(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】基板処理装置、及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240925BHJP
G01G 17/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
G01G17/00 Z
(21)【出願番号】P 2020192369
(22)【出願日】2020-11-19
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】道木 裕一
(72)【発明者】
【氏名】金川 耕三
(72)【発明者】
【氏名】北野 淳一
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0039492(KR,A)
【文献】特開2020-055063(JP,A)
【文献】特開2010-191138(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1586940(KR,B1)
【文献】特開2010-056108(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0345680(US,A1)
【文献】特開2007-208064(JP,A)
【文献】特開2020-170872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/304
H01L 21/306
H01L 21/3065
G01G 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容するカセットが載置されるカセットブロックと、前記基板を処理する処理ブロックと、前記カセットブロックと前記処理ブロックとの間で前記基板を中継する中継ブロックと、制御装置と、を備える、基板処理装置であって、
前記カセットブロックは、前記カセットが載置される載置部と、前記載置部と前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第1搬送部と、を含み、
前記処理ブロックは、前記基板の一部を除去する除去処理を行う処理モジュールと、前記処理モジュールと前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第2搬送部と、を含み、
前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の、又は前記処理ブロックで処理した後の、前記基板の重量を測定する重量測定部を含み、
前記制御装置は、前記重量測定部の測定結果を用いて、前記処理ブロックで処理する前後での前記基板の重量差を算出し、前記除去処理による除去量が許容範囲内であるか否かを判定する除去量判定部を含
み、
前記処理ブロックは、異なる前記基板に対して同じ前記除去処理を行う複数の前記処理モジュールを備え、
前記制御装置は、異なる前記基板に対して同じ前記除去処理を行う複数の前記処理モジュールの間で、前記除去量に差があるか否かを判定する装置間差判定部を含む、基板処理装置。
【請求項2】
基板を収容するカセットが載置されるカセットブロックと、前記基板を処理する処理ブロックと、前記カセットブロックと前記処理ブロックとの間で前記基板を中継する中継ブロックと、制御装置と、を備える、基板処理装置であって、
前記カセットブロックは、前記カセットが載置される載置部と、前記載置部と前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第1搬送部と、を含み、
前記処理ブロックは、前記基板の一部を除去する除去処理を行う処理モジュールと、前記処理モジュールと前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第2搬送部と、を含み、
前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の、又は前記処理ブロックで処理した後の、前記基板の重量を測定する重量測定部を含み、
前記制御装置は、前記重量測定部の測定結果を用いて、前記処理ブロックで処理する前後での前記基板の重量差を算出し、前記除去処理による除去量が許容範囲内であるか否かを判定する除去量判定部を含
み、
前記載置部、前記第1搬送部、又は前記第2搬送部が、前記基板の重量を測定する重量センサを含む、基板処理装置。
【請求項3】
基板を収容するカセットが載置されるカセットブロックと、前記基板を処理する処理ブロックと、前記カセットブロックと前記処理ブロックとの間で前記基板を中継する中継ブロックと、制御装置と、を備える、基板処理装置であって、
前記カセットブロックは、前記カセットが載置される載置部と、前記載置部と前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第1搬送部と、を含み、
前記処理ブロックは、前記基板の一部を除去する除去処理を行う処理モジュールと、前記処理モジュールと前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第2搬送部と、を含み、
前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の、又は前記処理ブロックで処理した後の、前記基板の重量を測定する重量測定部を含み、
前記制御装置は、前記重量測定部の測定結果を用いて、前記処理ブロックで処理する前後での前記基板の重量差を算出し、前記除去処理による除去量が許容範囲内であるか否かを判定する除去量判定部を含
み、
前記処理モジュールは、複数枚の前記基板を一括で処理するバッチ式であり、
前記中継ブロックは、複数枚の前記基板を保持しながら、前記基板のピッチを変えるピッチ変換部を含み、
前記ピッチ変換部が、前記重量測定部を含む、基板処理装置。
【請求項4】
基板を収容するカセットが載置されるカセットブロックと、前記基板を処理する処理ブロックと、前記カセットブロックと前記処理ブロックとの間で前記基板を中継する中継ブロックと、制御装置と、を備える、基板処理装置であって、
前記カセットブロックは、前記カセットが載置される載置部と、前記載置部と前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第1搬送部と、を含み、
前記処理ブロックは、前記基板の一部を除去する除去処理を行う処理モジュールと、前記処理モジュールと前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第2搬送部と、を含み、
前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の、又は前記処理ブロックで処理した後の、前記基板の重量を測定する重量測定部を含み、
前記制御装置は、前記重量測定部の測定結果を用いて、前記処理ブロックで処理する前後での前記基板の重量差を算出し、前記除去処理による除去量が許容範囲内であるか否かを判定する除去量判定部を含
み、
前記処理モジュールは、複数枚の前記基板を一括で処理するバッチ式であり、
前記中継ブロックは、前記基板のノッチ又はオリエンテーションフラットの位置を調節するアライメント部を含み、
前記アライメント部が、前記重量測定部を含む、基板処理装置。
【請求項5】
基板を収容するカセットが載置されるカセットブロックと、前記基板を処理する処理ブロックと、前記カセットブロックと前記処理ブロックとの間で前記基板を中継する中継ブロックと、制御装置と、を備える、基板処理装置であって、
前記カセットブロックは、前記カセットが載置される載置部と、前記載置部と前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第1搬送部と、を含み、
前記処理ブロックは、前記基板の一部を除去する除去処理を行う処理モジュールと、前記処理モジュールと前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第2搬送部と、を含み、
前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の、又は前記処理ブロックで処理した後の、前記基板の重量を測定する重量測定部を含み、
前記制御装置は、前記重量測定部の測定結果を用いて、前記処理ブロックで処理する前後での前記基板の重量差を算出し、前記除去処理による除去量が許容範囲内であるか否かを判定する除去量判定部を含
み、
前記処理モジュールは、複数枚の前記基板を一括で処理するバッチ式であり、
前記処理モジュールは、複数枚の前記基板が一括で浸漬される処理液を貯留する処理槽と、複数枚の前記基板を保持する保持具と、前記保持具を載せる重量センサと、を備え、
前記制御装置は、前記処理モジュールの前記重量センサを用いて、前記処理液中における前記基板の重量変化を監視する重量変化監視部を含む、基板処理装置。
【請求項6】
前記除去量判定部は、前記処理モジュールの前記重量センサを用いて前記除去処理の後の前記基板の重量を測定し、前記除去量が許容範囲内であるか否かを判定する、請求項
5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板を収容するカセットが載置されるカセットブロックと、前記基板を処理する処理ブロックと、前記カセットブロックと前記処理ブロックとの間で前記基板を中継する中継ブロックと、制御装置と、を備える、基板処理装置であって、
前記カセットブロックは、前記カセットが載置される載置部と、前記載置部と前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第1搬送部と、を含み、
前記処理ブロックは、前記基板の一部を除去する除去処理を行う処理モジュールと、前記処理モジュールと前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第2搬送部と、を含み、
前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の、又は前記処理ブロックで処理した後の、前記基板の重量を測定する重量測定部を含み、
前記制御装置は、前記重量測定部の測定結果を用いて、前記処理ブロックで処理する前後での前記基板の重量差を算出し、前記除去処理による除去量が許容範囲内であるか否かを判定する除去量判定部を含
み、
前記処理モジュールは、複数枚の前記基板を一括で処理するバッチ式であり、
前記処理ブロックは、複数枚の前記基板を一括で乾燥する乾燥モジュールを含み、
前記乾燥モジュールは、複数枚の前記基板が一括で浸漬される処理液を貯留する処理槽と、複数枚の前記基板を保持する保持具と、前記保持具を載せる重量センサと、を備える、基板処理装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記乾燥モジュールの前記重量センサを用いて乾燥後の前記基板の重量を測定し、乾燥不良の有無を判定する乾燥不良判定部を含む、請求項
7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記乾燥不良判定部によって乾燥不良が有ると判定される場合に、前記乾燥モジュールの処理条件を変更する乾燥条件変更部を含む、請求項
8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板を収容するカセットが載置されるカセットブロックと、前記基板を処理する処理ブロックと、前記カセットブロックと前記処理ブロックとの間で前記基板を中継する中継ブロックと、制御装置と、を備える、基板処理装置であって、
前記カセットブロックは、前記カセットが載置される載置部と、前記載置部と前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第1搬送部と、を含み、
前記処理ブロックは、前記基板の一部を除去する除去処理を行う処理モジュールと、前記処理モジュールと前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第2搬送部と、を含み、
前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の、又は前記処理ブロックで処理した後の、前記基板の重量を測定する重量測定部を含み、
前記制御装置は、前記重量測定部の測定結果を用いて、前記処理ブロックで処理する前後での前記基板の重量差を算出し、前記除去処理による除去量が許容範囲内であるか否かを判定する除去量判定部を含
み、
前記処理モジュールは、前記基板を1枚ずつ処理する枚葉式であり、
前記中継ブロックは、前記第1搬送部と前記第2搬送部の両方がアクセスするトランジション部を含み、
前記トランジション部は、前記基板を保持する保持部と、前記重量測定部と、を含み、
前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の前記基板の重量を測定する前記トランジション部と、前記処理ブロックで処理した後の前記基板の重量を測定する前記トランジション部と、を別々に含む、基板処理装置。
【請求項11】
基板を収容するカセットが載置されるカセットブロックと、前記基板を処理する処理ブロックと、前記カセットブロックと前記処理ブロックとの間で前記基板を中継する中継ブロックと、制御装置と、を備える、基板処理装置であって、
前記カセットブロックは、前記カセットが載置される載置部と、前記載置部と前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第1搬送部と、を含み、
前記処理ブロックは、前記基板の一部を除去する除去処理を行う処理モジュールと、前記処理モジュールと前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第2搬送部と、を含み、
前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の、又は前記処理ブロックで処理した後の、前記基板の重量を測定する重量測定部を含み、
前記制御装置は、前記重量測定部の測定結果を用いて、前記処理ブロックで処理する前後での前記基板の重量差を算出し、前記除去処理による除去量が許容範囲内であるか否かを判定する除去量判定部を含
み、
前記処理モジュールは、前記基板を1枚ずつ処理する枚葉式であり、
前記処理モジュールは、前記基板を保持し回転させるスピンチャックと、前記スピンチャックから前記基板を持ち上げるアームと、前記アームを載せる重量センサと、を備える、基板処理装置。
【請求項12】
前記制御装置は、前記除去量判定部によって前記除去量が許容範囲外であると判定される場合に、前記除去処理の処理条件を変更する除去条件変更部を含む、請求項1
~11のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記除去処理は、前記基板をエッチングする処理、前記基板に形成されたレジスト膜を剥離する処理、又は前記基板を研磨する処理を含む、請求項1~
12のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の前記基板の重量を測定する前記重量測定部と、前記処理ブロックで処理した後の前記基板の重量を測定する前記重量測定部と、を別々に含む、請求項1~
13のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項15】
請求項1~
14のいずれか1項に記載の基板処理装置を用いて、前記基板を処理する基板処理方法であって、
前記重量測定部の測定結果を用いて、前記処理ブロックで処理する前後での前記基板の重量差を算出し、前記除去処理による前記除去量が許容範囲内であるか否かを判定することを含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の成膜処理装置は、ウェハカセットから成膜処理室へのウェハ搬送経路の途上に、膜形成処理前の半導体ウェハの重量を自動的に測定する測定手段と、膜形成処理後の半導体ウェハの重量を自動的に測定する測定手段と、を備える。また、成膜処理装置は、膜形成処理前後に測定した半導体ウェハの重量を記憶するデータベースと、重量から膜厚を演算する演算手段と、を備える。また、成膜処理装置は、膜厚から成膜条件を制御する手段を更に備える。
【0003】
特許文献2に記載のめっき装置は、めっき処理が施される前の被めっき物の処理前重量と、めっき処理が施された後の被めっき物の処理後重量とを計量する計量部を備える。また、めっき装置は、処理前重量と処理後重量との差をめっき部重量とみなし、めっき部重量が所定の範囲内であるか否かを判断する判断部を備える。めっき装置は、めっき部重量が所定の範囲から外れた場合には、めっき処理の条件を変更する。
【0004】
特許文献3に記載のエッチング終点検出法は、ウェハをエッチング液から引き上げ、ウェハの重量を測定し、重量の低下が一定値になったことを検知し、エッチングの終点を検出する。重量の低下が一定値になるまで、ウェハをエッチング液に所定時間の間沈めることと、ウェハの重量を測定することと、が繰り返し行われる。
【0005】
特許文献4に記載の半導体デバイスの製造プロセスの制御方法は、各製造プロセスにおいける半導体ウェハの質量変化を測定するステップを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-332239号公報
【文献】特開2018-188708号公報
【文献】特開平1-236633号公報
【文献】特許第5957023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の一態様は、基板の一部を除去する除去量を管理する、技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る基板処理装置は、基板を収容するカセットが載置されるカセットブロックと、前記基板を処理する処理ブロックと、前記カセットブロックと前記処理ブロックとの間で前記基板を中継する中継ブロックと、制御装置と、を備える。前記カセットブロックは、前記カセットが載置される載置部と、前記載置部と前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第1搬送部と、を含む。前記処理ブロックは、前記基板の一部を除去する除去処理を行う処理モジュールと、前記処理モジュールと前記中継ブロックとの間で前記基板を搬送する第2搬送部と、を含む。前記中継ブロックは、前記処理ブロックで処理する前の、又は前記処理ブロックで処理した後の、前記基板の重量を測定する重量測定部を含む。前記制御装置は、前記重量測定部の測定結果を用いて、前記処理ブロックで処理する前後での前記基板の重量差を算出し、前記除去処理による除去量が許容範囲内であるか否かを判定する除去量判定部を含む。前記処理ブロックは、異なる前記基板に対して同じ前記除去処理を行う複数の前記処理モジュールを備える。前記制御装置は、異なる前記基板に対して同じ前記除去処理を行う複数の前記処理モジュールの間で、前記除去量に差があるか否かを判定する装置間差判定部を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、除去量判定部によって、基板の一部を除去する除去量を管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る基板処理装置を示す平面図である。
【
図2】
図2は、制御装置の構成要素の一例を機能ブロックで示す図である。
【
図3】
図3は、カセットブロックと中継ブロックの一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、アライメント部の一例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、アライメント部における重量測定の一例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、ロット形成部の一例を示す平面図である。
【
図7】
図7は、ロット形成部の動作の一例を示す側面図である。
【
図8】
図8は、
図7に続き、ロット形成部の動作の一例を示す側面図である。
【
図9】
図9は、
図8に続き、ロット形成部の動作の一例を示す側面図である。
【
図10】
図10は、バッチ式の処理モジュールの一例を示す断面図である。
【
図12】
図12は、乾燥モジュールにおける液処理の一例を示す断面図である。
【
図13】
図13は、乾燥モジュールにおける乾燥の一例を示す断面図である。
【
図14】
図14は、乾燥モジュールにおける重量測定の一例を示す断面図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係る基板処理装置を示す平面図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る基板処理装置を示す正面図である。
【
図17】
図17は、トランジション部の一例を示す平面図である。
【
図20】
図20は、枚葉式の処理モジュールの一例を示す断面図である。
【
図21】
図21は、枚葉式の処理モジュールにおける重量測定の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。また、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は互いに垂直な方向であり、X軸方向及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向である。
【0012】
(第1実施形態)
図1に示す基板処理装置1は、バッチ式である。基板処理装置1は、カセットブロック2と、中継ブロック3と、処理ブロック4と、制御装置9とを有する。カセットブロック2は、カセットCが載置されるものである。カセットCは、基板Wを収容する。基板Wは、半導体基板又はガラス基板等の下地基板と、下地基板の上に形成される膜と、を含む。処理ブロック4は、例えば、基板Wの表面に被膜された金属膜や樹脂膜を処理液でエッチング又は溶解する処理などの、基板Wの一部を除去する除去処理を行う。中継ブロック3は、カセットブロック2と処理ブロック4との間で基板Wを中継する。カセットブロック2と、中継ブロック3と、処理ブロック4とは、この順番で、X軸正方向に並ぶ。
【0013】
カセットブロック2は、カセットCが載置される載置部21を有する。カセットCは、複数枚(例えば25枚)の基板Wを収容し、カセットブロック2に対して搬入出される。カセットCは、鉛直方向に第1ピッチで並ぶ複数枚の基板Wのそれぞれを水平に保持する。
【0014】
カセットブロック2は、カセットCを保管する保管部22を有する。保管部22は、載置部21と、中継ブロック3の搬入出部31A、31Bとの間で搬送される途中のカセットCを保管する。保管部22は、基板Wを収容したカセットCを保管してもよいし、空のカセットCを保管してもよい。
【0015】
カセットブロック2は、載置部21と、中継ブロック3の搬入出部31A、31Bとの間で、基板Wを搬送する第1搬送部23を有する。第1搬送部23は、例えば多関節ロボットである。第1搬送部23は、カセットCを搬送することで、複数枚(例えば25枚)の基板Wを一括で搬送する。第1搬送部23は、空のカセットCを搬送してもよい。
【0016】
中継ブロック3は、カセットブロック2と処理ブロック4の間で基板Wを中継する。中継ブロック3は、カセットCに対する基板Wの搬入出が行われる際に、カセットCが載置される搬入出部31A、31Bを有する。搬入出部31A、31Bは、
図3に示すように、鉛直方向に並べられる。例えば、搬入出部31Aが上段に配置され、搬入出部31Bが下段に配置される。
【0017】
中継ブロック3は、搬入出部31A、31Bに載置されたカセットCのドアを開閉する開閉機構33(
図1参照)を有する。カセットCの開口部が開放された状態で、カセットCに対する基板Wの搬入出が行われる。また、カセットCの開口部が閉塞された状態で、カセットCの搬送が行われる。
【0018】
中継ブロック3は、
図3に示すように、基板Wのノッチの位置を調節するアライメント部34を有する。例えば、アライメント部34は、下段の搬入出部31Bの下方に配置される。アライメント部34は、処理ブロック4で処理する前の基板Wのノッチの位置を調節するが、処理ブロック4で処理した後の基板Wのノッチの位置を調節してもよい。
【0019】
アライメント部34は、例えば、
図4に示すように、基板Wを水平に保持して回転させるスピンチャック341と、基板Wのノッチの位置を検出するセンサ342と、を含む。スピンチャック341が基板Wを保持して回転させながら、センサ342が基板Wのノッチの位置を検出することで、基板Wの回転角が調節され、ノッチの位置が調節される。
【0020】
なお、基板Wには、ノッチの代わりに、オリエンテーションフラットが形成されてもよい。後者の場合、アライメント部34は、オリエンテーションフラットの位置を調節する。
【0021】
アライメント部34は、例えば、
図5に示すように、基板Wの重量を測定する重量測定部344を含んでもよい。アライメント部34は、1枚ずつ、基板Wのノッチの位置を調節し、基板Wの重量を測定する。
【0022】
重量測定部344は、基板Wを下方から支持するアーム345を有する。アーム345は、例えば、複数本(例えば3本)のピン345aを含む。複数本のピン345aは、スピンチャック341の径方向外側に配置され、基板Wをスピンチャック341から持ち上げる。
【0023】
また、重量測定部344は、アーム345を載せる重量センサ346を有する。重量センサ346は、アーム345とアーム345で保持された基板Wの合計の重量と、アーム345の重量の差分を測定し、基板Wの重量を測定する。重量センサ346は、測定したデータを制御装置9に送信する。
【0024】
重量測定部344は、アーム345と重量センサ346を昇降させる昇降機構347を有する。また、重量測定部344は、昇降機構347とアーム345を連結した状態と、昇降機構347とアーム345の連結を解除した状態とを切り替えるロック機構348を有する。
【0025】
昇降機構347がアーム345を昇降させる際には、ロック機構348が昇降機構347とアーム345を連結する。昇降機構347の駆動力がアーム345に伝達され、アーム345が昇降させられる。アーム345が基板Wをスピンチャック341から持ち上げた状態で、重量センサ346が基板Wの重量を測定する。
【0026】
重量センサ346が基板Wの重量を測定する際には、ロック機構348が昇降機構347とアーム345の連結を解除する。その結果、アーム345がガイド349に沿って落下可能になり、アーム345等の重量に比例する荷重が重量センサ346に作用する。従って、重量センサ346が基板Wの重量を測定できる。
【0027】
図3に示すように、中継ブロック3は、基板Wを1枚ずつ搬送する枚葉搬送部35を含む。枚葉搬送部35は、下段の搬入出部31Bの上に載置されたカセットCから基板Wを搬出し、アライメント部34に搬送する。また、枚葉搬送部35は、アライメント部34から基板Wを受け取り、下段の搬入出部31Bの上に載置されたカセットCに基板Wを搬入する。
【0028】
枚葉搬送部35は、鉛直方向に移動可能な移動体351と、移動体351に対して独立に進退する2つの搬送アーム352、353を有する。2つの搬送アーム352、353によって、アライメント部34からの基板Wの搬出と、アライメント部34への基板Wの搬入と、を連続して実施でき、アライメント部34の稼働率を向上できる。
【0029】
カセットCは、アライメント部34によってノッチの位置を調節した基板Wを収容する。その後、カセットCは、第1搬送部23によって下段の搬入出部31Bから上段の搬入出部31Bに移し替えられる。
【0030】
中継ブロック3は、複数枚の基板Wを同時に搬送する一括搬送部36を含む。一括搬送部36は、例えば多関節ロボットであり、
図7に示すように、その先端に搬送アーム361を有する。搬送アーム361は、カセットCと同じく、第1ピッチで複数枚(例えば25枚)の基板Wを保持する。
【0031】
図3に示すように、一括搬送部36は、上段の搬入出部31Aの上に載置されたカセットCから複数枚(例えば25枚)の基板Wを搬出し、後述するロット形成部37に搬送する。その途中で、一括搬送部36は、基板Wの配列方向を、Z軸方向からY軸方向に変更する。
【0032】
また、一括搬送部36は、後述するロット解除部38から複数枚(例えば25枚)の基板Wを受け取り、上段の搬入出部31Aの上に載置された空のカセットCに搬入する。その途中で、一括搬送部36は、基板Wの配列方向を、Y軸方向からZ軸方向に変更する。
【0033】
図1に示すように、中継ブロック3は、複数枚(例えば50枚)の基板Wからなるロットを形成するロット形成部37を含む。ロット形成部37は、第1ピッチで並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wと、同じ第1ピッチで並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wとを組み合わせて、ロットを形成する。ロットは、第1ピッチとは異なる第2ピッチで並ぶ複数枚(例えば50枚)の基板Wからなる。
【0034】
第2ピッチは、例えば、第1ピッチの半値である。1つのロットは、2つのカセットCに収容された基板Wで構成される。基板Wのピッチを狭くすることで、一括で処理する基板Wの枚数を増加できる。なお、第2ピッチは第1ピッチの1/n倍(nは2以上の自然数)であればよく、1つのロットはn個のカセットCに収容された基板Wで構成されてもよい。基板Wは、ロット毎に、処理ブロック4で処理される。
【0035】
中継ブロック3は、ロットを解除するロット解除部38を含む。ロット解除部38は、第2ピッチで並ぶ複数枚(例えば50枚)の基板Wを、第1ピッチで並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wと、同じく第1ピッチで並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wとに分解する。ロットの解除は、ロットを処理ブロック4で処理した後に行われる。
【0036】
次に、
図6~
図9を参照して、ロット形成部37について説明する。
図6~
図9において、図面のスペースの都合上、基板Wの枚数を、実際の枚数よりも少なく図示する。ロット形成部37は、固定ハンド371と、可動ハンド372と、昇降機構373と、を有する。固定ハンド371と可動ハンド372は、それぞれ、Y軸方向に間隔をおいて並ぶ複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に立てて保持する。昇降機構373は、固定ハンド371に対して可動ハンド372を昇降させる。
【0037】
固定ハンド371は、互いに平行な複数本のアーム371aを有する。アーム371aの本数は、図示のものに限定されない。各アーム371aは、基板Wを保持する保持溝371bと、基板Wを通過させる通過溝371cと、を交互に含む。保持溝371bのピッチは第1ピッチであり、通過溝371cのピッチも第1ピッチである。
【0038】
可動ハンド372も、互いに平行な複数本のアーム372aを有する。アーム372aの本数は、図示のものに限定されない。各アーム372aは、基板Wを保持する保持溝372bを含む。保持溝372bのピッチは第2ピッチである。第2ピッチは、第1ピッチの1/n倍である。
【0039】
昇降機構373は、可動ハンド372を、固定ハンド371よりも上方の位置と、固定ハンド371よりも下方の位置との間で昇降させる。先ず、
図7に示すように、可動ハンド372は、固定ハンド371よりも下方の位置で停止する。その後、一括搬送部36が、第1ピッチP1で並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wを、固定ハンド371の通過溝371cに差し込み、可動ハンド372に渡す。可動ハンド372は、第1ピッチP1で並ぶ複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に立てて保持する。
【0040】
次に、
図8に示すように、昇降機構373が、可動ハンド372を下降させ、可動ハンド372で保持した複数枚の基板Wを固定ハンド371の下方に退避させる。その後、一括搬送部36が、第1ピッチP1で並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wを、固定ハンド371の保持溝372bに差し込み、固定ハンド371に渡す。固定ハンド371は、第1ピッチP1で並ぶ複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に立てて保持する。
【0041】
次に、
図9に示すように、昇降機構373が、可動ハンド372を、固定ハンド371よりも上方の位置まで上昇させる。その途中で、可動ハンド372は、固定ハンド371で保持された複数枚の基板Wを固定ハンド371から受け取り、受け取った基板Wと元々保持していた基板Wとを合わせてロットを形成する。ロットは、第2ピッチP2で並ぶ複数枚の基板Wからなる。
【0042】
ロット形成部37は、基板Wの重量を測定する重量測定部374を含んでもよい。重量測定部374は、例えば、可動ハンド372を載せる重量センサ375を含む。重量センサ375は、可動ハンド372と可動ハンド372で保持された基板Wの合計の重量と、可動ハンド372の重量の差分を測定し、基板Wの重量を測定する。
【0043】
重量センサ375は、ロット単位で基板Wの重量を測定してもよいし、カセット単位で基板Wの重量を測定してもよい。重量センサ375は、1つのロットの基板Wの重量と、1つのカセットCの基板Wの重量とを測定し、その差分を残りのカセットCの基板Wの重量として推定してもよい。重量センサ375は、測定したデータを制御装置9に送信する。
【0044】
ロット形成部37は、昇降機構373と可動ハンド372を連結した状態と、昇降機構373と可動ハンド372の連結を解除した状態とを切り替えるロック機構378を含んでもよい。
【0045】
昇降機構373が可動ハンド372を昇降させる際には、ロック機構378が昇降機構373と可動ハンド372を連結する。昇降機構373の駆動力が可動ハンド372に伝達され、可動ハンド372が昇降させられる。
【0046】
一方、重量センサ375が基板Wの重量を測定する際には、ロック機構378が昇降機構373と可動ハンド372の連結を解除する。その結果、可動ハンド372がガイド379に沿って落下可能になり、可動ハンド372等の重量に比例する荷重が重量センサ375に作用する。従って、重量センサ375が基板Wの重量を測定できる。
【0047】
ロット解除部38は、ロット形成部37と同様に構成される。ロット形成部37と、ロット解除部38とは、どちらも、複数枚の基板Wを保持しながら、基板Wのピッチを変えるピッチ変換部である。
【0048】
ロット解除部38は、ロット形成部37とは逆の動作を行うことにより、第2ピッチP2で並ぶ複数枚(例えば50枚)の基板Wを、第1ピッチP1で並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wと、同じく第1ピッチP1で並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wとに分解する。
【0049】
ロット解除部38は、ロット形成部37と同様に、重量測定部を有してもよい。ロット形成部37が処理ブロック4で処理する前の基板Wの重量を測定するのに対し、ロット解除部38は処理ブロック4で処理した後の基板Wの重量を測定する。
【0050】
図1に示すように、処理ブロック4は、例えば、基板Wの一部を除去する除去処理を行う処理モジュール41を含む。除去処理は、基板Wをエッチングする処理を含む。なお、除去処理は、基板Wに形成されたレジスト膜を剥離する処理、又は基板Wを研磨する処理を含んでもよい。処理モジュール41は複数であってもよく、複数の処理モジュール41は異なる基板Wに対して同じ除去処理を行う。
【0051】
処理ブロック4は、処理モジュール41と中継ブロック3との間で基板Wを搬送する第2搬送部42を含む。第2搬送部42は、基板Wをロット単位で搬送する。第2搬送部42は、ロット形成部37から基板Wを受け取り、処理モジュール41と、乾燥モジュール43と、ロット解除部38と、にこの順番で搬送する。
【0052】
なお、処理ブロック4は、処理モジュール41とは異なる処理を基板Wに対して行う第2処理モジュールを更に含んでもよい。第2処理モジュールは、処理モジュール41と同様に構成されるが、処理モジュール41とは異なる処理液を用いて、基板Wを処理する。処理液の種類は、3種類以上であってもよい。
【0053】
次に、
図10及び
図11を参照して、処理モジュール41について説明する。処理モジュール41は、複数枚の基板Wを一括で処理するバッチ式である。処理モジュール41は、処理液を貯留する処理槽101を備える。処理液は、基板Wの一部を除去する除去処理を行う。処理液は、例えば、DHF(希フッ酸)、BHF(フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液)、リン酸水溶液、又はSC1(アンモニアと過酸化水素と水の混合液)である。
【0054】
なお、処理液は、DHF、BFH、リン酸水溶液、及びSC1には限定されず、例えば、希硫酸、SPM(硫酸と過酸化水素と水の混合液)、SC2(塩酸と過酸化水素と水の混合液)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウムと水の混合液)、混酸などであってもよい。混酸は、例えば、フッ酸(HF)と硝酸(HNO3)の混合物、又はPAN(リン酸と酢酸と硝酸の混合物)などである。
【0055】
図10に示すように、処理槽101は、内槽102と、外槽103と、を含む。内槽102は、上方が開放された箱型の槽である。複数枚の基板Wは、後述する保持具130で保持された状態で、内槽102に溜めた処理液に浸漬される。外槽103は、内槽102からオーバーフローした処理液を回収する。
【0056】
処理モジュール41は、処理液を処理槽101に供給する液供給部105を備える。液供給部105は、複数種類の液体を混ぜて処理液を調製する。液供給部105は、液体毎に液体の流量を制御する流量制御器と、液体毎に液体の流路を開閉する開閉バルブと、を含む。液供給部105は、複数種類の液体の混合比を変更し、処理液の濃度を変更してもよい。
【0057】
処理モジュール41は、処理槽101の内部に溜めた処理液を外部に排出する液排出部106を備える。例えば、液排出部106は、内槽102の底壁から外部に処理液を排出する。なお、液排出部106は、後述する循環ライン110の途中から外部に処理液を排出してもよい。
【0058】
処理モジュール41は、外槽103から処理液を取り出し、内槽102に送る循環ライン110を備える。また、処理モジュール41は、循環ライン110の途中に、循環ポンプ111と、温調器112と、フィルター113と、を備える。循環ポンプ111は、処理液を圧送する。温調器112は、ヒータ等であり、処理液の温度を調節する。フィルター113は、処理液に含まれるパーティクルを捕集する。
【0059】
処理モジュール41は、例えば、処理液を内槽102の内部に供給する水平管120を備える。水平管120は、Y軸方向に延びており、X軸方向に間隔をおいて複数本設けられる。複数本の水平管120は、その長手方向に間隔をおいて複数の吐出口を有する。複数の吐出口は、それぞれ真上に向けて処理液を吐出する。これにより、カーテン状の上昇流を内槽102の内部に形成できる。なお、水平管120は、複数の吐出口の流量を独立に制御できるように構成されてもよい。また、水平管120は、液体と気体の混合流体を吐出してもよい。気体としては、N2ガス等が用いられる。
【0060】
処理モジュール41は、複数枚の基板Wを保持する保持具130を備える。保持具130は、互いに平行な複数本のアーム131を含む。各アーム131は、
図11に示すように、水平管120に対して平行に(つまりY軸方向に)配置され、Y軸方向に第2ピッチP2で並ぶ複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に保持する。
【0061】
処理モジュール41は、保持具130を昇降させる昇降機構140を有する。昇降機構140は、基板Wを処理液に浸漬する位置と、基板Wを搬入出する位置との間で、保持具130を昇降させる。
【0062】
処理モジュール41は、保持具130を載せる重量センサ150を備えてもよい。重量センサ150は、保持具130と保持具130で保持された基板Wの合計の重量と、保持具130の重量の差分を測定し、基板Wの重量を測定する。重量センサ150は、測定したデータを制御装置9に送信する。
【0063】
処理モジュール41は、昇降機構140と保持具130を連結した状態と、昇降機構140と保持具130の連結を解除した状態とを切り替えるロック機構160を備えてもよい。昇降機構140が保持具130を昇降させる際には、ロック機構160が昇降機構140と保持具130を連結する。昇降機構140の駆動力が保持具130に伝達され、保持具130が昇降させられる。
【0064】
一方、重量センサ150が基板Wの重量を測定する際には、ロック機構160が昇降機構140と保持具130の連結を解除する。その結果、保持具130がガイド142に沿って落下可能になり、保持具130等の重量に比例する荷重が重量センサ150に作用する。従って、重量センサ150が基板Wの重量を測定できる。
【0065】
図1に示すように、処理モジュール41は、リンス槽181と、第2保持具182と、第2昇降機構183と、を更に備えてもよい。リンス槽181は、複数枚の基板Wが浸漬されるリンス液を溜める。リンス液は、例えば脱イオン水等の純水であり、エッチング液等の処理液を基板Wから除去する。第2保持具182は、複数枚の基板Wを保持する。第2昇降機構183は、基板Wをリンス液に浸漬する位置と、基板Wを搬入出する位置との間で、第2保持具182を昇降させる。
【0066】
次に、
図12~
図14を参照して、乾燥モジュール43について説明する。
図12に示すように、乾燥モジュール43は、処理槽210を備える。処理槽210は、複数枚の基板Wが一括で浸漬される処理液を溜める。処理液は、例えば脱イオン水等の純水である。処理液の層の上に、IPA(イソプロピルアルコール)の層が形成されてもよい。基板Wに付着した純水をIPAに置換しながら、基板Wを処理槽210から引き上げることができる。
【0067】
処理槽210は、内槽211と、外槽212と、シール槽213と、を含む。内槽211は、上方が開放された箱型の槽である。複数枚の基板Wは、後述する保持具260で保持された状態で、内槽211に溜めた処理液に浸漬される。外槽212は、内槽211からオーバーフローした処理液を回収する。シール槽213は、内部に溜めたシール液で、外気の侵入を抑制する。
【0068】
乾燥モジュール43は、処理槽210の上方空間を囲む筒状の側壁220を備える。側壁220は、基板Wの乾燥が行われる乾燥室を内部に形成する。乾燥モジュール43は、乾燥室にガスを供給するガス供給部230を備える。ガス供給部230は、乾燥室に配置されるノズル231を含む。ノズル231は、基板Wを挟んで両側に配置される。ノズル231によって乾燥室に供給されたガスは、側壁220の排気口221から排出される。
【0069】
ガス供給部230は、ノズル231にガスを供給する供給機構232を含む。供給機構232は、複数種類のガスをノズル231に供給してもよい。供給機構232は、ガスの温度を調節するヒータ等の温調器、ガスの流量を調節する流量制御器、ガスの流路を開閉する開閉バルブ等を含む。ガスは、IPA等の有機溶剤のガス、又はN2ガス等である。
【0070】
乾燥モジュール43は、処理槽210と側壁220の間に、ケーシング240を備える。ケーシング240の内部には、シャッター241が移動可能に配置される。乾燥モジュール43は、シャッター241を移動させる開閉機構242を備える。開閉機構242は、乾燥室の下部開口を開放する位置と、閉塞する位置との間で、シャッター241を水平方向に移動させる。
【0071】
乾燥モジュール43は、乾燥室の上部開口を開閉する蓋体250と、蓋体250を移動させる開閉機構251と、を備える。開閉機構251は、乾燥室の上部開口を開放する位置と、閉塞する位置との間で、蓋体250を鉛直方向に移動させる。
【0072】
乾燥モジュール43は、複数枚の基板Wを保持する保持具260を備える。保持具260は、Y軸方向に第2ピッチP2で並ぶ複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に立てて保持する。保持具260は、互いに平行な複数本のアーム261と、複数本のアーム261を片持ち支持するブラケット262と、ブラケット262から真上に延びる昇降ロッド263とを有する。昇降ロッド263は、蓋体250の貫通穴に挿通されており、その貫通穴にはシール機構が設けられている。
【0073】
乾燥モジュール43は、保持具260を昇降させる昇降機構270を備える。昇降機構270は、基板Wを処理液に浸漬する位置(
図12参照)と、基板Wを乾燥する位置(
図13参照)と、基板Wを搬入出する位置との間で、保持具260を昇降させる。なお、基板Wの搬入出は、蓋体250が乾燥室の上部開口を開放した状態で行われる。
【0074】
図14に示すように、乾燥モジュール43は、保持具260を載せる重量センサ280を備えてもよい。重量センサ280は、保持具260と保持具260で保持された基板Wの合計の重量と、保持具260の重量の差分を測定し、基板Wの重量を測定する。重量センサ280は、測定したデータを制御装置9に送信する。
【0075】
乾燥モジュール43は、昇降機構270と保持具260を連結した状態と、昇降機構270と保持具260の連結を解除した状態とを切り替えるロック機構290を備えてもよい。昇降機構270が保持具260を昇降させる際には、ロック機構290が昇降機構270と保持具260を連結する。昇降機構270の駆動力が保持具260に伝達され、保持具260が昇降させられる。
【0076】
一方、重量センサ280が基板Wの重量を測定する際には、ロック機構290が昇降機構270と保持具260の連結を解除する。その結果、保持具260がガイド272に沿って落下可能になり、保持具260等の重量に比例する荷重が重量センサ280に作用する。従って、重量センサ280が基板Wの重量を測定できる。
【0077】
図1に示すように、制御装置9は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)91と、メモリなどの記憶媒体92とを備える。記憶媒体92には、基板処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御装置9は、記憶媒体92に記憶されたプログラムをCPU91に実行させることにより、基板処理装置1の動作を制御する。
【0078】
次に、基板処理装置1の動作、つまり基板処理方法について説明する。下記の動作は、制御装置9による制御下で実施される。先ず、外部の搬送機が、カセットCをカセットブロック2の載置部21に載置する。カセットCは、複数枚(例えば25枚)の基板Wを第1ピッチP1で収容する。
【0079】
次に、第1搬送部23が、載置部21に載置されたカセットCを、中継ブロック3の下段の搬入出部31Bに搬送する。第1搬送部23は、カセットCを載置部21から下段の搬入出部31Bに搬送する途中で、カセットCを一時的に保管部22に載置してもよい。
【0080】
次に、開閉機構33が、下段の搬入出部31Bの上に載置されたカセットCの開口部を開放する。続いて、枚葉搬送部35が、カセットCから基板Wを1枚ずつ搬出し、アライメント部34に搬送する。アライメント部34は、1枚ずつ、基板Wのノッチの位置を調節し、基板Wの重量を測定する。その後、基板Wは、枚葉搬送部35によって、カセットCに戻される。全ての基板WがカセットCに戻されると、開閉機構33がカセットCの開口部を閉塞する。その後、第1搬送部23が、例えば、カセットCを下段の搬入出部31Bから上段の搬入出部31Aに搬送する。第1搬送部23は、カセットCを下段の搬入出部31Bから上段の搬入出部31Aに搬送する途中で、カセットCを一時的に保管部22に載置してもよい。
【0081】
次に、開閉機構33が、上段の搬入出部31Aの上に載置されたカセットCの開口部を開放する。続いて、一括搬送部36が、カセットCから複数枚(例えば25枚)の基板Wを搬出し、ロット形成部37に搬送する。空のカセットCは、第1搬送部23によって保管部22に搬送される。
【0082】
次に、ロット形成部37が、複数枚(例えば50枚)の基板Wからなるロットを形成する。1つのロットは、2つのカセットCに収容された基板Wで構成される。また、ロット形成部37は、処理ブロック4で処理する前の基板Wの重量を測定してもよい。その後、第2搬送部42が、ロット形成部37から複数枚の基板Wを受け取り、処理モジュール41に搬送する。
【0083】
次に、処理モジュール41が、基板Wの一部を除去する除去処理を行う。除去処理は、ロット単位で行われる。第2搬送部42は、先ず、複数枚の基板Wを保持具130に渡す。続いて、昇降機構140が、保持具130を下降させ、複数枚の基板Wを処理液に設定時間の間、浸漬させる。重量センサ150は、除去処理の後の基板Wの重量を測定する。除去処理の後の基板Wの重量を中継ブロック3で測定する場合に比べて、早いタイミングで除去量を算出できる。
【0084】
昇降機構140が複数枚の基板Wを処理液に浸漬させる間に、重量センサ150が基板Wの重量を測定してもよい。重量センサ150は、基板Wと処理液の密度差から基板Wに作用する浮力を算出し、測定データを補正する。なお、重量センサ150は、処理液から基板Wを引き上げた後で、基板Wの重量を測定してもよい。基板Wに付着する液滴の量が一定であれば、基板Wの重量を測定できる。
【0085】
基板Wの重量を測定するタイミングは、特に限定されないが、処理液中で基板Wの重量を測定する場合、例えば、基板Wを処理液に浸漬させた直後と、基板Wを処理液から引き上げる直前と、である。制御装置9は、処理液中で基板Wの重量を測定する間、水平管120による処理液の吐出を停止してもよい。処理液の流れを止めれば、基板Wの重量の測定精度を向上できる。
【0086】
次に、昇降機構140が、保持具130を上昇させる。その後、第2搬送部42が、保持具130から複数枚の基板Wを受け取り、第2保持具182に搬送する。続いて、第2昇降機構183が、第2保持具182を下降させ、複数枚の基板Wをリンス液に設定時間の間、浸漬させる。基板Wに残存する処理液をリンス液に置換できる。
【0087】
次に、第2昇降機構183が、第2保持具182を上昇させる。その後、第2搬送部42が、第2保持具182から複数枚の基板Wを受け取り、乾燥モジュール43に搬送する。第2搬送部42は、複数枚の基板Wを乾燥モジュール43の保持具260に渡す。
【0088】
次に、昇降機構270が、保持具260を下降させ、複数枚の基板Wを処理液に設定時間の間、浸漬させる。続いて、昇降機構270が、保持具260を上昇させ、乾燥室で複数枚の基板Wを乾燥させる。その後、重量センサ280が、基板Wの重量を測定する。その後、第2搬送部42が、保持具260から複数枚の基板Wを受け取り、ロット解除部38に搬送する。
【0089】
次に、ロット解除部38が、第2ピッチP2で並ぶ複数枚(例えば50枚)の基板Wを、第1ピッチP1で並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wと、同じく第1ピッチP1で並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wとに分解し、ロットを解除する。また、ロット解除部38は、処理ブロック4で処理した後の基板Wの重量を測定してもよい。
【0090】
次に、一括搬送部36が、第1ピッチP1で並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wをロット解除部38から受け取り、上段の搬入出部31Aに予め載置された空のカセットCに搬入する。続いて、開閉機構33が、カセットCの開口部を閉塞する。その後、第1搬送部23が、上段の搬入出部31Aに載置されたカセットCを、載置部21に搬送する。そして、外部の搬送機が、処理済みの基板Wを収容したカセットCを、基板処理装置1から搬出する。
【0091】
次に、
図2を参照して、制御装置9の機能について説明する。
図2に図示される各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUにて実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
【0092】
図2に示すように、制御装置9は、例えば、除去量判定部901と、除去条件変更部902と、装置間差判定部903と、重量変化監視部904と、乾燥不良判定部905と、乾燥条件変更部906と、を含む。
【0093】
除去量判定部901は、中継ブロック3の重量測定部344、374の測定結果を用いて、処理ブロック4で処理する前後での基板Wの重量差を算出し、除去処理による除去量が許容範囲内であるか否かを判定する。除去量は、重量差に等しい。許容範囲は、除去処理の種類、基板Wの枚数等に応じて適宜設定される。除去量判定部901によって、基板Wの除去量を管理できる。除去量判定部901の判定結果に応じて、処理条件の変更、アラームの報知などを制御装置9が行ってもよい。判定結果に応じて行われる処理内容毎に、許容範囲が用意されてもよい。従って、許容範囲の下限値及び上限値は、複数用意されてもよい。制御装置9は、処理条件を変更することなく、アラームの報知を行ってもよい。アラームの報知を受けたユーザが、処理条件を変更するか否かを検討してもよい。
【0094】
除去量判定部901は、複数枚の基板Wからなるロット毎に判定を行ってもよいし、1枚毎に判定を行ってもよい。後者の場合、除去量判定部901は、ロットを構成する複数枚の基板Wのうち、全部について判定を行ってもよいし、一部のみ(例えば配列方向両端と中央)について判定を行ってもよい。ロット内での基板Wの位置と、除去量判定部901の判定結果とが、対応付けて記憶されてもよい。
【0095】
中継ブロック3は、処理ブロック4で処理する前の基板Wの重量を測定する重量測定部344、374と、処理ブロック4で処理した後の基板Wの重量を測定する重量測定部(例えばロット解除部38の重量測定部)と、を別々に含んでもよい。処理前の基板Wに付着した異物が処理後の基板Wに転移するのを防止でき、処理後の基板Wを清浄に保つことができる。
【0096】
中継ブロック3は、処理ブロック4で処理する前の基板Wの重量を測定する重量測定部344、374のみを含んでもよい。除去量判定部901は、処理モジュール41の重量センサ150を用いて除去処理の後の基板Wの重量を測定し、除去量が許容範囲内であるか否かを判定してもよい。除去処理の後の基板Wの重量を中継ブロック3で測定する場合に比べて、早いタイミングで除去量を算出できる。
【0097】
なお、除去量判定部901は、処理モジュール41の重量センサ以外の重量センサを用いて、除去処理の前又は後の基板Wの重量を測定してもよい。
【0098】
例えば、第1搬送部23又は第2搬送部42が、基板Wの重量を測定する重量センサを含んでもよい。その重量センサは、基板Wを保持する搬送アームなどに設けられ、基板Wの重量に応じた荷重を受ける。従って、基板Wの重量を測定できる。
【0099】
また、カセットブロック2の載置部21が、基板Wの重量を測定する重量センサを含んでもよい。その重量センサは、カセットCとカセットCに収容された基板Wの合計の重量と、カセットCの重量の差分を測定し、基板Wの重量を測定する。
【0100】
除去条件変更部902は、除去量判定部901によって除去量が許容範囲外であると判定される場合に、除去処理の処理条件を変更する。その処理条件は、例えば、処理時間、処理温度、処理液の濃度、又は処理液の流量を含む。処理時間は浸漬時間であり、処理温度は処理液の温度である。なお、水平管120が処理液と気体の混合流体を吐出する場合、処理条件は気体の流量を含んでもよい。
【0101】
なお、上記の通り、ロット内での基板Wの位置と、除去量判定部901の判定結果とが、対応付けて記憶されてもよい。ロット内での基板Wの位置に応じて、除去量が変わることが有る。除去条件変更部902は、ロット内での除去量のばらつきを低減すべく、ロット内での基板Wの位置毎に、水平管120の吐出流量を変更してもよい。
【0102】
除去条件変更部902は、除去量が許容範囲内に収まるように、除去処理の処理条件を変更する。例えば、除去量が少な過ぎる場合、除去条件変更部902は処理時間を長く変更する。また、除去量が多過ぎる場合、除去条件変更部902は処理時間を短く変更する。
【0103】
除去条件変更部902は、除去量判定部901によって除去量が許容範囲外であると判定された後に、除去処理の処理条件を変更する。つまり、除去条件変更部902は、除去処理の処理条件をフィードバック制御する。
【0104】
但し、除去条件変更部902は、除去量の経時変化を監視し、次回の除去量が許容範囲外になると予測した場合に、除去処理の処理条件を変更してもよい。つまり、除去条件変更部902は、除去処理の処理条件をフィードフォワード制御してもよい。
【0105】
制御装置9は、除去条件変更部902によって変更された処理条件に従って、処理モジュール41を制御し、基板Wに対する処理を行う。除去条件変更部902が処理条件を変更することにより、不良品の大量生産を回避できる。
【0106】
装置間差判定部903は、異なる基板Wに対して同じ除去処理を行う複数の処理モジュール41の間で、除去量に差があるか否かを判定する。除去量の差は、例えば処理モジュール41の設置場所、向き、又は構造などの差によって生じる。
【0107】
そこで、除去条件変更部902は、装置間差判定部903によって複数の処理モジュール41の間で除去量に差があると判定される場合に、除去処理の処理条件を変更してもよい。その処理条件の変更は、フィードバック制御でも、フィードフォワード制御でもよい。
【0108】
除去条件変更部902は、複数の処理モジュール41の間で除去量に差がなくなるように、除去処理の処理条件を変更する。除去量に差がなくなるとは、例えば、除去量の平均値の差が許容範囲内に収まることである。除去条件変更部902は、少なくとも1つの処理モジュール41の処理条件を変更すればよい。
【0109】
制御装置9は、除去条件変更部902によって変更された処理条件に従って、処理モジュール41を制御し、基板Wに対する処理を行う。除去条件変更部902が処理条件を変更することにより、複数の処理モジュール41間での処理品質の差を低減できる。
【0110】
重量変化監視部904は、処理モジュール41の重量センサ150を用いて、処理液中における基板Wの重量変化を監視する。基板Wの除去処理中に、基板Wの除去量が許容範囲に収まるように、除去条件変更部902が処理条件を変更できる。
【0111】
乾燥不良判定部905は、乾燥モジュール43の重量センサ280を用いて乾燥後の基板Wの重量を測定し、乾燥不良の有無を判定する。乾燥不良とは、例えば、基板Wに液滴が付着していることである。
【0112】
乾燥不良判定部905は、乾燥後での基板Wの重量が閾値を超える場合に、乾燥不良が有ると判定する。また、乾燥不良判定部905は、乾燥後の基板Wの重量が閾値以下である場合に、乾燥不良が無いと判定する。乾燥不良判定部905の判定結果に応じて、処理条件の変更、アラームの報知などを制御装置9が行ってもよい。
【0113】
乾燥不良判定部905は、複数枚の基板Wからなるロット毎に判定を行ってもよいし、1枚毎に判定を行ってもよい。後者の場合、乾燥不良判定部905は、ロットを構成する複数枚の基板Wのうち、全部について判定を行ってもよいし、一部のみ(例えば配列方向両端と中央)について判定を行ってもよい。ロット内での基板Wの位置と、乾燥不良判定部905の判定結果とが、対応付けて記憶されてもよい。
【0114】
乾燥条件変更部906は、乾燥不良判定部905によって乾燥不良が有ると判定する場合に、乾燥モジュール43の処理条件を変更する。その処理条件は、例えば、処理時間、処理温度、ガスの濃度、又はガスの流量を含む。処理温度は、ガスの温度である。
【0115】
乾燥条件変更部906は、乾燥不良が無くなるように、乾燥処理の処理条件を変更する。例えば、乾燥不良が有る場合、乾燥条件変更部906は処理時間を長く変更したり、処理温度を高く変更したりする。これらの変更は、フィードバック制御でも、フィードフォワード制御でもよい。
【0116】
なお、上記の通り、ロット内での基板Wの位置と、乾燥不良判定部905の判定結果とが、対応付けて記憶されてもよい。ロット内での基板Wの位置に応じて、判定結果が変わることが有る。乾燥条件変更部906は、乾燥不良の割合を低減すべく、ロット内での基板Wの位置毎に、ガスの吐出流量等を変更してもよい。
【0117】
制御装置9は、乾燥条件変更部906によって変更された処理条件に従って、乾燥モジュール43を制御し、基板Wに対する処理を行う。乾燥条件変更部906が処理条件を変更することにより、不良品の大量生産を回避できる。
【0118】
(第2実施形態)
図15及び
図16に示す基板処理装置1は、枚葉式である。以下、本実施形態と上記実施形態との相違点について主に説明する。基板処理装置1は、カセットブロック2と、中継ブロック3と、処理ブロック4と、制御装置9とを有する。カセットブロック2は、カセットCが載置されるものである。カセットCは、基板Wを収容する。処理ブロック4は、基板Wの一部を除去する除去処理を行う。中継ブロック3は、カセットブロック2と処理ブロック4との間で基板Wを中継する。カセットブロック2と、中継ブロック3と、処理ブロック4とは、この順番で、X軸正方向に並ぶ。
【0119】
カセットブロック2は、カセットCが載置される載置部21を有する。カセットCは、複数枚(例えば25枚)の基板Wを収容し、カセットブロック2に対して搬入出される。カセットCは、鉛直方向に間隔をおいて並ぶ複数枚の基板Wのそれぞれを水平に保持する。
【0120】
カセットブロック2は、載置部21と、中継ブロック3のトランジション部39A、39Bとの間で、基板Wを搬送する第1搬送部23を有する。第1搬送部23は、基板Wを保持する搬送アームを含む。搬送アームは、水平方向及び鉛直方向に移動自在であり、鉛直な回転軸を中心に回転自在である。
【0121】
第1搬送部23は、載置部21に載置されたカセットCから基板Wを取り出し、トランジション部39Aに載置する。また、第1搬送部23は、トランジション部39Bから基板Wを受け取り、載置部21に載置されたカセットCに搬送する。
【0122】
中継ブロック3は、カセットブロック2と処理ブロック4の間で基板Wを中継する。中継ブロック3は、基板Wを一時的に保管するトランジション部39A、39Bを有する。トランジション部39Aは処理ブロック4で処理する前の基板Wを一時的に保管し、トランジション部39Bは処理ブロック4で処理した後の基板Wを一時的に保管する。トランジション部39A、39Bには、第1搬送部23と第2搬送部42の両方がアクセスする。
【0123】
次に、
図17~
図19を参照して、トランジション部39Aについて説明する。なお、トランジション部39Bは、トランジション部39Aと同様に構成されるので、説明及び図示を省略する。
【0124】
図17に示すように、トランジション部39Aは、基板Wを保持する保持部391を含む。保持部391は、鉛直方向に間隔をおいて並ぶ複数枚(例えば5枚)の基板Wのそれぞれを水平に保持する。トランジション部39Aは、基板Wの重量を測定する重量測定部394を含んでもよい。重量測定部394は、基板Wの周方向に間隔をおいて複数(例えば5つ)設けられてもよい。
【0125】
図19に示すように、重量測定部394は、基板Wを下方から支持するアーム395を有する。アーム395は、例えば、複数本(例えば3本)のピン395aを含む。複数本のピン395aは、基板Wを保持部391から持ち上げる。
【0126】
また、重量測定部394は、アーム395を載せる重量センサ396を有する。重量センサ396は、アーム395とアーム395で保持された基板Wの合計の重量と、アーム395の重量の差分を測定し、基板Wの重量を測定する。重量センサ396は、測定したデータを制御装置9に送信する。
【0127】
重量測定部394は、アーム395と重量センサ375を昇降させる昇降機構397を有する。また、重量測定部394は、昇降機構397とアーム395を連結した状態と、昇降機構397とアーム395の連結を解除した状態とを切り替えるロック機構398を有する。
【0128】
昇降機構397がアーム395を昇降させる際には、ロック機構398が昇降機構397とアーム395を連結する。昇降機構397の駆動力がアーム395に伝達され、アーム395が昇降させられる。アーム395が基板Wを保持部391から持ち上げた状態で、重量センサ396が基板Wの重量を測定する。
【0129】
重量センサ396が基板Wの重量を測定する際には、ロック機構398が昇降機構397とアーム395の連結を解除する。その結果、アーム395がガイド399に沿って落下可能になり、アーム395等の重量に比例する荷重が重量センサ396に作用する。従って、重量センサ396が基板Wの重量を測定できる。
【0130】
中継ブロック3は、処理ブロック4で処理する前の基板Wの重量を測定するトランジション部39Aと、処理ブロック4で処理した後の基板Wの重量を測定するトランジション部39Bと、を別々に含んでもよい。処理前の基板Wに付着した異物が処理後の基板Wに転移するのを防止でき、処理後の基板Wを清浄に保つことができる。
【0131】
図15に示すように、処理ブロック4は、例えば、基板Wの一部を除去する除去処理を行う処理モジュール41を含む。除去処理は、基板Wをエッチングする処理を含む。エッチングの対象は、本実施形態では基板Wの表面(例えば上面)であるが、裏面(例えば下面)、表裏両面、又はベベルであってもよい。なお、除去処理は、基板Wに形成されたレジスト膜を剥離する処理、又は基板Wを研磨する処理を含んでもよい。処理モジュール41は複数であってもよく、複数の処理モジュール41は異なる基板Wに対して同じ除去処理を行う。
【0132】
処理ブロック4は、処理モジュール41と中継ブロック3との間で基板Wを搬送する第2搬送部42を含む。第2搬送部42は、基板Wを保持する搬送アームを含む。搬送アームは、水平方向及び鉛直方向に移動自在であり、鉛直な回転軸を中心に回転自在である。第2搬送部42は、トランジション部39Aから基板Wを受け取り、処理モジュール41と、トランジション部39Bと、にこの順番で搬送する。
【0133】
次に、
図20及び
図21を参照して、処理モジュール41について説明する。処理モジュール41は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式である。処理モジュール41は、例えば、基板Wを吸着して回転させるスピンチャック411と、スピンチャック411で吸着した基板Wに対して処理液を供給するノズル412と、ノズル412に対して処理液を供給する液供給部413と、を含む。
【0134】
ノズル412は、スピンチャック411で水平に保持された基板Wに対して、例えば上方から処理液を吐出する。処理液は、回転する基板Wの径方向中心に供給され、遠心力によって基板Wの径方向全体に広がり、基板Wの上面全体を処理する。ノズル412の数は、1つ以上である。複数のノズル412が複数種類の処理液を吐出してもよいし、1つのノズル412が複数種類の処理液を吐出してもよい。
【0135】
液供給部413は、処理液毎に処理液の流量を制御する流量制御器と、処理液毎に処理液の流路を開閉する開閉バルブと、を含む。液供給部413は、複数種類の液体の混合比を変更し、処理液の濃度を変更してもよい。また、液供給部413は、処理液の温度を調節するヒータ等の温調器を含んでもよい。
【0136】
処理モジュール41は、例えば、
図21に示すように、基板Wの重量を測定する重量測定部414を含んでもよい。処理モジュール41は、1枚ずつ、基板Wの重量を測定する。
【0137】
重量測定部414は、基板Wを下方から支持するアーム415を有する。アーム415は、例えば、複数本(例えば3本)のピン415aを含む。複数本のピン415aは、スピンチャック411の径方向外側に配置され、基板Wをスピンチャック411から持ち上げる。
【0138】
また、重量測定部414は、アーム415を載せる重量センサ416を有する。重量センサ416は、アーム415とアーム415で保持された基板Wの合計の重量と、アーム415の重量の差分を測定し、基板Wの重量を測定する。重量センサ416は、測定したデータを制御装置9に送信する。
【0139】
重量測定部414は、アーム415と重量センサ416を昇降させる昇降機構417を有する。また、重量測定部414は、昇降機構417とアーム415を連結した状態と、昇降機構417とアーム415の連結を解除した状態とを切り替えるロック機構418を有する。
【0140】
昇降機構417がアーム415を昇降させる際には、ロック機構418が昇降機構417とアーム415を連結する。昇降機構417の駆動力がアーム415に伝達され、アーム415が昇降させられる。アーム415が基板Wをスピンチャック411から持ち上げた状態で、重量センサ416が基板Wの重量を測定する。
【0141】
重量センサ416が基板Wの重量を測定する際には、ロック機構418が昇降機構417とアーム415の連結を解除する。その結果、アーム415がガイド419に沿って落下可能になり、アーム415等の重量に比例する荷重が重量センサ416に作用する。従って、重量センサ416が基板Wの重量を測定できる。
【0142】
次に、基板処理装置1の動作、つまり基板処理方法について説明する。下記の動作は、制御装置9による制御下で実施される。先ず、外部の搬送機が、カセットCをカセットブロック2の載置部21に載置する。カセットCは、鉛直方向に間隔をおいて並ぶ複数枚(例えば25枚)の基板Wのそれぞれを水平に収容する。
【0143】
次に、第1搬送部23が、載置部21に載置されたカセットCを、中継ブロック3のトランジション部39Aに搬送する。トランジション部39Aは、1枚ずつ、基板Wの重量を測定する。その後、第2搬送部42が、トランジション部39Aから基板Wを受け取り、処理モジュール41に搬送する。
【0144】
次に、処理モジュール41が、基板Wの一部を除去する除去処理を行う。除去処理は、一枚ずつ行われる。処理モジュール41は、除去処理の後の基板Wの重量を測定してもよい。除去処理の後の基板Wの重量を中継ブロック3で測定する場合に比べて、早いタイミングで除去量を算出できる。
【0145】
次に、第2搬送部42が、処理モジュール41から基板Wを受け取り、トランジション部39Bに搬送する。トランジション部39Bは、1枚ずつ、基板Wの重量を測定する。その後、第1搬送部23が、トランジション部39Bから基板Wを受け取り、載置部21に予め載置されたカセットCに搬入する。
【0146】
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、制御装置9は、例えば、除去量判定部901と、除去条件変更部902と、装置間差判定部903と、重量変化監視部904と、乾燥不良判定部905と、乾燥条件変更部906と、を含む。従って、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0147】
以上、本開示に係る基板処理装置、及び基板処理方法の実施形態等について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0148】
制御装置9は、処理ブロック4で処理した後に測定した基板Wの重量データを、基板1枚単位やロット単位でホストコンピューターに送信する。ホストコンピューターは、制御装置9から送信される重量データ、又は重量データから推定される状態データ(例えばエッチング量のデータ)を管理する。ホストコンピューターは、管理しているデータを次工程の基板処理装置に転送し、次工程の基板処理条件に反映してもよい。
【符号の説明】
【0149】
1 基板処理装置
2 カセットブロック
21 載置部
23 第1搬送部
3 中継ブロック
344、374 重量測定部
4 処理ブロック
41 処理モジュール
42 第2搬送部