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特許7558845グロメット、及びグロメットの取付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】グロメット、及びグロメットの取付け方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/22 20060101AFI20240924BHJP
   H01B 17/58 20060101ALI20240924BHJP
   F16L 5/02 20060101ALI20240924BHJP
   F16L 5/00 20060101ALI20240924BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20240924BHJP
【FI】
H02G3/22
H01B17/58 C
F16L5/02 A
F16L5/00 Q
B60R16/02 622
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021034218
(22)【出願日】2021-03-04
(65)【公開番号】P2022134804
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】森野 智
(72)【発明者】
【氏名】片岡 準弥
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-320951(JP,A)
【文献】特開平11-41756(JP,A)
【文献】特開2006-131154(JP,A)
【文献】特開平7-14452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/22
H01B 17/58
F16L 5/02
F16L 5/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パネルの第1貫通孔と第2パネルの第2貫通孔とに跨って配索されるワイヤーハーネスを内部に挿通するグロメット本体と、
該グロメット本体の端部に設けられるとともに、前記第2貫通孔に取り付けられる取付部とで構成されたグロメットであって、
前記取付部は、
前記第2パネル側から引き抜いて前記第1貫通孔を通過可能な構成であり、
前記グロメット本体の端部が連結されるとともに、前記第1貫通孔よりも大きい略環状のフランジ部と、
前記グロメット本体とは逆側へ向けて前記フランジ部から離間する離間方向側を覆うように、前記フランジ部から前記離間方向へ向けて先細に延設されるとともに、前記フランジ部とで前記第2貫通孔の周縁を挟持するカバー部と、
該カバー部の先細側の端部から延びる筒部とで構成され、
前記カバー部は、
前記離間方向に対して交差する交差方向の外方から内方へ向けた押圧荷重を受けて、前記フランジ部の一部を前記離間方向側に変形させる変形促進部が備えられた
グロメット。
【請求項2】
前記筒部は、
その軸中心が、前記離間方向から見た前記カバー部の中心に対して所定オフセット方向にずれて配置され、
前記カバー部は、
前記所定オフセット方向とは逆側に前記変形促進部を備えた
請求項1に記載のグロメット。
【請求項3】
前記変形促進部は、
前記離間方向に沿った断面において、前記交差方向の内方から外方へ向けて膨出するとともに、頂部を有する断面形状に形成された
請求項1または請求項2に記載のグロメット。
【請求項4】
前記頂部は、
前記離間方向における前記変形促進部の略中央に設けられた
請求項3に記載のグロメット。
【請求項5】
前記カバー部は、
前記フランジ部近傍の内面に、前記カバー部の周方向における全周に亘って延びる溝部が設けられた
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のグロメット。
【請求項6】
前記カバー部は、
前記変形促進部に対向するとともに、前記第1貫通孔の周縁に仮係止される仮係止部が設けられた
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のグロメット。
【請求項7】
前記フランジ部は、
前記グロメット本体側の外周縁にテーパー面が設けられた
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のグロメット。
【請求項8】
前記筒部は、
前記カバー部から所定の屈曲方向へ延びる形状に形成され、
前記変形促進部は、
前記所定の屈曲方向とは逆側に設けられた
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のグロメット。
【請求項9】
前記筒部は、
前記変形促進部から連続して延びる部分に対して隣接するとともに、先端からカバー部近傍にかけて切り欠かれたスリットが設けられた
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載のグロメット。
【請求項10】
第1パネルの第1貫通孔と第2パネルの第2貫通孔とに跨って配索されるワイヤーハーネスを内部に挿通するグロメット本体と、該グロメット本体の端部に設けられるとともに、前記第2貫通孔に取り付けられる取付部とで構成されたグロメットの取付け方法であって、
前記グロメット本体の端部が連結された略環状のフランジ部と、前記グロメット本体とは逆側へ向けて前記フランジ部から離間する離間方向側を覆うように、前記フランジ部から前記離間方向へ向けて先細に延設されたカバー部と、該カバー部の先細側の端部から延びる筒部とで構成された前記取付部の前記カバー部及び前記筒部を、前記第2パネル側に向けて前記第1貫通孔に挿通する挿通工程と、
前記第1貫通孔よりも大きい前記取付部の前記フランジ部を、前記第2パネル側から引き抜く引抜工程と、
前記フランジ部と前記カバー部との間で前記第2貫通孔の周縁を挟持して、前記第1貫通孔を通過した前記取付部を、前記第2パネルに取り付ける取付工程とを行い、
前記引抜工程は、
前記カバー部の変形促進部が、前記離間方向に対して交差する交差方向の外方から内方へ向けた押圧荷重を受けて、前記フランジ部の一部を前記離間方向側に変形させることで、前記フランジ部を前記第1貫通孔から引き抜き可能にする工程である
グロメットの取付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車などの車両において、車体の貫通孔とバックドアの貫通孔とに跨って配索されるワイヤーハーネスを保護するグロメット、及びグロメットの取付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車などの車両において、ドアなどの第1パネルに設けた第1貫通孔と、車体などの第2パネルに設けた第2貫通孔とに跨ってワイヤーハーネスを配索する場合、ワイヤーハーネスを内部中空のグロメットに挿通して配索している。
【0003】
このようなグロメットとしては、例えば特許文献1のように、車体の貫通孔に取付けられる車体側取付部(大径筒部)と、バックドアの貫通孔に取付けられるドア側取付部(大径筒部)と、車体側取付部及びドア側取付部を連結するグロメット本体(小径筒部)とで構成されたグロメットが知られている。
【0004】
ところで、この特許文献1では、グロメットの車体側取付部をバックドアの貫通孔を通して車体側へ引き抜いたのち、車体の貫通孔に取付けている。この場合、バックドアの貫通孔を車体の貫通孔よりも大きくして、グロメットの車体側取付部が、バックドアの貫通孔を通過可能にすることが考えられる。
【0005】
しかしながら、バックドアの貫通孔を車体の貫通孔よりも大きくした場合、バックドアの窓枠部分が太くなることで車両の見栄えが悪くなる、あるいはバックドアの剛性が低下するという問題がある。このため、バックドアの貫通孔は、車体の貫通孔に略同じ大きさの開口であることが望ましいが、車体側取付部をバックドアの貫通孔を通して車体側へ引き抜くことが困難になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5147477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑み、第1貫通孔が第2貫通孔に略同じ大きさであっても、第1貫通孔を通過させて第2貫通孔に取付部を取付けられるグロメット、及びグロメットの取付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、第1パネルの第1貫通孔と第2パネルの第2貫通孔とに跨って配索されるワイヤーハーネスを内部に挿通するグロメット本体と、該グロメット本体の端部に設けられるとともに、前記第2貫通孔に取り付けられる取付部とで構成されたグロメットであって、前記取付部は、前記第2パネル側から引き抜いて前記第1貫通孔を通過可能な構成であり、前記グロメット本体の端部が連結されるとともに、前記第1貫通孔よりも大きい略環状のフランジ部と、前記グロメット本体とは逆側へ向けて前記フランジ部から離間する離間方向側を覆うように、前記フランジ部から前記離間方向へ向けて先細に延設されるとともに、前記フランジ部とで前記第2貫通孔の周縁を挟持するカバー部と、該カバー部の先細側の端部から延びる筒部とで構成され、前記カバー部は、前記離間方向に対して交差する交差方向の外方から内方へ向けた押圧荷重を受けて、前記フランジ部の一部を前記離間方向側に変形させる変形促進部が備えられたことを特徴とする。
【0009】
上記第1パネルの第1貫通孔と第2パネルの第2貫通孔とは、例えば、自動車などの車両において、近接する薄板状の部材に設けた貫通孔であって、ドアパネルの貫通孔と車体の貫通孔などのことをいう。
上記交差方向の内方及び外方は、それぞれ取付部の内部に挿通されたワイヤーハーネスへ向かう方向、及び取付部の内部に挿通されたワイヤーハーネスから離間する方向のことをいう。
【0010】
この発明によれば、グロメットは、第1貫通孔が第2貫通孔に略同じ大きさであっても、第1貫通孔を通過させて第2貫通孔に取付部を取付けることができる。
具体的には、グロメットの筒部は、第1貫通孔に挿通させたグロメットの取付部を引き抜くために、作業者が保持する持ち手として機能することができる。このため、作業者は、第1貫通孔に挿通したグロメットの取付部を、第2パネル側から容易に引っ張ることができる。
【0011】
この際、交差方向の外方から内方へ向けた押圧荷重を変形促進部に加えながら、筒部を引っ張ることで、作業者は、取付部を第1貫通孔から引き抜くことができる。
より詳しくは、交差方向の押圧荷重が加わると、グロメットの変形促進部は、交差方向の外方から内方へ向けてへこむように変形する。
【0012】
この際、変形促進部は、変形促進部に連続するフランジ部の一部を離間方向へ引っ張るように変形する。このため、変形促進部は、変形促進部に連続するフランジ部の一部に、離間方向の引張荷重を作用させることができる。
【0013】
これにより、フランジ部の一部は、グロメット本体の連結箇所を支点にして離間方向側へ回動するように、離間方向側に変形することができる。このため、グロメットは、フランジ部の外形を第1貫通孔から引き抜き可能な大きさに変形させることができる。
したがって、グロメットは、第1貫通孔が第2貫通孔に略同じ大きさであっても、第1貫通孔を通過させて第2貫通孔に取付部を取付けることができる。
【0014】
この発明の態様として、前記筒部は、その軸中心が、前記離間方向から見た前記カバー部の中心に対して所定オフセット方向にずれて配置され、前記カバー部は、前記所定オフセット方向とは逆側に前記変形促進部を備えてもよい。
【0015】
この構成によれば、グロメットは、筒部とカバー部とが所定オフセット方向にずれて配置されていない場合に比べて、ワイヤーハーネスと変形促進部との間隔を、取付部を大型化することなく確保することができる。
【0016】
これにより、グロメットは、変形開始した変形促進部が早期にワイヤーハーネスに接触することで、変形促進部の変形が阻害されることを防止できる。このため、グロメットは、フランジ部の一部を離間方向側に安定して変形させることができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記変形促進部は、前記離間方向に沿った断面において、前記交差方向の内方から外方へ向けて膨出するとともに、頂部を有する断面形状に形成されてもよい。
この構成によれば、グロメットは、変形促進部の頂部を押圧箇所の目印として機能させることができる。このため、グロメットは、変形促進部を安定して変形させることができる。
【0018】
さらに、変形促進部が交差方向の外方へ膨出した形状のため、グロメットは、ワイヤーハーネスと変形促進部との間隔を確実に確保できるとともに、交差方向における変形促進部の変形代をより大きく確保することができる。
【0019】
これにより、交差方向の押圧荷重が変形促進部に加わった際、グロメットは、より大きな離間方向の引張荷重を、変形促進部を介してフランジ部の一部に作用させることができる。このため、グロメットは、フランジ部の一部を確実に離間方向側に変形させることができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記頂部は、前記離間方向における前記変形促進部の略中央に設けられてもよい。
この構成によれば、グロメットは、変形促進部の頂部がフランジ部側または筒部側に位置する場合に比べて、離間方向の引張荷重をフランジ部の一部にさらに確実に作用させることができる。このため、グロメットは、フランジ部の一部をさらに確実に離間方向側に変形させることができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記カバー部は、前記フランジ部近傍の内面に、前記カバー部の周方向における全周に亘って延びる溝部が設けられてもよい。
この構成によれば、グロメットは、溝部を設けていない場合に比べて、変形促進部の変形を容易にすることができる。このため、交差方向の押圧荷重が変形促進部に作用した際、グロメットは、フランジ部の一部をより確実に離間方向側に変形させることができる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記カバー部は、前記変形促進部に対向するとともに、前記第1貫通孔の周縁に仮係止される仮係止部が設けられてもよい。
この構成によれば、グロメットは、第1貫通孔の周縁によって取付部が支持されるため、交差方向の押圧荷重を変形促進部により安定して作用させることができる。このため、例えば、作業者は、筒部を保持した手で変形促進部を容易に押圧することができる。
【0023】
さらに、仮係止部を支点にすることで、グロメットは、第2パネル側へ向けて取付部を容易に傾動させることができる。このため、例えば、作業者は、筒部を保持した手を放すことなく、フランジ部を第1貫通孔から容易に引き抜くことができる。
【0024】
これにより、変形促進部の押圧、取付部の傾動、及び取付部の引き抜きを一連の動作として、筒部を保持した作業者が片手で行うことができるため、グロメットは、作業性の向上を図ることができる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記フランジ部は、前記グロメット本体側の外周縁にテーパー面が設けられてもよい。
この構成によれば、グロメットは、フランジ部が第1貫通孔を通過する際、フランジ部の外周縁と第1貫通孔の周縁との接触を抑えることができる。このため、グロメットは、第1貫通孔からのフランジ部の引き抜きを、テーパー面を設けていない場合に比べて容易にすることができる。
【0026】
またこの発明の態様として、前記筒部は、前記カバー部から所定の屈曲方向へ延びる形状に形成され、前記変形促進部は、前記所定の屈曲方向とは逆側に設けられてもよい。
この構成によれば、グロメットは、作業者によって変形促進部に直接的に加えられる荷重を軽減することができる。
【0027】
具体的には、第1貫通孔から取付部を引き抜くために、作業者が保持した筒部を引っ張った場合、グロメットの筒部は、所定の屈曲方向とは逆側へ向けて先端が回動するように変形する。この際、筒部と変形促進部との境界近傍には、交差方向の外方から内方へ向かう荷重が発生する。
【0028】
これにより、グロメットは、交差方向の外方から内方へ向けた押圧荷重を、筒部の変形によって変形促進部に作用させることができる。このため、グロメットは、作業者によって変形促進部に直接的に加えられる荷重を、筒部の変形によって軽減することができる。
【0029】
またこの発明の態様として、前記筒部は、前記変形促進部から連続して延びる部分に対して隣接するとともに、先端からカバー部近傍にかけて切り欠かれたスリットが設けられてもよい。
上記スリットは、少なくとも1つあればよく、好ましくは変形促進部を挟んで2つあればよい。
【0030】
この構成によれば、グロメットの筒部は、カバー部の変形に追従して変形することができる。このため、グロメットの筒部は、変形促進部の変形をより促進して、フランジ部の一部により大きな引張荷重を作用させることができる。これにより、グロメットは、フランジ部の一部をより確実に変形させることができる。
【0031】
またこの発明は、第1パネルの第1貫通孔と第2パネルの第2貫通孔とに跨って配索されるワイヤーハーネスを内部に挿通するグロメット本体と、該グロメット本体の端部に設けられるとともに、前記第2貫通孔に取り付けられる取付部とで構成されたグロメットの取付け方法であって、前記グロメット本体の端部が連結された略環状のフランジ部と、前記グロメット本体とは逆側へ向けて前記フランジ部から離間する離間方向側を覆うように、前記フランジ部から前記離間方向へ向けて先細に延設されたカバー部と、該カバー部の先細側の端部から延びる筒部とで構成された前記取付部の前記カバー部及び前記筒部を、前記第2パネル側に向けて前記第1貫通孔に挿通する挿通工程と、前記第1貫通孔よりも大きい前記取付部の前記フランジ部を、前記第2パネル側から引き抜く引抜工程と、前記フランジ部と前記カバー部との間で前記第2貫通孔の周縁を挟持して、前記第1貫通孔を通過した前記取付部を、前記第2パネルに取り付ける取付工程とを行い、前記引抜工程は、前記カバー部の変形促進部が、前記離間方向に対して交差する交差方向の外方から内方へ向けた押圧荷重を受けて、前記フランジ部の一部を前記離間方向側に変形させることで、前記フランジ部を前記第1貫通孔から引き抜き可能にする工程であることを特徴とする。
この発明によれば、グロメットは、第1貫通孔が第2貫通孔に略同じ大きさであっても、第1貫通孔を通過させて第2貫通孔に取付部を取付けることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明により、第1貫通孔が第2貫通孔に略同じ大きさであっても、第1貫通孔を通過させて第2貫通孔に取付部を取付けられるグロメット、及びグロメットの取付け方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】取付け状態のグロメットを平面視で示す平面図。
図2】グロメットの取付け方向の概略を説明する説明図。
図3】前方上方視でのグロメットの外観を示す外観斜視図。
図4】後方上方視でのグロメットの外観を示す外観斜視図。
図5】グロメットの外観を正面視で示す正面図。
図6図5中のA-A矢視断面図。
図7図5中のB-B矢視断面図。
図8】第2取付部をA-A矢視断面で示す断面図。
図9】第2取付部の挿入工程をA-A矢視断面で説明する説明図。
図10】第2取付部の引抜工程をA-A矢視断面で説明する説明図。
図11】第2取付部の引抜工程をA-A矢視断面で説明する説明図。
図12】実施例2における取付け状態のグロメットを示す平面図。
図13】実施例2における第2取付部の引抜工程を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0035】
実施例1のグロメット3は、例えば自動車などの車両において、バッテリーと電装機器とを接続するワイヤーハーネスWを保護している。このようなグロメット3について、図1から図8を用いて説明する。
【0036】
なお、図1は取付け状態のグロメット3の平面図を示し、図2はグロメット3の取付け方向を説明する説明図を示し、図3は前方上方視でのグロメット3の外観斜視図を示し、図4は後方上方視でのグロメット3の外観斜視図を示している。
さらに、図5はグロメット3の正面図を示し、図6図5中のA-A矢視断面図を示し、図7図5中のB-B矢視断面図を示し、図8は第2取付部30のA-A矢視断面図を示している。
【0037】
また、図中の矢印Xはグロメット3の前後方向(以下、前後方向Xと呼ぶ)を示し、矢印Yは前後方向Xに対して平面視略直交する方向である幅方向(以下、幅方向Yと呼ぶ)を示している。
さらに、前後方向Xにおいて、第1パネル1から第2パネル2へ向かう方向を前方、第2パネル2から第1パネル1へ向かう方向を後方とする。加えて、図2中の上側をグロメット3の上方、図2中の下側をグロメット3の下方とする。
【0038】
まず、ワイヤーハーネスWは、図1に示すように、車両を構成する第1パネル1と第2パネル2とに橋架されるように配索されている。
ここで、第1パネル1は、例えば車両の車体に対して開閉自在に支持されたバックドアパネルなどである。この第1パネル1には、図1及び図2に示すように、正面視略円形の第1貫通孔1aが前後方向Xに貫通して形成されている。
【0039】
一方、第2パネル2は、例えば車両の車体を構成するパネルなどであって、第1パネル1に対して前後方向Xの前方側に所定間隔を隔てて対向配置している。この第2パネル2には、図1及び図2に示すように、第1貫通孔1aに対して幅方向Yの一方側Yaに離間した位置において、前後方向Xに貫通する正面視略変形の第2貫通孔2aが形成されている。
なお、第1パネル1の第1貫通孔1a、及び第2パネル2の第2貫通孔2aは、略同じ直径で開口形成されている。
【0040】
上述したワイヤーハーネスWは、図1に示すように、第1パネル1の第1貫通孔1aと、第2パネル2の第2貫通孔2aとに挿通されることで、第1パネル1と第2パネル2とに跨って配索されている。
このため、ワイヤーハーネスWは、図1に示すように、前後方向Xに沿って第1貫通孔1aを通過し、第1パネル1と第2パネル2との間を幅方向Yの一方側Yaへ向けて略直線的に配索されるとともに、前後方向Xへ向けて屈曲して第2貫通孔2aを通過している。
【0041】
このようなワイヤーハーネスWは、図1に示すように、第1パネル1と第2パネル2とに跨って配設された平面視略クランク形状のグロメット3の内部に挿通されている。
グロメット3は、合成ゴムなどの可撓性を有する素材で成形され、ワイヤーハーネスWを挿通可能な内部空間を有している。
【0042】
このグロメット3は、図1に示すように、第1貫通孔1aに取り付けられる第1取付部10と、第1取付部10から幅方向Yの一方側Yaへ延びるグロメット本体20と、グロメット本体20の端部に設けられ、第2貫通孔2aに取り付けられる第2取付部30とで構成されている。
【0043】
なお、グロメット3は、図2の矢印Mで示すように、第2パネル2へ向けて第1貫通孔1aに挿通した第2取付部30を、第2パネル2側から引き抜いて第1貫通孔1aを通過させたのち、第2貫通孔2aに取り付け可能に構成している。
【0044】
第1取付部10は、図1に示すように、第1パネル1の第1貫通孔1aを覆うとともに、第1貫通孔1aに嵌合可能に形成されている。
具体的には、第1取付部10は、図3から図6に示すように、前後方向Xから見た正面視における形状が正面視略環状のフランジ部11と、フランジ部11から前後方向Xの前方側へ延設された内部中空のカバー部12とで構成されている。
【0045】
そして、第1取付部10は、図1に示すように、フランジ部11とカバー部12とで第1貫通孔1aの周縁を挟持して、第1パネル1に取付けられている。
なお、第1取付部10は、第1パネル1の第1貫通孔1aに嵌合によって取付可能な形状であれば、適宜の形状でよいため、本実施形態ではその詳細な説明を省略する。
【0046】
また、グロメット本体20は、第1取付部10から導出されたワイヤーハーネスWを内部に挿通可能な形状に形成されている。このグロメット本体20は、図5に示すように、正面視において、第1取付部10の略中央よりも下方の位置から延設されている。
【0047】
具体的には、グロメット本体20は、図1及び図2に示すように、第1パネル1と第2パネル2との間において、幅方向Yへ略直線的に延びる略円筒状に形成されている。なお、グロメット本体20には、図3及び図4に示すように、幅方向Yにおける略中央近傍に、蛇腹部分20aが形成されている。
【0048】
さらに、グロメット本体20は、図1に示すように、幅方向Yの一方側Yaの端部が、前後方向Xの前方側に屈曲して第2取付部30に連結され、幅方向Yの他方側Ybの端部が、前後方向Xの後方側に屈曲して第1取付部10に連結されている。
【0049】
また、第2取付部30は、図1に示すように、第2パネル2の第2貫通孔2aを覆うとともに、第2貫通孔2aに嵌合可能に形成されている。
具体的には、第2取付部30は、図1から図6に示すように、グロメット本体20の端部が連結されるフランジ部31と、フランジ部31から前後方向Xの前方側へ向けて先細に延設されたカバー部32と、カバー部32から前後方向Xの前方側へ延びる筒部33とで構成されている。
【0050】
なお、第2取付部30は、グロメット本体20の端部における前後方向Xに沿った軸中心に対して、フランジ部31及びカバー部32を略同軸上に配置し、筒部33を幅方向Yの一方側Yaにずらして配置している。
そして、第2取付部30は、図1に示すように、フランジ部31とカバー部32とで第2貫通孔2aの周縁を挟持して、第2パネル2に取付けられている。
【0051】
引き続き、第2取付部30について詳述する。なお、以降の説明を容易にするため、前後方向Xの後方側から前方側へ向かう方向、すなわち第1パネル1から第2パネル2へ向かう前後方向Xを、フランジ部31から離間する離間方向Xaとして説明する。
【0052】
フランジ部31は、図3から図6に示すように、離間方向Xaに厚みを有するとともに、第1貫通孔1a及び第2貫通孔2aよりも大きく、かつ第1取付部10のフランジ部11の外径に略同じ外径を有する正面視略円環状に形成されている。
なお、フランジ部31の内周面は、図7及び図8に示すように、グロメット本体20の内径に略同じ直径で形成されている。
【0053】
具体的には、フランジ部31は、図7及び図8に示すように、グロメット本体20が連結された略円錐台形状の錐体部分311と、錐体部分311から離間方向Xaへ延びる平板部分312とを同軸上に配置して形成している。
【0054】
錐体部分311は、グロメット本体20側が第2貫通孔2aよりも小径で、カバー部32側が第2貫通孔2aよりも大径の略円錐台形状に形成されている。このため、錐体部分311の外周面は、グロメット本体20側から離間方向Xaへ向かうほど漸次、拡径されるテーパー面31aに形成されている。
この錐体部分311の小径側端面(グロメット本体20側の端面)には、図4に示すように、グロメット本体20から上方側へ向けて略放射状に延びる3つのリブ313が形成されている。
【0055】
一方、平板部分312は、錐体部分311における外周面の大径に略同じ外径の略円板状に形成されている。この平板部分312におけるカバー部32側の外周縁には、図7及び図8に示すように、離間方向Xaへ立設した周縁部分314が形成されている。
【0056】
また、カバー部32は、図7及び図8に示すように、フランジ部31の離間方向Xa側を覆うように、フランジ部31から離間方向Xaへ向けて先細な略錐体状に延設されている。
より詳しくは、カバー部32は、図7に示すように、離間方向Xaに沿った垂直断面において、フランジ部31から離間方向Xaへ向かうほど外周径が拡径される拡径部321と、外周径が段階的に縮径される第1縮径部322及び第2縮径部323とを、この順番でフランジ部31に連結して形成されている。
【0057】
拡径部321は、フランジ部31から離間方向Xaへ向かうほど漸次、外周径が拡径されている。この拡径部321の外周径は、小径側が平板部分312の外径よりも小径に形成され、大径側がフランジ部31の周縁部分314の内径に略同じ外径に形成されている。
【0058】
第1縮径部322の外周径は、図7に示すように、離間方向Xaに沿った垂直断面において、離間方向Xaに対する外周面の傾きが第2縮径部323よりも小さくなるように、拡径部321から離間方向Xaへ向けて緩やかに縮径されている。
【0059】
第2縮径部323の外周径は、図7に示すように、離間方向Xaに沿った垂直断面において、離間方向Xaに対する外周面の傾きが第1縮径部322に比べて大きくなるように、第1縮径部322から離間方向Xaへ向けて急激に縮径されている。この第2縮径部323の外周径は、離間方向Xa側の先端が、グロメット本体20の外径よりも小径になる大きさまで縮径されている。
【0060】
なお、カバー部32の内周面は、図7及び図8に示すように、フランジ部31の内径よりも大径で離間方向Xaへ延びたのち、第1縮径部322及び第2縮径部323の肉厚が略一定となるように、漸次、離間方向Xaへ向かうほど縮径された形状に形成されている。
このため、カバー部32には、図7及び図8に示すように、離間方向Xaに沿った断面において、拡径部321と第1縮径部322との境界近傍に、他の部分に比べて厚肉な厚肉部分が形成されている。さらに、カバー部32の厚肉部分には、図7及び図8に示すように、内周面の周方向に沿って凹設された溝部324が形成されている。
【0061】
また、筒部33は、前後方向Xに沿ったカバー部32の軸中心に対して、離間方向Xaから見て幅方向Yの一方側Yaに軸中心が位置するように配置されるとともに、カバー部32の端部から離間方向Xaへ向けて延びる略円筒状に形成されている。なお、離間方向Xaの先端となる筒部33の先端部は、筒部33の径方向外方へ向けて拡径された形状に形成されている。
【0062】
詳述すると、筒部33は、図8に示すように、離間方向Xaに沿った水平断面において、幅方向Yの一方側Yaが、カバー部32の第1縮径部322から延設され、幅方向Yの他方側Ybがカバー部32の第2縮径部323から延設された断面形状に形成されている。
この筒部33には、図3から図5に示すように、筒部33の先端からカバー部32の近傍に至る前後方向Xの長さで切り欠かれた2つのスリット34が、上下方向に対向して形成されている。
【0063】
このスリット34は、図8に示すように、平面視略円形に開口された円形開口部分と、平面視略矩形に開口された矩形開口部分とで構成されている。
詳述すると、スリット34の円形開口部分は、図8に示すように、平面視において、カバー部32における離間方向Xa側の端部近傍に後端が位置するように開口形成されている。一方、スリット34の矩形開口部分は、図8に示すように、平面視において、円形開口部分から筒部33の先端にかけて開口形成されている。
【0064】
このため、筒部33は、図8に示すように、離間方向Xaに沿った水平断面において、幅方向Yの他方側Ybに位置し、第2縮径部323に連続する外周面を有する第1半割部分33aと、幅方向Yの一方側Yaに位置し、第1縮径部322に連続する外周面を有する第2半割部分33bとに分割されている。
【0065】
上述した構成によって、第2取付部30のカバー部32には、フランジ部31の一部を離間方向Xa側に変形させる変形促進部35と、第1貫通孔1aの周縁に係止される仮係止部36とが形成されている。
ここで、平面視において、離間方向Xaに対して交差する方向を交差方向とし、交差方向のうち、ワイヤーハーネスWへ向かう方向を交差方向の内方、ワイヤーハーネスWから離間する方向を交差方向の外方とする。
【0066】
変形促進部35は、交差方向の外方側から内方へ向けた押圧荷重を受けて、フランジ部31の一部を離間方向Xa側に変形させる部分である。この変形促進部35は、図8に示すように、離間方向Xaに沿った水平断面において、筒部33に対して幅方向Yの他方側Ybに隣接して形成されている。
【0067】
具体的には、変形促進部35は、図8に示すように、離間方向Xaに沿った水平断面において、拡径部321と筒部33の第1半割部分33aとを連結する第1縮径部322及び第2縮径部323によって形成されている。
【0068】
このため、変形促進部35は、離間方向Xaに沿った水平断面において、第1縮径部322と第2縮径部323との境界を頂部35aとして、交差方向の内方から外方へ向けて膨出した断面形状に形成されている。
なお、変形促進部35は、図8に示すように、離間方向Xaに沿った水平断面において、離間方向Xaの略中央に頂部35aが位置するように形成されている。
【0069】
また、仮係止部36は、第1貫通孔1aから第2取付部30を引き抜く際、第1貫通孔1aの周縁に係止される部分である。この仮係止部36は、図8に示すように、離間方向Xaに沿った水平断面において、筒部33に対して幅方向Yの一方側Yaに隣接して形成されている。
具体的には、仮係止部36は、図8に示すように、離間方向Xaに沿った水平断面において、第1縮径部322と筒部33の第2半割部分33bとの境界部分によって形成されている。
【0070】
次に、上述した構成のグロメット3の第1取付部10及び第2取付部30を、それぞれ第1パネル1及び第2パネル2に取付ける取付け方法について、図2及び図9から図11を用いて説明する。
なお、図9は第2取付部30の挿通工程をA-A矢視断面で説明する説明であり、図9(a)は第2取付部30の筒部33を第1貫通孔1aに挿通した状態の説明図を示し、図9(b)は第2取付部30が保持された状態の説明図を示している。
【0071】
また、図10及び図11は第2取付部30の引抜工程をA-A矢視断面で説明する説明図であり、図10(a)はフランジ部31を変形させる動作の説明図を示し、図10(b)はフランジ部31の一部が変形した状態の説明図を示している。
【0072】
さらに、図11(a)はフランジ部31の一部が第1貫通孔1aから引き抜かれる過程の説明図を示し、図11(b)は第2取付部30が第1貫通孔1aを通過する過程の説明図を示している。
また、図示を明確にするため、図9から図11中において、ワイヤーハーネスW、及び作業者の右手RHを二点鎖線で図示している。
【0073】
まず、作業者は、図2中の矢印Mで示したように、予めワイヤーハーネスWが挿通されたグロメット3の第2取付部30を、第1パネル1から第2パネル2へ向けて第1貫通孔1aに挿通する。この際、作業者は、図9(a)に示すように、第2取付部30の筒部33、カバー部32の順に第1貫通孔1aに挿通する。
【0074】
その後、作業者は、図9(b)に示すように、第1貫通孔1aを通過した筒部33を把持するとともに、変形促進部35の頂部35aが第1貫通孔1aを通過するまで第2パネル2側(離間方向Xa)へ引っ張る。
【0075】
頂部35aが第1貫通孔1aを通過すると、作業者は、第1貫通孔1aよりも大きい外径のフランジ部31を、第2パネル2側から引き抜く引抜工程を開始する。
詳述すると、作業者は、図9(b)及び図10(a)に示すように、筒部33を把持した右手RHの親指を変形促進部35の頂部35aに移動させる。その後、作業者は、図10(a)中の太い矢印で示したように、ワイヤーハーネスWへ向けた交差方向の外方から内方への押圧荷重を、頂部35aに対して加える。
【0076】
この際、作業者は、例えば、変形促進部35を交差方向の外方から内方へ反転変形させるように、押圧荷重を頂部35aに加える。
頂部35aに交差方向の押圧荷重が加わると、第2取付部30のカバー部32は、図10(b)に示すように、変形促進部35が交差方向の内方へ向けてへこむように屈曲変形する。
【0077】
具体的には、変形促進部35は、溝部324を支点に頂部35aが交差方向の内方へ向けて回動するように第1縮径部322が変形し、筒部33との境界近傍を支点に頂部35aが交差方向の内方へ向けて回動するように第2縮径部323が変形する。
【0078】
さらに、カバー部32の変形に伴って、筒部33の第1半割部分33aが、交差方向の内方へ向けて変形する。このため、変形促進部35は、第1半割部分33aの変形によって、離間方向Xaとは逆方向、かつ幅方向Yの一方側Yaへ変位しながら変形する。
【0079】
なお、詳細な図示を省略するが、筒部33は、作業者による保持とカバー部32の変形とによって、第1半割部分33a及び第2半割部分33bがそれぞれ変形し、その内周面がワイヤーハーネスWに接触する。
【0080】
このように、カバー部32及び筒部33が交差方向へ一体的に変形することで、変形促進部35につながるフランジ部31の一部に、離間方向Xaへの引張荷重と幅方向Yへの引張荷重とが作用する。このため、フランジ部31の一部は、図10(b)に示すように、グロメット本体20との連結箇所近傍を支点に離間方向Xaへ向けて回動するように変形する。
【0081】
フランジ部31の一部を変形させると、作業者は、図11(a)に示すように、頂部35aに交差方向への押圧荷重を加えたまま、変形したフランジ部31の一部が第2パネル2側へ変位するように、第2取付部30を第2パネル2側(図11(a)の太い矢印の方向)へ傾ける。
この際、作業者は、幅方向Yにおいて、第2取付部30の仮係止部36を、第1貫通孔1aの周縁に当接させるとともに、第1貫通孔1aの周縁を支点にして第2取付部30を傾ける。
【0082】
そして、作業者は、ワイヤーハーネスWとともに第2取付部30を第2パネル2側へ引っ張ることで、変形したフランジ部31の一部を第1貫通孔1aから引き抜く。
変形したフランジ部31の一部が第1貫通孔1aを通過すると、作業者は、図11(b)に示すように、フランジ部31の一部に親指を引っ掛けるように、筒部33を保持する右手RHを持ち直す。
【0083】
その後、作業者は、図11(b)の太い矢印で示すように、第2取付部30を幅方向Yに捻りながら引っ張ることで、第1貫通孔1aから第2取付部30を引き抜いて、第1パネル1と第2パネル2との間に位置させる。
第1パネル1と第2パネル2との間に第2取付部30を移動させると、作業者は、図1に示すように、第1取付部10のフランジ部11とカバー部12との間で第1貫通孔1aの周縁を挟持させて、第1取付部10を第1パネル1に取付ける。
【0084】
さらに、作業者は、図1に示すように、第1貫通孔1aを通過した第2取付部30のフランジ部31とカバー部32との間で第2貫通孔2aの周縁を挟持させて、第2取付部30を第2パネル2に取り付ける。このようにして、グロメット3の取付け方法は、第1パネル1と第2パネル2との間に跨ってグロメット3を配設する。
【0085】
以上のように、実施例1のグロメット3は、第1パネル1の第1貫通孔1aと第2パネル2の第2貫通孔2aとに跨って配索されるワイヤーハーネスWを内部に挿通するグロメット本体20と、グロメット本体20の端部に設けられるとともに、第2貫通孔2aに取り付けられる第2取付部30とで構成されている。
このグロメット3における第2取付部30は、第2パネル2側から引き抜いて第1貫通孔1aを通過可能な構成である。
【0086】
第2取付部30は、グロメット本体20の端部が連結されるとともに、第1貫通孔1aよりも大きい略環状のフランジ部31と、離間方向Xa側を覆うようにフランジ部31から離間方向Xaへ向けて先細に延設されるとともに、フランジ部31とで第2貫通孔2aの周縁を挟持するカバー部32とを備えている。
さらに、第2取付部30は、カバー部32の先細側の端部から延びる筒部33を備えている。
【0087】
そして、カバー部32は、離間方向Xaに対して交差する交差方向の外方から内方へ向けた押圧荷重を受けて、フランジ部31の一部を離間方向Xa側に変形させる変形促進部35が備えられたものである。
【0088】
これによれば、グロメット3は、第1貫通孔1aが第2貫通孔2aに略同じ大きさであっても、第1貫通孔1aを通過させて第2貫通孔2aに第2取付部30を取付けることができる。
具体的には、グロメット3の筒部33は、第1貫通孔1aに挿通させたグロメット3の第2取付部30を引き抜くために、作業者が保持する持ち手として機能することができる。このため、作業者は、第1貫通孔1aに挿通したグロメット3の第2取付部30を、第2パネル2側から容易に引っ張ることができる。
【0089】
この際、交差方向の外方から内方へ向けた押圧荷重を変形促進部35に加えながら、筒部33を引っ張ることで、作業者は、第2取付部30を第1貫通孔1aから引き抜くことができる。
より詳しくは、交差方向の押圧荷重が加わると、グロメット3の変形促進部35は、交差方向の外方から内方へ向けてへこむように変形する。
【0090】
この際、変形促進部35は、変形促進部35に連続するフランジ部31の一部を離間方向Xaへ引っ張るように変形する。このため、変形促進部35は、変形促進部35に連続するフランジ部31の一部に、離間方向Xaの引張荷重を作用させることができる。
【0091】
これにより、フランジ部31の一部は、グロメット本体20の連結箇所を支点にして離間方向Xa側へ回動するように、離間方向Xa側に変形することができる。このため、グロメット3は、フランジ部31の外形を第1貫通孔1aから引き抜き可能な大きさに変形させることができる。
したがって、グロメット3は、第1貫通孔1aが第2貫通孔2aに略同じ大きさであっても、第1貫通孔1aを通過させて第2貫通孔2aに第2取付部30を取付けることができる。
【0092】
また、筒部33は、その軸中心が、離間方向Xaから見たカバー部32の中心に対して幅方向Yの一方側Yaにずれて配置されている。そして、カバー部32は、幅方向Yの一方側Yaとは逆側に変形促進部35を備えたものである。
【0093】
この構成によれば、グロメット3は、筒部33とカバー部32とが幅方向Yの一方側Yaにずれて配置されていない場合に比べて、ワイヤーハーネスWと変形促進部35との間隔を、第2取付部30を大型化することなく確保することができる。
【0094】
これにより、グロメット3は、変形開始した変形促進部35が早期にワイヤーハーネスWに接触することで、変形促進部35の変形が阻害されることを防止できる。このため、グロメット3は、フランジ部31の一部を離間方向Xa側に安定して変形させることができる。
【0095】
また、変形促進部35は、離間方向Xaに沿った断面において、交差方向の内方から外方へ向けて膨出するとともに、頂部35aを有する断面形状に形成されたものである。
この構成によれば、グロメット3は、変形促進部35の頂部35aを押圧箇所の目印として機能させることができる。このため、グロメット3は、変形促進部35を安定して変形させることができる。
【0096】
さらに、変形促進部35が交差方向の外方へ膨出した形状のため、グロメット3は、ワイヤーハーネスWと変形促進部35との間隔を確実に確保できるとともに、交差方向における変形促進部35の変形代をより大きく確保することができる。
【0097】
これにより、交差方向の押圧荷重が変形促進部35に加わった際、グロメット3は、より大きな離間方向Xaの引張荷重を、変形促進部35を介してフランジ部31の一部に作用させることができる。このため、グロメット3は、フランジ部31の一部を確実に離間方向Xa側に変形させることができる。
【0098】
また、頂部35aは、離間方向Xaにおける変形促進部35の略中央に設けられたものである。
この構成によれば、グロメット3は、変形促進部35の頂部35aがフランジ部31側または筒部33側に位置する場合に比べて、離間方向Xaの引張荷重をフランジ部31の一部にさらに確実に作用させることができる。このため、グロメット3は、フランジ部31の一部をさらに確実に離間方向Xa側に変形させることができる。
【0099】
また、カバー部32は、フランジ部31近傍の内面に、カバー部32の周方向における全周に亘って延びる溝部324が設けられたものである。
この構成によれば、グロメット3は、溝部324を設けていない場合に比べて、変形促進部35の変形を容易にすることができる。このため、交差方向の押圧荷重が変形促進部35に作用した際、グロメット3は、フランジ部31の一部をより確実に離間方向Xa側に変形させることができる。
【0100】
また、カバー部32は、変形促進部35に対向するとともに、第1貫通孔1aの周縁に仮係止される仮係止部36が設けられたものである。
この構成によれば、グロメット3は、第1貫通孔1aの周縁によって第2取付部30が支持されるため、交差方向の押圧荷重を変形促進部35により安定して作用させることができる。このため、例えば、作業者は、筒部33を保持した手で変形促進部35を容易に押圧することができる。
【0101】
さらに、仮係止部36を支点にすることで、グロメット3は、第2パネル2側へ向けて第2取付部30を容易に傾動させることができる。このため、例えば、作業者は、筒部33を保持した手を放すことなく、フランジ部31を第1貫通孔1aから容易に引き抜くことができる。
【0102】
これにより、変形促進部35の押圧、第2取付部30の傾動、及び第2取付部30の引き抜きを一連の動作として、筒部33を保持した作業者が片手で行うことができるため、グロメット3は、作業性の向上を図ることができる。
【0103】
また、フランジ部31は、グロメット本体20側の外周縁にテーパー面31aが設けられたものである。
この構成によれば、グロメット3は、フランジ部31が第1貫通孔1aを通過する際、フランジ部31の外周縁と第1貫通孔1aの周縁との接触を抑えることができる。このため、グロメット3は、第1貫通孔1aからのフランジ部31の引き抜きを、テーパー面を設けていない場合に比べて容易にすることができる。
【0104】
また、筒部33は、第1半割部分33aに対して隣接するとともに、先端からカバー部32近傍にかけて切り欠かれたスリット34が設けられたものである。
この構成によれば、グロメット3の筒部33は、カバー部32の変形に追従して変形することができる。このため、グロメット3の筒部33は、変形促進部35の変形をより促進して、フランジ部31の一部により大きな引張荷重を作用させることができる。これにより、グロメット3は、フランジ部31の一部をより確実に変形させることができる。
【0105】
また、実施例1のグロメット3の取付け方法は、第1パネル1の第1貫通孔1aと第2パネル2の第2貫通孔2aとに跨って配索されるワイヤーハーネスWを内部に挿通するグロメット本体20と、グロメット本体20の端部に設けられるとともに、第2貫通孔2aに取り付けられる第2取付部30とで構成されたグロメット3における取付け方法である。
【0106】
このグロメット3の取付け方法は、グロメット本体20の端部が連結された略環状のフランジ部31と、離間方向Xa側を覆うようにフランジ部31から離間方向Xaへ向けて先細に延設されたカバー部32と、カバー部32の先細側の端部から延びる筒部33とで構成された第2取付部30のカバー部32及び筒部33を、第2パネル2側に向けて第1貫通孔1aに挿通する挿通工程を行う。
【0107】
さらに、グロメット3の取付け方法は、第1貫通孔1aよりも大きい第2取付部30のフランジ部31を、第2パネル2側から引き抜く引抜工程と、フランジ部31とカバー部32との間で第2貫通孔2aの周縁を挟持して、第1貫通孔1aを通過した第2取付部30を、第2パネル2に取り付ける取付工程とを行う。
【0108】
そして、引抜工程は、カバー部32の変形促進部35が、離間方向Xaに対して交差する交差方向の外方から内方へ向けた押圧荷重を受けて、フランジ部31の一部を離間方向Xa側に変形させることで、フランジ部31を第1貫通孔1aから引き抜き可能にする工程である。
これよれば、グロメット3は、第1貫通孔1aが第2貫通孔2aに略同じ大きさであっても、第1貫通孔1aを通過させて第2貫通孔2aに第2取付部30を取付けることができる。
【実施例2】
【0109】
上述の実施例1におけるグロメット3に対して、筒部の延設方向が異なる実施例2のグロメット3について、図12及び図13を用いて説明する。
なお、図12は実施例2における取付け状態のグロメット3の平面図を示し、図13は実施例2における第2取付部30の引抜工程を説明する説明図を示している。
また、上述の実施例と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0110】
実施例2のグロメット3は、実施例1のグロメット3と同様に、第1取付部10、グロメット本体20、及び第2取付部30とで構成されている。
第1取付部10、及びグロメット本体20は、上述の実施例1と同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0111】
また、第2取付部30は、前後方向Xに沿って配置されたフランジ部31、カバー部32、及び筒部37で構成されている。なお、第2取付部30のフランジ部31及びカバー部32は、図12に示すように、上述の実施例1と同じ構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0112】
一方、第2取付部30の筒部37は、図12に示すように、実施例1の筒部33と異なり、カバー部32から幅方向Yの一方側Yaへ向けて屈曲したのち、幅方向Yへ延設されている。
さらに、第2取付部30の筒部37には、筒部37の先端からカバー部32の近傍に至る幅方向Yの長さで切り欠かれたスリット38が、上下方向で対向して開口形成されている。
【0113】
このため、筒部37は、図12及び図13(a)に示すように、前後方向Xの前方側に位置し、第2縮径部323に連続する外周面を有する第1半割部分37aと、前後方向Xの後方側に位置し、第1縮径部322に連続する外周面を有する第2半割部分37bとに分割されている。
【0114】
さらに、上述した構成によって、第2取付部30のカバー部32には、図13(a)に示すように、上述の実施例1と同様、フランジ部31の一部を離間方向Xa側に変形させる変形促進部35と、第1貫通孔1aの周縁に係止される仮係止部36とが形成されている。
【0115】
具体的には、変形促進部35は、図13(a)に示すように、離間方向Xaに沿った水平断面において、拡径部321と筒部37の第1半割部分37aとを連結する第1縮径部322及び第2縮径部323によって形成されている。
【0116】
また、仮係止部36は、図13(a)に示すように、離間方向Xaに沿った水平断面において、第1縮径部322と筒部37の第2半割部分37bとの境界部分によって形成されている。
【0117】
次に、実施例2のグロメット3の第2取付部30を、第2パネル2に取付ける取付け方法について、図2及び図13を用いて説明する。
まず、作業者は、図2中の矢印Mで示したように、予めワイヤーハーネスWが挿通されたグロメット3の第2取付部30を、第1パネル1から第2パネル2へ向けて第1貫通孔1aに挿通する。この際、作業者は、図13(a)に示すように、第2取付部30の筒部37、カバー部32の順に第1貫通孔1aに挿通する。
【0118】
その後、作業者は、第1貫通孔1aよりも大きい外径のフランジ部31を、第2パネル2側から引き抜く引抜工程を開始する。
詳述すると、作業者は、第1貫通孔1aを通過した筒部37を把持するとともに、変形促進部35の頂部35aが第1貫通孔1aを通過するまで第2パネル2側(離間方向Xa)へ引っ張る。
【0119】
この際、第2取付部30の筒部37は、図13(b)に示すように、幅方向Yに略平行な軸中心が、離間方向Xaに略平行となるように変形する。
具体的には、筒部37は、図13(b)に示すように、カバー部32との境界近傍を支点に先端が幅方向Yの他方側Ybへ向けて回動するように変形する。
【0120】
この筒部37の変形によって、第1半割部分37aが、図13(a)及び図13(b)に示すように、カバー部32との境界近傍を、交差方向の外方から内方へ向けて押圧する。このため、第2取付部30の変形促進部35は、図13(b)に示すように、筒部37の変形による交差方向の外方から内方への押圧荷重を受けて、交差方向の外方から内方へ向けて僅かに変形開始する。
【0121】
その後、作業者は、上述した実施例1と同様に、筒部37を把持した右手RHの親指で、変形促進部35の頂部35aに対してワイヤーハーネスWへ向けた交差方向の外方から内方への押圧荷重を加えて、フランジ部31の一部を変形させる。
【0122】
フランジ部31の一部を変形させると、作業者は、第2取付部30の仮係止部36を、第1貫通孔1aの周縁に当接させながら、第2取付部30を第2パネル2側へ傾けて、フランジ部31の一部を第1貫通孔1aから引き抜く。さらに、作業者は、実施例1と同様に、第2取付部30を幅方向Yに捻りながら引っ張ることで、第1貫通孔1aから第2取付部30を引き抜いて、第1パネル1と第2パネル2との間に位置させる。
【0123】
そして、作業者は、図1に示すように、第1取付部10を第1パネル1に取付け、第2取付部30を第2パネル2に取り付けることで、第1パネル1と第2パネル2との間に跨ってグロメット3を配設する。
【0124】
以上のように、実施例2のグロメット3、及びグロメット3の取付け方法は、上述した実施例1と同様、第1貫通孔1aが第2貫通孔2aに略同じ大きさであっても、第1貫通孔1aを通過させて第2貫通孔2aに第2取付部30を取付けることができる。
【0125】
また、筒部37は、カバー部32から幅方向Yの一方側Yaへ延びる形状に形成されたものである。さらに、変形促進部35は、幅方向Yの他方側Ybに設けられたものである。
この構成によれば、グロメット3は、作業者によって変形促進部35に直接的に加えられる荷重を軽減することができる。
【0126】
具体的には、第1貫通孔1aから第2取付部30を引き抜くために、作業者が保持した筒部37を引っ張った場合、グロメット3の筒部37は、幅方向Yの他方側Ybへ向けて先端が回動するように変形する。この際、筒部37と変形促進部35との境界近傍には、交差方向の外方から内方へ向かう荷重が発生する。
【0127】
これにより、グロメット3は、交差方向の外方から内方へ向けた押圧荷重を、筒部37の変形によって変形促進部35に作用させることができる。このため、グロメット3は、作業者によって変形促進部35に直接的に加えられる荷重を、筒部37によって軽減することができる。
【0128】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の取付部は、実施形態の第2取付部30に対応し、
以下同様に、
離間方向に直交する方向は、幅方向Yに対応し、
所定オフセット方向は、幅方向Yの一方側Yaに対応し、
所定の屈曲方向は、幅方向Yの一方側Yaに対応し、
変形促進部から連続して延びる部分は、第1半割部分33a,37aに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0129】
例えば、上述の実施形態において、自動車などの車両を構成する第1パネル1及び第2パネル2としたが、グロメット3を取付ける薄板状の部材であれば、自動車などの車両に限定されない。
また、平面視略クランク形状のグロメット3としたが、これに限定せず、平面視略直線状に延びるグロメット、あるいは平面視略円弧状のグロメットなどであってもよい。
また、第2取付部30の筒部33,37を作業者の右手RHで把持したが、これに限定せず、作業者の左手で把持してもよい。
【0130】
また、第1取付部10と第2取付部30とを有するグロメット3としたが、これに限定せず、第2取付部のみを有するグロメットであってもよい。この場合であっても、第1貫通孔1aと第2貫通孔2aとは、略同じ直径とする。
【0131】
また、正面視略円形の第1取付部10及び第2取付部30としたが、これに限定せず、正面視略長楕円形状の第1取付部及び第2取付部であってもよい。この場合、第2取付部の変形促進部が、正面視において、略長楕円形状の長軸上に位置するように形成する。
【0132】
また、第2取付部30に2つのスリット34,38を設けたが、これに限定せず、1つのスリット、あるいは3つ以上のスリットを設けてもよい。
また、フランジ部31及びカバー部32の軸中心に対して、筒部33,37を幅方向Yの一方側Yaにずらして配置したが、これに限定せず、フランジ部、カバー部、及び筒部を同軸上に配置してもよい。
【0133】
あるいは、フランジ部及びカバー部の軸中心に対して、筒部を幅方向Yの他方側Ybにずらして配置してもよい。この場合は、筒部は、カバー部から離間方向Xaへ延びる形状、または幅方向Yの他方側Ybへ屈曲した形状のどちらであってもよい。
【符号の説明】
【0134】
1…第1パネル
1a…第1貫通孔
2…第2パネル
2a…第2貫通孔
3…グロメット
20…グロメット本体
30…第2取付部
31…フランジ部
31a…テーパー面
32…カバー部
33,37…筒部
33a,37a…第1半割部分
34,38…スリット
35…変形促進部
35a…頂部
36…仮係止部
324…溝部
W…ワイヤーハーネス
Xa…離間方向
Y…幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13