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特許7558895回転コネクタ装置およびステアリング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】回転コネクタ装置およびステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 35/04 20060101AFI20240924BHJP
   B60R 16/027 20060101ALI20240924BHJP
【FI】
H01R35/04 S
B60R16/027 R
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021093074
(22)【出願日】2021-06-02
(65)【公開番号】P2022185404
(43)【公開日】2022-12-14
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142871
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 哲昌
(74)【代理人】
【識別番号】100094743
【弁理士】
【氏名又は名称】森 昌康
(72)【発明者】
【氏名】笊畑 匡紘
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】田尻 洋司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良征
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/181841(WO,A1)
【文献】特開2019-121430(JP,A)
【文献】特開2010-177039(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008063951(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 35/04
B60R 16/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、
前記ステータに対して回転軸線回りに回転可能に設けられるロテータと、
前記ステータを車両本体に連結するように構成される連結構造と、を備え、
前記ステータおよび前記ロテータは、前記回転軸線を取り囲むように設けられるケーブル収容空間を形成し、
前記連結構造は、前記連結構造が前記ステータを前記車両本体に連結する状態で、前記車両本体に対する前記回転軸線の角度が変化するように前記車両本体に対して前記ステータを移動可能に支持する、
回転コネクタ装置。
【請求項2】
前記連結構造は、基準点を中心とする第1仮想球面に沿って前記車両本体に対して前記ステータを移動可能に支持する第1支持部材を含む、
請求項1に記載の回転コネクタ装置。
【請求項3】
前記基準点は、前記回転軸線上に定義される、
請求項2に記載の回転コネクタ装置。
【請求項4】
前記連結構造は、前記ステータに連結される連結部材を含み、
前記第1支持部材は、前記第1仮想球面上において前記連結部材と接触可能である、
請求項2または3に記載の回転コネクタ装置。
【請求項5】
前記第1支持部材および前記連結部材の少なくとも1つは、前記第1仮想球面に沿って設けられる第1曲面を含む、
請求項4に記載の回転コネクタ装置。
【請求項6】
前記連結構造は、前記基準点を中心とする第2仮想球面に沿って前記車両本体に対して前記ステータを移動可能に支持する第2支持部材を含む、
請求項4または5に記載の回転コネクタ装置。
【請求項7】
前記第2支持部材は、前記第2仮想球面上において前記連結部材と接触可能である、
請求項6に記載の回転コネクタ装置。
【請求項8】
前記第2支持部材および前記連結部材の少なくとも1つは、前記第2仮想球面に沿って設けられる第2曲面を含む、
請求項6または7に記載の回転コネクタ装置。
【請求項9】
前記第1仮想球面は、前記基準点から定義される第1曲率半径を有し、
前記第2仮想球面は、前記基準点から定義される第2曲率半径を有し、
前記第2曲率半径は、前記第1曲率半径よりも大きい、
請求項6から8のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項10】
前記連結部材は、前記第1支持部材および前記第2支持部材の間に配置される、
請求項6から9のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項11】
前記連結構造は、前記連結構造が前記ステータを前記車両本体に連結する状態で、前記回転軸線に垂直な仮想平面に沿って前記車両本体に対して前記ステータが移動するのを許容するように、前記車両本体に対して前記ステータを移動可能に支持する、
請求項6から10のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項12】
前記連結部材は、前記ステータに固定される第1連結部材と、前記第1連結部材に対して前記仮想平面に沿って移動可能に前記第1連結部材に連結される第2連結部材と、を含み、
前記第1支持部材は、前記第1仮想球面上において前記第2連結部材と接触可能である、
請求項11に記載の回転コネクタ装置。
【請求項13】
前記第2支持部材は、前記第2仮想球面上において前記第2連結部材と接触可能である、
請求項12に記載の回転コネクタ装置。
【請求項14】
前記第1連結部材および前記第2連結部材の一方は、案内溝を含み、
前記第1連結部材および前記第2連結部材の他方は、前記案内溝内に移動可能に設けられる、
請求項12または13に記載の回転コネクタ装置。
【請求項15】
前記車両本体に含まれるベース部材と、
請求項1から14のいずれか1項に記載の前記回転コネクタ装置と、を備え、
前記連結構造は、前記連結構造が前記ステータを前記ベース部材に連結する状態で、前記ベース部材に対する前記回転軸線の角度が変化するように前記ベース部材に対して前記ステータを移動可能に支持する、
ステアリング装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に開示される技術は、回転コネクタ装置およびステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転コネクタ装置は、ステアリングホイールに設けられる電子部品を車両本体2に設けられる電子部品に電気的に接続するように構成される。例えば、回転コネクタ装置は、固定部材、回転部材、およびフレキシブルフラットケーブルを含む。固定部材は、車両本体2に固定される。回転部材は、固定部材に対して回転軸線A1回りに回転可能である。回転部材は、ステアリングとともに回転するようにステアリングホイールに連結される。ステアリングホイールは、ステアリングシャフトの端部に固定される。ステアリングシャフトは、車両本体2に回転可能に支持される。フレキシブルフラットケーブルは、固定部材および回転部材により形成される空間内に設けられ、ステアリングホイールに設けられる電子部品を車両本体2に設けられる電子部品に電気的に接続する。
【0003】
しかし、部品の製作誤差や組立誤差などにより、回転コネクタ装置に対してステアリングのミスアライメントが生じる場合がある。ステアリングのミスアライメントが発生すると、ステアリングホイールと回転部材との連結部の負荷が高まり、連結部から異音が発生したり連結部が破損したりする可能性がある。
【0004】
そこで、ステアリングのミスアライメントに追従する回転コネクタ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開2019-181841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の回転コネクタ装置では、ステアリングの偏心は考慮されているが、ステアリングの偏角(回転コネクタ装置の回転軸線A1に対してステアリングの回転軸線A1が傾くこと)については考慮されていない。
【0007】
本願に開示される技術の課題は、ステアリングの偏角の影響を簡素な構造により低減できる回転コネクタ装置およびステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴によれば、回転コネクタ装置は、ステータ、ロテータ、および連結構造を備える。ロテータは、ステータに対して回転軸線回りに回転可能に設けられる。連結構造は、ステータを車両本体に連結するように構成される。ケーブル収容空間は、ステータおよびロテータは、回転軸線を取り囲むように設けられるケーブル収容空間を形成する。連結構造は、連結構造がステータを車両本体に連結する状態で、車両本体に対する回転軸線の角度が変化するように車両本体に対してステータを移動可能に支持する。
【0009】
第1の特徴に係る回転コネクタ装置では、車両本体に対する回転軸線の角度が変化するように車両本体に対してステータを移動可能に支持するので、ステアリングの回転軸線が回転コネクタ装置の回転軸線に対して傾いても、ステアリングの偏角にステータが追従できる。したがって、ロテータもステアリングの偏角に追従でき、ステアリングのミスアライメントの影響を簡素な構造により低減できる。
【0010】
第2の特徴によれば、第1の特徴に係る回転コネクタ装置において、連結構造は、基準点を中心とする第1仮想球面に沿って車両本体に対してステータを移動可能に支持する第1支持部材を含む。
【0011】
第2の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏角に円滑に追従可能となる。
【0012】
第3の特徴によれば、第2の特徴に係る回転コネクタ装置において、基準点は、回転軸線上に定義される。
【0013】
第3の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0014】
第4の特徴によれば、第2または第3の特徴に係る回転コネクタ装置において、連結構造は、ステータに連結される連結部材を含む。第1支持部材は、第1仮想球面上において連結部材と接触可能である。
【0015】
第4の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏角に確実に追従可能となる。
【0016】
第5の特徴によれば、第4の特徴に係る回転コネクタ装置において、第1支持部材および連結部材の少なくとも1つは、第1仮想球面に沿って設けられる第1曲面を含む。
【0017】
第5の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0018】
第6の特徴によれば、第4または第5の特徴に係る回転コネクタ装置において、連結構造は、基準点を中心とする第2仮想球面に沿って車両本体に対してステータを移動可能に支持する第2支持部材を含む。
【0019】
第6の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0020】
第7の特徴によれば、第6の特徴に係る回転コネクタ装置において、第2支持部材は、第2仮想球面上において連結部材と接触可能である。
【0021】
第7の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏角に確実に円滑に追従可能となる。
【0022】
第8の特徴によれば、第6または第7の特徴に係る回転コネクタ装置において、第2支持部材および連結部材の少なくとも1つは、第2仮想球面に沿って設けられる第2曲面を含む。
【0023】
第8の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0024】
第9の特徴によれば、第6から第8の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、第1仮想球面は、基準点から定義される第1曲率半径を有する。第2仮想球面は、基準点から定義される第2曲率半径を有する。第2曲率半径は、第1曲率半径よりも大きい。
【0025】
第9の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0026】
第10の特徴によれば、第6から第9の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、連結部材は、第1支持部材および第2支持部材の間に配置される。
【0027】
第10の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0028】
第11の特徴によれば、第6から第10の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、連結構造は、連結構造がステータを車両本体に連結する状態で、回転軸線に垂直な仮想平面に沿って車両本体に対してステータが移動するのを許容するように、車両本体に対してステータを移動可能に支持する。
【0029】
第11の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏角に加えてステアリングの偏心にも追従可能となる。したがって、ステアリングのミスアライメントの影響を簡素な構造によりさらに低減できる。
【0030】
第12の特徴によれば、第11の特徴に係る回転コネクタ装置において、連結部材は、ステータに固定される第1連結部材と、第1連結部材に対して仮想平面に沿って移動可能に第1連結部材に連結される第2連結部材と、を含む。第1支持部材は、第1仮想球面上において第2連結部材と接触可能である。
【0031】
第12の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏心に簡素な構造で追従可能となる。
【0032】
第13の特徴によれば、第12の特徴に係る回転コネクタ装置において、第2支持部材は、第2仮想球面上において第2連結部材と接触可能である。
【0033】
第13の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏心に簡素な構造で円滑に追従可能となる。
【0034】
第14の特徴によれば、第12または第13の特徴に係る回転コネクタ装置において、第1連結部材および第2連結部材の一方は、案内溝を含む。第1連結部材および第2連結部材の他方は、案内溝内に移動可能に設けられる。
【0035】
第14の特徴に係る回転コネクタ装置では、ステータおよびロテータがステアリングの偏心に簡素な構造で円滑に追従可能となる。
【0036】
第15の特徴によれば、ステアリング装置は、車両本体に含まれるベース部材と、第1から第14の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置と、を備える。連結構造は、連結構造がステータをベース部材に連結する状態で、ベース部材に対する回転軸線の角度が変化するようにベース部材に対してステータを移動可能に支持する。
【0037】
第15の特徴に係るステアリング装置では、車両本体に対する回転軸線の角度が変化するように車両本体に対してステータを移動可能に支持するので、ステアリングの回転軸線が回転コネクタ装置の回転軸線に対して傾いても、ステアリングの偏角にステータが追従できる。したがって、ロテータもステアリングの偏角に追従でき、ステアリングのミスアライメントの影響を簡素な構造により低減できる。
【発明の効果】
【0038】
本願に開示される技術であれば、ステアリングの偏角の影響を簡素な構造により低減できる回転コネクタ装置およびステアリング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は、実施形態に係るステアリング装置の側面図である。
図2図2は、図1に示すステアリング装置の回転コネクタ装置の分解斜視図である。
図3図3は、図1に示すステアリング装置の側面図である。
図4図4は、図1のラインIV-IVにおける回転コネクタ装置の断面図である。
図5図5は、図4のラインV-Vにおけるステアリング装置の断面図である。
図6図6は、図4のラインVI-VIにおけるステアリング装置の断面図である。
図7図7は、図1に示すステアリング装置の分解斜視図である。
図8図8は、図1に示す回転コネクタ装置の連結構造の分解斜視図である。
図9図9は、図1に示す回転コネクタ装置の連結構造の分解斜視図である。
図10図10は、図1に示す回転コネクタ装置の連結構造の分解斜視図である。
図11図11は、図1に示す回転コネクタ装置の連結構造の分解斜視図である。
図12図12は、図1に示す回転コネクタ装置の連結構造の分解斜視図である。
図13図13は、図1に示す回転コネクタ装置の連結構造の分解斜視図である。
図14図14は、図1に示す回転コネクタ装置の連結構造の部分断面図である。
図15図15は、図1に示す回転コネクタ装置の連結構造の部分断面図である。
図16図16は、図1に示す回転コネクタ装置の連結構造の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。図中において同じ符号は、対応するまたは同一の構成を示している。
【0041】
図1に示すように、ステアリング装置1は、車両の進行方向を変更するための装置であり、車両本体2に対して回転可能に設けられる。ステアリング装置1は、ベース部材3および回転コネクタ装置4を備える。ベース部材3は車両本体2に含まれる。ベース部材3は、例えば、コンビネーションスイッチのハウジングを含む。ステアリング装置1は、ステアリング5を含む。ステアリング5は、ベース部材3に対して回転軸線A2回りに回転可能に設けられる。ステアリング5は、ステアリングホイール6およびステアリングシャフト7を含む。ステアリングホイール6は、ステアリングシャフト7の端部に固定される。
【0042】
回転コネクタ装置4は、ステータ10(stator)10およびロテータ(rotator)20を備える。ステータ10は、車両本体2に連結されるように構成される。ステータ10は、ベース部材3に連結されるように構成される。ロテータ20は、ステータ10に対して回転軸線A1回りに回転可能に設けられる。ロテータ20は、ステータ10に対してステアリング5とともに回転軸線A1回りに回転するようにステアリング5に連結される。
【0043】
図2に示すように、回転コネクタ装置4は、第1電気コネクタ30および第2電気コネクタ40および42を備える。第1電気コネクタ30はステータ10に取り付けられる。第2電気コネクタ40および42はロテータ20に取り付けられる。第1電気コネクタ30は、例えば、車両本体2に設けられる電気機器(例えば、制御装置およびバッテリー)と電気的に接続されるように構成される。第2電気コネクタ40および42は、例えば、ステアリングホイール6のスイッチ類やエアバッグ装置等の電気回路と電気的に接続されるように構成される。
【0044】
ベース部材3は、ベース44およびカバー45を備える。カバー45は、ベース44に取り付けられるように構成される。図2および図7に示すように、カバー45は、第1カバー46および第2カバー47を含む。第1カバー46は、第2カバー47とは別部材である。カバー45は、開口45Aを含む。ステータ10は、ステータ10およびカバー45がベース44に取り付けられる状態で、開口45A内に配置される。開口45Aは、第1カバー46および第2カバー47により定義される。
【0045】
図2に示すように、ステータ10は、ベースプレート11、外周壁12、およびカバー部13を含む。ベースプレート11は、中央開口11Cを含む。外周壁12は、回転軸線A1に沿って定義される軸方向D1においてベースプレート11から延びる。カバー部13は、外周壁12から第1電気コネクタ30までのケーブル通路を覆うようにベースプレート11および外周壁12に連結される。
【0046】
ロテータ20は、ロテータ本体21、スリーブ22、および回転入力部23を含む。スリーブ22は、ロテータ本体21に固定される。ロテータ本体21およびスリーブ22により、ロテータ20はステータ10に対して回転軸線A1回りに回転可能に保持される。
【0047】
回転入力部23は、軸方向D1においてロテータ本体21から突出する。回転入力部23は、ステアリング5(例えば、図1参照)から回転力を受けるように構成される。回転入力部23は、第1回転入力部23Aおよび第2回転入力部23Bを含む。第1回転入力部23Aは、軸方向D1においてロテータ本体21から突出する。第2回転入力部23Bは、軸方向D1においてロテータ本体21から突出する。
【0048】
図1に示すように、ステアリングホイール6は、第1突起6A、第2突起6B、および中間部材6Cを含む。第1突起6Aおよび第2突起6Bは、周方向D3に間隔を空けて配置される。第1回転入力部23Aは、周方向D3において第1突起6Aおよび第2突起6Bの間に配置される。中間部材6Cは、第1回転入力部23Aに取り付けられ、第1突起6Aおよび第2突起6Bの間に配置される。中間部材6Cは、弾性部材を含む。例えば、中間部材6Cは、ゴム製である。ステアリングホイール6の回転は、第1突起6A、第2突起6B、および中間部材6Cを介してロテータ20の第1回転入力部23Aに伝達される。なお、中間部材6Cは、第1回転入力部23Aに装着されるトルクピンキャップとしてロテータ20に含まれていてもよい。
【0049】
図3に示すように、ステアリングホイール6は、第1突起6D、第2突起6E、および中間部材6Fを含む。第1突起6Dおよび第2突起6Eは、周方向D3に間隔を空けて配置される。第2回転入力部23Bは、周方向D3において第1突起6Dおよび第2突起6Eの間に配置される。中間部材6Fは、第2回転入力部23Bに取り付けられ、第1突起6Dおよび第2突起6Eの間に配置される。中間部材6Fは、弾性部材を含む。例えば、中間部材6Fは、ゴム製である。ステアリングホイール6の回転は、第1突起6D、第2突起6E、および中間部材6Fを介してロテータ20の第2回転入力部23Bに伝達される。なお、中間部材6Fは、第2回転入力部23Bに装着されるトルクピンキャップとしてロテータ20に含まれていてもよい。
【0050】
図4に示すように、ステータ10およびロテータ20は、回転軸線A1を取り囲むように設けられるケーブル収容空間50を形成する。例えば、ケーブル収容空間50は、環状であり、回転軸線A1に対して周方向D3に延びる。回転コネクタ装置4は、ケーブル収容空間50内に設けられる電気ケーブル60をさらに備える。電気ケーブル60は、第1電気コネクタ30および第2電気コネクタ40および42(例えば、図2参照)に電気的に接続される。電気ケーブル60は、可撓性を有し、平坦な形状を有する。電気ケーブル60はフレキシブルフラットケーブルとも称し得る。本実施形態では、電気ケーブル60は複数のフラットケーブル61を含む。
【0051】
図5および図6に示すように、回転コネクタ装置4は、連結構造70を備える。連結構造70は、ステータ10を車両本体2に連結するように構成される。連結構造70は、ステータ10を車両本体2のベース部材3に連結するように構成される。連結構造70は、ステータ10を車両本体2のベース部材3に移動可能に連結するように構成される。連結構造70は、連結構造70がステータ10を車両本体2に連結する状態で、軸方向D1において車両本体2のベース部材3に対してステータ10が移動するのを制限し、かつ、車両本体2のベース部材3に対してステータ10が軸方向D1以外の方向に移動するのを所定の可動範囲内で許容する。
【0052】
連結構造70は、連結構造70がステータ10を車両本体2に連結する状態で、車両本体2に対する回転軸線A1の角度が変化するように車両本体2に対してステータ10を移動可能に支持する。連結構造70は、連結構造70がステータ10をベース部材3に連結する状態で、ベース部材3に対する回転軸線A1の角度が変化するようにベース部材3に対してステータ10を移動可能に支持する。連結構造70は、連結構造70がステータ10を車両本体2に連結する状態で、車両本体2に対する回転軸線A1の角度が第1可動範囲MR1内で変化するように車両本体2に対してステータ10を移動可能に支持する。連結構造70は、連結構造70がステータ10をベース部材3に連結する状態で、ベース部材3に対する回転軸線A1の角度が第1可動範囲MR1内で変化するようにベース部材3に対してステータ10を移動可能に支持する。
【0053】
連結構造70は、連結構造70がステータ10を車両本体2に連結する状態で、回転軸線A1に垂直な仮想平面70Pに沿って車両本体2に対してステータ10が移動するのを許容するように、車両本体2に対してステータ10を移動可能に支持する。連結構造70は、連結構造70がステータ10を車両本体2に連結する状態で、回転軸線A1に垂直な仮想平面70Pに沿って車両本体2のベース部材3に対してステータ10が移動するのを第2可動範囲MR2に制限するように、車両本体2のベース部材3に対してステータ10を移動可能に支持する。
【0054】
しかし、連結構造70は、連結構造70がステータ10を車両本体2に連結する状態で、回転軸線A1に垂直な仮想平面70Pに沿って車両本体2に対してステータ10が移動するのを制限するように構成されてもよい。
【0055】
図7に示すように、連結構造70は、第1支持部材71、第2支持部材72、および連結部材73を含む。第1支持部材71はおよび第2支持部材72は、車両本体2のベース部材3に連結される。連結部材73は、ステータ10に連結される
本実施形態では、第1支持部材71は、第1支持体71A、71B、および71Cを含む。第1支持体71A、71B、および71Cは、それぞれ別部材である。しかし、第1支持部材71に含まれる部品の総数は、3つに限定されない。第1支持体71A、71B、および71Cの少なくとも2つは、1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0056】
第2支持部材72は、第2支持体72A、72B、および72Cを含む。第2支持体72A、72B、および72Cは、それぞれ別部材である。しかし、第2支持部材72に含まれる部品の総数は、3つに限定されない。第2支持体72A、72B、および72Cの少なくとも2つは、1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0057】
本実施形態では、第2支持部材72は、第1支持部材71とは別部材である。第2支持体72Aは、第1支持体71Aとは別部材である。第2支持体72Bは、第1支持体71Bとは別部材である。第2支持体72Cは、第1支持体71Cとは別部材である。しかし、第2支持部材72が第1支持部材71と1個の部材として一体に設けられてもよい。第2支持体72Aは第1支持体71Aと1個の部材として一体に設けられてもよい。第2支持体72Bは第1支持体71Bと1個の部材として一体に設けられてもよい。第2支持体72Cは第1支持体71Cと1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0058】
連結部材73は、第1連結部材77および第2連結部材78を含む。第1連結部材77は、ステータ10に固定される。第2連結部材78は、第1連結部材77に移動可能に連結される。
【0059】
本実施形態では、第1連結部材77は、第1連結体77A、77B、および77Cを含む。第1連結体77A、77B、および77Cは、ステータ10に固定される。第1連結体77A、77B、および77Cは、それぞれ別部材である。しかし、第1連結部材77に含まれる部品の総数は、3つに限定されない。第1連結体77A、77B、および77Cの少なくとも2つは、1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0060】
第2連結部材78は、第2連結体78A、78B、および78Cを含む。第2連結体78Aは、第1連結体77Aに移動可能に連結される。第2連結体78Bは、第1連結体77Bに移動可能に連結される。第2連結体78Cは、第1連結体77Cに移動可能に連結される。第2連結体78A、78B、および78Cは、それぞれ別部材である。しかし、第2連結部材78に含まれる部品の総数は、3つに限定されない。第2連結体78A、78B、および78Cの少なくとも2つは、1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0061】
本実施形態では、第1支持体71B、第2支持体72B、第1連結体77B、および第2連結体78Bは、第1支持体71A、第2支持体72A、第1連結体77A、および第2連結体78Aの構造と同じ構造を有する。第1支持体71C、第2支持体72C、第1連結体77C、および第2連結体78Cは、第1支持体71A、第2支持体72A、第1連結体77A、および第2連結体78Aの構造と実質的に同じ構造を有する。
【0062】
しかし、第1支持体71B、第2支持体72B、第1連結体77B、および第2連結体78Bは、第1支持体71A、第2支持体72A、第1連結体77A、および第2連結体78Aの構造と実質的に同じ構造または異なる構造を有していてもよい。第1支持体71C、第2支持体72C、第1連結体77C、および第2連結体78Cは、第1支持体71A、第2支持体72A、第1連結体77A、および第2連結体78Aの構造と同じ構造または異なる構造を有していてもよい。
【0063】
図8から図13に示すように、連結構造70は、第1連結構造70A、第2連結構造70B、および第3連結構造70Cを含む。図8および図9に示すように、第1連結構造70Aは、第1支持体71A、第2支持体72A、第1連結体77A、および第2連結体78Aを含む。図10および図11に示すように、第2連結構造70Bは、第1支持体71B、第2支持体72B、第1連結体77B、および第2連結体78Bを含む。図12および図13に示すように、第3連結構造70Cは、第1支持体71C、第2支持体72C、第1連結体77C、および第2連結体78Cを含む。
【0064】
図4の示すように、第1連結構造70A、第2連結構造70B、および第3連結構造70Cは、周方向D3において間隔を空けて配置される。回転軸線A1に沿って見た場合に、連結構造70は、ステータ10の径方向外側に配置される。回転軸線A1に沿って見た場合に、第1連結構造70A、第2連結構造70B、および第3連結構造70Cは、ステータ10の径方向外側に配置される。しかし、連結構造70の配置は、図4に示される配置に限定されない。第1連結構造70A、第2連結構造70B、および第3連結構造70Cは、図4に示される配置に限定されない。第1連結構造70A、第2連結構造70B、および第3連結構造70Cの少なくとも2つは、互いに一体で設けられてもよい。連結構造70が第1連結構造70A、第2連結構造70B、および第3連結構造70Cに加えて他の構造を含んでいてもよい。
【0065】
図5および図6に示すように、第1支持部材71は、基準点RPを中心とする第1仮想球面S1に沿って車両本体2に対してステータ10を移動可能に支持する。第2支持部材72は、基準点RPを中心とする第2仮想球面S2に沿って車両本体2に対してステータ10を移動可能に支持する。
【0066】
本実施形態では、基準点RPは、回転軸線A1上に定義される。第1仮想球面S1は、基準点RPから定義される第1曲率半径R1を有する。第2仮想球面S2は、基準点RPから定義される第2曲率半径R2を有する。第2曲率半径R2は、第1曲率半径R1よりも大きい。しかし、基準点RPは、回転軸線A1からずれていてもよい。第2曲率半径R2が第1曲率半径R1よりも小さくてもよい。
【0067】
第2連結部材78は、第1連結部材77に対して仮想平面70Pに沿って移動可能に第1連結部材77に連結される。連結構造70は、連結構造70がステータ10をベース部材3に連結する状態で、仮想平面70Pに沿ってベース部材3に対してステータ10が移動するのを第2可動範囲MR2に制限するように、ベース部材3に対してステータ10を移動可能に支持する。
【0068】
図14から図16に示すように、連結部材73は、第1支持部材71および第2支持部材72の間に配置される。第1支持部材71は、第1仮想球面S1上において連結部材73と接触可能である。第2支持部材72は、第2仮想球面S2上において連結部材73と接触可能である。
【0069】
第1支持部材71は、第1仮想球面S1上において連結部材73と接触可能である。第1支持部材71は、第1仮想球面S1上において第2連結部材78と接触可能である。第1支持部材71および連結部材73の少なくとも1つは、第1仮想球面S1に沿って設けられる第1曲面74および/または84を含む。第1支持部材71および第2連結部材78の少なくとも1つは、第1仮想球面S1に沿って設けられる第1曲面74および/または84を含む。
【0070】
本実施形態では、連結部材73は、第1曲面74を含む。第2連結部材78は、第1曲面84を含む。第1曲面74は、第1曲面74A、74B、および74Cを含む。第1曲面84は、第1曲面84A、84B、および84Cを含む。しかし、第1曲面74に含まれる面の総数は、3つに限定されない。第1曲面84に含まれる面の総数は、3つに限定されない。第1支持部材71および連結部材73(例えば、第2連結部材78)の一方のみが第1曲面74または84を含んでいてもよい。
【0071】
第2支持部材72は、第2仮想球面S2上において連結部材73と接触可能である。第2支持部材72は、第2仮想球面S2上において第2連結部材78と接触可能である。第2支持部材72および連結部材73の少なくとも1つは、第2仮想球面S2に沿って設けられる第2曲面75および/または76を含む。例えば、ステータ10および第1連結部材77に対して第2連結部材78が径方向外側に移動した場合に、第2支持部材72は、第2仮想球面S2上において第2連結部材78と接触する。これにより、第2仮想球面S2に沿って車両本体2に対してステータ10を移動可能にしつつ、ステータ10および第1連結部材77に対する第2連結部材78の移動範囲を所定の範囲に制限でき、第2連結部材78の脱落を低減できる。
【0072】
本実施形態では、連結部材73は、第2曲面75を含む。第2支持部材72は、第2曲面75と摺動可能な第2曲面76を含む。第2曲面75は、第2曲面75A、75B、および75Cを含む。第2曲面76は、第2曲面76A、76B、および76Cを含む。しかし、第2曲面75に含まれる面の総数は、3つに限定されない。第2曲面76に含まれる面の総数は、3つに限定されない。第2支持部材72および連結部材73の一方のみが第2曲面75または76を含んでいてもよい。
【0073】
第1連結部材77および第2連結部材78の一方は、案内溝79を含む。第1連結部材77および第2連結部材78の他方は、案内溝79内に移動可能に設けられる。本実施形態では、第2連結部材78が案内溝79を含み、第1連結部材77が案内溝79内に移動可能に設けられる。案内溝79は、案内溝79A、79B、および79Cを含む。しかし、案内溝79の含まれる溝の総数は、3つに限定されない。第1連結部材77が案内溝79を含んでいてもよく、第2連結部材78が案内溝79内に移動可能に設けられてもよい。
【0074】
なお、第1連結部材77は、第2連結部材78と1個の部材として一体に設けられてもよい。具体的には、第1連結体77Aは、第2連結体78Aと1個の部材として一体に設けられてもよい。第1連結体77Bは、第2連結体78Bと1個の部材として一体に設けられてもよい。第1連結体77Cは、第2連結体78Cと1個の部材として一体に設けられてもよい。この場合、連結構造70は、連結構造70がステータ10を車両本体2に連結する状態で、回転軸線A1に垂直な仮想平面70Pに沿って車両本体2に対してステータ10が移動するのを制限するように構成される。
【0075】
図14に示すように、第1支持体71Aは、第1仮想球面S1上において連結部材73と接触可能である。第1支持体71Aは、第1仮想球面S1上において第2連結体78Aと接触可能である。第2連結体78Aは、第1曲面74Aを含む。第1支持体71Aは、第1曲面74Aと摺動可能な第1曲面84Aを含む。第1支持体71Aは、第1仮想球面S1上において第1曲面74Aと接触可能である。第2連結体78Aは、第1仮想球面S1上において第1曲面84Aと接触可能である。
【0076】
第2支持体72Aは、第2仮想球面S2上において連結部材73と接触可能である。第2支持体72Aは、第2仮想球面S2上において第2連結体78Aと接触可能である。第2連結体78Aは、第2曲面75Aを含む。第2支持体72Aは、第2曲面75Aと摺動可能な第2曲面76Aを含む。第2支持体72Aは、第2仮想球面S2上において第2曲面75Aと接触可能である。第2連結体78Aは、第2仮想球面S2上において第2曲面76Aと接触可能である。
【0077】
連結部材73は、第2仮想球面S2上において第2曲面76Aと接触可能である。第2連結体78Aは、第2仮想球面S2上において第2曲面76Aと接触可能である。第2連結体78Aは、第1連結体77Aに対して仮想平面70Pに沿って移動可能に第1連結体77Aに連結される。
【0078】
第1支持体71Aは、ベース部材3に固定される。ベース部材3は、固定孔31Aを含む。第1支持体71Aは、固定孔31Aに挿入される。第1支持体71Aは、例えば、接着剤および/または圧入によりベース部材3に固定される。しかし、第1支持体71Aの固定構造は、接着剤および圧入に限定されない。第1支持体71Aは、ベース部材3の少なくとも一部と1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0079】
第2支持体72Aは、収容凹部72Dを含む。第1支持体71A、第1連結体77A、および第2連結体78Aは、収容凹部72D内に配置される。
【0080】
第2支持体72Aは、ベース部材3に固定される。第2支持体72Aは、例えば、接着剤によりベース部材3に固定される。しかし、第2支持体72Aは、接着剤以外の固定方法によりベース部材3に固定されてもよい。第2支持体72Aがベース部材3の少なくとも一部と1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0081】
ステータ10の外周壁12は、固定孔14Aを含む。第1連結体77Aは、固定孔14Aに挿入される。第1連結体77Aは、例えば、接着剤および/または圧入によりベース部材3に固定される。しかし、第1連結体77Aの固定構造は、接着剤および圧入に限定されない。第1連結体77Aは、ステータ10の外周壁12と1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0082】
第1連結体77Aは、ステータ10の外周壁12から径方向外側に突出する。第2連結体78Aは、案内溝79Aを含む。第1連結体77Aは、仮想平面70Pに沿って案内溝79A内に移動可能に設けられる。
【0083】
図15に示すように、第1支持体71Bは、第1仮想球面S1上において連結部材73と接触可能である。第1支持体71Bは、第1仮想球面S1上において第2連結体78Bと接触可能である。第2連結体78Bは、第1曲面74Bを含む。第1支持体71Bは、第1曲面74Bと摺動可能な第1曲面84Bを含む。第1支持体71Bは、第1仮想球面S1上において第1曲面74Bと接触可能である。第2連結体78Bは、第1仮想球面S1上において第1曲面84Bと接触可能である。
【0084】
第2支持体72Bは、第2仮想球面S2上において連結部材73と接触可能である。第2支持体72Bは、第2仮想球面S2上において第2連結体78Bと接触可能である。第2連結体78Bは、第2曲面75Bを含む。第2支持体72Bは、第2曲面75Bと摺動可能な第2曲面76Bを含む。第2支持体72Bは、第2仮想球面S2上において第2曲面75Bと接触可能である。第2連結体78Bは、第2仮想球面S2上において第2曲面76Bと接触可能である。
【0085】
連結部材73は、第2仮想球面S2上において第2曲面76Bと接触可能である。第2連結体78Bは、第2仮想球面S2上において第2曲面76Bと接触可能である。第2連結体78Bは、第1連結体77Bに対して仮想平面70Pに沿って移動可能に第1連結体77Bに連結される。
【0086】
第1支持体71Bは、ベース部材3に固定される。ベース部材3は、固定孔31Bを含む。第1支持体71Bは、固定孔31Bに挿入される。第1支持体71Bは、例えば、接着剤および/または圧入によりベース部材3に固定される。しかし、第1支持体71Bの固定構造は、接着剤および圧入に限定されない。第1支持体71Bは、ベース部材3の少なくとも一部と1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0087】
第2支持体72Bは、収容凹部72Eを含む。第1支持体71B、第1連結体77B、および第2連結体78Bは、収容凹部72E内に配置される。
【0088】
第2支持体72Bは、ベース部材3に固定される。第2支持体72Bは、例えば、接着剤によりベース部材3に固定される。しかし、第2支持体72Bは、接着剤以外の固定方法によりベース部材3に固定されてもよい。第2支持体72Bがベース部材3の少なくとも一部と1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0089】
ステータ10の外周壁12は、固定孔14Bを含む。第1連結体77Bは、固定孔14Bに挿入される。第1連結体77Bは、例えば、接着剤および/または圧入によりベース部材3に固定される。しかし、第1連結体77Bの固定構造は、接着剤および圧入に限定されない。第1連結体77Bは、ステータ10の外周壁12と1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0090】
第1連結体77Bは、ステータ10の外周壁12から径方向外側に突出する。第2連結体78Bは、案内溝79Bを含む。第1連結体77Bは、仮想平面70Pに沿って案内溝79B内に移動可能に設けられる。
【0091】
図16に示すように、第1支持体71Cは、第1仮想球面S1上において連結部材73と接触可能である。第1支持体71Cは、第1仮想球面S1上において第2連結体78Cと接触可能である。第2連結体78Cは、第1曲面74Cを含む。第1支持体71Cは、第1曲面74Cと摺動可能な第1曲面84Cを含む。第1支持体71Cは、第1仮想球面S1上において第1曲面74Cと接触可能である。第2連結体78Cは、第1仮想球面S1上において第1曲面84Cと接触可能である。
【0092】
第2支持体72Cは、第2仮想球面S2上において連結部材73と接触可能である。第2支持体72Cは、第2仮想球面S2上において第2連結体78Cと接触可能である。第2連結体78Cは、第2曲面75Cを含む。第2支持体72Cは、第2曲面75Cと摺動可能な第2曲面76Cを含む。第2支持体72Cは、第2仮想球面S2上において第2曲面75Cと接触可能である。第2連結体78Cは、第2仮想球面S2上において第2曲面76Cと接触可能である。
【0093】
連結部材73は、第2仮想球面S2上において第2曲面76Cと接触可能である。第2連結体78Cは、第2仮想球面S2上において第2曲面76Cと接触可能である。第2連結体78Cは、第1連結体77Cに対して仮想平面70Pに沿って移動可能に第1連結体77Cに連結される。
【0094】
第1支持体71Cは、ベース部材3に固定される。ベース部材3は、固定孔31Cを含む。第1支持体71Cは、固定孔31Cに挿入される。第1支持体71Cは、例えば、接着剤および/または圧入によりベース部材3に固定される。しかし、第1支持体71Cの固定構造は、接着剤および圧入に限定されない。第1支持体71Cは、ベース部材3の少なくとも一部と1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0095】
第2支持体72Cは、収容凹部72Fを含む。第1支持体71C、第1連結体77C、および第2連結体78Cは、収容凹部72F内に配置される。
【0096】
第2支持体72Cは、ベース部材3に固定される。第2支持体72Cは、例えば、接着剤によりベース部材3に固定される。しかし、第2支持体72Cは、接着剤以外の固定方法によりベース部材3に固定されてもよい。第2支持体72Cがベース部材3の少なくとも一部と1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0097】
ステータ10の外周壁12は、固定孔14Cを含む。第1連結体77Cは、固定孔14Cに挿入される。第1連結体77Cは、例えば、接着剤および/または圧入によりベース部材3に固定される。しかし、第1連結体77Cの固定構造は、接着剤および圧入に限定されない。第1連結体77Cは、ステータ10の外周壁12と1個の部材として一体に設けられてもよい。
【0098】
第1連結体77Cは、ステータ10の外周壁12から径方向外側に突出する。第2連結体78Cは、案内溝79Cを含む。第1連結体77Cは、仮想平面70Pに沿って案内溝79C内に移動可能に設けられる。
【0099】
図4に示すように、連結構造70は、連結構造70がステータ10を車両本体2のベース部材3に連結する状態で、回転軸線A1回りに車両本体2のベース部材3に対してステータ10が回転するのを制限する。連結構造70は、連結構造70がステータ10をベース部材3に連結する状態で、回転軸線A1回りにベース部材3に対してステータ10が回転するのを所定の回転範囲MR3内に制限する。
【0100】
第2支持部材72は、第1ストッパ81および第2ストッパ82を含む。第1ストッパ81および第2ストッパ82は、連結構造70がステータ10を車両本体2のベース部材3に連結する状態で、回転軸線A1回りに車両本体2のベース部材3に対してステータ10が回転するのを所定の回転範囲MR3内に制限する。
【0101】
第1ストッパ81は、周方向D3において第2ストッパ82と間隔を空けて配置される。本実施形態では、第1ストッパ81は、第1ストッパ81A、81B、および81Cを含む。第2ストッパ82は、第2ストッパ82A、82B、および82Cを含む。第1ストッパ81Aは、周方向D3において第2ストッパ82Aと間隔を空けて配置される。第1ストッパ81Bは、周方向D3において第2ストッパ82Bと間隔を空けて配置される。第1ストッパ81Cは、周方向D3において第2ストッパ82Cと間隔を空けて配置される。
【0102】
連結部材73は、周方向D3において第1ストッパ81および第2ストッパ82の間に配置される。第1連結部材77および第2連結部材78は、周方向D3において第1ストッパ81および第2ストッパ82の間に配置される。第1連結部材77が第1ストッパ81および第2ストッパ82の1つに接触することで、車両本体2のベース部材3に対するステータ10の回転が所定の回転範囲MR3に制限される。
【0103】
第1連結体77Aおよび第2連結体78Aは、周方向D3において第1ストッパ81Aおよび第2ストッパ82Aの間に配置される。第1連結体77Bおよび第2連結体78Bは、周方向D3において第1ストッパ81Bおよび第2ストッパ82Bの間に配置される。第1連結体77Cおよび第2連結体78Cは、周方向D3において第1ストッパ81Cおよび第2ストッパ82Cの間に配置される。
【0104】
案内溝79は、周方向D3に延びる。案内溝79A、79B、および79Cは、周方向D3に延びる。第1連結体77Aおよび第2連結体78Aの少なくとも1つは、周方向D3において第1ストッパ81Aおよび第2ストッパ82Aと接触可能である。第1連結体77Bおよび第2連結体78Bの少なくとも1つは、周方向D3において第1ストッパ81Bおよび第2ストッパ82Bと接触可能である。第1連結体77Cおよび第2連結体78Cの少なくとも1つは、周方向D3において第1ストッパ81Cおよび第2ストッパ82Cと接触可能である。
【0105】
第1連結体77Aと第1ストッパ81Aとの間には、第1隙間85Aが設けられる。第1連結体77Aと第2ストッパ82Aとの間には、第2隙間86Aが設けられる。第1連結体77Bと第1ストッパ81Bとの間には、第1隙間85Bが設けられる。第1連結体77Bと第2ストッパ82Bとの間には、第2隙間86Bが設けられる。第1連結体77Cと第1ストッパ81Cとの間には、第1隙間85Cが設けられる。第1連結体77Cと第2ストッパ82Cとの間には、第2隙間86Cが設けられる。
【0106】
第1連結体77Aが第1ストッパ81Aおよび第2ストッパ82Aに接触することで、車両本体2のベース部材3に対するステータ10の回転が所定の回転範囲MR3に制限される。第1連結体77Bが第1ストッパ81Bおよび第2ストッパ82Bに接触することで、車両本体2のベース部材3に対するステータ10の回転が所定の回転範囲MR3に制限される。第1連結体77Cが第1ストッパ81Cおよび第2ストッパ82Cに接触することで、車両本体2のベース部材3に対するステータ10の回転が所定の回転範囲MR3に制限される。
【0107】
また、第1隙間85A、85B、および85Cならびに第2隙間86A、86B、および86Cは、ステータ10が仮想平面70P(例えば、図5参照)に沿ってベース部材3に対して移動する際に、第1連結部材77が第1ストッパ81または第2ストッパ82に接触してステータ10の可動範囲が第2可動範囲MR2(例えば、図5参照)よりも狭くなるのを抑制する。
【0108】
以上に説明したように、回転コネクタ装置4は、ステータ10、ロテータ20、および連結構造70を備える。ロテータ20は、ステータ10に対して回転軸線A1回りに回転可能に設けられる。連結構造70は、ステータ10を車両本体2に連結するように構成される。ケーブル収容空間50は、ステータ10およびロテータ20は、回転軸線A1を取り囲むように設けられるケーブル収容空間50を形成する。連結構造70は、連結構造70がステータ10を車両本体2に連結する状態で、車両本体2に対する回転軸線A1の角度が変化するように車両本体2に対してステータ10を移動可能に支持する。
【0109】
回転コネクタ装置4では、車両本体2に対する回転軸線A1の角度が変化するように車両本体2に対してステータ10を移動可能に支持するので、ステアリング5の回転軸線A1が回転コネクタ装置の回転軸線A1に対して傾いても、ステアリング5の偏角にステータ10が追従できる。したがって、ロテータ20もステアリングの偏角に追従でき、ステアリング5のミスアライメントの影響を簡素な構造により低減できる。
【0110】
本願においては、「備える」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有する」、「含む」およびそれらの派生語にも適用される。
【0111】
本願において、「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在していることを暗に意味しているわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在していることを暗に意味しているわけではない。
【0112】
また、本開示における「平行」、「直交」、および「一致」の表現は、厳密に解釈されるべきではなく、「実質的に平行」「実質的に直交」および「実質的に一致」の意味をそれぞれ含み得る。また、「実質的(substantially)」、「約(about)」、および「おおよそ(approximately)」などの程度を表す用語は、修飾する用語が、最終結果が大きく変化しないような合理的なずれ量(reasonable amount of deviation)を含み得ることを意味する。
【0113】
本開示における「AおよびBの少なくとも1つ」という表現は、例えば、(1)Aのみ、(2)Bのみ、および(3)AおよびBの両方、のいずれも包含している。「A、BおよびCの少なくとも1つ」という表現は、例えば、(1)Aのみ、(2)Bのみ、(3)Cのみ、(4)AおよびB、(5)BおよびC、(6)AおよびC、(7)A、BおよびCの全て、のいずれも包含している。本開示では、「AおよびBの少なくとも1つ」という表現は、「Aの少なくとも1つおよびBの少なくとも1つ」とは解釈されない。
【0114】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1 :ステアリング装置
2 :車両本体
3 :ベース部材
4 :回転コネクタ装置
5 :ステアリング
6 :ステアリングホイール
7 :ステアリングシャフト
10 :ステータ
20 :ロテータ
50 :ケーブル収容空間
60 :電気ケーブル
70 :連結構造
70A :第1連結構造
70B :第2連結構造
70C :第3連結構造
70P :仮想平面
71 :第1支持部材
71A、71B、71C:第1支持体
72 :第2支持部材
72A、72B、72C:第2支持体
73 :連結部材
74 :第1曲面
75 :第2曲面
76 :第2曲面
77 :第1連結部材
77A、77B、77C:第1連結体
78 :第2連結部材
78A、78B、78C:第2連結体
79 :案内溝
84 :第1曲面
A1 :回転軸線
D1 :軸方向
D3 :周方向
MR1 :第1可動範囲
MR2 :第2可動範囲
MR3 :回転範囲
R1 :第1曲率半径
R2 :第2曲率半径
RP :基準点
S1 :第1仮想球面
S2 :第2仮想球面
図1
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