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特許7561137ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240926BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H01L21/02 B
H01L21/304 621D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021556523
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 EP2020058427
(87)【国際公開番号】W WO2020200976
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】1903350
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】598054968
【氏名又は名称】ソイテック
【氏名又は名称原語表記】Soitec
【住所又は居所原語表記】Parc Technologique des fontaines chemin Des Franques 38190 Bernin, France
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ランドル, ディティエ
(72)【発明者】
【氏名】ギスレン, ブルーノ
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-299277(JP,A)
【文献】特表2014-531768(JP,A)
【文献】特開2009-064831(JP,A)
【文献】特開2004-260170(JP,A)
【文献】特表2005-505935(JP,A)
【文献】特表2012-508964(JP,A)
【文献】特表2006-502593(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0035885(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドナー基板(1)からレシーバ基板(20)にブロック(9)を転移するための処理であって、
前記ドナー基板の自由表面(3)に対面するマスク(2)を配置するステップであって、前記マスク(2)は、前記ドナー基板の前記自由表面(3)を露出させる1つ又は複数の開口(4)を有し、これらは、前記ドナー基板の前記自由表面の少なくとも1つの露出領域と、前記マスクによってカバーされる少なくとも1つの領域(5)と、を形成するように、所与のパターン(10)に従って分配される、ステップと、
前記マスク(2)を通したイオン注入によって、少なくとも1つの露出領域に則して垂直に前記ドナー基板(1)に局在化される脆化面(7)を形成するステップであって、前記脆化面(7)は、前記ドナー基板の厚さにおいて、それぞれの表面領域(8)を境界決めする、ステップと、
各それぞれの脆化面(7)に則して垂直に局在化される前記ドナー基板の前記自由表面(3)に対して隆起されるブロック(9)を形成するステップであって、前記ブロックは、前記それぞれの表面領域(8)を含む、ステップと、
前記マスク(2)の除去後に、前記ブロック(9)が前記ドナー基板(1)と前記レシーバ基板(20)との間の結合境界を形成するように前記ブロック(9)を介して前記ドナー基板(1)を前記レシーバ基板(20)に結合するステップと、
各それぞれのブロック(9)を前記レシーバ基板(20)に転移する目的で、各局在化された脆化面(7)に沿って前記ドナー基板(1)を剥離するステップと、
を含む、処理。
【請求項2】
前記マスク(2)を配置する前記ステップ、イオン注入の前記ステップ、及び各ブロック(9)を形成する前記ステップは、第1のパターンと呼ばれる、先行するパターン(10a)に対してオフセットされる第2のパターン(10b)を少なくとも形成する目的で、同じドナー基板(1)に1回又は複数回繰り返され、
前記マスク(2)を除去する前記ステップ、結合する前記ステップ、及び剥離する前記ステップは、前記ドナー基板(1)から、同じレシーバ基板(20)又は異なったレシーバ基板に、各ブロック(9)を転移する目的で、繰り返される、請求項1に記載の処理。
【請求項3】
前記第2のパターン(10b)を形成するために、前記マスク(2)は、既に転移された各ブロック(9)によって前記ドナー基板(1)の厚さに残された凹部(12)をカバーするように配置される、請求項2に記載の処理。
【請求項4】
前記マスク(2)を配置する前記ステップ、イオン注入の前記ステップ、及び各ブロック(9)を形成する前記ステップは、第2のパターン(10b)を少なくとも形成する目的で、少なくとも第2のドナー基板に1回又は複数回繰り返され、
前記マスク(2)を除去する前記ステップ、結合する前記ステップ、及び剥離する前記ステップは、前記第2のドナー基板から、同じレシーバ基板(20)又は異なったレシーバ基板に、各ブロック(9)を転移する目的で、繰り返される、請求項1に記載の処理。
【請求項5】
前記ブロック(9)を形成する前記ステップが、イオン注入の効果の下で前記ドナー基板の前記自由表面(3)から前記ドナー基板(1)の材料を膨張させるステップを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の処理
【請求項6】
前記ブロック(9)を形成する前記ステップが、前記開口を通して前記ドナー基板の前記自由表面に追加の層を堆積させるステップを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の処理
【請求項7】
前記追加の層を堆積させる前記ステップが、200度~250度の間の温度で、イオン注入後に実行される、請求項6に記載の処理。
【請求項8】
前記転移されたブロックの前記露出する表面を平坦に作製すること及びその粗さを減少させることを目的とする表面処理を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の処理。
【請求項9】
前記ブロック(9)を介して前記ドナー基板(1)前記レシーバ基板(20)に結合する前記ステップが、前記ドナー基板(1)及び前記レシーバ基板(20)を熱的にアニーリングすることを伴う、請求項1~8のいずれか一項に記載の処理。
【請求項10】
前記ドナー基板(1)を剥離する前記ステップが、前記ドナー基板(1)を前記レシーバ基板(20)から分離することを目的として、機械的応力を適用することによって熱的又は機械的に開始される、請求項1~9のいずれか一項に記載の処理。
【請求項11】
前記ドナー基板(1)の前記自由表面を、前記自由表面を平坦に作製すること及びその粗さを減少させることを目的として、処置することによって、前記ブロック(9)の転移後に前記ドナー基板(1)を再生利用するステップを更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の処理。
【請求項12】
前記レシーバ基板(20)が、シリコンで作製され、前記ドナー基板(1)の前記ブロックが、III-V族半導体材料で作製される、請求項1~11のいずれか一項に記載の処理。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、「ドナー基板」と呼ばれる第1の基板から「レシーバ基板」と呼ばれる第2の基板にブロックを転移するための処理に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の分野では、半導体構造の設計は、ブロックが、電子部品の生産用に意図された薄層の部分の形式で、キャリア基板又はレシーバ基板に転移されることを必要とすることがある。
【0003】
このタイプの処理は、一般にタイリング処理と呼ばれ、キャリア基板に所与のパターンを形成するために層を部分的に転移することを伴う。換言すると、キャリア基板は、一般に薄層である前記層(ブロック又はタイル)の部分によりタイリング(又はカバー)される。
【0004】
薄層は、バルク結晶材料(半導体などの)又は機能構造(エピタキシャル層、受動素子等々)を含む層で作製できる。現在の例示的な用途は、シリコンフォトニクスプラットフォームにレーザデバイスを組み込むように構成されるIII-V族材料のブロックを備えた事前処理済みのシリコン基板をカバーする用途である。
【0005】
幾つかの技術は、キャリア基板をタイリングするのに利用可能である。
【0006】
第1の技術は、局在化エピタキシの技術であり、キャリア基板のエピタキシャル成長を介してタイリング構造を局所形成することに存する。これが可能にするのは、薄層や複雑な構造でさえも獲得することである。
【0007】
この技術の主要な制限は、エピタキシャル構造の結晶品質にあり、それは、エピタキシャル材料の格子定数がキャリア基板の格子定数と異なる場合に、実際には比較的低い。別の制限は、比較的高いエピタキシ温度に関し、それは、キャリア基板に既に存在するどんな電子デバイスも損傷させることがある。
【0008】
第2の技術は、キャリア基板にタイリング層を転移するそれであり、後にタイリング層を局所的にエッチングする動作が続く。転移動作は、スマートカット(Smart Cut)(商標)処理に従って実施されることがあり、脆化ゾーンを形成する目的でタイリング層の中にイオンを注入して後に続くタイリング層の一部を剥離する動作によるか、或いは、結合して後に続く結合境界とは反対の面からタイリング層を薄肉化する動作による。
【0009】
この技術は、2つの主要な欠点を有し、第1に、ドナー基板は、キャリア基板と同じサイズでなければならず、第2に、この技術は、大量のドナー基板が犠牲になることを必要とし、それは価値が高いときに問題であり、例えば、それが、III窒化物(例えば、インジウムガリウム窒化物(InGaN)などのIII-V族半導体材料、III砒化物(例えば、インジウムガリウム砒化物(InGaAs))、及び、III燐化物(例えば、インジウムガリウム燐化物(InGaP))で作製されるときである。
【0010】
第3の技術は、「ダイ-トゥ-ウエハ」技術として知られ、ドナー基板からレシーバ基板に、「ダイス」として知られる有用な材料の部分を転移することに基づく。この技術によれば、ドナー基板は、ダイスに切り分けられ、次いで、各ダイは、ロボットを使用してキャリア基板の表面に配置される。この技術をスマートカット処理と組み合わせることが可能にするのは、特に、レシーバ基板に材料の薄層を堆積させることである。
【0011】
この技術は、特に、ドナー基板及びレシーバ基板が異なったサイズを有することがあるという点で、最も汎用性が高いが、極端に遅く、非常に高い生産コストを必然的に伴う。
【0012】
別の技術も存在し、「マイクロ-トランスファ-プリンティング」として知られている。
【0013】
ポリジメチルシロキサン(PDMS)で作製されたスタンプを使用して、電子チップのグループは、ドナー基板から持ち上げられ、次いでレシーバ基板に転移される。スタンプのトポロジが可能にするのは、各動作でのチップの選定だけを拾得することであり、チップは、スタンプの隆起部分に追従する分配で分配されることである。より具体的には、スタンプは、複数のブロック列を含み、個々は、転移されるべきチップを剥離可能に受領するように意図される。第1のチップグループを転移する第1の動作の後、第2のチップグループは、同じスタンプを同じドナー基板に適用することによって転移できるが、スタンプは、別のチップグループに、第1のものに対してオフセットして配置される。チップは、チップやパターンのアンダーエッチングと機械式剥離とを組み合わせた動作を用いて、ドナー基板から持ち上げられる。
【0014】
しかしながら、剥離動作は、ドナー基板の表面の劣化と転移された電子チップの劣化をもたらすことがあり、おそらくそれらの動作を危うくする。追加として、この技術は、犠牲にされるべきドナー基板を大量に必要とし、それは価値が高いときに問題である。その上、スタンプのブロックは、所与の固定パターンで編成され、従って、レシーバ基板に転移されるチップは、スタンプの構造に従って必然的に編成され、作り出されるべきパターンに関してほんの少しの自由しか提供しない。
【発明の概要】
【0015】
本発明の1つの目的は、上述の欠点が克服されることを可能にする、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を提供することである。
【0016】
特に、本発明は、薄層の転移と両立でき、高価値のドナー基板の使用と両立でき、ドナー基板の寸法と、特にレシーバ基板よりも小さな直径のドナー基板の使用とに関してより多くの自由を可能にする処理を提供することを特に目的としている。
【0017】
本発明の別の目的は、高価値のドナー基板のケースにおいて特に非常に有利である、ドナー基板が再生利用(recycle)及び再使用(reuse)されることを可能にすることである。
【0018】
この目的のために、本発明は、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理であって、
ドナー基板の自由表面に対面するマスクを配置するステップであって、マスクは、ドナー基板の自由表面を露出させる1つ又は複数の開口を有し、これらは、ドナー基板の自由表面の少なくとも1つの露出領域と、マスクによってカバーされる少なくとも1つの領域と、を形成するように、所与のパターンに従って分配される、ステップと、
マスクを通したイオン注入によって、少なくとも1つの露出領域に則して垂直にドナー基板に局在化される脆化面を形成するステップであって、前記脆化面は、ドナー基板の厚さにおいてそれぞれの表面領域を境界決めする、ステップと、
各それぞれの脆化面に則して垂直に局在化されるドナー基板の自由表面に対して隆起されるブロックを形成するステップであって、前記ブロックは、それぞれの表面領域を含む、ステップと、
マスクの除去後に結合境界に配置される各ブロックを介してドナー基板をレシーバ基板に結合するステップと、
各それぞれのブロックをレシーバ基板に転移する目的で、各局在化された脆化面に沿ってドナー基板を剥離するステップと
を含む処理を提供する。
【0019】
本明細書では、用語「則して垂直に」は、基板の厚さの方向、即ち、基板の主平面に垂直な方向において他領域に対面して配置される領域を指す。用語「則して垂直に局在化され」は、他方領域の範囲によって基板の主平面に平行な方向において境界決めされる領域を意味し、換言すると、他領域に則して垂直に局在化される領域は、基板の主平面に平行な方向においてこの他方領域を越えて延びない。
【0020】
斯くして、特に、本処理では、各ブロックは、それぞれの脆化面によってドナー基板の主平面に平行な方向において境界決めされることによってドナー基板で単体化される。これは、レシーバ基板への各ブロックの局在化転移を可能にする。
【0021】
他の態様によれば、本提案された処理は、次に続く様々な特徴を有し、それらは単独又は技術的に実行可能なそれらの組合せで実行でき、
本処理によれば、
マスクを配置するステップ、イオン注入のステップ、及び各ブロックを形成するステップは、第1のパターンと呼ばれる、先行するパターンに対してオフセットされる第2のパターンを少なくとも形成する目的で、同じドナー基板に1回又は複数回繰り返され、
マスクを除去するステップ、結合するステップ、及び剥離するステップは、ドナー基板から、同じレシーバ基板又は異なったレシーバ基板に、各ブロックを転移する目的で、繰り返され、
第2のパターンを形成するために、マスクは、既に転移された各ブロックによってドナー基板の厚さに残された凹部をカバーするように配置され、
本処理によれば、
マスクを配置するステップ、イオン注入のステップ、及び各ブロックを形成するステップは、第2のパターンを少なくとも形成する目的で、少なくとも第2のドナー基板に1回又は複数回繰り返され、
マスクを除去するステップ、結合するステップ、及び剥離するステップは、第2のドナー基板から、同じレシーバ基板又は異なったレシーバ基板に、各ブロックを転移する目的で、繰り返され、
各ブロックを形成する動作は、イオン注入の効果の下でドナー基板の自由表面からドナー基板の材料を膨張させる動作を含み、
各ブロックを形成する動作は、それぞれの開口を通してドナー基板の自由表面に追加の層を堆積させる動作を含み、
追加の層を堆積させる動作は、200度~250度の間の温度で、イオン注入後に実行され、
本処理は、転移されたブロックの露出する表面を平坦に作製すること及びその粗さを減少させることを目的とする表面処理を更に含み、
ブロックを結合する動作は、ドナー基板及びレシーバ基板を熱的にアニーリングする動作を伴い、
ドナー基板を剥離する動作は、ドナー基板をレシーバ基板から分離することを目的として、機械的応力を適用することによって熱的又は機械的に開始され、
本処理は、前記ドナー基板の自由表面を、それを平坦に作製すること及びその粗さを減少させることを目的として、処置することによってブロックの転移後にドナー基板を再生利用するステップを更に含み、
レシーバ基板は、シリコンで作製され、ドナー基板のブロックは、III-V族半導体材料で作製される。
【0022】
本発明の他の利点及び特徴は、以下の添付の図面を参照して、例示的且つ非限定的な例を介して与えられる以下の説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】1つの実施形態による、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を例証する図である。
図1B】1つの実施形態による、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を例証する図である。
図1C】1つの実施形態による、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を例証する図である。
図1D】1つの実施形態による、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を例証する図である。
図1E】1つの実施形態による、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を例証する図である。
図1F】1つの実施形態による、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を例証する図である。
図1G】1つの実施形態による、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を例証する図である。
図1H】1つの実施形態による、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を例証する図である。
図1I】1つの実施形態による、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を例証する図である。
図1J】1つの実施形態による、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理を例証する図である。
図2A】ドナー基板の再使用を例証する図である。
図2B】ドナー基板の再使用を例証する図である。
図2C】ドナー基板の再使用を例証する図である。
図2D】ドナー基板の再使用を例証する図である。
図2E】ドナー基板の再使用を例証する図である。
図3】上から見た、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移する第1の動作を例証する図である。
図4】上から見た、図3からのドナー基板を再使用しながらブロックを別のレシーバ基板に転移する第2の動作を例証する図である。
図5】ドナー基板の再生利用を例証する図である。
図6】レシーバ基板よりも直径が小さいドナー基板のケースにおける、異なったパターンに従って配置されたブロックを転移する動作を例証する図である。
図7】レシーバ基板よりも直径が小さいドナー基板のケースにおける、異なったパターンに従って配置されたブロックを転移する動作を例証する図である。
図8】レシーバ基板よりも直径が小さいドナー基板のケースにおける、異なったパターンに従って配置されたブロックを転移する動作を例証する図である。
図9】レシーバ基板よりも直径が小さいドナー基板のケースにおける、異なったパターンに従って配置されたブロックを転移する動作を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、ドナー基板からレシーバ基板にブロックを転移するための処理に関する。この処理は、半導体構造が、レシーバ基板に1つ又は複数のブロックを転移することによって製作されるのを可能にする。レシーバ基板は、シリコンで作製されるのが好ましい。
【0025】
ブロックは、ドナー基板の薄層の複数の部分の形式を採り、それらの全ては、レシーバ基板に転移され、それらの上には、電子部品が製作されてもよく、或いは、それらの中には、受動又は能動の電子部品が既に形成されている。具体的には、薄層は、バルク結晶材料(半導体などの)や機能構造(エピタキシャル層、エピタキシャル層の積重ね、受動又は能動素子等々)を包含する層で作製できる。ブロックは、レシーバ基板に所与のパターンを形成する。ブロックは、例えば、III-V族半導体材料で作製できる。
【0026】
前記薄層の一部に加えて、ブロックは、レシーバ基板への転移前のドナー基板の薄層の前記部分での堆積によるか又はエピタキシによって形成される追加の層を含むこともある。
【0027】
一般的に言って、転移処理は、ドナー基板がレシーバ基板に結合されるときにドナー基板の表面の残部に対して隆起されるブロックに基づく。斯くして、ドナー基板及びレシーバ基板間の密着は、ブロックにおいてだけ起こる。約10nmという高さの相対的増加は、この目的のために十分であると考えられる。
【0028】
下で更に詳細に説明されるであろうように、この高さの相対的増加を作り出すために様々な手段が存在する。特に、この高さの相対的増加は、ドナー基板の薄層の部分の厚さを増加させることによって(前記層の材料を膨張させることによって及び/又はブロックを形成するのを意図された各部分の追加の層の局所的な堆積若しくはエピタキシによって)、及び/又は、ブロックまわりのドナー基板の表面ゾーンを除去することによって、作り出すことができる。
【0029】
転移処理の1つの実施形態は、図1A図1Jに例証される。図1Aを参照すると、基板1は、ドナー基板と呼ばれ、最初に設けられ、転移されるべきブロックが形成されることになる。マスク2は、配置されてドナー基板の自由表面3に対面する。
【0030】
図1Bに例証された第1の実施形態によれば、マスク2は、例えば、マスクを堆積させることによって、ドナー基板の自由表面3に接触して配置される。マスク2は、例えば、酸化物や窒化物に基づく樹脂や固体マスクにすることがある。
【0031】
マスク2は、ドナー基板の自由表面3を露出させる1つ又は複数の開口4を有する。開口4は、形成されるべきブロックのパターン10に対応する所与のパターンに従って分配される。このステップは、斯くしてパターンの形成を参照する「パターン化」として知られている。
【0032】
マスクによってカバーされる1つ又は複数の領域5は、斯くして形成され、これらの領域は、ドナー基板の自由表面3が露出される非カバー領域に対応する開口4によって境界決めされる。
【0033】
このパターンを形成するステップは、上で説明されたそれら以外の手段によって、例えば、リソグラフィや印刷によって、実行できる。
【0034】
代替として、図1Iに例証された第2の実施形態によれば、マスク2は、ドナー基板に固着されていない固体マスクである。マスクは、パターン10を形成するように構成され、それは、例えば、イオン注入マスクにすることができる。この実施形態によれば、マスク2は、ドナー基板の自由表面3から所与の距離、離して配置される。この第2の実施形態が有利なのは、ドナー基板の自由表面との相互作用を防止しようと探求するときであり、その目的は、それの物理的及び/又は化学的な特性を改変しないようにすることである。追加として、この実施形態は、本発明に従って、ドナー基板にマスクを配置するステップを省略することによって、処理を単純化する。
【0035】
図1C及び1Dは、その後の処理のステップを例証しており、マスク2が示され、ドナー基板の自由表面に接触して配置される。しかしながら、これらのステップは、ドナー基板の自由表面から或る距離にマスクを配置することによって実行できる。
【0036】
図1Cを参照すると、基板の自由表面3は、次いでマスク2を通してイオン種6のビームに露出される。
【0037】
イオン種は、開口4を介してドナー基板1に貫通し、注入パラメータによって決定された深さでドナー基板の根底領域に注入される。イオン種は、破線によって図1Cに描かれたドナー基板の局在化された脆化面7を形成する。各脆化面7は、配置されてマスクのそれぞれの開口4に対面し、また、自由表面3を用いて、基板の厚さにおいて表面領域8を境界決めする。
【0038】
それらのイオン種は、マスク2に遭遇して、前記マスクによってブロックされ、ドナー基板1に貫通しない。
【0039】
注入されたイオン種は、水素イオン及び/又はヘリウムイオンであることが好ましい。当業者は、注入パラメータ、特に、イオン種の性質、種の用量及びエネルギを決定でき、その目的は、ドナー基板に所望の深さでイオン種を注入することである。
【0040】
追加として、各表面領域8は、前記表面3に対して増加済み高さのそれぞれのブロック9を形成するように、ドナー基板の自由表面3に対して隆起する。
【0041】
第1の実施形態(図示せず)によれば、ブロック9を形成する動作は、別個のステップで、イオン注入の前に実行される。換言すると、表面領域8は、隆起され、次いで、隆起した表面領域8は、イオン注入に晒される。
【0042】
これを行うために、可能であるのは、例えば、マスクのそれぞれの開口4を通して、各表面領域の自由表面に追加の層を堆積させることである。追加の層は、ドナー基板の変質を回避するのに適した温度で堆積される。追加の層の堆積の温度は、ドナー基板の材料や、転移されるべきブロックの材料にも依存する。
【0043】
追加の層の材料は、ブロックがレシーバ基板に結合されるのを可能にするように選ばれる。斯くして、追加の層の材料は、好ましくは、SiO2、Si3N4、金属、又はアモルファスシリコンから選ばれた結合材料である。
【0044】
代替として、可能であるのは、ブロックを形成する目的で表面領域8からエピタキシを実行することである。
【0045】
図1Dに例証された第2の実施形態によれば、ブロック9を形成する動作は、別個のステップで、イオン注入の後に実行される。換言すると、表面領域8は、既にイオン注入を受けており、隆起される。
【0046】
これを行うために、可能であるのは、例えば、マスクのそれぞれの開口4を通して、各表面領域の自由表面に追加の層を堆積させることである。追加の層は、注入済みイオンの成熟温度よりも低い温度、即ち、250度よりも低い温度、好ましくは、200度~250度の間で堆積される。追加の層の堆積の温度は、ドナー基板の材料や、転移されるべきブロックの材料にも依存する。
【0047】
代替として、可能であるのは、ブロックを形成する目的で表面領域8からエピタキシを実行することである。
【0048】
これらの2つの実施形態では、各ブロックは、表面領域8及び追加の層で構成される。追加として、マスクが堆積されるとき、それは、注入に関して及び堆積/エピタキシに関して、マスク機能を実行する材料から有利に選ばれる。斯くして、単一のマスクは、ブロックを形成するのに十分であり、処理におけるステップ数を最少化し、1より多くのマスクを使用するときに遭遇する可能性のあるアライメント欠陥を回避する。
【0049】
図1Jに例証された第3の実施形態によれば、ブロック9を形成する動作は、イオン注入に付随して実行される。換言すると、各隆起ブロックは、イオン注入の効果の下でドナー基板1の材料を前記ドナー基板の自由表面3から膨張させることによって形成される。具体的には、知られているのは、例えば、シリコンのイオン注入が、一般に材料の膨張を、延いては、注入表面の高さの増加を、もたらすことである。この膨張は、数ナノメートル、或いは、数十ナノメートルに達することがある。膨張に起因する注入表面の高さの増加は、注入条件に、特に、注入された種、用量、及び注入エネルギに依存する。
【0050】
第4の実施形態によれば、可能であるのは、ドナー基板に既に堆積されたマスクだけでなく、ドナー基板の表面領域も、高さの所望の増加に対応する厚さだけ、エッチングすることによって間接的に表面領域を隆起させることである。
【0051】
第1の例は、第1のマスクと呼ばれる既に配置されたマスクの上部に第2のマスクを配置することに存する。第2のマスクは、第1のマスクと相補的であり、即ち、第2のマスクは、第1のマスクによって境界決めされた開口をカバーするが、第1のマスクによってカバーされた領域をカバーしない。次に、第1のマスクは、第1のマスクによってカバーされた前記領域で、ドナー基板の表面領域と共に、エッチングされる。第2の例は、マスクの開口に犠牲材料の層を堆積させること、次いでマスクを選択的にエッチングして犠牲材料がブロック形成目的の領域を保護することに存する。エッチングは、犠牲材料の層を境界決めするドナー基板の厚さに空洞を形成する目的で、マスクで既にカバーされた領域の、ドナー基板の厚さ内に継続される。次に、犠牲材料は、ブロックの表面を露出させるために除去され、それは次いでドナー基板のエッチングされた表面に対して隆起される。
【0052】
先行する実施形態の全て又は幾つかは、組合せできる。
【0053】
例えば、可能であるのは、各表面領域の自由表面に追加の層を堆積させ、次いで、表面領域8を形成するために追加の層を介してイオン注入を実行し、表面領域8を隆起させることであり、その目的は、隆起ブロック9を形成することである。
【0054】
別の例によれば、可能であるのは、ブロック9を付随して形成するためにイオン注入を実行すること、次いで、イオン注入後に更にブロック9を隆起させることである。
【0055】
マスク2の除去後に、得られるものは、ドナー基板1であり、ブロック9は、それの自由表面に対して隆起され(場合によっては、エッチングによる創設や結果)、1つ又は複数のレシーバ基板20にこれらのブロック9の全て又は幾つかを転移するために使用される。ブロック転移処理の1つの実施形態は、図1F図1G及び図1Hに例証されている。
【0056】
図1Fを参照すると、ドナー基板1は、レシーバ基板20に結合される。
【0057】
ドナー基板1及びレシーバ基板20は、先ず配置されて相互に対面する。結合は、ブロック9を介して実行され、結合境界を形成する。より具体的には、結合は、ブロック9だけに生起する。マスク2によって既にカバーされたドナー基板1の自由表面の領域6は、レシーバ基板20から離れて留まる。
【0058】
ドナー基板1は、次いで、図1Gに例証されたように、脆化面7に沿って剥離される。破砕は、開始され、次いで、定義上は基板のより弱いゾーンである脆化面の部位で伝播する。ドナー基板1のブロック9は、斯くしてレシーバ基板20に転移される。破砕は、所与の温度まで基板の組立体を加熱することによって自然発生的にトリガされることがある、及び/又は、それはドナー基板に機械的応力を適用することによってトリガされることがある。
【0059】
ドナー基板1が脆化面7の部位で破砕されると仮定すると、ブロック9の表面領域8の自由表面3は、ブロック9に関連してレシーバ基板20に対向し、高い程度の粗さを一般に提示する。各転移表面領域の前記自由表面は、従って、それを平滑化してその粗さを低下させる目的で、例えば、化学的機械研磨(CMP)或いは化学及び/又は熱処理によって、好ましくは処置される。
【0060】
得られたレシーバ基板20は、図1Hに示される。それは、表面領域8を含むブロック9を含み、それの自由表面3は、好ましくは処置される。
【0061】
本発明の処理が可能にするのは、結合ステップ及び剥離ステップの完了後に、処理の単一の反復で、ドナー基板1からレシーバ基板20に、パターン10の構成成分ブロック9の全ての転移であり、それは公知の処理に関してこのように製作される半導体構造のための製造時間、延いては、製造コストを低下させる。
【0062】
本発明の処理の1つの利点は、1回だけではなく、同じドナー基板を使用する可能性にあり、それを再生利用する必要性を伴わない。
【0063】
ドナー基板の再使用と再生利用は、2つの異なった態様であり、ここに下で説明されるであろう。
【0064】
ドナー基板1の再使用は、上で説明されたステップの1つ又は複数の追加の反復で構成される。換言すると、マスク2を堆積するステップ及び各ブロックを形成するステップは、処理の第1の反復で使用されなかったドナー基板の領域において、同じドナー基板に1回又は複数回繰り返され、その目的は、第1のパターン10aと呼ばれる先行するパターンに対してオフセットされる第2のパターン10bを少なくとも形成することである(図3及び4参照)。マスク2を除去するステップ、結合するステップ、及び、剥離するステップは、同じく繰り返され、その目的は、ドナー基板1から、同じレシーバ基板20又は異なったレシーバ基板に、各ブロック9aを転移することである。
【0065】
図1Gのレシーバ基板20から剥離された後に得られたドナー基板1の再使用を例証する1つの実施形態は、図2A図2Eに概略示される。
【0066】
再使用されるべきドナー基板1は、図2Aに例証される。マスク2は、配置されてドナー基板の自由表面3に対面する。
【0067】
マスク2は、ドナー基板の自由表面を露出させる1つ又は複数の開口4を有する。開口4は、前記ドナー基板に形成されるであろうブロックパターンに対応する所与の第2のパターン10bに従って分配される。この第2のパターン10bは、処理の第1の反復で既に形成された第1のパターン10aに対してドナー基板の自由表面3の面でオフセットされる。
【0068】
マスク2は、マスクがドナー基板の自由表面3に接触して配置される上で説明された第1の実施形態に従って、或いは、マスクがドナー基板の自由表面から所与の距離、離して配置される上で説明された第2の実施形態に従って、配置できる。
【0069】
どちらの実施形態がマスクを配置するために使用されても、マスク2は、図2Bに例証されたように既に転移された各ブロック9bによってドナー基板1の厚さに残された凹部12をカバーするように好ましくは配置される。
【0070】
図2Cを参照すると、マスク2が堆積されたドナー基板の自由表面3は、次いでイオン種のビームに露出される。脆化面7は、斯くして、破線によって図2Cに概略描かれたドナー基板に形成される。各脆化面7は、配置されてマスクのそれぞれの開口4に対面し、表面領域8を、基板の自由表面を用いて、境界決めする。
【0071】
各表面領域8は、第2のパターン10bに従って配置された前記表面3に対して高さの増加した1つ又は複数のブロック9bを形成するように、ドナー基板の自由表面3に対して隆起される。
【0072】
高さの増加は、1つの実施形態又は上で説明された実施形態の組合せに好ましくは従って第1のパターンに類似の方法で達成される。
【0073】
いったんブロック9bが形成されると、そのとき得られるものは、図2Dに例証されたドナー基板1であり、マスク及び第2のブロックパターン10bによってカバーされる領域5を含む。
【0074】
マスク2の除去後に、図2Eに例証されたドナー基板1は、処理の第1の反復でのように同じレシーバ基板20に、或いは、異なったレシーバ基板に、第2のブロックパターン10bを転移するために使用される。
【0075】
図3及び図4は、複数のブロックパターンを異なったレシーバ基板に転移するために全く同じドナー基板を再使用することを例証する。
【0076】
図3を参照すると、第1のブロックパターン10aは、ドナー基板1上に形成され、そのとき前記ブロックパターン10aは、ブロック9aをレシーバ基板20の自由表面3に結合すること及び次いでドナー基板を剥離することによって、レシーバ基板20に転移される。得られるものは、転移されたブロック9aのパターンを備えたレシーバ基板20と、前記ドナー基板の自由表面からそれの厚さ内に延びる転移されたブロック9aからの凹部12aを備えたドナー基板1と、である。
【0077】
図4を参照すると、単に一例として、同じドナー基板1は、基板の自由表面に垂直な軸線に対して180度それを旋回させることによって再使用され、第2のブロックパターン10bは、その中に形成される。第2のブロックパターン10bは、第1のパターン10aに対して基板の自由表面3の面でオフセットされ、第1のパターンに類似して形成される。第2のブロックパターン10bは、ブロック9bをレシーバ基板の自由表面に結合すること及び次いでドナー基板を剥離することによって、先行するそれとは異なったレシーバ基板20に転移される。得られるものは、第2の転移されたブロックパターン10bを備えたレシーバ基板20と、前記ドナー基板の自由表面からそれの厚さ内に延びる転移された第1のブロックパターン10a及び第2のブロックパターン10bからの凹部12bを備えたドナー基板1と、である。
【0078】
図4の実施形態は、複数の連続した転移動作のために、1回だけでなく、同じドナー基板を再使用する可能性を例証しており、それの再生利用の強制を伴わない。
【0079】
別の実施形態によれば、パターン10bは、レシーバ基板20に転移されることがあり、それはパターン10a、即ち、パターン10bと干渉しない別のパターンを既に含む。
【0080】
ドナー基板1の再生利用は、ブロックパターンの転移のために既に使用されたドナー基板の自由表面3を処置することに存し、その目的は、レシーバ基板20に転移される前にブロック9を含んだ損傷領域を除去することである。ドナー基板の自由表面は、実質上平坦に作製され、再生利用前の自由表面の状態に関して減少した粗さを提示する。このように、本発明の転移処理で使用される前にドナー基板の表面状態がどのようであったかと比較できるドナー基板の表面状態が再現される。
【0081】
再生利用は、廃物を制限することによってドナー基板全体を最大利用することを可能にし、ドナー基板が高価値であるとき、例えば、III-V族半導体材料で作製されるとき、特に非常に有利である。
【0082】
再生利用は、可能であり有利であり、その理由は、イオン注入及び剥離が、基板の厚さにおいて材料の小さい層だけを消費するからである。
【0083】
ドナー基板の再生利用に適している表面処理は、化学的機械研磨/平坦化(CMP)である。
【0084】
図1Gのレシーバ基板から剥離された後に得られるドナー基板の再生利用を例証する1つの実施形態は、図5A図5B及び図5Cに概略示される。
【0085】
再生利用されるべきドナー基板1は、図5Aに例証される。図5Bを参照すると、平滑化デバイス30の平坦表面31は、次いでドナー基板の損傷した自由表面3に適用され、その後にデバイスは、基板の面に垂直な軸線に関して回転され、その目的は、前記自由表面を平滑化することである。平滑化の後に得られるドナー基板1は、図5Cに示される。
【0086】
勿論、再生利用及び再使用は、本発明に従って転移処理の幾つかの反復を実行する目的で組み合わせることができる。例えば、ドナー基板は、幾つかのブロックパターンを転移するために幾つかの再使用の後で再生利用できる。前記基板は、その後に処理の1つ又は複数の他の反復のために再使用され、次いで、再び再生利用できる。
【0087】
図6図9は、本発明に従った転移処理の幾つかの反復におけるブロックの転移を例証する。4つの明確なパターン10a、10b、10c及び10dは、全く同一のレシーバ基板への各転移のために異なったドナー基板を使用することによって転移される。ドナー基板1a、1b、1c及び1dは、全てが実質上同じ直径を有し、それはレシーバ基板20の直径よりも小さい。
【0088】
ドナー基板の直径がレシーバ基板の直径よりも小さいという理由で、それはブロックの全てが、各ドナー基板から、単一の転移で、レシーバ基板の自由領域の所与の領域に、転移されるのを可能にする。従って、可能になるのは、本発明の処理の幾つかの連続的な反復によって転移される複数のブロックパターンを組み立てることによって、最終のブロックパターンを構築することである。
【0089】
別の実施形態によれば、本方法が同じく可能にするのは、異なった性質の又は異なった機能性を備えたブロックをレシーバ基板に転移するように、異なった基板からブロックを転移することである。
【0090】
図6を参照すると、第1のブロックパターン10aは、第1のドナー基板1aに形成され、次いで、前記ブロックパターンは、レシーバ基板の自由表面の所与の第1の領域に転移される。結合時に、ドナー基板1aは、配置されてレシーバ基板20に対面し、従って、ブロック9aの全ては、レシーバ基板の自由表面3と接触するようになり、前記レシーバ基板に転移される。図6では、ドナー基板1aは、レシーバ基板20の周囲を非常に僅かに越えて延びる。
【0091】
いったん転移が完了されると、レシーバ基板の自由表面は、第1の転移されたブロックパターン10aによって第1の領域において部分的にカバーされる。
【0092】
図7を参照すると、第2のブロックパターン10bは、第2のドナー基板1bに形成され、次いで、この第2のブロックパターン10bは、同じレシーバ基板20の自由表面の所与の第2の領域に転移される。レシーバ基板に転移される第2のパターン10bは、第1のパターン10aを補完し、従って、第2のパターン10aのブロック9aの行及び列は、第1のパターン10bの行及び列をそれぞれ少なくとも部分的に補完する。図7では、ドナー基板1bは、レシーバ基板20の周囲を僅かに越えて延びる。
【0093】
図8を参照すると、第3のブロックパターン10cは、第3のドナー基板1cに形成され、次いで、この第3のブロックパターン10cは、同じレシーバ基板20の自由表面の所与の第3の領域に転移される。レシーバ基板に転移される第3のパターン10cは、第1のパターン10a及び第2のパターン10bを補完し、従って、第3のパターン10cのブロックの行及び列は、第1のパターン10a及び第2のパターン10bの行及び列をそれぞれ少なくとも部分的に補完する。図8では、ドナー基板1cは、レシーバ基板20の周囲を越えて延びる。
【0094】
図9を参照すると、第4のブロックパターン10dは、第4のドナー基板1dに形成され、次いで、この第4のブロックパターン10dは、同じレシーバ基板20の自由表面の所与の第4の領域に転移される。レシーバ基板に転移される第4のパターン10dは、第1のパターン10a、第2のパターン10b及び第3のパターン10cを補完し、従って、第4のパターン10dのブロック9dの行及び列は、第1のパターン10a、第2のパターン10b及び第3のパターン10cの行及び列をそれぞれ少なくとも部分的に補完する。図9では、ドナー基板1dは、レシーバ基板20の周囲を越えて延びる。
【0095】
いったん4つの転移ステップが完了されると、形成されるものは、連続的に転移された4つのブロックパターン10a、10b、10c及び10dで構成されるレシーバ基板20の最終のブロックパターン11である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9