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特許7559434スラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】スラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 53/66 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
B65G53/66 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020145229
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022040485
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100204032
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】樋口 浩隆
(72)【発明者】
【氏名】丹下 裕次
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-156593(JP,A)
【文献】特開昭52-025041(JP,A)
【文献】特開昭54-113170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の槽から第2の槽へと第1の流路を介してスラリーを送るスラリーの搬送設備であって、
少なくとも第1の槽には前記スラリーの液面レベルを計測するレベル計が備えられ、
前記第1の流路は、スラリー送液ポンプと、前記第1の槽と該スラリー送液ポンプとを接続する接続配管と、前記スラリー送液ポンプと前記第2の槽とを接続する第1の配管とを有し、
さらに、第2の流路として、遮断弁を備え、前記第1の配管から分岐して前記第1の槽へと戻る第2の配管を有し、
前記スラリー送液ポンプは停止することなく送液を続けており、
前記遮断弁の開放時は、前記第2の配管を前記スラリーが流れる際の圧力損失よりも、前記分岐より下流の前記第1の配管を前記スラリーが流れる際の圧力損失が大きくなるよう設計され、
前記遮断弁は、前記レベル計による計測結果に基づいて開閉の切り替えが可能であることを特徴とするスラリーの搬送設備。
【請求項2】
前記第2の配管を前記スラリーが流れる際の圧力損失と、前記分岐より下流の前記第1の配管を前記スラリーが流れる際の圧力損失との差は、前記第1の配管と前記第2の配管との高低差によるものであることを特徴とする請求項1に記載のスラリーの搬送設備。
【請求項3】
前記第2の配管を前記スラリーが流れる際の圧力損失と、前記分岐より下流の前記第1の配管を前記スラリーが流れる際の圧力損失との差は、前記第1の配管と前記第2の配管との直径の差によるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスラリーの搬送設備。
【請求項4】
前記第1の配管の前記分岐以降に下流方向へ流路が上りとなる区間を備え、該区間における圧力損失が前記第2の配管を前記スラリーが流れる際の圧力損失よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスラリーの搬送設備。
【請求項5】
前記第1の配管が、前記第2の槽の前段にハイドロサイクロンを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のスラリーの搬送設備。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のスラリーの搬送設備を用いて、第1の槽から第2の槽へとスラリーを送液する方法であって、
前記第1の槽の液面レベルが第1の基準値以下となったことを異常として検知する液面異常検知工程と、
前記液面レベルの異常が検知された場合に、前記遮断弁を開く弁切替工程と、
前記弁切替工程後に前記第1の槽の液面レベルが第2の基準値以上となったことを正常として検知する液面正常検知工程と、
前記液面レベルの正常が検知された場合に、前記遮断弁を閉じる弁再切替工程と
を有することを特徴とするスラリーの送液方法。
【請求項7】
さらに、第2の槽内のスラリーの液面レベルを計測する第2のレベル計を備え、
前記第2のレベル計により前記第2の槽の液面レベルも計測し、
前記液面異常検知工程では、前記第1の槽の液面レベルが第1の基準値以下となるか、又は、前記第2の槽の液面レベルが第3の基準値以上となったことを異常として検知し、
液面正常検知工程では、前記第1の槽の液面レベルが第2の基準値以上となるか、又は、前記第2の槽の液面レベルが第4の基準値以下となったことを正常として検知することを特徴とする請求項6に記載のスラリーの送液方法。
【請求項8】
スラリーを構成する固形分の密度が、懸濁させる媒体の密度の2.0倍以上であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のスラリーの送液方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラリーの送液に関し、より詳しくは、スラリー送液配管の閉塞を防止するためのスラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スラリーの送液は、固形分の輸送方式の一つとして多く用いられている。例えば、有用金属を含む鉱石から目的成分を濃縮して精鉱を得る処理法や、硫酸等の浸出剤を用いて有用金属を浸出する処理法などは水を基本媒体とすることから湿式処理として知られ、これらの処理に先立ち固形分のスラリー化が行われる。
【0003】
このような鉱石スラリーは、例えば、分級処理のためにスラリー供給槽からハイドロサイクロン等へと送液される。個々の工程間のスラリーの輸送にはポンプと配管等の送液設備が用いられる。液単独を送液する場合と異なり、スラリーを送液する場合には比重や粘度等の物性値に基づいて送液設備を設計することがより重要である。ポンプに関して言えば、ポンプ能力が不足する場合には送液自体が出来ない一方、ポンプ能力が過大で配管径が小さい場合には配管の摩耗が顕著となる場合がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、原料鉱石から鉱石スラリーを製造する鉱石スラリーの製造方法において、解砕・分級段階で除去されたオーバーサイズ粒子の一部を、鉱石スラリー濃縮段階に装入添加することによって、鉱石スラリーの粘度上昇を抑制できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5257501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような方法を用いた場合であっても、送り出し側でスラリーが欠乏する時間帯や受け入れ側でスラリーを要しない時間帯においてはスラリー送液ポンプを停止することになる。スラリー送液ポンプの停止が一定時間以上となると送液配管中で固形分が沈降し、配管が閉塞してしまう。配管が閉塞した場合には、水で押し流すことで閉塞が解消する場合もあるが、固形物が密に詰まって閉塞している場合には配管を外して詰まりを除去することが必要になる。当然、この期間は操業を停止することとなり、経済性の面で好ましくない。
【0007】
このようなスラリー送液ポンプ停止時の送液配管中の固形分の沈降を防止する方法の一つにリングメインシステムがある。リングメインシステムとは、スラリー供給槽とスラリー送液ポンプを接続する接続配管と、スラリー送液ポンプの吐出側に接続され、その排出先がスラリー供給槽となったスラリーの循環システムと、スラリーの循環配管に備えられたスラリー抜出配管と抜出量調整のバルブ等からなるスラリー抜出システムとからなる。一般的にこのリングメインシステムでは、抜出するスラリーの数倍の量のスラリーが循環配管を循環しており、常に配管内で固形分が沈降しないだけの流速を維持するように設計される。しかしながら、このリングメインシステムも万能ではなく、送液先がハイドロサイクロンのような圧損(圧力損失)を生じる場合には、圧損を受けながら流量を確保するために循環配管側にも相応の送液圧力で流す必要があり、技術的にも経済的にも現実的ではない。
【0008】
そこで本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、槽内のスラリーレベルが変動した場合でもスラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となるスラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、スラリー送液の工程において、操業負荷の変動等によりスラリーの供給が減少あるいは断続的に停止した場合に、スラリー送液ポンプを停止し、スラリー中固形分が沈降し送液配管を閉塞させる事態を回避する方法について検討を重ね、スラリー供給槽のレベルが低下した場合においても、スラリー送液ポンプを停止させないことでスラリー送液配管中の固形分の沈降による閉塞を回避する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の一態様は、第1の槽から第2の槽へと第1の流路を介してスラリーを送るスラリーの搬送設備であって、少なくとも第1の槽にはスラリーの液面レベルを計測するレベル計が備えられ、第1の流路は、スラリー送液ポンプと、第1の槽とスラリー送液ポンプとを接続する接続配管と、スラリー送液ポンプと第2の槽とを接続する第1の配管とを有し、さらに、第2の流路として、遮断弁を備え、第1の配管から分岐して前記第1の槽へと戻る第2の配管を有し、スラリー送液ポンプは停止することなく送液を続けており、遮断弁の開放時は、第2の配管をスラリーが流れる際の圧力損失よりも、分岐より下流の第1の配管をスラリーが流れる際の圧力損失が大きくなるよう設計され、遮断弁は、レベル計による計測結果に基づいて開閉の切り替えが可能である。


【0011】
本発明の一態様によれば、第2の配管をスラリーが流れる際の圧力損失よりも、分岐より下流の第1の配管をスラリーが流れる際の圧力損失が大きくなるよう設計することで、遮断弁開放時には、第2の流路の方がスラリーの流量が多くなり、第1の槽のスラリーの液面レベルの変動に応じて、第2の流路を通してスラリーを循環させることができるため、槽内のスラリーレベルが変動した場合でもスラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。
【0012】
このとき、本発明の一態様では、第2の配管をスラリーが流れる際の圧力損失と、分岐より下流の第1の配管をスラリーが流れる際の圧力損失との差は、第1の配管と第2の配管との高低差によるものであるとしてもよい。
【0013】
第1の配管と第2の配管とで高低差を持たせることで、第1の配管の圧力損失を大きくし、遮断弁開放時には、第2の流路の流量が多くなるようにすることができる。
【0014】
また、本発明の一態様では、第2の配管をスラリーが流れる際の圧力損失と、分岐より下流の第1の配管をスラリーが流れる際の圧力損失との差は、第1の配管と第2の配管との直径の差によるものであるとしてもよい。
【0015】
配管の直径を変化させることによって、第1の配管と第2の配管との圧力損失の差を調整することができる。
【0016】
また、本発明の一態様では、第1の配管の分岐以降に下流方向へ流路が上りとなる区間を備え、該区間における圧力損失が第2の配管をスラリーが流れる際の圧力損失よりも大きいとしてもよい。
【0017】
第1の流路に傾斜又は上向きの区間を設けることにより、第1の配管と第2の配管との圧力損失の差を調整するとともに、第1の配管内にスラリーが滞留するのを防止することができる。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記第1の配管が、前記第2の槽の前段にハイドロサイクロンを備えてもよい。
【0019】
ハイドロサイクロンのように装置自身に大きな圧損を生じる装置であっても、本発明の一態様に係るスラリーの搬送設備を適用することにより、安定的なスラリー送液が可能となる。
【0020】
本発明の他の態様は、上述したスラリーの搬送設備を用いて、第1の槽から第2の槽へとスラリーを送液する方法であって、第1の槽の液面レベルが第1の基準値以下となったことを異常として検知する液面異常検知工程と、液面レベルの異常が検知された場合に、遮断弁を開く弁切替工程と、弁切替工程後に第1の槽の液面レベルが第2の基準値以上となったことを正常として検知する液面正常検知工程と、液面レベルの正常が検知された場合に、遮断弁を閉じる弁再切替工程とを有する。
【0021】
本発明の他の態様によれば、液面レベルが正常の場合は、第1の槽から第2の槽へとスラリーを送液し、液面レベルが第1の基準値以下になった場合には、遮断弁を開放して、第1の槽に戻るようにスラリーを循環させることにより、送液ポンプを止める必要がなく、槽内のスラリーレベルが変動した場合でもスラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。
【0022】
このとき、本発明の他の態様では、さらに、第2の槽内のスラリーの液面レベルを計測する第2のレベル計を備え、第2のレベル計により第2の槽の液面レベルも計測し、液面異常検知工程では、第1の槽の液面レベルが第1の基準値以下となるか、又は、第2の槽の液面レベルが第3の基準値以上となったことを異常として検知し、液面正常検知工程では、第1の槽の液面レベルが第2の基準値以上となるか、又は、第2の槽の液面レベルが第4の基準値以下となったことを正常として検知するようにしてもよい。
【0023】
このようにすることにより、第2の槽で槽内のスラリーレベルが変動した場合でもスラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。
【0024】
また、本発明の他の態様では、スラリーを構成する固形分の密度が、懸濁させる媒体の密度の2.0倍以上であるとしてもよい。
【0025】
上記比率の場合、スラリーを静置した際に固形分が沈澱しやすかったところ、本発明を適用することにより、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、槽内のスラリーレベルが変動した場合でもスラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となるスラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備の概略構成図である。
図2】(A)は、第1の槽の液面レベルを示した概略図であり、(B)は、第2の槽の液面レベルを示した概略図である。
図3】ハイドロサイクロンを備える場合の、本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備の概略構成図である。
図4】本発明の一実施形態に係るスラリーの送液方法におけるプロセスの概略を示す工程図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明を適用した具体的な実施の形態(以下、「本実施の形態」という。)について、以下の順序で図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることが可能である。
1.本発明の概要
2.スラリーの搬送設備
3.スラリーの送液方法
【0029】
<1.本発明の概要>
本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備は、例えばニッケル酸化鉱石の高圧酸浸出法(High Pressure Acid Leach法:HPAL法)による湿式製錬プロセスおける鉱石スラリーの移送設備として用いられる。具体的には、以下に説明するようなプロセスの各所に適用することができる。
【0030】
例えば、ニッケル酸化鉱に含まれるクロマイトを回収するプロセスがある。このプロセスは大量処理装置(具体的にはシェークアウトマシーン等)によって篩分けなどの機械的な操作でオーバーサイズを分離し、分離したニッケル酸化鉱をスラリー化し、ハイドロサイクロンや比重分離機等を用いてさらに分離して、ニッケルを多く含む粒度の細かいゲーサイトと粒度の大きなクロマイトを得る技術である。
【0031】
原料のニッケル酸化鉱を供給するバルク処理は、鉱石の特性(湿潤して固着しやすくなった鉱石、寸法が大きく搬送設備を詰まらせやすい鉱石等)上、工程が断続的に停止する場合や負荷が増減する場合があり、下流に位置するクロマイト回収プラントも前工程の影響を受け、スラリーの送液の必要が断続的に切り替わる場合がある。クロマイト回収プラントでは、前述のとおり粒度の細かいゲーサイトと粒度の大きなクロマイトを分離しており、クロマイト回収プラント内の下工程側では粒径の大きい固形分の密度が媒体である水溶液の密度の2倍以上であることから、スラリーを静置すると直ちに固形分が沈降する。すなわち、スラリーの送液が不要になってスラリー送液ポンプを停止し、一定時間が経過すると送液配管中で固形分が沈降し、配管が閉塞してしまう。
【0032】
特に、ハイドロサイクロンのような装置自身に大きな圧損を生じる装置にポンプにてスラリーを供給する場合には、ポンプや配管に圧損を上回る大きな圧力でスラリーが通ることになり、ポンプ停止時には送液配管中の固形分が沈降して送液配管を閉塞させてしまう場合がある。
【0033】
そこで、本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法を適用することにより、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、スラリーを安定的に送液できるようになる。
【0034】
<2.スラリーの搬送設備>
本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備の構成について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備の概略構成図である。本発明の一態様は、第1の槽11から第2の槽12へと第1の流路F1を介してスラリーを送るスラリーの搬送設備10であって、少なくとも第1の槽11にはスラリーの液面レベルを計測するレベル計13が備えられ、第1の流路F1は、スラリー送液ポンプPと、第1の槽11とスラリー送液ポンプPとを接続する接続配管T0と、スラリー送液ポンプPと第2の槽12とを接続する第1の配管T1とを有し、さらに、第2の流路F2として、第1の配管T1から分岐して第1の槽11へと戻る、遮断弁Vを備える第2の配管T2を有し、遮断弁Vの開放時は、第2の配管T2をスラリーが流れる際の圧力損失よりも、分岐Bsより下流の第1の配管T1をスラリーが流れる際の圧力損失が大きくなるよう設計され、遮断弁Vは、レベル計13による計測結果に基づいて開閉の切り替えが可能である。
【0035】
このような構成とすることにより、第2の配管T2をスラリーが流れる際の圧力損失よりも、分岐Bsより下流の第1の配管T1をスラリーが流れる際の圧力損失が大きくなることで、遮断弁開放時には、第2の流路の方がスラリーの流量が多くなり、第1の槽のスラリーの液面レベルの変動に応じて、第2の流路を通してスラリーを循環させることができるため、槽内のスラリーレベルが変動した場合でもスラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。
【0036】
一般に、圧力損失とは、流体が配管などを通る際に失うエネルギーのことで、配管の入口と出口の全圧の差で定義される。本発明の一態様では、第1の流路F1に関しては、第1の配管T1からの分岐する箇所Bsから、第1の配管T1の下流側の端部Bg1までのエネルギー損失を計算して、第2の流路F2に関しては、第1の配管T1からの分岐する箇所Bsから、第2の配管T2の下流側の端部Bg2までのエネルギー損失を計算して、すなわち第2の配管T2のエネルギー損失を計算して比較することができる(図1図3参照)。圧力損失は、配管の摩擦係数、配管長さ、配管直径、流体の平均流速などから求めることができるが、本発明では第1の配管T1の流量と第2の配管T2の流量が等しくなる条件で圧力損失を計算している。
【0037】
本発明の一態様では、第2の配管をスラリーが流れる際の圧力損失と、分岐より下流の第1の配管をスラリーが流れる際の圧力損失との差を、第1の配管と第2の配管との高低差により生じさせてもよい。例えば、第1の配管を第2の配管よりも高所に設置することで、高さによって失われるエネルギーを大きくし、第1の配管による圧力損失を第2の配管による圧力損失よりも大きくすることができる。
【0038】
また、本発明の一態様では、第2の配管をスラリーが流れる際の圧力損失と、分岐より下流の第1の配管をスラリーが流れる際の圧力損失との差を、第1の配管と第2の配管との直径の差により生じさせてもよい。例えば、第1の配管の直径を第2の配管の直径よりも小さく(狭く)することで、第1の配管による圧力損失を第2の配管による圧力損失よりも大きくすることができる。
【0039】
また、本発明の一態様では、第1の配管の分岐以降に下流方向へ流路が上りとなる区間を備え、上りとなる区間における圧力損失が、第2の配管をスラリーが流れる際の圧力損失よりも大きくなるようにしてもよい。流路が上りとなる形態としては配管に傾斜を設けて徐々に高さが上がるようにしてもよいし、ほぼ垂直に配管が立ち上がるような形態でもよい。このようにすることで、第1の配管による圧力損失を相対的に大きくすることができるとともに、後述する液面レベルの異常が検知されて第1の流路への流量が減少した場合に、第1の配管内に残ったスラリーが滞留することを防止することができる。なお、流路が上りとなる区間の後に、同じ高さだけ下る区間が存在すると、配管全体の圧力損失としては上りと下りで相殺されてしまう。一方で、配管の最上部にスラリーが届かなければその先へ流れていくこともないことから、本発明の一態様では、第1の配管の分岐以降に下流方向へ流路が上りとなる区間における圧力損失が第2の配管をスラリーが流れる際の圧力損失よりも大きくなるようにすればよい。
【0040】
なお、第2の配管をスラリーが流れる際の圧力損失と、分岐より下流の第1の配管をスラリーが流れる際の圧力損失との差を生じさせる手段としては、上述した例の他にも、配管の長さを変化させてもよいし、配管内の摩擦係数や流体の平均流速が変化するように配管の形状を変えてもよい。あるいはこれらの条件を適宜組み合わせて変更してもよい。
【0041】
本発明における、第1の槽11及び第2の槽12は、例えば、スラリー貯槽やシックナー等である。また、後述するように、第1の配管T1経路上には第2の流路F2との分岐Bsから次の設備との間で第2の配管T2よりも大きな圧力損失を生じさせられれば、ハイドロサイクロンのような分級装置が備えられていてもよい。第1の槽11、第2の槽12は例えば撹拌機14、16を備えることで槽内の固形分の沈降を防ぐことができる。スラリー送液は、第1の流路F1である第1の槽11と第2の槽12との間に接続されたスラリー送液ポンプPとスラリー輸送配管(接続配管T0、第1の配管T1)を用いて行われる。
【0042】
本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備10は、さらに第2の流路F2として、第1の配管T1から分岐して第1の槽11へと戻る第2の配管T2を有している。第2の配管T2は、第1の配管T1からの分岐部付近に遮断弁Vを有し、第1の流路F1を通じて通常送液する際には、遮断弁Vは閉じられ、第2の配管T2側へはスラリーは流れないようになっている。
【0043】
後述するように、例えば、槽内のスラリーの液面レベルに異常が生じた場合には、遮断弁Vが開かれるように制御される。この場合は、第1の流路は第2の流路に比較して圧力損失が高い為にスラリーは流れにくくなり、第2の流路にスラリーが多く流れるようになる。すなわち、この場合は、スラリーは第1の槽11から第2の流路F2をたどって再度第1の槽11へと戻される、循環経路をたどることになる。
【0044】
遮断弁Vの開閉は、例えば、制御部(図示せず)により自動で制御されることが好ましい。制御部は、第1の槽11に備えられたレベル計13からスラリーの液面レベルの情報を取得し、その計測結果に基づいて弁の開閉の切り替えを行う。また、本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備は、流量計や圧力計を備えていてもよく、制御部は、スラリーの液面レベル以外にもスラリーの流量や圧力の計測結果も取得してこれらの情報からも判断して弁の開閉操作を制御するようにしてもよい。また、制御部は、弁の開閉操作以外にも、スラリー送液ポンプPの回転数などを制御することによってポンプによる送液量を制御するようにしてもよい。
【0045】
図2(A)は、第1の槽の液面レベルを示した概略図である。第1の槽11は、槽内のスラリーの液面レベルを測定するためのレベル計13や、槽内の固形分の沈降を防ぐための撹拌機14を備える。第1の槽11において、スラリーの液面レベルが、図2(A)に示す液面レベルLLよりも下がってしまうと、スラリー送液ポンプを停止せざるを得ない状態となる。スラリー送液ポンプが停止してしまうと配管内にスラリーが滞留して固形分が沈降する恐れがあるため、本発明の一態様に係るスラリーの搬送設備では、例えば、スラリー送液ポンプ停止ラインLLよりも上部に第1の基準値L0を設定しておく。そしてレベル計による第1の槽内11のスラリーの液面レベルが第1の基準値L0以下となった場合には、液面レベルを監視している制御部等から信号を送り、遮断弁Vを開くように制御する。
【0046】
このように制御することにより、スラリーの液面レベルが第1の基準値L0以下となった場合には、第2の流路F2を流れるようにしてスラリーを循環させることで、スラリーの液面レベルがスラリー送液ポンプ停止ラインLLよりも下がることを防止し、これにより、スラリー送液ポンプを停止させる必要がなくなるため、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。なお、第2の流路F2にスラリーを流す際には、スラリー送液ポンプPの回転数等を下げて、送液量を低減させてもよい。送り先が第1の槽11自身であり近いため、スラリーが過度に失速して固形分が沈降する恐れが小さい。
【0047】
第2の流路F2によりスラリーを循環させると、第1の槽11のスラリーの液面レベルの下降は止まり、前工程からのスラリーの供給により、第1の槽11のスラリーの液面レベルは上昇していくため、一定水準(例えば、第2の基準値H0)まで達した際に、遮断弁Vを閉じるように制御する。あるいは、第2の流路F2に切り替えた後、一定時間経過後に第1の流路F1に切り替わるように制御してもよい。これにより、スラリーは第1の流路F1を通って第2の槽12へと送られるようになる。なお、スラリー送液ポンプPの出力を下げていた場合には、ポンプの出力を上げて元の送液量の状態に戻すように制御する。
【0048】
本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備10では、さらに、第2の槽12の液面レベルに応じて弁開閉操作を行ってもよい。図2(B)は、第2の槽の液面レベルを示した概略図である。第2の槽12では、スラリーの液面レベルが図2(B)に示す液面レベルHH以上となった場合には(溢れや蓋の破損を防ぐため)スラリー送液ポンプを停止せざるを得ない状態となる。そこで、例えば、スラリー送液ポンプ停止ラインHHよりも下部に第3の基準値H1を設定しておく。そして第2のレベル計15により第2の槽12内のスラリーの液面レベルが第3の基準値H1以上となった場合には、液面レベルを監視している制御部等から信号を送り、遮断弁Vを開くように制御する。このように制御された状態で、第2の槽12内のスラリーは次工程へと送られるにつれ減少し、スラリーの液面レベルが一定水準(例えば、第4の基準値L1)まで達した際に、今度は遮断弁Vを閉じるように制御する。
【0049】
本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備20は、ハイドロサイクロン30を介したスラリー送液に好ましく適用することができる。図3は、ハイドロサイクロンを備える場合の、本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備の概略構成図である。ハイドロサイクロンとは、固体粒子(鉱石)を含む懸濁溶液(スラリー)を高圧(高速)でハイドロサイクロンの円周方向に送り込むことにより、生じる遠心力の差によって固体粒子(鉱石)をその粒径等によって分級する装置である。ハイドロサイクロンへ送液する場合、100kPa~200kPa程度の高圧でスラリーを送液する必要があるため、ひとたびスラリー送液ポンプを停止してしまうと、ポンプを再稼働して高圧状態へ復帰させるまでに時間と手間が掛かる。本発明の一態様では、スラリーを循環させる経路を設けてスラリーを循環させることができ、ポンプを停止させる必要がないため、ハイドロサイクロン30のような高圧送液が必要な場合であっても、設備停止による損失を低減して安定的にスラリーを送液することが可能となる。
【0050】
<3.スラリーの送液方法>
次に、本発明の一実施形態に係るスラリーの送液方法について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るスラリーの送液方法におけるプロセスの概略を示す工程図である。本発明の一態様は、上述したスラリーの搬送設備10を用いて、第1の槽11から第2の槽12へとスラリーを送液する方法であって、第1の槽11の液面レベルが第1の基準値L0以下となったことを異常として検知する液面異常検知工程S1と、液面レベルの異常が検知された場合に、遮断弁Vを開く弁切替工程S2と、弁切替工程S2後に第1の槽11の液面レベルが第2の基準値H0以上となったことを正常として検知する液面正常検知工程S3と、液面レベルの正常が検知された場合に、遮断弁Vを閉じる弁再切替工程S4とを有する。
【0051】
このように、液面レベルが正常の場合は、第1の槽から第2の槽へとスラリーを送液し、液面レベルが第1の基準値以下になった場合には、遮断弁を開放して、第1の槽に戻るようにスラリーを循環させることにより、送液ポンプを止める必要がなく、槽内のスラリーレベルが変動した場合でもスラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。以下、各工程について説明する。
【0052】
液面異常検知工程S1は、第1の槽11の液面レベルが第1の基準値L0以下となったことを検知する工程である。第1の槽11において、スラリーの液面レベルが、図2(A)に示すラインLLよりも下がってしまうと、スラリー送液ポンプを停止せざるを得ない状態となるため、第1の基準値L0は、スラリー送液ポンプ停止ラインLLよりも上部に設定する。そして、レベル計によるスラリーの液面レベルが第1の基準値L0以下となった場合には、液面レベルを監視している制御部等により、次に説明する弁切替工程S2を行う。
【0053】
弁切替工程S2では、液面レベルの異常が検知された場合に、遮断弁Vを開く。遮断弁の開閉操作は、例えば、レベル計によるスラリーの液面レベルの情報を受けて制御部により自動的に開閉されるような機構とすることが好ましい。遮断弁Vを開くことによって、スラリーは第2の流路に多く流れるようになり、スラリーは第2の流路F2を通って第1の槽11へと戻されて循環することとなる。このとき、スラリー送液ポンプPの送液流量を下げるように制御してもよい。弁切替工程S2を行うことで、液面レベルの異常が検知された場合であってもスラリー送液ポンプを止める必要がないため、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。
【0054】
液面正常検知工程S3では、第1の槽11の液面レベルが第2の基準値H0以上となったことを検知する。既に弁切替工程S2で、第2の流路によりスラリーを第1の槽を通じて循環させることで、第1の槽の液面レベルは下降しなくなっている。そして、前工程からのスラリーの供給により、第1の槽の液面レベルは次第に上昇していき第2の基準値H0以上となったところで、第2の槽12への送液を要する状態に復帰したと判断する。この時も、制御部等により、次に説明する弁再切替工程S4を行う。第2の基準値H0の位置は第1の基準値L0の上部で第1の槽の最上面よりも下であれば特に限定はされない。第2の基準値H0を第1の基準値L0と一致させることも可能であるが、遮断弁Vの切り替えが頻繁となる。
【0055】
弁再切替工程S4では、液面レベルの正常が検知された場合に、遮断弁Vを閉じる。遮断弁Vを閉じることによって、スラリーは再度、第1の槽から第2の槽へと送液されるようになる。弁切替工程S2でスラリー送液ポンプPの出力を下げていた場合には、ポンプの出力を元に戻す。
【0056】
また、本発明の一態様に係るスラリーの送液方法においても、さらに、第2の槽12の液面レベルに応じて弁開閉操作を行ってもよい。この場合は、上述したように、第3の基準値H1をスラリー送液ポンプ停止ラインHHよりも下部に設定しておき、液面レベルが第3の基準値H1以上となったらスラリーの受け入れを停止し、液面レベルが下がって第4の基準値L1以下となったところでスラリーの受け入れを再開するようにしてもよい。第3の基準値H1の位置は第4の基準値L1の上部でスラリー送液ポンプ停止ラインHH(たとえば第2の槽12の最上面)よりも下であれば特に限定はされない。第3の基準値H1を第4の基準値L1と一致させることも可能であるが、遮断弁Vの開閉が頻繁となる。
【0057】
なお、本発明では、用語「異常」「正常」を日常的な一般用語とは異なる意味で使っている。本発明の「異常」とは、第1の槽11の保有スラリー量が少ない状況または第2の槽12の保有スラリー量が多い状況を意味し、すなわち2槽間で送液過剰な状況といえる。本発明の「正常」とは、第1の槽11の保有スラリー量が適正な状況、第1の槽11の保有スラリー量が多い状況、第2の槽12の保有スラリー量が適正な状況、第2の槽12の保有スラリー量が少ない状況のいずれかを意味し、すなわち2槽間で送液不足な状況または送液可能な状況といえる。保有スラリーのほかの条件(たとえば槽内温度など)が不都合な値を示した場合でも、本発明の「異常」「正常」の判断には影響を及ぼさない。
【0058】
また、本発明の一実施形態に係るスラリーの送液方法では、スラリーを構成する固形分の密度が、懸濁させる媒体の密度の2.0倍以上であるとしてもよい。ニッケル酸化鉱に含まれるクロマイトの回収の例で説明したように、粒径の大きい固形分と媒体である水溶液との密度比が2.0以上であるとスラリーを静置した際に固形分が沈澱しやすくなるが、本発明を適用することにより、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを防止することができる。
【実施例
【0059】
以下に示す実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、この実施例によって何ら限定されるものではない。
【0060】
(実施例1)
図2及び図3に示す構成図からなるスラリー送液用の設備構成にて、固形分を構成する粒子中の45%が粒径45μm以下であり、固形分の比重が2.5g/cm、水を媒体とするスラリーをスラリー供給槽からハイドロサイクロンを介して次工程の槽へと供給した。
【0061】
スラリー供給槽の前工程の負荷が低くなり、スラリー供給槽へのスラリーの供給量が減ったため、スラリー供給槽のスラリーレベルが基準値L0まで低下した。このとき、スラリー送液ポンプの回転数は減少し、第2の配管に備わる遮断弁を開放することで、第2の配管を通じてスラリーはスラリー供給槽へ自己循環した。スラリーの自己循環中にスラリー供給槽のスラリーレベルはH0まで上昇し、第2の配管に備わる遮断弁は閉止し、スラリー送液ポンプはハイドロサイクロンの入り口に設置された圧力計が設定値(210kPaG)となるよう回転数が調整され、ハイドロサイクロンへのスラリーの供給が再開できた。5分後、スラリー供給槽のスラリーレベルがL0まで低下したが、前記の機構によりスラリーは自己循環され、スラリー供給槽のスラリーレベルがH0まで上昇したところ、前記同様の機構により設定供給圧力でのハイドロサイクロンへのスラリーの供給が再開された。この間、スラリー中の固形分の沈降に伴う配管の閉塞はなく、閉塞解消のための設備停止は必要なかった。
【0062】
以上の結果から、本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法を適用することにより、固形分の沈降によるスラリー送液配管の閉塞が回避され、閉塞除去のための作業を特段行うことなく、スラリーの送液が再開可能となることが分かった。
【0063】
なお、上記のように本発明の一実施形態及び実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0064】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、スラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法の構成も本発明の一実施形態及び実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10,20 スラリーの搬送設備、11,21 第1の槽、12,22 第2の槽、13 レベル計、14,16 撹拌機、15 第2のレベル計、23 圧力計、30 ハイドロサイクロン、P スラリー送液ポンプ、V 遮断弁、T0 接続配管、T1 第1の配管、T2 第2の配管、F1 第1の流路、F2 第2の流路、Bs 第1の配管からの分岐、Bg1 第1の配管の下流側の端部、Bg2 第2の配管の下流側の端部、LL,HH スラリー送液ポンプ停止ライン、L0 第1の基準値、H0 第2の基準値、H1 第3の基準値、L1 第4の基準値
図1
図2
図3
図4