(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】切削装置
(51)【国際特許分類】
B24B 55/06 20060101AFI20240925BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20240925BHJP
B24B 27/06 20060101ALI20240925BHJP
B24B 55/02 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B24B55/06
H01L21/78 F
B24B27/06 J
B24B55/02 D
(21)【出願番号】P 2020172503
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】美細津 祐成
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-188974(JP,A)
【文献】特開2018-113373(JP,A)
【文献】特開2003-234308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 55/06
H01L 21/301
B24B 27/06
B24B 55/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持面にウェーハを保持するチャックテーブルと、ウェーハを切削する切削ブレードがスピンドルの先端に配置され該保持面に保持されたウェーハを切削する切削手段と、該切削ブレードの回転方向に対して順方向の切削送り方向に該チャックテーブルを切削送りすることによってウェーハを切削する切削送り手段と、を備える切削装置であって、
該スピンドルに平行に延在し該切削送り方向
における該スピンドルの上流側に配置され、
ウェーハの切削加工中に、該切削送りされる該チャックテーブルの該切削送り方向に対して順方向に水を噴射して、該保持面に保持されたウェーハの上面に水層を形成する水ノズルと、
該スピンドルおよび該水ノズルに平行に延在し
該切削送り方向における該水ノズルの下流側に配置され、該水ノズルにより水を噴射し該水層を形成しつつ該水層の上面に
該チャックテーブルの該切削送り方向に対して順方向にエアを流し該切削送り方向の該順方向に水流を形成するエアノズルと、を備える切削装置。
【請求項2】
該水ノズルと、該エアノズルとを、該チャックテーブルに隣接して配置して、該チャックテーブルと共に該切削送り方向に移動させる請求項1記載の切削装置。
【請求項3】
該エアノズルは、エアに水を混合させた二流体を噴射する請求項1記載の切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削ブレードを用いてチャックテーブルに保持されたウェーハを切削する切削装置は、ウェーハの研削加工によって生じた切削屑がウェーハの上面に付着しないように切削中にウェーハの上面を水で満たしている。特許文献1に開示のようにウェーハの上面の全面に水を行き渡らせながら、チャックテーブルを切削送りさせてウェーハを切削している。
【0003】
しかし、ウェーハの上面の水は流れが小さく、または水の流れが無く、さらに、切削ブレードを回転させるスピンドルユニットの下面とウェーハの上面との隙間が水で満たされ、水を介してウェーハの上面とスピンドルユニットの下面とが接合されたようになる。
そのため、ウェーハの上面の水に流れが生じなくなり、切削屑がウェーハの上面の水層の中で滞留してウェーハの上面に付着してしまう。
また、特許文献2、3に開示のように水槽を形成してウェーハの上面の全面を水で満たすという発明がある。この場合も、ウェーハの上面の水に流れが無くウェーハの上面に切削屑が付着してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-222990号公報
【文献】特開2001-135596号公報
【文献】特開2017-094455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、切削装置にはウェーハの上面に水の流れがある水層を形成して、切削屑の付着を防止するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、保持面にウェーハを保持するチャックテーブルと、ウェーハを切削する切削ブレードがスピンドルの先端に配置され該保持面に保持されたウェーハを切削する切削手段と、該切削ブレードの回転方向に対して順方向の切削送り方向に該チャックテーブルを切削送りすることによってウェーハを切削する切削送り手段と、を備える切削装置であって、該スピンドルに平行に延在し該切削送り方向における該スピンドルの上流側に配置され、ウェーハの切削加工中に、該切削送りされる該チャックテーブルの該切削送り方向に対して順方向に水を噴射して、該保持面に保持されたウェーハの上面に水層を形成する水ノズルと、該スピンドルおよび該水ノズルに平行に延在し該切削送り方向における該水ノズルの下流側に配置され、該水ノズルにより水を噴射し該水層を形成しつつ該水層の上面に該チャックテーブルの該切削送り方向に対して順方向にエアを流し該切削送り方向の該順方向に水流を形成するエアノズルと、を備える切削装置である。
上記の切削装置は、該水ノズルと、該エアノズルとを、該チャックテーブルに隣接して配置して、該チャックテーブルと共に該切削送り方向に移動させるものであることが望ましい。
上記のエアノズルは、エアに水を混合させた二流体を噴射するものであってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の切削装置では、ウェーハの研削加工中に水ノズルから水を噴射するとともにエアノズルからエアを噴射することにより、ウェーハの上面に水の流れを生じさせてウェーハの研削加工によって生じた研削屑をウェーハの上面から洗い流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
1 切削装置の構成
図1に示す切削装置1は、第1切削手段31及び第2切削手段32を用いてウェーハ140を切削加工する切削装置である。ウェーハ140が環状のフレーム141の内側に位置付けられている状態で、フレーム141の下面とウェーハ140の下面とにテープ142が貼着されることにより、ウェーハ140、フレーム141、及びテープ142が一体化されたワークユニット14が形成される。ウェーハ140の上面1400には、互いに直交する複数の分割予定ライン1402が形成されており、分割予定ライン1402によって区画された領域にはデバイス1401が配設されている。以下、切削装置1の構成について説明する。
【0010】
切削装置1は、
図1に示すように水平方向に延設されたベース10を備えている。ベース10の+X方向側かつ-Y方向側の部分はカセットステージ100となっており、カセットステージ100には、ワークユニット14が収容された図示しないカセットが載置される。
【0011】
ベース10の-X方向側には、門型コラム11が立設されている。門型コラム11の+X方向側かつ+Y方向側には、第1切削手段31を昇降可能に支持する第1Z軸移動手段41が配設されている。
【0012】
第1Z軸移動手段41は、Z軸方向の回転軸415を有するボールネジ410と、ボールネジ410に平行に配設されたガイドレール411と、回転軸415を軸にしてボールネジ410を回転させるZ軸モータ412と、側部のナットがボールネジ410に螺合してガイドレール411に摺接する昇降板413とを備えている。昇降板413には、スピンドルハウジング311が連結されている。
【0013】
Z軸モータ412を用いてボールネジ410を回転させることにより、昇降板413がガイドレール411に案内されながらZ軸方向に移動するとともに、昇降板413に連結されているスピンドルハウジング311がZ軸方向に移動する構成となっている。
【0014】
第1切削手段31は、切削ブレード310とスピンドルハウジング311とスピンドルハウジング311の内部に収納された第1スピンドル312とを備えている。第1スピンドル312はY軸方向に延設されており、第1スピンドル312の-Y方向側には切削ブレード310が装着されている。第1スピンドル312は図示しないモータ等に連結されており、第1スピンドル312が該モータにより駆動されて回転すると第1スピンドル312に連結されている切削ブレード310が回転することとなる。
【0015】
切削ブレード310に隣接する位置には、カメラ等を有する撮像手段33が配設されている。撮像手段33を用いてチャックテーブル2の保持面200に保持されたウェーハ140に形成されている分割予定ライン1402を撮像することができる。
【0016】
門型コラム11の+X方向側かつ-Y方向側には、第2切削手段32を昇降可能に支持する第2Z軸移動手段42が配設されている。
【0017】
第2Z軸移動手段42は第1Z軸移動手段41と同様に構成されている。すなわち、第2Z軸移動手段42は、Z軸方向の回転軸425を有するボールネジ420と、ボールネジ420に平行に配設されたガイドレール421と、回転軸425を軸にしてボールネジ420を回転させるZ軸モータ422と、側部のナットがボールネジ420に螺合してガイドレール421に摺接する昇降板423とを備えている。昇降板423には、スピンドルハウジング321が連結されている。
【0018】
Z軸モータ422を用いてボールネジ420を回転させると、昇降板423がガイドレール421に案内されながらZ軸方向に移動し、これに伴って昇降板423に連結されているスピンドルハウジング321がZ軸方向に移動する構成となっている。
【0019】
第2切削手段32は第1切削手段31と同様に構成されている。すなわち、第2切削手段32は、切削ブレード320とスピンドルハウジング321とスピンドルハウジング321の内部に収納された第2スピンドル322とを備えている。第2スピンドル322はY軸方向に延設されており、第2スピンドル322の+Y方向側には切削ブレード320が回転可能に装着されている。第2スピンドル322は図示しないモータ等に連結されており、第2スピンドル322が該モータにより駆動されて回転すると第2スピンドル322に装着された切削ブレード320が回転することとなる。
【0020】
門型コラム11には、第1切削手段31をY軸方向に移動させる第1Y軸移動手段51と、第2切削手段32をY軸方向に移動させる第2Y軸移動手段52とが配設されている。
【0021】
第1Y軸移動手段51は、Y軸方向の軸心を有するボールネジ510と、ボールネジ510を回動させるY軸モータ(図示せず)と、ボールネジ510に平行に配設されたガイドレール511と、側部のナットがボールネジ510に螺合しガイドレール511に摺接するスライド板513とを備えている。スライド板513は、第1Z軸移動手段41を支持している。
【0022】
該Y軸モータを用いてボールネジ510を回転させるとスライド板513がガイドレール511に案内されてY軸方向に移動し、これに伴ってスライド板513に支持されている第1Z軸移動手段41及び第1Z軸移動手段41の昇降板413に支持されている第1切削手段31が一体的にY軸方向に移動することとなる。
【0023】
第2Y軸移動手段52は、第1Y軸移動手段51と同様に構成されている。すなわち、第2Y軸移動手段52は、Y軸方向の軸心525を有するボールネジ520と、ボールネジ520を回動させるY軸モータ522と、ボールネジ520に平行に配設されたガイドレール521と、側部のナットがボールネジ520に螺合しガイドレール521に摺接するスライド板523とを備えている。
【0024】
Y軸モータ522を用いてボールネジ520を回転させるとスライド板523がガイドレール521に案内されてY軸方向に移動し、これに伴ってスライド板523に支持されている第2Z軸移動手段42及び第2Z軸移動手段42の昇降板423に支持されている第2切削手段32が一体的にY軸方向に移動することとなる。なお、ガイドレール521は、第1Y軸移動手段51のスライド板513が移動する際のガイドにもなり、また、同様に、第1Y軸移動手段51のガイドレール511は、第2Y軸移動手段52のスライド板523が移動する際のガイドにもなる。
【0025】
ベース10の上にはチャックテーブル2が配設されている。チャックテーブル2は、円板状の吸引部20と吸引部20を支持する環状の枠体21とを備えている。吸引部20の上面はワークユニット14が保持される保持面200であり、枠体21の上面210は保持面200に面一に形成されている。
【0026】
チャックテーブル2に隣接された位置には、チャックテーブル2を四方から囲むようにして4つのクランプ23が配設されている。テープ142と保持面200とが接触するように上面1400を+Z方向に向けて保持面200にワークユニット14を載置して、四つのクランプ23を用いてフレーム141を四方から挟持することにより、保持面200の上にてワークユニット14を固定することができる。
【0027】
チャックテーブル2は吸引源29に接続されている。吸引源29を作動することにより、生み出された吸引力が保持面200に伝達されることとなる。例えば、保持面200にワークユニット14を載置して吸引源29を作動させることにより、ウェーハ140を保持面200に吸引保持することができる。
【0028】
また、チャックテーブル2は図示しない回転手段に接続されている。該回転手段を用いることにより、チャックテーブル2を回転させることができる。
【0029】
切削装置1は、チャックテーブル2をX軸方向に水平移動させる切削送り手段26を備えている。例えば、チャックテーブル2の保持面200にウェーハ140が保持されている状態で、切削送り手段26を用いてチャックテーブル2をX軸方向に水平移動させることにより、ウェーハ140をX軸方向に移動させることが可能となっている。
【0030】
チャックテーブル2の周囲にはカバー27が配設されており、カバー27は蛇腹28に伸縮可能に連結されている。
チャックテーブル2がX軸方向に移動すると、カバー27がチャックテーブル2と一体的にY軸方向に移動して、蛇腹28が伸縮することとなる。
【0031】
切削装置1は水ノズル60を備えている。水ノズル60は、第1スピンドル312及び第2スピンドル322の延在方向であるY軸方向に対して平行に延在するように配設されており、切削送り方向の上流方向側である+X方向側に配置されている。水ノズル60は、
図2に示すようにチャックテーブル2に隣接する水平位置に配置されており、チャックテーブル2の+X方向側に配置されたクランプ23の上方に固定されている。また、水ノズル60の噴射口は-X方向と-Z方向との間の方向に向けられている。
水ノズル60は水供給源600に接続されており、水供給源600から水ノズル60に水を供給することによってチャックテーブル2の保持面200に向けて水を噴射することができる。
【0032】
切削装置1はエアノズル61を備えている。エアノズル61は第1スピンドル312、第2スピンドル322及び水ノズル60に対して平行に延在するように配設されている。エアノズル61の噴射口は-X方向と-Z方向との間の方向に向けられている。エアノズル61はエア供給源610に接続されている。エア供給源610からエアノズル61にエアを供給することにより、エアノズル61から保持面200に対して例えば30度上方からエアを噴射することができる。そして、例えば水ノズル60から水を噴射しながらエアノズル61からエアを噴射することにより、水ノズル60から噴射し保持面200に供給された水の水面をエアノズル61から噴射したエアが流れることによって保持面200上の水に水流を形成させることができる。
【0033】
エアノズル61は、上記の構成にかえて水ノズル60と一体となった混合流体ノズルであって、エアに水を混合させた二流体を噴射することができるものであってもよい。
【0034】
第1切削手段31には切削ブレード310とウェーハ140の上面1400とが接触する加工点に切削水を噴射する切削水ノズル8が配設されている。切削水ノズル8は切削水供給源9に接続されている。切削水供給源9から切削水ノズル8に切削水を供給することにより、切削水ノズル8から加工点に向けて切削水を噴射することができる。
【0035】
2 切削装置の動作
切削装置1を用いてウェーハ140を切削加工する際の切削装置1の動作について説明する。
切削装置1を用いてウェーハ140を切削加工する際は、まず、
図1に示したワークユニット14を保持面200に載置して、4つのクランプ23を用いてフレーム141を把持して固定する。そして、吸引源29を作動させて生み出された吸引力を保持面200に伝達することにより、保持面200にテープ142が吸引され、ウェーハ140が保持面200に保持される。
【0036】
次に、切削送り手段26を用いてチャックテーブル2を-X方向に移動させて、チャックテーブル2に保持されているウェーハ140を撮像手段33の下方に位置付ける。
【0037】
ウェーハ140を撮像手段33の下方に位置付けた後、撮像手段33を用いてウェーハ140に形成されている分割予定ライン1402を撮像する。そして、撮像された分割予定ライン1402の画像に基づいて、第1Y軸移動手段51や第2Y軸移動手段52を用いて第1切削手段31や第2切削手段32をY軸方向に適宜移動させて、分割予定ライン1402に対する第1切削手段31や第2切削手段32のY軸方向の位置合わせを行う。
【0038】
その後、
図2に示すように、切削ブレード310及び320が回転している状態で、
図1に示した第1Z軸移動手段41及び第2Z軸移動手段42を用いて第1切削手段31を-Z方向に移動させて、回転する切削ブレード310及び320をウェーハ140の分割予定ライン1402に接触させる。
【0039】
回転する切削ブレード310及び320がウェーハ140の分割予定ライン1402に切り込んでいる状態で、切削送り手段26を用いて、切削ブレード310、及び320の回転方向に対する順方向である切削送り方向(-X方向)にチャックテーブル2に保持されたウェーハ140を移動させる。
これにより、ウェーハ140と切削ブレード310、320とがX軸方向に相対移動し、ウェーハ140の分割予定ライン1402に沿ってウェーハ140が切削される。このとき、チャックテーブル2とともに水ノズル60とエアノズル61とが切削送り方向に移動することとなる。
【0040】
ウェーハ140の切削加工を行うと切削屑が生じる。そこで、ウェーハ140の研削加工中には、
図2に示すように水ノズル60から-X方向と-Z方向との間の方向に水を噴射する。これにより、ウェーハ140の上面1400をチャックテーブル2の切削送り方向に対する順方向(-X方向)に水が流れていき、ウェーハ140の上面1400に水が行き渡って、
図3に示すように、ウェーハ140の上面1400に水層62が形成される。
また、エアノズル61から-X方向と-Z方向との間の方向にエアを噴射し、ウェーハ140の上面1400に形成されている水層62の上面に切削送り方向に対する順方向にエアを噴出する。これにより、ウェーハ140の上面1400に水の流れが形成され、ウェーハ140の上面1400に形成された水層62に滞留している切削屑をウェーハ140の上面1400から-X方向側に押し流すことができる。
【0041】
1つの分割予定ライン1402の切削を行った後、チャックテーブル2を+X方向に移動させて元の位置に戻し、例えば、隣り合う分割予定ライン1402の間隔の分だけ第1Y軸移動手段51及び第2Y軸移動手段52を用いて第1切削手段31及び第2切削手段32をY軸方向に移動させてから、同様に分割予定ライン1402に対して切削ブレード30を切り込ませ切削送りすることにより、隣り合う分割予定ライン1402を切削加工する。
【0042】
このようにして、ウェーハ140に形成されている同一方向の分割予定ライン1402を全て切削した後に、例えば、図示しない回転手段を用いてチャックテーブル2を例えば90度回転させてから、同様に切削加工を行うことによって、ウェーハ140の全ての分割予定ライン1402に対して切削加工を行う。これにより、ウェーハ140に形成されているすべての分割予定ライン1402が切削される。
【0043】
切削装置1においては、ウェーハ140の研削加工中に水ノズル60から水を噴射するとともにエアノズル61からエアを噴射することにより、ウェーハ140の上面1400に水の流れを生じさせて、ウェーハ140の研削加工によって生じた研削屑をウェーハ140の上面1400から洗い流すことができる。
【0044】
また、従来の切削装置は切削加工後のウェーハ140の上面1400を洗浄する図示しない洗浄ユニットを備える必要があったが、切削装置1においては、例えばウェーハ140に形成されている分割予定ライン1402が比較的少なく、切削加工によって生じる切削屑が比較的少ない場合には、水ノズル60から噴出される水とエアノズル61から噴出されるエアとを用いてウェーハ140の上面1400を洗浄することにより、該洗浄ユニットによるウェーハ140の上面1400の洗浄を省略することができる。この場合には切削装置1が該洗浄ユニットを要さず、切削装置を小型化することができる。
【0045】
切削装置1は、ウェーハの外周縁に沿って環状に切削加工するエッジトリミング装置であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1:切削装置 10:ベース 100:カセットステージ 11:門型コラム
14:ワークユニット 140:ウェーハ 141:フレーム 142:テープ
1400:上面 1401:デバイス 1402:分割予定ライン
2:チャックテーブル 20:吸引部200:保持面 21:枠体 210:上面
23:クランプ 26:切削送り手段 27:カバー 28:蛇腹 29:吸引源
30:切削ブレード 31:第1切削手段 32:第2切削手段
33:撮像手段 310:切削ブレード 311:スピンドルハウジング
312:第1スピンドル 320:切削ブレード 321:スピンドルハウジング
322:第2スピンドル
41:第1Z軸移動手段 42:第2Z軸移動手段
410:ボールネジ 411:ガイドレール 412:Z軸モータ
413:昇降板 415:回転軸 420:ボールネジ 421:ガイドレール
422:Z軸モータ 423:昇降板 425:回転軸
51:第1Y軸移動手段 52:第2Y軸移動手段 510:ボールネジ
511:ガイドレール 513:スライド板 520:ボールネジ
521:ガイドレール 522:Y軸モータ 523:スライド板
60:水ノズル 61:エアノズル 600:水供給源 610:エア供給源
62:水層
8:切削水ノズル 9:切削水供給源