097】
(変形例5)
図13は、主光ファイバの変形例5の構成を示す模式図である。この主光ファイバ54aは、図4に示す主光ファイバ4aにおいて、内側クラッド部4abを内側クラッド部4afに置き換えた構成を有する。内側クラッド部4afは、内側クラッド部4abに、断面が円環状の気泡領域4af1が複数設けられた構成を有する。本実施形態では気泡領域4af1の数は6であるが、その数は限定されない。気泡領域4af1は気泡の存在領域の一例である。
【0098】
気泡領域4af1は、コア部4aaが形成する正六角形の外周側に位置する。また、気泡領域4af1は、主光ファイバ54aの中心を軸とした回転対称の位置にあり、本実施形態では6回回転対称の位置にある。また、各気泡領域4af1は、主光ファイバ54aの軸方向に直交する断面において六方最密格子を規定した場合に、その格子点の位置にある。
【0099】
以上のように構成された主光ファイバ54aを用いて第1光結合器や第2光結合器を構成した光増幅器であれば、励起効率が改善される。また、気泡領域4af1の位置や回転対称性の調整によって、気泡の効果を調整できる。たとえば、回転対称は2回回転対称や3回回転対称でもよい。
【0100】
なお、気泡領域4af1は、コア部4aaが形成する正六角形の内周側又は同一周上に位置してもよい。
【0101】
主光ファイバ54aは、公知のマルチコアファイバの製造方法を利用して製造することができる。たとえば、穿孔法の場合を、図14を参照して説明する。
【0102】
すなわち、図14に示すように、内側クラッド部4afの一部となる母材ロッド51に、軸方向に平行に延びる孔51aを7つ、孔51bを6つ形成する。そして、孔51aにコアロッド52を挿入し、孔51bにガラスロッド53を挿入し、母材を形成する。なお、コアロッド52は、コア部4aaとなるコア部52aと、コア部52aを取り囲み、内側クラッド部4afの一部となるクラッド部52bとを備えるものである。つづいて、この母材を線引きし、外側クラッド部4acを形成する。
【0103】
母材ロッド51とガラスロッド53とは、互いに異組成材料からなる。これにより、その後の熱処理において、母材ロッド51とガラスロッド53との界面に気泡が発生し、気泡領域4af1となる部分が形成される。なお、母材ロッド51とガラスロッド53を異組成材料からなるものとする方法に換えて、又はその方法と合わせて、ガラスロッド53の外周面又は孔51bの内表面を比較的粗くしてもよい。さらには、これらの方法とは別に、又はこれらの方法と組み合わせて、孔51bとガラスロッド53との間の隙間に多数のガラス管を挿入し、熱処理にてガラス管の孔が閉塞しないように線引きまでを行ない、長手方向に連続した気泡を形成する方法を行ってもよい。
【0104】
(変形例6)
図15は、主光ファイバの変形例6の構成を示す模式図である。この主光ファイバ64aは、図4に示す主光ファイバ4aにおいて、内側クラッド部4abを内側クラッド部4agに置き換えた構成を有する。内側クラッド部4agは、内側クラッド部4abに、断面が円形状の気泡領域4ag1が複数設けられた構成を有する。本実施形態では気泡領域4ag1の数は12であるが、その数は限定されない。気泡領域4ag1は気泡の存在領域の一例である。
【0105】
気泡領域4ag1は、コア部4aaが形成する正六角形の外周側に位置する。また、気泡領域4ag1は、主光ファイバ64aの中心を軸とした回転対称の位置にあり、本実施形態では6回回転対称の位置にある。また、各気泡領域4ag1は、主光ファイバ64aの軸方向に直交する断面において六方最密格子を規定した場合に、その格子点の位置にある。さらには、本実施形態では、各コア部4aa及び各気泡領域4ag1が、同じ六方最密格子の格子点の位置にある。
【0106】
以上のように構成された主光ファイバ64aを用いて第1光結合器や第2光結合器を構成した光増幅器であれば、励起効率が改善される。また、気泡領域4ag1の位置や数や回転対称性の調整によって、気泡の効果を調整できる。
【0107】
なお、気泡領域4ag1は、コア部4aaが形成する正六角形の内周側又は同一周上に位置してもよい。また、気泡領域4ag1の数は12から適宜増減させてもよい。
【0108】
主光ファイバ64aは、公知のマルチコアファイバの製造方法を利用して製造することができる。たとえば、スタック法の場合を、図16を参照して説明する。
【0109】
すなわち、図16に示すように、7本のコアロッド52を、内側クラッド部4agの一部となるガラス管61の中にスタックする。それとともに、コアロッド52とガラス管61との間の隙間63に、気泡を含み、気泡領域4ag1となる、12本のガラスロッド62をスタックし、母材を形成する。ここで、コアロッド52とガラスロッド62との直径を等しくすることによって、各コア部4aa及び各気泡領域4ag1が、同じ六方最密格子の格子点の位置にある構造とすることができる。また、隙間63の残りの部分にも、気泡を含む又は含まないガラスロッドをスタックする。つづいて、この母材を線引きし、外側クラッド部4acを形成する。この場合、各気泡領域4ag1において、気泡は、六方最密格子の或る格子点を中心とし、格子点間距離の1/2の半径の円環状に存在することとなる。格子点間距離は、たとえば、コアロッド52の中心と、これに隣接するガラスロッド62の中心との距離である。なお、気泡領域4ag1の数を12から減少させるには、12本のガラスロッド62のうちの1以上を、気泡を含まないガラスロッドに置き換えればよい。
【0110】
また、ガラスロッド62に換えて、多数のガラス管をスタックし、熱処理にてガラス管の孔が閉塞しないように線引きまでを行ない、長手方向に連続した気泡を形成する方法を行ってもよい。
【0111】
(変形例7)
図17は、主光ファイバの変形例7の構成を示す模式図である。この主光ファイバ74aは、図4に示す主光ファイバ4aにおいて、内側クラッド部4abを内側クラッド部4ahに置き換えた構成を有する。内側クラッド部4ahは、内側クラッド部4abに、断面が円環状の気泡領域4ah1が複数設けられた構成を有する。本実施形態では気泡領域4ah1の数は12であるが、その数は限定されない。気泡領域4ah1は気泡の存在領域の一例である。また、内側クラッド部4ahにおける気泡領域4ah1の内側の領域と、気泡領域4ah1の外側の領域とは、互いに異組成材料からなり、屈折率は同じでも異なっていてもよい。
【0112】
気泡領域4ah1は、コア部4aaが形成する正六角形の外周側に位置する。また、気泡領域4ah1は、主光ファイバ74aの中心を軸とした回転対称の位置にあり、本実施形態では6回回転対称の位置にある。また、各気泡領域4ah1は、主光ファイバ74aの軸方向に直交する断面において六方最密格子を規定した場合に、その格子点の位置にある。さらには、本実施形態では、各コア部4aa及び各気泡領域4ah1が、同じ六方最密格子の格子点の位置にある。
【0113】
以上のように構成された主光ファイバ74aを用いて第1光結合器や第2光結合器を構成した光増幅器であれば、励起効率が改善される。また、気泡領域4ah1の位置や数や回転対称性の調整によって、気泡の効果を調整できる。
【0114】
なお、気泡領域4ah1は、コア部4aaが形成する正六角形の内周側又は同一周上に位置してもよい。また、気泡領域4ah1の数は12から適宜増減させてもよい。
【0115】
主光ファイバ74aは、公知のマルチコアファイバの製造方法を利用して製造することができる。たとえば、スタック法の場合を、図18を参照して説明する。
【0116】
すなわち、図18に示すように、7本のコアロッド52を、内側クラッド部4ahの一部となるガラス管61の中にスタックする。それとともに、コアロッド52とガラス管61との間の隙間63に、12本のガラスロッド64をスタックし、母材を形成する。ガラスロッド64と、ガラス管61及びコアロッド52のクラッド部53bとは、互いに異組成材料からなる。ここで、コアロッド52とガラスロッド64との直径を等しくすることによって、各コア部4aa及び各気泡領域4ah1が、同じ六方最密格子の格子点の位置にある構造とすることができる。また、隙間63の残りの部分にも、気泡を含む又は含まない、ガラス管61と同組成のガラスロッドをスタックする。これにより、その後のいずれかの熱処理によって、ガラスロッド64とその周囲の部分との界面に、気泡領域4ah1となる部分が形成される。なお、気泡領域4ah1の数を12から減少させるには、12本のガラスロッド64のうちの1以上をガラス管61と同組成材料からなるガラスロッドに置き換えればよい。
【0117】
なお、ガラスロッド64と、ガラス管61及びコアロッド52のクラッド部53bとを異組成材料からなるものとする方法に換えて、又はその方法と合わせて、ガラスロッド64の外周面を比較的粗くしてもよい。又は、ガラスロッド62に換えて、多数のガラス管をスタックし、熱処理にてガラス管の孔が閉塞しないように線引きまでを行ない、長手方向に連続した気泡を形成する方法を行ってもよい。
【0118】
(気泡の直径の制御方法)
つぎに、気泡の直径を制御する方法について詳述する。スート層を堆積し、熱処理によって脱水、ガラス化して母材ロッドやガラスロッドなどのガラス部材を形成する場合、焼結工程において不活性ガスを流しながら熱処理を行うことが通常行われる。たとえば、ガラス化においてOH基を減らすためにヘリウム(He)ガスを流す。このHeガスは、ガラス微粒子の間の隙間に入り込むが、スート層が稠密化してガラス化してくると、ガラスの内部に閉じ込められて気泡となる。ここで、Heガスを流す場合は、比較的大きな気泡が形成されやすい。
【0119】
この現象について本発明者らが鋭意検討したところ、Heは原子量又は分子量が小さいため、スートが稠密化してもある程度スート内部を拡散しやすいので、凝集して比較的大きな気泡を形成しやすいことが解った。そこで、本発明者は、ガラス化の際に流すガスの原子量又は分子量を変更することで、気泡の直径を制御できることに想到した。たとえば、不活性ガスとして、希ガスであるアルゴン(Ar)ガスやキセノン(Xe)ガスなどの、Heよりも原子量又は分子量が大きい大分子量ガスを流せば、拡散のし易さや凝集の程度がHeよりも低いので、比較的小さな気泡を形成できる。さらには、Heガスと大分子量ガスとの混合ガスを流してもよい。この場合、混合ガスにおける大分子量ガスの分圧又は流量比を高めると、気泡の直径を比較的小さくすることができ、分圧や流量比の制御によって直径の制御ができる。
【0120】
なお、上記のすべての主光ファイバにおいて、気泡又は気泡領域は、隣接する領域とは屈折率が異なる異屈折率領域に置き換えても、励起効率が改善される。隣接する領域と異屈折率領域とでは、界面を境に屈折率が異なるような界面(以下、異屈折率界面と記載する場合がある)が、内側クラッド部を伝搬する励起光を散乱させる。異屈折率領域は、たとえば、石英ガラス中に分散して存在する微結晶やクラスターを含んで構成されている。異屈折率領域は、たとえば、AlやGeやアルカリ金属で構成されている。
【0121】
主光ファイバの内側クラッド部には、主光ファイバの軸方向に直交する断面において、径方向において前記異屈折率領域の層が2層以上存在してもよい。また、異屈折率領域は、主光ファイバの軸方向に直交する断面において、コア部からコア径以上離間した位置に存在してもよい。また、異屈折率領域は、主光ファイバの中心を軸とした回転対称の位置にあってもよい。また、異屈折率領域は、主光ファイバの軸方向に直交する断面において六方最密格子を規定した場合に、その格子点の位置にあってもよい。また、異屈折率領域は、主光ファイバの軸方向に直交する断面において六方最密格子を規定した場合に、或る格子点を中心とし、格子点間距離の1/2以下の半径の円環状に存在してもよい。また、複数の異屈折率領域が、気泡のように記内側クラッド部内に分散して存在してもよい。また、主光ファイバの軸方向に直交する断面において、内側クラッド部の断面積に対する複数の異屈折率領域の断面積の総計が0.1%以上30%以下であってもよい。また、異屈折率領域の直径は内側クラッド部を伝搬する光の波長の1/2000倍以上2倍以下でもよい。また、異屈折率領域は、主光ファイバの軸方向に直交する断面において、コア部からコア径以上離間した円環状の領域に存在してもよい。また、異屈折率領域は、主光ファイバの各コア部の径方向において、又は、主光ファイバの軸方向において、又は、前主光ファイバの各コア部の軸回り方向において、略一様に分布していてもよい。また、主光ファイバの中心を軸として中心から最も離間したコア部を通る円管状の境界の内側と外側とで、異屈折率領域の存在密度が異なってもよい。
【0122】
(実施形態2)
図19は、実施形態2に係る光通信システムの構成を示す模式図である。光通信システム1000は、光送信装置1010と、光受信装置1020と、実施形態1に係る光増幅器100と、14本のシングルコア光ファイバである光伝送ファイバ1031~1037、1041~1047と、を備えている。
【0123】
光送信装置1010は、7個の送信器1011~1017を備えている。送信器1011~1017は、それぞれ、信号光を送信する。7本の光伝送ファイバ1031~1037は、送信器1011~1017のそれぞれから出力された信号光を伝送し、光増幅器100に入力させる。光増幅器100は、光伝送ファイバ1031~1037から入力された7つの信号光を一括して光増幅し、7本の光伝送ファイバ1041~1047のそれぞれに出力する。光伝送ファイバ1041~1047は、増幅された信号光を伝送し、光受信装置1020に入力させる。光受信装置1020は、7個の受信器1021~1027を備えている。受信器1021~1027は、光伝送ファイバ1041~1047が伝送した、増幅された信号光を受信し、電気信号に変換する。
【0124】
光通信システム1000は、同一の増幅特性を得るための消費電力が削減された光増幅器100を用いているので、消費電力が削減された光通信を実現できる。なお、本実施形態では、光伝送ファイバは7本のシングルコア光ファイバであるが、1本の7コア型マルチコアファイバからなる光伝送ファイバを用いてもよい。
【0125】
光通信システム1000が長距離通信システムなどであれば、光増幅器100をリピータアンプ、プリアンプ、又はブースターアンプとして利用できる。光通信システム1000がROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)を用いたネットワークシステムなどであれば、光増幅器100を損失補償に利用できる。
【0126】
なお、上記実施形態では、光増幅ファイバが7コア型のマルチコアEDFであるが、最密充填配置の12コア型のマルチコアEDFでもよいし、最密充填配置の19コア型のマルチコアEDFでもよいし、シングルコアEDFでもよい。光アイソレータの個数、光ファイバファンイン/光ファイバファンアウトを構成するシングルモード光ファイバの本数並びにマルチコアファイバのコア部の数及び配置、第1光結合器、第2光結合器並びにポンプストリッパのコア部の数及び配置は、マルチコアEDFのコア部の数及び配置に応じて適宜設定される。また、上記実施形態では、光増幅ファイバにおける光増幅媒体がエルビウムであるが、イッテルビウム等の他の光増幅媒体であってもよい。また、上記実施形態では、励起光源である半導体レーザが1個であり、第1光結合器における励起光供給用光ファイバが1本であるが、励起光源が複数個あり、第1光結合器における励起光供給用光ファイバが複数本あってもよい。また、上記実施形態では、励起光入出力用光ファイバとしてクラッド無しGIファイバを例示したが、励起光入出力用光ファイバの条件を満たすものであれば、クラッドがある通常のGIファイバでもよいし、ステップインデックス型の光ファイバでもよい。また、屈折率分布は半径方向で一定でも変動していてもよい。また、上記実施形態では、光増幅器は前方励起型であるが、後方励起型でも双方向励起型でもよい。後方励起型の光増幅器を構成するには、例えば実施形態1の光増幅器100において、第1光結合器4を光ファイバファンアウト8側に接続し、ポンプストリッパ7を光ファイバファンイン2側に接続すればよい。
【0127】
また、気泡や異屈折率領域は、光増幅ファイバの内側クラッド部に設けられていてもよい。これによって励起光が散乱されてコア部に到達しやすくなるので、励起効率がさらに改善される。
【0128】
また、光増幅器において、第1光結合器の主光ファイバおよび第2光結合器の主光ファイバの少なくとも一方が、複数の気泡、又は、異屈折率領域を含んでいてもよい。すなわち、第1光結合器の主光ファイバおよび第2光結合器の主光ファイバの両方が、複数の気泡、又は、異屈折率領域を含んでいてもよい。また、第1光結合器の主光ファイバのみが複数の気泡、又は、異屈折率領域を含んでいてもよいし、第2光結合器の主光ファイバのみが複数の気泡、又は、異屈折率領域を含んでいてもよい。
【0129】
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0130】
1、9 :光アイソレータ
2 :光ファイバファンイン
2a :シングルモード光ファイバ
2b :マルチコアファイバ
2ba、4aa、6aa、52a :コア部
2bb、52b :クラッド部
2c :結合部
3 :半導体レーザ
4、4A :第1光結合器
4Ac :励起光供給用光ファイバ
4Aca :接触領域
4a、6a、14a、24a、34a、44a、54a、64a、74a :主光ファイバ
4ab、4ae、4ae1、4ae3、4ae5、4af、4ag、4ah、6ab :内側クラッド部
4ac、6ac :外側クラッド部
4ad、6ad :気泡
4ae2、4ae4、4af1、4ag1、4ah1 :気泡領域
4b、6b :励起光入出力用光ファイバ
4ba、6ba :接触領域
4c :励起光供給用光ファイバ
4d、6d :保護部
4e、6e :部分
5 :マルチコアEDF
6 :第2光結合器
7 :ポンプストリッパ
8 :光ファイバファンアウト
51 :母材ロッド
51a、51b :孔
52 :コアロッド
53、62、64 :ガラスロッド
61 :ガラス管
63 :隙間
100 :光増幅器
1000 光通信システム
1010 光送信装置
1020 光受信装置
1011~1017 送信器
1021~1027 受信器
1031~1037、1041~1047 光伝送ファイバ
Ar1~Ar6 :矢印
Dr :径方向
Dt :軸回り方向
Dz :軸方向
R1~R4 :領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19