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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-20
(45)【発行日】2024-10-01
(54)【発明の名称】飼料生成方法および飼料生成装置
(51)【国際特許分類】
   A23K 10/26 20160101AFI20240924BHJP
   A23K 10/37 20160101ALI20240924BHJP
【FI】
A23K10/26
A23K10/37
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023044144
(22)【出願日】2023-03-20
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505193900
【氏名又は名称】クリタ分析センター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】西田 秀揮
(72)【発明者】
【氏名】原田 要
(72)【発明者】
【氏名】小野 雄壱
(72)【発明者】
【氏名】木澤 岳人
(72)【発明者】
【氏名】西川 優
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/079999(WO,A1)
【文献】特開2004-279175(JP,A)
【文献】特開2008-192101(JP,A)
【文献】特開2002-223707(JP,A)
【文献】斉藤勝司,食品ロスを再利用 コスト約3割減の液体飼料を生産する日本フードエコロジーセンターの挑戦,マイナビ農業,2020年01月22日,https://agri.mynavi.jp/2020_01_22_103726/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/26
A23K 10/37
JSTPlus(JDreamIII)
JMEDPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拠点から廃棄された、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する生成段階と、
生成された前記飼料の特性を解析する解析段階と、
前記解析の結果と、前記飼料の出荷基準情報と、に基づいて、前記飼料の出荷可否を判定する出荷判定段階と、を含み、
前記生成段階の前に、前記品質情報と、前記家畜に関する種別情報と、に基づいて、前記配合に関する処理条件を変更する処理変更段階をさらに含む、飼料生成方法。
【請求項2】
前記飼料が、液体飼料および該液体飼料を乾燥させた固体飼料のうち少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の飼料生成方法。
【請求項3】
前記拠点が、工場または店舗である、
請求項1または2に記載の飼料生成方法。
【請求項4】
前記家畜が、豚である、
請求項1または2に記載の飼料生成方法。
【請求項5】
前記出荷基準情報が、腐敗、酸化還元電位、臭気強度、粘度、およびこれらの組み合わせから選択されるパラメータを含む、
請求項1または2に記載の飼料生成方法。
【請求項6】
前記食品を回収した拠点に関する拠点情報と、該食品の配合により生成した飼料に関する飼料情報と、を関連付ける関連付け段階をさらに含む、
請求項1または2に記載の飼料生成方法。
【請求項7】
前記家畜を肥育する畜産農家から得た入荷基準情報に基づいて、前記出荷基準情報を更新する更新段階をさらに含む、
請求項1または2に記載の飼料生成方法。
【請求項8】
前記処理変更段階が、前記出荷判定段階における判定結果に基づいて、前記配合に関する処理条件を変更する、
請求項1または2に記載の飼料生成方法。
【請求項9】
前記種別情報は、前記家畜の肥育期間を含む、
請求項に記載の飼料生成方法。
【請求項10】
拠点から廃棄された、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する生成部と、
生成された前記飼料の特性を解析する解析部と、
前記解析の結果と、前記飼料の出荷基準情報と、に基づいて、前記飼料の出荷可否を判定する出荷判定部と、を備えており、
前記生成部が飼料を生成する前に、前記品質情報と、前記家畜に関する種別情報と、に基づいて、前記配合に関する処理条件を変更する処理変更部をさらに含む、飼料生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料生成方法および飼料生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本国内における飼料の自給率が、諸外国に比べて低い水準にある。そのため、この自給率を引き上げることが求められている。
【0003】
たとえば特許文献1では、食品残渣を原料として家畜用の液体飼料を製造する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-22250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、食品残渣を原料とする場合、飼料の安全性について保証することが難しい。
【0006】
そこで、本発明は、飼料の安全性について保証できる飼料生成方法および飼料生成装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
拠点から回収した、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する生成段階と、
生成された前記飼料の特性を解析する解析段階と、
前記解析の結果と、前記飼料の出荷基準情報と、に基づいて、前記飼料の出荷可否を判定する出荷判定段階と、を含む、飼料生成方法を提供する。
前記飼料が、液体飼料および該液体飼料を乾燥させた固体飼料のうち少なくとも一方を含んでよい。
前記拠点が、工場または店舗であってよい。
前記家畜が、豚であってよい。
前記出荷基準情報が、腐敗、酸化還元電位、臭気強度、粘度、およびこれらの組み合わせから選択されるパラメータを含んでよい。
前記食品を回収した拠点に関する拠点情報と、該食品の配合により生成した飼料に関する飼料情報と、を関連付ける関連付け段階をさらに含んでよい。
前記家畜を肥育する畜産農家から得た入荷基準情報に基づいて、前記出荷基準情報を更新する更新段階をさらに含んでよい。
前記出荷判定段階における判定結果に基づいて、前記配合に関する処理条件を変更する処理変更段階をさらに含んでよい。
前記品質情報と、前記家畜に関する種別情報と、に基づいて、前記配合に関する処理条件を変更する処理変更段階をさらに含んでよい。
前記種別情報は、前記家畜の肥育期間を含んでよい。
また、本発明は、
拠点から回収した、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する生成部と、
生成された前記飼料の特性を解析する解析部と、
前記解析の結果と、前記飼料の出荷基準情報と、に基づいて、前記飼料の出荷可否を判定する出荷判定部と、を備えている、飼料生成装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、飼料の安全性について保証できる飼料生成方法および飼料生成装置を提供できる。なお、本明細書中に記載した効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る飼料生成方法を実現するサプライチェーン100の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る飼料生成方法の一例を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態に係る出荷判定段階S14の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る飼料生成方法が利用するコンピュータ50の構成例を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る飼料生成方法の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係るデータベースの構成例を示すテーブルである。
図7】本発明の一実施形態に係る飼料生成方法の一例を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る飼料生成方法の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に係るデータベースの構成例を示すテーブルである。
図10】本発明の一実施形態に係る飼料生成装置1の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための好適な形態について、添付した図面を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態を示したものであり、本発明の範囲がこれらの実施形態に限定されることはない。また、それぞれの実施形態は組み合わせることができる。
【0011】
以下の実施形態の説明において、略平行、略直交のような「略」を伴った用語で構成を説明することがある。例えば、略平行とは、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、完全に平行な状態から例えば数%程度ずれた状態を含むことも意味する。他の「略」を伴った用語についても同様である。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0012】
本発明の説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態(飼料生成方法の例1)
2.第2の実施形態(飼料生成方法の例2)
3.第3の実施形態(飼料生成方法の例3)
4.第4の実施形態(飼料生成方法の例4)
5.第5の実施形態(飼料生成方法の例5)
6.第6の実施形態(飼料生成装置の例)
【0013】
<1.第1の実施形態(飼料生成方法の例1)>
<(1)概要>
本発明に係る飼料生成方法は、拠点から回収した複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する方法である。この飼料生成方法を実現するサプライチェーンの構成例について図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る飼料生成方法を実現するサプライチェーン100の構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示されるとおり、本発明の一実施形態に係る飼料生成方法を実現するサプライチェーン100は、拠点200、飼料生成施設300、および畜産農家400から構成されている。なお、拠点200、飼料生成施設300、および畜産農家400のそれぞれの数は特に限定されない。サプライチェーン100は、たとえば複数の拠点200を含んでいてよいし、複数の畜産農家400を含んでいてよい。
【0015】
拠点200の種類は特に限定されない。拠点200は、たとえば食品を製造する工場であってよい。この工場は、包装容器に食品を充填した包装食品を出荷する。
【0016】
従来、拠点200が製造する包装食品の一部は、食品充填損失品として廃棄されている。食品充填損失品は、商品として包装容器に充填されたが、たとえば「包装容器への印刷の位置がずれている」「賞味期限が近い」などの理由により出荷基準を満たさないため廃棄される食品である。この食品充填損失品としての食品の廃棄が、いわゆる食品ロスとして社会的な問題となっている。
【0017】
包装容器に充填された食品の品質情報は既知である。そのため、この包装容器には食品の品質情報が表示されていることが一般的である。
【0018】
本発明は、この食品充填損失品を構成する食品を原料として、家畜に与える飼料を生成する技術を提供する。食品残渣とは異なり、食品充填損失品を構成する食品の品質情報は既知である。そのため、本発明は飼料の安全性を保証できる。さらに、本発明によれば、食品ロスを低減でき、飼料の自給率を引き上げることができる。なお、この効果は、後述する他の実施形態においても同様に生じる。そのため、後述する他の実施形態においては、再度の記載を省略することがある。
【0019】
また、食品を製造する工場では、食品の品質が安定化するまで、食品の製造および廃棄を繰り返すことがある。本発明は、この廃棄される食品を原料として飼料を生成してもよい。この廃棄される食品の品質情報も既知である。そのため、本発明は飼料の安全性を保証できる。
【0020】
品質情報は、食品の成分情報を含んでいてよい。この成分情報の一例として、原材料、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、およびナトリウムなどが挙げられる。この成分情報は既知であるため、包装容器に表示されることが一般的である。
【0021】
品質情報は、食品の味の種類を含んでいてよい。たとえば食品が調整豆乳であるとき、味の種類の一例として、コーヒー味、紅茶味、および抹茶味などが挙げられる。この味の種類は既知であるため、包装容器に表示されることが一般的である。
【0022】
品質情報は、食品の体積を含んでいてよい。たとえば食品が調整豆乳であるとき、体積の一例として、200ミリリットル、500ミリリットル、および1000ミリリットルなどが挙げられる。この体積は既知であるため、包装容器に表示されることが一般的である。
【0023】
品質情報は、食品の賞味期限および消費期限のうち少なくとも一方を含んでいてよい。この賞味期限および消費期限のうち少なくとも一方は既知であるため、包装容器に表示されることが一般的である。
【0024】
拠点200は、たとえば包装食品を販売する店舗であってもよい。この包装食品の容器には食品の品質情報が表示されていることが一般的である。本発明では、この包装食品を構成する食品を原料として、家畜に与える飼料を生成することもできる。上述したように、この食品の品質情報は既知である。そのため、本発明は飼料の安全性を保証できる。
【0025】
飼料生成施設300は、拠点200から包装食品を回収して、包装食品を構成する食品を配合して飼料を生成する。そして、飼料生成施設300は、生成した飼料を畜産農家400に出荷する。拠点200、飼料生成施設300、および畜産農家400のそれぞれが互いに協業することで、飼料の調達の安定性に寄与できる。
【0026】
畜産農家400は、家畜を繁殖、飼育、または肥育することで畜産物を得る農家である。家畜の種類は特に限定されず、たとえば、牛、豚、鶏、魚などが家畜に含まれる。畜産には、たとえば、養殖、牧畜、酪農なども含まれる。
【0027】
<(2)フローチャート>
本発明は、拠点200から回収した、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する生成段階と、生成された前記飼料の特性を解析する解析段階と、前記解析の結果と、前記飼料の出荷基準情報と、に基づいて、前記飼料の出荷可否を判定する出荷判定段階と、を含む、飼料生成方法を提供する。この飼料生成方法について図2を参照しつつ説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る飼料生成方法の一例を示すフローチャートである。
【0028】
図2に示されるとおり、まず、分離段階S11が行われる。分離段階S11では、たとえば飼料生成施設300に設置されている分離装置が、包装食品を破砕することで、包装容器と食品とに分離する。この分離する技術には、公知の技術が用いられることができる。なお、食品が包装容器に充填されていないなどの場合は、分離段階S11が行われなくてもよい。
【0029】
次に、生成段階S12が行われる。生成段階S12では、たとえば飼料生成施設300に設置されている配合装置が、拠点200から回収した、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する。配合装置は、たとえば、食品を破砕して配合し、加熱などの処理を行うことで、飼料を生成する。
【0030】
上述したとおり、品質情報は、食品の成分情報、食品の味の種類、および食品の体積などを含む。複数の食品を配合するとき、たとえば、味の種類が異なっており、成分情報および体積が略同一である食品を配合してよい。あるいは、成分情報、味の種類、および体積のそれぞれが略同一である食品を配合してもよい。
【0031】
なお、この生成段階S12において、たとえばギ酸などの添加物が飼料に配合されてよい。これにより、飼料の品質の低下を抑制できる。
【0032】
次に、解析段階S13が行われる。解析段階S13では、たとえば飼料生成施設300に設置されているコンピュータが、飼料の特性を解析する。この解析を可能にするため、飼料が、液体飼料および該液体飼料を乾燥させた固体飼料のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。液体飼料を生成する装置には、たとえば、特許文献1(特開2010-22250号公報)などにおいて開示されている技術を利用できる。
【0033】
飼料が液体飼料であることにより、たとえば、「S.Sensing(登録商標)」などのセンシング技術を利用して、液体飼料の特性を解析できる。この「S.Sensing(登録商標)」は、たとえば水処理装置にレーザ技術を利用したセンサを取り付けることにより、水などの液体に含まれる凝集状態の計測および解析を可能とする技術である。具体的には、液体に対して光源がレーザを照射して、センサが散乱光を計測することにより、液体に含まれる凝集状態の計測および解析を可能としている。凝集状態の解析により、センサは、腐敗、酸化還元電位、臭気強度、粘度およびこれらの組み合わせから選択されるパラメータに基づいて、液体の特性を解析できる。
【0034】
なお、液体とは、常温で完全に液化しているものをいう。固体とは、常温で完全に固化しているものをいう。
【0035】
飼料を与える家畜の例として、牛、豚、および鶏などが挙げられる。液体飼料を与える場合、家畜は豚であることが好ましい。たとえば温度などの環境条件により、豚は固体飼料よりも液体飼料を好むことがある。また、豚に比べて牛と鶏は肥育プログラムが厳格化している。そのため、牛と鶏は飼料の変化(たとえば固体飼料から液体飼料への置き換えなど)に関する柔軟性が低い傾向にある。
【0036】
なお、液体飼料の一部または全部は、液体飼料の特性が解析された後に、乾燥により固体飼料に加工されてもよい。液体飼料を乾燥させることで体積が小さくなるため、飼料の運搬が容易になる。
【0037】
続いて、出荷判定段階S14が行われる。たとえば飼料生成施設300に設置されているコンピュータが、解析段階S13における解析の結果と、飼料の出荷基準情報と、に基づいて、生成された飼料の出荷可否を判定する。飼料の品質情報が既知であることに加えて、飼料の特性を解析して出荷可否を判定することで、本発明は、飼料の安全性を保証できる。
【0038】
この出荷可否の判定について図3を参照しつつ説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る出荷判定段階S14の一例を示すフローチャートである。
【0039】
図3に示されるとおり、まず、ステップS21において、コンピュータが備える演算部が、解析段階S13(図2参照)における解析の結果と、飼料の出荷基準情報と、を照合する。この解析の結果および出荷基準情報は、たとえば、このコンピュータが備えるストレージが記憶し、適宜更新されてよい。
【0040】
出荷基準情報は、腐敗、酸化還元電位(Oxidation-reduction Potential:ORP)、臭気強度、粘度、およびこれらの組み合わせから選択されるパラメータを含むことが好ましい。このパラメータは、飼料の品質に影響する。
【0041】
なお、このパラメータは、たとえば、pH(水素イオン指数)、導電率、水温、濁度、残留塩素、硬度、およびアルカリ度などをさらに含んでいてもよい。
【0042】
次に、ステップS22において、コンピュータが備える演算部が、解析の結果と、飼料の出荷基準情報と、に基づいて、飼料の出荷可否を判定する。たとえば、生成段階S12(図2参照)において、pHが5未満にならないようにギ酸を飼料に添加する。その後、解析段階S13(図2参照)において、たとえば、腐敗、酸化還元電位、臭気強度、および粘度などを演算部が解析することで、飼料が出荷可能な状態であるか否かを確認できる。たとえば、臭気強度の値が所定の値以上であるとき、演算部は、飼料が出荷不可であると判定する。
【0043】
飼料の出荷が可能であるとき(ステップS22:Yes)、ステップS23において、コンピュータが備える表示部が、「出荷可能」と表示する。一方、飼料の出荷が不可であるとき(ステップS22:No)、ステップS24において、コンピュータが備える表示部が、「出荷不可」と表示する。
【0044】
なお、出荷基準は、畜産農家ごとに異なっていてもよいし、一律であってもよい。
【0045】
<(3)コンピュータ>
本発明の一実施形態に係る飼料生成方法が利用するコンピュータのハードウェア構成について図4を参照しつつ説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る飼料生成方法が利用するコンピュータ50の構成例を示すブロック図である。図4に示されるとおり、コンピュータ50は、構成要素として、演算部101、ストレージ102、メモリ103、および表示部104を備えていてよい。それぞれの構成要素は、たとえばデータの伝送路としてのバスで接続されていてよい。
【0046】
演算部101は、たとえばCPU、GPUなどで構成される。演算部101は、コンピュータ50が備えているそれぞれの構成要素を制御する。本発明を実現するプログラムを演算部101が読み込むことによりコンピュータ50が機能する。
【0047】
ストレージ102は、演算部101が使用するプログラムおよびパラメータなどを記憶する。ストレージ102は、たとえば、解析段階S13(図2参照)における解析の結果や、飼料の出荷基準情報などを記憶する。ストレージ102は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などで構成される。
【0048】
メモリ103は、たとえば演算部101により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。メモリ103は、たとえばRAM(Random Access Memory)などを利用することにより実現される。
【0049】
表示部104は、たとえば「出荷可能」「出荷不可」などの情報を表示する。表示部104は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)またはOLED(Organic Light-Emitting Diode)等により実現される。
【0050】
図示を省略するが、コンピュータ50は、通信部を備えていてもよい。この通信部は、たとえばWi-Fi、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)などの通信技術を利用して、情報通信ネットワークを介して通信する機能を有する。たとえば、飼料を計測するセンサと、コンピュータ50と、が互いに離れた場所に設置されているとき、コンピュータ50は、情報通信ネットワークおよび通信部を介して、上述したセンサが得たデータを取得できる。
【0051】
コンピュータ50は、たとえばサーバであってもよいし、スマートフォン端末、タブレット端末、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、携帯用音楽プレーヤー、携帯用ゲーム機、またはウェアラブル端末(HMD:Head Mounted Display、メガネ型HMD、時計型端末、バンド型端末等)であってもよい。
【0052】
本発明を実現するプログラムは、コンピュータ50のほかのコンピュータ装置またはコンピュータシステムに格納されてもよい。この場合、コンピュータ50は、このプログラムが有する機能を提供するクラウドサービスを利用することができる。このクラウドサービスとして、たとえばSaaS(Software as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)等が挙げられる。
【0053】
さらにこのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(たとえばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(たとえば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(たとえば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、上記プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、および電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線および光ファイバ等の有線通信路、または無線通信路を介して、上記プログラムをコンピュータに供給できる。
なお、コンピュータ50の設置場所は特に限定されない。コンピュータ50は、飼料生成施設300に設置されていなくてもよい。
【0054】
本発明の第1の実施形態に係る飼料生成方法について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0055】
<2.第2の実施形態(飼料生成方法の例2)>
飼料の安全性を実現するために、飼料の原料となる食品の製造から飼料の製造までのトレーサビリティを実現することが好ましい。トレーサビリティとは、製品が生産された日、製品が生産された場所、および製品を生産した者を明確にするために、原料の生産から、調達、消費、および廃棄までを追跡可能な状態にすることである。
【0056】
したがって、本発明の一実施形態に係る飼料生成方法は、食品を回収した拠点に関する拠点情報と、該食品の配合により生成した飼料に関する飼料情報と、を関連付ける関連付け段階をさらに含むことが好ましい。この飼料生成方法について図5を参照しつつ説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る飼料生成方法の一例を示すフローチャートである。
【0057】
図5に示されるとおり、たとえば分離段階S32の前に、食品を回収した拠点に関する拠点情報と、該食品の配合により生成した飼料に関する飼料情報と、を関連付ける関連付け段階S31をさらに含むことが好ましい。これにより、食品の製造から飼料の製造までのトレーサビリティを実現できる。
【0058】
なお、分離段階S32、生成段階S33、解析段階S34、および出荷判定段階S35については上述にて説明したため、再度の説明を省略する。なお、それぞれの段階の順序はこの図に限定されない。また、行われない段階があってもよい。
【0059】
拠点情報および飼料情報は、たとえばデータベースに記憶されることにより互いに関連付けられることができる。あるいは、拠点情報および飼料情報は、たとえばcsvファイルなどのデータファイルに記憶されることにより互いに関連付けられてもよい。このデータベースおよびデータファイルは、上述したストレージ102に記憶されてよい。
【0060】
拠点情報および飼料情報を互いに関連付けている構成例について、図6を参照しつつ説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るデータベースの構成例を示すテーブルである。
【0061】
図6に示されるとおり、拠点情報および飼料情報が互いに関連付けられている。拠点情報は、食品を製造(または販売)した拠点の識別番号(拠点識別番号)と、食品の識別番号(食品識別番号)と、食品を製造した日(食品製造日)に関する情報と、を含んでいてよい。飼料情報は、食品を回収した日(食品回収日)に関する情報と、生成した飼料の識別番号(飼料識別番号)と、飼料を生成した日(飼料生成日)に関する情報と、を含んでいてよい。
【0062】
なお、拠点情報は、たとえば、この食品の原料を生産した拠点に関する情報などを含んでいてもよい。
【0063】
図6を参照すると、たとえば、拠点識別番号がA001の拠点から、食品識別番号がB001とB003の食品を回収して、飼料識別番号がC001の飼料を生成していることが把握できる。これにより、食品の製造から飼料の生成までのトレーサビリティを実現できる。
【0064】
このデータベースは、たとえば、飼料生成施設300が拠点200から食品を回収したり、飼料生成施設300が飼料を生成したりする度に更新されることができる。つまり、関連付け段階S31(図5参照)は、生成段階S33の後に行われてもよい。
【0065】
さらに、出荷判定段階S35の後に、関連付け段階S31が行われてもよい。これにより、生成された飼料が畜産農家に入荷されると、拠点情報、飼料情報、および畜産農家情報が、互いに関連付けられることができる。
【0066】
再び図6を参照すると、畜産農家情報は、畜産農家の識別番号(農家識別番号)と、飼料が入荷された日(飼料入荷日)に関する情報と、を含むことができる。このデータベースは、畜産農家400が飼料生成施設300から飼料を入荷する度に更新されることができる。
【0067】
たとえば、農家識別番号がD001の畜産農家が、飼料識別番号がC001の飼料を入荷していることが把握できる。これにより、食品の製造から飼料の調達までのトレーサビリティを実現できる。
【0068】
本発明の第2の実施形態に係る飼料生成方法について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0069】
<3.第3の実施形態(飼料生成方法の例3)>
上述したように、出荷基準情報は、腐敗、酸化還元電位、臭気強度、粘度、およびこれらの組み合わせから選択されるパラメータを含む。飼料の安全性を保証するためには、これらのパラメータが所定の値であるときに、飼料が安全であることを証明できることが好ましい。
【0070】
この所定の値は、所定の情報に基づいて更新されることができる。この更新に用いられる情報は特に限定されない。たとえば、家畜を肥育する畜産農家からの入荷基準情報が、この更新に用いられてよい。具体例を挙げると、本発明により生成された飼料を入荷した畜産農家にヒアリングして、「酸化還元電位が100~130Vであれば安全であるといえる」というヒアリング結果(入荷基準情報)を得ることができたとする。この場合、この入荷基準情報に基づいて、パラメータに含まれる酸化還元電位の値が更新されてよい。
【0071】
出荷基準情報の更新について図7を参照しつつ説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る飼料生成方法の一例を示すフローチャートである。図7に示されるとおり、たとえば出荷判定段階S44の後に、家畜を肥育する畜産農家から得た入荷基準情報に基づいて、出荷基準情報を更新する更新段階S45をさらに含むことが好ましい。
【0072】
これにより、畜産農家にとって好ましい出荷基準情報に基づいて、飼料の出荷可否を判定できる。
【0073】
また、適切に更新された出荷基準情報と、この出荷基準情報に基づいて解析された結果と、は保証書として公開されてよい。飼料が取引されるマーケットにおいて、この出荷基準情報が共有されることにより、本発明は、飼料の取引に関する規格化に貢献できる。その結果、畜産農家は、より安心安全な飼料を利用できる。
【0074】
なお、入荷基準情報を得る手段は特に限定されない。たとえば、上述したように、畜産農家にヒアリングして得たヒアリング結果が入荷基準情報であってよい。あるいは、畜産農家がコンピュータ端末を操作して入荷基準情報を入力してもよい。
【0075】
なお、分離段階S41、生成段階S42、解析段階S43、および出荷判定段階S44については上述にて説明したため、再度の説明を省略する。なお、それぞれの段階の順序はこの図に限定されない。また、行われない段階があってもよい。
【0076】
本発明の第3の実施形態に係る飼料生成方法について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0077】
<4.第4の実施形態(飼料生成方法の例4)>
拠点から回収した食品を配合するとき、出荷判定段階における判定結果に基づいて、配合に関する処理条件を変更することができる。このことについて図8を参照しつつ説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る飼料生成方法の一例を示すフローチャートである。
【0078】
図8に示されるとおり、たとえば出荷判定段階S55の後に、出荷判定段階S55における判定結果に基づいて、配合に関する処理条件を変更する処理変更段階S52をさらに含んでよい。この処理条件は、たとえば、配合する容器に供給する飽和水蒸気の圧力、配合する容器の内部の温度、加水分解反応の保持時間、および添加物の種類などが含まれる。この処理条件に基づいて、生成段階S53が行われる。これにより、出荷が不可となる飼料の量を削減できる。たとえば、配合装置内に加える飽和水蒸気の圧力が高すぎたことにより、生成された飼料の出荷が不可となった場合、コンピュータが備える演算部は、飽和水蒸気の圧力を低下させることができる。
【0079】
なお、分離段階S51、生成段階S53、解析段階S54、および出荷判定段階S55については上述にて説明したため、再度の説明を省略する。なお、それぞれの段階の順序はこの図に限定されない。また、行われない段階があってもよい。
【0080】
本発明の第4の実施形態に係る飼料生成方法について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0081】
<5.第5の実施形態(飼料生成方法の例5)>
家畜の肥育期間に応じて、飼料に含まれる栄養成分が異なっていることが好ましい。たとえば家畜が豚である場合について説明する。肥育期間が約30日間である哺乳期では、たんぱく質を主に含む飼料を豚に与えることが好ましい。肥育期間が約40~50日間である子豚育成期では、たんぱく質、ビタミン、およびミネラルを主に含む飼料を豚に与えることが好ましい。
【0082】
さらに、家畜の肥育期間に応じて、飼料に含まれる栄養成分量が異なっていることが好ましい。たとえば家畜が牛である場合、肥育期間が約7~9カ月である前期では、肥育期間が約21~26カ月である仕上期に比べて、より多くの量のたんぱく質を牛に与えることが好ましい。
【0083】
したがって、食品に関する品質情報と、家畜に関する種別情報と、に基づいて、配合に関する処理条件を変更する処理変更段階をさらに含むことが好ましい。このことについて再び図8を参照しつつ説明する。
【0084】
図8に示されるとおり、たとえば生成段階S53の前に、品質情報と、種別情報と、に基づいて、配合に関する処理条件を変更する処理変更段階S52をさらに含んでよい。
【0085】
上述したように、品質情報は既知であり、食品の成分情報を含んでいる。この成分情報の一例として、原材料、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、およびナトリウムなどが挙げられる。
【0086】
種別情報は、家畜の種別(たとえば、牛、豚、鶏など)、および家畜の肥育期間などを含んでよい。種別情報の一例について、図9を参照しつつ説明する。図9は、本発明の一実施形態に係るデータベースの構成例を示すテーブルである。
【0087】
図9に示されるとおり、種別情報は、家畜の種別、家畜の肥育期間、および飼料に含まれることが好ましい成分情報などを含む。たとえば、家畜の種類が豚であり、肥育期間が育成期であるとき、飼料に含まれることが好ましい栄養成分は、たんぱく質、ビタミン、およびミネラルであることが好ましい。たとえば、家畜の種類が牛であり、肥育期間が前記であるとき、飼料に含まれることが好ましい栄養成分は、たんぱく質、カルシウム、リン、ビタミンAであることが好ましい。
【0088】
成分情報には、それぞれの栄養成分の量が含まれてよい。たとえば、家畜の肥育期間に応じて、たんぱく質の量が異なっていてよい。これにより、たとえば肥育期間が短い家畜に対して、より多くのたんぱく質を含む飼料を与えることができる。その結果、家畜の肥育を適切に促すことができる。
【0089】
このテーブルは、たとえばデータベースとして記憶されることができる。あるいは、このテーブルは、たとえばcsvファイルなどのデータファイルとして記憶されることができる。このデータベースおよびデータファイルは、上述したストレージ102に記憶され、適宜更新されてよい。
【0090】
コンピュータが備える演算部は、このテーブルを参照して、配合に関する処理条件を変更する。飼料生成施設に設置されている配合装置は、この処理条件に基づいて複数の食品を配合させて、家畜に与える飼料を生成する。したがって、この処理条件によって生成された飼料は、家畜の肥育にとって好ましい栄養成分が含まれている。
【0091】
本発明の第5の実施形態に係る飼料生成方法について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0092】
<6.第6の実施形態(飼料生成装置の例)>
本発明は、拠点から回収した、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する生成部と、生成された前記飼料の特性を解析する解析部と、前記解析の結果と、前記飼料の出荷基準情報と、に基づいて、前記飼料の出荷可否を判定する出荷判定部と、を備えている、飼料生成装置を提供する。
【0093】
本発明の一実施形態に係る飼料生成装置について図10を参照しつつ説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る飼料生成装置1の構成例を示すブロック図である。
【0094】
図10に示されるとおり、飼料生成装置1は、生成部11と、センサ111と、コンピュータ50と、を備えている。コンピュータ50は、制御部14と、演算部12と、記憶部13と、を有している。演算部12は、解析部121と、出荷判定部122と、を有している。
【0095】
生成部11は、拠点から回収した、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する。生成部11は、たとえば、特許文献1(特開2010-22250号公報)などにおいて開示されている技術を用いて実現できる。
【0096】
センサ111は、生成部11に取り付けられており、生成部11が生成した飼料を計測する。この計測には、たとえば、上述した「S.Sensing(登録商標)」などのセンシング技術を利用できる。
【0097】
制御部14は、演算部12および記憶部13の動作を制御する。解析部121は、センサ111が計測したデータを取得して、生成された飼料の特性を解析する。出荷判定部122は、解析の結果と、飼料の出荷基準情報と、に基づいて、飼料の出荷可否を判定する。解析の結果と、飼料の出荷基準情報と、は記憶部13に記憶されることができる。
【0098】
制御部14および演算部12は、たとえばCPUなどを用いることにより実現できる。記憶部13は、たとえばストレージなどを用いることにより実現できる。
【0099】
センサ111とコンピュータ50とは、互いに離れた場所に設置されていてよい。この場合、センサ111が計測したデータは、情報通信ネットワークなどを介してコンピュータ50に送信されることができる。
【0100】
本発明の第6の実施形態に係る飼料生成装置について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本発明の他の実施形態に適用できる。
【0101】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりできる。
【0102】
なお、本発明は、以下のような構成をとることもできる。
【0103】
[1]
拠点から回収した、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する生成段階と、
生成された前記飼料の特性を解析する解析段階と、
前記解析の結果と、前記飼料の出荷基準情報と、に基づいて、前記飼料の出荷可否を判定する出荷判定段階と、を含む、飼料生成方法。
[2]
前記飼料が、液体飼料および該液体飼料を乾燥させた固体飼料のうち少なくとも一方を含む、
[1]に記載の飼料生成方法。
[3]
前記拠点が、工場または店舗である、
[1]または[2]に記載の飼料生成方法。
[4]
前記家畜が、豚である、
[1]から[3]のいずれか一つに記載の飼料生成方法。
[5]
前記出荷基準情報が、腐敗、酸化還元電位、臭気強度、粘度、およびこれらの組み合わせから選択されるパラメータを含む、
[1]から[4]のいずれか一つに記載の飼料生成方法。
[6]
前記食品を回収した拠点に関する拠点情報と、該食品の配合により生成した飼料に関する飼料情報と、を関連付ける関連付け段階をさらに含む、
[1]から[5]のいずれか一つに記載の飼料生成方法。
[7]
前記家畜を肥育する畜産農家から得た入荷基準情報に基づいて、前記出荷基準情報を更新する更新段階をさらに含む、
[1]から[6]のいずれか一つに記載の飼料生成方法。
[8]
前記出荷判定段階における判定結果に基づいて、前記配合に関する処理条件を変更する処理変更段階をさらに含む、
[1]から[7]のいずれか一つに記載の飼料生成方法。
[9]
前記品質情報と、前記家畜に関する種別情報と、に基づいて、前記配合に関する処理条件を変更する処理変更段階をさらに含む、
[1]から[8]のいずれか一つに記載の飼料生成方法。
[10]
前記種別情報は、前記家畜の肥育期間を含む、
[9]に記載の飼料生成方法。
[11]
拠点から回収した、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する生成部と、
生成された前記飼料の特性を解析する解析部と、
前記解析の結果と、前記飼料の出荷基準情報と、に基づいて、前記飼料の出荷可否を判定する出荷判定部と、を備えている、飼料生成装置。
【符号の説明】
【0104】
S11 分離段階
S12 生成段階
S13 解析段階
S14 出荷判定段階
S31 関連付け段階
S45 更新段階
S52 処理変更段階
100 サプライチェーン
200 拠点
300 飼料生成施設
400 畜産農家
1 飼料生成装置
11 生成部
12 演算部
121 解析部
122 出荷判定部
13 記憶部
【要約】
【課題】飼料の安全性について保証すること。
【解決手段】本発明は、拠点から回収した、品質情報が既知である複数の食品の配合により家畜に与える飼料を生成する生成段階と、生成された前記飼料の特性を解析する解析段階と、前記解析の結果と、前記飼料の出荷基準情報と、に基づいて、前記飼料の出荷可否を判定する出荷判定段階と、を含む、飼料生成方法を提供する。前記飼料が、液体飼料および該液体飼料を乾燥させた固体飼料のうち少なくとも一方を含んでよい。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10