(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】ダイボンディング装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
H01L21/52 F
(21)【出願番号】P 2021046763
(22)【出願日】2021-03-22
【審査請求日】2024-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】515085901
【氏名又は名称】ファスフォードテクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大森 僚
(72)【発明者】
【氏名】保坂 明彦
(72)【発明者】
【氏名】村上 平
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-255892(JP,A)
【文献】特開2015-060299(JP,A)
【文献】特開2013-221767(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0175997(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する搬送路と、
前記搬送路の上方に前記基板の幅方向に沿って一列に固定配設された複数の撮像装置と、
前記基板の上に前記幅方向に沿って一列に位置する複数の撮像対象物を前記複数の撮像装置で撮像するよう構成される制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の撮像装置のそれぞれにより複数の基準マークを有する画像合成用のプレートを撮像して画像を取得し、前記取得した画像が所定の画像になるよう画像変換を行い、
前記画像変換を行ったときのパラメータを保存するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項2】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記複数の基準マークは、前記複数の撮像装置の視野のそれぞれに四点入り、隣接する撮像装置の視野が重複する部分に二点ずつ入るよう前記画像合成用のプレートに形成されているダイボンディング装置。
【請求項3】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記制御部は、
撮像した前記基準マークの位置を画像処理により検出し、
射影変換により撮像した前記基準マークの座標を画像の四隅に位置する基準座標に移動し、
前記射影変換に用いた変換行列のパラメータを保存するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項4】
請求項3のダイボンディング装置において、
前記制御部は、
取得した複数の前記撮像対象物の画像のそれぞれを前記パラメータにより射影変換し、
前記射影変換された画像を繋ぎ合わせて合成画像を生成するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項5】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記制御部は、
前記撮像装置のそれぞれにより明るさ補正用のプレートを撮像して画像を取得し、
前記取得した画像に基づいて前記撮像装置のゲイン値を調整するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項6】
請求項5のダイボンディング装置において、
前記制御部は、
前記明るさ補正用のプレートを撮像した各画像の中央部の明るさの平均値に基づいて前記撮像装置の明るさを算出し、
算出した明るさに基づいて最も明るい撮像装置を特定し、前記特定された撮像装置と同じ明るさになるよう他の撮像装置のゲイン値を調整するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項7】
請求項6のダイボンディング装置において、
前記明るさ補正用のプレートとして前記画像合成用のプレートを用いるダイボンディング装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項のダイボンディング装置において、
前記制御部は、前記基板を当該基板の長さ方向に搬送して次の列の複数のアタッチメント領域を前記複数の撮像装置で撮像するよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項9】
請求項1から7の何れか1項のダイボンディング装置において、
前記撮像対象物は前記基板に塗布されたペースト状接着剤であるダイボンディング装置。
【請求項10】
請求項9のダイボンディング装置において、
前記制御部は前記撮像装置により前記基板に塗布されたペースト状接着剤の外観検査を行うよう構成されるダイボンディング装置。
【請求項11】
搬送路の上方に基板の幅方向に沿って一列に固定配設された複数の撮像装置と、前記撮像装置のそれぞれにより明るさ補正用のプレートを撮像して画像を取得し、前記取得した画像に基づいて前記撮像装置のゲイン値を調整し、前記ゲイン値が調整された複数の撮像装置のそれぞれにより複数の基準マークを有する画像合成用のプレートを撮像して画像を取得し、前記取得した画像が所定の画像になるよう画像変換を行い、前記画像変換を行ったときのパラメータを保存するよう構成される制御部と、を備えるダイボンディング装置に基板を搬入する工程と、
前記基板の上に位置する前記幅方向に沿った一列の複数のアタッチメント領域の撮像対象物を前記複数の撮像装置で撮像して複数の画像を取得し、取得した複数の前記画像に基づいて合成画像を生成し、前記合成画像に基づいて前記撮像対象物を認識する工程と、
前記基板を当該基板の長さ方向に搬送して次の列の複数のアタッチメント領域を前記複数の撮像装置で撮像する工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11の半導体装置の製造方法において、
さらに、撮像した前記基準マークの位置を画像処理により検出し、射影変換により撮像した前記基準マークの座標を画像の四隅に位置する基準座標に移動し、前記射影変換に用いた変換行列のパラメータを保存する工程を備える半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12の半導体装置の製造方法において、
さらに、取得した複数の前記撮像対象物の画像のそれぞれを前記パラメータにより射影変換し、前記射影変換された画像を繋ぎ合わせて合成画像を生成する工程を備える半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項11の半導体装置の製造方法において、
さらに、前記明るさ補正用のプレートを撮像した各画像の中央部の明るさの平均値に基づいて前記撮像装置の明るさを算出し、算出した明るさに基づいて最も明るい撮像装置を特定し、前記特定された撮像装置と同じ明るさになるよう他の撮像装置のゲイン値を調整する工程を備える半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項11から14の何れか1項の半導体装置の製造方法において、
さらに、前記基板にペースト状接着剤を塗布する工程を備え、
前記撮像対象物は塗布された前記ペースト状接着剤である半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はダイボンディング装置に関し、例えば、複数の認識カメラでアタッチメント領域を撮像するダイボンダに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
ダイボンディング装置としてのダイボンダは、樹脂ペースト、はんだ、金メッキ等を接合材料として、半導体チップ(以下、単にダイという。)を配線基板やリードフレーム等の基板または既にボンディングされたダイの上にボンディング(載置して接着)する装置である。例えば、ダイを基板の表面にボンディングするダイボンダにおいては、ボンディングヘッドの先端に取り付けられたコレットと呼ばれる吸着ノズルを用いてダイをウェハから吸着してピックアップし、基板上の所定の位置に載置し、押付力を付与すると共に、接合材を加熱することによりボンディングを行うという動作(作業)が繰り返して行われる。
【0003】
例えば、樹脂を接合材料として使用する場合、Agエポキシ及びアクリル等の樹脂ペーストが接着剤(以下、ペースト状接着剤という)として使用される。ダイを基板に接着するペースト状接着剤はシリンジ内に封入され、このシリンジが、基板に対して上下動してペースト状接着剤を射出して塗布する。すなわち、ペースト状接着剤を封入したシリンジによってペースト状接着剤が所定の位置に所定量塗布され、そのペースト状接着剤上にダイが圧着・ベークされて接着される。シリンジの近傍には認識カメラ(プリフォームカメラ)が取り付けられ、この認識カメラで、ペースト状接着剤が塗布される位置を確認して位置決めが行われると共に、塗布されたペースト状接着剤が所定位置に所定の形状で所定量だけ塗布されているかが確認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つの撮像装置で複数の撮像対象物を撮像すると、撮像装置の真下から遠ざかった撮像対象物は斜めから撮像することになる場合があり、位置決めまたは外観検査の精度が低下する。
【0006】
本開示の課題は、複数の撮像対象物の撮像条件の一様性を向上することが可能な技術を提供することにある。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、ダイボンディング装置は、搬送路の上方に基板の幅方向に沿って一列に固定配設された複数の撮像装置と、前記基板の上に前記幅方向に沿って一列に位置する複数の撮像対象物を前記複数の撮像装置で撮像するよう構成される制御部と、を備える。前記制御部は、前記複数の撮像装置のそれぞれにより複数の基準マークを有する画像合成用のプレートを撮像して画像を取得し、前記取得した画像が所定の画像になるよう画像変換を行い、前記画像変換を行ったときのパラメータを保存するよう構成される。
【発明の効果】
【0008】
上記ダイボンディング装置によれば、複数の撮像対象物の撮像条件の一様性を向上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態におけるダイボンダの概略を示す上面図である。
【
図2】
図1において矢印A方向から見たときに、ピックアップヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
【
図3】
図1に示すダイ供給部の主要部を示す概略断面図である。
【
図4】
図1に示すダイボンダの制御系の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示すダイボンダを用いた半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図6】マルチカメラ化において複数のカメラが理想的な場合を説明する図である。
【
図7】マルチカメラ化において複数のカメラが理想的でない場合を説明する図である。
【
図9】カメラと画像合成用のプレートを示す側面図である。
【
図11】カメラと明るさ補正用のプレートを示す側面図である。
【
図12】カメラの感度誤差補正処理を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。
【0011】
実施形態におけるダイボンダの構成について
図1および
図2を用いて説明する。
図1は実施形態におけるダイボンダの概略を示す上面図である。
図2は
図1において矢印A方向から見たときに、ピックアップヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
【0012】
ダイボンダ10は、大別して、基板Sに実装するダイDを供給するダイ供給部1と、ピックアップ部2と、中間ステージ部3と、プリフォーム部9と、ボンディング部4と、搬送部5と、基板供給部6と、基板搬出部7と、各部の動作を監視し制御する制御部8と、を有する。Y軸方向がダイボンダ10の前後方向であり、X軸方向が左右方向である。ダイ供給部1がダイボンダ10の手前側に配置され、ボンディング部4が奥側に配置される。ここで、基板Sには、最終一パッケージとなる、複数の製品エリア(以下、アタッチメント領域Pという。)が形成されている。例えば、基板Sがリードフレームである場合、アタッチメント領域PはダイDが載置されるタブを有する。
【0013】
まず、ダイ供給部1は基板Sのアタッチメント領域Pに実装するダイDを供給する。ダイ供給部1は、ウェハ11を保持するウェハ保持台12と、ウェハ11からダイDを突き上げる点線で示す剥離ユニット13と、を有する。ダイ供給部1は図示しない駆動手段によってXY軸方向に移動し、ピックアップするダイDを剥離ユニット13の位置に移動させる。
【0014】
ピックアップ部2は、ダイDをピックアップするピックアップヘッド21と、ピックアップヘッド21をY軸方向に移動させるピックアップヘッドのY駆動部23と、コレット22を昇降、回転及びX軸方向移動させる図示しない各駆動部と、ウェハ11からピックアップするダイDのピックアップ位置を把握するウェハ認識カメラ24と、を有する。ピックアップヘッド21は、突き上げられたダイDを先端に吸着保持するコレット22を有し、ダイ供給部1からダイDをピックアップし、中間ステージ31に載置する。ピックアップヘッド21は、コレット22を昇降、回転及びX軸方向移動させる図示しない各駆動部を有する。
【0015】
中間ステージ部3は、ダイDを一時的に載置する中間ステージ31と、中間ステージ31上のダイDを認識する為のステージ認識カメラ32と、を有する。
【0016】
プリフォーム部9はシリンジ91とシリンジ91をY軸方向および上下方向に移動させる駆動部93と、シリンジ91の塗布位置等を把握する撮像装置としてのプリフォームカメラ94と、を有する。プリフォームカメラ94の詳細については後述する。プリフォーム部9は搬送部5により搬送されてきた基板Sにシリンジ91でエポキシ樹脂等のペースト状接着剤を塗布する。シリンジ91は内部にペースト状接着剤が封入されており、空気圧によりペースト状接着剤がノズル先端から基板Sに押し出されて塗布されるように構成されている。基板Sが、例えば、複数個の単位リードフレームが横一列に並べられて一連に連設されている多連リードフレームの場合は、単位リードフレームのタブごとにペースト状接着剤を塗布する。
【0017】
ボンディング部4は、中間ステージ31からダイDをピックアップし、搬送されてくる基板Sのペースト状接着剤が塗布されたアタッチメント領域P上にボンディングする。ボンディング部4は、ピックアップヘッド21と同様にダイDを先端に吸着保持するコレット42を備えるボンディングヘッド41と、ボンディングヘッド41をY軸方向に移動させるY駆動部43と、基板Sのアタッチメント領域Pの位置認識マーク(図示せず)を撮像し、ボンディング位置を認識する基板認識カメラ44と、を有する。このような構成によって、ボンディングヘッド41は、ステージ認識カメラ32の撮像データに基づいてピックアップ位置・姿勢を補正し、中間ステージ31からダイDをピックアップし、基板認識カメラ44の撮像データに基づいて基板にダイDをボンディングする。
【0018】
搬送部5は、基板Sを掴み搬送する基板搬送爪51と、基板Sが移動する搬送路としての搬送レーン52と、を有する。基板Sは、搬送レーン52に設けられた基板搬送爪51の図示しないナットを搬送レーン52に沿って設けられた図示しないボールネジで駆動することによって移動する。このような構成によって、基板Sは、基板供給部6から搬送レーン52に沿ってボンディング位置まで移動し、ボンディング後、基板搬出部7まで移動して、基板搬出部7に基板Sを渡す。
【0019】
次に、ダイ供給部1の構成について
図3を用いて説明する。
図3は
図1に示すダイ供給部の主要部を示す概略断面図である。
【0020】
ダイ供給部1は、水平方向(XY軸方向)に移動するウェハ保持台12と、上下方向に移動する剥離ユニット13と、を備える。ウェハ保持台12は、ウェハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウェハリング14に固定されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17と、を有する。ウェハ11において網目状にダイシングされたダイDは、ダイシングテープ16に接着固定されている。剥離ユニット13は支持リング17の内側に配置される。
【0021】
ダイ供給部1は、ダイDの突き上げ時に、ウェハリング14を保持しているエキスパンドリング15を下降させる。その結果、ウェハリング14に保持されているダイシングテープ16が引き伸ばされダイDの間隔が広がり、剥離ユニット13によりダイD下方からダイシングテープ16を突上げたり水平移動したりして、ダイDのピックアップ性を向上させている。
【0022】
ダイボンダ10の制御系について
図4を用いて説明する。
図4は
図1に示すダイボンダの制御系の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図4に示すように、制御系80は制御部8と駆動部86と信号部87と光学系88とを備える。制御部8は、大別して、主としてCPU(Central Processor Unit)で構成される制御・演算装置81と、記憶装置82と、入出力装置83と、バスライン84と、電源部85とを有する。記憶装置82は、処理プログラムなどを記憶しているRAMで構成されている主記憶装置82aと、制御に必要な制御データや画像データ等を記憶しているHDDで構成されている補助記憶装置82bとを有する。入出力装置83は、装置状態や情報等を表示するモニタ83aと、オペレータの指示を入力するタッチパネル83bと、モニタを操作するマウス83cと、光学系88からの画像データを取り込む画像取込装置83dと、を有する。また、入出力装置83は、ダイ供給部1のXYテーブル(図示せず)やボンディングヘッドテーブルのZY駆動軸等の駆動部86を制御するモータ制御装置83eと、種々のセンサ信号や照明装置などのスイッチ等の信号部87から信号を取り込み又は制御するI/O信号制御装置83fとを有する。光学系88には、
図1または
図2に示すウェハ認識カメラ24、プリフォームカメラ94、ステージ認識カメラ32、基板認識カメラ44が含まれる。制御・演算装置81はバスライン84を介して必要なデータを取込み、演算し、ボンディングヘッド41等の制御や、モニタ83a等に情報を送る。
【0024】
制御部8は画像取込装置83dを介して光学系88で撮像した画像データを記憶装置82に保存する。保存した画像データに基づいてプログラムしたソフトウェアにより、制御・演算装置81を用いてダイDおよび基板Sの位置決め、ペースト状接着剤の塗布パターンの検査並びにダイDおよび基板Sの表面検査を行う。制御・演算装置81が算出したダイDおよび基板Sの位置に基づいてソフトウェアによりモータ制御装置83eを介して駆動部86を動かす。このプロセスによりウェハ11上のダイDの位置決めを行い、ダイ供給部1およびダイボンディング部4の駆動部で動作させダイDを基板S上にボンディングする。光学系88で使用する認識カメラはグレースケールカメラ、カラーカメラ等であり、明るさ(光強度)を数値化する。
【0025】
次に、実施形態に係るダイボンダを用いた半導体装置の製造方法について
図5を用いて説明する。
図5は
図1に示すダイボンダを用いた半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【0026】
(ステップS51:ウェハ・基板搬入工程)
ウェハ11から分割されたダイDが貼付されたダイシングテープ16を保持したウェハリング14をウェハカセット(不図示)に格納し、ダイボンダ10に搬入する。制御部8はウェハリング14が充填されたウェハカセットからウェハリング14をダイ供給部1に供給する。また、基板Sを準備し、ダイボンダ10に搬入する。制御部8は基板供給部6で基板Sを基板搬送爪51に取り付ける。
【0027】
(ステップS52:ピックアップ工程)
制御部8は、ウェハ保持台12により所望するダイDをウェハリング14からピックアップできるようにウェハリング14を移動し、ウェハ認識カメラ24により撮像したデータに基づいて位置決めおよび表面検査を行う。制御部8は位置決めされたダイDを剥離ユニット13によりダイシングテープ16から剥離する。これに並行して、制御部8は、ピックアップヘッド21をピックアップ対象のダイDの直上まで下降し、ダイシングテープ16から剥離されたダイDをピックアップヘッド21のコレット22により真空吸着する。そして、制御部8は、ピックアップヘッド21を上昇動作、平行移動動作、及び下降動作を行って中間ステージ31の所定箇所にダイDを載置する。この時、制御部8は、中間ステージ31の図示しない吸着穴によってダイDを吸着して、ピックアップヘッド21から離間させる。このようにして、ダイシングテープ16から剥離されたダイDは、コレット22に吸着、保持されて、中間ステージ31に搬送されて載置される。
【0028】
制御部8は、ステージ認識カメラ32により中間ステージ31の上のダイDを撮像し、ダイDの位置決めを行うと共に、表面検査を行う。制御部8は、画像処理によって、ダイボンダのダイ位置基準点からの中間ステージ31上のダイDのずれ量(X、Y、θ方向)を算出する。なお、ダイ位置基準点は、予め、中間ステージ31の所定の位置を装置の初期設定として保持している。そして、制御部8は、画像処理によって、ダイDの表面検査を行う。
【0029】
そして、制御部8は、ダイDを中間ステージ31に搬送したピックアップヘッド21をダイ供給部1に戻す。上記した手順に従って、次のダイDがダイシングテープ16から剥離され、以後同様の手順に従ってダイシングテープ16から1個ずつダイDが剥離される。
【0030】
(ステップS53:ボンディング工程)
制御部8はプリフォームカメラ94により塗布前の基板Sの表面の画像を取得してペースト状接着剤を塗布すべき面を確認する。塗布すべき面に問題なければ、制御部8は搬送部5により搬送された基板Sにシリンジ91からペースト状接着剤を塗布する。基板Sが多連リードフレームの場合はすべてのタブにペースト状接着剤を塗布する。制御部8は、塗布後ペースト状接着剤が正確に塗布されているかをプリフォームカメラ94で再度確認し、塗布されたペースト状接着剤を検査する。
【0031】
塗布に問題なければ、制御部8は搬送部5により基板SをボンディングステージBSに搬送する。そして、制御部8は、ボンディングステージBS上に載置された基板Sを基板認識カメラ44により撮像する。制御部8は、画像処理によって、ダイボンダの基板位置基準点からの基板Sのずれ量(X、Y、θ方向)を算出している。なお、基板位置基準点は、予め、基板チェック部の所定の位置を装置の初期設定として保持している。
【0032】
制御部8は、ステップS52において算出したダイDのずれ量からボンディングヘッド41の吸着位置を補正してダイDをコレット42により吸着する。中間ステージ31からダイDを吸着したボンディングヘッド41を上昇、平行移動、及び下降を行ってボンディングステージBS上の基板Sの所定箇所にダイDをアタッチする。そして、制御部8は基板認識カメラ44により撮像した画像データに基づいてダイDが所望の位置にボンディングされたかどうか等の検査を行う。
【0033】
(ステップS54:基板搬出工程)
制御部8はダイDがボンディングされた基板Sを基板搬出部7に搬送する。制御部8は基板搬出部7で基板搬送爪51からダイDがボンディングされた基板Sを取り出す。ダイボンダ10から基板Sを搬出する。
【0034】
上述したように、ダイDは、基板S上に実装され、ダイボンダから搬出される。その後、ワイヤボンディング工程でAuワイヤ等を介して基板Sの電極と電気的に接続される。その後、基板Sをモールド工程に搬送し、ダイDとAuワイヤとをモールド樹脂(図示せず)で封止することによって、パッケージが完成する。
【0035】
本実施形態では、プリフォームカメラ94はペースト状接着剤の外観検査等に用いられる。まず、本実施形態をより明確にするためプリフォームカメラ94等のカメラの問題点について説明する。
【0036】
一般に、カメラの画素数が一定の場合、レンズにより視野サイズを大きくすると、画素分解能が大きくなる。よって、基板Sのサイズが大きくなり、それに合わせて視野サイズを大きくすると、カメラの画素分解能が大きくなり、外観検査としては分解能が不足する。
【0037】
また、非テレセントリックレンズであるマクロレンズにより視野サイズを大きく(広視野に)すると、被写体(撮像対象物)がペースト状接着剤などの立体物である場合、カメラ(レンズ)の直下にある物と視野の端にある物とで、撮像対象物の面積が異なってしまったり、視野の端にある物は側面も見えてしまったりする。テレセントリックレンズは平行光を集光するので全ての撮像対象物において側面は見えなくなる。しかし、レンズを大型化する必要があり、それに伴い焦点距離も長くなってしまう。このような大型のレンズをダイボンディング装置に実装することは効率性の観点から好ましくない。
【0038】
基板Sの幅方向の全体をカバーする視野を複数のカメラ(レンズ)で分割して見ることにより、一台当たりのレンズ倍率を高くすることができ、画素分解能を向上することができる。カメラ(レンズ)をペースト状接着剤の塗布位置の直上に設置することにより、マクロレンズであっても見え方をより均一化することができる。
【0039】
そこで、画素分解能向上および立体物としてのペースト状接着剤を直上撮像し測定面積誤差の低減を目的として、本実施形態におけるプリフォームカメラ94を複数のカメラを並べて設置して構成すること(マルチカメラ化)を検討した。ここで、説明を簡単にするため、撮像対象物としての塗布されたペースト状接着剤は矩形状をしているとする。
【0040】
マルチカメラ化について
図6を用いて説明する。
図6はマルチカメラ化において複数のカメラが理想的な場合を示す図であり、
図6(a)はカメラおよび撮像対象を示す斜視図であり、
図6(b)は各カメラの撮像画像を示す図であり、
図6(c)は
図6(b)の画像を単純に繋ぎ合わせた合成画像を示す図である。
【0041】
例えば、
図6(a)に示すように、基板Sの上方に基板Sの幅方向(Y軸方向)に複数のカメラ101~103を一列に並べて固定的に配設する。これらのカメラ101~103は同じ高さで水平方向に所定間隔をあけており、各カメラ101~103の光軸は互いに平行かつ基板Sに対して垂直とされる。各カメラ101~103はそれぞれレンズ111~113が取り付けられている。隣接するカメラの撮像視野は重複している。ここで、基板Sは、例えば、矩形状、かつ平板状で、縦横に多数のアタッチメント領域が設けられるが、
図6(a)では、基板Sの一列にアタッチメント領域を三個設けた例を示しており、三つの撮像対象物OB1,OB2,OB3が示されている。なお、カメラ101~103(レンズ111~113)の下方に図示しない一つの同軸照明を備える。
【0042】
各カメラ101~103は、同時に(並行して)、それぞれ撮像対象物OB1,OB2,OB3を撮像する。また、基板Sを搬送レーン52により搬送方向(X軸方向)に搬送することにより残りの列の撮像対象物を順次撮像する。マルチカメラ化することで撮像対象物のほぼ直上で撮像でき、均一性を向上させて検査することができる。また、マルチカメラ化することでカメラを動かす必要が無くなり、広視野光学系と同じ処理効率を得ることができる。
【0043】
マルチカメラでは、
図6(b)に示す各カメラ101~103から出力される画像は、
図6(c)に示すように、1枚の大きな画像に合成され、同一座標系で扱われる。
【0044】
しかし、マルチカメラ化には以下の問題がある。
(A)複数のカメラは、それぞれの取付誤差(X,Y,Z,θ、姿勢)がある場合、画像を単純に繋ぎ合わせただけでは合成画像に歪が生じる。
(B)カメラの感度差およびレンズの個体差がある場合、同一の対象物を撮像しても出力された画像間に明るさの差が生じる。ペースト状接着剤等の外観検査は画像に対して明るさに基づいて検査を行うため、個体差がある異なるカメラおよびレンズでは誤差が生じ精度の高い画像を得ることができない。
【0045】
上記(A)の問題について
図7を用いて説明する。
図7はマルチカメラ化において複数のカメラが理想的でない場合を示す図であり、
図7(a)はカメラおよび撮像対象を示す斜視図であり、
図7(b)は各カメラの撮像画像を示す図であり、
図7(c)は
図7(b)の画像を単純に繋ぎ合わせた合成画像を示す図である。
【0046】
例えば、
図7(a)ではカメラ101はX軸方向の位置(X位置)、Y軸方向の位置(Y位置)、Z軸方向の位置(Z位置)およびθ方向の位置(回転)の取付誤差を有し、カメラ102は姿勢(光軸)が傾く取付誤差を有し、カメラ103は理想的で取付誤差がない。その結果、
図7(b)に示すように、カメラ101の画像は左上にずれ、かつ左に回転した画像になり、カメラ102の画像は右にずれ、台形状の画像になり、カメラ103の画像は
図6と同様の画像になる。これらの画像を単純に繋ぎ合わせると
図7(c)に示すような合成画像になり、
図6(c)に示す合成画像と異なる。
【0047】
そこで、本実施形態では、上述した(A)の問題点を解決するため、ダイボンダ10の出荷時または調整時(倣い動作時)に、画像合成用のプレート121を用いて補正データを取得する。この補正データを使うことにより、より簡易的に複数のカメラにより撮像した画像の画像合成の精度を向上することができる。
【0048】
まず、カメラの取付誤差を補正する方法(取付誤差補正処理)について
図8~
図10を用いて説明する。
図8は画像合成用のプレートを示す上面図である。
図9はカメラと画像合成用のプレートを示す側面図である。
図10は取付誤差補正処理を説明する図であり、
図10(a)は各カメラの視野と画像合成用のプレートを示す図であり、
図10(b)は各カメラにより撮像された画像を示す図であり、
図10(c)は変換画像を示す図であり、
図10(d)は合成画像を示す図である。
【0049】
図8に示すような高精度に基準マークMKが印刷された画像合成用のプレート121を準備する。ここで、
図8に示すように、基準マークMKはカメラ101~103の視野IA1~IA3のそれぞれに四点ずつ入り、隣接するカメラの視野は重複しているので、隣接するカメラの視野が重複する部分には二点ずつの基準マークMKが入るよう画像合成用のプレート121に基準マークMKが形成される。カメラが三台の場合は、八点の基準マークMKが画像合成用のプレート121に形成される。基準マークMKは各カメラ101~103から出力される画像の射影変換に必要な入力座標の基準となる。
【0050】
図9に示すように、手動により画像合成用のプレート121をステージ130に載置する。ここで、ステージ130は撮像対象物がアタッチされる基板S等を固定するものである。なお、基板Sと同様に、搬送部5により画像合成用のプレート121を搬送して載置してもよい。
【0051】
制御部8は、各撮像装置101~103の視野IA1~IA3に基準マークMKが四点ずつ入る位置で画像合成用のプレート121を撮像する。ここで、
図10(a)においては、カメラ101,102には取付誤差があり、カメラ101はX軸方向の左にずれて取り付けられており、カメラ102は上から見て右(時計回り)に回転して取り付けられている。カメラ103には取付誤差がない。その結果、各カメラ101~103により撮像された画像合成用のプレート121の画像P110,P120,P130は、
図10(b)に示す画像になる。例えば、画像P110は、カメラ101の視野IA1に対して画像合成用のプレート121はX軸方向の右側にずれて撮像される画像になる。
【0052】
制御部8は、
図10(b)に示すそれぞれの画像P110,P120,P130をラベリングまたはパターンマッチング等の画像処理によりそれぞれの基準マークMKの位置を検出する。制御部8は、射影変換により撮像した基準マークMKの座標を画像の四隅の座標(基準座標)へ移動するよう、画像変換を行う。これにより、
図10(c)に示す三つの画像P111,P121,P131が得られる。ここで、射影変換は3行3列の行列を使って、平行移動、回転、拡大/縮小、せん断(スキュー)の他に、台形から長方形への画像変換を行うことができる。本実施形態では、入力画像の四点の座標から、出力画像の四点の座標へ画像変換するものであり、斜めから撮影した画像を真上から見た画像へ変換(鉛直性補正)することができる。
【0053】
制御部8は、
図10(c)に示す個々の画像P111~P113を合成して
図10(d)に示す合成画像P100を得る。この合成画像P100は上述の基準画像と同じ画像である。制御部8は、各カメラ101~103により撮像された画像合成用のプレート121の画像における画像変換(変換行列)のパラメータを算出して保存する。
【0054】
また、本実施形態では、上述した(B)の問題点を解決するため、ダイボンダ10の出荷時または調整時(倣い動作時)に、明るさ補正用のプレート122を用いて補正データを取得する。この補正データを使うことにより、より簡易的に複数のカメラにより撮像した画像の画像合成の精度を向上することができる。
【0055】
次に、カメラのゲインを補正することによる感度の合わせ込み方法(感度誤差補正処理)について
図11および
図12を用いて説明する。
図11はカメラと明るさ補正用のプレートを示す側面図である。
図12はカメラの感度誤差補正処理を説明する概念図であり、
図12(a)はカメラのゲイン値の補正を行う前の合成画像であり、
図12(b)はカメラのゲイン値の補正を行った後の合成画像である。
【0056】
均一な反射率の明るさ補正用のプレート122を準備する。ここで、明るさ補正用のプレート122は各カメラ101~103の出力レベルを合わせる基準となるプレートである。明るさ補正用のプレート122として画像合成用のプレート121を用いてもよい。そして、
図11に示すように、手動により明るさ補正用のプレート122を各カメラ101~103の視野に入るようステージ130に載置する。なお、基板Sと同様に、搬送部5により明るさ補正用のプレート122を搬送して載置してもよい。制御部8は、各カメラ101~103により同時に明るさ補正用のプレート122を撮像する。そして、制御部8は、各カメラ101~103から出力された各画像の中央部の複数の画素の明るさを示す出力値から平均の出力を算出する。ここで、中央部とは、例えば、隣接するカメラの視野が重複していない領域、すなわち、画像合成用のプレート121における基準マークMKが設けられていない領域であり、周縁部でない領域である。制御部8は、平均出力レベルにより一番出力値が高いカメラ(一番明るいカメラ)を特定する。制御部8は、一番明るいカメラ以外のカメラにおいて、一番明るいカメラと同じ出力レベルになるようカメラのゲイン値を算出し設定(調整)する。ゲインにはアナログゲインとデジタルゲインと二種類ある。前者はイメージセンサで露光した光が電荷に変換される過程で電荷を増幅させることをいい、後者はソフトウェア演算によって取得した値を増加させることをいい、ゲイン調整は何れであってもよい。
【0057】
例えば、
図12(a)では、カメラ102により撮像された画像P32は、カメラ101,103により撮像された画像P31,P33よりも暗く映っている。また、カメラ101により撮像された画像P31は、カメラ103により撮像された画像P33よりも暗く映っている。よって、カメラ103により撮像された画像P33と同じ輝度値になるように、カメラ101,102ゲイン値を調整することにより、
図12(b)に示すような合成画像が得られる。ここでは、補正対象はカメラまたはレンズ要因のみとする。
【0058】
次に、ダイボンダ10の連続運転中の画像合成について
図13および
図14を用いて説明する。
図13はカメラと基板を示す側面図である。
図14は画像合成方法を説明する図であり、
図14(a)は各カメラの視野と撮像対象物を示す図であり、
図14(b)は各カメラにより撮像された画像を示す図であり、
図14(c)は変換画像を示す図であり、
図14(d)は合成画像を示す図である。
【0059】
制御部8は、搬送部5により基板Sを搬送し、
図13に示すように、各カメラ101~103の視野に入るようステージ130に載置する。そして、制御部8は、各カメラ101~103により撮像対象物OB1~OB3を撮像する。ここで、上述した感度誤差補正処理により各カメラ101~103のゲインは調整されている。
図14(a)に示すように、
図10(a)と同様に、カメラ101,102には取付誤差があり、カメラ101はX軸方向の左にずれて取り付けられており、カメラ102は上から見て右(時計回り)に回転して取り付けられている。その結果、各カメラ101~103により撮像された撮像対象物OB1~OB3の画像P210,P220,P230は、
図14(b)に示す画像になる。
【0060】
そして、制御部8は、上述した保存してある画像変換のパラメータを用いて斜影変換により画像変換を行い、
図14(c)に示す画像P211,P221,P231を取得する。これにより、カメラの取り付け誤差をキャンセルできる。そして、制御部8は、変換後の画像を繋ぎ合わせ、
図14(d)に示す1枚の画像(合成画像P200)を取得し、その後の処理(位置決め、外観検査)を合成画像P200に対して行う。
【0061】
本実施形態によれば、以下の一つまたは複数の効果を有する。
【0062】
(1)複数のカメラにより取り込んだ画像をより簡便な装置構成と治具(画像合成用のプレート121)により、同一倍率、同一座標、で管理することできる。
【0063】
(2)複数のカメラにより取り込んだ画像をより簡便な装置構成と治具(明るさ補正用のプレート122)により、同一レベルの明るさで管理することできる。
【0064】
(3)複数のカメラ(レンズ)で分割して見ることにより、1台当たりのレンズ倍率を高くすることができ、画素分解能を向上することができる。
【0065】
(4)カメラ(レンズ)の略直下で立体物を映すことができ、立体物の側面を映さないようにすることができる。
【0066】
(5)撮像対象物の位置決め精度を安定化することができ、また、外観検査を安定化することができる。
【0067】
以上、本開示者らによってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0068】
例えば、実施形態では、画像合成用のプレート121の各カメラの視野内に入る基準マークMKの数は四つの例を説明したが、五つ以上であってもよい。
【0069】
また、実施形態では、画像合成用のプレート121の基準マークMKを設ける例を説明したが、基準マークMKの代わりに、各カメラの視野内に入る4辺に沿って延伸する線であってもよい。
【0070】
また、実施形態では、画像変換として射影変換する例を説明したが、アフィン変換であってもよい。
【0071】
また、実施形態では、プリフォーム部で基板にペースト状接着剤を塗布する例を説明したが、ダイを基板に接着する接着剤は、シリンジ91によって塗布されるペースト状接着剤に代えてウェハ11とダイシングテープ16との間に貼り付けるダイアタッチフィルム(DAF)と呼ばれるフィルム状の接着材料を用いてもよい。DAFは基板Sの上のダイの上にダイを何枚も載置されて構成される積層パッケージに適している。この場合、基板認識カメラをプリフォームカメラと同様に多連化し、画像合成用のプレート121および明るさ補正用のプレート122に補正するのが好ましい。また、この場合、プリフォーム部において基板または基板に載置されたダイを洗浄するようにしてもよい。
【0072】
また、実施形態では、ダイ供給部1とボンディング部4との間に中間ステージ部3を設け、ピックアップヘッド21でダイ供給部1からピックアップしたダイDを中間ステージ31に載置し、ボンディングヘッド41で中間ステージ31から再度ダイDをピックアップし、搬送されてきた基板Sにボンディングする例を説明したが、ボンディングヘッド41でダイ供給部1からピックアップしたダイDを基板Sにボンディングするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
8・・・制御部
10・・・ダイボンダ(ダイボンディング装置)
52・・・搬送レーン(搬送路)
101~103・・・プリフォームカメラ(撮像装置)
121・・・画像合成用のプレート
OB1~OB3・・・撮像対象物
P・・・アタッチメント領域
S・・・基板