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特許7561259情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240926BHJP
   G06F 16/907 20190101ALI20240926BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06F16/907
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023199444
(22)【出願日】2023-11-24
【審査請求日】2024-05-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】味方 和樹
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】青木 幹雄
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-056839(JP,A)
【文献】特開2022-019408(JP,A)
【文献】特開2014-052748(JP,A)
【文献】特開2021-096724(JP,A)
【文献】特開2021-193501(JP,A)
【文献】特開2004-054379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/907
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供者から提供される複数の生物素材それぞれについて、生物素材の素材情報と、前記生物素材に対する成分分析により得られた成分情報と、前記成分情報に対応する機能とを取得し、
取得した前記素材情報、前記成分情報及び前記機能を関連付けて記憶し、
需要者から成分又は機能を受け付け、
記憶した複数の生物素材に係る前記素材情報、前記成分情報及び前記機能に基づいて、複数の生物素材のうち、受け付けた前記成分又は機能に対応する生物素材を特定し、
特定した生物素材に関する情報を前記需要者に出力し、
特定した前記生物素材に対するマッチングの希望条件であって、前記生物素材の提供者に提供するための希望条件を含むマッチング希望情報を前記需要者から受け付ける
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記提供者又は前記需要者から前記生物素材と需要者とのマッチングの希望を受け付け、
受け付けたマッチング希望に関する情報を前記生物素材の前記素材情報に関連付けて記憶する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記生物素材における前記成分情報及び前記機能を示すレポートを取得し、
取得した前記レポートを前記提供者又は前記需要者に出力する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記レポートにおける前記生物素材の全含有成分及び各成分の含有量の少なくとも一部を視認不可能にする
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記成分情報に基づいて、言語処理モデルを用いて前記レポートを生成する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記生物素材に対する成分分析の実施に応じた利用料を決定し、
決定した利用料を前記生物素材の提供者に関連付けて記憶する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記生物素材に関する提供可能量、提供可能時期又は価格の少なくとも1つを前記提供者から取得し、
取得した前記生物素材に関する提供可能量、提供可能時期又は価格の少なくとも1つを前記素材情報に関連付けて記憶する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記生物素材に関する情報を示す画面を通じて前記需要者から前記生物素材に対するマッチング希望を受け付ける
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記生物素材と前記需要者とのマッチングが成立した場合、前記生物素材の提供者又は前記需要者に対する利用料を決定する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記生物素材に関する情報を示す画面における前記生物素材の名称の少なくとも一部を視認不可能にする一方、前記生物素材に含まれる成分の含有量、提供可能量、提供可能時期及び価格の少なくとも1つを視認可能にする
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記需要者から受け付けた成分又は機能に対応する複数の前記生物素材を特定し、
特定した複数の前記生物素材を前記生物素材に関する情報を示す画面に一覧で表示させる
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記生物素材に関する情報は、前記生物素材の成分含有量、提供可能時期、供給可能量又は希望取引価格を含み、
前記成分含有量、提供可能時期、供給可能量又は希望取引価格に応じて前記画面に一覧で表示される複数の生物素材をソートする
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
一覧で表示された複数の前記生物素材のうちのいずれかの前記生物素材の選択を受け付け、
受け付けた前記生物素材の成分及び機能を含む詳細情報を前記需要者へ出力する
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記生物素材は、植物、キノコ、動物、微生物、農作物、水産物、畜産物、加工食品、発酵物、廃材、間伐材、食品廃棄物の少なくとも1つを含む
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項15】
提供者から提供される複数の生物素材それぞれについて、生物素材の素材情報と、前記生物素材に対する成分分析により得られた成分情報と、前記成分情報に対応する機能とを取得し、
取得した前記素材情報、前記成分情報及び前記機能を関連付けて記憶し、
需要者から成分又は機能を受け付け、
記憶した複数の生物素材に係る前記素材情報、前記成分情報及び前記機能に基づいて、複数の生物素材のうち、受け付けた前記成分又は機能に対応する生物素材を特定し、
特定した生物素材に関する情報を前記需要者に出力し、
特定した前記成分又は機能に対応する生物素材に対するマッチングの希望条件であって、前記生物素材の提供者に提供するための希望条件を含むマッチング希望情報を前記需要者から受け付ける
処理を実行する制御部を備える情報処理装置。
【請求項16】
提供者から提供される複数の生物素材それぞれについて、生物素材の素材情報と、前記生物素材に対する成分分析により得られた成分情報と、前記成分情報に対応する機能とを取得し、
取得した前記素材情報、前記成分情報及び前記機能を関連付けて記憶し、
需要者から成分又は機能を受け付け、
記憶した複数の生物素材に係る前記素材情報、前記成分情報及び前記機能に基づいて、複数の生物素材のうち、受け付けた前記成分又は機能に対応する生物素材を特定し、
特定した生物素材に関する情報を前記需要者に出力し、
特定した前記成分又は機能に対応する生物素材に対するマッチングの希望条件であって、前記生物素材の提供者に提供するための希望条件を含むマッチング希望情報を前記需要者から受け付ける
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項17】
生物素材に対する成分又は機能を受け付け、
受け付けた前記成分又は機能を出力し、
出力した前記成分又は機能に適合する複数の生物素材を一覧で示す一覧情報を取得し、
取得した前記一覧情報における複数の前記生物素材のうちのいずれかの前記生物素材の選択を受け付け、
選択された前記生物素材の成分及び機能を含む詳細情報を示す画面を表示し、
表示した前記詳細情報を示す画面を通じて前記生物素材に対するマッチングの希望条件であって、前記生物素材の提供者に提供するための希望条件を含むマッチング希望情報を受け付ける
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、取引対象物の提供者と需要者とを結びつけるシステムが提案されている。例えば特許文献1には、画像及び音声の出力ができる情報制御機器を商品棚近くに設置することにより、店頭において、野菜や果物等の生産者と購入者が相互にコミュニケーションをとることができる生鮮農産物直売システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-120106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、素材の探索に有用な情報を提供する点で更なる改善の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、素材の探索に有用な情報を提供することが可能な情報処理方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、提供者から提供される複数の生物素材それぞれについて、生物素材の素材情報と、前記生物素材に対する成分分析により得られた成分情報と、前記成分情報に対応する機能とを取得し、取得した前記素材情報、前記成分情報及び前記機能を関連付けて記憶し、需要者から成分又は機能を受け付け、記憶した複数の生物素材に係る前記素材情報、前記成分情報及び前記機能に基づいて、複数の生物素材のうち、受け付けた前記成分又は機能に対応する生物素材を特定し、特定した生物素材に関する情報を前記需要者に出力する処理をコンピュータが実行する。
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、提供者から提供される複数の生物素材それぞれについて、生物素材の素材情報と、前記生物素材に対する成分分析により得られた成分情報と、前記成分情報に対応する機能とを取得し、取得した前記素材情報、前記成分情報及び前記機能を関連付けて記憶し、需要者から成分又は機能を受け付け、記憶した複数の生物素材に係る前記素材情報、前記成分情報及び前記機能に基づいて、複数の生物素材のうち、受け付けた前記成分又は機能に対応する生物素材を特定し、特定した生物素材に関する情報を前記需要者に出力する処理を実行する制御部を備える。
【0008】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、提供者から提供される複数の生物素材それぞれについて、生物素材の素材情報と、前記生物素材に対する成分分析により得られた成分情報と、前記成分情報に対応する機能とを取得し、取得した前記素材情報、前記成分情報及び前記機能を関連付けて記憶し、需要者から成分又は機能を受け付け、記憶した複数の生物素材に係る前記素材情報、前記成分情報及び前記機能に基づいて、複数の生物素材のうち、受け付けた前記成分又は機能に対応する生物素材を特定し、特定した生物素材に関する情報を前記需要者に出力する処理をコンピュータに実行させる。
【0009】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、生物素材に対する成分又は機能を受け付け、受け付けた前記成分又は機能を出力し、出力した前記成分又は機能に適合する複数の生物素材を一覧で示す一覧情報を取得し、取得した前記一覧情報における複数の前記生物素材のうちのいずれかの前記生物素材の選択を受け付け、選択された前記生物素材の成分及び機能を含む詳細情報を示す画面を表示し、表示した前記詳細情報を示す画面を通じて前記生物素材に対するマッチング要求を受け付ける処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、素材の探索に有用な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】情報提供システムの概要図である。
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】提供者端末の構成を示すブロック図である。
図4】需要者端末の構成を示すブロック図である。
図5】ユーザDBに記憶される情報の内容例を示す図である。
図6】利用DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
図7】素材DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
図8】機能DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
図9】提供者端末に表示される分析依頼画面の一例を示す模式図である。
図10】提供者端末に表示されるレポート画面の一例を示す模式図である。
図11】提供者端末に表示される提供情報入力画面の一例を示す模式図である。
図12】需要者端末に表示される検索画面の一例を示す模式図である。
図13】需要者端末に表示される素材詳細画面の一例を示す模式図である。
図14】需要者端末に表示されるマッチング希望画面の一例を示す模式図である。
図15】情報提供システムが実行する成分情報の取得に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16】情報提供システムが実行する提供情報の取得に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17】情報提供システムが実行する生物素材に関する情報の提供処理手順の一例を示すフローチャートである。
図18】情報提供システムが実行するマッチング希望情報の取得に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図19】第2実施形態のレポート画面の一例を示す模式図である。
図20】第2実施形態の検索画面の一例を示す模式図である。
図21】第2実施形態の情報処理装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図22】第3実施形態の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図23】第3実施形態の情報提供システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、情報提供システム100の概要図である。情報提供システム100は、情報処理装置1を主たる装置として備える。情報処理装置1は、インターネット等のネットワークNを介し、提供者端末2及び需要者端末3と通信可能に接続されている。提供者端末2及び需要者端末3の数は1又は3以上であってもよい。
【0014】
情報処理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な装置であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、量子コンピュータ等である。情報処理装置1は、複数の生物素材に関する情報を収集し、収集した情報に基づいて、需要者の希望に応じた生物素材に関する情報を需要者へ提供するサービスを実現する。情報処理装置1はさらに、提供された情報に基づく生物素材と需要者とのマッチングを支援する。
【0015】
本システムの取り扱い対象となる生物素材としては、特に限定的ではないが、天然素材又は天然素材を用いた合成素材が挙げられる。生物素材としては、例えば植物、キノコ、動物、微生物、農作物、水産物、畜産物、加工食品、発酵物、廃材、間伐材、食品廃棄物等が挙げられる。
【0016】
提供者端末2は、生物素材を提供する提供者が用いる情報処理端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。提供者は、例えば、農作物の生産者、食品加工工場の管理者等であり、生産又は保有する生物素材の販売又は譲渡を希望する者である。本実施形態では複数の提供者がおり、複数の提供者それぞれが提供者端末2を所有しているものとする。
【0017】
需要者端末3は、生物素材に関する情報を受け取る需要者が用いる情報処理端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。需要者は、例えば、各種メーカーの開発担当者であり、特定の機能や成分を備える生物素材の発掘及び購入を希望する者である。本実施形態では複数の需要者がおり、複数の需要者それぞれが需要者端末3を所有しているものとする。
【0018】
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、制御部11、記憶部12、通信部13及び入出力部14を備える。情報処理装置1は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0019】
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を備える。制御部11は、内蔵するROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等のメモリ、クロック、カウンタ等を用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部11の機能部は、ソフトウェア的に実現してもよいし、一部又は全部を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現してもよい。
【0020】
記憶部12は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを備える。記憶部12は、情報処理装置1に接続された外部記憶装置であってもよい。記憶部12は、制御部11が参照する各種コンピュータプログラム及びデータを記憶する。記憶部12は、生物素材に関する情報の提供に関する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム1P、ユーザDB(Data Base)121、利用DB122、素材DB123、及び機能DB124を記憶している。
【0021】
プログラム1Pを含むコンピュータプログラム(プログラム製品)は、当該コンピュータプログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体1Aにより提供されてもよい。記憶部12は、不図示の読出装置によって記録媒体1Aから読み出されたコンピュータプログラムを記憶する。記録媒体1Aは、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等である。また、通信ネットワークに接続されている外部サーバからコンピュータプログラムをダウンロードし、記憶部12に記憶させてもよい。プログラム1Pは、単一のコンピュータプログラムでも複数のコンピュータプログラムにより構成されるものでもよく、また、単一のコンピュータ上で実行されても通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。
【0022】
通信部13は、ネットワークNを介した通信を実現する通信デバイスを備える。制御部11は、通信部13を介して提供者端末2及び需要者端末3との間でデータを送受信する。
【0023】
入出力部14は、有線又は無線により外部装置を接続する入出力インタフェースを備える。入出力部14には、分析装置4が接続されている。
【0024】
分析装置4は、提供者から提供された生物素材に対する成分分析を行う。成分分析は、例えばLC-MS(Liquid Chromatography-Mass Spectrometry)、GC-MS(Gas Chromatography-Mass Spectrometry)、CE-MS(Capillary Electrophoresis-Mass Spectrometry)、LC-UV/Vis(Liquid Chromatography-Ultraviolet-Visible Spectroscopy)、LC-FL(Liquid Chromatography-Fluorescence Spectroscopy)、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分光法等を適用して実施されてもよい。成分分析により、生物素材に含まれる成分(化合物)の種類及び含有量等が測定される。分析装置4は、分析により得られた含有成分のデータを情報処理装置1へ出力する。
【0025】
なお、情報処理装置1は、入出力部14を通じて成分情報を受け付ける構成に限らない。情報処理装置1は、分析装置4を通じて所定の記憶領域に記憶された成分情報にアクセスすることにより成分情報を取得してもよく、通信により分析装置4又は外部装置から送信される成分情報を受信してもよい。
【0026】
情報処理装置1の構成は上述の例に限定されず、例えばユーザの操作を受け付けるための操作部、画像を表示する表示部等を備えてもよい。
【0027】
図3は、提供者端末2の構成を示すブロック図である。提供者端末2は、制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24及び操作部25を備える。
【0028】
制御部21は、一又は複数のCPU、GPU等の演算処理装置を備える。制御部21は、内蔵するROM又はRAM等のメモリ、クロック、カウンタ等を用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部21の機能部は、ソフトウェア的に実現してもよいし、一部又は全部をハードウェア的に実現してもよい。
【0029】
記憶部22は、例えばフラッシュメモリ、SSD等の不揮発性メモリを備える。記憶部22は、制御部21が参照する各種コンピュータプログラム及びデータを記憶する。本実施形態の記憶部22は、生物素材に関する情報の登録に関する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム2Pを記憶している。プログラム2Pを含むコンピュータプログラム(コンピュータプログラム製品)は、当該コンピュータプログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体2Aにより提供されてもよい。
【0030】
通信部23は、ネットワークNを介した外部装置との通信を行う通信モジュールを備える。制御部21は、通信部23を介して情報処理装置1との間で各種情報を送受信する。
【0031】
表示部24は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ装置を備える。表示部24は、制御部21からの指示に従い、各種の情報を表示する。
【0032】
操作部25は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースである。操作部25は、例えばキーボード、マウス、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を備える。操作部25は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部21へ送出する。
【0033】
図4は、需要者端末3の構成を示すブロック図である。需要者端末3は、制御部31、記憶部32、通信部33、表示部34及び操作部35を備える。記憶部32は、生物素材に関する情報の取得に関する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム3Pを記憶する。プログラム3Pを含むコンピュータプログラム(コンピュータプログラム製品)は、当該コンピュータプログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体3Aにより提供されてもよい。需要者端末3のハードウェア構成は提供者端末2と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0034】
図5は、ユーザDB121に記憶される情報の内容例を示す図である。ユーザDB121は、本システムのユーザである提供者及び需要者に関する情報を記憶する。
【0035】
ユーザDB121には、例えば、ユーザIDをキーに、ユーザの種別、氏名、住所及び連絡先等の情報を紐付けたレコードが格納されている。ユーザIDは、ユーザを識別するための識別情報である。種別は、ユーザが提供者及び需要者のいずれであるかを示す情報である。連絡先は、ユーザの所有する提供者端末2又は需要者端末3の電話番号、メールアドレス、機器ID等を含んでもよい。
【0036】
ユーザDB121の情報は、例えば、提供者又は需要者が本システムを利用する際に、情報処理装置1にて提供される登録用の画面を介し、提供者又は需要者の登録操作を受け付けることによって収集される。
【0037】
図6は、利用DB122に記憶される情報の内容例を示す図である。利用DB122は、各ユーザによる本システムの利用状況に関する情報を記憶する。
【0038】
利用DB122には、例えば、ユーザIDをキーに、日時、内容、素材ID及び利用料等の情報を紐付けたレコードが格納されている。ユーザIDは、システムを利用したユーザのユーザIDである。日時は、ユーザの利用日時を表す。利用内容は、ユーザの利用内容を表す。利用内容には、例えば、成分分析の要求に対応する「成分分析」、マッチングの成立に対応する「マッチング成立」、課金を伴う情報の要求に対応する「詳細表示」等が含まれる。素材IDは、利用内容に対応する生物素材の素材IDである。利用料は、システムの利用に対する料金である。情報処理装置1は、提供者端末2又は需要者端末3を通じて新たな利用要求を受け付ける度、利用DB122に記憶する。
【0039】
図7は、素材DB123に記憶される情報の内容例を示す図である。素材DB123は、複数の生物素材それぞれについて、生物素材に関する各種情報を記憶する。
【0040】
素材DB123には、例えば、素材IDをキーに、素材情報、提供情報、成分情報及びマッチング希望情報等の情報を紐付けたレコードが格納されている。素材DB123にはさらに、成分分析の結果を示す分析レポート情報が記憶されていてもよい。素材IDは、生物素材を識別するための識別情報である。
【0041】
素材情報は、生物素材の属性を示す情報である。素材情報は、生物素材に関する基本的な情報を含んでもよい。素材情報は、例えば、ユーザID、素材名、品種、種類、産地、収穫時期、及び採取日等を含む。ユーザIDは、生物素材の提供者のユーザIDである。素材名は、素材の特定名称(商品名)又は総称であってもよい。採取日は、成分分析用のサンプルの採取日を表す。素材情報は、生物素材が食用であるか否か、生物素材の特徴、成分分析の要否等を示す情報を含んでもよい。
【0042】
提供情報は、生物素材と需要者とのマッチングに利用される情報であり、生物素材の提供者から受け付けた生物素材のマッチングに関する情報を含む。提供情報は、例えば、生物素材の供給可能量、希望取引価格、提供可能時期、及び商品画像等を含む。
【0043】
成分情報は、成分分析により得られた生物素材の成分に関する情報である。成分情報は、例えば、生物素材に含まれる一又は複数の成分(化合物)に対する、成分ID、成分名、含有量、及び分析日等を含む。成分IDは、成分を識別するための識別情報である。含有量は、生物素材中の成分含有量である。含有量は、定量的な情報であってもよく、定性的な情報(例えば、多、少等)であってもよい。分析日は、成分分析を実施した日時である。成分情報は、ピーク面積、同定方法等を示す情報を含んでもよい。
【0044】
マッチング希望情報は、需要者からの生物素材に対するマッチング希望に関する情報である。マッチング希望情報は、例えば、ユーザID、受付日、希望取引量、希望取引価格、希望時期等を含む。ユーザIDは、マッチングを希望する需要者のユーザIDである。受付日は、マッチング希望を受け付けた日時を表す。希望取引量、希望取引価格及び希望時期はマッチングの希望条件を表す。マッチング希望情報は、生物素材の送付を希望する地域、マッチング希望における備考等を示す情報を含んでもよい。
【0045】
例えば、素材情報及び提供情報は、情報処理装置1にて提供される画面を介し、提供者の入力操作を受け付けることによって収集される。成分情報は、分析装置4を通じて収集される。マッチング希望情報は、情報処理装置1にて提供される画面を介し、需要者の入力操作を受け付けることによって収集される。素材DB123の情報は随時更新される。
【0046】
図8は、機能DB124に記憶される情報の内容例を示す図である。機能DB124は、複数の成分それぞれについて、機能に関する情報を記憶する。
【0047】
機能DB124には、例えば、成分IDをキーに、成分名、構造情報、機能情報、機能性表示食品情報、文献情報、引用元等の情報を紐付けたレコードが格納されている。成分ID及び成分名は、成分情報における成分ID及び成分名と同様である。構造情報は成分の構造を表し、例えば構造式を含む。構造情報は、SMILES(Simplified Molecular Input Line Entry System)記法等に従って文字列として表現された構造式を含んでもよい。
【0048】
機能情報は、成分の有する機能を表す。機能としては、例えば抗菌作用、抗ウイルス作用、植物成長調節作用、抗酸化作用、抗疲労作用、抗糖化作用、血糖上昇抑制、血圧上昇抑制作用、殺虫作用、コレステロール上昇抑制作用、尿酸値上昇抑制作用、記憶力維持、血流改善作用、睡眠サポート、ストレス緩和、骨形成促進、脂肪抑制等が挙げられる。機能情報は、成分が有する機能の程度を示す情報を含んでもよい。機能の程度は、定量的な情報であってもよく、定性的な情報(例えば、強、弱等)であってもよい。
【0049】
機能性表示食品情報は、成分IDの成分を用いた機能性表示食品の商品名、機能性の表示文言、機能性関与成分の含有量、摂取目安量等を示す情報を含む。対象成分を用いた機能性表示食品が存在しない場合、機能性表示食品情報は登録されなくてもよい。文献情報は、成分の有する機能に関する記載を含む論文、文献等を表す。
【0050】
機能DB124の情報は、例えば論文、専門書、文献、無償データベース、有償データベース、Web情報、行政機関の提供する公開情報等に基づき収集されてもよい。機能DB124には、それら引用元を示す情報が記憶されてもてもよい。
【0051】
上述のユーザDB121、利用DB122、素材DB123及び機能DB124の情報は、ユーザID、素材ID及び成分IDの少なくとも1つに基づいて直接又は間接的に関連付けられている。
【0052】
以下、情報処理装置1が提供する具体的な画面例を用いて、本システムの処理の流れを説明する。
【0053】
図9は、提供者端末2に表示される分析依頼画面50の一例を示す模式図である。提供者端末2は、分析依頼画面50を通じて、提供者から成分分析の依頼を受け付ける。分析依頼画面50は、成分分析の対象となる生物素材の素材情報の登録用画面及び成分分析を依頼する提供者(依頼者)の提供者情報の登録用画面としても機能する。分析依頼画面50は、例えば画面上部に表示されるメニュー60のうちの「分析依頼」の選択に応じて表示される。メニュー60には、その他、「分析レポート」、「素材検索」、「チケット購入」等が含まれる。
【0054】
分析依頼画面50は、素材情報の入力を受け付ける素材情報入力欄501と、提供者情報の入力を受け付ける提供者情報入力欄502と、分析依頼を指定する依頼ボタン503とを含む。素材情報入力欄501は、分析依頼の対象となる生物素材の素材名、品種、種類、産地、収穫時期、採取日、食用可否、及び特徴等の素材情報の入力を受け付け可能に構成されている。
【0055】
提供者情報入力欄502は、分析を依頼する提供者の連絡先、氏名、会社名、電話番号、及び住所等の提供者情報の入力を受け付け可能に構成されている。提供者は、提供者端末2の操作部25を用いて、所望の情報を入力又は選択することが可能である。なお、過去に取得済みの提供者情報がユーザDB121に記憶されている場合には、提供者情報の入力の受け付けを省略してもよい。この場合、情報処理装置1は、アカウント情報を用いたログインを受け付けることにより提供者のユーザIDを取得し、取得したユーザIDに対応付けて記憶した提供者情報を提供者情報入力欄502に表示させてもよい。
【0056】
素材情報入力欄501及び提供者情報入力欄502に各種情報が入力され、依頼ボタン503が選択された場合、提供者端末2は、素材情報及び提供者情報の登録及び成分分析の要求を受け付ける。提供者端末2は、受け付けた情報を情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1は、受け付けた素材情報及び提供者情報を素材DB123及びユーザDB121それぞれに記憶するとともに、提供者の利用内容を利用DB122に記憶する。
【0057】
成分分析の依頼の受け付け後、提供者から送付される生物素材のサンプルを用いて、分析装置4により成分分析が行われる。成分分析は、本サービスの運営主体によって実施されてもよく、又は、運営主体から分析の委託等を受けた他者によって実施されてもよい。情報処理装置1は、分析装置4又は外部装置を通じて、生物素材に対する成分情報を取得する。情報処理装置1は、成分分析の対象となる生物素材の素材IDに対応付けて、取得した成分情報を素材DB123に記憶する。
【0058】
取得した成分情報に基づいて、生物素材に対する分析結果を示す分析レポートが生成される。情報処理装置1は、分析レポートを取得し、取得した分析レポートを表すレポート画面51を、成分分析を依頼した提供者の提供者端末2へ送信する。
【0059】
図10は、提供者端末2に表示されるレポート画面51の一例を示す模式図である。レポート画面51に表示される分析レポートには、分析対象の生物素材の内容を示す素材内容欄511と、分析結果の概要を示す概要欄512と、分析結果の詳細を示す詳細欄513とが含まれる。素材内容欄511には、例えば素材名、品種、種類、産地、収穫時期等を含む成分分析を実施した生物素材の素材情報と、分析日とが表示されている。
【0060】
概要欄512には、成分分析により検出された生物素材中の主な機能性成分及び当該機能性成分の有する機能の概要が表示されている。詳細欄513には、成分分析により検出された生物素材中の全成分及び各成分の有する機能の詳細が表示されている。詳細欄513は、概要欄512よりも多くの情報を表示可能に構成される。本実施形態では、一例として、生物素材中の主な機能性成分として、全機能性成分の中から生物素材中における含有量の多い順に所定数の機能性成分を選択するものとする。
【0061】
詳細欄513は、図10に示すように、一覧表の形式で全成分の分析結果を表示してもよい。一覧表には、項目として、成分名、含有量及び機能が表示されている。各成分の内容は、含有量が多いものから順に表示されている。一覧表の項目には、機能性成分に関する文献情報が含まれてもよい。
【0062】
各成分には、当該成分を用いた機能性表示食品の一覧を表示させるための「+」ボタン514が配置されている。「+」ボタン514が押下されることにより、特定の成分を用いた機能性表示食品の一覧が展開される。機能性表示食品の一覧は、例えば、表形式であり、項目として、商品名、機能性の表示文言、機能性関与成分の含有量、一日あたりの摂取目安量が表示される。
【0063】
分析レポートは、人手により作成されてもよく、情報処理装置1により自動で生成されてもよい。分析レポートを自動で生成する場合、情報処理装置1は、素材DB123及び機能DB124等に記憶する情報に基づいて、分析レポートを生成することができる。
【0064】
情報処理装置1は、例えば、素材DB123の成分情報を参照して、レポート作成対象の生物素材に含まれる成分の成分名及び含有量を取得する。情報処理装置1はさらに、機能DB124を参照して、各成分に対応する機能、機能性表示食品情報、文献情報等を取得する。情報処理装置1は、取得したそれら情報に基づいて、予め記憶する文書作成ルールに従い、主な機能性成分の成分名及び機能の概要を示す文章を作成して、概要欄512に表示させる。情報処理装置1はまた、全成分を含有量について降順にソートして、全成分の詳細を成分毎に上から下に並べた一覧表を作成して、詳細欄513に表示させる。
【0065】
なお、分析レポートは、提供者端末2の表示部24を通じて提供されるものに限らず、例えば印刷物として提供されてもよい。
【0066】
図10の例にて、レポート画面51は、生物素材のマッチング登録を希望する場合に指定する登録ボタン516を備え、提供者からのマッチング希望の受け付け機能を有する。提供者は、提供者端末2の操作部25を用いて、分析結果が得られた生物素材のマッチング登録を要求することが可能である。情報処理装置1は、提供者端末2を通じて登録ボタン516の選択を受け付けた場合、提供情報の入力を受け付けるための提供情報入力画面52を提供者端末2へ送信する。なお、マッチング登録の要求はレポート画面51を通じて受け付けるものに限らない。
【0067】
図11は、提供者端末2に表示される提供情報入力画面52の一例を示す模式図である。提供情報入力画面52は、素材情報を表示する素材情報表示欄521と、提供情報の入力を受け付ける提供情報入力欄522と、登録ボタン523とを含む。素材情報表示欄521は、マッチング登録の対象となる生物素材の素材名、素材ID等の素材情報を表示する。提供情報入力欄522は、マッチング登録の対象となる生物素材の供給可能量、希望取引価格、提供可能時期、及び商品画像等の提供情報の入力を受け付け可能に構成されている。提供者は、提供者端末2の操作部25を用いて、所望の情報を入力又は選択することが可能である。
【0068】
提供情報入力欄522に各種情報が入力され、登録ボタン523が選択された場合、提供者端末2は、提供情報の登録及びマッチング登録の要求を受け付ける。提供者端末2は、受け付けた情報を情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1は、マッチング登録の対象となる生物素材の素材IDに対応付けて、受け付けた提供情報を素材DB123に記憶する。
【0069】
情報処理装置1は、提供者から提供される複数の生物素材それぞれについて、上述の処理を実行して、生物素材に関する素材情報、成分情報及び提供情報を収集する。情報処理装置1は、需要者端末3から受け付けた検索要求に応じて、収集した情報を需要者端末3へ提供する。
【0070】
図12は、需要者端末3に表示される検索画面53の一例を示す模式図である。検索画面53は、検索条件の入力を受け付ける検索受付欄531と、検索結果を表示する結果表示欄532とを含む。検索受付欄531は、検索する生物素材に要求される機能又は成分の入力を受け付け可能に構成されている。検索受付欄531は、例えば、生物素材に関する検索キーワードを受け付ける入力ボックスと、検索要求の指示の入力を受け付ける検索ボタンとを備える。検索キーワードは、生物素材に対する検索条件であり、生物素材に要求される成分又は機能を表す。
【0071】
検索受付欄531は、成分又は機能の詳細条件をさらに受け付け可能に構成されていてもよい。検索受付欄531は、例えば、成分の含有量の範囲(含有度合い)、機能の程度を検索条件として受け付ける。
【0072】
需要者は、操作部25を用いて入力ボックスに成分又は機能入力することにより、所望の成分又は機能に該当する生物素材を検索することが可能である。需要者端末3は、受付欄を利用して需要者から受け付けた検索キーワードを情報処理装置1へ送信する。
【0073】
検索受付欄531は、検索条件を受け付け可能であれば構成は限定されず、例えば、予め設定される成分又は機能に応じたプルダウン式のメニューやチェックボックス等を用いて、検索条件を受け付けてもよい。成分及び機能の両方を検索条件として受け付けてもよい。
【0074】
結果表示欄532は、検索条件に適合する生物素材に関する情報を表示する。結果表示欄532は、要求された成分又は機能を有する生物素材に関する情報を一覧形式で表示する。図12では、検索条件として機能「抗酸化作用」が指定された場合の例を示す。結果表示欄532には、抗酸化作用を有する生物素材を成分ごとに分類して、一覧で表示する検索結果一覧536が含まれている。各成分には、当該成分を含む生物素材の一覧を表示させるための「+」ボタン533が配置されている。「+」ボタン533が押下されることにより、特定の成分を含む生物素材の一覧が展開される。
【0075】
生物素材の一覧は、例えば表形式の素材リスト534である。素材リスト534には、項目として、商品画像、素材名、産地、含有量、分析日、提供可能時期、供給可能量、及び希望取引価格が表示される。一覧表の項目は、品種、種類、収穫時期、その他の分析結果(例えばピーク面積、同定方法等)等を含んでもよい。
【0076】
なお、検索条件として特定の成分が指定された場合には、検索結果一覧536は、指定された成分を含む生物素材の一覧を表示するとよい。
【0077】
情報処理装置1は、需要者端末3から送信された成分又は機能を受信した場合、各種データベースの検索を実行し、受信した成分又は機能を有する生物素材を抽出する。例えば、機能として「抗酸化作用」が指定された場合、情報処理装置1は、機能DB124に記憶する情報に基づき、「抗酸化作用」が対応付けられた成分IDを特定する。機能の程度として「強」が指定された場合、情報処理装置1は、「抗酸化作用」及び「強」が対応付けられた成分IDを特定する。そして、情報処理装置1は、素材DB123に記憶する情報に基づき、特定した成分IDが対応付けられた素材IDの生物素材を抽出する。あるいは、例えば、成分として「リコピン」が指定された場合、情報処理装置1は、成分検索を省略して、素材DB123に記憶する情報に基づき「リコピン」が対応付けられた素材IDの生物素材を抽出する。含有量の範囲又は度合いが指定された場合、情報処理装置1は、リコピンの含有量が指定された範囲又は度合いを満たす成分IDを特定する。
【0078】
指定された条件に適合する生物素材数が予め設定される閾値以上抽出された場合には、指定された成分の含有量の多いもの、機能の程度の強いものから優先的に選択してもよい。情報処理装置1は、抽出した生物素材に関する情報を結果表示欄532に表示させる。
【0079】
本実施形態の素材リスト534は、ソート可能に構成されている。ユーザは、操作部25を用いてソート項目を選択することにより、表示される生物素材を所望の項目についてソートすることが可能である。ソート項目としては、例えば含有量、提供可能時期、供給可能量、及び希望取引価格等が挙げられる。
【0080】
情報処理装置1は、需要者端末3から送信されたソート項目を受信し、受信したソート項目について、降順に応じて生物素材をソートし、ソートされた生物素材を一覧表示する素材リスト534を需要者端末3へ提供する。なお、生物素材を降順でソートする例を説明したが、需要者がソート方法として、降順又は昇順を指定できるように構成してもよい。
【0081】
素材リスト534には、生物素材の詳細情報を表示させるためのアイコン535が配置されている。ユーザは、操作部25を用いてアイコン535を選択することにより、選択したアイコン535に対応する生物素材の詳細情報を確認することが可能である。
【0082】
情報処理装置1は、需要者端末3を通じて素材リスト534におけるいずれかのアイコン535の選択を受け付けた場合、選択されたアイコン535に対応する生物素材の詳細情報を表示させる素材詳細画面54を需要者端末3へ提供する。
【0083】
図13は、需要者端末3に表示される素材詳細画面54の一例を示す模式図である。素材詳細画面54は、生物素材の素材情報を表示する素材情報欄541と、提供情報を表示する提供情報欄542と、生物素材の成分及び機能に関する情報を表示する成分詳細欄543とが含まれる。素材詳細画面54は、生物素材の成分及び機能を示す需要者用の分析レポートに相当する。
【0084】
素材情報欄541には、例えば表示対象となる生物素材の素材名、品種、種類、産地、収穫時期、食用可否、特徴、及び分析日が表示されている。提供情報欄542には、例えば生物素材の画像、供給可能量、希望取引価格、提供可能時期が表示されている。
【0085】
成分詳細欄543には、生物素材における成分及び機能の詳細が表示されている。成分詳細欄543の構成は、提案欄515を含まないこと以外、図10の詳細欄513と同様であってもよい。
【0086】
情報処理装置1は、素材DB123及び機能DB124に記憶する情報に基づいて、表示対象の生物素材に対応付けられた各種データを読み出し、素材情報欄541、提供情報欄542及び成分詳細欄543に表示させる。
【0087】
素材詳細画面54は、マッチング希望を受け付けるためのマッチング希望ボタン546を備え、需要者からのマッチング希望の受け付け機能を有する。需要者は、操作部25を用いてマッチング希望ボタン546を選択することにより、素材詳細画面54に表示される生物素材に対するマッチング希望を登録することが可能である。
【0088】
情報処理装置1は、需要者端末3を通じてマッチング希望を受信した場合、マッチング希望情報を登録するマッチング希望画面55を需要者端末3へ提供する。なお、マッチング希望は素材詳細画面54又はレポート画面51を通じて受け付けるものに限らない。
【0089】
図14は、需要者端末3に表示されるマッチング希望画面55の一例を示す模式図である。マッチング希望画面55は、生物素材の素材情報を表示する素材情報表示欄551と、マッチング希望情報の入力を受け付けるマッチング希望入力欄552と、登録ボタン553とを含む。素材情報表示欄551は、マッチング希望の対象となる生物素材の素材名、素材ID等の素材情報を表示する。マッチング希望入力欄552は、マッチング希望の対象となる生物素材に対する希望取引量、希望取引価格、希望時期、希望送付地域、備考等のマッチング希望情報の入力を受け付け可能に構成されている。需要者は、需要者端末3の操作部35を用いて、所望の情報を入力又は選択することが可能である。
【0090】
需要者端末3は、マッチング希望画面55を通じて需要者からマッチング希望情報を受け付け、受け付けたマッチング希望情報を情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1は、需要者端末3からマッチング希望情報を受信し、受信したマッチング希望情報を素材DB123に記憶する。
【0091】
情報処理装置1はさらに、マッチング希望情報を受信した場合、マッチング希望を受け付けた旨を、マッチングが希望された生物素材の提供者へ報知する。情報処理装置1は、例えば、受信したマッチング希望情報を、マッチング希望された生物素材の提供者の提供者端末2へ送信する。
【0092】
情報処理装置1は、マッチングが成立したか否かを取得する。マッチングの成否は、例えば提供者端末2又は需要者端末3を通じて取得される。情報処理装置1は、マッチングの成否を素材DB123に記憶する。
【0093】
一連の処理において、情報処理装置1は、所定のイベントの発生に応じて、本システムの利用に係る利用料を発生させる。所定のイベントとしては、例えば、成分分析の実施、マッチングの成立等が挙げられる。利用料は、イベントの種類に応じて予め料金額が決定されていてもよい。情報処理装置1は、予め記憶するイベントの発生を示す情報を取得した場合、発生したイベントと料金との対応関係に基づいて、イベント内容に応じた利用料を算出する。情報処理装置1は、利用料の対象となる提供者又は需要者のユーザID、算出した利用料、利用日時、イベント内容(利用内容)、イベントの対象となる生物素材の素材ID等を対応付けて利用DB122へ記憶する。
【0094】
図15は、情報提供システム100が実行する成分情報の取得に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理装置1の制御部11及び提供者端末2の制御部21により実行される。
【0095】
提供者端末2の制御部21は、分析依頼画面50を通じて、成分分析の対象となる生物素材の素材情報と、成分分析を依頼する提供者の提供者情報とを含む成分分析の依頼を受け付ける(ステップS11)。制御部21は、提供者情報に代えて提供者のユーザIDを取得してもよい。制御部21は、取得した素材情報及び提供者情報を含む成分分析の依頼を情報処理装置1へ送信する(ステップS12)。
【0096】
情報処理装置1の制御部11は、素材情報及び提供者情報を含む成分分析の依頼を受信する(ステップS13)。
【0097】
制御部11は、分析依頼を受け付けた生物素材に対する成分分析により得られた成分情報を取得する(ステップS14)。成分情報には、生物素材に含まれる各成分の成分名及び含有量が含まれる。制御部11は、分析対象の生物素材に関する素材情報、成分情報、提供者情報、及び利用内容を関連付けて各種データベースに記憶する(ステップS15)。
【0098】
制御部11は、取得した成分情報における各成分に対応する機能情報、機能性表示食品情報、及び文献情報を取得する(ステップS16)。制御部11は、取得した機能情報、機能性表示食品情報、及び文献情報を機能DB124に記憶する(ステップS17)。機能DB124に記憶される機能と、素材DB123に記憶される素材情報及び成分情報とは、成分IDにより関連付けがなされている。なお、ステップS16及びステップS17の処理は、適宜のタイミングで実行されてよい。制御部11は、例えば、本システムの運用開始前に、多数の成分に対応する機能情報等を取得及び記憶することにより、予め機能DB124を構築していてもよい。
【0099】
制御部11は、生物素材に対する分析結果を示す分析レポートを取得する(ステップS18)。分析レポートには、生物素材の成分及び機能の概要情報、詳細情報等が含まれる。分析レポートは、素材DB123の成分情報及び機能DB124の機能情報等に基づいて、制御部11が自動で生成してもよい。制御部11は、取得した分析レポートを表示するレポート画面51を、成分分析を依頼した提供者の提供者端末2へ送信する(ステップS19)。
【0100】
提供者端末2の制御部21は、レポート画面51を受信し(ステップS20)、受信したレポート画面51を表示部24に表示する(ステップS21)。制御部21は、処理を終了する。
【0101】
上述の処理において、レポート画面51は分析結果の取得に応じて出力されるものに限らない。情報処理装置1は、提供者端末2からの要求に応じて、分析結果の取得後における任意のタイミングでレポート画面51を出力してもよい。
【0102】
図16は、情報提供システム100が実行する提供情報の取得に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理装置1の制御部11及び提供者端末2の制御部21により実行される。
【0103】
情報処理装置1の制御部11は、成分分析を実施した生物素材のマッチング登録を実行するか否かを判定する(ステップS31)。例えばレポート画面51における登録ボタン516の選択を受け付けていないことにより、マッチング登録を実行しないと判定した場合(S31:NO)、制御部11は、処理を終了する。制御部11は、マッチング登録が希望されなかったことを示す情報を素材DB123に記憶してもよい。
【0104】
例えばレポート画面51における登録ボタン516の選択を受け付けたことにより、マッチング登録を実行すると判定した場合(S31:YES)、制御部11は、提供情報の入力を受け付けるための提供情報入力画面52を提供者端末2へ送信する(ステップS32)。
【0105】
提供者端末2の制御部21は、提供情報入力画面52を受信し(ステップS33)、受信した提供情報入力画面52を表示部24に表示する(ステップS34)。制御部21は、提供者の操作に基づき、マッチング登録の対象となる生物素材に関する提供情報を受け付ける(ステップS35)。制御部21は、受け付けた提供情報を情報処理装置1へ送信する(ステップS36)。
【0106】
情報処理装置1の制御部11は、提供情報を受信する(ステップS37)。制御部11は、受信した提供情報を、マッチング登録の対象となる生物素材の素材IDに対応付けて、素材DB123に記憶する(ステップS38)。制御部11は、処理を終了する。
【0107】
図17は、情報提供システム100が実行する生物素材に関する情報の提供処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理装置1の制御部11及び需要者端末3の制御部31により実行される。
【0108】
需要者端末3の制御部31は、検索画面53を利用して、需要者の操作に基づき、生物素材に要求される機能又は成分を受け付ける(ステップS41)。制御部31は、生物素材に要求される機能の程度又は成分含有量の条件をさらに受け付けてもよい。制御部31は、例えば、需要者からのアカウント情報を用いたログインを受け付けた後、情報処理装置1から提供される検索画面53を取得し、表示部34に表示してもよい。制御部31は、受け付けた機能又は成分を情報処理装置1へ送信する(ステップS42)。
【0109】
情報処理装置1の制御部11は、生物素材に要求される機能又は成分を受信する(ステップS43)。制御部11は、データベースの検索を実行し、受信した成分又は機能に対応する一又は複数の生物素材を特定する(ステップS44)。制御部11は、所定のソート項目、例えば含有量、提供可能時期、供給可能量、希望取引価格に基づいて、複数の生物素材を含有量順、提供可能時期順、供給可能量順、又は希望取引価格順にソートする(ステップS45)。
【0110】
制御部11は、特定した生物素材に関する情報を表示する結果表示欄532を備える検索画面53を生成する(ステップS46)。結果表示欄532は、受信した成分又は機能に対応する複数の生物素材に関する情報を一覧で示す素材リスト534を含む。
【0111】
制御部11は、生成した結果表示欄532を備える検索画面53を、アカウント情報にて識別される需要者の需要者端末3へ送信する(ステップS47)。
【0112】
需要者端末3の制御部31は、検索画面53を受信し(ステップS48)、受信した検索画面53を表示部34へ表示する(ステップS49)。制御部31は、素材リスト534におけるいずれかの生物素材の選択を受け付ける(ステップS50)。制御部31は、選択された生物素材を示す情報を情報処理装置1へ送信する(ステップS51)。
【0113】
情報処理装置1の制御部11は、選択された生物素材を示す情報を受信する(ステップS52)。制御部11は、受信した生物素材を示す情報に応じて、選択された生物素材の詳細情報を表示する素材詳細画面54を生成する(ステップS53)。素材詳細画面54は、選択された生物素材に含まれる成分及び当該成分の有する機能を示す情報を含む。制御部11は、生成した素材詳細画面54を需要者端末3へ送信する(ステップS54)。
【0114】
需要者端末3の制御部31は、素材詳細画面54を受信し(ステップS55)、受信した素材詳細画面54を表示部34へ表示する(ステップS56)。制御部31は、処理を終了する。
【0115】
上述の処理において、情報処理装置1は、需要者端末3から送信されたソート項目を受信した場合、ステップS45~ステップS47の処理を繰り返し実行して、需要者によって指定されたソート項目について、生物素材をソートしてもよい。
【0116】
図18は、情報提供システム100が実行するマッチング希望情報の取得に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理装置1の制御部11及び需要者端末3の制御部31により実行される。
【0117】
需要者端末3の制御部31は、素材詳細画面54を利用して、需要者の操作に基づき、マッチング希望を受け付ける(ステップS61)。制御部21は、受け付けたマッチング希望を情報処理装置1へ送信する(ステップS62)。
【0118】
情報処理装置1の制御部11は、マッチング希望を受信する(ステップS63)。制御部11は、マッチング希望情報を登録するためのマッチング希望画面55を需要者端末3へ送信する(ステップS64)。
【0119】
需要者端末3の制御部31は、マッチング希望画面55を受信し(ステップS65)、受信したマッチング希望画面55を表示部34へ表示する(ステップS66)。制御部31は、提供者の操作に基づき、マッチング希望の対象となる生物素材に対するマッチング希望情報を受け付ける(ステップS67)。制御部21は、受け付けたマッチング希望情報を情報処理装置1へ送信する(ステップS68)。
【0120】
情報処理装置1の制御部11は、マッチング希望情報を受信する(ステップS69)。制御部11は、受信したマッチング希望情報を、マッチング希望の対象となる生物素材の素材IDに対応付けて、素材DB123に記憶する(ステップS70)。この場合において、制御部11は、アカウント情報にて識別される需要者のユーザIDをマッチング希望情報に含めて、素材DB123に記憶する。
【0121】
制御部11は、受信したマッチング希望情報を、マッチング希望された生物素材の提供者の提供者端末2へ送信する(ステップS71)。制御部11は、素材DB123を参照してマッチング希望情報に対応付けられる素材情報のユーザIDを特定し、特定したユーザIDの提供者の連絡先をユーザDB121から読み出す。制御部11は、読み出した連絡先をマッチング希望情報の送信先として設定する。
【0122】
制御部11は、マッチングが成立したか否かを判定する(ステップS72)。例えば提供者端末2又は需要者端末3を通じてマッチングが成立したことを示す情報を取得していないことにより、マッチングが成立していないと判定した場合(S72:NO)、制御部11は、処理を終了する。
【0123】
例えば提供者端末2又は需要者端末3を通じてマッチングが成立したことを示す情報を取得したことにより、マッチングが成立したと判定した場合(S72:YES)、制御部11は、マッチング成立に応じた利用料を算出する(ステップS73)。制御部11は、利用料の対象となる提供者又は需要者のユーザID、算出した利用料、利用内容等を対応付けて利用DB122へ記憶する(ステップS74)。制御部11は、算出した利用料を、利用料の対象となる提供者の提供者端末2又は需要者の需要者端末3へ送信してもよい。制御部11は、処理を終了する。
【0124】
本実施形態によれば、データベースに蓄積された多様な生物素材の成分及び機能に基づいて、需要者の希望に応じた素材に関する情報を需要者へ提供することができる。生物素材の探索効率の向上を図るとともに、提供する情報の有用性が向上される。
【0125】
提供される情報を利用してマッチングを行うことができるため、生物素材と需要者とのマッチングを好適に支援することができる。マッチングの機会を向上させることができ、マッチングの成功率向上につながる。需要者にとっては、希望する条件を満たした生物素材をより多く見出したいというニーズがある。販売者にとっても、より多くの需要者へ生物素材を紹介し、より多くの販路を見出したいというニーズがある。本システムによれば、そのようなニーズを満たすことができる。
【0126】
提供者及び需要者は分析レポートや検索結果画面を通じて、生物素材の成分及び機能を明確に認識することができる。システムを通じて分析結果を得ることができるため、分析手段を有さない提供者であっても、生物素材の成分や機能を把握することができる。システムにて成分分析を行うことで、有用性の高い情報提供が可能であるとともに、成分分析結果に対する信頼性が向上される。分析結果を提示することで、より専門的な観点から生物素材を探索する需要者においても、効率的に生物素材を見出すことができる。
【0127】
提供者及び需要者は、システムを通じて販売希望や購入希望、希望条件等を容易に登録することができるため、マッチングに要する時間やコストが削減される。
【0128】
(第2実施形態)
第2実施形態では、提供者又は需要者の課金に応じて提供する情報量を変化させる点が第1実施形態と異なる。以下の各実施形態では主に第1実施形態との相違点を説明し、その他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0129】
図19は、第2実施形態のレポート画面51の一例を示す模式図である。第2実施形態のレポート画面51により表示される分析レポートは、課金前において、その一部が視認不可能にマスク加工されている。情報処理装置1は、分析依頼に応じて分析レポートを取得すると、分析レポートにおける概要欄512を視認可能に示し、詳細欄513にマスク処理を施すことにより、分析レポートの一部を視認不可能な態様で示すレポート画面51を作成する。ここで、視認不可能とは、対象領域における表示内容を読み取ることができない状態であることを意味する。このように、分析レポートにおいて、分析結果の詳細はマスクされている一方で、分析結果の概要は視認可能に表示されている。情報処理装置1は、作成したレポート画面51を提供者端末2へ送信する。
【0130】
詳細欄513の更なる確認を希望する場合、提供者は、所定の課金手続きを行い、操作部25を用いて全表示ボタン517を選択することにより、詳細欄513のマスクを解除させることが可能である。情報処理装置1は、例えばメニュー60のうちの「チケット購入」を通じて課金手続きを受け付けてもよい。
【0131】
情報処理装置1は、課金処理の確認後、レポート画面51における全含有成分及び含有量の詳細を示す詳細欄513のマスクを解除する。情報処理装置1は、マスク解除後のレポート画面51(図10を参照)を提供者端末2へ送信する。
【0132】
情報処理装置1は、生物素材に関する情報の一部を視認不可能な態様で提供者へ提供してもよい。図20は、第2実施形態の検索画面53の一例を示す模式図である。第2実施形態の検索画面53における素材リスト534は、課金前において、その一部が視認不可能にマスク加工されている。情報処理装置1は、例えば、素材リスト534における複数項目のうちの一部の項目を視認可能に示し、他の項目にマスク処理を施す。図20の例では、商品画像、素材名、産地及びアイコン535がマスクされている。このように、素材リスト534において、生物素材を特定するための情報はマスクされている一方で、生物素材のスペックは視認可能に表示されている。
【0133】
情報処理装置1は、課金処理の確認後、素材リスト534におけるマスクを解除し、マスク解除後の素材リスト534を提供者端末2へ送信する。
【0134】
なお、提供者又は需要者へ提供する情報のうちの一部をマスクするものであれば、マスク処理の対象は上述の例に限られない。また、表示内容の一部を視認不可能にする方法は、図19及び図20のようなマスク処理に限られず、例えばぼかし、削除等の処理であってもよい。
【0135】
図21は、第2実施形態の情報処理装置1が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。以下では、分析レポートの一部をマスク処理する場合を例に挙げて処理手順を説明する。情報処理装置1は、例えば図15のステップS19の後、以下の処理を実行する。
【0136】
情報処理装置1の制御部11は、分析レポートを表示するレポート画面51を作成する(ステップS81)。制御部11は、作成したレポート画面51における詳細欄513を視認不可能にするマスク処理を実行する(ステップS82)。制御部11は、マスク処理後のレポート画面51を提供者端末2へ送信する(ステップS83)。提供者端末2は、マスク処理後のレポート画面51を表示部24に表示する。
【0137】
制御部11は、レポート画面51におけるマスクの解除を要求されたか否かを判定する(ステップS84)。例えば提供者端末2を通じて全表示ボタン517の選択を受け付けていないことにより、マスクの解除を要求されていないと判定した場合(S84:NO)、制御部11は、処理を終了する。
【0138】
例えば提供者端末2を通じて全表示ボタン517の選択を受け付けたことにより、マスクの解除を要求されたと判定した場合(S84:YES)、制御部11は、提供者による課金済みであるか否かを判定する(ステップS85)。課金履歴が記憶されていないことにより課金済みでないと判定した場合(S85:NO)、制御部11は、処理を終了する。
【0139】
課金履歴が記憶されていることにより課金済みであると判定した場合(S85:YES)、制御部11は、レポート画面51における詳細欄513のマスクを解除する(ステップS86)。制御部11は、マスク解除後のレポート画面51を提供者端末2へ送信し(ステップS87)、一連の処理を終了する。提供者端末2は、マスク解除後のレポート画面51を表示部24に表示する。
【0140】
本実施形態によれば、ユーザの課金に応じて提供する情報量を可変させることができるため、情報提供の自由度が向上する。提供者又は需要者は、必要な情報のみを選別して得ることができ、利便性が向上する。
【0141】
(第3実施形態)
第3実施形態では、言語処理モデルを用いて分析レポートを作成する点が第1実施形態と異なる。
【0142】
図22は、第3実施形態の情報処理装置1の構成を示すブロック図である。第3実施形態の情報処理装置1は、記憶部12に言語処理モデル125を記憶している。言語処理モデル125は、機械学習により生成されたモデルである。言語処理モデル125は、人工知能ソフトウェアの一部を構成するプログラムモジュールとしての利用が想定される。情報処理装置1は、言語処理モデル125を用いて分析レポートを自動で作成する。以下では、一例として提供者用の分析レポートを作成する場合を説明するが、言語処理モデル125を用いて作成される分析レポートは、需要者用の分析レポート、すなわち素材詳細画面54の画面情報であってもよい。情報処理装置1は、言語処理モデル125を用いて検索結果一覧536を自動で作成してもよい。
【0143】
言語処理モデル125は、生物素材の成分情報を入力として、当該成分情報に応じた分析レポートを出力する。言語処理モデル125としては、例えば、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、Transformer、GPT(Generative Pre-trained Transformer)-3、GPT-4、LLaMA(Large Language Model Meta AI)、PaLM(Pathways Language Model)2等を用いることができる。上記モデルは、大規模な文章群による教師なし事前学習を行うことにより構築された汎用自然言語処理モデルである。
【0144】
言語処理モデル125は、生物素材の成分情報の入力を受け付ける入力層と、当該成分情報の特徴量を抽出する中間層(隠れ層)と、分析レポートを出力する出力層とを有する。Transformerモデルでは、中間層にAttention層を備え、文全体における単語の位置を抽出することができる。なお、自然言語処理モデルは、公知の技術であるためこれ以上の詳細な説明を省略する。
【0145】
情報処理装置1は、事前学習済みの言語処理モデル125に対し、機能DB124及び素材DB123から抽出したデータ群を関連情報として成分情報に挿入した入力データを与えて、分析レポートを生成させてもよい。関連情報として言語処理モデル125へ入力されるデータ群には、例えば機能情報、機能性表示食品情報、文献情報、素材情報、提供情報等が含まれてもよい。
【0146】
情報処理装置1は、分析レポートの作成に際し、分析レポートの作成対象となる生物素材の素材ID及び成分IDをキーとして機能DB124及び素材DB123の検索を実行し、作成対象となる生物素材に対応する関連情報を抽出する。情報処理装置1は、作成対象となる生物素材に対応する関連情報の参照先(格納先)を入力してもよい。情報処理装置1は、抽出した関連情報を成分情報に対応付けて言語処理モデル125に入力することにより、言語処理モデル125から出力される分析レポートを取得する。このように、一般に公開されているデータを事前学習した言語処理モデル125に対し、独自に収集したデータを関連情報として入力することで、品質の良い分析レポートを出力することができる。
【0147】
情報処理装置1はまた、事前学習済みの言語処理モデル125を、素材DB123及び機能DB124に記憶する情報を用いてファインチューニングしてもよい。情報処理装置1は、成分情報と、当該成分情報に対する分析レポートとを対応付けた訓練データを用いて、事前学習済みの言語処理モデル125をファインチューニングしてもよい。一般に公開されている大量のデータを事前学習した言語処理モデル125を、情報提供システム100に関して独自に収集した特有のデータを用いてファインチューニングすることにより、品質の良い分析レポートを出力することができる。
【0148】
なお言語処理モデル125は、情報処理装置1の記憶部12に記憶する構成に代えて、情報処理装置1が外部の言語処理サーバ等に記憶された言語処理モデル125にアクセスして読み出す構成であってもよい。
【0149】
言語処理モデル125の構成は上述の例に限定されるものではない。言語処理モデル125は、成分情報に応じた分析レポートを生成可能であればよい。言語処理モデル125は、例えばRNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)等の他の学習アルゴリズムを用いてもよい。
【0150】
図23は、第3実施形態の情報提供システム100が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。第1実施形態の図15と共通する処理については同一のステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0151】
提供者端末2の制御部21は、ステップS11~ステップS12と同様の処理を実行して、分析依頼を送信する。
【0152】
情報処理装置1の制御部11は、ステップS13~ステップS17と同様の処理を実行して、分析依頼を受け付けた生物素材に関する成分情報、機能情報等を取得及び記憶する。
【0153】
制御部11は、生物素材の成分情報を言語処理モデル125に入力する(ステップS91)。制御部11は、言語処理モデル125から出力される分析レポートを取得する(ステップS92)。情報処理装置1の制御部11及び提供者端末2の制御部21は、以降、ステップS19~ステップS21と同様の処理を実行して、言語処理モデル125により得られた分析レポートを示すレポート画面を提供する。
【0154】
本実施形態によれば、言語処理モデル125を用いて、容易且つ精度よく分析レポートを生成することができる。成分情報とともに機能情報を入力要素とすることで、成分情報に応じたより適切な分析レポートを得ることができる。
【0155】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
提供者から提供される複数の生物素材それぞれについて、生物素材の素材情報と、前記生物素材に対する成分分析により得られた成分情報と、前記成分情報に対応する機能とを取得し、
取得した前記素材情報、前記成分情報及び前記機能を関連付けて記憶し、
需要者から成分又は機能を受け付け、
記憶した複数の生物素材に係る前記素材情報、前記成分情報及び前記機能に基づいて、複数の生物素材のうち、受け付けた前記成分又は機能に対応する生物素材を特定し、
特定した生物素材に関する情報を前記需要者に出力する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
(付記2)
前記提供者又は前記需要者から前記生物素材と需要者とのマッチングの希望を受け付け、
受け付けたマッチング希望に関する情報を前記生物素材の前記素材情報に関連付けて記憶する
付記1に記載の情報処理方法。
(付記3)
前記生物素材における前記成分情報及び前記機能を示すレポートを取得し、
取得した前記レポートを前記提供者又は前記需要者に出力する
付記1又は付記2に記載の情報処理方法。
(付記4)
前記レポートにおける前記生物素材の全含有成分及び各成分の含有量の少なくとも一部を視認不可能にする
付記3に記載の情報処理方法。
(付記5)
前記成分情報に基づいて、言語処理モデルを用いて前記レポートを生成する
付記3又は付記4に記載の情報処理方法。
(付記6)
前記生物素材に対する成分分析の実施に応じた利用料を決定し、
決定した利用料を前記生物素材の提供者に関連付けて記憶する
付記1から付記5のいずれか1つに記載の情報処理方法。
(付記7)
前記生物素材に関する提供可能量、提供可能時期又は価格の少なくとも1つを前記提供者から取得し、
取得した前記生物素材に関する提供可能量、提供可能時期又は価格の少なくとも1つを前記素材情報に関連付けて記憶する
付記1から付記6のいずれか1つに記載の情報処理方法。
(付記8)
前記生物素材に関する情報を示す画面を通じて前記需要者から前記生物素材に対するマッチング希望を受け付ける
付記1から付記7のいずれか1つに記載の情報処理方法。
(付記9)
前記生物素材と前記需要者とのマッチングが成立した場合、前記生物素材の提供者又は前記需要者に対する利用料を決定する
付記1から付記8のいずれか1つに記載の情報処理方法。
(付記10)
前記生物素材に関する情報を示す画面における前記生物素材の名称の少なくとも一部を視認不可能にする一方、前記生物素材に含まれる成分の含有量、提供可能量、提供可能時期及び価格の少なくとも1つを視認可能にする
付記1から付記9のいずれか1つに記載の情報処理方法。
(付記11)
前記需要者から受け付けた成分又は機能に対応する複数の前記生物素材を特定し、
特定した複数の前記生物素材を前記生物素材に関する情報を示す画面に一覧で表示させる
付記1から付記10のいずれか1つに記載の情報処理方法。
(付記12)
前記生物素材に関する情報は、前記生物素材の成分含有量、提供可能時期、供給可能量又は希望取引価格を含み、
前記成分含有量、提供可能時期、供給可能量又は希望取引価格に応じて前記画面に一覧で表示される複数の生物素材をソートする
付記11に記載の情報処理方法。
(付記13)
一覧で表示された複数の前記生物素材のうちのいずれかの前記生物素材の選択を受け付け、
受け付けた前記生物素材の成分及び機能を含む詳細情報を前記需要者へ出力する
付記11又は付記12に記載の情報処理方法。
(付記14)
前記生物素材は、植物、キノコ、動物、微生物、農作物、水産物、畜産物、加工食品、発酵物、廃材、間伐材、食品廃棄物の少なくとも1つを含む
付記1から付記13のいずれか1つに記載の情報処理方法。
【0156】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
各実施形態に示すシーケンスは限定されるものではなく、矛盾の無い範囲で、各処理手順はその順序を変更して実行されてもよく、また並行して複数の処理が実行されてもよい。各処理の処理主体は限定されるものではなく、矛盾の無い範囲で、各装置の処理を他の装置が実行してもよい。
【0157】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0158】
100 情報提供システム
1 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入出力部
121 ユーザDB
122 利用DB
123 素材DB
124 機能DB
125 言語処理モデル
1P プログラム
1A 記録媒体
2 提供者端末
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 表示部
25 操作部
2P プログラム
2A 記録媒体
3 需要者端末
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 表示部
35 操作部
3P プログラム
3A 記録媒体
【要約】
【課題】素材の探索に有用な情報を提供することが可能な情報処理方法等を提供する。
【解決手段】情報処理方法は、提供者から提供される複数の生物素材それぞれについて、生物素材の素材情報と、前記生物素材に対する成分分析により得られた成分情報と、前記成分情報に対応する機能とを取得し、取得した前記素材情報、前記成分情報及び前記機能を関連付けて記憶し、需要者から成分又は機能を受け付け、記憶した複数の生物素材に係る前記素材情報、前記成分情報及び前記機能に基づいて、複数の生物素材のうち、受け付けた前記成分又は機能に対応する生物素材を特定し、特定した生物素材に関する情報を前記需要者に出力する処理をコンピュータが実行する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23