(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】面状光源、液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240926BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240926BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240926BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21S2/00 497
F21S2/00 484
F21S2/00 494
G02F1/13357
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020207548
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2020095002
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 敏伸
(72)【発明者】
【氏名】橋本 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】柏木 直哉
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-272448(JP,A)
【文献】特開2003-241191(JP,A)
【文献】特開2018-022683(JP,A)
【文献】特開2018-125164(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107422405(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0187519(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 3/00
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異形形状の実装基板と、
平面視で、前記実装基板上の第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に2次元に配列された複数の光源と、
前記複数の光源の上方に設けられた光拡散板と、を有し、
前記光拡散板は、厚板部と、前記厚板部よりも板厚が薄い薄板部と、
前記厚板部及び前記薄板部との境界と、を備え、
前記薄板部は、平面視で、最外周に配置された各々の前記光源よりも外側に位置する前記光拡散板の少なくとも一部に設けられ、
前記複数の光源のうち前記第1方向の端部に位置する一の光源と他の光源において、前記一の光源の光軸から前記第1方向の前記光拡散板の外縁までの距離が、前記他の光源の光軸から前記第1方向の前記光拡散板の外縁までの距離より長く、
平面視で、前記薄板部の前記第1方向の幅は、前記一の光源の光軸から前記光拡散板の外縁に向かう前記第1方向の幅が、前記他の光源の光軸から前記光拡散板の外縁に向かう前記第1方向の幅より広い面状光源。
【請求項2】
前記複数の光源のうち前記第2方向の端部に位置する一の光源と他の光源において、前記一の光源の光軸から前記第2方向の前記光拡散板の外縁までの距離が、前記他の光源の光軸から前記第2方向の前記光拡散板の外縁までの距離より長く、
平面視で、前記薄板部の前記第2方向の幅は、前記一の光源の光軸から前記光拡散板の外縁に向かう前記第2方向の幅が、前記他の光源の光軸から前記光拡散板の外縁に向かう前記第2方向の幅より広い請求項1に記載の面状光源。
【請求項3】
前記実装基板の上面から前記薄板部の前記光源側の面までの高さは、前記実装基板の上面から前記厚板部の前記光源側の面までの高さと同じであり、
前記実装基板の上面から前記薄板部の前記光源とは反対側の面までの高さは、前記実装基板の上面から前記厚板部の前記光源とは反対側の面までの高さより低い請求項1又は2に記載の面状光源。
【請求項4】
前記実装基板の上面から前記薄板部の前記光源側の面までの高さは、前記実装基板の上面から前記厚板部の前記光源側の面までの高さと同じであり、
前記薄板部は、前記厚板部との
前記境界から前記光拡散板の外縁に近づくに従って厚さが徐々に薄くなる部分を有する請求項1又は2に記載の面状光源。
【請求項5】
前記薄板部は、前記光拡散板の周縁の全域に設けられる請求項1乃至4の何れか一項に記載の面状光源。
【請求項6】
平面視において前記光源のそれぞれを取り囲む壁部を含み、前記壁部で取り囲んだ領域を複数有する区画部材を備える請求項1乃至5の何れか一項に記載の面状光源。
【請求項7】
前記薄板部と前記厚板部との
前記境界は、前記区画部材の最外周の壁部と対向する位置にある請求項6に記載の面状光源。
【請求項8】
前記区画部材は、前記壁部の下端と繋がる底部を有し、
前記底部は、前記光源が配置される貫通孔を有する請求項6又は7に記載の面状光源。
【請求項9】
前記底部は、平面視において、前記実装基板の周縁まで延在する請求項8に記載の面状光源。
【請求項10】
前記薄板部は、前記厚板部側の第1薄板部と、前記第1薄板部よりも前記光拡散板の外縁側に位置し、前記第1薄板部よりも板厚が薄い第2薄板部と、を含む請求項1乃至9の何れか一項に記載の面状光源。
【請求項11】
前記区画部材における最外周の少なくとも一部には、前記壁部が設けられていない請求項6乃至9の何れか一項に記載の面状光源。
【請求項12】
前記実装基板及び前記光拡散板を囲う枠体を有する請求項1乃至11の何れか一項に記載の面状光源。
【請求項13】
前記枠体は、異形形状であり、前記実装基板と相似した形状である請求項12に記載の面状光源。
【請求項14】
前記光拡散板は、異形形状である請求項12又は13に記載の面状光源。
【請求項15】
前記光拡散板、前記実装基板及び前記枠体は、相似形の異形形状である請求項12乃至14の何れか一項に記載の面状光源。
【請求項16】
平面視において、前記区画部材の最外周に位置する前記領域の少なくとも1つは、前記最外周よりも内周側に位置する前記領域よりも面積が大きい請求項6乃至9の何れか一項に記載の面状光源。
【請求項17】
前記光拡散板の上方に、前記光源からの光を異なる波長の光に変換する波長変換層を更に備える請求項1乃至16の何れか一項に記載の面状光源。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか一項に記載の面状光源をバックライト光源に用いた液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、面状光源、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子を用いた面状光源は、液晶表示装置のバックライトやディスプレイ等の各種の光源として広く利用されている。
【0003】
このような面状光源の一例として、2次元に配列された発光素子と、各々の発光素子の上方に配置された光拡散板とを備える構成が挙げられる。この面状光源において、光拡散板は、発光素子の発光部からの光を拡散するための拡散粒子を含み、発光素子側の表面のうち、少なくとも発光素子の発光部に対応する領域において発光素子側になだらかな曲面状に突出する凸部が一体的に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、平面形状が異形形状である面状光源において、周縁に発生する輝度ムラの抑制を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る面状光源は、異形形状の実装基板と、平面視で、前記実装基板上の第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に2次元に配列された複数の光源と、前記複数の光源の上方に設けられた光拡散板と、を有し、前記光拡散板は、厚板部と、前記厚板部よりも板厚が薄い薄板部と、前記厚板部及び前記薄板部との境界と、を備え、前記薄板部は、平面視で、最外周に配置された各々の前記光源よりも外側に位置する前記光拡散板の少なくとも一部に設けられ、前記複数の光源のうち前記第1方向の端部に位置する一の光源と他の光源において、前記一の光源の光軸から前記第1方向の前記光拡散板の外縁までの距離が、前記他の光源の光軸から前記第1方向の前記光拡散板の外縁までの距離より長く、平面視で、前記薄板部の前記第1方向の幅は、前記一の光源の光軸から前記光拡散板の外縁に向かう前記第1方向の幅が、前記他の光源の光軸から前記光拡散板の外縁に向かう前記第1方向の幅より広い。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、平面形状が異形形状である面状光源において、周縁に発生する輝度ムラを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る面状光源を例示する模式平面図である。
【
図4】第1実施形態に係る面状光源における各光源の配置を例示する平面模式図である。
【
図5】第1実施形態に係る面状光源における光拡散板を例示する平面模式図である。
【
図7】薄板部の幅について説明する模式平面図(その1)である。
【
図8】薄板部の幅について説明する模式平面図(その2)である。
【
図9】光拡散板に関するシミュレーションの結果を示す図(その1)である。
【
図10】光拡散板に関するシミュレーションの結果を示す図(その2)である。
【
図11】光学部材の配置について説明する模式断面図である。
【
図12】第1実施形態の変形例1に係る面状光源における光拡散板を例示する模式部分拡大断面図(その1)である。
【
図13】第1実施形態の変形例1に係る面状光源における光拡散板を例示する模式部分拡大断面図(その2)である。
【
図14】第1実施形態の変形例1に係る面状光源における光拡散板を例示する模式部分拡大断面図(その3)である。
【
図16】第1実施形態の変形例2に係る区画部材の模式部分拡大平面図である。
【
図18A】面状光源の外縁近傍の模式部分拡大断面図(その1)である。
【
図18B】面状光源の外縁近傍の模式部分拡大断面図(その2)である。
【
図19】第1実施形態の変形例3に係る面状光源における基板の外形について説明する平面模式図である。
【
図20】第2実施形態に係る液晶表示装置を例示する構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる。しかし、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。又、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
【0010】
更に、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための面状光源を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。又、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。又、一の実施形態において説明する内容は、他の実施形態や変形例にも適用可能である。又、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
【0011】
〈第1実施形態〉
(面状光源10)
図1は、第1実施形態に係る面状光源を例示する模式平面図である。
図2は、
図1のE部の模式部分拡大平面図である。
図3は、
図2のA-A線に沿う断面図である。
図4は、第1実施形態に係る面状光源における各光源の配置を例示する平面模式図であり、
図1から区画部材及び光拡散板を除去した図である。
図5は、第1実施形態に係る面状光源における光拡散板を例示する平面模式図である。
図6は、
図3の光源近傍の部分拡大断面図である。
【0012】
図1~
図6に示すように、面状光源10は、基板11と、光源12と、区画部材13と、光拡散板14とを有する面発光型の発光装置である。但し、区画部材13は、面状光源10の必須の構成要件ではなく、必要に応じて設けられる。区画部材13を設けない場合には、例えば、光拡散板14を支持する支持体を設ければよい。
【0013】
なお、以下の説明において、平面視とは対象物を基板11の上面11mの法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を基板11の上面11mの法線方向から視た形状を指すものとする。
【0014】
実装基板である基板11には、それぞれに発光ダイオードを含む複数の光源12が配置されている。なお、基板11に配置される光源12の個数に限定はなく、基板11には任意の個数の光源12が配置されてよい。
【0015】
区画部材13は、基板11の光源12と同一側に配置されている。区画部材13は、平面視において格子状に配置された頂部13aと、平面視において光源12のそれぞれを取り囲む壁部13bとを含み、光源12を取り囲んだ領域を複数有する。区画部材13の壁部13bは、例えば、頂部13aから基板11側に延伸し、断面視において、対向する壁部13bで囲まれた領域の幅は基板11側ほど狭くなる。
【0016】
壁部13bで囲まれた範囲(つまり、領域及び空間)は、1つの区画Cとして規定され、区画部材13は、区画Cを複数備える。本実施形態では、1つの区画Cに1つの光源12が配置されている。但し、1つの区画Cに、2つ以上の光源12が配置されてもよい。この場合、例えば、1つの区画Cに赤色、緑色、及び青色の3つの光源12が配置されてもよい。或いは、1つの区画Cに白昼色と電球色の2つの光源12が配置されてもよい。
【0017】
光拡散板14は、区画部材13の頂部13aに載置され、光源12の上方に配置された光学部材である。面状光源10は、光拡散板14を有することで、光の均一性を向上できる。本実施形態に係る光拡散板14は、面状光源10の周縁に発生する輝度ムラを抑制するために、周縁に板厚が薄い部分を備えている。
【0018】
なお、平面視で各部材の最も外側の輪郭部分を外縁と称し、外縁を含む幅を持った領域を周縁と称する。特に、光拡散板14の周縁は、光拡散板14において、平面視で、最外周に配置された各々の光源12よりも外側に位置する領域とする。周縁は、必ずしも環状の領域を示すものではない。
【0019】
以下、面状光源10を構成する各要素について詳説する。
【0020】
(基板11)
基板11は、複数の光源12を載置するための部材であり、異形形状である。ここで、異形形状とは、矩形形状以外の形状を指し、例えば、特定の製品形状に合わせるために、完全な矩形形状に部分的な変形や全体的な変形を加えた形状である。
【0021】
図6に示すように、基板11の上面11mには、発光素子12a等の光源12に電力を供給するための導体配線18A及び18Bが形成されている。導体配線18A及び18Bのうち、電気的な接続を行わない領域は、被覆部材15に被覆されていることが好ましい。
【0022】
基板11の材料としては、少なくとも一対の導体配線18A及び18Bを絶縁分離できるものであればよく、例えば、セラミックス、樹脂、複合材料等が挙げられる。セラミックスとしては、例えば、アルミナ、ムライト、フォルステライト、ガラスセラミックス、窒化物系(例えば、AlN)、炭化物系(例えば、SiC)、LTCC等が挙げられる。樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。複合材料としては、上述した樹脂に、ガラス繊維、SiO2、TiO2、Al2O3等の無機フィラーを混合したもの、ガラス繊維強化樹脂(ガラスエポキシ樹脂)、金属部材に絶縁層を形成した金属基板等が挙げられる。
【0023】
基板11の厚さは適宜選択できる。基板11は、ロール・ツー・ロール方式で製造可能なフレキシブル基板又はリジット基板の何れであってもよい。リジット基板は湾曲可能な薄型リジット基板であってもよい。導体配線18A及び18Bは、導電性部材であれば材料は特に限定されず、回路基板等の配線層として通常に使用される材料を用いることができる。導体配線18A及び18Bの表面には、めっき膜や光反射膜等が形成されてもよい。
【0024】
被覆部材15は、絶縁性の材料によって形成されていることが好ましい。被覆部材15の材料としては、基板11の材料として例示したものと同様のものが挙げられる。被覆部材15として、上述した樹脂に白色系のフィラー等を含有させたものを用いることにより、光源12から放出された光が反射されて、面状光源10の光取り出し効率を向上させることができる。
【0025】
(光源12)
複数の光源12は、平面視で、基板11上の第1方向、及び第1方向に垂直な第2方向に2次元に配列さている。第1方向及び第2方向は、例えば、
図1等のX方向及びY方向である。
【0026】
光源12は、光を発する部材であり、例えば、自ら光を発する発光素子そのもの、発光素子を透光性樹脂等で封止したもの、発光素子がパッケージングされた表面実装型の発光装置(LEDともいう)等を包含する。例えば、光源12としては、
図6に示すように、発光素子12aを、封止部材12bで被覆したものが挙げられる。光源12は1つの発光素子12aを用いたものであってもよいが、複数個の発光素子を用いて1つの光源12としてもよい。また、光源12として、発光素子の側面を囲う光反射性材料を含む樹脂と、発光素子の上面及び光反射性材料を含む樹脂の上面を覆う透光性部材とを含む構成でもよい。発光素子の上面を覆う透光性部材と、発光素子の側面及び透光性部材の側面を囲う光反射性材料を含む樹脂と、を含む構成でもよい。ここでの透光性部材は、蛍光体を含んでもよい。発光素子と透光性部材との間には、発光素子と透光性部材とを接着する透光性の接合部材が設けられてもよい。
【0027】
光源12は、どのような配光特性を有するものであってもよいが、区画部材13の壁部13bで囲まれた各区画Cにおいて輝度ムラを少なく光らせるために、広配光であることが好ましい。特に、光源12の各々がバットウイング配光特性を有していることが好ましい。これにより光源12の真上方向に出射される光量を抑制して、各々の光源12の配光を広げ、広げた光を壁部13b及び底部13cに照射することによって、壁部13bで囲まれた各区画Cにおける輝度ムラを抑制できる。
【0028】
ここでバットウイング配光特性とは、光軸OAを0°として、0°よりも配光角の絶対値が大きい角度において0°よりも発光強度が強い発光強度分布を有するものと定義される。なお、光軸OAとは、
図6に示すように、光源12の中心を通り、基板11の上面11mと垂直に交わる線で定義されるものとする。
【0029】
特に、バットウイング配光特性を有する光源12としては、例えば、
図6に示すように、上面に光反射膜12cを有する発光素子12aを用いたものが挙げられる。発光素子12aの上面に光反射膜12cを設けることで、発光素子12aの上方向への光のほとんどが光反射膜12cで反射されて発光素子12aの直上の光量が抑制され、バットウイング配光特性を得られる。光反射膜12cは、発光素子12aに直接形成できるため、バットウイング配光とするための特別なレンズを別途組み合わせる必要がなく、光源12の厚みを薄くできる。
【0030】
光反射膜12cは、銀、銅等の金属膜、樹脂に白色系のフィラー等を含有させたもの、これらの組み合わせ等の何れでもよい。また、光反射膜12cは、誘電体多層膜(DBR膜)とし、発光素子12aの発光波長に対して、入射角に対する反射率角度依存性を有していてもよい。具体的には、光反射膜12cの反射率は、垂直入射よりも斜め入射の方が低くなるように設定することが好ましい。これにより、発光素子12aの直上における輝度の変化が緩やかになり、発光素子12aの直上が暗点になる等、極端に暗くなることを抑制できる。
【0031】
光源12としては、例えば、基板11に直接実装された発光素子12aの高さが、100μm~500μmのものが挙げられる。光反射膜12cの厚みは、0.1μm~3.0μmのものが挙げられる。封止部材12bを含めても、光源12の厚みは、0.5mm~2.0mm程度とすることができる。
【0032】
複数の光源12は、互いに独立して駆動可能であり、光源12ごとの調光制御(例えば、ローカルディミング又はハイダイナミックレンジ)が可能となるように、基板11上で配線されていることが好ましい。
【0033】
(発光素子12a)
発光素子12aとしては、公知のものを利用できる。例えば、発光素子12aとして発光ダイオードを用いることが好ましい。発光素子12aは、任意の波長のものを選択できる。例えば、青色、緑色の発光素子としては、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN等の窒化物系半導体を用いたものを用いることができる。又、赤色の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaP等を用いることができる。更に、これ以外の材料からなる半導体発光素子を用いてもよい。用いる発光素子の組成及び発光色、大きさ、個数等は目的に応じて適宜選択できる。
【0034】
発光素子12aは、
図6に示すように、基板11の上面11mに設けられた正負一対の導体配線18A及び18Bに跨るように、接合部材19を介してフリップチップ実装されたものが挙げられる。但し、発光素子12aはフリップチップ実装のみならず、フェイスアップ実装されたものでもよい。
【0035】
接合部材19は、発光素子12aを基板又は導体配線に固定するための部材であり、絶縁性の樹脂又は導電性の部材等が挙げられる。
図6に示すようなフリップチップ実装の場合は導電性の部材が用いられる。具体的にはAu含有合金、Ag含有合金、Pd含有合金、In含有合金、Pb-Pd含有合金、Au-Ga含有合金、Au-Sn含有合金、Sn含有合金、Sn-Cu含有合金、Sn-Cu-Ag含有合金、Au-Ge含有合金、Au-Si含有合金、Al含有合金、Cu-In含有合金、金属とフラックスの混合物等が挙げられる。
【0036】
(封止部材12b)
封止部材12bは、発光素子12aを外部環境から保護するとともに、発光素子12aから出力される光を光学的に制御する(例えば、バッドウィング配光特性を得る)等の目的で、発光素子12aを被覆する。封止部材12bは透光性の材料で形成されている。封止部材12bの材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はそれらを混合した樹脂等の透光性樹脂、ガラス等を用いることができる。これらのうち、耐光性及び成形のしやすさを考慮して、シリコーン樹脂を用いることが好ましい。封止部材12bには、発光素子12aからの光を拡散させるための拡散剤、発光素子12aの発光色に対応した着色剤等を含んでもよい。拡散剤及び着色剤等は、当該分野で公知のものを使用できる。
【0037】
封止部材12bは、基板11と直接接触してもよい。封止部材12bは、印刷、ディスペンサ塗布等が可能である粘度に調整され、加熱処理、光照射によって硬化させることができる。封止部材12bの形状としては、例えば、略半球形状、断面視において縦長の凸形状、断面視において偏平な凸形状、平面視において円形状又は楕円形状等が挙げられるが、これに限定されない。ここで、縦長の凸形状とは、断面視において、基板11の上面11mに平行な方向の最大長さよりも、基板11の上面11mに垂直な方向の最大長さが長い形状である。又、偏平な凸形状とは、断面視において、基板11の上面11mに垂直な方向の最大長さよりも、基板11の上面11mに平行な方向の最大長さが長い形状である。封止部材12bは、発光素子12aの下面と基板11の上面11mとの間に、アンダーフィル12dとして配置されてもよい。
【0038】
(区画部材13)
区画部材13の壁部13bは、平面視において、格子状に配置できる。平面視において、隣接する区画Cの境界は頂部13aとみなすことができる。区画部材13は、区画C内において、壁部13bの下端と繋がる底部13cを有することが好ましい。言い換えると、区画部材13は、底部13cと壁部13bとによって区画Cを構成することが好ましい。底部13cは、平面視において、基板11の周縁まで延在してもよい。この場合、底部13cが最外周の壁部13bよりも基板11の外縁側に位置してもよい。区画部材13の周縁は、基板11の周縁と重なる部分を有してもよい。区画部材13は反射性を有する部材であることが好ましい。
【0039】
区画部材13は、例えば、区画C内において、底部13cの略中央に、光源12が配置される貫通孔13dを有する。
図6に示すように、貫通孔13d内には、光源12が配置されることが好ましい。貫通孔13dの形状及び大きさは、光源12の全部が露出される形状及び大きさであればよく、貫通孔13dの外縁が、光源12の近傍のみに位置するように設定することが好ましい。これによって、区画部材13が反射性を有する場合に、光源12からの光を底部13cでも反射させること可能となり、光の取り出し効率を向上できる。
【0040】
頂部13aは、壁部13bの最も高い部位である。頂部13aは、平面であってもよいが、頂部13aの近傍が稜の形状であることが好ましい。つまり、頂部13aを構成する壁部13bの縦断面が、鋭角三角形を構成するものが好ましく、鋭角二等辺三角形を構成するものがより好ましい。
【0041】
鋭角三角形又は鋭角二等辺三角形の鋭角、つまり、壁部13bの頂部13a側の角度(
図6中、α)は、例えば、60°~90°とすることが好ましい。このような範囲とすることにより、区画部材13が占める空間及び領域を低減させ、区画部材13の高さを低減でき、面状光源10の小型化及び薄型化を実現できる。
【0042】
区画部材13の頂部13a間のピッチPは、用いる光源の大きさ、意図する面状光源の大きさ及び性能等によって適宜調整できる。ピッチPとしては、例えば、1mm~50mmが挙げられ、5mm~20mmが好ましく、6mm~15mmがより好ましい。光源12を取り囲む壁部13bは、区画C側において、底部13c及び基板11の上面11mの近傍から上部に向かって広がるように傾斜した面によって構成されることが好ましい。
【0043】
又、区画部材13自体の高さ、つまり、区画部材13の底部13cの下面から頂部13aまで長さは、8mm以下が好ましく、より薄型の面状光源とする場合は1mm~4mm程度であることが好ましい。又、区画部材13の底部13cの下面から光拡散板14までの距離は8mm程度以下が好ましく、より薄型の面状光源とする場合は2mm~4mm程度とすることが好ましい。これにより、光拡散板14等の光学部材を含めたバックライトユニットを極めて薄型にできる。区画部材13の厚みとしては、例えば100μm~300μmが挙げられる。
【0044】
区画部材13が光源12を取り囲んで構成する区画Cの形状、つまり、壁部13bによって区分される領域の形状は、平面視において、四角形であるが、これに限定されない。例えば、円形、楕円形等であってもよい。但し、複数の光源12を効率的に配置させるためには、三角形、四角形、六角形等の多角形が好ましい。これにより、面状光源10の発光面の面積に応じて発光領域を壁部13bで任意の数に区分することが容易になり、発光領域を高密度に配置できる。
【0045】
壁部13bによって区分される区画Cの数は、任意に設定でき、面状光源の所望のサイズに応じて壁部13bの形状及び配置、区画Cの数等を変更できる。区画部材13は、基板11上に配置された光源12の数及び位置によって、平面視、例えば、3つの区画Cが隣接して3つの頂部の端が1点に集中するもの、
図2に示すように4つの区画Cが隣接して4つの頂部が集中するもの、6つの区画Cが隣接して6つの頂部が1点に集中するものなど、種々の形状にできる。4つの区画Cが隣接して4つの頂部が集中する場合、区画Cの平面視における形状は四角形である。
【0046】
区画部材13は、基板11の上に配置されることが好ましく、区画部材13の底部13cの下面と基板11の上面11mとが固定されるものが好ましい。特に、光源12からの出射光が、基板11と区画部材13との間に入射しないように、貫通孔13dの周囲を、光反射性の接着部材を用いて固定することが好ましい。例えば、貫通孔13dの外縁に沿ってリング状に光反射性の接着部材を配置することがより好ましい。接着部材は、両面テープであってもよいし、ホットメルト型の接着シートであってもよいし、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂系の接着剤であってもよい。これらの接着部材は、高い難燃性を有することが好ましい。但し、区画部材13の基板11上への固定は、ネジ止め等を利用してもよい。
【0047】
上述したように、区画部材13は、光反射性を有していることが好ましい。これにより、光源12から出射される光を壁部13b及び底部13cによって効率よく反射させることができる。特に、壁部13bが上述したように傾斜を有する場合には、光源12から出射された光が壁部13bに照射され、上方向に光を反射させることができる。よって、隣接する区画Cが不点灯である場合においても、コントラスト比をより一層向上させることができる。又、上方向への光の反射をより効率的に行うことができる。
【0048】
区画部材13は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の金属酸化物粒子からなる反射材を含有する樹脂等を用いて成形してもよいし、反射材を含有しない樹脂を用いて成形した後、表面に反射材を設けてもよい。或いは、微細な気泡を複数含んだ樹脂を用いてもよい。この場合、気泡の界面で光が反射する。また、区画部材13に用いる樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。区画部材13は、光源12からの出射光に対する反射率が70%以上となるように設定されることが好ましい。
【0049】
区画部材13は、金型を用いた成形方法、光造形による成形方法等によって形成できる。金型を用いた成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、真空成形、圧空成形、プレス成形等の成形方法を適用できる。例えば、PET等で形成された反射シートを用いて真空成形することにより、底部13cと壁部13bとが一体的に形成された区画部材13を形成できる。
【0050】
(光拡散板14)
光拡散板14は、入射する光を拡散させて透過させる異形形状の部材であり、複数の光源12の上方に1つ配置できる。光拡散板14は、平坦な板状部材であることが好ましいが、その表面に凹凸が配置されてもよい。光拡散板14は、実質的に基板11に対して平行に配置されることが好ましい。
【0051】
区画部材13の頂部13a間のピッチをP[mm]とした場合、光拡散板14と光源12との距離ODは、例えば、0.3P[mm]以下となるように、光拡散板14が配置されていることが好ましく、0.25P[mm]以下となるように配置されていることがより好ましい。ここで、距離ODとは、
図6に示すように、基板11の最表面、つまり基板11がその表面に被覆層、配線層等を有する場合にはその最表面から、光拡散板14の下面までの距離を意味する。別の観点から、光拡散板14は、例えば、
図6に示す区画部材13の底部13cの上面からの距離Hが1.5mm~5mmであることが好ましく、2mm~3mmであることがより好ましい。
【0052】
光拡散板14は、例えば、ポリカーボネイト樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂等、可視光に対して光吸収の少ない材料から構成できる。入射した光を拡散させるために、光拡散板14は、その表面に凹凸を設けてもよいし、光拡散板14中に屈折率の異なる材料を分散させてもよい。凹凸は、例えば、0.01mm~0.1mmの大きさにできる。屈折率の異なる材料としては、例えば、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂等から選択して用いることができる。
【0053】
光拡散板14の厚み、光拡散の程度は、適宜設定でき、光拡散シート、ディフューザーフィルム等として市販されている部材を利用できる。例えば、光拡散板14の厚みは、最厚部で1mm~2mmとすることができる。
【0054】
面状光源10では、基板11が異形形状であるため、第1方向及び第2方向に行列配列を維持しつつ可能な限り多くの光源12を基板11上に敷き詰める場合、基板11の外縁側に光源12が配置されない領域ができる。そして、何の対策も施さないと、面状光源10の周縁(例えば、区画部材13の最外周と光拡散板14の外縁との間の領域)が暗部になり、面状光源の周縁に輝度ムラが発生する場合がある。
図1では、例えば、二点鎖線Fで囲まれた領域で暗部が目立つ。すなわち、何の対策も施さないと、面状光源10の周縁の一部に輝度ムラが発生する。そこで、面状光源10では、光拡散板14の周縁の一部を中央側よりも薄くすることで、輝度ムラの発生を抑制している。必要に応じて、光拡散板14の周縁の全部を中央側よりも薄くしてもよい。以下、光拡散板14の形状について詳しく説明する。
【0055】
光拡散板14は、厚板部14aと、厚板部14aよりも板厚が薄い薄板部14bとを備えており、厚板部14aと薄板部14bとは隣接して配置され一体に形成されている。なお、
図5では、便宜上、厚板部14aを白色、薄板部14bをドットパターンで示している。光拡散板14は、1枚で構成してもよいが、2層以上で構成してもよい。光拡散板14を2層で構成する場合、例えば、基板側の第1層の上に、第1層より横幅が狭い第2層を設ける構成にしてもよい。このとき、第1層上に第2層を配置する領域を厚板部14aにし、第1層上に第2層を配置しない領域を薄板部14bとすることができる。
【0056】
厚板部14aと薄板部14bとの境界14cは、例えば、区画部材13の最外周の壁部13bと対向する位置にある。これにより、区画部材13の最外周の壁部13bより外縁側において、光拡散の頻度を減らして薄板部14bを透過する光を増やすことができる。その結果、面状光源10の周縁での輝度ムラの発生を抑制できる。境界14cは、区画部材13の最外周の頂部13aと対向する位置にあってもよい。
【0057】
光拡散板14の厚板部14aと薄板部14bの境界の直下(
図3)又は直下近傍に壁部13bがある場合、光源12から光拡散板14の薄板部14bに入射する光は、光拡散板14の厚板部14aで拡散した光の一部が薄板部14bに入射する。薄板部14bに入射した光は、薄板部14bの膜厚が薄いため、拡散の頻度が減る。これにより、薄板部14bにおける光取り出しが向上する。
【0058】
薄板部14bの厚みは、厚板部14aの厚みの0.5倍以下が好ましい。これにより、薄板部14bの領域から取り出される光が増え、面状光源10の周縁での輝度ムラの発生を抑制できる。
【0059】
厚板部14aの下面14n(光源12側の面)と薄板部14bの下面14t(光源12側の面)は同一平面上にあり、厚板部14aの上面14m(光源12とは反対側の面)と薄板部14bの上面14s(光源12とは反対側の面)とは高さ方向の位置が異なる。
【0060】
すなわち、基板11の上面11mから薄板部14bの下面14tまでの高さは、基板11の上面11mから厚板部14aの下面14nまでの高さと同じである。一方、基板11の上面11mから薄板部14bの上面14sまでの高さは、基板11の上面11mから厚板部14aの上面14mまでの高さより低い。
【0061】
薄板部14bは、平面視で、光拡散板14の周縁の少なくとも一部に設けられる。
図5に示すように、本実施形態では、一例として、光拡散板14の周縁の全域(ドットパターンで示した部分)に薄板部14bが設けられている。光拡散板14の周縁の全域に薄板部14bが設けられることで、薄板部14bの周縁の全域の輝度を高めることでき、輝度ムラを低減できる。但し、これには限定されず、光拡散板14の周縁の一部の領域のみに薄板部14bが設けられてもよい。
【0062】
面状光源10では、平面視で、X方向の端部に位置する光源12の光軸からX方向の光拡散板14の外縁までの距離が遠い部分ほど、薄板部14bのX方向の幅が広い。例えば、
図7に示すように、複数の光源12のうちX方向の端部に位置する一の光源12
1と他の光源12
2において、一の光源12
1の光軸OA
1からX方向の光拡散板14の外縁までの距離L
1は、他の光源12
2の光軸OA
2からX方向の光拡散板14の外縁までの距離L
2より長い。この場合、
図8に示すように、平面視で、薄板部14bのX方向の幅は、一の光源12
1の光軸OA
1から光拡散板14の外縁に向かうX方向の幅W
1が、他の光源12
2の光軸OA
2から光拡散板14の外縁に向かうX方向の幅W
2より広くなる。
【0063】
又、平面視で、Y方向の端部に位置する光源12の光軸からY方向の光拡散板の外縁までの距離が遠い部分ほど、薄板部14bのY方向の幅が広い。例えば、
図7に示すように、複数の光源12のうちY方向の端部に位置する一の光源12
3と他の光源12
4において、一の光源12
3の光軸OA
3からY方向の光拡散板14の外縁までの距離L
3は、他の光源12
4の光軸OA
4からY方向の光拡散板14の外縁までの距離L
4より長い。この場合、
図8に示すように、平面視で、薄板部14bのY方向の幅は、一の光源12
3の光軸OA
3から光拡散板14の外縁に向かうY方向の幅W
3が、他の光源12
4の光軸OA
4から光拡散板14の外縁に向かうY方向の幅W
4より広くなる。
【0064】
図9及び10は、光拡散板に関するシミュレーションの結果を示す図である。
図9は面状光源10のシミュレーション結果であり、
図10は面状光源10の光拡散板14の代わりに、板厚が一定の光拡散板14Xを搭載した面状光源10Xのシミュレーション結果(比較例)である。
図9及び
図10において、多数の細線は光線を示している。
【0065】
図9及び
図10の破線で囲まれた部分を比較すると、薄板部14bを設けた面状光源10の方が、薄板部を設けていない面状光源10Xよりも光線の密度が高い部分が多く、光拡散板14の周縁における光取り出しが良好であることが確認できる。すなわち、光拡散板14の周縁における発光面の輝度ムラを抑制可能であることが確認できる。これは、光拡散板14に薄板部14bを設けることで、薄板部14bにおける光拡散の頻度が減り、薄板部14bを透過する光が増えたためである。又、薄板部14b側に露出する厚板部14aの側面から出た光や、薄板部14bを通って厚板部14aの側面で反射する光が光拡散板の上面側に向かうことで、光拡散板の上面側の光の密度が高くなるためである。
【0066】
光拡散板14に関して、厚板部14aの厚さを1.2mmとし、薄板部14bの厚さを0.4mm、0.2mm、0.1mmの各値に変更した場合でシミュレーションを行い、薄板部14bの領域における薄板部14bを透過した光の輝度を算出した。表1に示すように、薄板部14bが0.4mmの場合では、薄板部14bが1.2mm(すなわち、薄板部14bが厚板部14aと同じ厚さ)の場合と比較して、1.1倍増加する結果が得られた。同様に、薄板部14bが0.2mmの場合では、1.12倍増加する結果が得られた。また、薄板部14bが0.1mmの場合では、1.17倍増加する結果が得られた。
【0067】
【0068】
又、光拡散板の側面から外に漏れる光を比べると、薄板部14bを設けた面状光源10の方が、薄板部を設けていない面状光源10Xよりも漏れが少ないことが確認できる。すなわち、面状光源10では、従来は側方に漏れていた光を光拡散板14の上面側に向かわせることができており、薄板部14bにおける光拡散の頻度が減ったことと相まって、薄板部14bの上面側の光線の密度を高めることができる。
【0069】
又、面状光源10では光拡散板14に薄板部14bを設けることで、光拡散板14の側面から外に漏れる光の量を少なくできる。
【0070】
面状光源10では、光拡散板14の上方に、光源12からの光を異なる波長の光に変換する波長変換シートが配置される場合がある。光拡散板14の上方に波長変換シートを配置する場合、光拡散板の側面から外に光が漏れると、面状光源の端部が発光素子12aの発光色(例えば、青色)に見えてしまう。しかし、面状光源10では光拡散板14に薄板部14bを設けることで、光拡散板14の側面から外に漏れる光の量を少なくできるため、面状光源10の端部が発光素子12aの発光色に見えてしまう現象を抑制できる。すなわち、光拡散板14の上方に波長変換シートを配置する場合に、波長変換シートで変換される波長とは異なる波長の光が光拡散板14の側面から外に漏れる現象を抑制できる。
【0071】
このように、面状光源10では、基板11が異形形状であるため、第1方向及び第2方向に行列配列を維持しつつ可能な限り多くの光源12を基板11上に敷き詰める場合、基板11の外縁側に光源12が配置されない領域ができる。そして、何の対策も施さないと、例えば、区画部材13の最外周と光拡散板14の外縁との間の領域が暗部になる。すなわち、何の対策も施さないと、面状光源10の周縁の一部に輝度ムラが発生する。しかし、光拡散板14の周縁に薄板部14bを設けることで、薄板部14bでは光拡散よりも光取り出しを優先させ、光拡散の頻度を減らして薄板部14bを透過する光を増やすことができる。その結果、面状光源10の周縁での輝度ムラの発生を抑制できる。
【0072】
但し、薄板部14bは、輝度ムラが発生するおそれがある部分に設ければよいため、必ずしも光拡散板14の周縁の全域に薄板部14bを設なくてもよく、光拡散板14の周縁の一部の領域のみに薄板部14bを設けてもよい。
【0073】
又、同様の理由から、X方向とY方向の両方において、端部に位置する光源12の光軸から光拡散板14の外縁までの距離が遠い部分ほど薄板部14bの幅が広くなっている必要はない。すなわち、X方向とY方向の少なくとも一方において、端部に位置する光源12の光軸から光拡散板14の外縁までの距離が遠い部分ほど薄板部14bの幅が広くなっていればよい。
【0074】
なお、面状光源10は、光拡散板14の上方に、光源12からの光を異なる波長の光に変換する波長変換シート、プリズムシート、及び偏光シートからなる群から選択される少なくとも一種を備えてもよい。具体的には、
図11に示すように、光拡散板14の上方に、所定距離を隔てて又は光拡散板14の上面に、直接又は間接に、波長変換シート72、プリズムシート(第1プリズムシート73及び第2プリズムシート74)、偏光シート75等の光学部材を配置し、更にその上に液晶パネルを配置し、直下型バックライト用光源として用いる面発光型の発光装置とすることができる。これらの光学部材の積層の順序は任意に設定できる。
【0075】
(波長変換シート72)
波長変換シート72は、光拡散板14の上面又は下面の何れに配置してもよいが、
図11に示すように、光拡散板14の上面に配置することが好ましい。波長変換シート72は、光源12から出射する光の一部を吸収し、光源12からの出射光の波長とは異なる波長の光を発する。例えば、波長変換シート72は、光源12からの青色光の一部を吸収して黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、白色光を出射する面状光源10を実現できる。波長変換シート72は、光源12の発光素子12aから離間しているため、発光素子12aの近傍では使用することが困難な、熱又は光強度に耐性の劣る蛍光体等を使用できる。これにより、面状光源10のバックライトとしての性能を向上できる。波長変換シート72は、シート形状或いは層形状を有しており、上述した蛍光体等を含む。なお、波長変換シートは、波長変換層と称される場合がある。
【0076】
(第1プリズムシート73及び第2プリズムシート74)
第1プリズムシート73及び第2プリズムシート74はその表面に、所定の方向に延びる複数のプリズムが配列された形状を有する。例えば、第1プリズムシート73は、シートの平面をX方向とX方向に直角のY方向との2次元に見て、Y方向に延びる複数のプリズムを有し、第2プリズムシート74は、X方向に延びる複数のプリズムを有することができる。第1プリズムシート73及び第2プリズムシート74は、種々の方向から入射する光を、面状光源10に対向する表示パネルへ向かう方向に屈折させることができる。これにより、面状光源10の発光面から出射する光を、主として上面に垂直な方向に出射させ、面状光源10を正面から見た場合の輝度を高めることができる。
【0077】
(偏光シート75)
偏光シート75は、例えば、液晶表示パネル等の表示パネルのバックライト側に配置された偏光板の偏光方向に一致する偏光方向の光を選択的に透過させ、その偏光方向に垂直な方向の偏光を第1プリズムシート73及び第2プリズムシート74側へ反射させることができる。偏光シート75から戻る偏光の一部は、第1プリズムシート73、第2プリズムシート74、波長変換シート72、及び光拡散板14で再度反射される。このとき、偏光方向が変化し、例えば、液晶表示パネルの偏光板の偏光方向を有する偏光に変換され、再び偏光シート75に入射し、表示パネルへ出射する。これにより、面状光源10から出射する光の偏光方向を揃え、表示パネルの輝度向上に有効な偏光方向の光を高効率で出射させることができる。偏光シート75、第1プリズムシート73、第2プリズムシート74等は、バックライト用の光学部材として市販されているものを用いることができる。
【0078】
なお、面状光源10において、波長変換シート72を設ける代わりに、封止部材12bに発光素子12aからの光を吸収して発光素子12aからの出力光とは異なる波長の光を発する蛍光体等の波長変換材料を含有させてもよい。これにより、例えば、光源12からの青色光の一部を封止部材12bで吸収して黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、白色光を出射する面状光源10を実現できる。
【0079】
封止部材12bは、波長変換材料の他に、発光素子12aからの光を拡散させるための拡散剤、発光素子12aの発光色に対応した着色剤等を含んでもよい。拡散剤及び着色剤等は、当該分野で公知のものを使用できる。更には、封止部材12bに蛍光体等の波長変換材料を含有せず、例えば窒化物系半導体が蛍光体等の波長変換材料で覆われた発光素子12a、つまり発光素子12a自体が白色光を出射するものを使用することもできる。
【0080】
〈第1実施形態の変形例1〉
第1実施形態の変形例1では、光拡散板の薄板部の断面形状が第1実施形態とは異なる例を示す。なお、第1実施形態の変形例1において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0081】
図12~
図14は、第1実施形態の変形例1に係る面状光源における光拡散板を例示する模式部分拡大断面図である。
図15は、
図14の光拡散板を例示する平面模式図である。
【0082】
図12に示す光拡散板24では、基板11の上面11mから薄板部24bの下面24tまでの高さは、基板11の上面11mから厚板部24aの下面24nまでの高さと同じである。そして、薄板部24bは、厚板部24aとの境界24cから光拡散板24の外縁に近づくに従って厚さが徐々に薄くなっている。
【0083】
このように、厚板部と薄板部との境界は
図3に示すように階段状である必要はなく、
図12に示すように滑らかに厚さが変化する形状であってもよい。この場合も、薄板部24bでは光拡散よりも光取り出しを優先させ、光拡散の頻度を減らして薄板部24bを透過する光を増やすことができる。その結果、面状光源の周縁での輝度ムラの発生を抑制できる。
【0084】
又、
図12に示す光拡散板24のように薄板部24bの全体が徐々に薄くなる形状ではなく、薄板部が厚板部との境界から光拡散板の外縁に近づくに従って厚さが徐々に薄くなる部分を有する形状であってもよい。例えば、
図13に示す光拡散板34のように、薄板部34bは、厚板部34aとの境界34cから光拡散板34の外縁に近づくに従って厚さが徐々に薄くなる板厚漸減部分34b1を有し、更に、板厚漸減部分34b1よりも光拡散板34の外縁側に板厚一定部分34b2を有してもよい。板厚一定部分34b2の板厚は、例えば、板厚漸減部分34b1の最薄部と同じ板厚となる。
【0085】
又、
図14及び
図15に示す光拡散板44のように、薄板部44bは、厚板部44a側の第1薄板部44b1と、第1薄板部44b1よりも光拡散板44の外縁側に位置し、第1薄板部44b1よりも板厚が薄い第2薄板部44b2とを含んでもよい。このように、薄板部44bの板厚を二段階で変化させることで、面状光源の端部の輝度を高めることができる。すなわち、光源12から遠いほど暗部が目立つため、光拡散板14の板厚も光源12から遠いほど薄くすることで、面状光源の周縁での輝度ムラの発生を抑制できる。薄板部44bの板厚の変化は、二段階以上でもよい。また、薄板部44bの断面形状は、
図12~
図14に図示した形状を適宜組み合わせた形状にすることもできる。
【0086】
第2薄板部44b2は、例えば、平面視で、区画部材13の貫通孔13dが配置された領域よりも光拡散板44の外縁側に配置される。第2薄板部44b2は、光源12が配置されない区画Cに配置されてもよい。第1薄板部44b1と第2薄板部44b2との境界44cが、平面視で区画部材13の頂部13aと重複する位置にあってもよい。
【0087】
なお、必ずしも光拡散板44の周縁の全域に第1薄板部44b1及び第2薄板部44b2を設ける必要はなく、輝度ムラが生じにくい領域には第1薄板部44b1のみを配置してもよい。例えば、
図15において光源12が直線状に配置されている領域Rでは、輝度ムラが生じにくいため、第1薄板部44b1のみを配置してもよい。或いは、
図15において光源12が直線状に配置されている領域Rで輝度ムラがほとんど生じない場合には、領域Rに薄板部44bを設けなくてもよい。
【0088】
〈第1実施形態の変形例2〉
第1実施形態の変形例2では、区画部材が周縁に大きさの異なる区画を有する例を示す。なお、第1実施形態の変形例2において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0089】
図16は、第1実施形態の変形例2に係る区画部材の模式部分拡大平面図である。
図17は、
図16のB-B線に沿う断面図である。
図16及び
図17に示す区画部材23では、最外周の区画Cを構成する頂部23a及び壁部23bが基板11の外縁近傍に配置されている。つまり、最外周の区画Cの少なくとも一部では、平面視で、壁部23bで取り囲んだ領域の面積が、内周側の区画Cの場合よりも大きい。なお、
図16及び
図17の例では、最外周の区画Cの壁部23bで取り囲んだ領域の面積をX方向に拡大しているが、Y方向に拡大してもよい。或いは、最外周の区画Cの壁部23bで取り囲んだ領域の面積をX方向に拡大している部分と、Y方向に拡大している部分が混在してもよい。
【0090】
このように、
図2及び
図3の例では、平面視で、区画C内に露出する底部23cの面積は全ての区画Cにおいて均等であったが、これには限定されない。
図16及び
図17の例のように、平面視において、区画部材23の最外周に位置する壁部23bで取り囲んだ領域の少なくとも1つは、最外周よりも内周側に位置する壁部23bで取り囲んだ領域よりも面積が大きくてもよい。
【0091】
図16及び
図17に示す区画部材23の構造では、最外周の区画Cを構成する壁部23bが基板11の外縁近傍に位置することで、出射面側への光取り出しが向上する。すなわち、
図16及び
図17に示す区画部材23の構造では、壁部23bが基板11の周縁にも位置するので、光拡散板14の薄板部14bにより多くの光を送ることができる。その結果、面状光源10の周縁での輝度ムラの発生を一層抑制できる。但し、区画部材23における最外周の少なくとも一部には、壁部23bが設けられていなくてもよい。なお、
図16及び
図17では、光拡散板14の厚板部14aと薄板部14bの境界の位置に、区画部材の壁部23bが配置されないが、この位置に壁部23bを設けることもできる。
【0092】
〈第1実施形態の変形例3〉
第1実施形態の変形例3では、光拡散板及び区画部材以外の部材の変形例を示す。なお、第1実施形態の変形例3において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0093】
図18Aは、面状光源の外縁近傍の模式部分拡大断面図である。
図18Aに示すように、面状光源は、基板11及び光拡散板14を囲う枠体26を有してもよい。枠体26は、異形形状であり、例えば、基板11と相似した形状であって、平面視において、基板11よりも一回り大きい底部26aを有している。
【0094】
底部26aの周縁は基板11の外側に環状に露出し、露出した部分には側壁26bが基板11を囲むように設けられている。側壁26bの底部26aとは反対側に、基板11及び光拡散板14の外縁を囲う蓋体27を有してもよい。蓋体27は、各光源12からの出射光を妨げない位置に配置される。枠体26や蓋体27は、例えば、反射材を含む樹脂、金属、セラミックス等、種々の材料から形成される。
【0095】
なお、
図18Bに示すように、側壁26bの内側面における基板11と光拡散板14との間の領域に、蛍光体を含む波長変換部材28を配置することができる。これにより、光源12からの光の一部が側壁26bの内側面に配置された波長変換部材28によって波長変換され、波長変換された光が取り出されるため、面状光源10の端部が発光素子の発光色に見えてしまう現象を抑制できる。側壁26bの内側面に波長変換部材28を配置する場合、面状光源の断面視において、光源12と側壁26bとの間に区画部材13の壁部13bを配置してもよいし、配置されなくてもよい。波長変換部材28は、側壁26bの内側面全体に配置されてもよいし、側壁26bの内側面において光拡散板14の下面より下側の領域に配置されてもよい。波長変換部材28が光拡散板14の下面より下側の領域に配置される場合、波長変換部材28の上方を光拡散板14の薄板部14bが覆ってもよいし、覆わなくてもよい。波長変換部材28として、黄色光を発する材料(例えば、YAG)を用いることができる。側壁26bの内側面に配置された波長変換部材28は、単数でもよいし、複数でもよい。
【0096】
このように、面状光源に枠体26や蓋体27を設けることで、基板11や光拡散板14を外部からの衝撃等から保護できる。なお、光拡散板14、基板11、及び枠体26は、相似形の異形形状であってもよい。
【0097】
図19は、第1実施形態の変形例3に係る面状光源における基板の外形について説明する平面模式図であり、基板、光源、及び区画部材のみを図示している。光拡散板の形状は、例えば、
図5と同様としてよい。
図19に示す面状光源20の基板21は、異形形状であり、
図1に示す基板11と比べると、光源12が配置されていない領域が切り落とされた形状である。すなわち、基板21の最外形は、区画部材13の最外形に対応する形状である。
図19の例では、基板21は、平面視で区画部材13と重複する位置(区画部材13の下側)にある。
【0098】
このように、面状光源に用いる基板21は、光源12が配置されていない領域が切り落とされた形状であってもよい。この場合にも、
図5と同様の形状の光拡散板14を用いることで、光拡散板14の周縁での光拡散の頻度を減らして光拡散板14を透過する光を増やすことができる。その結果、面状光源の周縁での輝度ムラの発生を抑制できる。
【0099】
面状光源10の断面形状は、
図11等に示すようにXY平面に平行な直線形状でもよいし、XY平面に対して湾曲した形状でもよい。例えば、X方向において、出射面側が窪むような湾曲形状でもよい。
【0100】
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、第1実施形態に係る面状光源をバックライト光源に用いた液晶表示装置の例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0101】
図20は、第2実施形態に係る液晶表示装置を例示する構成図である。
図20に示すように、液晶表示装置1000は、上側から順に、液晶パネル120と、光学シート110と、第1実施形態に係る面状光源10とを備える。なお、面状光源10において、符号70は、光拡散板や波長変換シート等の光学部材を示している。ここで光学シート110は、光学部材に加えるか一部を変えて、DBEF(反射型偏光シート)やBEF(輝度上昇シート)、カラーフィルタ等を備えることができる。
【0102】
液晶表示装置1000は、液晶パネル120の下方に面状光源10を積層する、いわゆる直下型の液晶表示装置である。液晶表示装置1000は、面状光源10から照射される光を、液晶パネル120に照射する。なお、上述の構成部材以外に、更にカラーフィルタ等の部材を備えてもよい。
【0103】
一般的に、直下型の液晶表示装置では、液晶パネルと面状光源との距離が近いため、面状光源の色ムラや輝度ムラが液晶表示装置の色ムラや輝度ムラに影響を及ぼすおそれがある。そのため、直下型の液晶表示装置の面状光源として、色ムラや輝度ムラの少ない面状光源が望まれている。液晶表示装置1000に面状光源10を用いることで、面状光源10の厚みを5mm以下、3mm以下、1mm以下等と薄くしながら、周縁に発生する輝度ムラを抑制しつつ全体の輝度ムラや色ムラを少なくできる。
【0104】
なお、1つの面状光源10が1つの液晶表示装置1000のバックライトとして用いられる場合には限定されず、複数の面状光源10が並べられて1つの液晶表示装置1000のバックライトとして用いられてもよい。例えば、小さい面状光源10を複数作製し、それぞれ検査等を行うことで、実装される光源12の数が多い大きな1つの面状光源10を作製する場合と比べて、歩留まりを向上させることができる。
【0105】
このように、面状光源10は、光学部材70から均一な光が放射されるため、液晶表示装置1000のバックライトとして用いると好適である。
【0106】
但し、これには限定されず、面状光源10は、テレビやタブレット、スマートフォン、スマートウォッチ、ヘッドアップディスプレイ、デジタルサイネージ、掲示板等のバックライトとしても好適に利用できる。又、面状光源10は、照明用の光源としても利用でき、非常灯やライン照明、或いは、各種のイルミネーションや車載用のインストール等にも利用できる。なお、面状光源10に第1実施形態の変形例1~3に示した1つ以上の変形を適宜施してよい。
【0107】
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0108】
例えば、上記の実施形態では、光拡散板の厚板部の下面(光源側の面)と薄板部の下面(光源側の面)が同一平面上にある例を示したが、光拡散板の厚板部の上面(光源とは反対側の面)と薄板部の上面(光源とは反対側の面)が同一平面上にあってもよい。すなわち、光拡散板の下面側を薄くして薄板部を設けてもよい。例えば、
図6に示す光拡散板14、
図12に示す光拡散板24、
図13に示す光拡散板34、
図14に示す光拡散板44を上下反転させた形状等が考えられる。これらの場合、厚板部の側面から光拡散板の上面側に向かう光が増えることは期待できないが、薄板部における光拡散の頻度が減って薄板部を透過する光が増えるため、光拡散板の周縁における発光面の輝度ムラを抑制する一定の効果は得られる。
【0109】
又、光拡散板に酸化チタン粒子や蛍光体粒子等の散乱粒子を含有させ、薄板部に含有させる散乱粒子の濃度を、厚板部に含有させる散乱粒子の濃度よりも薄くしてもよい。これにより、薄板部における光拡散の頻度を更に減らして薄板部を透過する光を更に増やせるため、光拡散板の周縁における発光面の輝度ムラを抑制する効果を向上できる。或いは、光拡散板の上面及び/又は下面に散乱粒子を含有する散乱粒子層を形成し、薄板部に形成される散乱粒子層における散乱粒子の濃度を、厚板部に形成される散乱粒子層における散乱粒子の濃度より薄くしても同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0110】
10、20 面状光源
11、21 基板
11m、14m、14s 上面
12 光源
12a 発光素子
12b 封止部材
12c 光反射膜
12d アンダーフィル
13、23 区画部材
13a、23a 頂部
13b、23b 壁部
13c、23c、26a 底部
13d 貫通孔
14、24、34、44 光拡散板
14a、24a、34a、44a 厚板部
14b、24b、34b、44b 薄板部
14c、24c、34c、44c 境界
14n、14t、24n、24t 下面
15 被覆部材
18A、18B 導体配線
19 接合部材
26 枠体
26b 側壁
27 蓋体
28 波長変換部材
34b1 板厚漸減部分
34b2 板厚一定部分
44b1 第1薄板部
44b2 第2薄板部
70 光学部材
72 波長変換シート
73 第1プリズムシート
74 第2プリズムシート
75 偏光シート
110 光学シート
120 液晶パネル
1000 液晶表示装置